JP7239923B2 - 測定装置 - Google Patents
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Description
(1) 内部に脂質二重膜を形成する複数のウェルであって、各ウェルが隔壁により隔てられる第1のチャンバーと第2のチャンバーを具備し、前記隔壁内に、前記脂質二重膜を形成する微小透孔が設けられている、複数のウェルと、
前記各ウェルの前記第1のチャンバーに設けられた電極と、前記各第1のチャンバーと前記各第2のチャンバー間に直流電圧を印加する直流電源と、
前記各電極と接続された単一の電流測定手段であって、前記各脂質二重膜に形成される透孔を流れる電流を測定する電流測定手段と、
前記各電極と前記電流測定手段との間にそれぞれ直列に挿入された電気抵抗器、
を具備する測定装置。
(2) 前記電気抵抗器は、前記脂質二重膜の透孔を前記電流が流れる際の電気抵抗値の0.2倍~5倍の電気抵抗値を有する、(1)記載の測定装置。
(3) 前記電気抵抗器の電気抵抗値が、前記脂質二重膜の透孔を前記電流が流れる際の電気抵抗値の0.5倍~2倍である、(2)記載の測定装置。
(4) 前記各ウェルを構成する前記第1のチャンバー及び第2のチャンバーが、鉛直方向に重なり、前記脂質二重膜が、前記第1のチャンバー及び第2のチャンバーとの間に水平方向に形成される、(1)~(3)のいずれか1項に記載の測定装置。
(5) 前記各ウェルの前記各第1のチャンバーを設けた円板状の固定プレートと、該固定プレートに積層され、前記各ウェルの前記各第2のチャンバーを設けた円板状の上部プレートと、前記各第1のチャンバーと前記各第2のチャンバーの間に設けられた隔壁であって、前記脂質二重膜を形成する微小透孔を有する隔壁とを具備し、前記上部プレートは、前記固定プレートに対して回動可能である、(4)記載の測定装置。
図1~図4に示す装置を作製した。すなわち、液滴を保持するための直径2 mmの第1のチャンバーを16個配列した固定プレートと、同様に配列した直径2 mmの透孔(第2のチャンバー)を持つ上部プレートをアクリル板からNC精密加工機を用いて作製した。これらの2つのプレートの間には、直径400μmの微小透孔を持つアクリルフィルムを上部プレートの底面に接着剤で固定した。この際、第2のチャンバーの真下に、微小透孔が来るようにアクリルフィルムを固定した。また、固定プレートの第1のチャンバー底面に銀/塩化銀電極を取り付け、それぞれの配線上に1GΩの抵抗を直列に接続した。これらを並列に束ねて計測器(商品名:FLEX-16 Bilayer テセラ社)に接続した(図4参照)。
以下の手順により、脂質二重膜を形成した。
1) 固定プレートのすべての第1のチャンバーを緩衝液(1M KCl含有PBS)でそれぞれ満たした。
2) リン脂質が分散している有機溶媒(DPhPC/n-デカン)を第1のチャンバーが配列された一面に流し込んだ。
3) 上部プレートを、固定プレートの上から上下のウェルが重なり合わないように、固定プレート上に積層した。
4) 本実施例における標的物質であるα-ヘモリシン(αHL)を含む緩衝液(1M KCl含有PBS)を上部プレートに滴下し満たした。
5) 上部プレートを手で回して、第1のチャンバーと第2のチャンバーが重なり合うようにした。これで脂質二重膜が形成される。
標的物質であるαHLは、脂質二重膜に対して再構成しナノメートルサイズの透孔(ポア)を形成する。このナノポア形成が脂質二重膜の抵抗値の低下を引き起こすため、脂質二重膜間に電圧を印加し、ナノポアを透過するイオン電流を測定することで標的物質αHLの検出を行った。まず、脂質二重膜の形成について、膜が形成されると膜のイオン電導性は非常に低いため、イオン電流はほぼ流れず、電流値は0付近を示す。膜形成後、αHLは自発的に膜に再構成される。ナノポアは1 M KCl水溶液において1 nSのコンダクタンスに相当する電流を透過する。すなわち、印加電圧が100 mVのとき、ナノポアが1つ再構成されるごとに100 pA程度のステップ状の電流値上昇が見られる。
印加電圧:100 mV
緩衝液:100 mM リン酸緩衝液(pH7.9)、1M KCl
DPhPC/n-デカン:5mg/ml
αHL:10 nM、 1 nM、 0.1 nM
サンプリング周波数:5 kHz
ローパスフィルタ:1 kHz
(1) シグナル(標的物質の検出)と膜破裂の判別
電流の測定結果を図5に示す。図5中、(a)が電流の測定結果(横軸に電流、縦軸にデータポイント数をとったグラフ)、(b)が横軸に時間、縦軸に電流をとった、電流値の経時変化を示す。(c)は、(a)及び(b)における(i)~(v)の状態における、推測される各ウェルの膜の状態を示す図である。
図7(a)は、横軸に再構成したαHLの数、縦軸に電流値の増加分を取ったヒストグラムである。図7(b)は、横軸に時間、縦軸に電流値をとったグラフである。図7(c)は、横軸に測定された電流値、縦軸にデータポイントの数をとったグラフである。
図8は、図5と同様な図であり、図5とは別の測定結果を示す図である。また、上記した図7の(b)(c)にも同様な図が記載されている。
(i) 電流値の上昇が急峻か緩やかかで、膜破裂とαHL検出を判別できる。
(ii) 膜破裂の場合、100 pAから電流上昇値を引くことで、何個のαHLが再構成されている膜が破裂したかを求めることができる。
(iii) αHL検出の場合、電流上昇値から、何個目のαHLが再構成されたのかを求めることできる。
αHLの検出時間を、脂質二重膜が形成されてから初めてαHLが再構成されるまでの時間と定義する。図9に示す通り、標的物質であるαHL濃度が低くなるにつれて検出時間の平均値は長時間化し、検出時間の分散も大きくなる。しかしながら、本実施例の装置を用いた脂質二重膜の並列化を行うことにより、並列化されたセンサ素子数の増加とともに検出時間の平均値と標準偏差が小さくなることが確認できた。なお、図9中、各グラフにおける左端の列が単一ウェル(比較例)、中央の列が、4個のウェルで測定した場合、右端の列が16個のウェルで測定した場合の結果を示しており、ウェル数が増えるほど、検出までの時間が短くなる。
12 導線
14 電気抵抗器
18 固定プレート
20 第1のチャンバー
22 上部プレート
24 第2のチャンバー
26 隔壁
28 微小透孔
30 電極
32 周壁
33 第2の電極
34 周壁
36 脂質二重膜
28 直流電源
40 電流測定手段
Claims (5)
- 内部に脂質二重膜を形成する複数のウェルであって、各ウェルが隔壁により隔てられる第1のチャンバーと第2のチャンバーを具備し、前記隔壁内に、前記脂質二重膜を形成する微小透孔が設けられている、複数のウェルと、
前記各ウェルの前記第1のチャンバーに設けられた電極と、前記各第1のチャンバーと前記各第2のチャンバー間に直流電圧を印加する直流電源と、
前記各電極と接続された単一の電流測定手段であって、前記各脂質二重膜に形成される透孔を流れる電流を測定する電流測定手段と、
前記各電極と前記電流測定手段との間にそれぞれ直列に挿入された電気抵抗器、
を具備する測定装置。 - 前記電気抵抗器は、前記脂質二重膜の透孔を前記電流が流れる際の電気抵抗値の0.2倍~5倍の電気抵抗値を有する、請求項1記載の測定装置。
- 前記電気抵抗器の電気抵抗値が、前記脂質二重膜の透孔を前記電流が流れる際の電気抵抗値の0.5倍~2倍である、請求項2記載の測定装置。
- 前記各ウェルを構成する前記第1のチャンバー及び第2のチャンバーが、鉛直方向に重なり、前記脂質二重膜が、前記第1のチャンバー及び第2のチャンバーとの間に水平方向に形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の測定装置。
- 前記各ウェルの前記各第1のチャンバーを設けた円板状の固定プレートと、該固定プレートに積層され、前記各ウェルの前記各第2のチャンバーを設けた円板状の上部プレートと、前記各第1のチャンバーと前記各第2のチャンバーの間に設けられた隔壁であって、前記脂質二重膜を形成する微小透孔を有する隔壁とを具備し、前記上部プレートは、前記固定プレートに対して回動可能である、請求項4記載の測定装置。
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川野 竜司ほか,液滴接触法を利用したチャネル型膜タンパク質のハイスループット機能解析システムの開発,BIO INDUSTRY 1月号,Vol.30,2013年 |
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