JPWO2016052356A1 - 乳化組成物 - Google Patents

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雅之 柴田
坂田 哲夫
哲夫 坂田
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博文 釘谷
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Abstract

【課題】植物性脂質を用いて、保存安定性が良好であり、かつ乳味が少なく、かつコクが強い乳化組成物を簡便な方法で提供することを目的とする。【解決手段】従来の植物性クリームの原料として一般的に使用されている水、油脂、乳化剤に加えて脂質親和性たん白質を固形分比率で5重量%以上添加した混合物を均質化処理して得られる乳化組成物が、通常の乳化組成物とは異なり、粒子分布域の広い複数のピークを有する粒子分布を示し、かつ乳化組成物がコクに優れることを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、乳化組成物に関する。
近年の「食の欧米化」に伴い、好まれる食品の風味傾向としてコクが注目されている。
コクを付与するために調理、飲料用途で使用される乳化組成物の代表的な例として、生乳由来の生クリームと植物性油脂を用いた合成乳化物(以下、植物性クリームと略することがある)が挙げられる。生クリームは脂質含量が高く強いまろやかさを有し、かつ乳化粒子が比較的広範囲に分布するためコクが強い等の特徴がある。ところが、乳味が強いために組み合わせる素材や調理場面が限定され、かつ乳化粒子が安定しないため、保存中に凝集や油水分離が生じ商品価値が低下する乳味が少ないという課題がある。
一方で、乳味が少ない一般的な植物性クリームは脂質、蛋白質、炭水化物、安定剤、乳化剤、水等を原料として、均質化処理を行うことで製造され、原料の組み合わせ変更や高圧での均質化処理を行うことで、保存中の油分離が少なく乳化安定性の高い性状を有する。しかし、生クリームと比較して乳化粒子が比較的狭い範囲に分布し、かつ粒子ピークがシャープなため風味の持続性は少ない。また、これらのクリーム類と比較して脂肪分が少ない牛乳や大豆由来の豆乳に関しても調理、飲料用途で使用される場合があるものの、いずれも乳化粒子分布が狭く、粒子ピークも単一でシャープなため風味のコクを付与する効果は少ない。
コクを向上させる目的で、乳化粒子の分布に着目した研究がなされており、乳化粒子の分布を広くすることでコクが増すことが明らかとなっている。特許文献1では、乳化粒子分布のピーク位置が異なる2種の乳化組成物を混合することで、乳化粒子分布中に2つのピークを持つ乳化組成物を調製し、コクを付与しているが、ピーク間距離が比較的近いためにその効果は限定的であり、かつあらかじめ2種の乳化組成物を調製した後に混合するため、煩雑な製造方法を伴う。また、特許文献2〜3でも同様に異なる2種の乳化組成物を作成した後に混合し、乳化粒子分布中に2つのピークを持つ乳化組成物を作成しているが、ピーク間距離が近いためにコク付与効果は限定的であり、かつ乳素材を用いているために、乳味と良く調和する用途に限定される。
特開平10−127245号公報 WO2012/026476号公報 特開2009−254353号公報
乳味の少ない植物性脂質を用いたクリームであれば、他素材との組み合わせの選択肢も広がり、有用であるため、植物性脂質を用いた、コクが向上した素材が望まれているが、生クリームと比べてコクが弱いという問題がある。また、コクを向上させる方法について開示されている特許文献1〜3の技術では、コクの付与効果が十分とはいえない上、2種の乳化組成物を混合することが必要であり製造方法が煩雑な問題がある。
本発明は、植物性油脂を用いて、保存安定性が良好であり、かつ乳味が少なく、かつコクが強い乳化組成物を簡便な方法で提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、従来の植物性クリームの原料として一般的に使用されている水、油脂、乳化剤に加えて脂質親和性たん白質を固形分比率で5重量%以上添加した混合物を均質化処理して得られる乳化組成物が、通常の乳化組成物とは異なり、粒子分布域の広い複数のピークを有する粒子分布を示し、かつ乳化組成物がコクに優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性蛋白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化することにより得られる、乳化粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物、
(2)乳化粒子の粒子分布のピークの位置が0.1〜1.4μmの範囲及び1.5〜8.5μmの範囲に存在する、(1)に記載の乳化組成物、
(3)乳化粒子の粒子分布のピークの位置が、0.1〜1.0μmの範囲及び1.8〜6.0μmの範囲に存在する、(1)に記載の乳化組成物、
(4)ピーク間距離が0.8〜8.2μmである、(2)または(3)に記載の乳化組成物、
(5)ピーク間距離が1.5〜6.0μmである、(2)または(3)に記載の乳化組成物、
(6)乳化組成物中の固形分比率として、脂質親和性蛋白質が5〜50重量%、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤が1〜10重量%である、(1)〜(5)の何れか1項に記載の乳化組成物、
(7)(1)〜(6)の何れか1項に記載の乳化組成物を含む調理用食品、
(8)乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性たん白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化処理することを特徴とする、乳化粒子の粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物の製造方法、
(9)乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性蛋白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化することにより得られる、乳化粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物を含有する、コク付与組成物、
(10)乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性蛋白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化することにより得られる、乳化粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物を調理用食品に添加することを特徴とする、調理用食品のコク付与方法、
である。
本発明の乳化組成物は、通常の乳化組成物とは異なり、粒子分布域の広い複数のピークを有する粒子分布を示し、かつ乳化組成物がコクに優れ、スープ類やソース類等様々な調理用食品に対し、コクを付与することができる。また、本発明の乳化組成物は均質化処理を複数回行う必要がないため、製造工程が簡略化され、より効率的に製造することが可能となる。
以下、本発明につき、詳細を説明する。
(乳化組成物)
本発明の乳化組成物は、乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性蛋白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤、及び水を含有する混合物を均質化処理することにより得られ、粒子分布を測定した時に複数のピークを有することを特徴とする。このような複数のピークを付与するために脂質親和性たん白質が重要であり、乳化組成物中に固形分比率で5重量%以上が必要である。
このような特徴を有する乳化組成物は、コクが強く、その上、例えば冷蔵で長期間保存しても油浮きが抑制され保存安定性も優れている。本発明においては、複数のピークを有することが重要であり、上記原料を配合したものでも、粒子分布のピークが1つのものはコクが著しく低下する。
(植物性油脂)
植物性油脂として、例えば、大豆油、菜種油、パーム油、コーン油、綿実油、サフラワー油、ヤシ油、米糠油、ごま油、カカオ脂、オリーブ油、パーム核油、及びこれらを分別、硬化、エステル交換したものが挙げられ、これらの植物性油脂は、1種または2種以上を併用して用いることができる。好ましくは、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、米糠油、ごま油、オリーブ油等の融点の低い、例えば、融点が15℃未満の植物性油脂である。
植物性油脂の乳化組成物中の含有量は、固形分比率で、10〜80重量%、好ましくは30〜78重量%、より好ましくは60〜78重量%である。植物性油脂が上記の範囲で含有することで、良好なコクを付与することができる。植物性油脂の固形分比率が高すぎる場合で、乳化組成物中の植物性油脂の含量が低い場合は乳化粒子のピークが1つしか得られず、コクが弱くなる。また、植物性油脂の含量が高すぎる場合で、乳化組成物中の植物性油脂の含量が高い場合は、乳化組成物のピークは2つ以上になるものの、ピーク間の距離が離れすぎてコクが弱くなる。また、植物性油脂の含量が低すぎると乳化物が調製しにくくなり、まろやかさも弱くなる。また、固形分比率で脂質含量が高い場合は乳化粒子が不安定になり、保存安定性が低下する。
(脂質親和性蛋白質)
本発明において、脂質親和性たん白質は、動物性、植物性問わず使用することができ、例えば、大豆等の植物由来の脂質親和性たん白質、卵由来の脂質親和性蛋白質が挙げられるが、よりプレーンな風味で乳化組成物を製造するためには植物由来の脂質親和性たん白質を用いることが望ましい。
動物性由来として、卵由来の脂質親和性蛋白質を使用する場合、脂質親和性蛋白質含量は、例えば、ゾーナル超遠心分離法(Rate Zonal Ulutracentrifugation、油化学、第22巻第5号、265〜268ページ)により測定することができる。
植物由来の脂質親和性たん白質としては、例えば、脱脂大豆、全脂大豆を原料としてたん白質を分画する方法によって得られるリポたん白質(Lipophilic Protein:以下LPとよぶことがある)を挙げることができる。
具体的には、例えば、脱脂大豆を原料として適当量の加水をし、酸を添加することでpH5.8に調整する。ここで生じた不溶性画分を分離して得られた水溶性画分に対して、さらに酸を添加してpH4.9に調整し、55℃加熱を行う。この処理によって得られた不溶性画分を中和し、噴霧乾燥を行うことで大豆由来の脂質親和性たん白質を多く含む画分(以下、LP画分とする。)を得ることができる。
大豆の脂質親和性蛋白質は、主要な酸沈殿性たん白質のうち、グリシニン(11Sグロブリン)、β―コングリシニン(7Sグロブリン)以外のマイナーな酸沈殿性たん白質群をいい、レシチンや糖脂質などの極性脂質を多く随伴するものである。LPは雑多なたん白質が混在したものであるため、各々のたん白質をすべて特定し、LPの含量を厳密に特定することは困難であるが、下記LCI(Lipophilic Protein Content Index)値を求めることにより推定することができる。
本発明の乳化組成物における脂質親和性蛋白質(LP)は、固形分比率で5重量%以上が必要であり、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは13〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。LP含量が低すぎると後述する、乳化組成物の粒子分布で1つのピークしか得られず、十分なコク付与効果が期待できない。
なお、本発明の乳化組成物における脂質親和性蛋白質の固形分比率は、乳化組成物中のLP画分の固形分量、蛋白質量及びLCI値から計算により推定することができる。すなわち、下記の計算式により推定する。
乳化組成物中の脂質親和性蛋白質の固形分比率(%)={乳化組成物中のLP画分の固形分量×LP画分中の蛋白質の固形分含量(%)×LCI(%)/乳化組成物の固形分量}×100
LP含量の推定、及びLCI値の測定方法を以下に示す。
(a) 各蛋白質中の主要な蛋白質として、7Sはαサブユニット及びα'サブユニット(α+α')、11Sは酸性サブユニット(AS)、LPは34kDa蛋白質及びリポキシゲナーゼ蛋白質(P34+Lx)を選択し、SDS−PAGEにより選択された各蛋白質の染色比率を求める。電気泳動は表1の条件で行うことが出来る。
(b) X(%)=(P34+Lx)/{(P34+Lx)+(α+α′)+AS}×100(%)を求める。
(c) 低変性脱脂大豆から調製された分離大豆蛋白のLP含量を加熱殺菌前に上記方法1,2の分画法により測定すると凡そ38%となることから、X=38(%)となるよう(P34+Lx)に補正係数k*=6を掛ける。
(d) すなわち、以下の式によりLP推定含量(Lipophilic Proteins Content Index、以下「LCI」と略する。)を算出する。
(表1)
Figure 2016052356
Figure 2016052356
(乳化剤)
本発明の乳化剤は公知のものを使用することができ、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、を1種または2種以上を併用して使用することができる。
乳化剤の含量は固形分比率で、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%である。
本発明の乳化組成物は通常の生クリーム様の性状であり、通常の乾物(dry matter)は5〜20重量%程度であるが、特に限定されるものではない。すなわち加水により低粘度の液状としたものや、濃縮加工されてより高粘度のクリーム状としたものであってもよく、また粉末加工されて粉末状としたものでもよい。
本発明の乳化組成物は、植物性油脂、脂質親和性蛋白質、乳化剤、必要に応じて安定剤、香料等から構成される混合物を、おおよそ5〜75重量%になるように水に対して溶解、混合し、この混合液を均質化処理する。均質化処理としては、例えば、高圧ホモゲナイザーが挙げられ、好ましくは1.0〜5.0×107パスカル(以下Paと略する)にて、均質化処理を行い乳化させる。
上記方法にて得られた乳化組成物の粒子分布は、複数のピークを持つことを特徴とする。粒子分布形状に関して乳化組成物の配合を調整することによってピークの位置及びピーク間距離を設定することができ、このピークの位置及びピーク間距離が、乳化組成物のコクに影響を与える。
コクを得るためには、例えば、2つのピークを有する場合、粒子分布のピークの位置は好ましくは0.1〜1.4μmの範囲及び1.5〜8.5μmの範囲であり、より好ましくは0.1〜1.0μmの範囲及び1.8〜6.0μmの範囲であり、さらに好ましくは0.2〜1.0μmの範囲及び2.0〜6.0μmの範囲である。さらに、ピーク間距離は、好ましくは0.8〜8.2μm、より好ましくは1.5〜6.0μm、さらに好ましくは2.0〜5.0μmである。
なお、3つ以上のピークを有する場合のピーク間距離とは、最小の粒子径のピークと最大の粒子径のピーク間の距離を指す。
なお、本発明において粒子分布は、レーザー回析式粒度分布測定装置を用いて測定するものとし、例えば、島津製作所製のレーザー回析式粒度分布測定装置SALD−2300などを用いて測定する。
従来発明されたコクを強化した乳化組成物は、異なる粒子分布を有する2種以上の乳化組成物を混合することによって複数のピークを持つ粒子分布を有する特徴を示すが、本発明の乳化組成物は、均質化処理を1回行うだけで複数のピークを有する粒子分布を示す乳化組成物を製造することができる。このように、本発明では均質化処理を複数回行う必要がないため、製造工程が簡略化され、より効率的に製造することが可能となる。
(調理用食品)
本発明の乳化組成物を調理用食品に使用することで、コクを付与することができる。調理用食品として、例えば、味噌汁、吸い物、豚汁等の汁物、コンソメスープ、ラーメンスープ、ポタージュスープ等のスープ類、ホワイトソース、デミグラスソース、トマトソース、ミートソース等のソース類、カレー類、シチュー類、おでん類、が挙げられる。
以下に本発明の実施例を記載する。なお、以下「%」は特に断りのない限り「重量%」を意味する。
(LP画分の製造例)
LP画分(脂質親和性蛋白質に富んだ画分)は以下のフローにて調製した。脱脂大豆10kgに対して13倍加水し、50℃、30分間抽出した。そのスラリーを遠心機にて分離し、得られた上清を硫酸にてpH5.8に調整したのちに、再度遠心分離を行った。その上清に対して、水酸化ナトリウムを添加してpH7.4に調整後、再度硫酸にてpH5.5に調整した。ここで沈殿した画分に5倍加水し、水酸化ナトリウムでpH7.0に中和することでLPに富んだ画分を得、この画分を噴霧乾燥してLP画分を得た。このLP画分の蛋白質含量は、ケルダール法により測定した結果、固形分比率で90重量%であった。得られたLP画分のLCI値は62%であった。以下の実施例及び比較例では、本調製例で作成したLP画分を使用した。なお、表2中の推定される脂質親和性蛋白質量は、以下の式をもとに算出した。
推定される脂質親和性蛋白質量=乳化組成物中のLP画分の固形分量×LP画分中の蛋白質の固形分(%)×LCI(%)
また、脂質、脂質親和性蛋白質、乳化剤の乳化組成物中の固形分比率も表2に記載した。
(実施例1〜5、比較例1〜4) 乳化組成物の調製
各乳化組成物の配合を表1に示す。植物性油脂はあらかじめレシチンと混合し、製造例で得られたLP画分はあらかじめ水に溶解させた後に、これらの原料をタンク内で混合する。続いて、この混合溶液を高圧ホモゲナイザーを用いて3.0×10Paの圧力で乳化し、加熱殺菌した後にプラスティック容器に充填した。
得られた乳化組成物について、乳化粒子の粒子分布及び粒子径の測定を行い、コク、保存安定性について評価した。
(評価方法)
○乳化粒子の粒子分布及び粒子径
レーザー回析式粒度分布測定装置「SALD−2300」(島津製作所製)を用いて行った。
○コク
コクの評価は熟練した10名のパネラーにて下記の評価基準に基づき評価を行い、各パネラーの評価点数の平均値を算出した。平均値が3.0点以上の場合、コクがあるとして、合格とした。
5点:生クリームと同等のコクの強さがある。
3点:コクがある。
0点:コクが全くない。
○保存安定性
各100gのサンプルを4℃で21日間静置保存した際に生じる油浮きの有無を確認し、油浮きが生じた場合は「×」、生じなかった場合は「○」で評価した。

これらの結果をもとに以下の基準で総合評価を行い、総合評価で◎、○のものを合格とした。

◎:コクの評価点が4.0点を超え5.0点以下で、保存安定性の評価が「○」のもの
○:コクの評価点が3.0〜4.0点で、保存安定性の評価が「○」のもの
×:コクの評価点が3.0点未満、または、保存安定性の評価が「×」のもの
評価結果は表3に示した。
(表2)各乳化組成物の配合
Figure 2016052356
(表3)各乳化組成物の評価結果
Figure 2016052356
実施例1〜5の乳化組成物は、2つのピークを持つ粒子分布を示し、コクが強く感じられ、かつ保存中の安定性が優れていた。また、実施例2〜5の乳化組成物の2つのピーク間距離は実施例1よりも長く、よりコクが強く感じられた。
一方、比較例1の乳化組成物は単一ピークを持つ粒子分布を示し、保存安定性は良いものの、コクが弱かった。比較例2の乳化組成物は単一ピークを持つ粒子分布を示し、官能評価を行うとコクが弱かった。さらにLP含量が高すぎるために、LP由来の好ましくない風味が強く、嗜好性が低かった。比較例3の乳化組成物は単一ピークを持つ粒子分布を示し、官能評価を行うとコクがなく、かつ油浮きが生じたために保存安定性も悪かった。比較例1〜3のように、LPの固形分比率が低すぎたり、高すぎたりするものは、コクが弱くなる結果となった。
比較例4の乳化組成物は2つのピークを持つ粒子分布を示し、官能評価を行うとコクが弱く、かつ油浮きが生じたために保存安定性も悪かった。比較例4のように脂質含量が多すぎると、2つのピーク間距離が長くなりすぎて、乳化組成物のコクが弱くなる結果となった。
(応用例1)
実施例4で作成した乳化組成物に下記組成のごとく、かつおだし、食塩、砂糖を加えてだし汁を調製した。熟練したパネラー10名による官能評価した結果、いずれも、かつおだしのうま味や香りを引き立て、かつ乳化組成物由来のコクが強いという評価になり、嗜好性が高い結果となった。
実施例4の乳化組成物 20g
※かつおだし 200g
食塩 2g
砂糖 4g
※沸騰水200gに対して、市販鰹節3gを入れて2分間抽出したのちに鰹節を取り出す。
(比較応用例1)
市販の生乳由来生クリームに下記組成のごとく、かつおだし、食塩、砂糖を加えてだし汁を調製した。熟練したパネラー10名による官能評価した結果、いずれも、コクは強いものの、強い乳味によりかつおだし風味との調和がとれないという評価であり、嗜好性が低い結果となった。
市販生クリーム 10g
※かつおだし 200g
食塩 2g
砂糖 4g
※沸騰水200gに対して、市販鰹節3gを入れて2分間抽出したのちに鰹節を取り出す。

Claims (10)

  1. 乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性蛋白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化することにより得られる、乳化粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物。
  2. 乳化粒子の粒子分布のピークの位置が0.1〜1.4μmの範囲及び1.5〜8.5μmの範囲に存在する、請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 乳化粒子の粒子分布のピークの位置が、0.1〜1.0μmの範囲及び1.8〜6.0μmの範囲に存在する、請求項1に記載の乳化組成物。
  4. ピーク間距離が0.8〜8.2μmである、請求項2または3に記載の乳化組成物。
  5. ピーク間距離が1.5〜6.0μmである、請求項2または3に記載の乳化組成物。
  6. 乳化組成物中の固形分比率として、脂質親和性蛋白質が5〜50重量%、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤が1〜10重量%である、請求項1〜5の何れか1項に記載の乳化組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の乳化組成物を含む調理用食品。
  8. 乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性たん白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化処理することを特徴とする、乳化粒子の粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物の製造方法。
  9. 乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性蛋白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化することにより得られる、乳化粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物を含有する、コク付与組成物。
  10. 乳化組成物中の固形分比率で脂質親和性蛋白質が5重量%以上、植物性油脂が10〜80重量%、乳化剤及び水を含有する混合物を均質化することにより得られる、乳化粒子分布において複数のピークを有する乳化組成物を調理用食品に添加することを特徴とする、調理用食品のコク付与方法。
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