JPWO2016174796A1 - エレベーターの制御装置、エレベーター装置、エレベーター用電動機の回転検出部の回転角度誤差を求める方法 - Google Patents

エレベーターの制御装置、エレベーター装置、エレベーター用電動機の回転検出部の回転角度誤差を求める方法

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Abstract

昇降路内にかごを昇降させる電動機の電流を検出する電流検出器で検出された電流を周波数解析して得られる特定周波数の成分を出力する周波数解析部と、前記特定周波数の成分を用いて、前記電動機の回転角を検出する回転検出部からの回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として出力する角度誤差推定部と、を備え、前記角度誤差推定部は、かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、学習運転中に検出された前記電流を前記周波数解析部に入力して求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、取得された前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、エレベーターの制御装置。

Description

この発明は、エレベーターの制御装置、特に、巻上げ機を構成する電動機に取り付けられた回転センサの周期的な角度誤差により周期的なトルク脈動や速度脈動を有する制御装置における、角度誤差の推定に関するものである。
従来の回転センサとしてのレゾルバ装置においては、レゾルバの誤差波形がレゾルバ固有の周波数成分で構成されている、再現性があることから、検出された角度信号を参照して位置誤差を算出し、位置誤差を微分して速度誤差信号を算出し、速度誤差信号をフーリエ変換して複数に分割した成分ごとの検出誤差の大きさを計算する。算出した検出誤差を合成して、レゾルバで検出した角度信号に含まれる検出誤差を復元した誤差波形信号を生成する。生成した誤差波形信号を用いて検出誤差を含むレゾルバの角度検出信号を補正する。位置誤差から求めた速度誤差についてフーリエ変換を行うことにより、個々のレゾルバの検出信号を正確に計算でき、求めた検出誤差を用いて検出した角度信号を補正することにより、正確な角度信号を得ることができる。
特開2012−145371号公報
従来、周期的な角度誤差に起因した脈動を含む信号を用いて角度誤差を推定する場合において、周期的な角度誤差の周波数と電動機の負荷として接続された機械系の固有振動数が一致すると、角度誤差と機械系とが共振を起こすことで角度誤差に起因する速度脈動の振幅と位相が一時的に変化し再現性を失うため、従来の装置の方法では、角度誤差を推定することが困難であり誤った推定結果を得る可能性がある。
特に、エレベーターのように、ロープの長さに応じて機械系の固有振動数が変化するような系においては、共振が発生する周波数が時々刻々と変動するため、どの場所において共振が発生するかが明確ではなく、角度誤差の推定を誤る可能性が高い。事前にエレベーターの機械系の詳細な仕様が分かれば、エレベーターの固有振動数やゲイン特性、位相特性を計算して、共振に当たらない速度とかご位置において角度誤差の推定を実施することが可能となるが、エレベーターの機械仕様は物件ごとに異なる場合が多く、事前情報に頼る方法では設計時間が膨大になる。したがって、電動機の負荷として共振を有する機械系が接続されている場合において、角度誤差に起因する脈動を含む信号により角度誤差を推定するときには、角度誤差の推定結果の成否判断が課題となる。
さらに、従来の装置においては、検出された角度信号を参照して位置誤差を算出し、位置誤差を微分して速度誤差信号を算出し、速度誤差信号をフーリエ変換して角度誤差を推定している。ここで、速度信号を用いて角度誤差を推定する場合には、角度検出器または速度検出器の速度分解能によって、角度分解能の推定精度が決定される。そのため、速度分解能の低い角度検出器または速度検出器では、量子化誤差が生じ、角度誤差の推定精度が十分に得られないという課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、周期的な角度誤差を含む電動機の回転検出部を有するエレベーターの制御装置において、角度誤差と機械系とが共振しても角度誤差の推定を誤ることなく、信頼性の高い角度誤差の推定結果を得ることのできるエレベーターの制御装置等を提供することを目的とする。
この発明は、昇降路内にかごを昇降させる動力を発生する電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、前記電動機の回転角を検出する回転検出部と、前記電流検出器で検出された電流を周波数解析して得られる特定周波数の成分を出力する周波数解析部と、前記特定周波数の成分を用いて、前記回転検出部からの回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として出力する角度誤差推定部と、を備え、前記角度誤差推定部は、前記かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、前記学習運転中に検出された前記電流を前記周波数解析部に入力して求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、取得された前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して前記評価値と前記角度誤差推定値を関連付け、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、エレベーターの制御装置等にある。
この発明では、角度誤差と機械系とが共振しても角度誤差の推定を誤ることなく、信頼性の高い角度誤差の推定結果を得ることのできるエレベーターの制御装置等を提供できる。
この発明によるエレベーターの制御装置の一例を示す構成図である。 図1の角度誤差推定部の構成の一例を示す構成図である。 図1の速度制御器の周波数特性の一例を示す図である。 エレベーターの機械系のゲイン特性の一例を示すグラフである。 エレベーターの機械系の位相特性の一例を示すグラフである。 図1の周波数解析部が計算するフーリエ係数の座標平面の一例を示すグラフである。 図1の角度誤差推定部による実施の形態1における学習運転の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の角度誤差推定部の計算するフーリエ係数の座標で囲まれる面積の一例を示すグラフである。 図1の角度誤差推定部による実施の形態2における学習運転の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の角度誤差推定部による実施の形態3における学習運転の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の角度誤差推定部による実施の形態4における学習運転の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の角度誤差推定部の構成の一例を示す構成図である。 図1の角度誤差推定部の計算するフーリエ係数の座標間の線分長さの一例を示すグラフである。 図1の角度誤差推定部による実施の形態5における学習運転の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の角度誤差推定部による実施の形態6における学習運転の動作の一例を示すフローチャートである。
この発明に係るエレベーターの制御装置では、
周波数解析部は、電流検出器により検出された電流を周波数解析して特定周波数成分の振幅および位相を算出し、
角度誤差推定部は、周波数解析部で演算された特定周波数成分の振幅および位相を用いて特定周波数成分からなる角度誤差を角度誤差推定値として推定し、角度検出誤差を推定するときにはかごを特定区間運転させる学習運転を実施し、学習運転中は特定周波数成分の振幅および位相の演算結果を複数分記憶し、複数分記憶された特定周波数成分の振幅および位相が作る座標における幾何学量である評価値を計算し、評価値が最小となるときの角度誤差推定値を選択する。
そのため、共振の影響により角度誤差の推定を誤ることなく、信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
以下、この発明によるエレベーターの制御装置等を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明によるエレベーターの制御装置の一例を示す構成図である。図1において、エレベーターのかご4とカウンターウェイト5は互いに巻上ロープ6で接続され綱車3につるべ式に吊られている。綱車3はかご4の駆動用電動機である電動機1に連結しており、かご4は電動機1の動力により昇降する。かご4を昇降させる電動機1は、例えば永久磁石同期モータである。
電動機1と綱車3の同軸上には、電動機1又は綱車3の回転角を検出する回転検出部2が取り付けられている。例えばレゾルバ又はエンコーダ又は磁気センサ等からなる回転検出部2の出力する電動機1の回転角である角度情報には、電動機1の回転角に応じて一意に決まる周期的な誤差を含んでいる。ここで、電動機1の回転角に応じて一意に決まる周期的な誤差とは、例えばレゾルバの検出誤差や、光学式エンコーダにおけるスリット不良によるパルス抜けおよびパルス間距離の不均衡のように、回転角に応じて再現性のある、すなわち各回転の同じ回転角度位置で生じる、誤差を指す
なお、以降で説明する機能ブロックで示された、周波数解析部8、角度誤差推定部9、速度演算部10、速度指令演算部11、速度制御器12、電流制御器13および各減算器SU1−SU3のうち、少なくとも、周波数解析部8、角度誤差推定部9、速度演算部10、速度指令演算部11、および各減算器SU1−SU3は、例えばプロセッサとメモリを含むコンピュータで構成され、それぞれがメモリに格納されたプログラムおよび処理に必要な種々の設定情報に従ってそれぞれの処理を実行する。また、速度制御器12、電流制御器13についても同様に上記コンピュータで構成してもよい。また各機能ブロックで示された部分は、それぞれの機能を実行するデジタル回路でも構成され得る。
またこれは図2においても同様である。
速度指令演算部11は、電動機1に対する速度指令値を演算して出力する。なお、図示していないが、速度指令演算部11は、位置制御系を含んでいても良い。速度指令演算部11が位置制御系を含む場合であっても、この発明は適用することができる。
速度制御器12は、速度指令演算部11からの速度指令値と、速度演算部10で演算された電動機1の回転速度との差分を減算器SU1から入力し、電動機1に対する電流指令値を演算して出力する。速度制御器12は、PI制御、PD制御など、どのような制御手法で構成されていてもよい。
速度演算部10は、回転検出部2からの出力である電動機1の回転角と、角度誤差推定部9で推定された電動機1の回転角に応じ一意に決まる周期的な誤差の角度誤差推定値との差分である、減算器SU2からの補正された補正済回転角に基づいて、電動機1の回転速度を演算して出力する。なお、速度演算部10は、最も簡単には、回転角の時間微分によって回転速度を演算する。また、時間微分によるノイズを除去するためにローパスフィルター(図示省略)により平滑化する構成でもよい。さらにまた、速度演算部10は、予め設定された一定時間ごとに電動機1の回転速度を演算してもよいし、時間を計測するための構成を含んで、予め設定された一定回転角ごとに回転速度を演算してもよい。
電流制御器13は、速度制御器12からの電流指令値と、電流検出器7からの出力である相電流、または相電流を座標変換(図示せず)によりd−q軸変換した電動機1の軸電流との差分を減算器SU3から入力し、電動機1の電圧指令を演算して出力する。電流制御器13も速度制御器12のように制御手法は限定されない。
電流検出器7は、電動機1の電流を検出する。例えば、電動機1が三相電動機である場合には、二相の相電流を測定することが多いが、三相の相電流を測定してもよい。なお、図1では、電流検出器7が電力変換器14の出力電流を測定しているが、電流検出器7は、ワンシャント抵抗による電流測定法のように、電力変換器14の母線電流を測定して、各相電流を推定してもよい。この場合であっても、この発明に何等影響を与えない。
電力変換器14は、電流制御器13からの電圧指令に基づいて、電源電圧(図示せず)を、好ましい可変電圧可変周波数に変換する。この発明の電力変換器14は、一般的に販売されているインバータ装置のように、コンバータによって交流電圧を直流電圧に変換した後に、インバータによって直流電圧を交流電圧に変換する電力変換器や、マトリクスコンバータのように、交流電圧を直接交流の可変電圧可変電流に変換する電力変換装置を含む可変電圧可変周波数電力変換器を指す。
また、この発明に係る電力変換器14は、上述のインバータに加えて、座標変換の機能を含んでいてもよい。すなわち、電圧指令がd−q軸の電圧指令値である場合には、d−q軸の電圧指令値を相電圧または線間電圧に変換して、指令された電圧指令値に従った電圧に変換する座標変換機能も含めて、電力変換器14と表現する。なお、電力変換器14のデッドタイムを補正する装置または補正部が設けられていても、この発明は適用することができる。
周波数解析部8は、電流検出器7で検出された相電流または軸電流からなる電流を周波数解析し、特定周波数の振幅、位相を出力する。ここで、周波数解析部8は、フーリエ変換、離散フーリエ変換、フーリエ級数展開や高速フーリエ変換のように、入力する信号の特定の周波数における振幅および位相が得られる構成が望ましい。しかしながら、ノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタのように、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部(図示省略)によって、例えばバンドパスフィルタの出力電流に対して、振幅演算および位相演算を行う等して、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算する構成であってもよい。また、ここで用いるフィルタは、抵抗やコンデンサ、コイル等を組み合わせた電機的なものであっても、計算機内で処理を行う処理であってもよい。以降では、周波数解析部8は、フーリエ変換を行うように構成されるものとして説明をする。
角度誤差推定部9は、周波数解析部8からの出力であるフーリエ係数を用いて、回転検出部2の出力である回転角に含まれる周期的な角度誤差を推定する。角度誤差推定部9は、電流検出器7の電流を電動機の回転角の情報を用いてフーリエ変換することにより得られたフーリエ係数を用いて角度誤差を計算する変換式を予めメモリに記憶しており、変換式を用いて電流から角度誤差の推定値を計算する。
また、角度誤差推定部9は、周波数解析部8からの出力である電流検出器7の電流を電動機の回転角の情報を用いてフーリエ変換することにより得られたフーリエ係数に基づき、フーリエ係数の座標により囲まれる領域の面積を座標平面における幾何学量である評価値として計算する。なお、フーリエ係数の座標により囲まれる面積の計算方法とその意味については後述する。
角度誤差推定部9が推定する角度誤差は、後述する誤差振幅と誤差位相の2つからなる。
角度誤差推定部9は、誤差振幅と誤差位相を角度誤差の推定値として計算すると、周期的な角度誤差を再現するために、誤差振幅と誤差位相とを用いて正弦波又は余弦波の補正信号を演算して出力する。
図2は角度誤差推定部9の一例を示す構成図である。
学習速度演算部91は、回転検出部2が検出する電動機1の回転角に基づき電動機1の回転速度を計算する。学習速度演算部91は、最も簡単には、回転角の時間微分によって回転速度を演算する。また、時間微分によるノイズを除去するためにローパスフィルターにより平滑化する構成でもよい。さらにまた、学習速度演算部91は、予め設定された一定時間ごとに電動機1の回転速度を演算してもよいし、時間を計測するための構成を含んで、予め設定された一定回転角ごとに回転速度を演算してもよい。
回転検出部2の検出する回転角は周期的な角度誤差を含むため、学習速度演算部91の計算する電動機1の回転速度には周期的な速度脈動が含まれる。角度誤差推定部9で必要な速度情報は、後述する角度誤差の学習運転において、電動機1の回転速度が予め設定された速度に達し設定速度による一定速度走行状態に達したか否かを判断するために使うものである。従って、速度情報に脈動が含まれていても一定速度走行状態に達したことは判定できるため問題ない。
かご位置演算部92は、回転検出部2からの出力である電動機1の回転角に基づいてかご4の昇降路内における位置を計算し出力する。昇降路内における基準位置は最下階でも最上階でもよいし、任意の階床を基準としてもよい。回転検出部2からの出力である電動機1の回転角には周期的な角度誤差が含まれているため、かご位置演算部92が計算するかご位置にも誤差が含まれる。この発明において必要なかご4の位置情報は、後述する角度誤差学習運転において、特定区間の走行を完了したか否かを判断するために使うものである。従って、かご4の位置情報に誤差が含まれていても特定区間を走行したことは判断できるため問題ない。また、かご位置演算分92は、回転角に基づいてかご4の位置を計算するものではなく、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
学習判定部93は、学習速度演算部91の出力である電動機1の回転速度が一定速度走行状態に達しているか否かと、かご位置演算部92の出力であるかご4の位置によりかご4が予め設定された特定区間を走行しているか否かを判断する。学習判定部93は回転速度が一定速度走行状態且つ、特定区間走行中に学習指令を出力し、それ以外のときには学習指令を出力しない。すなわち、角度誤差推定部9は、電動機1の回転速度が一定のとき、角度誤差の周波数が一定となるときに角度誤差の推定を実施する。これにより、角度誤差の周波数を既知として扱うことができる。
角度誤差演算部94は、学習判定部93から学習指令を受けとった時、周波数解析部8の出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換することにより得られたフーリエ係数を用いて、角度誤差を演算する。角度誤差演算部94は、電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換した結果であるフーリエ係数から角度誤差を求める変換式を予めメモリに記憶しており、フーリエ係数から角度誤差を演算する。なお、角度誤差演算部94が計算する角度誤差とは、後述する誤差振幅と誤差位相である。
面積演算部95は、周波数解析部8の出力である電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換することにより得られたフーリエ係数に基づいて、フーリエ係数の座標により作られる領域の面積を計算する。フーリエ係数の座標により作られる領域の面積は、角度誤差の推定の成否判断に使用するために、出力判定部96へ出力される。なお、フーリエ係数の座標により作られる面積とその意味については後述する。
出力判定部96は、面積演算部95の出力であるフーリエ係数の座標により作られる面積が最小となるときの誤差振幅と誤差位相を選択して出力する。フーリエ係数の座標により作られる面積が最小となるときは、共振の影響が最も少ないときに等しく、共振の影響が少ないときの角度誤差の推定値を選択できる。
誤差信号演算部97は、出力判定部96の出力である誤差振幅と誤差位相を用いて、回転検出部2の周期的な角度誤差を補正する補正信号(角度誤差推定値)を計算して出力する。補正信号は、回転検出部2の出力である電動機1の回転角に角度誤差演算部94で計算された誤差位相を加算した回転角の正弦値又は余弦値に誤差振幅を乗じた値である(後述の式(1))。
次に、回転検出部2の出力する角度に含まれる周期的な角度誤差について説明する。回転検出部2の周期的な角度誤差は、次式(1)のように、正弦波を用いて近似的に表わすことができる。なお、正弦波による表記でも余弦波による表記でも本質的な違いはないため、この発明においては正弦波による表記に統一する。
θe=A1sin(Xθm+φ) (1)
θe:回転検出部2の周期的な角度誤差
X:電動機1の機械角に対する回転検出部2の角度誤差の次数(既知の値)
θm:電動機1の回転角
1:回転検出部2の角度誤差の誤差振幅
φ:電動機1の機械角に対する回転検出部2の位相ずれ(誤差位相)
Xは電動機1の機械角に対する回転検出部2の角度誤差の次数を示しており既知の値である。よって、電動機1の回転角θm、すなわち、電動機1の回転速度が分かれば、式(1)で示される回転検出部2の周期的な角度誤差の周波数を知ることができる。A1は回転検出部2の角度誤差の誤差振幅を示し、φは電動機1の機械角に対する回転検出部2の位相ずれ(誤差位相)を示している。
角度誤差推定部9においては、誤差振幅A1の推定結果と誤差位相φの推定結果を用いて式(1)に示される補正信号を計算する。
次に、式(1)に示される周期的な角度誤差は、次式(2)のように速度演算部10により周期的な速度誤差へ変換される。
ωe=XA1ωcos(Xθm+φ)=A2cos(Xθm+φ) (2)
ωe:回転検出部2の周期的な速度誤差
2:式(1)の角度誤差による速度誤差の振幅
ω:電動機の回転速度
よって、速度演算部10の出力する電動機1の回転速度は、式(2)に示された周期的な速度誤差を含むことになる。そして、速度演算部10の出力した速度は速度指令演算部11の出力する速度指令値と比較され、速度制御器12へ入力される。速度制御器12では、速度指令値と検出速度の差分から電流指令を決定するが、速度演算部10の出力した回転速度は式(2)のような周期的な速度誤差を含むため、速度制御器12の計算する電流指令には、式(2)に起因した脈動、すなわち式(1)の回転検出部2の角度誤差に起因した脈動を含む。速度制御器12の計算する電流指令の脈動は式(2)より、式(3)で表わされる。
e=A3cos(Xθm+φ+φc) (3)
e:電流指令の脈動
3:角度誤差による電流脈動の振幅
φc:速度制御器12による位相遅れ
(3)式に示した電流脈動を、フーリエ級数展開により次式(4)のように表わす。
e=Ancos(Xθm)+Bnsin(Xθm) (4)
速度制御器12の出力する電流指令には、式(4)に示す電流脈動が含まれるため、電流検出器7で検出する電流においても式(4)に示される電流脈動が含まれる。三角関数の合成により、式(4)の電流脈動は次のように書き改めることができる。
e=√(An 2+Bn 2)・sin(Xθm+γ) (5)
G=√(An 2+Bn 2)
γ=tan-1(An/Bn)
式(5)において、
G=√(An 2+Bn 2)は、回転検出部2の角度誤差に起因する電流脈動の振幅を示し、
G=√(An 2+Bn 2)=A3である。
γ=tan-1(An/Bn)は、電流脈動の電動機1の機械角に対する位相差を示し、
γ=tan-1(An/Bn)=φ+φcである。
以降の説明では、
G=√(An 2+Bn 2)を電流脈動の振幅、
γ=tan-1(An/Bn)を電流脈動の位相
と呼ぶことにする。
ここで、電流の周波数解析結果により得られたフーリエ係数An、Bnから角度誤差の誤差振幅A1および誤差位相φを求める方法を説明する。先ず、角度誤差の誤差位相φは次式(6)のように求めることができる。
φ=tan-1(An/Bn)−φc (6)
速度制御器12による位相遅れφcは、速度制御器12の周波数特性により決まる。角度誤差の周波数は既知であるから、速度誤差の周波数は既知の値である。図3は速度制御器12のゲインと位相の周波数特性を示している。例えば、角度誤差の周波数がAである場合には、速度制御器12による位相遅れは、−150[deg]となる。また、角度誤差の周波数がBである場合には、速度制御器12による位相遅れは、−170[deg]となる。速度制御器12の位相遅れは、速度制御器12により一意に決まる。よって、速度制御器12の周波数特性により、速度制御器12による位相遅れφcを求めることができ、式(6)により角度誤差の誤差位相φを求めることができる。
振幅についても同様に、速度制御器12の周波数特性から求めることができる。速度制御器12の周波数特性により、角度誤差の周波数が既知であることを考慮すると、速度から電流指令までのゲインC1を求めることができる。図3の速度制御器12の周波数特性より、例えば、角度誤差の周波数がAである場合には、速度制御器12によるゲインは、−10[dB]となる。また、角度誤差の周波数がBである場合には、速度制御器12によるゲインは、−35[dB]となる。よって、次式(7)のように角度誤差の誤差振幅A1を計算することができる。
3/A2=C1→√(An 2+Bn 2)/XA1ω=C1
1=√(An 2+Bn 2)/XωC1 (7)
角度誤差演算部94は、式(6)と式(7)を予めメモリに記憶しており、電流の周波数解析結果により得られたフーリエ係数から角度誤差の誤差振幅A1と誤差位相φを計算する。なお、角度誤差演算部94は、速度制御器12の周波数特性による位相遅れとゲインは、例えば、複数の周波数毎にテーブルデータとして記憶しておけばよい。
次に、上記式(4)、(5)におけるフーリエ係数An,Bnの計算について説明する。周波数解析部8は、電流検出器7で検出された電流Iを、電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換し、フーリエ係数を計算する。フーリエ係数の計算は、一般的に良く知られた次式(8)により行う。
n=(1/π)∫0 I・cos(Xθm)dθ
n=(1/π)∫0 I・sin(Xθm)dθ (8)
式(8)のフーリエ係数の演算は一定周期毎に実施される。例えば、一定周期は、式(8)によれば、電動機1の回転角θmの1回転分に相当する。言い換えれば、電動機1の1回転分にかご4が進む距離毎、電動機1の1回転分に必要な時間毎、にフーリエ係数は演算される。なお、フーリエ係数を演算する間隔は、電動機1の1回転分ではなく2回転分や3回転分などでもよい。この場合には、数周期分の平均値を求めていることになるため、電流脈動のばらつきや外乱の影響を軽減することができる。
周波数解析部8は、式(8)に示したフーリエ係数を演算する構成ではなく、ノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタのように、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算するものであってもよい。
この場合、位相においては、式(6)におけるtan-1(An/Bn)が直接検出できるため、速度制御器12による位相遅れφcを減算することで、誤差位相φを求めることができる。振幅においては、式(7)における√(An 2+Bn 2)が直接検出できるため、式(7)と同様の手順で角度誤差の振幅A1を求めることができる。
次に、本実施の形態による式(1)で示される角度誤差の推定において、電流脈動の振幅と位相の変化が少ないとき、すなわち回転検出部2の角度誤差の周波数と、エレベーターの機械系の共振周波数とが一致せず共振の影響が少ないときの推定値を選択する学習運転方法について説明する。
先ず、エレベーターの機械系の特性について説明をする。図4は、回転検出部2の検出する電動機1の回転角に含まれる角度誤差から電流検出器7の検出する電流までのゲイン特性の一例を、図5は位相特性の一例を示している。
図4と5より、角度誤差の周波数がAとCのときには、かご4が昇降路内のどの位置でもゲインと位相が一定値である。
一方で、角度誤差の周波数がBのときには、かご4の位置が破線で示す最下階付近や実線で示す最上階付近の場合、ゲインと位相は変化しないが、点線で示す中間階付近において共振の特性を示している。図4と5に示した特性は一つの例であるが、エレベーターは、物件ごとに機械仕様が異なるため、図4と5に示すゲイン特性、位相特性は、エレベーターの物件ごとに異なる。また、エレベーターの速度も物件ごとに異なるため、どの位置で、どの速度で角度誤差と機械系が共振するかを事前に知ることは困難となる。よって、事前情報により共振を避けることは難しく、角度誤差の学習と推定の成否判断を同時に行うことが望ましい。
次に、角度誤差推定部9の推定の成否判断の方法について説明する。図6はエレベーターのかご4を特定区間走行させたときに、周波数解析部8で計算された2つのフーリエ係数An,Bnを、横軸をBn、縦軸をAnとしてプロットしたものである。以降では、この平面をフーリエ係数座標平面と呼ぶ。式(5)から分かるように、図6において原点からの距離G=√(An 2+Bn 2)は電流脈動の振幅に等しく、原点からの距離のベクトルがなす角度γ=tan-1(An/Bn)は電流脈動の位相に等しい。
次に、フーリエ係数座標平面において、フーリエ係数の座標が囲む面積と、電流脈動の振幅、電流脈動の位相の関係について説明する。図6のフーリエ係数座標平面において、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と、電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化について考えると、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化が小さいとき、3点以上のフーリエ係数の座標で囲まれる面積が小さくなる。図6の区間Aにおいては、フーリエ係数の座標の変化が小さいためフーリエ係数の座標で囲まれる面積が小さく、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化が小さい。また、区間Bにおいては、区間Aに比べ、フーリエ係数の座標で囲まれる面積が大きく、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化も大きい。よって、フーリエ係数座標平面におけるフーリエ係数の座標が囲む面積を計算することは、電流脈動の振幅と位相変化量を計算していることに等しくなる。
フーリエ係数座標平面において、3点以上のフーリエ係数の座標が囲む面積は座標法より計算することができる。例えば、エレベーターのかご4を特定区間走行したときに周波数解析部8で計算されたフーリエ係数を計算結果の古い順に(Bn1,An1),(Bn2,An2),(Bn3,An3)としたとき、これら3組のフーリエ係数の座標によって囲まれる面積Sは、次式(9)で計算できる。
S=
(1/2)|(Bn1n2−Bn2n1)+(Bn2n3−Bn3n2)+(Bn3n1−Bn1n3)|
(9)
原点から座標(Bn1,An1)までの距離√(An1 2+Bn1 2)をG1
原点から座標(Bn2,An2)までの距離√(An2 2+Bn2 2)をG2
原点から座標(Bn3,An3)までの距離√(An3 2+Bn3 2)をG3
とする、すなわち、各座標における電流脈動の振幅をG1、G2、G3とし、
原点から座標(Bn1,An1)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An1/Bn1)をγ1
原点から座標(Bn2,An2)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An2/Bn2)をγ2
原点から座標(Bn3,An3)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An3/Bn3)をγ3
とする、すなわち各座標における電流脈動の位相をγ1、γ2、γ3とすると、式(9)の面積は次のように書き換えることができる。
S=
(1/2)|G12sin(γ2−γ1)+G23sin(γ3−γ2)+G13sin(γ1−γ3)|
(10)
回転検出部2の検出する電動機1の回転角に含まれる角度誤差から電流検出器7の検出する電流までのゲイン特性と位相特性は、図4と5のような特性であり、例えば、角度誤差の周波数がAやCのときには、かご4が昇降路内のどの位置でもゲインと位相は一定値、すなわち、角度誤差の周波数がAやCであればエレベーターの機械系と共振しないため、G1、G2、G3とγ1、γ2、γ3は一定値となり、式(9)で計算される面積は0となる。
一方、角度誤差の周波数がBのときには、かご4が最下階と最上階付近においてはゲインすなわち振幅と位相は一定値であるが、中間階に近づくとゲインと位相は大きく変化する。すなわち、角度誤差の周波数がBのとき、中間階付近で共振が起こり、その他の場所では共振が起きない。この場合は、式(9)で計算される面積は、最下階と最上階付近で0となるが、中間階に近づくにつれて式(9)の面積は大きくなる。共振が発生すると、ゲインと位相は同時に変化するため、式(9)の面積を計算することで、電流脈動の振幅と位相の変化を計算することができる。
また、周波数解析部8がノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタであり、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算する構成である場合にも、同様の手順で面積を計算することができる。即ち、周波数解析部8がノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタであり、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算すると、式(10)における電流脈動の振幅Gと電流脈動の位相γが得られるため、式(10)により面積が計算できる。さらに、電流脈動の振幅G、誤差位相φを用いれば、An=Gsin(φ)、Bn=Gcos(φ)であるから、電流脈動の振幅と位相を検出し、フーリエ係数へ換算することで、式(9)による演算方法でも面積を計算することができる。
さらに、周波数解析部8がノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタであり、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算する構成であった場合に、図6のようにフーリエ係数AnとBnの作る座標平面ではなく、縦軸を振幅、横軸を位相とした座標平面又は、縦軸を位相、横軸を振幅とした座標平面でも式(9)による演算で面積を計算することで、電流脈動の振幅と位相の変化を計算することができる。即ち、Anに振幅を対応させ、Bnに位相を対応、又はAnに位相を対応させ、Bnに振幅を対応させればよい。
以上のことから式(9)の面積を求めることは、電流脈動の振幅と位相の変化量を求めていることに等しく、面積が大きいことは電流脈動の振幅と位相の変化量が大きいことになる。また、図6では3点のフーリエ係数の座標が囲む面積を例に説明したが、3点以上であればフーリエ係数の座標が囲む面積が計算できるため、3点に限定する必要はない。
次に、式(9)で示したフーリエ係数の座標によって囲まれる面積を用いて、角度誤差とエレベーターの機械系とが共振しておらず電流脈動の振幅と位相の変化量が小さいときの角度誤差の推定値を選択する学習運転の動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
角度誤差推定部9は、例えば学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転を開始すると、学習判定部93は、学習速度演算部91の出力に従って電動機1の回転速度が一定となっているか否かを判定する(ステップS71)。電動機1の回転速度が一定となっていない場合には、回転速度が一定となるまでステップS71を継続する。これは、電動機1の回転速度が一定となるときには、回転検出部2の角度誤差の周波数が一定となり、角度検出誤差の推定が容易となるためである。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS72)。
次に、角度誤差演算部94は、フーリエ係数の計算結果が3回分または3回分以上(以下では3回分以上として説明する)、記憶されているか否かを判断する(ステップS73)。3回分以上のフーリエ係数が保存されていない場合には、ステップS72に戻り、周波数解析部8からの出力であるフーリエ係数の保存を繰り返す。フーリエ係数が3回分以上保存されている場合には、面積演算部95は、式(9)によってフーリエ係数の座標が作る面積を計算する。また、角度誤差演算部94は、フーリエ係数を用いて、記憶しているフーリエ係数と角度検出誤差の変換式により角度誤差の推定値を計算する(ステップS74)。角度誤差の推定値は、誤差振幅と誤差位相である。そして、出力判定部96は、面積と角度誤差の推定値を関連付けてメモリに保存する。
ステップS74の面積と角度検出誤差の推定値の計算が終わると、出力判定部96は、記憶している面積、すなわち1回前のフローで計算された面積と、ステップS74で計算した面積を比較する(ステップS75)。なお、比較する面積の初期値は、1回目の計算結果が必ず保存されるように、記憶できる最大の値とする。角度検出誤差の推定値は、任意の値でよい。
出力判定部96は、ステップS75において、記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS74において計算された面積の方が小さいと判断された場合、ステップS74で計算された面積と角度検出誤差の推定値を合わせて記憶する。このとき、既に記憶されている面積と角度検出誤差は消去する(ステップS76)。
一方、ステップS75において記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS74において計算された面積が記憶されている面積以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と面積を保存し続け、次のステップへ移行する。
次に、学習判定部93が、かご位置演算部92の出力から、かごが特定区間を走行したか否かを判断する(ステップS77)。特定区間走行していないと判断した場合には、ステップS72に戻りステップS77までの処理を繰り返し行う。特定区間走行したと判断した場合には学習運転を終了する。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
学習運転の完了後は、誤差信号演算部97が、誤差位相と誤差振幅の推定結果を用いて回転検出部2の周期的な角度誤差を計算し、補正信号として出力し、図1の減算器SU2で回転検出部2の角度誤差の補正を行わせる。
なお、上記動作では、かごが特定区間を走行したか否かを最後に判断して学習運転したか否かを判断しているが、最初に学習速度演算部91の出力が電動機1の回転速度が一定速度走行状態にあることを示し、かご位置演算部92の出力がかご4が予め設定された特定区間を走行していることを示すと、学習判定部93が学習指令を出力し、学習運転が開始されるようにしてもよい。この場合にはステップS77はステップS71と並行して行われる。
以上の処理により学習運転を実施すると、特定区間走行したときに、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換することにより得られたフーリエ係数の座標が作る面積が最小となるときの角度検出誤差を抽出することができる。特定区間走行したときにフーリエ係数の座標が作る面積が最小ということは、特定区間において電流脈動の振幅と位相の変化量が小さいときに等しいため、機械系との共振の影響が最も少なく、最終的には推定誤差が一番小さい角度検出誤差の推定値を抽出することができる。
図8は、図6のフーリエ係数座標平面における隣り合う3つのフーリエ係数の座標を用いて計算した面積とかご位置との関係を示している。例えば、角度誤差の学習運転において図6のようなフーリエ係数の座標が得られた時には、角度誤差推定部9の面積演算部95で計算する面積は、図8のようになる。区間Aにおいては面積が小さく、区間Bにおいては面積が区間Aに比べて大きくなる。図7の学習運転のフローによれば、区間Aのときの角度誤差の推定値が抽出される。面積が小さいことは共振していないことに等しいため、信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
実施の形態1の方法によれば、角度誤差の推定と電流脈動の振幅と位相による推定の成否判断が同時に行え、共振の影響が最も少ないときの角度誤差の推定値を抽出でき、且つ、事前に共振に関する情報を調べなくてよいため、角度誤差の学習に要する時間を短縮できる。また、実施の形態1の方法によれば、エレベーターではなく、電動機1の負荷としていかなる機械系が接続されていたとしても、電流脈動の振幅と位相の変化量を基に、共振の影響が最も少ないときの推定値を抽出できる。図6では、フーリエ係数3点で行う方法を示したが、面積を計算できる3点以上であればよい。
なお、周波数解析部8がフーリエ係数を演算する構成ではなく、ノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタのように、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算する構成であっても同様の手順により、信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1において、角度誤差の周波数と機械系の周波数が一致して推定が困難となるときの推定値を排除でき、共振の影響が最も少ないときの推定値を抽出する方法を示した。実施の形態2においては、実施の形態1で示した角度誤差の学習運転を、学習運転時の速度を変えて複数回実施して、複数回の学習の結果の整合性確認を行うことにより、実施の形態1よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得る方法について説明する。
実施の形態1の方法では、フーリエ係数の作る座標が囲む面積が最小となるときの角度誤差の推定値を抽出することで、共振の影響が少ないときの角度推定誤差が抽出できた。しかし、エレベーターの機械仕様によっては、昇降路内のどの位置を走行しても共振に当たる速度が存在する。このような状況では、共振している中でも最も電流脈動の振幅と位相の変化が少ないときの角度誤差の推定値が抽出される。この場合は、信頼性の高い角度誤差の推定値が得られない可能性があるため、学習運転の速度を変えることが望ましい。よって、実施の形態2においては、学習運転時の速度を変えて角度誤差の学習を複数回実施して、複数回の学習の結果の整合性確認を行う。
図9は実施の形態2における学習運転のフローチャートを示している。なお、エレベーターの制御装置および回路誤差推定部9の構成は図1,2に示すもとのと基本的に同じである。
角度誤差推定部9は、例えば学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転を開始すると、学習判定部93は、学習速度演算部91の出力に従って電動機1の回転速度が一定となっているか否かを判定する(ステップS901)。電動機1の回転速度が一定となっていない場合には、回転速度が一定となるまでステップS901を継続する。これは、電動機1の回転速度が一定となるときには、回転検出部2の角度誤差の周波数が一定となるため、角度検出誤差の推定が容易となるためである。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS902)。
次に、角度誤差演算部94は、フーリエ係数の計算結果が3回分以上記憶されているか否かを判断する(ステップS903)。3回分以上のフーリエ係数が保存されていない場合には、ステップS902に戻り、周波数解析部8からの出力であるフーリエ係数の保存を繰り返す。フーリエ係数が3回分以上保存されている場合には、面積演算部95は、式(9)によってフーリエ係数の座標が作る面積を計算する。また、角度誤差演算部94は、フーリエ係数を用いて、記憶しているフーリエ係数と角度検出誤差の変換式により角度誤差の推定値を計算する(ステップS904)。角度誤差の推定値は、誤差振幅と誤差位相である。そして、出力判定部96は、面積と角度誤差の推定値を関連付けてメモリに保存する。
ステップS904の面積と角度検出誤差の推定値の計算が終わると、出力判定部96は、記憶している面積、すなわち1回前のフローで計算された面積と、ステップS904で計算した面積を比較する(ステップS905)。なお、比較する面積の初期値は、1回目の計算結果が必ず保存されるように、記憶できる最大の値とする。角度検出誤差の推定値は、任意の値でよい。
出力判定部96は、ステップS905において、記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS904において計算された面積の方が小さいと判断された場合、ステップS904において計算された面積と角度検出誤差の推定値を合わせて記憶する。このとき、既に記憶されている面積と角度検出誤差は消去する(ステップS906)。
一方、ステップS905において記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS904において計算された面積が記憶されている面積以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と面積を保存し続け、次のステップへ移行する。
次に、学習判定部93が、かご位置演算部92の出力から、かごが特定区間を走行したか否かを判断する(ステップS907)。特定区間走行していないと判断した場合には、ステップS902に戻りステップS907までの処理を繰り返し行う。特定区間走行したと判断した場合には、出力判定部96は、学習回数と保存している角度誤差推定値を合わせてメモリに記憶する(ステップS908)。学習回数は、かご位置演算部92の計算したかご4の位置を用いて、特定区間走行したときの回数をカウントすることで計算できる。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
次に、学習判定部93が、記憶した学習回数により2回以上すなわち複数回、角度誤差の学習を実施したか否かを判断する(ステップS909)。ステップS909において2回以上学習を実施していないと判断した場合には、学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転の速度を変えて再度学習運転を実施する(ステップS914)。学習速度を変えることで周期的な角度誤差の周波数が変化する。例えば、図4、5において周波数BからAへ移る。これにより、回転検出部2の周期的な角度誤差に起因した電流脈動の傾向が変わる。例えば、周波数Bでは中間階付近において共振に当たるが、周波数A,Cではどの階層においても共振に当たらない。これにより、1回目の学習とは異なった条件で角度誤差を推定することができる。また、学習運転の速度設定には特に制約はないが、かごが走行できる最遅の速度、最速の速度など、極端に速度を変えた方が電流脈動の傾向が大きく変わるため、異なった条件で角度誤差の学習を実施できる。
学習運転の走行方向に関しては1回目の学習と同じ方向、すなわち1回目の学習が終わると学習を開始した位置まで戻り再度同じ運転方向で実施する、もしくは、1回目の学習が完了した位置から続けて同じ方向に運転してもよいし、1回目の学習が完了した位置から1回目の学習の運転方向と逆方向に運転してもよい。学習速度を変えて運転すれば、運転方向は限定しない。なお、学習運転の速度を変えたときの学習方法については、1回目の学習と同じである。
学習判定部93が、ステップS909において2回以上、角度誤差を学習したと判断した場合には、複数回の角度誤差の推定結果の整合性確認を行う(ステップS910)。角度誤差の推定値は、式(1)の誤差振幅と誤差位相からなるが、先ず、誤差振幅の推定結果の整合性確認を行う。すなわち、複数回の学習運転で得られた誤差振幅の推定値の差分を計算して、その差分が予め設定された値以内となっているか否かを確認する。例えば、3回学習運転を実施したときには、1回目と2回目、2回目と3回目、1回目と3回目のように得られた推定結果の全ての組み合わせにより整合性確認を行うものとする。整合性を判断する誤差振幅の差分の設定値は、予めメモリに記憶しておいてもよいし、外部から入力するようにしてもよい。
誤差振幅の整合性確認が終わると、次に、誤差位相の整合性確認を実施する。誤差位相の整合性確認も誤差振幅のときと同様に行う。すなわち、複数回の学習運転で得られた誤差位相の推定値の差分を計算して、その差分が設定値以内となっているか否かを確認する。整合性を判断する誤差振幅の差分の設定値は、予めメモリに記憶しておいてもよいし、外部から入力するようにしてもよい。
誤差振幅の整合性確認、誤差位相の整合性確認において、どちらか一方でも複数回の学習結果が整合していないと判断された場合には(ステップS911)、学習回数が最大学習回数以内か否かを判断する(ステップS912)。
学習回数が最大学習回数以内であれば、学習速度を変えて再度学習運転を実施する(ステップS914)。
推定結果の整合性確認において、誤差振幅は整合し、誤差位相が整合しなかった場合には、速度を変えた学習運転では、誤差位相のみの再学習を行うようにしてもよい。一方、推定結果の整合性確認において、誤差位相は整合し、誤差振幅が整合しなかった場合には、誤差振幅のみの再学習を行うようにしてもよい。また、誤差振幅、誤差位相ともに再学習するようにしてもよい。
ステップS912において、学習回数が最大学習回数を超えていると判断された場合、学習判定部93が、学習不能通知を上位制御装置(図示省略)に出力する(ステップS913)。なお、最大学習回数は、予めメモリに記憶していてもよいし、外部から指令するようにしてもよい。また、ステップS913で出力された学習不能通知は、エレベーターの制御盤(図示省略)に表示できようにして異常を知らせるようにすることが望ましい。また、学習不能通知が出力されたときには、エレベーターを休止させることで安全を確保することが望ましい。
ステップS911の整合性確認が完了する、又はステップS913で学習不能通知が出力されると、学習判定部93が、学習運転を完了する。ステップS911において複数回の学習運転の結果の整合性が確認できた場合には、学習運転の完了後は、誤差信号演算部97が、誤差位相と誤差振幅の推定結果を用いて回転検出部2の周期的な角度誤差を計算し、補正信号として出力し、図1の減算器SU2で回転検出部2の角度誤差の補正を行わせる。
以上の処理により学習運転を実施すると、特定区間走行したときにフーリエ係数の座標が作る面積が最小となるときの角度検出誤差を抽出することができる。また、複数回の学習結果の整合性確認により、実施の形態1の方法よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。さらに、学習回数を制限することで、角度誤差の学習が正常に行えないときの安全性を確保できるようになる。
実施の形態3.
実施の形態3においては、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標が囲む面積が基準値より大きい場合には、学習運転の速度を変えて学習を実施することにより、実施の形態1よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得る方法について説明する。
実施の形態1の方法では、フーリエ係数の作る座標が囲む面積が最小となるときの角度誤差の推定値を抽出することで、共振の影響が少ないときの角度推定誤差が抽出できた。しかし、エレベーターの機械仕様によっては、昇降路内のどの位置を走行しても共振に当たる速度が存在する。このような状況では、共振している中でも最も電流脈動の振幅と位相の変化が少ないときの角度誤差の推定値が抽出される。この場合は、信頼性の高い角度誤差の推定値が得られない可能性があるため、学習運転の速度を変えることが望ましい。
実施の形態2では、学習運転時の速度を変えた複数回の学習結果の整合性確認を実施した。実施の形態3においては、フーリエ係数の作る座標が囲む面積の基準値を例えば予めメモリに記憶しておく等して用意しておき、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標が囲む面積が基準値よりも大きい場合には、学習運転時の速度を変えて角度誤差の学習を行う。
図10は実施の形態3における学習運転のフローチャートを示している。なお、エレベーターの制御装置および回路誤差推定部9の構成は図1,2に示すもとのと基本的に同じである。
角度誤差推定部9は、例えば学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転を開始すると、学習判定部93は、学習速度演算部91の出力に従って電動機1の回転速度が一定となっているか否かを判定する(ステップS101)。電動機1の回転速度が一定となっていない場合には、回転速度が一定となるまでステップS101を継続する。これは、電動機1の回転速度が一定となるときには、回転検出部2の角度誤差の周波数が一定となるため、角度検出誤差の推定が容易となるためである。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS102)。
次に、角度誤差演算部94は、フーリエ係数の計算結果が3回分または3回分以上(以下では3回分以上として説明する)記憶されているか否かを判断する(ステップS103)。3回分以上のフーリエ係数が保存されていない場合には、ステップS102に戻り、周波数解析部8からの出力であるフーリエ係数の保存を繰り返す。フーリエ係数が3回分以上保存されている場合には、面積演算部95は、式(9)によってフーリエ係数の座標が作る面積を計算する。また、角度誤差演算部94は、フーリエ係数を用いて、記憶しているフーリエ係数と角度検出誤差の変換式により角度誤差の推定値を計算する(ステップS104)。角度誤差の推定値は、誤差振幅と誤差位相である。そして、出力判定部96は、面積と角度誤差の推定値を関連付けてメモリに保存する。
ステップS104の面積と角度検出誤差の推定値の計算が終わると、出力判定部96は、記憶している面積、すなわち1回前のフローで計算された面積と、ステップS104で計算した面積を比較する(ステップS105)。なお、比較する面積の初期値は、1回目の計算結果が必ず保存されるように、記憶できる最大の値とする。角度検出誤差の推定値は、任意の値でよい。
出力判定部96は、ステップS105において、記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS104において計算された面積の方が小さいと判断された場合、ステップS104で計算された面積と角度検出誤差の推定値を合わせて記憶する。このとき、既に記憶されている面積と角度検出誤差は消去する(ステップS106)。
一方、ステップS105において記憶されている面積と計算した面積を比較した結果、ステップS104において計算された面積が記憶されている面積以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と面積を保存し続け、次のステップへ移行する。
次に、学習判定部93が、かご位置演算部92の出力から、かごが特定区間を走行したか否かを判断する(ステップS107)。特定区間走行していないと判断した場合には、ステップS102に戻りステップS107までの処理を繰り返し行う。特定区間走行したと判断した場合には、学習運転を終了する。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
次に、学習判定部93は、学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標が囲む面積が、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標が囲む面積の基準値以下であることを判断する(ステップS108)。ステップ108において、学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標が囲む面積が、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標が囲む面積の基準値より大きいと判断した場合には、学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転の速度を変えて再度学習運転を実施する(ステップS109)。
学習速度を変えることで周期的な角度誤差の周波数が変化する。例えば、図4、5において周波数BからAへ移る。これにより、回転検出部2の周期的な角度誤差に起因した電流脈動の傾向が変わる。例えば、周波数Bでは中間階付近において共振に当たるが、周波数A,Cではどの階層においても共振に当たらない。これにより、1回目の学習とは異なった条件で角度誤差を推定することができる。また、学習運転の速度設定には特に制約はないが、かごが走行できる最遅の速度、最速の速度など、極端に速度を変えた方が電流脈動の傾向が大きく変わるため、異なった条件で角度誤差の学習を実施できる。
ステップS108の確認が完了すると、学習判定部93が、学習運転を完了する。ステップS108において学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標が囲む面積が、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標が囲む面積の基準値以下であることが確認できた場合には、学習運転の完了後は、誤差信号演算部97が、誤差位相と誤差振幅の推定結果を用いて回転検出部2の周期的な角度誤差を計算し、補正信号として出力し、図1の減算器SU2で回転検出部2の角度誤差の補正を行わせる。
以上の処理により学習運転を実施すると、特定区間走行したときにフーリエ係数の座標が作る面積が最小となるときの角度検出誤差を抽出することができる。また、フーリエ係数の作る座標が囲む面積を基準値と比較確認することにより、実施の形態1の方法よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、座標平面における幾何学量である評価値としてフーリエ係数の作る座標間の線分の長さにより共振を判定し、信頼性の高い推定値を得る方法を説明する。
先ず、フーリエ係数座標平面において、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さと、電流脈動の振幅、電流脈動の位相の関係について説明する。図6のフーリエ係数座標平面において、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と、電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化について考えると、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化が小さいとき、2点のフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが短くなる。図6の区間Aにおいては、フーリエ係数の座標の変化が小さいためフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが短く、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化が小さい。また、区間Bにおいては、区間Aに比べ、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さが長く、電流脈動の振幅G=√(An 2+Bn 2)と電流脈動の位相γ=tan-1(An/Bn)の変化も大きい。よって、フーリエ係数座標平面におけるフーリエ係数が作る座標間の線分の長さを計算することは、電流脈動の振幅と位相変化量を計算していることに等しくなる。
フーリエ係数座標平面において、2点のフーリエ係数の座標が作る線分の長さは式(11)で計算することができる。例えば、エレベーターのかご4を特定区間走行したときに周波数解析部8で計算されたフーリエ係数を計算結果の古い順に(Bn1,An1),(Bn2,An2)としたとき、これら2組のフーリエ係数の座標によって作られる線分の長さLは、次式となる。
L=√((An2−An1)2+(Bn2−Bn1)2) (11)
原点から座標(Bn1,An1)までの距離√(An1 2+Bn1 2)をG1
原点から座標(Bn2,An2)までの距離√(An2 2+Bn2 2)をG2
とする、すなわち、各座標における電流脈動の振幅をG1、G2とし、
原点から座標(Bn1,An1)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An1/Bn1)をγ1
原点から座標(Bn2,An2)までの距離ベクトルがなす角tan-1(An2/Bn2)をγ2
とする、すなわち各座標における電流脈動の位相をγ1、γ2とすると、式(11)の線分の長さは次のように書き換えることができる。
L=√((G2sinγ2−G2sinγ1)2+(G2cosγ2−G2cosγ1)2) (12)
回転検出部2の検出する電動機1の回転角に含まれる角度誤差から電流検出器7の検出する電流までのゲイン特性と位相特性は、図4と5のような特性であり、例えば、角度誤差の周波数がAやCのときには、かご4が昇降路内のどの位置でもゲインと位相は一定値、すなわち、角度誤差の周波数がAやCであればエレベーターの機械系と共振しないため、G1、G2とγ1、γ2は一定値となり、式(12)で計算される線分の長さは0となる。
一方、角度誤差の周波数がBのときには、かご4が最下階と最上階付近においてはゲインすなわち振幅と位相は一定値であるが、中間階に近づくとゲインと位相は大きく変化する。すなわち、角度誤差の周波数がBのとき、中間階付近で共振が起こり、その他の場所では共振が起きない。この場合は、式(11)で計算される線分の長さは、最下階と最上階付近で0となるが、中間階に近づくにつれて式(11)の線分の長さは長くなる。共振が発生すると、ゲインと位相は同時に変化するため、式(11)の線分の長さを計算することで、電流脈動の振幅と位相の変化を計算することができる。
また、周波数解析部8がノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタであり、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算する構成である場合にも同様の手順で線分の長さを計算することができる。即ち、周波数解析部8がノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタであり、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算すると、式(12)における電流脈動の振幅Gと電流脈動の位相γが得られるため、式(12)により線分の長さが計算できる。さらに、電流脈動の振幅G、誤差位相φを用いれば、An=Gsin(φ)、Bn=Gcos(φ)であるから、電流脈動の振幅と位相を検出し、フーリエ係数へ換算することで、式(11)による演算方法でも線分の長さを計算することができる。
さらに、周波数解析部8がノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタであり、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算する構成であった場合に、図6のようにフーリエ係数AnとBnの作る座標平面ではなく、縦軸を振幅、横軸を位相とした座標平面又は、縦軸を位相、横軸を振幅とした座標平面でも式(11)による演算で線分の長さを計算することで、電流脈動の振幅と位相の変化を計算することができる。即ち、Anに振幅を対応させ、Bnに位相を対応、又はAnに位相を対応させ、Bnに振幅を対応させれば良い。
以上のことから式(11)の線分の長さを求めることは、電流脈動の振幅と位相の変化量を求めていることに等しく、線分が長いことは電流脈動の振幅と位相の変化量が大きいことになる。
次に、式(11)で示したフーリエ係数の作る座標間の線分の長さを用いて、角度誤差とエレベーターの機械系とが共振しておらず電流脈動の振幅と位相の変化量が小さいときの角度誤差の推定値を選択する学習運転の動作を図11のフローチャートおよび図12の角度誤差推定部8の構成図を用いて説明する。
図12は実施の形態4による、角度誤差推定部9の構成の一例を示す図である。基本的な構成は図2と同様であり、図2における面積演算部95の代わりに線分の長さ演算部98を設けた。したがって、詳細な説明は省略する。
角度誤差推定部9は、例えば学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転を開始すると、学習判定部93は、学習速度演算部91の出力に従って電動機1の回転速度が一定となっているか否かを判定する(ステップS111)。電動機1の回転速度が一定となっていない場合には、回転速度が一定となるまでステップS111を継続する。これは、電動機1の回転速度が一定となるときには、回転検出部2の角度誤差の周波数が一定となり、角度検出誤差の推定が容易となるためである。
電動機1の回転速度が一定となった後、角度誤差演算部94は、周波数解析部8からの出力である、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換して得られたフーリエ係数の計算結果、をメモリに保存する(ステップS112)。
次に、角度誤差演算部94は、フーリエ係数の計算結果が2回分記憶されているか否かを判断する(ステップS113)。2回分のフーリエ係数が保存されていない場合には、ステップS112に戻り、周波数解析部8からの出力であるフーリエ係数の保存を繰り返す。フーリエ係数が2回分保存されている場合には、線分の長さ演算部98は、式(11)によってフーリエ係数の座標間の線分の長さを計算する。また、角度誤差演算部94は、フーリエ係数を用いて、記憶しているフーリエ係数と角度検出誤差の変換式により角度誤差の推定値を計算する(ステップS114)。角度誤差の推定値は、誤差振幅と誤差位相である。そして、出力判定部96は、線分の長さと角度誤差の推定値を関連付けてメモリに保存する。
ステップS114の線分の長さと角度検出誤差の推定値の計算が終わると、出力判定部96は、記憶している線分の長さ、すなわち1回前のフローで計算された線分の長さと、ステップS114で計算した線分の長さを比較する(ステップS115)。なお、比較する線分の長さの初期値は、1回目の計算結果が必ず保存されるように、記憶できる最大の値とする。角度検出誤差の推定値は、任意の値でよい。
出力判定部96は、ステップS115において、記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS114において計算された線分の長さの方が短いと判断された場合、ステップS114で計算された線分の長さと角度検出誤差の推定値を合わせて記憶する。このとき、既に記憶されている線分の長さと角度検出誤差は消去する(ステップS116)。
一方、ステップS115において記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS114において計算された線分の長さが記憶されている線分の長さ以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と線分の長さを保存し続け、次のステップへ移行する。
次に、学習判定部93が、かご位置演算部92の出力から、かごが特定区間を走行したか否かを判断する(ステップS117)。特定区間走行していないと判断した場合には、ステップS112に戻りステップS117までの処理を繰り返し行う。特定区間走行したと判断した場合には学習運転を終了する。
なお、かご4が特定区間走行したことは、かご位置演算部92の計算するかご位置に基づいて判断するようにしたが、例えば、ドアゾーンプレートを検出した回数をカウントすることにより、特定区間を走行したことを判断してもよい。また、昇降路内に設けられた最上階や最下階等の基準位置を知らせる位置スイッチによって特定区間走行したことを判断してもよい。
学習運転の完了後は、誤差信号演算部97が、誤差位相と誤差振幅の推定結果を用いて回転検出部2の周期的な角度誤差を計算し、補正信号として出力し、図1の減算器SU2で回転検出部2の角度誤差の補正を行わせる。
なお、上記動作では、かごが特定区間を走行したか否かを最後に判断して学習運転したか否かを判断しているが、最初に学習速度演算部91の出力が電動機1の回転速度が一定速度走行状態にあることを示し、かご位置演算部92の出力がかご4が予め設定された特定区間を走行していることを示すと、学習判定部93が学習指令を出力し、学習運転が開始されるようにしてもよい。この場合にはステップS117はステップ111と並行して行われる。
以上の処理により学習運転を実施すると、特定区間走行したときに、電流検出器7の電流を電動機1の回転角の情報を用いてフーリエ変換することにより得られたフーリエ係数の座標間の線分の長さが最小となるときの角度検出誤差を抽出することができる。特定区間走行したときにフーリエ係数間の線分の長さが最小ということは、特定区間において電流脈動の振幅と位相の変化量が小さいときに等しいため、機械系との共振の影響が最も少なく、最終的には推定誤差が一番小さい角度検出誤差の推定値を抽出することができる。
図13は、図6のフーリエ係数座標平面における隣り合う2つのフーリエ係数の座標を用いて計算した線分の長さとかご位置との関係を示している。例えば、角度誤差の学習運転において図6のようなフーリエ係数の座標が得られた時には、角度誤差推定部9の線分の長さ演算部98で計算する線分の長さは、図13のようになる。区間Aにおいては線分の長さが短く、区間Bにおいては線分の長さが区間Aに比べて長くなる。図11の学習運転のフローによれば、区間Aのときの角度誤差の推定値が抽出される。線分の長さが短いことは共振していないことに等しいため、信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
実施の形態4の方法によれば、角度誤差の推定と電流脈動の振幅と位相による推定の成否判断が同時に行え、共振の影響が最も少ないときの角度誤差の推定値を抽出でき、且つ、事前に共振に関する情報を調べなくてよいため、角度誤差の学習に要する時間を短縮できる。また、実施の形態4の方法によれば、エレベーターではなく、電動機1の負荷としていかなる機械系が接続されていたとしても、電流脈動の振幅と位相の変化量を基に、共振の影響が最も少ないときの推定値を抽出できる。
なお、周波数解析部8がフーリエ係数を演算する構成ではなく、ノッチフィルタやバンドパスフィルタを組み合わせたフィルタのように、特定の周波数信号を抽出し、振幅検出部や位相検出部によって、入力信号の特定周波数の振幅や位相を演算する構成であっても同様の手順により、信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
実施の形態5.
実施の形態4において、フーリエ係数の座標が作る線分の長さを用いて、角度誤差の周波数と機械系の周波数が一致して推定が困難となるときの推定値を排除でき、共振の影響が最も少ないときの推定値を抽出する方法を示した。
実施の形態5においては、実施の形態4で示した角度誤差の学習運転を、学習運転時の速度を変えて複数回実施して、複数回の学習の結果の整合性確認を行うことにより、実施の形態4よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得る方法について説明する。
実施の形態4の方法では、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さが最小となるときの角度誤差の推定値を抽出することで、共振の影響が少ないときの角度推定誤差が抽出できた。しかし、エレベーターの機械仕様によっては、昇降路内のどの位置を走行しても共振に当たる速度が存在する。このような状況では、共振している中でも最も電流脈動の振幅と位相の変化が少ないときの角度誤差の推定値が抽出される。この場合は、信頼性の高い角度誤差の推定値が得られない可能性があるため、学習運転の速度を変えることが望ましい。よって、実施の形態5においては、学習運転時の速度を変えて角度誤差の学習を複数回実施して、複数回の学習の結果の整合性確認を行う。
図14は実施の形態5における学習運転のフローチャートを示している。なお、エレベーターの制御装置および角度誤差推定部9の構成は図1,12に示すもとのと基本的に同じである。また、図14のフローチャートは、実施の形態2に示した図9のフローチャートと基本的に同じであり、図9においては面積による共振判定であったが、図14では線分の長さによる共振判定となっている。
なお、図14において、図9と同じ符号を記したフローは、上記実施の形態2の動作と同じであるため、説明を省略する。実施の形態5では、フーリエ係数の保存する処理(ステップS1403)から、線分の長さと角度誤差推定値を保存する処理(ステップS1406)までの動作が異なる。
実施の形態5において、ステップ1403では、角度誤差演算部94は、フーリエ係数の計算結果が2回分記憶されているか否かを判断する。2回分以上のフーリエ係数が保存されていない場合には、ステップS902に戻り、周波数解析部8からの出力であるフーリエ係数の保存を繰り返す。フーリエ係数が2回分保存されている場合には、線分の長さ演算部98は、式(11)によってフーリエ係数の座標間の線分の長さを計算する。また、角度誤差演算部94は、フーリエ係数を用いて、記憶しているフーリエ係数と角度検出誤差の変換式により角度誤差の推定値を計算する(ステップS1404)。角度誤差の推定値は、誤差振幅と誤差位相である。そして、出力判定部96は、線分の長さと角度誤差の推定値を関連付けてメモリに保存する。
ステップS1404の線分の長さと角度検出誤差の推定値の計算が終わると、出力判定部96は、記憶している線分の長さ、すなわち1回前のフローで計算された線分の長さと、ステップS1404で計算した線分の長さを比較する(ステップS1405)。なお、比較する線分の長さの初期値は、1回目の計算結果が必ず保存されるように、記憶できる最大の値とする。角度検出誤差の推定値は、任意の値でよい。
出力判定部96は、ステップS1405において、記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS1404において計算された線分の長さの方が短いと判断された場合、ステップS1404において計算された線分の長さと角度検出誤差の推定値を合わせて記憶する。このとき、既に記憶されている線分の長さと角度検出誤差は消去する(ステップS1406)。
一方、ステップS1405において記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS1404において計算された線分の長さが記憶されている線分の長さ以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と線分の長さを保存し続け、次のステップへ移行する。
以降の処理に関しては、図9に示したフローチャートと同様である。以上の処理により学習運転を実施すると、特定区間走行したときにフーリエ係数の座標間の線分の長さが最小となるときの角度検出誤差を抽出することができる。また、複数回の学習結果の整合性確認により、実施の形態4の方法よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。さらに、学習回数を制限することで、角度誤差の学習が正常に行えないときの安全性を確保できるようになる。
実施の形態6.
実施の形態6においては、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが基準値より長い場合には、学習運転の速度を変えて学習を実施することにより、実施の形態4よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得る方法について説明する。
実施の形態4の方法では、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さが最小となるときの角度誤差の推定値を抽出することで、共振の影響が少ないときの角度推定誤差が抽出できた。しかし、エレベーターの機械仕様によっては、昇降路内のどの位置を走行しても共振に当たる速度が存在する。このような状況では、共振している中でも最も電流脈動の振幅と位相の変化が少ないときの角度誤差の推定値が抽出される。この場合は、信頼性の高い角度誤差の推定値が得られない可能性があるため、学習運転の速度を変えることが望ましい。
実施の形態5では、学習運転時の速度を変えた複数回の学習結果の整合性確認を実施した。実施の形態6においては、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さの基準値を例えば予めメモリに記憶しておく等して用意しておき、学習運転により得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが基準値よりも長い場合には、学習運転時の速度を変えて角度誤差の学習を行う。
図15は実施の形態6における学習運転のフローチャートを示している。なお、エレベーターの制御装置および角度誤差推定部9の構成は図1,12に示すもとのと基本的に同じである。また、図15のフローチャートは、実施の形態3に示した図10のフローチャートと基本的に同じであり、図10においては面積による共振判定であったが、図15では線分の長さによる共振判定となっている。
なお、図15において、図10と同じ符号を記したフローは、上記実施の形態3の動作と同じであるため、説明を省略する。実施の形態6では、フーリエ係数の保存する処理(ステップS1503)から、線分の長さと角度誤差推定値を保存する処理(ステップS1506)までの動作、および線分の長さの基準値による判定(ステップS1508)が異なる。
実施の形態6において、ステップ1503では、角度誤差演算部94は、フーリエ係数の計算結果が2回分記憶されているか否かを判断する。2回分以上のフーリエ係数が保存されていない場合には、ステップS102に戻り、周波数解析部8からの出力であるフーリエ係数の保存を繰り返す。フーリエ係数が2回分保存されている場合には、線分の長さ演算部98は、式(11)によってフーリエ係数の座標間の線分の長さを計算する。また、角度誤差演算部94は、フーリエ係数を用いて、記憶しているフーリエ係数と角度検出誤差の変換式により角度誤差の推定値を計算する(ステップS1504)。角度誤差の推定値は、誤差振幅と誤差位相である。そして、出力判定部96は、線分の長さと角度誤差の推定値を関連付けてメモリに保存する。
ステップS1504の線分の長さと角度検出誤差の推定値の計算が終わると、出力判定部96は、記憶している線分の長さ、すなわち1回前のフローで計算された線分の長さと、ステップS1504で計算した線分の長さを比較する(ステップS1505)。なお、比較する線分の長さの初期値は、1回目の計算結果が必ず保存されるように、記憶できる最大の値とする。角度検出誤差の推定値は、任意の値でよい。
出力判定部96は、ステップS1505において、記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS1504において計算された線分の長さの方が短いと判断された場合、ステップS1504において計算された線分の長さと角度検出誤差の推定値を合わせて記憶する。このとき、既に記憶されている線分の長さと角度検出誤差は消去する(ステップS1506)。
一方、ステップS1505において記憶されている線分の長さと計算した線分の長さを比較した結果、ステップS1504において計算された線分の長さが記憶されている線分の長さ以上と判断された場合は、なにも処理しない。すなわち既に記憶されている角度誤差の推定値と線分の長さを保存し続け、次のステップへ移行する。
次に、学習判定部93が、かご位置演算部92の出力から、かごが特定区間を走行したか否かを判断する(ステップS107)。この動作は実施の形態3と同様である。
次に、学習判定部93は、学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標間の線分の長さの基準値以下であることを判断する(ステップS1508)。ステップS1508において、学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標間の線分の長さの基準値より長いと判断した場合には、学習判定部93または出力判定部96から図1の速度指令演算部11へ学習運転指令を送り、学習運転の速度を変えて再度学習運転を実施する(ステップS109)。
学習速度を変えることで周期的な角度誤差の周波数が変化する。例えば、図4、5において周波数BからAへ移る。これにより、回転検出部2の周期的な角度誤差に起因した電流脈動の傾向が変わる。例えば、周波数Bでは中間階付近において共振に当たるが、周波数A,Cではどの階層においても共振に当たらない。これにより、1回目の学習とは異なった条件で角度誤差を推定することができる。また、学習運転の速度設定には特に制約はないが、かごが走行できる最遅の速度、最速の速度など、極端に速度を変えた方が電流脈動の傾向が大きく変わるため、異なった条件で角度誤差の学習を実施できる。
ステップS1508の確認が完了すると、学習判定部93が、学習運転を完了する。ステップS1508において学習運転で得られた角度誤差の推定値に対応するフーリエ係数の作る座標間の線分の長さが、予め記憶しておいたフーリエ係数の作る座標間の線分の長さの基準値以下であることが確認できた場合には、学習運転の完了後は、誤差信号演算部97が、誤差位相と誤差振幅の推定結果を用いて回転検出部2の周期的な角度誤差を計算し、補正信号として出力し、図1の減算器SU2で回転検出部2の角度誤差の補正を行わせる。
以上の処理により学習運転を実施すると、特定区間走行したときにフーリエ係数の座標間の線分の長さが最小となるときの角度検出誤差を抽出することができる。また、フーリエ係数の作る座標間の線分の長さを基準値と比較確認することにより、実施の形態4の方法よりも信頼性の高い角度誤差の推定値を得ることができる。
なお、エレベーターの全体の機器のレイアウト及びローピング方式等は、図1の例に限定されるものではない。例えば、この発明は、2:1ローピングのエレベーターにも適用できる。また、例えば電動機1からなる巻上機の位置も図1の例に限定されない。
この発明は上記の各実施の形態に限定されるものではなく、これらの可能な組合せをすべて含むことは言うまでもない。
産業上の利用の可能性
この発明は、例えば機械室レスエレベータ、ダブルデッキエレベータ、ワンシャフトマルチカー方式のエレベーター、又は斜行エレベーターなど、種々のタイプのエレベーターに適用できる。

Claims (11)

  1. 昇降路内にかごを昇降させる動力を発生する電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記電動機の回転角を検出する回転検出部と、
    前記電流検出器で検出された電流を周波数解析して得られる特定周波数の成分を出力する周波数解析部と、
    前記特定周波数の成分を用いて、前記回転検出部からの回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として出力する角度誤差推定部と、
    を備え、
    前記角度誤差推定部は、前記かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、前記学習運転中に検出された前記電流を前記周波数解析部に入力して求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、取得された前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して前記評価値と前記角度誤差推定値を関連付け、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、
    エレベーターの制御装置。
  2. 前記設定数は2であって、前記幾何学量は、前記座標平面における前記特定周波数の成分の振幅および位相が作る座標間の線分の長さである、請求項1に記載のエレベーターの制御装置。
  3. 前記設定数は3以上であって、前記幾何学量は、前記座標平面における前記特定周波数の成分の振幅および位相が作る座標によって囲まれる領域の面積である、請求項1に記載のエレベーターの制御装置。
  4. 前記角度誤差推定部は、前記評価値によって、前記電流検出器で検出された電流の前記角度誤差に対応した特定周波数の成分の変化量が最小になるときの前記角度誤差推定値を選択する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
  5. 前記角度誤差推定部は、選択された前記角度誤差推定値に対応する前記評価値が基準値以上である場合に、前記学習運転の運転速度を変えて再度前記学習運転を実施して前記角度誤差推定値を推定する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
  6. 前記角度誤差推定部は、異なる運転速度で前記学習運転を複数回実施し、複数回の前記学習運転で得られた前記角度誤差推定値を比較確認することで整合性確認を行い、整合が取れない場合にはさらに運転速度を変えて前記学習運転を実施する、請求項1から5までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
  7. 前記周波数解析部は、周波数解析としてフーリエ変換行いフーリエ係数を演算する、請求項1から6までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
  8. 前記周波数解析部は、前記特定周波数成分を通すバンドパスフィルタを含み、前記バンドパスフィルタの出力電流に対して、振幅演算および位相演算を行う、請求項1から6までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
  9. 前記回転検出部は、レゾルバ又はエンコーダ又は磁気センサを含む、請求項1から8までのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
  10. 昇降路内にかごを昇降させる駆動用の電動機に流れる電流を周波数解析し、特定周波数の成分を演算する工程と、
    前記特定周波数の成分を用いて、前記電動機の回転角を検出する回転検出部に含まれる前記回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として推定する工程と、
    を備え、
    前記角度誤差を角度誤差推定値として推定する工程において、
    前記かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、
    前記学習運転中に検出された前記電動機に流れる電流の前記特定周波数の成分を演算する工程で求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、
    取得した前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して前記評価値と前記角度誤差推定値を関連付け、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、
    エレベーターの駆動用の電動機のための回転検出部の回転角の角度誤差を求める方法。
  11. 昇降路内を昇降させるかごと、
    前記かごを昇降させる動力を発生する電動機と、
    前記電動機の回転角を検出する回転検出部と、
    前記電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器で検出された電流を周波数解析して得られる特定周波数の成分を出力する周波数解析部と、
    前記特定周波数の成分を用いて、前記回転検出部からの回転角に応じて一意に決まる周期的な角度誤差の振幅と位相を推定して角度誤差推定値として出力する角度誤差推定部と、
    を備え、
    前記角度誤差推定部は、前記かごを特定区間運転させる学習運転を実施するように制御し、前記学習運転中に検出された前記電流を前記周波数解析部に入力して求まる前記特定周波数の成分を連続して複数取得し、取得された前記特定周波数の成分のうち連続する設定数の前記特定周波数の成分が作る座標平面における幾何学量である評価値を計算すると共に、前記角度誤差推定値を計算して前記評価値と前記角度誤差推定値を関連付け、前記評価値が最小となるときの前記角度誤差推定値を選択する、
    エレベーター装置。
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