JPWO2016047366A1 - 内視鏡用注射器具 - Google Patents

内視鏡用注射器具

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Abstract

本発明は、注射針が意図せずに露出することを防止できる内視鏡用注射器具を提供するものである。本発明の内視鏡用注射器具は、外筒体(20)と、外筒体(20)内に配置されている内筒体(30)と、内筒体(30)の一方端部に差し込まれている注射針(50)とを含む内視鏡用注射器具(10)であって、内筒体(30)は、内層(31)と、内層(31)の外側面と直接的または間接的に接している外層(35)とを有しており、内層(31)よりも外層(35)の吸水率が低い。

Description

本発明は、内視鏡の鉗子チャンネルを介して人体の体腔内の組織部位に薬液を注射するための内視鏡用注射器具に関するものである。
内視鏡下手術は、患者の主に口や鼻、肛門から内視鏡を挿入して体腔内の様子を観察しながら行われる。内視鏡下手術における体腔内注射では、内視鏡の鉗子口から鉗子チャンネルを通って患者の体腔内に内視鏡用注射器具が挿入されて、この注射器具の注射針を処置対象である患者の組織部位に穿刺して薬液を注入する。内視鏡用注射器具は注射針が設けられた薬液送液用の内筒体と、注射針と内筒体を収納する外筒体を有しているが、内筒体が外筒体に対して相対的に動く際には内筒体と外筒体との接触面において摩擦が生じ、施術の妨げとなる。この摩擦を抑制するために、内筒体および外筒体には高い摺動性を有するポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナイロン等の高分子材料が用いられている。
例えば、特許文献1には、可撓性のある合成樹脂製のチューブからなる外套管と、上記外套管内に進退自在に挿通された可撓性と弾力性のある合成樹脂製チューブからなる送液チューブと、上記送液チューブの先端を斜めに切り削いで形成された針部と、上記送液チューブ内に液体を送り込むために上記送液チューブの基端側に設けられた液体注入口とを有する内視鏡用注射具が記載されている。また、内視鏡用注射具の外套管の材料として低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いること、送液チューブの材料としてナイロン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等を用いることが記載されている。
特開平8−336591号公報
しかしながら、特許文献1に記載された内視鏡用注射具のように、送液チューブの材料としてナイロンを用いた場合、内視鏡用注射具を使用する前段階において、何らかの理由により外套管から針部が露出することがあった。
そこで本発明は、注射針が意図せずに露出することを防止できる内視鏡用注射器具を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために、内視鏡用注射器具が置かれる環境と、この注射器具に使用される材料との関係を考察した。内視鏡用注射器具は、安全性の観点から製造過程において高圧蒸気等を用いた滅菌処理がなされたり、製造後にはメーカの倉庫内などの高湿度環境で長期間保管されたりすることがある。本発明者は、このように湿度が高い環境では、吸水率が高い材料は膨張して寸法が変化して当初の設計より長く伸びてしまうことから、耐湿性は筒体の材料を検討する上で重要な因子の一つであると考えた。特に耐湿性の観点から特に考慮すべき構成部材は、薬液の送液に用いられて、一方端部に注射針が設けられる筒体である。
筒体の材料は、耐湿性以外に摺動性、耐ねじれ性(耐キンク性)、耐薬性、製造加工の容易性、他部材との接合性、コスト等を総合的に評価して選択されるものである。中でもナイロンは摺動性、他部材との接合性がよく、製造コストが安価というメリットがあるためよく用いられているが、吸水率が高いため上述した高湿度環境にさらされると膨張して寸法が変化しやすい。一方、PTFEやPFAなどのフッ素樹脂やポリエチレン樹脂を材料として用いた筒体は摺動性や耐ねじれ性がよく、また吸水率が低いため寸法が安定している。しかしながら、フッ素樹脂やポリエチレン樹脂は他部材との接合性を改善するために表面に化学処理や研磨処理を施す必要があり、製造工程の複雑化やコストの増加が懸念される。そこで、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、内側に配される筒体を二層構造にして吸水率が異なる材料を各層に用いれば、高湿度環境に置かれても寸法が変化しにくい筒体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の内視鏡用注射器具とは、外筒体と、外筒体内に配置されている内筒体と、内筒体の一方端部に差し込まれている注射針とを含む内視鏡用注射器具であって、内筒体は、内層と、内層の外側面と直接的または間接的に接している外層とを有しており、内層よりも外層の吸水率が低いことを特徴とする。本発明の内視鏡用注射器具は内筒体の外層に内層を設けて二層構造とし、この内層の内側面に薬液が接触する構成にしているため、外層を薬液から保護することが可能である。また、本発明に係る外層は吸水率が低いことから高湿度環境に置かれても内筒体が軸方向に膨張しにくく、このため注射針が意図せずに外筒体から露出することを防止できる。さらに、内筒体が径方向にも膨張しにくいため、外筒体と接触して摺動性が低下することを防止できる。
本発明に係る内筒体は、外層の吸水率が内層の吸水率の0.04倍以下であることも好ましい。このように内筒体の外層と内層の吸水率を設定すれば、高湿度環境での内筒体の膨張を抑制することができる。
本発明に係る内筒体は、外層の肉厚が内層の肉厚の2.5倍以上であることも好ましい。低吸水率の外層が厚いほど、高湿度環境での内筒体の膨張を抑制することができる。
本発明の内視鏡用注射器具は、相対湿度40%〜60%の環境に3時間静置した前記内筒体を、相対湿度80%以上の高湿度環境に3時間静置した場合、高湿度環境静置前の内筒体の軸方向の長さに対する高湿度環境静置後の長さが1.013倍以下であることも好ましい。高湿度環境静置前後における内筒体の軸方向の長さの変化が小さければ、高湿度環境に置かれた場合に外筒体から注射針が露出するのを防止することができる。
本発明に係る内筒体は、外層よりも内層の接触角が小さいことも好ましい。内層の接触角が小さいほど他部材との接着力は大きくなるため、例えば注射針等との密着性を高めることができる。
本発明に係る内筒体は、内層の材料がナイロンであり、外層の材料がポリエチレンであることも好ましい。ナイロンは、高分子材料の中でも接触角が小さく注射針と接合しやすい。またポリエチレンは吸水率が低いことから高湿度環境に置かれても膨張しにくいため、内筒体の寸法を安定させることができる。
本発明に係る注射針と内層が熱圧着によって接続されていることも好ましい。内層と注射針を確実に固定することができるため、内層から注射針が脱落することを防止することができる。
本発明には、内筒体の他方端に接続されて、内筒体の軸方向に移動可能な第1把持部が設けられる内視鏡用注射器具も含まれる。第1把持部を軸方向に移動させれば、これに伴い内筒体も第1把持部も移動して外筒体から注射針が露出するため、薬液注入操作を行うことができる。
本発明には、外筒体に接続される第2把持部に、第1把持部を固定する固定手段が設けられる内視鏡用注射器具も含まれる。第1把持部と第2把持部が固定されれば、内筒体の軸方向における注射針の位置が固定されるため、薬液注入操作を安定して行うことができる。
本発明に係る外筒体の針側端部の内径が、内筒体の外径よりも小さいことも好ましい。外筒体の針側端部の内径を小さくすれば、外筒体から注射針を露出させて薬液を注入する場合に減径部に内筒体が引っかかるため、外筒体から内筒体が露出することを防止できる。
本発明に係る内筒体の軸方向において、内筒体が外筒体よりも長いことも好ましい。第1把持部内に挿入される内筒体の長さが大きくなるため、第1把持部は内筒体をより安定して保持することができる。
本発明に係る外筒体の材料がポリテトラフルオロエチレンであり、内筒体の外層の材料がポリテトラフルオロエチレン以外であることも好ましい。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は摩擦係数が小さいことから、内筒体の外層の材料としてPTFE以外を用いても高い摺動性を得ることができる。
本発明の内視鏡用注射器具は、内筒体の外層に内層を設けて二層構造とし、この内層の内側面に薬液が接触する構成にしているため、外層を薬液から保護することが可能である。また本発明に係る内筒体の外層は吸水率が低いことから高湿度の環境に置かれても内筒体が軸方向に膨張しにくく、このため注射針が意図せずに外筒体から露出することを防止できる。さらに、内筒体は径方向にも膨張しにくいため、内筒体と外筒体との接触により摺動性の低下を防止できる。
図1は、本発明の実施の形態における内視鏡用注射器具の平面図(一部断面図)である。 図2は、同実施の形態における内視鏡用注射器具において、外筒体に注射針を収納した場合の軸方向に沿った断面図である。 図3は、同実施の形態における内視鏡用注射器具において、外筒体から注射針を露出させた場合の軸方向に沿った断面図である。
本発明の内視鏡用注射器具は、外筒体と、外筒体内に配置されている内筒体と、内筒体の一方端部に差し込まれている注射針とを含むものであり、内筒体は、内層と、内層の外側面と直接的または間接的に接している外層とを有しており、内層よりも外層の吸水率が低い。本発明の内視鏡用注射器具は、内筒体の外層に内層を設けて二層構造とし、この内層の内側面に薬液が接触する構成にしているため、外層を薬液から保護することが可能である。また本発明に係る内筒体の外層は吸水率が低いことから高湿度の環境に置かれても内筒体が軸方向に膨張しにくく、このため注射針が意図せずに外筒体から露出することを防止できる。さらに、内筒体は径方向にも膨張しにくいため、外筒体と接触して摺動性が低下することを防止できる。
内視鏡用注射器具は、内視鏡下手術において体腔内の組織部位に薬液を注入するために用いられる処置具であり、例えば内視鏡の鉗子口を介して体腔内に挿入されるものである。本発明の内視鏡用注射器具は、外筒体と、該外筒体内に配置されている内筒体と、該内筒体の一方端部に差し込まれている注射針を含んでいる。
外筒体は、体腔内の治療非対象組織部位や内視鏡の鉗子チャンネル内を傷つけないように注射針を収納するための筒状体であり、外筒体内には注射針が差し込まれている内筒体が配置される。
内筒体は、その内腔が薬液を通す流路となっている筒状体であり、内筒体の一方端部、つまり流路の一方端部には注射針が差し込まれている。この注射針を患者の体腔内の治療対象組織部位に穿刺することにより薬液を注入する。内筒体の軸方向の長さは、内視鏡の鉗子口から穿刺対象の組織部位までの距離等を考慮して設定すればよく、例えば2500mm、1500mmとすることができる。
注射針は内筒体の一方端部に差し込まれており、注射針の外表面は内筒体の内側面と直接的または間接的に接している。内層と注射針を確実に固定し、内層から注射針が脱落することを防止するために注射針と内層は熱圧着によって接合されることが好ましい。また、注射針と内層は、接着剤を用いて接着されることも好ましい。接着剤の種類は特に限定されるものではないが、例えばポリウレタン系、エポキシ系、シアノ系、シリコーン系等のものを用いることができる。
内筒体は、内層と、内層の外側面と直接的または間接的に接している外層とを有する二層構造である。内層の内側面と薬液が接触する構成になっているため、外層は基本的には薬液とは直接接触しない。つまり外層は内層によって保護されているため、外層が薬液に侵されることを防止できる。
内層の外側面と外層の内側面は、直接的または間接的に接している。ここで、直接的に接しているとは、例えば熱圧着や融着により内層と外層が互いに接合されていることを指す。また、間接的に接しているとは、例えば接着剤により形成される接着層を介して内層と外層が互いに接合されていることを指す。なお、外層と内層の接合に用いる接着剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系、エポキシ系、シアノ系、シリコーン系等のものを用いることができる。
本発明に係る内筒体の内層は、外層の軸方向の一部にのみ設けられることも好ましい。例えば、内筒体の注射針と接合する部分は内層と外層の二層構造になっており、内筒体の注射針と接合しない部分は外層のみが設けられていてもよい。
また、本発明に係る内筒体は内層よりも外層の吸水率が低い。吸水率は、温度23℃の水中に24時間浸漬させた場合の浸漬前後の質量変化率(単位:%)であり、ASTM試験法のASTM D570に従って測定される。ASTM D570に従い測定した高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、低密度ポリエチレン(LDPE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)の吸水率を表1に示す。
内筒体は、吸水すると吸水率に比例して内筒体の軸方向および径方向に膨張するため、吸水率が低いほど内筒体の膨張を抑制できる。
本発明では吸水率の高い内層の外側面に吸水率の低い外層が接合されていることから、吸水によって内層が膨張しても、内層の膨張を外層が抑えて内筒体全体が膨張しにくいように構成されている。このため高湿度環境において内筒体が軸方向に膨張して外筒体から注射針が露出したり、内筒体が径方向に膨張して内筒体と外筒体との摺動性が低下したりすることを防止できる。
本発明に係る外層の吸水率が内層の吸水率の0.04倍以下であることも好ましい。外層の吸水率と内層の吸水率との差が大きいほど、内筒体全体の膨張は外層の膨張に主に支配されるため、高湿度環境であっても内筒体の膨張を抑制することができる。従って、外層の吸水率は、内層の吸水率の0.025倍以下であることがより好ましく、0.02倍以下であることがさらに好ましく、0.015倍以下であることが特に好ましく、0.01倍以下であることが最も好ましい。
本発明に係る外層の肉厚が、内層の肉厚の2.5倍以上であることも好ましい。低い吸水率を有する外層の肉厚が大きいほど、内筒体全体の膨張は外層による膨張が支配的となり、高湿度環境であっても内筒体の膨張を抑制することができる。従って、外層の肉厚は内層の肉厚の3倍以上であることがより好ましく、4倍以上であることがさらに好ましく、5倍以上であることがさらにより好ましく、7倍以上であることが特に好ましく、10倍以上であることが最も好ましい。
内視鏡用注射器具では、相対湿度40%〜60%の環境において、注射針の先端が外筒体端部の内側からおよそ5mm〜20mmの位置になるように配される。これは主に内視鏡用注射器具が高湿度環境に置かれた場合に内筒体が膨張しても外筒体から注射針が露出しないようにしつつ、薬液注入操作での注射器具の進入深度(ストローク幅)を適切に設定するためである。例えば軸方向の長さが約2500mmの内筒体が膨張して、軸方向の長さが1%(つまりこの場合は25mm)でも大きくなると、外筒体から注射針が露出することがあるため、外筒体および内筒体の寸法には厳格さが要求される。従って周囲の環境が変化しても外筒体および内筒体の寸法はできる限り変化しないことが好ましい。
以上のことから、本発明の内視鏡用注射器具は、相対湿度40%〜60%の環境に3時間静置した内筒体を、相対湿度80%以上の高湿度環境に3時間静置した場合、高湿度環境静置前の内筒体の軸方向の長さに対する高湿度環境静置後の長さが1.013倍以下であることが好ましい。高湿度環境静置前後における内筒体の軸方向の長さの変化は小さいほど、内筒体が軸方向に膨張しにくいため外筒体から注射針が露出するのを防止することができる。また、高湿度環境静置前の内筒体の軸方向の長さに対する高湿度環境静置後の長さは、1.010倍以下であることがより好ましく、1.008倍以下であることが一層好ましく、1.006倍以下であることがさらに好ましく、1.005倍以下であることがさらにより好ましく、1.003倍以下であることが特に好ましく、1.001倍以下であることが最も好ましい。また、高湿度環境静置前の内筒体の軸方向の長さに対する高湿度環境静置後の長さの下限は特に限定されないが、例えば1倍以上であってもよい。
上述のように、高湿度環境静置前の内筒体の軸方向の長さに対する高湿度環境静置後の長さ倍率を測定する条件として、相対湿度40%〜60%の環境に3時間静置した内筒体を相対湿度80%以上の高湿度環境に3時間静置することとしたが、内筒体の伸縮が十分安定していること(例えば飽和伸縮量の80%を超えていること)が明らかな場合には、静置する時間については、30分、1時間、1時間30分、2時間等、と適宜変更することもできる。
注射針を内筒体に確実に固定するために、内層は高い接着性を有していることが好ましい。固体と液体が接着するためにはその分子間距離を近づけることが必要であり、固体表面のぬれ性が高いことがその方法の一つに挙げられる。ぬれ性は水滴の接触角θを測定することでわかり、接触角は固体、液体および気体の接する部位から、液体の曲面に接線を引いたとき、この接線と固体表面のなす角度であり、JIS R 3257に記載の方法により測定することができる。接触角が大きく鈍角であればぬれ性は小さいため接着力は弱く、接触角が小さく鋭角であればぬれ性は大きいため接着力は強くなる。従って、内層と注射針を確実に接合して注射針を内層から脱落させないために、外層よりも内層の接触角が小さいことも好ましい。接触角による接着力の評価は水系の接着剤を用いる場合に有効である。
水系以外の接着剤も含めて、例えば内層の材料と接着剤等との接着力を評価する場合には、ぬれ性の指標として固体表面の分子間力を数値化した表面自由エネルギーγS(単位:N/m)を用いることも好ましい。表面自由エネルギーは接触角と測定液の表面張力の値を用いて、以下の拡張Fowkes式(1)式とYoung式(2)式から求めることができる。なお、接触角の測定液は純水、流動パラフィン、グリセリン、ヨウ化メチレン、n−ヘキサデカン、α−ブロモナフタレンなどから選択することができる。
γL(1+cosθ)/2=(γSd×γLd)1/2+(γSp×γLp)1/2+(γSh×γLh)1/2・・・(1)
γS=γSd+γSp+γSh・・・(2)
γL :測定液の表面張力
γLd:測定液の表面張力分散成分
γLp:測定液の表面張力極性成分
γLh:測定液の表面張力水素結合成分
γS :表面自由エネルギー
γSd:表面自由エネルギー分散成分
γSp:表面自由エネルギー極性成分
γSh:表面自由エネルギー水素結合成分
表面自由エネルギーが大きいほど接着力は大きくなる。従って、外層よりも内層の表面自由エネルギーが大きいことも好ましい。
本発明に係る外筒体の針側端部の内径が、内筒体の外径よりも小さいことも好ましい。外筒体の針側端部の内径を小さくすれば、外筒体から注射針を露出させて薬液を注入する際にこの減径部に内筒体が引っかかるため、外筒体から内筒体が露出することを防止できる。
外筒体と内筒体との摺動性が低下するのを防止するために、外筒体および内筒体の内腔は真円に近く、扁平率が低いことが好ましい。例えば、外筒体および内筒体の扁平率は10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。ここで外筒体の扁平率(%)と内筒体の扁平率(%)は下式のとおり求めることができる。
外筒体の扁平率(%)=(外筒体の外径−外筒体の内径)/外筒体の内径×100
内筒体の扁平率(%)=(内筒体の外径−内筒体の内径)/内筒体の内径×100
また、外筒体の扁平率と、内筒体の扁平率は同等以下であることも好ましい。例えば、外筒体の扁平率と内筒体の扁平率の差の絶対値は5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。また、外筒体の扁平率と内筒体の扁平率の差の絶対値の下限は特に限定されないが、例えば1%以上であってもよい。
本発明に係る筒体の軸方向において、内筒体が外筒体よりも長いことも好ましい。第1把持部内に挿入される内筒体の長さが大きくなるため、第1把持部は内筒体をより安定して保持することができるからである。
外筒体および内筒体は、患者の体腔内で様々な形状に曲げられることから、可撓性を有していることが好ましく、また高い摺動性を有していることも好ましい。よって、外筒体および内筒体の材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ナイロン、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の高分子材料が用いられることが好ましい。
特に内筒体の内層の材料がナイロンで、外層の材料がポリエチレンであることも好ましい。ナイロンは接触角が小さいことから注射針と接合しやすく、ポリエチレンはナイロンに比べて吸水率が低いことから、高湿度環境での内筒体の膨張を抑制することができる。
外筒体の材料がPTFEである場合、PTFEの摩擦係数が小さいことから、外筒体と内筒体との摺動性が良好となる。なお、本発明者の検討によれば、外筒体の材料としてPTFEを用いた場合、内筒体の外層はPTFE以外の材料であることが摺動性の観点から好ましい。
注射針の外表面と内筒体の内側面との密着性を高めるために、注射針の外表面には粗面加工が施されていることも好ましい。例えば、注射針の表面粗さRaは1.0μm以上にすることができる。注射針の材料は特に限定されないが、ステンレスやNi−Ti合金などの金属材料や、ポリエチレン等の高分子材料を用いることができる。
なお、注射針の形状としては公知の中空状のものを用いることができる。注射針の先端、つまり患者の組織部位に先に接触する側は、例えば10度〜40度の角度で斜めに切り出すことができる。
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴を理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る内視鏡用注射器具10の平面図(一部断面図)であり、図2は、同実施の形態における内視鏡用注射器具10において、外筒体20に注射針50を収納した場合の軸方向に沿った断面図であり、図3は、同実施の形態における内視鏡用注射器具10において、外筒体20から注射針50を露出させた場合の軸方向に沿った断面図である。内視鏡用注射器具10は、外筒体20内に内筒体30が配置されて、内筒体30の一方端部に注射針50が熱圧着によって差し込まれている。内筒体30は、内層31と外層35を有しており、薬液が通る流路40から径が大きくなる方向に内層31、外層35の順に配されている。また、内層31は、接着層33を介して外層35と間接的に接している。外筒体20の針側端部には、外筒体20の内径20aが内筒体30の外径30bよりも小さい減径部25が設けられている。
図1の内視鏡用注射器具10では、内筒体30の他方端(針側端部と反対側)に、内筒体30の軸方向に移動可能な第1把持部61が設けられている。術者が第1把持部61を手で把持して軸方向に移動させることによって、内筒体30と注射針50は外筒体20から露出されたり、外筒体20に収納されたりする。図示はしていないが、内筒体30と第1把持部61は、第1把持部61の内部で接続されており、第1把持部61の針側端部と反対側には薬液が収納された容器が接続される。薬液収納容器とは、例えばシリンジとプランジャーを有する注射器等である。内筒体30と第1把持部61は、熱圧着、接着剤による接着等によって接続することができる。内筒体30と第1把持部61との接続状況が確認できるように、第1把持部61には透明な材料を用いることも好ましい。
また、図1では外筒体20の針側端部と反対側に第2把持部62が設けられている。第2把持部62は第1把持部61の外側に設けられて、第1把持部61は第2把持部62に対して軸方向に移動可能に構成されている。このように第1把持部61と第2把持部62を配置することで内筒体30の軸方向と外筒体20の軸方向にずれが発生するのを防止できる。なお、外筒体20と第2把持部62の接続は、内筒体30と第1把持部61の接続と同様に熱圧着、接着剤による接着等を用いることができる。
第1把持部61および第2把持部62の材料としては、例えば、ポリプロピレン等の高分子材料等を用いることができる。第1把持部61および第2把持部62は、例えば、円筒状や角筒状であってもよく、また安定して把持できるように把持部の側面に凹凸や滑り止めが設けられてもよい。図1の第1把持部61と第2把持部62は円筒状であるが、把持を容易にするために薬液収納容器側の外側面に凸部61a,62aがそれぞれ設けられている。
第2把持部62には第1把持部61の軸方向における位置を固定する固定手段65が設けられることも好ましい。図1において固定手段65とは第2把持部62の側部に設けられる開口である。この開口と第1把持部61の外側面に設けられる凸部66とが係合することにより、第1把持部61と第2把持部62は互いに固定される。第1把持部61を内筒体30の注射針50側に移動させた後、注射針50を露出させた状態で第1把持部61と第2把持部62を固定すれば、内筒体30の軸方向における注射針50の位置が外筒体20に対して変化しないため、安定して穿刺および薬液注入が行うことができる。第1把持部61を固定する固定手段65は上述した態様に特に限定されない。例えば第2把持部62の内側に第1把持部61が配される場合には、固定手段65は、第1把持部61の外側面に設けられる凸部66と係合する第2把持部62の内側面に設けられる凹み部であってもよい。
図2および図3を用いて、本発明の実施の形態に係る内視鏡用注射器具10の動作を説明する。本実施の形態における筒体の材料として、内筒体30の内層31にはナイロン、外層35にはポリエチレン、外筒体20にはPTFEを用いた。
図2に示されるように、まず内視鏡用注射器具10の使用前に内筒体30および注射針50が外筒体20内に収納されていることを確認する。次に、内視鏡の鉗子口から内視鏡用注射器具10を挿入し、外筒体20および内筒体30の針側端部を患者の対象組織部位の付近まで移動させる。
術者は穿刺対象となる組織部位の位置を内視鏡で確認しながら第1把持部61を内筒体30の軸方向に移動させて、図3に示されるように内筒体30に差し込まれた注射針50を外筒体20から露出させて注射針50を患者の対象組織部位に穿刺する。このとき第2把持部62には第1把持部61を固定する固定手段65が設けられているため、内筒体30の軸方向における注射針50の位置が外筒体20に対してずれにくい。
注射針50を患者の対象組織部位に穿刺した状態で、例えば第1把持部61の後側に薬液が封入された注射器を接続する。注射器のシリンジに対してプランジャーを第1把持部61側に押し込むことにより、薬液は第1把持部61内に供給されて、内筒体30内の流路40と注射針50を介して患者の対象組織部位に注入される。外筒体20の針側端部には、外筒体20の内径20aが、内筒体30の外径30bよりも小さい減径部25が設けられている。このため、第1把持部61を軸方向に移動させて注射針50を外筒体20から露出させても、内筒体30は露出せず外筒体20内に収納された状態を維持する。
本願は、2014年9月22日に出願された日本国特許出願第2014−192891号に基づく優先権の利益を主張するものである。上記日本国特許出願第2014−192891号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
以下では、高湿度環境静置前後における外筒体に対する注射針の先端の位置の変化量を測定した試験について説明する。まず、測定に必要な外筒体と、外筒体内に配置されて内層と外層を有する内筒体と、内筒体の一方端部に差し込まれている注射針とを含む内視鏡用注射器具を製造した。外筒体と内筒体の軸方向の長さはいずれも2500mmであり、外筒体の外径は2.5mm、内径は1.9mm、内筒体の外径は1.8mm、内径は1.2mmであった。外筒体の材料にはポリプロピレン(PP)を、内筒体の内層の材料にはナイロンを用いた。これらの内視鏡用注射器具において、相対湿度40〜60%の環境に3時間静置した後の外筒体に対する注射針の先端はいずれも外筒体の針側端部(遠位側端部)から5mm近位側に位置している。ここでは内視鏡用注射器具を相対湿度80%に保ったオーブン内に3時間静置した後の外筒体に対する注射針の先端の位置を測定した。なお、本試験では内筒体の肉厚を300μm、内筒体の内層と外層とを接着する接着層の厚さ5μmに固定して、内筒体の外層の材料、内筒体の内層の肉厚、内筒体の外層の肉厚をそれぞれ変化させた。
実施例1〜3では内筒体の外層の材料としてHDPEを用いた。実施例1における内層の肉厚は75μm、外層の肉厚は220μmであり、実施例2における内層の肉厚は30μm、外層の肉厚は265μmであり、実施例3における内層の肉厚は100μm、外層の肉厚は195μmである。
実施例4および実施例5では内筒体の外層の材料としてPTFEを用いた。実施例4における内層の肉厚は30μm、外層の肉厚は265μmであり、実施例5における内層の肉厚は100μm、外層の肉厚は195μmである。
実施例6では内筒体の外層の材料としてETFEを用いた。実施例6における内層の肉厚は30μm、外層の肉厚は265μmである。
内視鏡用注射器具の高湿度環境静置時における湿度(%);加湿時間(時間);外筒体の外径(mm)、内径(mm)、材料、加湿前後の軸方向長さ(mm);内筒体の外径(mm)、内径(mm)、内層の材料、内層の肉厚d1(μm)、外層の材料、外層の肉厚d2(μm)、内層と外層の肉厚比(d2/d1)、内筒体の加湿前後の軸方向長さ(mm);加湿後の注射針の状態を表2に示す。
(実施例1〜3)
実施例1では、加湿後に注射針の先端は外筒体の端部から2mm近位側に位置し、内筒体の軸方向の長さは2503mmであったが外筒体から注射針は露出していなかった。実施例2では、加湿後においても注射針の先端は変わらず外筒体の端部から5mm近位側の位置にあり、すなわち内筒体の軸方向の長さは2500mmから変化はなく、外筒体から注射針は露出していなかった。実施例3では、加湿後に注射針の先端は外筒体の遠位側端部から1mm遠位側に位置し、すなわち内筒体の軸方向の長さは2506mmとなった。実施例3では、内筒体の軸方向の伸び率(100×((高湿度環境静後の長さ/高湿度環境静前の長さ)−1))が0.24%程度に抑えられるという一定の効果を得たものの、外筒体から注射針が1mm程度露出した。
(実施例4〜5)
実施例4では、加湿後においても注射針の先端の位置は外筒体の端部から変わらず5mm近位側の位置にあり、すなわち内筒体の軸方向の長さは2500mmから変化はなく、外筒体から注射針は露出していなかった。一方、実施例5では、加湿後に注射針の先端は外筒体の端部から1mm遠位側に位置し、内筒体の軸方向の長さは2506mmとなった。実施例5では、内筒体の軸方向の伸び率が0.24%程度に抑えられるという一定の効果を得たものの、外筒体から注射針が1mm程度露出した。
(実施例6)
実施例6では、加湿後においても内層の軸方向の長さは2500mmから変化はなく、外筒体から注射針は露出していなかった。
なお、実施例1〜6のいずれの条件においても、加湿前に2500mmであった外筒体の軸方向の長さは、加湿後も2500mmであり、変化しなかった。
上記の試験結果から、内視鏡用注射器具の内筒体を、少なくとも内層と外層を含む複層構造とし、かつ、外層の吸水率を内層の吸水率より低くすることにより、高湿度環境に置かれても膨張しにくい内筒体を作製できることがわかった。また、内層の肉厚は外層に比べて薄い方がよく、例えば外層の肉厚が内層の肉厚の2.5倍以上であることが好ましい。
10:内視鏡用注射器具
20:外筒体、25:減径部
30:内筒体、31:内層、33:接着層、35:外層
50:注射針、61:第1把持部、62:第2把持部、65:固定手段

Claims (12)

  1. 外筒体と、該外筒体内に配置されている内筒体と、該内筒体の一方端部に差し込まれている注射針とを含む内視鏡用注射器具であって、
    前記内筒体は、内層と、該内層の外側面と直接的または間接的に接している外層とを有しており、前記内層よりも前記外層の吸水率が低いことを特徴とする内視鏡用注射器具。
  2. 前記外層の吸水率が、前記内層の吸水率の0.04倍以下である請求項1に記載の内視鏡用注射器具。
  3. 前記外層の肉厚が、前記内層の肉厚の2.5倍以上である請求項1または2に記載の内視鏡用注射器具。
  4. 相対湿度40%〜60%の環境に3時間静置した前記内筒体を、相対湿度80%以上の高湿度環境に3時間静置した場合、
    高湿度環境静置前の内筒体の軸方向の長さに対する高湿度環境静置後の長さが1.013倍以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。
  5. 前記外層よりも前記内層の接触角が小さい請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。
  6. 前記内層の材料がナイロンであり、前記外層の材料がポリエチレンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。
  7. 前記注射針と前記内層が熱圧着によって接続されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。
  8. 前記内筒体の他方端に接続されて、前記内筒体の軸方向に移動可能な第1把持部が設けられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。
  9. 前記外筒体に接続される第2把持部に、前記第1把持部を固定する固定手段が設けられる請求項8に記載の内視鏡用注射器具。
  10. 前記外筒体の針側端部の内径が、前記内筒体の外径よりも小さい請求項1〜9のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。
  11. 前記内筒体の軸方向において、前記内筒体が前記外筒体よりも長い請求項1〜10のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。
  12. 前記外筒体の材料がポリテトラフルオロエチレンであり、前記内筒体の外層の材料がポリテトラフルオロエチレン以外である請求項1〜11のいずれか1項に記載の内視鏡用注射器具。



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