JPWO2016075764A1 - 生体ポリマ分析装置及び生体ポリマ分析方法 - Google Patents

生体ポリマ分析装置及び生体ポリマ分析方法 Download PDF

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Abstract

生体ポリマの分析に用いられる薄膜デバイスは,薄膜両側の溶液間の電位差により,薄膜が壊れる。薄膜と,薄膜の第1の面に接する第1の溶液と,薄膜の第2の面に接する第2の溶液と,第1の溶液と第2の溶液との間の電位差が小さくなるように調整する電位差調整手段と,電位差調整手段を制御する制御部と,生体ポリマを第1の溶液と第2の溶液の少なくともどちらかに導入する生体ポリマ導入口と,第1の溶液に設けられる第1の電極と,第2の溶液に設けられる第2の電極と,薄膜に開けられた孔を第1の溶液と第2の溶液との間で生体ポリマが通過することにより,第1の電極と第2の電極との間を流れる電流を計測する電流計とを有する。

Description

本発明は,薄膜デバイスを用いた生体ポリマ分析を行うための構造および手法に関する技術分野に属する。
ナノポアシーケンサでは,薄膜に埋め込まれたナノポアを通過する電流値を計測する。このとき,DNAがナノポアを通過すると,DNAを構成する塩基の違いによって,ナノポアをふさぐ電流値(封鎖電流値)に違いが生じるため,塩基配列を決定できる。
ナノポアシーケンサのDNA読み取り精度を決定する要因には,薄膜の膜厚やナノポアを通過する電流のノイズの大きさなどが挙げられる。薄膜の膜厚については,薄い方が良い。DNA鎖中に配列する4種塩基の隣同士の間隔がおよそ0.34 nmであり,その間隔に比べて膜厚が厚くなるほど,ナノポア中に同時に多くの塩基が入るため,封鎖電流として得られる信号も複数塩基に由来した信号となる。そのため,塩基配列の決定精度を落とすほか,信号の解析も複雑になる。また,ノイズ電流については小さいほうが良い。封鎖電流はノイズ電流が加算された値となるため,4種塩基の識別率を上げるには封鎖電流の低減が必要となる。
非特許文献1では,DNAが薄膜のナノポアを通過する時の塩基種由来の封鎖電流の違いを観測した。非特許文献1では封鎖電流の識別率を上げるために,薄膜のSiNメンブレンにナノポアを設け,絶縁膜塗布によってデバイス容量を低減しノイズ電流を低減している。また,非特許文献2では薄膜のGrapheneメンブレンにナノポアを設け,絶縁性の基板を用いることでデバイス容量を低減しノイズ電流を低減している。
Venta, K., et al., Differentiation of Short, Single-Stranded DNA Homopolymers in Solid-State Nanopores, ACS Nano 7(5), p. 4629-4636 (2013). Kumar, A., et al., Noise and its reduction in grapheme based nanopore devices, Nanotech 24, 495503 (2013).
生体ポリマ計測用の薄膜は,薄膜両側の溶液間の電位差に影響を受けやすく,電位差により壊れてしまう可能性があるという課題がある。特に,ノイズ電流を低減するためにデバイス容量を下げるようにした場合,薄膜が壊れやすくなってしまうという課題がある。
実験により,厚さ12~20 nmの薄膜メンブレンを有するデバイスに,絶縁膜を塗布し,デバイス容量を下げることでノイズ電流が低減できることを確認した。一方で,ノイズ低減した低容量デバイスの薄膜両側のチャンバに溶液を満たすと,多くの場合薄膜が壊れるという初期不良が生じることが,今回我々の検討で新たに分かった。この初期不良については,非特許文献1や非特許文献2では言及されておらず,初期不良のメカニズムおよび初期不良の対策については不明であった。
検討の結果,この初期不良は,薄膜両側の溶液槽に個別に溶液を入れると,必ず溶液間に初期電荷差ΔQが生じるため,デバイス容量Cの低減に伴って薄膜にかかる電位差ΔV(=ΔQ/C)が増幅し,薄膜を絶縁破壊することによって生じると分かった。
本願は,薄膜を用いた生体ポリマの分析において,薄膜に初期不良を与えない計測手順および機構を提供する。
上記で説明した薄膜の初期不良は,薄膜両側の溶液間の初期電荷差ΔQによって生じるため,初期電荷差ΔQを取り除く手順を行うことにより,これを解決できる。従来の実験手順では,薄膜の両側に初期電荷差ΔQが異なりうる溶液を個別に満たしていた。そこで,本願で提供する手法では,両側の溶液の初期電荷差ΔQを小さくする構成を持つことを特徴とする。
上記課題を解決するために、代表的な本発明の生体ポリマ分析装置の一つは、薄膜と,薄膜の第1の面に接する第1の溶液と,薄膜の第2の面に接する第2の溶液と,第1の溶液と第2の溶液との間の電位差が小さくなるように調整する電位差調整手段と,電位差調整手段を制御する制御部と,生体ポリマを第1の溶液と第2の溶液の少なくともどちらかに導入する生体ポリマ導入口と,第1の溶液に設けられる第1の電極と,第2の溶液に設けられる第2の電極と,薄膜に開けられた孔を第1の溶液と第2の溶液との間で生体ポリマが通過することにより,第1の電極と第2の電極との間を流れる電流を計測する電流計とを有する。
また、代表的な本発明の生体ポリマ分析方法の一つは、薄膜と,薄膜の第1の面に接する第1の溶液と,薄膜の第2の面に接する第2の溶液と,生体ポリマを第1の溶液と第2の溶液の少なくともどちらかに導入する生体ポリマ導入口と,第1の溶液に設けられる第1の電極と,第2の溶液に設けられる第2の電極と,薄膜に開けられた孔を第1の溶液と第2の溶液との間で生体ポリマが通過することにより,第1の電極と第2の電極との間を流れる電流を計測する電流計とを用いた生体ポリマの分析方法であって、少なくとも、(1)第1の溶液が第1の面に接し第2の溶液が第2の面に接した状態になるまで、(2)第1の電極が第1の溶液に設けられ,第2の電極が第2の溶液に設けられた状態になるまで、(3)第3の溶液又は生体ポリマが導入されている状態のいずれかにおいて、第1の溶液と第2の溶液との間の電位差が小さくなるように調整する。
本発明により,薄膜を有する分析装置において,溶液等を導入することにより生じる薄膜両側の溶液間の電位差により薄膜自体を壊す確立を格段に低減することができる。
上記した以外の課題,構成及び効果は,以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1の薄膜デバイスの断面図 実施例1のデバイス容量とノイズ電流の関係のグラフ 実施例1のノイズ電流とリーク電流の関係のグラフ 実施例1の初期不良の発生およびそれを回避するメカニズム 実施例1の電位調整手段に流路を用いたときの計測手順 実施例1の電位調整手段に流路を用いたときの計測手順 実施例1の電位調整手段に流路を用いたときの計測手順 実施例1の電位調整手段に流路を用いたときの計測手順 実施例1の電位調整手段に流路を用いたときの計測手順 実施例2の電位調整手段に流路を用いて,アレイ化したときの計測手順 実施例2の電位調整手段に流路を用いて,アレイ化したときの計測手順 実施例3の電位調整手段に導電性の配線を用いたときの計測手順 実施例3の電位調整手段に導電性の配線を用いたときの計測手順 実施例3の電位調整手段に導電性の配線を用いたときの計測手順 実施例3の電位調整手段に導電性の配線を用いたときの計測手順 実施例3の電位調整手段に導電性の配線を用いたときの計測手順 実施例4の電位調整手段に導電性の配線を用いて,アレイ化したときの計測手順 実施例4の電位調整手段に導電性の配線を用いて,アレイ化したときの計測手順 実施例4の電位調整手段に導電性の配線を用いて,アレイ化したときの計測手順 実施例4の電位調整手段に導電性の配線を用いて,アレイ化したときの計測手順 実施例4の電位調整手段に導電性の配線を用いて,アレイ化したときの計測手順 実施例4の電位調整手段に導電性の配線を用いて,アレイ化したときの計測手順
以下,図面に従って本発明の実施の形態を説明する。
最初に,デバイス容量低減に伴うノイズ電流の低減効果や,デバイス容量低減に付随して初期不良が発生する原理,およびこの初期不良を防ぐメカニズムを説明する。
図1(A)は製作した薄膜デバイスの断面図である。絶縁性の薄膜100は導電性の支持基板52で支持されており,薄膜100の両側は溶液103,104で満たされている。このとき,図1(A)のように,支持基板52を含む部分の容量をC1,支持基板52を含まず薄膜100が浮き構造となっている部分の容量をC2とすると,この薄膜デバイスの合成容量CはC = C1+C2として表すことができる。次に図1(B)について説明する。図1(B)は薄膜100および支持基板52に絶縁膜51を塗布した薄膜デバイスの断面図である。この薄膜デバイスも同様に,支持基板52を含む部分の容量をC1,支持基板52を含まず薄膜100が浮き構造となっている部分の容量をC2’とすると,合成容量C’はC’ = C1+C2’として計算できる。このとき,図1(B)では絶縁膜51が塗布されているためC2 > C2’であり,合成容量もC > C’となり,デバイス容量は低減する。そこでまず,絶縁膜51の塗布量を増やしたとき,デバイス容量の低減によって,ノイズ電流を低減できることを確認した。結果,非特許文献1や非特許文献2と同様に,我々が製作した薄膜デバイスにおいても,ノイズ電流はデバイス容量の低減に伴って単調に減少した(図2)。
上記のとおり,絶縁膜の塗布による低ノイズ化を確認できた一方で,デバイス容量低減に付随して初期不良が発生することが判明した。ノイズ電流(帯域1 MHz)と初期リーク電流(印加電圧0.1V)の関係を図3に示す。初期不良が生じ,薄膜100が壊れたデバイスは,0.1 Vなどの低電圧を与えてもリーク電流が生じた。低容量化しない薄膜デバイスでは,電流値は10-11 A以下であり,薄膜100は壊れていない。ところが,低容量化し,ノイズ電流を低減した薄膜デバイスでは,薄膜100が壊れ,10-11 A以上のリーク電流が生じた。
図4を用いて,上記の初期不良の原因と対策について説明する。上記の初期不良は,薄膜100両側の溶液槽に個別に溶液を入れると,必ず溶液間に初期電荷差ΔQが生じるため,デバイス容量Cの低減に伴って薄膜100にかかる電位差ΔV(=ΔQ/C)が増幅し,薄膜100を絶縁破壊することによって生じる。低容量化しない通常の薄膜デバイス,および低容量化した薄膜デバイスに対して,初期電荷差ΔQが生じるように薄膜100両側に溶液を満たしたときの様子を説明する。
図4(A)では,低容量化しない通常の薄膜デバイスに対して,薄膜100の両側に個別に第一および第二の溶液103,104を満たした(図4(A-1,A-2))。このとき,例えば第一の溶液103には正に帯電したイオンや電荷1が多く,第二の溶液104には負に帯電したイオンや電荷2が多い,といったように初期電荷差ΔQがあった場合,薄膜100に電位差ΔV(=ΔQ/C)がかかる(図4(A-3))。しかし,このとき容量Cが大きいために,電位差ΔVは小さくなり,これが薄膜100の絶縁破壊電圧を超えない場合には,薄膜100は壊れない。一方で,図4(B)では,低容量化した薄膜デバイス100に対して,薄膜100の両側に個別に第一および第二の溶液103,104を満たした(図4(B-1,B-2))。このとき,図4(A)と同様に,例えば第一の溶液103には正に帯電したイオンや電荷1が多く,第二の溶液104には負に帯電したイオンや電荷2が多い,といったように初期電荷差ΔQがあった場合,薄膜100に電位差ΔV(= ΔQ/C' )がかかる(図4(B-3))。このとき容量C' が小さいために,電位差ΔVは大きくなり,これが薄膜100の絶縁破壊電圧を超えると,薄膜100は壊れる(図4(B-4))。
本発明では,初期電荷差ΔQが生じないように薄膜100両側の電位差を調整することを特徴としている。すなわち,例えば図4(C-1)のように薄膜100の片側を第一の溶液103で満たした後にそのまま溶液を満たし続け,薄膜100両側の第一および第二の溶液103,104を繋ぐバイパス流路105などを用いて,両側を同一の溶液で満たすと,初期電荷差ΔQが生じないように溶液を満たすことができる(図4(C-2))。このとき,第一および第二の溶液103,104は実際には同一の溶液であるが,薄膜100の表側,裏側のいずれに触れているかによって区別して表記する。図4(C-3)では,第一および第二の溶液103,104を満たした後に,流路105を取り除いた。これにより,第一および第二の溶液103,104を満たしたときに,既に薄膜100が壊れている,という初期不良を防ぐことができる。以上が,本発明で用いる初期電荷差ΔQを解消するメカニズムである。
続いて,本発明で用いる手順について詳しく説明する。図5で,電位調整手段に第一の溶液103と第二の溶液104との間を繋ぐ流路105を用いたときの,薄膜100の両側に第一および第二の溶液103,104を満たし,第一の電極301と第二の電極302を繋ぐ工程について説明する。
まず,薄膜100を溶液槽101,102に固定する工程について説明する。薄膜デバイスには,例えば725 umの厚さのシリコンの支持基板52で,厚さ20 nm,面積100 μm2以下のSiN薄膜100を支持したデバイスを使用する。このとき,薄膜100に絶縁膜を塗布する,支持基板52にSiO2を用いるなどすることで,デバイス容量を低減したものを用いても良い。このとき,図2で示すように十分にノイズ電流を低減するには,デバイス容量を100 pF以下になるように絶縁膜を塗布などすることが望ましい。また,デバイス容量を低減していないデバイスであっても,薄膜デバイスの絶縁破壊電圧が小さい場合,または上下の溶液間に発生する初期電荷差ΔQが大きい場合,前述の薄膜100に発生する電位差ΔV(= ΔQ/C )が絶縁破壊電圧を上回り,薄膜100を壊す可能性がある。そのため,デバイス容量を低減していないデバイスであっても,本発明によって初期電荷差ΔQが生じないように薄膜100両側の電位差を調整する手順は有効である。
また,薄膜100には,DNA等の封鎖電流を計測するための直径10 nm以下などの孔が開いたものを用いてもよい。孔が開いているものであっても,薄膜100に高電圧がかかると,薄膜100に複数の孔が開く,孔が広がるなどの不良が生じるため,薄膜100両側の電位差を調整する手順は有効である。また,薄膜の素材100にはSiNやGrapheneといった無機材料でなくてもよく,脂質二重膜にタンパク質ナノポアを埋め込んだバイオナノポアなどの有機材料であってもよい。
この薄膜100を溶液槽101,102に固定する(図5(A))。溶液槽101,102は,例えば絶縁性のあるPMMAなどの材料を使用しており,直径2 mm程度の流路をもつものでよい。溶液槽101,102には,それぞれ溶液の導入口および排出口201~204を具備している。薄膜100と溶液槽101,102の間には,薄膜への損傷や液漏れを防ぐためのOリングなどの部材を挟んでもよい。溶液槽内の溶液の抵抗が小さいことは,ノイズ電流の低減に繋がるため,溶液槽内部の流路長は50 mm以下にするなど短い方が望ましく,流路径についても直径1 mm以上など太いものが望ましい。図5,6では溶液槽101,102の両方を設ける構造としているが,溶液抵抗を小さくするため,図7のように,溶液槽101,102のどちらか一方のみを設ける構造でもよい。
次に,第一の溶液103と第二の溶液104との間を繋ぐ流路105について説明する。溶液槽101と溶液槽102の間は,第一の溶液103と第二の溶液104を繋ぐための流路105を有している。図5(B)では,導入口および排出口202,203の間を繋いでいるが,導入口および排出口201,204などの間を繋ぐ構成でもよい。あるいは,流路105を繋ぐために溶液槽101と溶液槽102に別の導入口および排出口を設けて,それらを繋いでもよい。流路105は,溶液槽101と溶液槽102に外付けされたパイプなどでも,あるいは溶液槽101と溶液槽102にあらかじめ具備した構造でもよい。溶液槽101内部の第一の溶液103と溶液槽102内部の第二の溶液104の間の電位差が小さい方が薄膜100の絶縁破壊を防ぐことができるため,流路内部の溶液抵抗が小さくなるように流路径10 mm,流路長10 mmとした。また,流路105は必要に応じて第一の溶液103と第二の溶液104の分離と結合が簡易に行えるよう,バルブ805などの構造を有しているものが望ましいが,図6のように取り外しが可能なパイプなどの外付けの流路でもよい。流路105は溶液槽101と溶液槽102に対して,同時に第一の溶液103と第二の溶液104を満たすことができるよう,複数の導入口や排出口を有した図8のような構造であってもよい。また,図5のように,バルブ805の開閉を制御装置としてのパソコン99で制御できるようにしてもよい。
続いて,第一の溶液103と第二の溶液104を薄膜100に接触させる工程について説明する。ピペット108などの器具を用いて,溶液槽101および溶液槽102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たす。第一の電極301と第二の電極302について,ここでは一例として,構造が単純で取扱が容易な電極としてAg/AgCl電極を用いることとし,第一の溶液103と第二の溶液104を1M KCl水溶液とした。第一の溶液103と第二の溶液104には,計測対象の生体ポリマであるDNAなどを含んでいてもよい。図5(B)では,導入口201から溶液を満たす工程を図示しているが,204などから満たしてもよい。導入口201から満たした溶液は,溶液槽101を満たした後,流路105を通って溶液槽102を満たす(図5(C))。これにより,第一の溶液103と第二の溶液104を個別に満たす場合と比較して,溶液が薄膜100に接触する前の電位差を小さくすることができる。また,このとき,第二の溶液104が薄膜100に接触する直前で溶液の流入を一度止めて1秒以上待機した後,あるいは10 μL/s以下の比較的ゆっくりした流入速度で流し込むことで,薄膜100に第二の溶液104を接触させることが望ましい。そうすることで,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差をより小さくできるため,結果薄膜100の絶縁破壊を防ぐことができる。
なお,溶液を満たす際に気泡が含まれると,溶液の接続が遮断されるため,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差を解消できなくなる。そのため,流路105は凹凸の少ない表面研磨した構造にすることや,溶液を満たす際にも空気を含ませないように流入速度を10 μL/s以下にするなどの工夫をすることが望ましい。
溶液を満たすときの構造については,図8のように二股以上に分かれる流路705を用いて,薄膜100の両側に第一の溶液103と第二の溶液104を同時に満たす構成でもよい。また,図7のように薄膜100両側に満たす溶液の電位差を解消した後に溶液を満たし,かつ溶液を満たす時点ではすでに第一の溶液103と第二の溶液104の接続が解除される構造によって,溶液を満たしても良い。つまり,もととなる溶液が同じところから導入されているため,薄膜の両側に接する溶液間の電位差が小さくなるようにしたものである。また図7では,溶液槽を片側のみに設け,第一の溶液103の表面張力によって溶液を保持する構造としている。こうした構造は,溶液や生体ポリマの量が少なくても計測可能であるといった利点がある。一方で,溶液槽101,102を両側に設ける図5,6などの構造は,計測時に溶液が振動することによるノイズが生じにくい,溶液と空気との界面が小さく溶液の蒸発を防ぐことができるため,長時間の計測が可能である,といった利点がある。
図5(C)のように,第一の溶液103と第二の溶液104が流路105を介して繋がっている間は,第一の溶液や第二の溶液の液量を追加するための第三の溶液や生体ポリマ110を含む第三の溶液を導入し溶液を置換することや,あるいは生体ポリマ110を直接第一の溶液や第二の溶液に導入することや,第一の電極301や第二の電極302を抜き差しするなどの操作を行ってもよい。それは,流路105を介して溶液の電位差が解消されるように働くためである。また,第一の溶液103と第二の溶液104を満たした状態で1分以上放置するなどの操作を行うと,帯電した微粒子の付着や溶液の蒸発などによって電位差が生じ,薄膜100が壊れる場合があるため,同様に,第一の溶液103と第二の溶液104を,流路105を介して繋げておくことが望ましい。
その後,図5(D)で,第一の電極301と第二の電極302を,それぞれ第一の溶液103と第二の溶液104に繋いだ。第一の電極301と第二の電極302は,ここでは一例としてAg/AgCl電極とした。図5(D)では,第一の溶液103と第二の溶液104が,流路105を介して繋がった状態で,電源106および電流計107と繋ぐための第一の電極301と第二の電極302を,それぞれ第一の溶液103と第二の溶液104に繋いだが,溶液槽101,102に,第一の電極301と第二の電極302を入れた後,第一の溶液103と第二の溶液104を満たす手順でもよい。電流計107はパソコン99などの装置に繋ぐことで,計測した電流をデータとして保存するシステムとなっていても良く,電源106についても印加電圧を制御できるようにパソコン99と繋げていても良い。
その後,図5(E)で,第一の溶液103と第二の溶液104の接続を遮断した。図5(E)では,流路105に含まれるバルブ805を閉めることで,第一の溶液103と第二の溶液104の接続を遮断したが,流路105を取り外すといった手順でもよい。また,第一の電極301と第二の電極302に電荷が含まれている可能性があるため,第一の溶液103と第二の溶液104の接続の遮断は,電源106と繋ぐための第一の電極301と第二の電極302を第一の溶液103と第二の溶液104に浸してから,1秒以上経過した後に,第一の溶液103と第二の溶液104の接続を遮断することが望ましい。そうすることで,第一の電極301と第二の電極302に含まれる電荷を解消し,接続を遮断した後の第一の溶液103と第二の溶液104の電位差をより小さくすることができるため,結果薄膜100の絶縁破壊を防ぐことができる。
また,上述の方法により薄膜100両側の電位差が小さくなるよう溶液槽101,102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たした後,第一の溶液103と第二の溶液104のどちらか一方に第三の溶液や生体ポリマ110を導入する間は,流路105のバルブ805が開いているようにする構成手順でもよい。例えば,図9(A)に示すように,第一の溶液103と第二の溶液104の両方が満たされている状態で,流路105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104を接続し,導入口および排出口201~204から第三の溶液や生体ポリマ110を導入した後(図9(B))に,第一の溶液103と第二の溶液104の接続をバルブ805等により遮断することも可能である。このとき,流路105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104を接続している間に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301と第二の電極302を浸すことも可能である。あるいは,第三の溶液や生体ポリマ110を導入する前に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301と第二の電極302を浸しておいてもよい。以上の手順により,計測対象の生体ポリマや溶液の導入または置換に伴って発生する第一の溶液103と第二の溶液104の電位差による薄膜100の破壊を防ぐことができる。
生体ポリマ110を導入した後には、薄膜100に開けられた孔を生体ポリマ110が通過することにより電極301と電極302間を流れる電流を電流計107で測定することにより、生体ポリマを構成する分子(例えば生体ポリマがDNAの場合には4種の塩基)の違いにより流れる電流値の違いにより、生体ポリマの配列を測定することができる。
実施例1では,薄膜デバイス100が一つであるときを説明したが,薄膜デバイス1100がアレイ化している場合においても,同様の手順を用いることが可能である。以下では,実施例1と特に異なる点について説明するため,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差を小さくする手法および手順や,電位差を小さくしたときに行ってよい操作,構成する部品などは,一部省略する。
アレイ化した場合において,流路105を用いて第一の電極301と第二の電極302を繋ぐ工程を図10に示す。第一の溶液103と第二の溶液104ともに複数の電極1301,1302を接続する構造も可能であるが,図10では,薄膜1100を介した片側にのみ複数の電極1302を接続させることを特徴としており,電極の数が少なく,回路構造を簡易化できるという利点がある。
図10(A)では,溶液槽101と溶液槽102の間は,第一の溶液103と第二の溶液104を繋ぐための流路105を有している。図10(A)では,導入口および排出口202,203の間をつないでいるが,導入口および排出口201,204などの間を繋ぐ構成でもよい。あるいは,流路105を繋ぐために溶液槽101と溶液槽102に別の導入口および排出口を設けて,それらをつないでもよい。流路105は,溶液槽101と溶液槽102に外付けされたパイプなどでも,あるいは溶液槽101と溶液槽102にあらかじめ具備した構造でもよい。
ピペット108などの器具を用いて,溶液槽101および溶液槽102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たす。この第一の溶液103と第二の溶液104には,計測対象である生体ポリマを含んでいてもよい。図10(B)では,導入口204から溶液を満たす工程を図示しているが,201などから満たしてもよい。導入口204から満たした溶液は,溶液槽102を満たした後,流路105を通って溶液槽101を満たす(図10(C))。さらに,図10(C)のように,第一の溶液103と第二の溶液104が流路105を介して繋がっている間は,第三の溶液や生体ポリマ110を導入することや,第一の電極301,1301や第二の電極302,1302を抜き差しするなどの操作を行ってもよい。また,第一の溶液103と第二の溶液104を満たした状態で1分以上放置するなどの操作を行うと,帯電した微粒子の付着や溶液の蒸発などによって電位差が生じる場合があるため,同様に,第一の溶液103と第二の溶液104を,流路105を介して繋げておくことが望ましい。
図10では,第一の溶液103と第二の溶液104を満たす前に,第一の電極301と第二の電極1302を溶液槽101,102の中に入れる工程を仮定しているが,第一の溶液103と第二の溶液104を満たした後に第一の電極301や第二の電極1302を溶液槽101,102の中に入れる構造でもよい。
第一の溶液103と第二の溶液104を満たした後に,複数の電極で構成される第一の電極1301や第二の電極1302がアレイ化した電極同士で電気的に繋がらないように,個々の薄膜1100と接触する溶液を分離する。個々に分離する手法について,図10(D)では,一例として各溶液を隔離するための部材1402に第二の電極1302を具備しており,部材1402を薄膜1100に密着させた。このとき,部材1402は,例えば個々の薄膜1100を電気的に分離するための絶縁性のゴム材料とし,ゴム製の部材1402から複数の電極1302が出ている構造とした。部材1402を薄膜1100に密着させる際には,密着させるときの水圧によって薄膜1100を壊すことのないように,10 mm/s以下などの速度で接近させるようにする。また,部材1402を近づける速度を制御できるように,パソコン99などの制御装置を用いてもよい。
流路105による第一の溶液103と第二の溶液104の接続の遮断は,部材1402を薄膜1100に密着させる前後に行うが,部材1402を薄膜1100に密着させた後に接続を遮断した方が,接触前まで第一の溶液103と第二の溶液104の等電位を維持できており,薄膜1100を絶縁破壊する可能性が低減できるため望ましい。
薄膜1100に満たす溶液を分離する部材1402を用いなくてもよい手法の一例として,図11の構築方法がある。図11のような構成手順では,溶液槽を片側にのみ設ける構造でもよい(図11(A))。電極302,1301や流路905や溶液を滴下する器具908を構成した後(図11(B)),流入口203などから第二の溶液104を満たし,流路905や溶液を滴下する器具908を通り,第一の溶液1103を薄膜1100の上部に滴下する(図11(C))。このような手法を用いると,後から第一の溶液1103に第三の溶液や生体ポリマ110を容易に導入できるため,個々の薄膜1100に別々の生体ポリマのサンプルを入れて計測できる,といった利点がある。図10以外の構成方法としては,図11以外にも,アレイ化した薄膜1100が,第一の溶液1103および第二の溶液1104を個別に一つずつ有する構成も可能であり,この構造は第一の溶液1103と第二の溶液1104の流路を個々に繋げる,などの手法で実現できる。
また,実施例1と同様に,溶液槽101,102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たしている状態で,第一の溶液103と第二の溶液104のどちらか一方に第三の溶液や生体ポリマ110を導入する間に,流路105を用いる構成手順でもよい。例えば,第一の溶液103と第二の溶液104の両方が満たされている状態で,流路105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104を接続し,導入口および排出口201~204から第三の溶液や生体ポリマ110を導入した後に,第一の溶液103と第二の溶液104の接続を遮断することも可能である。このとき,流路105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104を接続している間に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301と第二の電極302を浸すことも可能である。あるいは,第三の溶液や生体ポリマ110を導入する前に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301と第二の電極302を浸しておいてもよい。以上の手順により,計測対象の生体ポリマや溶液の導入および置換に伴って発生する,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差による薄膜100の破壊を防ぐことができる。
実施例1では,電位調整手段に第一の溶液と第二の溶液との間を繋ぐ流路を用いる場合を説明したが,電位調整手段に第一の溶液と第二の溶液との間を繋ぐ導電性の配線を用いる場合についても,同様の手順を用いることができる。以下では,実施例1と特に異なる点について説明するため,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差を小さくする時点や,電位差を小さくしたときに行ってよい操作,構成する部品などは,一部省略する。
薄膜100を溶液槽に固定する工程は図5と同様に構築する。次に,図12(A)では,溶液槽101と溶液槽102の間に,導電性の配線2105を有する第一の電極301と第二の電極302を設けた。ここでは一例として,簡易に配線の接続と遮断が操作できるように,導電性の配線2105にスイッチ2505を設け,電位差の調整が可能な構造とした。別の電位差の調整が可能な構造としては,図13のようにスイッチ2505を持たない配線2105によって第一の溶液103と第二の溶液104を短絡し,あるいは,第一の溶液103と第二の溶液104をそれぞれアースに繋いでおき,配線2105の電極2301,2302を抜き差しすることによって電位差の調整をしてもよい。このとき,スイッチ2505のオンオフ,あるいは配線2105の抜き差しを制御できるように,パソコン99などの制御装置を用いても良い。また,図12では,電源106と溶液を繋ぐための電極と,導電性の配線2105と溶液を繋ぐための電極を共通の第一の電極301,第二の電極302としたが,図13のように導電性の配線2105のための電極2301,2302を新たに設けても良い。図12(A)では,導入口および排出口202,203の間を繋いでいるが,導入口および排出口201,204などの間を繋ぐ構成でもよい。あるいは,導電性の配線2105を繋ぐために溶液槽101と溶液槽102に別の導入口や排出口を設けて,それらを繋いでもよい。溶液槽101内部の第一の溶液103と溶液槽102内部の第二の溶液104の間の電位差がより早く小さくなることが望ましいため,ここでは導電性の配線2105を繋ぐ回路の抵抗は1 kΩ以下のものを繋いだ。また電極については,一例としてAg/AgCl電極を用いることとした。このとき,電極が劣化していると,電極間の電位差の解消に時間がかかり,電位差が発生して薄膜100を壊す可能性があるため,劣化の少ないものが望ましい。
続いて,第一の溶液103と第二の溶液104を薄膜100に接触させる工程について説明する。ピペット108などの器具を用いて,溶液槽101および溶液槽102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たす。第一の溶液103と第二の溶液104には,計測対象である生体ポリマであるDNAなどを含んでいてもよい。
図12(B,C)に示す手順は一例であるが,まず導入口202から第一の溶液103を満たし,第一の電極301と第一の溶液103を接触させた。その後,第二の溶液104を満たす際には,第二の電極302と第二の溶液104が接触するように,導入口204から満たした。このとき,導電性の配線2105を介して第一の溶液103と第二の溶液104を繋ぐ回路の時定数が大きいと,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差が解消されるまでに時間がかかる。そこで,第二の溶液104が薄膜100に接触する前に第一の溶液103と第二の溶液104の電位差が小さくなるよう,第二の溶液104が薄膜100に接触する直前で溶液の流入を一度止めて1秒以上待機した後,あるいは10 μL/s以下の流入速度で流し込むことで,薄膜100に第二の溶液104を接触させることが望ましい。このとき,薄膜100と接触している第一の溶液103と第二の溶液104の電位差が導電性の配線2105を介して小さくなるように注意すれば,第一の溶液103と第二の溶液104を満たす順序や,溶液を満たす時に導入口201~204のいずれを使用するか,などは図12のとおりでなくてもよく,第一の溶液103と第二の溶液104を同時に薄膜100に接触させる図14のような手順でもよい。また,図15のように,薄膜100の両側に満たす溶液の電位差を,導電性の配線2105を用いて解消した後に溶液を満たし,かつ溶液を満たす時点ではすでに第一の溶液103と第二の溶液104が電気的に接続していないような構造によって,溶液を満たしても良い。さらに,このように第一の溶液103と第二の溶液104が,導電性の配線2105を介して繋がっている間は,第三の溶液や生体ポリマ110を導入するなどの,第一の溶液103と第二の溶液104で電位差が生じうる操作を行ってもよい。あるいは,導電性の配線2105を繋ぐ電極2301,2302を用いて,第一の溶液103と第二の溶液104が電気的に繋がっている間は,第一の電極301や第二の電極302を抜き差しするなどの操作を行ってもよい。また,第一の溶液103と第二の溶液104を満たした状態で1分以上放置するなどの操作を行うと,帯電した微粒子の付着や溶液の蒸発などによって電位差が生じる場合があるため,第一の溶液103と第二の溶液104を,導電性の配線2105を介して繋げておくことが望ましい。
図13では,第一の溶液103と第二の溶液104が,導電性の配線2105を介して繋がった状態で,電源106と繋ぐための第一の電極301と第二の電極302を,それぞれ第一の溶液103と第二の溶液104に繋いだが,予め溶液槽101,102に,第一の電極301と第二の電極302を入れておき,第一の溶液103と第二の溶液104を満たす手順でもよい。
図12(D)や図13(C)で,第一の溶液103と第二の溶液104の接続を遮断した。図12(D)では,導電性の配線2105のスイッチ2505をオフにすることで,第一の溶液103と第二の溶液104の回路の接続を遮断したが,図13(C)のように,導電性の配線2105を取り外すといった手順でもよい。このとき,第一の電極301と第二の電極302に電荷が含まれている可能性があるため,導電性の配線2105による回路接続の遮断は,電源106と繋ぐ第一の電極301と第二の電極302を第一の溶液103と第二の溶液104に浸してから,1秒以上経過した後に,導電性の配線2105の回路接続の遮断をすることが望ましい。
また,上記手順を利用して溶液槽101,102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たしている状態で,第一の溶液103と第二の溶液104のどちらか一方に第三の溶液や生体ポリマ110を導入する間に,導電性の配線2105を用いる構成手順でもよい。例えば,図16に示すように,第一の溶液103と第二の溶液104の両方が満たされている状態で,導電性の配線2105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104の間の回路を接続しておき(図16(A)),導入口および排出口201~204から第三の溶液や生体ポリマ110を導入した(図16(B))後に,導電性の配線2105の接続を遮断することも可能である。このとき,電極2301,2302を有する導電性の配線2105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104の回路を接続している間に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301と第二の電極302を浸すことも可能である。あるいは,第三の溶液や生体ポリマ110を導入する前に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301と第二の電極302を浸しておいてもよい。以上の手順により,計測対象の生体ポリマや溶液の導入および置換に伴って発生する,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差による薄膜100の破壊を防ぐことができる。
実施例3では,薄膜100が一つであるときを説明したが,薄膜デバイス1100がアレイ化している場合においても,同様の手順を用いることが可能であり,電位調整手段に第一の溶液と第二の溶液との間を繋ぐ導電性の配線を用いることができる。アレイ化の手法については,実施例2と同様であり,導電性の配線を用いる手法については,実施例3と同様に行えばよい。以下では,実施例2,3と特に異なる点について説明するため,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差を小さくする手法および手順や,電位差を小さくしたときに行ってよい操作,構成する部品などは,一部省略する。
アレイ化した場合において,導電性の配線2105,3105を用いて第一の溶液103,1103と第二の溶液104,1104を満たし,第一の電極301,1301と第二の電極302,1302へ繋ぐ工程の例の一部を図17~21に示す。
図17,18,21では,薄膜1100を介した片側にのみ複数の電極1301,1302を接続させることを特徴としており,電極の数が少なく,回路構造を簡易化できるという利点がある。また,図19や図20のように第一の溶液103,1103と第二の溶液104,1104ともに複数の電極1301,1302を両側に接続する構造も可能である。図20や図21では,個々のアレイに別々の生体ポリマのサンプルを入れて計測できる,といった利点がある。
配線の繋ぎ方について,図18などでは,第二の溶液104,1104内のアレイ化した電極1302が個々に導電性の配線3105を持ち,第一の溶液103,1103内の電極301,1301に接続した構造を持つため,ゴム製の部材1401,1402を薄膜1100に完全に密着させたあとも,電位差を小さくした状態を維持でき,薄膜1100に対してより電位差を与えないため,薄膜1100を絶縁破壊する可能性をさらに低減できる。
一方で,図17,19は,第二の溶液104内の電極3302が1つの導電性の配線2105を持ち,第一の溶液103内の電極3301へと接続した構造である。これらは導電性の配線を1つしか持たないため,回路が複雑化しないという利点がある。
溶液を満たす時には,ピペット108などの器具を用いて,溶液槽101および溶液槽102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たす。第一の溶液103,1103と第二の溶液104,1104には,計測対象である生体ポリマを含んでいてもよい。
溶液を満たす手順は,実施例3で示したときと同様に,薄膜1100と接触している第一の溶液103,1103と第二の溶液104,1104の電位差が導電性の配線2105,3105を介して小さくなるように注意すればよく,図17に示す手順はその一例である。
図17(B)では,まず導入口203から第二の溶液104を満たし,第二の電極3302と第二の溶液104を接触させた。その後,第一の溶液103を満たす際には,第一の電極3301と第一の溶液103が接触するように,導入口202から満たした(図17(C))。このとき,薄膜1100と接触している第一の溶液103と第二の溶液104の電位差が導電性の配線2105を介して小さくなるように注意すれば,第一の溶液103と第二の溶液104を満たす順序や,溶液を満たす時に導入口201~204のいずれを使用するか,などは図17のとおりでなくてもよい。さらに,このように,第一の溶液103と第二の溶液104が,導電性の配線2105を介して繋がっている間は,第三の溶液や生体ポリマ110を導入するなどの操作を行ってもよい。図17では,第一の溶液103と第二の溶液104を満たす前に,第一の電極301,第二の電極1302,電極3301,3302を溶液槽101,102の中に入れる工程を仮定しているが,第一の溶液103と第二の溶液104のどちらか一方を満たした後に第一の電極301や第二の電極1302を溶液槽101,102の中に入れる手順でもよい。以上の構成手順や操作は,アレイ化した電極1301,1302などを用いた図18~21などにおいても同様である。
図17(D)では,第一の溶液103と第二の溶液104を満たした後に,複数の電極で構成される第一の電極1301や第二の電極1302がアレイ化した電極同士で電気的に繋がらないように,個々の薄膜1100と接触する溶液を分離する。個々に分離する手法については,実施例2の手法と同様であり,部材1401,1402を薄膜1100に密着させる際には,密着させるときの水圧によって薄膜1100を壊すことのないように,10 mm/s以下などの速度で接近させるようにする。導電性の配線2105,3105による第一の溶液103と第二の溶液104の回路接続の遮断は,部材1401,1402を薄膜1100に密着させる前後に行うが,部材1401,1402を薄膜1100に密着させた後に接続を遮断した方が,接触前まで第一の溶液103と第二の溶液104の等電位を維持できており,薄膜1100を絶縁破壊する可能性が低減できるため望ましい。
薄膜1100に満たす溶液を分離する部材1402を用いなくてもよい手法の一例として,図21の構築方法がある。図21のような構成手順では,溶液槽は片側にのみ設ける構成でもよい。まず,薄膜1100の上面に溶液1103を滴下する(図21(A))。続いて,電極302,1301を用いて,導電性の配線3105が薄膜1100の両側を繋ぐ構造に構成した後(図21 (B)),流入口203などから電極302と接触するように第二の溶液104を満たし(図21 (C)),最後に導電性の配線3105の接続を遮断する(図21 (D))。このような手法を用いると,個々の薄膜1100に別々の生体ポリマのサンプルを入れた計測がしやすい,といった利点がある。
また,溶液槽101,102に第一の溶液103と第二の溶液104を満たしている状態で,第一の溶液103と第二の溶液104のどちらか一方に第三の溶液や生体ポリマ110を導入する間に,導電性の配線2105を用いる構成手順でもよい。例えば,第一の溶液103と第二の溶液104の両方が満たされている状態で,導電性の配線2105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104の間の回路を接続し,導入口および排出口201~204から第三の溶液や生体ポリマ110を導入した後に,導電性の配線2105の接続を遮断することも可能である。このとき,電極3301,3302を有する導電性の配線2105を用いて第一の溶液103と第二の溶液104の回路を接続している間に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301,1301と第二の電極302,1302を浸すことも可能である。あるいは,第三の溶液や生体ポリマ110を導入する前に,第一の溶液103と第二の溶液104へ,第一の電極301,1301と第二の電極302,1302を浸しておいてもよい。以上の手順により,計測対象の生体ポリマや溶液の導入および置換に伴って発生する,第一の溶液103と第二の溶液104の電位差による薄膜100の破壊を防ぐことができる。
以上で述べた構成手順は,導電性の配線2105,3105を流路105などに,スイッチ2505,3505をバルブ805などに置き換えて,電位調整手段に流路を用いた構成にすることも可能である。例えば,図18の構造で電位調整手段に流路を用いることで,図22のように構成することができる。
なお,本発明は上記した実施例に限定されるものではなく,様々な変形例が含まれる。例えば,上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり,必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また,ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり,また,ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また,各実施例の構成の一部について,他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また,上記の各構成,機能,処理部,処理手段等は,それらの一部又は全部を,例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また,上記の各構成,機能等は,プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し,実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム,テーブル,ファイル等の情報は,メモリや,ハードディスク,SSD(Solid State Drive)等の記録装置,または,ICカード,SDカード,DVD等の記録媒体に置くことができる。
本発明は,種々の分析の手法に利用することができる。
1 正に帯電したイオンや電荷
2 負に帯電したイオンや電荷
51 塗布絶縁膜
52 薄膜の支持構造
99 制御および測定装置(PCなど)
100 薄膜
101 溶液槽
102 溶液槽
103 溶液
104 溶液
105 流路
106 電源装置
107 電流計
108 溶液を入れるための器具(ピペットなど)
110 第三の溶液や生体ポリマ
201 導入口および排出口
202 導入口および排出口
203 導入口および排出口
204 導入口および排出口
301 電極
302 電極
705 二股以上に分かれた流路
805 流路の遮断手段(バルブなど)
905 流路
908 流路とつながっており,溶液を入れるための器具(ピペットなど)
1052 アレイ化した薄膜の支持構造
1100 アレイ化した薄膜
1103 アレイ化した溶液
1106 アレイ化した電源装置
1107 アレイ化した電流計
1301 アレイ化した電極
1302 アレイ化した電極
1401 アレイ薄膜デバイスを個々に分離するための部材
1402 アレイ薄膜デバイスを個々に分離するための部材
2105 導電性の配線
2505 スイッチ
2301 導電性の配線用の電極
2302 導電性の配線用の電極
2908 電極とつながっており,溶液を入れるための器具(ピペットなど)
3105 アレイ化した導電性の配線
3301 導電性の配線用の電極
3302 導電性の配線用の電極
3505 アレイ化したスイッチ

Claims (12)

  1. 薄膜と,
    前記薄膜の第1の面に接する第1の溶液と,
    前記薄膜の第2の面に接する第2の溶液と,
    前記第1の溶液と前記第2の溶液との間の電位差が小さくなるように調整する電位差調整手段と,
    前記電位差調整手段を制御する制御部と,
    生体ポリマを前記第1の溶液と前記第2の溶液の少なくともどちらかに導入する生体ポリマ導入口と,
    前記第1の溶液に設けられる第1の電極と,
    前記第2の溶液に設けられる第2の電極と,
    前記薄膜に開けられた孔を前記第1の溶液と前記第2の溶液との間で前記生体ポリマが通過することにより,前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流を計測する電流計とを有することを特徴とする生体ポリマ分析装置。
  2. 前記電位差調整手段は,前記第1の溶液と前記第2の溶液とをつなぐ流路であって,少なくとも前記第1の溶液が前記第1の面に接し前記第2の溶液が前記第2の面に接した状態になるまでは前記流路を開の状態にしておくことを特徴とする請求項1に記載の生体ポリマ分析装置。
  3. 前記流路は開閉手段を有し,前記制御部は,少なくとも前記第1の溶液が前記第1の面に接し前記第2の溶液が前記第2の面に接した状態になるまでは前記開閉手段を開の状態にしておくことを特徴とする請求項2に記載の生体ポリマ分析装置。
  4. 前記電位差調整手段は,前記第1の電極が前記第1の溶液に設けられ,前記第2の電極が前記第2の溶液に設けられた状態になるまでは前記開閉手段を開の状態にしておくことを特徴とする請求項3に記載の生体ポリマ分析装置。
  5. 前記流路は開閉手段を有し,前記制御部は,少なくとも第3の溶液が導入されている状態又は前記生体ポリマ導入口から前記生体ポリマが導入されている状態においては前記開閉手段を開の状態にしておき、前記生体ポリマが前記薄膜に開けられた孔を通過することによる電流を計測するときには閉の状態にしておくことを特徴とする請求項2に記載の生体ポリマ分析装置。
  6. 前記電位差調整手段は、前記第1の溶液と前記第2の溶液とに設けた電極をつなぐ導電性の配線であることを特徴とする請求項1に記載の生体ポリマ分析装置。
  7. 前記制御部は、少なくとも前記第1の溶液が前記第1の面に接し前記第2の溶液が前記第2の面に接した状態になるまでは前記配線をつないだ状態にしておくことを特徴とする請求項1に記載の生体ポリマ分析装置。
  8. 前記配線は、前記第1の電極と前記第2の電極とをつなぐ配線であって切り替えスイッチを有し、前記制御部は、前記生体ポリマが前記薄膜に開けられた孔を通過することによる電流を計測するときには前記スイッチを開の状態にすることを特徴とする前記請求項7に記載の生体ポリマ分析装置。
  9. 前記制御部は,少なくとも前記生体ポリマ導入口から前記生体ポリマが導入されている状態においては前記配線をつないだ状態にしておき、前記生体ポリマが前記薄膜に開けられた孔を通過することによる電流を計測するときにはつながれていない状態にしておくことを特徴とする請求項7に記載の生体ポリマ分析装置。
  10. 前記薄膜は、前記生体ポリマを複数個別に測定可能な領域を有しており、前記第2の電極は前記領域に対応した複数の電極を備えた部材を有し、前記制御部は、前記部材を駆動させて前記第2の溶液をそれぞれの測定領域に保持した状態にした後、前記流路を閉の状態にすることを特徴とする請求項2に記載の生体ポリマ分析装置。
  11. 前記薄膜は、前記生体ポリマを複数個別に測定可能な領域を有しており、前記第2の電極は前記領域に対応した複数の電極を備えた部材を有し、前記制御部は、前記部材を駆動させて前記第2の溶液をそれぞれの測定領域に保持した状態にした後、前記配線が繋がれていない状態にすることを特徴とする請求項7に記載の生体ポリマ分析装置。
  12. 薄膜と,前記薄膜の第1の面に接する第1の溶液と,前記薄膜の第2の面に接する第2の溶液と,生体ポリマを前記第1の溶液と前記第2の溶液の少なくともどちらかに導入する生体ポリマ導入口と,前記第1の溶液に設けられる第1の電極と,前記第2の溶液に設けられる第2の電極と,前記薄膜に開けられた孔を前記第1の溶液と前記第2の溶液との間で前記生体ポリマが通過することにより,前記第1の電極と前記第2の電極との間を流れる電流を計測する電流計とを用いた生体ポリマの分析方法であって、
    少なくとも、(1)前記第1の溶液が前記第1の面に接し前記第2の溶液が前記第2の面に接した状態になるまで、(2)前記第1の電極が前記第1の溶液に設けられ,前記第2の電極が前記第2の溶液に設けられた状態になるまで、(3)第3の溶液又は前記生体ポリマが導入されている状態のいずれかにおいて、前記第1の溶液と前記第2の溶液との間の電位差が小さくなるように調整することを特徴とする生体ポリマの分析方法。
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