JPWO2016190083A1 - プレス成形品及びその設計方法 - Google Patents

プレス成形品及びその設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016190083A1
JPWO2016190083A1 JP2017520600A JP2017520600A JPWO2016190083A1 JP WO2016190083 A1 JPWO2016190083 A1 JP WO2016190083A1 JP 2017520600 A JP2017520600 A JP 2017520600A JP 2017520600 A JP2017520600 A JP 2017520600A JP WO2016190083 A1 JPWO2016190083 A1 JP WO2016190083A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
press
weld line
formed product
metal plate
strain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017520600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6439868B2 (ja
Inventor
雅寛 斎藤
雅寛 斎藤
嘉明 中澤
嘉明 中澤
研一郎 大塚
研一郎 大塚
伊藤 泰弘
泰弘 伊藤
泰山 正則
正則 泰山
仁寿 徳永
仁寿 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Publication of JPWO2016190083A1 publication Critical patent/JPWO2016190083A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6439868B2 publication Critical patent/JP6439868B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D22/00Shaping without cutting, by stamping, spinning, or deep-drawing
    • B21D22/20Deep-drawing
    • B21D22/26Deep-drawing for making peculiarly, e.g. irregularly, shaped articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D22/00Shaping without cutting, by stamping, spinning, or deep-drawing
    • B21D22/20Deep-drawing
    • B21D22/208Deep-drawing by heating the blank or deep-drawing associated with heat treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D22/00Shaping without cutting, by stamping, spinning, or deep-drawing
    • B21D22/02Stamping using rigid devices or tools
    • B21D22/022Stamping using rigid devices or tools by heating the blank or stamping associated with heat treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D22/00Shaping without cutting, by stamping, spinning, or deep-drawing
    • B21D22/20Deep-drawing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D35/00Combined processes according to or processes combined with methods covered by groups B21D1/00 - B21D31/00
    • B21D35/002Processes combined with methods covered by groups B21D1/00 - B21D31/00
    • B21D35/005Processes combined with methods covered by groups B21D1/00 - B21D31/00 characterized by the material of the blank or the workpiece
    • B21D35/006Blanks having varying thickness, e.g. tailored blanks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D53/00Making other particular articles
    • B21D53/88Making other particular articles other parts for vehicles, e.g. cowlings, mudguards

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
  • Resistance Welding (AREA)

Abstract

プレス成形品は、複数の金属板を突き合わせ溶接したテーラードブランクからプレス加工によって成形されたものである。プレス成形品は、フランジ部(10b)と、フランジ部(10b)の領域のうちで、伸びフランジ変形によって形成され、且つ内周縁(14b)が開放した円弧状領域(14)と、を含む。テーラードブランクの溶接線(L)が円弧状領域(14)の内周縁(14b)と外周縁(14a)を交差する。溶接線(L)と伸びフランジ変形の最大主ひずみ方向とのなす角度θが17〜84°である。

Description

本発明は、金属板の素材からプレス加工によって成形されたプレス成形品(以下、単に「成形品」ともいう)に関する。特に、本発明は、伸びフランジ変形によって形成されたフランジ部を含むプレス成形品、及びその成形品の設計方法に関する。
自動車の車体を構成する自動車用骨格部品(以下、単に「骨格部品」ともいう)には、軽量化及び高機能化(例:耐衝突性能の向上)が推進される。このため、骨格部品の素材としてテーラードブランクが用いられる。テーラードブランクは、引張強度、板厚等が異なる複数の金属板を接合(例:突き合わせ溶接)によって一体化したものである。以下、このようなテーラードブランクをTWBともいう。TWBをプレス加工することにより、プレス成形品が得られる。プレス成形品は、必要に応じてトリミング、リストライク加工等が施され、所望の形状に仕上げられる。
例えばフロントピラーとサイドシルは骨格部品の複合体である。フロントピラーは、車体の前側に配置され、上下方向に延びる。サイドシルは、車体の下部に配置され、前後方向に延びる。フロントピラーの下端部とサイドシルの前端部は互いに結合される。ここで、フロントピラーの構造として、上下に分割された構造が採用される場合がある。この場合、上部はフロントピラーアッパーと称され、下部はフロントピラーロアーと称される。フロントピラーアッパーの下端部とフロントピラーロアーの上端部は互いに結合される。
フロントピラーロアーは、骨格部品として、例えば、フロントピラーロアーアウター(以下、単に「アウター」ともいう)と、フロントピラーロアーインナー(以下、単に「インナー」ともいう)と、フロントピラーロアーリインフォース(以下、単に「リインフォース」ともいう)と、を備える。アウターは車幅方向の外側に配置される。インナーは車幅方向の内側に配置される。リインフォースはアウターとインナーとの間に配置される。これらのうちのアウターは長手方向に沿ってL字状に湾曲し、その断面形状は長手方向の全域にわたりハット形である。通常、アウターはプレス成形品である。
図1A及び図1Bは、プレス成形品であるフロントピラーロアーアウターの一例を示す模式図である。これらの図のうち、図1Aは平面図を示し、図1Bは図1AのA−A断面図を示す。なお、形状の理解を容易にするため、図1Aには、サイドシルに結合される側を符号「S」で示し、フロントピラーアッパーに結合される側を符号「U」で示す。
図1Aに示すように、フロントピラーロアーアウター10は、長手方向に沿ってL字状に湾曲した湾曲部位(図1A中の二点鎖線で囲まれた領域参照)13と、この湾曲部位13の両端それぞれに繋がる第1部位11及び第2部位12と、を備える。第1部位11は、湾曲部位13から自動車の進行方向の後方に向けてストレート状に延び出し、サイドシルに結合される。第2部位12は、湾曲部位13から上方に向けてストレート状に延び出し、フロントピラーアッパーに結合される。
また、図1Bに示すように、アウター10の断面形状は、フロントピラーアッパーに結合される端からサイドシルに結合される端までの長手方向の全域にわたり、ハット形である。このため、アウター10を構成する湾曲部位13、第1部位11及び第2部位12は、いずれも、天板部10aと、第1縦壁部10bと、第2縦壁部10cと、第1フランジ部10dと、第2フランジ部10eと、を含む。第1縦壁部10bは、天板部10aの両側部のうちで湾曲内側となる側部の全範囲に繋がる。第2縦壁部10cは、天板部10aの両側部のうちで湾曲外側となる側部の全範囲に繋がる。第1フランジ部10dは第1縦壁部10bに繋がる。第2フランジ部10eは第2縦壁部10cに繋がる。
このようなフロントピラーロアーアウター10の製造にTWBを用いることができる。TWBからプレス成形品を成形する方法に関し、下記の従来技術がある。
特開2006−198672号公報(特許文献1)は、プレス加工時にTWBの溶接線近傍に作用する負荷を軽減する技術を開示する。この技術では、TWBには、溶接線から僅かに離れた位置に切欠きが設けられる。プレス加工時、溶接線近傍に発生するひずみが切欠きによって分散し、成形品の成形性が向上する、と特許文献1に記載される。
特開2001−1062号公報(特許文献2)は、引張強度及び板厚が異なる2つの金属板から構成されるTWBにプレス加工を施す技術を開示する。この技術では、TWBでない単一の金属板をプレス加工するときにひずみの勾配が生じる部分に、TWBの溶接線が配置される。そして、ひずみの大きい側に高強度の金属板が配置されるとともに、ひずみの小さい側に低強度の金属板が配置される。これにより、深絞り、張出し等のプレス加工において、ひずみが低減される。その結果、低強度側の金属板で生じる母材の割れが抑制され、成形品の成形性が向上する、と特許文献2に記載される。
特開2002−20854号公報(特許文献3)は、引張強度及び延性が同程度である2つの金属板から構成されるTWBにプレス加工を施す技術を開示する。この技術では、プレス加工によって得られた成形品の特定部位に窒化等の熱処理が施され、その特定部位が強化される。熱処理前のプレス加工時、金属板の変形抵抗が均一であるため、成形品の成形性が向上する、と特許文献3に記載される。
特開2006−198672号公報 特開2001−1062号公報 特開2002−20854号公報
プレス加工の際、主にプレス成形品の形状に応じ、ブランク(金属板)の一部が伸びフランジ変形する場合がある。伸びフランジ変形とは、ブランクへの加工工具(金型)の進入移動に伴って、ブランクが加工工具の移動方向に沿う方向に伸びると同時に、その移動方向と直角な周方向に伸びる変形形態のことである。
例えば、前記図1A及び図1Bに示すように、長手方向に沿ってL字状に湾曲し、断面形状がハット形のプレス成形品(フロントピラーロアーアウター10)は、加工工具としてダイ及びパンチを用いて製造される。プレス成形品の製造では、必要に応じてブランクホルダが用いられる。ブランクホルダはパンチに隣接して配置される。プレス加工時、ブランクホルダとダイの間にブランクの縁部が挟み込まれ、ブランクの不定形な変形が抑制される。また、プレス成形品の製造では、パッドが用いられる場合もある。パッドは、ダイの内部でパンチに対向して配置される。プレス加工時、パッドとパンチの間にブランクが挟み込まれ、ブランクの不定形な変形が抑制される。
前記図1A及び図1Bに示すプレス成形品を成形する際、第1フランジ部10dの領域のうちで湾曲部位13の湾曲内側の円弧状領域14は、円弧の径方向(湾曲部位の幅方向)に伸びると同時に、円弧の周方向(湾曲部位の長手方向)に伸びる。すなわち、その円弧状領域14は、伸びフランジ変形によって形成される。
従来、TWBを用いてプレス成形品を製造する場合、TWBの溶接線は、伸びフランジ変形する領域(以下、「伸びフランジ変形場」ともいう)を避けるように配置される。溶接線が伸びフランジ変形場に配置されると、溶接金属と母材金属板の相互の変形抵抗が異なることに起因して、溶接線と母材金属板との間に割れが発生するからである。
したがって、従来、前記図1A及び図1Bに示すプレス成形品において、溶接線の配置位置は、サイドシル側Sの第1部位11の領域、又はフロントピラーアッパー側Uの第2部位12の領域に限定される。湾曲部位13の領域は、伸びフランジ変形場になる円弧状領域14を含むからである。そのため、TWBを用いたプレス成形品の設計自由度が制限される。
このような問題に対し、特許文献1の技術では、TWBに設けられた切欠きがプレス加工後の成形品に残存する。そのため、トリムによって切欠きを除去することが不可欠になる。そうすると、製造工程の低減が困難である。
特許文献2の技術では、ひずみの大きい側に高強度の金属板を配置するとともに、ひずみの小さい側に低強度の金属板を配置する必要がある。そのため、軽量化及び高機能化が妨げられるおそれがある。また、TWBの溶接線の配置位置について、特許文献2には、次の記載があるに過ぎない。TWBの溶接線は、単一のブランクをプレス加工するときに割れが発生する箇所から5〜10mm以上、200mm以内の部分に配置される。
特許文献3の技術では、プレス加工後の成形品に窒化等の熱処理を施す必要がある。そのため、過大な熱処理コストの負担を強いられるのみならず、製造工程が増加する。
要するに、特許文献1〜3のいずれの技術も、プレス成形品の設計自由度の向上を簡単には実現できない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、下記の特性を有するプレス成形品及びその設計方法を提供することである:
TWBから成形されるプレス成形品の設計自由度を向上すること。
本発明の一実施形態によるプレス成形品は、複数の金属板を突き合わせ溶接されたテーラードブランクからなる。プレス成形品は、フランジ部と、フランジ部の領域のうちで、内周縁が開放した円弧状領域と、を含む。テーラードブランクの溶接線が円弧状領域の内周縁と円弧状領域の外周縁を交差する。溶接線と最大主ひずみ方向とのなす角度が17〜84°である。
本発明の一実施形態による設計方法は、上記のプレス成形品の設計方法である。プレス成形品を設計する際、プレス加工中に、溶接線の幅方向中央における溶接線に沿う方向のひずみdεWLy’と、金属板の溶接線近傍における溶接線に沿う方向のひずみdεBMy’と、の相対差が0.030以下となるように、溶接線を配置する。
本発明のプレス成形品及びその設計方法は、下記の顕著な効果を有する:
TWBから成形されるプレス成形品の設計自由度を向上できること。
図1Aは、プレス成形品であるフロントピラーロアーアウターの一例を模式的に示す平面図である。 図1Bは、図1AのA−A断面図である。 図2は、本実施形態のプレス成形品としてフロントピラーロアーアウターの一例を模式的に示す平面図である。 図3は、図2に示すフロントピラーロアーアウターを製造する際に用いられるTWBを模式的に示す平面図である。 図4は、図2に示すフロントピラーロアーアウターにおける湾曲部位の湾曲内側の領域を拡大して示す斜視図である。 図5は、伸びフランジ変形場でのひずみの発生状況を示す模式図である。 図6Aは、平面ひずみ変形場(伸びフランジ変形場)での溶接線の配置を検討するために行ったFEM解析の概要を模式的に示す図であり、金型を含む解析モデルを示す斜視図である。 図6Bは、図6Aの解析モデルのうちのブランクの形状を示す平面図である。 図6Cは、図6Aの解析モデルを用いて成形される成形品の形状を示す斜視図である。 図7は、単軸引張変形場(伸びフランジ変形場)での溶接線の配置を検討するために行った穴広げ試験によるプレス成形品を示す斜視図である。 図8は、図7に示すプレス成形品の伸びフランジ変形でのひずみの発生状況を示す模式図である。 図9は、溶接線の角度γと母材金属板のr値との相関を示す図である。 図10は、穴広げ試験の概要を模式的に示す断面図である。 図11は、穴広げ試験で用いたTWBを示す平面図である。 図12Aは、穴広げ試験による代表的なプレス成形品の外観を示す写真であり、溶接線第2角度γが約43°の場合を示す。 図12Bは、穴広げ試験による代表的なプレス成形品の外観を示す写真であり、溶接線第2角度γが約58°の場合を示す。 図12Cは、穴広げ試験による代表的なプレス成形品の外観を示す写真であり、溶接線第2角度γが約68°の場合を示す。 図12Dは、穴広げ試験による代表的なプレス成形品の外観を示す写真であり、溶接線第2角度γが約90°の場合を示す。 図13は、衝突試験の概要を模式的に示す平面図である。 図14Aは、衝突試験に用いた比較例1のフロントピラーロアーアウターを示す平面図である。 図14Bは、衝突試験に用いた本発明例1のフロントピラーロアーアウターを示す平面図である。 図14Cは、衝突試験に用いた比較例2のフロントピラーロアーアウターを示す平面図である。 図15Aは、衝突試験の試験結果を示す図であり、フロントピラーロアーアウターの吸収エネルギを示す。 図15Bは、衝突試験の試験結果を示す図であり、フロントピラーロアーアウターの単位体積当たりの吸収エネルギを示す。 図16Aは、比較例3として、プレス成形に用いたブランクの形状と、そのブランクの作製に用いたトリム加工前の金属板の形状とを示す模式図である。 図16Bは、比較例4として、プレス成形に用いたブランクの形状と、そのブランクの作製に用いたトリム加工前の金属板の形状とを示す模式図である。 図16Cは、本発明例2として、プレス成形に用いたブランクの形状と、そのブランクの作製に用いたトリム加工前の金属板の形状とを示す模式図である。 図16Dは、比較例5として、プレス成形に用いたブランクの形状と、そのブランクの作製に用いたトリム加工前の金属板の形状とを示す模式図である。 図17は、本発明例2及び比較例3〜5ごとにトリム加工により除去されたブランクの面積を示す図である。 図18は、最大主ひずみdεxに対するWL溶接線方向ひずみdεWLy’の割合χと、ひずみ比βと、の関係の一例を示す図である。
本発明者らは、上記目的を達成するため、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた。その結果、下記の知見を得た。プレス加工によってTWBからプレス成形品を製造する際、溶接線が伸びフランジ変形場に単純に配置されると、溶接線近傍に割れが発生し、成形品の成形性が悪化する。ただし、溶接線が伸びフランジ変形場に配置される場合であっても、溶接線の位置が適切に設定されれば、割れの発生を抑制することが可能になり、成形品の成形性を確保できる。その結果、TWBを用いたプレス成形品の設計自由度を向上できる。
本発明のプレス成形品及びその設計方法は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
本発明の一実施形態によるプレス成形品は、複数の金属板を突き合わせ溶接されたテーラードブランクからなる。プレス成形品は、フランジ部と、フランジ部の領域のうちで、内周縁が開放した円弧状領域と、を含む。テーラードブランクの溶接線が円弧状領域の内周縁と円弧状領域の外周縁を交差する。溶接線と最大主ひずみ方向とのなす角度が17〜84°である。典型的な例では、プレス成形品はプレス加工によって成形される。その際、円弧状領域は伸びフランジ変形によって形成される。最大主ひずみ方向は伸びフランジ変形の最大主ひずみ方向である。
上記のプレス成形品において、溶接線と内周縁の交点における内周縁の接線と、溶接線と、のなす角度が40〜75°であることが好ましい。
上記のプレス成形品において、テーラードブランクを構成する金属板が2つであり、2つの金属板は引張強度及び板厚のうちの少なくとも一方が異なることが好ましい。
このプレス成形品の場合、下記の構成を採用することができる。プレス成形品は長手方向に沿ってL字状に湾曲する自動車用骨格部品である。骨格部品の断面形状が長手方向の全域にわたりハット形である。骨格部品は、長手方向に沿って湾曲する湾曲部位と、湾曲部位の両端それぞれから延び出す第1部位及び第2部位と、を備える。骨格部品は、第1部位の延び出し方向に沿って衝突荷重を受けることが想定された部品である。円弧状領域が、湾曲部位の湾曲内側のフランジ部である。第1部位側に配置された金属板の板厚が、第2部位側に配置された金属板の板厚よりも厚い。
これらの構成を採用したプレス成形品の場合、下記の構成を採用することができる。骨格部品がフロントピラーロアーアウターである。第1部位がサイドシルに結合され、第2部位がフロントピラーアッパーに結合される。
これらの構成を採用したプレス成形品において、第1部位側に配置された金属板の引張強度と板厚の積算値が、第2部位側に配置された金属板の引張強度と板厚の積算値と略等しいことが好ましい。典型的な例として、それらの積算値の差が600mm・MPa以下である。
本発明の一実施形態による設計方法は、上記のプレス成形品を設計する際、次の状態となるように溶接線を配置する。プレス加工中に、溶接線の幅方向中央における溶接線に沿う方向のひずみdεWLy’と、金属板の溶接線近傍における溶接線に沿う方向のひずみdεBMy’と、の相対差が0.030以下である。より好ましくは、ひずみdεWLy’とひずみdεBMy’との相対差が0(ゼロ)である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳述する。ここでは、プレス成形品として、自動車用骨格部品のうちのフロントピラーロアーアウターを例に挙げる。
[プレス成形品]
図2は、本実施形態のプレス成形品としてフロントピラーロアーアウターの一例を模式的に示す平面図である。図3は、図2に示すフロントピラーロアーアウター10を製造する際に用いられるTWBを模式的に示す平面図である。図4は、図2に示すフロントピラーロアーアウターにおける湾曲部位の湾曲内側の領域を拡大して示す斜視図である。図2に示す本実施形態のアウター10は、前記図1Aに示すアウターと同様に、長手方向に沿ってL字状に湾曲し、その断面形状が長手方向の全域にわたりハット形である(図1B参照)。
図2に示すように、アウター10は、長手方向に沿ってL字状に湾曲した湾曲部位13と、この湾曲部位13の両端それぞれに繋がる第1部位11及び第2部位12と、を備える。第1部位11は、湾曲部位13から自動車の進行方向の後方に向けてストレート状に延び出し、サイドシルに結合される。第2部位12は、湾曲部位13から上方に向けてストレート状に延び出し、フロントピラーアッパーに結合される。アウター10は、フロントピラーロアーを構成し、サイドシルに結合される第1部位11の延び出し方向に沿って衝突荷重を受けることが想定された骨格部品である。
本実施形態のアウター10は、図3に示すTWB20からプレス加工により成形される。TWB20の溶接線Lは、アウター10の湾曲部位13の領域に対応するように配置される。アウター10において、第1フランジ部10dの領域のうちで湾曲部位13の湾曲内側の円弧状領域14は、プレス加工時に伸びフランジ変形場になる。図2及び図4に示すように、円弧状領域14の外周縁14aは、第1縦壁部10bに繋がる稜線になる。円弧状領域14の内周縁14bは開放している。溶接線Lは円弧状領域14の内周縁14bと外周縁14aを交差する。
図3に示すように、TWB20は、2つの金属板を突き合わせ溶接によって接合したものであり、第1金属板21と第2金属板22とから構成される。TWB20において、第1金属板21は、アウター10の第1部位11側(サイドシル側)となるように配置され、第2金属板22は、アウター10の第2部位12側(フロントピラーアッパー側)となるように配置される。第1金属板21の引張強度は、第2金属板22の引張強度よりも低い。ただし、第1金属板21の引張強度は、第2金属板22の引張強度と同じであってもよいし、第2金属板22の引張強度より高くてもよい。更に、第1金属板21の板厚は、第2金属板22の板厚よりも厚い。
本実施形態のアウター10において、サイドシル側(第1部位11側)の板厚は第1金属板21の板厚に相当し、フロントピラーアッパー側(第2部位12側)の板厚は第2金属板22の板厚に相当する。つまり、サイドシル側の板厚は、フロントピラーアッパー側の板厚よりも厚い。サイドシルに結合される第1部位11側の板厚が厚いため、第1部位11の軸圧壊性能が高まる。これにより、アウター10の耐衝突性能を向上できる。一方、フロントピラーアッパーに結合される第2部位12側の板厚が薄いため、アウター10の軽量化を実現できる。第2部位12側の板厚は第1部位11の軸圧壊性能への寄与度が低いので、耐衝突性能に支障は生じない。
[溶接線の配置]
アウター10の円弧状領域14にTWB20の溶接線Lが単純に配置されると、溶接線Lの近傍で割れが発生する。円弧状領域14は、プレス加工時に伸びフランジ変形場となるからである。本実施形態では、アウター10の円弧状領域14において、溶接線Lと伸びフランジ変形の最大主ひずみ方向とのなす角度θ(以下、「溶接線第1角度」ともいう)が17〜84°にされる。最大主ひずみ方向とは、プレス加工時に伸びフランジ変形によって板厚が減少する円弧状領域14のうちで、板厚減少率が最大の部分(以下、「最大板厚減少部」ともいう)における湾曲円弧の周方向のことである(図4中の点線矢印参照)。
その最大板厚減少部は、溶接線Lを挟んで接合された第1及び第2金属板21及び22のうちで、相当強度の低い金属板側の溶接線L近傍に現れる。金属板の相当強度とは、その金属板の引張強度[MPa]と板厚[mm]の積算値[mm・MPa]のことである。溶接線L近傍は、例えば、溶接線Lと低相当強度側の金属板との境界から0.5〜4mmの範囲内である。低相当強度側の金属板の板厚がt[mm]であるとき、溶接線L近傍は、溶接線Lと低相当強度側の金属板との境界から0.5×t〜4×t[mm]の範囲内としてもよい。最大板厚減少部は、低相当強度側の金属板の加工硬化係数(n値)の値、又はそのn値の0.8倍までの板厚減少を示す部位である。
最大主ひずみ方向は、プレス成形品(アウター10)の形状から容易に認識することができる。具体的には、円弧状領域14の外周縁14aの円弧中心を中心とする同心円弧を描いたとき、最大板厚減部における円弧の接線に沿う方向が最大主ひずみ方向になる。
溶接線第1角度θが17〜84°であれば、最大板厚減部での板厚減少率を低減することが可能であり、割れの発生を抑制できる。その結果、成形品の成形性を確保できる。
また、アウター10の円弧状領域14にTWB20の溶接線Lが単純に配置されると、溶接線Lと円弧状領域14の内周縁14bの交点近傍で割れが発生し易い。この割れも、溶接線Lを挟んで接合された第1及び第2金属板21及び22のうちで、相当強度の低い金属板側の溶接線L近傍に発生する。そこで、本実施形態では、アウター10の円弧状領域14において、溶接線Lと内周縁14bの交点における内周縁14bの接線と、溶接線Lと、のなす角度γ(以下、「溶接線第2角度」ともいう)が40〜75°にされる。
溶接線第2角度γが40〜75°であれば、円弧状領域の内周縁での割れの発生を抑制できる。その結果、成形品の成形性を確保できる。
本実施形態のアウター10を製造するためのプレス成形の態様は、成形品の形状に応じて適宜選択すればよい。例えば、フランジ成形のみならず、曲げ成形、絞り成形、張出し成形、穴広げ成形等を組み合わせることができる。金型としては、対になるダイ及びパンチを用いる。更に、ブランクを保持するためにブランクホルダ、パッド等を用いることもできる。
また、本実施形態のアウター10では、溶接線Lが湾曲部位13に配置される。これにより、第1部位11(サイドシル側)又は第2部位12(フロントピラーアッパー側)のストレート状部分に溶接線が配置された場合と比べ、材料歩留りを向上することができる。したがって、成形品の製造コストを削減できる。
更に、本実施形態のアウター10は、サイドシルに結合される第1部位11側のストレート状部分に溶接線が配置された場合と比べ、衝突時の吸収エネルギが高く、耐衝突性能を向上できる。また、本実施形態のアウター10は、フロントピラーアッパーに結合される第2部位12側のストレート状部分に溶接線が配置された場合と比べ、単位体積当たりで見れば、衝突時の吸収エネルギが高い。したがって、軽量化と高機能化とをバランス良く両立できる。
上記のとおり、本実施形態のアウター10は、第1金属板21と第2金属板22から構成されるTWB20から成形されたものである。この場合、第1部位11側に配置された第1金属板21の相当強度が、第2部位12側に配置された第2金属板22の相当強度と略等しいことが好ましい。プレス加工時に第1及び第2金属板21及び22の変形抵抗が同等になり、成形品の成形性をより向上できるからである。「相当強度が略等しい」とは、相当強度の差が600mm・MPaまでのものを許容する。つまり、第1金属板21の相当強度と第2金属板22の相当強度との差が、600mm・MPa以下であることが好ましい。それらの相当強度の差は、より好ましくは400mm・MPa以下であり、更に好ましくは350mm・MPa以下である。
本実施形態のアウター10を製造する際、TWB20の溶接線Lの幅は狭いことが好ましい。本実施形態では、溶接線L及びその近傍を含む領域の溶接線方向の変形に着目し、その変形を実態に即して検討しているからである。その変形は、溶接線Lの幅方向中央における溶接線方向のひずみ量に基づく。幅の狭い溶接線Lを形成する溶接法として、レーザー溶接を採用することができる。その他に、プラズマ溶接を採用することもできる。
[溶接線の適正な配置の設計]
プレス成形品の伸びフランジ変形場になる円弧状領域において、TWBの溶接線が円弧状領域の内周縁と外周縁を交差するように配置された場合、溶接線及びその近傍を含む領域の変形場(ひずみ場)は、厳密には、単軸引張の変形場又は平面ひずみに近い変形場である。特に、円弧状領域のうちの内周縁以外の領域では、平面ひずみに近い変形場(以下、「平面ひずみ変形場」ともいう)になる。一方、円弧状領域の内周縁では、単軸引張変形場になる。内周縁は開放されているからである。
図5は、伸びフランジ変形場でのひずみの発生状況を示す模式図である。実際には、溶接線Lは、幅を有する(図5中の網掛け部参照)。ここでは、溶接線Lが、円弧状領域の湾曲円弧の周方向(すなわち、フランジ変形の最大主ひずみ方向)に対し、角度θ(すなわち、上記の溶接線第1角度)で交差する場合を考える。伸びフランジ変形場になる円弧状領域において、溶接線近傍の母材金属板21、22には、湾曲円弧の周方向にひずみdεxが発生する。以下、このひずみdεxを周方向ひずみともいう。更に、湾曲円弧の周方向と直角な方向(すなわち、湾曲円弧の径方向)にひずみdεyが発生する。以下、このひずみdεyを径方向ひずみともいう。両者のひずみ比β(=dεy/dεx)は、母材金属板のランクフォード値(以下、「r値」ともいう)に応じて変化する。
この場合、径方向ひずみdεyは、下記の式(1)によって表わすことができる。
dεy=dεx×(−r)/(1+r) ・・・(1)
ここで、rはr値である。
また、溶接線近傍の母材金属板21、22に発生する周方向ひずみdεx及び径方向ひずみdεyに基づくひずみ成分について、溶接線Lに沿う方向(以下、「溶接線方向」ともいう)のひずみdεy’は、下記の式(2)によって表わすことができる。以下、このひずみdεy’をBM溶接線方向ひずみdεy’(又は「dεBMy’」)ともいう。この式(2)は、テンソルの座標変換則を用い、周方向ひずみdεx及び径方向ひずみdεyを座標変換することにより導出される。
dεy’=dεx×(cosθ)2+dεy×(sinθ)2 ・・・(2)
上記式(1)を上記式(2)式に代入すれば、BM溶接線方向ひずみdεy’は、下記の式(3)によって表わすこともできる。
dεy’=dεx×(cosθ)2+dεx×(−r)/(1+r)×(sinθ)2 ・・・(3)
上記式(1)〜(3)のいずれも、単軸引張変形場及び平面ひずみ変形場に共通する。このような伸びフランジ変形場において、最大板厚減少部は、溶接線Lを挟んで接合された2つの金属板21及び22のうちで、相当強度の低い金属板側の溶接線近傍に現れる。ここで、最大板厚減少部に湾曲円弧の周方向で隣接する溶接線の部分について、その溶接線の幅方向中央における溶接線方向のひずみをdεWLy’とする。以下、このひずみdεWLy’をWL溶接線方向ひずみdεWLy’ともいう。
伸びフランジ変形場に溶接線Lが配置された場合、溶接線近傍に発生する割れは、溶接線Lと低相当強度側の母材金属板(図5では金属板22)との間に発生するせん断変形に起因する。そのせん断変形は、溶接金属と母材金属板の相互の材料特性が異なることによって発生する。このことから、せん断変形を小さくすれば、割れの発生を抑制できるといえる。
そこで、本実施形態では、プレス成形品を設計する際、プレス加工中に、WL溶接線方向ひずみdεWLy’とBM溶接線方向ひずみdεy’との相対差が小さくなるように、溶接線を配置する。具体的には、実態に即し、WL溶接線方向ひずみdεWLy’とBM溶接線方向ひずみdεy’との相対差が0.030以下となるように、溶接線を配置すればよい。WL溶接線方向ひずみdεWLy’とBM溶接線方向ひずみdεy’との相対差が小さければ、溶接線と低相当強度側の母材金属板との間に発生するせん断変形が小さくなる。これにより、割れの発生を抑制することが可能になり、成形品の成形性を確保できる。その結果、TWBを用いたプレス成形品の設計自由度を向上できる。特に、WL溶接線方向ひずみdεWLy’とBM溶接線方向ひずみdεy’との相対差が0となるように溶接線を配置すれば、最も効果的に割れの発生を抑制できる。
[平面ひずみ変形場での溶接線の配置:溶接線第1角度θ]
図6A〜図6Cは、平面ひずみ変形場(伸びフランジ変形場)での溶接線の配置を検討するために行ったFEM解析の概要を模式的に示す図である。これらの図のうち、図6Aは、金型を含む解析モデルを示す斜視図である。図6Bは、ブランクの形状を示す平面図である。図6Cは、成形品の形状を示す斜視図である。
図6Cに示すように、伸びフランジ変形の平面ひずみ変形場を含む成形品として、長手方向に沿ってL字状に湾曲したプレス成形品15を採用した。このプレス成形品15は、L字状に湾曲した天板部15aと、この天板部15aの湾曲内側の側部に繋がる縦壁部15bと、この縦壁部15bに繋がるフランジ部15cと、を含む。フランジ部15cは、伸びフランジ変形によって形成される円弧状領域16を含む。この成形品15は、円弧状領域16の内周縁16bと外周縁16aを交差するように溶接線Lを備える。
プレス成形品15を成形するためのブランクとして、図6Bに示すように、2つの金属板A及びBからなるTWB25を採用した。このTWB25において、溶接線Lは、プレス成形品15の円弧状領域16に対応する位置に配置した。金属板Aは、日本鉄鋼連盟規格のJAC980Y相当の高張力鋼板(以下、「980MPa級ハイテン」ともいう)であり、金属板Bは、同規格のJAC780Y相当の高張力鋼板(以下、「780MPa級ハイテン」ともいう)であった。いずれの板厚も1.6mmであった。すなわち、金属板Aの相当強度が金属板Bの相当強度よりも高かった。
プレス加工は、図6Aに示すように、ダイ26、パンチ27及びパッド28を用いて行った。その際、成形品15において、溶接線Lと伸びフランジ変形の最大主ひずみ方向とのなす角度θ(溶接線第1角度)が、23°、40°、72°及び86°の4水準となるように、TWB25の溶接線Lの配置を変更した。いずれの水準の場合でも、最大板厚減少部は、円弧状領域16の内周縁16bではなく、縦壁部15bに繋がる外周縁16aの近傍に現れた。しかも、その最大板厚減少部の発生部分は、溶接線L近傍の低相当強度側の金属板(金属板B)であった。下記の表1に結果を示す。
表1に示すように、溶接線第1角度θが40°の場合に板厚減少率が最も低かった。したがって、本実施形態では、プレス加工で実際に用いられる条件を踏まえ、溶接線第1角度θを17〜84°とするのが好ましい。板厚減少率を低く維持することができ、溶接線近傍での割れの発生を抑制できるからである。溶接線第1角度θは、好ましくは17〜71°であり、より好ましくは19〜71°であり、更に好ましくは25〜71°である。
WL溶接線方向ひずみdεWLy’とBM溶接線方向ひずみdεy’との相対差(|dεy’−dεWLy’|)は、小さければ小さいほどよい。したがって、その相対差は、好ましくは0.030以下であり、より好ましくは0.025以下であり、更に好ましくは0である。
[単軸引張変形場での溶接線の配置:溶接線第2角度γ]
図7は、単軸引張変形場(伸びフランジ変形場)での溶接線の配置を検討するために行った穴広げ試験によるプレス成形品を示す斜視図である。図8は、図7に示すプレス成形品の伸びフランジ変形でのひずみの発生状況を示す模式図である。なお、穴広げ試験の詳細は下記の実施例で述べる。
穴広げ試験は、円形の穴が形成されたブランクにパンチを押し込むことにより、その穴を同心状に広げる試験である。図7に示すように、穴広げ試験によって成形されたプレス成形品30は、穴30aを有する。この穴30aの周囲の円形領域31が伸びフランジ変形場になる。このため、円形領域31が上記円弧状領域14に相当し、穴30aが上記円弧状領域14の内周縁14bに相当する。ここでは、溶接線Lが、穴30aの周方向(すなわち、溶接線Lと穴30aの交点における穴30aの接線方向)に対し、角度γ(すなわち、上記の溶接線第2角度)で交差する場合を考える。
穴広げ試験における伸びフランジ変形場では、加工工具(パンチ)の進入移動に伴って、ブランクが加工工具の移動方向に沿う方向に伸びる。この方向は、図8中の実線矢印で示すように、穴30aの径方向である。また、穴30aの拡大に伴って、ブランクが加工工具の移動方向に沿う方向と直角な方向に伸びる。この方向は、図8中の網掛け矢印で示すように、穴30aの周方向(穴30aの接線方向)である。ここで、穴30aの径方向へのブランクの変形は、単軸引張のひずみ比βによって決まる。つまり、穴30aの周方向のひずみをdεxとすると、上記式(1)により、径方向のひずみdεyが決まる。このような伸びフランジ変形場は単軸引張変形場とみなされる。
穴広げ試験による成形品30では、穴30aと円形領域31の外周縁が同心円であるため、上記式(3)においてθをγに置き換えることができる。この場合、dεxを1と仮定すると、下記の式(4)が導出される。この式(4)に示すように、BM溶接線方向ひずみdεy’は、溶接線の角度γ(すなわち、溶接線第2角度)及び母材金属板のr値に応じて変化する。
dεy’=(cosγ)2+(−r)/(1+r)×(sinγ)2 ・・・(4)
図9は、溶接線の角度γと母材金属板のr値との相関を示す図である。図9には、BM溶接線方向ひずみdεy’が−0.2、−0.1、0、0.1及び0.2となる場合の状況をそれぞれ示す。
穴広げ試験による成形品の穴(すなわち、プレス成形品の円弧状領域の内周縁)と溶接線の交点近傍で割れの発生を抑制するためには、BM溶接線方向ひずみdεy’を−0.2〜0.2とする必要がある。ここで、一般的な金属板(例:熱延鋼板、冷延鋼板、めっき鋼板、Al合金板、Ti合金板)のr値は0.5〜3.0である。r値は、割れの発生し易い低相当強度側の母材金属板のものである。これらのことから、図9より溶接線第2角度γを42〜72°とするのが好ましい。
本実施形態では、溶接線第2角度γを42〜72°より僅かに広い40〜75°と規定することができる。溶接線近傍で溶接熱によって軟化する領域の変形量を考慮すれば、角度γの僅かな広がりは許容できるからである。
BM溶接線方向ひずみdεy’は、小さければ小さいほどよい。したがって、BM溶接線方向ひずみdεy’は、好ましくは−0.1〜0.1であり、より好ましくは−0.025〜0.025であり、更に好ましくは0である。それに伴い、図9より、溶接線第2角度γは、好ましくは45〜66°であり、より好ましくは47〜62°であり、更に好ましくは48〜60°である。
本実施形態のプレス成形品としてアウターを成形する場合、金属板として、引張強度440MPa級以上の鋼板、Al合金板、Ti合金板が用いられる。これらの金属板のr値は0.5〜3.0である。したがって、この場合は、溶接線第2角度γを45〜72°とするのが好ましい。
その他本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、プレス成形品は、伸びフランジ変形によって形成されたフランジ部を含む限り特に限定しない。また、プレス成形品としての自動車用骨格部品は、長手方向に沿ってL字状に湾曲し、第1部位の延び出し方向に沿って衝突荷重を受けることが想定された部品である限り、フロントピラーロアーアウターに限定されず、リアサイドアウター等でも構わない。
また、TWBは複数の金属板を突き合わせ溶接したものである限り特に限定しない。例えば、TWBが2つの金属板から構成される場合、金属板の引張強度及び板厚のうちの少なくとも一方が異なればよい。TWBは3つ以上の金属板から構成されてもよい。
[穴広げ試験]
TWBを用いて穴広げ試験を行い、溶接線第2角度γと成形性の関係を調査した。
図10は、穴広げ試験の概要を模式的に示す断面図である。図11は、穴広げ試験で用いたTWBを示す平面図である。図10に示すように、穴広げ試験では、上型としてダイ41を用い、ダイ41の中央に直径54mmの孔41aを設けた。その孔41aの入口の周縁には、半径5mmの丸面取り部41bを設けた。一方、下型として、ダイ41の孔41aの中心軸上に円柱状のパンチ42を配置した。パンチ42の直径は50mmであり、パンチ42の肩部42aの丸面取り半径は5mmであった。プレス成形(穴広げ成形)は、ブランク35にパンチ42を押し込むことにより行った。その押し込みはブランク35の穴35aに割れが発生した時点で終了した。プレス成形の際、ダイ41とブランクホルダ43によってブランク35の周縁部を保持した。
図11に示すように、ブランクとして、2つの金属板C及びDを突き合わせ溶接したTWB35を用いた。TWB35は、一辺の長さが100mmの正方形状であった。TWB35の中央に直径30mmの穴35aを設けた。成形前のTWB35において、溶接線Lと穴35aの交点における穴35aの接線と、溶接線Lと、のなす角度α(以下、「成形前の溶接線角度」ともいう)を、45°、60°、75°、90°、105°、120°及び135°の7水準に変更した。7つの水準ごとに5枚ずつTWBを準備し、すべてのTWBに穴広げ試験を行った。金属板C及びDの溶接は、レーザー溶接によって行った。
金属板Cは、980MPa級ハイテンであり、その板厚は1.6mmであった。金属板Dは、780MPa級ハイテンであり、その板厚は1.4mmであった。すなわち、金属板Cの相当強度が金属板Dの相当強度よりも高かった。
低相当強度側の金属板Dについて、JIS Z 2254(1996年)に準拠し、付加ひずみ量が10%における平均r値(平均塑性ひずみ比)を算出したところ、0.712であった。r値が0.712の場合、角度γを57.2°とすれば、上記式(4)におけるBM溶接線方向ひずみdεy’が0(ゼロ)となる。
前記図7に示すように、プレス成形(穴広げ成形)後の各成形品30において、広がった穴30aの直径d2(mm)を測定した。成形前の穴35aの直径d1(mm)と成形後の穴30aの直径d2(mm)から、下記(5)式により、穴広げ率λ(%)を算出した。更に、成形後の各成形品30において、溶接線Lと穴30aの交点における穴30aの接線と、溶接線Lと、のなす角度、すなわち、溶接線第2角度γを測定した。
λ=(d2−d1)/d1×100 ・・・(5)
図12A〜図12Dは、穴広げ試験による代表的なプレス成形品の外観を示す写真である。これらの図のうち、図12Aは溶接線第2角度γが約43°(成形前の溶接線角度が45°)の場合を示す。図12Bは溶接線第2角度γが約58°(成形前の溶接線角度が60°)の場合を示す。図12Cは溶接線第2角度γが約68°(成形前の溶接線角度が75°)の場合を示す。図12Dは溶接線第2角度γが約90°(成形前の溶接線角度が90°)の場合を示す。図12A〜図12Dのいずれでも、上段の写真が穴30aの全体を示し、下段の写真が溶接線Lと穴30aとの交点の部分を拡大して示す。また、下段の拡大写真には、割れの発生箇所を二点鎖線で囲んで示す。
図12A〜図12Dに示すように、伸びフランジ変形場に溶接線が配置されると、溶接線Lと穴30aの交点近傍の母材金属板で割れが発生することが確認された。また、いずれの水準でも、相当強度の低い側の金属板(本試験では金属板D)に割れが発生した。下記の表2に結果を示す。
表2中の穴広げ率は、各水準での平均値を示す。溶接線第2角度γが59°の場合に穴広げ率が最も良好となった。すなわち、上記式(4)式により規定されるBM溶接線方向ひずみdεy’が小さくなるように溶接線を配置すれば、割れの発生を抑制しつつ成形性を向上できることが明らかになった。
[衝突試験]
本実施形態のプレス成形品としてフロントピラーロアーアウターを採用し、このアウターについて、FEM解析により、前面衝突時の耐衝突性能を確認する試験を行った。
図13は、衝突試験の概要を模式的に示す平面図である。図13には、アウター10と、打撃子(インパクター)51を示す。FEM解析による衝突試験では、アウター10の第1部位11の先端部、すなわちサイドシル側の先端部を固定し、その先端部の変位を拘束した。この状態で、打撃子51を速度15km/hで水平方向に移動させ、アウター10の湾曲部位13に衝突させた。そして、アウター10への打撃子51の進入量が100mmとなった時点で打撃子51を停止させた。
その際、打撃子51がアウター10に進入するのに伴ってアウター10が吸収するエネルギを求めた。このアウター10の吸収エネルギをアウター10の体積で割ることにより、単位体積当たりの吸収エネルギを算出した。
図14A〜図14Cは、衝突試験に用いたフロントピラーロアーアウターを示す平面図である。これらの図のうち、図14Aは比較例1を示す。図14Bは本発明例1を示す。図14Cは比較例2を示す。比較例1では、図14Aに示すように、第1部位11(サイドシル側)のストレート状部分に溶接線Lを配置した。比較例2では、図14Cに示すように、第2部位12(フロントピラーアッパー側)のストレート状部分に溶接線Lを配置した。一方、本発明例1では、図14Bに示すように、伸びフランジ変形によって成形される円弧状領域14を含む湾曲部位13に溶接線Lを配置した。本発明例1の溶接線第1角度θは58.2°とし、溶接線第2角度γは54.6°とした。
本発明例1並びに比較例1及び2のいずれでも、溶接線Lより第2部位12側(フロントピラーアッパー側)の金属板として、金属板Eを用い、溶接線Lより第1部位11側(サイドシル側)の金属板として、金属板Fを用いた。金属板Eは、980MPa級ハイテンであり、その板厚は1.2mmであった。金属板Fは、780MPa級ハイテンであり、その板厚は1.5mmであった。金属板Eは、金属板Fと比較して割れの発生し易い特性を有し、金属板Eのr値は0.790であった。
図15A及び図15Bは、衝突試験の試験結果を示す図である。これらの図のうち、図15Aはアウターの吸収エネルギを示す。図15Bはアウターの単位体積当たりの吸収エネルギを示す。図15A及び図15Bの結果から下記のことが示される。
図15Aに示すように、比較例1では、サイドシル側のストレート状部分に溶接線が配置されていることから、吸収エネルギが不芳であった。一方、本発明例1では、本実施形態で規定した領域内に溶接線が配置されていることから、吸収エネルギが良好であった。また、比較例2では、フロントピラーアッパー側のストレート状部分に溶接線が配置されていることから、吸収エネルギが良好であった。
ここで、衝突試験時の吸収エネルギは板厚によって変化する。板厚の厚い領域が広くなれば、吸収エネルギが増加する傾向にある。このため、板厚の厚い金属板Fの領域が広い比較例2の吸収エネルギが、本発明例1の吸収エネルギより僅かに良好となった。
一方、図15Bに示すように、単位体積当たりの吸収エネルギに関しては、本発明例1が比較例2より良好となった。アウターの重量に関し、本発明例1が比較例2より軽いことによる。したがって、軽量化と高機能化とをバランス良く両立させる観点では、本実施形態のアウターが優れることが明らかになった。
[材料歩留り]
本実施形態のプレス成形品としてフロントピラーロアーアウターを採用し、このアウターを金属板から作製する場合について、材料歩留りを調査した。
図16A〜図16Dは、プレス成形に用いたブランクの形状と、そのブランクの作製に用いたトリム加工前の金属板の形状とを示す模式図である。これらの図のうち、図16A、図16B及び図16Dは、それぞれ比較例3、比較例4及び比較例5を示す。図16Cは本発明例2を示す。図16A〜図16Dには、プレス成形に用いたブランク61の形状を二点鎖線で示し、そのブランク61の作製に用いたトリム加工前の第1金属板62及び第2金属板63の形状を実線で示し、溶接線Lを太線で示す。トリム加工前の第1金属板62及び第2金属板63は、いずれも矩形状とした。第1金属板62においてトリム加工で除去される領域62aと、第2金属板においてトリム加工で除去される領域63aとに、それぞれ斜線を付した。
図16Aに示すように、比較例3では、TWBではなく、単一の金属板(第1金属板62)をプレス成形用のブランクとした。図16Bに示すように、比較例4では、サイドシル側のストレート状部分に溶接線Lを配置した。図16Dに示すように、比較例5では、フロントピラーアッパー側のストレート状部分に溶接線Lを配置した。一方、図16Cに示すように、本発明例2では、本実施形態で規定した領域内に溶接線Lを配置した。
図17は、本発明例2及び比較例3〜5ごとにトリム加工により除去されたブランクの面積を示す図である。図17に示すように、ブランクの除去面積は、本発明例2が最も小さくなった。したがって、本実施形態のアウターによれば、材料歩留りを向上できることが明らかになった。
[溶接線第1角度θ(第2角度γ)の簡易な設定方法]
上記のとおり、WL溶接線方向ひずみdεWLy’とBM溶接線方向ひずみdεy’(dεBMy’)との相対差が0.030以下となるように、溶接線を配置すれば、割れの発生を抑制することができる。したがって、割れを抑制するための最適な条件は、dεWLy’とdεy’との相対差が0となることである。つまり、dεWLy’とdεy’が同じになることである。この条件(dεWLy’=dεy’)を上記式(2)に代入し、更に上記式(2)の両辺を溶接線近傍の母材金属板における周方向ひずみdεxで割ると、下記の式(6)が導かれる。
dεWLy’/dεx=(cosθ)2+dεy/dεx×(sinθ)2 ・・・(6)
式(6)において、右辺中の「dεy/dεx」はひずみ比βであるため、左辺の「dεWLy’/dεx」をχと置けば、下記の式(7)が導かれる。
χ=(cosθ)2+β×(sinθ)2 ・・・(7)
式(7)より、溶接線第1角度θごとに、溶接線近傍の母材金属板における最大主ひずみdεxに対するWL溶接線方向ひずみdεWLy’の割合χと、ひずみ比βと、の関係が定まる。
図18は、最大主ひずみdεxに対するWL溶接線方向ひずみdεWLy’の割合χと、ひずみ比βと、の関係の一例を示す図である。図18に示すように、ひずみ比βの増加に伴って割合χが増加する。更に、同じひずみ比βであれば、溶接線第1角度θが小さいほど、割合χが大きい。したがって、WL溶接線方向ひずみdεWLy’、最大主ひずみdεx及びひずみ比βがわかれば、割れの抑制に適した溶接線第1角度θを設定することができる。dεWLy’、dεx及びβは、FEM解析等によって容易に算出できる。
本発明は、自動車用骨格部品及びその製造に有用である。
10:フロントピラーロアーアウター(プレス成形品)、
10a:天板部、 10b:第1縦壁部、 10c:第2縦壁部、
10d:第1フランジ部、 10e:第2フランジ部、
11:第1部位、 12:第2部位、
13:湾曲部位、 14:円弧状領域、
15:プレス成形品、 15a:天板部、 15b:縦壁部、
15c:フランジ部、 16:円弧状領域、
16a:円弧状領域の外周縁、 16b:円弧状領域の内周縁、
20:ブランク(TWB)、 21:第1金属板、 22:第2金属板、
25:ブランク(TWB)、 A、B:金属板、
26:ダイ、 27:パンチ、 28:パッド
30:穴広げ試験によるプレス成形品、 30a:穴、
31:円形領域、
35:穴広げ試験用のブランク(TWB)、 35a:穴、
41:ダイ、 41a:孔、 41b:丸面取り部、
42:パンチ、 42a:肩部、 43:ブランクホルダ、
51:打撃子、
61:ブランク、
62:第1金属板、
62a:第1金属板においてトリムにより除去される領域、
63:第2金属板、
63a:第2金属板においてトリムにより除去される領域、
L:溶接線

Claims (8)

  1. 複数の金属板を突き合わせ溶接されたテーラードブランクからなるプレス成形品であって、
    前記プレス成形品は、フランジ部と、前記フランジ部の領域のうちで、内周縁が開放した円弧状領域と、を含み、
    前記テーラードブランクの溶接線が前記円弧状領域の前記内周縁と前記円弧状領域の外周縁を交差し、
    前記溶接線と最大主ひずみ方向とのなす角度が17〜84°である、プレス成形品。
  2. 請求項1に記載のプレス成形品であって、
    前記溶接線と前記内周縁の交点における前記内周縁の接線と、前記溶接線と、のなす角度が40〜75°である、プレス成形品。
  3. 請求項1又は2に記載のプレス成形品であって、
    前記テーラードブランクを構成する前記金属板が2つであり、前記2つの金属板は引張強度及び板厚のうちの少なくとも一方が異なる、プレス成形品。
  4. 請求項3に記載のプレス成形品であって、
    前記プレス成形品は長手方向に沿ってL字状に湾曲する自動車用骨格部品であり、前記骨格部品の断面形状が長手方向の全域にわたりハット形であり、
    前記骨格部品は、長手方向に沿って湾曲する湾曲部位と、前記湾曲部位の両端それぞれから延び出す第1部位及び第2部位と、を備え、前記第1部位の延び出し方向に沿って衝突荷重を受けることが想定された部品であり、
    前記円弧状領域が前記湾曲部位の湾曲内側のフランジ部であり、
    前記第1部位側に配置された前記金属板の板厚が、前記第2部位側に配置された前記金属板の板厚よりも厚い、プレス成形品。
  5. 請求項4に記載のプレス成形品であって、
    前記骨格部品がフロントピラーロアーアウターであり、
    前記第1部位がサイドシルに結合され、前記第2部位がフロントピラーアッパーに結合される、プレス成形品。
  6. 請求項4又は5に記載のプレス成形品であって、
    前記第1部位側に配置された前記金属板の引張強度と板厚の積算値と、前記第2部位側に配置された前記金属板の引張強度と板厚の積算値との差が、600mm・MPa以下である、プレス成形品。
  7. 複数の金属板を突き合わせ溶接されたテーラードブランクからプレス加工によって成形されるプレス成形品の設計方法であって、
    前記プレス成形品は、フランジ部と、前記フランジ部の領域のうちで、伸びフランジ変形によって形成され、且つ内周縁が開放した円弧状領域と、を含み、前記テーラードブランクの溶接線が前記円弧状領域の前記内周縁と前記円弧状領域の外周縁を交差しており、
    前記プレス成形品を設計する際、プレス加工中に、前記溶接線の幅方向中央における前記溶接線に沿う方向のひずみdεWLy’と、前記金属板の前記溶接線近傍における前記溶接線に沿う方向のひずみdεy’と、の相対差が0.030以下となるように、前記溶接線を配置する、プレス成形品の設計方法。
  8. 請求項7に記載のプレス成形品の設計方法であって、
    前記ひずみdεWLy’と前記ひずみdεy’との相対差が0である、プレス成形品の設計方法。
JP2017520600A 2015-05-22 2016-05-10 プレス成形品及びその設計方法 Active JP6439868B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015104700 2015-05-22
JP2015104700 2015-05-22
PCT/JP2016/063867 WO2016190083A1 (ja) 2015-05-22 2016-05-10 プレス成形品及びその設計方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016190083A1 true JPWO2016190083A1 (ja) 2018-03-08
JP6439868B2 JP6439868B2 (ja) 2018-12-19

Family

ID=57392723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017520600A Active JP6439868B2 (ja) 2015-05-22 2016-05-10 プレス成形品及びその設計方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10695815B2 (ja)
EP (1) EP3278896B1 (ja)
JP (1) JP6439868B2 (ja)
KR (1) KR102036750B1 (ja)
CN (1) CN107614139B (ja)
CA (1) CA2984746C (ja)
ES (1) ES2774475T3 (ja)
MX (1) MX2017014727A (ja)
RU (1) RU2688112C1 (ja)
WO (1) WO2016190083A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7156343B2 (ja) * 2020-07-29 2022-10-19 Jfeスチール株式会社 プレス成形方法及びプレス成形金型
EP4331740A1 (en) * 2021-04-28 2024-03-06 Nippon Steel Corporation Weld bead width design method for tailored blank material, manufacturing method, manufacturing system, weld bead width design system, vehicular structural member, and tailored blank material

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001001062A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Nippon Steel Corp 成形性の優れた異材質テーラードブランク材のプレス成形法
WO2010128540A1 (ja) * 2009-05-08 2010-11-11 トヨタ自動車株式会社 テーラードブランク材およびそれを用いた構造部材の製造方法
JP2011152589A (ja) * 2009-08-06 2011-08-11 Nippon Steel Corp ホットスタンプ加工に用いる異強度部分を持つ金属加工品の製造に適した輻射伝熱加熱用鋼板及びその製造方法
JP2015016486A (ja) * 2013-07-10 2015-01-29 スズキ株式会社 差厚鋼板およびその製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SU390856A1 (ru) * 1972-05-22 1973-07-25 В. Г. Кондратенко , Э. А. Назар Московское высшее техническое училище Н. Э. Баумана Листовая заготовка для вытяжки цилиндрического
RU2056199C1 (ru) * 1993-02-03 1996-03-20 Тульский государственный технический университет Заготовка для вытяжки цилиндрического полуфабриката
JP4654490B2 (ja) 2000-07-04 2011-03-23 マツダ株式会社 板状部材でなる成形体の製造方法
JP2006198672A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Mitsubishi Motors Corp テーラード素材製パネル部品の製造方法
RU2317170C2 (ru) * 2005-07-07 2008-02-20 Открытое акционерное общество "Калужский завод автомобильного электрооборудования" (ОАО "КЗАЭ") Способ изготовления глубоких цилиндрических изделий из квадратных заготовок
CN100507776C (zh) * 2007-11-30 2009-07-01 江苏大学 差厚高强度钢激光拼焊板曲线焊缝布置和成形方法
US20100055488A1 (en) * 2008-08-30 2010-03-04 Gm Global Technology Operations, Inc. Non-linear welded blank and method of reducing mass
JP5390152B2 (ja) 2008-09-25 2014-01-15 Jfeスチール株式会社 閉構造部材の製造方法、プレス成形装置及び閉構造部材
CN101739489B (zh) * 2009-12-04 2013-02-13 同济大学 激光拼焊板成形极限图的建立和使用方法
MX345043B (es) 2011-05-20 2017-01-16 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp Método de moldeo por presión y componente de vehículo.

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001001062A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Nippon Steel Corp 成形性の優れた異材質テーラードブランク材のプレス成形法
WO2010128540A1 (ja) * 2009-05-08 2010-11-11 トヨタ自動車株式会社 テーラードブランク材およびそれを用いた構造部材の製造方法
JP2011152589A (ja) * 2009-08-06 2011-08-11 Nippon Steel Corp ホットスタンプ加工に用いる異強度部分を持つ金属加工品の製造に適した輻射伝熱加熱用鋼板及びその製造方法
JP2015016486A (ja) * 2013-07-10 2015-01-29 スズキ株式会社 差厚鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US10695815B2 (en) 2020-06-30
CA2984746C (en) 2020-03-10
MX2017014727A (es) 2018-04-24
EP3278896A1 (en) 2018-02-07
RU2688112C1 (ru) 2019-05-17
CA2984746A1 (en) 2016-12-01
EP3278896B1 (en) 2020-01-01
CN107614139A (zh) 2018-01-19
JP6439868B2 (ja) 2018-12-19
US20180126439A1 (en) 2018-05-10
ES2774475T3 (es) 2020-07-21
KR20180010227A (ko) 2018-01-30
KR102036750B1 (ko) 2019-10-25
WO2016190083A1 (ja) 2016-12-01
EP3278896A4 (en) 2019-01-23
CN107614139B (zh) 2019-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6921909B2 (ja) パネル状成形品
JP6032374B2 (ja) プレス成形体の製造方法及びプレス成形装置
JP6206629B1 (ja) ドアインナーパネル及びドアインナーパネル製造方法
JPWO2016194963A1 (ja) プレス成形品、プレス成形方法、およびプレス成形装置
JP2009001121A (ja) 車両用センターピラーの補強部材
JP2009019229A (ja) 車体閉断面構造部材の製造方法
JP6439868B2 (ja) プレス成形品及びその設計方法
JP6354864B2 (ja) プレス成形品、並びにそのプレス成形品の製造方法及び製造設備列
JP7422080B2 (ja) テーラードブランク、テーラードブランクの製造方法、プレス成形品、及び、プレス成形品の製造方法
KR20170019758A (ko) 초고장력강 판넬 및 그 제조방법
JP6183475B2 (ja) 自動車用骨格部品、及びそれを備えたフロントピラーロアー
JP7188567B2 (ja) ブランクおよび部品
JP2020025964A (ja) 成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181105

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6439868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350