JPWO2016052073A1 - 抗体結合性ポリペプチド、抗体結合性融合ポリペプチドおよび吸着材料 - Google Patents

抗体結合性ポリペプチド、抗体結合性融合ポリペプチドおよび吸着材料 Download PDF

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Abstract

配列番号1〜18のいずれか1つで示される抗体結合性ポリペプチドおよびその抗体結合性ポリペプチドを水不溶性担体に固定化した、抗体または抗体誘導体の吸着材料が提供される。これらの抗体結合性ポリペプチドおよび吸着材料は、抗体結合性および選択性に優れるとともに、アルカリ耐性および経時安定性にも優れる。

Description

本発明は、抗体結合性ポリペプチド、抗体結合性融合ポリペプチドおよび吸着材料に関する。
近年、抗体医薬の開発が活況を呈している。ヒト免疫機能を使う抗体医薬は高い効能が期待できるうえ、副作用も比較的少ないため、今後の医療の中心とみられているからである。抗体医薬の開発・実用化に欠かせない技術が抗体の連続・大量・高速の精製技術である。抗体の精製のために、現在最も一般的に利用されている方法はプロテインAを用いたアフィニティクロマトグラフィー法である。
プロテインAは黄色ブドウ球菌の細胞壁に存在する膜タンパク質であり、抗体分子の定常領域(Fc領域,Fc=Fragment,crystallizable(結晶性フラグメント))に強い結合能を持つことが知られている。定常領域には、様々な抗体分子のクラス・サブクラスを超えて共通した構造が保存されていることから、プロテインAを抗体結合性リガンドとして用いたアフィニティクロマトグラフィーは、抗原の異なる様々な種類の抗体分子の精製に用いることができる。
しかし、プロテインAは、遺伝子工学的方法を用いて製造されるため、製造工程が煩雑であり、結果的に高コストになるという問題があった。また、プロテインAは、アルカリ耐性および経時安定性が十分ではなく、カラムのアルカリ洗浄による劣化が激しく寿命が短いため、洗浄を何度も繰り返して使うことができなかった。このため、抗体精製のコストが高くなりがちであった。
このような問題に対して、例えば、非特許文献1には、プロテインAの模倣リガンドとして、プロテインAの132番目のフェニルアラニンと133番目のチロシンからなるジペプチドから、下記式の反応により製造することができる低分子化合物ApA(“Artificial protein A(人工プロテインA)”に由来する。)が記載されている。
Li, R.,Dowd, V.,Steward, D.J.,Burton, S.J.,Lowe, C.R.,1998年,Nature Biotechnology,第16巻,p.190〜195
しかし、後述する実施例に記載するように、本発明者が検討したところによれば、非特許文献1に記載された低分子化合物ApAは、アルカリ耐性および経時安定性は十分であるものの、抗体結合性および選択性が不十分であり、要求される水準を満たしていなかった。
そこで、本発明は、抗体結合性および選択性に優れるとともに、アルカリ耐性および経時安定性にも優れた、抗体結合性ポリペプチドおよび吸着材料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、配列番号1〜18のいずれか1つで示される抗体結合性ポリペプチドが、プロテインAに比較して遜色のない抗体結合性および選択性を有するとともに、より優れたアルカリ耐性および経時安定性を有することを知得し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(13)を提供する。
(1)配列番号1〜18のいずれか1つで示される抗体結合性ポリペプチド。
(2)配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチド。
(3)配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、1〜10個のアミノ酸残基が共有結合した抗体結合性ポリペプチド。
(4)配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、1〜24個のエチレングリコール単位が共有結合した抗体結合性ポリペプチド。
(5)配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所が修飾された抗体結合性ポリペプチド。
(6)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の抗体結合性ポリペプチドを1ドメイン単位として、ドメイン単位2〜10個を共有結合にて融合させた抗体結合性融合ポリペプチド。
(7)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の抗体結合性ポリペプチドを1ドメイン単位として、ドメイン単位2〜10個を共有結合にて融合させた抗体結合性融合ポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所が修飾された抗体結合性融合ポリペプチド。
(8)上記抗体結合性融合ポリペプチドが、ドメイン単位2〜5個と、さらにドメイン単位間を連結するリンカーとを含む、上記(6)または(7)に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
(9)上記リンカーが、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカー、リンカー1つあたり1〜24個のエチレングリコール単位からなるPEG(polyethylene glycol,ポリエチレングリコール)リンカー、ならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーである、上記(8)に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
(10)上記リンカーが、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカーならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーであり、1〜10個のアミノ酸残基がGly(グリシン)、Ala(アラニン)およびSer(セリン)からなる群から選択される少なくとも1種類を少なくとも1個含む、上記(9)に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
(11)上記リンカーが、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカーならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーであり、1〜10個のアミノ酸残基がLys(リシン)、Orn(オルニチン)およびCys(システイン)からなる群から選択される少なくとも1種類を少なくとも1個含む、上記(9)に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
(12)上記ドメイン単位および上記リンカーに含まれるアミノ酸残基の合計分子量が5000以下である、上記(9)〜(11)のいずれか1項に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
(13)上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の抗体結合性ポリペプチドまたは上記(6)〜(12)のいずれか1つに記載の抗体結合性融合ポリペプチドを水不溶性担体に固体化した、抗体または抗体誘導体の吸着材料。
本発明によれば、抗体結合性および選択性に優れるとともにアルカリ耐性および経時安定性にも優れた抗体結合性ポリペプチド、ならびに抗体結合性および選択性に優れるとともにアルカリ耐性および経時安定性にも優れた、抗体または抗体誘導体の吸着材料を提供することができる。
また、本発明によれば、プロテインAに比べてアルカリ等の洗浄を強化することが出来、より堅牢な製造工程を構築することができる。
本発明において、アミノ酸は、原則として、国際純正・応用化学連合と国際生化学・分子生物学連合による共同命名委員会(INTERNATIONAL UNION OF PURE AND APPLIED CHEMISTRY and INTERNATIONAL UNION OF BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature (JCBN))で採用された名称、略号等を用いて表す。また、アミノ酸残基は、そのアミノ酸残基が由来するアミノ酸の略号を用いて表す。なお、アミノ酸残基には、N末端アミノ酸(N末端残基)およびC末端アミノ酸(C末端残基)を含む。
さらに、特に明示しない限り、ポリペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列(「1次構造」ともいう。)は、左端から右端にかけてN末端からC末端となるようにアミノ酸残基を1次元に並べて表す。
1文字略号および3文字略号が公式に認められたアミノ酸の名称および略号(1文字略号、3文字略号)を表1に示す。
アミノ酸としては、表1に記載した一般的なアミノ酸の他に、後述の、いわゆる非天然アミノ酸を用いることもできる。
本発明において、「非天然アミノ酸」とは、天然ではmRNA上にコード化されていないアミノ酸であり、特に限定されないが、例えば、2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr)、2,4−ジアミノ酪酸(Dbu)、オルニチン(Orn)、3−ヒドロキシプロリン(3Hyp)、4−ヒドロキシプロリン(4Hyp)、2−アミノアジピン酸(Aad)、2−アミノ酪酸(Abu)、2−アミノイソ酪酸(Aib)、2−アミノペンタン酸(ノルバリン;Nva)、2−アミノヘキサン酸(ノルロイシン;Nle)、2−アミノヘプタン酸(Ahe)、2−アミノピメリン酸(Apm)、2,2’−ジアミノピメリン酸(Dpm)、アローヒドロキシリシン(aHyl)、アローイソロイシン(aIle)、6−N−メチルリシン(MeLys)、テアニン(2−アミノ−4−(エチルカルバモイル)酪酸)、シトルリン(2−アミノ−5−(カルバモイルアミノ)ペンタン酸)、デスモシン(Des)、イソデスモシン(Ide)などが挙げられる。
非天然アミノ酸を用いる場合には、ポリペプチドを担体に結合させるためのリンカー部分または融合ペプチドのドメイン間を結合するリンカー部分に用いるのが好ましい。
本発明において、「ドメイン単位」とは、タンパク質またはポリペプチドの高次構造上の単位であり、概ね5から数百のアミノ酸残基配列から構成され、なんらかの物理化学的または生物化学的な機能を発現するに十分なアミノ酸高分子の単位をいう。
本発明において、「融合ポリペプチド」とは、なんらかの物理化学的または生物化学的な機能を有するポリペプチド(ドメイン単位)が2個以上、直接、またはリンカーを介して、連結することにより構成されている高分子化合物をいう。
本発明において、ドメイン単位間を連結するリンカーは特に限定されず、例えば、ペプチド単位(アミノ酸残基)からなるペプチドリンカー、エチレングリコール単位からなるPEG(polyethylene glycol,ポリエチレングリコール)リンカー、ジスルフィド結合(SS結合)、これらの組合せ等が挙げられる。
本発明において、「抗体」とは、免疫グロブリンまたはその類縁体、フラグメントもしくは融合体をいう。ここで、類縁体とは、免疫グロブリンの構造または機能が少なくとも部分的に保持された、天然の、または人工的に作製された、タンパク質またはタンパク質コンジュゲートをいう。また、フラグメントとは、酵素的な処理または遺伝子工学的な設計によって作製された、免疫グロブリンの部分構造を有するタンパク質をいう。また、融合体とは、各種サイトカイン、サイトカイン受容体等の生物活性を有するタンパク質の機能部分を、免疫グロブリンの全体または一部と遺伝子工学的に融合させて作製したタンパク質をいう。また、抗体としては、モノクローナル抗体または免疫グロブリンのFc領域を有する融合体が好ましく、モノクローナル抗体がより好ましい。なお、本発明において、免疫グロブリンは、IgG(Immunoglobulin G;免疫グロブリンG)、IgM(Immunoglobulin M;免疫グロブリンM)、IgA(Immunoglobulin A;免疫グロブリンA)、IgD(Immunoglobulin D;免疫グロブリンD)およびIgE(Immunoglobulin E;免疫グロブリンE)の5種類のクラス(アイソタイプ)のいずれでもよいが、IgGまたはIgMが好ましく、IgGがより好ましい。
本発明において、「抗体誘導体」とは、ヒト免疫グロブリンのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFab領域とを融合させたキメラ抗体、ヒト免疫グロブリンのいくつかのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのいくつかのFv領域とを融合させたキメラ抗体、ヒト免疫グロブリンのCDR(Complementarity Determining Region,相補性決定領域)部分を除いた残余の部分と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンCDR部分とを融合させたヒト型化抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFc領域とヒト免疫グロブリンのFab領域とを融合させたキメラ抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのいくつかのFc領域とヒト免疫グロブリンのいくつかのFv領域とを融合させたキメラ抗体、ヒト免疫グロブリンのCDR部分を除いた残余の部分と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのCDR部分とを融合させた非ヒト哺乳動物化抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのFab領域とを融合させたキメラ抗体、非ヒト哺乳動物グロブリンのいくつかのFc領域と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのいくつかのFv領域とを融合させたキメラ抗体、非ヒト哺乳動物免疫グロブリンのCDR(相補性決定領域)部分を除いた残余の部分と非ヒト哺乳動物免疫グロブリンCDR部分とを融合させた非ヒト哺乳動物型抗体、およびこれらの化学的修飾を加えたタンパク質であってFc領域を保持するタンパク質をいう。
本発明において、「抗体結合性」とは、抗体または抗体誘導体と、ある親和性をもって結合することをいう。抗体または抗体誘導体との結合は、抗原抗体反応による結合が好ましく、結合する部位としては、抗体または抗体誘導体の定常領域(Fc領域、C領域、C領域)が好ましい。
本発明において、「リガンド」とは、特定の物質と、ある親和性をもって、結合する分子をいう。このような分子は、タンパク質、ポリペプチド、低分子量化合物等であり得る。また、本発明において、「抗体結合性リガンド」とは、抗体結合性を有するリガンド、すなわち、抗体または抗体誘導体と、ある親和性をもって結合するリガンドをいう。本発明においては、抗体結合性リガンドは、抗体または抗体誘導体と、特異的な分子間の親和力が働く抗原抗体反応にて結合するものが好ましく、結合する部位としては、抗体または抗体誘導体の定常領域(Fc領域、C領域(軽鎖の定常領域)、C領域(重鎖の定常領域))が汎用性の観点から好ましい。
[抗体結合性ポリペプチド]
本発明は、配列番号1〜18のいずれか1つで示される抗体結合性ポリペプチドを提供する。この抗体結合性ポリペプチドは、抗体または抗体誘導体に、ある程度の親和性をもって結合するポリペプチドであり、抗体または抗体誘導体の定常領域(Fc領域)に結合する。
また、本発明は、配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上、好ましくは87%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドを提供する。
ここで、2つのアミノ酸配列の配列相同性は、次のようにして求める。
(1)2つのアミノ酸配列のアラインメントを行う
一致(マッチ)は+1、不一致(ミスマッチ)は−1、ギャップは−1のスコアを与え、アラインメント・スコアが最大となるようにアラインメントを行う。
(2)配列相同性を計算する
得られたアラインメントに基づいて、次式により配列相同性を計算する。
配列相同性[%]=(一致ポジション数/全ポジション数)×100[%]
全ポジション数はアラインメントの長さであり、一致ポジション数はアミノ酸の種類が一致するポジションの数である。
ここで、アミノ酸残基の種類が一致するか否かの判断は、そのアミノ酸残基の元になるアミノ酸の側鎖(アミノ酸側鎖)の構造が同一であるか否かによるものとする。なお、エナンチオマーの関係にあるアミノ酸の側鎖の構造は同一ではない。
(3)配列相同性の計算例
例えば、次のアミノ酸配列を考える。
配列A EQQNAFY
配列B KEQQSAFY
これを、上記した条件の下でアラインメントすると、次のようになる。ここで、配列A、B間でアミノ酸(残基)の種類が一致する箇所には、見やすくするため、ホモロジー・ストリング「|」を付けている。また、「−」はギャップである。
配列A −EQQNAFY
||| |||
配列B KEQQSAFY
このアラインメントのスコアは、一致(+1)×6+不一致(−1)×1+ギャップ(−1)×1=4である。
この例では、全ポジション数は8であり、一致ポジション数は6であるから、上記式に従って算出した配列相同性は、6/8×100=75.0%である。
配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号2で示されるポリペプチド(KEQQNAFY,87.5%)、配列番号5で示されるポリペプチド(EGQNAFY,85.7%)、配列番号9で示されるポリペプチド(EQNAFY,85.7%)、配列番号10で示されるポリペプチド(EQQSAFY,85.7%)、配列番号16で示されるポリペプチド(EAQQNAFY,87.5%)、配列番号19で示されるポリペプチド(EQQNAFY−NH,100%)(ここで、「−NH」はN末端カルボキシ基のアミド化を表す。以下同じ。)、配列番号20で示されるポリペプチド(Ac−EQQNAFYK,87.5%)(ここで、「Ac−」はC末端アミノ基のアセチル化を表す。以下同じ。)、配列番号24で示されるポリペプチド(HN−(peg)−EQQNAFYE,87.5%)(ここで、「peg」はエチレングリコール単位を表し、「HN−(peg)−」はポリペプチド主鎖と結合する側とは反対側の末端にアミノ基を有するエチレングリコール単位8個からなるポリエチレングリコール鎖がN末端アミノ基に結合していることを表す。以下同じ。)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号1で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号1で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号2で示されるポリペプチド、配列番号16で示されるポリペプチド、配列番号19で示されるポリペプチド、配列番号20で示されるポリペプチド、配列番号24で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
さらに、配列番号1で示されるポリペプチドに対して90%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号19で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号2で示されるポリペプチド(KEQQNAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY,87.5%)、配列番号19で示されるポリペプチド(EQQNAFY−NH,87.5%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号2で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号2で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるポリペプチド、配列番号19で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号3で示されるポリペプチド(EQQNAFYEILH)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号4で示されるポリペプチド(EQQNAFYEILHL,91.7%)、配列番号11で示されるポリペプチド(EQQSAFYEILH,90.9%)、配列番号21で示されるポリペプチド(Ac−EQQNAFYEILHK,91.7%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号3で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号3で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号4で示されるポリペプチド、配列番号11で示されるポリペプチド、配列番号21で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
さらに、配列番号3で示されるポリペプチドに対して90%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号4で示されるポリペプチド、配列番号11で示されるポリペプチド、配列番号21で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号4で示されるポリペプチド(EQQNAFYEILHL)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号3で示されるポリペプチド(EQQNAFYEILH,91.7%)、配列番号21で示されるポリペプチド(Ac−EQQNAFYEILHK,91.7%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号4で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号4で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号3で示されるポリペプチド、配列番号21で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
さらに、配列番号4で示されるポリペプチドに対して90%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号3で示されるポリペプチド、配列番号21で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号5で示されるポリペプチド(EGQNAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY,85.7%)、配列番号9で示されるポリペプチド(EQNAFY,85.7%)、配列番号19で示されるポリペプチド(EQQNAFY−NH,85.7%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号5で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
配列番号6で示されるポリペプチド(KKKEQQNAFYKKK)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号22で示されるポリペプチド(Ac−KKKEQQNAFYKKK,100%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号6で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号6で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号22で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
さらに、配列番号6で示されるポリペプチドに対して90%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号22で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号7で示されるポリペプチド(KKKEQQNAFYEILHKKK)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号23で示されるポリペプチド(Ac−KKKEQQNAFYEILHKKK,100%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号7で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号7で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号23で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
さらに、配列番号7で示されるポリペプチドに対して90%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号23で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号9で示されるポリペプチド(EQNAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY,85.7%)、配列番号5で示されるポリペプチド(EGQNAFY,85.7%)、19で示されるポリペプチド(EQQNAFY−NH,85.7%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号9で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
配列番号10で示されるポリペプチド(EQQSAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY,85.7%)、配列番号12で示されるポリペプチド(DQQSAFY,85.7%)、配列番号14で示されるポリペプチド(EAQQSAFY,87.5%)、配列番号15で示されるポリペプチド(EQSAFY,85.7%)、配列番号19で示されるポリペプチド(EQQNAFY−NH,85.7%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号10で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号10で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号14で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号11で示されるポリペプチド(EQQSAFYEILH)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号3で示されるポリペプチド(EQQNAFYEILH,90.9%)、配列番号13で示されるポリペプチド(DQQSAFYEILH,90.9%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号11で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号11で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号3で示されるポリペプチド、配列番号13で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
さらに、配列番号11で示されるポリペプチドに対して90%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号3で示されるポリペプチド、配列番号13で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号12で示されるポリペプチド(DQQSAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号10で示されるポリペプチド(EQQSAFY,85.7%)、配列番号17で示されるポリペプチド(DAQQSAFY,87.5%)、配列番号18で示されるポリペプチド(DQSAFY,85.7%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号12で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号12で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号17で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号13で示されるポリペプチド(DQQSAFYEILH)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号11で示されるポリペプチド(EQQSAFYEILH,90.9%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号13で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号13で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号11で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
さらに、配列番号13で示されるポリペプチドに対して90%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号11で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号14で示されるポリペプチド(EAQQSAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号10で示されるポリペプチド(EQQSAFY,87.5%)、配列番号16で示されるポリペプチド(EAQQNAFY,87.5%)、配列番号17で示されるポリペプチド(DAQQSAFY,87.5%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号14で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号14で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号10で示されるポリペプチド、配列番号16で示されるポリペプチド、配列番号17で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号15で示されるポリペプチド(EQSAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号10で示されるポリペプチド(EQQSAFY,87.5%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号15で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
配列番号16で示されるポリペプチド(EAQQNAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY,87.5%)、配列番号14で示されるポリペプチド(EAQQSAFY,87.5%)、配列番号19で示されるポリペプチド(EQQNAFY−NH,87.5%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号16で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号16で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号1で示されるポリペプチド、配列番号14で示されるポリペプチド、配列番号19で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号17で示されるポリペプチド(DAQQSAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号12で示されるポリペプチド(DQQSAFY,87.5%)、配列番号14で示されるポリペプチド(EAQQSAFY,87.5%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号17で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
また、配列番号17で示されるポリペプチドに対して87%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号12で示されるポリペプチド、配列番号14で示されるポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号18で示されるポリペプチド(DQSAFY)に対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号12で示されるポリペプチド(DQQSAFY,85.7%)などが挙げられる。なお、括弧内のアミノ酸配列の後に記載したパーセンテージは、配列番号18で示されるポリペプチドに対する配列相同性を表す。
配列番号2〜4のいずれかで示されるポリペプチドと85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチドとしては、アミノ酸配列中、EQQNAFYで示される部分のアミノ酸配列に変化がないもの、またはその部分のアミノ酸配列がEGQNAFY、EQQSAFYに置換されたものが好ましく、その部分のアミノ酸配列に変化がないものが好ましい。
また、本発明は、配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜10個のアミノ酸残基、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が共有結合した抗体結合性ポリペプチドを提供する。
上記1〜10個のアミノ酸残基からなるアミノ酸またはポリペプチドは、例えば、担持材料(担体)とのリンカーとして利用できる。担体とのリンカーとしてはチオール基を持つCys、アミノ基を持つLys、Orn、Dbu、Dpr、カルボキシル基を持つGlu、Asp、水酸基を持つSer、Thr、Tyr、その他、His、Arg等が挙げられ、さらにそれらのアミノ酸残基を複数個利用することもできる。また、選択されるアミノ酸側鎖として、チオール基を持つCys、アミノ基を持つLys、Orn、Dbu、Dpr,カルボキシル基を持つGlu、Asp、水酸基を持つSer、Thr、Tyr、その他、His、Arg等が好ましく挙げられる。
上記1〜10個のアミノ酸残基からなるリンカーがポリペプチドの主鎖または側鎖と結合する側とは反対側の末端または側鎖には、担体に固定化するための固定化官能基が導入されていてもよい。固定化官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基などが挙げられる。
配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY)に対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜10個のアミノ酸残基、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が共有結合した抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号6で示されるポリペプチド(KKKEQQNAFYKKK)が挙げられる。これは、配列番号1で示されるポリペプチドに対して100%の配列相同性を有するポリペプチド(EQQNAFY)のN末端およびC末端に、それぞれ、3個のアミノ酸残基からなる「KKK」がペプチド結合したものということができる。
配列番号3で示されるポリペプチド(EQQNAFYEILH)に対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜10個のアミノ酸残基、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が共有結合した抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号7で示されるポリペプチド(KKKEQQNAFYEILHKKK)が挙げられる。これは、配列番号3で示されるポリペプチドに対して100%の配列相同性を有するポリペプチド(EQQNAFYEILH)のN末端およびC末端に、それぞれ、3個のアミノ酸残基からなる「KKK」がペプチド結合したものということができる。
また、配列番号1で示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜10個のアミノ酸残基、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が共有結合した抗体結合性ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号2〜8のいずれか1つで表されるアミノ酸配列からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含まないことが好ましく、いずれのアミノ酸配列も含まないことがより好ましい。
また、配列番号2で示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜10個のアミノ酸残基、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号6または7で表されるアミノ酸配列からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含まないことが好ましい。
また、配列番号3で示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜10個のアミノ酸残基、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号4または7で表されるアミノ酸配列からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列を含まないことが好ましい。
また、本発明は、配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜24個のエチレングリコール単位、好ましくは4〜8個のエチレングリコール単位が共有結合した抗体結合性ポリペプチドを提供する。
上記1〜24個のエチレングリコール単位からなるポリエチレングリコール鎖も担持材料(担体)とのリンカーとして利用できる。担体とのリンカーとして利用する場合には、ポリペプチドの主鎖または側鎖と結合する側とは反対側の末端には、担体に固定化するための固定化官能基が導入されていてもよい。固定化官能基としては、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基などが挙げられる。
配列番号1で示されるポリペプチド(EQQNAFY)に対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、それぞれ独立に、1〜24個のエチレングリコール単位、好ましくは4〜8個のエチレングリコール単位が共有結合した抗体結合性ポリペプチドとしては、例えば、配列番号24で示されるポリペプチド(HN−(peg)−EQQNAFYE)が挙げられる。これは、配列番号1で示されるポリペプチドに対して87.5%の配列相同性を有するポリペプチド(EQQNAFYE)のN末端にポリペプチドと結合する側とは反対側の末端にアミノ基を有するエチレングリコール単位8個からなるポリエチレングリコールが共有結合したものである。
さらに、本発明は、配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所が修飾された抗体結合性ポリペプチドを提供する。
修飾は、保護基を導入するものや、ポリペプチドを担体に固定化するための固定化官能基を導入するものが好ましい。例えば、N末端のアセチル化、Boc(tert−ブトキシカルボニル)化、C末端のアミド化、エステル化などが挙げられる。さらに、担体に固定化するためのリンカーを付加してもよく、例えば、1〜24個のエチレングリコール単位からなるポリエチレングリコール鎖の結合などが挙げられる。このポリエチレングリコール鎖のポリペプチドと結合する側とは反対側の末端は、水酸基であってもよいが、アミノ基、カルボキシル基、チオール基などの固定化官能基が導入されてもよい。
さらに、アミノ酸側鎖を修飾してもよく、特に限定されるものではないが、例えば、側鎖水酸基のリン酸化(Tyr、Ser、Thr残基)、側鎖アミノ基のメチル化(Lys残基)、側鎖アミノ基のアセチル化(Lys残基)などが挙げられる。
本発明の抗体結合性ポリペプチドとしては、配列番号1〜4のいずれか1つで示されるポリペプチド、そのポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチド、そのポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所にそれぞれ1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチド、またはそのポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所が修飾されたポリペプチドが好ましく、配列番号1もしくは3で示されるポリペプチド、そのポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチド、またはそのポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所にそれぞれ1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドがより好ましく、配列番号1で示されるポリペプチド、そのポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチド、またはそのポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所にそれぞれ1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドがさらに好ましい。
また、本発明の抗体結合性ポリペプチドとしては、担体に固定化するためのリンカー部分を含むものが好ましく、配列番号1〜4のいずれか1つで示されるポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所にそれぞれ1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドが好ましく、配列番号1または3で示されるポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所にそれぞれ1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドがより好ましく、配列番号6または7で示されるポリペプチドがさらに好ましい。
特に好ましくは、配列番号7で示されるポリペプチドである。
[抗体結合性融合ポリペプチド]
さらに、本発明は、上記抗体結合性ポリペプチドを1ドメイン単位として、そのドメイン単位2〜10個を共有結合にて融合させた抗体結合性融合ポリペプチドを提供する。
抗体結合性融合ポリペプチドとすることにより、抗体および抗体誘導体への結合能を高めることができる。
この抗体結合性融合ポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸残基の側鎖から選択される少なくとも1か所が修飾されていてもよい。
修飾は、保護基を導入するものや、ポリペプチドを担体に固定化するための固定化官能基を導入するものが好ましい。例えば、N末端のアセチル化、Boc(tert−ブトキシカルボニル)化、C末端のアミド化、エステル化などが挙げられる。さらに、担体に固定化するためのリンカーを付加してもよく、例えば、1〜24個のエチレングリコール単位からなるポリエチレングリコール鎖の結合などが挙げられる。このポリエチレングリコール鎖のポリペプチドと結合する側とは反対側の末端は、水酸基であってもよいが、アミノ基、カルボキシル基、チオール基などの固定化官能基が導入されてもよい。
さらに、アミノ酸側鎖を修飾してもよく、特に限定されるものではないが、例えば、側鎖水酸基のリン酸化(Tyr、Ser、Thr残基)、側鎖アミノ基のメチル化(Lys残基)、側鎖アミノ基のアセチル化(Lys残基)などが挙げられる。
このような抗体結合性融合ポリペプチドとして、好ましくは、上記ドメイン単位2〜5個と、さらにドメイン単位間を連結するリンカーを含むものが挙げられる。
リンカーはポリペプチドに共有結合し、ドメイン単位間を連結することができるものであれば特に限定されないが、アミノ酸残基および/またはエチレングリコール単位からなるものが好ましい。
リンカーがアミノ酸残基(ペプチド単位)からなる場合(以下、アミノ酸残基からなるリンカーをペプチドリンカーという場合がある。)、リンカー1つあたりのアミノ酸残基数は、特に限定されないが、1〜10個が好ましく、1〜5個がより好ましい。
また、リンカーがエチレングリコール単位からなる場合(以下、エチレングリコール単位からなるリンカーをPEGリンカーという場合がある。)、リンカー1つあたりのエチレングリコール単位数は、特に限定されないが、1〜24個が好ましく、1〜12個がより好ましく、4個から8個がさらに好ましい。
また、リンカーがアミノ酸残基およびエチレングリコール単位からなる場合(以下、アミノ酸残基およびエチレングリコール単位からなるリンカーを複合リンカーという場合がある。)、アミノ酸残基およびエチレングリコール単位はランダムに結合していてもよいし、交互に結合していてもよいし、アミノ酸残基からなるブロックとエチレングリコール単位からなるブロックとがそれぞれ1ないし複数個連結していてもよい。リンカーがアミノ酸残基およびエチレングリコール単位からなる場合のアミノ酸残基の合計数は、特に限定されないが、1〜10個が好ましく、1〜5個がより好ましい。また、エチレングリコール単位の合計数は、特に限定されないが、1〜24個が好ましく、1〜12個がより好ましく、4個から8個がさらに好ましい。
より具体的には、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカー、リンカー1つあたり1〜24個のエチレングリコール単位からなるPEGリンカー、ならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーが好ましく、リンカー1つあたりのアミノ酸残基数が1〜10個のペプチドリンカーまたはリンカー1つあたりのエチレングリコール単位数1〜24個のPEGリンカーがより好ましく、リンカー1つあたりのアミノ酸残基数が1〜10個のペプチドリンカーがさらに好ましく、リンカー1つあたりのアミノ酸残基数が1〜5個のペプチドリンカーがいっそう好ましい。
また、リンカーを2つ以上含む場合は、それぞれのリンカーのアミノ酸残基の種類および数ならびにエチレングリコール単位数は、同じであってもよいし、相違していてもよい。例えば、ペプチドリンカー、PEGリンカー、および複合リンカーからなる群から、任意に2つ以上のリンカーを選択して用いることができる。
また、リンカーに含むことができるアミノ酸残基の種類は、特に制限されないが、例えば、IgG抗体との相互作用が少ないGly、Ala、Ser等が挙げられる。リンカー1つあたり、Gly、AlaおよびSerからなる群から選択される少なくとも1種類のアミノ酸残基を少なくとも1個含むことが好ましい。すなわち、リンカーとしては、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカーならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーが好ましく、1〜10個のアミノ酸残基がGly、AlaおよびSerからなる群から選択される少なくとも1種類を少なくとも1個含むことがより好ましい。
また、リンカーには、担体との結合性を有するアミノ酸残基含を1個または2個以上含んでもよく、例えば、チオール基を持つCys、アミノ基を持つLys、Orn、Dbu、Dpr、カルボキシル基を持つGluおよびAsp、ならびに水酸基を持つSer、Thr、Tyr、その他、His、Argからなる群から選択される1個または2個以上のアミノ酸残基を含むことができる。
本発明の抗体結合性融合ポリペプチドの分子量は特に限定されるものではないが、抗原性の観点からアミノ酸残基の合計分子量が5000以下であることが好ましく、3500以下であることがより好ましく、3000以下であることがさらに好ましい。
[ポリペプチドの合成方法]
本発明のポリペプチドの合成方法は特に限定されるものではないが、例えば、有機合成化学的ペプチド合成方法または遺伝子工学的ペプチド合成方法によって合成することができる。
有機合成化学的ペプチド合成方法としては、液相合成法、固相合成法のいずれも用いることができる。本発明のポリペプチドの合成方法としては、自動ペプチド合成装置を用いた固相合成法が簡便であり好ましい。
遺伝子工学的ペプチド合成方法は、細胞に遺伝子導入し、ペプチドを合成する方法である。細胞としては、細菌、線虫細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞、動物細胞等が用いられる。
[抗体または抗体誘導体の吸着材料]
また、本発明は、上記抗体結合性ポリペプチドまたは上記抗体結合性融合ポリペプチドを水不溶性担体に固定化した、抗体または抗体誘導体の吸着材料を提供する。さらには、本発明は、この吸着材料を用いるアフィニティクロマト用担体をも提供しうる。
上記水不溶性担体としては、結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デキストラン、架橋プルラン等の多糖類、アクリレート系重合体、スチレン系重合体などの有機担体、ガラスビーズ、シリカゲルなどの無機担体、さらにはこれらの組合せによって得られる、有機−有機、有機―無機等の複合担体などが挙げられる。水不溶性担体としては、アルカリ耐性の観点から、多糖類またはアクリレート系重合体がより好ましく、アガロースまたはセルロース等の多糖類がさらに好ましい。水不溶性担体として用いることができる市販品としては、例えば、多孔質セルロースゲルであるセルファイン(Cellufine) GCL2000(JNC社製)セルファインMAX(Cellfine MAX) CMJNC社製)、アリルデキストランとメチレンビスアクリルアミドとを共有結合で架橋したセファクリル(Sephacryl) S−1000 SF(GEヘルスケア社製)、アクリレート系の担体であるトヨパール(TOYOPEARL)(東ソー社製)、トヨパール(TOYOPEARL) AF−Carboxy−650 (東ソー社製)、トヨパール(TOYOPEARL) GigaCap CM−650 (東ソー社製)、アガロース系の架橋担体であるセファロース(Sepharose) CL4B(GEヘルスケア社製)、エポキシ基で活性化されたポリメタクリルアミドであるオイパーギット(Eupergit) C250L(シグマアルドリッチ社製)などが挙げられる。ただし、本発明における水不溶性担体は、これらの担体または活性化担体にのみ限定されるものではない。また、本発明に用いる水不溶性担体は、本吸着材料の使用目的および方法からみて、表面積が大きいことが好ましく、適当な大きさの細孔を多数有する多孔質であることが好ましい。担体の形態としては、特に限定されるものではないが、ビーズ状、繊維状、膜状、中空糸状など、いずれも可能であり、任意の形態を選ぶことができる。
[担体への固定化方法]
本発明の抗体結合性ポリペプチドまたは抗体結合性融合ポリペプチドを水不溶性担体に固定化する方法は特に限定されるものではないが、一般にタンパク質またはポリペプチドを担体に固定化する場合に採用される方法を例示する。
担体を臭化シアン、エピクロロヒドリン、ジグリシジルエーテル、トシルクロライド、トレシルクロライド、ヒドラジン等と反応させて担体を活性化または担体表面に反応性官能基を導入し、リガンドとして固定化する化合物と反応、固定化する方法、また、担体とリガンドとして固定化する化合物が存在する系にカルボジイミドのような縮合試薬、またはグリセルアルデヒドのように分子中に複数の官能基を持つ試薬を加えて縮合、架橋することによる固定化が挙げられる。
リガンドを担体に固定化する際には、リガンドを水系溶媒(水系分散媒)または有機系溶媒(有機系分散媒)に溶解(分散)することが好ましい。水系溶媒(水系分散媒)としは、特に限定されるものではないが、例えば、HEPES緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などを挙げることができる。有機系溶媒(有機系分散媒)は、特に限定されるものではないが、極性有機溶媒が好ましく、殊にジメチルスルホキシド(DMSO)やジメチルホルムアミド(DMF)、アルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール(IPA,イソプロピルアルコール)、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE,トリフルオロエタノール)、1,1,1,3,3,3-−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP,ヘキサフルオロイソプロピルアルコール)などが挙げられる。
リガンドを固定化する際のpH条件は特に限定されず、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよく、例えば、使用する溶媒(分散媒)に合わせて適宜設定することができる。
例えば、アルカリ性にする場合は、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等の塩基をDMSOやアルコールに添加してもよい。
上記吸着材料をアフィニティクロマトグラフィー用充填剤とする場合の抗体結合性リガンド密度は特に限定されないが、0.1〜1000mmol/充填剤1Lが好ましく、0.1〜500mmol/充填剤1Lがより好ましく、1〜100mmol/充填剤1Lがさらに好ましい。この範囲内であると、抗体結合性リガンドの使用量と抗体精製性能のバランスがよく、より低コストで、効率よく抗体を精製することができる。
[リガンドの分子量]
また、プロテインA、プロテインAのZフラグメント等の分子量が大きな分子は抗原性を有することが知られているが、一般に、アミノ酸残基の合計分子量5000以下、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下の、分子量が小さな分子は抗原性を発現しにくいことも知られている。本発明の抗体結合性ポリペプチドは抗原性を発現しにくく、その抗体結合性ポリペプチドを担体に固定化したリガンド固定化担体は、アフィニティクロマトグラフィー用担体として好適に用いられる。
[抗体結合性ポリペプチドの用途]
本発明の抗体結合性ポリペプチドの用途は、上述したアフィニティクロマトグラフィーの技術領域における抗体結合性リガンドとしての用途のみならず、イムノアッセイの技術領域においては、抗体標識用リンカーとしての用途があり、また、抗体薬物複合体の技術領域においては、抗体薬物複合体用リンカーとしての用途がある。
〈抗体標識用リンカー〉
イムノアッセイは、免疫反応(抗原抗体反応)を利用して、微量物質の検出・定量を行う分析方法であり、特異性が高く高感度であるという特徴を持つ。
イムノアッセイにおいて、微量物質(抗原)に結合した抗体(一次抗体)を検出するには、一次抗体に直接標識する方法、一次抗体に結合する抗体(二次抗体)に標識する方法などがある。本発明の抗体結合性ポリペプチドは、一次抗体に標識物質を結合させるためのリンカーとして用いることができるし、二次抗体に標識物質を結合させるためのリンカーとして用いることもできる。本発明の抗体結合性ポリペプチドは抗体結合性(IgG結合性)を有するので、標識した本発明の抗体結合性ポリペプチドを、標識した二次抗体の代わりに用いることも可能である。
また、標識には多種あり、ラジオアイソトープを標識として用いる系を放射免疫測定法(RIA;radio immunoassay)、ペルオキシダーゼ等の酵素を標識として用いる系を酵素免疫測定法(EIA;enzyme immunoassay)、ルミノール等の化学発光物質を標識として用いる系を化学発光免疫測定法(CLIA;chemiluminescentimmunoassay)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC;fluorescein isothiocyanate)等の蛍光発光物質(蛍光色素)を標識物質として用いる系を蛍光免疫測定法(FIA;fluorescent immunoassay)という。本発明の抗体結合性ポリペプチドは、いずれの系においても、抗体標識用リンカーとして使用することができる。
イムノアッセイの検出感度を上げるためには、抗体1分子に多数の標識を付けることが必要であるが、従来の抗体標識用リンカーでは、多数結合した際に抗体の結合活性の低下を招き、かえってイムノアッセイの利点である特異性および感度を損なう可能性があった。しかし、本発明の抗体結合性ポリペプチドは、抗体に多数結合した場合であっても、抗体の構造的完全性を保持することができ、抗体の結合活性を低下させないので、多数結合した際にも、イムノアッセイの利点である特異性および感度を損なわず、検出感度を上げることが期待される。
〈抗体薬物複合体用リンカー〉
抗体薬物複合体(ADC;Antibody Drug Conjugate)は、別名、武装抗体(Armed Antibody)とも呼ばれ、細胞を認識する抗体と活性本体である薬物(低分子薬物)とを、適切なリンカーで結合した医薬である。抗体薬物複合体の作用機序は、概ね、以下のとおりである。
(1)標的細胞表面の標的分子に抗体薬物複合体の抗体部分が結合する。
(2)抗体薬物複合体が細胞内に取り込まれる。
(3)細胞内で抗体薬物複合体のリンカーが切断される。
(4)細胞内で薬物(低分子薬物)の薬効が発揮される。
抗体薬物複合体では、抗体が標的とする分子が発現している細胞でのみ薬効が発揮されるため、全身の副作用を抑え、標的細胞に集中して薬効を発揮できるため、薬物単体に比べて、よく効き、副作用が少ない。例えば、細胞分裂が盛んながん細胞を攻撃することを目的として開発された抗がん剤は、同様に盛んな細胞分裂で機能を維持している細胞、具体的には、免疫を担当する細胞、消化管の細胞、毛根の細胞なども攻撃してしまうため、副作用として、感染症に弱くなり、下痢を起こし、頭髪が抜け落ちるなどの症状が現れることがある。しかし、抗体薬物複合体では、標的のがん細胞に選択的に抗がん剤を運搬することができるので、抗がん剤が標的細胞以外の細胞を攻撃することによる副作用を抑えることができる。
抗体薬物複合体用リンカーは、抗体薬物複合体の抗体部分と薬物部分とをつなぎ、血中では安定し、細胞内で抗体と薬物を切断して放出することが要求されるだけではなく、抗体の結合活性を損なわないことも要求される。薬物の運搬効率を上げるためには、抗体1分子に多数の薬物を付けることが必要であるが、従来の抗体薬物複合体用リンカーでは、多数結合した際に抗体の結合活性の低下を招き、かえって抗体薬物複合体の利点である選択性を損ない、標的細胞への薬物運搬効率が低下する可能性があった。しかし、本発明の抗体結合性ポリペプチドは、抗体に多数結合した場合であっても、抗体の構造的完全性を保持することができ、抗体の結合活性を低下させないので、多数結合した際にも、抗体薬物複合体の利点である選択性を損なわず、標的細胞への薬物運搬効率を上げることが期待される。
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[ポリペプチドの合成]
表2に示す配列番号1から配列番号20までのポリペプチドまたは融合ポリペプチドを、全自動ペプチド合成装置(PSSM−8、島津製作所社製)により合成した。
[実施例1]
(1)リガンドの固定
GEヘルスケア社製の表面プラズモン共鳴装置であるBiacore3000に市販のCM5(カルボキシメチルデキストラン導入タイプ、GEヘルスケア社製))センサーチップをセットし、SPR(表面プラズモン)用HEPES緩衝液(20mM HEPES−HCl、150mM NaCl、pH7.4)を10μL/minの流速で安定させ、0.2MのEDC(1−エチル―3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、和光純薬工業(株)製)と0.04MのNHS(N−ヒドロキシコハク酸イミド、和光純薬工業(株)製)混合水溶液を70μL添加した。その後、上記HEPES緩衝液にて100μMに希釈し、0.20μm径のPTFEフィルター(ADVANTEC社製)で処理したポリペプチド1の試料液500μLを担体試料に供給し、その後、エタノールアミン溶液によってブロッキング処理を施し、水酸化ナトリウム水溶液にて洗浄して、固定化を行い、固定化担体を製造した。この固定化担体を、以下「固定化担体A」という。
(2)抗体結合性の評価
上記(1)で製造した固体化担体Aに、10〜3000nMのヒトIgG抗体を10分間添加し、HEPES緩衝液中での25℃での解離を測定し、結合反応曲線から抗体の結合速度Kon[nM/s]および解離速度Koff[1/s]を算出し、さらに、ポリペプチド1とヒトIgG抗体の結合反応における解離定数Kd[nM]を算出した。
(抗体結合性の評価基準)
解離定数(Kd)が100nM以下・・・・・・・・・・・・A
解離定数(Kd)が100nM超、300nM以下・・・・・B
解離定数(Kd)が300nM超、500nM以下・・・・・C
解離定数(Kd)が500nM超、1000nM以下・・・・D
解離定数(Kd)が1000nM超・・・・・・・・・・・・E
評価結果を表2の該当欄に示す。
評価AおよびBはリガンドがアフィニティクロマト担体用リガンドとして十分な抗体結合性を有することを表し、評価C、DおよびEは十分な抗体結合性を有しないことを表す。十分な抗体結合性を有するリガンドを用いることにより、回収効率が高くなり、より効率的に抗体を精製することが可能となり、抗体の精製コストをより低減することができる。
なお、BIAevaluation4.1(フィッティングソフト、GEヘルスケア社製)を用いてフィッティングを行い、算出した解離速度Koff=1.7×10−4[1/s]であった。
(3)選択性の評価
上記(1)で製造した固体化担体Aに、25℃にて1000nMのBSA(Bovine Serum Albumin(牛血清アルブミン),シグマアルドリッチ社製)を10分間添加し、HEPES緩衝液中での10分間後の結合量をSPRにて測定した。
(選択性の評価基準)
BSAと結合しなかった・・・・・・・A
BSAと結合したことを確認した・・・D
評価結果を表2の該当欄に示す。
評価Aはリガンドがアフィニティクロマト担体用リガンドとして十分な選択性を有することを表し、評価Dは十分な選択性を有しないことを表す。十分な選択性を有するリガンドを用いることにより、目的の抗体以外のタンパク質がリガンドに結合する可能性が低くなり、より高度に精製された抗体を得ることができる。
(4)アルカリ耐性の評価
合成したポリペプチド1を1N NaOHに室温にて1時間浸漬し、その後上記(1)のようにリガンドを固定化して製造した固定化担体Aの抗体結合量が変化していないかSPRにて評価した。
(アルカリ耐性の評価基準)
抗体結合量が変化しなかった・・・・・A
抗体結合量が低下した・・・・・・・・D
評価結果を表2の該当欄に示す。
評価Aはリガンドがアフィニティクロマト担体用リガンドとして十分なアルカリ耐性を有することを表し、評価Dは十分なアルカリ耐性を有しないことを表す。十分なアルカリ耐性を有するリガンドを用いることにより、アフィニティクロマト用担体を繰り返し洗浄して用いることができるため、抗体の精製コストを低減することができる。
(5)経時安定性の評価
合成したポリペプチド1の溶液を恒温層(40℃)にて1ヶ月保管した後、上記(1)のようにリガンドを固定化して製造した固定化担体Aの抗体結合量が変化していないかSPRにて評価した。
(経時安定性の評価基準)
抗体結合量が変化しなかった・・・・・A
抗体結合量が低下した・・・・・・・・D
評価Aはリガンドがアフィニティクロマト担体用リガンドとして十分な経時安定性を有することを表し、評価Dは十分な経時安定性を有しないことを表す。十分な経時安定性を有するリガンドを用いることにより、アフィニティクロマト用担体を室温条件下にて保管し、繰り返し用いることができるため、抗体の精製コストを低減することができる。
[実施例2]
(1)リガンドとして、配列番号2によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体B」を製造した。
(2)製造した固定化担体Bを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.3×10−4[1/s]であった。
[実施例3]
(1)リガンドとして、配列番号3によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体C」を製造した。
(2)製造した固定化担体Cを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.7×10−4[1/s]であった。
[実施例4]
(1)リガンドとして、配列番号4によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体D」を製造した。
(2)製造した固定化担体Dを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.3×10−4[1/s]であった。
[実施例5]
(1)リガンドとして、配列番号5によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体E」を製造した。
(2)製造した固定化担体Eを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=2.0×10−4[1/s]であった。
[実施例6]
(1)リガンドとして、配列番号6によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体F」を製造した。
(2)製造した固定化担体Fを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.5×10−4[1/s]であった。
[実施例7]
(1)リガンドとして、配列番号7によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体G」を製造した。
(2)製造した固定化担体Gを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.6×10−4[1/s]であった。
[実施例8]
(1)リガンドとして、配列番号8によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体H」を製造した。
(2)製造した固定化担体Hを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.5×10−4[1/s]であった。
[実施例9]
(1)リガンドとして、配列番号9によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体I」を製造した。
(2)製造した固定化担体Iを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.7×10−4[1/s]であった。
[実施例10]
(1)リガンドとして、配列番号10によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体J」を製造した。
(2)製造した固定化担体Jを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.5×10−4[1/s]であった。
[実施例11]
(1)リガンドとして、配列番号11によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体K」を製造した。
(2)製造した固定化担体Kを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.8×10−4[1/s]であった。
[実施例12]
(1)リガンドとして、配列番号12によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体L」を製造した。
(2)製造した固定化担体Lを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.5×10−4[1/s]であった。
[実施例13]
(1)リガンドとして、配列番号13によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体M」を製造した。
(2)製造した固定化担体Mを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.5×10−4[1/s]であった。
[実施例14]
(1)リガンドとして、配列番号14によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体N」を製造した。
(2)製造した固定化担体Nを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.4×10−4[1/s]であった。
[実施例15]
(1)リガンドとして、配列番号15によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体O」を製造した。
(2)製造した固定化担体Oを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.4×10−4[1/s]であった。
[実施例16]
(1)リガンドとして、配列番号16によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体P」を製造した。
(2)製造した固定化担体Pを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.9×10−4[1/s]であった。
[実施例17]
(1)リガンドとして、配列番号17によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体Q」を製造した。
(2)製造した固定化担体Qを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.3×10−4[1/s]であった。
[実施例18]
(1)リガンドとして、配列番号18によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体R」を製造した。
(2)製造した固定化担体Rを用いて、実施例1と同様にして、抗体結合性、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.9×10−4[1/s]であった。
[実施例19]
(1)リガンドとして、表2の実施例19のリガンドの欄に示す1次構造のポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体S」を製造した。
表2の実施例19のリガンドの欄において、1次構造のC末端の「−NH」は、C末端のチロシン残基のカルボキシ基がアミド化されていることを示す。
(2)製造した固定化担体Sを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.5×10−4[1/s]であった。
[実施例20]
(1)リガンドとして、表2の実施例20のリガンドの欄に示す1次構造のポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体T」を製造した。
表2の実施例20のリガンドの欄において、1次構造のN末端の「Ac−」は、N末端のグルタミン残基のα位炭素に結合したアミノ基がアセチル化されていることを示す。
(2)製造した固定化担体Tを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.4×10−4[1/s]であった。
[実施例21]
(1)リガンドとして、表2の実施例21のリガンドの欄に示す1次構造のポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体U」を製造した。
表2の実施例21のリガンドの欄において、1次構造のN末端の「Ac−」は、N末端のグルタミン残基のα位炭素に結合したアミノ基がアセチル化されていることを示す。
(2)製造した固定化担体Uを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.6×10−4[1/s]であった。
[実施例22]
(1)リガンドとして、表2の実施例22のリガンドの欄に示す1次構造のポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体V」を製造した。
(2)製造した固定化担体Vを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.5×10−4[1/s]であった。
[実施例23]
(1)リガンドとして、表2の実施例23のリガンドの欄に示す1次構造のポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH4.0の酢酸緩衝液にて25μMに希釈した試料液50μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体W」を製造した。
(2)製造した固定化担体Wを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.6×10−4[1/s]であった。
[実施例24]
(1)リガンドとして、表2の実施例24のリガンドの欄に示す1次構造のポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体X」を製造した。
(2)製造した固定化担体Xを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.3×10−4[1/s]であった。
[実施例25]
(1)リガンドとして、表2の実施例25のリガンドの欄に示す1次構造の融合ポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体Y」を製造した。
(2)製造した固定化担体Yを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=1.9×10−4[1/s]であった。
[比較例1]
(1)リガンドとして、野生型プロテインA(RepliGen社製)を配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH5.0の酢酸緩衝液にて50nMに希釈した試料液10μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体Z」を製造した。
(2)製造した固定化担体Zを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=2.5×10−4[1/s]であった。
[比較例2]
(1)リガンドとして、改変型プロテインA(Sino Biological社製)を配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたこと、およびpH5.0の酢酸緩衝液にて100nMに希釈した試料液10μLをHEPES緩衝液にて100μMに希釈した試料液500μLの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体AA」を製造した。
(2)製造した固定化担体AAを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=3.2×10−4[1/s]であった。
[比較例3]
(1)リガンドとして、非特許文献1記載の合成方法に従って合成した低分子化合物ApA(下記化学式)を配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体AB」を製造した。
(2)製造した固定化担体ABを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=6.5×10−4[1/s]であった。
[比較例4]
(1)リガンドとして、配列番号26によって示されるポリペプチドを配列番号1によって示されるポリペプチドの代わりに用いたことを除いて、実施例1と同様にして、「固定化担体AC」を製造した。
(2)製造した固定化担体ACを用いて、実施例1と同様にして、解離定数、選択性、アルカリ耐性、および経時安定性を評価した。評価結果を表2の該当欄に示す。
なお、解離速度Koff=2.4×10−4[1/s]であった。
以上の結果から、実施例1〜25の抗体結合性ポリペプチドは、いずれも、天然型プロテインAに遜色のない抗体結合性および選択性を有するとともに、天然型プロテインAおよび改変型プロテインAに比べて優れたアルカリ耐性、経時安定性を有することが示された。
また、天然型プロテインAおよび改変型プロテインAはいずれも抗原性を有するが、本発明の抗体結合性ポリペプチドは抗原性を有しないため、アフィニティクロマト精製用のリガンドとして用いた場合に、精製抗体に混入したとしても、人体に対する安全性が高い。
また、実施例1〜25の抗体結合性ポリペプチドと比較例4のポリペプチド(QQNAFYE)とを対比すると、比較例4のポリペプチドは抗体結合性および選択性が不十分であり、要求される水準に達していなかった。
本発明の抗体結合性ポリペプチドおよび吸着材料は、抗体医薬品の精製部材として有用である。また、本発明の抗体結合性ポリペプチドは、抗体標識用リンカー、または抗体薬物複合体用リンカーとしても有用である。

Claims (13)

  1. 配列番号1〜18のいずれか1つで示される抗体結合性ポリペプチド。
  2. 配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有する抗体結合性ポリペプチド。
  3. 配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、1〜10個のアミノ酸残基が共有結合した抗体結合性ポリペプチド。
  4. 配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所に、1〜24個のエチレングリコール単位が共有結合した抗体結合性ポリペプチド。
  5. 配列番号1〜18のいずれか1つで示されるポリペプチドに対して85%以上の配列相同性を有するポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸側鎖から選択される少なくとも1か所が修飾された抗体結合性ポリペプチド。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体結合性ポリペプチドを1ドメイン単位として、前記ドメイン単位2〜10個を共有結合にて融合させた抗体結合性融合ポリペプチド。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体結合性ポリペプチドを1ドメイン単位として、前記ドメイン単位2〜10個を共有結合にて融合させた抗体結合性融合ポリペプチドのN末端、C末端およびアミノ酸残基の側鎖から選択される少なくとも1か所が修飾された抗体結合性融合ポリペプチド。
  8. 前記抗体結合性融合ポリペプチドが、前記ドメイン単位2〜5個と、さらに前記ドメイン単位間を連結するリンカーとを含む、請求項6または7に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
  9. 前記リンカーが、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカー、リンカー1つあたり1〜24個のエチレングリコール単位からなるPEGリンカー、ならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーである、請求項8に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
  10. 前記リンカーが、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカーならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーであり、前記1〜10個のアミノ酸残基がGly、AlaおよびSerからなる群から選択される少なくとも1種類を少なくとも1個含む、請求項9に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
  11. 前記リンカーが、リンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基からなるペプチドリンカーならびにリンカー1つあたり1〜10個のアミノ酸残基および1〜24個のエチレングリコール単位からなる複合リンカーからなる群から選択される少なくとも1つのリンカーであり、前記1〜10個のアミノ酸残基がLys、OrnおよびCysからなる群から選択される少なくとも1種類を少なくとも1個含む、請求項9に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
  12. 前記ドメイン単位および前記リンカーに含まれるアミノ酸残基の合計分子量が5000以下である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の抗体結合性融合ポリペプチド。
  13. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗体結合性ポリペプチドまたは請求項6〜12のいずれか1項に記載の抗体結合性融合ポリペプチドを水不溶性担体に固体化した、抗体または抗体誘導体の吸着材料。
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