JPWO2017042917A1 - 分析データ解析装置及び分析データ解析用プログラム - Google Patents

分析データ解析装置及び分析データ解析用プログラム Download PDF

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Abstract

分析者は定量解析支援プログラムを起動し、同一試料を異なる測定条件の下で測定し定量演算することで得られたデータファイルA、Bを指定する。すると、データファイルに対応して化合物と定量値等との関係を示す定量テーブルが作成され画面a、b上にそれぞれ表示される。一方の定量テーブル中で分析者が任意の化合物を指定すると、該化合物と同じ名称の化合物が他方の定量テーブル中で自動的に探索される。そして、該当する化合物が見つかると、データファイルBに基づく、該化合物に対応する測定結果であるクロマトグラムやマススペクトル等が定量テーブルとともに画面b上に表示される。一方、画面a上には、データファイルAに基づく、分析者が指定した化合物に対応する測定結果であるクロマトグラムやマススペクトル等が定量テーブルとともに表示される。これにより、多成分一斉分析に際し、同じ化合物の測定結果や定量結果の比較が簡便に且つ効率的に行える。

Description

本発明は、ガスクロマトグラフ(GC)、液体クロマトグラフ(LC)、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)などの各種分析装置で得られたデータを解析する分析データ解析装置及びコンピュータ上で動作する分析データ解析用プログラムに関し、特に、試料中の多くの成分(化合物や元素)を同時に定量する多成分一斉分析を行う際に好適な分析データ解析装置及び分析データ解析用プログラムに関する。
近年、GC−MSやLC−MSなどの分析装置で収集されたデータの解析作業には、パーソナルコンピュータに予めインストールされた専用のデータ処理ソフトウエアが一般に利用されている。特に、食品中の残留農薬検査、環境水中の汚染物質検査、薬毒物検査などでは、GC−MSやLC−MSを用いて、例えば数百以上もの多くの化合物を対象とする多成分一斉分析が行われており、そうした分析で得られる膨大なデータを効率的に解析するためにはデータ処理ソフトウエアは必須なものとなっている。
以下、GC−MSを用いた多成分一斉分析における定量解析を例に挙げて説明する。こうした解析のためのデータ処理ソフトウエアとしては例えば非特許文献1、2に記載のものが知られている。また、以下の説明においてGC−MS、LC−MSと記す場合、特に断らない限り、質量分析装置が三連四重極型質量分析装置などのMS/MS(又はMSn)分析が可能である質量分析装置であるGC−MS/MS、LC−MS/MSを含むものとする。
例えば非特許文献1に記載のデータ処理ソフトウエアを用いたデータ解析作業においては、分析者(ユーザ)が、解析対象であるデータファイル(通常は或る一つの試料を測定することで得られた測定データやそれに基づく定量データが格納されたファイル)を指定すると、測定対象である化合物毎の定量値を示す定量テーブル、該テーブル中における一つ化合物に対応するマスクロマトグラムやマススペクトル、などが表示部の画面上に表示されるようになっている。この定量テーブル上で分析者が任意の化合物を指定すると、該化合物に対応したマスクロマトグラムやマススペクトル、或いはその化合物の定量に使用された検量線などの定量情報が表示されるため、分析者は画面を見ながら直感的に解析作業を進めることができる。
GC−MSにおける測定条件を検討したり適切な測定条件が不明であったりする場合には、同一の試料をそれぞれ異なる測定条件で複数回測定することがある。また、測定条件が同じでも異なる化合物の組み合わせを検出するように同一の試料について複数回の測定を行うこともある。例えば或る一つの試料について適切な測定条件を検討するには、同一試料を測定条件Aと測定条件Bの下でそれぞれ測定したデータに基づく或る化合物の定量結果同士を比較するような作業が必要になる。こうした作業を行う場合、従来は、まずパーソナルコンピュータにおいて同時に起動させた二つのデータ処理ソフトウエア上で、測定条件Aの下での測定で得られたデータファイルと測定条件Bの下での測定で得られたデータファイルとをそれぞれ読み込む。そして、その別々のデータに基づく定量分析結果等を表示しているデータ処理ソフトウエアにおいてそれぞれ所定の操作を行うことによって、同じ化合物に対する定量結果を探索し、その定量結果同士を比較したり差異解析を行ったりしている。
「GCMSsolution ガスクロマトグラフ質量分析計用ワークステーション」、[online]、株式会社島津製作所、[平成27年8月21日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/gcmssol/index.htm> 「LabSolutions Insight GC/MS & LC/MS用 多検体定量支援ソフトウェア」、[online]、株式会社島津製作所、[平成27年8月21日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/data-net/labsolutions/insight/index.htm> 「LaGCMS-QP2010 Ultra ガスクロマトグラフ質量分析計」、[online]、株式会社島津製作所、[平成27年8月21日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/gcms/ultra/ultra5.htm>
しかしながら、GC−MSやLC−MSを用いた多成分一斉分析においては測定対象の化合物の数が数十から百数十に及ぶこともあるため、定量テーブルに掲載される化合物の数も膨大である。そのため、複数のデータ処理ソフトウエア上で分析者が操作を行うことで同一の化合物に対する定量結果等を探索するのは、かなり面倒であって作業性が悪かった。
本発明はこうした課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、同一の試料に対し異なる測定条件の下等でそれぞれ測定を行って得られたデータに基づいて、同一化合物の測定結果や定量結果などを簡便に効率良く比較することができる分析データ解析装置及び分析データ解析用プログラムを提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明に係る分析データ解析装置は、複数の成分が含まれる試料を測定することで得られたデータに基づいて前記複数の成分を定量解析する分析データ解析装置であって、
a)分析者により指定された、それぞれが一回の測定によって得られたデータを含む複数のデータファイルに基づいて、そのデータファイル毎に、測定対象とした複数の成分に対する測定結果及び/又は定量結果が一覧で示されるテーブルを作成し、表示部の画面上に同時に又は切替え可能に表示するテーブル作成処理部と、
b)前記表示部の画面上に同時に又は切替え可能に表示されている複数のテーブルのいずれか一つの中で、任意の一つの成分を分析者が選択して指定するための成分指定部と、
c)前記成分指定部により指定された成分と同じ名称である同名成分を他のテーブル中で探索し、該同名成分が見いだされたときにそのテーブル中で該同名成分を選択する同名成分探索部と、
d)前記複数のデータファイルに基づいて、前記成分指定部により或るテーブル中で指定された一つの成分の測定結果又は/及び定量結果と、前記同名成分探索部により見いだされた同名成分の測定結果又は/及び定量結果とを、前記複数のテーブルと併せて前記表示部の画面上に表示する情報表示処理部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するためになされた本発明に係る分析データ解析用プログラムは、コンピュータを上記本発明に係る分析データ解析装置として動作させるための分析データ解析用プログラムである。
ただし、本発明に係る分析データ解析用プログラムをコンピュータで動作させることによって具現化される上記本発明に係る分析データ解析装置におけるテーブル作成処理部、成分指定部、同名成分探索部、及び情報表示処理部は、一つのアプリケーションソフトウエアによって具現化されるものでもよいし、同時に起動される複数のアプリケーションソフトウエアによって具現化されるものであってもよい。
例えば、一つのコンピュータ上で同じアプリケーションソフトウエアが複数起動し得るものである場合、複数起動された各アプリケーションソフトウエア上でそれぞれ一つずつのデータファイルを開くことができるようにしておき、その中の一つのアプリケーションソフトウエア上で作成され表示されているテーブル上で任意の一つの成分が指定されたときに、同時に起動している他のアプリケーションソフトウエア上で作成されているテーブル中で同名成分を探索するような機能を搭載するようにしてもよい。
本発明に係る分析データ解析装置において、分析者は例えば同一試料由来で測定条件が相違する二つの測定によって得られた二つのデータファイルを指定する。すると、テーブル作成処理部は、その二つのデータファイルそれぞれに含まれるデータに基づいて、測定対象とした成分に対する測定結果及び/又は定量結果が一覧で示されたテーブルを作成し、表示部の画面上に同時に又はタブ等を用いて切替え可能に表示する。したがって、表示部の画面上には、同一試料由来で測定条件が相違する二つの測定の結果である二つのテーブルが同時に又は切替え可能に表示される。GC−MS等を用いた多成分一斉分析の場合には、通常、このときにテーブルに掲載される化合物の数はかなり多く、例えば一つの化合物当たり一つの行が割り当てられている場合にテーブルの行数はかなり多くなる。
成分指定部はポインティングデバイスやキーボード等のユーザインターフェイスである入力部を含み、該入力部を分析者が操作することで複数のテーブルのうちの一つの中で任意の一つの成分が選択されると、選択された成分を該テーブル中で表示すべき成分として特定する。同名成分探索部はこの特定された成分と同じ名称である同名成分を同時に又は切替え可能に表示されている他のテーブル中で探索する。そして、該同名成分が見つかったならば、そのテーブル中で該同名成分を表示すべき成分として特定する。なお、同名成分が見つからない場合には、同名成分が存在しないことが分析者に分かるように、例えば表示部の画面上にポップアップメッセージで通知すればよい。
情報表示処理部は、成分指定部により或るテーブル中で特定された一つの成分の測定結果又は定量結果と、同名成分探索部による探索の結果見いだされた同名成分の測定結果又は定量結果とを、上記複数のテーブルと併せて表示部の画面上に表示する。ここで、例えば分析装置がGC−MS、LC−MSである場合、上記測定結果は、その成分に対応した質量電荷比におけるマスクロマトグラムやその成分の保持時間におけるマススペクトルを含む。また、定量結果は、クロマトグラムに基づくピーク面積やピーク高さなどのピーク情報や検量線を含む。
このようにして本発明に係る分析データ解析装置及び分析データ解析用プログラムでは、複数のデータファイルからそれぞれ作成されるテーブルの一つにおいて着目する一つの成分を分析者が指定すると、他のテーブル中で自動的に同じ名称の成分が探索され、同じ成分が存在する場合には該成分の測定結果や定量結果が表示されることになる。
本発明に係る分析データ解析装置及び分析データ処理用プログラムは、試料に含まれる複数の成分つまりは複数の化合物や複数の元素を定量するために該試料に対する測定を実行する様々な分析装置、測定装置に適用可能である。本発明は特に、多数の成分を測定対象とする場合に有用であるから、典型的には、GC、LC、GC−MS、LC−MSなどで得られたデータの解析に好適である。それ以外には、例えば試料に含まれる種々の元素を定量する蛍光X線分析装置等のX線分析装置、ICP発光分光分析装置などにも本発明は利用可能である。
本発明に係る分析データ解析装置及び分析データ解析用プログラムによれば、例えば同一試料を異なる測定条件の下で測定して得られたデータに基づく、同一化合物の測定結果や定量結果の比較が簡便に行え、そうした解析作業の効率が改善される。また、本発明に係る分析データ解析装置及び分析データ解析用プログラムは、同一試料を異なる測定装置例えばGC−MSとLC−MSで、それぞれ測定して得られたデータに基づく測定結果や定量結果の比較にも利用可能である。
本発明に係る分析データ解析装置を用いたGC−MSシステムの一実施例の概略構成図。 本実施例のGC−MSシステムにおける特徴的な解析処理の説明図。 本実施例のGC−MSシステムにおける特徴的な定量解析の作業手順及び処理動作を示すフローチャート。 本実施例のGC−MSシステムにおける特徴的な解析処理による表示例を示す図。
以下、本発明に係る分析データ解析装置を含むGC−MSシステムの一実施例を、添付図面を参照して詳述する。
図1は本実施例のGC−MSシステムの概略構成図、図2は本実施例のGC−MSシステムにおける特徴的な解析処理の説明図、図3は本実施例のGC−MSシステムにおける特徴的な定量解析の作業手順及び処理動作を示すフローチャート、図4は本実施例のGC−MSシステムにおける特徴的な解析処理による表示例を示す図である。
本実施例のGC−MSシステムは、測定部1、制御部2、データ処理部3、入力部5、及び表示部6、を備える。
測定部1は、注入された試料に含まれる各種化合物を時間方向に分離するGC部11と、該GC部11で分離された化合物をその溶出順に質量分析して検出するMS/MS部12とを含む。MS/MS部12は、三連四重極型質量分析装置、又はQ−TOF型質量分析装置などのMS/MS分析が可能な質量分析装置であるが、四重極型質量分析装置などの通常のシングル型の質量分析装置でもよい。MS/MS部12で得られる検出信号は図示しないアナログデジタル変換器でデジタルデータに変換され、データ処理部3に入力される。
制御部2は、測定部1を制御する分析制御部21と、測定メソッドを作成するための測定メソッド作成部22と、作成された測定メソッドファイルや化合物テーブルが記憶される測定条件記憶部23と、を備える。
データ処理部3は、測定データ格納部31と、定量演算部32と、定量解析支援部33とを備え、定量解析支援部33は機能ブロックとして、定量情報表示処理部331、化合物指定受付部332、同名化合物探索部333、を備える。定量情報表示処理部331は、本発明に係る分析データ解析装置におけるテーブル作成処理部と情報表示処理部に相当するものである。
なお、通常、データ処理部3や制御部2の機能の大部分は、パーソナルコンピュータ(又はより高度なワークステーション)に予めインストールされた専用の制御・処理アプリケーションソフトウエアを該コンピュータ上で実行することにより実現されるものである。この場合、入力部5はコンピュータに付設されたキーボードやポインティングデバイス(マウス等)であり、表示部6はコンピュータのディスプレイモニタである。
定量を目的とした多成分一斉分析の場合、通常、測定対象である化合物は既知であり、測定対象の化合物は化合物テーブルとして測定条件記憶部23に格納される。また、分析者は試料に対する測定に先立って、測定部1における様々な測定条件を含む測定メソッドを作成する。測定メソッド作成部22は分析者による測定メソッドの作成作業を支援するものであり、作成された測定メソッドはファイルとして測定条件記憶部23に格納される。測定メソッドは、例えばGC部11におけるキャリアガス流量、カラムオーブンの温度プログラムなどのGC分離条件、MS/MS部12における測定時間範囲とMRM(多重反応モニタリング)測定におけるターゲットであるMRMトランジション(プリカーサイオンとプロダクトイオンの質量電荷比)との関係、コリジョンエネルギなどを含む。ここでは、同じ試料に対する測定メソッドとして、互いに異なる測定条件を含む二つの測定メソッドA、Bが作成され、測定条件記憶部23に格納されているものとする。
分析者が測定に使用する測定メソッドを入力部5により指定したうえで測定開始を指示すると、分析制御部21は指定された測定メソッドファイルを測定条件記憶部23から読み出し、そのファイルに記載されている測定条件に従ってGC部11及びMS/MS部12をそれぞれ制御して測定を実行する。即ち、GC部11において試料中の複数の化合物は時間方向に分離され、時間経過に伴い各化合物由来のイオン(特定のプリカーサイオンから生成された特定のプロダクトイオン)の強度がMS/MS部12で検出される。そうした一連の測定によって得られたデータはデータ処理部3において測定データ格納部31に一つのデータファイルとして格納される。ここでは、二つの測定メソッドA、Bについて同一試料に対する測定が行われ、それぞれデータファイルが作成される。いま、測定メソッドAの測定条件の下で得られたデータファイルをデータファイルA、測定メソッドBの測定条件の下で得られたデータファイルをデータファイルBとする。
また、測定と並行して、又は測定終了後に引き続いて、定量演算部32はデータ格納部31に格納されたデータファイルを読み出し、そのデータに基づいて各化合物の定量演算を行う。即ち、各化合物に対応するMRM測定によって得られたデータに基づき、所定の測定時間範囲のマスクロマトグラムを作成し、該マスクロマトグラム上のピークの面積を算出する。そして、そのピーク面積値を予め与えられている検量線に照らして、該化合物の含有量(又は濃度)を算出する。こうして得られた定量値やピーク面積値などデータも同じデータファイルに格納される。
即ち、データファイルA、Bには、同一試料に対する測定によって得られた測定結果であるデータと、その測定結果から算出された定量結果であるデータとが格納される。このように二つのデータファイルA、Bが測定データ格納部31に格納されている状態において、その二つのデータファイルに基づく測定結果や定量結果の比較を行う解析作業を図2、図3により説明する。
分析者は入力部5で所定の操作を行うことにより、コンピュータにインストールされている定量解析支援プログラムを起動する。それによって、定量解析支援部33が機能する(ステップS1)。次いで分析者は、入力部5で所定の操作を行うことにより、解析対象である二つのデータファイルA、Bを指定する(ステップS2)。データファイルが指示されると、定量情報表示処理部331は測定データ格納部31から指示されたデータファイルを順に読み込む。そして、データファイルAに格納されているデータに基づいて、測定対象の化合物それぞれの定量値等を一覧表にまとめた定量テーブルを作成し、これを表示部6に表示された定量ブラウザ画面上の左半分の画面aに表示する(ステップS3)。図4に示すように、画面aは、テーブル表示欄100、マススペクトル表示欄101、マスクロマトグラム表示欄102、検量線表示欄103、定量値表示欄104を有し、定量テーブルはテーブル表示欄100に表示される。
また定量情報表示処理部331は、データファイルBに格納されているデータに基づいて、測定対象の化合物それぞれの定量値等を一覧表にまとめた定量テーブルを作成し、これを表示部6に表示された定量ブラウザ画面上の右半分の画面bに表示する(ステップS4)。こうして、表示部6の画面上にはそれぞれ定量テーブルを含む画面a、bが並べて表示される。
定量テーブルの各行には、化合物名称とそれに対応する測定結果や定量結果が示されている。多成分一斉分析の場合、通常、測定対象である化合物の数がかなり多いため、全ての化合物名称を確認するには定量テーブルにおいて縦スクロールの操作を行う必要がある。二つのデータファイルA、Bに基づく測定結果や定量結果を比較したい、分析者が着目する化合物がある場合、分析者は例えば画面a上の定量テーブルにおいて、その着目する化合物の名称をポインティングデバイスでクリック操作することで選択する(ステップS5)。化合物指定受付部332がその操作を受け付けると、定量テーブル上の該化合物の欄をハイライト表示し、定量情報表示処理部331は選択された化合物に対応するクロマトグラムやマススペクトルなどを、画面a上のテーブル表示欄100以外の各欄101〜104に表示する(ステップS6)。図4の例では、画面a上の定量テーブルにおいて化合物「モリネート」が選択されている。一方、同名化合物探索部333は、選択された化合物と同じ名称の化合物を、画面b上の定量テーブルの中で探索する(ステップS7)。
同名化合物が画面b上の定量テーブルに存在したならば(ステップS8でYes)、該定量テーブル中の該化合物に対応する行がちょうど縦方向の中央付近に来るように該テーブルを自動的に縦スクロール操作したうえで該化合物に対応する行をハイライト表示する(ステップS9)。図4では、画面a上の定量テーブルにおいて選択された化合物「モリネート」が画面b上の定量テーブルの中で探索され、該化合物が見いだされている。また、定量情報表示処理部331は探索の結果見つかった化合物に対応するマスクロマトグラムやマススペクトルなどを、画面b上のテーブル表示欄100以外の各欄101〜104に表示する(ステップS10)。
選択された化合物と同名の化合物が画面b上の定量テーブルにおいて見つからなかった(ステップS8でNo)場合には、該当する化合物がないことを通知するポップアップメッセージを画面上に表示する(ステップS11)。
なお、上記とは逆に、画面b上の定量テーブルに示されている任意の化合物を分析者が選択指示することで、画面a上の定量テーブルにおける同名化合物を探索してハイライト表示することもできる。即ち、同じ定量ブラウザ上に表示されている複数の定量テーブルの中の一つにおいて任意の化合物を選択指示すると、他の定量テーブル中で同名化合物が探索される。
このようにして本実施例のGC−MSシステムでは、定量解析を行う際に同一試料を異なる測定条件の下で測定した結果やそれから算出された定量結果を簡便に且つ効率的に比較し、例えば適切な測定条件を選択することができる。
また、非特許文献3に記載のTwin Line MSシステムでは、異なる二つのカラムを1台の装置に装填し、その二つのカラムを通した測定を連続的に行うことができるから、各カラムの下で測定した結果を別々のデータファイルに格納すればよい。そして得られた二つのデータファイルに基づいて上述したような定量解析を行うことで、Twin Line MSシステムにおける定量解析を効率的に進めることができる。
また上記実施例は、測定部1がGC−MS(GC−MS/MS)であるが、LC−MSで測定したデータを同じような形式のデータファイルに格納すれば、LC−MSの結果とGC−MSの結果との比較も可能である。もちろん、LC−MSで得られたデータに基づく解析や、質量分析装置を使用しない通常のLCやGCで得られたデータに基づく解析にも上記定量解析が有用であることは明らかである。また、試料に含まれる複数の化合物を定量するための分析装置ではなく、試料に含まれる複数の元素を定量するための分析装置で得られたデータに基づく定量解析にも本発明は適用可能である。
また、上記実施例では、一つの定量解析支援プログラム上で二つのデータファイルA、Bを開き、一つの定量ブラウザ上に二つの画面a、bが表示されるようにしていたが、1台のコンピュータ上で同じ定量解析支援プログラムを複数起動させ、それぞれ開いた定量ブラウザ上でそれぞれ一つのデータファイルを開いたうえで、上記と同様の処理を行えるようにしてもよい。即ち、複数の定量テーブルが配置される定量ブラウザは一つでも複数でもよく、別々の定量ブラウザ上の定量テーブルであっても化合物の探索についての連携がとられていればよい。
さらにまた、それ以外の点において、本発明の趣旨に沿った範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…測定部
11…GC部
12…MS/MS部
2…制御部
21…分析制御部
22…測定メソッド作成部
23…測定条件記憶部
3…データ処理部
31…測定データ格納部
32…定量演算部
33…定量解析支援部
331…定量情報表示処理部
332…化合物指定受付部
333…同名化合物探索部
5…入力部
6…表示部

Claims (3)

  1. 複数の成分が含まれる試料を測定することで得られたデータに基づいて前記複数の成分を定量解析する分析データ解析装置であって、
    a)分析者により指定された、それぞれが一回の測定によって得られたデータを含む複数のデータファイルに基づいて、そのデータファイル毎に、測定対象とした複数の成分に対する測定結果及び/又は定量結果が一覧で示されるテーブルを作成し、表示部の画面上に同時に又は切替え可能に表示するテーブル作成処理部と、
    b)前記表示部の画面上に同時に又は切替え可能に表示されている複数のテーブルのいずれか一つの中で、任意の一つの成分を分析者が選択して指定するための成分指定部と、
    c)前記成分指定部により指定された成分と同じ名称である同名成分を他のテーブル中で探索し、該同名成分が見いだされたときにそのテーブル中で該同名成分を選択する同名成分探索部と、
    d)前記複数のデータファイルに基づいて、前記成分指定部により或るテーブル中で指定された一つの成分の測定結果又は/及び定量結果と、前記同名成分探索部により見いだされた同名成分の測定結果又は/及び定量結果とを、前記複数のテーブルと併せて前記表示部の画面上に表示する情報表示処理部と、
    を備えることを特徴とする分析データ解析装置。
  2. 請求項1に記載の分析データ解析装置であって、
    複数の成分が含まれる試料をガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ質量分析装置、液体クロマトグラフ質量分析装置のいずれかで測定することで得られたデータに基づいて前記複数の成分を定量解析するものであることを特徴とする分析データ解析装置。
  3. コンピュータを請求項1又は2に記載の分析データ解析装置として動作させることを特徴とする分析データ解析用プログラム。
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