JPWO2016140317A1 - 含フッ素オレフィン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<1>オレフィンメタセシス反応活性を有する金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(41)で表される化合物の存在下、または、前記金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(42)で表されるオレフィン化合物の存在下;
下記式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物と下記式(31)で表されるオレフィン化合物とを反応させることにより、下記式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物及び下記式(52)で表される含フッ素オレフィン化合物の少なくともいずれか一方の化合物を製造する方法。
A11及びA12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(iia)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。A11及びA12は互いに結合して環を形成してもよい。ただし、A11及びA12のいずれか一方がハロゲン原子である場合、他方は基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
A13は下記基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
Eは、−OR’、−OSiR’3、−NR’2、−SR’及び下記基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して下記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。A13及びEは互いに結合して環を形成してもよい。
X11及びX12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。X11及びX12は互いに結合して環を形成してもよい。
X13は、下記基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
R11〜R14はそれぞれ独立して、−H、−CH2R、−CH(CR3)2、−C(CR3)3、及び−Arからなる群より選ばれる基であり、前記Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選ばれる基であり、前記Arは炭素数5〜12のアリール基である。R11及びR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13及びR14は互いに結合して環を形成してもよい。
基(i):水素原子。
基(ii):ハロゲン原子。
基(iia):塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子。
基(iii):炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(iv):ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基。
基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む前記基(v)。
<4>前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属が、ルテニウム、モリブデンまたはタングステンである、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の製造方法。
<5>前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がルテニウムである前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の製造方法。
<6>前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がモリブデンまたはタングステンであり、かつ、前記金属−カルベン錯体化合物(10)が配位子[L]として、イミド配位子、および、酸素原子が二座配位した配位子を有する前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の製造方法。
<7>前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、X11が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、X12が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、かつ、X13が基(ii)、基(v)、または基(vi)であるオレフィン化合物である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の製造方法。
ここで、前記基(i)、基(ii)、基(v)および基(vi)は、前記<1>のそれらと同義である。
<8>前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、1,1−ジフルオロオレフィンである前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の製造方法。
<9>前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、下記式で表わされるオレフィン化合物から選ばれる少なくとも1種のオレフィン化合物である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の製造方法。
<10>前記反応の温度が0〜150℃である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の製造方法。
<11>前記反応に溶媒を用いない前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の製造方法。
なお本明細書において、「式(X)で表される化合物」のことを、単に「化合物(X)」と称する場合がある。
また、本明細書において、ペルハロゲン化アルキル基とは、アルキル基の水素原子が全てハロゲン原子で置換された基を意味する。ペルハロゲン化アルコキシ基とは、アルコキシ基の水素原子が全てハロゲン原子で置換された基を意味する。ペルハロゲン化アルコキシ基及びペルハロゲン化アリール基についても同様である。
また(ペル)ハロゲン化アルキル基とは、ハロゲン化アルキル基とペルハロゲン化アルキル基とを合わせた総称で用いる。すなわち該基は1個以上のハロゲン原子を有するアルキル基である。(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、(ペル)ハロゲン化アリール基、及び(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基についても同様である。
アリール基とは、芳香族化合物において芳香環を形成する炭素原子の内いずれか1つの炭素原子に結合した1つの水素原子を取り去った残基に相当する一価の基を意味し、炭素環化合物から誘導されるアリール基と、ヘテロ環化合物から誘導されるヘテロアリール基とを合わせた総称で用いる。
炭化水素基の炭素数とは、ある炭化水素基全体に含まれる炭素原子の総数を意味し、該基が置換基を有さない場合は炭化水素基骨格を形成する炭素原子の数を、該基が置換基を有する場合は炭化水素基骨格を形成する炭素原子の数に置換基中の炭素原子の数を加えた総数を表す。
なお化学式中の波線はE/Zの異性体のうち、いずれか一方または両方の混合物であることを意味する。
ヘテロ原子とは、炭素原子と水素原子以外の原子を意味し、好ましくは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1種以上の原子であり、より好ましくは、酸素原子または窒素原子である。
本発明はオレフィンメタセシス反応による含フッ素オレフィンの製造方法に関するものであり、例えば下記スキーム(a)に表すように、式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物と式(31)で表される別のオレフィン化合物とを、金属−カルベン錯体化合物(10)(触媒)及び式(41)で表されるオレフィン化合物の存在下、オレフィンメタセシス反応させることにより、式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物を得ることができる。
そこで、系内に化合物(41)を存在させることにより、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)から安定な反応中間体([L]M=CEA13)を介して不安定な反応中間体([L]M=CR13R14)を得ることができるようになることから、サイクルB及びサイクルCの反応が進行し、化合物(51)を得ることができるようになる(スキーム2.)。
すなわち、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)と不安定な反応中間体([L]M=CR13R14)とのエネルギー準位の差が大きすぎると、不安定な反応中間体([L]M=CR13R14)から非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)への反応は進行するものの、その逆反応は進行しにくいものと考えられる(サイクルA)。そこで、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)と不安定な反応中間体([L]M=CR13R14)との間に安定な反応中間体([L]M=CEA13)を介することによってエネルギー準位の差が小さくなり、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)から安定な反応中間体([L]M=CEA13)への反応が進行し、次いで、安定な反応中間体([L]M=CEA13)から不安定な反応中間体([L]M=CR13R14)への反応が進行する(サイクルB及びサイクルC)。そのため、見かけ上、非常に安定な反応中間体([L]M=CFX13)と不安定な反応中間体([L]M=CR13R14)とのサイクル反応が起こるようになり、化合物(21)と化合物(31)とのメタセシス反応が進行して化合物(51)を得ることができるようになる。
なお、後述する化合物(52)を製造する場合についても、上記と同様の反応メカニズムで反応が進行するものと考えられる。
[L]は配位子である。
Mはルテニウム、モリブデン又はタングステンである。
A11及びA12はそれぞれ独立して下記基(i)、基(iia)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。A11及びA12は互いに結合して環を形成してもよい。ただし、A11及びA12のいずれか一方がハロゲン原子である場合、他方は基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
A13は下記基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
Eは、−OR’、−OSiR’3、−NR’2、−SR’及び下記基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して下記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。A13及びEは互いに結合して環を形成してもよい。
X11及びX12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。X11及びX12は互いに結合して環を形成してもよい。
X13は、下記基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
R11〜R14はそれぞれ独立して、−H、−CH2R、−CH(CR3)2、−C(CR3)3、及び−Arからなる群より選ばれる基であり、前記Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選ばれる基であり、前記Arは炭素数5〜12のアリール基である。R11及びR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13及びR14は互いに結合して環を形成してもよい。
基(i):水素原子。
基(ii):ハロゲン原子。
基(iia):塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子。
基(iii):炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(iv):ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基。
基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む前記基(v)。
ただし、前記基(vi)は、前記基(v)である場合を除く。
金属−カルベン錯体化合物(10)としては、ルテニウム−カルベン錯体、モリブデン−カルベン錯体、又はタングステン−カルベン錯体(以下、「金属−カルベン錯体」とも総称する。)が例示できる。金属−カルベン錯体としては化合物(11)の他に、後述する化合物(12)、化合物(13)、化合物(14)、化合物(15)、化合物(16)、又は化合物(17)であってもよく、いずれの錯体を用いた場合でも、上述したスキーム(a)と同様の反応機構でメタセシス反応が進んでいくものと考えられる。以下金属−カルベン錯体については同様である。なお、下記式中の記号は先述したものと同義である。
金属−カルベン錯体化合物(10)として、化合物(11)を例に説明する。化合物(11)は本発明に係る製造方法において触媒としての役割を果たすが、試薬として投入するもの及び反応中で生成するもの(触媒活性種)の両方を意味する。ここで、化合物(11)は反応条件下、配位子のいくつかが解離することで触媒活性を示すようになるものと、配位子の解離なしで触媒活性を示すものが知られているが、本発明ではいずれでもよく限定されない。また一般に、オレフィンメタセシスは触媒へのオレフィンの配位と解離を繰り返しながら進行するため、反応中、触媒上にオレフィン以外の配位子がいくつ配位しているかは必ずしも明確でない。したがって本明細書中、[L]は配位子の数や種類を特定するものではない。また、金属−カルベン錯体化合物(10)における金属はルテニウム、モリブデン、又はタングステンであることが好ましい。
本発明においては、化合物(11)、化合物(12)、化合物(13)、化合物(14)、化合物(15)、化合物(16)、及び化合物(17)からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属−カルベン錯体化合物の存在下に反応を行うことが好ましい。金属−カルベン錯体化合物としては、入手容易性及び反応効率の観点から反応開始時には化合物(11)が好ましい。
化合物(11)におけるA1及びA2はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の一価炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基である。A1及びA2は、水素原子またはハロゲン原子がひとつ取れた2価の基として互いに結合して環を形成してもよい。ただし化合物(11)としては、A1及びA2の両方がハロゲン原子である場合は除く。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が入手容易性の点から好ましい。
炭素数1〜20の一価炭化水素基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20のアリール基が好ましく、直鎖状、分岐状、又は環状でもよい。
ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基としては、好ましくは、当該原子を含む炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、当該原子を含む炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基が例示できる。該一価炭化水素基は、直鎖状、分岐状、又は環状でもよい。これらの好ましい基は少なくとも一部の炭素原子にハロゲン原子が結合していてもよい。すなわち例えば(ペル)フルオロアルキル基、(ペル)フルオロアルコキシ基であってもよい。またこれらの好ましい基は、炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有していてもよい。またこれらの好ましい基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む置換基を有していてもよい。該置換基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アミド基(カルボニルアミノ基)、カルバメート基(オキシカルボニルアミノ基)、ニトロ基、カルボキシル基、エステル基(アシルオキシ基又はアルコキシカルボニル基)、チオエーテル基、及びシリル基等が例示できる。これらの基は更にアルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。例えばアミノ基(−NH2)はモノアルキルアミノ基(−NHR)、モノアリールアミノ基(−NHAr)、ジアルキルアミノ基(−NR2)、又はジアリールアミノ基(−NAr2)であってもよい。ただしRは炭素数1〜12のアルキル基または炭素原子と炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基であり、Arは炭素数5〜12のアリール基である。
これらのA1及びA2の組み合わせを有する化合物(11)としては、入手容易性の点で、下記式に示すものが好ましく例示できる。なお、下記式中、Cyとはシクロヘキシル基を意味する。
具体的には、化合物(11)においてMがルテニウムの場合、下記式(11−A)で表すことができる。式(11)における配位子[L]は式(11−A)においてL1、L2、L3、Z11及びZ12で表される。L1、L2、L3、Z11及びZ12の位置に限定はなく、式(11−A)において互いに入れ替わっていてもよい。すなわち例えばZ11及びZ12はトランス位にあっても、シス位にあってもよい。
ただし前記配位子の組み合わせによっては、立体的要因及び/又は電子的要因により、すべての配位子が中心金属に配位できず、結果としていくつかの配位座が空になる場合もある。例えば、L1、L2及びL3としては下記組合せが挙げられる。
L1:ヘテロ原子含有カルベン化合物、L2:ホスフィン類、L3:なし(空配位)。
L1:ヘテロ原子含有カルベン化合物、L2:ピリジン類、L3:ピリジン類
また、L1、L2、L3、Z11、Z12、A1及びA2のうち2〜6個で互いに結合し、多座配位子を形成してもよい。
なお、上記ルテニウム−カルベン錯体は、単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。さらに必要に応じてシリカゲルやアルミナ、ポリマー等の担体に担持して用いてもよい。
化合物(11)においてMがモリブデン又はタングステンの場合、下記式(11−B)又は式(11−C)で表すことができる。また化合物(11)としては、これらにさらに配位性溶媒(テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等)が配位していてもよい。
式(11−B)及び式(11−C)中、A1及びA2は式(11)におけるA1及びA2とそれぞれ同様である。
なお、上記モリブデン−カルベン錯体又はタングステン−カルベン錯体は、単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。さらに必要に応じてシリカゲルやアルミナ、ポリマー等の担体に担持して用いてもよい。
化合物(12)〜(17)は、上記化合物(11)と同様に本発明に係る製造方法において触媒としての役割を果たすが、試薬として投入するもの及び反応中で生成するもの(触媒活性種)の両方を意味する。
下記式(21)で表されるオレフィン化合物は原料として用いるオレフィン化合物であり、化合物(21)におけるX11、X12及びX13は、前記定義と同様である。
中でも、水素原子及びハロゲン原子が入手容易性の点から好ましい。
中でも、入手容易性の点からX13はハロゲン原子又は炭素数1〜12のペルハロゲン化アルキル基が好ましく、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のペルフルオロアルキル基がより好ましい。
化合物(21)としては、X11が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、X12が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、かつ、X13が基(ii)、基(v)、または基(vi)であるオレフィン化合物であることが好ましい。また、化合物(21)としては1,1−ジフルオロオレフィン又は1,2−ジフルオロオレフィンが好ましく、1,1−ジフルオロオレフィン又は炭素数3以上の1,2−ジフルオロオレフィンがより好ましく、特にX13がフッ素原子である化合物、すなわち1,1−ジフルオロオレフィンが好ましい。
化合物(21)の具体例としては、より好ましくは、下記に示す化合物が挙げられる。
下記式(31)で表されるオレフィン化合物は原料として用いる化合物であり、化合物(31)におけるR11、R12、R13及びR14は、前記定義と同様である。
中でも、−H及び−CH2Rが高い反応性を有する点から好ましい。
下記式(41)または下記式(42)で表されるオレフィン化合物は、本発明におけるメタセシス反応中で触媒のように用いられる化合物であり、オレフィン化合物(41)およびオレフィン化合物(42)におけるA11、A12、A13及びEは、前記定義と同様である。
中でも、化合物(41)においては、A11及びA12の少なくともいずれか一方が水素原子であることが高い反応性を有する点から好ましい。
またA11及びA12の少なくともいずれか一方が、−OSiR’3又は−NR’2で表されるような一分子中に複数のR’を有する場合、当該複数のR’の炭素数の合計が、A11及び/又はA12の炭素数の範囲内である。
Eは、−OR’、−OSiR’3、−NR’2、−SR’及び基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して、基(i):水素原子;基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基、並びに、基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む基(v)からなる群から選ばれる基からなる群より選ばれる基である。−NR’2の場合、二つのR’は水素原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。
A13及びEは水素原子又はハロゲン原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。オレフィン化合物(42)においては、A11及びEは水素原子又はハロゲン原子がひとつ取れた二価の基として互いに結合して環を形成してもよい。
Eは、−OR’、−NR’2、−SR’が高い反応性を有する点から好ましい。すなわち化合物(41)としては、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルアミン類、または、ビニルチオエーテル類が高い反応性を有する点で好ましい。化合物(42)としては、1,2−ビスアルコキシエチレン類、1,2−ビスアシルオキシエチレン類、1,2−ビスアミノエチレン類、または、1,2−ビスチオアルコキシエチレン類が高い反応性を有する点で好ましい。
上記化合物(21)と化合物(31)との反応により、下記式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物及び下記式(52)で表される含フッ素オレフィン化合物の少なくともいずれか一方が製造される。化合物(51)及び化合物(52)におけるR11、R12、R13、R14及びX13は、前記定義と同様であり、好ましい基も化合物(21)又は化合物(22)におけるR11、R12、R13、R14及びX13の好ましい基とそれぞれ同様である。
化合物(51)及び/又は化合物(52)は炭素−炭素二重結合を構成する炭素原子に直接フッ素原子が結合した含フッ素オレフィン化合物である。
なお、化合物(21)と化合物(31)との反応により、下記式(53)で表されるオレフィン化合物や下記式(54)で表されるオレフィン化合物も生成する場合があるが、本発明では化合物(51)及び化合物(52)の少なくともいずれか一方の含フッ素オレフィン化合物を製造することを目的とすることから、化合物(53)及び化合物(54)についての記載は省略する。
化合物(51)及び/又は化合物(52)の具体例としては、好ましくは、下記に示す化合物が挙げられる。
本発明はオレフィンメタセシスによる含フッ素オレフィン化合物の製造方法に関するものであり、典型的には、含フッ素オレフィン(化合物(21))と別のオレフィン(化合物(31))とを原料化合物とし、金属−カルベン錯体化合物(10)及び原料化合物とは異なるオレフィン(化合物(41)または化合物(42))の存在下、当該原料化合物を接触させることによってオレフィンメタセシスを行い、2種の原料化合物の部分構造を有する新たな含フッ素オレフィン(化合物(51)及び/又は化合物(52))を得るものである。
また原料となるオレフィンは微量の不純物(例えば過酸化物等)を含むことがあるので、目的物収率向上の点で精製してもよい。精製方法については特に制限はない。例えば文献(Armarego,W.L.F.et al.,Purification of Laboratory Chemicals(Sixth Edition),2009,Elsevier)記載の方法に従って行うことができる。
試薬として投入する場合、市販の金属−カルベン錯体化合物をそのまま用いてもよく、あるいは市販試薬から公知の方法で合成した市販されていない金属−カルベン錯体を用いてもよい。
系内で発生させる場合、公知の方法で前駆体となる金属錯体から調製した金属−カルベン錯体化合物を本発明に用いることができる。
またオレフィン化合物が液体である場合(加熱して液化する場合も含む)は、メタセシス反応に溶媒を用いないことが好ましい。この場合オレフィン化合物に金属−カルベン錯体化合物が溶解することが好ましい。
なお、目的物収率向上の点で、前記溶媒は脱気及び脱水されたものを用いることが好ましい。脱気操作について、特に制限はないが、凍結脱気等を行うことがある。脱水操作について、特に制限はないが、通常モレキュラーシーブ等と接触させる。前記脱気及び脱水操作は通常金属−カルベン錯体化合物と接触させる前に行う。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))を接触させる相としては、特に制限はないが、反応速度の点で、通常は液相が用いられる。原料となる化合物が反応条件下で気体の場合、液相で実施するのが難しいため、気−液二相で実施することもできる。なお、液相で実施する場合には溶媒を用いることができる。このとき用いる溶媒としては、上記、金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))の溶解又は懸濁に用いた溶媒と同様のものを利用することができる。なお、2種類の原料化合物のうち少なくとも一方が反応条件下で液体の場合、無溶媒で実施できることがある。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる時間としては、特に制限はないが、通常1分〜48時間の範囲で実施される。
原料化合物と金属−カルベン錯体化合物を接触させる圧力としては、特に制限はないが、加圧下でも、常圧下でもよいし、減圧下でもよい。通常0.001〜10MPa程度、好ましくは0.01〜1MPa程度である。
また、反応に悪影響を及ぼさない範囲で、原料化合物と金属−カルベン錯体化合物及び/又は化合物(41)(若しくは化合物(42))の混合物を攪拌してもよい。このとき、攪拌の方法としては、メカニカルスターラーやマグネティックスターラー等を用いることができる。
<市販試薬>
本実施例において、触媒は、特に記載しない場合においては、市販品をそのまま反応に用いる。溶媒(ベンゼン−d6及びo−ジクロロベンゼン−d4)は、市販品をあらかじめ凍結脱気したあと、モレキュラーシーブ4Aで乾燥してから反応に用いた。
<評価方法>
本実施例において、合成した化合物の構造は日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置(JNM−AL300)により1H−NMR、19F−NMR測定を行うことで同定した。また、分子量は株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS−QP2010Ultra)を用いて、電子イオン化法(EI)により求めた。
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)、エチルビニルエーテル(20mol%、0.024mmol)及びベンゼン−d6(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れた。その後、NMR測定管の気相部をプロピレン/テトラフルオロエチレン=1/1混合ガス(v/v、1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換した。
NMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させた。反応終了後、内容液のNMRを測定して、1,1−ジフルオロ−1−プロペンの生成を確認した。
これら一連の反応を以下に示す。
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、スチレン(0.12mmol)、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)、エチルビニルエーテル(20mol%、0.024mmol)及びo−ジクロロベンゼン−d4(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れる。その後、NMR測定管の気相部をテトラフルオロエチレン(1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換する。
NMR測定管を180℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。反応終了後、内容液のNMRを測定して、β,β−ジフルオロスチレンの生成を確認する。
これら一連の反応を以下に示す。
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)、エチルビニルエーテル(20mol%、0.024mmol)及びベンゼン−d6(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れる。その後、NMR測定管の気相部にプロピレン(1.0atm、1.35mL、0.06mmol)を導入する。NMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。その後、NMR測定管の気相部にテトラフルオロエチレン(1.0atm、1.35mL、0.06mmol)を導入し、さらにNMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。反応終了後、内容液のNMRを測定して、1,1−ジフルオロ−1−プロペンの生成を確認する。
これら一連の反応を以下に示す。
エチルビニルエーテル共存下でのルテニウム触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のGrubbs第二世代触媒を公知の下式で示される公知のルテニウム触媒B、Cに変更して、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
エチルビニルエーテル共存下でのルテニウム触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のGrubbs第二世代触媒を下式で示される公知のモリブデン触媒D〜Gに変更して、同様に反応を行い、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
エチルビニルエーテル共存下でのタングステン触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のGrubbs第二世代触媒を下式で示される公知のタングステン触媒Hに変更して、同様に反応を行い、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
エチルビニルエーテル共存下でのルテニウム触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例2のGrubbs第二世代触媒を前述した公知のルテニウム触媒B、Cに変更して、同様に反応を行い、実施例2と同じ生成物を得る。
エチルビニルエーテル共存下でのモリブデン触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例2のGrubbs第二世代触媒を前述した公知のモリブデン触媒D〜Gに変更して、同様に反応を行い、実施例2と同じ生成物を得る。
化合物(41)共存下でのルテニウム触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1のエチルビニルエーテルを下式で表される市販の化合物(41)に変更して、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンと化合物(21)のメタセシス
実施例1のテトラフルオロエチレンを下式で表される化合物(21)に変更して、同様に反応を行う。生成物として表5中に示す含フッ素オレフィン化合物を得る。
溶媒を用いない、エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例1において、溶媒(ベンゼン−d6)を投入せずに、同様に反応を行い、実施例1と同じ生成物を得る。
溶媒を用いない、エチルビニルエーテル共存下でのGrubbs第二世代触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
実施例2において、溶媒(ベンゼン−d6)を投入せずに、同様に反応を行い、実施例2と同じ生成物を得る。
エチルビニルエーテル非共存下でのGrubbs第二世代触媒によるプロピレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)及びベンゼン−d6(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れた。その後、NMR測定管の気相部をプロピレン/テトラフルオロエチレン=1/1混合ガス(v/v、1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換した。
NMR測定管を60℃で加熱し、その温度で1時間反応させた。反応終了後、内容液のNMRを測定したが、1,1−ジフルオロ−1−プロペンは痕跡量しか生成しなかった。
これら一連の反応を以下に示す。
エチルビニルエーテル非共存下でのGrubbs第二世代触媒によるスチレンとテトラフルオロエチレンのメタセシス
窒素雰囲気下、スチレン(0.12mmol)、下記に示すGrubbs第二世代触媒(Grubbs 2nd、20mol%、0.024mmol)及びo−ジクロロベンゼン−d4(0.6mL)を耐圧NMR測定管に量り入れる。その後、NMR測定管の気相部をテトラフルオロエチレン(1.0atm、2.7mL、0.12mmol)で置換する。
NMR測定管を180℃で加熱し、その温度で1時間反応させる。反応終了後、内容液のNMRを測定し、β,β−ジフルオロスチレンが痕跡量のみ生成する又は全く生成しないことを確認する。
これら一連の反応を以下に示す。
Claims (11)
- オレフィンメタセシス反応活性を有する金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(41)で表されるオレフィン化合物の存在下、または、前記金属−カルベン錯体化合物(10)及び下記式(42)で表されるオレフィン化合物の存在下;
下記式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物と下記式(31)で表されるオレフィン化合物とを反応させることにより、下記式(51)で表される含フッ素オレフィン化合物及び下記式(52)で表される含フッ素オレフィン化合物の少なくともいずれか一方の化合物を製造する方法。
A11及びA12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(iia)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。A11及びA12は互いに結合して環を形成してもよい。ただし、A11及びA12のいずれか一方がハロゲン原子である場合、他方は基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
A13は下記基(i)、基(iii)、及び基(iv)からなる群から選ばれる基である。
Eは、−OR’、−OSiR’3、−NR’2、−SR’及び下記基(iia)からなる群より選ばれる基であり、前記R’はそれぞれ独立して下記基(i)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。A13及びEは互いに結合して環を形成してもよい。
X11及びX12はそれぞれ独立して、下記基(i)、基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。X11及びX12は互いに結合して環を形成してもよい。
X13は、下記基(ii)、基(v)及び基(vi)からなる群から選ばれる基である。
R11〜R14はそれぞれ独立して、−H、−CH2R、−CH(CR3)2、−C(CR3)3、及び−Arからなる群より選ばれる基であり、前記Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素原子の間にエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜12のアルキル基からなる群より選ばれる基であり、前記Arは炭素数5〜12のアリール基である。R11及びR12は互いに結合して環を形成してもよい。R13及びR14は互いに結合して環を形成してもよい。
基(i):水素原子。
基(ii):ハロゲン原子。
基(iia):塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子。
基(iii):炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(iv):ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む炭素数1〜20の一価炭化水素基。
基(v):炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数5〜20のアリール基、炭素数5〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルキル基、炭素数1〜12の(ペル)ハロゲン化アルコキシ基、炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリール基、及び炭素数5〜20の(ペル)ハロゲン化アリールオキシ基からなる群から選ばれる基。
基(vi):さらに、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、リン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる原子を1以上含む前記基(v)。 - 前記式(21)で表される含フッ素オレフィン化合物におけるX13がハロゲン原子又は炭素数1〜8のペルハロゲン化アルキル基である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属が、ルテニウム、モリブデンまたはタングステンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がルテニウムである請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記金属−カルベン錯体化合物(10)における金属がモリブデンまたはタングステンであり、かつ、前記金属−カルベン錯体化合物(10)が配位子[L]として、イミド配位子、および、酸素原子が二座配位した配位子を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、X11が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、X12が基(i)、基(ii)、基(v)、または基(vi)であり、かつ、X13が基(ii)、基(v)、または基(vi)であるオレフィン化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
ここで、前記基(i)、基(ii)、基(v)および基(vi)は、請求項1のそれらと同義である。 - 前記式(21)で表されるオレフィン化合物が、1,1−ジフルオロオレフィンである請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記反応の温度が0〜150℃である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記反応に溶媒を用いない請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
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