JPWO2016140317A1 - 含フッ素オレフィン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、工業的に容易に入手可能な含フッ素オレフィンから、簡便かつ非常に効率的に別の含フッ素オレフィンを製造する方法を提供することを課題とする。本発明は、オレフィンメタセシス反応活性を有する金属−カルベン錯体化合物及び、オレフィン化合物(41)又は(42)の存在下、含フッ素オレフィン化合物(21)とオレフィン化合物(31)とを反応させることにより、含フッ素オレフィン化合物(51)及び含フッ素オレフィン化合物(52)の少なくともいずれか一方の化合物を製造する方法に関する。【化1】

Description

本発明は、オレフィンメタセシス反応により含フッ素オレフィン化合物を製造する新規な方法に関する。
オレフィン中の水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換された化合物、すなわち含フッ素オレフィン化合物には、産業上有用な化合物が知られている。例えば1,1,2−トリフルオロスチレン等の1,1,2−トリフルオロ−2−置換オレフィンは、有機合成素子や重合原料、高分子電解質の原料等として、また1,1−ジフルオロ−2,2−二置換オレフィンは酵素阻害剤等の医薬品、強誘電性材料等の原料として有用な化合物である。しかしながら、これらの化合物を簡便かつ効率的に製造する方法は確立されていない。例えば、非特許文献1には、1,1−ジフルオロ−2,2−二置換オレフィンを、カルボニル化合物のWittig反応(ジフルオロメチリデン化反応)で製造することが報告されている。しかしカルボニル化合物がケトンである場合には、Wittig試薬を過剰量(4〜5当量以上)用いても収率が低く、さらにはリン化合物として、発癌性のヘキサメチル亜リン酸トリアミドを用いる必要がある。
そのため、工業的に入手容易なテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等の含フッ素オレフィンから別の含フッ素オレフィン(例えば1,1−ジフルオロ−2,2−二置換オレフィン等)が簡便かつ効率的に製造できれば、既存手法と比較して極めて有用な合成手法となり得る。
一方、金属触媒による二重結合組み換え反応であるオレフィンメタセシス反応(以下、単に、「オレフィンメタセシス」ということもある。)は多彩な置換基を有するオレフィンの製造方法として広く利用されている。しかし、電子求引性置換基を有する電子不足オレフィンは反応性が低いため、オレフィンメタセシスに利用することは容易ではない。例えば非特許文献2では、種々の置換基を有するオレフィンの反応性が調べられており、電子不足オレフィンの反応性が低いと記載されている。実際、フッ素原子や塩素原子等、ハロゲン原子を有するオレフィンも電子不足オレフィンであるため、オレフィンメタセシスに用いた報告はほとんどない。例えば、非特許文献3において、ルテニウム錯体とフッ化ビニリデン(すなわち、1,1−ジフルオロエチレン)のオレフィンメタセシスが検討されたが、期待した生成物すなわちエチレン及びテトラフルオロエチレンは全く得られなかったと述べられている。このように、ハロゲン原子を有するオレフィンをオレフィンメタセシスに利用することは実用的ではない。中でも、テトラフルオロエチレンやヘキサフルオロプロピレンは、工業的に入手容易で事業化の観点から有用な化合物であるが、極めて電子不足なオレフィンであるだけでなく、その取扱いの難しさ等のため、オレフィンメタセシスに利用した報告はこれまでなかった。
Lim,M.H.et al.,Org.Lett.,2002,4,529−531. Chatterjee,A.K.et al.,J.Am.Chem.Soc.,2003,125,11360−11370. Trnka,T.et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,2001,40,3441−3444.
そこで本発明では、オレフィンメタセシスによって、テトラフルオロエチレンやヘキサフルオロプロピレン等の工業的に容易に入手可能な含フッ素オレフィン化合物から、簡便かつ非常に効率的に別の含フッ素オレフィン化合物を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意研鑽を積んだ結果、金属−炭素二重結合を有する金属触媒の存在下でのフッ素原子を含むオレフィン(含フッ素オレフィン)と別のオレフィンとのメタセシス反応であって、前記メタセシス反応中に特定の置換基を有するオレフィンをさらに存在させることにより、温和な条件下でメタセシス反応が促進され、より効率的に含フッ素オレフィンを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記<1>〜<11>に関するものである。
<1>オレフィンメタセシス反応活性を有する金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(41)で表される化合物の存在下、または、前記金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(42)で表されるオレフィン化合物の存在下;
下記式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物と下記式(31)で表されるオレフィン化合物とを反応させることにより、下記式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物及び下記式(52)で表される含フッ素オレフィン化合物の少なくともいずれか一方の化合物を製造する方法。
Figure 2016140317
ただし、式中の記号は以下の意味を表す。
11及びA12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(iia)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。A11及びA12は互いに結合して環を形成してもよい。ただし、A11及びA12のいずれか一方がハロゲン原子である場合、他方は基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
13は下記基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
Eは、−OR’、−OSiR’、−NR’、−SR’及び下記基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して下記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。A13及びEは互いに結合して環を形成してもよい。
11及びX12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。X11及びX12は互いに結合して環を形成してもよい。
13は、下記基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
11〜R14はそれぞれ独立して、−H、−CHR、−CH(CR、−C(CR、及び−Arからなる群より選ばれる基であり、前記Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選ばれる基であり、前記Arは炭素数5〜12のアリール基である。R11及びR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13及びR14は互いに結合して環を形成してもよい。
基(i):水素原子。
基(ii):ハロゲン原子。
基(iia):塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子。
基(iii):炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(iv):ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基。
基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む前記基(v)。
<2>前記式(41)又は前記式(42)で表されるオレフィン化合物が下記式で表される化合物のいずれかである、前記<1>に記載の製造方法。ただし、式中R’はそれぞれ独立して前記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
Figure 2016140317
<3>前記式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物におけるX13がハロゲン原子又は炭素数1〜8のペルハロゲン化アルキル基である、前記<1>又は<2>に記載の化合物を製造する方法。
<4>前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属が、ルテニウム、モリブデンまたはタングステンである、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の製造方法。
<5>前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がルテニウムである前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の製造方法。
<6>前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がモリブデンまたはタングステンであり、かつ、前記金属−カルベン錯体化合物(10)が配位子[L]として、イミド配位子、および、酸素原子が二座配位した配位子を有する前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の製造方法。
<7>前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、X11が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、X12が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、かつ、X13が基(ii)、基(v)、または基(vi)であるオレフィン化合物である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の製造方法。
ここで、前記基(i)、基(ii)、基(v)および基(vi)は、前記<1>のそれらと同義である。
<8>前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、1,1−ジフルオロオレフィンである前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の製造方法。
<9>前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、下記式で表わされるオレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種のオレフィン化合物である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の製造方法。
Figure 2016140317
上記式において、Rfは、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、または、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリール基である。
<10>前記反応の温度が0〜150℃である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の製造方法。
<11>前記反応に溶媒を用いない前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の製造方法。
本発明に係る含フッ素オレフィン化合物の製造方法によれば、従来のメタセシス反応よりも反応が進行しやすいことから、含フッ素オレフィンと別のオレフィンとから、異なる含フッ素オレフィン化合物を簡便かつ非常に効率的に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。また、本発明は金属触媒によるメタセシスに関するものであり、従来技術と共通する一般的特徴については記載を省略することがある。
なお本明細書において、「式(X)で表される化合物」のことを、単に「化合物(X)」と称する場合がある。
また、本明細書において、ペルハロゲン化アルキル基とは、アルキル基の水素原子が全てハロゲン原子で置換された基を意味する。ペルハロゲン化アルコキシ基とは、アルコキシ基の水素原子が全てハロゲン原子で置換された基を意味する。ペルハロゲン化アルコキシ基及びペルハロゲン化アリール基についても同様である。
また(ペル)ハロゲン化アルキル基とは、ハロゲン化アルキル基とペルハロゲン化アルキル基とを合わせた総称で用いる。すなわち該基は1個以上のハロゲン原子を有するアルキル基である。(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、(ペル)ハロゲン化アリール基、及び(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基についても同様である。
アリール基とは、芳香族化合物において芳香環を形成する炭素原子の内いずれか1つの炭素原子に結合した1つの水素原子を取り去った残基に相当する一価の基を意味し、炭素環化合物から誘導されるアリール基と、ヘテロ環化合物から誘導されるヘテロアリール基とを合わせた総称で用いる。
炭化水素基の炭素数とは、ある炭化水素基全体に含まれる炭素原子の総数を意味し、該基が置換基を有さない場合は炭化水素基骨格を形成する炭素原子の数を、該基が置換基を有する場合は炭化水素基骨格を形成する炭素原子の数に置換基中の炭素原子の数を加えた総数を表す。
なお化学式中の波線はE/Zの異性体のうち、いずれか一方または両方の混合物であることを意味する。
ヘテロ原子とは、炭素原子と水素原子以外の原子を意味し、好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子であり、より好ましくは、酸素原子または窒素原子である。
<反応機構>
本発明はオレフィンメタセシス反応による含フッ素オレフィンの製造方法に関するものであり、例えば下記スキーム(a)に表すように、式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物と式(31)で表される別のオレフィン化合物とを、金属−カルベン錯体化合物(10)(触媒)及び式(41)で表されるオレフィン化合物の存在下、オレフィンメタセシス反応させることにより、式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物を得ることができる。
化合物(21)と化合物(31)とを触媒の存在下メタセシス反応させる場合において、化合物(31)の置換基の構造によっては非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)から不安定な反応中間体([L]M=CR1314)を得る反応工程が進行しないことから、スキーム1.に示したサイクルAの反応が起こりにくく、化合物(51)が非常に得られにくい。
そこで、系内に化合物(41)を存在させることにより、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)から安定な反応中間体([L]M=CEA13)を介して不安定な反応中間体([L]M=CR1314)を得ることができるようになることから、サイクルB及びサイクルCの反応が進行し、化合物(51)を得ることができるようになる(スキーム2.)。
上記反応の進行の差は、反応中間体のエネルギーの相対準位によるものであると推測される。
すなわち、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)と不安定な反応中間体([L]M=CR1314)とのエネルギー準位の差が大きすぎると、不安定な反応中間体([L]M=CR1314)から非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)への反応は進行するものの、その逆反応は進行しにくいものと考えられる(サイクルA)。そこで、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)と不安定な反応中間体([L]M=CR1314)との間に安定な反応中間体([L]M=CEA13)を介することによってエネルギー準位の差が小さくなり、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)から安定な反応中間体([L]M=CEA13)への反応が進行し、次いで、安定な反応中間体([L]M=CEA13)から不安定な反応中間体([L]M=CR1314)への反応が進行する(サイクルB及びサイクルC)。そのため、見かけ上、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)と不安定な反応中間体([L]M=CR1314)とのサイクル反応が起こるようになり、化合物(21)と化合物(31)とのメタセシス反応が進行して化合物(51)を得ることができるようになる。
すなわち、スキーム2.に示した一連の反応において、触媒の存在下、化合物(41)や化合物(41)由来の化合物(41)’との反応を介して、化合物(21)と化合物(31)とから化合物(51)が生成される。当該化合物(41)’はサイクルCでの反応で生成され、サイクルBでの反応に供されることから、触媒のような働きをするものと考えられる。また、化合物(41)に代えて化合物(42)を用いた場合についても同様である。
以上より、化合物(21)と化合物(31)とのメタセシス反応が起こりにくい場合において、化合物(41)や化合物(42)を存在させることにより、化合物(21)と化合物(31)のメタセシス反応が進行するようになり、所望の化合物(51)を得られるようになる。なお、化合物(41)及び化合物(42)は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
なお、後述する化合物(52)を製造する場合についても、上記と同様の反応メカニズムで反応が進行するものと考えられる。
Figure 2016140317
本明細書において、式中の記号は以下の意味を表す。
[L]は配位子である。
Mはルテニウム、モリブデン又はタングステンである。
11及びA12はそれぞれ独立して下記基(i)、基(iia)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。A11及びA12は互いに結合して環を形成してもよい。ただし、A11及びA12のいずれか一方がハロゲン原子である場合、他方は基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
13は下記基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
Eは、−OR’、−OSiR’、−NR’、−SR’及び下記基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して下記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。A13及びEは互いに結合して環を形成してもよい。
11及びX12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。X11及びX12は互いに結合して環を形成してもよい。
13は、下記基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
11〜R14はそれぞれ独立して、−H、−CHR、−CH(CR、−C(CR、及び−Arからなる群より選ばれる基であり、前記Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選ばれる基であり、前記Arは炭素数5〜12のアリール基である。R11及びR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13及びR14は互いに結合して環を形成してもよい。
基(i):水素原子。
基(ii):ハロゲン原子。
基(iia):塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子。
基(iii):炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(iv):ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基。
基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む前記基(v)。
ただし、前記基(vi)は、前記基(v)である場合を除く。
またメタセシス反応は可逆である。すなわちスキーム(a)において逆向きの反応(逆向きの方向の矢印で表わされる反応)が存在する。しかしこの点についての詳細は説明を省略する。また生成した含フッ素オレフィンは幾何異性体が存在する可能性がある。しかしこの点の詳細については、個々の反応に強く依存するので、説明を省略する。
本発明は、下記スキーム(b)に表すように、例えば化合物(11)および化合物(41)の存在下、化合物(21)と化合物(31)とをメタセシス反応させることにより、化合物(51)および化合物(52)の少なくともいずれか一方を製造することを特徴とする。化合物(41)に代えて化合物(42)を用いた場合についても同様である。
上記メタセシス反応は、金属−カルベン錯体化合物(10)の存在下で進行する。下記に示す化合物(11)は金属−カルベン錯体化合物(10)の代表例として記載したものであり、式中A及びAについては後述する。
金属−カルベン錯体化合物(10)としては、ルテニウム−カルベン錯体、モリブデン−カルベン錯体、又はタングステン−カルベン錯体(以下、「金属−カルベン錯体」とも総称する。)が例示できる。金属−カルベン錯体としては化合物(11)の他に、後述する化合物(12)、化合物(13)、化合物(14)、化合物(15)、化合物(16)、又は化合物(17)であってもよく、いずれの錯体を用いた場合でも、上述したスキーム(a)と同様の反応機構でメタセシス反応が進んでいくものと考えられる。以下金属−カルベン錯体については同様である。なお、下記式中の記号は先述したものと同義である。
Figure 2016140317
Figure 2016140317
<オレフィンメタセシス反応活性を有する金属−カルベン錯体化合物(10)>
金属−カルベン錯体化合物(10)として、化合物(11)を例に説明する。化合物(11)は本発明に係る製造方法において触媒としての役割を果たすが、試薬として投入するもの及び反応中で生成するもの(触媒活性種)の両方を意味する。ここで、化合物(11)は反応条件下、配位子のいくつかが解離することで触媒活性を示すようになるものと、配位子の解離なしで触媒活性を示すものが知られているが、本発明ではいずれでもよく限定されない。また一般に、オレフィンメタセシスは触媒へのオレフィンの配位と解離を繰り返しながら進行するため、反応中、触媒上にオレフィン以外の配位子がいくつ配位しているかは必ずしも明確でない。したがって本明細書中、[L]は配位子の数や種類を特定するものではない。また、金属−カルベン錯体化合物(10)における金属はルテニウム、モリブデン、又はタングステンであることが好ましい。
本発明においては、化合物(11)、化合物(12)、化合物(13)、化合物(14)、化合物(15)、化合物(16)、及び化合物(17)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属−カルベン錯体化合物の存在下に反応を行うことが好ましい。金属−カルベン錯体化合物としては、入手容易性及び反応効率の観点から反応開始時には化合物(11)が好ましい。
以下具体的な化合物(11)について説明する。
化合物(11)におけるA及びAはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の一価炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基である。A及びAは、水素原子またはハロゲン原子がひとつ取れた2価の基として互いに結合して環を形成してもよい。ただし化合物(11)としては、A及びAの両方がハロゲン原子である場合は除く。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が入手容易性の点から好ましい。
炭素数1〜20の一価炭化水素基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20のアリール基が好ましく、直鎖状、分岐状、又は環状でもよい。
ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基としては、好ましくは、当該原子を含む炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、当該原子を含む炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基が例示できる。該一価炭化水素基は、直鎖状、分岐状、又は環状でもよい。これらの好ましい基は少なくとも一部の炭素原子にハロゲン原子が結合していてもよい。すなわち例えば(ペル)フルオロアルキル基、(ペル)フルオロアルコキシ基であってもよい。またこれらの好ましい基は、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有していてもよい。またこれらの好ましい基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アミド基(カルボニルアミノ基)、カルバメート基(オキシカルボニルアミノ基)、ニトロ基、カルボキシル基、エステル基(アシルオキシ基又はアルコキシカルボニル基)、チオエーテル基、及びシリル基等が例示できる。これらの基は更にアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。例えばアミノ基(−NH)はモノアルキルアミノ基(−NHR)、モノアリールアミノ基(−NHAr)、ジアルキルアミノ基(−NR)、又はジアリールアミノ基(−NAr)であってもよい。ただしRは炭素数1〜12のアルキル基または炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基であり、Arは炭素数5〜12のアリール基である。
これらのA及びAの組み合わせを有する化合物(11)としては、入手容易性の点で、下記式に示すものが好ましく例示できる。なお、下記式中、Cyとはシクロヘキシル基を意味する。
Figure 2016140317
本発明においては、金属カルベン錯体化合物の金属がルテニウムであることが好ましい。
具体的には、化合物(11)においてMがルテニウムの場合、下記式(11−A)で表すことができる。式(11)における配位子[L]は式(11−A)においてL、L、L、Z11及びZ12で表される。L、L、L、Z11及びZ12の位置に限定はなく、式(11−A)において互いに入れ替わっていてもよい。すなわち例えばZ11及びZ12はトランス位にあっても、シス位にあってもよい。
Figure 2016140317
式(11−A)中、L、L及びLはそれぞれ独立して、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子(中性の電子供与性配位子)である。具体的には、カルボニル基、アミン類、イミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、スルホキシド類、スルホン類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類、ヘテロ原子含有カルベン化合物等が挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類、ピリジン類、ヘテロ原子含有カルベン化合物が好ましく、トリアルキルホスフィンやN−ヘテロ環状カルベン化合物がより好ましい。
ただし前記配位子の組み合わせによっては、立体的要因及び/又は電子的要因により、すべての配位子が中心金属に配位できず、結果としていくつかの配位座が空になる場合もある。例えば、L、L及びLとしては下記組合せが挙げられる。
:ヘテロ原子含有カルベン化合物、L:ホスフィン類、L:なし(空配位)。
:ヘテロ原子含有カルベン化合物、L:ピリジン類、L:ピリジン類
式(11−A)中、Z11及びZ12はそれぞれ独立して、中心金属から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子(アニオン性配位子)である。具体的には、ハロゲン原子、水素原子、置換ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が5〜20のアリール基、炭素数が1〜20の置換アルコキシ基、炭素数が5〜20の置換アリールオキシ基、炭素数が1〜20の置換カルボキシレート基、炭素数が6〜20の置換アリールカルボキシレート基、炭素数が1〜20の置換アルキルチオレート基、炭素数炭素数が6〜20の置換アリールチオレート基及びナイトレート基等が挙げられる。中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
式(11−A)中、A及びAは式(11)におけるA及びAとそれぞれ同様である。
また、L、L、L、Z11、Z12、A及びAのうち2〜6個で互いに結合し、多座配位子を形成してもよい。
上記触媒は一般的に「ルテニウム−カルベン錯体」と称されるものであり、例えばVougioukalakis,G.C.et al.Chem.Rev.,2010,110,1746−1787.に記載されているルテニウム−カルベン錯体を利用することができる。また、例えばAldrich社やUmicore社から市販されているルテニウム−カルベン錯体を利用することができる。
ルテニウム−カルベン錯体の具体例としては、ビス(トリフェニルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−3−メチル−2−ブテニリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ビス(2−メチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、[1,3−ジシクロヘキシル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)[ビス(3−ブロモピリジン)]ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(2−イソプロポキシフェニルメチリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)[(トリシクロヘキシルホスホラニル)メチリデン]ジクロロルテニウムテトラフルオロボラート、UmicoreM2、UmicoreM51、UmicoreM52、UmicoreM71SIMes、UmicoreM71SIPr、UmicoreM73SIMes、UmicoreM73SIPr等が挙げられ、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)(2−イソプロポキシフェニルメチリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン)[(トリシクロヘキシルホスホラニル)メチリデン]ジクロロルテニウムテトラフルオロボラート、UmicoreM2、UmicoreM51、UmicoreM52、UmicoreM71SIMes、UmicoreM71SIPr、UmicoreM73SIMes、UmicoreM73SIPrが特に好ましい。なお上記錯体のうち、「Umicore」で始まる名称は、Umicore社の製品の商品名である。
なお、上記ルテニウム−カルベン錯体は、単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。さらに必要に応じてシリカゲルやアルミナ、ポリマー等の担体に担持して用いてもよい。
本発明においては、金属カルベン錯体化合物の金属がモリブデンまたはタングステンであることが触媒の入手容易性の点で好ましい。
化合物(11)においてMがモリブデン又はタングステンの場合、下記式(11−B)又は式(11−C)で表すことができる。また化合物(11)としては、これらにさらに配位性溶媒(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等)が配位していてもよい。
金属触媒の金属がモリブデンまたはタングステンである場合、金属触媒の配位子[L]としては、イミド配位子(R−N=M)を有することが好ましい。ただし、Rとしては、アルキル基、アリール基等が例示できる。またさらに金属触媒の配位子[L]としては酸素原子が二座配位した配位子を有することが好ましい。ただし酸素原子が二座配位した配位子とは、酸素原子を2個以上有する配位子において該酸素原子のうちの2個で配位している配位子である場合、および、酸素原子を有する単座配位子が2個配位している場合(この場合に単座配位子は同一であっても異なっていてもよい)の双方の場合を含む。
Figure 2016140317
式(11)における配位子[L]は式(11−B)において=NR、−R、−Rで表される。=NR、−R、−Rの位置に限定はなく、式(11−B)において互いに入れ替わっていてもよい。Mは、モリブデン又はタングステンであり、Rとしては、アルキル基、アリール基等が例示できる。R、Rとしては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、スルホネート基、アミノ基(アルキルアミノ基、η−ピロリド、η−ピロリド等)等が例示できる。RとRは連結して二座配位子となっていてもよい。
また式(11−C)は、式(11−B)で表わされる化合物の金属−炭素二重結合部分に、オレフィン(C(R)が環化付加([2+2] cycloaddition)して、メタラシクロブタン環を形成した化合物である。ただし4個のRは互いに同じでも異なっていてもよい一価の基であり、水素原子、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基等が例示できる。式(11−C)で表わされる化合物は、式(11−B)で表わされる化合物と等価と考える。
式(11−B)及び式(11−C)中、A及びAは式(11)におけるA及びAとそれぞれ同様である。
上記触媒は一般的に「モリブデン−カルベン錯体」「タングステン−カルベン錯体」と称されるものであり、例えばGrela,K.(Ed)Olefin Metathesis:Theory and Practice,Wiley,2014.に記載されているモリブデン−カルベン錯体又はタングステン−カルベン錯体を利用することができる。また、例えばAldrich社やStrem社、Ximo社から市販されているモリブデン−カルベン錯体又はタングステン−カルベン錯体を利用することができる。
なお、上記モリブデン−カルベン錯体又はタングステン−カルベン錯体は、単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。さらに必要に応じてシリカゲルやアルミナ、ポリマー等の担体に担持して用いてもよい。
化合物(11−B)の具体例を下記に示す。なお、Meとはメチル基を、i−Prとはイソプロピル基を、t−Buとはターシャリーブチル基を、Phとはフェニル基を、それぞれ意味する。
Figure 2016140317
Figure 2016140317
化合物(11−C)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2016140317
<化合物(12)〜(17)>
化合物(12)〜(17)は、上記化合物(11)と同様に本発明に係る製造方法において触媒としての役割を果たすが、試薬として投入するもの及び反応中で生成するもの(触媒活性種)の両方を意味する。
<化合物(21)>
下記式(21)で表されるオレフィン化合物は原料として用いるオレフィン化合物であり、化合物(21)におけるX11、X12及びX13は、前記定義と同様である。
Figure 2016140317
すなわち化合物(21)におけるX11及びX12はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基、並びに、さらに酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群より選ばれる基である。X11及びX12は、水素原子又はハロゲン原子がひとつ取れた二価の基として、互いに結合して環を形成してもよい。
中でも、水素原子及びハロゲン原子が入手容易性の点から好ましい。
13はハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基、並びに、さらに酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群より選ばれる基である。
中でも、入手容易性の点からX13はハロゲン原子又は炭素数1〜12のペルハロゲン化アルキル基が好ましく、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のペルフルオロアルキル基がより好ましい。
化合物(21)としては、X11が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、X12が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、かつ、X13が基(ii)、基(v)、または基(vi)であるオレフィン化合物であることが好ましい。また、化合物(21)としては1,1−ジフルオロオレフィン又は1,2−ジフルオロオレフィンが好ましく、1,1−ジフルオロオレフィン又は炭素数3以上の1,2−ジフルオロオレフィンがより好ましく、特にX13がフッ素原子である化合物、すなわち1,1−ジフルオロオレフィンが好ましい。
化合物(21)として好ましくは、具体的には、下記化合物等が挙げられる。ただしE/Zの異性体がある場合にはどちらであってもよい。化合物(21)としては1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。ただし副生成物が多くなりやすいことから1種のみが好ましい。
Figure 2016140317
上記式において、Rfは、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、または、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリール基である。
化合物(21)の具体例としては、より好ましくは、下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2016140317
<化合物(31)>
下記式(31)で表されるオレフィン化合物は原料として用いる化合物であり、化合物(31)におけるR11、R12、R13及びR14は、前記定義と同様である。
Figure 2016140317
すなわち化合物(31)におけるR11〜R14はそれぞれ独立して、−H、−CHR、−CH(CR、−C(CR、及び−Arからなる群より選ばれる基であり、前記Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選ばれる基であり、前記Arは炭素数5〜12のアリール基である。R11及びR12は水素原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよく、R13及びR14は水素原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。
中でも、−H及び−CHRが高い反応性を有する点から好ましい。
化合物(31)の具体例としては、より好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレン等が挙げられる。
<化合物(41)、(42)>
下記式(41)または下記式(42)で表されるオレフィン化合物は、本発明におけるメタセシス反応中で触媒のように用いられる化合物であり、オレフィン化合物(41)およびオレフィン化合物(42)におけるA11、A12、A13及びEは、前記定義と同様である。
Figure 2016140317
すなわち化合物(41)におけるA11及びA12または化合物(42)におけるA11はそれぞれ独立して、水素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜20の一価炭化水素基、並びに、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基からなる群より選ばれる基である。化合物(41)において、A11及びA12は水素原子又はハロゲン原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。ただし、A11及びA12のいずれか一方がハロゲン原子である場合、他方はハロゲン原子である場合を除く。
中でも、化合物(41)においては、A11及びA12の少なくともいずれか一方が水素原子であることが高い反応性を有する点から好ましい。
またA11及びA12の少なくともいずれか一方が、−OSiR’又は−NR’で表されるような一分子中に複数のR’を有する場合、当該複数のR’の炭素数の合計が、A11及び/又はA12の炭素数の範囲内である。
13は水素原子、炭素数1〜20の一価炭化水素基、並びに、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基からなる群より選ばれる基である。
Eは、−OR’、−OSiR’、−NR’、−SR’及び基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して、基(i):水素原子;基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基、並びに、基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む基(v)からなる群から選ばれる基からなる群より選ばれる基である。−NR’の場合、二つのR’は水素原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。
13及びEは水素原子又はハロゲン原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。オレフィン化合物(42)においては、A11及びEは水素原子又はハロゲン原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。
11〜A13のうち、2個または3個は水素原子であることが好ましい。特にA13は、水素原子が高い反応性を有する点から好ましい。
Eは、−OR’、−NR’、−SR’が高い反応性を有する点から好ましい。すなわち化合物(41)としては、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルアミン類、または、ビニルチオエーテル類が高い反応性を有する点で好ましい。化合物(42)としては、1,2−ビスアルコキシエチレン類、1,2−ビスアシルオキシエチレン類、1,2−ビスアミノエチレン類、または、1,2−ビスチオアルコキシエチレン類が高い反応性を有する点で好ましい。
化合物(41)および化合物(42)の具体例としては、より好ましくは、下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2016140317
より好ましくは下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2016140317
<化合物(51)及び化合物(52)>
上記化合物(21)と化合物(31)との反応により、下記式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物及び下記式(52)で表される含フッ素オレフィン化合物の少なくともいずれか一方が製造される。化合物(51)及び化合物(52)におけるR11、R12、R13、R14及びX13は、前記定義と同様であり、好ましい基も化合物(21)又は化合物(22)におけるR11、R12、R13、R14及びX13の好ましい基とそれぞれ同様である。
化合物(51)及び/又は化合物(52)は炭素−炭素二重結合を構成する炭素原子に直接フッ素原子が結合した含フッ素オレフィン化合物である。
なお、化合物(21)と化合物(31)との反応により、下記式(53)で表されるオレフィン化合物や下記式(54)で表されるオレフィン化合物も生成する場合があるが、本発明では化合物(51)及び化合物(52)の少なくともいずれか一方の含フッ素オレフィン化合物を製造することを目的とすることから、化合物(53)及び化合物(54)についての記載は省略する。
Figure 2016140317
化合物(51)及び/又は化合物(52)は、例えば、化合物(21)として、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、またはトリフルオロエチレンを選び、かつ、化合物(31)として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、またはスチレンを選んで反応させることにより得られる。
化合物(51)及び/又は化合物(52)の具体例としては、好ましくは、下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2016140317
<製造方法>
本発明はオレフィンメタセシスによる含フッ素オレフィン化合物の製造方法に関するものであり、典型的には、含フッ素オレフィン(化合物(21))と別のオレフィン(化合物(31))とを原料化合物とし、金属−カルベン錯体化合物(10)及び原料化合物とは異なるオレフィン(化合物(41)または化合物(42))の存在下、当該原料化合物を接触させることによってオレフィンメタセシスを行い、2種の原料化合物の部分構造を有する新たな含フッ素オレフィン(化合物(51)及び/又は化合物(52))を得るものである。
原料化合物である化合物(21)及び化合物(31)は共に、末端及び内部オレフィンのどちらも利用することができる。目的物収率向上の点で、原料化合物は脱気及び脱水されたものを用いることが好ましい。脱気操作について、特に制限はないが、凍結脱気等を行うことがある。脱水操作について、特に制限はないが、通常モレキュラーシーブ等と接触させる。原料化合物について、前記脱気及び脱水操作は通常金属−カルベン錯体化合物(10)及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))と接触させる前に行う。
また原料となるオレフィンは微量の不純物(例えば過酸化物等)を含むことがあるので、目的物収率向上の点で精製してもよい。精製方法については特に制限はない。例えば文献(Armarego,W.L.F.et al.,Purification of Laboratory Chemicals(Sixth Edition),2009,Elsevier)記載の方法に従って行うことができる。
原料化合物である化合物(21)及び化合物(31)は、あらかじめ混合してから反応容器に投入しても、別々に投入しても構わない。原料化合物として化合物(21)又は化合物(31)を金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))と接触させて得られた混合物に、他方の原料化合物を接触させる場合もある。
原料となる化合物(21)及び化合物(31)のモル比に特に限定はないが、通常基準となるオレフィン化合物1モルに対して、もう一方のアセチレンを0.01〜100モル程度用い、好ましくは0.1〜10モル程度用いる。
金属−カルベン錯体化合物は試薬として投入しても、系内で発生させてもよい。
試薬として投入する場合、市販の金属−カルベン錯体化合物をそのまま用いてもよく、あるいは市販試薬から公知の方法で合成した市販されていない金属−カルベン錯体を用いてもよい。
系内で発生させる場合、公知の方法で前駆体となる金属錯体から調製した金属−カルベン錯体化合物を本発明に用いることができる。
用いる金属−カルベン錯体化合物の量としては、特に制限はないが、基準となるオレフィン化合物1モルに対して、通常0.0001〜1モル程度用い、好ましくは0.001〜0.2モル程度用いる。
用いる金属−カルベン錯体化合物は、通常固体のまま反応容器に投入するが、溶媒に溶解又は懸濁させて投入してもよい。この時用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない範囲で特に制限はなく、有機溶媒、含フッ素有機溶媒、イオン液体、水等を単独又は混合して用いることができる。なお、これらの溶媒分子中、一部又はすべての水素原子が重水素原子で置換されていてもよい。
化合物(41)(または化合物(42))は試薬として投入するが、一度投入した後は系内で発生した化合物(上述のスキーム(a)における化合物(41)’に相当。)もオレフィンメタセシス反応に寄与する。化合物(41)(または化合物(42))は市販の化合物をそのまま用いてもよく、あるいは市販試薬から公知の方法で合成した市販されていない化合物を用いてもよい。
用いる化合物(41)(または化合物(42))の量としては、特に制限はないが、基準となるオレフィン化合物1モルに対して、通常0.0001〜1モル程度用い、好ましくは0.001〜0.2モル程度用いる。
用いる化合物(41)(または化合物(42))は、通常液体または固体のまま反応容器に投入するが、溶媒に溶解又は懸濁させて投入してもよい。この時用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない範囲で特に制限はなく、有機溶媒、含フッ素有機溶媒、イオン液体、水等を単独又は混合して用いることができる。なお、これらの溶媒分子中、一部又はすべての水素原子が重水素原子で置換されていてもよい。
またオレフィン化合物が液体である場合(加熱して液化する場合も含む)は、メタセシス反応に溶媒を用いないことが好ましい。この場合オレフィン化合物に金属−カルベン錯体化合物が溶解することが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o−,m−,p−キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、グライム、ジグライム等のエーテル系溶媒等を使用することができる。含フッ素有機溶媒としては、例えば、ヘキサフルオロベンゼン、m−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、p−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン等を使用することができる。イオン液体としては、例えば、各種ピリジニウム塩、各種イミダゾリウム塩等を用いることができる。上記溶媒の中でも、金属−カルベン錯体の溶解性等の点で、ベンゼン、トルエン、o−,m−,p−キシレン、メシチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジエチルエーテル、ジオキサン、THF(テトラヒドロフラン)、ヘキサフルオロベンゼン、m−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、p−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、α,α,α−トリフルオロメチルベンゼン等、及びこれらの混合物が好ましい。
なお、目的物収率向上の点で、前記溶媒は脱気及び脱水されたものを用いることが好ましい。脱気操作について、特に制限はないが、凍結脱気等を行うことがある。脱水操作について、特に制限はないが、通常モレキュラーシーブ等と接触させる。前記脱気及び脱水操作は通常金属−カルベン錯体化合物と接触させる前に行う。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる雰囲気としては、特に限定はないが、触媒の長寿命化の点で、不活性気体雰囲気下が好ましく、中でも窒素又はアルゴン雰囲気下が好ましい。ただし、反応条件において気体となる化合物を原料として用いる場合、これらの気体雰囲気下で行うことができる。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))を接触させる相としては、特に制限はないが、反応速度の点で、通常は液相が用いられる。原料となる化合物が反応条件下で気体の場合、液相で実施するのが難しいため、気−液二相で実施することもできる。なお、液相で実施する場合には溶媒を用いることができる。このとき用いる溶媒としては、上記、金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))の溶解又は懸濁に用いた溶媒と同様のものを利用することができる。なお、2種類の原料化合物のうち少なくとも一方が反応条件下で液体の場合、無溶媒で実施できることがある。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる容器としては、反応に悪影響を与えない範囲で特に制限はなく、例えば金属製容器又はガラス製容器等を用いることができる。なお、本発明にかかるオレフィンメタセシスは反応条件下、気体状態のオレフィン化合物を扱うことがあるので、高気密が可能な耐圧容器が好ましい。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる温度としては、特に制限はないが、通常−100〜200℃の範囲で実施することができ、反応速度の点で、0〜150℃が好ましい。なお、低温では反応が開始せず、高温では錯体の速やかな分解が生じることがあるので適宜温度の下限と上限を設定する必要がある。通常、用いる溶媒の沸点以下の温度で実施される。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる時間としては、特に制限はないが、通常1分〜48時間の範囲で実施される。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる圧力としては、特に制限はないが、加圧下でも、常圧下でもよいし、減圧下でもよい。通常0.001〜10MPa程度、好ましくは0.01〜1MPa程度である。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる際に、反応に悪影響を及ぼさない範囲で無機塩や有機化合物、金属錯体等を共存させてもよい。
また、反応に悪影響を及ぼさない範囲で、原料化合物と金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))の混合物を攪拌してもよい。このとき、攪拌の方法としては、メカニカルスターラーやマグネティックスターラー等を用いることができる。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))を接触させた後、目的物は通常複数の含フッ素オレフィンの混合物として得られるため、公知の方法で単離してもよい。単離方法としては、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィー、リサイクル分取HPLC等が挙げられ、必要に応じてこれらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。
本反応で得られた目的物は通常の有機化合物と同様の公知の方法で同定することができる。例えば、H−、19F−、13C−NMRやGC−MS等が挙げられ、必要に応じてこれらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<市販試薬>
本実施例において、触媒は、特に記載しない場合においては、市販品をそのまま反応に用いる。溶媒(ベンゼン−d及びo−ジクロロベンゼン−d)は、市販品をあらかじめ凍結脱気したあと、モレキュラーシーブ4Aで乾燥してから反応に用いた。
<評価方法>
本実施例において、合成した化合物の構造は日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置(JNM−AL300)によりH−NMR、19F−NMR測定を行うことで同定した。また、分子量は株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010Ultra)を用いて、電子イオン化法(EI)により求めた。
<実施例1>
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)、エチルビニルエーテル(20mol%、0.024mmol)及びベンゼン−d(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れた。その後、NMR測定管の気相部をプロピレン/テトラフルオロエチレン=1/1混合ガス(v/v、1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換した。
NMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させた。反応終了後、内容液のNMRを測定して、1,1−ジフルオロ−1−プロペンの生成を確認した。
これら一連の反応を以下に示す。
Figure 2016140317
<実施例2>
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、スチレン(0.12mmol)、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)、エチルビニルエーテル(20mol%、0.024mmol)及びo−ジクロロベンゼン−d(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れる。その後、NMR測定管の気相部をテトラフルオロエチレン(1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換する。
NMR測定管を180℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。反応終了後、内容液のNMRを測定して、β,β−ジフルオロスチレンの生成を確認する。
これら一連の反応を以下に示す。
Figure 2016140317
<実施例3>
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)、エチルビニルエーテル(20mol%、0.024mmol)及びベンゼン−d(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れる。その後、NMR測定管の気相部にプロピレン(1.0atm、1.35mL、0.06mmol)を導入する。NMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。その後、NMR測定管の気相部にテトラフルオロエチレン(1.0atm、1.35mL、0.06mmol)を導入し、さらにNMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。反応終了後、内容液のNMRを測定して、1,1−ジフルオロ−1−プロペンの生成を確認する。
これら一連の反応を以下に示す。
Figure 2016140317
<実施例4、5>
エチルビニルエーテル共存下でのルテニウム触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のGrubbs第二世代触媒を公知の下式で示される公知のルテニウム触媒B、Cに変更して、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
Figure 2016140317
<実施例6〜9>
エチルビニルエーテル共存下でのルテニウム触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のGrubbs第二世代触媒を下式で示される公知のモリブデン触媒D〜Gに変更して、同様に反応を行い、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
Figure 2016140317
<実施例10>
エチルビニルエーテル共存下でのタングステン触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のGrubbs第二世代触媒を下式で示される公知のタングステン触媒Hに変更して、同様に反応を行い、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
Figure 2016140317
<実施例11、12>
エチルビニルエーテル共存下でのルテニウム触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例2のGrubbs第二世代触媒を前述した公知のルテニウム触媒B、Cに変更して、同様に反応を行い、実施例2と同じ生成物を得る。
<実施例13〜16>
エチルビニルエーテル共存下でのモリブデン触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例2のGrubbs第二世代触媒を前述した公知のモリブデン触媒D〜Gに変更して、同様に反応を行い、実施例2と同じ生成物を得る。
<実施例17〜24>
化合物(41)共存下でのルテニウム触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のエチルビニルエーテルを下式で表される市販の化合物(41)に変更して、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
Figure 2016140317
<実施例25〜28>
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンと化合物(21)のメタセシス
実施例1のテトラフルオロエチレンを下式で表される化合物(21)に変更して、同様に反応を行う。生成物として表5中に示す含フッ素オレフィン化合物を得る。
Figure 2016140317
<実施例29>
溶媒を用いない、エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1において、溶媒(ベンゼン−d)を投入せずに、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
<実施例30>
溶媒を用いない、エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例2において、溶媒(ベンゼン−d)を投入せずに、同様に反応を行い、実施例2と同じ生成物を得る。
<比較例1>
エチルビニルエーテル非共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)及びベンゼン−d(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れた。その後、NMR測定管の気相部をプロピレン/テトラフルオロエチレン=1/1混合ガス(v/v、1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換した。
NMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させた。反応終了後、内容液のNMRを測定したが、1,1−ジフルオロ−1−プロペンは痕跡量しか生成しなかった。
これら一連の反応を以下に示す。
Figure 2016140317
<比較例2>
エチルビニルエーテル非共存下でのGrubbs第二世代触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、スチレン(0.12mmol)、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)及びo−ジクロロベンゼン−d(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れる。その後、NMR測定管の気相部をテトラフルオロエチレン(1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換する。
NMR測定管を180℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。反応終了後、内容液のNMRを測定し、β,β−ジフルオロスチレンが痕跡量のみ生成する又は全く生成しないことを確認する。
これら一連の反応を以下に示す。
Figure 2016140317
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2015年3月3日出願の日本特許出願(特願2015−041644)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、含フッ素オレフィンと別のオレフィンとを、金属−カルベン錯体化合物及び第三のオレフィン化合物の存在下でメタセシス反応することにより、含フッ素オレフィン化合物を簡便かつ非常に効率的に製造することができる。

Claims (11)

  1. オレフィンメタセシス反応活性を有する金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(41)で表されるオレフィン化合物の存在下、または、前記金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(42)で表されるオレフィン化合物の存在下;
    下記式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物と下記式(31)で表されるオレフィン化合物とを反応させることにより、下記式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物及び下記式(52)で表される含フッ素オレフィン化合物の少なくともいずれか一方の化合物を製造する方法。
    Figure 2016140317
    ただし、式中の記号は以下の意味を表す。
    11及びA12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(iia)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。A11及びA12は互いに結合して環を形成してもよい。ただし、A11及びA12のいずれか一方がハロゲン原子である場合、他方は基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
    13は下記基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
    Eは、−OR’、−OSiR’、−NR’、−SR’及び下記基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して下記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。A13及びEは互いに結合して環を形成してもよい。
    11及びX12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。X11及びX12は互いに結合して環を形成してもよい。
    13は、下記基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
    11〜R14はそれぞれ独立して、−H、−CHR、−CH(CR、−C(CR、及び−Arからなる群より選ばれる基であり、前記Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選ばれる基であり、前記Arは炭素数5〜12のアリール基である。R11及びR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13及びR14は互いに結合して環を形成してもよい。
    基(i):水素原子。
    基(ii):ハロゲン原子。
    基(iia):塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子。
    基(iii):炭素数1〜20の一価炭化水素基。
    基(iv):ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基。
    基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基。
    基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む前記基(v)。
  2. 前記式(41)又は前記式(42)で表されるオレフィン化合物が下記式で表される化合物のいずれかである、請求項1に記載の製造方法。ただし、式中R’はそれぞれ独立して前記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
    Figure 2016140317
  3. 前記式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物におけるX13がハロゲン原子又は炭素数1〜8のペルハロゲン化アルキル基である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属が、ルテニウム、モリブデンまたはタングステンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がルテニウムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がモリブデンまたはタングステンであり、かつ、前記金属−カルベン錯体化合物(10)が配位子[L]として、イミド配位子、および、酸素原子が二座配位した配位子を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、X11が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、X12が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、かつ、X13が基(ii)、基(v)、または基(vi)であるオレフィン化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
    ここで、前記基(i)、基(ii)、基(v)および基(vi)は、請求項1のそれらと同義である。
  8. 前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、1,1−ジフルオロオレフィンである請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、下記式で表わされるオレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種のオレフィン化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 2016140317
    上記式において、Rfは、炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜20の(ペル)フルオロアルキル基、または、炭素数5〜20の(ペル)フルオロアリール基である。
  10. 前記反応の温度が0〜150℃である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記反応に溶媒を用いない請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
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