JPWO2016114205A1 - 銀微粒子分散物、インク組成物、銀電極、及び薄膜トランジスタ - Google Patents

銀微粒子分散物、インク組成物、銀電極、及び薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

銀微粒子を水性媒体中に分散してなる銀微粒子分散物であって、SP値が30以下の酸化防止剤と疎水性有機溶剤との混合溶液がノニオン性界面活性剤により上記水性媒体中に乳化分散してなる銀微粒子分散物;この銀微粒子分散物を用いたインク組成物;このインク組成物を用いた銀電極;及びこの銀電極を有する薄膜トランジスタ。

Description

本発明は、銀微粒子分散物、インク組成物、銀電極、及び薄膜トランジスタに関する。
導体配線や電極(以下「導体配線等」という)を形成する材料として銀微粒子が広く用いられている。銀微粒子を水性媒体中に分散させた状態で基材上に塗布し、これを焼き付け(焼結)、必要によりエッチング処理を施すことにより、所望の形状の導体配線等を形成することができる。
上記銀微粒子分散物を基材上に塗布する方法として、各種印刷方法による塗布、スピンコートによる塗布、ディスペンサーによる塗布等が知られている。銀微粒子分散物を印刷により塗布する場合には、銀微粒子分散物をインクとして用い、このインクが各種印刷方法により基板等に塗布される。なかでも、微細なパターンを精度良く形成することができ、工程が簡素でインクを無駄なく使用できることから、インクジェット印刷の利用が広がっている。
インクジェット印刷に用いる銀微粒子分散物からなるインクには、吐出安定性を高めるために、銀微粒子の良好な分散性(銀微粒子を媒体中に微粒子状態で均一分散できる特性)と共に、良好な分散安定性(上記の銀微粒子の分散状態が、経時的に、ないしは外部の刺激(熱や振動など)に対して安定的に維持できる特性)が求められる。
例えば特許文献1には、フェノール化合物の酸化重合物及び/又はその酸化体を表面に少なくとも有した銀微粒子が溶媒に分散した銀コロイド溶液が記載され、この銀コロイド溶液が銀微粒子の分散性ないし分散安定性に優れ、インクジェット印刷による電極や回路配線パターンの形成に使用できることが記載されている。
特許第4932662号公報
近年、電子部品の小型化により、導体配線等の微細化が進んでいる。例えば薄膜トランジスタにおいては、小型化に伴いソース電極とドレイン電極の距離が狭小化しており、電極の一部がイオン化して両電極間を移動し、両電極間が導通してしまうイオンマイグレーション(以下、単に「マイグレーション」ともいう。)が生じやすくなっている。かかる状況下、インクジェット印刷に用いる銀微粒子分散物には、良好な分散性と分散安定性に加え、形成した導体配線等のマイグレーションも抑えることが求められる。
本発明は、水性媒体中に銀微粒子が分散してなる銀微粒子分散物であって、銀微粒子の分散性及び分散安定性に優れ、さらにこの分散物を用いて形成した導体配線等の導電性にも優れ、且つこの分散物を用いて形成した導体配線等のマイグレーションをも効果的に抑えることができる銀微粒子分散物を提供することを課題とする。また本発明は、この銀微粒子分散物を用いたインク組成物、このインク組成物を用いた銀電極、及びこの銀電極を有する薄膜トランジスタを提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の酸化防止剤を溶解した疎水性有機溶剤溶液を、ノニオン性界面活性剤を用いて水性媒体中に乳化分散してなる乳化物と、銀微粒子を水性媒体中に分散してなる分散物とを混合して銀微粒子分散物を調製したところ、この銀微粒子分散物は銀微粒子の分散性と分散安定性に優れ、さらにこの銀微粒子分散物を用いて形成した導体配線等は優れた導電性を示し、且つマイグレーションも生じにくいことを見い出した。さらに、この銀微粒子分散物を用いて薄膜トランジスタ(TFT)の電極を形成した際には良好なキャリア移動度を示し、TFTの電極として良好に機能することを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
銀微粒子を水性媒体中に分散してなる銀微粒子分散物であって、
SP値が30以下の酸化防止剤と疎水性有機溶剤との混合溶液がノニオン性界面活性剤により上記水性媒体中に乳化分散してなる、銀微粒子分散物。
〔2〕
上記酸化防止剤が芳香族環を有する化合物である、〔1〕に記載の銀微粒子分散物。
〔3〕
上記酸化防止剤が分子量200〜3000の化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の銀微粒子分散物。
〔4〕
上記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸化合物、及びベンゾオキサゾール化合物から選ばれる、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
〔5〕
上記ノニオン性界面活性剤が、親水性部位中に−(CO)−を有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
但し、nは3以上の整数である。
〔6〕
上記ノニオン性界面活性剤が芳香族環を有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
〔7〕
〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物を用いたインク組成物。
〔8〕
インクジェット印刷に用いる、〔7〕に記載のインク組成物。
〔9〕
銀電極の形成に用いる、〔7〕又は〔8〕に記載のインク組成物。
〔10〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物又は〔7〕〜〔9〕のいずれか1つに記載のインク組成物を用いて形成した銀電極。
〔11〕
〔10〕に記載の銀電極を有する薄膜トランジスタ。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の銀微粒子分散物ないしインク組成物は、分散性及び分散安定性のいずれにも優れる。また、この銀微粒子分散物を用いて形成した導体配線等は導電性に優れ、マイグレーションの発生も効果的に抑えられる。
本発明の銀電極は、マイグレーションの発生が効果的に抑えられ、例えばTFTの電極として好適に用いることができる。さらに本発明の薄膜トランジスタは本発明の電極を有してなり、電極のマイグレーションが抑えられて電極間の絶縁信頼性に優れると共に優れたキャリア移動度を示す。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
本発明の薄膜トランジスタの好ましい構造を模式的に示す図である。
[銀微粒子分散物]
本発明の銀微粒子分散物の好ましい実施形態について説明する。
本発明の銀微粒子分散物は、銀微粒子が水性媒体中に分散してなり、且つ、この水性媒体中にはさらに、SP値が30以下の酸化防止剤と疎水性有機溶剤との混合溶液がノニオン性界面活性剤により乳化分散している。すなわち、上記酸化防止剤は銀微粒子分散物中において、水性媒体中に分散してなる油滴中に存在する。本明細書において、水性媒体中に「分散」しているとは、微粒子状となって水性媒体中に一様に(均質に)散在している状態をいう。
本発明の銀微粒子分散物は、上記酸化防止剤を1種含有しても2種以上含有してもよい。また、本発明の銀微粒子分散物は、上記ノニオン性界面活性剤を1種含有しても2種以上含有してもよい。また、本発明の銀微粒子分散物は、上記疎水性有機溶剤を1種含有しても2種以上含有してもよい。
本発明の銀微粒子分散物は、さらに、乾燥防止剤、浸透促進剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、pH調製剤、キレート剤、銀以外の金属粒子等を含有してもよい。
本発明の銀微粒子分散物は、イオン性の成分を含まないことが好ましい。イオン性の成分とは、銀微粒子分散物中において、イオン化して帯電した基を有する成分を意味する。
本発明の銀微粒子分散物がイオン性の成分を含まないことにより、銀微粒子分散物を用いて形成した導体配線等の導電性をより高めることができ、さらに、マイグレーションの発生もより抑えて絶縁信頼性を高めることができる。
<水性媒体>
本発明の銀微粒子分散物に用いる水性媒体(以下、水性媒体(a)ということもある)は、水、又は、水と水溶性有機溶媒との混合液である。銀微粒子分散物に含まれる水性媒体中、水の含有量は30質量%以上が好ましく、40〜100質量%がより好ましく、50〜100質量%がさらに好ましく、60〜100質量%がより好ましい。
水としては、例えば蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。
水性媒体に含有されうる上記水溶性有機溶媒は、20℃において水に対する溶解度が10質量%以上であるものが好ましい。この水溶性有機溶媒として、例えば、アルコール、ケトン、エーテル化合物、アミド化合物、ニトリル化合物、スルホン化合物が挙げられる。
これらのうちアルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが挙げられる。
また、ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられる。
エーテル化合物としては、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンが挙げられる。
アミド化合物としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドが挙げられる。
ニトリル化合物としては、例えば、アセトニトリルが挙げられる。
スルホン化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランが挙げられる。
本発明の銀微粒子分散物中の水性媒体の含有量は、10〜90質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
<銀微粒子>
本発明の銀微粒子分散物に含有される銀微粒子は、常法により調製することができる。
例えば、硝酸銀(I)(AgNO)やメタンスルホン酸銀(CHSOAg)等の銀化合物と、分散剤とを水中に溶解し、還元剤を添加し、撹拌しながら一定時間、銀イオンを還元することにより、銀微粒子を分散物として得ることができる。
上記還元剤に特に制限はなく、銀化合物を還元して銀微粒子を得るために用いられる従来公知の還元剤を用いることができる。なかでも、粒径が小さく且つ粒径の揃った銀微粒子を得る観点から、還元剤として、アルコール(好ましくはメタノール、エタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、トリメチロールプロパン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、又は3−アミノ−1−プロパノール)、ヒドロキシ基を有しないアミン(好ましくは、ヒドラジン、又はフェニルヒドラジン)、アスコルビン酸、ホルムアルデヒド、糖類等を用いることが好ましい。
上記銀微粒子の分散剤としては、銀微粒子の分散剤として用いられる従来公知の分散剤を広く用いることができる。上記分散剤は親水性基としてイオン性基を有する分散剤でもよいが、導体配線等の導電性をより高め、且つマイグレーションの発生をより抑制する観点から、親水性基としてノニオン性基を有する分散剤が好ましい。親水性基としてノニオン性基を有する分散剤は高分子化合物であることが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、ポリビニルアルコール-ポリ酢酸ビニル共重合体を挙げることができる。
本発明に用いうるノニオン性分散剤が高分子化合物である場合、その重量平均分子量は、2000〜50000であることが好ましく、3000〜30000であることがより好ましい。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定される。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL Super HZM−H、TSKgeL Super HZ4000、TSKgeL Super HZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)の3本を直列に接続し、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なう。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
銀微粒子の一次粒径は、使用する銀化合物、分散剤、還元剤の種類と配合比を適宜に調整し、さらに撹拌速度、温度、時間等を適宜に調整することにより調節することができる。
本発明の銀微粒子分散物中において、銀微粒子の平均粒径は、水性媒体中に安定的に分散できれば特に制限はないが、塗布適性、および保存安定性の観点から10〜200nmであることが好ましく、20〜150nmであることがより好ましく、30〜120nmであることがさらに好ましく、40〜100nmであることがさらに好ましく、50〜100nmであることがさらに好ましい。銀微粒子の平均粒径を上記好ましい範囲内とすることにより、膜、配線、電極等を形成した際に、十分に低い体積抵抗値とすることができる。
本明細書における銀微粒子の平均粒径は、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(製品名、大塚電子(株)製)を用いて測定される。具体的には、上記装置(FPAR−1000)を用いて標準測定条件で測定し、キュムラント解析により平均粒径を求める。
また、銀微粒子分散物中の銀微粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。
本発明の銀微粒子分散物中の銀微粒子の含有量は、5〜90質量%であるのが好ましく、10〜80質量%であるのがより好ましく、20〜70質量%であるのがさらに好ましく、20〜50質量%であるのがさらに好ましく、20〜40質量%であるのがさらに好ましい。上記の範囲内であれば、十分な厚みと導電性とを有する導体配線や導電膜を形成でき、また、各種の印刷方法に適した流動性の銀微粒子分散物を得ることができる。
<酸化防止剤>
本発明において酸化防止剤は、共存する物質に対して酸化抑制作用を示す化合物である。本発明の銀微粒子分散物には1種又は2種以上の酸化防止剤を用いることができる。
本発明に用いる酸化防止剤は、そのSP値(溶解性パラメータ、単位:MPa1/2)が30以下である。マイグレーションをより効果的に抑える観点から、本発明に用いる酸化防止剤のSP値は好ましくは15〜22であり、より好ましくは15〜20である。
本明細書においてSP値は、ハンセンの方法によって求めることができる。ハンセンの方法は当業界で周知のSP値を算出する方法の一つであり、分散項、極性項、水素結合項からなる多次元ベクトルでSP値を表記する。ハンセンのSP値は、Int.J.Thermophys,2008,29,568−585頁に記載の方法で予測でき、本明細書中に記載のSP値はこの文献の方法により予測した値である。
本発明に用いる酸化防止剤は、20℃において、水(純水)100gに対する溶解度が0.5g以下であり、0.2g以下であることがより好ましい。本発明に用いる酸化防止剤は、20℃において、水(純水)100gに対する溶解度が、通常は0.001g以上である。
本発明に用いる上記酸化防止剤は、本発明の銀微粒子分散物中において、後述する疎水性有機溶剤と共に油滴を構成する。すなわち、本発明において上記酸化防止剤は、水性媒体中に分散してなる油滴中に存在する。
本発明に用いる酸化防止剤は、その構造中に芳香族環を有する化合物であることが好ましい。酸化防止剤が芳香族環を有する化合物であることにより、良好な分散安定性を維持することができる。
酸化防止剤が有する芳香族環に特に制限はなく、芳香族炭化水素環でも芳香族ヘテロ環でもよい。また、上記芳香族環は単環でも縮合多環構造であってもよい。酸化防止剤の酸化電位の観点から上記芳香族環は芳香族炭化水素環が好ましく、なかでもベンゼン環が好ましい。酸化防止剤1分子中のベンゼン環の数は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜2である。
本発明に用いる酸化防止剤の分子量に特に制限はないが、通常は10000以下であり、5000以下がより好ましく、2000以下がさらに好ましく、1500以下がさらに好ましい。また、酸化防止剤の分子量は200以上が好ましく、300以上がより好ましい。酸化防止剤の分子量を上記好ましい範囲内とすることにより、焼結時の揮発を抑え、マイグレーションを効果的に抑制することができる。
本発明に用いる酸化防止剤の好ましい例としては、ヒンダードフェノール化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸化合物、及びベンゾオキサゾール化合物から選ばれる酸化防止剤が挙げられ、なかでもヒンダードフェノール化合物、及びベンゾトリアゾール化合物から選ばれる酸化防止剤が好ましい。
本明細書においてヒンダードフェノール化合物とは、下記構造式(A)で表される骨格を有する化合物を意味する。本明細書において「骨格を有する」とは、下記構造式(A)中の水素原子の一部又は全部が置換された構造を有するものも包含することを意味する。
Figure 2016114205
上記ヒンダードフェノール化合物の好ましい具体例として、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、1,3,5−トリス{[4−(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル]メチル}−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−t−ブチル−フェノール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−t−ブチルフェニル、1,3,5−トリス{[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、{3−[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)プロパノイルオキシ]−2,2−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)プロパノイルオキシ]プロピル}3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)プロパノエート、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン、亜リン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)を挙げることができる。
なお、下記(B)〜(E)で表される骨格を有する化合物であっても、上記(A)で表される骨格を有する化合物は、本明細書においてはヒンダードフェノール化合物に含まれる(すなわちベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸化合物、又はベンゾオキサゾール化合物には含まれない)ものとする。ここで、「骨格を有する」とは、一般式(A)について説明したのと同様に、各構造式中の水素原子の一部又は全部が置換された構造を有するものも包含することを意味する。
本明細書においてベンゾフェノン化合物とは、下記構造(B)で表される骨格を有する化合物を意味する。
Figure 2016114205
上記ベンゾフェノン化合物の好ましい具体例として、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを挙げることができる。
本明細書においてベンゾトリアゾール化合物とは、下記構造(C)で表される骨格を有する化合物を意味する。
Figure 2016114205
上記ベンゾトリアゾール化合物の好ましい具体例として、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを挙げることができる。
本明細書においてサリチル酸化合物とは、下記構造(D)で表される骨格を有する化合物を意味する。
Figure 2016114205
上記サリチル酸化合物の好ましい具体例として、例えば、サリチル酸4−t−ブチルフェニルを挙げることができる。
本明細書においてベンゾオキサゾール化合物とは、下記構造(E)で表される骨格を有する化合物を意味する。
Figure 2016114205
上記ベンゾオキサゾール化合物の好ましい具体例として、例えば、2,5−ビス(5−t−ブチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェンを挙げることができる。
本発明の銀微粒子分散物中、SP値が30以下の酸化防止剤の含有量は、0.1〜20質量%であるのが好ましく、1〜10質量%であるのがより好ましい。
<疎水性有機溶剤>
本発明に用いる疎水性有機溶剤は、上述した酸化防止剤を溶解し、本発明の銀微粒子分散物中において油滴を構成する。
本発明に用いる疎水性有機溶剤は、20℃において、水(純水)100gに対する溶解度が10g以下である有機溶剤を意味し、20℃における水(純水)100gに対する溶解度が1g以下であることがより好ましい。本発明に用いる疎水性有機溶剤は、20℃における水(純水)100gに対する溶解度が、通常は0.001g以上である。
本発明に用いる疎水性有機溶剤の好ましい例として、トルエン、キシレン、炭素数9〜18のアルキルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アニソール、メチルシクロヘキサン、イソプロピルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジターシャリーブチルエーテルを挙げることができる。
本発明の銀微粒子分散物中、疎水性有機溶剤の含有量は、0.0001〜20質量%であるのが好ましく、0.001〜10質量%であるのがより好ましく、0.01〜1質量%であるのがより好ましく、0.1〜1質量%であるのがさらに好ましい。
<ノニオン性界面活性剤>
本発明の銀微粒子分散物は、界面活性剤としてノニオン性界面活性剤を含有する。
本発明に用いるノニオン性界面活性剤は、酸化防止剤を溶解してなる疎水性有機溶剤溶液を水性媒体中に乳化分散するための乳化剤として用いられる。
ノニオン性界面活性剤は、銀微粒子分散物ないしインク組成物を塗布し、焼結した際にノニオン性基が揮発しやすいため、その分、銀濃度が高まり、形成した導体配線等の体積抵抗値を抑えることができる。また、イオン性界面活性剤を使用した場合に比べ、マイグレーションも効果的に抑えられる。さらに、イオン性界面活性剤を使用した場合に比べて、分散物中の銀微粒子の分散安定性も向上しうる。
本発明に用いるノニオン性界面活性剤は、酸化防止剤の分散安定性の観点から、HLBが9〜15であることが好ましく、10〜14であることがより好ましい。HLBはGriffin法(W.C.Griffin,J.Soc.Cosmetic.Chemists.,1,311(1949))により計算される値である。
また、上記ノニオン性界面活性剤の分子量は500〜20000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。
上記ノニオン性界面活性剤は、親水性部位中に−(CO)−(nは3以上の整数であり、3〜50であることが好ましく、5〜25であることがより好ましい)を有することが好ましい。
また、上記ノニオン性界面活性剤は、その構造中に芳香族環(好ましくはベンゼン環)を有することも好ましい。芳香族環を有することにより、分散安定性を向上させることができる。
上記ノニオン性界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン多環アリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレートを挙げることができる。
上記ノニオン性界面活性剤の好ましい具体例として、例えば、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテルを挙げることができる。
本発明の銀微粒子分散物中、上記ノニオン性界面活性剤の含有量は1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましい。
<銀微粒子分散物の調製>
本発明の銀微粒子分散物は、疎水性有機溶剤と酸化防止剤との混合溶液がノニオン性界面活性剤の作用で水性媒体中に乳化分散してなる水中油型乳化物と、上述したように銀化合物を還元して得られた銀微粒子の水性分散物とを混合して得ることができる。
上記水中油型乳化物の調製には、一般的な乳化分散方法を採用することができる。上記水中油型乳化物の調製の一例について以下に説明する。
上記水中油型乳化物の一調製例では、上記酸化防止剤と、上記疎水性有機溶剤と、上記ノニオン性界面活性剤とを混合した溶液(以下、「酸化防止剤溶液」という)を調製する。酸化防止剤溶液を調製する際の溶液温度は10〜40℃とすることが好ましい。
この酸化防止剤溶液中の酸化防止剤濃度は、5〜50質量%とすることが好ましい。また、酸化防止剤溶液中のノニオン性界面活性剤濃度は5〜50質量%とすることが好ましい。
また、酸化防止剤溶液中の酸化防止剤とノニオン性界面活性剤の量比は、酸化防止剤/ノニオン性界面活性剤=1/9〜9/1(質量比)が好ましく、酸化防止剤/ノニオン性界面活性剤=2/8〜8/2(質量比)がより好ましい。
次いで、上記酸化防止剤溶液を水中に滴下し、超音波ホモジェナイザー等を用いて酸化防止剤溶液を水中に乳化分散することにより、上記水中油型乳化物を得ることができる。酸化防止剤溶液の量と、この溶液が滴下される水の量の比は、酸化防止剤溶液/水=1/100〜50/50(質量比)が好ましく、酸化防止剤溶液/水=10/100〜30/100(質量比)がより好ましい。
上記水中油型乳化物ないし本発明の銀微粒子分散物において、油滴の粒径は20〜200nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましく、40〜120nmであることがさらに好ましい。上記油滴の粒径は、平均粒径を意味し、動的光散乱光度計により測定することができる。
本発明の銀微粒子分散物において、酸化防止剤が、水性媒体中に分散した状態で存在することにより、酸化防止剤を銀微粒子分散物中に安定的且つ均質に存在させることができ、この乳化した銀微粒子分散物を用いることにより導体配線等のマイグレーションをより効果的に抑制することが可能となる。単に酸化防止剤の粉砕物等を銀微粒子分散物中に含有させた場合には、酸化防止剤を安定的に分散させることができず、印刷特性等に劣る。
<銀微粒子分散物の物性>
本発明の銀微粒子分散物の粘度は、銀微粒子等の含有量にもよるが、通常は3〜1000mPa・sであり、5〜500mPa・sであることがより好ましく、5〜100mPa・sであることがさらに好ましく、5〜50mPa・sであることがさらに好ましく、5〜20mPa・sであることがさらに好ましい。銀微粒子分散物の粘度はTV−25型粘度計(東機産業(株)社製)を用い、25℃で測定したものである。
本発明の銀微粒子分散物のpHは、分散安定性の観点から、25℃においてpH3〜10が好ましく、pH4〜8がより好ましく、pH5〜7がさらに好ましい。
[インク組成物]
本発明のインク組成物は、本発明の銀微粒子分散物そのものでもよい。また、本発明の銀微粒子分散物を原料として用いて調製されるものであってもよい。より詳細には、少なくとも本発明の銀微粒子分散物と、水性媒体(以下、水性媒体(b)という。)とを混合することにより、本発明のインク組成物を調製してもよい。また、場合によっては本発明の銀微粒子分散物を濃縮して本発明のインク組成物とすることもできる。本発明のインク組成物には、必要に応じて、表面張力調整剤、乾燥防止剤(膨潤剤)、着色防止剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘土調整剤、pH調製剤、キレート剤等の添加剤を混合してもよい。混合方法に特に制限はなく、通常用いられる混合方法を適宜に選択し、本発明のインク組成物を得ることができる。
水性媒体(b)は水性媒体(a)と同義であり、好ましい範囲も同じである。本発明のインク組成物中、水性媒体の含有量(水性媒体(a)と(b)の含有量の合計)は、銀微粒子の保存安定性の観点から、10〜90質量%が好ましく、20〜85質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
本発明のインク組成物中、銀微粒子の含有量は、塗布膜により高い導電性を発現させる観点から、5〜80質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、20〜70質量%であるのがさらに好ましく、20〜50質量%であるのがさらに好ましく、20〜40質量%であるのがさらに好ましい。
本発明のインク組成物中に分散している銀微粒子の平均粒径及び油滴の平均粒径の好ましい範囲は、上述した本発明の銀微粒子分散物における銀微粒子の平均粒径及び油滴の平均粒径と同じである。
本発明のインク組成物は、インクジェット方式によりインク組成物の吐出を良好に行う観点から、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mとすること好ましく、より好ましくはインク組成物の表面張力を20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mとする。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学株式会社製)を用いて25℃の条件下で測定される。表面張力は界面活性剤の添加等により適宜に調整できる。
本発明のインク組成物の粘度は特に限定されないが、25℃での粘度が、1mPa・s以上500mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上100mPa・s未満であり、更に好ましくは2.5mPa・s以上50mPa・s未満であり、さらに好ましくは5mPa・s以上20mPa・s未満である。インク組成物の粘度は、上述した、銀微粒子分散物の粘度の測定方法と同じ方法で得られる値とする。
本発明のインク組成物のpHは、分散安定性の観点から、25℃においてpH6〜11が好ましく、pH7〜10がより好ましく、pH7〜9がさらに好ましい。
本発明のインク組成物は、これを基材上に塗布し、大気中、通常は100〜250℃、好ましくは120〜200℃で焼結することにより、導体配線、導電膜、銀電極などを形成することができる。本発明のインク組成物の塗布方法に特に制限はなく、公知のインク付与方法を用いることができる。例えば、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。中でも、インクの効率的な使用、記録装置のコンパクト化、高速記録性等の観点から、インク組成物をインクジェット方式によって付与することが好ましい。
インクジェット方式には、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等のいずれであってもよい。
また、インクジェット方式で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。さらに上記インクジェット方式により記録を行う際に使用するインクノズル等についても特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクの塗布をインクジェット方式で実施する場合、高精細なパターンを形成する観点から、インクジェット方式により吐出されるインク組成物の液滴量が1.5〜20pLであることが好ましく、1.5〜10pLであることより好ましい。吐出されるインク組成物の液滴量は、吐出条件を適宜に調整して調節することができる。
[銀電極]
本発明の銀電極は、本発明の銀微粒子分散物ないしインク組成物を用いて形成される。より詳細には、上述した銀微粒子分散物ないしインク組成物を基板上に塗布して、必要に応じて、加熱処理を施す(焼結する)ことにより本発明の銀電極を形成することができる。上記加熱処理を施すことにより、銀微粒子同士が互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して銀層を形成する。
上記加熱処理の温度は、100℃〜250℃が好ましく、120℃〜200℃がより好ましい。
上記加熱時間は、5分〜4時間が好ましく、15分〜2時間がより好ましい。
加熱処理の温度と時間を上記好ましい範囲内とすることにより、銀微粒子が十分に焼結され、所望の導電性(体積抵抗値)が得られやすい。
本発明の銀電極の体積抵抗値は、好ましくは2×10−6〜1×10−4Ωcm、より好ましくは2×10−6〜5×10−5Ωcmである。体積抵抗値は後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
[薄膜トランジスタ(TFT)]
本発明のTFTは、本発明の銀電極を有する。本発明のTFTにおいて、本発明の銀電極は、ゲート電極、ソース電極及び/又はドレイン電極として用いられ、少なくともソース電極及びドレイン電極として用いられることが好ましい。
本発明のTFTの好ましい実施形態を以下に説明するが、本発明のTFTはこれらの態様に限定されるものではなく、少なくとも1つの電極が、本発明の銀微粒子分散物ないしインク組成物を用いて形成されていれば特に制限はない。
本発明のTFTは、基板上に、ゲート電極と、半導体層と、上記ゲート電極と上記半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、上記半導体層に接して設けられ、上記半導体を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する。ゲート電極に電圧が印加されると、ソース電極−ドレイン電極間の半導体層と隣接する層との界面に電流の流路(チャネル)が形成される。すなわち、ゲート電極に印加される入力電圧に応じて、ソース電極とドレイン電極との間を流れる電流が制御される。
本発明のTFTの好ましい構造を図面に基づいて説明する。各図面に示されるTFTは、本発明の理解を容易にするための模式図であり、各部材のサイズないし相対的な大小関係等は説明の便宜上大小を変えている場合があり、実際の関係をそのまま示すものではない。また、本発明で規定する事項以外はこれらの図面に示された外形、形状に限定されるものでもない。例えば、図1(A)及び(B)において、ゲート電極は必ずしも基板のすべてを覆っている必要はなく、基板の中央部分に設けられた形態も、本発明のTFTの形態として好ましい。
図1(A)〜(D)は、各々、本発明のTFTの代表的な好ましい構造を模式的に表わす縦断面図である。図1(A)〜(D)において、1は半導体層、2はゲート絶縁層、3はソース電極、4はドレイン電極、5はゲート電極、6は基板を示す。
また、図1(A)は、ボトムゲート・ボトムコンタクト型、図1(B)は、ボトムゲート・トップコンタクト型、図1(C)はトップゲート・ボトムコンタクト型、図1(D)はトップゲート・トップコンタクト型のTFTを示している。本発明のTFTには上記4つの形態のすべてが包含される。図示を省略するが、各TFTの図面最上部(基板6に対して反対側)には、オーバーコート層が形成されている場合もある。
<基板>
基板は、TFT及びその上に作製される表示パネル等を支持できるものであればよい。基板は、表面に絶縁性があり、シート状で、表面が平坦であれば特に限定されない。
基板の材料として、無機材料を用いてもよい。無機材料からなる基板として、例えば、ソーダライムガラス、石英ガラス等の各種ガラス基板や、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板、サファイヤ基板、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の各種合金や各種金属からなる金属基板、金属箔、紙等を挙げることができる。
基板がステンレスシート、アルミ箔、銅箔又はシリコンウェハ等の導電性あるいは半導体性の材料で形成されている場合、通常は、表面に絶縁性の高分子材料あるいは金属酸化物等を塗布又は積層して用いられる。
また、基板の材料として、有機材料を用いてもよい。例えば、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル、PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィンに例示される有機ポリマーから構成された可撓性を有するプラスチック基板(プラスチックフィルム、プラスチックシートともいう)を挙げることができる。また雲母で形成したものも挙げることができる。
基板の厚みは、10mm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのがさらに好ましく、1mm以下であるのが特に好ましい。また、一方で、0.01mm以上であるのが好ましく、0.05mm以上であるのがさらに好ましい。
<ゲート電極>
ゲート電極は、TFTのゲート電極として用いられている従来公知の電極を用いることができる。また本発明の銀微粒子分散物ないしインク組成物を用いて形成することもできる。
ゲート電極を構成する導電性材料(電極材料ともいう)としては、特に限定されない。例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、モリブデン、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム、パラジウム、鉄、マンガン等の金属;InO、SnO、インジウム・錫酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等の導電性高分子;塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF、AsF、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等のドーパントを添加した上記導電性高分子、並びに、カーボンブラック、グラファイト粉、金属微粒子等を分散した導電性の複合材料等が挙げられる。これらの材料は、1種のみを用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ゲート電極の形成方法に制限は無い。例えば、真空蒸着法等の物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD法)、スパッタ法、印刷法(塗布法)、転写法、ゾルゲル法、メッキ法等により形成された膜を、必要に応じて所望の形状にパターンニングする方法が挙げられる。
また、ゲート電極を塗布法により形成することもできる。塗布法では、上記材料の溶液、ペースト又は分散液を調製、塗布し、乾燥、焼成、光硬化又はエージング等により、膜を形成し、又は直接電極を形成できる。
また、インクジェット印刷、スクリーン印刷、(反転)オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、熱転写印刷、マイクロコンタクトプリンティング法等は、所望のパターニングが可能であり、工程の簡素化、コスト低減、高速化の点で好ましい。
スピンコート法、ダイコート法、マイクログラビアコート法、ディップコート法を採用する場合も、下記フォトリソグラフィー法等と組み合わせてパターニングすることができる。
ゲート電極の厚みは、任意であるが、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
<ゲート絶縁層>
ゲート絶縁層は、絶縁性を有する層であれば特に限定されず、単層であってもよいし、多層であってもよい。
ゲート絶縁層は、絶縁性の材料で形成されるのが好ましく、絶縁性の材料として、例えば、有機高分子、無機酸化物等が好ましく挙げられる。
有機高分子及び無機酸化物等は、絶縁性を有するものであれば特に限定されず、薄膜、例えば厚み1μm以下の薄膜を形成できるものが好ましい。
有機高分子及び無機酸化物は、ぞれぞれ、1種を用いても、2種以上を併用してもよく、また、有機高分子と無機酸化物を併用してもよい。
有機高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルフェノール、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレートに代表されるポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、CYTOPに代表される環状フルオロアルキルポリマー、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリジメチルシロキサン(PDMS)に代表されるポリオルガノシロキサン、ポリシルセスキオキサン又はブタジエンゴム等が挙げられる。また、上記の他にも、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、シンナメート樹脂、アクリル樹脂、ポリパラキシリレン樹脂等の熱硬化性樹脂も挙げられる。
上記無機酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化銅、酸化ニッケル等の酸化物、また、SrTiO、CaTiO、BaTiO、MgTiO、SrNbのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物又は混合物等が挙げられる。ここで、酸化ケイ素としては、酸化シリコン(SiO)の他に、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、酸化窒化シリコン(SiON)、SOG(スピンオングラス)、低誘電率SiO系材料(例えば、ポリアリールエーテル、シクロパーフルオロカーボンポリマー及びベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、アモルファスカーボン、有機SOG)を含む。
ゲート絶縁層を無機酸化物で形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング又はCVD法等の真空成膜法を用いることができ、また成膜中に任意のガスを用いたプラズマやイオン銃、ラジカル銃等でアシストを行ってもよい。
<半導体層>
半導体層は、半導体性を示し、キャリアを蓄積可能な層である。半導体層には従来公知の有機又は無機の半導体化合物を広く用いることができる。
有機半導体としては、特に限定されず、有機ポリマー及びその誘導体、低分子化合物等が挙げられる。
本発明において、低分子化合物は、有機ポリマー及びその誘導体以外の化合物を意味する。すなわち、繰り返し単位を有さない化合物をいう。低分子化合物は、このような化合物である限り、分子量は特に限定されるものではない。
低分子化合物としては、例えば、縮合多環芳香族化合物が挙げられる。例えば、ナフタセン、ペンタセン(2,3,6,7−ジベンゾアントラセン)、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン等のアセン、アントラジチオフェン、ピレン、ベンゾピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセン、及び、これらの炭素原子の一部をN、S、O等の原子で置換した誘導体又は上記炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子をカルボニル基等の官能基で置換した誘導体(ペリキサンテノキサンテン及びその誘導体を含むジオキサアンタントレン系化合物、トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノン等)、並びに、上記水素原子を他の官能基で置換した誘導体を挙げることができる。
また、銅フタロシアニンで代表される金属フタロシアニン、テトラチアペンタレン及びその誘導体、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)、N,N’−ジオクチルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミド等のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミド等のアントラセンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン及びこれらの誘導体、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素、ヘミシアニン色素等の色素とこれらの誘導体等を挙げることもできる。
さらに、ポリアントラセン、トリフェニレン、キナクリドンを挙げることができる。
また、低分子化合物としては、例えば、4,4’−ビフェニルジチオール(BPDT)、4,4’−ジイソシアノビフェニル、4,4’−ジイソシアノ−p−テルフェニル、2,5−ビス(5’−チオアセチル−2’−チオフェニル)チオフェン、2,5−ビス(5’−チオアセトキシル−2’−チオフェニル)チオフェン、4,4’−ジイソシアノフェニル、ベンジジン(ビフェニル−4,4’−ジアミン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、テトラチアフルバレン(TTF)及びその誘導体、テトラチアフルバレン(TTF)−TCNQ錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体に代表される電荷移動錯体、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−ジ(4−チオフェニルアセチリニル)−2−エチルベンゼン、1,4−ジ(4−イソシアノフェニルアセチリニル)−2−エチルベンゼン、1,4−ジ(4−チオフェニルエチニル)−2−エチルベンゼン、2,2”−ジヒドロキシ−1,1’:4’,1”−テルフェニル、4,4’−ビフェニルジエタナール、4,4’−ビフェニルジオール、4,4’−ビフェニルジイソシアネート、1,4−ジアセチニルベンゼン、ジエチルビフェニル−4,4’−ジカルボキシレート、ベンゾ[1,2−c;3,4−c’;5,6−c”]トリス[1,2]ジチオール−1,4,7−トリチオン、α−セキシチオフェン、テトラチアテトラセン、テトラセレノテトラセン、テトラテルルテトラセン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)、ポリ(N−アルキルピロール)ポリ(3−アルキルピロール)、ポリ(3,4−ジアルキルピロール)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)、ポリ(ジベンゾチオフェンスルフィド)を例示することができる。
半導体層を形成する無機半導体材料としては、特に限定されないが、その好ましい例として酸化物半導体が挙げられる。
酸化物半導体としては、金属酸化物からなるものであれば特に限定されない。酸化物半導体からなる半導体層は、酸化物半導体前駆体、すなわち熱酸化等の変換処理によって金属酸化物からなる半導体材料に変換される材料を用いて形成するのが好ましい。
酸化物半導体は特に限定されるものではないが、例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛、酸化インジウムガリウム、酸化インジウムスズ亜鉛、酸化ガリウム亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛、酸化スズ亜鉛、酸化亜鉛、酸化スズ、例えば、InGaZnO、InGaO、InSnZnO、GaZnO、InSnO、InZnO、SnZnO(いずれもx>0)、ZnO、SnOが挙げられる。
上記酸化物半導体前駆体としては、例えば、金属の硝酸塩、金属のハロゲン化物、アルコキシドが挙げられる。上記酸化物半導体前駆体が含有する金属は、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
酸化物半導体前駆体の具体例としては、例えば、硝酸インジウム、硝酸亜鉛、硝酸ガリウム、硝酸スズ、硝酸アルミニウム、塩化インジウム、塩化亜鉛、塩化スズ(2価)、塩化スズ(4価)、塩化ガリウム、塩化アルミニウム、トリ−i−プロポキシインジウム、ジエトキシ亜鉛、ビス(ジピバロイルメタナト)亜鉛、テトラエトキシスズ、テトラ−i−プロポキシスズ、トリ−i−プロポキシガリウム、トリ−i−プロポキシアルミニウムが挙げられる。
<ソース電極、ドレイン電極>
本発明のTFTにおいて、ソース電極及びドレイン電極は、本発明の銀微粒子分散物ないしインク組成物を用いて形成されていることが好ましい。ソース電極及びドレイン電極が本発明の銀微粒子分散物ないしインク組成物を用いて形成されていない場合は、従来公知のソース電極、ドレイン電極を採用することできる。例えば、上記ゲート電極で説明した導電性材料等を用いることができる。
ソース電極及びドレイン電極は、それぞれ、上記ゲート電極の形成方法と同様の方法により形成することができる。
以下に実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
[参考例1] 銀微粒子の調製(ノニオン性分散剤による分散)
分散剤としてポリビニルピロリドン(重量平均分子量3000、シグマアルドリッチ社製)(7.36g)を水(100mL)に溶解させた溶液aを調製した。また、硝酸銀50.00g(294.3mmol)を水(200mL)に溶解させた溶液bを調製した。溶液aと溶液bとを混合し、攪拌した。得られた混合液に、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン濃度が85質量%の水溶液(78.71g)(N,N−ジエチルヒドロキシルアミンとして750.5mmol)を室温でゆっくり滴下し、さらに、ポリビニルピロリドン(7.36g)を水(1000mL)に溶解させた溶液を室温でゆっくり滴下した。得られた懸濁液を限外濾過ユニット(ザルトリウス・ステディム社製ビバフロー50、分画分子量:10万、ユニット数:4個)に通し、限外濾過ユニットから約5Lの滲出液がでるまで精製水を通過させて精製した。精製水の供給を止め、濃縮し、30gの銀微粒子の分散液を得た。この分散液中の固形分の含有量は50質量%であった。また、固形分中の銀の含有量をTG−DTA(示差熱熱重量同時測定)(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、モデル:STA7000)にて測定したところ、96.0質量%であった。
[参考例2] 水中油型乳化物の調製
下記表1に示す酸化防止剤5g、トルエン5g、下記表1に示すノニオン性界面活性剤5gあるいはイオン性界面活性剤5gを混合した溶液を調製し、水50g中に滴下した。超音波ホモジェナイザー(500W)により、20℃に冷却しながら、5分間分散し、油滴の平均粒径が50nm〜200nmの範囲内にある32種類の水中油型乳化物を得た。その後、トルエンを減圧留去により1%以下まで除き、純水を添加して固形分を20%に調整した。油滴の平均粒径は、濃厚系粒径アナライザー(大塚電子社製、FPAR−1000)により測定した。また高速液体クロマトグラフィーにより、トルエンの含率を測定した結果、溶液中0.2%含まれていた。
[調製例] 銀微粒子分散物(インク組成物)の調製
上記参考例1で得られた銀微粒子の分散液1gと、上記参考例2で調製した水中油型乳化物0.3gと、1−メトキシ2−プロパノール0.2gを添加し、撹拌して銀微粒子分散物(インク組成物)を得た。この銀微粒子分散物の表面張力は36mN/m、25℃における粘度は8.0Pa・sであった。また、この銀微粒子分散物中、銀微粒子の含有量は32質量%、酸化防止剤の含有量は4質量%、ノニオン性界面活性剤の含有量は4質量%である。
<銀微粒子の平均粒径の測定>
上記調製例で調製した銀微粒子分散物を、イオン交換水を用いて20倍に希釈し、粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子)を用いて測定を行い、銀微粒子のキュムラント平均粒子径を求めた。
[試験例1] 銀微粒子の分散性の評価
銀微粒子の分散性は、銀微粒子分散物(インク組成物)の調製直後における銀微粒子の平均粒径を測定し、下記評価基準により評価した。
A:平均粒径が50nm以上100nm未満
B:平均粒径が100nm以上200nm未満
C:平均粒径が200nm以上
[試験例2] 銀微粒子の分散安定性の評価
銀微粒子の分散安定性は、銀微粒子分散物(インク組成物)の調製直後における銀微粒子の平均粒径d1と、銀微粒子分散物(インク組成物)の調製後、40℃で30日間保管した後のにおける銀微粒子の平均粒径d2から、下記式に基づき粒径変化率(%)を算出し、下記評価基準に基づき評価した。
粒径変化率(%)=100×(d2−d1)/d1
A:粒径変化率が5%未満
B:粒径変化率が5%以上10%未満
C:粒径変化率が10%以上
[試験例3] 体積抵抗値の評価
導電性の指標として、体積抵抗値を測定した。
清浄な50mm角のガラス基板に、上記調製例で調製した各銀微粒子分散物をスピンコート法により塗布し(500rpm、30秒)、オーブンにて200℃、2時間加熱した。得られた各塗布膜について、触針式膜厚計により求めた平均膜厚は320nmであった。放冷した後、ロレスタGP MCP−T610型(商品名、三菱マテリアル製)にて体積抵抗値を測定し、下記評価基準により評価した。
− 評価基準 −
A:2×10−5Ωcm未満
B:2×10−5Ωcm以上1×10−4Ωcm未満
C:1×10−4Ωcm以上1×10−3Ωcm未満
D:1×10−3Ωcm以上
[試験例4] 絶縁信頼性の評価
FR4FR−4グレードのガラスエポキシ基板NIKAPLEX(商品名、ニッカン工業社製)にABF−GX13(商品名、味の素ファインテクノ社製、層間絶縁材料)をラミネートした基板上に、上記調製例で調製した各銀微粒子分散物を、焼結後の膜厚が200nmになるようにSTS−200(商品名、ワイディーメカトロソリューションズ社製)を用いてスプレーコーティング法により塗布した。その後、オーブンを用いて焼結し(210℃、1時間)、基板上に銀膜を形成した。形成された銀膜をフォトリソグラフィー法によりL(ライン)/S(スペース)=50/50μmの櫛形にエッチングし、櫛形状の銀膜(銀配線)を形成した。この時ドライフィルムレジストにはフォテックH−7025(商品名、日立化成社製)、銀エッチング液にはアグリップ940(商品名、メルテックス社製)を用いた。さらに、銀配線上にCytop CTL107MK(商品名、AGC社製)を乾燥後の膜厚が1μmになる様にスピンコートし、その後オーブンで140℃、20分間乾燥させ、封止層を形成して、絶縁信頼性評価用の各配線基板を作製した。
得られた各配線基板について、湿度85%、温度85℃、圧力1.0atm、電圧60Vの条件で寿命試験(使用装置:エスペック社製、EHS−221MD)を行った。具体的には、上記環境下で、隣り合った銀配線に上記電圧を印加した。そして、マイグレーションによって銀配線間が短絡するまでの時間(銀配線間の抵抗値が1×10Ωになるまでの時間T)を測定した。酸化防止剤を添加していない銀微粒子分散物を用いた場合の時間TをT1(基準)とし、下記評価基準により絶縁信頼性を相対評価した。
− 評価基準 −
A:時間TがT1の5倍以上
B:時間TがT1の2倍以上5倍未満
C:時間TがT1より長くT1の2倍未満
D:時間TがT1以下
結果を下記表1に示す。なお、下記表1に記載のノニオン性界面活性剤は下記の通りである。
エマルゲンA60:ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル 花王社製
エマルゲン104P:ポリオキシエチレンラウリルエーテル 花王社製
エマルゲン106P:ポリオキシエチレンラウリルエーテル 花王社製
エマルゲン109P:ポリオキシエチレンラウリルエーテル 花王社製
エマルゲンB−66:ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル 花王社製
ニューコール707:ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル 日本乳化剤社製
ニューコール3−85:ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート 日本乳化剤社製
ニューコールCMP−8:ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル 日本乳化剤社製
ニューコール719:ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル 日本乳化剤社製
Figure 2016114205
[試験例4] TFTの製造
図1(A)に示されるTFT(ボトムゲート・ボトムコンタクト型)を製造し、移動度を評価した。
ガラス基板(イーグルXG:コーニング社製)6上に、ゲート電極となるアルミニウムを蒸着した(厚み:50nm)。その上にゲート絶縁膜形成用組成物(ポリビニルフェノール/メラミン=1質量部/1質量部(w/w)のPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)溶液(固形分濃度:2質量%))をスピンコートし、その後、150℃で60分間ベークし、膜厚400nmのゲート絶縁膜2を形成した。その上に、上記各調製例で調製した銀微粒子分散物(実施例1〜25で用いた銀微粒子分散物)を、インクジェット装置DMP−2831(富士フイルムダイマティクス社製)を用いてソース電極及びドレイン電極のパターン(チャネル長40μm、チャネル幅200μm)に描画した。その後オーブンにて180℃、30分ベークして焼結し、ソース電極3及びドレイン電極4を形成した。その上に2,8−ジフルオロ−5,11−ビス(トリエチルシリルエチニル)アントラジチオフェン(ALDRICH社製)のトルエン溶液をスピンコートし、140℃で15分間ベークを行い、厚み100nmの有機半導体層1を形成した。その上にCytop CTL−107MK(AGC社製)をスピンコートし、140℃で20分間ベークし、厚み2μmの封止層(最上層、図1において図示していない。)を形成して、25種類のTFT(ボトムゲートボトムコンタクト型)を作製した。
得られた有機薄膜トランジスタの各電極と、半導体パラメータ・アナライザ(4155C、Agilent Technologies社製)に接続されたマニュアルプローバの各端子とを接続して、電界効果トランジスタ(FET)の評価を行なった。具体的には、ドレイン電流−ゲート電圧(Id‐Vg)特性を測定することにより電界効果移動度(cm/V・sec)を算出した。その結果、すべてのTFTにおいて電界効果移動度が0.1〜0.3の範囲内となり、TFTとして良好に機能することがわかった。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2015年1月13日に日本国で特許出願された特願2015−004538に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
【0003】
粒子分散物を用いて薄膜トランジスタ(TFT)の電極を形成した際には良好なキャリア移動度を示し、TFTの電極として良好に機能することを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
[0007]
本発明の上記課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
銀微粒子を水性媒体中に分散してなる銀微粒子分散物であって、
SP値が30以下の酸化防止剤と疎水性有機溶剤との混合溶液がノニオン性界面活性剤により上記水性媒体中に乳化分散され、
上記酸化防止剤が上記水性媒体中に分散してなる油滴中に存在してなる、銀微粒子分散物。
〔2〕
上記酸化防止剤が芳香族環を有する化合物である、〔1〕に記載の銀微粒子分散物。
〔3〕
上記酸化防止剤が分子量200〜3000の化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の銀微粒子分散物。
〔4〕
上記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸化合物、及びベンゾオキサゾール化合物から選ばれる、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
〔5〕
上記ノニオン性界面活性剤が、親水性部位中に−(C2H4O)n−を有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
但し、nは3以上の整数である。
〔6〕
上記ノニオン性界面活性剤が芳香族環を有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
本発明の上記課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
銀微粒子を水性媒体中に分散してなる銀微粒子分散物であって、
SP値が30以下の酸化防止剤と疎水性有機溶剤との混合溶液がノニオン性界面活性剤により上記水性媒体中に乳化分散され
上記酸化防止剤が上記水性媒体中に分散してなる油滴中に存在してなる、銀微粒子分散物。
〔2〕
上記酸化防止剤が芳香族環を有する化合物である、〔1〕に記載の銀微粒子分散物。
〔3〕
上記酸化防止剤が分子量200〜3000の化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の銀微粒子分散物。
〔4〕
上記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸化合物、及びベンゾオキサゾール化合物から選ばれる、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
〔5〕
上記ノニオン性界面活性剤が、親水性部位中に−(CO)−を有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
但し、nは3以上の整数である。
〔6〕
上記ノニオン性界面活性剤が芳香族環を有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物。
〔7〕
〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物を用いたインク組成物。
〔8〕
インクジェット印刷に用いる、〔7〕に記載のインク組成物。
〔9〕
銀電極の形成に用いる、〔7〕又は〔8〕に記載のインク組成物。
〔10〕
〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の銀微粒子分散物又は〔7〕〜〔9〕のいずれか1つに記載のインク組成物を用いて形成した銀電極。
〔11〕
〔10〕に記載の銀電極を有する薄膜トランジスタ。

Claims (11)

  1. 銀微粒子を水性媒体中に分散してなる銀微粒子分散物であって、
    SP値が30以下の酸化防止剤と、疎水性有機溶剤との混合溶液が、ノニオン性界面活性剤により前記水性媒体中に乳化分散してなる、銀微粒子分散物。
  2. 前記酸化防止剤が芳香族環を有する化合物である、請求項1に記載の銀微粒子分散物。
  3. 前記酸化防止剤が分子量200〜3000の化合物である、請求項1又は2に記載の銀微粒子分散物。
  4. 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、サリチル酸化合物、及びベンゾオキサゾール化合物から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の銀微粒子分散物。
  5. 前記ノニオン性界面活性剤が、親水性部位中に−(CO)−を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の銀微粒子分散物。
    但し、nは3以上の整数である。
  6. 前記ノニオン性界面活性剤が芳香族環を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の銀微粒子分散物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の銀微粒子分散物を用いたインク組成物。
  8. インクジェット印刷に用いる、請求項7に記載のインク組成物。
  9. 銀電極の形成に用いる、請求項7又は8に記載のインク組成物。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の銀微粒子分散物又は請求項7〜9のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて形成した銀電極。
  11. 請求項10に記載の銀電極を有する薄膜トランジスタ。
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