JP2014190891A - ナノポア式分析装置の電圧印加システム - Google Patents

ナノポア式分析装置の電圧印加システム Download PDF

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Abstract

【課題】従来の電界効果トランジスタ付きナノポア式分析装置では、試料をナノポアに通す電位差がチャンネル電流を制御するゲート電圧としても作用する。さらに小型化すると、チャンネル電流が流れ難くなるため、より大きなゲート電圧が必要だが、試料のナノポア通過速度も大きくなり、検出が難しい。また、チャンネルからのリーク電流も増加する。
【解決手段】試料をナノポアに通す電位差を一定に保ちながら、チャンネル電流が制御できるよう、可変の電位設定ができる微小電流用電流計を追加する。また、ソースとドレインの電流を読取り、チャンネル電流のリークを検出する。
【選択図】図13

Description

本発明は、ナノポア式分析装置の電圧印加システムに関する。例えば、DNA、蛋白質などの試料をナノメートルサイズの細孔(以下、ナノポア)に通し、ナノポア近傍の電界効果トランジスタで、検出・分析する装置に関し、電界効果トランジスタのソースとドレインと、試料をナノポアに電気泳動で通すために作用しゲートとしても作用するシス電極とトランス電極の4電極に印加する電位に関する。
ナノポアと呼ばれる、ナノメートルサイズの細孔を用いて、DNAや蛋白質などの高分子ポリマーを分析する方法の開発が進められている。ナノポアを開けることは、技術的に難しかったが、初めに、バイオ分野において、脂質2重膜にイオンチャネルを導入することで実現された。(非特許文献1:Kasianowicz J.J.; Brandin E.;Branton D.;Deamer D.W.:Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1996, 93, 13770-13773)また、ナノポアを使った測定方法も、生体のイオンチャネル計測に用いられるパッチクランプ法に準じた方法がとられた。次に、半導体プロセスを利用してナノポアを開けることが試みられ、イオンビームによる方法(非特許文献2:Li J.; D.Stein; C.McMullan; D.Branton; M.J.Aziz; J.A. Golovchenko J. A.)や電子線による方法(非特許文献3:Storm A.J.; J.H.Chen; X.S.Ling; H.Zandbergen; C.Dekker 2003, Nat. Mater. 2, 537540)が開発されてきた。
ナノポアが作成できるにつれ、ナノポアを使ったDNAや蛋白質などの高分子を分析する方法が開発された。ナノポア式の分析で必要な主要技術は、以下の2つである。
1.検出技術:高分子がナノポアを通る際の物理的変化を検出
2.移動制御技術:高分子を移動させ、ナノポアを通す
検出技術には、封鎖電流方式、トンネル電流方式、キャパシタンス方式、電界効果トランジスタ方式がある。
封鎖電流方式とは、高分子がナノポアの開口部を部分的に封鎖することによる影響を検出する方式である。(非特許文献4:D.Fologea; M.Gershow; B.Ledden;D.S.McNabb;J.A.Golovchenko;J.Li; Nano Lett 2005, 5, 10, 1905)具体的な構造としては、ナノポアを有する膜によって空間を2つに分離し、それぞれの空間にイオンを含む液体を充填し、且つ、電極を配置する。電極に一定の電圧を印加すると、イオンがナノポアを通って移動し、電流が流れる(イオン電流)。帯電した高分子が存在する場合、その高分子も電位差により、片側へ引き寄せられ、ナノポアを通る。その際、ナノポアの開口部が部分的に封鎖されるので、イオンが流れ難くなりイオン電流の大きさが低下する。この電流値低下を検出することにより、高分子の存在や成分を分析する方法である。イオンの流れにくさは、開口面積に加え、高分子の荷電状態やナノポア壁面との相互作用からの影響を受ける。
トンネル電流方式とは、高分子がナノポアを通過する際、ナノポア近辺に設けられたトンネル電流用電極と高分子とのわずかな隙間にトンネル電流が流れ、それを検出することで、高分子の存在や成分を分析する方法である。(非特許文献5:M.Zwolak;M.D.Ventra;Nano Lett 2005, 5, 3, 421)(非特許文献6:M.Taniguchi; M.Tsutsui; K.Yokota;T.Kawai: Appl Phys Lett 95, 123701(2009))
キャパシタンス方式とは、高分子がナノポアを通過する際、ナノポアが部分的に封鎖されるため、ナノポアを有する膜のキャパシタが変化し、それを検出することで、高分子の存在や成分を分析する方法である。(非特許文献7:G.Sigalov; J.Comer; G.Timp; A.Aksimentiev: Nano Lett 2008, 8, 1, 56)
電界効果トランジスタ方式としては、ナノポア近傍に電界効果トランジスタを配置し、高分子がナノポアを通過する際に、ナノポア内やその近傍に生じる電界の変化を検出する方法である。(非特許文献8:P.Xie1; Q.Xiong; Y.Fang; Q.Qing; C.M.Lieber: Nature Nanotech. 7, 119-125 (2012)、特許文献1:US2011/0279125A1)
移動制御技術には、電位差移動方式、酵素移動方式、力学的移動方式がある。
電位差移動方式とは、上記、封鎖電流方式で出てきたように、ナノポアを有する膜によって分離された2つの空間に電極を配置し、電極に電圧を印加することで、帯電した高分子を電場の勾配にしたがって移動させる方法であり、利点として、単純な構造で実現可能である、高分子に余分な付加がかからないなどが挙げられる。
酵素移動方式とは、ナノポア近辺に酵素を配置し、高分子と酵素の反応を利用して高分子を移動させる方法である。例えば、高分子が1本鎖DNAの場合、DNAポリメラーゼをナノポア近辺に配置し、2本鎖合成反応を起こさせることで、一塩基ずつDNAを動かす方法がある。
力学的移動方式とは、高分子をビーズに固定し、ビーズを光ピンセットで移動させることで、高分子の移動を実現する方式である。
従って、検出技術と移動制御技術を組み合わせ、ナノポアを用いた高分子試料の分析が実現される。検出技術と移動制御技術は、相互に関連して機能する場合が多い。例えば、ナノポアを用いて初めて高分子が検出されたのは、検出技術として封鎖電流方式を用い、移動制御技術として電位差移動方式を用いた方法であった。この方法では、ナノポアの両端に生じる電位差が、試料を検出するためのイオン電流として作用し、且つ、試料を移動するための電気泳動力として作用する。
US2011/0279125
Kasianowicz J.J.; Brandin E.;Branton D.;Deamer D.W.:Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1996, 93, 13770-13773 Li J.; D.Stein; C.McMullan; D.Branton; M.J.Aziz; J.A. Golovchenko J. A. Storm A.J.; J.H.Chen; X.S.Ling; H.Zandbergen; C.Dekker 2003, Nat. Mater. 2, 537540 D.Fologea; M.Gershow; B.Ledden;D.S.McNabb;J.A.Golovchenko;J.Li; Nano Lett 2005, 5, 10, 1905 M.Zwolak;M.D.Ventra;Nano Lett 2005, 5, 3, 421 M.Taniguchi; M.Tsutsui; K.Yokota;T.Kawai: Appl Phys Lett 95, 123701(2009) G.Sigalov; J.Comer; G.Timp; A.Aksimentiev: Nano Lett 2008, 8, 1, 56 P.Xie1; Q.Xiong; Y.Fang; Q.Qing; C.M.Lieber: Nature Nanotech. 7, 119-125 (2012)
検出技術として電界効果トランジスタ方式を用い、移動制御技術として電位差移動方式を用いた場合、溶液を介してナノポアに印加する電位差が、電界効果トランジスタのゲート電圧として作用し、且つ、試料を移動するための電気泳動力として作用する。そして、電位差を大きくすると、ゲート電圧の効果が大きくなり、チャンネル電流は増加し、シグナルとノイズの比(SN比)が増加し、検出感度が向上する。しかし、反面、試料がナノポアを通過する速度が大きくなりすぎ、試料が高分子の場合、その分子ごとの成分を検出することが難しくなり、検出の空間分解能が低下する。つまり、溶液を介してナノポアに印加する電位差において、「検出感度と空間分解能にトレードオフの関係」がある。さらに、速度が大きいすぎると試料によりナノポアが詰まる可能性も高まる。
以下、例を示して詳述する。図1に従来方式におけるナノポア基板、及び、ナノポア基板を配置するチャンバの構成を示す。チャンバ101は、ナノポア102を有するナノポア基板103を隔てて2つの密封された空間104と105で構成され、液体106、107で満たされている。液体106と107は電荷の担い手となる多量の電解質108を含む水溶液であり、さらに、液体106には、分析対象となる少量の試料109を含む。ナノポアの両側に配置されたシス電極110とトランス電極111に電位差を与えると、電解質108と電荷を持った試料109はナノポア102を通って移動する。シス電極110は、安定な電位を実現するために接地112で0Vに接続されており、トランス電極111は、トランス電圧源113により電位が設定され、ナノポアの両開口部に電位差が与えられている。試料109がナノポア102内に存在する場合と存在しない場合の電流値の変化をシス側電流計114で計測し、試料109の成分を分析する。
ナノポア102の近傍にはソース115とドレイン116との間にチャネル117を有した電界効果トランジスタ118が配置され、ソース115が接地された一般的なソース接地回路が形成されている。シス電極110とトランス電極111の電位差によって生じるチャンネル117近傍の電位とチャンネル117の電位との差がゲート電圧として作用し、ドレイン116にドレイン電圧源119を用いて電位を設定することで、ソース115からチャンネル116を通ってドレイン115へ電流が流れる(以下、チャンネル電流)(非特許文献8:P.Xie1; Q.Xiong; Y.Fang; Q.Qing; C.M.Lieber: Nature Nanotech. 7, 119-125 (2012))。
電界効果トランジスタ118による試料109の成分分析は、以下のように行う。電荷を持った試料109がナノポア102を通過する際、チャンネル222近傍の電界が変化し、それに伴ったチャンネル電流の変化量をソース電流計120で検出する。変化量は試料の成分毎に異なるので、試料109の分析が可能となる。
一般的には、試料が高分子、例えば、DNAなどの複数の塩基が連なり鎖状構造となっている場合、その塩基ひとつひとつの種類を識別する必要があり、試料を検出するセンサ部には、塩基の種類を識別する検出感度と、隣り合う塩基同士を分けて検出する空間分解能が必要となる。
従来方式では、以下の課題が生じることが分かった。1本鎖DNAや2本鎖DNAを検出する場合、塩基と塩基の間隔は0.3nm〜0.7nm程度のため、非常に高い空間分解能が必要であり、センサ部を小型化しなければならない。しかし、電界効果トランジスタ118では、センサ部であるチャンネル117を小型化すると、チャンネル電流が流れ難くなる。そこで、検出に十分なSN比のチャンネル電流を流すには、ゲート電圧を大きくする必要がある。従来方式では、電界効果トランジスタ118がN型の場合、トランス電極114の電位をチャンネル117の電位よりも大きく、P型の場合、トランス電極114の電位をチャンネル117の電位よりも小さくし、溶液107を介してゲート電圧を印加していた。
通常の電界効果トランジスタであれば、ゲート電圧を大きくし、チャンネル電流を確保することは問題ない。しかし、従来方式のデバイスでは、ゲート電圧を制御するトランス電極は、シス電極113と間の電位差を利用してナノポア102に試料109を通すという別の機能を備えているため、以下の課題が生じた。トランス電極114の電位を大きく(N型)、あるいは、小さく(P型)すると、ナノポア102に試料109を通過させる駆動力となっているシス電極113とトランス電極114の間の電位差も大きくなり、試料109がナノポア102を通過する速度が非常に大きくなり、検出が困難となる点である。つまり、図1の構成では、トランス電極114の電位は、チャンネル電流を大きくし検出感度を向上する機能と、試料109のナノポア通過速度を制御して空間分解能を維持する機能のトレードオフを考慮して設定しなければならない。
本課題への一般的な対策としては、試料109のナノポア通過速度が増加したら、検出のサンプリング速度を上げて対応することが考えられる。しかし、実際には実現は難しい。なぜならば、チャンネル電流は数pA〜数μAであり、増幅度の大きい増幅器で増幅しなければ検出できないが、一般的に増幅度が大きくなると、速い応答には追従できなくなるためである。
次に述べる別の課題が生じることも分かった。通常は、シス電極113とトランス電極114の間にナノポア102を介して流れるイオン電流と、電界効果トランジスタ118を流れるチャンネル電流は、絶縁層121と122で絶縁されている。しかし、従来方式の構成では、絶縁が破壊される可能性が高くなる。なぜなら、電界効果トランジスタ118を小型化した場合、チャンネル電流が流れ難くなるので、トランス電極111の電位を変えてゲート電圧を印加し、チャンネル電流を確保する方法がとられるが、トランス電極111とソース115の間の電位差が大きくなり、電流が漏洩する可能性があった。電流が漏洩すると正確な計測が困難となる。
従来方式の課題をまとめる。電極114とチャンネルの電位差を大きくした場合、第1の課題として、検出感度と空間分解能にトレードオフの関係がある点、第2の課題として、漏洩電流が発生し検出精度が低下する点が、挙げられる。
第1の課題に対する解決策として、シス電極とトランス電極の電位差を一定に保ち、且つ、シス電極とトランス電極の電位を同時に同量だけ変更、あるいは、ソース側とドレイン側の電位を同時に同量変更する。
第2の課題に対する解決策として、ソースとドレインに流れる電流をそれぞれ検出し、ドレイン側からチャンネルを介してソース側に確実に電流が流れ、電流の漏洩がないことを確認する。電流の漏洩がある場合、その電界効果トランジスタは故障と判断し、使用しない。
さらに、上記、第1と第2の課題の解決策を組み合わせ、両方の課題を同時に解決する。
本発明により、ナノポア近傍の電界効果トランジスタにおける、検出感度の向上と検出の空間分解能の向上が両立でき、電界効果トランジスタを小型化でき、小さい試料を高精度に分析することが可能である。
また、電界効果トランジスタのチャンネルに確実に電流が流れていることが検知でき、検出性能の品質を確保できる。
従来方式の電界効果トランジスタ付きナノポア式分析装置を示す図である。 実施例の電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、シス電極とトランス電極の電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計、電圧源の接続関係を示す図である。 実施例の電界効果トランジスタにおけるゲート電圧とチャンネル電流の関係を示す図である。 実施例の電流計を示す図である。 実施例における並列化した電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、シス電極とトランス電極の電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計と電圧源の接続関係を示した図である。 実施例における並列化した電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、シス電極とトランス電極の電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計と電圧源の接続関係を示した図である。 実施例の電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、ソースとドレインの電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計、電圧源の接続関係を示す図である。 実施例における並列化した電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、ソースとドレインの電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計と電圧源の接続関係を示した図である。 実施例における並列化した電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、ソースとドレインの電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計と電圧源の接続関係を示した図である。 実施例における並列化した電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、ソースとドレインの電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計と電圧源の接続関係を示した図である。 実施例の電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、チャンネル電流のリーク確認をする場合の、電流計、電圧源の接続関係を示す図である。 実施例のチャンネルのリーク電流を確認する手順を示した図である。 実施例の電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、チャンネル電流のリーク確認をする場合の、電流計、電圧源の接続関係を示す図である。 実施例のチャンネルのリーク電流を確認する手順を示した図である。 実施例のチャンネルのリーク電流を確認するシステム構成を示した図である。 実施例のチャンネルのリーク電流を確認するシステム構成を示した図である。 実施例のコントロールゲートを有する電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、シス電極とトランス電極の電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計、電圧源の接続関係を示す図である。 実施例のコントロールゲートを有する電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、ソースとドレインの電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計、電圧源の接続関係を示す図である。 実施例の並列化したコントロールゲートを有する電界効果トランジスタ付きナノポアにおいて、ソースとドレインの電位でチャンネル電流を制御する場合の、電流計、電圧源の接続関係を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例の詳細を説明する。
第1の課題である「検出感度と空間分解能のトレードオフ」を解決するための本発明の一実施例を次に示す。
図2に本実施例のナノポア基板、及び、ナノポア基板を配置するチャンバの構成を示す。チャンバ201は、ナノポア202を有するナノポア基板203で隔てられた2つの密封空間204と205で構成され、液体206、207で満される。液体206は、電荷の担い手となる多量の電解質208を含んだ水溶液と、分析対象となる少量の試料209で構成され、液体207は、電解質208を含む水溶液で構成される。電解質212としては、濃度が1mM〜1Mの塩化カリウム水溶液など、電離しやすいものを用いる。試料209は、水溶液中で電荷を有するものを用いる。例えば、負電荷を有するシングルストランドDNAやダブルストランドDNAなどの高分子が挙げられる。試料209が安定的に水溶液中に存在できるよう、緩衝液を加える。例えば、Tris/Tris-HCl(10 mM)+EDTA(1mM)などが用いられる。シングルストランドDNAの場合、自身の塩基同士でのハイブリダイゼーションを防ぐため、ウレアなどの変性剤を入れる。
電荷を有する試料209は電気泳動により空間204から空間205へナノポア202を通って移動する。電気泳動を行うために、両側の空間204と205にシス電極210、トランス電極211を配置し、両電極に電位差を与える。シス電極210やトランス電極211は、銀塩化銀電極、白金電極などを用いる。試料209が負電荷を有する場合、シス電極210の電位をトランス電極211の電位より小さく、正電荷を有する場合、シス電極210の電位をトランス電極211の電位より大きくする。典型的には、試料が1,000塩基からなるシングルストランドDNAの場合、0.1Vの電位差を印加すると、ナノポア202を約1msで通過する。1塩基あたりでは1μsの通過速度となる。電位差にほぼ比例して、試料がナノポアを通過する速度が増加するので、電位差が大きすぎると、速度が大きすぎて検出が困難になる。逆に、電位差が小さすぎると、熱による振動や拡散によるエントロピーの影響から、試料209はナノポア202に入ることができない。
シス電極210とトランス電極211に、シス側電圧源212とトランス側電圧源213を接続し、接地214に対する電位を与える。シス側電圧源212とトランス側電圧源213は可変の直流電圧源である。直流電圧源には、電池、あるいは、交流電圧を整流し、レギュレータで安定化させた構造のものを用いる。
シス電極210には、ナノポア202を通過する電解質による電流(イオン電流)を計測するためのシス側電流計215を接続する。イオン電流を計測するための電流計は、シス電極210ではなく、トランス電極211に設置してもよく、シス電極210とトランス電極211の両方にそれぞれ設置してもよい。イオン電流の値は、数百pAから数十nAなので、電流を計測するには低ノイズのプリアンプが必要であり、電流電圧変換型の増幅器を用いる。試料の検出は後述する電界効果トランジスタで主に行うが、シス側電流計215でも、イオン電流の変化から試料を検出し、同時計測で、検出の信頼性を高める。また、ナノポア202が詰まりは、イオン電流の方が検知しやすい。
ナノポア基板203の構成を次に説明する。シリコン基板216上に、20〜40nmの絶縁層217、電界効果トランジスタ218、20〜40nmの絶縁層219を積層する。絶縁層の材料としては、酸化シリコンや窒化シリコンが用いられ、あるいは、その両方を積層した構造である。溶液206や207に接する面は、水素イオンなどの透過を防ぐため、高密度の窒化シリコンであることが望ましい。電界効果トランジスタ218は、ナノポア基板203の面上にソース220とドレイン221、チャンネル222を有し、ソース220とドレイン221はチャンネル222に接続している。ソース220、ドレイン221、チャンネル222は、それぞれポリシリコンを積層して形成し、電流が通過できるよう、リンやボロンをドープする。リンをドープした場合は電子がキャリアとなるN型、ボロンをドープした場合は正孔がキャリアとなるP型の電界効果トランジスタとなる。チャンネル222の近傍に、ナノポア202を形成する。ナノポア202は、透過型電子顕微鏡により電子ビームを収束して形成する。あるいは、集束イオンビーム加工観察装置を用いてもよい。ナノポア202のサイズは、10nm以下とする。試料209としてシングルストランドDNAを検出する場合は、2nm程度に形成し、直径が約2.5nmのダブルストランドDNAがナノポア202を通過できないようにする。ナノポア202はチャンネル222に接する位置に形成する。あるいは、チャンネルから1nm〜30nm程度離れた位置でもよく、また、チャンネル上にナノポアを形成してもよい。
チャンネル222の厚さは、薄いほうが好ましく、10nm以下、望ましくは、2nm以下、さらに望ましくは、0.5nm程度に形成する。なぜならば、試料209の対象のひとつであるシングルストランドDNAは、種類が異なる塩基分子が0.3nm〜0.7nmの間隔で連なった高分子であり、塩基毎にその種類を識別するために、チャンネル222をFET動作が可能な範囲で限り薄くするからである。チャンネル222の幅は、一般的な半導体プロセスで形成可能な、22nm〜50nm程度で作成する。あるいは、チャンネル222は、シリコンナノワイヤ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどで形成してもよい。
ドレイン221にドレイン電圧源223を接続し、ソース220との間に電位差を与え、ソース220に接続したソース電流計224を用い、ドレイン221からチャンネル222を通ってソース220に流れ込むチャンネル電流を計測する。試料209がナノポア202を通る際、ナノポア202内の電界変化がチャンネル222に影響しチャンネル電流が変化する。電界変化の原因は、試料209が有する電荷の影響、あるいは、試料209が入ったナノポア202の有効断面積の変化による影響である。試料209の成分によって電界の変化量は異なり、それに伴うチャンネル電流の変化量も異なるので、そのチャンネル電流の変化量をソース電流計224で検出することで、試料209の成分を識別することができる。チャンネル電流を計測する電流計はソース220ではなくドレイン221に接続されていてもよく、ソース220とドレイン221の両側にあってもよい。
ドレイン電圧源223は可変の直流電圧源を用いる。電圧源には、電池、あるいは、交流電圧を整流してレギュレータで安定化する構造のものを用い、抵抗の分圧や可変抵抗で可変の電圧を出力する。チャンネル電流の値は、数十pAから数十μAなので、ソース電流計224には低ノイズのプリアンプが必要であり、電流電圧変換型の増幅器を用いる。
試料209を電気泳動するために配置したシス電極210やトランス電極211が印加する電圧は、電界効果トランジスタ218へのゲート電圧としても作用する。シス電極210やトランス電極211と、チャンネル222との間で電位差を与えるとチャンネル周辺に電界が生じ、チャンネル222に電子や正孔が流れ込みやすくなり、チャンネル電流が制御できる。シス電極210とトランス電極211の電位によってナノポアに生じるチャンネル222の近傍の電位は、凡そ、シス電極210とトランス電極211の電位の中点である。チャンネル222の近傍の電位は、両空間204と205を満たす溶液206と207の電解質の濃度に依存するので、若干、中点から外れることもありうる。また、チャンネル222の電位は、凡そ、ドレイン221とソース220の電位の中点である。そして、チャンネル222の近傍の電位とチャンネル222の電位との電位差がゲート電圧となる。したがって、チャンネル222の近傍の電位をシス電極210とトランス電極211の電位で制御することで、チャンネル電流を制御できる。本実施例の図2では、シス電極210とトランス電極211は両方とも可変であるので、シス電極210とトランス211電極の電位差を一定に保って試料209がナノポア202を通過する速度を一定にしつつ、シス電極210とトランス211電極の電位を同量だけ変え、チャンネル222の電位との電位差を制御することで、チャンネル電流を制御することが可能である。
次に、各電極の電位に関する具体例を示す。チャンネルはN型で説明する。シス電圧源212の電位Vcisを1V、トランス電圧源213の電位Vtransを1.2V、ソースの電位Vsを0V(接地)、ドレイン電圧源223の電位Vdを0.2Vとした場合、シス電極210とトランス電極211の間に生じる電位差は、VcisとVtransの差であり、0.2Vとなり、この電位差が試料209をナノポア202に通す電気泳動の駆動力となる。また、チャンネル222の電位は、ソース220とドレイン221の電位の中間値である0.1Vとなり、チャンネル222の近傍の電位は、シス電極210とトランス電極211の電位の中間値である1.1Vとなり、1.1Vと0.1Vの差の1Vに相当するゲート電圧によって生じる電界がチャンネル222に作用する。
チャンネル222には、後述の図3で説明するようにサブスレッショルド領域の電流を流す必要があるが、デバイスには個体差があるため、ゲート電圧が1Vで適切なチャンネル電流が流れる場合もあれば、チャンネル電流が流れない場合や、チャンネル電流が流れすぎてサブスレッショルド領域を超えて飽和領域に達してしまう場合もある。
チャンネル電流が流れない場合は、VcisとVtransの電位差0.2Vを維持したまま、Vcisを1.1V、Vtransを1.3Vとすることで、ゲート電圧を+0.1V増加した1.1Vにでき、N型のチャンネルに電流がより流れやすい状態にできる。それでも流れない場合は、同様に、VcisとVtransの電位差0.2Vを維持したまま、それぞれの電位を同量だけ上げていけばよい。
電流がサブスレッショルド領域を超えている場合は、同様に、VcisとVtransの電位差0.2Vを維持したまま、それぞれの電位を同量だけ下げていけばよい。
VcisとVtransの電位差は、0.2V〜0.5Vが適当な値である。電位差がより大きいと、試料209がナノポア202を通過する速度が大きくなり、計測が難しい。また、ナノポア202が試料209で詰まる可能性も増大する。全面的に詰まった場合は、測定不可となる。部分的に詰まった状態でも、イオン電流のベースラインが不安定になり、計測が困難になる。ここでいうベースラインとは、試料209がナノポア202を通過していないときのイオン電流を意味する。
逆に、電位差が小さすぎると、試料209がナノポア202を通過することができない。そのため、VcisとVtransの電位差の範囲は限定される。
また、補足として、シス側の溶液206とトランス側の溶液207の電解質208の濃度を等しくした場合、チャンネル222の近傍の電位は、シス電極210とトランス電極211の電位の中間値となり、濃度差をつけた場合、中間値から少しはずれる。しかし、試料209を識別は、試料209がナノポア202を通過した際のチャンネル電流の変化量で行うので、電位の中間でないことによる影響は小さい。
図2の本実施例と図1の従来方式の比較を次に述べる。従来方式では、シス電極110を接地しているので、VtransとVcisの電位差を本実施例と同様に0.2Vにするには、Vtransは電位を0.2Vにしなければならない。その場合、電位の関係は、Vcisは0V、Vtransは0.2V、Vsは0V、Vdは0.2Vとなり、ゲート電圧は0Vで電界が作用しない。
そのため、チャンネル117にサブスレッショルド領域での電流を流すため、ゲート電圧を制御する必要があるが、Vcisは接地なので、Vtransしか変える事ができない。Vtransを変えると、VtransとVcisの電位差も変化してしまい、試料109がナノポア102を通過する速度が上昇してしまう。例えば、ゲート電圧が、本実施例と同じように1VになるようにVtransを変更すると、Vtransは2.2Vしなければならない。そうすると、VtransとVcisの電位差は2.2Vとなり、試料109がナノポア102を通過する速度は11倍となる。ソース115の電位は0V、トランス電極111の電位Vtransは2.2Vであり、電位差は2.2Vになり、また、ソース115とトランス電極111の間の絶縁層121の絶縁性が壊れる可能性が高くなる。本実施例ではソース215とトランス電極211の電位差が1.2Vなので、従来方式は、約2倍大きい値となる。
本実施例では、チャンネル222がP型の場合、キャリアは正孔であるので、ゲート電圧がマイナスになるように、つまり、チャンネル222の近傍の電位が、チャンネル222の電位より小さくなるように、VcisとVtransの電位を設定する。具体的例を次に示す。Vcisを−1.2V、Vtransを−1.0V、Vsを0V、Vdを−0.2Vとした場合、シス電極210とトランス電極211の間に生じる電位差0.2Vが電気泳動の駆動力となる。また、チャンネル222の電位は、ソース215とドレイン216の電位の中間値である−0.1Vとなり、チャンネル222の近傍の電位は、シス電極210とトランス電極211の電位の中間値である−1.1Vとなり、−1.1Vと−0.1Vの差の−1Vに相当するゲート電圧によって生じる電界がチャンネル222に作用する。そして、ソース電流計224でチャンネル電流を計測し、サブスレッショルド領域の電流が流れるよう、VcisとVtransの電位差を維持したまま、同量だけ変化させ、最適化する。
本実施例では、シリコン基板216がある側の空間206に試料209を導入しシス電極210を配置し、反対側にトランス電極211を配置したが、試料209、シス電極210、トランス電極211の配置は、逆でもよい。
本実施例では、シス側電圧源212、シス側電流計215、トランス側電圧源213、ドレイン側電圧源223、ソース側電流計224をシリコン基板216上に形成してもよい。
図3に本実施例における、チャンネル電流を制御することの重要性を述べる。試料の識別は、試料がナノポア内に存在しないときと存在するときのチャンネル電流の変化量により行うが、変化前のチャンネル電流の値により識別の精度が異なってくる。図3に示すように、本実施例のデバイスは、一般的な電界効果トランジスタの特性を示し、ゲート電圧を増加すると、サブスレッショルド領域301、飽和領域302、線形領域303へと遷移する。それぞれの領域では、ゲート電圧が増加した際のチャンネル電流増加の様子が異なり、サブスレッショルド領域では指数関数的に、飽和領域では2次関数的に、線形領域では1次関数的に増加する。本実施例では、試料が有する電荷は非常に小さいため、電界の変化も非常に小さい。したがって、サブスレッショルド領域を使い、電界の変化に対し、指数関数的なチャンネル電流の変化を検出する。そのためには、試料を測定する前に、サブスレッショルド領域でチャネル電流が流れるように、ゲート電圧を制御する必要がある。個々のトランジスタは、ゲート電圧とチャンネル電流の関係が微妙に異なるので、それぞれ、ゲート電圧を制御することが望ましい。
図4に本実施例における、シス電極で、電位を変え、且つ、電流を計測するシステムの回路図を示す。
従来方式では、シス電極をグランドに接続して0Vとしていたが、本実施例では、ゲート電圧を制御するため、シス側電圧源401でシス電極402の電位も変える必要がある。さらに、従来方式と同様にシス電極に流れているイオン電流をシス側電流計402で計測する必要がある。イオン電流の計測は、シス電極402とトランス電極404のどちらか一方のみでもよい。また、両方で計測してもよい。
可変の電位Vcisを出力するシス側電圧源401は、電流電圧変換型の増幅器405におけるオペアンプ406の+端子に接続される。すると、オペアンプ406の−端子は+端子と同電位となるので、シス電極の電位は、Vcisとなる。可変の電位Vtransを出力するトランス側電源407は、トランス電極404に接続する。イオン電流は、VcisとVtransの電位差に従って、シス電極とトランス電極の間を空間の電解質水溶液409、410とナノポア411を介して流れ、増幅器405に流れ込み、フィードバック抵抗412を介して、電流から電圧に変換され、アナログ電圧として出力される。次に、増幅器から出力される電圧とアナロググランド413は、差動入力のアナログデジタル変換器(AD変換器)414により、アナログ値からデジタル値に変換され、デジタル値は、データ処理記録システム415に取り込まれる。
流れるイオン電流は数百pAから数nAであるので、抵抗値が1MΩ〜1GΩのフィードバック抵抗412を用いる。また、増幅器405は浮遊容量の影響で応答速度にばらつきが生じる可能性があるので、フィードバック抵抗412に並列にキャパシタンスを設置し、応答速度を規定してもよい。
差動入力のAD変換器414の変わりに、差動アンプや計装アンプなどを用いて入力電位差を接地からの電位に変換した後、シングルエンド入力のAD変換器でデジタル値に変換しても良い。
VtransとVcisは可変であり、シス側に試料を入れると、試料がDNAなどの負電荷を有する場合は、Vtrans>Vcisに、正の電荷を有する場合は、Vtrans<Vcisにする。さらに、VtransとVcisの電位差を維持しつつ、両方の電位を同量だけ上げ下げすることで、ゲート電圧を制御する。
また、アナロググランド413の基準電圧もVcisとし、オペアンプの正電源416と負電源417は、アナロググランド413を基準として、オペアンプ406に電力を供給する。こうすることで、オペアンプ406は、正電源と負電源で供給される電力をフルに活用でき、出力のダイナミックレンジは電源による制限を最小限にできる。
図4の実施例で使用する増幅器405、及び、AD変換器414には、応答速度に制限があり、試料がナノポアを通過する速度に対して、十分であるかを検討する必要がある。
例えば、図2の具体例で示したように、シス電極とトランス電極の電位差が0.2Vの場合、負電荷を有する長さ1kbpのダブルストランドDNAは、直径5〜10nmのナノポアを約0.5msで通過し、1塩基あたり0.5μsの速度になる。AD変換器414には、サンプリング速度の仕様があり、1塩基あたり、20点のサンプリングをする場合、サンプリング速度が40MHz以上のものを用いる。増幅器412にも応答速度に制限がある。DNAがナノポアを通過する際のイオン電流の変化量は、数十pA〜数百pAであり、その微小な電流変化を増幅し、数mVで検出するには、108[V/I]程度の増幅を必要とする。しかし、高増幅の増幅器は、応答速度に限界があり、一般的に108[V/I]の増幅度では、数MHz〜100MHz程度のカットオフ周波数となる。CR回路の場合、応答速度を示すライズタイムをtr、カットオフ周波数をfcとすると、tr=0.35/fcの関係があるので、応答速度trは、fc=10MHzの時に0.035μs、fc=100MHzの時に0.0035μsであり、0.2Vの場合の通過速度は、1塩基あたり0.5μsであるので、増幅可能である。
従来方式と本実施例の比較をする。従来方式では、試料がナノポアを通過する速度はさらに速い。例えば、ゲート電圧1Vを印加するには、シス電極とトランス電極の電位差が2.2Vになる。本実施例で具体例を示した0.2Vの凡そ11倍である。その場合のDNAのナノポア通過速度は、1塩基あたり0.045μsの速度になる。必要なサンプリング速度は440MHzと非常に高速になり、108[V/I]の増幅器では、応答速度が0.0035〜0.035μsなので、増幅も難しくなってくる。
そのため、本実施例であるシス電極とトランス電極の両方の電位を変え、シス電極とトランス電極の間の電位差を維持しつつ、ゲート電圧を制御できる方法が、非常に重要となってくる。
図4に示すシス電極に接続された電圧源と電流計を有するシステムは、後述のソースやドレインの電位を制御し、ゲート電圧を印加する方法において電圧源と電流計が両方ともに必要な場合にも同様に使用される。
図5に別の本実施例として、図2の電界効果トランジスタを2個以上配置した例を示す。各電界効果トランジスタは絶縁部501で絶縁する。絶縁部の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、あるいは、酸化シリコンと窒化シリコンが積層した構造とし、水溶液と接する面は、高密度の窒化シリコンを用いる。1個の電界効果トランジスタに、一組のシス電極502とトランス電極503を設け、ゲート電圧を変え、チャンネル電流を制御する。半導体プロセスで、ナノポア基板上にシス電極とトランス電極を形成してもよい。
図6に別の本実施例として、図2の電界効果トランジスタを2個以上配置し、且つ、シス電極とトランス電極が1組の例を示す。各電界効果トランジスタは絶縁部601で絶縁する。絶縁部の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、あるいは、酸化シリコンと窒化シリコンが積層した構造とし、水溶液と接する面は、高密度の窒化シリコンを用いる。1組のみのシス電極602とトランス電極603を設け、2個以上の電界効果トランジスタのゲート電圧を変え、チャンネル電流を制御する。各電界効果トランジスタの性能にばらつきが少ない場合、本方式は、簡便に全部のチャンネル電流を制御できる方式である。
図7に本実施例の別の形態を示す。図2では、シス電極210とトランス電極211の電位をチャンネル222の電位に対して可変とし、ゲート電圧をチャンネル222に与える方法であったが、図6では、シス電極210とトランス電極211の電位を固定し、チャンネル222の近傍の電位は変えず、ソース215とドレイン216の電位を可変としてチャンネル222の電位を変え、ゲート電圧をチャンネルに与える。本実施例では、図2と同様に、チャンバ201は、ナノポア202を有するナノポア基板203、2つの密封空間204と205、満たされる液体206、207、試料209、シス電極210、トランス電極211、ナノポア基板203の面上形成する電界効果トランジスタ218、及び、ソース220とドレイン221、チャンネル222で構成する。また、図2と同様に、シス電極210はシス側電流計215、トランス電極211にはトランス側電圧源213、ソース220にはソース電流計224、ドレイン221にはドレイン電圧源223を接続する。図2と異なる点は、シス電極210には電圧源を接続せず、接地214に接続し電位を0Vとする。また、ソース220にはソース電圧源701を追加する。そして、シス電極210とトランス電極211の電位差を一定に保ちつつ、ソース220とドレイン221の電位を変え、ゲート電圧をチャンネル222に与える。この場合、ソース220とドレイン221の電位の変化量は、同量でも良いが、異なっても良い。
本実施例では、チャンネルがN型の場合、キャリアは電子であるので、ゲート電圧がプラスになるように、つまり、チャンネル222の近傍の電位が、チャンネル222の電位より大きくなるように、VsとVdの電位を設定する。具体的例を次に示す。Vcisを0V、Vtransを0.2V、Vsを−0.8V、Vdを−1Vとした場合、シス電極210とトランス電極211の間に生じる電位差0.2Vが試料をナノポア202に通す電気泳動の駆動力となる。また、チャンネル222の電位は、ソース215とドレイン216の電位の中間値である−0.9Vとなり、チャンネル222の近傍の電位は、シス電極210とトランス電極211の電位の中間値である0.1Vとなり、0.1Vと−0.9Vの差の+1Vがゲート電圧となり電界がチャンネル222に作用する。そして、ソース電流計224でチャンネル電流を計測し、サブスレッショルド領域の電流が流れるよう、VsとVdを同量変化させ、あるいは異なる量だけ変化させ、最適化する。
本実施例では、チャンネル222がP型の場合、キャリアは正孔であるので、ゲート電圧がマイナスになるように、つまり、チャンネル222の近傍の電位が、チャンネル222の電位より小さくなるように、VsとVdの電位を設定する。具体的例を次に示す。Vcisを0V、Vtransを0.2V、Vsを1.0V、Vdを1.2Vとした場合、シス電極210とトランス電極211の間に生じる電位差0.2Vが試料209をナノポア202に通す電気泳動の駆動力となる。また、チャンネル222の電位は、ソース215とドレイン216の電位の中間値である1.1Vとなり、チャンネル222の近傍の電位は、シス電極210とトランス電極211の電位の中間値である0.1Vとなり、0.1Vと1.1Vの差の−1Vがゲート電圧となり電界がチャンネル222に作用する。そして、ソース電流計224でチャンネル電流を計測し、サブスレッショルド領域の電流が流れるよう、VsとVdを同量変化させ、あるいは異なる量だけ変化させ、最適化する。
本実施例では、シリコン基板216のある空間206の側に試料209を導入しシス電極210を配置し、反対側にトランス電極211を配置したが、試料209、シス電極210、トランス電極211の配置は、逆でもよい。
本実施例では、シス側電流計215、トランス側電圧源213、ドレイン側電圧源223、ソース側電流計224、ソース側電圧源701をシリコン基板216上に形成してもよい。
図8に別の本実施例として、図7の電界効果トランジスタを2個以上配置した例を示す。各電界効果トランジスタは絶縁部801で絶縁する。絶縁部の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、あるいは、酸化シリコンと窒化シリコンが積層した構造とし、水溶液と接する面は、高密度の窒化シリコンを用いる。1個のナノポア及び電界効果トランジスタ802に、一組のシス電極803とトランス電極804を設け、ソース805とドレイン806の電位を変えて、チャンネル電流を制御する。半導体プロセスで、ナノポア基板上にシス電極とトランス電極を形成してもよい。
図9に別の本実施例として、図7の電界効果トランジスタを2個以上配置した例を示す。各電界効果トランジスタは絶縁部901で絶縁する。絶縁部の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、あるいは、酸化シリコンと窒化シリコンが積層した構造とし、水溶液と接する面は、高密度の窒化シリコンを用いる。各電界効果トランジスタに、それぞれトランス電極902を設け、1個のみのシス電極903を設ける。ソース904とドレイン905の電位を変えて、チャンネル電流を制御する。ナノポア906の直径のばらつきが小さい場合、トランス電極902には、それぞれトランス電圧源907とトランス電流計908を1個ずつ設置し、イオン電流を制御する。トランス電圧源907とトランス電流計908は、図4の構成と同様である。半導体プロセスで、ナノポア基板上にシス電極とトランス電極を形成してもよい。
図10に別の本実施例として、図7の電界効果トランジスタを2個以上配置し、且つ、シス電極とトランス電極が1組の例を示す。各電界効果トランジスタは絶縁部1003で絶縁する。絶縁部の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、あるいは、酸化シリコンと窒化シリコンが積層した構造とし、水溶液と接する面は、高密度の窒化シリコンを用いる。1組のみのシス電極1002とトランス電極1003を設け、2個以上の電界効果トランジスタのゲート電圧を変え、チャンネル電流を制御する。各電界効果トランジスタの性能にばらつきが少ない場合、本方式は、簡便に全部のチャンネル電流を制御できる方式である。各チャンネル電流の制御は、各電界効果トランジスタのソース1004とドレイン1005の電位を変更して行う。試料が各ナノポアを通過する際、シス側電流計1006では、すべてのナノポア1007で生じる電流変化の合計値が計測される。この場合、試料がどのナノポアを通過したかをシス側電流計1006で確認することはできない。そのため、各電界効果トランジスタのチャンネル電流変化と組み合わせて使用する。
次に、課題2の課題である「漏洩電流の発生による検出精度の低下」を解決する本発明の一実施例を示す。なお、本実施例は、課題1を同時に解決する構成である。電界効果トランジスタが小型化した場合、漏洩電流を完全に排除することは困難である。そのため、漏洩電流を検出し、漏洩電流が大きすぎる場合は、その電界効果トランジスタは使用しないことで、検出性能の信頼性を確保する。
図11に本実施例の形態として、図2の構成にリーク電流を検出する機能を追加した構成を示す。図2と同様に、チャンバ201は、ナノポア202を有するナノポア基板203、2つの密封空間204と205、満たされる液体206、207、試料209、シス電極210、トランス電極211、ナノポア基板203の面上形成する電界効果トランジスタ218、及び、ソース220とドレイン221、チャンネル222で構成する。また、図2と同様に、シス電極210はシス側電流計215とシス電圧源212、トランス電極211にはトランス側電圧源213、ソース220にはソース電流計224、ドレイン221にはドレイン電圧源223を接続する。図2と異なる点は、ドレイン221にドレイン電流計1101を追加した点である。
漏洩電流は、ソース電流計224とドレイン電流計1101の出力電圧を足して算出する。なぜなら、図4の電流計を使用した場合、電流が流入する時は出力電圧がマイナスに、流出する時は出力電圧がプラスになり、漏洩電流が全くなく、電流計に誤差が全くないとすると、電流がドレイン側から流出しソース側へ流入際の各電流計の出力電圧は、絶対値が同じで符号が反転した値となるからである。
図11のリーク電流検出機能付き電界効果トランジスタ2個以上を、シリコン基板面に並列して配置することも可能であり、図5や図6に示した構成にドレイン電流計1001を追加した構成になる。
図12に図11の構成でリーク電流をチェックする手順を示す。
図13に本実施例の別の構成として、図7の構成にリーク電流を検出する機能を組み込んだ構成を示す。
図7と同様に、チャンバ201は、ナノポア202を有するナノポア基板203、2つの密封空間204と205、満たされる液体206、207、試料209、シス電極210、トランス電極211、ナノポア基板203の面上形成する電界効果トランジスタ218、及び、ソース220とドレイン221、チャンネル222で構成する。また、図6と同様に、シス電極210はシス側電流計215、トランス電極211にはトランス側電圧源213、ソース220にはソース電流計224とソース電圧源601、ドレイン221にはドレイン電圧源223を接続する。図7と異なる点は、ドレイン221にドレイン電流計1301を追加した点である。
漏洩電流は、図11と同様に、ソース電流計224とドレイン電流計1301の出力電圧を足して算出する。
図13のリーク電流検出機能付き電界効果トランジスタ2個以上を、シリコン基板面に並列して配置することも可能であり、図8、図9、図10に示した構成にドレイン電流計1301を追加した構成になる。
図14に図13の構成でリーク電流をチェックする手順を示す。
図15にリーク電流検出の具体例を示す。ソース電流計1501やドレイン電流計1502は、図4の構成と同じで、電流電圧変換器と差動入力のAD変換器からなり、微小な入力電流を電流電圧変換器で読取り可能な電圧に変換し、AD変換器でデジタルデータに変換し、パーソナルコンピュータなどのデータ処理記録システム1503へ向けて出力する。データ処理記録システム1503は、デジタルデータのソース電流値とドレイン電流値を比較し、同じ程度であれば、ドレインからソースへリーク電流がなく、流れ込んでいると判断する。どちらかが大きい場合は、その差の分だけ、電界効果トランジスタの外へ漏えいしていると判断し、リーク電流が大きい場合、故障と診断する。
図16に別のリーク電流検出の方法を示す。ソース電流計1601でのみ、チャンネル電流を計測し、ドレイン電流計は用いない。電流電圧変換器1602と1603で、ソース電流とドレイン電流を、読取り可能な電圧に変換し、次段の増幅度1倍の計装アンプ1604と1605で、各アナロググランド基準の各電圧を接地基準の電圧に変換し、加算回路1606でソース電流とドレイン電流の大小関係とその差を求める。ソース電流とドレイン電流は、リークがないとき、絶対値が同じで符号が逆の電圧のため、加算回路1606で大小関係とその差が求まる。次に、ウィンドウコンパレータ1607で、入力が上側閾値電圧と下側閾値電圧の範囲内であるかを求め、その結果をデータ処理記録システム1608で処理し、故障を診断する。ソース電流とドレイン電流の大小関係とその差が閾値電圧を超える場合、リーク電流が生じていると判断する。本構成は、AD変換器を用いないので簡単な構成であり、また、データ処理記録システム1608への入力は、閾値を超えているかどうかの1ビットデータであり、システム全体への負担が少なくできるので、特に電界効果トランジスタを多数配置した際は、効果が大きい。
図17に本実施例における別の構成を示す。図11の構成に追加して、シリコン基板上の電界効果トランジスタの両サイドにコントロールゲート電極1701とバックゲート電極1702を配置し、コントロールゲート電圧源1703とバックゲート電圧源1704により、ゲート電圧を直接チャンネル222に印加し、チャンネル電流を制御する。各コントロールゲートは、絶縁層1705により、チャンネルから絶縁されている。シス電極とトランス電極によるゲート電圧印加を補助する機能を有する。
電界効果トランジスタ2個以上を並列に配置する場合、各電界効果トランジスタに対して、コントロールゲート電極とバックゲート電極を一つずつ配置する。シス電極とトランス電極は、図5、図6に示した構成と同様に設置する。
図18に本実施例における別の構成を示す。図13の構成に追加して、シリコン基板上の電界効果トランジスタの両サイドにコントロールゲート電極1801とバックゲート電極1802を配置し、コントロールゲート電圧源1803とバックゲート電圧源1804により、ゲート電圧を直接チャンネル222に印加し、チャンネル電流を制御する。各コントロールゲートは、絶縁層1805により、チャンネルから絶縁されている。ソースとドレインの電位によるゲート電圧印加を補助する機能を有する。
シリコン基板上に図17の構成を2個以上並列に配置する場合、各電界効果トランジスタに対して、コントロールゲート電極とバックゲート電極を一つずつ配置する。シス電極とトランス電極は、図8、図9、図10に示した構成と同様に設置する。
図19に本実施例における試料のナノポア通過速度を一定にしながらのチャンネル電流制御、リーク検出、両サイドのコントロールゲートを組み合わせ、電界効果トランジスタを2個以上並列に配置した構成を示す。図7の構成を基本とし、図14の手順に従い、ソース220とドレイン221の電位を変えて、チャンネル電流を制御し、リーク電流を確認する方法を用いる。チャンバ201は、2個以上のナノポア202を有するナノポア基板203、2つの密封空間204と205、満たされる液体206、207、電解質208、試料209、1個のシス電極210、2個以上のトランス電極211、ナノポア基板203の面上形成する2個以上の電界効果トランジスタ218、及び、それぞれの電界効果トランジスタ218を構成するソース220とドレイン221、チャンネル222から成り立つ。また、図18と同様に、シス電極210は接地214と接続し、トランス電極211にはトランス側電圧源213とトランス側電流計907、ソース220にはソース電流計224とソース電圧源601、ドレイン221にはドレイン電圧源223とドレイン電流計1301を接続する。電界効果トランジスタ118の両サイドにコントロールゲート電極1801とバックゲート電極1802を配置し、コントロールゲート電圧源1803とバックゲート電圧源1804により、ゲート電圧を直接チャンネル222に印加し、チャンネル電流の制御を補助する。トランス電極211は銀、銀塩化銀、白金、ボロンやリンなどをドープしたポリシリコンを半導体プロセスで堆積し、上面を酸化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコンと窒化シリコンを積層した絶縁層で覆う。本構成では、本実施例では、トランス側電圧源213、トランス側電流計907、ドレイン側電圧源223、ドレイン側電流計1301、ソース側電圧源701、ソース側電流計224、コントロールゲート電圧源1803、バックゲート電圧源1804をシリコン基板216上に形成してもよい。
複数の電極、複数のチャンバ、複数のナノポア、複数の電界効果トランジスタとは、各要素が1次元あるいは2次元的に複数配置された構造を示す。図示では、各要素が2個で表示されているが、本実施例を限定するものではない。
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に容易に理解されよう。
101…チャンバ、102…ナノポア、103…ナノポア基板、104…空間、105…空間、106…液体、107…液体、108…電解質、109…試料、110…シス電極、111…トランス電極、112…接地、113…トランス側電圧源、114…シス側電流計、115…ソース、116…ドレイン、117…チャンネル、118…電界効果トランジスタ、119…ドレイン側電圧源、120…ソース側電流計、121…絶縁層、122…絶縁層、201…チャンバ、202…ナノポア、203…ナノポア基板、204…空間、205…空間、206…液体、207…液体、208…電解質、209…試料、210…シス電極、211…トランス電極、212…シス側電圧源、213…トランス側電圧源、214…接地、215…シス側電流計、216…シリコン基板、217…絶縁層、218…電界効果トランジスタ、219…絶縁層、220…ソース、221…ドレイン、222…チャンネル、223…ドレイン側電圧源、224…ソース側電流計、301…サブスレッショルド領域、302…飽和領域、303…線形領域、401…シス側電圧源、402…シス電極、403…シス側電流計、404…トランス電極、405…電流変換型増幅器、406…オペアンプ、407…トランス側電圧源、408…、409…電解質水溶液、410…電解質水溶液、411…ナノポア、412…フィードバック抵抗、413…アナロググランド、414…アナログデジタル変換器、415…データ処理記録システム、416…正電源、417…負電源、501…絶縁部、502…シス電極、503…トランス電極、601…絶縁部、602…シス電極、603…トランス電極、701…ソース側電圧源、801…絶縁部、802…ナノポア、803…シス電極、804…トランス電極、805…ソース、806…ドレイン、901…絶縁部、902…トランス電極、903…シス電極、904…ソース、905…ドレイン、906…ナノポア、907…トランス側電圧源、908…トランス側電流計、1001…絶縁部、1002…シス電極、1003…トランス電極、1004…ソース、1005…ドレイン、1006…シス側電流計、1007…ナノポア、1101…ドレイン側電流計、1301…ドレイン側電流計、1501…ソース側電流計、1502…ドレイン側電流計、1503…データ処理記録システム、1601…ソース側電流計、1602…電流電圧変換型増幅器、1603…電流電圧変換型増幅器、1604…計装アンプ、1605…計装アンプ、1606…加算回路、1607…ウィンドウコンパレータ、1608…データ処理記録システム、1701…コントロールゲート、1702…バックゲート、1703…コントロールゲート側電圧源、1704…バックゲート側電圧源、1705…絶縁層、1801…コントロールゲート、1802…バックゲート、1803…コントロールゲート側電圧源、1804…バックゲート側電圧源、1805…絶縁層

Claims (25)

  1. 1個以上のナノメートルサイズの細孔があいている基板と上記基板を隔てて2区画に分離される、試料導入側の第1の空間と試料流出側の第2の空間、上記空間のそれぞれに満たされる電解質を含んだ溶液、上記基板を隔てて電圧を印加するために設けられた、第1の空間に配置される1個以上の第1の電極と、第2の空間に配置される1個以上の第2の電極と、上記基板上の上記ナノポアの近傍に配置された電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタの構成要素であるソースとドレインとチャンネルと、第1の電極と第2の電極とソースとドレインにそれぞれ独立に接地からの電位を設定する電圧源と、第1の電極と第2の電極とソースとドレインに流れる電気信号を検出する電流計と、電流計からの出力を処理し記録するデータ処理記録システムを有するナノポア式分析装置。
  2. 請求項1のナノポア式分析装置において、第1の電極と第2の電極の電位差を一定に保ちつつ同時に同量だけ変えてチャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  3. 請求項1のナノポア式分析装置において、第1の電極と第2の電極の電位差を一定に保ちつつ、ソースとドレインの電位を変えて、チャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  4. 請求項3のナノポア式分析装置において、ソースとドレインの電位を同時に同量だけ変えて、チャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  5. 請求項1のナノポア式分析装置において、電界効果トランジスタのチャンネルの両側に形成され、チャンネルを流れる電流を制御するための電圧印加できるコントロールゲートとバックゲートを有する、ナノポア式分析装置。
  6. 請求項1のナノポア式分析装置において、電流計は入力電流を計測可能な電圧値に変換する増幅器とアナログデジタル変換器で構成され、増幅器のアナロググランドには、電圧源が接続され、増幅器を介して測定対象物の電位が設定できる、ナノポア式分析装置。
  7. 請求項1のナノポア式分析装置において、ソースとドレインに流れる電流から、チャンネルからリークする電流を計測する、ナノポア式分析装置。
  8. 1個以上のナノメートルサイズの細孔があいている基板と上記基板を隔てて2区画に分離される、試料導入側の第1の空間と試料流出側の第2の空間、上記空間のそれぞれに満たされる電解質を含んだ溶液、上記基板を隔てて電圧を印加するために設けられた、第1の空間に配置される1個以上の第1の電極と、第2の空間に配置される1個以上の第2の電極と、それぞれのナノポアの近傍に配置された電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタの構成要素であるソースとドレインとチャンネルと、第1の電極は接地し、第2の電極とソースとドレインにそれぞれ独立に接地からの電位を設定する電圧源と、第2の電極とソースとドレインに流れる電気信号を検出する電流計と、電流計からの出力を処理し記録するデータ処理記録システムを有するナノポア式分析装置。
  9. 請求項8のナノポア式分析装置において、1個以上の第2の電極、1個以上の電圧源、1個以上の電流源、がシリコン基板上に形成されている、ナノポア式分析装置。
  10. 請求項8のナノポア式分析装置において、第1の電極と第2の電極の電位差を一定に保ちつつ、ソースとドレインの電位を変えて、チャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  11. 請求項10のナノポア式分析装置において、ソースとドレインの電位を同時に同量だけ変えて、チャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  12. 請求項8のナノポア式分析装置において、電界効果トランジスタのチャンネルの両側に形成され、チャンネルを流れる電流を制御するための電圧印加できるコントロールゲートとバックゲートを有する、ナノポア式分析装置。
  13. 請求項8のナノポア式分析装置において、電流計は入力電流を計測可能な電圧値に変換する増幅器とアナログデジタル変換器で構成され、増幅器のアナロググランドには、電圧源が接続され、増幅器を介して測定対象物の電位が設定できる、ナノポア式分析装置。
  14. 請求項8のナノポア式分析装置において、ソースとドレインに流れる電流から、チャンネルからリークする電流を計測する、ナノポア式分析装置。
  15. 1個以上のナノメートルサイズの細孔があいている基板と上記基板を隔てて2区画に分離される、試料導入側の第1の空間と試料流出側の第2の空間、上記空間のそれぞれに満たされる電解質を含んだ溶液、上記基板を隔てて電圧を印加するために設けられた、第1の空間に配置される1個以上の第1の電極と、第2の空間に配置される1個以上の第2の電極と、それぞれのナノポアの近傍に配置された電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタの構成要素であるソースとドレインとチャンネルと、第1の電極と第2の電極とドレインにそれぞれ独立に接地からの電位を設定する電圧源と、第1の電極とソースとドレインに流れる電気信号を検出する電流計と、電流計からの出力を処理し記録するデータ処理記録システムを有する、ナノポア式分析装置。
  16. 請求項15のナノポア式分析装置において、第1の電極と第2の電極の電位差を一定に保ちつつ同時に同量だけ変えてチャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  17. 請求項15のナノポア式分析装置において、電界効果トランジスタのチャンネルの両側に形成され、チャンネルを流れる電流を制御するための電圧印加できるコントロールゲートとバックゲートを有する、ナノポア式分析装置。
  18. 請求項15のナノポア式分析装置において、電流計は入力電流を計測可能な電圧値に変換する増幅器とアナログデジタル変換器で構成され、増幅器のアナロググランドには、電圧源が接続され、増幅器を介して測定対象物の電位が設定できる、ナノポア式分析装置。
  19. 請求項15のナノポア式分析装置において、ソースとドレインに流れる電流から、チャンネルからリークする電流を計測する、ナノポア式分析装置。
  20. 1個以上のナノメートルサイズの細孔があいている基板と上記基板を隔てて2区画に分離される、試料導入側の第1の空間と試料流出側の第2の空間、上記空間のそれぞれに満たされる電解質を含んだ溶液、上記基板を隔てて電圧を印加するために設けられた、第1の空間に配置される1個以上の第1の電極と、第2の空間に配置される1個以上の第2の電極と、それぞれのナノポアの近傍に配置された電界効果トランジスタと、電界効果トランジスタの構成要素であるソースとドレインとチャンネルと、第2の電極とソースとドレインにそれぞれ独立に接地からの電位を設定する電圧源と、第1の電極とソースとドレインに流れる電気信号を検出する電流計と、電流計からの出力を処理し記録するデータ処理記録システムを有する、ナノポア式分析装置。
  21. 請求項20のナノポア式分析装置において、第1の電極と第2の電極の電位差を一定に保ちつつ、ソースとドレインの電位を変えて、チャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  22. 請求項21のナノポア式分析装置において、ソースとドレインの電位を同時に同量だけ変えて、チャンネルを流れる電流を制御する手段を有する、ナノポア式分析装置。
  23. 請求項20のナノポア式分析装置において、電界効果トランジスタのチャンネルの両側に形成され、チャンネルを流れる電流を制御するための電圧印加できるコントロールゲートとバックゲートを有する、ナノポア式分析装置。
  24. 請求項20のナノポア式分析装置において、電流計は入力電流を計測可能な電圧値に変換する増幅器とアナログデジタル変換器で構成され、増幅器のアナロググランドには、電圧源が接続され、増幅器を介して測定対象物の電位が設定できる、ナノポア式分析装置。
  25. 請求項20のナノポア式分析装置において、ソースとドレインに流れる電流から、チャンネルからリークする電流を計測する、ナノポア式分析装置。
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