JPWO2016194792A1 - 偏光板、表示装置および有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

偏光板、表示装置および有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、高温高湿環境下に表示装置が晒された場合においても、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を保持することができる偏光板ならびにそれを有する表示装置および有機EL表示装置を提供すること課題とする。本発明の偏光板は、視認側から、偏光子および偏光子に隣接して配置される光学異方性層をこの順に有する偏光板であって、偏光子が、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子であり、光学異方性層が、重合性基を有する液晶性化合物および光重合開始剤を含有する組成物を硬化させて得られる層であり、光重開始剤が、塩基解離定数pKbが8以上であり、かつ、分子量が240以上の光重合開始剤Xを含み、光重合開始剤Xの含有量が、光重合開始剤の全質量に対して60質量%以上である、偏光板である。

Description

本発明は、偏光板(特に、円偏光板)、表示装置および有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)表示装置に関する。
従来から、外光反射による悪影響を抑制するために、円偏光板が有機EL表示装置やLCD表示装置などに使用されている。
円偏光板としては、λ/2板およびλ/4板からなる位相差板(いわゆる広帯域のλ/4板)と、偏光子とを組み合わせた態様が好適に使用されており、例えば、特許文献1および2においても類似の構成が開示されている。
国際公開第2013/137464号 特開2014−063143号公報
一方、近年、表示装置の耐久性に関してより一層の向上が求められており、具体的には、高温高湿環境下に表示装置が晒された場合においても、偏光板の透過率が変化せず、表示装置の表示品位が保持できることが求められている。
本発明者らは、特許文献1および2に具体的に開示されている偏光板を表示装置に貼り合せて耐久性を評価したところ、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子を採用した場合には、従来の要求レベルは満たすものの、昨今のより高いレベルは満たしておらず、さらなる改良が必要であった。
そこで、本発明は、高温高湿環境下に表示装置が晒された場合においても、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を保持することができる偏光板ならびにそれを有する表示装置および有機EL表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、光学異方性層の形成に、特定の塩基解離定数(pKb)および特定の分子量を示す光重合開始剤を含有する組成物を用いることにより、表示装置が高温高湿環境下に晒された場合においても、偏光板の透過率の変化を抑止し、また、表示装置の表示品位を保持することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 視認側から、偏光子および偏光子に隣接して配置される光学異方性層をこの順に有する偏光板であって、
偏光子が、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子であり、
光学異方性層が、重合性基を有する液晶性化合物および光重合開始剤を含有する組成物を硬化させて得られる層であり、
光重開始剤が、塩基解離定数pKbが8以上であり、かつ、分子量が240以上の光重合開始剤Xを含み、光重合開始剤Xの含有量が、光重合開始剤の全質量に対して60質量%以上である、偏光板。
[2] 偏光子の厚みが2〜30μmである、[1]に記載の偏光板。
[3] 光学異方性層が、λ/2板とλ/4板とを有する積層体であり、
視認側から、偏光子と、λ/2板と、λ/4板とをこの順に有し、
λ/4板の面内レターデーションが、下記式(I)を満たし、
λ/2板の面内レターデーションが、下記式(II)を満たす、[1]または[2]に記載の偏光板。
115nm≦Re4(550)≦155nm ・・・(I)
Re2(550)=2×Re4(550)±50nm ・・・(II)
ここで、式(I)中、Re4(550)は、λ/4板の波長550nmにおける面内レターデーションを表し、式(II)中、Re2(550)は、λ/2板の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。
[4] 光学異方性層が、ディスコティック液晶性化合物を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光板。
[5] 有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いられる、[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光板。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板を有する表示装置。
[7] [5]に記載の偏光板を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明によれば、高温高湿環境下に表示装置が晒された場合においても、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を保持することができる偏光板ならびにそれを有する表示装置および有機EL表示装置を提供することができる。
本発明の偏光板の実施態様の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の偏光板の実施態様の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の表示装置の実施態様の一例(有機EL表示装置)を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、角度について「直交」および「平行」とは、厳密な角度±10°の範囲を意味するものとし、角度について「同一」および「異なる」は、その差が5°未満であるか否かを基準に判断できる。
また、本明細書では、「可視光」とは、380〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
次に、本明細書で用いられる用語について説明する。
<遅相軸>
本明細書において、「遅相軸」とは、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。なお、光学異方性層の遅相軸という場合は、光学異方性層全体の遅相軸を意図する。
<Re(λ)、Rth(λ)>
本明細書において、「Re(λ)」および「Rth(λ)」とは、それぞれ、波長λにおける面内のレターデーション、および、厚さ方向のレターデーションを表す。
Re(λ)は、KOBRA 21ADHまたはKOBRA WR(いずれも王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
ここで、測定されるフィルムが、1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにおいて算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにおいて算出される。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)および数式(2)よりRthを算出することもできる。
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(OPTIC AXIS)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにより算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにおいてnx、ny、nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
<塩基解離定数(pKb)>
本明細書において、光重合開始剤の「塩基解離定数(pKb)」とは、水温25℃でのpKbをいい、塩基の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、塩基性度定数と同義である。
塩基解離定数(pKb)は、A. E. Martell, R. M. Smith,"Critical Stability Constants", Vol.1〜3, Plenum Press (1974, 1975, 9177)に記載の方法で酸解離定数(pKa)を求めた上、pKb=14.0−pKaの式から求めることができる。
[偏光板]
本発明の偏光板は、視認側から、偏光子および偏光子に隣接して配置される光学異方性層をこの順に有する偏光板である。
また、本発明の偏光板が有する偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子である。
また、本発明の偏光板が有する光学異方性層は、重合性基を有する液晶性化合物および光重合開始剤を含有する組成物を硬化させて得られる層であり、この光重開始剤は、塩基解離定数pKbが8以上であり、かつ、分子量が240以上の光重合開始剤Xを含み、光重合開始剤Xの含有量が、光重合開始剤の全質量に対して60質量%以上である。
このような構成を有することにより、高温高湿環境下に表示装置が晒された場合においても、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を保持することができる偏光板となる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、偏光板の透過率が増大し、表示装置の表示品位が劣る原因は、後述する比較例の結果から、塩基性が強い、すなわち、pKbが小さい光重合開始剤を用いることにより、光学異方性層の形成時に存在または形成後に残存する光重合開始剤が、高温高湿環境下において隣接する偏光子に侵入または拡散し、偏光子のホウ酸架橋が解離してしまう現象が考えられる。また、表示装置の表示品位が劣る原因については、分子量の小さい光重合開始剤を用いることにより、光学異方性層中の液晶性分子の硬化が十分進行せず、配向が不安定化してヘイズが上昇する現象が考えられる。
そのため、本発明においては、特定の塩基解離定数(pKb)および特定の分子量を示す光重合開始剤を含有する組成物を用いて光学異方性層を形成することにより、硬化が十分に進行し、また、偏光子に侵入または拡散した光重合開始剤によるホウ酸架橋の解離を抑制することができたため、高温高湿環境下に表示装置が晒された場合においても、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を保持することができたと考えられる。
次に、本発明の偏光板の全体の構成について図1および図2を用いて説明した後に、各部の構成を詳述する。
図1および図2は、ぞれぞれ、本発明の偏光板の実施態様の一例を示す模式的な断面図である。
図1および図2に示すように、偏光板10および20は、いずれも、視認側から偏光子12および光学異方性層14をこの順に有している。
また、図1および図2に示すように、偏光子12の視認側に偏光子保護フィルム11を有していてもよく、偏光子12と光学異方性層14との間に粘着剤層13を有していてもよい。
また、図2に示す偏光板20は、光学異方性層14として、λ/2板15、粘着剤層17およびλ/4板16を有している。
〔偏光子〕
本発明の偏光板が有する偏光子は、ヨウ素系偏光子が用いられる。ヨウ素系偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、ヨウ素が吸着配向されたものである。
このようなヨウ素系偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムに、染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施すことにより得られる。また、染色工程、架橋工程および延伸工程には、それぞれ、染色浴、架橋浴および延伸浴の各処理浴が用いられ、これら各処理浴は各工程に応じた処理液(水溶液等)が用いられる。
また、このようなヨウ素系偏光子の他の製造方法としては、具体的には、例えば、特開2013−097170の[0017]〜[0042]段落に記載された方法が挙げられ、これらの段落に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
本発明においては、偏光子の厚みは特に限定されないが、取り扱い性に優れると共に、光学特性にも優れる観点から、2〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。
また、本発明においては、偏光子の単板透過率は特に限定されないが、偏光板の透過率の変化を抑制する効果がより発現する理由から、43%超であるのが好ましく、44%以上50%未満であるのがより好ましい。
ここで、偏光子の単板透過率は、VAP−7070(日本分光社製)を用い、25℃相対湿度60%の条件下、波長550nmで測定し、10回測定の平均値を用いる。
〔光学異方性層〕
本発明の偏光板が有する光学異方性層は、上述した偏光子に隣接して配置され、重合性基を有する液晶性化合物および光重合開始剤を含有する組成物(以下、「光学異方性層形成用組成物」ともいう。)を硬化させて得られる層であり、単層構造であってもよく、複数層を積層した構造(積層体)であってもよい。
ここで、本明細書においては、偏光子と光学異方性層とが「隣接」している態様とは、偏光子と光学異方性層とが直接接している態様、ならびに、図1および図2に示す通り、偏光子と光学異方性層とが粘着剤層または接着剤層を介して接する態様をいう。なお、光学異方性層が積層体である場合は、偏光子と、光学異方性層の少なくとも一層(例えば、2/λ板)が隣接していればよい。
以下に、光学異方性層形成用組成物が含有している光重合開始剤および液晶性化合物ならびに任意の成分について説明する。
<光重合開始剤>
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
また、光重合開始剤の具体例は、特開2009−098658号公報の段落[0133]〜[0151]や、「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会}(1991年)、p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著(平成元年、総合技術センター発行)、p.65〜148に記載された種々の例も挙げられる。
市販の光開裂型の光重合開始剤としては、BASF社製の「イルガキュア127(pKb:13,分子量:340)」、「イルガキュア184(pKb:17,分子量:204)」、「イルガキュア819(pKb:24,分子量:419)」、「イルガキュア907(pKb:5.6,分子量:279)」、「イルガキュア369(pKb:5.3,分子量:367)」、「イルガキュア379(pKb:5.4,分子量:381)」、「イルガキュア2959(pKb:14,分子量:224)」、「ダロキュア1173(pKb:16,分子量:164)」等;日本化薬(株)製の「カヤキュアーDETX−S」、「カヤキュアーBP−100」、「カヤキュアーBDMK」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーBMS」、「カヤキュアー2−EAQ」、「カヤキュアーABQ」、「カヤキュアーCPTX」、「カヤキュアーEPD」、「カヤキュアーITX」、「カヤキュアーQTX」、「カヤキュアーBTC」、「カヤキュアーMCA」など;サートマー社製の“Esacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KTO46,KT37,KIP150,TZT)”等、及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
本発明においては、上記で例示した光重合開始剤のうち、塩基解離定数(pKb)が8以上であり、かつ、分子量が240以上の光重合開始剤(光重合開始剤X)を用いる。
このような光重合開始剤Xの塩基解離定数(pKb)は、8〜50であるのが好ましく、15〜30であるのがより好ましい。
また、光重合開始剤Xの分子量は、240〜1000であるのが好ましく、300〜600であるのがより好ましい。
また、本発明においては、光重合開始剤Xの光学異方性層形成用組成物における含有量は、光重合開始剤Xを含む光重合開始剤の全質量に対して60質量%以上であり、65質量%以上であるのが好ましく、80質量%超であるのがより好ましく、100質量%、すなわち、光重合開始剤として光重合開始剤Xのみを使用した態様であるのが更に好ましい。
また、本発明においては、光重合開始剤Xを含む光重合開始剤の全質量は、光学異方性層形成用組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
<液晶性化合物>
光学異方性層形成用組成物が含有する液晶性化合物は、重合性基を有する液晶性化合物である。
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。
本発明においては、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物(以下、「CLC」とも略す。)またはディスコティック液晶性化合物(以下、「DLC」とも略す。)を用いるのが好ましく、ディスコティック液晶性化合物を用いるのがより好ましい。なお、2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、または、棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。
本発明においては、上述の液晶性化合物の固定化のために、重合性基を有する液晶性化合物を用いるが、液晶性化合物が1分子中に重合性基を2以上有することがさらに好ましい。なお、液晶性化合物が2種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶性化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。なお、液晶性化合物が重合によって固定された後においては、もはや液晶性を示す必要はない。
また、重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基がより好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基またはアクリロイル基を意味する表記である。
棒状液晶性化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶性化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
<重合性モノマー>
光学異方性層形成用組成物は、塗工膜の均一性、膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性またはカチオン重合性の化合物が挙げられる。好ましくは、多官能性ラジカル重合性モノマーであり、上記の重合性基含有の液晶性化合物と共重合性のものが好ましい。例えば、特開2002−296423号公報中の段落[0018]〜[0020]に記載のものが挙げられる。
重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物の全質量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
<界面活性剤>
光学異方性層形成用組成物は、塗工膜の均一性、膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。
界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、特にフッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば特開2001−330725号公報中の段落[0028]〜[0056]に記載の化合物、特願2003−295212号明細書中の段落[0069]〜[0126]に記載の化合物が挙げられる。
<溶媒>
光学異方性層形成用組成物は、溶媒(特に、有機溶媒)が含まれていてもよい。
有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤が好ましく用いられる。
具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、メチルイソプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、ジアセチル、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、メシチルオキサイド、クロロアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等をあげることができる。この中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、任意の混合比で混合して用いてもよい。
<配向剤>
光学異方性層形成用組成物は、偏光子界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤など垂直配向促進剤、偏光子界面側水平配向剤、空気界面側水平配向剤など水平配向促進剤などの各種配向剤が含まれていてもよい。
このような成分を有する光学異方性層形成用組成物を用いた光学異方性層の形成方法は特に限定されず、例えば、所定の基板(仮基板を含む)に、光学異方性層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜に対して硬化処理(紫外線の照射(光照射処理)または加熱処理)を施すことにより形成することができる。なお、必要に応じて、後述する配向膜を用いてもよい。
光学異方性層形成用組成物の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
本発明においては、本発明の偏光板を円偏光板として機能させる観点から、光学異方性層が、下記式(III)を満たしているのが好ましい。
100≦Re(550)≦180nm ・・・(III)
ここで、式(III)中、Re(550)は、光学異方性層の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。
なお、本明細書において、「円偏光板」とは、特別な記述がない限り、長尺の円偏光板、および、表示装置に組み込まれる大きさに裁断された円偏光板の両者を含む意味で用いている。また、ここでいう「裁断」には「打ち抜き」および「切り出し」等も含むものとする。
本発明においては、広い波長領域においてλ/4板として機能し、円偏光板としてより好適に用いることができる理由から、光学異方性層が、λ/2板とλ/4板とを有する積層体であるのが好ましい。
<λ/2板>
λ/2板とは、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/2を満たす光学異方性層のことをいう。なお、この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。
本発明においては、λ/2板の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、205〜275nmであるのが好ましく、215〜265nmであるのがより好ましい。
本発明においては、λ/2板は、上述した光学異方性層形成用組成物を用いて上述した形成方法により形成することができるが、上述した液晶性化合物のうち、棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましく、ディスコティック液晶性化合物を用いるのがより好ましい。
また、本発明においては、λ/2板の厚みは、特に制限されないが、表示装置の薄型化を図りやすくなる理由から、0.5〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
なお、上記厚みは平均厚みを意図し、λ/2板の任意の5点の厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
<λ/4板>
λ/4板とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板であり、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/4を満たす光学異方性層のことをいう。なお、この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。
本発明においては、λ/4板の波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、100〜160nmであるのが好ましく、115〜155nmであるのがより好ましい。
本発明においては、λ/4板は、上述した光学異方性層形成用組成物を用いて上述した形成方法により形成することができるが、上述した液晶性化合物のうち、棒状液晶性化合物またはディスコティック液晶性化合物を用いるのが好ましく、ディスコティック液晶性化合物を用いるのがより好ましい。
また、本発明においては、λ/4板の厚みは、特に制限されないが、表示装置の薄型化を図りやすくなる理由から、0.5〜10μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。
なお、上記厚みは平均厚みを意図し、λ/4板の任意の5点の厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
本発明においては、上述したλ/2板とλ/4板とを有する積層体を光学異方性層として用いる場合は、視認側から、λ/2板とλ/4板とをこの順に有するのが好ましい。また、λ/4板の面内遅相軸とλ/2板の面内遅相軸とのなす角度は60°±10°であることが好ましい。
また、λ/4板として機能する波長領域を広げられる理由から、λ/4板の面内レターデーションが、下記式(I)を満たし、λ/2板の面内レターデーションが、下記式(II)を満たしているのが好ましい。
115nm≦Re4(550)≦155nm ・・・(I)
Re2(550)=2×Re4(550)±50nm ・・・(II)
ここで、式(I)中、Re4(550)は、λ/4板の波長550nmにおける面内レターデーションを表し、式(II)中、Re2(550)は、λ/2板の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。
また、本発明においては、上述したλ/2板とλ/4板とを有する積層体を光学異方性層として用いる場合は、上述したλ/2板およびλ/4板が直接接している態様以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、λ/2板およびλ/4板以外の他の層を含む態様であってもよい。
他の層としては、例えば、λ/2板およびλ/4板の間に設けられる粘着剤層または接着剤層や、光学異方性層を形成する際に利用した配向膜などが挙げられる。
<粘着剤層・接着剤層>
本発明に用いることができる粘着剤や接着剤は、特に限定されず、通常用いる粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤など)や接着剤(例えば、紫外線硬化型接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤など)を用いることができる。
また、本発明に用いることができる粘着剤や接着剤としては、例えば、特開2011−037140号公報の段落[0100]〜[0115]、特開2009−292870号公報の段落[0155]〜[0171]などに記載されている粘着剤を使用することができる。
<配向膜>
配向膜は、液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有する層であり、一般的にはポリマーを主成分とする。
配向膜用ポリマー材料としては、多数の文献に記載があり、多数の市販品を入手することができる。利用されるポリマー材料は、ポリビニルアルコールまたはポリイミド、および、その誘導体が好ましい。特に、変性または未変性のポリビニルアルコールが好ましい。本発明に使用可能な配向膜については、WO01/88574A1号公報の43頁24行〜49頁8行、特許第3907735号公報の段落[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコールを参照することができる。なお、配向膜には、通常、公知のラビング処理が施される。つまり、配向膜は、通常、ラビング処理されたラビング配向膜であることが好ましい。
配向膜の厚みは上述したように、20μm以下であればよく、なかでも、0.01〜10μmであることが好ましく、0.01〜1μmであることがより好ましく、0.01〜0.5μmであることがさらに好ましい。
〔その他の層〕
本発明の偏光板は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した偏光子および光学異方性層以外の他の層を備えていてもよい。
<偏光子保護フィルム>
本発明の偏光板は、上述した偏光子の視認側の表面(光学異方性層が設けられた側とは反対側の表面)上には、偏光子保護フィルムが配置されていてもよい。
偏光子保護フィルムとしては、具体的には、例えば、セルロースアシレート系フィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。
なお、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂とアクリル系樹脂の両方を含む概念であり、アクリレート/メタクリレートの誘導体、特にアクリレートエステル/メタクリレートエステルの(共)重合体も含まれる。また、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂の他に、主鎖に環構造を有する(メタ)アクリル系重合体も含み、ラクトン環を有する重合体、無水コハク酸環を有する無水マレイン酸系重合体、無水グルタル酸環を有する重合体、グルタルイミド環含有重合体を含む。
これらのうち、加工性や光学性能の観点から、セルロースアシレート系フィルム、(メタ)アクリル樹脂系フィルムであるのが好ましい。
偏光子保護フィルムとして好適に用いることができるセルロースアシレート系フィルムとしては、各種公知のものを用いることができ、具体的には、例えば、特開2012−076051号公報に記載のもの等を用いることができる。
また、(メタ)アクリル樹脂系フィルムとしては、各種公知のものを用いることができ、具体的には、例えば、特開2010−079175号公報の[0032]〜[0063]段落に記載されるアクリルフィルムや、特開2009−98605号公報の段落[0017]〜[0107]段落に記載されるラクトン環含有重合体等を適宜採用することができる。
偏光子保護フィルムの厚みは、偏光板の薄型化の観点から、5μm〜40μmであるのが好ましく、10μm〜30μmであるのがより好ましい。
偏光子保護フィルムの透湿度は、60g/m2/24h以上であるのが好ましく、105g/m2/24h以上であるのがより好ましく、110〜1000g/m2/24hであるのがさらに好ましい。
ここで、透湿度とは、JIS Z 0208:1976の「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に記載された手法に従い、温度40℃、相対湿度90%の条件下で24時間に通過した水蒸気の量(g/m2/24h)をいう。
[表示装置]
本発明の表示装置は、上述した本発明の偏光板を有する表示装置である。
本発明の偏光板は、反射防止用途に好適に用いられるため、本発明の表示装置としては、例えば、有機EL表示装置、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル、陰極管表示装置等が挙げられる。これらのうち、有機EL表示装置であるのが好ましい。
以下、本発明の偏光板を含む有機EL表示装置の場合について詳述する。
〔有機EL表示装置〕
本発明の表示装置の好適態様である有機EL表示装置は、上述した本発明の偏光板のうち、円偏光板として機能する偏光板を有する。通常、円偏光板は、有機EL表示装置の有機ELパネル上に設けられる。より具体的には、図3に示すように、有機EL表示装置30は、少なくとも、有機ELパネル32と、偏光板20とを有する。なお、偏光板20の構成は、有機ELパネル32との接着に用いる粘着剤18を設ける以外は、図2に示す通りである。
有機ELパネルは、陽極、陰極の一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄膜を形成した部材であり、発光層のほか正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の材料を用いることができる。
陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide:ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
〔実施例1〕
(1)セルロースアシレートフィルム(T1)の作製
(セルロースアセテート溶液A−1の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、セルロースアセテート溶液A−1を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート溶液A−1の組成
――――――――――――――――――――――――――――――
・セルロースアセテート(アセチル化度2.86) 100質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 320質量部
・メタノール(第2溶媒) 83質量部
・1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
・トリフェニルフォスフェート 7.6質量部
・ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.8質量部
――――――――――――――――――――――――――――――
(マット剤分散液B−1の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤分散液B−1を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤分散液B−1の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・シリカ粒子分散液(平均粒径16nm)
AEROSIL R972(日本アエロジル社製) 10.0質量部
・メチレンクロライド 72.8質量部
・メタノール 3.9質量部
・ブタノール 0.5質量部
・セルロースアセテート溶液A−1 10.3質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(紫外線吸収剤溶液C−1の調製)
下記の組成物を別のミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液C−1を調製した。
――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤溶液C−1の組成
――――――――――――――――――――――――――――――
・紫外線吸収剤(下記UV−1) 10.0質量部
・紫外線吸収剤(下記UV−2) 10.0質量部
・メチレンクロライド 55.7質量部
・メタノール 10質量部
・ブタノール 1.3質量部
・セルロースアセテート溶液A−1 12.9質量部
――――――――――――――――――――――――――――――
(セルロースアシレートフィルムの作製)
セルロースアセテート溶液A−1を94.6質量部、マット剤分散液B−1を1.3質量部とした混合物に、セルロースアシレート100質量部当たり、紫外線吸収剤(UV−1)および紫外線吸収剤(UV−2)がそれぞれ1.0質量部となるように、紫外線吸収剤溶液C−1を加え、加熱しながら充分に攪拌して各成分を溶解し、ドープを調製した。
調製したドープを30℃に加温し、流延ギーサーを通して直径3mのドラムである鏡面ステンレス支持体上に流延した。支持体の表面温度は−5℃に設定し、塗布幅は1470mmとした。流延したドープ膜をドラム上で34℃の乾燥風を150m3/分で当てることにより乾燥させ、残留溶剤が150%の状態でドラムより剥離した。剥離の際、搬送方向(長手方向)に15%の延伸を行った。
その後、フィルムの幅方向(流延方向に対して直交する方向)の両端をピンテンター(特開平4−1009号公報の図3に記載のピンテンター)で把持しながら搬送し、幅手方向には延伸処理を行わなかった。
さらに、熱処理装置のロール間を搬送することによりさらに乾燥し、セルロースアシレートフィルム(T1)を製造した。
作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム(T1)の残留溶剤量は0.2%で、厚みは60μmで、550nmにおけるReとRthはそれぞれ0.8nm、40nmであった。
(2)セルロースアシレートフィルム(T2)の作製
(コア層セルロースアシレートドープの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し攪拌して各成分を溶解し、コア層セルロースアセテート溶液(コア層セルロースアシレートドープ)を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――
・アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
・エステルオリゴマーA 10質量部
・下記偏光子耐久性改良剤 4質量部
・紫外線吸収剤(上記UV−2) 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
・メタノール(第2溶剤) 64質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――
偏光子耐久性改良剤
(外層セルロースアシレートドープの作製)
コア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、外層セルロースアセテート溶液(外層セルロースアシレートドープ)を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
AEROSIL R972(日本アエロジル社製) 2質量部
・メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
・メタノール(第2溶剤) 11質量部
・コア層セルロースアシレートドープ 1質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(セルロースアシレートフィルムの作製)
コア層セルロースアシレートドープとその両側に外層セルロースアシレートドープとを3層同時に流延口から20℃のドラム上に流延した。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、残留溶剤が3〜15%の状態で、横方向に1.1倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚さ25μmのセルロースアシレートフィルム(T2)を作製した。
(3)位相差板(F1)の作製
(アルカリ鹸化処理)
前述のセルロースアシレートフィルム(T1)を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムのバンド面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。
次いで、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m2塗布した。
次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを作製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
アルカリ溶液組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・水酸化カリウム 4.7質量部
・水 15.8質量部
・イソプロパノール 63.7質量部
・界面活性剤SF−1:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
・プロピレングリコール 14.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(配向膜の形成)
セルロースアシレートフィルム(T1)のアルカリ鹸化処理を行った面に、下記組成の配向膜塗布液(A)を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。60℃の温風で60秒、更に100℃の温風で120秒乾燥し、配向膜を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――
配向膜塗布液の組成
――――――――――――――――――――――――――――――
・下記ポリビニルアルコール 10質量部
・水 371質量部
・メタノール 119質量部
・グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
・クエン酸エステル(三協化学社製) 0.175質量部
――――――――――――――――――――――――――――――
ポリビニルアルコール
(第1光学異方性層(H)の形成)
上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向とラビングローラーの回転軸とのなす角度を75°とした(フィルム幅方向を0°、フィルム長手方向を90°とし、配向膜側から観察してフィルム幅方向を基準に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は165°)。
下記の組成のディスコティック液晶化合物を含む光学異方性層塗布液(A)を上記作製した配向膜上に#5.0のワイヤーバーで連続的に塗布し、位相差板(F1)を作製した。フィルムの搬送速度(V)は26m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥およびディスコティック液晶化合物の配向熟成のために、130℃の温風で90秒間、続いて、100℃の温風で60秒間加熱し、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化した。第1光学異方性層(H)の厚みは2.0μmで、550nmにおけるReは250nmであった。DLC化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、DLC化合物がフィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
また、第1光学異方性層(H)の遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と平行で、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第1光学異方性層(H)側から見たとき、遅相軸は165°であった。
なお、セルロースアシレートフィルム(T1)と配向膜は密着しており、第1光学異方性層(H)は配向膜から剥離することができた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層塗布液(A)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・ディスコティック液晶−1 80質量部
・ディスコティック液晶−2 20質量部
・配向膜界面配向剤−1 2.0質量部
・含フッ素化合物(FP−1) 0.21質量部
・含フッ素化合物(FP−2) 0.05質量部
・含フッ素化合物(FP−3) 0.10質量部
・変性トリメチロールプロパントリアクリレート 5質量部
・光重合開始剤 イルガキュア819
(pKb:24、分子量:419、BASF社製) 4.0質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
ディスコティック液晶−1
ディスコティック液晶−2
配向膜界面配向剤−1
含フッ素化合物(FP−1)
含フッ素化合物(FP−2)
含フッ素化合物(FP−3)
(4)位相差板(F2)の作製
(第2光学異方性層(Q)の形成)
位相差板(F1)と同様の方法で、セルロースアシレートフィルム(T1)にアルカリ鹸化処理を施し、配向膜を形成した。
次いで、上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向とラビングローラーの回転軸とのなす角度を75°とした(フィルム幅方向を0°、フィルム長手方向を90°とし、配向膜側から観察してフィルム幅方向を基準に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は15°)。
下記の組成のディスコティック液晶化合物を含む光学異方性層塗布液(B)を、上記作製した配向膜上に#2.4のワイヤーバーで連続的に塗布し位相差板(F2)を作製した。フィルムの搬送速度(V)は26m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥およびディスコティック液晶化合物の配向熟成のために、130℃の温風で90秒間、続いて、100℃の温風で60秒間加熱し、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化した。第2光学異方性層(Q)の厚みは0.96μmで、550nmにおけるReは120nmであった。DLC化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、DLC化合物がフィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
また、第2光学異方性層(Q)の遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と直交で、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第2光学異方性層(Q)側から見たとき、遅相軸は105°であった。
なお、セルロースアシレートフィルム(T1)と配向膜は密着しており、第2光学異方性層(Q)は配向膜から剥離することができた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層塗布液(B)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・ディスコティック液晶−1 80質量部
・ディスコティック液晶−2 20質量部
・配向膜界面配向剤−1 1.0質量部
・含フッ素化合物(FP−1) 0.20質量部
・含フッ素化合物(FP−2) 0.10質量部
・含フッ素化合物(FP−3) 0.10質量部
・変性トリメチロールプロパントリアクリレート 10質量部
・光重合開始剤 イルガキュア819
(pKb:24、分子量:419、BASF社製) 5.0質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(5)偏光子の作製
厚さ60μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、25℃の純水に60秒間浸漬し、膨潤処理した後、1.30倍に延伸した。
得られたフィルムを、水100質量部に対し、0.2質量部のヨウ素と、5質量部のヨウ化カリウムとを含む染色液に、25℃で30秒間浸漬して染色した後、水100質量部に対し、4.3質量部のホウ酸と3質量部のヨウ化カリウムとを含む架橋液に、60℃で80秒間浸漬させながら、元の長さに対して8倍に延伸した。この延伸フィルムを100℃で4分間乾燥させて、厚さ20μmの偏光子を得た。
(6)偏光子保護フィルムの鹸化
上記作製したセルロースアシレートフィルム(T2)を1.5モル/リットルで55℃の水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬した後、水で十分に水酸化ナトリウムを洗い流した。その後、0.005モル/リットルで35℃の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
(7)偏光板(P1)の作製
上記(5)で作製した偏光子と、上記(6)で鹸化したセルロースアシレートフィルム(T2)とをポリビニルアルコール系接着剤を用いて連続的に貼り合せた。このようにして長尺状の偏光板(P1)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、偏光子面側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°であった。
(8)偏光板(P2)の作製
前述の偏光板(P1)の偏光子側の表面と、前述の位相差板(F1)の第1光学異方性層(H)とを粘着剤を用いて連続的に貼り合せた後、位相差板(F1)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、第1光学異方性層(H)のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層および第1光学異方性層(H)が、長尺状でこの順で積層された偏光板(P2)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第1光学異方性層(H)側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層(H)の遅相軸は15°であった。
(9)円偏光板(CP1)の作製
前述の偏光板(P2)の第1光学異方性層(H)の面と、前述の位相差板(F2)の第2光学異方性層(Q)の面とを粘着剤を用いて連続的に貼り合せた後、位相差板(F2)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、第2光学異方性層(Q)のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が、長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP1)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第2光学異方性層(Q)側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層(H)の遅相軸は15°、第2光学異方性層(Q)の遅相軸は75°であった。
〔実施例2〕
実施例1における偏光子に代えて、下記方法で作製した偏光子を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光子と、偏光子保護フィルム(セルロースアシレートフィルム(T2))とをポリビニルアルコール系接着剤を用いて連続的に貼り合せた長尺状の偏光板(P3)を作製し、これを用いて、円偏光板(CP2)を作製した。
<偏光子の作製>
厚さ20μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、25℃の純水に60秒間浸漬し、膨潤処理した後、1.30倍に延伸した。得られたフィルムを、水100質量部に対し、0.3質量部のヨウ素と、7.5質量部のヨウ化カリウムとを含む染色液に、25℃で30秒間浸漬して染色した後、水100質量部に対し、4.3質量部のホウ酸と3質量部のヨウ化カリウムとを含む架橋液に、60℃で80秒間浸漬させながら、元の長さに対して8倍に延伸した。この延伸フィルムを100℃で4分間乾燥させて、厚さ8μmの偏光子を得た。
〔実施例3〕
実施例1における偏光子に代えて、下記方法で作製した偏光子を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光子と、偏光子保護フィルム(セルロースアシレートフィルム(T2))とをポリビニルアルコール系接着剤を用いて連続的に貼り合せた長尺状の偏光板(P4)を作製し、これを用いて、円偏光板(CP3)を作製した。
<偏光子の作製>
厚さ20μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、25℃の純水に60秒間浸漬し、膨潤処理した後、1.30倍に延伸した。得られたフィルムを、水100質量部に対し、0.3質量部のヨウ素と、7.5質量部のヨウ化カリウムとを含む染色液に、25℃で30秒間浸漬して染色した後、水100質量部に対し、4.3質量部のホウ酸と3質量部のヨウ化カリウムとを含む架橋液に、60℃で80秒間浸漬させながら、元の長さに対して12倍に延伸した。この延伸フィルムを100℃で4分間乾燥させて、厚さ5μmの偏光子を得た。
〔実施例4〕
実施例1における偏光子に代えて、下記方法で作製した偏光子を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光子と、偏光子保護フィルム(セルロースアシレートフィルム(T2))とをポリビニルアルコール系接着剤を用いて連続的に貼り合せた長尺状の偏光板(P5)を作製し、これを用いて、円偏光板(CP4)を作製した。
<偏光子の作製>
厚さ60μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、25℃の純水に60秒間浸漬し、膨潤処理した後、1.30倍に延伸した。得られたフィルムを、水100質量部に対し、0.2質量部のヨウ素と、5質量部のヨウ化カリウムとを含む染色液に、25℃で30秒間浸漬して染色した後、水100質量部に対し、4.3質量部のホウ酸と3質量部のヨウ化カリウムとを含む架橋液に、60℃で80秒間浸漬させながら、元の長さに対して6倍に延伸した。この延伸フィルムを100℃で4分間乾燥させて、厚さ30μmの偏光子を得た。
〔実施例5〕
第1光学異方性層(H)および第2光学異方性層(Q)の作製に用いた光重合開始剤(イルガキュア819)に代えて、イルガキュア127(pKb:13、分子量:340、BASF社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP5)を作製した。
〔実施例6〕
(1)位相差層(F3)の作製
(第1光学異方性層(H)の形成)
位相差板(F1)と同様の方法で、セルロースアシレートフィルム(T1)にアルカリ鹸化処理を施し、配向膜を形成した。
次いで、上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向とラビングローラーの回転軸とのなす角度を75°とした(フィルム幅方向を0°、フィルム長手方向を90°とし、配向膜側から観察してフィルム幅方向を基準に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は165°)。
実施例1で作製したディスコティック液晶化合物を含む光学異方性層塗布液(A)を上記作製した配向膜上に#5.8のワイヤーバーで連続的に塗布し、位相差板(F3)を作製した。フィルムの搬送速度(V)は26m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥およびディスコティック液晶化合物の配向熟成のために、130℃の温風で90秒間、続いて、100℃の温風で60秒間加熱し、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化した。第1光学異方性層(H)の厚みは2.3μmで、550nmにおけるReは290nmであった。DLC化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、DLC化合物がフィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
また、第1光学異方性層(H)の遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と平行で、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第1光学異方性層(H)側から見たとき、遅相軸は165°であった。
なお、セルロースアシレートフィルム(T1)と配向膜(A)は密着しており、第1光学異方性層(H)は配向膜から剥離することができた。
(2)位相差層(F4)の作製
(第2光学異方性層(Q)の形成)
位相差板(F1)と同様の方法で、セルロースアシレートフィルム(T1)にアルカリ鹸化処理を施し、配向膜を形成した。
次いで、上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向とラビングローラーの回転軸とのなす角度を75°とした(フィルム幅方向を0°、フィルム長手方向を90°とし、配向膜側から観察してフィルム幅方向を基準に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は15°)。
実施例1で作製したディスコティック液晶化合物を含む光学異方性層塗布液(B)を、上記作製した配向膜上に#2.3のワイヤーバーで連続的に塗布し、位相差板(F4)を作製した。フィルムの搬送速度(V)は26m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥およびディスコティック液晶化合物の配向熟成のために、130℃の温風で90秒間、続いて、100℃の温風で60秒間加熱し、80℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化した。第2光学異方性層(Q)の厚みは0.92μmで、550nmにおけるReは115nmであった。DLC化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、DLC化合物がフィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
また、第2光学異方性層(Q)の遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と直交で、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第2光学異方性層(Q)側から見たとき、遅相軸は105°であった。
なお、セルロースアシレートフィルム(T1)と配向膜は密着しており、第2光学異方性層(Q)は配向膜から剥離することができた。
(3)偏光板(P6)の作製
実施例1で作製した偏光板(P1)の偏光子側の面と、前述の位相差板(F3)の第1光学異方性層(H)とを粘着剤を用いて連続的に貼り合せた後、位相差板(F3)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、第1光学異方性層(H)のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層および第1光学異方性層(H)が、長尺状でこの順で積層された偏光板(P6)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第1光学異方性層(H)側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層(H)の遅相軸は15°であった。
(4)円偏光板(CP6)の作製
前述の偏光板(P6)の第1光学異方性層(H)の面と、前述の位相差板(F4)の第2光学異方性層(Q)の面とを粘着剤を用いて連続的に貼り合せた後、位相差板(F4)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、第2光学異方性層(Q)のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が、長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP6)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第2光学異方性層(Q)側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層(H)の遅相軸は15°、第2光学異方性層(Q)の遅相軸は75°であった。
〔実施例7〕
(1)位相差板(F5)の作製
(第2光学異方性層(Q)の形成)
位相差板(F1)と同様の方法で、セルロースアシレートフィルム(T1)にアルカリ鹸化処理を施し、配向膜を形成した。
次いで、上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向とラビングローラーの回転軸とのなす角度を75°とした(フィルム幅方向を0°、フィルム長手方向を90°とし、配向膜側から観察してフィルム幅方向を基準に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は15°)。
下記の組成の棒状液晶化合物を含む光学異方性層塗布液(C)を、上記作製した配向膜上に#2.2のワイヤーバーで連続的に塗布し、位相差板(F5)を作製した。フィルムの搬送速度(V)は26m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥および棒状液晶化合物の配向熟成のために、60℃の温風で60秒間加熱し、60℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化した。第2光学異方性層(Q)の厚みは0.8μmで、550nmにおけるReは120nmであった。棒状液晶化合物の長軸のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、液晶化合物がフィルム面に対して、水平に配向していることを確認した。
また、第2光学異方性層(Q)の遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と直交で、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第2光学異方性層(Q)側から見たとき、遅相軸は105°であった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層塗布液(C)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・棒状液晶化合物−1 80質量部
・棒状液晶化合物−2 20質量部
・光重合開始剤 イルガキュア819
(pKb:24、分子量:419、BASF社製) 3質量部
・増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
・含フッ素化合物(FP−2) 0.3質量部
・メチルエチルケトン 193質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶化合物−1
棒状液晶化合物−2
(2)円偏光板(CP7)の作製
実施例1で作製した偏光板(P2)の第1光学異方性層(H)の面と、前述の位相差板(F5)の第2光学異方性層(Q)の面とを粘着剤を用いて連続的に貼り合せた後、位相差板(F5)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、第2光学異方性層(Q)のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が、長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP7)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第2光学異方性層(Q)側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層(H)の遅相軸は15°、第2光学異方性層(Q)の遅相軸は75°であった。
〔実施例8〕
(1)位相差板(F6)の作製
(光学異方性層の形成)
位相差板(F1)と同様の方法で、セルロースアシレートフィルム(T1)にアルカリ鹸化処理を施し、配向膜を形成した。
次いで、上記作製した配向膜に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向とラビングローラーの回転軸とのなす角度を45°とした(フィルム幅方向を0°、フィルム長手方向を90°とし、配向膜側から観察してフィルム幅方向を基準に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は135°)。
実施例7で作製した棒状液晶化合物を含む光学異方性層塗布液(C)を、上記作製した配向膜上に#2.2のワイヤーバーで連続的に塗布し、位相差板(F6)を作製した。フィルムの搬送速度(V)は26m/minとした。塗布液の溶媒の乾燥および棒状液晶化合物の配向熟成のために、60℃の温風で60秒間加熱し、60℃にてUV照射を行い、液晶化合物の配向を固定化した。第2光学異方性層(Q)の厚みは0.8μmで、550nmにおけるReは120nmであった。棒状液晶化合物の長軸のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、液晶化合物がフィルム面に対して、水平に配向していることを確認した。
また、光学異方性層の遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と直交で、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、光学異方性層(Q)側から見たとき、遅相軸は45°であった。
(2)偏光板(CP8)の作製
実施例1で作製した偏光板(P1)の偏光子の面と、前述の位相差板(F6)の光学異方性層の面とを粘着剤を用いて連続的に貼り合せた後、位相差板(F6)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、光学異方性層のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層および光学異方性層が、長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP8)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、光学異方性層側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層の遅相軸は45°であった。
〔実施例9〕
(1)偏光子の作製
厚さ20μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを、25℃の純水に60秒間浸漬し、膨潤処理した後、1.30倍に延伸した。得られたフィルムを、水100質量部に対し、0.3質量部のヨウ素と、7.5質量部のヨウ化カリウムとを含む染色液に、25℃で30秒間浸漬して染色した後、水100質量部に対し、4.3質量部のホウ酸と3質量部のヨウ化カリウムとを含む架橋液に、60℃で80秒間浸漬させながら、元の長さに対して20倍に延伸した。この延伸フィルムを100℃で4分間乾燥させて、厚さ1.8μmの偏光子を得た。
(2)偏光板(P7)の作製
上記で作製した偏光子と、実施例1で鹸化したセルロースアシレートフィルム(T2)とをポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合せた。このようにして偏光板(P7)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、偏光子面側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°であった。
(3)偏光板(P8)の作製
前述の偏光板(P7)の偏光子側の表面と、実施例1の位相差板(F1)の第1光学異方性層(H)とを粘着剤を用いて貼り合せた後、位相差板(F1)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、第1光学異方性層(H)のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層および第1光学異方性層(H)が、この順で積層された偏光板(P8)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第1光学異方性層(H)側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層(H)の遅相軸は15°であった。
(4)円偏光板(CP9)の作製
前述の偏光板(P8)の第1光学異方性層(H)の面と、前述の位相差板(F2)の第2光学異方性層(Q)の面とを粘着剤を用いて貼り合せた後、位相差板(F2)を構成していたセルロースアシレートフィルム(T1)および配向膜を剥離し、第2光学異方性層(Q)のみを残存させた。
このようにして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が、この順で積層された円偏光板(CP9)を作製した。なお、偏光子の吸収軸は、偏光板の長手方向と一致しており、偏光子の幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、第2光学異方性層(Q)側から見たとき、偏光子の吸収軸は90°、第1光学異方性層(H)の遅相軸は15°、第2光学異方性層(Q)の遅相軸は75°であった。
〔実施例10〕
第1光学異方性層(H)および第2光学異方性層(Q)の作製に用いた光重合開始剤(イルガキュア819)について、その質量の40wt%をイルガキュア907(pKb:5.6、分子量:279、BASF社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP10)を作製した。
〔比較例1〕
第1光学異方性層(H)および第2光学異方性層(Q)の作製に用いた光重合開始剤(イルガキュア819)に代えて、イルガキュア907(pKb:5.6、分子量:279、BASF社製)を用いた以外は、実施例7と同様にして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP11)を作製した。
〔比較例2〕
第1光学異方性層(H)および第2光学異方性層(Q)の作製に用いた光重合開始剤(イルガキュア819)に代えて、イルガキュア369(pKb:5.3、分子量:367、BASF社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP12)を作製した。
〔比較例3〕
第1光学異方性層(H)および第2光学異方性層(Q)の作製に用いた光重合開始剤(イルガキュア819)に代えて、イルガキュア184(pKb:17、分子量:204、BASF社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP13)を作製した。
なお、塗布液の溶媒の乾燥およびディスコティック液晶化合物の配向熟成のための温風乾燥で光重合開始剤が揮散し、硬化が不充分であったため、白く濁っていた。
〔比較例4〕
第1光学異方性層(H)および第2光学異方性層(Q)の作製に用いた光重合開始剤(イルガキュア819)に代えて、イルガキュア907(pKb:5.6、分子量:279、BASF社製)を用いた以外は、実施例3と同様にして、偏光子保護フィルム、接着剤層、偏光子、粘着剤層、第1光学異方性層(H)、粘着剤層および第2光学異方性層(Q)が長尺状でこの順で積層された円偏光板(CP14)を作製した。
〔耐久性評価〕
<透過率>
実施例および比較例で作製した各円偏光板について、波長550nmにおける偏光板の単板透過率を以下に示す方法で測定した。
測定後、各円偏光板を85℃、相対湿度85%の環境下で48時間保存した後に、波長550nmで同様の手法で単板透過率を測定した。
各円偏光板の上記環境下での保存前後の単板透過率の変化量ΔCP(=保存後の各円偏光板の単板透過率−保存前の各円偏光板の単板透過率)を、以下に示す評価基準で評価した。結果を下記表2に示す。
(測定方法)
各円偏光板について、偏光子保護フィルムとは反対側の面をガラス貼り付けた。
透過率は、偏光子保護フィルム側を光源に向けてセットし、自動偏光フィルム測定装置(VAP−7070、日本分光株式会社製)を用いて測定した。
(評価基準)
A:透過率の変化量ΔCPが、3%未満
B:透過率の変化量ΔCPが、3%以上5%未満
C:透過率の変化量ΔCPが、5%以上10%未満
D:透過率の変化量ΔCPが、10%以上
<表示品位>
各円偏光板の表示品位を以下のようにして評価した。
透過率の測定に用いたサンプル(円偏光板付きのガラス)のガラス面と、反射板(アルミホイルのマット面)とを粘着剤を用いて貼合し、明光下にて視認性および表示品位を評価した。
具体的には、正面および極角45度から蛍光灯を映しこんだときの反射光を観察し、正面と比較して、極角45度の表示品位を下記の基準で評価した。
なお、この反射防止原理は有機ELディスプレイの金属電極での外光反射と同様の原理であるため、有機ELディスプレイにも同様に好適に用いられる。
(評価基準)
A:色味付きが全く視認されない(許容できる)。
B:色味差が視認されるものの、ごくわずか(許容できる)。
C:色味差が視認されるが反射光は小さく、使用上問題はない(許容できる)。
D:色味差が視認され、反射光も多く、許容できない。
表2に示すように、塩基解離定数(pKb)が8未満の光重合開始剤を用いて光学異方性層を形成すると、透過率の変化を抑制できず、表示品位も劣ることが分かった(比較例1、2および4)。
また、分子量が240未満の光重合開始剤を用いて光学異方性層を形成すると、硬化が不十分となり、ヘイズが上昇したため、評価できないことが分かった(比較例3)。
これに対し、塩基解離定数(pKb)が8以上であり、分子量が240以上である光重合開始剤を用いることにより、高温高湿環境下に表示装置が晒された場合においても、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を保持することができることが分かった(実施例1〜10)。
特に、実施例1と実施例5との対比から、塩基解離定数(pKb)が15以上であると、透過率の変化をより抑制し、表示装置の表示品位をより高く保持できることが分かった。
また、実施例1と実施例6との対比から、λ/4板の面内レターデーションが、上記式(I)を満たし、かつ、λ/2板の面内レターデーションが、上記式(II)を満たすことにより、透過率の変化をより抑制し、表示装置の表示品位をより高く保持できることが分かった。
更に、実施例1と実施例7および8との対比から、ディスコティック液晶性化合物を用いた光学異方性層だけでなく、棒状液晶性化合物を用いた光学異方性層であっても、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を高く保持できることが分かった。
更に、実施例1と実施例9との対比から、偏光子の厚みが2〜30μmを満たすことにより、透過率の変化をより抑制し、表示装置の表示品位をより高く保持できることが分かった。
更に、実施例10の結果から、光学異方性層中に含まれる光重開始剤が、塩基解離定数pKbが8以上であり、かつ、分子量が240以上の光重合開始剤Xを含み、光重合開始剤Xの含有量が、光重合開始剤の全質量に対して60質量%以上であれば、透過率の変化を抑制し、表示装置の表示品位を保持できることが分かった。
10,20 偏光板
11 偏光子保護フィルム
12 偏光子
13 粘着剤層
14 光学異方性層
15 λ/2板
16 λ/4板
17 粘着剤層
18 粘着剤層
30 有機EL表示装置
32 有機ELパネル

Claims (7)

  1. 視認側から、偏光子および前記偏光子に隣接して配置される光学異方性層をこの順に有する偏光板であって、
    前記偏光子が、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素が吸着配向されているヨウ素系偏光子であり、
    前記光学異方性層が、重合性基を有する液晶性化合物および光重合開始剤を含有する組成物を硬化させて得られる層であり、
    前記光重開始剤が、塩基解離定数pKbが8以上であり、かつ、分子量が240以上の光重合開始剤Xを含み、前記光重合開始剤Xの含有量が、前記光重合開始剤の全質量に対して60質量%以上である、偏光板。
  2. 前記偏光子の厚みが2〜30μmである、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記光学異方性層が、λ/2板とλ/4板とを有する積層体であり、
    視認側から、前記偏光子と、前記λ/2板と、前記λ/4板とをこの順に有し、
    前記λ/4板の面内レターデーションが、下記式(I)を満たし、
    前記λ/2板の面内レターデーションが、下記式(II)を満たす、請求項1または2に記載の偏光板。
    115nm≦Re4(550)≦155nm ・・・(I)
    Re2(550)=2×Re4(550)±50nm ・・・(II)
    ここで、式(I)中、Re4(550)は、前記λ/4板の波長550nmにおける面内レターデーションを表し、式(II)中、Re2(550)は、前記λ/2板の波長550nmにおける面内レターデーションを表す。
  4. 前記光学異方性層が、ディスコティック液晶性化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板。
  5. 有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板を有する表示装置。
  7. 請求項5に記載の偏光板を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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