JPWO2016174796A1 - エレベーターの制御装置、エレベーター装置、エレベーター用電動機の回転検出部の回転角度誤差を求める方法 - Google Patents
エレベーターの制御装置、エレベーター装置、エレベーター用電動機の回転検出部の回転角度誤差を求める方法Info
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Abstract
Description
周波数解析部は、電流検出器により検出された電流を周波数解析して特定周波数成分の振幅および位相を算出し、
角度誤差推定部は、周波数解析部で演算された特定周波数成分の振幅および位相を用いて特定周波数成分からなる角度誤差を角度誤差推定値として推定し、角度検出誤差を推定するときにはかごを特定区間運転させる学習運転を実施し、学習運転中は特定周波数成分の振幅および位相の演算結果を複数分記憶し、複数分記憶された特定周波数成分の振幅および位相が作る座標における幾何学量である評価値を計算し、評価値が最小となるときの角度誤差推定値を選択する。
そのため、共振の影響により角度誤差の推定を誤ることなく、信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
図1はこの発明によるエレベーターの制御装置の一例を示す構成図である。図1において、エレベーターのかご4とカウンターウェイト5は互いに巻上ロープ6で接続され綱車3につるべ式に吊られている。綱車3はかご4の駆動用電動機である電動機1に連結しており、かご4は電動機1の動力により昇降する。かご4を昇降させる電動機1は、例えば永久磁石同期モータである。
またこれは図2においても同様である。
また、角度誤差推定部9は、周波数解析部8からの出力である電流検出器7の電流を電動機の回転角の情報を用いてフーリエ変換することにより得られたフーリエ係数に基づき、フーリエ係数の座標により囲まれる領域の面積を座標平面における幾何学量である評価値として計算する。なお、フーリエ係数の座標により囲まれる面積の計算方法とその意味については後述する。
角度誤差推定部9が推定する角度誤差は、後述する誤差振幅と誤差位相の2つからなる。
角度誤差推定部9は、誤差振幅と誤差位相を角度誤差の推定値として計算すると、周期的な角度誤差を再現するために、誤差振幅と誤差位相とを用いて正弦波又は余弦波の補正信号を演算して出力する。
学習速度演算部91は、回転検出部2が検出する電動機1の回転角に基づき電動機1の回転速度を計算する。学習速度演算部91は、最も簡単には、回転角の時間微分によって回転速度を演算する。また、時間微分によるノイズを除去するためにローパスフィルターにより平滑化する構成でもよい。さらにまた、学習速度演算部91は、予め設定された一定時間ごとに電動機1の回転速度を演算してもよいし、時間を計測するための構成を含んで、予め設定された一定回転角ごとに回転速度を演算してもよい。
回転検出部2の検出する回転角は周期的な角度誤差を含むため、学習速度演算部91の計算する電動機1の回転速度には周期的な速度脈動が含まれる。角度誤差推定部9で必要な速度情報は、後述する角度誤差の学習運転において、電動機1の回転速度が予め設定された速度に達し設定速度による一定速度走行状態に達したか否かを判断するために使うものである。従って、速度情報に脈動が含まれていても一定速度走行状態に達したことは判定できるため問題ない。
X:電動機1の機械角に対する回転検出部2の角度誤差の次数(既知の値)
θm:電動機1の回転角
A1:回転検出部2の角度誤差の誤差振幅
φ:電動機1の機械角に対する回転検出部2の位相ずれ(誤差位相)
ωe:回転検出部2の周期的な速度誤差
A2:式(1)の角度誤差による速度誤差の振幅
ω:電動機の回転速度
Ie:電流指令の脈動
A3:角度誤差による電流脈動の振幅
φc:速度制御器12による位相遅れ
G=√(An 2+Bn 2)
γ=tan-1(An/Bn)
G=√(An 2+Bn 2)は、回転検出部2の角度誤差に起因する電流脈動の振幅を示し、
G=√(An 2+Bn 2)=A3である。
γ=tan-1(An/Bn)は、電流脈動の電動機1の機械角に対する位相差を示し、
γ=tan-1(An/Bn)=φ+φcである。
以降の説明では、
G=√(An 2+Bn 2)を電流脈動の振幅、
γ=tan-1(An/Bn)を電流脈動の位相
と呼ぶことにする。
A1=√(An 2+Bn 2)/XωC1 (7)
Bn=(1/π)∫0 2πI・sin(Xθm)dθ (8)
この場合、位相においては、式(6)におけるtan-1(An/Bn)が直接検出できるため、速度制御器12による位相遅れφcを減算することで、誤差位相φを求めることができる。振幅においては、式(7)における√(An 2+Bn 2)が直接検出できるため、式(7)と同様の手順で角度誤差の振幅A1を求めることができる。
図4と5より、角度誤差の周波数がAとCのときには、かご4が昇降路内のどの位置でもゲインと位相が一定値である。
一方で、角度誤差の周波数がBのときには、かご4の位置が破線で示す最下階付近や実線で示す最上階付近の場合、ゲインと位相は変化しないが、点線で示す中間階付近において共振の特性を示している。図4と5に示した特性は一つの例であるが、エレベーターは、物件ごとに機械仕様が異なるため、図4と5に示すゲイン特性、位相特性は、エレベーターの物件ごとに異なる。また、エレベーターの速度も物件ごとに異なるため、どの位置で、どの速度で角度誤差と機械系が共振するかを事前に知ることは困難となる。よって、事前情報により共振を避けることは難しく、角度誤差の学習と推定の成否判断を同時に行うことが望ましい。
(1/2)|(Bn1An2−Bn2An1)+(Bn2An3−Bn3An2)+(Bn3An1−Bn1An3)|
(9)
原点から座標(Bn2,An2)までの距離√(An2 2+Bn2 2)をG2、
原点から座標(Bn3,An3)までの距離√(An3 2+Bn3 2)をG3、
とする、すなわち、各座標における電流脈動の振幅をG1、G2、G3とし、
原点から座標(Bn1,An1)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An1/Bn1)をγ1、
原点から座標(Bn2,An2)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An2/Bn2)をγ2、
原点から座標(Bn3,An3)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An3/Bn3)をγ3、
とする、すなわち各座標における電流脈動の位相をγ1、γ2、γ3とすると、式(9)の面積は次のように書き換えることができる。
(1/2)|G1G2sin(γ2−γ1)+G2G3sin(γ3−γ2)+G1G3sin(γ1−γ3)|
(10)
一方、角度誤差の周波数がBのときには、かご4が最下階と最上階付近においてはゲインすなわち振幅と位相は一定値であるが、中間階に近づくとゲインと位相は大きく変化する。すなわち、角度誤差の周波数がBのとき、中間階付近で共振が起こり、その他の場所では共振が起きない。この場合は、式(9)で計算される面積は、最下階と最上階付近で0となるが、中間階に近づくにつれて式(9)の面積は大きくなる。共振が発生すると、ゲインと位相は同時に変化するため、式(9)の面積を計算することで、電流脈動の振幅と位相の変化を計算することができる。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS72)。
一方、ステップS75において記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS74において計算された面積が記憶されている面積以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と面積を保存し続け、次のステップへ移行する。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
実施の形態1において、角度誤差の周波数と機械系の周波数が一致して推定が困難となるときの推定値を排除でき、共振の影響が最も少ないときの推定値を抽出する方法を示した。実施の形態2においては、実施の形態1で示した角度誤差の学習運転を、学習運転時の速度を変えて複数回実施して、複数回の学習の結果の整合性確認を行うことにより、実施の形態1よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得る方法について説明する。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS902)。
一方、ステップS905において記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS904において計算された面積が記憶されている面積以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と面積を保存し続け、次のステップへ移行する。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
誤差振幅の整合性確認が終わると、次に、誤差位相の整合性確認を実施する。誤差位相の整合性確認も誤差振幅のときと同様に行う。すなわち、複数回の学習運転で得られた誤差位相の推定値の差分を計算して、その差分が設定値以内となっているか否かを確認する。整合性を判断する誤差振幅の差分の設定値は、予めメモリに記憶しておいてもよいし、外部から入力するようにしてもよい。
学習回数が最大学習回数以内であれば、学習速度を変えて再度学習運転を実施する(ステップS914)。
推定結果の整合性確認において、誤差振幅は整合し、誤差位相が整合しなかった場合には、速度を変えた学習運転では、誤差位相のみの再学習を行うようにしてもよい。一方、推定結果の整合性確認において、誤差位相は整合し、誤差振幅が整合しなかった場合には、誤差振幅のみの再学習を行うようにしてもよい。また、誤差振幅、誤差位相ともに再学習するようにしてもよい。
実施の形態3においては、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標が囲む面積が基準値より大きい場合には、学習運転の速度を変えて学習を実施することにより、実施の形態1よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得る方法について説明する。
実施の形態2では、学習運転時の速度を変えた複数回の学習結果の整合性確認を実施した。実施の形態3においては、フーリエ係数の作る座標が囲む面積の基準値を例えば予めメモリに記憶しておく等して用意しておき、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標が囲む面積が基準値よりも大きい場合には、学習運転時の速度を変えて角度誤差の学習を行う。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS102)。
一方、ステップS105において記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS104において計算された面積が記憶されている面積以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と面積を保存し続け、次のステップへ移行する。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
学習速度を変えることで周期的な角度誤差の周波数が変化する。例えば、図4、5において周波数BからAへ移る。これにより、回転検出部2の周期的な角度誤差に起因した電流脈動の傾向が変わる。例えば、周波数Bでは中間階付近において共振に当たるが、周波数A,Cではどの階層においても共振に当たらない。これにより、1回目の学習とは異なった条件で角度誤差を推定することができる。また、学習運転の速度設定には特に制約はないが、かごが走行できる最遅の速度、最速の速度など、極端に速度を変えた方が電流脈動の傾向が大きく変わるため、異なった条件で角度誤差の学習を実施できる。
実施の形態4では、座標平面における幾何学量である評価値としてフーリエ係数の作る座標間の線分の長さにより共振を判定し、信頼性の高い推定値を得る方法を説明する。
先ず、フーリエ係数座標平面において、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さと、電流脈動の振幅、電流脈動の位相の関係について説明する。図6のフーリエ係数座標平面において、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と、電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化について考えると、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化が小さいとき、2点のフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが短くなる。図6の区間Aにおいては、フーリエ係数の座標の変化が小さいためフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが短く、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化が小さい。また、区間Bにおいては、区間Aに比べ、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さが長く、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化も大きい。よって、フーリエ係数座標平面におけるフーリエ係数が作る座標間の線分の長さを計算することは、電流脈動の振幅と位相変化量を計算していることに等しくなる。
原点から座標(Bn2,An2)までの距離√(An2 2+Bn2 2)をG2、
とする、すなわち、各座標における電流脈動の振幅をG1、G2とし、
原点から座標(Bn1,An1)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An1/Bn1)をγ1、
原点から座標(Bn2,An2)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An2/Bn2)をγ2、
とする、すなわち各座標における電流脈動の位相をγ1、γ2とすると、式(11)の線分の長さは次のように書き換えることができる。
一方、角度誤差の周波数がBのときには、かご4が最下階と最上階付近においてはゲインすなわち振幅と位相は一定値であるが、中間階に近づくとゲインと位相は大きく変化する。すなわち、角度誤差の周波数がBのとき、中間階付近で共振が起こり、その他の場所では共振が起きない。この場合は、式(11)で計算される線分の長さは、最下階と最上階付近で0となるが、中間階に近づくにつれて式(11)の線分の長さは長くなる。共振が発生すると、ゲインと位相は同時に変化するため、式(11)の線分の長さを計算することで、電流脈動の振幅と位相の変化を計算することができる。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS112)。
一方、ステップS115において記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS114において計算された線分の長さが記憶されている線分の長さ以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と線分の長さを保存し続け、次のステップへ移行する。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
実施の形態4において、フーリエ係数の座標が作る線分の長さを用いて、角度誤差の周波数と機械系の周波数が一致して推定が困難となるときの推定値を排除でき、共振の影響が最も少ないときの推定値を抽出する方法を示した。
なお、図14において、図9と同じ符号を記したフローは、上記実施の形態2の動作と同じであるため、説明を省略する。実施の形態5では、フーリエ係数の保存する処理(ステップS1403)から、線分の長さと角度誤差推定値を保存する処理(ステップS1406)までの動作が異なる。
一方、ステップS1405において記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS1404において計算された線分の長さが記憶されている線分の長さ以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と線分の長さを保存し続け、次のステップへ移行する。
実施の形態6においては、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが基準値より長い場合には、学習運転の速度を変えて学習を実施することにより、実施の形態4よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得る方法について説明する。
実施の形態5では、学習運転時の速度を変えた複数回の学習結果の整合性確認を実施した。実施の形態6においては、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さの基準値を例えば予めメモリに記憶しておく等して用意しておき、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが基準値よりも長い場合には、学習運転時の速度を変えて角度誤差の学習を行う。
なお、図15において、図10と同じ符号を記したフローは、上記実施の形態3の動作と同じであるため、説明を省略する。実施の形態6では、フーリエ係数の保存する処理(ステップS1503)から、線分の長さと角度誤差推定値を保存する処理(ステップS1506)までの動作、および線分の長さの基準値による判定(ステップS1508)が異なる。
一方、ステップS1505において記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS1504において計算された線分の長さが記憶されている線分の長さ以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と線分の長さを保存し続け、次のステップへ移行する。
次に、学習判定部93は、学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標間の線分の長さの基準値以下であることを判断する(ステップS1508)。ステップS1508において、学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標間の線分の長さの基準値より長いと判断した場合には、学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転の速度を変えて再度学習運転を実施する(ステップS109)。
学習速度を変えることで周期的な角度誤差の周波数が変化する。例えば、図4、5において周波数BからAへ移る。これにより、回転検出部2の周期的な角度誤差に起因した電流脈動の傾向が変わる。例えば、周波数Bでは中間階付近において共振に当たるが、周波数A,Cではどの階層においても共振に当たらない。これにより、1回目の学習とは異なった条件で角度誤差を推定することができる。また、学習運転の速度設定には特に制約はないが、かごが走行できる最遅の速度、最速の速度など、極端に速度を変えた方が電流脈動の傾向が大きく変わるため、異なった条件で角度誤差の学習を実施できる。
Claims (11)
- 昇降路内にかごを昇降させる動力を発生する電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、
前記電動機の回転角を検出する回転検出部と、
前記電流検出器で検出された電流を周波数解析して得られる特定周波数の成分を出力する周波数解析部と、
前記特定周波数の成分を用いて、前記回転検出部からの回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として出力する角度誤差推定部と、
を備え、
前記角度誤差推定部は、前記かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、前記学習運転中に検出された前記電流を前記周波数解析部に入力して求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、取得された前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して前記評価値と前記角度誤差推定値を関連付け、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、
エレベーターの制御装置。 - 前記設定数は2であって、前記幾何学量は、前記座標平面における前記特定周波数の成分の振幅および位相が作る座標間の線分の長さである、請求項1に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記設定数は3以上であって、前記幾何学量は、前記座標平面における前記特定周波数の成分の振幅および位相が作る座標によって囲まれる領域の面積である、請求項1に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記角度誤差推定部は、前記評価値によって、前記電流検出器で検出された電流の前記角度誤差に対応した特定周波数の成分の変化量が最小になるときの前記角度誤差推定値を選択する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記角度誤差推定部は、選択された前記角度誤差推定値に対応する前記評価値が基準値以上である場合に、前記学習運転の運転速度を変えて再度前記学習運転を実施して前記角度誤差推定値を推定する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記角度誤差推定部は、異なる運転速度で前記学習運転を複数回実施し、複数回の前記学習運転で得られた前記角度誤差推定値を比較確認することで整合性確認を行い、整合が取れない場合にはさらに運転速度を変えて前記学習運転を実施する、請求項1から5までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記周波数解析部は、周波数解析としてフーリエ変換行いフーリエ係数を演算する、請求項1から6までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記周波数解析部は、前記特定周波数成分を通すバンドパスフィルタを含み、前記バンドパスフィルタの出力電流に対して、振幅演算および位相演算を行う、請求項1から6までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
- 前記回転検出部は、レゾルバ又はエンコーダ又は磁気センサを含む、請求項1から8までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
- 昇降路内にかごを昇降させる駆動用の電動機に流れる電流を周波数解析し、特定周波数の成分を演算する工程と、
前記特定周波数の成分を用いて、前記電動機の回転角を検出する回転検出部に含まれる前記回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として推定する工程と、
を備え、
前記角度誤差を角度誤差推定値として推定する工程において、
前記かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、
前記学習運転中に検出された前記電動機に流れる電流の前記特定周波数の成分を演算する工程で求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、
取得した前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して前記評価値と前記角度誤差推定値を関連付け、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、
エレベーターの駆動用の電動機のための回転検出部の回転角の角度誤差を求める方法。 - 昇降路内を昇降させるかごと、
前記かごを昇降させる動力を発生する電動機と、
前記電動機の回転角を検出する回転検出部と、
前記電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、
前記電流検出器で検出された電流を周波数解析して得られる特定周波数の成分を出力する周波数解析部と、
前記特定周波数の成分を用いて、前記回転検出部からの回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として出力する角度誤差推定部と、
を備え、
前記角度誤差推定部は、前記かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、前記学習運転中に検出された前記電流を前記周波数解析部に入力して求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、取得された前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して前記評価値と前記角度誤差推定値を関連付け、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、
エレベーター装置。
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