JP2008099166A - 信号生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピークを抑圧したマルチキャリア方式の信号を生成する。
【解決手段】
本発明にかかる信号生成装置は、送信データにおける実数成分の最大値および最小値と、虚数成分の最大値および最小値とを検出する手段と、検出された実数成分の最大値および最小値の平均値と、検出された虚数成分の最大値および最小値の平均値とを計算する手段と、送信データと計算された実数成分の平均値および虚数成分の平均値からなる平均データとの差分を出力する手段と、送信データから、最大振幅を有する送信データを検出し、検出した送信データをその振幅で除算する手段と、送信データに、除算された送信データの複素共役データを乗算する手段と、平均データに、除算された送信データを乗算する手段とを有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、マルチキャリア方式の信号を生成する信号生成装置に関する。
例えば、特許文献1は、符号誤り率を低減させたマルチキャリア方式(例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex;直交周波数分割多重)など)の信号を生成する装置を開示する。
また、特許文献2は、直流成分を含むサブキャリアを情報転送に使用しないことによって、ピークを抑圧したマルチキャリア方式の信号を生成する装置を開示する。
しかしながら、特許文献1および2は、直流成分を補正することによって、ピークを抑圧したマルチキャリア方式の信号を生成する装置を開示しない。
特願平9−161486 特願平10−9070
本発明は、上述した背景からなされたものであり、直流成分を補正することによって、ピークを抑圧したマルチキャリア方式の信号を生成できる信号生成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる信号生成装置は、送信データにおける実数成分の最大値および最小値と、虚数成分の最大値および最小値とを検出する検出手段と、前記検出された実数成分の最大値および最小値の平均値と、前記検出された虚数成分の最大値および最小値の平均値とを計算する計算手段と、前記送信データと、前記計算された実数成分の平均値および虚数成分の平均値からなる平均データとの差分を出力する出力手段と、前記送信データから、最大振幅を有する送信データを検出し、前記検出した送信データをその振幅で除算する除算手段と、前記送信データに、前記除算された送信データの虚数成分の符号を逆にした複素共役データを乗算する乗算手段と、前記平均データに、前記除算された送信データを乗算する乗算手段とを有する。
本発明にかかる信号生成装置によれば、ピークを抑圧したマルチキャリア方式の信号を生成することができる。
[一般的なOFDM送信装置1]
本発明の実施形態の説明に先立ち、その理解を助けるために、まず、一般的なOFDM送信装置を説明する。
図1は、一般的なOFDM送信装置1の構成を例示する図である。
図1に示すように、一般的なOFDM送信装置1は、シリアル/パラレル(S/P)変換部100、マッピング部102−1〜102−N、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆フーリエ変換)部104、ピーク抑圧回路12、直交変調部106、デジタル/アナログ(D/A)変換部108、周波数変換部110、信号増幅部(AMP)112および送信アンテナ114から構成される。
OFDM送信装置1は、このような構成により、外部から入力される送信データからOFDM方式の送信信号を生成し、無線通信回線に対して送信する。
なお、以下、マッピング部102−1〜102−Nなど、複数あり得る構成部分のいずれかを特定せずに示すときは、単にマッピング部102などと略記することがある。
また、以下、各図において、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付される。
S/P変換部100は、シリアル形式で入力される送信データをパラレル形式に変換する。
さらに、S/P変換部100は、パラレル形式に変換された送信データを、変調方式に応じた数を単位とするN個のデジタルシンボルに分け、N個のデジタルシンボルそれぞれを、マッピング部102−1〜102−Nそれぞれに対して出力する。
例えば、変調方式がBPSK(Binary Phase Shift Keying;二位相偏移変調)であるときには、デジタルシンボルそれぞれに含まれる送信データのビット数は1ビットとなる。
また、変調方式が16QAM(Quadrature Amplitude Modulation;直交振幅変調)であるときには、デジタルシンボルそれぞれに含まれる送信データのビット数は4ビットとなる。
マッピング部102−1〜102−Nそれぞれは、S/P変換部100から入力された1つのデジタルシンボルを信号点にマッピングし、マッピングの結果として得られた信号点を、IFFT部104に対して出力する。
IFFT部104は、マッピング部102から入力された信号点に対してIFFT処理を行い、N個のデジタルシンボルによりN個のサブキャリアを変調し、IFFTサンプル(OFDMシンボルデータ)を生成し、ピーク抑圧回路12に対して出力する。
ピーク抑圧回路12は、IFFT部104から入力されたIFFTサンプルの電圧ピークを抑え、直交変調部106に対して出力する(詳細は、図2を参照して後述)。
直交変調部106は、ピーク抑圧回路12から入力されたIFFTサンプルを直交変調し、D/A変換部108に対して変調データとして出力する。
D/A変換部108は、直交変調部106から入力されたデジタル形式のデータを、アナログ形式の信号に変換し、送信信号として、周波数変換部110に対して出力する。
周波数変換部110は、D/A変換部108から入力された送信信号の周波数を、所定の信号を用いて変換し、AMP112に対して出力する。
AMP112は、周波数変換部110から入力された送信信号を増幅し、送信アンテナ114を介して無線通信回線に対して送信する。
なお、OFDM通信において、復調側でのDC(Direct Current)オフセット補償が不要になるというメリットがあることから、DCサブキャリア(センターサブキャリア)には送信データをマッピングしないことが多い。
[ピーク抑圧回路12]
以下、一般的なOFDM送信装置1におけるピーク抑圧回路12を説明する。
図2は、ピーク抑圧回路12のハードウエア構成を例示する図である。
図2に示すように、ピーク抑圧回路12は、I相・Q相データ検出部120およびピークリミッタ122から構成される。
I相・Q相データ検出部120は、IFFT部104から入力されたIFFTサンプルそれぞれのI相データおよびQ相データを検出し、ピークリミッタ122に対して出力する。
例えば、I相・Q相データ検出部120は、以下の数1に示すように、I相データおよびQ相データによって表されるIFFTサンプルS(t)を、ピークリミッタ122に対して出力する(ただし、t=1〜N(NはIFFTサンプル数を示す))。
Figure 2008099166
ピークリミッタ122は、I相・Q相データ検出部120から入力されたIFFTサンプルの電圧ピークを抑え、直交変調部106に対して出力する。
例えば、ピークリミッタ122は、あらかじめ設定した閾値を越える電圧を除去するクリッピング法によって電圧ピークを抑え、電圧ピークを抑えたIFFTサンプルを直交変調部106に対して出力する。
図3は、一般的なOFDM送信装置1によって生成されるOFDM信号を、I−Q平面上に表示した図である。
なお、図3に示される円は、ピークリミッタ122がクリッピングを行うための閾値を示す(以下、他の各図においても同様)。
AMP112(図1)に入力される信号の振幅が適切であるときには、入力された送信信号は、AMP112の増幅特性のうち、非線形領域で増幅されるので、出力信号に生じる歪は小さい。
これに対して、送信信号のピークが、入力振幅の適切な範囲を超えるとき、ピーク部分は、AMP112の非線形領域において増幅され、この部分の出力信号には、大きな非線形歪が生成される。
そこで、OFDM送信装置1においては、非線形歪を防止するため、上述したように、クリッピング法などによって電圧ピークを抑えるという対策が行われる。
しかしながら、単に電圧ピークをクリップするだけでは、非線形歪を防止するのに充分ではなく、非線形歪によって、さらに隣接帯域への送信スプリアス信号が生じるおそれがある。
したがって、閾値を越えてクリッピングされるデータ量を減らし、非線形歪を軽減することが望ましい。
以下に説明する本発明の第1の実施形態は、このような要望に従って、一般的なOFDM送信装置1が改良されたものである。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
図4は、本発明に係る第1のOFDM送信装置2の構成を例示する図である。
図4に示すように、第1のOFDM送信装置2は、S/P変換部100、マッピング部102、IFFT部104、ピーク抑圧回路20、直交変調部106、D/A変換部108、周波数変換部110、AMP112および送信アンテナ114から構成される。
図4に示すように、第1のOFDM送信装置2は、図1に示した一般的なOFDM送信装置1におけるピーク抑圧回路12を、ピーク抑圧回路20に代替した構成を採る。
[ピーク抑圧回路20]
以下、第1のOFDM送信装置1におけるピーク抑圧回路20を説明する。
図5は、ピーク抑圧回路20のハードウエア構成を例示する図である。
図5に示すように、ピーク抑圧回路20は、I相・Q相データ検出部120、最大値・最小値検出部200、振幅中心計算部202、差分回路204およびピークリミッタ122から構成される。
図5に示すように、第1のOFDM送信装置1におけるピーク抑圧回路20は、図2に示した一般的なOFDM送信装置1におけるピーク抑圧回路12に、最大値・最小値検出部200、振幅中心計算部202および差分回路204を付加した構成を採る。
最大値・最小値検出部200は、I相・Q相データ検出部120から入力されたI相データおよびQ相データにおいて、それぞれの最大値および最小値を検出し、振幅中心計算部202に対して出力する。
例えば、最大値・最小値検出部200は、1OFDMシンボル毎にI相データの最大値I(imax)、I相データの最小値I(imin)、Q相データの最大値Q(qmax)およびQ相データの最小値Q(qmin)を検出する。
振幅中心計算部202は、最大値・最小値検出部200から入力されたI相データの最大値および最小値の中央である平均値と、Q相データの最大値および最小値の平均値とを計算して、差分回路204に対して出力する。
例えば、振幅中心計算部202は、以下の数2によって、I相データの最大値I(imax)およびI相データの最小値I(imin)の平均値I(iavr)を計算し、差分回路204に対して出力する。
これと同様に、振幅中心計算部202は、Q相データの平均値Q(qavr)を計算し、差分回路204に対して出力する。
Figure 2008099166
差分回路204は、I相・Q相データ検出部120から入力されたIFFTサンプルそれぞれと、振幅中心計算部202から入力されたI相の平均値およびQ相の平均値からなる平均データS(tavr)(=I(iavr)+j*Q(qavr))との差分データS(t)´を計算し、ピークリミッタ122に対して出力する。
例えば、差分回路204は、以下の数3によって差分データS(t)´を計算し、ピークリミッタ122に対して出力する。
Figure 2008099166
図6は、第1のOFDM送信装置1が出力するOFDM信号を、I−Q平面上に表示した図である。
図6に示すように、第1のOFDM送信装置1においては、平均データによる補正が行なわれるため、電圧ピークが減衰され、クリッピングにより発生する非線形ゆがみが軽減される。
第1のOFDM送信装置1は、DCサブキャリアを用いることによって、IFFT演算を再度行うことなく、簡易な構成で歪を増加させずに電圧ピークを減衰できる。
しかしながら、上述した平均データが最大値・最小値検出部200において検出されるピークがI−Q平面上のどの位置にあるかによって、平均データは異なってしまう。
例えば、閾値を越える電圧ピークが1つあるとき、電圧ピークが同じ大きさであっても、I軸またはQ軸からの角度によっては、平均データの大きさおよび電圧ピークに対する向きが異なる。
このように、電圧ピーク抑圧率がばらつくことで、十分なPAPR(Peak to Average Power Ratio)の改善を得ることが難しくなる。
以下に説明する本発明の第2の実施形態は、このような課題に基づいて、本発明の第1の実施形態が改良されたものである。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
図7は、本発明に係る第2のOFDM送信装置3の構成を例示する図である。
図7に示すように、第2のOFDM送信装置3は、S/P変換部100、マッピング部102、IFFT部104、ピーク抑圧回路30、直交変調部106、D/A変換部108、周波数変換部110、AMP112および送信アンテナ114から構成される。
図7に示すように、第2のOFDM送信装置3は、図4に示した第1のOFDM送信装置におけるピーク抑圧回路20を、ピーク抑圧回路30に代替した構成を採る。
[ピーク抑圧回路30]
以下、第2のOFDM送信装置3におけるピーク抑圧回路30を説明する。
図8は、ピーク抑圧回路30のハードウエア構成を例示する図である。
図8に示すように、ピーク抑圧回路30は、I相・Q相データ検出部120、ピークサンプル検出部300、補正ベクトル演算部302、位相回転部304、最大値・最小値検出部200、振幅中心計算部202、逆位相回転部306、差分回路204およびピークリミッタ122から構成される。
図8に示すように、第2のOFDM送信装置3におけるピーク抑圧回路30は、図5に示した第1のOFDM送信装置2におけるピーク抑圧回路20に、ピークサンプル検出部300、補正ベクトル演算部302、位相回転部304および逆位相回転部306を付加した構成を採る。
ピークサンプル検出部300は、I相・Q相データ検出部120から入力された1OFDMシンボル分のIFFTサンプルのうち、電力が最大であるIFFTサンプルS(vmax)を検出し、補正ベクトル演算部302に対して出力する。
なお、S(vmax)は以下の数4によって示される。
Figure 2008099166
補正ベクトル演算部302は、以下の数5によって、ピークサンプル検出部300から入力されたS(vmax)の単位ベクトルs(vmax)を計算し、位相回転部304および逆位相回転部306に対して出力する。
Figure 2008099166
位相回転部304は、以下の数6によって、I相・Q相データ検出部120から入力されたIFFTサンプルに、補正ベクトル演算部302から入力された単位ベクトルs(vmax)の複素共役s(vmax)*(=I(vmax)― j* Q(vmax))を乗算して、電力が最大であるIFFTサンプルがI軸上に位置するよう位相回転を行う。
さらに、位相回転部304は、位相回転されたRS(t)を、最大値・最小値検出部200に対して出力する。
Figure 2008099166
図9は、位相回転部304から出力されるRS(t)を、I−Q平面上に表示した図である。
図9に示すように、電力が最大であるIFFTサンプルがI軸上に位置するように、シンボル全体が反時計回りの矢印が示すように回転する。
以下、図8に戻り、ピーク抑圧回路30の構成部分を説明する。
逆位相回転部306は、以下の数7によって、振幅中心計算部202から入力された平均データS(tavr)に、補正ベクトル演算部302から入力された単位ベクトルs(vmax)を乗算することによって、平均データS(tavr)が位相回転前の電力ピークの位置に存在するよう逆位相回転を行う。
Figure 2008099166
さらに、逆位相回転部306は、位相回転されたDS(tavr)を、差分回路204に対して出力する。
差分回路204は、I相・Q相データ検出部120から入力されたIFFTサンプルそれぞれと、逆位相回転部306から入力された位相回転データDS(tavr)との差分データを計算し、ピークリミッタ122に対して出力する。
図10は、第2のOFDM送信装置3が出力するOFDM信号を、I−Q平面上に表示した図である。
図10に示すように、第2のOFDM送信装置3においては、図6に示した第1のOFDM送信装置2に比べて、電圧ピークが減衰されている。
このように、第2のOFDM送信装置3においては、Iシンボル内の最大電圧がI軸(またはQ軸)上に位置するように位相回転を与えた状態で平均データを算出するため、最大ピーク電圧がI−Q平面上のどの位置にあるかに関わらず、最大ピークに対する抑圧率のばらつきが抑えられるとともに、最大ピーク電圧の次以降に大きいピーク電圧も考慮した適切なピーク抑圧を行うことができる。
図11は、OFDM送信装置1〜3におけるEVM(Error Vector Magnitude;変調精度)改善量を示す表である。
図11に示すように、第2のOFDM送信装置3において、EVM改善量が最も大きい。
一般的なOFDM送信装置の構成を例示する図である。 ピーク抑圧回路のハードウエア構成を例示する図である。 一般的なOFDM送信装置によって生成されるOFDM信号を、I−Q平面上に表示した図である。 本発明に係る第1のOFDM送信装置の構成を例示する図である。 ピーク抑圧回路のハードウエア構成を例示する図である。 第1のOFDM送信装置が出力するOFDM信号を、I−Q平面上に表示した図である。 本発明に係る第2のOFDM送信装置の構成を例示する図である。 ピーク抑圧回路のハードウエア構成を例示する図である。 位相回転部から出力されるRS(t)を、I−Q平面上に表示した図である。 第2のOFDM送信装置が出力するOFDM信号を、I−Q平面上に表示した図である。 OFDM送信装置におけるEVM改善量を示す表である。
符号の説明
1・・・一般的なOFDM送信装置
100・・・S/P変換部
102・・・マッピング部
104・・・IFFT部
12・・・ピーク抑圧回路
120・・・I相・Q相データ検出部
122・・・ピークリミッタ
106・・・直交変調部
108・・・D/A
110・・・周波数変換部
112・・・AMP
114・・・送信アンテナ
2・・・第1のOFDM送信装置
20・・・ピーク抑圧回路
200・・・最大値・最小値検出部
202・・・振幅中心計算部
204・・・差分回路
3・・・第2のOFDM送信装置
30・・・ピーク抑圧回路
300・・・ピークサンプル検出部
302・・・補正ベクトル演算部
304・・・位相回転部
306・・・逆位相回転部

Claims (1)

  1. 送信データにおける実数成分の最大値および最小値と、虚数成分の最大値および最小値とを検出する検出手段と、
    前記検出された実数成分の最大値および最小値の平均値と、前記検出された虚数成分の最大値および最小値の平均値とを計算する計算手段と、
    前記送信データと、前記計算された実数成分の平均値および虚数成分の平均値からなる平均データとの差分を出力する出力手段と、
    前記送信データから、最大振幅を有する送信データを検出し、前記検出した送信データをその振幅で除算する除算手段と、
    前記送信データに、前記除算された送信データの虚数成分の符号を逆にした複素共役データを乗算する乗算手段と、
    前記平均データに、前記除算された送信データを乗算する乗算手段と
    を有する信号生成装置。
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