JPWO2017007024A1 - 分光測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この手法によれば、テクスチャーがほとんどない試料からの光であっても鮮明なインターフェログラムを取得することができるため、該光の分光特性を取得できる(特許文献2、非特許文献1参照)。
振幅型回折格子は、集光軸方向(結像ライン方向)に透光部と遮光部を交互に配列したもので、透光部の間隔(周期)や透光部の集光軸方向及び干渉軸方向(集光軸方向と直交する方向)の長さ(透光部の縦横の長さ)は数十μm〜数百μmと非常に小さく、多重スリットとも呼ばれる。
一方、多重スリットの透光部の集光軸方向の周期や長さはインターフェログラムの鮮明度の向上に寄与するものの、本発明者の研究によると、鮮明度を向上させるためには、これらの値を、干渉光の強度を検出する検出器の画素ピッチや結像光学系の光学倍率に応じた適切な値に設定しなければならない。以上より、多重スリットの透光部の集光軸方向の長さはインターフェログラムの鮮明度に関する条件を満たすように設計され、干渉軸方向の長さは物体面の空間解像度や検出感度に関する条件を満たすように設計される。
a) 被測定物の測定領域内に位置する複数の測定点からそれぞれ発せられた測定光を所定の第1軸方向に2つに分割して第1測定光及び第2測定光を形成する分割光学系と、
b) 前記第1測定光及び前記第2測定光の間に、前記第1軸方向と直交する方向である第2軸方向に沿って連続的に変化する光路長差を付与する光路長差付与手段と、
c) 連続的に変化する光路長差が付与された前記第1測定光及び前記第2測定光を前記第1軸方向に集光させて結像面上に直線状の干渉光を形成する結像光学系と、
d) 前記結像面上に前記第2軸方向に所定の周期で配置された複数の画素を有する、前記干渉光の強度を検出する干渉光検出部と、
e) 前記干渉光検出部で検出された前記干渉光の光強度に基づき、前記被測定物の測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と、
f) 前記被測定物と前記分割光学系の間に配置された、該分割光学系と共通の共役面を有するとともに、該共役面に前記測定点からの測定光を結像する共役面結像光学系と、
g) 前記共役面に配置された、前記第1軸方向に周期的に並ぶ透光部と遮光部とを有する振幅型回折格子と、
h) 前記測定光が前記振幅型回折格子を通過した後の光を前記第2軸方向に拡散させる拡散光学系と
を備えることを特徴とする。
a) 被測定物の測定領域内に位置する複数の測定点からそれぞれ発せられた測定光を所定の第1軸方向に2つに分割して第1測定光及び第2測定光を形成する分割光学系と、
b) 前記第1測定光及び前記第2測定光の間に、前記第1軸方向と直交する方向である第2軸方向に沿って連続的に変化する光路長差を付与する光路長差付与手段と、
c) 連続的に変化する光路長差が付与された前記第1測定光及び前記第2測定光を前記第1軸方向に集光させて結像面上に直線状の干渉光を形成する結像光学系と、
d) 前記結像面上に前記第2軸方向に所定の周期で配置された複数の画素を有する、前記干渉光の強度を検出する干渉光検出部と、
e) 前記干渉光検出部で検出された前記干渉光の光強度に基づき、前記被測定物の測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と、
f) 前記被測定物と前記分割光学系の間に配置された、該分割光学系と共通の共役面を有するとともに、該共役面に前記測定点からの測定光を結像する共役面結像光学系と、
g) 前記共役面に配置された、前記第1軸方向に周期的に並ぶ透光部と遮光部とを有する振幅型回折格子とを備え、
前記干渉光検出器が、前記第2軸方向に所定の周期で配置されたm個の画素からなる画素列を第1軸方向にn個並べたm×n個の画素を備え、各画素列を構成する画素の位置が、隣接する画素列を構成する画素の位置とずれるように互い違いに配置されており、
前記結像光学系が、第1測定光と第2測定光の干渉光を、前記干渉光検出器の複数の画素列に跨るように形成することを特徴とする。
以上より、発明の第1及び第2態様に係る分光測定装置によれば、鮮明なインターフェログラムと高精度な分光特性の両方を取得することができる。
[第1実施形態]
図1A〜図1Cはそれぞれ本発明の第1実施形態に係る分光測定装置の構成を示す斜視図、上面図、側面図である。分光測定装置1は、共役面結像光学系100と透過結像型1次元フーリエ分光光学系200(以下、「ワンショット光学系200」とよぶ。により構成されている。共役面結像光学系100では、測定対象(物体面)の像を、観察条件である視野範囲や倍率に応じたレンズ11(結像レンズ、広角レンズ、顕微対物レンズ等)を用いて物体面と光学的に共役な面を形成する。この共役面はワンショット光学系200の物体面となる。この共役面には多重スリット13が配置されている。多重スリット13は本発明の振幅型回折格子に相当する。詳しくは後述する。
結像レンズ17は平凸面シリンドリカルレンズから成る。結像レンズ17は、位相シフタ19側の面が該位相シフタ19に向かって突出する、円筒状の凸面から成り、2次元受光アレイデバイス21側の面が位相シフタ19の出射面と平行な平面から成る。
また、第2透過部192の入射面の傾斜角度は、波数分解能により決まる位相シフト量と、2次元受光アレイデバイス21の画素毎のサンプリング間隔により決まるが、多少ずれても問題はない。
多重スリット13の透光部131の垂直方向(第1軸方向)の長さ、隣り合う透光部131の中心間距離はそれぞれ、ワンショット光学系200の光学倍率及び2次元受光アレイデバイス21の画素ピッチにより決まる。また、ワンショット光学系200は任意の光学倍率で設計可能である。例えば多重スリット13の透光部131の垂直方向長さをWp、隣り合う透光部131の中心間距離をD、2次元受光アレイデバイス21の垂直方向の画素ピッチをP、ワンショット光学系200の光学倍率をmとすると、Wp及びDがそれぞれ次の式を満たすとき、鮮明なインターフェログラムを得ることができる。
垂直方向長さWp =P×2/(m+1)
中心間距離D =P×2/m
垂直方向長さWp = 画素ピッチ×2/(光学倍率+1)
=11μm×2/(1+1)=11μm
中心間距離D = 画素ピッチ×2/光学倍率
=11μm×2/1=22μm
以上より、上記条件のときは、多重スリット13の透光部131の垂直方向長さを11μm、遮光部132の垂直方向長さを11μmにすれば良いことが分かる。
実効的なN.A.=sinθ=最長波長/開口幅=0.8μm/11μm≒0.073
このような場合に用いられる対物レンズ15と結像レンズ17のN.A.は双方とも0.24であることから、これらレンズのN.A.に比べて実効的なN.A.は十分に小さく、要求を満たしている。
試料Sの一測定点から発せられた測定光は結像レンズ11によってワンショット光学系200と共通の共役面に集光し、該共役面に配置された多重スリット13の透光部131を通過した後、平凹面シリンドリカルレンズ23、分割光学系、平凸面シリンドリカルレンズ17を経て2次元受光アレイデバイス21に入射する。
実験では、光源からの光をケラー照明で多重スリット13に入射させ、そのときの2次元受光アレイデバイス21の検出結果からインターフェログラム及び分光特性を求めた。なお、実験環境は次の通りである。
(1)2次元受光アレイデバイス:ソニー株式会社製デジタルビデオカメラXCD-MV6
画素数=752×480、画素サイズ= 6.0μm×6.0μm、画素ピッチ=12μm
(2)光源:白色LED(637ルクス)
(3)ワンショット光学系の光学倍率:1倍
(4)多重スリットの透光部の水平方向長さWh:多重スリットA=54μm、多重スリットB=210μm
なお、インターフェログラムの鮮明度を考慮した段落[0025]に示す2つの式に、上述の画素ピッチ(12μm)、光学倍率(1倍)を代入すると、多重スリットの透光部の垂直方向長さWp及び中心間距離Dは、それぞれ12μm、24μmとなるが、装置の都合上、本実験で用いた多重スリットA、Bの垂直方向長さWpは6μm、中心間距離Dは12μmであった。
図4は比較のために行った実験結果であり、平凹面シリンドリカルレンズ23を用いなかった場合のインターフェログラム及び分光特性を示す。一方、図5は本実施形態に係る分光測定装置1を用いて行った実験結果、つまり、平凹面シリンドリカルレンズ23を用いた場合のインターフェログラム及び分光特性を示す。
図4及び図5において、左側の図がインターフェログラムを、右側の図が分光特性を示す。また、上段の図は多重スリットA、下段の図は多重スリットBを用いた場合を示す。いずれの図も横軸は波長を、縦軸は信号強度を示す。
図4と図5の比較から分かるように、透光部131の水平方向長さWhが小さい多重スリットAを用いた場合は、平凹面シリンドリカルレンズ23を用いなかった場合、用いた場合の分光特性に大きな違いはなかった。一方、透光部131の水平方向長さWhが大きい多重スリットBを用いた場合は、平凹面シリンドリカルレンズ23を用いなかった場合に比べて平凹面シリンドリカルレンズ23を用いた場合の方が高精度な分光特性が得られた。
図6A〜図6Cは本発明の第1実施形態に係る分光測定装置の別の例を示す。この分光測定装置1Aと上述した分光測定装置1との違いは、拡散光学系323が対物レンズ15と位相シフタ19の間に配置されていること、及び拡散光学系323が2個の凸面シリンドリカルレンズ3231、3232から構成されていることである。凸面シリンドリカルレンズ3231、3232は、対物レンズ15側の面及び位相シフタ19側の面がそれぞれ垂直軸と平行な軸を中心とする円筒状の凸面から成り、図6Bに示すように、両凸面シリンドリカルレンズ3231、3232の焦点面が合致するように設置されている。このような構成により、多重スリット13及び対物レンズ15をこの順に通過した光は拡散光学系323によって水平軸方向に拡散された後、位相シフタ19に向かう。その他の構成及び作用効果は図1A〜図1Cに示した分光測定装置1と同じである。
図7A〜図7Cは本発明の第2実施形態に係る分光測定装置1Bの構成を示す。第2実施形態と第1実施形態との違いは、拡散光学系がないこと、及び2次元受光アレイデバイスの画素の配置が異なることである。その他の部分は第1実施形態に係る分光測定装置1と同じであるため、第1実施形態に係る分光測定装置1と対応する構成要素について下2桁の数字が同じ符号を付して説明を省略する。
また、本実施形態に係る分光測定装置1Bでは、第1測定光と第2測定光が結像レンズ117によって集光され、結像面に形成される干渉光が、2個の画素列に跨るように、結像レンズ117や2次元受光アレイデバイス121の配置が設定されている。このような構成により、本実施形態において干渉光の強度の変化の測定に寄与する画素の数が第1実施形態の2倍になるため実質的な画素間隔を小さくすることができ、波長分解能を向上することができる。
11…レンズ
13…多重スリット
131…透光部
132…遮光部
15…対物レンズ
17…結像レンズ(平凸面シリンドリカルレンズ)
19…位相シフタ
191…第1透過部
192…第2透過部
21、121…2次元受光アレイデバイス
211、1211…画素
23…平凹面シリンドリカルレンズ
25…制御装置
100…共役面結像光学系
200…透過結像型1次元フーリエ分光光学系(ワンショット光学系)
323…拡散光学系
のみ拡散させる拡散光学系と
を備えることを特徴とする。
[0013]
本発明において、前記第1軸方向がいわゆる集光軸方向に相当し、第2軸方向が干渉軸方向に相当する。
[0014]
前記拡散光学系は、第1軸と平行な軸を中心とする円筒状の凹面を有する平凹面シリンドリカルレンズ、または2個の凸面シリンドリカルレンズを含んで構成される。具体的には、平凹面シリンドリカルレンズは、振幅型回折格子側の面が第1軸と平行な軸を中心とする円筒状の凹面であり、その反対側の面が前記共役面と平行な平面結像面と平行な平面であるシリンドリカルレンズから成る。また、2個の凸面シリンドリカルレンズはいずれも、振幅型回折格子側の面及びその反対側の面が第1軸方向に延びる軸を中心とする円筒状の凸面からなる凸面シリンドリカルレンズから成る。
[0015]
上記構成の分光測定装置では、振幅型回折格子を通過した測定光は拡散光学系によって第2軸方向に拡散された後、分割光学系によって第1測定光と第2測定光に分割される。従って、振幅型回折格子を通過する測定光の量を増やすために透光部の第2軸方向の幅を広げたことにより測定光の第2軸方向の回折角が小さくなったとしても、干渉光検出器によって検出される干渉光の光強度の波長分解能の低下を抑えることができる。
[0016]
また、上記課題を解決するために成された本発明の第2態様に係る分光測定装置は、
a)被測定物の測定領域内に位置する複数の測定点からそれぞれ発せられた測定光を所定の第1軸方向に2つに分割して第1測定光及び第2測定光を形成する分割光学系と、
b)前記第1測定光及び前記第2測定光の間に、前記第1軸方向と直交する方向である第2軸方向に沿って連続的に変化する光路長差を付与する光路長差付与手段と、
c)連続的に変化する光路長差が付与された前記第1測定光及び前記第2測定光を前記第1軸方向に集光させて結像面上に直線上の干渉光を形成する結
Claims (4)
- a) 被測定物の測定領域内に位置する複数の測定点からそれぞれ発せられた測定光を所定の第1軸方向に2つに分割して第1測定光及び第2測定光を形成する分割光学系と、
b) 前記第1測定光及び前記第2測定光の間に、前記第1軸方向と直交する方向である第2軸方向に沿って連続的に変化する光路長差を付与する光路長差付与手段と、
c) 連続的に変化する光路長差が付与された前記第1測定光及び前記第2測定光を前記第1軸方向に集光させて結像面上に直線状の干渉光を形成する結像光学系と、
d) 前記結像面上に前記第2軸方向に所定の周期で配置された複数の画素を有する、前記干渉光の強度を検出する干渉光検出部と、
e) 前記干渉光検出部で検出された前記干渉光の光強度に基づき、前記被測定物の測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と、
f) 前記被測定物と前記分割光学系の間に配置された、該分割光学系と共通の共役面を有するとともに、該共役面に前記測定点からの測定光を結像する共役面結像光学系と、
g) 前記共役面に配置された、前記第1軸方向に周期的に並ぶ透光部と遮光部とを有する振幅型回折格子と、
h) 前記測定光が前記振幅型回折格子を通過した後の光を前記第2軸方向に拡散させる拡散光学系と
を備えることを特徴とする分光測定装置。 - 前記拡散光学系が、平凹面シリンドリカルレンズから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
- 前記拡散光学系が、1組の凸面シリンドリカルレンズから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の分光測定装置。
- a) 被測定物の測定領域内に位置する複数の測定点からそれぞれ発せられた測定光を所定の第1軸方向に2つに分割して第1測定光及び第2測定光を形成する分割光学系と、
b) 前記第1測定光及び前記第2測定光の間に、前記第1軸方向と直交する方向である第2軸方向に沿って連続的に変化する光路長差を付与する光路長差付与手段と、
c) 連続的に変化する光路長差が付与された前記第1測定光及び前記第2測定光を前記第1軸方向に集光させて結像面上に直線状の干渉光を形成する結像光学系と、
d) 前記結像面上に前記第2軸方向に所定の周期で配置された複数の画素を有する、前記干渉光の強度を検出する干渉光検出部と、
e) 前記干渉光検出部で検出された前記干渉光の光強度に基づき、前記被測定物の測定点のインターフェログラムを求め、このインターフェログラムをフーリエ変換することによりスペクトルを取得する処理部と、
f) 前記被測定物と前記分割光学系の間に配置された、該分割光学系と共通の共役面を有するとともに、該共役面に前記測定点からの測定光を結像する共役面結像光学系と、
g) 前記共役面に配置された、前記第1軸方向に周期的に並ぶ透光部と遮光部とを有する振幅型回折格子とを備え、
前記干渉光検出器が、前記第2軸方向に所定の周期で配置されたm個の画素からなる画素列を第1軸方向にn個並べたm×n個の画素を備え、各画素列を構成する画素の位置が、隣接する画素列を構成する画素の位置とずれるように互い違いに配置されており、
前記結像光学系が、第1測定光と第2測定光の干渉光を、前記干渉光検出器の複数の画素列に跨るように形成することを特徴とする分光測定装置。
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