JPWO2016181463A1 - 軸流送風機 - Google Patents

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Abstract

軸心まわりに回転するハブと、ハブの外周部に配設される複数枚のブレードを有する軸流送風機であって、ブレードの外周縁側では、前縁部が吸込側に向かって凸、後縁部が吐出側に向かって凸となるよう形成され、ブレードの後縁側では、内周側が吐出側に向かって凸、外周側が吸込側に向かって凸となるように形成し、前縁部、翼端部、後縁部から生じる渦の発生及び渦の成長を抑制し、流れの有効流路幅を十分に確保し、抵抗に伴う乱れを低減することによって、騒音及び効率を改善する。

Description

本発明は、例えば空調装置や換気機器などに用いられる軸流送風機に関する。
この種の軸流送風機は、円筒状のハブと、このハブの外周面に設けられた複数枚のブレードとを備えている。このハブを所定方向(例えば反時計回り)に回転させてブレードを旋回させることで、空気などの流体を前方から吸い込んで後方に吐出させ、送り出している。
このような軸流送風機においては、ブレードを旋回させたときに、ブレードの外周縁である翼端部や前縁部、後縁部で発生する渦が問題となる。すなわち、ブレードで発生した渦は、ブレード間での有効流路幅を狭め、流れに対する抵抗となり、流れに乱れが生じ、空力損失が増大する。このため、ブレードの翼端部(=外周縁部)や前縁部、後縁部で生じる渦は、騒音増大、効率低下の要因となっていた。
そこで、ブレードをハブに対して同心円筒状に切断したときの断面形状について、ブレードの後縁部側を、ハブ側から翼端側に至る全ての翼断面形状が吐出側が凸面となる逆反り部とするとともに、隣接する一方のブレードの前縁を、他方のブレードの逆反り部に軸方向線上で重なる位置に至るまで大きくすることで、渦の発生を抑制するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭58−144698号公報(図3、図4)
しかしながら、特許文献1のような軸流送風機にあっては、以下の四点の課題がある。
一点目は、ブレードの後縁部での負圧面と圧力面との圧力差に起因する渦を抑制しているが、従来の軸流送風機でみられる、前縁部と翼端部に生じる渦に関しては、その発生を許容する形状をしていることである。特に、翼端渦は、下流側に移流するに従って積層され、次第に成長し、増大する。このため、ブレード間の有効流路幅は減少し、かつ翼端渦が流れを妨げることで、流れの抵抗は増大する。これにより、流れの乱れが発生して騒音増加、効率低下の要因となる。
二点目は、ブレードの後縁部側を、ハブ側から翼端側に至る全ての翼円筒断面形状を吐出側が凸面となる逆反り部とする、換言すればブレードの後縁部側が半径方向の全翼断面にわたって流体の吸込側に対して凹ませた形状としているため、流速が低いハブ部近傍では、負圧面だけでなく圧力面においても、流れの剥離が発生する。このため、流れが乱れることによる騒音増大、効率低下という問題があった。
三点目は、ブレードの後縁部側を、ハブ側から翼端側に至る半径方向の全翼断面にわたって流体の吸込側に対して凹ませた形状としているため、凹ませていない場合と比較して、全圧上昇への寄与が高い吐出側における流れの旋回速度成分が小さくなる。このため、流体を十分に昇圧することができず、十分な送風特性が得られないという問題があった。
四点目は、ブレードの後縁部が、そのブレードに隣接するブレードの前縁部と軸方向線上で重なっているため、このようなブレードのレイアウトでは、金型による成形に適しておらず、ブレードの製作に非常にコストがかかるという問題があった。
本発明は、前記のような課題の少なくとも1つを解決するためになされたもので、低騒音かつ高効率な軸流送風機を提供することを主目的としている。
本発明に係る軸流送風機は、軸心まわりに回転するハブと、ハブの外周部に配設される複数枚のブレードとを有する軸流送風機であって、ブレードの外周縁側では、前縁部が吸込側に向かって凸、後縁部が吐出側に向かって凸となるよう形成され、ブレードの後縁側では、内周側が吐出側に向かって凸、外周側では吸込側に向かって凸となるように形成されたものである。
本発明の軸流送風機によれば、ブレードの外周縁側では、前縁部が吸込側に向かって凸、後縁部が吐出側に向かって凸となるよう形成され、ブレードの後縁側では、内周側が吐出側に向かって凸、外周側が吸込側に向かって凸となるように形成されているので、全圧上昇への寄与が高い吐出側における流れの旋回速度成分が大きくなって、流体を十分に昇圧することができ、十分な送風特性が得られる。そのため、隣接するブレード相互の重合部が不要となり、金型による成形コストを低減することができる。また、ブレードの前縁部、翼端部、後縁部から生じる渦の発生及び渦の成長を抑制することができて、流れの有効流路幅を十分に確保でき、抵抗に伴う乱れを低減でき、騒音及び効率を改善することができる。また、従来生じていた、ハブ部後縁側での流れの剥離を抑制することができる。
比較例の軸流送風機のまわりの流れ場を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の羽根車の正面図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のブレードの断面ラインを示す模式図である。 図4のa−a矢視断面図である。 図4のb−b矢視断面図である。 図4のc−c矢視断面図である。 図4のd−d矢視断面図である。 図4のe−e矢視断面図である。 図4のf−f矢視断面図である。 本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のブレード1枚の形状を特徴づける極値点位置を示す模式図である。 比較例の軸流送風機のa−a矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。 比較例の軸流送風機のd−d矢視断面における円筒断面の翼形状とブレードの負圧面上の前縁に発生する前縁剥離渦を模式的に示す断面図である。 比較例の軸流送風機の翼端近傍のc−c矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。 本実施の形態1の軸流送風機のa−a矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。 本実施の形態1の軸流送風機のf−f矢視断面における円筒断面の翼形状とブレードの負圧面上の流れ場を模式的に示す断面図である。 本実施の形態1の軸流送風機の翼端近傍のc−c矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のブレードの図4のc−c矢視断面における前縁部と翼端部の交点と、従来のブレードにおける前縁部と翼端部の交点との、軸方向距離を定義するための模式図である。 本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のブレード外周部の直径Dに対する軸方向距離差Δhの割合Δh/Dと騒音低減効果との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態3に係る軸流送風機のベルマウスの円筒部の長さLに対する基準点から翼端後縁までの距離ΔZの割合ΔZ/Lと騒音低減効果との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態3に係る軸流送風機のブレードとベルマウスとの相対的位置関係に関する流れ場の違いを示した模式図である。 本発明の実施の形態3に係る軸流送風機のブレードとベルマウスとの相対的位置関係に関する流れ場の違いを示した模式図である。 本発明の実施の形態3に係る軸流送風機のブレードとベルマウスとの相対的位置関係に関する流れ場の違いを示した模式図である。
以下、図示実施形態により本発明を説明する。なお、参照符号については、図1〜図23において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは、明細書の全文において共通することである。また、複数枚有するブレードに関する符号は、代表の1枚にのみ付すものとする。また、本実施の形態では、一例としてブレードの枚数が3枚である場合を図示しているが、3枚以外のブレード枚数においても本発明の効果は得られる。
実施の形態1.
まず、実施の形態の説明の前に一般的な軸流送風機の抱える問題について比較例に基づき説明する。図1は比較例の軸流送風機とそのまわりの流れ場の斜視図である。
図1に示すように、この比較例の軸流送風機は、円筒状のハブ1と、ハブ1の外周面に設けられた複数枚のブレード2a〜2cと、ブレード2a〜2cを取り囲むベルマウス4とを備えており、ハブ1を所定方向P(例えば反時計回り)に回転させてブレード2a〜2cを旋回させることで、空気などの流体を前方から後方(矢印Q方向)に吐出させ、送り出している。
この比較例の軸流送風機においては、ブレード2a〜2cを旋回させたときに、ブレードの外周縁である翼端部や前縁部、後縁部で渦3a〜3dが発生する。このブレードで発生した渦は、ブレード間での有効流路幅を狭め、流れに対する抵抗となり、流れに乱れを生じさせ、空力損失を増大させる。このため、ブレードの翼端部(=外周縁部)や前縁部、後縁部で生じる渦は、騒音増大、効率低下の要因となる。
図2は本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の斜視図である。
図2に示すように、本実施の形態1に係る軸流送風機の羽根車10は、軸心まわりに回転するハブ5と、前記ハブ5の外周部に配設される複数枚のブレード20a〜20c(以下、これらをまとめて「ブレード20」という場合もある)とを有し、ベルマウス4に取り囲まれている。ベルマウス4は、吸込側と吐出側の両端が、それぞれ吸込側と吐出側に向かって滑らかに広がるような形状をなす。ブレード20は、内周縁31と外周縁(以下、「翼端」という)32と前縁33と後縁34とに囲繞されている。
図3は本発明の実施の形態1に係る軸流送風機の羽根車の正面図である。図4は本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のブレードの断面ラインを示す模式図である。図5は図4のa−a矢視断面図である。図6は図4のb−b矢視断面図である。図7は図4のc−c矢視断面図である。図8は図4のd−d矢視断面図である。図9は図4のe−e矢視断面図である。図10は図4のf−f矢視断面図である。図11は本発明の実施の形態1に係る軸流送風機のブレード一枚の形状を特徴づける極値点位置を示す模式図である。
各ブレード20は、図7及び図5に示すように、ハブ5に対して同心円筒状に切断したときの断面形状(以下、これを「円筒断面の翼形状」という)に関して、ブレード20の外周縁側である翼端32側とハブ5側とで下記(1)(2)に示す構成を有する。
(1)ブレード20の翼端32側の円筒断面の翼形状は、図7に示すように、翼端32側の前縁部35(図4)が吸込側に向かって凸となるように形成され、かつ翼端32側の後縁部36(図4)が吐出側に向かって凸となるように形成される。したがって、ブレード20の翼端32側の円筒断面の翼形状は、図7に示すように、逆S字状となるための2つの極値点41,42を有する。極値点41は軸方向に最も高い点であり、極値点42は軸方向に最も低い点となる。
(2)ハブ5側の円筒断面の翼形状は、図5に示すように、変曲点をもたない吸込側に向かって凸面形状をなす。
また、ブレード20の半径方向の翼断面形状に関しては、ブレード20の前縁33側と後縁34側とで下記(3)(4)に示す構成を有する。
(3)ブレード20の前縁33側の半径方向の翼断面形状は、図8に示すように、吸込側に向かって凸となるように形成され、したがってハブ5側と翼端32側とのあいだに1つの極値点45を有するように構成される。
(4)ブレード20の後縁34側の半径方向の翼断面形状は、図10に示すように、ハブ5側では吐出側に向かって凸となるように形成され、翼端32側では吸込側に向かって凸となるように形成される。したがって、ブレード20の後縁34側の半径方向の翼断面形状は、図10に示すように、S字状となるための2つの極値点43,44を有し、かつ翼端32側の極値点44は翼端後縁部に存在するように構成される。
また、ブレード20の吸込側から見た形状に関しては、下記(5)に示す構成を有する。
(5)ブレード20の吸込側から見た形状は、図5〜図11に示すように、ブレード20の円筒断面の半径位置が翼端32側からハブ5側に近づくほど、翼端32上に存在する極値点41の位置が、前縁33側へ移動する形状を有する。また、同様に、翼端32上に存在する極値点42の位置が、後縁34側に移動する形状を有する。また、図11に示すように、ブレード20の前縁部35は、極値点41から極値点45に至る曲線で折れ曲がっており、ブレード20の後縁部36は、極値点42から極値点43に至る曲線で折れ曲がっていることを意味する。つまり、ブレード20上で、極値点の位置は、前縁33側では極値点41から極値点45に至る曲線上に存在し、後縁34側では極値点42から極値点43を至る曲線上に存在する。
次に、本実施の形態1に係る軸流送風機の効果を図12〜図17を用いて説明する。
図12は比較例の軸流送風機のa−a矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。図13は比較例の軸流送風機のd−d矢視断面における円筒断面の翼形状とブレードの負圧面上の前縁に発生する前縁剥離渦を模式的に示す断面図である。図14は比較例の軸流送風機の翼端近傍のc−c矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。図15は本実施の形態1の軸流送風機のa−a矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。図16は本実施の形態1の軸流送風機のf−f矢視断面における円筒断面の翼形状とブレードの負圧面上の流れ場を模式的に示す断面図である。図17は本実施の形態1の軸流送風機の翼端近傍のc−c矢視断面における円筒断面の翼形状とそのまわりの流れ場を模式的に示す断面図である。なお、各図中の+記号は、大気圧に対して圧力が大きい(正圧)ことを示し、−記号は、大気圧に対して圧力が小さい(負圧)ことを示す。
前記のような構成とすることで、負圧面の前縁部35では翼端32付近において、吸込側に向かって凸となすことにより、すなわち、極値点45、41を起点として流れに正対するような傾斜をもつ面を形成することにより、圧力は高くなる。同様に、負圧面の後縁部36でも、吐出側に向かって凸となすことにより、すなわち、極値点42,43を起点として、流れに正対するような傾斜をもつ面を形成することにより、圧力は高くなる。結果として、前縁部35の翼端32付近と、後縁部36の中央から翼端32付近までの領域が、負圧面上では最も圧力の高い部位となり、図13及び図16に示すような圧力分布となる。
比較例の軸流送風機では、負圧面の前縁部35のハブ5側から翼端32側にかけた広い領域で、流れの逆圧力勾配のために、図14に示すように、前縁剥離渦7と呼ばれるエネルギー損失領域が発生し、翼端32では、負圧面と圧力面との圧力差に起因した気流の回り込みのために翼端渦と呼ばれるエネルギー損失領域が発生することが知られている。また、ハブ5部近傍では、流れの速度が遅いため、図13に示すように、前縁剥離渦によるエネルギー損失も一因となって、流れが下流側すなわち後縁34に至るにしたがって図12に示すように、剥離が発生し、更にエネルギーを損失させる渦領域が生じる。
本実施の形態1の軸流送風機では、前記のような圧力分布をもつ構成とすることによって、翼端32側では、前縁部35と後縁部36において圧力面と負圧面との圧力差を小さくすることができるため、図17に示すように、翼端渦の発生を遅らせ、かつその成長及び増大を抑制することができる。また、前縁33側の翼端32部で正圧となるため、流れは順圧力勾配となり、図13に示すように、従来、前縁部35に広く分布する前縁剥離渦の領域を狭め、その領域はハブ5部近傍のみに限定させることができる。
また、図17に示すように、本実施の形態1の軸流送風機では、後縁部36の翼端32近傍の負圧面では、ブレード20の表面が流れと正対する方向に傾いているため、圧力は高い。一方、図16に示すように、後縁部36のハブ5部近傍の圧力は低いため、負圧面における後縁部36では、翼端部からハブ5部に向かっては順圧力勾配が発生し、同時に、半径方向内向きの流速成分が発生する。このような作用により、ハブ5部近傍のみに限定された前縁剥離渦の後方の境界層に運動量を供給することができるため、流速の低いハブ5部近傍において、流れを剥離しにくくさせることが可能になる。このような作用によって、ブレード20間の流路において、前縁部35の剥離渦と翼端32側の翼端渦、及びハブ5側の剥離渦の占める領域を同時に少なくすることができる。このため、流れの有効流路幅を十分に確保でき、抵抗に伴う乱れを低減することができて、騒音及び効率を十分に改善することができる。
比較例は、ハブ1と同心軸の円筒断面のブレード20形状について、ハブ1側から翼端32側に至る全ての断面形状が、後縁34側を逆反りさせる、すなわち吐出側に向かって凸とさせている。このため、図12に示すように、流速の低いハブ部近傍においては、負圧面だけでなく圧力面からも剥離による乱れが生じるため、騒音増加、効率低下の原因となる。
一方、本実施の形態1の軸流送風機では、図15に示すように、変曲点をもたない吸込側に向かって凸面形状をなす形状をしているため、前記の効果を発揮しながら、同時に、ハブ5部の流れ6を剥離しにくくすることができる。このため、騒音増大及び効率低下を抑制することができる。
更に、本実施の形態1に係る軸流送風機では、図16に示すように、後縁部36ではハブ5側に関しては吐出側に向かって凸となり、翼端32部だけが吸込側に向かって凸となる形状をなしている。このため、比較例で生じているような十分な昇圧量が得られないという問題は解消される。このため、従来のようにブレード20の前縁部35と隣接するブレード20の後縁部36とに重合部を持たせる必要はなくなり、従来技術で生じていた、金型による成形コストの増大という問題も解消させることができる。
実施の形態2.
図18は本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のブレードの図4のc−c矢視断面における前縁部と翼端部の交点と、従来のブレードにおける前縁部と翼端部の交点との、軸方向の距離差Δhを定義するための模式図である。なお、図中、前述の実施の形態1と同一機能部分には同一符号を付してある。また、説明にあたっては、前述の図3、図4、図7、図8及び図11を参照するものとする。
より一層の騒音低減を実現するためには、軸流送風機を以下のように構成することが望ましい。すなわち、本実施の形態2の軸流送風機は、羽根車10が、以下の(1)〜(6)の特徴を備える。ここで、(1)〜(5)に関しては、前述の実施の形態1で説明した(1)〜(5)と同じ特徴であるため説明は省略する。本実施の形態2では、翼端前縁部の軸方向位置座標を以下の(6)に示すように構成している。
(6)図3、図4、図7、図8、図11及び図18に示すように、ブレード20の前縁部35は、翼端32に存在する極値点41から前縁33に存在する極値点45に至る曲線によって、吸込側に向かって凸形状となるように形成される。ここで、翼端32と前縁33との交点のz軸座標と、極値点41のz軸座標との距離差をΔhと表記する。このとき、ブレード20外周部の直径Dに対する距離差Δhの割合Δh/Dは、0<Δh/D<0.1を満足するように構成される。
次に、本実施の形態2の軸流送風機の効果を図19を用いて説明する。
図19は本発明の実施の形態2に係る軸流送風機のブレード外周部の直径Dに対する軸方向の距離差Δhの割合Δh/Dと騒音低減効果との関係を示すグラフである。
図19においては、下に凸となる曲線の頂点が最も騒音低減効果が高いことを示している。図19に示されているように、0<Δh/D<0.1の範囲で特に顕著な騒音低減効果が得られることがわかる。すなわち、0<Δh/D<0.1を満足するようにブレード20の吸込側への突出量を設定することで、ブレード20間の流路において、前縁部35の剥離渦と翼端32側の翼端渦、及びハブ5側の剥離渦の占める領域を同時に少なくすることができる。これによって、流れの有効流路幅を十分に確保し、抵抗に伴う乱れを低減する効果を最大限に発揮できるため、騒音をより一層低減し、効率をより一層向上させることができる。
実施の形態3.
より一層の騒音低減を実現するためには、以下のような構成にすることが望ましい。
すなわち、本実施の形態3の軸流送風機の羽根車10は、ブレード20とベルマウス4との相対的な位置関係が次のように構成される。
ベルマウス4の円筒部と、ベルマウス4の吐出側の滑らかに広がるアール部との交点をz軸座標の基準点0とする。ここでz軸は吐出側を正とする。また、この基準点0と、ブレード20の翼端後縁部との距離をΔZとする。このとき、ベルマウス4の円筒部の長さLに対する、基準点0から翼端後縁までの距離ΔZの割合として、無次元距離ΔZ/Lで表すと、−0.87<ΔZ/L<0を満たすように構成される。
次に、本実施の形態3の軸流送風機の効果を図20〜図23を用いて説明する。
図20は本発明の実施の形態3に係る軸流送風機のベルマウスの円筒部の長さLに対する基準点から翼端後縁までの距離ΔZの割合ΔZ/Lと騒音低減効果との関係を示すグラフである。
ここで、騒音低減効果は、ブレードの翼端後縁部を、Z軸上の基準点に位置させた場合の騒音との差として示しており、下に凸となる曲線の頂点が最も騒音低減効果が高いことを示している。
図21〜図23はいずれも本発明の実施の形態3に係る軸流送風機のブレードとベルマウスとの相対的位置関係に関する流れ場の違いを示した模式図であり、吐出側をZ軸正方向とし、かつベルマウス4の円筒部の吐出側終端を基準点(±ゼロ点位置)にとった際の基準点からブレード20の翼端後縁部までの距離ΔZと、ベルマウス4の直管部の長さLとの比を表したものである。図21は翼端後縁部がΔZ/L<−0.87に位置する場合、図22は翼端後縁部が−0.87<ΔZ/L<0に位置する場合、図23は翼端後縁部がΔZ/L>0に位置する場合、をそれぞれ示している。
本実施の形態3に係る軸流送風機のように、ブレード20とベルマウス4との相対的な位置関係を調整することで最大限の性能を発揮することができ、図21〜図23に示すように、−2<ΔZ/L<1の範囲で顕著な騒音低減効果が得られていることがわかる。特に図22に示すように、−0.87<ΔZ/L<0の範囲で顕著な騒音低減効果が得られていることがわかる。これは、図22に示すように、翼端後縁部を−0.87<ΔZ/L<0に位置させることによって、ブレード20の後縁部36の外周端近傍の圧力面から押し出される半径方向外向きの吹出気流とベルマウス4の円筒部との干渉、及びこの吹出気流と誘発流れとの干渉が小さくなり乱れが低減するためである。これにより、騒音がより一層低減され、効率はより一層向上する。
1,5 ハブ、2a〜2c,20,20a〜20c ブレード、3a〜3d 渦、4 ベルマウス、7 前縁剥離渦、10 羽根車、31 内周縁、32 外周縁(翼端)、33 前縁、34 後縁、35 前縁部、36 後縁部、41〜45 極値点、D ブレード外周部の直径、L ベルマウスの円筒部の長さ。
本発明に係る軸流送風機は、軸心まわりに回転するハブと、前記ハブの外周部に配設される複数枚のブレードとを有し、前記ブレードは、内周縁と外周縁と前縁と後縁とに囲繞されて成る軸流送風機であって、各ブレードは、ハブと同心軸の円筒で断面された翼形状が、翼端側では、前縁部が吸込側に向かって凸、後縁側が吐出側に向かって凸となるように形成されて、S字状となるための2つの極値点を有し、ハブ側では、変曲点をもたない凹面形状を成し、半径方向の翼断面形状が、前縁側では、吸込側に向かって凸となるように形成されて、ハブ側と翼端側とのあいだに1つの極値点を有し、後縁側では、ハブ側で吐出側に向かって凸、翼端側では吸込側に向かって凸となるように形成されて、S字状となるための2つの極値点を有し、かつ、翼端側の極値点は翼端後縁部に存在するよう構成され、円筒断面の翼形状に関して円筒断面の半径位置が翼端側からハブ側に近づくほど翼端上に存在する2つの極値点が、前縁側の極値点については前縁上に存在する極値点に徐々に近づいて一致し、後縁側の極値点については後縁上に存在する極値点に徐々に近づいて一致するものである。

Claims (4)

  1. 軸心まわりに回転するハブと、前記ハブの外周部に配設される複数枚のブレードとを有する軸流送風機であって、
    前記ブレードの外周縁側では、前縁部が吸込側に向かって凸、後縁部が吐出側に向かって凸となるよう形成され、
    前記ブレードの後縁側では、内周側が吐出側に向かって凸、外周側が吸込側に向かって凸となるように形成された軸流送風機。
  2. 軸心まわりに回転するハブと、前記ハブの外周部に配設される複数枚のブレードとを有し、前記ブレードは、内周縁と外周縁と前縁と後縁とに囲繞されて成る軸流送風機であって、
    各ブレードは、
    ハブと同心軸の円筒で断面された翼形状が、
    翼端側では、前縁部が吸込側に向かって凸、後縁側が吐出側に向かって凸となるように形成されて、S字状となるための2つの極値点を有し、
    ハブ側では、変曲点をもたない凹面形状を成し、
    半径方向の翼断面形状が、
    前縁側では、吸込側に向かって凸となるように形成されて、ハブ側と翼端側とのあいだに1つの極値点を有し、
    後縁側では、ハブ側で吐出側に向かって凸、翼端側では吸込側に向かって凸となるように形成されて、S字状となるための2つの極値点を有し、かつ、翼端側の極値点は翼端後縁部に存在するよう構成され、
    円筒断面の翼形状に関して円筒断面の半径位置が翼端側からハブ側に近づくほど翼端上に存在する2つの極値点が、前縁側の極値点については前縁上に存在する極値点に徐々に近づいて一致し、後縁側の極値点については後縁上に存在する極値点に徐々に近づいて一致する軸流送風機。
  3. 前記ブレードは、円筒断面の翼形状に関して、円筒断面の半径位置が翼端側からハブ側に近づくほど翼端軸方向における2つの極値点のうち前縁側の極値点が前縁上の極値点に徐々に近づいて一致することで、翼端前縁部近傍は吸込側に向かって凸となるように形成され、その際の翼端前縁部の軸方向位置座標と、翼端上の極値点の軸方向座標との距離差Δhに対してブレード外周部の直径Dが、0<Δh/D<0.1を満足するように構成される請求項2記載の軸流送風機。
  4. ブレードとベルマウスとの相対的な位置関係において、ブレードの翼端後縁部を、吐出側をZ軸正方向としかつベルマウスの円筒部の吐出側終端を基準点にとった際の基準点からの距離ΔZに対してベルマウスの直管部の長さLが、−0.87<ΔZ/L<0を満足するように構成される請求項2又は3記載の軸流送風機。
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