JPWO2016143309A1 - ピーク抑制回路、ピーク抑制方法および直交周波数分割多重方式変調器 - Google Patents

ピーク抑制回路、ピーク抑制方法および直交周波数分割多重方式変調器 Download PDF

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Abstract

トーンリザベーション処理において、リザーブド・トーンの周波数成分を規定値に抑えた上で、データ信号列のPAPR抑制量を最大化するため、あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力して、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしにデータ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力するトーンリザベーション実行部と、ピーク抑制後のデータ信号列と、ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力して、周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力するリザーブド・トーン抑制部と、を備える。

Description

本発明は、ピーク抑制回路、ピーク抑制方法および直交周波数分割多重方式変調器に関する。
携帯電話や無線LAN(Local Area Network)や地上デジタル放送など、近年の無線通信に用いられているデジタル変調方式は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)などの変調フォーマットが採用されている。このような変調フォーマットでは、一般に、シンボル間の遷移時に信号の軌跡が振幅変調を伴い、マイクロ波帯のキャリア信号に重畳された高周波変調信号では、時間とともに信号の振幅(包絡線)が変化する。
高周波変調信号のピーク電力と平均電力の比であるPAPR(Peak-to-Average Power Ratio)が大きい信号を増幅する場合は、高い線形性を確保するために、ピーク電力に対しても波形が歪まないように電源から十分に大きな電力を増幅器に供給する必要がある。言い換えると、増幅器を電源電圧で制限される飽和電力よりも十分低い電力領域で余裕(バックオフ)をもたせて動作させる必要がある。一般に、A級やB級動作させた線形増幅器では、その飽和出力電力付近で電力効率が最大になるので、バックオフが大きい領域で動作させると平均的な効率は低くなる。
直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)の無線信号のPAPRを抑制する方法としては、CFR(Crest Factor Reduction)が知られており、非特許文献1における記載など、様々なアルゴリズムが提案されている。CFRにはSLM(Selected Mapping)やACE(Active Constellation Extension)やTR(Tone Reservation)など様々な方式が存在している。海外の地上デジタル放送規格であるDVB-T2においては、TRが標準化に組み込まれており、さらにETSI(European Telecommunication Standards Institute)のガイドラインにおいて、非特許文献2にアルゴリズムの実装方式が記されている。ETSIに記載のアルゴリズムは、非特許文献3に記載のGBA(Gradian Based Algorithm)をベースとしている。
しかし、GBAの欠点としては、反復回数の増加に伴い、リザーブド・トーン(reserved tone:予約されたトーン)の値が増加することが挙げられる。TR後のリザーブド・トーンの値には上限がある。例えば、地上デジタル放送の変調規格DVB−T2(Digital Video Broadcasting-Terrestrial 2)においては、非特許文献4に記載される通り、リザーブド・トーンのパワーがリザーブド・トーン以外のサブキャリアのパワーと比べて10倍以内に抑えるように制限されている。よって、ETSIに記載のアルゴリズムをそのまま適用した場合、規格を満たさなくなるケースがある。この問題に対して、ETSI記載のガイドラインでは、GBAを改良したアルゴリズムが提案されている。このアルゴリズムは、基本的にはGBAをベースとしており、データ信号列の更新が行われている。ただし、振幅スケーリング値の決定方法が異なっており、データ信号列の値を更新する度に、対応するリザーブド・トーンの値を更新した上で、その値はカーネル信号列の振幅スケーリング値の決定に反映される。このアルゴリズムの手順によって反復演算を実行することにより、リザーブド・トーンの値を規定値以下に抑えたまま、PAPRの抑制が実現される。
Fa-Long Luo, Digital Front-End in Wireless Communication and Broadcasting, Cambridge University Press, 2011. ETSI; "Digital Video Broadcasting (DVB); Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2)," ETSI EN 302 755 v1.2.0c, 2012. Tellado-Mourelo, J.; "Peak to Average Power Reduction for Multicarrier Modulation," PhD thesis, Stanford University, Sept. 1999. ETSI; "Digital Video Broadcasting (DVB); Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital terrestrial television broadcasting system (DVB-T2)," ETSI TS 102 831 v1.2.1, 2012.
しかしながら、上述のETSI提案の方式では、反復途中でリザーブド・トーンを保持するキャッシュ(NTR個のデータ列)の値が1つでも規定値に達してしまった場合、それ以降の反復において、振幅スケーリング値がゼロ(“0”)となってしまう。これにより、以降の反復は実質的には行われなくなってしまい、十分な反復が実行できず、その結果、データ信号列の十分なPAPR抑制量が得られないという欠点があった。
本発明は、上述の課題を解決する技術を提供することを主な目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の1態様に係るピーク抑制回路は、
あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力して、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしに前記データ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力するトーンリザベーション実行手段と、
前記ピーク抑制後のデータ信号列と、前記ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力して、前記周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、前記ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力するリザーブド・トーン抑制手段と、
を備える。
上記目的を達成するため、本発明の他の態様に係る直交周波数分割多重方式変調器は、上記ピーク抑制回路を備える。
上記目的を達成するため、本発明の更に他の態様に係るピーク抑制方法は、
あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力として、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしに前記データ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力し、
前記ピーク抑制後のデータ信号列と、前記ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力として、前記周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、前記ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力する。
本発明の上記態様によれば、トーンリザベーション処理において、リザーブド・トーンの周波数成分を規定値に抑えた上で、データ信号列のPAPR抑制量を最大化することができる。そのため、本発明を無線送信機に適用することにより、電力効率が高い送信機を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るピーク抑制回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るピーク抑制回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るシフト・スケーリング部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るトーン処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るピーク抑制回路を使用するOFDM変調器の構成を示すブロック図である。 前提技術のGBA(Gradian Based Algorithm)の構成を示す図である。 前提技術のTR(Tone Reservation)の構成を示す図である。 前提技術のシフト・スケーリング部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るピーク抑制回路の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るトーンリザベーション処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るリザーブド・トーン抑制処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係るピーク抑制回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係るピーク抑制回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態に係るピーク抑制回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態に係るスケーリング部の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、明細書中の記号と数式中の記号との下付きや上付きに相違がある箇所は、基本的に数式中の記号に合わせるものとする。なお、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としてのピーク抑制回路100について、図1を用いて説明する。ピーク抑制回路100は、OFDMにおいてピークを抑制する回路である。
図1に示すように、ピーク抑制回路100は、トーンリザベーション実行部101と、リザーブド・トーン抑制部102と、を含む。トーンリザベーション実行部101は、あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列pnと、直交周波数分割多重方式のデータ信号列xnとを入力して、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしにデータ信号列xnに対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列x'nを出力する。リザーブド・トーン抑制部102には、ピーク抑制後のデータ信号列x'nと、ピーク抑制後のデータ信号列x'nに対応するリザーブド・トーンの周波数成分rkとが入力される。リザーブド・トーン抑制部102は、周波数成分rkから生成した、規定値102aを超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、ピーク抑制後のデータ信号列x'nから減算する。このようにしてリザーブド・トーン抑制部102は、リザーブド・トーンが規定値102a以内に収まったデータ信号列ynを出力する。
本実施形態によれば、更新されるリザーブド・トーンに対する抑制なしにトーンリザベーションを実行して、リザーブド・トーンの周波数成分を用いてリザーブド・トーンが規定値以内に収まるように処理する。したがって、トーンリザベーションにおいてリザーブド・トーンの周波数成分を規定値に抑えた上で、データ信号列のPAPR抑制量を最大化することができる。そのため、本発明を無線送信機に適用することにより、電力効率が高い送信機を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るピーク抑制回路について説明する。本実施形態に係るピーク抑制回路は、ETSI提案の方式であるGBAを改良したアルゴリズムに修正を加え、トーンリザベーションにおけるリザーブド・トーンの周波数成分を用いて、リザーブド・トーンが規定値以内に収まるような処理を追加する。
《前提技術》
まず、本実施形態について説明する前に、その前提技術となるGBAの動作、および、ETSI記載のTRアルゴリズムの概要を説明する。ETSI記載のアルゴリズムは、非特許文献3のGBAをベースとしており、GBAの動作を説明する。
(GBAの概要)
図3は、前提技術のGBA300の構成を示す図である。GBAは、FFT(Fast Fourier Transform)/IFFT(Inverse FFT)1シンボルごとにピーク抑制が行われる。複素数の値を持つ1シンボル分のデータ信号列xn(0≦n≦NFFT−1、NFFTは1シンボルのデータ数)は、デジタルのデータ列を変調フォーマットに沿って変換して得られたサブキャリアを、IFFTにより時系列に変換して得られる。
一方、複素数の値を持つ1シンボル分のカーネル信号列pn(0≦n≦NFFT−1)の周波数成分は、規格によってあらかじめ定められたリザーブド・トーン(図中では、reserved tone)のアドレス全てに、1/NTR(NTRは、reserved toneの数)を代入して、それ以外の値をゼロ(“0”)と設定されている。複素数の値を持つ1シンボル分のカーネル信号列pn(0≦n≦NFFT−1)の周波数成分は、逆フーリエ変換によって、下記数式(1)の演算により時系列信号に変換される。
Figure 2016143309
ただし、nは時間に対応したアドレス、Slはリザーブド・トーン用に用意されたアドレスの集合、NTRはリザーブド・トーンの数、Kcはサブキャリアの中央のアドレスである。この演算によって得られたカーネル信号列は、アドレス“0”において振幅の最大ピーク値“1”を取る。
ピーク検出部301は、NFFT個の値を持つデータ信号列のうち、振幅値の最大を取るアドレスと、そのアドレスにおけるデータ値を検出して出力する。そのアドレスをm(1)とした時、信号xm(1)の振幅|xm(1)|が閾値Vclipを超えていた場合、下記の数式(2)〜(4)の通り、シフト・スケーリング部302で、時間シフト{(n−m(1)) mod NFFT}と振幅スケーリングα(1)と位相スケーリングu(1)とを行ったカーネル信号列α(1)(1)p(n-m(1)) mod NFFT)を出力する。減算部303において、データ信号列xnから減算することにより、アドレスm(1)での振幅ピークを抑制したデータ信号列xn(1)が得られる。
Figure 2016143309
Figure 2016143309
Figure 2016143309
この演算によって得られたデータ信号列xn(1)は、元のデータ信号列x_nからシフトとスケーリングされたカーネル信号列の減算によって得られるので、周波数成分はリザーブド・トーン以外変化しない特徴を持つ。
さらに、上記のピーク検出および抑制演算を、下記のとおり繰り返し行うことにより、i反復後にi個のピークが抑制されたデータ信号列xn(i)が得られて、PAPRの大幅な抑制が実現される。
Figure 2016143309
Figure 2016143309
Figure 2016143309
この反復演算は、反復回数iがあらかじめ定められた反復限界回数に達するまで実行されて、反復演算終了後に、PAPRが抑制された1シンボル分のデータ信号列が出力される。
ただ、GBAの欠点としては、反復回数の増加に伴い、リザーブド・トーンの値が増加することが挙げられる。TR後のリザーブド・トーンの値には上限があり、例えば、地上デジタル放送の変調規格DVB−T2においては、非特許文献4に記載される通り、リザーブド・トーンのパワーがリザーブド・トーン以外のサブキャリアのパワーと比べて10倍以内に抑えるように制限されている。よって、上記アルゴリズムをそのまま適用した場合、規格を満たさなくなるケースがある。
(TRアルゴリズムの概要)
この問題に対して、ETSI記載のガイドラインでは、GBAを改良したアルゴリズムが提案されている。このアルゴリズムは、基本的にはGBAをベースとしており、数式(5)および数式(7)に基づいて、データ信号列の更新が行われている。ただし、振幅スケーリング値α(i)の決定方法が数式(6)と異なっており、データ信号列の値を更新する度に、対応するリザーブド・トーンの値を更新した上で、その値はカーネル信号列の振幅スケーリング値α(i)の決定に反映される。以下にその動作説明を行う。
図4Aは、前提技術のTR400の構成を示す図である。
反復演算の初めに、1シンボル分のカーネル信号列はカーネルキャッシュ401に、1シンボル分のデータ信号列はシンボルキャッシュ402に蓄積される。リザーブド・トーン・キャッシュ(図中は、reserved toneキャッシュ)405には、データ信号列のリザーブド・トーンの周波数成分が蓄積されており、初期状態は全て“0”と設定されている。
シンボルキャッシュ402は、GBAの反復が実行されるごとに、各々更新されたデータ信号列が上書きされる。それに対応して、リザーブド・トーン・キャッシュ405の値は、シフト・スケーリング部404で反復に使用されたシフト量とスケーリング量とを元に、リザーブド・トーン更新演算部(図中は、reserved tone更新演算部)406で算出されたリザーブド・トーン成分の更新値を減算した上で、上書きされる。
以下、i反復目の演算の流れについて、詳細に説明する。
ピーク検出部403は、入力されたデータ信号列xn(i-1)のピーク値を取るアドレスm(i)とそのアドレスにおけるデータ値xm(i)(i-1)を算出して、シフト・スケーリング部404にその値を入力する。
シフト・スケーリング部404は、リザーブド・トーン・キャッシュ405の値rk(i-1)と、ピークを取るデータ信号列のアドレスm(i)とそのアドレスにおけるデータ値xm(i)(i-1)を元に、振幅スケーリング値α(i)と位相スケーリング値u(i)とを算出して出力する。同時に、シフト・スケーリング部404は、スケーリング値および時間シフト値をカーネルキャッシュ401から出力されたカーネル信号列pnに作用させた信号列α(i)(i)p((n-m(i)) mod NFFT)を算出して、ピーク抑制信号列として出力する。
さらに、シンボル減算部407は、数式(5)に従って、シンボルキャッシュ402から読み出されたデータ信号列から、シフト・スケーリング部404より出力された信号列α(i)(i)p((n-m(i)) mod NFFT)を減算して更新後のデータ信号列xn(i)を算出して出力する。
なお、位相スケーリング値u(i)に関しては数式(7)と同じ演算により算出される。
振幅スケーリング値α(i)は数式(6)とは異なり、反復後にリザーブド・トーンの値が規定値を超えないような値を算出する工夫を行う。具体的には以下の数式(8)〜(10)で算出されるスケーリング値α(i)を用いる。
Figure 2016143309
Figure 2016143309
Figure 2016143309
これらの演算により、データ信号列がxn(i-1)からxn(i)に更新されて、シンボルキャッシュ402に上書きされると同時に、ピーク検出部403の次の入力としてデータ信号列xn(i)が入力される。
リザーブド・トーン更新演算部406では、シフト・スケーリング部404の演算過程で振幅スケーリング値α(i)と位相スケーリング値u(i)とピークアドレスm(i)とが得られる。これらを元に、リザーブド・トーンの更新値α(i)vk(i)(vk(i)は、数式(8)の演算で算出される値である。リザーブド・トーン更新演算部406は、数式(8)の演算時に値を記憶しておき、再利用することも可能)を算出する。
リザーブド・トーン減算部408は、リザーブド・トーン・キャッシュ405の値から、リザーブド・トーン更新演算部406で得られた値を、数式(11)の通り減算することにより、リザーブド・トーン・キャッシュ405の値をrk(i-1)からrk(i)に更新する。
Figure 2016143309
このような手順によって反復演算を実行することにより、リザーブド・トーンの値を規定値以下に抑えたまま、PAPRの抑制が実現される。
(シフト・スケーリング部)
図4Bは、前提技術のシフト・スケーリング部404の構成を示すブロック図である。
シフト・スケーリング部404は、シンボル減算部407への規定値以内のピーク抑制のための減算値を生成する演算部441と、演算部441およびリザーブド・トーン更新演算部406が使用するスケーリング値を算出する演算部442と、を有する。
演算部441は、ピーク検出部403からのアドレス(m(i))に基づくシフト値{(n−m(1)) mod NFFT}と、カーネルキャッシュ401からのカーネル信号列(pn)と、演算部442からのスケーリング値(α(i)、u(i))とから、規定値以内のピーク抑制のための減算値(数式(5)参照)をピーク抑制信号列として算出する。そして、演算部441は、シンボル減算部407に減算値を出力する。
演算部442は、データ信号列xnの振幅を判定する閾値Vclipの記憶部442aを有する。演算部442は、リザーブド・トーン・キャッシュ405からのリザーブド・トーンの周波数成分(rk(i-1))やピーク検出部403からのアドレス(m(i))に基づき、数式(7)〜(10)に従って、スケーリング値(α(i)、u(i))を算出する。そして、演算部442は、演算部441およびリザーブド・トーン更新演算部406にスケーリング値(α(i)、u(i))を出力する。
ところで、上述のETSI提案のTR400の方式では、反復途中でリザーブド・トーンを保持するキャッシュ(NTR個のデータ列)の値が1つでも規定値に達してしまった場合、それ以降の反復において、振幅スケーリング値が“0”となってしまう。これにより、以降の反復は実質的には行われなくなってしまい、十分な反復が実行できず、その結果、データ信号列の十分なPAPR抑制量が得られない。
本実施形態は、かかる課題を解決して、トーンリザベーションにおいてリザーブド・トーンの周波数成分を規定値に抑えた上で、データ信号列のPAPR抑制量を最大化する、以下のようなピーク抑制回路およびピーク抑制回路を使用するOFDM変調器を提案する。
《本実施形態のピーク抑制回路の構成》
図2Aは、本実施形態に係るピーク抑制回路200の構成を示すブロック図である。
本実施形態のピーク抑制回路200は、トーンリザベーション実行部(図中は、Tone Reservation実行部)201とリザーブド・トーン抑制部(図中は、reserved Tone抑制部)202とを備える。
(トーンリザベーション実行部)
トーンリザベーション実行部201は、時系列のデータ信号列(xn)とリザーブド・トーンの周波数成分に値を持つ時系列のカーネル信号列(pn)とを入力として、トーンリザベーションを実行することにより、ピーク抑制後のデータ信号列(x'n)を出力する。この時、トーンリザベーション実行部201に入力されるカーネル信号列およびデータ信号列は、それぞれ前段のOFDM変調において逆フーリエ変換して得られた信号を直接用いるのではなく、それらを補間した信号を入力としてもよい。これは、本実施形態には限定されず、以降の実施形態においても、同様に適用される。
トーンリザベーション実行部201は、カーネルキャッシュ211と、シンボルキャッシュ212と、ピーク検出部213と、シフト・スケーリング部214と、リザーブド・トーン・キャッシュ215と、リザーブド・トーン更新演算部216と、シンボル減算部217と、リザーブド・トーン減算部218と、を備える。
反復演算の開始時点で、カーネル信号列の値はカーネルキャッシュ211に蓄積され、データ信号列の値はシンボルキャッシュ212に蓄積される。また、リザーブド・トーン・キャッシュ215には、データ信号列のリザーブド・トーンの周波数成分が蓄積されており、初期状態は全て“0”と設定されている。
以下,i反復目の動作について説明する。なお,記号の定義等に関しては、背景技術に記された定義を踏襲する。
ピーク検出部213は、入力されたデータ信号列xn(i-1)のピーク値を取るアドレスm(i)と、そのアドレスにおけるデータ値xm(i)(i-1)を算出して、シフト・スケーリング部214に出力する。
(シフト・スケーリング部)
シフト・スケーリング部214は、データ信号列のアドレスm(i)と、そのアドレスにおけるデータ値xm(i)(i-1)と、振幅スケーリング値α(i)と、位相スケーリング値u(i)とを算出して出力する。同時に、シフト・スケーリング部214は、カーネルキャッシュ211から読み出されたカーネル信号列pnに、時間シフト値とスケーリング値とを作用させた信号列α(i)(i)p((n-m(i)) mod NFFT)をピーク抑制信号列として出力する。なお、振幅スケーリング値α(i)に関しては数式(6)と、位相スケーリング値u(i)に関しては数式(7)と同じ演算により算出される。
すなわち、トーンリザベーション実行部201のシフト・スケーリング部214は、リザーブド・トーン・キャッシュ215に記憶されたリザーブド・トーンの値による抑制を受けない。したがって、反復途中でリザーブド・トーンを保持するキャッシュ(NTR個のデータ列)の値が規定値に達したとしても、それ以降の反復は継続され、その結果、データ信号列の十分なPAPR抑制量が得られる。
図2Bは、本実施形態に係るシフト・スケーリング部214の構成を示すブロック図である。
シフト・スケーリング部214は、シンボル減算部217へのリザーブド・トーンに応じた抑制なしにピーク抑制のための減算値を生成する演算部241と、演算部241およびリザーブド・トーン更新演算部216が使用するスケーリング値を算出する演算部242と、を有する。
演算部241には、ピーク検出部213からアドレス(m(i))に基づくシフト値{(n−m(1)) mod NFFT}が入力され、カーネルキャッシュ211からカーネル信号列(pn)が入力され、演算部242からスケーリング値(α(i)、u(i))が入力される。演算部241はこれらから、リザーブド・トーンに応じた抑制なしにピーク抑制のための減算値(数式(5)参照)をピーク抑制信号列として算出する。そして、演算部241は、シンボル減算部217に減算値を出力する。
演算部242は、データ信号列xnの振幅を判定する閾値Vclipの記憶部242aを有する。なお、閾値Vclipは外部から入力されてもよい。演算部242は、ピーク検出部213からのアドレス(m(i))に基づき、数式(6)および(7)に従って、スケーリング値(α(i)、u(i))を算出する。そして、演算部242は、演算部241およびリザーブド・トーン更新演算部216にスケーリング値(α(i)、u(i))を出力する。
なお、シフト・スケーリング部214のうち、時間シフトに関しては、カーネルキャッシュ211からデータの読み出しを開始するアドレスを調整することによって実現できる。この場合、ピーク検出部213から出力されるピークアドレスm(i)がカーネルキャッシュ211に入力されて、それに基づいて読み出し開始位置を調整する。具体的には、通常読み出し開始位置をアドレス“0”とするところを、{NFFT−m(i)}からスタートして逐次読み出しを行い、読み出しアドレスが{NFFT−1}に到達したら“0”に戻ってまた逐次読み出しを続ければ、時間シフトp((n-m(i)) mod NFFT)が実現される。こういった構成も本実施形態に含まれる。
シンボル減算部217は、シンボルキャッシュ212から読み出されたデータ信号列xn(i-1)から、シフト・スケーリング部214で時間シフトとスケーリングとを行ったカーネル信号列α(i)(i)p((n-m(i)) mod NFFT)を減算(数式(5)参照)することにより、データ信号列の更新(xn(i-1)⇒xn(i))を行う。
リザーブド・トーン更新演算部216は、シフト・スケーリング部214から出力される振幅スケーリング値α(i)と、位相スケーリング値u(i)と、ピークアドレスm(i)とを入力として、数式(8)の演算を行うことで、リザーブド・トーンの更新値列α(i)vk(i)を出力する。
リザーブド・トーン減算部218は、リザーブド・トーン・キャッシュ215から読み出されるリザーブド・トーンの値列rk(i-1)から、リザーブド・トーン更新演算部216から出力されるリザーブド・トーンの更新値列α(i)vk(i)を減算(数式(8)参照)することにより、リザーブド・トーンの値列をrk(i-1)からrk(i)に更新する。
更新されたデータ信号列xn(i)は、反復回数iが限界反復回数の場合、トーンリザベーション実行部201の出力信号として出力され、そうでない場合は、シンボルキャッシュ212に上書きされると同時に、ピーク検出部213に入力されて、次の反復演算が開始される。
(リザーブド・トーン抑制部)
リザーブド・トーン抑制部202は、トーン処理部(図中は、tone処理部)221と、IDFT部(逆フーリエ変換部)222と、減算部223と、を有する。
トーン処理部221は、ピーク抑制後のデータ信号列のリザーブド・トーンの周波数成分を入力として、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列を作成する。IDFT部222は、トーン処理部の出力である周波数データ列を逆フーリエ変換することにより、時系列データに変換する。減算部223は、ピーク抑制後のデータ信号列からIDFT部222の出力信号を減算して出力する。
(トーン処理部)
図2Cは、本実施形態に係るトーン処理部221の構成を示すブロック図である。
トーン処理部221の具体的な処理方法の例としては、ある規定値Amaxを超えた分だけクリップして抽出する方法がある。トーン処理部221は、ピーク抑制後のデータ信号列をxnのリザーブド・トーンの周波数成分をrk(kは、リザーブド・トーン周波数に対応したアドレス)を取得し、リザーブド・トーン周波数の値wkを以下の数式(12)により算出する。
Figure 2016143309
この値wkを、IDFT部222で、数式(13)により時系列データcnに変換した上で、減算部223で、数式(14)のように、ピーク抑制後のデータ信号列xnから減算することにより、リザーブド・トーンの値が規定値以内に収まった、ピーク抑制後のデータ信号列ynが得られる。
Figure 2016143309
Figure 2016143309
なお、トーン処理部221の処理方法に関しては、数式(12)に限定されず、以下の数式(15)および(16)のように、スケーリング値を適正に選ぶことで、リザーブド・トーン抑制を行う方法も考えられる。
Figure 2016143309
Figure 2016143309
なお、ここで提案したトーン処理部の処理方法に関しては、本実施形態には限定されず、以降の実施形態においても、同様に適用される。また、IDFT部222においては、逆フーリエ高速変換(IFFT)など、演算を高速化する演算が用いられてもよい。
《OFDM変調器》
図2Dは、本実施形態に係るピーク抑制回路200を使用するOFDM変調器250の構成を示すブロック図である。なお、図2DはOFDM変調器250の一例であってこの構成に限定されない。また、本実施形態に係るピーク抑制回路200はOFDM復調器に適用されることも可能である。
OFDM変調器250は、データ信号列マッピング部251と、直並変換部252と、サブキャリアマッピング部253と、IFFT部254と、本実施形態のピーク抑制回路200と、ガードインターバル挿入部256と、並直変換部257と、を備える。
データ信号列マッピング部251は、変調方式に従って、入力ビット列をベクトルで表わされるシンボルにマッピングする。直並変換部252は、直列のシンボルを並列に変換し、サブキャリアマッピング部253は、並列のシンボルの種類に応じて位相や振幅が設定された複数のサブキャリアによりシンボルを並列に伝送する。そして、IFFT部254により並列のシンボルが合成されてOFDM信号が生成される。しかしながら、IFFT部254におけるシンボルの組み合わせによっては非常に大きなピークが発生する。
本実施形態のピーク抑制回路200は、トーンリザベーションによりかかるピークを確実に抑制すると共に、リザーブド・トーンの規定値以下への抑制を実現する。ガードインターバル挿入部256は、複数の多重伝送データが前後の時間のデータとお互いに干渉しないように、ガードインターバル用符号を挿入する。並直変換部257は、並列の多重伝送データを直列に変換して出力ビット列を生成する。
《ピーク抑制処理の手順》
本実施形態のピーク抑制回路は、以下の手順に従ったプロセッサによるピーク抑制処理によっても実現が可能である。
図5Aは、本実施形態に係るピーク抑制回路200の処理手順を示すフローチャートである。
ピーク抑制回路200は、ステップS501において、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしのトーンリザベーション処理を実行する。そして、ピーク抑制回路200は、ステップS503において、トーンリザベーション結果に対応するリザーブド・トーンの周波数成分を用いてリザーブド・トーン抑制処理を実行する。
(トーンリザベーション処理)
図5Bは、本実施形態に係るトーンリザベーション処理(S501)の手順を示すフローチャートである。
ピーク抑制回路200は、ステップS511において、データ信号列xnとカーネル信号列pnとを取得して保持する。ピーク抑制回路200は、ステップS513において、データ信号列のピークを検出する。なお、ピークを検出する対象は、1反復目はステップS511において取得したデータ信号列であり、ステップS523からの反復中は更新したデータ信号列である。
ピーク抑制回路200は、ステップS515において、ピーク検出結果(アドレス,そのアドレスにおけるデータ値)と、振幅値の閾値Vclipとに基づいて、時間シフト値、振幅スケーリング値および位相スケーリング値を算出する。ピーク抑制回路200は、ステップS517において、カーネル信号列pnに対して、時間シフト、振幅スケーリングおよび位相スケーリングを行ない、ピーク抑制信号列を生成する。ピーク抑制回路200は、ステップS519において、データ信号列xn(i-1)から、シフトおよびスケーリングしたカーネル信号列を減算して、振幅ピークを抑制したデータ信号列xn(i)に更新する。ピーク抑制回路200は、ステップS521において、アドレス、振幅スケーリング値および位相スケーリング値に基づいてリザーブド・トーン値を更新してキャッシュに記憶する。
ピーク抑制回路200は、ステップS523において、反復回数が限界回数に到達したか否かを判定する。反復回数が限界回数に到達してなければ、ピーク抑制回路200は、ステップS513に戻って、振幅ピークを抑制したデータ信号列xn(i)の更新を反復する。反復回数が限界回数に到達すれば、ピーク抑制回路200は、ステップS525において、ピークを抑制したデータ信号列x'nを出力してリターンする。
(リザーブド・トーン抑制処理)
図5Cは、本実施形態に係るリザーブド・トーン抑制処理(S503)の手順を示すフローチャートである。
ピーク抑制回路200は、ステップS531において、ピークを抑制したデータ信号列x'nと、データ信号列x'nに対応するリザーブド・トーンの周波数成分rkとを取得する。ピーク抑制回路200は、ステップS533において、規定値Amaxを超えた成分を抑制する周波数データ列wkを生成する。ピーク抑制回路200は、ステップS535において、周波数データ列wkを逆フーリエ変換して、時系列データcnを生成する。そして、ピーク抑制回路200は、ステップS537において、ピークを抑制したデータ信号列x'nから時系列データcnを減算して、リザーブド・トーンの値が規定値Amax以内に収まった、ピーク抑圧後のデータ信号列ynを出力する。
以上のように、本実施形態によれば、リザーブド・トーンの値が規定値以内に収まり、かつ、ピークが抑制されたOFDMのデータ信号列が得られる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るピーク抑制回路について説明する。本実施形態に係るピーク抑制回路は、上記第2実施形態と比べると、トーンリザベーション部が複数ピーク検出部と複数のシフト・スケーリング部とを有する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《本実施形態のピーク抑制回路の構成》
図6は、本実施形態に係るピーク抑制回路600の構成を示すブロック図である。なお、図6において、図2Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、説明は省略する。
本実施形態のピーク抑制回路600は、トーンリザベーション実行部601とリザーブド・トーン抑制部202とを備える。トーンリザベーション実行部601は、カーネルキャッシュ211と、シンボルキャッシュ212と、複数ピーク検出部613と、第1から第qのシフト・スケーリング部6141〜614qと、リザーブド・トーン・キャッシュ215を備える。またトーンリザベーション実行部601は、リザーブド・トーン更新演算部616と、シンボル減算部617と、リザーブド・トーン減算部618と、を有する。リザーブド・トーン抑制部202は、トーン処理部221と、IDFT部222と、減算部223と、を有する。
以下、トーンリザベーション実行部601のi反復目の動作について説明する。なお、以下に記される記号の定義等に関しては、背景技術に記された定義を踏襲する。
複数ピーク検出部613は、入力されたデータ信号列xn(i-1)の中からq個の振幅ピーク値を取るアドレスms(i)(1≦s≦q)と、そのアドレスにおけるデータ値xms(i)(i-1)を算出して、第sのシフト・スケーリング部614s(1≦s≦q)に、アドレスとそのアドレスにおけるデータ値とを対として出力する。ここで、qはあらかじめ指定された数である。
第sのシフト・スケーリング部614s(1≦s≦q)は、データ信号列のアドレスms(i)とそのアドレスにおけるデータ値xms(i)(i-1)とを入力として、振幅スケーリング値αs(i)と位相スケーリング値us(i)を算出して出力する。同時に、第sのシフト・スケーリング部614s(1≦s≦q)は、カーネルキャッシュ211から読み出されたカーネル信号列pnに時間シフト値とスケーリング値とを作用させた信号列αs(i)us(i)p((n−ms(i)) mod NFFT)をピーク抑制信号列として出力する。なお、振幅スケーリング値αs(i)は下記数式(17)の演算で、位相スケーリング値us(i)に関しては数式(18)の演算によって得られる。
Figure 2016143309
Figure 2016143309
複数ピーク検出部613における具体的なピーク検出方法としては、例えば、NFFT個のデータ信号列xn(i-1)をq分割して、それぞれの領域において、最大ピーク値となるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値とを検出する方法がある。また、振幅の極大値(|x(j-1) (i-1)|<|xj (i-1)|、かつ、|xj (i-1)|>|x(j+1) (i-1)|)を取るアドレスを列挙した上で、その中で振幅値が大きいものから順にq個選び、それらのアドレスとそのアドレスにおけるデータ値とを出力とする方法などがある。なお、複数ピーク検出方法は、これら2種類に限定されない。
シンボル減算部617は、シンボルキャッシュ212から読み出されたデータ信号列xn(i-1)から、第sのシフト・スケーリング部614sの出力である、時間シフトとスケーリングとを行ったカーネル信号列αs(i)us(i)p((n−ms(i)) mod NFFT)のq個分を下記数式(19)の通り減算して、データ信号列の更新(xn(i-1)⇒xn(i))を行う。
Figure 2016143309
リザーブド・トーン更新演算部616は、シフト・スケーリング部614sから出力される振幅スケーリング値αs(i)と、位相スケーリング値us(i)と、ピークアドレスms(i)を入力として、下記数式(20)の演算を行うことでリザーブド・トーンの更新値列αs(i)v(k,s)(i)を出力する。
Figure 2016143309
さらに、リザーブド・トーン減算部618は、リザーブド・トーン・キャッシュ215から出力されるリザーブド・トーンの値列rk(i-1)から、リザーブド・トーン更新演算部616の出力であるαs(i)v(k,s)(i)のq個分を減算することにより、下記数式(21)の通りリザーブド・トーンの値列をrk(i-1)からrk(i)に更新する。
Figure 2016143309
更新されたデータ信号列xn(i)は、反復回数iが限界反復回数の場合、トーンリザベーション実行部601の出力信号として出力され、そうでない場合は、シンボルキャッシュ212に上書きされると同時に、複数ピーク検出部613に入力されて、次の反復演算が開始される。
なお、第sのシフト・スケーリング部614sのうち、時間シフトに関してはカーネルキャッシュ211からデータの読み出しを開始するアドレスを調整することによって実現できる。この場合、複数ピーク検出部613から第sのシフト・スケーリング部614sに出力されるピークアドレスms(i)がカーネルキャッシュ211に入力されて、それに基づいて読み出し開始位置を調整する。具体的には、通常読み出し開始位置をアドレス“0”とするところを、{NFFT−ms(i)}からスタートして逐次読み出しを行い、アドレスが{NFFT−1}に到達したら“0”に戻ってそこからまた逐次読み出しつづければ、時間シフトp((n−ms(i)) mod NFFT)が実現される。こういった構成も本実施形態に含まれる。
本実施形態によれば、複数ピークを検出して複数のシフト・スケーリング部によりピーク抑制を行なうので、より少ない反復回数により確実なピーク抑制ができる。したがって、OFDM変調が高速にできる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るピーク抑制回路について説明する。本実施形態に係るピーク抑制回路は、上記第2実施形態および第3実施形態と比べると、リザーブド・トーン抑制部が使用するリザーブド・トーンの周波数成分を、ピーク抑制後のデータ信号列をフーリエ変換することにより生成する点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態や第3実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《本実施形態のピーク抑制回路の構成》
図7は、本実施形態に係るピーク抑制回路700の構成を示すブロック図である。図7において、図2Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
図7において、リザーブド・トーン抑制部202のトーン処理部221に入力される、リザーブド・トーンの周波数成分は、ピーク抑制後のデータ信号列x'nをDFT部703でフーリエ変換することにより生成される。この構成は、ピーク抑制後のデータ信号列のリザーブド・トーンの周波数成分がトーンリザベーション実行部201において算出されない場合の構成である。
なお、DFT部703においては高速フーリエ変換(FFT)など、演算を高速化する演算が用いられてもよい。また、トーンリザベーション実行部201はトーンリザベーション実行部601に置き換えられてもよい。また、トーンリザベーション実行部で生成されたリザーブド・トーンの周波数成分と、ピーク抑制されたデータ信号列に対してDFT部703においてフーリエ変換した結果とを、切り替えて使用する構成も、本実施形態に含まれる。
本実施形態によれば、トーンリザベーション実行部がリザーブド・トーンの周波数成分を算出しない場合においても、リザーブド・トーンの周波数成分を規定値に抑えた上で、データ信号列のPAPR抑制量を最大化することができる。そのため、本発明を無線送信機に適用することにより、電力効率が高い送信機を提供することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係るピーク抑制回路について説明する。本実施形態に係るピーク抑制回路は、上記第2実施形態乃至第4実施形態と比べると、トーンリザベーション実行部の構成が異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態から第4実施形態と同様であるため、同じ構成および動作については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
《本実施形態のピーク抑制回路の構成》
図8Aは、本実施形態に係るピーク抑制回路800の構成を示すブロック図である。なお、図8Aにおいて、図2Aと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
本実施形態のピーク抑制回路800は、トーンリザベーション実行部(図中は、Tone Reservation実行部)801とリザーブド・トーン抑制部(図中は、reserved Tone抑制部)202とを備える。
(トーンリザベーション実行部)
本実施形態のトーンリザベーション実行部801は、複数カーネルキャッシュ811と、シンボルキャッシュ212と、ピーク検出部213と、スケーリング部814と、リザーブド・トーン・キャッシュ215と、リザーブド・トーン更新演算部216と、シンボル減算部217と、リザーブド・トーン減算部218と、を備える。
反復演算の開始時点で、複数のカーネル信号列の値は、複数カーネルキャッシュ811に蓄積され、データ信号列の値はシンボルキャッシュ212に蓄積される。この複数のカーネル信号列は、例えば、リザーブド・トーンの値があるアドレスにおいて“1”の値を持ち、それ以外では“0”の値を持つ周波数成分を逆フーリエ変換して得られる信号列によって構成されており、式で表すと数式(22)の通りになる。
Figure 2016143309
なお、これ以外にも、カーネル信号列の組を生成する方法は存在しており、カーネル信号列の組を生成する方法は上記に限定しない。また、リザーブド・トーン・キャッシュ215には、データ信号列のリザーブド・トーンの周波数成分が蓄積されており、初期状態は全て“0”と設定されている。
以下,i反復目の動作について説明する。なお,記号の定義等に関しては、背景技術に記された定義を踏襲する。
ピーク検出部213は、入力されたデータ信号列xn(i-1)のピーク値を取るアドレスm(i)と、そのアドレスにおける値xm(i)(i-1)を算出して、スケーリング部814に出力する。
スケーリング部814は、データ信号列のアドレスm(i)と、そのアドレスにおける値xm(i)(i-1)から、振幅スケーリング値α(i)と、位相スケーリング値u(i)とを算出して出力する。同時に、スケーリング部814は、複数カーネルキャッシュ811から読み出されたカーネル信号列pnk(i)に、スケーリング値を作用させた信号列α(i)(i)pnk(i)をピーク抑制信号列として出力する。なお、振幅スケーリング値α(i)に関しては数式(6)と、位相スケーリング値u(i)に関しては数式(7)と同じ演算により算出される。
なお、複数カーネルキャッシュ811から読み出されるカーネル信号列pnk(i)の列番k(i)は、データ信号列のアドレスm(i)と、そのアドレスにおける値xm(i)(i-1)を用いて決定される。例えば、各カーネル信号列のアドレスm(i)における振幅値を比べて、最大値を取る列番が選択される。それ以外にも、後述のスケーリング部814において位相スケーリングの演算を省くために、アドレスm(i)における位相値がxm(i)(i-1)の位相値に一番近い列番を選択する方法などもある。また、上記2種類の決定方法を組み合わせた方法や、m(i)とxm(i)(i-1)を用いずに、反復ごとに順番に列番を選択する方法なども含まれる。
すなわち、トーンリザベーション実行部801のスケーリング部814は、リザーブド・トーン・キャッシュ215に記憶されたリザーブド・トーンの値による抑制を受けない。したがって、反復途中でリザーブド・トーンを保持するキャッシュ(NTR個のデータ列)の値が規定値に達したとしても、それ以降の反復は継続され、その結果、データ信号列の十分なPAPR抑制量が得られる。
(スケーリング部)
図8Bは、本実施形態に係るスケーリング部814の構成を示すブロック図である。なお、図8Bにおいて、図2Bと同様の構成要素には同じ参照番号を付して、説明を省略する。
スケーリング部814は、シンボル減算部217へのリザーブド・トーンに応じた抑制なしにピーク抑制のための減算値を生成する演算部841と、演算部841およびリザーブド・トーン更新演算部216が使用するスケーリング値を算出する演算部242と、を有する。
演算部841は、複数カーネルキャッシュ811からのカーネル信号列(pnk(i))と、演算部242からのスケーリング値(α(i)、u(i))とから、リザーブド・トーンに応じた抑制なしにピーク抑制のための減算値であるα(i)(i)pnk(i)(なお、このケースではm(i)=0)をピーク抑制信号列として算出する。そして、演算部841は、シンボル減算部217に減算値を出力する。
シンボル減算部217は、シンボルキャッシュ212から読み出されたデータ信号列xn(i-1)から、スケーリング部814でスケーリングを行ったカーネル信号列α(i)(i)pnk(i)を減算(数式(5)参照)することにより、データ信号列の更新(xn(i-1)⇒xn(i))を行う。
リザーブド・トーン更新演算部216は、スケーリング部814から出力される振幅スケーリング値α(i)と、位相スケーリング値u(i)と、ピークアドレスm(i)とを入力として、数式(8)(このケースではm(i)=0)の演算を行うことで、リザーブド・トーンの更新値列α(i)vk(i)を出力する
更新されたデータ信号列xn(i)は、反復回数iが限界反復回数の場合、トーンリザベーション実行部801の出力信号として出力され、そうでない場合は、シンボルキャッシュ212に上書きされると同時に、ピーク検出部213に入力されて、次の反復演算が開始される。
(リザーブド・トーン抑制部)
リザーブド・トーン抑制部202は、図2Aと同様に、トーン処理部(図中は、tone処理部)221と、IDFT部(逆フーリエ変換部)222と、減算部223と、を有し、ピーク抑制後のデータ信号列のリザーブド・トーンの周波数成分を入力として、ピーク抑制後のデータ信号列における規定値を超えた成分を抑制する。
なお、図8Aにおいては、図2Aのように、リザーブド・トーン抑制部202に対してピーク抑制後のデータ信号列のリザーブド・トーンの周波数成分を入力したが、図7のように、リザーブド・トーンの周波数成分を、ピーク抑制後のデータ信号列をフーリエ変換することにより生成してもよい。
本実施形態によれば、異なるトーンリザベーション実行部を用いても、リザーブド・トーンの周波数成分を規定値に抑えた上で、データ信号列のPAPR抑制量を最大化することができる。そのため、本発明を無線送信機に適用することにより、電力効率が高い送信機を提供することができる。
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるWWW(World Wide Web)サーバも、本発明の範疇に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の範疇に含まれる。
[実施形態の他の表現]
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力して、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしに前記データ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力するトーンリザベーション実行手段と、
前記ピーク抑制後のデータ信号列と、前記ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力して、前記周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、前記ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力するリザーブド・トーン抑制手段と、
を備えるピーク抑制回路。
(付記2)
前記リザーブド・トーン抑制手段は、
前記周波数成分を入力して、前記周波数データ列を出力するトーン処理部と、
前記周波数データ列を逆フーリエ変換して出力する逆フーリエ変換部と、
前記ピーク抑制後のデータ信号列から前記逆フーリエ変換部の出力を減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力する減算部と、
を有する付記1に記載のピーク抑制回路。
(付記3)
前記トーン処理部は、前記周波数成分が前記規定値を超えた場合に、前記周波数成分の値と前記規定値との差を振幅値として、位相を前記周波数成分と同じ値とし、前記周波数成分が前記規定値を超えない場合は、前記周波数成分の値をゼロとする、前記周波数データ列を出力する、付記2に記載のピーク抑制回路。
(付記4)
前記トーン処理部は、前記周波数成分に対してスケーリングを行った前記周波数データ列を出力する、付記2に記載のピーク抑制回路。
(付記5)
前記周波数成分は、前記トーンリザベーション実行手段において前記ピーク抑制後のデータ信号列と並列して算出される、または、前記トーンリザベーション実行手段から出力された前記ピーク抑制後のデータ信号列をフーリエ変換することによって算出される、付記1乃至4のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
(付記6)
前記トーンリザベーション実行手段は、
前記カーネル信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うカーネルキャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うシンボルキャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列に対応したリザーブド・トーンの値列を蓄積し、その値列の読み出しを行うトーン・キャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値とを出力するピーク検出部と、
前記ピーク検出部の出力を元に、時間シフト値とスケーリング値とを算出して出力すると共に、前記カーネルキャッシュから読み出された前記カーネル信号列に前記時間シフト値と前記スケーリング値とを作用させたピーク抑制信号列を出力するシフト・スケーリング部と、
前記シフト・スケーリング部から出力された前記時間シフト値と前記スケーリング値とを基に、前記リザーブド・トーンの値の更新値を演算して出力するトーン更新演算部と、
前記シンボルキャッシュから読み出された前記データ信号列から、前記ピーク抑制信号列を減算して、前記データ信号列の更新を行うシンボル減算部と、
前記トーン・キャッシュから読み出されたリザーブド・トーンの値から、前記トーン更新演算部の出力を減算することにより、前記リザーブド・トーンの値の更新を行うトーン減算部と、
を有する、付記1乃至5記載のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
(付記7)
前記トーンリザベーション実行手段は、
前記カーネル信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うカーネルキャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うシンボルキャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列に対応したリザーブド・トーンの値を蓄積し、その値の読み出しを行うトーン・キャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値とを複数組出力する複数ピーク検出部と、
前記複数ピーク検出部の出力を元に、時間シフト値とスケーリング値とを算出して出力すると共に、前記カーネルキャッシュから読み出されたカーネル信号列に前記時間シフト値と前記スケーリング値とを作用させたピーク抑制信号列を出力する複数のシフト・スケーリング部と、
前記複数のシフト・スケーリング部から出力された前記時間シフト値と前記スケーリング値とに基づいて、前記リザーブド・トーンの値列の更新値列を演算して出力するトーン更新演算部と、
前記シンボルキャッシュから読み出されたデータ信号列から、前記ピーク抑制信号列を減算して、前記データ信号列の更新を行うシンボル減算部と、
前記トーン・キャッシュから読み出されたリザーブド・トーンの値から、前記トーン更新演算部の出力を減算することにより、前記リザーブド・トーンの値の更新を行うトーン減算部と、
を有する、付記1乃至4のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
(付記8)
前記複数ピーク検出部は、前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値との組を、その振幅値が大きい方から順に指定された数だけ出力する、または、前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列をあらかじめ指定された領域に分割した上で、領域ごとに振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値との組を出力する、付記7に記載のピーク抑制回路。
(付記9)
前記トーンリザベーション実行手段は、
前記カーネル信号列の複数の値を蓄積し、その値の読み出しを行う複数カーネルキャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うシンボルキャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列に対応したリザーブド・トーンの値を蓄積し、その値の読み出しを行うトーン・キャッシュと、
前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値との組を出力するピーク検出部と、
前記ピーク検出部の出力を元に、スケーリング値を算出して出力すると共に、前記複数カーネルキャッシュから読み出されたカーネル信号列に前記スケーリング値を作用させたピーク抑制信号列を出力するスケーリング部と、
前記スケーリング部から出力されたスケーリング値を基に、前記リザーブド・トーンの値の更新値を演算して出力するトーン更新演算部と、
前記シンボルキャッシュから読み出された前記データ信号列から、前記スケーリング部から出力されるスケーリングを行った前記ピーク抑制信号列を減算して、前記データ信号列の更新を行うシンボル減算部と、
前記トーン・キャッシュから読み出されたリザーブド・トーンの値から、前記トーン更新演算部の出力を減算することにより、前記リザーブド・トーンの値の更新を行うトーン減算部と、
を有する、付記1乃至4のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
(付記10)
前記複数カーネルキャッシュは、リザーブド・トーンの値があるアドレスにおいて1の値を持ち、それ以外では0の値を持つ周波数成分を逆フーリエ変換して得られる複数のカーネル信号列の値を蓄積する、付記9に記載のピーク抑制回路。
(付記11)
付記1乃至10のいずれか1項に記載のピーク抑制回路を備える直交周波数分割多重方式変調器。
(付記12)
あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力として、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしに前記データ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力するトーンリザベーション実行ステップと、
前記ピーク抑制後のデータ信号列と、前記ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力として、前記周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、前記ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力するリザーブド・トーン抑制ステップと、
を含むピーク抑制方法。
(付記13)
あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力として、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしに前記データ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力するトーンリザベーション実行ステップと、
前記ピーク抑制後のデータ信号列と、前記ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力として、前記周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、前記ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力するリザーブド・トーン抑制ステップと、
をコンピュータに実行させるピーク抑制プログラム。
この出願は、2015年3月6日に出願された日本出願特願2015−045287を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (10)

  1. あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力して、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしに前記データ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力するトーンリザベーション実行手段と、
    前記ピーク抑制後のデータ信号列と、前記ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力して、前記周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、前記ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力するリザーブド・トーン抑制手段と、
    を備えるピーク抑制回路。
  2. 前記リザーブド・トーン抑制手段は、
    前記周波数成分を入力して、前記周波数データ列を出力するトーン処理手段と、
    前記周波数データ列を逆フーリエ変換して出力する逆フーリエ変換手段と、
    前記ピーク抑制後のデータ信号列から前記逆フーリエ変換部の出力を減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力する減算手段と、
    を有する請求項1に記載のピーク抑制回路。
  3. 前記トーン処理手段は、前記周波数成分が前記規定値を超えた場合に、前記周波数成分の値と前記規定値との差を振幅値として、位相を前記周波数成分と同じ値とし、前記周波数成分が前記規定値を超えない場合は、前記周波数成分の値をゼロとする、前記周波数データ列を出力する、請求項2に記載のピーク抑制回路。
  4. 前記トーン処理手段は、前記周波数成分に対してスケーリングを行った前記周波数データ列を出力する、請求項2に記載のピーク抑制回路。
  5. 前記周波数成分は、前記トーンリザベーション実行手段において前記ピーク抑制後のデータ信号列と並列して算出される、または、前記トーンリザベーション実行手段から出力された前記ピーク抑制後のデータ信号列をフーリエ変換することによって算出される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
  6. 前記トーンリザベーション実行手段は、
    前記カーネル信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うカーネルキャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うシンボルキャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列に対応したリザーブド・トーンの値列を蓄積し、その値列の読み出しを行うトーン・キャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値とを出力するピーク検出手段と、
    前記ピーク検出手段の出力を元に、時間シフト値とスケーリング値とを算出して出力すると共に、前記カーネルキャッシュから読み出された前記カーネル信号列に前記時間シフト値と前記スケーリング値とを作用させたピーク抑制信号列を出力するシフト・スケーリング手段と、
    前記シフト・スケーリング手段から出力された前記時間シフト値と前記スケーリング値とを基に、前記リザーブド・トーンの値の更新値を演算して出力するトーン更新演算手段と、
    前記シンボルキャッシュから読み出された前記データ信号列から、前記ピーク抑制信号列を減算して、前記データ信号列の更新を行うシンボル減算手段と、
    前記トーン・キャッシュから読み出されたリザーブド・トーンの値から、前記トーン更新演算手段の出力を減算することにより、前記リザーブド・トーンの値の更新を行うトーン減算手段と、
    を有する、請求項1乃至5記載のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
  7. 前記トーンリザベーション実行手段は、
    前記カーネル信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うカーネルキャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うシンボルキャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列に対応したリザーブド・トーンの値を蓄積し、その値の読み出しを行うトーン・キャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値とを複数組出力する複数ピーク検出手段と、
    前記複数ピーク検出手段の出力を元に、時間シフト値とスケーリング値とを算出して出力すると共に、前記カーネルキャッシュから読み出されたカーネル信号列に前記時間シフト値と前記スケーリング値とを作用させたピーク抑制信号列を出力する複数のシフト・スケーリング手段と、
    前記複数のシフト・スケーリング手段から出力された前記時間シフト値と前記スケーリング値とに基づいて、前記リザーブド・トーンの値列の更新値列を演算して出力するトーン更新演算手段と、
    前記シンボルキャッシュから読み出されたデータ信号列から、前記ピーク抑制信号列を減算して、前記データ信号列の更新を行うシンボル減算手段と、
    前記トーン・キャッシュから読み出されたリザーブド・トーンの値から、前記トーン更新演算手段の出力を減算することにより、前記リザーブド・トーンの値の更新を行うトーン減算手段と、
    を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
  8. 前記トーンリザベーション実行手段は、
    前記カーネル信号列の複数の値を蓄積し、その値の読み出しを行う複数カーネルキャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の値を蓄積し、その値の読み出しを行うシンボルキャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列に対応したリザーブド・トーンの値を蓄積し、その値の読み出しを行うトーン・キャッシュと、
    前記直交周波数分割多重方式のデータ信号列の振幅値がピークとなるアドレスとそのアドレスにおけるデータ値との組を出力するピーク検出手段と、
    前記ピーク検出手段の出力を元に、スケーリング値を算出して出力すると共に、前記複数カーネルキャッシュから読み出されたカーネル信号列に前記スケーリング値を作用させたピーク抑制信号列を出力するスケーリング手段と、
    前記スケーリング手段から出力されたスケーリング値を基に、前記リザーブド・トーンの値の更新値を演算して出力するトーン更新演算手段と、
    前記シンボルキャッシュから読み出されたデータ信号列から、前記スケーリング手段から出力されるスケーリングを行った前記ピーク抑制信号列を減算して、前記データ信号列の更新を行うシンボル減算手段と、
    前記トーン・キャッシュから読み出された前記リザーブド・トーンの値から、前記トーン更新演算手段の出力を減算することにより、前記リザーブド・トーンの値の更新を行うトーン減算手段と、
    を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のピーク抑制回路。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のピーク抑制回路を備える直交周波数分割多重方式変調器。
  10. あらかじめ用意されたリザーブド・トーンを用いて生成されたカーネル信号列と、直交周波数分割多重方式のデータ信号列とを入力として、更新されるリザーブド・トーンに応じた抑制なしに前記データ信号列に対してトーンリザベーションを実行して、ピーク抑制後のデータ信号列を出力し、
    前記ピーク抑制後のデータ信号列と、前記ピーク抑制後のデータ信号列に対応する前記リザーブド・トーンの周波数成分とを入力として、前記周波数成分から生成した、規定値を超えた成分を抑制する周波数データ列に対し逆フーリエ変換を施した値を、前記ピーク抑制後のデータ信号列から減算して、前記リザーブド・トーンが前記規定値以内に収まったデータ信号列を出力する、
    ピーク抑制方法。
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