JPWO2016152792A1 - 有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、高い表面反射率を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光の有無により異なる鮮明な図柄を表示できる有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールを提供することである。本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールは、鑑賞側より、表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材を配置して構成され、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光時と非発光時で異なる図柄を表示し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の非発光時の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、高い表面反射率を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光の有無により、異なる鮮明な図柄を表示することができる有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールに関する。
各種情報を表示する手段として、様々なディスプレイ方式による表示が行われている。例えば、アクリル樹脂等の化粧板に図柄等を印刷したボードによる商品情報の提供や、避難路表示等において、多くのサインボードが使用されている。
近年、これらの各種情報表示板(以下、サインボードともいう。)においては、発光光源を内蔵し、発光によりメッセージを表示する発光型の表示装置が広く用いられてきている。
一般的な発光型のサインボードは、観察者からみて被表示情報が表示される表示ボードの後ろ側(背面側)に照明装置(発光装置)を有している。照明装置としては、背面側から手前側に向かって、反射板(リフレクター)、蛍光灯などの光源、散乱板の順に配置された箱形構造が一般的であり、特に箱形構造の内面は光の取り出し効率を確保するため白色となっている。箱形構造の照明装置の手前側には、印刷、塗布、ラベルやシールの貼付等により作製されている様々な表示情報が配置される。
近年、箱形構造の照明装置においては、電界発光素子としてエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)を光源として用いた面発光体が盛んに開発されている。この方式の面発光体は、面内でほぼ均一に発光する面光源であり、発熱が少なく、薄型である等の優れた特性を有している。そのため、従来の白熱灯や蛍光灯に代わる次世代の照明として期待されている。
例えば、面発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の光取出し側の基板表面上に、硬化性インキにより形成された装飾層を有する装飾発光体が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、光透過性の図柄板と、当該図柄板の裏面側に有機エレクトロルミネッセンス素子板と、光透過性の背面板より構成される図柄発光表示装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2で開示されている方法では、有機エレクトロルミネッセンス素子等は、単に、面発光型の照明部材として使用され、表示する情報はその表面に配置されている図柄や印刷物により表現されている方式であり、一つのメッセージを表示するのみであった。また、有機エレクトロルミネッセンス素子のエネルギー消費効率が高く、高輝度で発熱がなく、優れた視認性を発揮することができる反面、有機エレクトロルミネッセンス素子は、収納ボックス等の内部に配置され、薄膜でフレキシブル性を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の特徴が十分に生かされているとは言い難い。
また、特許文献3には、基材上に、電極、発光層、及び導電性インクで描画された透明電極より構成れている電界発光灯で、非給電時には描画した透明電極を発光させず、通電時に透明電極が発光し、導電性インクで描いた図柄を視認することができる方法が開示されている。しかしながら、特許文献3に開示されている方法は、上記と同様に、単一の印刷した図柄のみを表示する方法であり、複数の図柄を表示するという機能は備えていない。
一方、エレクトロルミネッセンス発光シート上に、接着層を介して、透光性を有するシート状の展示物を配置し、エレクトロルミネッセンス発光シートが非発光状態のときは、展示物の表面図柄が観察され、エレクトロルミネッセンス発光シートが発光時には、展示物の背面からエレクトロルミネッセンス発光シートの発光パターンが展示物を透過して浮かびあがる方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、特許文献4に記載されている方法では、エレクトロルミネッセンス発光シートの発光時と非発光時での表示図柄が同一であり多様性に欠け、かつエレクトロルミネッセンス発光シートと展示物との間に、接着層のみが存在している構成であり、エレクトロルミネッセンス発光シートが非発光時に、表面から観察した際に、エレクトロルミネッセンス発光シートの模様や透明電極により形成されている発光パターンが視認されるため、非発光時に、透光性を有する展示物の表面図柄と同時に、下面に位置する透明電極のパターンも図柄として視認されることにより、表示図柄の鮮明性が低下するという問題がある。
国際公開第2011/048956号 特開2013−221379号公報 特開2004−273349号公報 特開2009−129823号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、高い表面反射率を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光の有無により異なる鮮明な図柄を表示できる有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールを提供することである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、鑑賞側より、表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材を配置し、当該有機エレクトロルミネッセンス素子の非発光時の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上である有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールにより、シチュエーションに応じて、適切な複数の鮮明な図柄を表示することができる有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールを提供することができることを見だし、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.鑑賞側より、表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材を配置して構成される面状の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールであって、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光時と非発光時で異なる図柄を表示し、
前記有機エレクトロルミネッセンス素子の非発光時の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
2.前記装飾シートと前記有機エレクトロルミネッセンス素子との間に、ハーフミラーを有することを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
3.前記有機エレクトロルミネッセンス素子上に、視野角により色調が変化する色差形成層を有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
4.前記装飾シートと、前記有機エレクトロルミネッセンス素子との間に、マスク部材を有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
5.前記表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材が、いずれもフレキシブル性を有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
6.総膜厚が、0.3〜3.0mmの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
本発明の上記手段により、高い表面反射率を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光の有無により、二つ以上のデザインの鮮明な図柄を表示することができる有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールを提供することができる。
本発明で規定する構成からなるマルチ図柄表示装置の技術的特徴とその効果の発現機構は、以下のとおりである。
従来、例えば、特許文献4等で提案されているエレクトロルミネッセンス発光装置では、前述のとおり、エレクトロルミネッセンス発光シート(以下、EL発光シートという。)と表面観察時に表示する展示物との間に、接着層のみが存在している構成であり、EL発光シートの非発光時に、その表面から観察した際、EL発光シートの発光パターンを形成している透明電極パターンが視認されるため、透光性を有する展示物の表面図柄と同時に、下面に位置する透明電極のパターンも混在化して観察されることにより、表示図柄がぼやけ、鮮明な図柄を得ることができなかった。また、特許文献4に記載の方法では、EL発光シートとして無機型のエレクトロルミネッセンス素子を使用しているため、発光輝度や素子寿命が低く、特に、上記のような展示物を積層した構成では、発光図柄が暗くなるという問題を併せて抱えていた。
本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール(以下、有機ELパネルモジュールともいう。)は、上記のような従来技術の問題を踏まえてなされたものであり、その構成上の特徴は、発光デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という。)を用い、観察側表面より、表面保護シート、装飾シート、有機EL素子及び裏面保護部材を配置し、有機エレクトロルミネッセンス素子の非発光時の、波長550nmの外光の平均反射率を50%以上とすることにより、非発光時は、装飾シートと有機EL素子間にハーフミラーを設け、表面反射率を高めることにより、その下部に配置している有機EL素子の図柄パターンを遮蔽して、視認できない状態とし、有機EL素子の発光時には、発光図柄を視認することにより、有機EL素子の非発光時及び発光時のいずれにおいても、鮮明な異なる図柄を安定して表示することができる。
有機ELパネルモジュールの非発光時及び発光時の表示図柄の一例を示す模式図 有機ELパネルモジュールの非発光時及び発光時の表示図柄の他の一例を示す模式図 有機ELパネルモジュールの構成(実施態様1)の一例を示す概略斜視図 有機ELパネルモジュールの構成(実施態様1)の他の一例を示す概略斜視図 有機ELパネルモジュールの構成(実施態様2)の一例を示す概略斜視図 有機ELパネルモジュールの構成(実施態様3)の他の一例を示す概略斜視図 有機ELパネルモジュールの構成(実施態様3)の一例を示す概略断面図 有機ELパネルモジュールの非発光時と発光時の観察光の状況の一例を示す概略図 有機ELパネルモジュールの非発光時と発光時の観察光の状況の他の一例を示す概略図 有機ELパネルモジュールの構成で、色差形成層を有する実施態様4を示す概略断面図 有機ELパネルモジュールに適用可能な有機EL素子の一例を示す概略断面図 図8に記載の構成の有機EL素子に色差形成層ユニットを設けた一例を示す概略断面図 有機ELパネルモジュールに適用可能な有機EL素子の他の一例(タンデム構成)を示す概略断面図 有機ELパネルモジュールの封止した構成の一例を示す概略断面図 有機ELパネルモジュールの封止した構成の他の一例を示す概略断面図
本発明の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールは、鑑賞側より、表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材を配置して構成される面状の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールであって、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光時と非発光時で異なる図柄を表示し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の非発光時の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項6に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の目的とする効果をより発揮することができる観点から、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上とする手段として、装飾シートと有機エレクトロルミネッセンス素子との間に、ハーフミラーを設けることが、より一層、二つ以上のデザインの鮮明な図柄を表示することができる観点から好ましい。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子上に、視野角により色調が変化する色差形成層を設ける構成とすることにより、観察する角度により、色調の異なる発光図柄を容易に実現することができ、多様性に富んだ発光図柄を得ることができる。
また、ハーフミラーと、有機エレクトロルミネッセンス素子との間に、発光図柄パターンを制御するマスク部材を有することが、有機EL素子自身の発光領域を制御することなく、容易に任意の表現したい図柄を得ることができる観点から好ましい。
また、有機ELパネルモジュールを構成する表面保護シート、装飾シート、ハーフミラー、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材を、いずれもフレキシブル性を有する材料で形成することにより、フレキシブル性が高く、様々な形状に対し対応が可能な有機ELパネルモジュールを提供することができる。
また、有機ELパネルモジュールの総厚を0.3〜3.0mmの範囲内の薄膜シート状とすることにより、コンサートチケット、壁面へ取り付けるサインボードや掲示物、広告媒体、メッセージボード、名刺等のカード等、広い分野への適用が可能となる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について、図を交えて、詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。また、以下の説明において、各構成要素のあとの括弧内に記載の数字は、各図に記載した各構成要素の符号を表す。
《有機ELパネルモジュールの全体構成の概要》
本発明の有機ELパネルモジュールは、鑑賞側より、表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材を配置して構成され、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光時と非発光時で異なる図柄を表示し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の非発光時の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上である面状の有機ELパネルモジュールであることを特徴とする。波長550nmの外光の平均反射率としては、50%以上であることを特徴とするが、好ましくは、50〜95%の範囲内であり、より好ましくは65〜95%の範囲内であり、さらに好ましくは75〜95%の範囲内である。
初めに、本発明の有機ELパネルモジュールによる図柄表示の一例を、図を交えて説明する。以下の説明において、装飾シートにより表示する図柄を図柄Aと称し、有機EL素子、あるいは有機EL素子とマスク部材により表示する図柄を図柄Bと称す。
図1A及び図1Bは、有機ELパネルモジュールの非発光時及び発光時の代表的な表示図柄の一例を示す模式図である。
図1Aに示す有機ELパネルモジュール(1)は、有機EL素子(不図示)を発光させていない状態において、表面側より観察した図柄の一例で、装飾シート(5)により形成されている図柄Aが鑑賞される状態を示してある。この状態では、その下部にハーフミラー(不図示)が設けられているため、有機EL素子が表示する図柄Bが認知されることはない。
これに対し、図1Bは、有機EL素子を発光させた状態を示しており、装飾シート(5)により形成されている図柄Aと共に、有機EL素子とマスク部材により形成される発光する図柄Bを表示している。
《有機ELパネルモジュールの具体的な構成》
次いで、本発明の有機ELパネルモジュールの基本構成について、図を用いて説明する。
(実施態様1)
図2A及び図2Bは、本発明における有機ELパネルモジュールの構成の一例である実施態様1を示す概略斜視図である。
図2Aで示す有機ELパネルモジュール(1)は、下記の各部材により構成されている。観察面側(紙面の上部)の最上部には、外部からの衝撃や擦り傷等から、内部構成部材を保護するための透明な表面保護シート(6)を有し、その下部には、有機EL素子の非発光時に図柄Aを表示する目的で、様々な図柄等が印刷されている装飾シート(5)が設けられている。この装飾シート(5)に印刷されている図柄Aは、有機EL素子(3)が発光する時も、認識される。
次いで、装飾シート(5)の下面側には、面発光パネルとして、図柄Bがパターニングされている有機EL素子(3)が配置されている。図2Aに記載の構成で、例えば、図1Bに示すような図柄Bを形成する場合には、例えば、有機EL素子に電子線等を所望の図柄Bとなるように照射して、有機EL素子の発光機能を部分的に失活させ、非発光部と発光部を形成して、図柄Bをパターニングする方法をとることができる。
最下層に、裏面保護部材(2)を配置し、上記各構成部材の保護や、設置の際に、例えば、フレキシブル性の高い有機ELパネルモジュールの自立性を確保するための部材として、機能することもできる。
図2Bで示す有機ELパネルモジュール(1)では、上記図2Aで示した構成に対し、更に、装飾シート(5)と有機EL素子(3)との間に、マスク部材(4)を設けた構成である。このような構成においては、有機EL素子(3)とマスク部材(4)の組み合わせにより、図柄Bを形成することができ、このような構成を用いることにより、有機EL素子(3)自身に図柄Bをパターニングする必要がなく、均一発光特性を有する有機EL素子(3)を用いることができる。
図2A及び図2Bで示す構成において、本発明で規定する有機EL素子の非発光時に、波長550nmの外光の平均反射率として、50%以上とする方法としては、装飾シート(5)に反射機能を付与する方法、例えば、ハーフミラー効果を有するシートで形成する方法を挙げることができる。
(実施態様2)
図3は、本発明における有機ELパネルモジュールの構成の一例である実施態様2を示す概略斜視図である。
図3において、有機ELパネルモジュール(1)は、下記の各部材により構成されている。観察面側(紙面の上部)の最上部には、外部からの衝撃や擦り傷等から、内部構成部材を保護するための透明な表面保護シート(6)を有し、その下部には、有機EL素子の非発光時に図柄Aを表示する目的で、様々な図柄等が印刷されている装飾シート(5)が設けられている。この装飾シート(5)に印刷されている図柄Aは、有機EL素子(3)が発光する時も、認識される。
次いで、装飾シート(5)の下面側には、ハーフミラー(HM)が配置されている。このハーフミラー(HM)は、特に、有機EL素子(3)が非発光時で、装飾シート(5)に印刷されている図柄Aのみで図柄表示する際に、下部に位置している有機EL素子(3)が形成する図柄Bのパターンがノイズとして表示されることを防止する機能を有している。
ハーフミラーの下部には、面発光パネルとして、図柄Bがパターニングされている有機EL素子(3)が配置されている。図3に記載の構成で、例えば、図1Bに示すような図柄Bを形成する場合には、例えば、有機EL素子に電子線等を所望の図柄Bとなるように照射して、有機EL素子の発光機能を部分的に失活させ、非発光部と発光部により構成される図柄Bをパターニングする方法をとることができる。
最下層に、裏面保護部材(2)を配置し、上記各構成部材の保護や、設置の際に、例えば、フレキシブル性の高い有機ELパネルモジュールの自立性を確保するための部材として、機能することもできる。
(実施態様3)
図4は、有機ELパネルモジュールの構成の他の一例である実施態様3を示す概略斜視図である。
図3に示す実施態様2に対し、更に、ハーフミラー(HM)と有機EL素子(3)の間に、マスク部材(4)を配置した例であり、有機EL素子(3)とマスク部材(4)の組み合わせにより、図柄Bを形成することができる。このような構成を用いることにより、有機EL素子(3)自身に図柄Bをパターニングする必要がなく、均一発光特性を有する有機EL素子(3)を用いることができる。また、マスク部材(4)においては、光透過部(発光図柄Bの形成部)を透明領域として形成、あるいはその領域をカラーインク等で着色して、カラー表示図柄として機能させてもよい。
次いで、本発明の有機ELパネルモジュールの具体的な構成について説明する。
図5は、本発明の有機ELパネルモジュールの上記説明した実施態様3の構成を示す概略断面図である。
図5は、上記図4で説明した有機ELパネルモジュール(1)の構成を示してある。
紙面の上側が鑑賞面側となっていて、有機ELパネルモジュール(1)は、鑑賞側より、表面保護シート(6)、装飾シート(5)、ハーフミラー(HM)、マスク部材(4)、有機EL素子(3)及び裏面保護部材(2)を積層した構成を有している。
図5に示す構成において、装飾シート(5)を独立した部材として説明したが、表面保護シート(6)と一体化した構成であっても、ハーフミラー(HM)と一体化した構成であってもよい。また、図5においては、1枚の装飾シート(5)として説明したが、例えば、図柄Aとして図柄の異なる複数枚の装飾シート(5)を積層した構成であっても、あるいは、図柄の異なる複数枚の装飾シート(5)を水平方向に並列配置して、図柄Aを形成する構成であってもよい。
また、マスク部材(4)についても同様に、マスクパターンの異なる複数枚のマスク部材(4)を積層した構成であっても、あるいは、マスクパターンの異なる複数枚のマスク部材(4)を水平方向に並列配置した構成であってもよい。
また、図5においては、面発光部材として有機EL素子(3)のみ記載してあるが、当然のことながら、有機EL素子(3)に電力を供給するための電源部(不図示)、発光を制御するための制御部(不図示)及びそれらを接続する配線とを有しているが、ここではその記載は省略する。また、有機EL素子(3)は、図5では、単一の有機EL素子を示してあるが、状況に応じて、複数の有機EL素子(3)を並列配置した構成としてもよい。
図6A及び図6Bは、本発明の有機ELパネルモジュール(1)における非発光時と発光時の観察光の状況を説明する概略図である。
上記図4及び図5で説明した実施態様3の構成の有機ELパネルモジュール(1)において、図6Aは、有機EL素子(3)が非発光時の鑑賞図柄の状況を示すものである。有機EL素子(3)に非発光の状態では、鑑賞者が観ることができる図柄は、観察環境の室内照明等の照明光(L1)により、装飾シート(5)により形成されている図柄Aを観察する。
照明光(L1)が外部より侵入し、ハーフミラー(HM)で反射して、装飾シート(5)により形成されている図柄Aの情報を、観察者視認することができる。この時、ハーフミラー(HM)の下部に配置されているマスク部材(4)のパターンは、ハーフミラー(HM)により隠ぺいされて認識されない。この結果、下部の図柄パターン等のノイズの少ない、装飾シート(5)のみの鮮明な図柄Aを観察することができる。
図6Bは、有機EL素子(3)が発光しているときに観察される図柄情報であり、上記と同様に、装飾シート(5)により表示される図柄Aと共に、有機EL素子(3)とマスク部材(4)により形成される図柄Bを、発光光(L2)として、ハーフミラー(HM)を通過して観察することができる。
このとき、ハーフミラー自身は、ある程度透過率を下げる機能を有しているため、面発光体の発光輝度を高く設定することが重要である。したがって、本発明においては、相対的に発光輝度の低い無機EL素子ではなく、高輝度の有機EL素子を適用することが、鮮明な図柄を形成する上には重要な条件となる。
(実施態様4)
図7は、実施態様4として、有機EL素子上に色差形成層を設けた構成の有機ELパネルモジュールを示す概略断面図である。
図7に示す有機ELパネルモジュール(1)は、図5で示した実施態様3の有機ELパネルモジュールに対し、更に、有機EL素子(3)とマスク部材(4)の間に、色差形成層(8)を設けた構成である。
色差形成層(8)は、薄膜による干渉、多層膜による干渉、回折による干渉、微細溝による干渉、微細突起による干渉、および、微粒子による散乱のうちの少なくとも1つの作用を利用して、視野角に応じて異なる色調が観察されるように機能する層であり、具体的には、有機EL素子(3)上に、光拡散層を介して形成することができる。詳細については後述する。
《有機ELパネルモジュールの構成要素》
次いで、本発明の有機ELパネルモジュールを構成する構成要素として、表面保護シート、装飾シート、ハーフミラー、マスク部材、有機EL素子、色差形成層及び裏面保護シート等について、その詳細を説明する。
[表面保護シート]
本発明に係る表面保護シートとしては、シート状で光透過を有している材料で構成されていれば、特に制限はないが、耐久性、透明性等の観点から樹脂シートが好ましい。本発明に適用可能な樹脂シートとしては、例えば、セルロースエステル系シート、ポリエステル系シート、ポリカーボネート系シート、ポリアリレート系シート、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系シート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルシート、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、セルロースジアセテートシート、セルローストリアセテートシート、セルロースアセテートプロピオネートシート、セルロースアセテートブチレートシート、ポリ塩化ビニリデンシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリビニルアルコールシート、エチレンビニルアルコールシート、シンジオタクティックポリスチレン系シート、ポリカーボネートシート、ノルボルネン系樹脂シート、ポリメチルペンテンシート、ポリエーテルケトンシート、ポリエーテルケトンイミドシート、ポリアミドシート、ポリアミドイミドシート、フッ素樹脂シート、ナイロンシート、ポリメチルメタクリレートシート、アクリルシート、テフロン(登録商標)PTFEシート、テフロン(登録商標)TFEシート、等を挙げることができる。
また、表面保護シートの厚さとしては、50μm〜5mmの範囲内で選択することが好ましい。本発明の有機ELパネルモジュールの好ましい態様である総膜厚が、0.3〜3.0mmの範囲内を満たし、かつフレキシブル性を重視する場合には、50〜500μmの範囲内であることが好ましい。一方、有機ELパネルモジュールとしての自立性を確保する場合には、0.5〜5mmの範囲の材料を選択することもできる。
[装飾シート]
装飾シートとは、例えば、上記表面保護シートと同様の材質のフィルムの鑑賞面側表面あるいは裏面側に、印刷インクを用いて印刷する方法、あるいはフィルム中にインクを浸透させて図柄を形成する方法であってもよい。
印刷する方法としては、特に制限はないが、例えば、凸版:凸版印刷方式、フレキソ印刷方式、ドライオフセット印刷方式、凹版:グラビア印刷方式、グラビアオフセット印刷方式、パッド印刷方式、平版:オフセット印刷方式、孔版:スクリーン印刷方式、あるいは、インクジェット記録方式等を適用することができる。また、状況により、人が、基材シート上に、直接印刷用インキを用いて描画する方法であってもよい。
印刷用インキとしては、油性凸版インキ、フレキソインキ、ドライオフセットインキ、グラビアインキ、グラビアオフセットインキ、パッドインキ、オフセットインキ、スクリーンインキ等が挙げられる。
印刷インキは、版から基材シート上に転写された後、硬化させて図柄Aを定着させる方法としては、下記に示す方法が挙げられる。
(1)蒸発乾燥型:インキ中の揮発性溶剤を蒸発させることにより図柄Aを形成する方法(樹脂成分:ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂)
(2)酸化重合型:乾性油を主成分とするインキにより形成した図柄A面に、大気中の酸素が吸収され、ビヒクル分子を結合及び重合して三次元構造化する方法(樹脂成分:アルキッド系樹脂)
(3)2液反応型:反応基を有する樹脂(例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂)をビヒクルとするインキの2種混合のうちの一方をインキ化し、他方を硬化剤の組成とし、2液を組み合わせることにより、反応させて硬化する方法
(4)紫外線硬化型:印刷インキの被膜を基材シート上に形成した後、紫外線を照射して、反応硬化させる方法。特に、インクジェット記録方式用のインキとして適用することにより、高精細な図柄Aを安定して形成することができる方法(樹脂成分:アクリレート系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂等)。
インキ用の色材としては、顔料系インキと染料系インキに大別されるが、本発明のマルチ図柄表示装置が、屋外で使用され、紫外線、水等の環境に晒されることを考慮すると、耐候性に優れている顔料系インキを用いることが好ましい。顔料としては、その用途及び表現する色に対応して、無機顔料や有機顔料から適宜選択して用いることができる。
また、装飾シートとして、あらかじめ作製したカッティングシート等を転写させる方法であってもよい。例えば、薄膜の各色シート、例えば、塩化ビニル製の各色シートに、プロッター等により図柄Aをカッティングし、転写シートを付与した後、そのカッティングした図柄Aを、基材シート上に転写する方法を挙げることができる。
また、実施態様1で使用する装飾シートにおいては、シートをハーフミラー性を有する材料で構成することが好ましい。
[ハーフミラー]
本発明においては、装飾シートと、有機ELデバイスとの間に、ハーフミラーを配置する構成であることが好ましい態様である。
本発明の有機ELパネルモジュールにおいては、有機ELデバイスが非発光時の際の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上であることを特徴とする。この条件を達成する手段の一つとして、ハーフミラーを配置することにより、有機ELデバイスが非発光時には、ハーフミラーの反射により、装飾シートの図柄Aを表示することができ、有機ELデバイス発光時には、発光光を透過し、有機ELデバイスとマスク部材により形成されている発光図柄Bを表示する、という図柄表示の2面性を、より確実に達成することができる。
本発明でいう表面反射率は、有機ELパネルモジュールの裏面をサンドペーパーで擦り、黒マジックを塗り裏面の反射が起こらないようにした試料を作製し、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、550nmの波長領域における入射光5゜における正反射の表面反射率を求めた。本初枝威においては、有機ELデバイスが非発光時の際の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上であることを特徴とするが、好ましくは、50〜95%の範囲内であり、より好ましくは65〜95%の範囲内であり、さらに好ましくは75〜95%の範囲内である。
ハーフミラーとは、鏡に当たった光線の総てを反射せず、その光量の何割かを透過させる性質を持った半透明鏡のことをいう。本発明に係るハーフミラー自身としても、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは、50〜95%の範囲内であり、更に好ましくは65〜95%の範囲内であり、特に好ましくは75〜95%の範囲内である。加えて、350〜850nmの光の透過率は、本発明に記載の効果を奏する観点からは、50%以下であることが好ましい。ここで、ハーフミラーは、反射光と透過光の強さがほぼ1:1のもののことをいう。
本発明に係るハーフミラーは、フィルム上でフレキシブル性を備えているものであることが好ましく、ミラー表面に照射された光を鏡面反射する性質と透過させる性質とを共にフレキシブル性を備えたミラーであって、ハーフミラーには、透明なフィルム等のミラー基材の平滑面に、半透過性金属膜を形成したものや、前記多層膜鏡と同様に酸化チタンや酸化珪素などの屈折率の異なる材料を、ミラー基材の平滑面に高屈折率膜と低屈折率膜とが交互に積層してなる多層膜を形成してなるものなどが挙げられる。ここで、半透過性金属膜とは、照射された光の一部を透過させ得る程度に薄いクロムやチタンなどの金属の膜である。上記半透過性金属膜や多層膜は、ミラー基材の表面に形成しても、裏面に形成しても良い。なお、半透過性金属膜や多層膜を表面に形成した場合には、この膜を保護するための合成樹脂や酸化珪素、酸化チタンなどの薄層などといった透明な保護膜をこの膜の上に形成でき、裏面に形成した場合には、ミラー基材の表面に反射防止膜などを形成することもできる。
[マスク部材]
次いで、本発明に係るマスク部材について説明する。
本発明において、マスク部材(4)に、マスクパターンを形成する方法としては、光透過性樹脂基材の表面側に、光遮蔽部と光透過部を、例えば、スクリーン印刷法により形成して、パターンを付与したマスク部材を作製することができる。
マスク部材の作製に用いるインキとしては、特に、光遮蔽効果を発現し、耐擦性に優れた膜を形成することができるインキであれば特に制限はない。例えば、遮光性の顔料(例えば、黒色顔料等)と、紫外線硬化型樹脂成分とを含む光遮光性インキを用い、スクリーン印刷法により、光遮蔽部(12A)に当該インキを付与した後、紫外線を照射して硬化させることにより、図柄Bを形成することができる。
また、発光図柄に色彩を付与する観点から、光透過部をカラーインク等で着色させる方法も用いることができる。
[有機ELデバイス]
〔有機EL素子の基本構成要素〕
次いで、本発明に係る有機EL素子の詳細について説明する。
本発明に係るフレキシブルな面発光体を構成する有機EL素子は、樹脂基材及び透明陽極上に、種々の構成層を形成することが可能で、例えば、下記(i)〜(v)の層構造を有していてもよい。また、下記の発光層は、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層からなるものが好ましい。
(i)樹脂基材上に、透明陽極/有機機能層ユニット(発光層/電子輸送層)/陰極/封止用接着剤/封止部材が積層された構成、
(ii)樹脂基材上に、透明陽極/有機機能層ユニット(正孔輸送層/発光層/電子輸送層)/陰極/封止用接着剤/封止部材が積層された構成、
(iii)樹脂基材上に、透明陽極/有機機能層ユニット(正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層)/陰極/封止用接着剤/封止部材が積層された構成、
(iv)樹脂基材上に、透明陽極/有機機能層ユニット(正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層)/陰極/封止用接着剤/封止部材が積層された構成、
(v)樹脂基材上に、透明陽極/有機機能層ユニット(陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層)/陰極/封止用接着剤/封止部材が積層された構成、
等を挙げることができる。
次いで、有機EL素子の各構成要素について説明する。
(樹脂基材)
本発明に係る有機EL素子に適用する樹脂基材は、フレキシビリティーを有する折り曲げ可能なフレキシブル樹脂基材であることが好ましい。
本発明に適用可能な樹脂基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(略称:TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(略称:CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート(略称:PC)、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(略称:PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)及びアペル(商品名三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂等の樹脂材料により形成されている基材を挙げることができる。
これら樹脂基材のうち、コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)、ポリカーボネート(略称:PC)等のフィルムがフレキシブルな樹脂基材として好ましく用いられる。
本発明において、樹脂基材の厚さとしては、3〜200μmの範囲内とすることができ、好ましくは、10〜100μmの範囲内であり、より好ましくは20〜50μmの範囲内である。
本発明に係る樹脂基材は、有機EL素子の封止部材(透明基材)としても好適に用いることもできる。また、上記の樹脂基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に適用可能な樹脂基材は、従来公知の一般的な製膜方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の樹脂基材を製造することができる。また、未延伸の樹脂基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、樹脂基材の搬送方向(縦軸方向、MD方向)、又は樹脂基材の搬送方向と直角の方向(横軸方向、TD方向)に延伸することにより、延伸樹脂基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、樹脂基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍の範囲内であることが好ましい。
(陽極:透明陽極)
本発明に係る有機EL素子を構成する陽極としては、Ag、Au等の金属又は金属を主成分とする合金、CuI、あるいはインジウム−スズの複合酸化物(略称:ITO)、SnO及びZnO等の金属酸化物を挙げることができるが、金属又は金属を主成分とする合金であることが好ましく、更に好ましくは、銀又は銀を主成分とする合金である。
透明陽極を、銀を主成分として構成する場合、銀の純度としては、99%以上であることが好ましい。また、銀の安定性を確保するためにパラジウム(Pd)、銅(Cu)及び金(Au)等が添加されていてもよい。
透明陽極は銀を主成分として構成されている層であるが、具体的には、銀単独で形成しても、あるいは銀(Ag)を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀−マグネシウム(Ag−Mg)、銀−銅(Ag−Cu)、銀−パラジウム(Ag−Pd)、銀−パラジウム−銅(Ag−Pd−Cu)、銀−インジウム(Ag−In)などが挙げられる。
上記陽極を構成する各構成材料の中でも、本発明に係る有機EL素子を構成する陽極としては、銀を主成分として構成し、厚さが2〜20nmの範囲内にある透明陽極であることが好ましいが、更に好ましくは厚さが4〜12nmの範囲内である。厚さが20nm以下であれば、透明陽極の吸収成分及び反射成分が低く抑えられ、高い光透過率が維持されるため好ましい。
本発明でいう「銀を主成分として構成されている層」とは、透明陽極中の銀の含有量が60質量%以上であることをいい、好ましくは銀の含有量が80質量%以上であり、より好ましくは銀の含有量が90質量%以上であり、特に好ましくは銀の含有量が98質量%以上である。また、本発明に係る透明陽極でいう「透明」とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
本発明に係る透明陽極においては、銀を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。
また、本発明においては、陽極が、銀を主成分として構成する透明陽極である場合には、形成する透明陽極の銀膜の均一性を高める観点から、その下部に、下地層を設けることが好ましい。下地層としては、特に制限はないが、窒素原子又は硫黄原子を有する有機化合物を含有する層であることが好ましく、当該下地層上に、透明陽極を形成する方法が好ましい態様である。
一般に、透明導電膜の形成方法としては、例えば、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられるが、本発明の有機EL素子の製造方法においては、本発明に係る透明陽極を蒸着法により形成することを特徴とする。
蒸着法としては、主には、真空蒸着法が用いられ、真空蒸着装置内の蒸着用の抵抗加熱ボートに、透明陽極の構成材料である銀や、必要に応じてその他の合金を充填する。この蒸着用の抵抗加熱ボートは、モリブデン製又はタングステン製材料で作製されたものが用いられている。透明陽極形成時には、真空蒸着装置内の真空度を、例えば、1×10−2〜1×10−6Paの範囲内まで減圧した後、銀等の透明陽極形成用材料の入った上記蒸着用の抵抗加熱ボートに通電して加熱し、所定の蒸着速度(nm/秒)で、樹脂基材上あるいは下地層上に、銀薄膜を蒸着して、厚さ2〜20nmの範囲内にある透明陽極を形成する。
(有機機能層ユニット)
次いで、有機機能層ユニットを構成する各層について、電荷注入層、発光層、正孔輸送層、電子輸送層及び阻止層の順に説明する。
〈電荷注入層〉
本発明に係る電荷注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層の間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)にその詳細が記載されており、正孔注入層と電子注入層とがある。
電荷注入層としては、一般には、正孔注入層であれば、陽極と発光層又は正孔輸送層との間、電子注入層であれば陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させることができるが、本発明においては、透明電極に隣接して電荷注入層を配置させることを特徴とする。また、中間電極で用いられる場合は、隣接する電子注入層及び正孔注入層の少なくとも一方が、本発明の要件を満たしていれば良い。
本発明に係る正孔注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、透明電極である陽極に隣接して配置される層であり、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
正孔注入層は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、正孔注入層に用いられる材料としては、例えば、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、イソインドール誘導体、アントラセンやナフタレン等のアセン系誘導体、フルオレン誘導体、フルオレノン誘導体、及びポリビニルカルバゾール、芳香族アミンを主鎖又は側鎖に導入した高分子材料又はオリゴマー、ポリシラン、導電性ポリマー又はオリゴマー(例えば、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン):PSS(ポリスチレンスルホン酸)、アニリン系共重合体、ポリアニリン、ポリチオフェン等)等が挙げられる。
トリアリールアミン誘導体としては、α−NPD(4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル)に代表されるベンジジン型や、MTDATA(4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン)に代表されるスターバースト型、トリアリールアミン連結コア部にフルオレンやアントラセンを有する化合物等が挙げられる。
また、特表2003−519432号公報や特開2006−135145号公報等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体も同様に正孔輸送材料として用いることができる。
電子注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、陰極と発光層との間に設けられる層のことであり、陰極が本発明に係る透明電極で構成されている場合には、当該透明電極に隣接して設けられ、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。
電子注入層は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、電子注入層に好ましく用いられる材料の具体例としては、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等に代表されるアルカリ金属化合物、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等に代表されるアルカリ金属ハライド層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物層、酸化モリブデン、酸化アルミニウム等に代表される金属酸化物、リチウム8−ヒドロキシキノレート(Liq)等に代表される金属錯体等が挙げられる。また、本発明における透明電極が陰極の場合は、金属錯体等の有機材料が特に好適に用いられる。電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、構成材料にもよるが、その層厚は1nm〜10μmの範囲が好ましい。
〈発光層〉
本発明に係る有機EL素子の有機機能層ユニットを構成する発光層は、発光材料としてリン光発光化合物が含有されている構成が好ましい。
この発光層は、電極又は電子輸送層から注入された電子と、正孔輸送層から注入された正孔とが再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接する層との界面であってもよい。
このような発光層としては、含まれる発光材料が発光要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。また、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。この場合、各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の厚さの総和は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1〜30nmの範囲内がさらに好ましい。なお、発光層の厚さの総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
本発明においては、二つ以上の発光層ユニットを積層した構成であることを特徴の一つとするが、個々の発光層の厚さとしては、それぞれ1〜50nmの範囲内に調整することが好ましく、さらに好ましくは1〜20nmの範囲内に調整することがより好ましい。積層された複数の発光層が、青、緑及び赤のそれぞれの発光色に対応する場合は、青、緑及び赤の各発光層の厚さの関係について特に制限されない。
以上のような発光層は、後述する発光材料やホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)及びインクジェット法等の公知の方法により形成することができる。
また発光層は、複数の発光材料を混合してもよく、リン光発光材料と蛍光発光材料(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)とを同一発光層中に混合して用いてもよい。発光層の構成としては、ホスト化合物(発光ホスト等ともいう)及び発光材料(発光ドーパント化合物ともいう。)を含有し、発光材料より発光させることが好ましい。
〈ホスト化合物〉
発光層に含有されるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物が好ましい。さらにリン光量子収率が0.01未満であることが好ましい。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での体積比が50%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、あるいは、複数種のホスト化合物を用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機電界発光素子を高効率化することができる。また、後述する発光材料を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
発光層に用いられるホスト化合物としては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
本発明に適用可能なホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報、米国特許公開第2003/0175553号明細書、米国特許公開第2006/0280965号明細書、米国特許公開第2005/0112407号明細書、米国特許公開第2009/0017330号明細書、米国特許公開第2009/0030202号明細書、米国特許公開第2005/238919号明細書、国際公開第2001/039234号、国際公開第2009/021126号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2004/093207号、国際公開第2005/089025号、国際公開第2007/063796号、国際公開第2007/063754号、国際公開第2004/107822号、国際公開第2005/030900号、国際公開第2006/114966号、国際公開第2009/086028号、国際公開第2009/003898号、国際公開第2012/023947号、特開2008−074939号公報、特開2007−254297号公報、欧州特許第2034538号明細書等に記載されている化合物を挙げることができる。
〈発光材料〉
本発明で用いることのできる発光材料としては、リン光発光性化合物(リン光性化合物、リン光発光材料又はリン光発光ドーパントともいう。)及び蛍光発光性化合物(蛍光性化合物又は蛍光発光材料ともいう。)が挙げられる。
〈リン光発光性化合物〉
リン光発光性化合物とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は、種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明においてリン光発光性化合物を用いる場合、任意の溶媒のいずれかにおいて、上記リン光量子収率として0.01以上が達成されればよい。
リン光発光性化合物は、一般的な有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)又は希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、少なくとも一つの発光層が、二種以上のリン光発光性化合物が含有されていてもよく、発光層におけるリン光発光性化合物の濃度比が発光層の厚さ方向で変化している態様であってもよい。
本発明に使用できる公知のリン光発光性化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物等が挙げられる。
Nature 395,151(1998)、Appl.Phys.Lett.78,1622(2001)、Adv.Mater.19,739(2007)、Chem.Mater.17,3532(2005)、Adv.Mater.17,1059(2005)、国際公開第2009/100991号、国際公開第2008/101842号、国際公開第2003/040257号、米国特許公開第2006/835469号明細書、米国特許公開第2006/0202194号明細書、米国特許公開第2007/0087321号明細書、米国特許公開第2005/0244673号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。
また、Inorg.Chem.40,1704(2001)、Chem.Mater.16,2480(2004)、Adv.Mater.16,2003(2004)、Angew.Chem.lnt.Ed.2006,45,7800、Appl.Phys.Lett.86,153505(2005)、Chem.Lett.34,592(2005)、Chem.Commun.2906(2005)、Inorg.Chem.42,1248(2003)、国際公開第2009/050290号、国際公開第2002/015645号、国際公開第2009/000673号、米国特許公開第2002/0034656号明細書、米国特許第7332232号明細書、米国特許公開第2009/0108737号明細書、米国特許公開第2009/0039776号、米国特許第6921915号、米国特許第6687266号明細書、米国特許公開第2007/0190359号明細書、米国特許公開第2006/0008670号明細書、米国特許公開第2009/0165846号明細書、米国特許公開第2008/0015355号明細書、米国特許第7250226号明細書、米国特許第7396598号明細書、米国特許公開第2006/0263635号明細書、米国特許公開第2003/0138657号明細書、米国特許公開第2003/0152802号明細書、米国特許第7090928号明細書等に記載の化合物を挙げることができる。
本発明においては、好ましいリン光発光性化合物としてはIrを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。さらに好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含む錯体が好ましい。
上記説明したリン光発光性化合物(リン光発光性金属錯体ともいう)は、例えば、Organic Letter誌、vol3、No.16、2579〜2581頁(2001)、Inorganic Chemistry,第30巻、第8号、1685〜1687頁(1991年)、J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第40巻、第7号、1704〜1711頁(2001年)、Inorganic Chemistry,第41巻、第12号、3055〜3066頁(2002年)、New Journal of Chemistry.,第26巻、1171頁(2002年)、European Journal of Organic Chemistry,第4巻、695〜709頁(2004年)、さらにこれらの文献中に記載されている参考文献等に開示されている方法を適用することにより合成することができる。
〈蛍光発光性化合物〉
蛍光発光性化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
〈正孔輸送層〉
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層及び電子阻止層も正孔輸送層の機能を有する。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー及びチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物を用いることができ、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法(ラングミュア・ブロジェット、Langmuir Blodgett法)等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲である。この正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよい。
また、正孔輸送層の材料に不純物をドープすることにより、p性を高くすることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報及びJ.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
このように、正孔輸送層のp性を高くすると、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
〈電子輸送層〉
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料から構成され、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層構造又は複数層の積層構造として設けることができる。
単層構造の電子輸送層及び積層構造の電子輸送層において、発光層に隣接する層部分を構成する電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、カソードより注入された電子を発光層に伝達する機能を有していれば良い。このような材料としては、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン、アントロン誘導体及びオキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
電子輸送層は、上記材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法及びLB法等の公知の方法により、薄膜化することで形成することができる。電子輸送層の層厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmの範囲内である。電子輸送層は上記材料の一種又は二種以上からなる単一構造であってもよい。
〈阻止層〉
阻止層としては、正孔阻止層及び電子阻止層が挙げられ、上記説明した有機機能層ユニット3の各構成層の他に、必要に応じて設けられる層である。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層等を挙げることができる。
正孔阻止層とは、広い意味では、電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、電子輸送層の構成を必要に応じて、正孔阻止層として用いることができる。正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
一方、電子阻止層とは、広い意味では、正孔輸送層の機能を有する。電子阻止層は、正孔を輸送する機能を有しつつ、電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に適用する正孔阻止層の層厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲であり、さらに好ましくは5〜30nmの範囲である。
(陰極:第2電極)
陰極(第2電極)は、第2有機機能層ユニット又は第3有機機能層ユニットに正孔を供給するために機能する電極膜であり、金属、合金、有機又は無機の導電性化合物若しくはこれらの混合物が用いられる。具体的には、金、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO及びSnO等の酸化物半導体などが挙げられる。
第2電極は、これらの導電性材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させて作製することができる。また、第2電極としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましく、膜厚は通常5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、有機EL素子が、第2電極からも発光光Lを取り出す、両面発光型の場合には、光透過性の良好な第2電極を選択して構成すればよい。
(封止部材)
本発明に係る有機EL素子を封止するのに用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と、第2電極6及び透明基板1とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されていればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また透明性及び電気絶縁性は特に限定されない。
具体的には、フレキシブル性を備えた材料を用いることができ、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等をポリマーフィルムを挙げることができる。
封止部材として使用することができるポリマーフィルムには、さらにJIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm(1atmは、1.01325×10Paである)以下であって、温度25±0.5℃、相対湿度90±2%RHにおける水蒸気透過度が、1×10−3g/m・24h以下であることが好ましい。
また、有機機能層ユニットを挟み、透明基板と対向する側の第2電極の外側に、第2電極と有機機能層ユニットを被覆し、透明基板と接する形で無機物又は有機物の層を形成して封止膜とすることも好適にできる。この場合、封止膜を形成する材料としては、有機EL素子を劣化させる水分や酸素等の浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素及び窒化ケイ素等を用いることができる。さらに、封止膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる有機層の積層構造をもたせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法及びコーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙を真空とすることや、間隙に吸湿性化合物を封入することもできる。
〔色差形成層ユニット〕
本発明に係る有機EL素子においては、有機EL素子の発光面側に、光拡散層と、当該光拡散層上に視野角に応じて異なる色が観察されるように光拡散層からの光の色を変化させてそれらを放出する色差形成層より構成される色差形成層ユニットを設けることが好ましい態様である。
有機EL素子の発光面側に色差形成層ユニットを設けることにより、有機EL素子とマスク部材により形成される発光図柄Bが、観察者が観察する角度(以下、視野角ともいう。)により、様々な色調に変化する特性を有する発光図柄Bを得ることができる。
上記色差形成層は、薄膜による干渉、多層膜による干渉、回折による干渉、微細溝による干渉、微細突起による干渉、および、微粒子による散乱のうちの少なくとも1つの作用を利用して、視野角に応じて異なる色が観察されるように上記光拡散層からの光の色を変化させる。色差形成層は、ホログラムシートまたは誘電体多層膜から形成されることが好ましい態様である。
(光拡散層)
光拡散層は、有機EL素子の発光面上に設けられる。光拡散層は、光拡散層を通過する光を拡散させる機能を有する。光拡散層を通過する前の光と、光拡散層を通過した後の光とを比較した場合、光拡散層を通過した後の光の配光特性は、配光特性の角度ごとの光量差が小さくなるように変化する。
有機EL素子は、空気よりも屈折率の高い層(屈折率1.6〜2.1程度の範囲内)の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(樹脂基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と樹脂基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として、光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手段として、本発明に係る有機EL素子では、有機EL素子上に、光拡散層を設ける。この光拡散層を有するフィルムは、光取出しフィルムともいわれ、この光取出しフィルムはアウトカップリングフィルム(OCF)ともいう。
光取出し方法としては、例えば、フィルム基板表面に凹凸を形成し、樹脂基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(例えば、米国特許第4774435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(例えば、特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(例えば、特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(例えば、特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(例えば、特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)、基板と発光体の間に有機層あるいは基板よりも高屈折率の散乱層を設ける方法などが挙げられる。
本発明に係る有機EL素子においては、OCF(アウトカップリングフィルム)としては、例えば、フィルム上の光取出し側に、マイクロレンズ状の構造を多数設けたマイクロレンズフィルム、レンチキュラーフィルム、光散乱性の微粒子を含む光散乱性フィルム、表面をランダムな凹凸に処理した拡散フィルム、内部屈折率分布型フィルム、回折格子層を含む光拡散フィルムを挙げることができ、例えば、特許第2822983号公報、特開2001−33783号公報、特開2001−56461号公報、特開平6−18706号公報、特開平10−20103号公報、特開平11−160505号公報、特開平11−305010号公報、特開平11−326608号公報、特開2000−121809号公報、特開2000−180611号公報及び特開2000−338310号公報等に記載のフィルムを挙げることができる。特に、安価、かつ大量生産可能な微粒子を混入させた光散乱性フィルムを用いることが好ましい。
(色差形成層)
色差形成層は、光拡散層上に設けられる。色差形成層と有機EL素子との間に、光拡散層が位置している。色差形成層は、色差形成層ユニットと、色差形成層ユニットの片側の表面を覆うように設けられた粘着剤とを含む。粘着剤は、色差形成層ユニットと光拡散層とを接着する。粘着剤は、必須の構成ではないため、必要に応じて用いられるとよい。
色差形成層(色差形成層ユニット)は、視野角に応じて異なる色が観察されるように、光拡散層からの光の色を変化させてそれらを表面から放出する。色差形成層が有するこのような機能は、たとえば、構造色の原理によって実現されることができる。例示すると、薄膜による干渉、多層膜による干渉、回折による干渉、微細溝による干渉、微細突起による干渉、および、微粒子による散乱のうちの少なくとも1つの作用を利用することによって、上記の色差形成層の機能は実現されることができる。
色差形成層には、色差形成層ユニットのようないわゆるホログラムシートの代わりに、誘電体多層膜を用いてもよい。誘電体多層膜を用いる場合には、複数の層ごとの膜厚の組み合わせや、複数の層ごとの膜質の組み合わせにより、光の干渉の仕方を変化させることができる。すなわち誘電体多層膜は、多層膜による干渉の作用を利用して、視野角に応じて異なる色が観察されるように光拡散層からの光の色を変化させてそれらを表面から放出することができる。
以上の説明においては、色差形成層ユニットは、有機EL素子の発光面側に設置する態様で説明したが、必要に応じて、例えば、表面保護シート(6)や装飾シート(5)の表面側や裏面側に配置することもできる。
〔有機EL素子の構成〕
(単一の有機機能層ユニットより構成される有機EL素子)
図8に、単一の有機機能層ユニットを有する有機EL素子の構成の一例を示す概略断面図である。
図8に示す有機EL素子(200)は、透明基板(101)上に、透明電極として第1電極(102、陽極)、単一の有機機能層ユニット(103)、対向電極である第2電極(106、陰極)が順次積層して構成されている。
単一の有機機能層ユニット(103)では、例えば、正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層より構成され、発光層中に、青色発光燐光性化合物、緑色発光燐光性化合物、赤色発光燐光性化合物と、ホスト化合物が含有され、第1電極(102、陽極)と第2電極(106、陰極)間に電圧を印加することにより、白色発光する。
図9に示す有機EL素子(201)においては、上記図8で説明したのと同様に有機EL素子(201)の光取出し側(L方向)表面に、視野角の違いにより発光色の色調を変化させるための機能を備えた光拡散層(107)と色差形成層(108)から構成される色差形成層ユニットを有している。
〔タンデム型有機EL素子〕
図10に、タンデム型の有機EL素子の構成の一例を示す概略断面図である。
図10に示す有機EL素子(400)は、透明基板(101)上に、透明電極として第1電極(102、陽極)、第1有機機能層ユニット(103A)、第2有機機能層ユニット(103B)、第3有機機能層ユニット(103C)、対向電極である第2電極(106、陰極)が順次積層して構成されている。例えば、第1有機機能層ユニット(103A)が赤色発光、第2有機機能層ユニット(103B)を緑色発光、第3有機機能層ユニット(103C)を青色発光とした場合、第1電極(102、陽極)と第2電極(106、陰極)間に電圧を印加することにより、白色発光する。
図10に示す有機EL素子(400)においても、上記図9で説明したのと同様に視野角の違いにより発光色の色調を変化させるための機能を備えた光拡散層(107)と色差形成層(108)から構成される色差形成層ユニットを設けることができる。
〔発光パターンの形成方法〕
本発明に係る有機EL素子においては、図柄Bとしての発光パターンを形成する方法として、上記説明したマスク部材を用いる方法のほかに、有機EL素子に、発光部及び非発光部を形成して、発光パターンである図柄Bを形成する方法も用いることができる。
以下、有機EL素子において、非発光領域と発光領域の形成方法について説明する。
有機EL素子に対する光照射処理方法としては、特に制限はないが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、又は電子輸送層を形成した後に光照射を行う方法、あるいは、上記封止処理を施した有機EL素子に光照射を行って発光エリアのパターニングを行う方法のいずれであってもよいが、後者の方法が、封止済みの有機EL素子を大気に曝した状態で光照射を行うことができるため、光照射工程の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる観点から好ましい。
本発明において、その光照射方法としては、有機機能層ユニットの所定のパターン領域に光照射することにより、当該照射部分を非発光領域とすることができる方法であれば、特定のパターン形成方法に限定されるものではないが、好ましくは、所望の発光形状からなるフォトマスク部材を介して、光照射して、発光領域と非発光領域とを形成する図柄Bを形成する方法が好ましい。
光照射工程において照射する光としては、少なくとも紫外線を含有し、更には可視光又は赤外線を有していてもよい。本発明に適用可能な光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水素(重水素)ランプ、希ガス(キセノン、アルゴン、ヘリウム、ネオンなど)放電ランプ、窒素レーザー、エキシマレーザー(XeCl、XeF、KrF、KrClなど)、水素レーザー、ハロゲンレーザー、各種可視(LD)−赤外レーザーの高調波(YAGレーザーのTHG(Third Harmonic Generation)光など)等が挙げられる。
〔裏面保護シート〕
本発明に適用可能な裏面保護シートとしては、上記説明した表面保護シートと同様の材料から構成されるシート状の基材を挙げることができる。ただし、裏面保護シートとしては、必ずしも光透過性である必要はない。
また、裏面保護シートの厚さとしては、50μm〜5mmの範囲内で選択することが好ましい。本発明の有機ELパネルモジュールの好ましい態様である総膜厚が、0.3〜3.0mmの範囲内を満たし、かつフレキシブル性を重視する場合には、50〜500μmの範囲内であることが好ましい。一方、有機ELパネルモジュールとしての自立性を確保する場合には、0.5〜5mmの範囲の材料を選択することもできる。
《封止構造の形成》
最後に、上記各構成部材から構成される有機ELパネルモジュールの封止体の形成方法について説明する。
図11A及び図11Bは、有機ELパネルモジュールの封止した構成の一例を示す概略断面図である。
図11Aで示す封止体では、前述の実施態様2(図4)の構成の有機ELパネルモジュール(1)の両端部を封止した状態を示してある。このような封止方法としては、比較的薄膜の表面保護シート(6)と裏面保護シート(2)を用いて、ラミネートより、あるいは接着層を介して封止する。このような封止方法は、薄膜でフレキシブル性の高い有機ELパネルモジュールの封止に適用される。
図11Bでは、有機ELパネルモジュールの自立性を確保するため、例えば、裏面保護シート(2)を厚膜の基材で構成し、このフラットな裏面保護シート(2)面上に、薄膜の表面保護シート(6)を、ラミネート法あるいは接着層を介して接着封止する方法も用いることができる。
本発明によれば、高い表面反射率を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光の有無により異なる鮮明な図柄を表示できる有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールを提供することができ、フレキシブル性が要求されるカード類、チケット類、室内あるいは屋外の展示物、壁面や車体面の装飾等、様々なシチュエーションに応じて、適切な複数の図柄を表示することができるマルチな有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールを提供する。
1 有機ELパネルモジュール
2 裏面保護部材
3、200、201、400 有機EL素子
4 マスク部材
5 装飾シート
6 表面保護シート
8 色差形成層
101 透明基板
102 第1電極
103 有機機能層ユニット
103A 第1有機機能層ユニット
103B 第2有機機能層ユニット
103C 第3有機機能層ユニット
106 第2電極
107 光拡散層
108 色差形成層
HM ハーフミラー
h 発光点
L 発光光
L1 照明光
L2 発光図柄

Claims (6)

  1. 鑑賞側より、表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材を配置して構成される面状の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュールであって、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光時と非発光時で異なる図柄を表示し、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の非発光時の、波長550nmの外光の平均反射率が50%以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
  2. 前記装飾シートと有機エレクトロルミネッセンス素子との間に、ハーフミラーを有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
  3. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子上に、視野角により色調が変化する色差形成層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
  4. 前記装飾シートと、前記有機エレクトロルミネッセンス素子との間に、マスク部材を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
  5. 前記表面保護シート、装飾シート、有機エレクトロルミネッセンス素子及び裏面保護部材が、いずれもフレキシブル性を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
  6. 総膜厚が、0.3〜3.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルモジュール。
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