JPWO2016194883A1 - 二酸化塩素発生用ユニット及び二酸化塩素発生装置 - Google Patents

二酸化塩素発生用ユニット及び二酸化塩素発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小型でありながら、実用的に十分な量の二酸化塩素を、長時間にわたって放出することができる二酸化塩素発生用ユニットを提供する。【解決手段】二酸化塩素発生用ユニットであって、前記ユニットは、薬剤収納部、および、少なくとも2つの光源部を備え、前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤が収納されており、前記薬剤収納部には、前記薬剤収納部の内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられており、前記薬剤収納部の前記1または複数の開口部は、通気性シートによって覆われており、ここで、前記薬剤収納部の内部に存在する前記薬剤が、前記光源部から発生される前記光によって照射されることにより、二酸化塩素ガスが発生することを特徴とする、二酸化塩素発生用ユニットを提供する。

Description

本発明は、二酸化塩素発生用ユニット及び二酸化塩素発生装置に関する。より詳しくは、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に可視領域の波長の光を照射することによって二酸化塩素が発生するメカニズムを利用した、小型の二酸化塩素発生用ユニット、及び、当該二酸化塩素発生用ユニットを備える二酸化塩素発生装置に関する。本発明は、特に車(例えば、自家用車、バス、タクシー等)やその他の乗り物(例えば、飛行機、電車、船等)に好適に搭載され得る。また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは小型であるため、例えば、暖房機器、冷房機器、空気清浄器、加湿器等の空調設備に組み込むこともできる。
従来より、亜塩素酸塩を含む水溶液や亜塩素酸塩を含むゲル剤等に紫外線を照射し、二酸化塩素を発生させる装置は知られていた(例えば、特許文献1)。しかしながら、従来の二酸化塩素製造装置は、持ち運ぶことを念頭に開発されたものではなく、大がかりなものが多かった。また、従来の二酸化塩素発生装置は亜塩素酸塩を含有する液体、あるいはそれを含んだゲル状物が主成分(二酸化塩素発生源)であり、これらをあえて持ち運ぼうとすると、当該主成分が、あるいは廃液がこぼれるという問題があった。さらに、単に小型化して持ち運びできるようにしても、小型が故に生じる問題、すなわち(亜塩素酸塩の絶対量が不足して)二酸化塩素発生の持続性に乏しいという問題が新たに生じ、継続的に使用することが難しかった。
二酸化塩素発生装置の「小型化」と「継続的な使用」という課題を同時に解決した装置として、所定の構造を備えたカートリッジに固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を包含させ、紫外線を照射することによって二酸化塩素を発生させる装置が知られている(特許文献2)。
特開2005−224386号公報 WO2011/118447
上記の特許文献2に記載の装置は、従来の二酸化塩素発生装置と比較して小型であり、且つ、継続的な使用が可能であるという点で優れている。しかし、当該装置は、固形の亜塩素酸塩を二酸化塩素発生源として用いる点で、亜塩素酸塩を含む水溶液や亜塩素酸塩を含むゲル剤に紫外線を照射して二酸化塩素を発生させる装置と比較して、二酸化塩素の発生量が少ないという、さらなる課題があった。
従来、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に光を照射して二酸化塩素を発生させる場合、より効率的に二酸化塩素を発生させるためには、様々な波長の光の中でも、よりエネルギーの高い紫外領域の光を用いることが必須であると考えられてきた。
本発明者らは、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を二酸化塩素の発生源として用いる装置の二酸化塩素発生量を増加させるために鋭意検討を重ねた。その結果、予想外にも、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に紫外線を照射すると、二酸化塩素だけではなく、オゾンまでもが発生し、このオゾンが二酸化塩素と干渉することによって、全体として発生する二酸化塩素の量がオゾンの量よりも減少していることを見出した(本明細書の実施例1および図3も参照のこと)。
本発明者らは、上記の知見に基づき、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を二酸化塩素の発生源として用いる装置において、オゾンの発生を抑えつつ、全体として発生する二酸化塩素の量を増加させるために、さらに検討を重ねた。その結果、従来、固形の亜塩素酸塩から二酸化塩素を発生させるために必須であると考えられてきた紫外線ではなく、可視領域の光を用いることによって、オゾンの発生量を減少させることができ、装置全体として発生させることができる二酸化塩素の量を増加させることに成功した。
さらに、本発明者らは、紫外線よりもエネルギーの低い可視領域の光を用いることによる反応性の低下を補うために、装置の改良を重ねた結果、驚くべきことに、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に対して、複数の光源部から光を照射すると、"相乗的"に二酸化塩素の発生効率が向上することを見出した。
さらに、本発明者らは、本発明の二酸化塩素発生用ユニットにおける薬剤収納部を、通気性シートによって覆うことにより、薬剤収納部中の固形の亜塩素酸塩を含む薬剤がこぼれ出ることを防ぐとともに、通気による薬剤の過度の乾燥または過度の湿潤を防ぐことができ、装置がより安定的に二酸化塩素を放出することができることを見出した。
これらの創意工夫によって、本発明者らは、小型でありながら、実用的に十分な量の二酸化塩素を、極めて長時間にわたって放出することができる、本発明の二酸化塩素発生用ユニット、及び、当該ユニットを備える二酸化塩素発生装置を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、その一実施形態において、二酸化塩素発生用ユニットであって、
前記ユニットは、薬剤収納部、および、少なくとも2つの光源部を備え、前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤が収納されており、前記薬剤収納部には、前記薬剤収納部の内部と外部をエアが移動できるように、1つまたは複数の開口部が備えられており、前記薬剤収納部の前記1または複数の開口部は、通気性シートによって覆われており、ここで、前記薬剤収納部の内部に存在する前記薬剤が、前記光源部から発生される前記光によって照射されることにより、二酸化塩素ガスが発生することを特徴とする、二酸化塩素発生用ユニットに関する。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記薬剤収納部と前記少なくとも2つの光源部とが一体的に配置されており、前記少なくとも2つの光源部は、前記薬剤収納部に収納されている前記薬剤に対して、少なくとも2方向から光を照射することを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記照射する光の波長が、360nm〜450nmであることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記光源部が、ランプ、または、チップを備えることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記チップが、LEDチップであることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記光源部が、光を間欠的に照射できる光源部であることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記固形の亜塩素酸塩を含む薬剤が、(A)亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質、および、(B)金属触媒または金属酸化物触媒、を含む薬剤であることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」が、亜塩素酸塩水溶液を多孔質物質に含浸させ、さらに乾燥させることによって得られることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記金属触媒または金属酸化物触媒が、パラジウム、ルビジウム、ニッケル、チタン、および、二酸化チタンからなる群から選択されることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記多孔質物質が、セピオライト、パリゴルスカイト、モンモリロナイト、シリカゲル、珪藻土、ゼオライト、および、パーライトからなる群から選択され、
前記亜塩素酸塩が、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カルシウム、および、亜塩素酸バリウムからなる群から選択されることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記薬剤収納部中の前記薬剤において、前記亜塩素酸塩と前記金属触媒または金属酸化物触媒との質量比が、1:0.04〜0.8であることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記多孔質物質が、さらにアルカリ剤を担持することを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記アルカリ剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および、炭酸リチウムからなる群から選択されることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記薬剤中の前記亜塩素酸塩と前記アルカリ剤とのモル比が、1:0.1〜2.0であることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは、一実施形態において、前記「亜塩素酸塩およびアルカリ剤を担持させた多孔質物質」は、亜塩素酸塩およびアルカリ剤を、同時または順次に、多孔質物質に含浸させ乾燥させることによって得られることを特徴とする。
本発明の他の実施形態は、上記のいずれかに記載の二酸化塩素発生用ユニットを備える、
二酸化塩素発生装置に関する。
また、本発明の二酸化塩素発生装置は、一実施形態において、前記二酸化塩素発生用ユニット中の、前記薬剤収納部に収納された薬剤にエアを送るための、送風部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生装置は、一実施形態において、前記送風部が、前記二酸化塩素発生装置の外部から内部へとエアを取り込むためのファン、または、前記二酸化塩素発生装置の内部から外部へとエアを放出するためのファンであることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生装置は、一実施形態において、前記薬剤収納部の開口部のうち少なくとも1つは、前記薬剤収納部の側面に存在し、前記送風部から送られたエアは、少なくとも部分的には、前記薬剤収納部の側面に存在する開口部を介して、薬剤に送られることを特徴とする。
また、本発明の二酸化塩素発生装置は、一実施形態において、前記薬剤収納部の中の相対湿度が、前記送風部から送られるエアによって、30〜80%RHに保たれることを特徴とする。
上記の、本発明の一または複数の特徴を、当業者の観点から技術的に矛盾しないように任意に組み合わせたものも、本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。
本発明の二酸化塩素発生用ユニット及び当該ユニットを備える二酸化塩素発生装置は、上記の構成をとることにより、小型でありながら、実用的に十分な量の二酸化塩素を、極めて長時間にわたって放出することができるため、例えば乗物搭載用に好適に用いることができる。また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは小型であるため、例えば、暖房機器、冷房機器、空気清浄器、加湿器等の空調設備に組み込むこともできる。
図1は、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を組み込んだ、二酸化塩素発生用ユニットの縦断面図を示す。 図2は、図1の二酸化塩素発生用ユニットを組み込んだ、二酸化塩素発生装置の縦断面図を示す。 図3は、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に光を照射する場合において、照射する光の波長を変化させた場合のエア中の二酸化塩素濃度およびオゾン濃度の実測値の変化を示したグラフである。 図4は、図3における二酸化塩素濃度およびオゾン濃度の実測値のうち、紫外領域における測定値の平均値と、可視領域における測定値の平均値を示したグラフである。 図5は、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に光を照射する場合において、薬剤に混合する金属触媒または金属酸化物触媒の形状による二酸化塩素発生量の変化を示したグラフである。 図6は、固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒(二酸化チタン)を含む薬剤中の亜塩素酸塩と二酸化チタンの割合を変化させた場合の、二酸化塩素発生量の変化を示す。 図7は、固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒(二酸化チタン)を含む薬剤中の、二酸化チタンの含有量と、可視光照射によって発生した二酸化塩素濃度の最大値との関係を示す。 図8は、固形の亜塩素酸塩および、金属触媒または金属酸化物触媒(二酸化チタン)を含む薬剤に長時間可視光を照射し続けた場合の二酸化塩素発生量の変化を示す。 図9は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生用ユニットの斜視図、上面図、及び、側面図を示す。 図10は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生用ユニットを組み込んだ二酸化塩素発生装置の概略図を示す。 図11は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生用ユニットにおいて、薬剤収納部中の薬剤に対し、1つの光源部(片面)のみから光を照射した場合と、2つの光源部(両面)から光を照射した場合との、二酸化塩素発生量の比較を示す。 図12は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生用ユニットにおいて、薬剤収納部中の薬剤に対し、1つの光源部(片面)のみから光を照射した場合と、2つの光源部(両面)から光を照射した場合との、二酸化塩素発生量の比をプロットした図を示す。なお、2つの光源部(両面)から光を照射した場合には、1つの光源部(片面)のみから光を照射した場合と比較して、二酸化塩素の発生量が2倍以上になることを示すため、二酸化塩素発生量の比をとるための、片面照射の場合の二酸化塩素発生量は、2倍値を用いている。 図13は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生用ユニットにおいて、2つの光源部(両面)から光を照射した場合には、1つの光源部(片面)のみから光を照射した場合と比較して、薬剤収納部中の薬剤へ、効率よく光を届かせることができることを説明した図である。 図14は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生用ユニットにおいて、薬剤収納部中の相対湿度を変化させた場合の、二酸化塩素発生量の変化を示す。なお、図14では、1つの光源部(片面)のみから光を照射した場合のデータを示している。 図15は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生用ユニットにおいて、薬剤収納部中の相対湿度を変化させた場合の、二酸化塩素発生量の継時的な変化を示す。なお、図15では、2つの光源部(両面)から光を照射した場合のデータを示している。 図16は、本発明の一実施形態である二酸化塩素発生用ユニットにおいて、薬剤収納部中の薬剤に対し、2つの光源部(両面)から間欠的に光を照射した場合の、二酸化塩素発生量の継時的変化を示す。なお、図中、「10s/80s」とは、照射開始2分間は光を照射し続け、照射開始2分以降は10秒光を照射(LEDをON)し、80秒光の照射を停止(LEDをOFF)するというサイクルを繰り返したことを示す。同様に、図中、「20s/80s」とは、照射開始2分間は光を照射し続け、照射開始2分以降は20秒光を照射(LEDをON)し、80秒光の照射を停止(LEDをOFF)するというサイクルを繰り返したことを示し、「30s/80s」とは、照射開始2分間は光を照射し続け、照射開始2分以降は30秒光を照射(LEDをON)し、80秒光の照射を停止(LEDをOFF)するというサイクルを繰り返したことを示す。 図17は、本発明の二酸化塩素発生ユニットの薬剤収納部を、通気性シートによって覆う構造とした場合の実施形態を示す。 図18は、図17に記載の薬剤収納部を組み込んだ二酸化塩素発生装置においては、装置中を流れる空気の大部分が薬剤収納部の表面をなぞるように流れ、一部の空気のみが薬剤収納部の内外を行き来することにより、安定して二酸化塩素を放出することができることを示す。
本発明は、一実施形態において、二酸化塩素発生用ユニットであって、前記ユニットは、薬剤収納部、および、少なくとも2つの光源部を備え、前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤が収納されており、前記薬剤収納部には、前記薬剤収納部の内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられており、前記薬剤収納部の前記1または複数の開口部は、通気性シートによって覆われており、ここで、前記薬剤収納部の内部に存在する前記薬剤が、前記光源部から発生される前記光によって照射されることにより、二酸化塩素ガスが発生することを特徴とする、二酸化塩素発生用ユニットに関する。
本発明の二酸化塩素発生用ユニットにおいては、少なくとも2つの光源部(例えば、2、3、4、5、6またはそれ以上の個数の光源部)を備えるが、当該少なくとも2つの光源部の位置関係は、二酸化塩素の発生源である薬剤に対して、少なくとも2方向(例えば、2、3、4、5、6またはそれ以上の方向)から光を照射することができる限り、特に限定されない。好ましくは、少なくとも2つの光源部は、二酸化塩素の発生源である薬剤を中心として、対称な位置に配置される。
本発明で使用される光源は、可視領域の光を単独に、あるいは可視領域の含めて放つものであれば従来公知の光源を用いることができる。従って、本発明で用いられる光源から発生される光の波長は、可視領域の光の波長(360nm〜830nm)のみに限定されず、紫外領域の光の波長(〜360nm)および赤外領域の光の波長(830nm〜)を含んだ光であっても構わない。しかし、紫外領域の波長の光を固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に照射すると、副産物としてオゾンが発生しやすく、また、赤外領域の波長の光ではエネルギーが弱いため、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤に照射しても発生する二酸化塩素の量が少ない。したがって、本発明において使用される光源から発生される光は、実質的に可視領域の波長の光からなることが好ましい。本発明において使用される光源から発生される光は、360nm〜450nmの波長の光であることが好ましく、380nm〜450nmまたは360nm〜430nmの波長の光であることがさらに好ましく、380nm〜430nmの波長の光であることが最も好ましい。
光源から発生される光の波長が実質的に特定の波長領域の範囲に含まれることは、公知の測定機器によって光源から発生される光の波長やエネルギーを測定することによって確認することができる。
本発明において使用される光源は、可視領域の波長の光を発生させるものであれば特に限定されないが、例えば可視領域の光を発生させるランプ(白熱ランプ、LEDランプ)、チップ、レーザー装置等、様々なものを用いることができる。光源から発生される光の指向性の観点から、また、装置の小型化の観点から、光源としてチップの形態のものを用いることが好ましい。チップの形態の光源は指向性が狭いことから、光が拡散することなく、照射の対象物に対して効率よく光を照射することができ、装置の二酸化塩素発生効率を向上させることができる。また、光源から発生される光の波長を限定し、紫外領域や赤外領域の光を含まないようにするという観点からは、光源として、可視領域の光を発生させるLEDを用いることが好ましい。特に、装置の小型化の観点、および、二酸化塩素の発生効率の観点から、本発明において使用される光源は、可視領域の光を発生させるLEDチップであることが最も好ましい。
また、本発明において使用される光源は、光を間欠的に照射できる光源であってよい。例えば、本発明において使用される光源は、一定時間光を照射した後、一定時間光の照射を停止するというサイクルを繰り返す光源であってよい。光を間欠的に照射するための光源の制御方法は特に限定されず、当業者が公知の方法を用いて実施することができる。
本発明の二酸化塩素発生装置における光源部と薬剤収納部とは、一体的に配置されていてもよく、分離して配置されていてもよいが、薬剤収納部に収納されている薬剤に対して、光源部から発生される光を効率よく照射させるためには、一体的に配置されていることが好ましい。ここで、光源部と薬剤収納部とは、分離不可能な態様で一体的に配置または接続されていてもよく、分離可能な態様で一体的に配置または接続されていてもよい。光源部と薬剤収納部とが分離可能な態様で一体的に配置または接続される場合には、薬剤収納部は交換可能なカートリッジであってよい。
本発明において用いられる薬剤収納部は、内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられている限り、その素材や構造において限定されない。例えば、薬剤収納部(特に、薬剤収納部のうち、光源部からの光が直接照射される面)の素材を、公知の光透過性の素材とすることによって、光源部から照射された光を薬剤収納部の内部の薬剤へ照射させることができる。好ましくは、薬剤収納部の素材を、実質的に可視領域の光を透過させる樹脂製とすることによって、光源部から発生された光が樹脂に吸収されずに薬剤収納部の内部の薬剤に照射される。本明細書において、実質的に可視領域の波長の光を透過させる樹脂とは、例えば、照射された可視領域の波長の光の80%以上を透過させる樹脂であってよく、好ましくは、照射された可視領域の波長の光の90%以上を透過させる樹脂であってよく、さらに好ましくは、照射された可視領域の波長の光の95%以上を透過させる樹脂であってよい。具体的には、薬剤収納部のうち、光源部からの光が直接照射される面の素材としては、例えばアクリル製、塩化ビニル製、PET製の素材を用いることができるが、特にこれらに限定されない。
また、例えば、薬剤収納部を、収納物が零れ落ちない程度の網目を有する網状板によって構成することもできる。このような構成によれば、薬剤収納部の外部のエアが、薬剤収納部の内部と外部を移動することができ、光源部から発生した光は網目を通って薬剤収納部の内部の薬剤に照射される。
また、本発明における薬剤収納部の1または複数の開口部は、通気性シートによって覆われている。本明細書において、「通気性シート」とは、気体(例えば、空気、ガス、湿気、等)は通過させるが、固形の物質(例えば、粉状の物体、粒状の物体)を実質的に通過させないシート状の構造を意味する。本発明における「通気性シート」は、液体(例えば、水滴)を実質的に通過させない性質をさらに有していてもよい。本発明における通気性シートの素材は限定されないが、例えば、繊維を熱・機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせる事でシート状にした素材、微多孔質フィルム(非常に小さな孔を多数有する素材のフィルム)を単独で、あるいは複数枚重ねて貼り合せた素材や、無孔質であってもガスや空気、湿気(水蒸気)の移動を可能とした素材、高密度織物に強力な撥水処理を施したコーティングタイプの素材、あるいは、これらの素材を組み合わせて形成した素材を例示することができる。さらに具体的には、本発明における通気性シートとして、例えば、不織布(エルベス(登録商標、ユニチカ社製)、アクスター(登録商標、東レ社製)等)、ゴアテックス(登録商標)やエクセポール(登録商標、三菱樹脂社製:微多孔質ポリオレフィン系フィルムと各種不織布などを組み合わせた、通気性・透湿性・防水性に優れた素材)、エントラントE(登録商標、東レ社製)等を用いることができる。なお、本発明における通気性シートは、薬剤収納部に取り付けやすくするため、ヒートシール性(熱溶着性)を備えていることが望ましい。
本発明において用いられる通気性シートの形状や厚みは、当該通気性シートが、薬剤収納部の内部と外部との境界において、「ガスや空気、湿気は透過させるが、ある一定上の大きさの物体を通過させない」という目的を達成し得る限りにおいて、当業者が適宜選択することができる。例えば、通気性シートとして不織布を用いる場合には、目付が15〜120g/m(好ましくは40〜100g/m、より好ましくは50〜80g/m)、厚さが0.1〜1.0mm(好ましくは0.2〜0.5mm、より好ましくは0.2〜0.4mm)のものを用いることができる。
本発明において使用される亜塩素酸塩としては、例えば、亜塩素酸アルカリ金属塩や亜塩素酸アルカリ土類金属塩が挙げられる。亜塩素酸アルカリ金属塩としては、例えば亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウムが挙げられ、亜塩素酸アルカリ土類金属塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸バリウムが挙げられる。なかでも、入手が容易という点から、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムが好ましく、亜塩素酸ナトリウムが最も好ましい。これら亜塩素酸塩は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても構わない。
本発明において使用される固形の亜塩素酸塩は、多孔質物質に担持されていてもよい。
本発明において、固形の亜塩素酸塩を多孔質物質に担持させ、多孔質物質の表面において光と反応させることにより、固形の亜塩素酸塩をそのままの状態で用いる場合と比較して、少ないエネルギーで反応を引き起こすことができる。すなわち、本発明において、固形の亜塩素酸塩を多孔質物質に担持させて用いることにより、より効率的に二酸化塩素を発生させることができる。本発明において使用される多孔質物質は、例えばセピオライト、パリゴルスカイト、モンモリロナイト、シリカゲル、珪藻土、ゼオライト、パーライト等使用できるが、亜塩素酸塩を分解させないために、水に懸濁させた場合にアルカリ性を示すものが好ましく、パリゴルスカイトとセピオライトがより好ましく、セピオライトが特に好ましい。
本発明においては、亜塩素酸塩を多孔質物質に担持させる方法は特に限定されない。例えば、「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」は、亜塩素酸塩水溶液を多孔質物質に含浸させ、乾燥させることによって得ることができる。「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」の含水率は10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。
本発明において使用される「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」は、どのような粒子径のものを使用してもよいが、特に平均粒子径が1mm〜3mmのものを好適に使用できる。
本発明における「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」の平均粒子径は、例えば、光学顕微鏡によって、用いる「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」の粒子径を測定し、統計処理を行い、平均値と標準偏差を計算することによって算出することができる。
本発明において使用される「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」中の亜塩素酸塩の濃度は、1重量%以上で有効であるが、25重量%を超えると劇物に該当するため、1重量%以上25重量%以下が好ましく、5重量%以上20重量%以下であることがより好ましい。
本発明において使用される「固形の亜塩素酸塩を含む薬剤」は、さらに金属触媒または金属酸化物触媒を含んでもよい。例えば、本発明において使用される「固形の亜塩素酸塩を含む薬剤」は、(A)亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質、および、(B)金属触媒または金属酸化物触媒、を含む薬剤であってよい。
本発明において使用される金属触媒または金属酸化物触媒としては、例えば、パラジウム、ルビジウム、ニッケル、チタン、二酸化チタンが挙げられる。これらのうち、特に二酸化チタンが好適に用いられる。なお、二酸化チタンは、単に酸化チタン、またはチタニアと呼ばれることもある。本発明において使用される金属触媒または金属酸化物触媒は粉状、粒状等、様々な形態のものを使用することができ、薬剤中の亜塩素酸塩と、金属触媒または金属酸化物触媒との混合割合によって、当業者が適宜好ましい形態を選択することができる。例えば、薬剤中の金属触媒または金属酸化物触媒の割合が比較的高い場合には、粒状の金属触媒または金属酸化物触媒を選択することができ、薬剤中の金属触媒または金属酸化物触媒の割合が比較的低い場合には粉状の金属触媒または金属酸化物触媒を選択することができるが、これらに限定されない。
なお、本明細書において、「粉状」または「粒状」の大きさのおおよその目安としては、例えば粉状とは、平均粒子径が0.01mm〜1mmの大きさの固形物をいい、また粒状とは、平均粒子径が1mm〜30mmの大きさの固形物をいうが、特に限定するものではない。
本発明において用いられる薬剤中の、亜塩素酸塩と、金属触媒または金属酸化物触媒との質量比は、亜塩素酸塩:金属触媒または金属酸化物触媒=1:0.04〜0.8であってよく、好ましくは1:0.07〜0.6であってよく、より好ましくは1:0.07〜0.5であってよい。薬剤中において、金属触媒または金属酸化物触媒の含有量が亜塩素酸塩の含有量の1倍を上回る場合、および金属触媒または金属酸化物触媒の含有量が亜塩素酸塩の含有量の0.04倍を下回る場合のいずれにおいても、可視光を照射した場合に発生する二酸化塩素の量は低下し得る。
本発明において用いられる「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」は、さらにアルカリ剤を担持していてもよい。
本発明の薬剤の調製において使用されるアルカリ剤は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムを用いることができるが、好ましくは水酸化ナトリウムを用いることができる。「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」にアルカリ剤をさらに担持させることにより、本発明において用いる薬剤のpHを調整することができ、薬剤自体の安定性を高め、光の照射を行っていない保管時などでの無駄な二酸化塩素の放出を抑えることができる。
本発明の薬剤の調製において使用されるアルカリ剤の量は、亜塩素酸塩(mol)に対して0.1当量以上2.0当量以下が適当であり、好ましくは0.1当量以上1.0当量以下であり、より好ましくは0.1当量以上0.7当量以下である。0.1当量未満では担持された亜塩素酸塩が常温でも分解する虞があり、2.0当量を超えると安定性は向上するが、二酸化塩素が発生し難くなり発生濃度が低下するので好ましくない。
本発明の薬剤の調製において、「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」にアルカリ剤をさらに担持させる方法は特に限定されないが、例えば、亜塩素酸塩およびアルカリ剤を、同時または順次に、多孔質物質に含浸させ乾燥させる方法を用いてよい。なお、本明細書においては、多孔質物質に亜塩素酸塩水溶液および/またはアルカリ剤を「噴霧吸着」させて乾燥することにより、目的の組成物を得ることがあるが、本明細書において、用語「噴霧吸着」は、用語「含浸」に含まれるものとする。
本発明は、一実施形態において、本発明の二酸化塩素発生用ユニットを備える、二酸化塩素発生装置として構成されてもよい。本発明の二酸化塩素発生装置は、二酸化塩素発生用ユニットの薬剤収納部に収納された薬剤にエアを送るための、送風部をさらに備えてもよい。当該送風部は装置の外部から内部へとエアを取り込むためのものであってもよく、装置の内部から外部へとエアを放出するためのものであってもよい。
本発明の二酸化塩素発生装置において、薬剤収納部に収納された薬剤にエアを送るための送風部は、例えばファンまたはエアポンプであってよいが、ファンであることが好ましい。このような送風部を備えることにより、薬剤収納部の内部の薬剤により多くのエアを供給することができる。薬剤により多くのエアが供給されることにより、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤とエア中の水分(水蒸気)の接触頻度が高まるので、光が照射された固形の亜塩素酸塩から二酸化塩素が発生しやすくなる。
本発明の二酸化塩素発生装置においては、前記送風部から送られるエアによって、薬剤収納部の中の相対湿度を30〜80%RH(好ましくは40〜70%RH、さらに好ましくは40〜60%RH)に調節することができる。薬剤収納部の中の相対湿度を前記範囲に調節することによって、二酸化塩素の発生量を増加させることができる。
また、本発明の二酸化塩素発生装置において、薬剤収納部の中へ、エア中の水蒸気を供給するための他の方法としては、空気中の水分を凝縮して集めるペルチェ素子(ペルチェ効果)を利用することもできる(水蒸気の侵入や結露が生じるペルチェ素子の欠点を逆利用して湿度上昇に働かせることもできる。)。
装置内の相対湿度の制御方法は特に限定されず、当業者が公知技術を用いて適宜実施することができる。例えば、装置本体内部に湿度を測定する湿度計を設け、水分量を監視しながら、送風部からの送風量を調節する、または、ペルチェ素子による吸湿量を調節することによって、相対湿度をコントロールしてよい。
また、本発明の二酸化塩素発生用ユニットは小型であるため、二酸化塩素の発生を主目的としない家電製品等に組み込むこともできる。なお、二酸化塩素の発生を主目的としない家電製品等に本発明の二酸化塩素発生用ユニットを組み込んだ装置も、本発明における「二酸化塩素発生装置」に含まれるものとする。例えば、暖房機器、冷房機器、空気清浄器、加湿器等の空調設備に本発明の二酸化塩素発生用ユニットを組み込むことによって、空調設備から放出される風の効果により二酸化塩素発生ユニットにおける二酸化塩素の発生が促進されるとともに、空調設備から空間へ放出される風にのせて、二酸化塩素を効率よく空間へ拡散することができる。
本明細書において用いられる用語は、特定の実施態様を説明するために用いられるのであり、発明を限定する意図ではない。
また、本明細書において用いられる「含む」との用語は、文脈上明らかに異なる理解をすべき場合を除き、記載された事項(部材、ステップ、要素または数字等)が存在することを意図するものであり、それ以外の事項(部材、ステップ、要素または数字等)が存在することを排除しない。
異なる定義が無い限り、ここに用いられるすべての用語(技術用語および科学用語を含む。)は、本発明が属する技術の当業者によって広く理解されるのと同じ意味を有する。ここに用いられる用語は、異なる定義が明示されていない限り、本明細書および関連技術分野における意味と整合的な意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化され、または、過度に形式的な意味において解釈されるべきではない。
本発明の実施態様は模式図を参照しつつ説明される場合があるが、模式図である場合、説明を明確にするために、誇張されて表現されている場合がある。
本明細書において、例えば、「1〜10%」と表現されている場合、当業者は、当該表現が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10%を個別具体的に指すことを理解する。
本明細書において、成分含有量や数値範囲を示すのに用いられるあらゆる数値は、特に明示がない限り、用語「約」の意味を包含するものとして解釈される。例えば、「10倍」とは、特に明示がない限り、「約10倍」を意味するものと理解される。
本明細書中に引用される文献は、それらのすべての開示が、本明細書中に援用されているとみなされるべきであって、当業者は、本明細書の文脈に従って、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、それらの先行技術文献における関連する開示内容を、本明細書の一部として援用して理解する。
以下において、本発明を、実施例を参照してより詳細に説明する。しかしながら、本発明はいろいろな態様により具現化することができ、ここに記載される実施例に限定されるものとして解釈されてはならない。
実施例1:照射する光の波長による二酸化塩素発生量の変化
本実施例においては、図1および図2に記載の二酸化塩素発生ユニットおよび二酸化塩素発生装置を用いて試験を行った。
図1は、本実施例に用いた二酸化塩素発生用ユニットの薬剤収納部および光源部の内部構造を示した縦断面図である。図1に示すとおり、二酸化塩素発生用ユニット10は薬剤収納部11および可視領域の光を発生させる光源部(LEDチップ12および操作基板13)を備える。薬剤収納部11は、試験用薬剤14を含む。薬剤収納部11は、内部と外部をエアが移動できるように、開口部16を備える。二酸化塩素発生用ユニット10は、装置外部のエアを装置内に導くためのチューブ15を備える。
チューブ15から導入されたエアは、開口部16を通って薬剤収納部11の内部に供給される。供給されたエア中に含まれる水蒸気は、試験用薬剤14中の亜塩素酸塩に取り込まれる。光源部から発生した可視領域の光は、薬剤収納部11の底面を透過して、薬剤収納部11の内部に存在する試験用薬剤14に照射される。水蒸気を含んだ亜塩素酸塩は、照射された光と反応し、二酸化塩素を発生させる。亜塩素酸塩と共に試験用薬剤14に含まれる二酸化チタンは、可視領域の光を照射されることにより、亜塩素酸塩から二酸化塩素が発生する反応を促進する。発生した二酸化塩素は、開口部16を通じて外部へ排出される。
図2は、本実施例に用いた二酸化塩素発生装置の全体構造を示した縦断面図である。図2に示すとおり、二酸化塩素発生装置20は、二酸化塩素発生用ユニット21を内部に備える。二酸化塩素発生装置20の装置本体22は、装置外部のエアを装置内部へ導入するためのエア供給口23、および、装置内部のエアを装置外部へ排出するためのエア排出口25を備える。さらに、二酸化塩素発生装置20は、装置内部へ効率よくエアを導入するために、ファン24を内部に備える。
ファン24の駆動によって、エア供給口23から装置本体22の内部へエアが導入される。導入されたエアは、装置内部に設置された二酸化塩素発生用ユニット21を通過して、エア排出口25から排出される。二酸化塩素発生用ユニット21では、図1に記載の装置と同様の機構で二酸化塩素が発生するため、エア排出口25から排出されるエアには二酸化塩素が含まれる。
10wt%亜塩素酸ナトリウム水溶液70gを100gのセピオライトに噴霧吸着させ乾燥させた後、さらに10wt%水酸化ナトリウム水溶液20gを噴霧吸着させて乾燥させた。これに、チタン粉末に焼成処理を施して調製した粉状の二酸化チタン20gを混合して、本実施例において用いる試験用薬剤とした。
図2に記載の二酸化塩素発生装置中の薬剤収納部に、上記の薬剤を格納した。薬剤収納部の開口部から1L/minで薬剤収納部内にエアを導入し、LEDチップから薬剤収納部内の薬剤に対して光を照射した。LEDチップから照射する光の波長を80nm〜430nmまで2nmごとに変化させ、二酸化塩素発生装置から排出されたエアに含まれる二酸化塩素濃度およびオゾン濃度を測定した。なお、本実施例は、二酸化塩素発生装置を約7リットルのチャンバーに格納して行い、二酸化塩素濃度およびオゾン濃度の測定は、当該チャンバー内における二酸化塩素濃度およびオゾン濃度を測定することによって行った。その結果を、図3および図4に示した。なお、本試験には、周波数カウンタ(MCA3000、テクトロニクス社)、スペクトラム・アナライザー(BSA、アジレント・テクノロジー社)、波長スイープ光源(TSL−510、サンテック社)、紫外線積算光量計(UIT−250、ウシオ電機社)、および紫外線積算光量計受光器(VUV−S172、UVD−C405、ウシオ電機社)を用いた。
図3は、様々な光の波長における、エア中の二酸化塩素濃度およびオゾン濃度の実測値を示したグラフであり、図4は、上記の測定値のうち、紫外領域(80nm〜358nm)における測定値の平均値と、可視領域(360nm〜430nm)における測定値の平均値を比較したグラフである。なお、図4において、紫外領域および可視領域における二酸化塩素の測定値の平均値はそれぞれ約2.25ppm、約4.87ppmであり、紫外領域および可視領域におけるオゾンの測定値の平均値はそれぞれ約7.04ppm、約3.04ppmであった。
図3に示すように、薬剤に照射する光の波長を紫外領域から可視領域にかけて移動させていくと、エア中のオゾン濃度は紫外領域で極大となり、紫外領域から可視領域にかけて減少していくことが示された。一方、驚くべきことに、エア中の二酸化塩素濃度は、紫外領域から可視領域にかけて上昇していくことが示された。この結果から、当業者であれば、本発明において好適に用いられる波長の範囲は、本実施例の測定範囲の上限である430nmを越えて、例えば、少なくとも450nm程度の波長においても問題なく使用可能であることを理解できる。
さらに、図4に示すように、紫外領域と可視領域とにおける、エア中のオゾン濃度および二酸化塩素濃度のそれぞれの平均値を比較すると、オゾン濃度は紫外領域から可視領域にかけて約43%まで減少したのに対し、二酸化塩素濃度は紫外領域から可視領域にかけて約213%まで上昇した。
すなわち、固形の亜塩素酸塩、および、金属触媒または金属酸化物触媒の混合物に対して可視領域の光を照射することによって、紫外領域の光を照射するよりも極めて効率的に二酸化塩素を発生させることができることがわかった。
実施例2:触媒の形状による二酸化塩素発生量の変化
本実施例において用いるサンプル1では、粒状の二酸化チタン(チタンを焼成処理して調製したもの)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で薬剤を調製した。本実施例で用いるサンプル2およびサンプル3では、実施例1と同様の方法で薬剤を調製した。
上記の方法によって調整した薬剤(サンプル1〜3)をそれぞれ実施例1に記載の二酸化塩素発生装置の薬剤収納部に格納した。サンプル1およびサンプル2については、薬剤収納部の開口部から1L/minで装置内にエアを導入し、光源部のLEDチップから405nmの光を照射した。サンプル3については、薬剤収納部の開口部から1L/minで装置内にエアを導入するのみで、光は照射しなかった。照射開始から11時間後までの、装置から排出されたエアに含まれる二酸化塩素濃度を測定した。サンプル1〜3それぞれについての測定結果を図5に示す。
図5に示すように、薬剤中に粒状の二酸化チタンを混合した場合(サンプル1)は、薬剤中に粉状の二酸化チタンを混合した場合(サンプル2)と比較して、より効率的に二酸化塩素を発生させ得ることがわかった。
実施例3:薬剤中の亜塩素酸塩と二酸化チタンの含有比率に関する検討
10wt%亜塩素酸ナトリウム水溶液70gを100gのセピオライトに噴霧吸着させ乾燥させた後、さらに10wt%水酸化ナトリウム水溶液20gを噴霧吸着させて乾燥させた。これに、粉状の二酸化チタンを、量を変化させて混合し、本実施例に用いる試験用薬剤とした。試験用薬剤への可視光の照射は、実施例1と同じ二酸化塩素発生装置および照射方法にて行い、二酸化塩素濃度の測定も、実施例1と同様に行った。
図6は、本発明の組成物中の亜塩素酸塩と二酸化チタンの割合を変化させた場合の、二酸化塩素発生量の変化を示した図である。図6中において示される、薬剤中の二酸化チタンの含有量(wt%)と、薬剤中の亜塩素酸塩と二酸化チタンとの質量比と、可視光照射開始1時間後のエアに含まれる二酸化塩素濃度(ppm)との関係を表1に示す。また、図7は、本発明の薬剤中の二酸化チタンの含有量と、可視光照射によって発生した二酸化塩素濃度の最大値との関係を示す。
図6、図7、表1に示すとおり、試験用薬剤に可視光を照射した場合に発生する二酸化塩素の量は、薬剤中の亜塩素酸塩に対する二酸化チタンの質量割合が0〜約0.3へ増加するにつれて上昇し、亜塩素酸塩に対する二酸化チタンの質量割合が約0.3を越えると徐々に低下することが示された。さらに、組成物中の亜塩素酸塩に対する二酸化チタンの質量割合が約1.0を越えると、二酸化チタンを混合しない場合よりも二酸化塩素の発生量が低下することが示された。
図8は、本実施例の試験用薬剤に長時間可視光を照射し続けた場合の二酸化塩素発生量の変化を示した図である。図8に示すとおり、長時間にわたって観察した場合であっても、図6や図7に示す結果と同様、試験用薬剤における亜塩素酸塩と二酸化チタンの混合割合(質量比)を、1:0.04〜0.8(好ましくは1:0.07〜0.6、より好ましくは1:0.07〜0.5)とした場合、混合割合をそれ以外の範囲とした場合と比較して、高濃度の二酸化塩素を安定的に放出し続けることが確認された。
実施例4:光源部のサンドイッチ構造についての検討
本発明における、光源部のサンドイッチ構造の有効性についての試験を行った。本実施例においては、図9に記載の二酸化塩素発生用ユニット、および、図10に記載の二酸化塩素発生装置を用いて実験を行った。
図9は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生用ユニット30の内部構造を示した図である。図9に示すとおり、本発明の二酸化塩素発生用ユニット30は、薬剤収納部32および可視領域の光を発生させる光源部(電子基板33およびLEDチップ34)を備える。薬剤収納部32は、内部に固形の亜塩素酸塩を含む薬剤を含む。薬剤収納部32は、内部と外部をエアが移動できるように、開口部(ガス発生口31、エア導入口36)を備える。
エア導入部36から導入されたエアは、薬剤収納部32の内部に供給される。供給されたエア中に含まれる水蒸気は、薬剤収納部32に収納されている試験用薬剤に取り込まれる。光源部から発生した可視領域の光は、薬剤収納部32の外装部35を透過して、薬剤収納部32の内部に収納されている薬剤に照射される。水蒸気を含んだ試験用薬剤は、照射された光と反応し、二酸化塩素を発生させる。発生した二酸化塩素は、ガス発生口31を通じて外部へ放出される。
図10は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生装置40の内部構造を示した図である。図10に示すとおり、本発明の二酸化塩素発生装置40は、本発明の一実施形態である、二酸化塩素発生用ユニット(LEDチップ装着基板41、および、薬剤収納部42)を内部に備える。二酸化塩素発生装置は、内部に送風ファン44をさらに備え、送風ファン44の駆動によって、二酸化塩素発生用ユニット内部へエアを供給する。送風ファン44の駆動を調節することにより、二酸化塩素発生用ユニット中の薬剤収納部内の相対湿度を調節することができる。
送風ファン44の駆動によって、二酸化塩素発生用ユニットのエア導入口から薬剤収納部の内部へエアが供給される。供給されたエア中に含まれる水蒸気は、薬剤収納部に収納されている試験用薬剤に取り込まれる。光源部から発生した可視領域の光は、薬剤収納部の外装部を透過して、薬剤収納部の内部に収納されている薬剤に照射される。水蒸気を含んだ試験用薬剤は、照射された光と反応し、二酸化塩素を発生させる。発生した二酸化塩素は、ガス発生口を通じて外部へ放出される。
10wt%亜塩素酸ナトリウム水溶液70gを100gのセピオライトに噴霧吸着させ乾燥させた後、さらに10wt%水酸化ナトリウム水溶液20gを噴霧吸着させて乾燥させた。これに、粉状の二酸化チタン約1.8gを混合して、本実施例おいて用いる試験用薬剤とした。調製した試験用薬剤を、図9に記載の二酸化塩素発生用ユニットの薬剤収納部に収納し、2面の光源部(それぞれ100mm)より可視光を照射した。本試験は1mのチャンバー内で行い、チャンバー内の温度は約26℃、相対湿度は約40%であった。比較例においては、1面(片面)の光源部を可視光の照射用いた以外は、実施例と同様に試験を行った。
実施例および比較例において、チャンバー内の二酸化塩素濃度の継時的な変化を測定した結果を、図11に示した。また、照射開始からのそれぞれの時間における、実施例と比較例とにおけるチャンバー内の二酸化塩素濃度の比を図12に示した。なお、図12においては、2つの光源部(両面)から光を照射した場合には、1つの光源部(片面)のみから光を照射した場合と比較して、二酸化塩素の発生量が2倍以上になることを示すため、二酸化塩素発生量の比をとるための、片面照射の場合の二酸化塩素発生量は、2倍値を用いている。
図11および図12に示すとおり、可視光を2つの光源部(両面)から照射した場合には、驚くべきことに、可視光を1つの光源(片面)のみから照射した場合と比較して、二酸化塩素の発生量が2倍以上となることが示された。さらに、図12に示すとおり、比較例における二酸化塩素発生量に対する、実施例における二酸化塩素発生量の比の値は、時間の経過とともにさらに上昇することも示された。
上記の結果は、図13によって説明され得る。すなわち、光強度は、光が媒質中を通過する際に指数関数的に減少するため、片面のみからの照射では、薬剤の内部や奥までは光が届きにくく、薬剤全体に効率的に光を照射するのは困難である。しかし、薬剤に対して2方向(あるいは、2以上の方向)から光を照射することにより、薬剤の内部まで、反応に必要な量の光を供給することが可能となり、二酸化塩素を効率よく発生させることが可能となった。
実施例5:薬剤収納部の相対湿度についての検討
図9に記載の二酸化塩素発生用ユニット、および、図10に記載の二酸化塩素発生装置を用いて、薬剤収納部内の相対湿度による、二酸化塩素発生量の変化について検討した。
薬剤収納部に収納する薬剤、可視光の照射方法、および、二酸化塩素濃度の測定については、実施例4と同様の条件を用いた。薬剤収納部内の相対湿度は、送風ファンの駆動により、薬剤収納部へ供給されるエアの量(すなわち、薬剤へ供給される水蒸気の量)を制御することによって調節した。薬剤収納部内の相対湿度と、チャンバー内の二酸化塩素濃度との関係を、図14および図15に示した。図14は、0.5時間から2時間の光照射中に複数回測定した二酸化塩素濃度を平均した値およびその標準偏差を示し、図15は、チャンバー内の二酸化塩素濃度の継時的変化を示す。
図14に示すとおり、薬剤収納部内の相対湿度を30〜80%RH(好ましくは50〜70%RH、さらに好ましくは40〜60%RH)に調節することにより、二酸化塩素の発生量を増加させることができることが示された。なお、薬剤収納部内の相対湿度が30%未満になると、亜塩素酸塩から二酸化塩素が発生する反応に必要な水分が不足し、相対湿度が80%よりも高くなると、結露した水に発生した二酸化塩素が溶け込むため、ガスとして放出される二酸化塩素の量が減少すると考えられる。
また、図15に示すとおり、薬剤収納部内の相対湿度を30〜80%RH(好ましくは40〜70%RH、さらに好ましくは40〜60%RH)に調節することにより、相対湿度が30%未満の場合と比較して、照射開始からの時間が経過しても、放出する二酸化塩素濃度を高く維持することができる。なお、相対湿度を20%とした場合においても、照射開始初期の二酸化塩素濃度が高くなるのは、照射開始前の薬剤自体にある程度の水分が含まれているためだと考えられる。
実施例6:間欠照射の有用性についての検討
図9に記載の二酸化塩素発生用ユニットを用いて、本発明における、可視光の間欠照射の有用性について検討を行った。
薬剤収納部に収納する薬剤、および、二酸化塩素濃度の測定については、実施例4と同様の条件を用いた。光源部からの可視光の間欠照射は、LEDのON/OFFの切り替えによって、可視光の照射と停止とを交互に行うことによって実施した。具体的には、下記の(1)〜(3)の条件で、間欠照射を行った。
(1)照射開始2分間は光を照射し続け、照射開始2分以降は、10秒光を照射(LEDをON)し、80秒光の照射を停止(LEDをOFF)するというサイクルを繰り返した。
(2)照射開始2分間は光を照射し続け、照射開始2分以降は、20秒光を照射(LEDをON)し、80秒光の照射を停止(LEDをOFF)するというサイクルを繰り返した。
(3)照射開始2分間は光を照射し続け、照射開始2分以降は、30秒光を照射(LEDをON)し、80秒光の照射を停止(LEDをOFF)するというサイクルを繰り返した。
本試験の結果を図16に示す。なお、図16のグラフにおける「相対ClOガス濃度」は、照射開始2分後の二酸化塩素濃度を1とした場合の、それぞれの時間における二酸化塩素濃度の相対値を表す。
図16に示すとおり、本発明において、光源部から可視光を間欠照射し、当該間欠照射における照射時間と停止時間のバランスを調節することによって、所望の濃度の二酸化塩素を発生させることができた。
また、本発明において、光源部から可視光を間欠照射することにより、照射開始初期に比較的高濃度の二酸化塩素が放出されることを防ぐことができた。光源部から可視光をし続ける場合(すなわち、間欠照射を行わない場合)には、例えば、図6のグラフのように、照射開始初期に二酸化塩素発生濃度が極大となり、その後徐々に減衰する。すなわち、本発明において、光源部から可視光を間欠照射することにより、より安定的に二酸化塩素を放出することができる。
さらに、当然のことながら、光源部から可視光を間欠照射する場合には、光源部から可視光を照射し続ける場合と比較して、二酸化塩素の供給源である、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤の消費量を抑えることができる。すなわち、本発明において、可視光を間欠照射することのできる光源を用いることにより、二酸化塩素発生用ユニットの使用可能期間を延長することができる。
実施例7:薬剤収納部における通気性シートの使用の検討1
本発明の二酸化塩素発生装置においては、例えば図10に記載のように、薬剤収納部に収納されている固形の薬剤へ水分(水蒸気)を供給するために、および/または、二酸化塩素ガスをより広範囲に拡散するため、送風ファンによって、薬剤収納部へ能動的に空気を送り込むことがある。しかし、薬剤収納部へ送り込む風の量や空気の湿度等によっては、薬剤が過度に乾燥し、二酸化塩素の発生効率が低下する場合や、薬剤が過度に湿潤となってしまうことがある。
そこで、図17に示すように、薬剤収納部の開口部を通気性シート(本実施例においては、エクセポール(登録商標)(三菱樹脂社製)を使用)で覆う構造とし、本発明の二酸化塩素発生装置を駆動する実験を試みた。その結果、本発明の装置中に送り込んだ空気の大部分が薬剤収納部の表面をなぞるように流れ、一部の空気のみが薬剤収納部の内外を行き来することにより、薬剤収納部へ送り込む風の量や空気の湿度の変化によらず、固形の薬剤の状態を安定化することができた。すなわち、通気性シートを使用することにより、本発明の装置の二酸化塩素拡散能力を維持したまま、二酸化塩素の発生効率を安定化させることができた(図18)。さらに、薬剤収納部の開口部を通気性シートで覆ったことにより、送り込む空気の勢いを高めても、薬剤が薬剤収納部の外へこぼれ出ることがなくなり、装置の実用性をより高めることができた。
実施例8:薬剤収納部における通気性シートの使用の検討2
上記の実施例7において、通気性シートとして不織布(エルベス(登録商標、ユニチカ社製))を用いて、同様の実験を行った。その結果、本発明の装置中に送り込んだ空気の大部分が薬剤収納部の表面をなぞるように流れ、一部の空気のみが薬剤収納部の内外を行き来することにより、薬剤収納部へ送り込む風の量や空気の湿度の変化によらず、固形の薬剤の状態を安定化することができた。すなわち、不織布を使用することにより、本発明の装置の二酸化塩素拡散能力を維持したまま、二酸化塩素の発生効率を安定化させることができた(図18)。さらに、薬剤収納部の開口部を不織布で覆ったことにより、送り込む空気の勢いを高めても、薬剤が薬剤収納部の外へこぼれ出ることがなくなり、装置の実用性をより高めることができた。
10 二酸化塩素発生用ユニット
11 薬剤収納部
12 LEDチップ
13 操作基盤
14 薬剤
15 チューブ
16 開口部
20 二酸化塩素発生装置
21 二酸化塩素発生用ユニット
22 装置本体
23 エア供給口
24 ファン
25 エア排出口
30 二酸化塩素発生用ユニット
31 ガス発生口
32 薬剤収納部
33 電子基板
34 LEDチップ
35 外装部
36 エア導入口
40 二酸化塩素発生装置
41 LEDチップ装着基板
42 薬剤収納部
43 筐体部
44 送風ファン
51 透明樹脂板
52 薬剤収納部
53 通気性シート
54 LEDチップ装着基板
55 薬剤収納部
56 送風ファン

Claims (20)

  1. 二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記ユニットは、薬剤収納部、および、少なくとも2つの光源部を備え、
    前記光源部は、実質的に可視領域の波長からなる光を発生させるためのものであり、
    前記薬剤収納部には、固形の亜塩素酸塩を含む薬剤が収納されており、
    前記薬剤収納部には、前記薬剤収納部の内部と外部をエアが移動できるように、1または複数の開口部が備えられており、
    前記薬剤収納部の前記1または複数の開口部は、通気性シートによって覆われており、
    ここで、前記薬剤収納部の内部に存在する前記薬剤が、前記光源部から発生される前記光によって照射されることにより、二酸化塩素ガスが発生することを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  2. 請求項1に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記薬剤収納部と前記少なくとも2つの光源部とが一体的に配置されており、前記少なくとも2つの光源部は、前記薬剤収納部に収納されている前記薬剤に対して、少なくとも2方向から光を照射することを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記照射する光の波長が、360nm〜450nmであることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  4. 請求項3に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記光源部が、ランプ、または、チップを備えることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  5. 請求項4に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記チップが、LEDチップであることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  6. 請求項4または5に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記光源部は、光を間欠的に照射できる光源部であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  7. 請求項1に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記固形の亜塩素酸塩を含む薬剤は、(A)亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質、および、(B)金属触媒または金属酸化物触媒、を含む薬剤であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  8. 請求項7に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記「亜塩素酸塩を担持させた多孔質物質」は、亜塩素酸塩水溶液を多孔質物質に含浸させ、さらに乾燥させることによって得られることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  9. 請求項7または8に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記金属触媒または金属酸化物触媒が、パラジウム、ルビジウム、ニッケル、チタン、および、二酸化チタンからなる群から選択されることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  10. 請求項7または8に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記多孔質物質が、セピオライト、パリゴルスカイト、モンモリロナイト、シリカゲル、珪藻土、ゼオライト、および、パーライトからなる群から選択され、
    前記亜塩素酸塩が、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カルシウム、および、亜塩素酸バリウムからなる群から選択されることを特徴とする、二酸化塩素発生用ユニット。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記薬剤収納部中の前記薬剤において、前記亜塩素酸塩と前記金属触媒または金属酸化物触媒との質量比が、1:0.04〜0.8であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記多孔質物質が、さらにアルカリ剤を担持することを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  13. 請求項12に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記アルカリ剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および、炭酸リチウムからなる群から選択されることを特徴とする、二酸化塩素発生用ユニット。
  14. 請求項12または13に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記亜塩素酸塩と前記アルカリ剤とのモル比が、1:0.1〜2.0であることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生用ユニットであって、
    前記「亜塩素酸塩およびアルカリ剤を担持させた多孔質物質」は、亜塩素酸塩およびアルカリ剤を、同時または順次に、多孔質物質に含浸させ乾燥させることによって得られることを特徴とする、
    二酸化塩素発生用ユニット。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生用ユニットを備える、
    二酸化塩素発生装置。
  17. 請求項16に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記二酸化塩素発生用ユニット中の、前記薬剤収納部に収納された薬剤にエアを送るための、送風部をさらに備えることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  18. 請求項17に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記送風部が、前記二酸化塩素発生装置の外部から内部へとエアを取り込むためのファン、または、前記二酸化塩素発生装置の内部から外部へとエアを放出するためのファンであることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  19. 請求項17または18に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部の開口部のうち少なくとも1つは、前記薬剤収納部の側面に存在し、
    前記送風部から送られたエアは、少なくとも部分的には、前記薬剤収納部の側面に存在する開口部を介して、薬剤に送られることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
  20. 請求項17〜19のいずれか1項に記載の二酸化塩素発生装置であって、
    前記薬剤収納部の中の相対湿度は、前記送風部から送られるエアによって、30〜80%RHに保たれることを特徴とする、
    二酸化塩素発生装置。
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