JPWO2016132923A1 - 車両用の窓ガラス及び車載システム - Google Patents

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Abstract

傾斜姿勢で配置されたガラス板を介して撮影された撮影画像に二重像が生じるのを防止する技術を提供する。本発明の一側面に係る窓ガラスは、撮影装置を配置可能な車両に用いられる窓ガラスであって、傾斜姿勢で配置されるガラス板と、前記ガラス板を透過して前記撮影装置に入光する主光束と同じ場所から発せられた副光束であって、前記ガラス板内で反射することで当該主光束の光路近傍に進入し得る副光束の進行を遮断するように、当該副光束の前記ガラス板における光路上の位置で、かつ、前記主光束の光路を遮断しない位置に配置される遮断部と、を備える。

Description

本発明は、車両用の窓ガラス及び車載システムに関する。
近年、車外の状況を撮影するカメラを車内に設置する車載システムが提案されている。この車載システムは、カメラにより取得した被写体の撮影画像を解析することで、対向車、前走車、歩行者、交通標識、車線境界線等を認識し、運転者に危険を知らせる等の様々な運転の支援を行うことができる。
ただし、自動車のフロントガラス等のガラス板の周縁部には、車外からの視野を遮るための遮蔽層が設けられる場合がある。加えて、この車載システムのカメラは、ルームミラーの支持部近傍等、カメラの撮影範囲に当該遮蔽層が含まれる位置に設置されるケースが多い。そのため、この遮蔽層がカメラの撮影を阻害する可能性がある。
そこで、従来、遮蔽層の一部に透過窓を設けることが提案されている。例えば、特許文献1では、合わせガラス用合成樹脂膜に設けられた遮蔽層(シェード部)の一部を可視光の透過率の高い素材に置き換えることで、シェード部の一部に可視光の透過率の高い領域(透光部)を形成する。これによって、車内に設置されたカメラは、遮蔽層に阻害されることなく、車外の状況を撮影することが可能になる。
特開2006−096331号公報
しかしながら、本件発明者らは、この車両用のガラス板が傾斜姿勢で配置される場合には、遮蔽層によってカメラの撮影が阻害される他に、次のような問題点が生じることを見出した。すなわち、図24に例示されるように、車内に設置された撮影装置(カメラ)900は、ガラス板901内で反射することなく、ガラス板901を透過した主光束902を受光することで、車外の状況を撮影する。このとき、ガラス板901が垂直方向に対して傾斜姿勢で配置されると、図24に例示されるように、主光束902と同じ光源から発せられた副光束903は、ガラス板901内で反射し、主光束902の光路にほぼ重なるようにガラス板901の上方向にシフトし得る。すなわち、副光束903は、ガラス板901内で反射を繰り返すことで、主光束902の光路と最終的にわずかに異なる角度の光路を辿って撮影装置900に受光される場合がある。そうすると、撮影装置900の撮像面(CCDなど)において、主光束902とは同じ場所から発せられた副光束903が当該主光束902とずれた位置に結像してしまうため、撮影した画像には二重像が生じてしまう可能性があるという問題点を本件発明者らは見出した。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、傾斜姿勢で配置されたガラス板を介して撮影された撮影画像に二重像が生じるのを防止する技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る窓ガラスは、撮影装置を配置可能な車両に用いられる窓ガラスであって、傾斜姿勢で配置されるガラス板と、前記ガラス板を透過して前記撮影装置に入光する主光束と同じ場所から発せられた副光束であって、前記ガラス板内で反射することで当該主光束の光路近傍に進入し得る副光束の進行を遮断するように、当該副光束の前記ガラス板における光路上の位置で、かつ、前記主光束の光路を遮断しない位置に配置される遮断部と、を備える。
当該構成に係る窓ガラスでは、車両に設置される撮影装置は、傾斜姿勢で配置されたガラス板を介して車外の状況を撮影する。具体的には、撮影装置は、ガラス板を透過した主光束を受光することで、車外の状況を撮影する。このとき、ガラス板は傾斜姿勢で配置されるため、主光束と同じ場所から発せられた副光束が、ガラス板内で反射することによって、主光束の光路に近接して進入し得る。
そこで、当該構成に係る窓ガラスでは、副光束のガラス板における光路上の位置で、かつ、主光束の光路を遮断しない位置に、副光束の進行を遮断する遮断部が配置される。そのため、当該遮断部によって、主光束の進行を遮断することなく、副光束が主光束の光路に近接して進入するのを防止することができる。したがって、当該構成によれば、傾斜姿勢で配置されたガラス板を介して撮影された撮影画像に二重像が生じるのを防止することができる。なお、副光束が進入し得る主光束の光路近傍とは、主光束の光路を基準に、当該副光束が進入した場合に撮影装置の光学系における入射瞳を通過して上記二重像が発生する範囲を示す。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記遮断部は、前記ガラス板の車内側の面よりも車外側に配置され、前記副光束の透過を防止する透過防止部材及び前記ガラス板の車内側の面上に配置され、前記副光束の反射を防止する反射防止部材の少なくともいずれか一方で構成されてもよい。当該構成によれば、簡易な構成で、傾斜姿勢で配置されたガラス板を介して撮影された撮影画像に二重像が生じるのを防止することができる。
なお、透過防止部材は、光線がガラス板を透過するのを防止又は低減する部材であれば特に限定されなくてもよい。また、例えば、透過防止部材を形成する方法として、印刷、塗装、コーティング等の手段により不透明なインク、塗料、金属膜等をガラス板の表面に貼り付ける方法、砂スリ(サンドブラスト)、エッチング等の手段によりガラス板の当該部分に微小な凹凸を設けて光散乱面とする方法、当該部分の表面近傍のみ化学的に改質して不透明化する方法、等が挙げられる。
また、反射防止部材は、光線が反射するのを防止又は低減する部材であれば特に限定されなくてもよい。また、例えば、反射防止部材を形成する方法として、印刷、塗装、コーティング等の手段により反射率の低いインク、塗料、金属膜層等をガラス板の表面に貼り付ける方法、光を吸収する材料で構成された板材をガラス板の表面に接着する方法、砂スリ、エッチング等の手段によりガラス板の当該部分に微小な凹凸を設けて光散乱面とする方法、当該部分の表面近傍のみ化学的に改質して反射率を低くする方法、ガラス板表面に反射防止コーティングを施す方法、等が挙げられる。
また、ガラス板の車内側の面よりも車外側とは、例えば、ガラス板の車外側の面上である。更に、外側ガラス板及び内側ガラス板により中間膜を介して互いに接合した合わせガラスにより上記ガラス板が構成される場合には、ガラス板の車内側の面よりも車外側とは、例えば、外側ガラス板の車外側の面上、外側ガラス板の車内側の面上及び内側ガラス板の車外側の面上である。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記遮断部の幅は、式(1)を満たす長さL以上であってもよく、前記遮断部は、前記副光束がシフトし得る方向に前記遮断部から前記長さLの範囲を前記主光束が透過するように配置されてもよい。
なお、Tは、前記ガラス板の厚さを示す。θは、水平方向に進行する光線の前記ガラス板に対する入射角を示す。nは、前記ガラス板の屈折率を示す。
上記遮断部を設けずに副光束が主光束の光路に進入する場面を想定した場合、傾斜姿勢で配置されたガラス板内での反射によって副光束が主光束の方にシフトする量(ずれ量)は、上記式(1)の長さLで規定される。すなわち、ガラス板に配置した遮断部は、副光束がシフトし得る方向に長さLの分だけ当該遮断部から離れた位置に進入し得る副光束の進行を遮断する。言い換えると、副光束が主光束の光路に進入するのを防止可能な範囲は、遮断部の端部と副光束がシフトし得る方向に長さLの分だけ当該遮断部から離れた位置との間の範囲である。ただし、ガラス板内で副光束がシフトし得る方向における遮断部の幅が上記長さLに満たない場合には、この範囲全域で副光束の進入を防止することができない。
そこで、当該構成では、ガラス板内で副光束がシフトし得る方向における遮断部の幅は、上記長さL以上となるように形成される。そして、遮断部は、ガラス板内で反射した副光束がシフトし得る方向に遮断部から長さLの範囲を主光束が透過するように配置される。これによって、副光束が主光束の光路に進入することに起因する二重像の発生を効果的に抑止することができる。
なお、この遮断部の幅の上限値は、運転者の視野範囲に重ならない程度の長さに設定されるのが好ましい。ここで、自動車を運転する運転者が運転する際の交通状況を確認する視野範囲は、運転席についた運転者が運転を行う際に注意する範囲であり、実施の形態に応じて適宜設定可能である。例えば、JIS R 3212(1998年、「自動車用安全ガラス試験方法」)に規定された試験領域Aをこの視野範囲として採用してもよい。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記遮断部の幅は、式(2)を満たす長さL0以上であってもよく、前記遮断部は、前記副光束がシフトし得る方向に前記遮断部から前記長さL0の範囲を前記主光束が透過するように配置されてもよい。
なお、Tは、前記ガラス板の厚さを示す。nは、前記ガラス板の屈折率を示す。
式(2)の長さL0は、上記式(1)の入射角θを10度に設定した場合の長さLの値である。水平方向に進行する光線のガラス板に対する入射角θが10度未満である場合、すなわち、ガラス板の面が垂直に近い場合には、副光束のシフト量が極めて小さくなり、撮影画像に二重像が生じ難くなる。そのため、このような場合には、二重像の対策は行われなくてもよい。これに対して、当該構成によれば、水平方向に進行する光線のガラス板に対する入射角θが10度以上となる場合、すなわち、二重像の対策への要望が高まる傾斜角度でガラス板が設置される場合に、二重像の発生を効果的に抑止することができる。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記ガラス板に設けられ、車外からの視野を遮蔽する遮蔽層であって、前記撮影装置が車外の状況を撮影可能なように前記主光束が透過可能な撮影窓を有する遮蔽層を更に備えてもよく、前記遮断部は、前記遮蔽層の一部により構成されてもよい。当該構成によれば、遮断部を別途形成しなくてもよいため、簡易な構成で、撮影画像に二重像が生じるのを防止することができる。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記撮影窓の面積は3000mm2以下で構成されてもよい。当該構成では、撮影窓のサイズを比較的に小さくして、撮影装置に余計な光が入り込むことを防止することができる。そのため、当該構成によれば、ガラス板を介して撮影した撮影画像のコントラストを良くすることができる。また、外から眺めた場合に撮影装置などが見えにくくなるので、自動車の見栄えをよくすることができる。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記遮断部の幅は、上記式(1)を満たす長さL以上であってもよく、前記遮断部は、前記副光束がシフトし得る方向に前記遮断部から前記長さLの範囲を前記主光束が透過するように配置されてもよい。そして、前記副光束がシフトし得る方向における前記撮影窓の幅は、前記長さL以上となるように形成されてもよい。当該構成によれば、撮影画像に二重像が発生するのを効果的に抑止しつつ、二重像の発生が抑止される範囲で車外の状況を撮影可能な撮影窓を設置することが可能になる。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記撮影窓の幅は、式(3)を満たすように形成されてもよい。
なお、Rは、前記撮影装置の光学系における入射瞳の直径を示す。Hは、前記副光束がシフトし得る方向における前記撮影窓の幅を示す。θは、水平方向に進行する光線の前記ガラス板に対する入射角度を示す。
入射瞳は、撮影装置を構成する光学系の開口絞りを被写体側から見たときの像であり、光学系で用いる光の「入口」に相当する。そのため、撮影窓の幅Hと入射瞳の直径Rとが上記式(3)を満たさなければ、撮影装置をどのように配置しても、撮影装置の必要とする光線の通過する範囲が撮影窓よりも大きくなってしまい、前記光線の少なくとも一部は遮蔽層に遮られてしまうことになる。反対に、撮影窓の幅Hと入射瞳の直径Rとが上記式(3)を満たせば、撮影に十分な撮影窓の大きさが確保されて、撮影装置の必要とする光線の通過する範囲を遮蔽層が遮らないように構成することが可能になる。したがって、当該構成によれば、撮影窓の最低限度に係る大きさを定めることができ、これによって、撮影窓の設計が容易になる。なお、焦点距離f、口径比Fのカメラレンズの場合、入射瞳の直径Rは(f/F)となる。
また、上記構成に係る窓ガラスの別の形態として、前記窓ガラスは、視差の生じた複数の画像を取得するために互いに離間した複数の撮影装置を有するステレオカメラを配置可能な車両に用いられてもよい。ステレオカメラにより取得された複数の撮影画像間で生じた視差は、車両と被写体との距離を測定するのに利用することができる。ただし、撮影画像に二重像が生じると、その視差の値に誤差が生じてしまい、当該測定の精度が下がってしまう可能性がある。これに対して、当該構成によれば、撮影画像に二重像が生じるのを防止することができるため、ステレオカメラによる距離測定の精度が低下してしまうことを防止することができる。副光束を遮断する遮断部によって二重像の発生を抑止する本技術は、このようなステレオカメラによる距離測定を行う場面等、撮影画像の精度が求められる場面でより効果を発揮する。
また、本発明の一側面に係る車載システムは、上記形態に係る窓ガラスを備える車両に搭載するための車載システムであって、車外の状況を撮影する撮影装置と、前記撮影装置により取得された画像を処理する画像処理装置と、を備え、前記撮影装置の光学系は、入射瞳が光学部品よりも被写体側に存在するように構成される。当該構成によれば、撮影装置の入射瞳は、光学部品の被写体側に存在するため、ガラス板上又は近傍に配置することができる。そのため、撮影カメラに入射する入射光のガラス板上での領域を小さくすることができる。また、撮影窓を有する遮蔽層がガラス板に形成される場合には、当該撮影窓の大きさを小さくすることができる。また、これによって、撮影窓部分における応力歪みなどの欠陥による影響を受けにくいようにすることができる。
また、上記構成に係る車載システムの別の形態として、前記撮影装置は、前記撮影装置の光軸方向において、前記撮影装置の光学系における入射瞳と前記窓ガラスの撮影窓との光学的距離が10mm以内の範囲になるように配置されてもよい。ここで、光学的距離とは、屈折率1の空気層の厚さに換算した光路長を意味する。本発明者らは、撮影装置の光軸方向において、撮影装置を構成するレンズの入射瞳と窓ガラスの撮影窓との光学的距離が前後10mm以内の範囲になるように撮影装置を配置することで、撮影窓を介して撮影した画像の歪曲による変形量が変動しにくいことを見出した。そのため、当該構成によれば、ガラス板の製造誤差によって撮影窓を介して撮影した画像の歪曲量が大きく変動するのを防止し、個体差を考慮することなく、撮影した画像を補正する補正値を一律に定めることができる。
また、本発明の一側面に係る車載システムは、上記形態に係る窓ガラスを備える車両に搭載するための車載システムであって、視差の生じた複数の画像を取得可能なよう互いに離間した複数の撮影装置を有するステレオカメラと、前記ステレオカメラにより取得された複数の画像を解析して、前記ステレオカメラの撮影範囲内に写る被写体の位置を算出する画像処理装置と、を備える。当該構成によれば、撮影画像に二重像が発生するのを抑止することで、ステレオカメラによる距離測定の精度が低下してしまうことを防止することができる。
本発明によれば、傾斜姿勢で配置されたガラス板を介して撮影された撮影画像に二重像が生じるのを防止することができる。
図1は、実施の形態に係る窓ガラスを例示する平面図である。 図2は、実施の形態に係る窓ガラスを例示する断面図である。 図3Aは、実施の形態に係る窓ガラスにおける主光束と副光束との挙動を例示する。 図3Bは、実施の形態に係る遮断部を設けなかった場合における主光束と副光束との挙動を例示する。 図4は、実施の形態に係る窓ガラスの撮影窓と撮影装置の入射瞳との関係を例示する。 図5は、実施の形態に係る撮影装置を例示する。 図6は、入射瞳がレンズ系の内部に存在する撮影装置を例示する。 図7は、実施の形態に係る車載システムを例示する。 図8は、実施の形態に係る窓ガラスの製造工程を例示する。 図9は、他の形態に係る窓ガラスを例示する断面図である。 図10は、他の形態に係る窓ガラスを例示する断面図である。 図11は、他の形態に係る窓ガラスを例示する平面図である。 図12は、他の形態に係る窓ガラスを例示する断面図である。 図13は、他の形態に係る窓ガラスを例示する断面図である。 図14は、他の形態に係る撮影装置を例示する。 図15は、他の形態に係る撮影装置を例示する。 図16は、他の形態に係る窓ガラスを例示する平面図である。 図17は、他の形態に係る車載システムを例示する。 図18は、他の形態に係る窓ガラスの製造方法の一例を示す。 図19は、ガラス板の歪みを示すグラフである。 図20は、ガラス板の歪みを示す写真である。 図21は、窓ガラスによる画像の歪曲量をシミュレーションする場面を例示する。 図22Aは、窓ガラスと入射瞳との間の距離を変動させた場合における画像の歪曲量を示すグラフである。 図22Bは、被写体側の面の曲率半径を変動させた場合における画像の歪曲量を示すグラフである。 図23Aは、反射率及び透過率の測定方法を示す。 図23Bは、黒色セラミック処理面及び無処理面の反射率の測定結果を示す。 図23Cは、黒色セラミック処理面の透過率の測定結果を示す。 図24は、傾斜姿勢で配置されたガラス板により二重像が生じる場面を例示する。 図25は、他の形態に係る遮断部を例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係る窓ガラス1を説明する。図1は、本実施形態に係る窓ガラス1を模式的に例示する平面図である。また、図2は、本実施形態に係る窓ガラス1を模式的に例示する断面図である。なお、説明の便宜のため、図1の上下方向を「上下」と、図1の左右方向を「左右」と称することとする。図1は、車内側から見た窓ガラス1を例示している。すなわち、図1の紙面奥側が車外側であり、図1の紙面手前側が車内側である。
本実施形態に係る窓ガラス1は、自動車に取り付けられる車両用の窓ガラスであって、具体的には自動車のウインドシールドである。図1に例示されるように、窓ガラス1は、略矩形状のガラス板10を備えている。そして、図2に例示されるように、このガラス板10は、傾斜姿勢で配置される。
このガラス板10は、車内側の面である内面13と車外側の面である外面14とを有している。車内側の内面13には、車外からの視野を遮蔽する遮蔽層11が設けられており、撮影装置2は、この遮蔽層11でその外装が遮蔽されるように車内に配置されている。ただし、撮影装置2は、車外の状況を撮影するためのカメラである。そのため、遮蔽層11には、車内に配置された撮影装置2が車外の状況を撮影可能なように、当該撮影装置2に対応する位置に撮影窓113が形成されている。
また、撮影装置2には画像処理装置3が接続しており、撮影装置2により取得された撮影画像はこの画像処理装置3で処理される。撮影装置2及び画像処理装置3は車載システム5を構成しており、この車載システム5は、画像処理装置3の処理に応じて様々な情報を乗車者に提供することができる。以下、各構成要素について説明する。
<ガラス板>
まず、ガラス板10について説明する。本実施形態に係るガラス板10は、自動車のウインドシールドとして利用され、取り付けられる自動車の窓枠に応じた形状に形成される。具体的には、本実施形態に係るガラス板10は、平面視では略矩形状であり、また、側面視では、車内側の面が凹となり、車外側の面が凸となるように、周縁部から中央部にかけて湾曲した形状に形成されている。
また、ガラス板10は傾斜姿勢で配置される。具体的には、本実施形態に係るガラス板10は、垂直方向に対して車外側から車内側に傾斜するように配置されている。なお、このガラス板10を自動車に取り付ける角度(以下、「傾斜角度」とも称する)は、実施の形態に応じて適宜設定することができる。例えば、このガラス板10の取付角度は、水平方向から45度以下とすることができる。
このようなガラス板10は、実施の形態に応じて、種々の構成が可能である。また、このガラス板10には自動車用の公知のガラス板を利用することができる。例えば、ガラス板10には、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラス若しくはグリーンガラス、又はUVグリーンガラスが利用されてもよい。ただし、このようなガラス板10は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、日射吸収率、可視光線透過率などが安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラスの組成の一例と、熱線吸収ガラス組成の一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70〜73質量%
Al23:0.6〜2.4質量%
CaO:7〜12質量%
MgO:1.0〜4.5質量%
2O:13〜15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.08〜0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)の比率を0.4〜1.3質量%とし、CeO2の比率を0〜2質量%とし、TiO2の比率を0〜0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl23)をT−Fe23、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
なお、ガラス板10の種類は、クリアガラス、熱線吸収ガラス等に限られず、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、ガラス板10は、屈折率が1.4から1.6のアクリル系、ポリカーボネート系等の樹脂窓であってもよい。
また、本実施形態に係るガラス板10の厚みは、特には限定されなくてもよい。ただし、軽量化の観点からは、ガラス板10の厚みは、2.2〜5.1mmの範囲で設定されてもよく、2.4〜3.8mmの範囲で設定されてもよく、2.7〜3.2mmの範囲で設定されてもよい。更に、ガラス板10の厚みは3.1mm以下となるように設定されてもよい。
<遮蔽層>
次に、遮蔽層11について説明する。図1及び図2に例示されるように、本実施形態では、遮蔽層11は、車内側の内面13に積層され、ガラス板10の周縁部に沿って形成されている。具体的には、図1に例示されるように、本実施形態に係る遮蔽層11は、ガラス板10の周縁部に沿う周縁領域111と、ガラス板10の上辺部から下方に矩形状に突出した突出領域112とに分けることができる。周縁領域111は、窓ガラス1の周縁部からの光の入射を遮蔽する。一方、突出領域112は、車内に配置される撮影装置2を車外から見えないようにする。
ただし、撮影装置2の撮影範囲を遮蔽層11が遮蔽してしまうと、撮影装置2によって車外前方の状況を撮影することができなくなってしまう。そのため、本実施形態では、遮蔽層11の突出領域112に、撮影装置2が車外の状況を可能なように、当該撮影装置2に対応する位置に矩形状の撮影窓113が設けられている。
この撮影窓113は、後述するとおり、遮蔽層11の材料が積層されない領域であり、撮影装置2が車外の状況を撮影可能な程度に可視光の透過率を有するように構成される。例えば、撮影窓113は、可視光の透過率が70%以上になるように構成される。なお、この透過率は、JIS R 3212(3.11 可視光透過率試験)で定められているように、JIS Z 8722に規定された分光測定法によって測定することができる。本実施形態では、撮影窓113は、突出領域112内に設けられる。すなわち、撮影窓113は、遮蔽層11より面方向内側の非遮蔽領域12から独立して設けられる。
なお、この非遮蔽領域12は、撮影窓113と同様に、遮蔽層11の材料が積層されない領域である。運転者及び助手席に座る同行者は、この非遮蔽領域12を介して車外の交通状況を確認する。そのため、この非遮蔽領域12は、少なくとも車外の交通状況を目視可能な程度に可視光の透過率を有するように構成される。
ここで、図3A及び図3Bを更に用いて、この撮影窓113を介して撮影装置2が車外の状況を撮影した場合に起こりうる問題点について説明する。図3Aは、本実施形態に係る窓ガラス1における主光束60と副光束61との挙動を例示する。また、図3Bは、遮蔽層11(特に、後述する遮断部114)が設けられなかった場合における主光束60と副光束61との挙動を例示する。なお、図3Aでは、主光束60及び副光束61の幅を一定で表現している。しかしながら、この表現は説明の便宜のためであり、実際の主光束60及び副光束61がこのように挙動することを示している訳ではない。
また、厳密に言うと主光束60と副光束61は、図24に示されるように車外側において平行ではなく、車内側において一致していない。しかしながら、光源とウインドシールド(窓ガラス1)との距離はガラス板10の厚さよりもはるかに大きく、主光束及び副光束の角度差及び位置ズレは微小量となるので、図3A及び図3Bでは両者が車外側において平行であり、車内側において一致するものであると表記し、以下の数式もそのような条件を前提として説明する。
図3Aに例示されるように、車内に設置された撮影装置2は、ガラス板10を透過した主光束60を受光することで、車外の状況を撮影する。この主光束60は、ガラス板10内で反射することなく撮影装置2に入光する光束であり、車外から入射する光の殆どはこの主光束60のように挙動する。
しかしながら、ガラス板10と空気との間には屈折率の差があるため、ガラス板10の各面(13、14)では、車外から入射する光の一部が反射し得る。そして、本実施形態では、ガラス板10が傾斜姿勢で配置される。そのため、主光束60と同じ場所から発せられた副光束61が、ガラス板10内で反射することによって、主光束60の光路とほぼ重なって撮影装置2に進入する可能性がある。
具体的には、図3Aの例では、ガラス板10は、垂直方向に対して車外側から車内側に傾斜するように配置されている。そのため、ガラス板10に入射した光は、ガラス板10の内面13で反射し、更に、外面14で反射することで、ガラス板10の上方向にシフトし得る。
すなわち、主光束60の下方を進行する副光束61は、ガラス板10の内面13で反射した後に更に外面14で反射して、ガラス板10の上方向にシフトする。これによって、副光束61は、主光束60の光路とほぼ重なって進入し得る。なお、このガラス板10の上方向は、本発明の「副光束がシフトし得る方向」に相当する。ただし、副光束のシフトし得る方向は、ガラス板10の上方向に限定される訳ではなく、ガラス板10の傾斜方向によって定まる。
したがって、このようなガラス板10内での反射によって、主光束60と同じ場所から発せられた副光束61は、主光束60の光路と最終的にほぼ同一の光路を辿って撮影装置2に受光される場合がある。そして、これによって、同じ場所から発せられてわずかに角度差のある光が受光されてしまうと、撮影装置2で取得される撮影画像に二重像が生じてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、このような二重像の発生を防止するため、撮影窓113の下方の領域に副光束61の進行を遮断する遮断部114が設けられる。遮断部114は、具体的には、遮蔽層11の一部で構成される。すなわち、遮断部114は、ガラス板10の内面13に配置される。
そのため、遮断部114は、副光束61の内面13での反射、すなわち、副光束61が矢印62の方向に進行するのを抑止することで、副光束61が主光束60の光路近傍に進入することに起因する二重像の発生を防止することができる。したがって、本実施形態では、遮蔽層11の少なくとも一部は、すなわち、遮断部114は、副光束61の反射を防止する反射防止部材で構成される。反射防止部材は、光線がガラス板で反射するのを防止する又は低減する部材であれば特に限定されなくてもよく、例えば、後述する遮蔽層11を形成するセラミック等であってよい。また、例えば、遮断部114を形成する方法として、印刷、塗装、コーティング等の手段により反射率の低いインク、塗料、金属膜層等をガラス板10の表面に貼り付ける方法、光を吸収する材料で構成された板材をガラス板10の表面に接着する方法、砂スリ、エッチング等の手段によりガラス板10の当該部分に微小な凹凸を設けて光散乱面とする方法、当該部分の表面近傍のみ化学的に改質して反射率を低くする方法、ガラス板10の表面に反射防止コーティングを施す方法、等が挙げられる。
次に、この遮断部114と主光束60との位置関係を説明する。遮断部114が設けられていないと仮定した場合に、傾斜姿勢で配置されたガラス板10内で反射することによって副光束61が主光束60の方にシフトする量(ずれ量)は、上記式(1)の長さLで規定することができる。すなわち、図3Bに示すように、外面14に入射する水平方向の光線の入射角をθ、屈折角をθa、ガラス板10の厚さ及び屈折率をそれぞれTおよびnとすると、光の屈折の一般法則から、以下の数4及び数5の関係式が満たされる。
そして、これら数4及び数5の関係式をLについて解くことによって、上記式(1)を導くことができる。なお、水平方向に対するガラス板10の傾斜角度Φと入射角θとは、以下の数6の関係式を満たす。
したがって、本実施形態では、図3Aに示されるとおり、遮断部114の上端部は、ガラス板10の上方向に長さLの分だけこの上端部から離れた位置に進入し得る副光束の進行を遮断する。すなわち、遮断部114によって副光束61が主光束60の光路近傍に進入するのを防止可能な範囲は、図3Aに示す長さLの範囲である。ただし、図3Aにおいてガラス板10の上下方向における遮断部114の幅Wがこの長さLに満たない場合には、図3Aに示す長さLの範囲の一部に副光束61の進入する領域が生じてしまい、当該範囲の全域では副光束61の進入を防止することができない。
そこで、遮断部114の幅Wは、上記長さL以上となるように構成されるのが好ましい。また、遮断部114は、遮断部114の上端部からガラス板10の上方向に長さLの範囲を主光束60が透過するように配置されるのが好ましい。これによって、副光束61が主光束60の光路近傍に進入することに起因する二重像の発生を効果的に抑止することができる。
ただし、遮断部114の幅Wは、このような例に限定されず、主光束60の内面13における通過部分の幅より大きければ良いので、撮影装置の必要とする主光束の幅が細い場合であれば上記長さL未満となるように構成されてもよい。また、遮断部114の位置は、遮断部114によって少なくとも撮影画像の一部で二重像の発生を抑止可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
なお、ガラス板10がほぼ垂直方向に起立する場合、ガラス板10に対する水平方向に進行する光の入射角θが小さくなり、これによって、副光束61のシフト量を定める上記長さLが小さくなる。そのため、撮影装置2の撮影に十分な撮影窓113の大きさが確保できない可能性がある。しかしながら、入射角θが小さくなると主光束60と副光束61の角度差も非常に小さくなるので二重像のズレもほとんど発生しなくなることから、二重像対策も不要となる。したがって、本発明は入射角θの値がある程度大きい場合に、特に有効である。
そこで、入射角θの最低値を10度に設定し、上記式(2)を満たす長さL0を上記長さLの基準として用いるのが特に好ましい。すなわち、遮断部114の幅Wは、上記長さL0以上となるように構成するのが特に好ましい。また、遮断部114は、遮断部114の上端部からガラス板10の上方向に長さL0の範囲を主光束60が透過するように配置されるのが好ましい。これによって、後述する撮影窓113の幅Hを適切に保ちつつ、副光束61が主光束60の光路近傍に進入することに起因する二重像の発生を効果的に抑止することができる。
なお、遮断部114の幅Wの上限値は、実施の形態に応じて適宜設定されてよく、運転者の視野範囲に重ならない程度の長さに設定されるのが好ましい。ここで、自動車を運転する運転者が運転する際の交通状況を確認する視野範囲は、運転席についた運転者が運転を行う際に注意する範囲であり、実施の形態に応じて適宜設定可能である。例えば、JIS R 3212(1998年、「自動車用安全ガラス試験方法」)に規定された試験領域Aをこの視野範囲として採用してもよい。
図3Aにおける主光束60は、撮影装置の光軸上にある光源に対応するものであることから、光束の太さEは光軸方向に対して一定値である。ところが、実際の撮影装置は図2に示すようにある程度の視角を有するので、撮影窓113に要求される面積は、撮影装置2と内面13との間隔によって変化する。この撮影窓113に要求される面積は、撮影装置2の入射瞳が内面13と一致した場合に最小値となる。図4は、そのような場合における撮影窓113と入射瞳24の関係を撮影装置の光軸方向及び横方向から見た図であり、Rは入射瞳の直径である。
したがって、撮影装置2を構成する光学系の入射瞳24が撮影窓113上に位置するように、撮影装置2を車内で設置した場合に、撮影装置2の撮影に必要な光線が撮影窓113を通過する際の大きさは最小値Rとなる。よって、本実施形態では、撮影窓113の上下方向の幅Hと入射瞳24の直径Rとが上記式(3)を満たように構成される。これによって、撮影装置2の撮影範囲を遮蔽層11が遮らないのに十分な撮影窓113の大きさを確保することができる。また、上記式(3)によって、撮影窓113の最低限度に係る大きさの指針を定めることができ、撮影窓113の設計が容易になる。なお、例えば、撮影装置2が焦点距離f=8mm及び口径比F=2のカメラで構成される場合、入射瞳24の直径Rは4mmになる。
ただし、撮影窓113の幅Hを入射瞳24の直径Rと一致させた場合、撮影装置2の位置が少しずれただけで、撮影装置2の撮影に必要な光線の一部が遮蔽層11で遮られてしまう。そのようなことを防止するために、HをRよりも大きくしてもよい。
また、撮影窓113が大きい場合には、撮影窓113から撮影に不要な光が差し込むことで、撮影画像のコントラストが低減し画質が低下する可能性がある。この観点から、撮影窓113の面積は、3000mm2以下で構成されるのが好ましい。撮影窓113の面積を3000mm2以下にすることで、撮影窓113のサイズを比較的に小さくし、撮影窓113から撮影に不要な光が差し込むのを低減することができる。そのため、当該構成によれば、撮影窓113を介して撮影した撮影画像のコントラストを良くすることができる。
また、後述する図8で示されるように、本実施形態に係る窓ガラス1は、成形工程において凡そ650度で加熱される。更に、後述するとおり、遮蔽層11の材料は、例えば、黒色等の濃色のセラミックである。そのため、遮蔽層11の領域は、セラミックの積層されていない領域(例えば、撮影窓113の領域)よりも熱の吸収量が多くなる。そしてまた、遮蔽層11の材料であるセラミックはガラス板10と異なる熱膨張率を有するため、遮蔽層11の形成されている領域では、成形工程時において圧縮応力及び引張応力が発生する。これによって、遮蔽層11の形成されている領域と形成されていない領域との境界にガラス形状の歪みが生じやすくなる。
この歪みは、後述する実施例によると、撮影窓113の周縁部から凡そ8mmの範囲で形成される。そのため、この歪領域により撮影画像が変形するのを防止するためには、撮影装置2の撮影範囲がこの歪領域に重ならないように、撮影窓113の大きさを十分に確保するのが好ましい。例えば、窓ガラスの傾斜角度φが30°である場合に直径4mmの入射瞳24の外側に幅8mmの歪領域が配置されるようにするためには、入射瞳を光軸方向に投影するとガラス面では上下方向の長径8mm、左右方向の短径4mmの楕円となるので撮影窓113は、上下方向の長径24mm、左右方向の短径20mmの楕円よりも大きくなるように構成すればよい。また、撮影装置2の設置する位置がずれる可能性を考慮して、撮影窓113の面積が1000mm2以上になるように構成してもよい。
なお、撮影窓113の左右方向の幅は、撮影窓113の上下方向の幅Hと同様に取り扱うことが可能である。ただし、撮影窓113の左右方向の幅は、撮影窓113の上下方向の幅Hと同じ長さでなくてもよい。また、撮影窓113の形状は、矩形状に限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、撮影窓113の形状は、台形状、円状、楕円状等であってもよい。
更に、撮影窓113の周囲には、撮影窓113の結露を防ぐためのヒーターが設置されてもよい。このヒーターによって、撮影窓113の結露を防止し、撮影装置2の視野を良好な状態に保つことができる。ただし、撮影窓113のサイズが比較的に大きい場合、撮影窓113の中央領域では、撮影窓113の周囲に設置されるヒーターから遠いため、結露が残りやすい可能性がある。これに対して、本実施形態によれば、撮影窓113の大きさを比較的に小さく形成することができるため、撮影窓113の中央領域で結露が残りやすくなるのを防止することができる。また、結露を防止するための熱量が少なくて済むため、ヒーターにおける電力消費を抑えることができる。
次に、遮断部114を含む遮蔽層11の材料について説明する。この遮蔽層11の材料は、車外からの視野を遮蔽可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されても良く、例えば、黒色、茶色、灰色、濃紺等の濃色のセラミックを用いてもよい。ただし、上述のとおり、本実施形態では、遮蔽層11の一部で構成される遮断部114は、内面13側で副光束61の進行を遮断する。そのため、遮蔽層11の材料には、上述のとおり、黒色のセラミック等光の反射を防止又は低減する反射防止部材が選択される。
遮蔽層11の材料に黒色のセラミックが選択された場合、ガラス板10の内面13上の周縁部にスクリーン印刷等で黒色のセラミックを積層し、ガラス板10と共に積層したセラミックを加熱する。これによって、窓ガラス1の周縁部に遮蔽層11を形成することができる。また、黒色のセラミックを印刷する際に、黒色のセラミックを部分的に印刷しない領域を設ける。これによって、撮影窓113を形成することができる。なお、遮蔽層11に利用するセラミックは、種々の材料を利用することができる。例えば、以下の表1に示す組成のセラミックを遮蔽層11に利用することができる。また、遮断部114は、遮蔽層11のその他の領域と異なる材料で形成されてもよい。
*1,主成分:酸化銅、酸化クロム、酸化鉄及び酸化マンガン
*2,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
<撮影装置>
次に、図5及び図6を用いて、撮影装置2の構成について説明する。図5は、本実施形態に係る撮影装置2の構成の一例を示す。また、図6は、入射瞳がレンズ系(光学系)の内部に存在する撮影装置250の一例を示す。
本実施形態に係る撮影装置2は、4つのレンズ211〜214を有するレンズ系21と、第3レンズ213と第4レンズ214との間に配置される開口絞り22と、レンズ系21を通過した光によって撮像するイメージセンサ23と、を備える。本実施形態では、開口絞り22よりも被写体側(図5では左側)に配置されたレンズ211〜213によって形成される、開口絞り22の実像である入射瞳24は、レンズ系21よりも被写体側に位置する。
図6で例示される一般的な撮影装置250では、開口絞り253の虚像である入射瞳255は、レンズ系の内部に位置する。そのため、入射瞳255と窓ガラス1との距離を一定値以下に設定することができない。これに対して、図5に示す本実施形態では、本実施形態に係る撮影装置2の光学系は、入射瞳24が光学部品よりも被写体側に存在するように構成される。したがって、本実施形態では、光学部品の長さの分のロスがないため、入射瞳24と窓ガラス1との間の距離を小さくすることができ、当該距離をゼロ又はマイナス値に設定することも可能である。ただし、本実施形態において、一般的な撮影装置250の採用を排除するものではない。すなわち、撮影装置250のレンズ系が充分に小さいものであれば、入射瞳255と窓ガラス1の間隔も小さくなるので、撮影装置2の代わりに撮影装置250を利用してもよい。
開口絞り22は、イメージセンサ23に入射する光束の太さを規定する。開口絞り22の直径の大きさは変更可能に構成されてもよい。なお、例えば、撮影装置2が、焦点距離f=8mm、口径比F=2のカメラとして構成される場合、開口絞り22の像である入射瞳24の直径は4mmとなる。
イメージセンサ23は、レンズ系21を通過した入射光201(主光束60)を受光平面で結像することで、被写体の撮像を行って、撮影画像を取得する。このイメージセンサ23は、例えば、CCD等で構成される撮像素子である。ただし、イメージセンサ23の種類は、CCDに限られず、実施の形態に応じてCMOSなどが適宜選択されてよい。また、取得される撮影画像は、動画像であってもよいし、静止画像であってもよい。取得される撮影画像の形式は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
このような撮影装置2は、遮蔽層11の突出領域112に隠れるように、車内上部に配置することができる。例えば、この撮影装置2は、ルームミラーの支持部近傍に配置することができる。
ここで、後述するとおり、本発明者らは、撮影装置2の光軸方向(図5の左右方向)において、レンズ系21の入射瞳24と窓ガラス1の撮影窓113との光学的距離が前後10mm以内の範囲になるように撮影装置2を配置することで、撮影窓113を介して撮影した画像の歪曲量が変動しにくいことを見出した。そこで、本実施形態では、撮影装置2の光軸方向において、撮影装置2を構成するレンズ系21の入射瞳24と窓ガラス1の撮影窓113との光学的距離が前後10mm以内の範囲になるように撮影装置2を配置する。これによって、窓ガラス1の製造誤差によって撮影窓113を介して撮影した撮影画像の歪曲量が大きく変動するのを防止することができ、窓ガラス1の個体差を考慮することなく、取得した撮影画像を補正するための補正値を一律に定めることができる。
<車載システム>
次に、図7を用いて、撮影装置2及び画像処理装置3を備える車載システム5について説明する。図7は、車載システム5の構成を例示する。図7に例示されるように、本実施形態に係る車載システム5は、上記撮影装置2と、当該撮影装置2に接続される画像処理装置3と、を備えている。
画像処理装置3は、撮影装置2により取得された撮影画像を処理する装置である。この画像処理装置3は、例えば、ハードウェア構成として、バスで接続される、記憶部31、制御部32、入出力部33等の一般的なハードウェアを有している。ただし、画像処理装置3のハードウェア構成はこのような例に限定されなくてよく、画像処理装置3の具体的なハードウェア構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の追加、省略及び追加が可能である。
記憶部31は、制御部32で実行される処理で利用される各種データ及びプログラムを記憶する(不図示)。記憶部31は、例えば、ハードディスクによって実現されてもよいし、USBメモリ等の記録媒体により実現されてもよい。また、記憶部31が格納する当該各種データ及びプログラムは、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から取得されてもよい。更に、記憶部31は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
上記のとおり、ガラス板10は、垂直方向に対して傾斜姿勢で配置され、かつ、湾曲している。そして、撮影装置2は、そのようなガラス板10を介して車外の状況を撮影する。そのため、撮影装置2により取得される撮影画像は、当該ガラス板10の姿勢、形状、屈折率、光学的欠陥等に応じて、変形している。そこで、記憶部31には、このようなガラス板10によって変形した画像を補正するための補正データが記憶されていてもよい。
制御部32は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)と、を有する。ROM、RAM等は、制御部32内のプロセッサが取り扱うアドレス空間に配置されているという意味で主記憶装置と呼ばれてもよい。制御部32は、記憶部31に格納されている各種データ及びプログラムを実行することにより、画像処理部321として機能する。
画像処理部321は、撮影装置2により取得される撮影画像を処理する。撮影画像の処理は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、画像処理部321は、パターンマッチング等によって当該撮影画像を解析することで、撮影画像に写る被写体の認識を行ってもよい。本実施形態では、窓ガラス1はウインドシールドであり、撮影装置2は車両前方の状況を撮影する。そのため、画像処理部321は、更に、当該被写体認識に基づいて、車両前方に人間等の生物が写っていないかどうかを判定してもよい。そして、車両前方に人物が写っている場合には、画像処理部321は、所定の方法で警告メッセージを出力してもよい。また、例えば、画像処理部321は、所定の加工処理を撮影画像に施してもよい。そして、画像処理部321は、画像処理装置3に接続されるディスプレイ等の表示装置(不図示)に当該加工した撮影画像を出力してもよい。
入出力部33は、画像処理装置3の外部に存在する装置とデータの送受信を行うための1又は複数のインタフェースである。入出力部33は、例えば、ユーザインタフェースと接続するためのインタフェース、又はUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースである。なお、本実施形態では、画像処理装置3は、当該入出力部33を介して、撮影装置2と接続し、当該撮影装置2により撮影された撮影画像を取得する。
このような画像処理装置3は、提供されるサービス専用に設計された装置の他、PC(Personal Computer)、タブレット端末等の汎用の装置が用いられてもよい。
§2 製造方法
次に、図8を用いて、本実施形態に係る窓ガラス1の製造方法を説明する。図8は、本実施形態に係る窓ガラス1のガラス板10の成形工程を模式的に例示する。なお、以下で説明する窓ガラス1の製造方法は一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する製造工程について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
図8に例示されるように、この製造ラインでは、上流から下流に向けて、加熱炉80及び成形装置82がこの順で配置されている。そして、加熱炉80から成形装置82及びその下流側に亘ってローラコンベア81が配置されており、加工対象となるガラス板10はこのローラコンベア81により搬送される。なお、ガラス板10は、平板状に形成され、内面13に遮蔽層11が積層された後に、加熱炉80に搬入される。
加熱炉80は、種々の構成が可能であるが、例えば、電気加熱炉とすることができる。この加熱炉80は、上流側及び下流側の端部が開放する角筒状の炉本体を備えており、その内部に上流から下流へ向かってローラコンベア81が配置されている。炉本体の内壁面の上面、下面、及び一対の側面には、それぞれヒータ(図示省略)が配置されており、加熱炉80を通過するガラス板10を成形可能な温度、例えば、ガラスの軟化点付近まで加熱する。
成形装置82は、上型821及び下型822によりガラス板10をプレスし、所定の形状に成形するように構成されている。上型821は、ガラス板10の上面全体を覆うような下に凸の曲面形状を有し、上下動可能に構成されている。また、下型822は、ガラス板10の周縁部に対応するような枠状に形成されており、その上面は上型821と対応するように曲面形状を有している。この構成により、ガラス板10は、上型821と下型822との間でプレス成形され、最終的な曲面形状に成形される。また、下型822の枠内には、ローラコンベア81が配置されており、このローラコンベア81は、下型822の枠内を通過するように、上下動可能となっている。そして、図示を省略するが、成形装置82の下流側には、徐冷装置(図示省略)が配置されており、成形されたガラス板が冷却される。
ここで、上記加熱炉80では650度程度で加熱される。その際、遮蔽層11の材料であるセラミックは黒色等の濃色であるため、セラミックの積層されていない領域、例えば、撮影窓113の領域及び非遮蔽領域12と比べると、熱の吸収量が多くなる。そして、遮蔽層11を形成するセラミックはガラス板10と異なる熱膨張率を有するため、遮蔽層11の形成されている領域では、この成形工程時において圧縮応力及び引張応力が発生する。そのため、撮影窓113の周縁部及び非遮蔽領域12と遮蔽層11との境界部において、後述する程度の歪みの生じる歪領域が形成される。
そのため、上記のとおり、この歪領域の幅を考慮して、撮影窓の大きさを設定してもよい。すなわち、例えば、窓ガラスの傾斜角度φが30°である場合に直径4mmの入射瞳24の外側に幅8mmの歪領域が配置されるようにするため、撮影窓113は、上下方向の長径24mm、左右方向の短径20mmの楕円よりも大きくなるように構成してもよい。これによって、撮影装置2に対する歪みの影響を回避しつつ、撮影窓113の大きさを比較的に小さく形成することができる。
上記のようなローラコンベア81は公知のものであり、両端部を回転自在に支持された複数のローラ811が、所定間隔をあけて配置されている。各ローラ811の駆動には種々の方法があるが、例えば、各ローラ811の端部にスプロケットを取り付け、各スプロケットにチェーンを巻回して駆動することができる。そして、各ローラ811の回転速度を調整することで、ガラス板10の搬送速度も調整することができる。なお、成形装置82の下型822はガラス板10の全面に亘って接するような形態でもよい。このほか、成形装置82は、ガラス板10を成形するものであれば、上型及び下型の形態は特には限定されない。
§3 特徴
以上のように、本実施形態に係る窓ガラス1では、車内に設置された撮影装置2は、傾斜姿勢で配置されたガラス板10を介して車外の状況を撮影する。そのため、主光束60と同じ場所から発せられた副光束61が主光束60の光路近傍に進入することに起因して、撮影装置2で取得される撮影画像に二重像が生じる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、ガラス板10の内面13と副光束61の光路とが重なる位置で、かつ、主光束60の光路を遮断しない位置に、副光束61の進行を遮断する遮断部114が設けられる。そのため、遮断部114は、主光束60の進行を遮断することなく、副光束61の進行を遮断し、撮影装置2に副光束61が到達するのを防止することができる。したがって、当該構成によれば、遮断部114によって、撮影装置2で取得される撮影画像に二重像が生じるのを防止することができる。
また、本実施形態では、遮断部114は、遮蔽層11の一部として構成される。そのため、本実施形態では、遮断部114を遮蔽層11とは別途形成しなくてもよく、遮蔽層11を形成する過程で遮断部114を形成することができる。したがって、本実施形態によれば、簡易な構成で、撮影装置2により撮影される撮影画像に二重像が生じるのを防止することができる。
なお、遮蔽層11に関して、様々な規格が存在している。これらの規格の中には、遮蔽層11の幅を定めている規格が存在する。これに対して、本発明の発明者らは、撮影画像に二重像が生じるという問題点を見出し、この問題点を効率的に解消するために、遮蔽層11の一部により構成する遮断部114について、長さL、L0等の下限値を創作した。すなわち、本発明の発明者らは、単に遮蔽層11の幅が定められているという状況を超えて、遮蔽層11の一部により構成する遮断部114の幅を更に規定することによって、撮影画像に二重像が生じるという問題を効率的に解決したのである。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、窓ガラス1、撮影装置2及び画像処理装置3の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が行われてもよい。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、適宜説明を省略した。
<4.1>
例えば、上記実施形態では、窓ガラス1は、自動車用のウインドシールドである。しかしながら、本発明の適用可能な窓ガラスは、自動車のウインドシールドに限られる訳ではなく、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
<4.2>
また、例えば、ガラス板10の上記具体的な構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、変更、置換、及び追加が行われてもよい。例えば、上記ガラス板10は、前方側に湾曲した形状を有しているが、平らな形状であってもよい。また、上記ガラス板10は略矩形状に形成されている。しかしながら、ガラス板10の形状は、上記実施形態に限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
<4.3>
また、例えば、上記実施形態では、遮蔽層11は、窓ガラス1の周縁部に沿うように設けられている。しかしながら、遮蔽層11を設ける領域は、実施の形態に応じて、適宜設定可能である。ただし、運転者の視野範囲に遮蔽層11が重なってしまうと、運転の際に遮蔽層11によって運転者の視界が妨げられてしまう。そのため、運転者の視野範囲に重ならないよう遮蔽層11の領域を設定するのが好ましい。
<4.4>
また、例えば、上記実施形態では、遮蔽層11は、内面13に積層している。しかしながら、遮蔽層11を積層する面は、内面13に限定されなくてもよく、外面14であってもよい。更に、内面13及び外面14の両方に遮蔽層11が積層されてもよい。
図9は、本変形例に係る窓ガラス1Aを例示する。この窓ガラス1Aでは、遮断部114を含む遮蔽層11はガラス板10の外面14に積層されている。そのため、図9に例示されるように、遮断部114は、副光束61の透過を防止することで、副光束61が主光束60の光路に進入するのを防止することができる。
したがって、この場合、遮蔽層11の少なくとも一部は、すなわち、遮断部114は、副光束61の透過を防止する透過防止部材で構成される。透過防止部材は、光線がガラス板を透過するのを防止又は低減する部材であれば特に限定されなくてもよく、例えば、上記遮蔽層11を形成するセラミック等である。また、例えば、透過防止部材を形成する方法として、印刷、塗装、コーティング等の手段により不透明なインク、塗料、金属膜等をガラス板10の表面に貼り付ける方法、砂スリ、エッチング等の手段によりガラス板10の当該部分に微小な凹凸を設けて光散乱面とする方法、当該部分の表面近傍のみ化学的に改質して不透明化する方法、等が挙げられる。
なお、このように遮断部114が透過防止部材で構成される場合、遮断部114は、内面13より車外側に配置されればよく、外面14上以外に配置されてもよい。例えば、ガラス板10が後述する合わせガラスで構成される場合には、遮断部114は、外側ガラス板の車外側の面上の他に、外側ガラス板の車内側の面上、内側ガラス板の車外側の面上等に配置されてよい。
<4.5>
また、例えば、上記実施形態では、1枚のガラス板により構成されている。しかしながら、上記ガラス板10は、外側ガラス板と内側ガラス板とを中間膜を介して互いに接合した合わせガラスにより構成されてもよい。
図10は、本変形例に係る窓ガラス1Bを例示する。この窓ガラス1Bは、外側ガラス板15と内側ガラス板16とを中間膜17を介して互いに接合した合わせガラスを備えている。なお、以下では、説明の便宜のため、外側ガラス板15の車外側の面を「第1面」と、外側ガラス板15の車内側の面を「第2面」と、内側ガラス板16の車外側の面を「第3面」と、内側ガラス板16の車内側の面を「第4面」と称する。
図10で例示される変形例では、遮断部114(遮蔽層11)は、第2面152に積層している。ただし、遮断部114が積層する面は、第2面152に限られなくてもよく、第1面151、第3面161又は第4面162であってもよい。また、遮断部114は、第1面151〜第4面162のうちの複数の面に設けられてもよい。
ここで、外側ガラス板15及び内側ガラス板16は、上記ガラス板10と同様の材料で形成することができる。また、中間膜17は、外側ガラス板15及び内側ガラス板16と同様の屈折率を有する材料で形成することができる。そのため、外側ガラス板15と中間膜17との境界及び中間膜17と内側ガラス板16との境界でそれぞれ生じ得る光の反射及び屈折は非常に小さくなるので考慮しなくてもよい。
したがって、遮蔽層11が、第1面151、第2面152又は第3面161に配置される場合には、遮蔽層11の少なくとも一部、すなわち、遮断部114は、副光束の透過を防止する透過防止部材で構成される。一方、遮蔽層11が第4面162に配置される場合には、遮蔽層11の少なくとも一部、すなわち、遮断部114は、副光束の反射を防止する反射防止部材で構成される。
なお、この合わせガラスの厚みは特に限定されないが、軽量化の観点からは、外側ガラス板15及び内側ガラス板16の厚みの合計を、2.4〜4.6mmとすることが好ましく、2.6〜3.8mmとすることがさらに好ましく、2.7〜3.2mmとすることが特に好ましい。合わせガラスの軽量化のためには、外側ガラス板15及び内側ガラス板16の合計の厚みを小さくすればよい。外側ガラス板15及び内側ガラス板16それぞれの厚みは特に限定されないが、例えば、以下のように、外側ガラス板15及び内側ガラス板16それぞれの厚みを決定することができる。
すなわち、外側ガラス板15は、主として、小石等の飛来物等の衝撃に対する耐久性及び耐衝撃性が求められる。他方、外側ガラス板15の厚みを大きくするほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板15の厚みは、1.8〜2.3mmとすることが好ましく、1.9〜2.1mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、実施の形態に応じて適宜決定することができる。
また、内側ガラス板16の厚みは、外側ガラス板15の厚みと同等にすることができるが、例えば、合わせガラスの軽量化のために、外側ガラス板15よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、内側ガラス板16の厚みは、0.6〜2.0mmであることが好ましく、0.8〜1.6mmであることがさらに好ましく、0.8〜1.4mmであることが特に好ましい。更には、内側ガラス板16の厚みは、1.0〜1.3mmであることが好ましい。 内側ガラス板16についても、何れの厚みを採用するかは、実施の形態に応じて適宜決定することができる。
また、中間膜17は、実施の形態に応じて種々の構成が可能であり、例えば、軟質のコア層を、これよりも硬質の一対のアウター層で挟持した3層構造で構成することができる。このように軟質の層及び硬質の層の複数層で中間膜17を構成することによって、合わせガラスの耐破損性能及び遮音性能を高めることができる。
また、中間膜17の材料は、特に限定されず、実施の形態に応じて適宜選択することができる。例えば、中間膜17を上記のように硬さの異なる複数の層で構成する場合、硬質のアウター層には、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)を用いることができる。このポリビニルブチラール樹脂(PVB)は、各ガラス板(15、16)との接着性及び耐貫通性に優れるため、アウター層の材料として好ましい。また、軟質のコア層には、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、又はアウター層に利用するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質のポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。
なお、一般的に、ポリビニルアセタール樹脂の硬度は、(a)出発物質であるポリビニルアルコールの重合度、(b)アセタール化度、(c)可塑剤の種類、(d)可塑剤の添加割合などにより制御することができる。したがって、(a)〜(d)の少なくともいずれかの条件を適切に調整することにより、アウター層に用いる硬質のポリビニルアセタール樹脂とコア層に用いる軟質のポリビニルアセタール樹脂とを作製してもよい。
更に、アセタール化に用いるアルデヒドの種類、複数種類のアルデヒドによる共アセタール化か単種のアルデヒドによる純アセタール化によって、ポリビニルアセタール樹脂の硬度を制御することができる。一概には言えないが、炭素数の多いアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂ほど、軟質となる傾向がある。したがって、例えば、アウター層がポリビニルブチラール樹脂で構成されている場合、コア層には、炭素数が5以上のアルデヒド(例えばn−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−へプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド)、をポリビニルアルコールでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。
また、中間膜17の総厚は、実施の形態に応じて適宜設定可能であり、例えば、0.3〜6.0mmとすることができ、0.5〜4.0mmであることが好ましく、0.6〜2.0mmであることが更に好ましい。例えば、コア層とコア層を挟持する一対のアウター層との3層構造で中間膜17を構成する場合、コア層の厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがさらに好ましい。一方、各アウター層の厚みは、コア層の厚みよりも大きいことが好ましく、具体的には、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがさらに好ましい。
このような中間膜17の製造方法は特には限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、この方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。また、中間膜17は、上記のような複数の層で形成する以外に、1層で形成することもできる。なお、ガラス板10が複数の層から構成されている場合には、式(1)および式(2)におけるガラス板10の厚さTは全層の厚みの総和とし、屈折率nは厚み比率で配分した平均屈折率とする。
<4.6>
また、上記実施形態では、副光束61の進行を遮断する遮断部114は遮蔽層11の一部として構成されている。しかしながら、遮断部の構成は、このような例に限られなくてもよく、実施の形態に応じて種々の構成が可能である。例えば、遮断部114の他の形態は、図11及び図12によって例示することができる。
図11は、本変形例に係る窓ガラス1Cを例示する平面図である。また、図12は、本変形例に係る窓ガラス1Cを例示する断面図である。図11及び図12では、遮蔽層11は省略されている。すなわち、図11及び図12に例示されるように、遮断部18は、遮蔽層11の一部としてではなく、単独で形成してもよい。この場合、上記遮断部114と同様に、遮断部18の大きさ及び位置は、副光束61の進行を効率的に遮断するように、撮影装置2に受光される主光束60の透過領域を考慮して設定することができる。
すなわち、図12に例示されるように、ガラス板10が垂直方向に対して車外側から車内側に傾斜するように配置される場合、ガラス板10の上下方向における遮断部18の幅Wは、上記式1を満たす長さL以上となるように形成することができる。また、遮断部18は、遮断部18の上端部とガラス板10の上方向に長さLの分だけ遮断部18の上端部から離れた位置との間を主光束60が進行するように、配置することができる。これによって、撮影装置2により得られる撮影画像に二重像が発生するのを効率的に防止することができる。
なお、図11及び図12で例示される変形例では、遮断部18は、ガラス板10の内面13に配置されている。しかしながら、遮断部18は、内面13ではなく、外面14に配置されてもよい。遮断部18が内面13に配置される場合には、遮断部18は、上記反射防止部材で構成される。一方、遮断部18が外面14に配置される場合には、遮断部18は、上記透過防止部材で構成される。このように、副光束の進行を遮断する遮断部は簡易な構成で形成されてもよい。これにより、二重像の発生を低コストで防止することができる。
また、図25に例示されるように、ガラス板に接着するシート材等によって、遮断部を構成してもよい。図25は、本変形例に係る遮断部71を例示する。図25に例示されるシート材70は、例えば、撮影装置2を室外から見えないようにするために、ガラス板10の内面13(又は、内側ガラス板16の第4面162)に接着される。
具体的に、本変形例に係るシート材70は台形の枠状に形成されており、その枠の内側及び外側に沿ってそれぞれ加熱線(74、75)が印刷されている。そして、各加熱線(74、75)の端部には端子(72、73)が設けられており、この端子(72、73)を通じて各加熱線(74、75)に電流を流し、当該各加熱線(74、75)を加熱することができるように構成されている。
このシート材70は、例えば、中央の開口部を撮影窓113に位置合わせして、ガラス板10の内面13に接着される。撮影窓113の表面が曇ると、撮影装置2への主光束60の侵入が阻害され、撮影装置2による車外の撮影に支障が生じる可能性がある。これに対して、本シート材70を利用すると、各加熱線(74、75)を加熱することで、撮影窓113の曇りを防止(防曇効果)することができる。これによって、撮影窓113の表面が曇ることで撮影装置2による車外の撮影に支障が出るのを防止することができる。
本変形例では、このようなシート材70の下辺部の一部が、遮蔽層11と同様に、副光束の進行を遮断する遮断部71を構成している。このシート材70は、例えば、黒色のシール等、可視光の入射を遮蔽する材料により構成される。この他、例えば、上記撮影装置2を取り付けるためのブラケットの一部によって、遮断部を構成してもよい。
<4.7>
また、上記実施形態及び上記変形例では、各遮断部(114、18)は、ガラス板の面上に形成されている。しかしながら、遮断部は、副光束61のガラス板における光路上の位置で、かつ、主光束60の光路を遮断しない位置に適宜配置することができる。具体的には、遮断部を設けない場合に副光束61が進行する光路上において、ガラス板10に入射してから内面13で反射して主光束60の光路に進入する手前までの範囲に遮断部を配置することができる。
<4.8>
また、上記変形例のように、外側ガラス板と内側ガラス板とを中間膜を介して互いに接合した合わせガラスで窓ガラスのガラス板を構成する場合、遮断部は、中間膜の一部として構成することができる。
図13は、本変形例に係る窓ガラス1Dを例示する。図13では、遮断部171は、中間膜17の一部として構成されている。このような遮断部171は、例えば、黒色等の光を透過しにくい顔料で中間膜17の一部分を着色することによって形成することができる。なお、このような中間膜17を着色する着色剤には、例えば、顔料を分散させた可塑剤液が用いられてよい。また、可塑剤液には、アジピン酸アルキルエステル可塑剤、フタル酸エステル可塑剤等を用いることができる。
<4.9>
また、上記実施形態では、撮影装置2は、4つのレンズ211〜214を備えている。しかしながら、撮影装置2の構成は、実施の形態に応じて適宜変更可能である。例えば、撮影装置2の他の形態は、図14及び図15によって例示することができる。
図14は、本変形例に係る撮影装置2Aの構成を例示する。図14で例示される撮影装置2Aは、2つの平凸レンズ(261、262)を有するレンズ系26と、レンズ系26から被写体側に配置された開口絞り27と、レンズ系26を通過した光によって撮像するイメージセンサ28と、を備える。本変形例では、開口絞り27がレンズ系26の被写体側(図14では左側)に配置されている。
したがって、この場合、開口絞り27の位置及び大きさが入射瞳と一致するため、開口絞り27を撮影窓113上に設けることによって、撮影窓113上に入射瞳が現れるようにすることができる。よって、この場合、撮影窓113の大きさを入射瞳の大きさまで小さくすることができる。
また、図15に例示されるように、歪曲補正板29が設けられてもよい。図15は、当該変形例に係る撮影装置2Bを例示する。この撮影装置2Bは、歪曲補正板29を除き、上記撮影装置2Aと同様の構成を有している。歪曲補正板29は、例えば、窓ガラス1のガラス板10の傾斜角度、厚さ、曲率半径、レンズパワーなどにより生じる歪曲を補正することができる。このような歪曲補正板29は、例えば、自由曲面を有する透明な板部材適宜加工することで、窓ガラスに適合するよう構成することができる。
<4.10>
また、上記実施形態では、遮蔽層11に設けられる撮影窓113の数は1つであり、車内に設置される撮影装置2の数は1つである。しかしながら、車内に設置される撮影装置2の数は、2つ以上であってもよい。すなわち、車内には、複数の撮影装置を含むステレオカメラが設置されてもよい。また、これに応じて、遮蔽層11に設けられる撮影窓113の数は複数であってもよい。
図16は、本変形例に係る窓ガラス1Eを例示する平面図である。また、図17は、本変形例に係る車載システム5Aを例示する。図16及び図17に例示されるように、ステレオカメラ20は、2つの撮影装置2を備えてもよい。このとき、これら2つの撮影装置2は、視差の生じた2枚の撮影画像を同時に取得可能なように互いに離間して配置される。そのため、図16に例示されるように、窓ガラス1Eの遮蔽層11に設けられる2つの撮影窓113は、各撮影窓113が各撮影装置2に対応するように、互いに離間して配置される。このとき、遮断部114も2つ設けられる。そして、各撮影装置2で二重像が生じないように、各撮影窓113の下方に各遮断部114は配置される。
また、このステレオカメラ20は視差の生じた2枚の撮影画像を同時に取得することができる。そのため、ステレオカメラ20から撮影画像を取得する画像処理装置3(画像処理部321)は、この視差の生じた2枚の撮影画像を解析することで、当該2枚の撮影画像に写る被写体の位置等を算出してもよい。これによって、車載システム5Aは、単独の撮影装置2で車外を撮影する場合よりも車外の状況に関する情報を豊富に取得することができる。なお、被写体の位置は、公知のステレオビジョンの方法によって、算出することができる。また、画像処理部321は、この被写体の位置、すなわち、被写体と自車との距離の他、視差の生じた複数の撮影画像から公知の方法に基づいて、車外の状況に関する様々な情報を取得してもよい。例えば、画像処理部321は、定期的に被写体の位置を算出し、自車の走行速度を参照することで、被写体の移動速度を特定することができる。
本変形例によれば、ステレオカメラ20によって、車外の状況に関する情報を豊富に取得することができる。ただし、撮影画像に二重像が生じると、ステレオカメラ20で取得した複数の撮影画像間における視差の値に誤差が生じてしまい、被写体の位置測定の精度が下がってしまう可能性がある。これに対して、本変形例によれば、遮断部114によって撮影画像に二重像が生じるのを防止することができるため、当該被写体の位置測定の精度が低下してしまうことを防止することができる。副光束61を遮断する遮断部114によって車内に設置される撮影装置で撮影される撮影画像に二重像が生じるのを防止する本技術は、このようなステレオカメラ20により距離測定を行う場面等、撮影画像の精度が求められる場面でより効果を発揮する。
<4.11>
また、上記実施形態では、プレス成形工法によってガラス板10を成形した。しかしながら、ガラス板10を成形する工法は、このような例に限られなくてもよく、実施形態に応じて適宜選択可能である。例えば、ガラス板10は、図18で例示される自重曲げ工法によって成形されてもよい。
図18は、本変形例に係るガラス板10の成形装置を例示する。この成形装置では、まず、スクリーン印刷等によって内面13に遮蔽層11を積層したガラス板10を準備する。そして、このガラス板10をリング状(枠状)の成形型84に載置する。
この成形型84は搬送台85上に配置されており、成形型84にガラス板10を載置した状態で、搬送台85は、加熱炉86及び徐冷炉87内を順に通過する。このとき、成形型84はリング状であるため、ガラス板10は周縁部のみが支持された状態で加熱炉86を通過する。そして、加熱炉86内で軟化点温度付近まで加熱されると、ガラス板10は自重によって周縁部よりも内側が下方に湾曲し、曲面状に成形される。
<4.12>
また、上記実施形態では、遮蔽層11は一層構造である。しかしながら、遮蔽層11は、多層構造にすることができる。例えば、ガラス板10の内面13にセラミックを積層することで第1セラミック層を形成する。次に、第1セラミック層の上に銀を積層することで銀層を形成する。更に、この銀層の上にセラミックを積層することで第2セラミック層を形成する。これによって、3層構造の遮蔽層11を形成することができる。この3層構造の遮蔽層11は、銀層によって電磁波を遮蔽することができる。なお、この銀層には以下の表2に示される組成の材料を利用することができる。
*1,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明はこの実施例に限定される訳ではない。
<遮蔽層及び撮影窓の境界付近における歪み>
まず、セラミックを用いて遮蔽層を形成した場合に、遮蔽層の形成された領域と遮蔽層の形成されていない領域との境界でどのような歪みが生じるかを調べるために、以下のガラス板を準備した。
(1)ガラス板の構成:外側ガラス板及び内側ガラス板を厚み2mmのグリーンガラスで構成し、これらの間に単層の中間膜を配置した合わせガラスとした。
(2)遮蔽層:上記の表1で示される組成の第1セラミック層及び第2セラミック層の間に表2で示される組成に銀層を配置した三層構造の遮蔽層を形成した。また、遮蔽層には台形状の撮影窓を形成した。
(3)ガラス板の作製:内側ガラス板の車内側の面に、第1セラミック層、銀層、及び第2セラミック層をスクリーン印刷し、遮蔽層を形成した。その後、図8に示すような成形型で、加熱炉で650℃に焼成し曲面状に成形し、加熱炉から搬送後徐冷した。
続いて、上記のように製造されたガラス板に対し、遮蔽層の境界付近におけるガラス板の歪みを測定したところ、図19に示される結果を得た。図19のグラフでは、横軸がガラス板の面方向の長さを示し、縦軸がレンズパワー(ミリ diopter)を示す。(Diopter)はレンズ作用による焦点距離の逆数であり、単位は(1/m)である。
なお、レンズパワーの測定方法は、以下のとおりである。まず、暗室内でガラス板に光を投影し、ガラス板の背後のスクリーンに影を形成する。このとき、ガラス板上に凸レンズ作用があると光が集光し、スクリーン上の影が明るくなる。一方、ガラス板上に凹レンズ作用があると暗くなる。
ここで、レンズパワーとスクリーン上の影の明るさには相関があり、レンズパワーが既知のレンズを置き、そのときのスクリーン上での明るさを測定することで、レンズパワーと明るさの関係を得ることができる。したがって、対象となるガラス板を配置し、スクリーン上での明るさをガラス全面に渡って測定することで、ガラス板のレンズパワーを得ることができる。
このような測定の結果、図19によれば、遮蔽層から非遮蔽領域に向かうにしたがって、その境界付近では、レンズパワーが急激に大きくなっており、ガラス板の歪みが増大していることがわかる。そして、境界から所定の長さを離れると、歪みが低減し、更に離れると歪みが消失していることが分かる。
また、ガラス板の歪みによる画像の変形を検討するため、遮蔽層に台形状の撮影窓を形成したガラス板において、JIS R3212の透視歪みの試験を行い、その場面を写真撮影した。図20は、これによって得た写真を示す。図20に示されるように、遮蔽層と撮影窓との境界から8mm以内で真円が変形して楕円形状に変形している(歪領域)。一方、撮影窓の中央付近(境界から8mmを除いた領域)では、境界付近に比較して真円に近いことが分かる。
したがって、上記のとおり、撮影装置の撮影範囲が上述した歪みの大きい歪領域を含まないようにするためには、例えば、窓ガラスの傾斜角度φが30°である場合に直径4mmの入射瞳の外側に幅8mmの歪領域が配置されるようにするのが好ましいと推定される。この場合は、撮影窓は、上下方向の長径24mm、左右方向の短径20mmの楕円よりも大きくなるように構成される。
<入射瞳の位置と歪曲量との関係>
次に、入射瞳の位置と撮影窓における歪曲量との関係を調べるため、図21に例示されるような光学シミュレーションを行った。この光学シミュレーションには、米国Lambda Research社製のソフトウェア OSLO Premium(Release6.3)を利用した。そして、窓ガラスは1枚のガラス板で構成されるものとし、窓ガラスの厚みを4.8mmとした。また、ガラス板は水平方向に対して30°傾いているものとし、ガラス板の屈折率を1.52とした。更に、車外側および車内側の面はバイコーニック面であり、車外側の面の対称中心はターゲット中心と入射瞳を結ぶ線上にあり、車外側の面の水平方向(X方向)の曲率半径R1xを4800mmとした。そして、車内側の面の垂直方向(Y方向)の曲率半径R2yを1800mmとし、車内側の面の水平方向の曲率半径をR2xを4800mmとした。なお、バイコーニック面とは、光軸方向(Z方向)の位置zが以下の数7で示す関係式を満たす曲面である。
なお、CxはX方向の曲率(曲率半径の逆数)であり、CyはY方向の曲率(曲率半径の逆数)である。
ここで、車外側の面の垂直方向の曲率半径R1xを1600mm〜2000mmまで変動させた。また、撮影装置の入射瞳と窓ガラス(内側の面)との光学的距離(空気層換算の光路長)を−10mm〜30mmまで5ないし10mmの間隔で変動させた。更に、窓ガラスから1500mm離れた位置に配置されたターゲット上に図21に示す測定点を設定した。
そして、測定点から発して入射瞳の中心を通る光線(主光線)の、入射瞳位置における方向を、
(a)窓ガラスを配置した場合(角度P)
(b)窓ガラスを配置しなかった場合(角度Q)
についてそれぞれ計算し、以下の数5により歪曲量を算出した。
この歪曲量は、撮影装置の焦点距離及びF値には依存しない数値である。評価した測定点及び方向は、図21に示すAy(Y方向上向き)、Cy(Y方向下向き)及びEx(X方向左向き)とした。これにより、図22A及び図22Bに示される結果が得られた。なお、入射瞳と窓ガラスとの間の距離が−10mmであるとは、入射瞳が窓ガラス(内側の面)から車外側に光路長10mm離れた状態を意味する。
図22Aは、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を−10mm〜30mmまで変動させた場合において窓ガラスを介して撮影したターゲットの歪曲量を、R1y=1600、1800、2000mmの場合について示したものである。この結果によると、車外側の垂直方向の曲率半径を1800mmに設定した場合、すなわち、窓ガラスの車外側の面と車内側の面とで同じ曲率半径の形状になっている場合に、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を変動させても、歪曲量の変動が小さいことが分かった。
また、図22Aでは、窓ガラスの曲率半径の変動によって歪曲量が変化するところ、窓ガラスと入射瞳との間隔Dを略3mmとすることによって、窓ガラスの曲率半径の変動による歪曲量の変化を抑えることができることが分かった。すなわち、例えば、Dを−10mmに設定した場合には、窓ガラスの曲率半径を1600mm〜2000mmに変動させた場合に、ターゲットCyの歪曲量は1.1%〜2.7%に変動した。一方、Dを略3mmに設定した場合には、窓ガラスの曲率半径を1600mm〜2000mmに変動させても、ターゲットCyの歪曲量は1.9%でほとんど変動しなかった。また、ターゲットAyについては、Dを概略6mmとすることによって歪曲量の変動がほぼゼロとなる。しかし、ターゲットCyのほうが歪曲の絶対量と変動量が大きいので、窓ガラスと入射瞳との間隔Dを略3mmとすることによって、窓ガラスの曲率半径の変動による歪曲量の変化を抑えることができることが分かった。
また、図22Bは、車外側の面の垂直方向の曲率半径R1yを1600mm〜2000mmまで100mmの間隔で変動させた場合において窓ガラスを介して撮影したターゲットの歪曲量を、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離Dを−10、0、10、30mmの場合について示したものである。この結果によると、Cyが最も歪曲量の変動が大きかった。具体的には、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を30mmに設定すると、車外側の面の垂直方向の曲率半径が1600mmの場合と2000mmの場合とで点Cyの歪曲量が3.3%から0.4%まで凡そ2.9%変動した。
一方、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を10mmに設定すると、車外側の面の垂直方向の曲率半径が1600mmの場合と2000mmの場合とで点Cyの歪曲量の変動は2.3%から1.5%まで凡そ0.8%程度にまで抑えることができた。また、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を−10mmに設定すると、車外側の面の垂直方向の曲率半径が1600mmの場合と2000mmの場合とで点Cyの歪曲量の変動は1.1%から2.6%まで凡そ1.5%程度にまで抑えることができた。
したがって、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を−10mm〜10mmの範囲で設定することによって、車外側の面の垂直方向の曲率半径を変動させても、窓ガラスを介して撮影したターゲットの歪曲量の変動をある程度抑えることができることが分かった。特に、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を2mm〜3mmの範囲で設定することで、車外側の面の垂直方向の曲率半径を変動させても、窓ガラスを介して撮影したターゲットの歪曲量の変動をほぼ抑えることができることが分かった。
ここで、車外側の面の垂直方向の曲率半径の変動は窓ガラスの製造誤差を示し、窓ガラスと入射瞳の間隔の変動はカメラ取り付け時の誤差を示している。すなわち、車外側の面の曲率半径と車内側の面の曲率半径とが一致している場合には、窓ガラスでレンズ効果はほとんど生じないので、窓ガラスを介して撮影した画像の歪曲量は、窓ガラスとカメラの間隔が変動してもほぼ一定値となる。一方、車外側の面の曲率半径と車内側の面の曲率半径とが製造時のばらつきによって一致しない場合には、その不一致具合によって、窓ガラスにおいてレンズ効果が生じやすくなり、窓ガラスを介して撮影した画像の歪曲量は、窓ガラスとカメラの間隔が変動すると大きく変化する。
この不一致具合は製造誤差によって変動し得るため、この不一致具合の変動によって、窓ガラスを介して撮影した画像の歪曲量が変動してしまう。そうすると、窓ガラスを介して撮影された撮影画像を補正するための補正値は個々の窓ガラスに特有の値になってしまい、窓ガラスを作製する度に補正値を特定しなければならなくなってしまう。
これに対して、上記シミュレーションの結果によると、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を−10mm〜10mmの範囲で設定することによって、車外側の面の曲率半径と車内側の面の曲率半径と不一致具合が変動しても、窓ガラスを介して撮影した画像の歪曲量の変動をある程度抑えられることが分かった。特に、カメラの入射瞳と窓ガラスとの距離を2mm〜3mmの範囲で設定することで、窓ガラスを介して撮影した画像の歪曲量の変動をほぼ抑えられることが分かった。これによって、ウインドシールドの製造誤差によって各撮影窓を介して撮影した画像の歪曲量が大きく変動するのを防止し、個体差を考慮することなく、撮影した画像を補正する補正値を一律に定めることができる。
<遮蔽層の透過率及び反射率>
次に、図23Aに示されるように、上記表1に表示した成分の黒色セラミックが反射防止部材及び透過防止部材として利用可能か否かを調べるために次のような測定を行った。すなわち、図23Aに例示されるように、上記表1に表示した成分の黒色セラミックをガラス板の表面に貼り付けた。そして、黒色セラミックを貼り付けた面(以下、「黒色セラミック処理面」とも記載する)とは反対側からガラス板に入射角6度で入射光を入射させ、黒色セラミックを貼り付けた面で反射した反射光の波長別反射率を分光光度計(島津製作所製、型番:UV3100PC)で測定した。また、黒色セラミックを貼り付けていないガラス板でも、すなわち、上記の黒色セラミックを貼り付ける処理を行わなかった面(以下、「無処理面」とも記載する)についても同様の方法で反射光の波長別反射率を測定した。
図23Bは、各ガラス板における反射率の測定結果を示す。図23Bに示されるとおり、可視光線の波長領域において、無処理面の反射率が4.3〜4.5%であったのに対して、黒色セラミック処理面の反射率は1.4〜1.5%であった。すなわち、黒色セラミック処理面の反射率は、無処理面の反射率と比較して、非常に小さい値であった。このことから、黒色セラミックで形成した遮蔽層は、内側面の遮断部(反射防止部材)としての効果があることがわかった。
また、次の方法によって、黒色セラミック処理面の透過率を測定した。すなわち、図23Aに示されるように、黒色セラミックを貼り付けたガラス板に上記と同様の条件で入射光を入射させた。そして、黒色セラミック処理面から透過した透過光の波長別全光線透過率を積分球(島津製作所製、型番:UV3100PC)により測定した。
図23Cは、当該波長別全光線透過率の測定結果を示す。図23Cに示されるとおり、黒色セラミック処理面の透過率は0.025%以下ときわめて小さい値であった。このことから、黒色セラミックで形成した遮蔽層は、外側面の遮断部(透過防止部材)としての効果があることがわかった。
1…窓ガラス、
10…ガラス板、
11…遮蔽層、111…周縁領域、112…突出領域、113…撮影窓、
114…遮断部、
12…非遮蔽領域、13…内面、14…外面、
15…外側ガラス板、151…第1面、152…第2面、
16…内側ガラス板、161…第3面、162…第4面、
17…中間膜、171…遮断部、
18…遮蔽部、
2…撮影装置(カメラ)、201…入射光、
21…レンズ系、211〜214…レンズ、22…開口絞り、
23…イメージセンサ、24…入射瞳、
2A・2B…撮影装置(カメラ)、
26…レンズ系、261・262…平凸レンズ、27…開口絞り、
28…イメージセンサ、29…歪曲補正板、
250…撮影装置(カメラ)、251…レンズ、252…レンズ、
253…開口絞り、254…イメージセンサ、255…入射瞳、
3…画像処理装置、
31…記憶部、32…制御部、321…画像処理部、33…入出力部、
5…車載システム、
60…主光束、61…副光束、62…矢印(副光束の反射方向)、
80…加熱炉、81…ローラコンベア、811…ローラ、
82…成形装置、821…上型、822…下型、
84…成形型、85…搬送台、86…加熱炉、87…徐冷炉、
900…撮影装置、901…ガラス板、902…主光束、903…副光束

Claims (12)

  1. 撮影装置を配置可能な車両に用いられる窓ガラスであって、
    傾斜姿勢で配置されるガラス板と、
    前記ガラス板を透過して前記撮影装置に入光する主光束と同じ場所から発せられた副光束であって、前記ガラス板内で反射することで当該主光束の光路近傍に進入し得る副光束の進行を遮断するように、当該副光束の前記ガラス板における光路上の位置で、かつ、前記主光束の光路を遮断しない位置に配置される遮断部と、
    を備える窓ガラス。
  2. 前記遮断部は、前記ガラス板の車内側の面よりも車外側に配置され、前記副光束の透過を防止する透過防止部材及び前記ガラス板の車内側の面上に配置され、前記副光束の反射を防止する反射防止部材の少なくともいずれか一方で構成される、
    請求項1に記載の窓ガラス。
  3. 前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記遮断部の幅は、式(1)を満たす長さL以上であり、
    前記遮断部は、前記副光束がシフトし得る方向に前記遮断部から前記長さLの範囲を前記主光束が透過するように配置される、
    請求項1又は2に記載の窓ガラス。
    L=2×T×sinθ÷(n2−sin2θ)0.5 …式(1)
    なお、
    Tは、前記ガラス板の厚さを、
    θは、水平方向に進行する光線の前記ガラス板に対する入射角を、
    nは、前記ガラス板の屈折率を、
    示す。
  4. 前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記遮断部の幅は、式(2)を満たす長さL0以上であり、
    前記遮断部は、前記副光束がシフトし得る方向に前記遮断部から前記長さL0の範囲を前記主光束が透過するように配置される、
    請求項1又は2に記載の窓ガラス。
    0=0.347×T÷(n2−0.030)0.5 …式(2)
    なお、
    Tは、前記ガラス板の厚さを、
    nは、前記ガラス板の屈折率を、
    示す。
  5. 前記ガラス板に設けられ、車外からの視野を遮蔽する遮蔽層であって、前記撮影装置が車外の状況を撮影可能なように前記主光束が透過可能な撮影窓を有する遮蔽層を更に備え、
    前記遮断部は、前記遮蔽層の一部により構成される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の窓ガラス。
  6. 前記撮影窓の面積は3000mm2以下である、
    請求項5に記載の窓ガラス。
  7. 前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記遮断部の幅は、式(1)を満たす長さL以上であり、
    前記遮断部は、前記副光束がシフトし得る方向に前記遮断部から前記長さLの範囲を前記主光束が透過するように配置され、
    前記副光束がシフトし得る方向における前記撮影窓の幅は、前記長さL以上となるように形成される、
    請求項5又は6に記載の窓ガラス。
    L=2×T×sinθ÷(n2−sin2θ)0.5 …式(1)
    なお、
    Tは、前記ガラス板の厚さを、
    θは、水平方向に進行する光線の前記ガラス板に対する入射角を、
    nは、前記ガラス板の屈折率を、
    示す。
  8. 前記副光束が前記ガラス板内に進入し、当該ガラス板内で反射したと仮定した場合に当該副光束がシフトし得る方向における前記撮影窓の幅は、式(3)を満たすように形成される、
    請求項5から7のいずれか1項に記載の窓ガラス。
    R≦H×cosθ …式(3)
    なお、
    Rは、前記撮影装置の光学系における入射瞳の直径を、
    Hは、前記副光束がシフトし得る方向における前記撮影窓の幅を、
    θは、水平方向に進行する光線の前記ガラス板に対する入射角を、
    示す。
  9. 前記窓ガラスは、視差の生じた複数の画像を取得するために互いに離間した複数の撮影装置を有するステレオカメラを配置可能な車両に用いられ、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の窓ガラス。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の窓ガラスを備える車両に搭載するための車載システムであって、
    車外の状況を撮影する撮影装置と、
    前記撮影装置により取得された画像を処理する画像処理装置と、
    を備え、
    前記撮影装置の光学系は、入射瞳が光学部品よりも被写体側に存在するように構成される、
    車載システム。
  11. 前記撮影装置は、前記撮影装置の光軸方向において、前記撮影装置の光学系における入射瞳と前記窓ガラスの撮影窓との光学的距離が10mm以内の範囲になるように配置される、
    請求項10に記載の車載システム。
  12. 請求項9に記載の窓ガラスを備える車両に搭載するための車載システムであって、
    視差の生じた複数の画像を取得可能なよう互いに離間した複数の撮影装置を有するステレオカメラと、
    前記ステレオカメラにより取得された複数の画像を解析して、前記ステレオカメラの撮影範囲内に写る被写体の位置を算出する画像処理装置と、
    を備える、
    車載システム。
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