JPWO2016093079A1 - マルチアングル測色計 - Google Patents

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Abstract

装置内部において各光学素子のレイアウトの自由度を向上可能なマルチアングル測色計を提供する。マルチアングル測色計1では、反射角度が異なる複数の光のうち少なくとも2つの光の検出結果を基に、反射光のうち上記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果が推定される。これによりマルチアングル測色計1では各光学素子を有さない角度においても光検出値を取得することが可能であるので、マルチアングル測色計1内に配される各部材のレイアウトの自由度が向上する。ひいては、光検出値を取得したい角度位置に導光のための各光学素子を配する従来のマルチアングル測色計に比べて、本実施形態のマルチアングル測色計1では小型化を達成しうる。

Description

本発明は、測定点からの反射光を複数の反射角度で受光して、該測定点の配される測定面の色情報を得るマルチアングル測色計に関する。
メタリックおよびパールカラーの塗料等のように光輝材を含有する塗料を用いて形成された塗装では、光輝材の表面における反射光に角度依存性が生じる。このため、観察者が塗装を観察する方向(観察方向とも言う)に応じて、観察者によって認識される塗装の色が異なり得る。従って、観察方向に応じて観察者によって認識される色が異なり得る物体が測色の対象物(測色対象物とも言う)である場合には、測色対象物からの光が1つの角度で受光されるだけでは、観察方向に応じた明るさや色の相違を評価することが出来ない。
そこで、観察方向に応じて認識される色が異なり得る物体が測色対象物である場合には、例えば、多方向照明−1方向受光方式あるいは1方向照明−多方向受光方式のマルチアングル測色計が採用され得る(例えば、特許文献1等)。多方向照明−1方向受光方式は、測色対象物を複数の方向から順次に照明し、該測色対象物からの光を一方向で受光する方式である。また、1方向照明−多方向受光方式は、測色対象物を一方向から照明し、該測色対象物からの光を複数の方向で順次もしくは同時に受光する方式である。
また、上記特許文献1のマルチアングル測色計では、基準軸を基準として軸対称に設けられた各対の受光部による受光に応じた2つの測定値が平均化される。これにより、測色対象物の表面が曲率を有している場合に、測色時において測色対象物の表面の法線に対して基準軸が傾いていても、観察方向に応じた色の違いが適正に測定され得る。
国際公開第2012/147488号公報
マルチアングル測色計では、装置内部に配される多数の光学素子(例えば、発光素子や受光素子など)に角度関係の配置制約が課されている。特に、上記のように軸対称に受光部を設ける場合等は、配される光学素子が多数となり、配置制約がより大きくなる。このため、装置内部において各光学素子のレイアウトの自由度を向上可能なマルチアングル測色計が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置内部において各光学素子のレイアウトの自由度を向上可能なマルチアングル測色計を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の態様に係るマルチアングル測色計は、対象面の測定点に向けて光を照射する照明部と、前記光の前記測定点からの反射光を互いに異なる複数の反射角度で受光する複数の受光部と、前記複数の受光部でそれぞれ受光した複数の光を、特定の順序で選択的に検出位置へ導く選択導光部と、前記検出位置に配置され、前記選択導光部から出射した光を光電変換する光検出部と、を備え、前記複数の光のうち少なくとも2つの光の検出結果を基に、前記反射光のうち前記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果を推定する推定情報が生成されることを特徴する。
第2の態様に係るマルチアングル測色計は、第1の態様に係るマルチアングル測色計であって、前記複数の光のうち前記少なくとも2つの光が光学的に混合されて前記光検出部で検出されることによって、前記推定情報が生成されることを特徴とする。
第3の態様に係るマルチアングル測色計は、第2の態様に係るマルチアングル測色計であって、前記選択導光部が複数の入射口と単一の出射口とを有するバンドルファイバを有しており、前記少なくとも2つの光が前記バンドルファイバの経路途中で光学的に混合されて前記光検出部で検出されることを特徴とする。
第4の態様に係るマルチアングル測色計は、第2の態様または第3の態様に係るマルチアングル測色計であって、前記少なくとも2つの光の各光路の途中にそれぞれ設けられ、前記少なくとも2つの光の各反射角度と前記対象面の反射率とに応じた各透過率を有する少なくとも2つのフィルタ、を備えることを特徴とする。
第5の態様に係るマルチアングル測色計は、第1の態様に係るマルチアングル測色計であって、前記光検出部は前記少なくとも2つの光のそれぞれの検出を個別に行い、前記少なくとも2つの光のそれぞれの検出結果を基に演算処理が行われることによって前記特定光に応じた前記推定情報が生成されることを特徴する。
第6の態様に係るマルチアングル測色計は、第5の態様に係るマルチアングル測色計であって、前記演算処理は前記少なくとも2つの光の各反射角度と前記対象面の反射率とに応じた重み付け処理を含むことを特徴とする。
第7の態様に係るマルチアングル測色計は、第1の態様ないし第6の態様のいずれかに係るマルチアングル測色計であって、前記少なくとも2つの光の各反射角度のうち最大角度と最小角度との間に挟まれた角度範囲内に、前記特定光の反射角度が含まれることを特徴とする。
第8の態様に係るマルチアングル測色計は、対象面の測定点を通過し前記対象面に垂直な基準面に関して対称配置され、前記測定点に向けて光を照射する複数の照明部と、前記基準面に関して対称配置され、互いに異なる反射角度で前記測定点からの反射光を受光する複数の受光部と、前記複数の受光部でそれぞれ受光した複数の光を、特定の順序で選択的に検出位置へと導く選択導光部と、前記検出位置に配置され、前記選択導光部から出射した光を光電変換する光検出部と、を備え、前記基準面から見て一方側と他方側との双方において、前記複数の光のうち少なくとも2つの光が前記光検出部へと導かれて取得される検出結果を基に、前記反射光のうち前記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果を推定する推定情報が生成されることを特徴する。
第9の態様に係るマルチアングル測色計は、第8の態様に係るマルチアングル測色計であって、前記一方側と前記他方側との双方において、前記測定点に照射された照明光の正反射方向から前記基準面に近づく方向にX度(0≦X≦180)だけ傾いた方向の角度をaspecular角X度と表現し、前記正反射方向から前記基準面と遠ざかる方向にX度(0≦X≦180)だけ傾いた方向の角度をaspecular角−X度と表現するとき、前記一方側と前記他方側との双方において、前記少なくとも2つの光はaspecular角105度の光とaspecular角115度の光とによって構成され、前記特定光はaspecular角110度の光によって構成されることを特徴とする。
本発明の第1の態様ないし第9の態様に係るマルチアングル測色計では、反射角度が異なる複数の光のうち少なくとも2つの光の検出結果を基に、反射光のうち上記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果が推定される。これにより、実際には導光のための各光学素子が配されていない箇所(特定光が通過する箇所)における特定光の検出結果が推定で得られる。このように、各光学素子を有さない角度においても検出結果を取得することが可能であるので、マルチアングル測色計内に配される各部材のレイアウトの自由度が向上する。ひいては、検出結果を取得したい角度位置に導光のための各光学素子を配する従来のマルチアングル測色計に比べて、小型化を達成しうる。
本発明の第8の態様に係るマルチアングル測色計は、基準面に対して対称な配置で配される複数の照明部と、基準面に対して対称な配置で配される複数の受光部と、選択導光部と、光検出部と、を備える、いわゆるダブルパス方式の測色計である。ダブルパス方式のマルチアングル測色計は、該マルチアングル測色計の姿勢誤差に起因した測定誤差が軽減されるという利点を有する一方で、該マルチアングル測色計内に配される各部材の数が多いことにより各部材のレイアウトの自由度が低い(ひいては、マルチアングル測色計が大型化する)という欠点を有する。また、本発明の第8の態様では、基準面から見て一方側と他方側との双方において、反射角度が異なる少なくとも2つの光が光検出部へと導かれて取得される検出結果を基に、反射光のうち上記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果が推定される。このため、本発明の第8の態様では、推定技術を用いてレイアウトの自由度の向上や装置の小型化を実現しうるので、ダブルパス方式の利点を得つつダブルパス方式の欠点を補うことができ望ましい。
マルチアングル測色計の外観を例示する斜視図である。 本体部の中心軸と測定面の法線との角度関係を例示する模式図である。 照明部および受光部と測定面の法線との角度関係を例示する図である。 反射光の強度の分布を例示するグラフである。 照明部および受光部と測定面の法線との角度関係を例示する図である。 反射光の強度の分布を例示するグラフである。 マルチアングル測色計の主な構成を例示する模式図である。 マルチアングル測色計の構成のうち、特に開口の周辺部を示す断面図である。 分光ユニットの構成を例示する模式図である。 分光ユニットの構成を例示する模式図である。 複数の開口部および複数の出射部の配列を模式的に例示する図である。 遮光部の構成を模式的に例示する正面図である。 マルチアングル測色計の測色動作のフローを示すフローチャートである。 マルチアングル測色計の測色動作のフローを示すフローチャートである。 マルチアングル測色計の測色動作のフローを示すフローチャートである。 Silver Metallicにおける、as角と反射率との関係を示す図である。 変形例に係るマルチアングル測色計のうちレンズの周辺部を示した模式図である。 変形例に係るマルチアングル測色計のうちレンズの周辺部を示した模式図である。 変形例に係るマルチアングル測色計のうちレンズの周辺部を示した模式図である。 変形例に係るマルチアングル測色計のうちレンズの周辺部を示した模式図である。 変形例に係るマルチアングル測色計の主な構成を例示する模式図である。
以下、本発明の実施形態ならびに変形例について図面を用いて説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は適宜変更され得る。図9から図12には、分光ユニットの光学系6Lの光軸6Laが延伸する方向(図9の図面視右方向)を+X方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
<1 実施形態>
<1.1 マルチアングル測色計の外観>
図1は、実施形態に係るマルチアングル測色計1の外観を示す斜視図である。マルチアングル測色計1は、物体の被測定箇所からの光を複数の角度で受光して分光反射率を得ることで、被測定箇所の色を測定するものである。本実施形態では、マルチアングル測色計1は、小型で持ち運び可能な携帯式の測色計である。
図1で示されるように、マルチアングル測色計1は、各種構成が内蔵された箱形状の本体部2を備えている。本体部2は、例えば、底壁に穿設された測定用の開口3と、表面の適所に配設された操作表示部4とを有している。該操作表示部4は、操作部91(図7参照)およびマルチアングル測色計1による測定結果を表示する表示部92(図7参照)を有している。操作部91は、例えば、各種ボタンおよびスイッチ等によって構成される。表示部92は、例えば、液晶ディスプレイ等によって構成される。なお、操作表示部4としては、例えば、操作部91および表示部92の双方の機能を併せ持つタッチパネル等が採用されても良い。
図2は、本体部2と被測定物5の表面(測定面とも言う)との角度関係を説明するための模式図である。図2では、マルチアングル測色計1の本体部2における仮想的な中心軸2nと、測定面の法線5nとの角度関係が模式的に示されている。
図2で示されるように、マルチアングル測色計1の測定用の開口3が被測定物5に向けられた状態で測色が行われる。このとき、被測定物5の測定面のうちの開口3に対向する領域(測色領域とも言う)5aが測色の対象となる。測色が行われる際には、本体部2の中心軸2nと測定領域5aの仮想的な法線5nとが一致するように、本体部2が被測定物5の表面に対向するように配置される。本実施形態では、中心軸2nは、開口3の略中央を通る開口3の法線である。また、法線5nは、測定領域5aのうちの中心軸2nと交差する点(測定点とも言う)5pにおける法線である。
ところで、被測定物5の測定面が自動車のバンパーのような曲面を有する場合には、本体部2の中心軸2nと測定面の法線5nとを正確に一致させることが困難である。このたため、一般には、中心軸2nと法線5nとが一致しないケースが多く、例えば、中心軸2nが法線5nに対して測定点5pを中心として傾斜した状態(傾斜状態とも言う)となる。
<1.2 照明部および受光部の対称配置>
以下では、1つの照明部に対して複数の受光部が配置されて1つの照明部と複数の受光部とによって構成される部分を、1つの投受光ユニットと呼ぶ。該1つの投受光ユニットは、被測定物5を一方向から照明し、該被測定物5からの光を複数の方向で受光する1方向照明−多方向受光方式のマルチアングル測色計の構成を有している。これにより、1つの照明部からの光が測定面で反射することで生じる反射光が複数の受光部によって異なる角度で受光され、反射光の検出機能が高められ得る。
さらに、本実施形態に係るマルチアングル測色計1では、1対の投受光ユニットが、中心軸2nを対称軸として線対称の関係を有するように配置されている方式(対称配置方式或いはダブルパス方式とも言う)が採用されている。
ここで、対称配置方式が採用される利点について説明する。なお、ここでは、説明の複雑化を回避するために、1つの投受光ユニットが、1つの照明部と1つの受光部とを有する簡略化されたモデルを用いて説明する。
図3から図6は、測定面5sの法線5nと本体部2の中心軸2nとの角度関係と、該角度関係に応じて生じる事象を説明するための図である。なお、図4および図6では、それぞれ、縦軸が反射光の強度を示し、横軸が法線5nを基準とした角度Aを示す。ここでは、図3および図5の図面視において、法線5nが基準とされて、測定点5pを中心とした時計回りの回転の角度が正の角度とされ、反時計回りの回転の角度が負の角度とされている。
図3では、本体部2の中心軸2nと法線5nとが一致している場合における、照明部E1,E2および受光部R1,R2と測定面5sの法線5nとの角度関係が示されている。この場合には、図3で示されるように、測定点5pを通り且つ法線5nから角度+θ傾いた仮想線上に配されている照明部E1から発せられる照明光l1が、測定面5s上の測定点5pに照射され、測定点5pにおいて反射光が生じる。該反射光は、測定点5pを通り且つ法線5nから角度+(θ+α)傾いた仮想線上に配されている受光部R1、もしくは測定点5pを通り且つ法線5nから角度−(θ+α)傾いた仮想線上に配されている受光部R2によって受光される。また、測定点5pを通り且つ法線5nから角度−θ傾いた仮想線上に配されている照明部E2から発せられる照明光l2が、測定点5pに照射され、測定面5sの測定点5pにおいて反射光が生じる。該反射光は、受光部R1もしくは受光部R2によって受光される。
図4は、照明部E1,E2および受光部R1,R2と測定面5sの法線5nとが、図3で示される角度関係を有する場合に測定面5sで生じる反射光の強度の分布を示すグラフである。
図3および図4で示されるように、照明部E1,E2からの照明光l1,l2が測定面5sで正反射することで生じる光(正反射光とも言う)の光路と、照明光l1,l2が測定面5sに向けて照射される光路とは、法線5nを対称軸とした線対称の関係を有する。つまり、照明部E1からの照明光l1に応じた正反射光は、測定面5sで反射されて、照明部E2に向けて出射され、照明部E2からの照明光l2に応じた正反射光は、測定面5sで反射されて、照明部E1に向けて出射される。また、図4で示されるように、測定面5sでは、照明部E1,E2からの照明光l1,l2の照射に応じて、正反射光を中心とした該正反射光の周辺に拡散反射による反射光(拡散反射光とも言う)を生じる。
ここで、正反射光および拡散反射光を含む反射光の強度の分布は、次の3種類の成分[i]〜[iii]の和によって構成される。
[i]正反射光の光路の角度における鋭いピークの成分。
[ii]正反射光の光路の角度を中心とした、正負の両側の角度において対称的に減衰するガウス関数で近似可能な成分。
[iii]測定面5sの法線5nの角度においてピークを有し、角度によらずほぼ一定とみなせる拡散光の強度に係る成分。
なお、正反射光の光路の角度に比較的近い角度においては、反射光の強度の分布を占める成分[ii]の割合が高く、正反射光の光路の角度から比較的遠い角度においては、反射光の強度の分布を占める成分[iii]の割合が高い。
このため、照明部E1から測定面5sへの照明光l1の照射に応じた反射光の強度は、R(A+θ)と近似的に表すことが可能であり、照明部E2からの測定面5sへの照明光l2の照射に応じた反射光の強度は、R(A−θ)と近似的に表すことが可能である。このとき、測定点5pを通り且つ法線5nから角度(θ+α)傾いた仮想線上に配されている受光部R1では、強度がR(+α)である反射光が受光され得る。また、測定点5pを通り且つ法線5nから角度−(θ+α)傾いた仮想線上に配されている受光部R2では、強度がR(−α)である反射光が受光され得る。そして、図4において斜線が付された領域で示される強度R(+α),R(−α)については、R(+α)=R(−α)の関係が成立する。
一方、図5では、本体部2の中心軸2nが、測定点5pを通り且つ法線5nから角度−φ傾いた仮想線である場合における、照明部E1,E2および受光部R1,R2と測定面5sの法線5nとの角度関係が示されている。この場合には、照明部E1は、法線5nを基準として角度+(θ−φ)傾いた仮想線上に配され、照明部E2は、法線5nを基準として角度−(θ+φ)傾いた仮想線上に配される。また、この場合には、受光部R1は、法線5nを基準として角度+(θ+α−φ)傾いた仮想線上に配され、受光部R2は、法線5nを基準として角度−(θ+α+φ)傾いた仮想線上に配される。
図6は、照明部E1,E2および受光部R1,R2と測定面5sの法線5nとが、図5で示される角度関係を有する場合に測定面5sで生じる反射光の強度の分布を示すグラフである。
ここでは、照明部E1から測定面5sへの照明光l1の照射に応じた反射光の強度は、R(A+(θ−φ))と近似的に表すことが可能であり、照明部E2からの照明光l2の照射に応じた反射光の強度は、R(A−(θ+φ))と近似的に表すことが可能である。このとき、測定点5pを通り且つ法線5nから角度(θ+α−φ)傾いた仮想線上に配されている受光部R1では、強度がR(α−2φ)である反射光が受光され得る。また、測定点5pを通り且つ法線5nから角度−(θ+α+φ)傾いた仮想線上に配置されている受光部R2では、強度がR(−α−2φ)である反射光が受光され得る。そして、図6において斜線が付された領域で示される強度R(α−2φ),R(−α−2φ)については、R(α−2φ)≠R(−α−2φ)の関係が成立する。
図4および図6で示されるように、本体部2の中心軸2nが測定面5sの法線5nに対して傾いた場合には、中心軸2nと法線5nとが一致している場合と比較して、受光部R1で受光される反射光の強度が増加し、受光部R2で受光される反射光の強度が減少する。しかしながら、受光部R1,R2で受光される反射光の強度の合計値については、中心軸2nと法線5nとが一致する場合、および中心軸2nが法線5nに対して傾いた場合の何れの場合であっても、略同一となる。つまり、R(−α)+R(+α)=R(α−2φ)+R(−α−2φ)の関係が近似的に成立する。なお、このような近似的な関係は、中心軸2nの法線5nに対する傾きの角度φが比較的小さい場合に成立し得る。
このように、本体部2の中心軸2nと測定面5sの法線5nとが一致しない姿勢で測色が行われれば、受光部R1(あるいは受光部R2)のみで得られる反射光の情報からは、測定点5pに存在する測定面5sの正しい色情報が得られない。しかしながら、法線5nに対して中心軸2nが若干傾いている傾斜状態であっても、光学的に線対称の関係を有する受光部R1,R2で反射光の情報がそれぞれ独立して取得されると、受光部R1,R2で受光される反射光の強度の合計値は、ほぼ等しいとみなさる。このため、受光部R1,R2でそれぞれ受光される反射光の強度の平均値を算出する処理を行うことで、傾斜状態において生じる反射光の検出における誤差(姿勢誤差とも言う)が補正され得る。
<1.3 マルチアングル測色計の主な構成>
図7は、マルチアングル測色計1の主な構成を例示する模式図である。図8は、マルチアングル測色計1の構成のうち、特に開口3の周辺部を示す断面図である。
図7で示されるように、マルチアングル測色計1は、本体部2において、分光ユニット6、制御部7、記憶部8、操作表示部9および投受光部10を備えている。
<1.3.1 投受光部>
投受光部10は、2つの照明ユニットL1a,L1b、受光部としての9つのレンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5、および11個の導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bを有している。
照明ユニットL1aは、照明部E1a、発光回路Ct1a、ハーフミラーH1aおよびレンズC6aを有している。また、照明ユニットL1bは、照明部E1b、発光回路Ct1b、ハーフミラーH1bおよびレンズC6bを有している。
照明部E1aおよび照明部E1bは、基準面(中心軸2nを含み図7の図面視において前後方向に拡がる面)に関して対称配置されている。レンズC1a〜C4aおよびレンズC1b〜C4bも基準面に関して対称配置される。レンズC5は基準面上に配される。また、照明部E1a,照明部E1bおよびレンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5は、中心軸2nを含み基準面と垂直な平面(「配列面」ともいう)上に配置されている。
照明部E1a,E1bは、中心軸2n上に規定された測定点5pに向かって光を照射する。図7に示すように、照明部E1aは基準面から見て図示右側に配され、照明部E1bは基準面から見て図示左側に配される。照明部E1aと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は45度であり、照明部E1bと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度も45度である。
各照明部E1a,E1bは、例えば、キセノンフラッシュランプ等の光源と、該光源から発せられる光線を規制する規制板と、光源から発せられて規制板で規制された光線を平行光に変換するコリメートレンズとを有して構成される。
発光回路Ct1aは、照明部E1aの近傍に設けられ、制御部7による制御に応じて照明部E1aの光源を発光させる。発光回路Ct1bは、発光回路Ct1aと同様に、照明部E1bの近傍に設けられ、制御部7による制御に応じて照明部E1bの光源を発光させる。
ハーフミラーH1aは、照明部E1aから発せられる光のうちの一部の光をレンズC6aに向けて反射し、残余の光(照明光とも言う)を測定点5pに向けて透過させる。ハーフミラーH1bは、ハーフミラーH1aと同様に、照明部E1bから発せられる光のうちの一部の光をレンズC6bに向けて反射し、残余の光(照明光とも言う)を測定点5pに向けて透過させる。
レンズC6a(参照受光部)は、照明部E1aから発せられた光のうちのハーフミラーH1aで反射された光を受光し、該反射された光を導光部F6aの一端部に位置する入射部I6aに向けて集光させる。レンズC6b(参照受光部)は、照明部E1bから発せられた光のうちのハーフミラーH1bで反射された光を受光し、該反射された光を導光部F6bの一端部に位置する入射部I6bに向けて集光させる。
つまり、照明部E1aが光を発すると、その光の一部がレンズC6aによって受光され、かつ、その光の残りが測定点5pに向けて照射される。また、照明部E1bが光を発すると、その光の一部がレンズC6bによって受光され、かつ、その光の残りが測定点5pに向けて照射される。
レンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5は、例えば、集光レンズによって構成される。図7に示すように、レンズC1a〜C4aは中心軸2nから見て図示右側に配され、レンズC5は中心軸2n上に配され、レンズC1b〜C4bは中心軸2nから見て図示左側に配される。本実施形態では、各レンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5と測定点5pとを仮想的に結ぶ各仮想線が、各レンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5の光軸と一致する。レンズC1aと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、70度である。レンズC2aと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、60度である。レンズC3aと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、30度である。レンズC4aと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、20度である。レンズC5と測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、0度である。レンズC1bと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、70度である。レンズC2bと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、60度である。レンズC3bと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、30度である。レンズC4bと測定点5pとを結ぶ仮想線と中心軸2nとが成す角度は、20度である。
基準面に関して対称配置とされる各組(具体的には、レンズC1aとレンズC1bとの組、レンズC2aとレンズC2bとの組、レンズC3aとレンズC3bとの組、およびレンズC4aとレンズC4bとの組)が、それぞれ一対のレンズを構成している。このような構成により、測定点5pにおける測定面5sの法線5nが中心軸2nに対して基準面内で傾いても、上記ダブルパス方式により測定面5sに係る色情報の測定精度が確保され得る。
配列面は、中心軸2nが測定面5sに対して垂直である場合には、中心軸2nを含み且つ測定面5sに対して垂直な平面である。このような面は、例えば、主ジオメトリー面と称される。また、配列面(主ジオメトリー面)に直交する平面(基準面)は、例えば、副ジオメトリー面と称される。本実施形態に係るマルチアングル測色計1では、主ジオメトリー面上において、中心軸2nを対称軸として、照明部E1aと照明部E1bとが対称的に配置され、レンズC1a〜C4aとレンズC1b〜C4bとが対称的に配置されている。
レンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5は、測定点5pからの反射光を、対応する導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5の一端部に位置する入射部I1a〜I4a,I1b〜I4b,I5に向けてそれぞれ集光する。本実施形態では、測定点5pからの光は、照明部E1a,E1bの何れか一方によって照射される光に応じて、測定面5sの測定点5pで生じる反射光である。
ここでは、測定点5pからの反射光のうち、レンズC1aに入射する光が該レンズC1aによって導光部F1aの入射部I1aに向けて集光され、レンズC1bに入射する光が該レンズC1bによって導光部F1bの入射部I1bに向けて集光される。また、レンズC2aに入射する光が該レンズC2aによって導光部F2aの入射部I2aに向けて集光され、レンズC2bに入射する光が該レンズC2bによって導光部F2bの入射部I2bに向けて集光される。また、レンズC3aに入射する光が該レンズC3aによって導光部F3aの入射部I3aに向けて集光され、レンズC3bに入射する光が該レンズC3bによって導光部F3bの入射部I3bに向けて集光される。また、レンズC4aに入射する光が該レンズC4aによって導光部F4aの入射部I4aに向けて集光され、レンズC4bに入射する光が該レンズC4bによって導光部F4bの入射部I4bに向けて集光される。また、レンズC5に入射する光が該レンズC5によって導光部F5の入射部I5に向けて集光される。
導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5は、受光部としてのレンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5でそれぞれ受光される光をそれぞれ分光ユニット6まで導く。導光部F6a,F6bは、レンズC6a,C6bで受光される光をそれぞれ分光ユニット6まで導く。ここで、導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bが、例えば、光ファイバーを含んで構成されれば、簡易な構成で導光が行われ得る。
<1.3.2 分光ユニット>
図9および図10は、分光ユニット6の主要な構成を模式的に例示する図である。分光ユニット6は、各導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bで導かれる光についての分光分布に係る情報を得るための部分である。
図9および図10で示されるように、分光ユニット6は、筐体6c、光学系6L、分光部6Lvおよび光検出部6Lsを備えている。なお、図9および図10では、筐体6cの一部が描かれており、各導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bから出射される光の光束のうち、該光束の中心を通る仮想線が一点鎖線で描かれ、該光束の外縁が細線で描かれている。また、図9および図10では、光学系6Lの光軸6Laが一点鎖線で描かれている。
筐体6cは、分光ユニット6の外部からの光の入射を遮蔽するものである。筐体6cには、複数の入射部としての開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bが設けられている。開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bには、導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bの他端部の近傍の部分がそれぞれ配される。これにより、各開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bでは、対応する導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bの何れかを介して光(入射光とも言う)が分光ユニット6に入射される。
導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bは、受光部としてのレンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5,C6a,C6bとは反対側の端部において出射部O1a〜O4a,O1b〜O4b,O5,O6a,O6bをそれぞれ有している。そして、出射部O1a〜O4a,O1b〜O4b,O5,O6a,O6bから光が出射されることで、開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bから分光ユニット6内に光が入射される。また、各導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bの他端部の近傍の部分における軸を仮想的に延伸した仮想線が、それぞれ光学系6Lの主面の中心点を通るように設定されている。
光学系6Lは、開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bから入射される入射光の光束のYZ断面の形状を調整する。光学系6Lは、例えば、3つのシリンドリカルレンズ6L1〜6L3を有している。このような光学系6Lによって、開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bから入射される入射光の光束のYZ断面が、Y方向に延伸している線状の断面に変換される。これにより、簡易な構成で、分光部6Lvにおける分光に適した光束の形成と、光検出部6Lsで受光される光の強度の向上とが図られ得る。その結果、光検出部6Lsで得られる電気信号におけるS/N比の向上が図られ得る。
分光部6Lvは、Y方向における位置に応じて異なる波長の光を透過させることで、各開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bからの入射光を分光する。
分光部6Lvとしては、例えば、リニアバリアブルフィルタ(LVF)または分割フィルターが採用され得る。LVFは、一方向としてのY方向(波長変化方向とも言う)において入射光が透過する位置の変化に略比例して、LVFを透過する光(透過光とも言う)の波長を異ならせるフィルターである。分割フィルターは、透過させる光の波長が相互に異なる多数のフィルターが、一方向としてのY方向に配列されているフィルターである。
光検出部6Lsは、分光部6Lvを透過した透過光の波長域毎の強度に応じた電気的な信号(電気信号とも言う)をそれぞれ得る複数の光電変換素子を有する。ここで、各波長域の幅は、例えば、1〜10nm程度に設定され得る。ここでは、複数の光電変換素子は、分光部6Lvを透過した透過光の波長が変化する方向において相互に異なる位置に配置されており、透過光の照射に応じて該透過光の波長域毎の強度に応じた電気信号をそれぞれ得る。これにより、各開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bからの入射光に係る分光分布に係る情報が取得され得る。光検出部6Lsとしては、例えば、一方向としてのY方向に沿って複数の光電変換素子が配列されたラインセンサーが採用され得る。
また、光検出部6Lsでは、複数の光電変換素子によって、導光部F6aに導光され且つ分光部6Lvを透過した光の照射、および導光部F6bに導光され且つ分光部6Lvを透過した光の照射に応じて、各透過光の波長域毎の強度に応じた電気信号が得られる。これにより、照明部E1a,E1bから出射される光の分光分布に係る情報がそれぞれ取得され得る。このため、後述する演算部72において測定面5sに係る色情報を算出する際の補正が適正に行われ得る。その結果、測定面5sに係る色情報の測定精度が向上し得る。
図11は、複数の開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bの配列を模式的に例示するYZ平面図である。本実施形態では、入射光および出射光の進行方向は+X方向である。本実施形態では、Y方向に沿って配列された複数の開口部W6b,W3b,W1b,W2b,W4b,W6aと、Y方向に沿って配列された複数の開口部W5,W3a,W1a,W2a,W4aとが、Z方向に並べられている。つまり、複数の開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bが、2列を成すように配列されている。
また、分光ユニット6は、遮光部6sを有している。遮光部6sは、複数の開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bのうちの1つの開口部から分光部6Lvに向かう光を選択的に通過させ、該1つの開口部以外の残余の開口部から分光部6Lvに向かう残余の光を遮る。これにより、各開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bから入射される光が選択的に測定対象とされ得る。なお、図9および図10では遮光部6sの図示が省略されている。
図12は、遮光部6sの外観を模式的に例示する正面図である。図12には、遮光部6sの−X側に配列されている複数の開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bおよび出射部O1a〜O4a,O1b〜O4b,O5,O6a,O6bの外縁が、破線で示されている。
図12で示されるように、遮光部6sは、回転式のシャッターの形態を有している。具体的には、遮光部6sは、本体部6sbを有している。本体部6sbは、例えば、光を遮蔽する非透光性の円盤状の薄板等で構成され得る。本体部6sbには、可視光線を通過させる窓部T1a〜T4a,T1b〜T4b,T5,T6a,T6bが設けられている。窓部T1a〜T4a,T1b〜T4b,T5,T6a,T6bは、例えば、本体部6sbをX方向に貫通する孔部(貫通孔部とも言う)および透光性を有する素材の少なくとも一方で構成され得る。
遮光部6sでは、本体部6sbが回転されることで、複数の開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bの1つの開口部から分光部6Lvに向かう光を、窓部T1a〜T4a,T1b〜T4b,T5,T6a,T6bを介して選択的に通過させる。このとき、該1つの開口部以外の残余の開口部から分光部6Lvに向かう残余の光が、本体部6sbによって遮られる。これにより、分光ユニット6において、各開口部W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6bから入射される光が選択的に測定対象とされ得る。別の観点から言えば、本体部6sbが回転されることで、複数の出射部O1a〜O4a,O1b〜O4b,O5,O6a,O6bの1つの出射部から分光部6Lvに向かう光を、窓部T1a〜T4a,T1b〜T4b,T5,T6a,T6bを介して選択的に通過させる。このとき、該1つの出射部以外の残余の出射部から分光部6Lvに向かう残余の光が、本体部6sbによって遮られる。これにより、分光ユニット6において、簡易な構成で各出射部O1a〜O4a,O1b〜O4b,O5,O6a,O6bから出射される光が選択的に測定対象とされ得る。
なお、本実施形態では、図示を省略する駆動部によって、仮想的な回転軸6saを中心として本体部6sbが回転される。ここで、仮想的な回転軸6saは、本体部6sbの円形の盤面の中心をX方向に貫通する。
図12で示されるように、+X側から−X方向に本体部6sbを平面視した場合、本体部6sbには、時計回りに、11個の窓部T6b,T5,T3b,T3a,T1b,T1a,T2b,T2a,T4b,T4a,T6aがこの順に設けられている。そして、例えば、測定面5sの色情報を得る際に、本体部6sbが回転軸6saを中心として時計回りに回転され、開口部W4a,W4b,W2a,W2b,W1a,W1b,W3a,W3b,W5から分光部6Lvに向かう光がこの順に択一的に遮光部6sを通過する。つまり、開口部W4a,W4b,W2a,W2b,W1a,W1b,W3a,W3b,W5が、この順に択一的に遮光されていない状態(非遮光状態とも言う)に設定される。別の観点から言えば、このとき、出射部O4a,O4b,O2a,O2b,O1a,O1b,O3a,O3b,O5から分光部6Lvに向かう光がこの順に択一的に遮光部6sを通過する。つまり、出射部O4a,O4b,O2a,O2b,O1a,O1b,O3a,O3b,O5が、この順に択一的に遮光されていない非遮光状態に設定される。
導光部F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6bと、遮光部6sと、を有し、受光部としてのレンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5,C6a,C6bでそれぞれ受光した複数の光を特定の順序で選択的に検出位置(光検出部6Lsが配される位置)まで導く機能部を、選択導光部とも称する。
<1.3.3 制御部、記憶部および操作表示部>
制御部7は、マルチアングル測色計1の動作の制御ならびに各種演算を行う部分である。制御部7は、例えば、中央演算部(CPU)およびメモリー等を有しており、記憶部8に格納されるプログラムを読み込んで実行することで、各種機能を実現する。制御部7は、該制御部7において実現される機能的な構成として、例えば、測定制御部71および演算部72を備えている。
測定制御部71は、例えば、発光回路Ct1a,Ct1bに対する電気信号の送信によって、照明部E1a,E1bから測定点5pに対する光の照射を制御する。また、測定制御部71は、例えば、図示を省略する駆動部に対する信号の送信によって、遮光部6sの回転を制御する。
演算部72は、光検出部6Lsで得られた複数の電気信号に基づいて、測定点5pに配置される測定面5sの色情報を得る。例えば、演算部72では、光検出部6Lsで得られた電気信号に基づいて、照明部E1aによって照明される測定面5sから各レンズC1a〜C4a,C5,C1b〜C4bへの反射光に係る検出値(光検出値とも言う)をそれぞれ求める。ここで、光検出値として、例えば、分光分布が採用され得る。そして、演算部72では、複数の光検出値に基づいて、測定点5pに存在する測定面5sの色情報(例えば、三刺激値)が得られる。これにより、マルチアングル測色計1では、構成の簡略化と、測定点5pに位置している測定面5sに係る色情報の取得精度の向上とが図られ得る。
記憶部8は、例えば、不揮発性の記憶媒体によって構成され、プログラムおよび各種データ等を格納する。
操作表示部9は、操作部91および表示部92を有する。操作表示部9は、操作部91の操作に応じた信号を制御部7に送信することで、制御部7の制御によるマルチアングル測色計1における測色の動作が実行され得る。また、操作表示部9は、演算部72で得られた測定結果としての色情報に係るデータを得て、該色情報を含む各種情報を表示部92において可視的に出力させる。
<1.4 マルチアングル測色計の動作>
<1.4.1 光検出値を実測により取得>
図13から図15は、光検出値を実測により取得する際のフローを示すフローチャートである。このフローは、測定制御部71の制御によって実現され得る。なお、実測の際に得られる各種情報は、適宜メモリー等に記憶される。
まず、図13のステップS0では、開口部W6aおよび出射部O6aが非遮光状態に設定され、照明部E1aが点灯されて、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W6aから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O6aから出射される出射光)に係る光検出値(第1参照光検出値とも言う)が取得される。
ステップS1では、開口部W4aおよび出射部O4aが非遮光状態に設定される。
ステップS2では、照明部E1bによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W4aから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O4aから出射される出射光)に係る第1光検出値が取得される。
ステップS3では、開口部W4bおよび出射部O4bが非遮光状態に設定される。
ステップS4では、照明部E1aによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W4bから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O4bから出射される出射光)に係る第2光検出値が取得される。
ステップS5では、開口部W2aおよび出射部O2aが非遮光状態に設定される。
ステップS6では、照明部E1aによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W2aから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O2aから出射される出射光)に係る第3光検出値が取得される。
ステップS7では、照明部E1bによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W2aから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O2aから出射される出射光)に係る第4光検出値が取得される。
次に、図14のステップS8では、開口部W2bおよび出射部O2bが非遮光状態に設定される。
ステップS9では、照明部E1aによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W2bから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O2bから出射される出射光)に係る第5光検出値が取得される。
ステップS10では、照明部E1bによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W2bから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O2bから出射される出射光)に係る第6光検出値が取得される。
ステップS11では、開口部W1aおよび出射部O1aが非遮光状態に設定される。
ステップS12では、照明部E1aによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W1aから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O1aから出射される出射光)に係る第7光検出値が取得される。
ステップS13では、開口部W1bおよび出射部O1bが非遮光状態に設定される。
ステップS14では、照明部E1bによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W1bから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O1bから出射される出射光)に係る第8光検出値が取得される。
次に、図15のステップS15では、開口部W3aおよび出射部O3aが非遮光状態に設定される。
ステップS16では、照明部E1aによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W3aから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O3aから出射される出射光)に係る第9光検出値が取得される。
ステップS17では、照明部E1bによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W3aから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O3aから出射される出射光)に係る第10光検出値が取得される。
ステップS18では、開口部W3bおよび出射部O3bが非遮光状態に設定される。
ステップS19では、照明部E1aによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W3bから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O3bから出射される出射光)に係る第11光検出値が取得される。
ステップS20では、照明部E1bによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W3bから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O3bから出射される出射光)に係る第12光検出値が取得される。
ステップS21では、開口部W5および出射部O5が非遮光状態に設定される。
ステップS22では、照明部E1aによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W5から分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O5から出射される出射光)に係る第13光検出値が取得される。
ステップS23では、照明部E1bによって測定面5sが照明され、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W5から分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O5から出射される出射光)に係る第14光検出値が取得される。
ステップS24では、開口部W6bおよび出射部O6bが非遮光状態に設定され、照明部E1bが点灯されて、光検出部6Lsおよび演算部72によって、開口部W6bから分光ユニット6への入射光(つまり、出射部O6bから出射される出射光)に係る光検出値(第2参照光検出値とも言う)が取得される。
<1.4.2 光検出値を推定により取得>
本実施形態では、反射角度が異なる複数の光のうち少なくとも2つの光の検出結果を基に、反射光のうち上記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果が推定される。以下では、一例として、照明部E1aから照射された反射光のうち、aspecular角105度の光の検出結果と、aspecular角115度の光の検出結果とを基に、aspecular角110度の特定光の検出結果が推定される場合を説明する。
ここで、測定点5pに照射された光の正反射方向から基準面に近づく方向にX度(0≦X≦180)だけ傾いた方向の角度をaspecular角X度と表現し、正反射方向から基準面と遠ざかる方向にX度(0≦X≦180)だけ傾いた方向の角度をaspecular角−X度と表現する。また、以下では、aspecular角のことをas角と称する。
照明部E1aと測定点5pとを結ぶ仮想線の方向は、図7の図面視において中心軸2nから時計回りに45度傾いた方向である。このため、照明部E1aから測定点5pに照射された光の正反射方向は、図7の図面視において中心軸2nから反時計回りに45度傾いた方向となる。
そして、レンズC2aと測定点5pとを結ぶ仮想線の方向は、図7の図面視において中心軸2nから時計回りに60度傾いた方向である。このため、レンズC2aで受光される光は、照明部E1aから視てas角105度の光と表現される。また、レンズC1aと測定点5pとを結ぶ仮想線の方向は、図7の図面視において中心軸2nから時計回りに70度傾いた方向である。このため、レンズC1aで受光される光は、照明部E1aから視てas角115度の光と表現される。したがって、as角105度の光の検出結果とは、具体的には、ステップS6で取得された第3光検出値を意味する。また、as角115度の光とは、具体的には、ステップS12で取得された第7光検出値を意味する。
図16は、被測定物5の一例としてのSilver Metallicにおける、as角と反射率との関係を示す図である。なお、図16では、縦軸が0%から500%までの範囲における光の反射率(出射光束の完全拡散反射面に対する比率に100を乗じた値)を示し、横軸がas角−30度からas角120度までの範囲におけるas角を示す。
図16に示すように、光の反射率は、as角0度(正反射方向の角度)でピークを持ち、as角0度から離れるに連れて単調減少する。また、図16に示すように、as角の絶対値が比較的大きい範囲、例えば、as角の絶対値が70度から180度の範囲では、反射率の値がより線形に近い形で表現される。
このため、as角105度とas角115度との中点に位置するas角110度における光の反射率が、as角105度における光の反射率とas角115度における光の反射率とを平均することによって近似的に得られる。また、光検出部6Lsで取得される光検出値は出射光束に応じた値であるので、入射部I1aからの入射光束が一定である本実施形態では、as角110度における光の光検出値が、as角105度における光の光検出値(第3光検出値)とas角115度における光の光検出値(第7光検出値)とを平均することによって近似的に得られる。
第3光検出値はステップS6で既に取得されており、第7光検出値はステップS12で既に取得されているため、これらの検出値を基に、照明部E1aから照射される光のas角110度における光の光検出値(第15光検出値)が推定される。また、照明部E1bから照射される光のas角110度における光の光検出値(第16光検出値)も、上記と同様に、第6光検出値および第8光検出値を基に推定される。これらの推定は演算部72によって実行される。
<1.4.3 測定面5sの色情報を取得>
実測により取得された第1〜14光検出値、推定により取得された第15,16光検出値、および、ステップS0,S24で取得された第1,2参照光検出値に基づいて、演算部72が色情報を算出する。ここでは、下記[i]〜[viii]の光検出値の組についての平均値が、各角度に係る補正後の光検出値として算出される。そして、複数の補正後の光検出値ならびに第1および第2参照光検出値に基づいて、測定点5pに存在する測定面5sの色情報(例えば、三刺激値)が得られ、マルチアングル測色計1の測色動作が終了する。
[i]第1光検出値と第2光検出値との組、
[ii]第3光検出値と第6光検出値との組、
[iii]第4光検出値と第5光検出値との組、
[iv]第7光検出値と第8光検出値との組、
[v]第9光検出値と第12光検出値との組、
[vi]第10光検出値と第11光検出値との組、
[vii]第13光検出値と第14光検出値との組、
[viii]第15光検出値と第16光検出値との組。
なお、本動作フローでは、例えば、得られる色情報が、測定制御部71の制御によって、測定結果として表示部92に表示され得る。
<1.5 まとめ>
以上のように、本実施形態に係るマルチアングル測色計1では、反射角度が異なる複数の光のうち少なくとも2つの光の検出結果を基に、反射光のうち上記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果が推定される。これにより、実際には導光のための各光学素子(レンズ、導光部、等の素子)が配されていないas角110度における光検出値が、as角105度の光検出値およびas角115度の光検出値を基に推定して取得される。このように、マルチアングル測色計1では各光学素子を有さない角度においても光検出値を取得することが可能であるので、マルチアングル測色計1内に配される各部材のレイアウトの自由度が向上する。ひいては、光検出値を取得したい角度位置に導光のための各光学素子を配する従来のマルチアングル測色計に比べて、本実施形態のマルチアングル測色計1では小型化を達成しうる。また、本実施形態では、レイアウトの自由度を向上させてマルチアングル測色計1の小型化を図るため、レンズの有効径を小さくする等によりマルチアングル測色計の小型化を図る他の態様と異なり、測色精度の低下を抑制できる。
一般に、ダブルパス方式のマルチアングル測色計は、該マルチアングル測色計の姿勢誤差に起因した測定誤差が軽減されるという上述の利点を有する。その一方で、ダブルパス方式のマルチアングル測色計は、該マルチアングル測色計内に配される各部材の数が多いことにより各部材のレイアウトの自由度が低い(ひいては、マルチアングル測色計が大型化する)という欠点を有する。本実施形態のマルチアングル測色計1は、上記の推定技術を用いてレイアウトの自由度の向上や装置の小型化を実現しうるので、ダブルパス方式の利点を得つつダブルパス方式の欠点を補うことができ望ましい。
本実施形態では、まずas角105度の光検出値およびas角115度の光検出値が実測により取得された後、as角110度の特定光の光検出値が推定により取得される。その結果、as角105度、as角110度、および、as角115度の光検出値が取得される。ここで、本実施形態の比較例に係るマルチアングル測色計として、これら3つの光検出値を全て実測で取得するマルチアングル測色計を想定する。このマルチアングル測色計では、as角105度に対応する位置、as角110度に対応する位置、および、as角115度に対応する位置の3つに位置にそれぞれ導光のための各光学素子を配する必要が生じる。しかしながら、このように角度間隔5度ごとに各光学素子を配する場合、各光学素子のサイズが本実施形態のものと同一サイズであるとすれば、マルチアングル測色計が大型化することになり、望ましくない。また、角度間隔5度ごとに各光学素子を配する場合、各光学素子のサイズが本実施形態のものよりも小さい(例えば、レンズの有効径が小さい等)とすれば、マルチアングル測色計の測色精度が低下することになり、望ましくない。このため、本実施形態のように隣り合う受光素子間の角度間隔が小さい箇所(例えば、5度以下の箇所)で上記の推定技術を用いることにより、装置の大型化や測色精度の低下を効果的に抑制することができる。
<2 変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
<2.1 推定技術についての変形例>
上記実施形態では、角度の異なる2つの光についての光検出値(第3光検出値および第7光検出値)が既知であり、これらを基に特定光の光検出値が推定情報として生成される態様について説明したが、これに限られるものではない。角度の異なる2つの光の反射率が既知であれば、これらを基に特定光の反射率が推定情報として生成されてもよい。また、その他の指標値が推定情報として生成されてもよい。
上記実施形態では、as角105度における光の光検出値(第3光検出値)とas角115度における光の光検出値(第7光検出値)とを平均する演算処理が行われて、as角110度における光の光検出値が近似的に得られた。演算処理は少なくとも2つの光の各反射角度と対象面の反射率とに応じた重み付け処理を含む態様であっても構わない。例えば、上記実施形態の例では、第3光検出値に係数n1を乗じた値と第7光検出値に係数n2を乗じた値との和によって、as角110度における光の光検出値が近似的に得られてもよい。また、上記実施形態では、反射率がas角を独立変数とする線形関数でおおよそ表現できることを用いて演算処理を実行していたが、これに限られるものではない。反射率がas角を独立変数とするガウス関数でおおよそ表現できる場合など、反射率とas角との関係に応じで係数n1,n2を適宜に設定しうる。また、各レンズC1a〜C4a,C1b〜C4b,C5,C6a,C6bの有効径は適宜に設定しうる。例えば、as角の異なる2つの光の検出結果を基に推定技術を用いる態様において、as角の小さい角度(as角0度付近の角度)に配されるレンズで有効径を小さくすれば、測定面5sでの正反射光を該レンズが受光する可能性を低減でき、望ましい。この場合には、各レンズの有効径も考慮して、係数n1,n2が適宜に設定される。
このように演算処理が重み付け処理を含む場合、推定の基礎となる少なくとも2つの光の各反射角度のうち最大角度と最小角度との間に挟まれた反射角度範囲内に特定光の反射角度が含まれる態様では、この角度範囲内に特定光の反射角度が含まれない態様に比べて近似精度が向上するため望ましい。特に、この角度範囲内に特定光の反射角度が含まれ、かつ、この角度範囲内に正反射角度(as角0度)が含まれない態様では、上記係数n1およびn2の和が1となる近似が用いられうる。
上記実施形態では、as角105度における光とas角115度における光とから成る2つの光を基に特定光の推定情報が生成される態様について説明したが、これに限られるものではない。推定の基礎となる光が3つ以上であってもよく、また、特定光が複数であってもよい。
上記実施形態では、光検出部が推定の基礎となる2つの光のそれぞれの検出を個別に行い、この2つの光のそれぞれの検出結果を基に演算処理が行われることによって特定光に応じた推定情報が生成される態様について説明したが、これに限られるものではない。少なくとも2つの光が光学的に混合されて光検出部で検出されることによって推定情報が生成される態様であってもかまわない。
図17〜図20は、この光学的な混合を用いたマルチアングル測色計のうちレンズC1a,C2aの周辺部を示した模式図である。図17〜図20中では、分光ユニットの内の各構成のうち、特に光検出部が図示されている。
光学的な混合の第1の例として、光検出部6Lsが導光部F1aに導かれた光と導光部F2aに導かれた光のそれぞれの検出を同時に行う態様であっても構わない(図17)。この場合、分光ユニット6Wが、これら2つの光を同時に通過させる遮光部(図示せず)を有する。
また、光学的な混合の第2の例として、2つの入射口と1つの出射口とを有するバンドルファイバBFの各入射口にレンズC1aで受光された光とレンズC2aで受光された光とがそれぞれ入射されて、光検出部6LsがバンドルファイバBFの経路途中で光学的に混合されその出射口から出射された光を検出する態様であっても構わない(図18)。この場合、分光ユニット6Xが、バンドルファイバBFに導かれた光を通過させる遮光部(図示せず)を有する。
また、光学的な混合の第3の例として、光検出部6Lsが拡散光(推定の基礎となる2つの光が拡散板6Dを通じて拡散された光)の検出を行う態様であっても構わない(図19)。この場合、分光ユニット6Yが、導光部F1aに導かれた光と導光部F2aに導かれた光との双方を同時に通過させる遮光部(図示せず)と、通過した2つの光を拡散させる拡散板6Dと、を有する。
また、光学的な混合の第4の例として、光検出部6Lsが、ニュートラルデンシティーフィルタND1を通過し導光部F1aに導かれた光と、ニュートラルデンシティーフィルタND2を通過し導光部F2aに導かれた光と、のそれぞれの検出を同時に行う態様であっても構わない(図20)。この場合、分光ユニット6Zが、導光部F1aに導かれた光と導光部F2aに導かれた光との双方を同時に通過させる遮光部(図示せず)を有する。光学的な混合の第4の例では、ニュートラルデンシティーフィルタND1,ND2の透過率が2つの光の各反射角度と対象面の反射率とに応じて予め設定されていれば、重み付け処理を含む演算処理によって推定情報を生成する場合と同様の効果が得られる。
<2.2 その他の変形例>
上記実施形態では、1対の投受光ユニットが基準面に対して対称に配置されるダブルパス方式の採用されたマルチアングル測色計1について説明したが、本発明の推定技術はダブルパス方式を採用しないマルチアングル測色計にも適用可能である。図21は、変形例に係るマルチアングル測色計1Aの主な構成を例示する模式図である。図21に示されるように、マルチアングル測色計1Aは一方向照明−多方向受光方式の測色計であり、マルチアングル測色計1Aではダブルパス方式が採用されていない。この態様においても、上記実施形態の場合と同様、分光ユニット6Aで検出される少なくとも2つの光の検出結果を基に、反射光のうち該少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果を推定する推定情報が生成される。これにより、測色計内部での部材のレイアウトの自由度が向上する。
また、上記実施形態では、受光部および参照受光部の総数、導光部の数、開口部の数ならびに出射部の数が、それぞれ11個であったが、これに限られない。受光部および参照受光部の総数、導光部の数、開口部の数ならびに出射部の数が、例えば、それぞれ2以上の複数個であっても良い。
また、上記実施形態では、2つの照明部E1a,E1bがそれぞれ光源を有していたが、これに限られない。1つの光源から発せられる光を光ファイバー等によって2カ所以上の位置から測定点5pに向けてそれぞれ照射することが可能な構成が採用されても良い。この場合、2カ所以上の位置から測定点5pに向けた光の照射は、例えば、遮光部の移動等によって、択一的に実行される態様が採用され得る。
なお、上記実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部の構成を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1,1A マルチアングル測色計
2n 中心軸
5 被測定物
5n 法線
5p 測定点
5s 測定面
6,6A,6X,6Y,6Z 分光ユニット
6D 拡散板
6Ls 光検出部
7 制御部
8 記憶部
10,10A 投受光部
71 測定制御部
72 演算部
BF バンドルファイバ
C1a〜C4a,C1b〜C4b,C5,C6a,C6b レンズ
E1,E1a,E1b,E2 照明部
F1a〜F4a,F1b〜F4b,F5,F6a,F6b 導光部
L1a,L1b 照明ユニット
O1a〜O4a,O1b〜O4b,O5,O6a,O6b 出射部
T1a〜T4a,T1b〜T4b,T5,T6a,T6b 窓部
W1a〜W4a,W1b〜W4b,W5,W6a,W6b 開口部

Claims (9)

  1. 対象面の測定点に向けて光を照射する照明部と、
    前記光の前記測定点からの反射光を互いに異なる複数の反射角度で受光する複数の受光部と、
    前記複数の受光部でそれぞれ受光した複数の光を、特定の順序で選択的に検出位置へ導く選択導光部と、
    前記検出位置に配置され、前記選択導光部から出射した光を光電変換する光検出部と、
    を備え、
    前記複数の光のうち少なくとも2つの光の検出結果を基に、前記反射光のうち前記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果を推定する推定情報が生成されることを特徴するマルチアングル測色計。
  2. 請求項1に記載のマルチアングル測色計であって、
    前記複数の光のうち前記少なくとも2つの光が光学的に混合されて前記光検出部で検出されることによって、前記推定情報が生成されることを特徴とするマルチアングル測色計。
  3. 請求項2に記載のマルチアングル測色計であって、
    前記選択導光部が複数の入射口と単一の出射口とを有するバンドルファイバを有しており、
    前記少なくとも2つの光が前記バンドルファイバの経路途中で光学的に混合されて前記光検出部で検出されることを特徴とするマルチアングル測色計。
  4. 請求項2または請求項3に記載のマルチアングル測色計であって、
    前記少なくとも2つの光の各光路の途中にそれぞれ設けられ、前記少なくとも2つの光の各反射角度と前記対象面の反射率とに応じた各透過率を有する少なくとも2つのフィルタ、
    を備えることを特徴とするマルチアングル測色計。
  5. 請求項1に記載のマルチアングル測色計であって、
    前記光検出部は前記少なくとも2つの光のそれぞれの検出を個別に行い、
    前記少なくとも2つの光のそれぞれの検出結果を基に演算処理が行われることによって前記特定光に応じた前記推定情報が生成されることを特徴するマルチアングル測色計。
  6. 請求項5に記載のマルチアングル測色計であって、
    前記演算処理は前記少なくとも2つの光の各反射角度と前記対象面の反射率とに応じた重み付け処理を含むことを特徴とするマルチアングル測色計。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のマルチアングル測色計であって、
    前記少なくとも2つの光の各反射角度のうち最大角度と最小角度との間に挟まれた角度範囲内に、前記特定光の反射角度が含まれることを特徴とするマルチアングル測色計。
  8. 対象面の測定点を通過し前記対象面に垂直な基準面に関して対称配置され、前記測定点に向けて光を照射する複数の照明部と、
    前記基準面に関して対称配置され、互いに異なる反射角度で前記測定点からの反射光を受光する複数の受光部と、
    前記複数の受光部でそれぞれ受光した複数の光を、特定の順序で選択的に検出位置へと導く選択導光部と、
    前記検出位置に配置され、前記選択導光部から出射した光を光電変換する光検出部と、
    を備え、
    前記基準面から見て一方側と他方側との双方において、前記複数の光のうち少なくとも2つの光が前記光検出部へと導かれて取得される検出結果を基に、前記反射光のうち前記少なくとも2つの光とは反射角度の異なる特定光の検出結果を推定する推定情報が生成されることを特徴するマルチアングル測色計。
  9. 請求項8に記載のマルチアングル測色計であって、
    前記一方側と前記他方側との双方において、前記測定点に照射された照明光の正反射方向から前記基準面に近づく方向にX度(0≦X≦180)だけ傾いた方向の角度をaspecular角X度と表現し、前記正反射方向から前記基準面と遠ざかる方向にX度(0≦X≦180)だけ傾いた方向の角度をaspecular角−X度と表現するとき、
    前記一方側と前記他方側との双方において、前記少なくとも2つの光はaspecular角105度の光とaspecular角115度の光とによって構成され、前記特定光はaspecular角110度の光によって構成されることを特徴とするマルチアングル測色計。
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