JPWO2017056216A1 - 音声信号生成装置、音声信号生成方法、及び、プログラム - Google Patents

音声信号生成装置、音声信号生成方法、及び、プログラム Download PDF

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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G5/00Tone control or bandwidth control in amplifiers
    • H03G5/16Automatic control

Abstract

再生音量が小さい場合でも再生音の音質を改善することが可能な音声信号生成装置を提供する。
音声信号生成装置(10)では、入力された音声信号(X(t))から、その立ち上がりを示す立ち上がり信号(Edge(t))が生成される。そして、入力された音声信号(X’(t))と立ち上がり信号(Edge(t))とが、再生音量(Vol)に応じて合成される(19,14)。好適には、再生音量(Vol)が小さいほど、立ち上がり信号(Edge(t))を音声信号(X’(t))に合成する合成量を大きくする。

Description

本発明は、音声信号を高音質で再生する技術に関する。
音声信号を再生する際、大音量で再生すると輪郭がはっきりとした良い音に聞こえるが、小音量で再生すると輪郭がぼやけ、粒立ち感(メリハリ)が低下してしまうことがある。これを改善するため、小音量時の音質補正機能として、いわゆるラウドネス(LOUDNESS)機能が知られている(例えば、特許文献1を参照)。しかし、ラウドネス機能は再生音量に応じて定常的に特定周波数帯域の振幅を補正する技術であるため、特に音声信号の立ち上がりに着目して補正を行うものではない。
一方、特許文献2は、1又は数サンプル前のデータとの差分を算出し、差分が大きいほど大きく値を増大させることで、音のアタック(立ち上がり)を補正する手法を記載している。これにより、特許文献2は、立ち上がりに対する応答性の高くないスピーカでも立ち上がりの劣化を抑制している。
特開2006−174084号公報 特開2010−219836号公報
しかし、特許文献2では、音声信号の再生音量によらずに一定の強調を行っている。このため、再生音量が小さいときに補正が不十分となったり、再生音量が大きいときに必要以上に補正がなされてしまうことがある。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが例として挙げられる。本発明は、再生音量が小さい場合でも再生音の音質を改善することが可能な音声信号生成手法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、音声信号生成装置であって、音声信号を入力する入力手段と、前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成手段と、前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成手段と、を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、音声信号生成装置により実行される音声信号生成方法であって、音声信号を入力する入力工程と、前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成工程と、前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成工程と、を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、コンピュータを備える音声信号生成装置により実行されるプログラムであって、音声信号を入力する入力手段、前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成手段、前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
音声信号を再生した際の聴感上の印象を模式的に示す。 第1実施例に係る音声信号生成装置の構成を示す。 立ち上がり信号の合成比率、及び、歪低減処理の効果を示す。 立ち上がり強調処理の効果を説明するための図である。 第1実施例による立ち上がり強調処理のフローチャートである。 第2実施例に係る音声信号生成装置の構成を示す。 第2実施例による効果を説明する図である。 第2実施例による立ち上がり強調処理のフローチャートである。
本発明の好適な実施形態では、音声信号生成装置は、音声信号を入力する入力手段と、前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成手段と、前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成手段と、を有する。
上記の音声信号生成装置では、入力された音声信号から、その立ち上がりを示す立ち上がり信号が生成される。そして、入力された音声信号と立ち上がり信号とが、再生音量に応じて合成される。これにより、再生音量に応じて適切な比率で立ち上がり信号が音声信号に合成されるため、再生音量に拘わらず再生音の音質を改善することができる。
上記の音声信号生成装置の一態様では、前記立ち上がり信号は、前記入力手段で入力された音声信号と、当該音声信号を低域通過フィルタで処理した信号とに基づいて生成される。この態様では、音声信号と、その音声信号を低域通過フィルタにより処理した信号とにより立ち上がり信号を生成する。
上記の音声信号生成装置の他の一態様では、前記立ち上がり信号は、前記入力手段で入力された音声信号と、当該音声信号を高域通過フィルタで処理した信号とに基づいて生成される。この態様では、音声信号と、その音声信号を高域通過フィルタにより処理した信号とにより立ち上がり信号を生成する。
上記の音声信号生成装置の他の一態様では、前記立ち上がり信号の大きさが閾値未満である場合、前記合成手段は、前記立ち上がり信号の大きさに応じて、前記音声信号への前記立ち上がり信号の合成量を変化させる。この態様では、立ち上がり信号の大きさが閾値未満である場合でも、立ち上がり信号が音声信号に合成される。好適には、前記立ち上がり信号の大きさが閾値未満である場合、前記合成手段は、前記立ち上がり信号が小さくなるにつれて、前記音声信号への前記立ち上がり信号の合成量を小さくする。
上記の音声信号生成装置の他の一態様は、前記入力手段により入力された音声信号の大きさを検出する検出手段を更に備え、前記合成手段は、前記検出された音声信号の大きさに応じて、前記閾値の値を変更する。この態様では、入力された音声信号の大きさに応じて閾値の値が変更されるので、入力された音声信号の元々のレベルに拘わらず、立ち上がり信号を正しく生成することができる。好適には、前記合成手段は、前記検出手段で検出された音声信号の大きさが小さくなるにつれて、前記閾値を小さくする。
本発明の他の好適な実施形態では、音声信号生成装置により実行される音声信号生成方法は、音声信号を入力する入力工程と、前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成工程と、前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成工程と、を有する。この方法によっても、再生音量に応じて適切な比率で立ち上がり信号が音声信号に合成されるため、再生音量に拘わらず再生音の音質を改善することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、コンピュータを備える音声信号生成装置により実行されるプログラムは、音声信号を入力する入力手段、前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成手段、前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成手段、として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上述の音声信号生成装置を実現することができる。このプログラムは、記録媒体に記録して取り扱うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[基本概念]
音声信号を再生する際、再生音量が小さいと、再生音の輪郭やメリハリが失われる傾向がある。図1は、音声信号を再生した際の聴感上の印象を模式的に示す。図1(A)は、音声信号の再生音の電気特性(波形)を示す。波形C1は、矩形の波形を有する音声信号を大音量で再生した場合の再生音の電気特性を示し、波形C2は、矩形の波形を有する音声信号を小音量で再生した場合の再生音の電気特性を示す。
図1(B)は、このように矩形の波形を有する音声信号、即ち、立ち上がりや立ち下がりを有する再生音を大音量と小音量とで再生した場合のユーザによる聴感印象イメージを示す。再生音が大音量の場合は、波形C3に示すように、ユーザによる聴覚上の印象も音の輪郭、即ち、立ち上がりや立ち下がりを明確に感じることができる。一方、再生音が小音量の場合には、波形C4に示すように、ユーザの聴感上の印象では再生音の立ち上がりや立ち下がりがなまったように感じられる。これにより、聴覚上、再生音の輪郭やメリハリが低下する。そこで、以下の実施例では、波形C5に示すように、再生音の立ち上がりを強調する処理(以下、「立ち上がり強調処理」とも呼ぶ。)を行うことで、再生音が小音量の場合でも、大音量の場合と同様にメリハリの利いた音質を得られるようにする。
[第1実施例]
図2は、第1実施例に係る音声信号生成装置の構成を示す。音声信号生成装置10は、フィルタ11と、ディレイ12と、加算器13〜14と、スイッチ15と、絶対値演算器16と、増幅器17〜19と、を備える。絶対値演算器16及び増幅器17〜18は、後述する歪低減ブロックBKを構成している。なお、以下の説明では、本実施例の立ち上がり強調処理の理解を容易にするため、入力信号X(t)は波形W1のような矩形波であると仮定する。
入力信号X(t)は、フィルタ11及びディレイ12に供給される。フィルタ11は、ハミング窓を用いたFIRフィルタにより構成される低域通過フィルタであり、入力信号X(t)の低域成分を抽出する。よって、フィルタ11の出力は、入力信号X(t)の立ち上がり及び立ち下がりがなまった波形W2を有する信号Blur(t)となる。信号Blur(t)は、加算器13に供給される。
一方、ディレイ12は、フィルタ11の処理により入力信号X(t)に与えられる遅延量と同一の遅延量だけ入力信号X(t)を遅延させた入力信号X’(t)を生成し、加算器13及び14に供給する。即ち、ディレイ12は、フィルタ11により生成された信号Blur(t)と入力信号X(t)との時間軸を合わせるために設けられている。
加算器13は、入力信号X’(t)から信号Blur(t)を減算して信号Edge(t)を生成し、スイッチ15、絶対値演算器16及び増幅器18に供給する。入力信号X’(t)から信号Blur(t)を減算して得られる信号Edge(t)は、波形W3に示すように、元の入力信号X(t)の立ち上がり及び立ち下がりの位置にピークを有する信号となる。このように、信号Edge(t)は、入力信号X(t)の立ち上がりを示す信号であり、本発明の立ち上がり信号に相当する。また、加算器13は本発明の立ち上がり信号生成手段に相当する。
スイッチ15は、入力端子T1及びT2を有する。スイッチ15は、信号Edge(t)の絶対値が所定の閾値TH以上である場合に入力端子T1を選択し、立ち上がり信号Edge(t)の絶対値が閾値TH未満である場合に入力端子T2を選択する。なお、第1実施例では、閾値THは固定値に設定されている。
さて、上記のように、信号Edge(t)は入力信号X(t)の立ち上がり及び立ち下がりを示す信号であるので、信号Edge(t)の絶対値が閾値TH以上である場合、その位置を入力信号X(t)の立ち上がりであると判定することができる。
信号Edge(t)の絶対値が閾値TH以上である場合、信号Edge(t)はスイッチ15を介して増幅器19に供給される。増幅器19は、再生音量Volに連動する可変増幅器である。増幅器19は、再生音量Volに応じた増幅度eff1で信号Edge(t)を増幅し、信号Add(t)として加算器14へ供給する。具体的には、増幅部19は、再生音量Volが大きいときは増幅度eff1を小さくするとともに、再生音量が小さくなるほど増幅度eff1を大きくする。なお、再生音量Volは、入力信号X(t)を再生する際の再生音量を示しており、典型的には図示しない入力部などを用いてユーザにより設定される。但し、例えばALC(オートマティック・サウンド・レベライザー=自動音量調整機能)等の機械的な音量制御を採用している装置においては、その音量制御により自動的に設定される。
増幅部19は、再生音量Volに応じた増幅度eff1で信号Edge(t)を増幅するため、信号Add(t)は、再生音量に応じて信号Edge(t)の立ち上がり位置にあるピーク(波形W3参照)のレベル(以下、「ピークレベル」とも呼ぶ。)が調整された信号となる。即ち、再生音量が大きい場合には信号Edge(t)のピークレベルはあまり大きくならず、再生音量が小さい場合には信号Edge(t)のピークレベルが大きくなる。これにより、再生音量Volが小さい場合には、大きなピークレベルを有する信号Add(t)が加算器14へ供給される。
加算器14は、入力信号X’(t)に信号Add(t)を加算し、出力信号Y(t)として出力する。これにより、波形W4に示すように、出力信号Y(t)は入力信号X’(t)のピークレベル、即ち、立ち上がり及び立ち下がりのレベルが増大された信号となる。ここで、上述のように、増幅器19は再生音量Volが小さいほど大きな増幅度eff1で信号Edge(t)を増幅するため、出力信号Y(t)は再生音量Volが小さいほど立ち上がり及び立ち下がりが強調された信号となる。この立ち上がり強調処理により、再生音量Volが小さいときでも、輪郭やメリハリを強調した音を再生することが可能となる。なお、加算器14は本発明の合成手段に相当する。
次に、歪低減ブロックBKについて説明する。上記のように、スイッチ15の端子T1側の動作では、信号Edge(t)の絶対値が閾値TH以上である場合は立ち上がり信号Edge(t)が入力信号X’(t)に合成されるが、信号Edge(t)が閾値TH未満の場合には信号Edge(t)は入力信号X’(t)に加算されない。しかし、信号Edge(t)が閾値TH未満の場合に信号Edge(t)が全く入力信号X’(t)に加算されないこととすると、信号Edge(t)が閾値THを超えた場合と超えない場合の差異が大きくなり、信号の不連続性が大きくなるため、聴感上歪感(ざらつき、ノイズなど)が生じてしまう。そこで、スイッチ15の端子T2側に歪低減ブロックBKを設けて歪低減処理を行うことにより、そのような歪感を低減する。
歪低減ブロックBKにおいて、絶対値演算器16は、信号Edge(t)の絶対値を演算して増幅器17へ供給する。増幅器17は、絶対値演算器16の出力を、閾値THに基づいて「1/TH」倍に増幅して増幅器18へ供給する。増幅器18は可変増幅器であり、増幅器17からの信号を増幅度eff2で増幅して、スイッチ15の端子T2へ出力する。ここで、絶対値演算器16及び増幅器17の構成により、増幅度eff2は以下の式で与えられることになる。
eff2=|Edge(t)|/TH (1)
図3(A)は、加算器14により信号Edge(t)が入力信号X’(t)に加算される割合(以下、「合成比率」と呼ぶ。)を示す。なお、図3(A)において、横軸は信号Edge(t)の絶対値を示し、縦軸は合成比率を示す。増幅度eff1は増幅器19の増幅度であり、前述のように再生音量Volに応じて決定される。
信号Edge(t)の絶対値が閾値TH以上である場合、上述のように信号Edge(t)は合成比率eff1で入力信号X’(t)に加算される。一方、信号Edge(t)の絶対値が閾値TH未満である場合、信号Edge(t)は増幅器18の増幅度eff2と増幅器19の増幅率eff1の積(即ち、「eff2・eff1」)を合成比率として入力信号X’(t)に加算される。ここで、信号Edge(t)の絶対値が閾値TH未満である場合、上記の式(1)においてeff2<1となるので、信号Edge(t)の合成比率「eff2・eff1」は、合成比率eff1より小さく、かつ、信号Edge(t)の絶対値に比例した値となる。これにより、信号Edge(t)の絶対値が閾値TH未満である場合でも、合成比率eff1より小さく、かつ、信号Edge(t)の絶対値に比例した合成比率で信号Edge(t)が入力信号X’(t)に加算されることになる。このように、歪低減ブロックBKでは、信号Edge(t)の絶対値が閾値TH未満の場合であっても、信号Edge(t)の絶対値に応じた合成比率で信号Edge(t)を入力信号X’(t)に合成することにより歪を低減している。
次に、歪低減ブロックBKの処理による効果について説明する。まず、歪低減ブロックBKによる歪低減処理を行わなかった場合と行った場合とで、再生音を視聴したところ、歪低減処理を行わなかった場合は再生音に歪が感じられたが、歪低減処理を行った場合は、歪は感じられず、入力信号の立ち上がりが適切に補正されていることが確認された。
また、歪低減処理の効果を定量的に確認するために、入力信号として正弦波を用いて、全高調波歪(THD:Total Harmonic Distortion)を算出した結果を図3(B)に示す。図示のように、いずれの周波数でも、歪低減処理を行った場合の方が、行わない場合よりも全高調波歪の値が小さくなっていることが確認された。このように、歪低減処理により、再生音量が小さい場合でも、歪感なく適切に音質改善が可能であることが確認された。
図4は、第1実施例の音声信号生成装置による立ち上がり強調処理の効果を説明するための図である。具体的に、図4は、ある信号に、既知のラウドネス処理を適用した場合と、第1実施例による立ち上がり強調処理を適用した場合の波形の例を示す。図4において、横軸は時間を示し、縦軸は信号のレベルを示す。また、図中のグレーのエリアは元信号を示し、実線は第1実施例による立ち上がり強調処理により強調された成分を示し、破線はラウドネス処理により強調された成分を示す。図から理解されるように、ラウドネス処理により強調された成分は信号全体にわたって存在するのに対し、第1実施例の立ち上がり強調処理により強調された成分は、符号Xで示すように、元信号の立ち上がり部分のみに発生している。これにより、第1実施例の立ち上がり強調処理では、入力信号の立ち上がり部分のみを適切に強調できていることが理解される。
図5は、第1実施例における立ち上がり強調処理のフローチャートである。入力信号X(t)が入力されると、フィルタ11は入力信号X(t)をフィルタリングし、信号Blur(t)を生成する(ステップS11)。次に、加算器13は入力信号X’(t)から信号Blur(t)を減算することにより、立ち上がり成分を抽出して信号Edge(t)を生成する(ステップS12)。
次に、信号Edge(t)の絶対値が所定の閾値TH以上であるか否かが判定される(ステップS13)。信号Edge(t)の絶対値が閾値TH以上である場合(ステップS13:Yes)、処理はステップS15へ進む。一方、信号Edge(t)の絶対値が閾値TH未満である場合(ステップS13:No)、歪低減ブロックBKにおいて、信号Edge(t)に増幅器18の増幅度eff2が乗算されて信号Edge(t)が再計算され、処理はステップS15へ進む。
ステップS15では、増幅器19の増幅度eff1が乗算された信号Edge(t)が加算器14により入力信号X’(t)に合成され、出力信号Y(t)として出力される(ステップS16)。こうして、入力信号X(t)の再生音量に応じた合成比率で立ち上がり成分が入力信号X’(t)に加算され、出力信号Y(t)として出力される。
[第2実施例]
第1実施例においては、スイッチ15の切替えに使用する閾値THを固定値としていた。しかし、閾値THを固定値とすると、入力信号X(t)の立ち上がりのレベル(振幅)が閾値TH未満の場合、正しく立ち上がりとして検出されなくなってしまう。即ち、入力信号X(t)の元々のレベルが小さいと、立ち上がりの部分でもレベルが閾値TH未満となってしまい、入力信号X(t)の立ち上がりを正しく検出することができなくなってしまう。そこで、第2実施例では、閾値THを入力信号X(t)のレベルに応じて変化させることとした。なお、この点以外は、第2実施例は第1実施例と同様である。
図6は、第2実施例に係る音声信号生成装置の構成を示す。第2実施例に係る音声信号生成装置10xは、絶対値演算器21と増幅器22が追加されている点以外は、第1実施例に係る音声信号生成装置10と同様の構成を有する。
絶対値演算器21には入力信号X(t)が入力され、入力信号X(t)の絶対値|X(t)|が増幅器22に出力される。なお、絶対値演算器21は本発明の検出手段に相当する。
増幅器22には、固定値である閾値THが入力されている。増幅器22は、絶対値演算器21から供給される絶対値|X(t)|に応じて閾値THを変化させる。具体的に、増幅器22から出力される閾値TH2は、以下の式で与えられる。
TH2=TH×|X(t)| (2)
即ち、入力信号X(t)のレベルが大きいほど閾値TH2は大きくなり、入力信号X(t)のレベルが小さいほど閾値TH2は小さくなる。この閾値TH2は、スイッチ15の切替えの判定に使用される。
このように、閾値THを入力信号X(t)のレベルに比例して変化させることにより、入力信号X(t)の録音レベルが小さいような場合でも、入力信号X(t)の立ち上がりを適切に検出し、強調することが可能となる。
図7は、第2実施例による効果を説明する図であり、入力信号波形の例を示している。図7(A)、7(B)は、第1実施例のように閾値THを固定値とした場合を示し、図7(C)、7(D)は、第2実施例により閾値TH2を入力信号のレベルに比例させた場合を示す。なお、図7(A)〜7(D)において、閾値TH及びTH2を破線で示す。
閾値THを固定値とした場合、図7(A)の例のように入力信号のレベルが大きければ閾値THにより正しく立ち上がりが検出されるが、図7(B)の例のように入力信号のレベルが小さいと、立ち上がりのレベルが閾値THを超えず、立ち上がりを正しく検出することができなくなる。
これに対し、第2実施例では、閾値TH2を入力信号のレベルに比例させるため、図7(C)の例のように入力信号のレベルが大きい場合のみならず、図7(D)の例のように入力信号レベルが小さい場合でも、それに応じて閾値TH2も小さくなるため、正しく立ち上がりを検出することができる。これにより、入力信号の録音レベルの影響を受けることなく、適切に立ち上がり強調処理を行うことが可能となる。
図8は、第2実施例による立ち上がり強調処理のフローチャートである。第2実施例による立ち上がり強調処理は、ステップS13xにおいて、立ち上がり信号Edge(t)の絶対値との比較に、入力信号レベルに比例する閾値TH2を用いる点以外は、第1実施例と同様である。よって、これ以外の説明は省略する。
[変形例]
上記の実施例では、低域通過フィルタとして機能するフィルタ11をFIRフィルタとして構成しているが、その代わりに、フィルタ11をIIRフィルタで構成してもよい。
また、上記の実施例では、低域通過フィルタであるフィルタ11により入力信号X(t)から低域成分を抽出して、入力信号X(t)の波形をなまらせた信号Blur(t)を生成している。その代わりに、フィルタ11を高域通過フィルタとして構成し、入力信号X(t)から高域成分を抽出することにより、入力信号X(t)の波形をなまらせた信号Blur(t)を生成することとしてもよい。
10、10x 音声信号生成装置
11 フィルタ
12 ディレイ
13、14 加算器
15 スイッチ
16、21 絶対値演算器
17〜19、22 増幅器

Claims (10)

  1. 音声信号を入力する入力手段と、
    前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成手段と、
    前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成手段と、
    を有することを特徴とする音声信号生成装置。
  2. 前記立ち上がり信号は、前記入力手段で入力された音声信号と、当該音声信号を低域通過フィルタで処理した信号とに基づいて生成されることを特徴とする請求項1に記載の音声信号生成装置。
  3. 前記立ち上がり信号は、前記入力手段で入力された音声信号と、当該音声信号を高域通過フィルタで処理した信号とに基づいて生成されることを特徴とする請求項1に記載の音声信号生成装置。
  4. 前記立ち上がり信号の大きさが閾値未満である場合、前記合成手段は、前記立ち上がり信号の大きさに応じて、前記音声信号への前記立ち上がり信号の合成量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の音声信号生成装置。
  5. 前記立ち上がり信号の大きさが閾値未満である場合、前記合成手段は、前記立ち上がり信号が小さくなるにつれて、前記音声信号への前記立ち上がり信号の合成量を小さくすることを特徴とする請求項4に記載の音声信号生成装置。
  6. 前記入力手段により入力された音声信号の大きさを検出する検出手段を更に備え、
    前記合成手段は、前記検出された音声信号の大きさに応じて、前記閾値の値を変更することを特徴とする請求項4又は5に記載の音声信号生成装置。
  7. 前記合成手段は、前記検出手段で検出された音声信号の大きさが小さくなるにつれて、前記閾値を小さくすることを特徴とする請求項6に記載の音声信号生成装置。
  8. 音声信号生成装置により実行される音声信号生成方法であって、
    音声信号を入力する入力工程と、
    前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成工程と、
    前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成工程と、
    を有することを特徴とする音声信号生成方法。
  9. コンピュータを備える音声信号生成装置により実行されるプログラムであって、
    音声信号を入力する入力手段、
    前記音声信号の立ち上がりを示す立ち上がり信号を生成する立ち上がり信号生成手段、
    前記入力手段で入力された音声信号と前記立ち上がり信号とを、再生音量に応じて合成する合成手段、
    として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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