以下に、本技術を実施するための形態を添付図面を参照して説明する。
以下に示す実施の形態に係る医療用観察装置は動画撮影や静止画撮影を行うことができる撮像装置であり、一方向に延びる形状に形成され、光軸方向が長手方向とされている。
以下の説明にあっては、光軸方向を前後方向とし、光軸に直交する所定の各方向を上下方向及び左右方向として方向を示すものとする。また、被写体側を前方とし、被写体の像が取り込まれる方向を後方として説明する。
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
また、以下に示すレンズ群は、単数又は複数のレンズにより構成されたものの他、これらの単数又は複数のレンズと絞りやアイリス等の他の光学素子を含んでもよい。
[医療用システムの概略構成]
先ず、医療用観察装置が用いられる医療用システムの概略構成について説明する(図1参照)。
医療用システム1000は、例えば、病院の手術室や検査室等の室内900に設置されるシステムであり、ロボットアーム装置180と表示装置190を備えている。
ロボットアーム装置180は床200等に設置される基台181と基台181に連結されたアーム182とを有している。
基台181は固定状態で設置されていてもよく、床200等に対して移動可能とされていてもよい。アーム182は複数のリンク部182a、182a、・・・とリンク部182a、182a、・・・を回動可能に連結する関節部182b、182b、・・・とを有している。基台181に連結されたリンク部182aも関節部182bによって基台181に対して回動可能とされている。
最も先端側のリンク部182aには医療用観察装置1が取り付けられている。上記のように、アーム182はリンク部182a、182a、・・・が関節部182b、182b、・・・によって他のリンク部182a、182a、・・・又は基台181に対して回動可能とされているため、リンク部182a、182a、・・・を所望の方向及び所望の角度に回動させることにより医療用観察装置1を所望の位置に所望の向きで位置させることが可能とされている。
室内900において手術や検査等の施術が行われるときには、ロボットアーム装置180と医療用観察装置1がドレープと称される滅菌処理がされた透明な保護シート300によって覆われる。従って、医師等の施術者700による医療用観察装置1の操作部に対する手動操作は保護シート300の外側から行われ、保護シート300を操作部に重ねた状態で両者を把持した状態で行われる。
表示装置190は壁400等に取り付けられ、医療用観察装置1によって撮像された画像や映像が映し出されるディスプレイ等の表示部191を有している。尚、表示装置190は固定された状態又は移動可能な状態で配置された台上に配置されたモニター装置等であってもよく、床200等に固定された状態又は移動可能な状態で設置されたモニター装置等であってもよい。
室内900には、例えば、手術台や検査用のベッド等の施術台500が配置され、施術台500には患者や被検査者等の施術対象者600が横たえられる。医師等の施術者700は、例えば、施術対象者600の患部に対してメスや鉗子等の医療器具800を用いて施術を行う。
施術者700の施術対象者600に対する施術が行われるときには、施術対象者600の患部が医療用観察装置1によって撮像され、撮像された画像や映像が表示装置190の表示部191に映し出される。施術者700は表示部191に映し出される画像や映像を視認すると共に患部を目視によって視認しながら施術を行う。
尚、施術時等にはロボットアーム装置180が電動によって動作されリンク部182a、182a、・・・が回動される構成にされていてもよく、また、施術者700等が医療用観察装置1やリンク部182a、182a、・・・を把持して手動によりリンク部182a、182a、・・・が所望の方向及び所望の角度に回動される構成にされていてもよい。
従って、特に、施術者700等が医療用観察装置1を把持する場合には、医療用観察装置1に対する把持性の向上を図るために、医療用観察装置1が径方向において小型化にされていることが望ましい。
また、施術者700は患部を目視によって視認しながら施術を行う場合が多い。従って、患部を視認したときに医療用観察装置1が視認の妨げにならないようにするために、医療用観察装置1を径方向において小型化することは特に重要である。
尚、医療用観察装置1は最も先端側のリンク部182aに対して任意の方向に回転可能な構成にされていてもよく、この場合には医療用観察装置1の向きの設定を容易かつ円滑に行うことができる。
[医療用観察装置の概略構成]
次に、医療用観察装置1の概略構成について説明する(図2参照)。
医療用観察装置1は外筐2の内部に後述するレンズ鏡筒の一部を除いた部分が配置されて成る。
外筐2は前後方向に延びる形状に形成された本体部3と本体部3の後端部から突出された被取付部4とを有している。
本体部3は前側略半分の部分である前側部5が後側略半分の部分である後側部6より外形が小さくされている。
前側部5は筒状に形成され、前側部5の前端部には少なくとも一部が透明にされたカバー7が取り付けられている。
後側部6は略円筒状に形成された外周部8と外周部8の後端部に連続された円形状の後面部9とを有している。外周部8には周方向において180°略反対側の位置にそれぞれ挿通孔が形成されている。
被取付部4は後側部6の後端部から側方に突出されている。被取付部4はロボットアーム装置180の最も先端側のリンク部182aに取り付けられる。
[レンズ鏡筒の概略構成]
次いで、レンズ鏡筒の概略構成について説明する(図3及び図4参照)。
レンズ鏡筒10は前側鏡筒部11と中間鏡筒部12と後側鏡筒部13が前側から順に結合され、全体として前後方向に延びる形状に形成されている。レンズ鏡筒10は各種のレンズ等を有し被写体を撮像する撮像光学系と撮像光学系によって撮像された被写体の像を光電変換する撮像素子とを有し、撮像光学系と撮像素子を結ぶ方向(前後方向)が光軸方向にされている。
レンズ鏡筒10は撮像光学系が双眼光学系として設けられ、中間鏡筒部12と後側鏡筒部13においてレンズ等の撮像光学系の各要素が左右に並んで配置され、撮像時に取り込まれる光が左側の光学系と右側の光学系とにそれぞれ入射され光の経路が二つにされている。このようにレンズ鏡筒10は二つの光学系にそれぞれ光が入射され、入射された光の視差を用いて立体画像の取得が可能とされている。
前側鏡筒部11は後端側に配置されたレンズ群を除き、レンズ等の撮像光学系の各要素が左右に並んでは配置されておらず取り込まれた光の経路が一つにされている。前側鏡筒部11は対物系とされ、主として、光を取り込む機能と取り込まれた光を合焦するフォーカシングの機能とを有している。従って、前側鏡筒部11にはフォーカシング機構が配置されている。
中間鏡筒部12は結像系であり、主として、取り込まれた光の径を変更して変倍するズーミングの機能を有している。従って、中間鏡筒部12にはズーミング機構が配置されている。
後側鏡筒部13は結像系であり、主として、取り込まれた光に対して異なる分光特性の下での画像を取得するための機能を有している。具体的には、後側鏡筒部13には種類の異なる複数の光学素子、例えば、光学フィルターの切換が可能な切換機構が配置され、切換機構によって光学フィルターが切り換えられることにより異なる分光特性の下での画像を取得することが可能とされている。また、後側鏡筒部13の後端部には撮像光学系によって撮像された被写体の像を光電変換する二つの撮像素子が左右に並んで配置されている。
[レンズ鏡筒の具体的構成]
続いて、レンズ鏡筒10の具体的構成について説明する。
レンズ鏡筒10は、上記したように、前側鏡筒部11と中間鏡筒部12と後側鏡筒部13が前側から順に結合されて構成され、以下には、前側鏡筒部11と中間鏡筒部12と後側鏡筒部13を順に説明する。
<前側鏡筒部の構成>
先ず、前側鏡筒部11の構成について説明する(図3乃至図7参照)。
前側鏡筒部11は前部支持筐体14の内外に所要の各部が配置されて成る(図3乃至図5参照)。前側鏡筒部11は外筐2における本体部3の内部に配置される。
前部支持筐体14は前後に延びる外周部材15、15と外周部材15、15に取り付けられた第1の結合部材16と外周部材15、15に取り付けられた枠状の第2の結合部材17とを有している。
外周部材15、15は左右に離隔して位置され、それぞれ外方(側方)に凸の略円弧状に形成されている。
第1の結合部材16は前後に貫通された枠状部16aと枠状部16aの上端部から後方に突出された突状部16bと枠状部16aの下端部から後方に突出された連結突部16cとを有している。枠状部16aは外周部材15、15の前端部に取り付けられている。突状部16bは外周部材15、15の上端部間に位置されている。連結突部16cは外周部材15、15の下端部間に位置されている。
第2の結合部材17は外周部材15、15の後端部に取り付けられている。
第1の結合部材16の枠状部16aと第2の結合部材17はそれぞれ横長の略小判状に形成され、上部と下部が左右に延びる略直線状に形成され左右両側部がそれぞれ外方(側方)に凸の略円弧状に形成されている。従って、レンズ鏡筒10が外筐2における本体部3の内部に配置された状態において、外周部材15、15の上端部間と下端部間にはそれぞれ空間が形成され、これらの空間がそれぞれ第1の配置空間11aと第2の配置空間11bとされる(図6参照)。
第1の結合部材16の枠状部16aと第2の結合部材17の間には前後に延びる案内軸18、18が上下に離隔して配置されている(図4乃至図6参照)。案内軸18、18は前端部がそれぞれ枠状部16aの上端部と下端部に取り付けられ後端部がそれぞれ第2の結合部材17の上端部と下端部に取り付けられている。
第1の結合部材16の枠状部16aには前端側レンズ群19が保持されている(図3乃至図6参照)。前端側レンズ群19は固定された状態で配置され横長の略小判状に形成されている。
第2の結合部材17には第1レンズ群20、20が左右に並んで保持されている(図5参照)。第1レンズ群20、20は固定された状態で配置されている。
前部支持筐体14の上端部には支持板21が取り付けられ、支持板21は第1の配置空間11aに位置されている(図3、図4及び図6参照)。支持板21は前後に延びる延設面部21aと延設面部21aの前端部から下方に突出された支持面部21bと延設面部21aの後端部から下方に突出されたモーター取付面部21cとを有している。
支持板21には前後に延びるリードスクリュー22が支持されている。リードスクリュー22は前後両端部がそれぞれ支持板21の各一部に回転自在に支持され、第1の配置空間11aに位置されている。
支持板21のモーター取付面部21cにはフォーカス用モーター23が取り付けられている(図4及び図6参照)。フォーカス用モーター23はモーター軸を除いた部分がモーター取付面部21cの後面側に取り付けられ、モーター軸がモーター取付面部21cを後方から貫通された状態にされている。フォーカス用モーター23は前部支持筐体14の外面側に位置されている。
フォーカス用モーター23においてモーター軸が回転されると、フォーカス用モーター23の駆動力がモーター軸を介してリードスクリュー22に伝達され、リードスクリュー22がモーター軸の回転方向に応じた方向へ回転される。
案内軸18、18にはフォーカス枠24が摺動自在に支持されている(図4乃至図6参照)。フォーカス枠24は横長の略小判状に形成されたレンズ保持部24aとレンズ保持部24aから上方又は下方に突出された被支持突部24b、24bとを有している。フォーカス枠24は被支持突部24b、24bがそれぞれ案内軸18、18に摺動自在に支持されている。
フォーカス枠24のレンズ保持部24aにはフォーカスレンズ25が保持されている。フォーカスレンズ25は横長の略小判状に形成されている。
フォーカス枠24の上側の被支持突部24bにはナット部材26が支持されている。ナット部材26は一部が螺合部26aとして設けられ、螺合部26aがリードスクリュー22に螺合されている。従って、フォーカス用モーター23の駆動力によってリードスクリュー22が回転されると、リードスクリュー22の回転方向に応じた方向へナット部材26が送られてフォーカスレンズ25を保持するフォーカス枠24が案内軸18、18に案内されて前後方向(光軸方向)へ移動されフォーカシングが行われる。
前部支持筐体14の上下両端部にはそれぞれ搭載板27、27が取り付けられている(図7参照)。搭載板27は前後に延びる被取付板部27aと被取付板部27aの前端部から下方又は上方に突出された搭載部27bとを有している。搭載板27、27の搭載部27b、27bにはそれぞれ発光ダイオード等の光源28、28が搭載され、光源28、28はそれぞれ前端側レンズ群19の真上と真下に位置されている。
光源28、28は施術時に施術対象者600の患部を照明して患部の視認性の向上を図ると共に明るく鮮明な画像や映像を取得する機能を有している。
上側の搭載板27と上側の光源28は第1の配置空間11aに位置され、下側の搭載板27と下側の光源28は第2の配置空間11bに位置されている。
上記したように、医療用観察装置1にあっては、前端側レンズ群19とフォーカスレンズ25が横長の略小判状に形成され、円形状に対して上下両端部が切り欠かれた所謂Dカットの形状に形成され、前部支持筐体14の上側に第1の配置空間11aが形成され、前部支持筐体14の下側に第2の配置空間11bが形成されている。
このように前部支持筐体14の上側には第1の配置空間11aが形成されているため、支持板21やリードスクリュー22等を有するフォーカス駆動機構を第1の配置空間11aに配置することが可能になり、フォーカス駆動機構の配置スペースを確保するために前側鏡筒部11を大型にする必要がなく、フォーカス駆動機構の十分な配置スペースを確保した上で医療用観察装置1の小型化を図ることができる。
また、医療用観察装置1にあっては、前部支持筐体14の上下両側に第1の配置空間11aと第2の配置空間11bが形成されている。
従って、搭載板27、27と光源28、28を第1の配置空間11aと第2の配置空間11bに配置することが可能になり、搭載板27、27と光源28、28の配置スペースを確保するために前側鏡筒部11を大型にする必要がなく、搭載板27、27と光源28、28の十分な配置スペースを確保した上で医療用観察装置1の小型化を図ることができる。
また、上記のように、支持板21とリードスクリュー22と搭載板27、27と光源28、28を第1の配置空間11a又は第2の配置空間11bに配置することにより医療用観察装置1の小型化が図られ、施術者700等が医療用観察装置1を把持したときに把持し易く、把持性の向上を図ることができる。
さらに、光源28、28が医療用観察装置1における前端部に位置されており、光源28、28によって施術対象者600の患部を照明したときに患部に影が生じ難く、患部の視認性の向上を図ることができると共に明るく鮮明な画像や映像を取得することができる。
<中間鏡筒部の構成>
次に、中間鏡筒部12の構成について説明する(図3、図4、図5、図8乃至図28参照)。
中間鏡筒部12は中間支持筐体29と中間支持筐体29の内外に取り付けられ又は支持された所要の各部とを有している(図3乃至図5参照)。中間鏡筒部12は後述する手動操作摘子の一部を除いて外筐2における本体部3の内部に配置されている。
中間支持筐体29は、図5及び図8に示すように、前後に延びる略筒状に形成された周面部29aと周面部29aの後側の開口を閉塞するように設けられた後面部29bとを有し、後面部29bには図示しない二つの透過孔が左右に並んで形成されている。
中間支持筐体29の前端部には周面部29aの前側の開口を閉塞する連結部材30の後面が取り付けられている。連結部材30には図示しない二つの光透過孔が左右に並んで形成されている。連結部材30は前部支持筐体14の第2の結合部材17に後方から取り付けられている。
中間支持筐体29の内部には前後に延びるガイド軸31、31が上下に離隔して固定された状態で配置されている。ガイド軸31、31の前端部と後端部はそれぞれ連結部材30と中間支持筐体29の後面部29bとに取り付けられている。
ガイド軸31、31には第1のズームレンズ保持枠32が摺動自在に支持されている。第1のズームレンズ保持枠32には上方に突出されたカムピン32aが設けられている(図8参照)。第1のズームレンズ保持枠32には第2レンズ群33、33が左右に並んで保持されている(図5及び図9参照)。
ガイド軸31、31には第2のズームレンズ保持枠34が摺動自在に支持されている(図5、図8及び図9参照)。第2のズームレンズ保持枠34は横長の形状に形成されたレンズ保持部35とレンズ保持部35から突出された被軸支持部36、36とレンズ保持部35から左右に突出された取付突部37、37とレンズ保持部35の左右方向における中央部から上方に突出されたカムピン38とを有している。レンズ保持部35の左右方向における中央部には下方に開口された配置用切欠35aが形成されている(図9参照)。
レンズ保持部35には第3レンズ群39、39が左右に並んで保持されている。
第2のズームレンズ保持枠34にはアイリスユニット40が取り付けられている(図5及び図9参照)。アイリスユニット40は、図10及び図11に示すように、横長の形状に形成されたベース板41とベース板41にスライド自在に支持された第1の羽根42とベース板41にスライド自在に支持された第2の羽根43とベース板41に取り付けられた押さえ板44とベース板41に取り付けられたアイリスモーター45とを有している。
ベース板41は前後方向を向く板状のベース部46とベース部46の左右両端部からそれぞれ後方に突出された被取付突部47、47とベース部46の左右方向における中央部の下端部から後方に突出されたモーター取付部48とを有している。
ベース部46には円形状の透孔46a、46aが左右に離隔して形成されている。ベース部46の前面には後方に突出された四つのガイド軸46b、46b、・・・が上下左右に離隔して設けられている(図11、図13及び図14参照)。ベース部46には下端側の位置に前後に貫通された軸挿通孔46c、46cが上下に離隔して形成され、上側の軸挿通孔46cは上方に凸の円弧状に形成され下側の軸挿通孔46cは下方に凸の円弧状に形成されている。ベース部46の前面には左右に延び前方に凸の摺動突条46d、46d、・・・が上下左右に離隔して設けられている。
第1の羽根42は厚み方向が前後方向にされたシート状に形成され、横長の形状に形成されている。第1の羽根42には左端部に光量制御切欠49が形成されている。光量制御切欠49は右端部を除く部分が略半円形状に形成された半円形部49aとして形成され右端部が右方に凸の略二等辺三角形状に形成された尖形部49bとして形成されている。第1の羽根42には右半部に光量制御孔50が形成されている。光量制御孔50は右端部を除く部分が略円形状に形成された円形部50aとして形成され右端部が右方に凸の略二等辺三角形状に形成された尖形部50bとして形成されている。
第1の羽根42には左右に延びる四つの被ガイド孔42a、42a、・・・が上下左右に離隔して形成されている。第1の羽根42には左右方向における中央部の下端部に作用孔42bが形成され、作用孔42bは上下に延びる直線状に形成されている。第1の羽根42には左右方向における中央部の下端寄りの位置に軸移動孔42cが形成され、軸移動孔42cは上方に凸の円弧状に形成されている。
第1の羽根42は被ガイド孔42a、42a、・・・にそれぞれガイド軸46b、46b、・・・が挿入され、ベース板41のベース部46に左右方向へスライド自在に支持される。
第2の羽根43は厚み方向が前後方向にされたシート状に形成され、横長の形状に形成されている。第2の羽根43には左半部に光量制御孔51が形成されている。光量制御孔51は左端部を除く部分が略円形状に形成された円形部51aとして形成され左端部が左方に凸の略二等辺三角形状に形成された尖形部51bとして形成されている。第2の羽根43には右端部に光量制御切欠52が形成されている。光量制御切欠52は左端部を除く部分が略半円形状に形成された半円形部52aとして形成され左端部が左方に凸の略二等辺三角形状に形成された尖形部52bとして形成されている。
第2の羽根43には左右に延びる四つの被ガイド孔43a、43a、・・・が上下左右に離隔して形成されている。第2の羽根43には左右方向における中央部の下端部に作用孔43bが形成され、作用孔43bは上下に延びる直線状に形成されている。
第2の羽根43は、ベース部46に支持された第1の羽根42に前方から重ねられ、被ガイド孔43a、43a、・・・にそれぞれガイド軸46b、46b、・・・が挿入され、ベース板41のベース部46に左右方向へスライド自在に支持される。
第1の羽根42と第2の羽根43がベース部46に支持された状態においては、ベース部46の一方の透孔46aの前側に光量制御切欠49の少なくとも一部と光量制御孔51の少なくとも一部とが位置され、ベース部46の他方の透孔46aの前側に光量制御孔50の少なくとも一部と光量制御切欠52の少なくとも一部とが位置される。
押さえ板44は厚み方向が前後方向にされたシート状に形成され、横長の形状に形成されている。押さえ板44には円形孔44a、44aが左右に離隔して形成されている。押さえ板44の左右方向における中央部の下端側の位置には軸用孔44b、44bが上下に離隔して形成されている。上側の軸用孔44bは上方に凸の円弧状に形成され、下側の軸用孔44bは下方に凸の円弧状に形成されている。
押さえ板44には左右に延び後方に凸の打出状の摺動突条44c、44c、・・・が上下左右に離隔して設けられている。摺動突条44c、44c、・・・によって押さえ板44の強度が高くされている。
押さえ板44は、第1の羽根42に前方から重ねられた第2の羽根43に前方から重ねられ、ベース板41のベース部46に取り付けられる。従って、押さえ板44によって第1の羽根42と第2の羽根43が前方から押さえられ、第1の羽根42と第2の羽根43のベース部46からの脱落が防止される。
また、押さえ板44がベース部46に取り付けられた状態においては、ベース部46の摺動突条46d、46d、・・・が第1の羽根42の後面に接し、押さえ板44の摺動突条44c、44c、・・・が第2の羽根43の前面に接する。
押さえ板44がベース部46に取り付けられた状態においては、一方の円形孔44aの後側に光量制御切欠49の少なくとも一部と光量制御孔51の少なくとも一部とが位置され、他方の円形孔44aの後側に光量制御孔50の少なくとも一部と光量制御切欠52の少なくとも一部とが位置される(図12参照)。
アイリスモーター45はベース板41のモーター取付部48に後方から取り付けられている(図10及び図11参照)。アイリスモーター45の図示しないモーター軸には駆動部材が連結され、駆動部材には前方に突出された作用軸53、53が設けられている。作用軸53、53はモーター軸を中心とした半径方向においてモーター軸から同じ距離に位置されている。従って、駆動部材がアイリスモーター45の駆動力によって回転されると、作用軸53、53がアイリスモーター45のモーター軸を中心とした周方向へ移動される。
一方の作用軸53は、図13に示すように、順にベース部46の軸挿通孔46cと第1の羽根42の軸移動孔42cと第2の羽根43の作用孔43bと押さえ板44の上側の軸用孔44bとに挿通され、作用孔43bに摺動自在に係合される。他方の作用軸53は順にベース部46の下側の軸挿通孔46cと第1の羽根42の作用孔42bと押さえ板44の下側の軸用孔44bとに挿通され、作用孔42bに摺動自在に係合される。
上記のよう構成されたアイリスユニット40において、アイリスモーター45の駆動によって作用軸53、53が回動されると、作用軸53、53がそれぞれ第1の羽根42の作用孔42bの開口縁と第2の羽根43の作用孔43bの開口縁とに摺動され、第1の羽根42と第2の羽根43がベース板41のガイド軸46b、46b、・・・に案内されてベース部46に対して左右方向へスライドされる(図13及び図14参照)。
このとき第1の羽根42はベース板41のベース部46に設けられた摺動突条46d、46d、・・・に摺動されるため、第1の羽根42のベース部46に対する接触面積が小さく、第1の羽根42のスライド動作の負荷の軽減が図られ、第1の羽根42のスライド動作の円滑化を図ることができる。
また、第2の羽根43は押さえ板44に設けられた摺動突条44c、44c、・・・に摺動されるため、第2の羽根43の押さえ板44に対する接触面積が小さく、第2の羽根43のスライド動作の負荷の軽減が図られ、第2の羽根43のスライド動作の円滑化を図ることができる。
作用軸53、53の一方への回動によって第1の羽根42と第2の羽根43がそれぞれ外側へスライドされると、図13に示すように、光量制御切欠49と光量制御孔51によって形成される開口54及び光量制御孔50と光量制御切欠52によって形成される開口55の大きさがともに大きくなり、開口54、55を透過する光量が増加する。
一方、作用軸53、53の他方への回動によって第1の羽根42と第2の羽根43がそれぞれ内側へスライドされると、図14に示すように、光量制御切欠49と光量制御孔51によって形成される開口54及び光量制御孔50と光量制御切欠52によって形成される開口55の大きさがともに小さくなり、開口54、55を透過する光量が減少する。
このとき、第1の羽根42と第2の羽根43がそれぞれ最も内側までスライドされた状態においては、図14に示すように、光量制御切欠49の尖形部49bと光量制御孔51の尖形部51bとによって開口54が形成されると共に光量制御孔50の尖形部50bと光量制御切欠52の尖形部52bとによって開口55が形成される。従って、アイリスユニット40にあっては、第1の羽根42と第2の羽根43がそれぞれ最も内側までスライドされた状態においても開口54、55が形成されなくなることがなく、開口54、55を透過する光量が存在する。
尚、第1の羽根42と第2の羽根43がそれぞれ内側へ向けてスライドされるときには、ベース板41の少なくとも一つのガイド軸46bに第1の羽根42の被ガイド孔42aの端縁又は第2の羽根43の被ガイド孔43aの端縁が接して、それ以上の第1の羽根42又は第2の羽根43の内側へのスライドが規制される。従って、ベース板41の少なくとも一つのガイド軸46bは第1の羽根42又は第2の羽根43の内側へのスライドを規制するストッパー軸として機能する。
上記のようにアイリスユニット40にあっては、第1の羽根42と第2の羽根43がそれぞれ最も内側までスライドされた状態においても透孔46a、46aの全体が閉塞されることがなく開口54、55を透過する光量が存在するため、施術時に画像や映像が映し出されなくなることがなく、施術の迅速化及び施術の安全性の向上を図ることができる。
また、アイリスユニット40にあっては、二つの作用軸53、53を有する駆動部材がアイリスモーター45のモーター軸に連結され、アイリスモーター45の駆動によって第1の羽根42と第2の羽根43の双方が左右方向へスライドされる。
従って、一つのアイリスモーター45の駆動によって第1の羽根42と第2の羽根43が動作されるため、第1の羽根42と第2の羽根43の駆動のための各別のモーターを設ける必要がなく、医療用観察装置1の製造コストの低減、小型化及び動作の信頼性の向上を図ることができる。
さらに、アイリスユニット40にあっては、第1の羽根42に左右の開口54、55を形成するための光量制御切欠49と光量制御孔50が形成され、第2の羽根43に左右の開口54、55を形成するための光量制御孔51と光量制御切欠52が形成されている。
従って、双眼光学系において開口54、55をそれぞれ形成するために2枚ずつの計4枚の羽根を必要としないため、医療用観察装置1の一層の製造コストの低減、小型化及び動作の信頼性の向上を図ることができる。
アイリスユニット40は第2のズームレンズ保持枠34に取り付けられている(図5及び図9参照)。アイリスユニット40はベース板41の被取付突部47、47がそれぞれ取付突部37、37に係合されると共に所定の部分がネジ止めされることにより第2のズームレンズ保持枠34に前側から取り付けられる。
アイリスユニット40が第2のズームレンズ保持枠34に取り付けられた状態においては、ベース板41から後方に突出された状態で位置されているアイリスモーター45とアイリスモーター45に取り付けられた駆動部材とが第2のズームレンズ保持枠34に形成された配置用切欠35aに位置される(図9参照)。従って、アイリスモーター45と駆動部材は第2のズームレンズ保持枠34の近傍において、その下側に位置される。
このように第2のズームレンズ保持枠34には配置用切欠35aが形成され、アイリスユニット40が第2のズームレンズ保持枠34に取り付けられた状態においてアイリスモーター45と駆動部材が配置用切欠35aに位置されるため、アイリスモーター45と駆動部材の配置スペースの効率化が図られ、その分、医療用観察装置1の小型化を図ることができる。特に、医療用観察装置1の径方向における小型化が図られ、施術者700等が医療用観察装置1を把持したときに把持し易く、把持性の向上を図ることができる。
中間支持筐体29の上端部における左端側には駆動モーター56とエンコーダー57とギヤヘッド58が前後に並んで配置されている(図3参照)。
駆動モーター56はエンコーダー57とギヤヘッド58の間に位置され、エンコーダー57が駆動モーター56の前側に位置され、ギヤヘッド58が駆動モーター56の後側に位置されている。
エンコーダー57は駆動モーター56の回転量を検出する機能を有している。
ギヤヘッド58は内部に配置された図示しないギヤ群と後端部に配置された送りギヤ58aとを有し(図3及び図9参照)、駆動モーター56の駆動力によって回転される。
中間支持筐体29にはギヤヘッド58の近傍にギヤ体59が配置され、ギヤ体59は中間ギヤ59aを有している。中間ギヤ59aはギヤヘッド58の送りギヤ58aに噛合されている。
中間支持筐体29の内部における上端部には前後に延びる軸状の駆動カム60が回転自在に支持されている(図8参照)。駆動カム60は、図15乃至図17に示すように、最も径が大きくされたカム形成部61と、カム形成部61から前方に突出された作用部62と、作用部62から前方に突出された前側被支持軸部63と、カム形成部61から後方に突出されたギヤ取付部64と、ギヤ取付部64から後方に突出された後側被支持軸部65とから成る。
カム形成部61の外周部にはカム溝61aが形成されている。
作用部62には周方向に延びる摺動溝62aが形成されている。摺動溝62aは一端縁が第1の規制縁62bとして形成され他端縁が第2の規制縁62cとして形成されている。作用部62には摺動リング66が外嵌状に回転自在に支持される。摺動リング66には半径方向に貫通された螺孔66aが形成されている。
摺動リング66にはストッパーネジ67が取り付けられる。ストッパーネジ67は頭部67aと螺軸部67bと摺動軸部67cとから成り、摺動軸部67cが螺軸部67bから頭部67aと反対方向へ突出され螺軸部67bより径が一回り小さくされている。ストッパーネジ67は螺軸部67bが螺孔66aに螺合されることにより摺動リング66に取り付けられる。ストッパーネジ67が摺動リング66に取り付けられた状態においては、頭部67aが摺動リング66の外周側に位置され、摺動軸部67cが摺動リング66の内周側に位置される(図18参照)。ストッパーネジ67は摺動軸部67cが作用部62の摺動溝62aに挿入されて摺動自在に係合される。
駆動カム60のギヤ取付部64にはギヤ部材68が外嵌状に固定されている(図15参照)。ギヤ部材68はギヤ体59の中間ギヤ59aに噛合される。従って、駆動モーター56の駆動力が送りギヤ58aから中間ギヤ59aを介してギヤ部材68に伝達され、駆動モーター56の回転方向に応じた方向へ駆動カム60がギヤ部材68と一体になって軸回り方向へ回転される。
中間支持筐体29には内部に軸受部材69、69が前後に離隔して取り付けられている(図8参照)。駆動カム60は前側被支持軸部63と後側被支持軸部65がそれぞれ軸受部材69、69に回転自在に支持されて中間支持筐体29の内部に配置されている。
中間支持筐体29には駆動カム60の上方からストッパーベース70が取り付けられている(図8及び図19参照)。ストッパーベース70は前後に延び駆動カム60を上方から覆う覆い部70aと覆い部70aから下方に突出された規制ピン70bとを有している。規制ピン70bは駆動カム60に支持された摺動リング66の上側に位置され、先端部が摺動リング66に取り付けられたストッパーネジ67の頭部67aに接触可能とされている。
駆動カム60のカム溝61aには第1のズームレンズ保持枠32のカムピン32aと第2のズームレンズ保持枠34のカムピン38とがそれぞれ摺動自在に係合されている。従って、駆動モーター56の駆動力によって駆動カム60が回転されると、駆動カム60の回転方向に応じた方向へカムピン32aとカムピン38が前後方向に送られて第1のズームレンズ保持枠32と第1のズームレンズ保持枠32に保持された第2レンズ群33、33と第2のズームレンズ保持枠34と第2のズームレンズ保持枠34に保持された第3レンズ群39、39とがガイド軸31、31に案内されて前後方向(光軸方向)へ移動されズーミングが行われる。
このように第1のズームレンズ保持枠32と第2レンズ群33、33と第2のズームレンズ保持枠34と第3レンズ群39、39は駆動モーター56によって移動される移動体として機能する。
駆動カム60は一方の回転端から他方の回転端まで回転可能とされている(図19乃至図22参照)。
駆動カム60が一方の回転端に位置されている状態においては、図19に示すように、摺動リング66に取り付けられたストッパーネジ67の頭部67aがストッパーベース70の規制ピン70bに接触され、規制ピン70bによって駆動カム60の一方への回転が規制されている。このとき駆動カム60の作用部62に形成された摺動溝62aの第1の規制縁62bがストッパーネジ67の摺動軸部67cに接触された状態にされている。従って、駆動カム60はストッパーネジ67によって一方への回転が規制されている。
駆動カム60が一方の回転端に位置されている状態において駆動モーター56の駆動力が駆動カム60に伝達されると、駆動カム60は摺動リング66に対して回転される(図20参照)。駆動カム60が回転されると、第1の規制縁62bがストッパーネジ67から離隔されストッパーネジ67の摺動軸部67cが相対的に摺動溝62aに対して移動される。
駆動カム60がさらに回転されていくと、ストッパーネジ67の摺動軸部67cが摺動溝62aの第2の規制縁62cによって押圧され、摺動リング66とストッパーネジ67が駆動カム60と一体になって回転されストッパーネジ67が規制ピン70bから離隔されていく(図21参照)。このとき駆動カム60は一方の回転端から1周以上回転されている。
駆動カム60が摺動リング66とストッパーネジ67と一体になって引き続き回転されていくと、第2の規制縁62cによって押圧されているストッパーネジ67の頭部67aが規制ピン70bに接触され(図22参照)、駆動カム60の回転が規制されて他方の回転端に達する。このとき駆動カム60は一方の回転端から約2周回転されている。
一方、駆動カム60が他方の回転端に位置されている状態において駆動カム60が回転されると、第2の規制縁62cがストッパーネジ67から離隔され摺動軸部67cが相対的に摺動溝62aに対して移動される。駆動カム60がさらに回転されていくと、摺動軸部67cが第1の規制縁62bによって押圧されて摺動リング66とストッパーネジ67が駆動カム60と一体になって回転され、第1の規制縁62bによって押圧されているストッパーネジ67の頭部67aが規制ピン70bに接触されることにより駆動カム60の回転が規制されて一方の回転端に達する。このとき駆動カム60は他方の回転端から約2周回転されている。
このように駆動カム60にはストッパーネジ67が取り付けられた摺動リング66が支持されているため、駆動カム60の回転を規制する構成においても駆動カム60が1周より多く回転可能とされている。従って、駆動カム60の回転を規制した上で駆動カム60の大きな回転量を確保してズームレンズ群である第2レンズ群33、33と第3レンズ群39、39の光軸方向における移動量を増加させて変倍機能の向上を図ることができる。
また、駆動カム60の大きな回転量を確保することができるため、駆動カム60の長さを長くすることなく第2レンズ群33、33と第3レンズ群39、39の光軸方向における移動量を増加させることが可能になり、医療用観察装置1の光軸方向における小型化を図ることができる。
尚、上記には、先ず、駆動カム60が摺動リング66に対して回転され、次いで、ストッパーネジ67が駆動カム60の一部によって押圧されて摺動リング66とストッパーネジ67が駆動カム60と一体になって回転される例を示した。しかしながら、医療用観察装置1にあっては、駆動カム60の回転が開始されたときに、先ず、駆動カム60と摺動リング66が一体になって回転され、規制ピン70bにストッパーネジ67の頭部67aが接触されて摺動リング66の回転が停止され、次いで、摺動リング66に対して引き続き駆動カム60が回転される構成にされていてもよい。
中間支持筐体29の後端部における一方の側部にはギヤボックス71が取り付けられている(図4参照)。ギヤボックス71は側方及び上方に開口されたギヤケース72とギヤケース72の開口を閉塞するギヤカバー73とを有している(図4、図23、図24及び図25参照)。
ギヤケース72の内面には内方に突出された保持突部74が設けられている(図26参照)。保持突部74には上方を向く平面部74aと平面部74aの左右方向における一端に連続されギヤケース72の奥側に行くに従って下方に変位する第1の保持係合部74bと平面部74aの左右方向における他端に連続されギヤケース72の開口側に行くに従って下方に変位する第2の保持係合部74cとが形成されている。
ギヤケース72の下端部には操作用孔72aが形成されている(図25参照)。ギヤケース72の下面には検出スイッチ75が取り付けられ、検出スイッチ75は操作用孔72aの近傍に位置されている。検出スイッチ75はスイッチ片75aを有し、スイッチ片75aは操作用孔72aを跨いで位置されている。
ギヤカバー73には左右に貫通された摘子挿通孔73aが形成されている(図26参照)。ギヤカバー73には摘子挿通孔73aの開口縁が内周側に張り出されたフランジ状の移動規制部73bとして設けられている。
ギヤケース72の左右方向における奥側の面部には支点軸76が取り付けられている。支点軸76は左右方向に延び一端部がギヤケース72の奥側の面部に取り付けられている。
支点軸76には操作体77が支持されている。支点軸76の一端寄りの位置にはオーリング78が取り付けられている。
操作体77は左右に延びる被支持ギヤ79と被支持ギヤ79の一端部に取り付けられた手動操作摘子80とを有している。
被支持ギヤ79は支点軸76に支持され左右方向に延びる連結軸79aと連結軸79aの軸方向における一端部から外方に張り出された切換ギヤ79bとが一体に形成されて成る。
操作体77は支点軸76に対して支点軸76の軸回り方向へ回転可能とされると共に支点軸76に対して支点軸76の軸方向へ移動可能とされている。
手動操作摘子80は被支持ギヤ79に取り付けられた摘子ベース81と摘子ベース81に取り付けられ摘子ベース81を外側から覆う操作キャップ82とを有している。手動操作摘子80は少なくとも一部が外筐2の外周部8に形成された一方の挿通孔から側方に突出されている(図2参照)。
摘子ベース81は被支持ギヤ79の略半部を覆う状態で被支持ギヤ79にネジ止め等によって取り付けられた被取付部81aと被取付部81aの軸方向における一端部から外方に張り出されたフランジ状の被規制部81bとを有している(図26参照)。
操作キャップ82は被取付部81aを覆う状態で摘子ベース81に取り付けられている。操作キャップ82が摘子ベース81に取り付けられた状態においては、被規制部81bの外周部が操作キャップ82の外周面より外側に位置されている。操作キャップ82の外周面はローレット加工等により所定の形状に加工された摘子面82aとして形成されている。操作体77は操作キャップ82の摘子面82aが把持されて手動により回転される。従って、操作キャップ82にローレット加工等により加工された摘子面82aが形成されることにより、操作体77に対する良好な操作性を確保することができる。
手動操作摘子80はギヤボックス71に収納される方向における移動端である第1の位置とギヤボックス71から引き出される方向における移動端である第2の位置との間で移動可能にされている。また、被支持ギヤ79は摘子ベース81とともに操作キャップ82と一体になって移動され、切換ギヤ79bは手動操作摘子80が第1の位置に移動されたときに非噛合位置に移動され手動操作摘子80が第2の位置に移動されたときに噛合位置に移動される。
操作体77の被支持ギヤ79には保持部材83が外嵌状に支持されている。保持部材83は被支持ギヤ79に対して軸回り方向へ相対的に回転可能かつ被支持ギヤ79に対して軸方向へ移動不能にされ、操作体77の軸回り方向への回転に伴っては被支持ギヤ79とともに回転されず、操作体77の軸方向への移動に伴っては被支持ギヤ79と一体になって移動される。
保持部材83は被支持ギヤ79に外嵌状に支持される筒状部84と筒状部84から半径方向(外方)に突出された連結突部85とを有している。筒状部84には外方に突出された操作突部84aが設けられている(図25参照)。操作突部84aはギヤケース72に形成された操作用孔72aに挿入され先端部が操作用孔72aから外方に突出されている。連結突部85には外側に凸の位置保持部85aが設けられ、位置保持部85aは筒状部84に離接する方向へ弾性変形可能とされている(図26参照)。
上記のように構成された操作体77は手動操作摘子80がギヤカバー73の摘子挿通孔73aに挿通され、手動操作摘子80側の部分がギヤボックス71の外側に位置される。摘子ベース81の被規制部81bはギヤボックス71の内部に位置され、ギヤカバー73に設けられた移動規制部73bに接触可能な状態にされる。
ギヤボックス71には内部において伝達ギヤ86が回転自在に支持されている。伝達ギヤ86は左右に延びるギヤ軸87とギヤ軸87を支点として回転される移動ギヤ88とを有している。
ギヤ軸87は軸方向における一端部がギヤケース72の左右方向における奥側の面部に取り付けられ軸方向における他端部がギヤカバー73の一部に取り付けられている。ギヤ軸87には軸方向における中間部から外方に張り出されたフランジ状の受突部87aが設けられている。
移動ギヤ88の軸方向における一端部には内方に張り出されたフランジ状の受部88aが設けられている。移動ギヤ88はギヤ軸87に対してギヤ軸87の軸方向へ移動可能とされている。従って、ギヤボックス71の内部にはギヤ軸87の軸方向において移動ギヤ88の移動を許容する移動空間71aが形成されている。
移動ギヤ88の中心孔88bには圧縮コイルバネである噛合補助バネ89が配置され、噛合補助バネ89はギヤ軸87の受け突部87aと移動ギヤ88の受部88aとの間で圧縮された状態で配置されている。従って、移動ギヤ88には噛合補助バネ89によってギヤカバー73と反対方向への付勢力が付与されている。
ギヤボックス71には内部において複数の連動ギヤ90、90、・・・が回転自在に支持されている(図23及び図24参照)。連動ギヤ90、90、・・・は伝達ギヤ86とともに操作キャップ82が操作されたときの手動による駆動力を駆動カム60に伝達する機能を有し、少なくとも一部が減速ギヤとしても機能する。最も伝達ギヤ86側に位置された連動ギヤ90は移動ギヤ88に噛合され、最も駆動カム60側に位置された連動ギヤ90は駆動カム60に取り付けられたギヤ部材68に噛合されている。
手動操作摘子80が第1の位置にあり被支持ギヤ79の切換ギヤ79bが非噛合位置にある状態においては、図26に示すように、切換ギヤ79bが移動ギヤ88に噛合されていない状態にされている。このとき保持部材83の位置保持部85aがギヤケース72に設けられた第1の保持係合部74bに係合され、操作体77がギヤボックス71に対して位置決めされて手動操作摘子80が第1の位置に保持されると共に切換ギヤ79bが非噛合位置に保持されている。
切換ギヤ79bが非噛合位置にあるときには駆動モーター56の駆動力によって駆動カム60が回転され、電動駆動によって第2レンズ群33、33と第3レンズ群39、39が移動されてズーミングが行われる。このとき切換ギヤ79bが移動ギヤ88に噛合されていないため、駆動モーター56の駆動力が切換ギヤ79bには伝達されず、操作体77は回転されない。
一方、駆動モーター56に故障等が生じ電動駆動を行うことができなくなった場合には、操作キャップ82を施術者700等が把持して操作体77をギヤボックス71から引き出す方向へ移動させることにより、以下のように、手動によるズーミングを行うことができる。
操作キャップ82を把持して操作体77をギヤボックス71から引き出す方向へ移動させると、切換ギヤ79bが噛合位置に至り移動ギヤ88に噛合される(図27参照)。このとき保持部材83の位置保持部85aは移動の途中において弾性変形されて第1の保持係合部74bから平面部74aに乗り上げた後に弾性復帰して第2の保持係合部74cに係合される。従って、操作体77がギヤボックス71に対して位置決めされて手動操作摘子80が第2の位置に保持されると共に切換ギヤ79bが噛合位置に保持される。
手動操作摘子80が第1の位置から第2の位置に移動されるときには、操作体77の移動に伴って保持部材83が移動され操作突部84aによって検出スイッチ75のスイッチ片75aが操作される。スイッチ片75aが操作されると、駆動モーター56の駆動が行われない非駆動状態とされる。
また、手動操作摘子80が第1の位置から第2の位置へ向けて移動されたときには、被規制部81bが移動規制部73bに接触可能とされているため、被規制部81bが移動規制部73bに接触されると手動操作摘子80のギヤボックス71に対する移動が規制される。
保持部材83の位置保持部85aが平面部74aから第2の保持係合部74cに係合されるときには、操作キャップ82を把持している手に係合位置の変化に基づく感触が伝達されて施術者700等に所謂クリック感が生じる。
従って、手動操作摘子80の移動時に操作キャップ82に保持部材83を介して伝達される負荷の大きさによって位置保持部85aの第2の保持係合部74cに対する係合状態が認識され、施術者700等は操作体77の引出操作が完了したことを容易に認識することができ、操作体77の引出操作を容易かつ確実に行うことができると共に切換ギヤ79bを噛合位置に確実に移動させることができる。
操作体77の引出操作が完了した後に、操作キャップ82の摘子面82aを把持した状態で手動操作摘子80を回転させると、手動操作による駆動力が切換ギヤ79bから伝達ギヤ86と連動ギヤ90、90、・・・とギヤ部材68を介して駆動カム60に伝達され、手動操作により第2レンズ群33、33と第3レンズ群39、39が移動されてズーミングが行われる。従って、伝達ギヤ86と連動ギヤ90、90、・・・とギヤ部材68と駆動カム60は移動体として機能する第1のズームレンズ保持枠32と第2レンズ群33、33と第2のズームレンズ保持枠34と第3レンズ群39、39に駆動力を伝達する駆動力伝達機構として機能する。
このとき駆動カム60の回転に伴って駆動モーター56が回転され、駆動モーター56の回転による負荷が施術者700等に付与される。従って、駆動モーター56としては、手動操作摘子80の操作時に施術者700等に付与される負荷が最適となるようなトルクを有するものを用いることが望ましい。
尚、操作体77の引出操作を行うときに、切換ギヤ79bのギヤ歯の位相と移動ギヤ88のギヤ歯の位相によっては、操作体77が移動されるときに切換ギヤ79bの一端面が移動ギヤ88の一端面に接触し切換ギヤ79bが移動ギヤ88に噛合されない可能性がある。この場合には、被支持ギヤ79の移動に伴って移動ギヤ88が切換ギヤ79bに押圧され、移動ギヤ88が被支持ギヤ79の移動に伴って移動空間71aを移動される(図28参照)。
移動ギヤ88が移動空間71aを移動されるときには移動ギヤ88の中心孔88bに配置された噛合補助バネ89が圧縮され、移動ギヤ88に対して付与されるギヤカバー73と反対方向への噛合補助バネ89の付勢力が大きくなる。
移動ギヤ88が被支持ギヤ79の移動に伴って移動された状態において、手動操作摘子80が回転されると、被支持ギヤ79が手動操作摘子80に伴って移動ギヤ88に対して回転されて切換ギヤ79bのギヤ歯の位相と移動ギヤ88のギヤ歯の位相とが直前の位相とは異なる状態になり、移動ギヤ88が噛合補助バネ89の付勢力によってギヤカバー73と反対方向へ移動され、切換ギヤ79bと移動ギヤ88が噛合される。従って、手動操作摘子80を引き続き回転させることにより、手動操作により第2レンズ群33、33と第3レンズ群39、39を移動させてズーミングを行うことができる。
このように医療用観察装置1にあっては、伝達ギヤ86を軸方向において切換ギヤ79bに近付く方向へ付勢する噛合補助バネ89が設けられているため、手動操作摘子80が第1の位置から第2の位置へ向けて移動され伝達ギヤ86が切換ギヤ79bに押圧されて移動されたとしても、手動操作摘子80に対する回転操作により噛合補助バネ89によって伝達ギヤ86が切換ギヤ79bに近付く方向へ移動されて両者が噛合される。
従って、手動操作摘子80の第1の位置から第2の位置へ向けての移動時に、切換ギヤ79bと伝達ギヤ86が噛合しないときにおいても両者を確実に噛合させて動作の信頼性の向上を図ることができる。
一方、手動操作摘子80がギヤボックス71から引き出され第2の位置にある状態において操作キャップ82をギヤボックス71側に押し込んでいくと、操作体77がギヤボックス71に収納される方向へ移動されていく。
操作体77がギヤボックス71に収納される方向へ移動されていくと、保持部材83の位置保持部85aが移動の途中において弾性変形されて第2の保持係合部74cから平面部74aに乗り上げた後に弾性復帰して第1の保持係合部74bに係合される。従って、操作体77がギヤボックス71に対して位置決めされて手動操作摘子80が第1の位置に保持されると共に切換ギヤ79bが非噛合位置に保持される。
手動操作摘子80が第2の位置から第1の位置に移動されるときには、操作体77の移動に伴って保持部材83が移動され操作突部84aによって検出スイッチ75のスイッチ片75aが操作される。スイッチ片75aが操作されると、駆動モーター56の駆動が可能な駆動状態とされる。
保持部材83の位置保持部85aが平面部74aから第1の保持係合部74bに係合されるときには、操作キャップ82を把持している手に係合位置の変化に基づく感触が伝達されて施術者700等に所謂クリック感が生じる。
従って、手動操作摘子80の移動時に操作キャップ82に保持部材83を介して伝達される負荷の大きさによって位置保持部85aの第1の保持係合部74bに対する係合状態が認識され、施術者700等が操作体77の押込操作が完了したことを容易に認識することができ、操作体77の押込操作を容易かつ確実に行うことができると共に切換ギヤ79bを非噛合位置に確実に移動させることができる。
また、医療用観察装置1にあっては、支点軸76の軸回り方向へ回転操作されると共に第1の位置と第2の位置の間で移動可能とされた手動操作摘子80が設けられ、非噛合位置において切換ギヤ79bと伝達ギヤ86の噛合が解除され、噛合位置において切換ギヤ79bと伝達ギヤ86が噛合される。
従って、駆動モーター56による電動駆動時に手動操作摘子80が回転されることがなく、移動体である第2レンズ群33、33と第3レンズ群39、39に対する電動駆動が不能とされた状態においても、手動操作による移動体の移動が可能とされると共に電動駆動時にドレープと称される保護シート300を巻き込むことがなく施術時における不具合の発生を防止することができる。
さらに、切換ギヤ79bが噛合位置に移動されたときには、駆動モーター56が非駆動状態にされるため、手動操作摘子80が回転操作された状態において駆動モーター56の駆動によって伝達ギヤ86が回転されることがなく、手動操作摘子80に対する手動による回転操作の妨げを防止することができる。
さらにまた、第1の位置から第2の位置へ向かう方向が手動操作摘子80をギヤボックス71から引き出す方向とされている。
従って、手動操作摘子80をギヤボックス71から引き出した状態で手動操作摘子80に対する手動操作が行われるため、手動操作摘子80の指で把持する部分の面積が大きくなり、手動操作摘子80に対する良好な操作性を確保することができる。
また、医療用観察装置1にあっては、手動操作摘子80が第1の位置に移動されているときに保持部材83の位置保持部85aがギヤボックス71の第1の保持係合部74bに係合されて切換ギヤ79bが非噛合位置に保持され、手動操作摘子80が第2の位置に移動されているときに位置保持部85aが第2の保持係合部74cに係合されて切換ギヤ79bが噛合位置に保持される。
従って、ギヤボックス71に第1の保持係合部74bと第2の保持係合部74cが設けられているため、ギヤボックス71が切換ギヤ79bや伝達ギヤ86等の各ギヤを配置する機能と切換ギヤ79bを噛合位置及び非噛合位置に保持する機能とを有し、部品点数の増大を来すことなく切換ギヤ79bを噛合位置及び非噛合位置に確実に保持することができる。
加えて、ギヤボックス71に移動規制部73bが設けられ、手動操作摘子80に移動規制部73bに接触可能な被規制部81bが設けられている。
従って、手動操作摘子80が第1の位置から第2の位置へ向けて移動されたときに被規制部81bが移動規制部73bに接触されると手動操作摘子80のギヤボックス71に対する移動が規制され、手動操作摘子80の必要以上の移動が規制されて手動操作摘子80のギヤボックス71からの脱落を防止することができる。
尚、医療用観察装置1は施術時等において保護シート300によって覆われた状態で使用されるため、手動操作摘子80に対する手動による回転操作は保護シート300の外側から行われ、保護シート300を手動操作摘子80に重ねた状態で両者を把持した状態で行われることがある。
そこで、良好な操作性を確保するために、例えば、手動操作摘子80とは異なる位置で手動操作を行うことができる操作部を有する操作機構を手動操作摘子80に連結し、操作部を手動により操作することにより手動操作摘子80が回転されるように構成することが可能である。
<後側鏡筒部の構成>
次いで、後側鏡筒部13の構成について説明する(図3、図4、図5、図29乃至図55参照)。
後側鏡筒部13は後部支持筐体91と後部支持筐体91の内外に取り付けられ又は支持された所要の各部とを有している(図3乃至図5参照)。後側鏡筒部13は後述する操作レバーの少なくとも一部を除いて外筐2における本体部3の内部に配置されている。
後部支持筐体91は前方に開口された箱状のケース体92とケース体92の開口を閉塞するカバー体93とを有している(図29乃至図31参照)。後部支持筐体91は中間支持筐体29の後面部29bにネジ止め等によって後方から取り付けられている。
ケース体92は上面部94と下面部95と後面部96と左側面部97と右側面部98を有し、上下方向における幅より左右方向における幅が稍長い横長の形状に形成されている(図32乃至図34参照)。
後面部96の前面側には円形の枠状に形成されたレンズ枠部96a、96aが左右に並んで設けられている。後面部96は上下両端部が上下両端部以外の部分より後方に位置され、上下両端部以外の部分に後方に開口された浅い凹状部96bが形成されている(図35参照)。後面部96の後面側には横長の矩形の枠状に形成された配置枠部96c、96cが左右に並んで設けられている。後面部96には配置枠部96c、96cの内側にそれぞれ矩形状の入射窓96d、96dが形成されている。
後面部96の前面(内面)には、上端寄りの位置に第1のストッパー部96e、96eが設けられ、下端寄りの位置に第2のストッパー部96f、96fが設けられている(図34参照)。第1のストッパー部96e、96eと第2のストッパー部96f、96fはそれぞれ左右に離隔して位置され、前方に稍突出されている。
左側面部97にはレバー支持孔97aが形成されている(図32参照)。左側面部97にはレバー支持孔97aの上方にそれぞれ外方(側方)に突出されたバネ掛け突部97bと支持軸97cが設けられている。
右側面部98にはキャップ支持孔98aが形成されている(図33参照)。右側面部98にはキャップ支持孔98aの前側に端子突出孔98b、98bが上下に離隔して形成されている。
カバー体93には円形状のレンズ保持部93a、93aが左右に離隔して設けられている(図29及び図31参照)。カバー体93にはレンズ保持部93a、93aの内側に光透過孔93b、93bが形成されている(図31参照)。レンズ保持部93a、93aにはそれぞれ第4レンズ群99、99が取り付けられ、第4レンズ群99、99は固定レンズ群とされている。
後面部96のレンズ枠部96a、96aにはそれぞれ第5レンズ群100、100が取り付けられ、第5レンズ群100、100は固定レンズ群とされている。尚、第4レンズ群99、99と第5レンズ群100、100は何れも固定レンズ群とされており、第5レンズ群100、100は第4レンズ群の一部として構成されていてもよい。この場合には、第4レンズ群99、99と第5レンズ群100、100の双方が一つの第4レンズ群として機能する。
後面部96にはシール部材101、101を介して素子ユニット102が取り付けられている(図30及び図31参照)。
シール部材101、101はそれぞれ後面部96の配置枠部96c、96cに挿入されて配置されている(図31参照)。シール部材101はゴム材料等の弾性変形可能な材料によって横長の矩形の枠状に形成されている。
素子ユニット102は前後方向を向く略板状に形成されたアダプター103とアダプター103に配置されたシールガラス104、104とシールガラス104、104上に取り付けられた素子モジュール105、105とを有している(図30及び図31参照)。
アダプター103は横長の略矩形状に形成され、後面部96の凹状部96bに挿入されて配置され、ネジ止め等によって後面部96に取り付けられている。アダプター103には後方に開口された配置用凹部103a、103aが左右に並んで形成されている。アダプター103には配置用凹部103a、103aの内側にそれぞれ透過挿通孔103b、103bが形成されている。
アダプター103の透過挿通孔103b、103bにはそれぞれシール部材101、101の後端部が挿入されている。
シールガラス104、104はそれぞれアダプター103の配置用凹部103a、103aに挿入されて配置され、外周部が接着等によってアダプター103に取り付けられている。シールガラス104、104がアダプター103に取り付けられた状態においては、シールガラス104、104の外周部がそれぞれシール部材101、101の後端部に押し付けられ、シール部材101、101の後端部が外側に屈曲されるように弾性変形され、シール部材101、101の後端部がそれぞれシールガラス104、104の前面に密着される。
従って、後部支持筐体91の内部に塵埃等の異物が侵入し難いと共にシールガラス104、104の前面に塵埃等の異物が付着され難く、医療用観察装置1によって撮像される画像や映像の品質の向上を図ることができる。
素子モジュール105はベース板105aと撮像素子105bとから成り、ベース板105aに撮像素子105bが貼り付けられて構成されている。撮像素子105bは撮像光学系によって撮像された被写体の像を光電変換する機能を有している。素子モジュール105、105はそれぞれ前面がシールガラス104、104の後面に密着された状態で取り付けられ、シールガラス104、104より面積が大きくされている。
上記のように、後部支持筐体91の後面部96には後方に開口された凹状部96bが形成され、素子ユニット102のシールガラス104、104が凹状部96bに配置されているため、後側鏡筒部13が光軸方向において薄型化され、医療用観察装置1の小型化を図ることができる。
左側面部97には操作レバー106が回転自在に支持されている(図3、図29及び図31参照)。操作レバー106は、図29及び図36に示すように、左右方向を向く板状の回転板部107と回転板部107の外面から外方(側方)に突出された操作用突部108と回転板部107の内面から内方(側方)に突出された筒状部109とが一体に形成されて成る。
回転板部107には外周部に順に前方側から第1の係合凹部107aと第2の係合凹部107bと第3の係合凹部107cが周方向に離隔して形成されている。回転板部107には略中央部にネジ挿通孔107dが形成されている。
操作用突部108は直線状に形成され、長手方向における中央部がネジ挿通孔107dの近傍に位置されている。
筒状部109はネジ挿通孔107dの周囲に設けられ略円筒状に形成されている。筒状部109には前端側に開口された位置決め用切欠109a、109aが形成され、位置決め用切欠109a、109aは180°反対側に位置されている。
操作レバー106は筒状部109がレバー支持孔97aに挿入されて左側面部97に回転自在に支持される。操作レバー106は少なくとも一部が外筐2の外周部8に形成された他方の挿通孔から側方に突出されている。
このように操作レバー106は少なくとも一部が外筐2の挿通孔から側方に突出されているため、操作レバー106に対する手動による回転操作を保護シート300の外側から行うことが可能である。保護シート300の外側からの操作レバー106に対する操作は、保護シート300を操作レバー106に重ねた状態で両者を把持した状態で行うことが可能である。
また、操作レバー106においても上記した手動操作摘子80と同様に、良好な操作性を確保するために、例えば、操作レバー106とは異なる位置で手動操作を行うことができる操作部を有する操作機構を操作レバー106に連結し、操作部を手動により操作することにより操作レバー106が回転されるように構成することが可能である。
左側面部97には支持軸97cにクリックレバー110が回動自在に支持されている(図3、図29及び図31参照)。クリックレバー110は、図29及び図37に示すように、軸方向が左右方向にされた円筒状の軸状部110aと一端部が軸状部110aに連続された左右方向を向く板状の連結板部110bと連結板部110bより外側(左側)に位置され左右方向を向く板状の係合突部110cとを有している。クリックレバー110には連結板部110bから内側(右側)に突出されたバネ支持突部110dが設けられている。
クリックレバー110は支持軸97cが軸状部110aに挿入されて支持軸97cを支点として左側面部97に回動自在に支持される。クリックレバー110は段付ネジ150が軸状部110aに挿通されて支持軸97cに螺合されることにより左側面部97に支持される。
クリックレバー110が左側面部97に支持された状態においては、左側面部97とクリックレバー110の間に付勢バネ111が支持される。付勢バネ111は、例えば、トグルバネであり、一端部111aが左側面部97のバネ掛け突部97bに支持され、他端部111bがクリックレバー110のバネ支持突部110dに支持される。
クリックレバー110は操作レバー106の上側に位置され、付勢バネ111の付勢力によって係合突部110cが上方から操作レバー106の外周面に押し付けられる。
右側面部98には筒状キャップ112が回転自在に支持されている(図31参照)。筒状キャップ112は、図31及び図38に示すように、略円筒状に形成された挿入筒部113と挿入筒部113の軸方向における一端部から外方に張り出されたフランジ状の脱落規制部114とが一体に形成されて成る。挿入筒部113には脱落規制部114と反対側に開口された位置決め用切欠113a、113aが形成され、位置決め用切欠113a、113aは180°反対側に位置されている。
筒状キャップ112は挿入筒部113がキャップ支持孔98aに挿入されて右側面部98に回転自在に支持される。
右側面部98には第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116が取り付けられている(図30参照)。第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116としては、例えば、検出を光学的に行うフォトインタラプターが用いられている。
第1の位置検出センサー115は一対の検出子115a、115aと端子115b、115bを有し、検出子115a、115aが右側面部98の内面側に位置され、端子115b、115bが一方の端子突出孔98bから右側面部98の外面側に突出されている。第1の位置検出センサー115は端子115b、115bを介して図示しない検出回路に接続されている。
第2の位置検出センサー116は一対の検出子116a、116aと端子116b、116bを有し、検出子116a、116aが右側面部98の内面側に位置され、端子116b、116bが他方の端子突出孔98bから右側面部98の外面側に突出されている。第2の位置検出センサー116は端子116b、116bを介して図示しない検出回路に接続されている。
第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116はキャップ支持孔98aを支点とした周方向に離隔して位置されている。
右側面部98に筒状キャップ112が支持されると共に第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116が取り付けられた状態においては、右側面部98の外面に側面カバー117が取り付けられる(図4参照)。従って、筒状キャップ112と第1の位置検出センサー115の端子115b、115bと第2の位置検出センサー116の端子116b、116bとは側面カバー117によって覆われて保護される。
後部支持筐体91には内部において素子保持枠118が回動自在に支持されている(図31参照)。素子保持枠118は素子保持部119と左側壁部120と右側壁部121と仕切部122と遮光壁部123を有している(図39乃至図41参照)。
素子保持部119はそれぞれ横長の矩形状に形成された中間枠部124と一端側枠部125と他端側枠部126を有している。中間枠部124と一端側枠部125と他端側枠部126は連続して設けられ、一端側枠部125が他端側枠部126の下方に位置され、中間枠部124が一端側枠部125と他端側枠部126の間に位置されている。中間枠部124の下端部と一端側枠部125の上端部とは共有され、中間枠部124の上端部と他端側枠部126の下端部とは共有されている。
素子保持部119には他端側枠部126の中間枠部124と反対側の端面における左右両端部に、突状の第1の被ストッパー部119a、119aが設けられている(図40参照)。素子保持部119には一端側枠部125の中間枠部124と反対側の端面における左右両端部に、突状の第2の被ストッパー部119b、119bが設けられている(図41参照)。
素子保持枠118にあっては、図42に示すように、光軸を含む垂直面内において、中間枠部124と一端側枠部125の角度Aが135度にされており、中間枠部124と他端側枠部126の角度Bが135度にされている。従って、一端側枠部125と他端側枠部126の光軸を含む垂直面内における角度は90度にされ、一端側枠部125と他端側枠部126が垂直な状態にされている。
左側壁部120は素子保持部119の左端部から素子保持部119と直交する方向に突出されている(図39乃至図41参照)。左側壁部120の先端部における外面には軸方向が左右方向にされた支点軸部120aが設けられている(図39及び図40参照)。支点軸部120aは外方に開口された筒状に形成されている。左側壁部120には支点軸部120aの外周に連続する位置決め突部120b、120bが設けられている。位置決め突部120b、120bは支点軸部120aを挟んだ反対側に設けられている。
右側壁部121は素子保持部119の右端部から素子保持部119と直交する方向に突出されている(図39乃至図41参照)。右側壁部121の先端部における外面には軸方向が左右方向にされた支点軸部121aが設けられている(図41参照)。支点軸部121aは外方に開口された筒状に形成されている。右側壁部121には支点軸部121aの外周に連続する位置決め突部121b、121bが設けられている。位置決め突部121b、121bは支点軸部121aを挟んだ反対側に設けられている。
右側壁部121には外方に突出された検出片121cが設けられている。
仕切部122は素子保持部119の左右方向における中央部に位置され、一端側枠部125の下端部から他端側枠部126の上端部に亘って設けられている(図39乃至図41参照)。従って、素子保持部119は中間枠部124と一端側枠部125と他端側枠部126の各内部空間がそれぞれ仕切部122によって左右に分割される。
遮光壁部123は仕切部122から突出され、左側壁部120と右側壁部121に平行な状態で位置されている。
遮光壁部123はカバー体93に保持された第4レンズ群99、99からケース体92の後面部96に保持された第5レンズ群100、100に光が入射されるときに、一部の光を遮蔽して左側の第4レンズ群99から右側の第5レンズ群100への光の入射を防止すると共に右側の第4レンズ群99から左側の第5レンズ群100への光の入射を防止する機能を有している。
従って、遮光壁部123によって双眼光学系における各光路への不必要な光の入射が防止され、医療用観察装置1によって撮像される画像や映像の品質の向上を図ることができる。
また、遮光壁部123によって素子保持枠118が補強され、素子保持枠118の強度が高くされている。
素子保持枠118の中間枠部124には第1の光学素子127が仕切部122の前側から接着等により取り付けられて保持されている。第1の光学素子127は光学フィルターであり、第1の光学素子127としては、例えば、赤外線カットフィルターが用いられている。
素子保持枠118の一端側枠部125には第2の光学素子128が仕切部122の前側から接着等により取り付けられて保持されている。第2の光学素子128は光学フィルターであり、第2の光学素子128としては、例えば、蛍光色素の励起波長のみを透過する特殊光の観察用フィルターが用いられている。
第2の光学素子128は、例えば、医療における光力学診断(Photo Dynamic Diagnosis:PDD)に用いられる。光力学診断は、体内に投与された光感受性物質や蛍光物質が腫瘍に特異的に過剰集積した状態において、特定波長の光を照射したときに励起される蛍光のみが特殊光の観察用フィルターを透過されることを利用して腫瘍の状態を観察する診断である。
素子保持枠118の他端側枠部126には第3の光学素子129が仕切部122の前側から接着等により取り付けられて保持されている。第3の光学素子129は光学フィルターであり、第3の光学素子129としては、例えば、蛍光色素の励起波長のみを透過する特殊光の観察用フィルターが用いられている。
第3の光学素子129は、例えば、医療におけるICG(インドシアニングリーン:Indocyanine Green)蛍光造影法に用いられる。ICG蛍光造影法は、体内に投与された蛍光物質であるICGが血中の特定の物質と結合した状態において、特定波長領域の近赤外光を照射したときに励起される蛍光のみが特殊光の観察用フィルターを透過されることを利用して血管等の状態を観察する方法である。
医療用観察装置1にあっては、撮像光学系が双眼光学系として設けられており、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が双眼光学系の二つの光軸上に跨って位置されている。
上記したように、医療用観察装置1にあっては、透過する波長がそれぞれ異なる波長選択性を有する第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が用いられている。
従って、被写体(患部)に応じて撮像される画像の種類が異なり、用途に応じた撮像が可能になり医療用観察装置1の機能性の向上を図ることができる。
また、医療用観察装置1にあっては、撮像光学系が双眼光学系として設けられ、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が双眼光学系の二つの光軸上に跨って位置されている。
従って、各一つずつの第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129がそれぞれ双眼光学系に対応して位置されているため、その分、光学素子の数が少なくて済み、部品点数の削減を図った上で医療用観察装置1の高い機能性を確保することができる。
尚、上記には、第2の光学素子128がPDD用にされ、第3の光学素子129がICG用にされた例を示したが、逆に、第2の光学素子128がICG用にされ第3の光学素子129がPDD用にされていてもよい。
但し、赤外線カットフィルターである第1の光学素子127は最も使用頻度が高い光学素子である。従って、第2の光学素子128の使用後に第1の光学素子127を使用したい場合と第3の光学素子129の使用後に第1の光学素子127を使用したい場合との双方において、素子保持枠118を回動させたときに迅速に第1の光学素子127を使用することが可能になるように第1の光学素子127は第2の光学素子128と第3の光学素子129の間に位置されていることが望ましい。
素子保持枠118は後部支持筐体91の内部に挿入された状態において、段付ネジ151が操作レバー106の筒状部109に挿通されて左側壁部120の支点軸部120aに螺合されることにより操作レバー106と連結される(図31参照)。このとき操作レバー106の筒状部109に形成された位置決め用切欠109a、109aにそれぞれ素子保持枠118の左側壁部120に設けられた位置決め突部120b、120bが挿入され、操作レバー106と素子保持枠118が位置決めされると共に素子保持枠118の操作レバー106に対する回転が規制される。従って、操作レバー106と素子保持枠118が一体になって回動可能な状態にされる。
また、素子保持枠118は後部支持筐体91の内部に挿入された状態において、段付ネジ152が筒状キャップ112の挿入筒部113に挿通されて右側壁部121の支点軸部121aに螺合されることにより筒状キャップ112と連結される。このとき筒状キャップ112の挿入筒部113に形成された位置決め用切欠113a、113aにそれぞれ素子保持枠118の右側壁部121に設けられた位置決め突部121b、121bが挿入され、筒状キャップ112と素子保持枠118が位置決めされると共に素子保持枠118の筒状キャップ112に対する回転が規制される。従って、筒状キャップ112と素子保持枠118が操作レバー106と一体になって回動可能な状態にされる。
上記のようにして第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129を保持する素子保持枠118は後部支持筐体91に対して操作レバー106及び筒状キャップ112と一体になって回動可能とされ、素子保持枠118の回動軸の軸方向、即ち、左側壁部120の支点軸部120aと右側壁部121の支点軸部121aとを結ぶ方向が光軸方向に直交する方向(左右方向)にされている。
素子保持枠118が後部支持筐体91の内部において回動可能とされた状態においては、素子保持枠118が何れも固定レンズ群である第4レンズ群99、99と第5レンズ群100、100の間に位置され、素子保持枠118と第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が後部支持筐体91における各固定レンズ群が取り付けられる部分の間に位置される。
従って、素子保持枠118と第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が光軸方向において固定レンズ群が取り付けられる各部分に遮蔽され、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129に対する塵埃等の異物の付着を抑制することができ、医療用観察装置1によって撮像される画像や映像の品質の向上を図ることができる。
また、後部支持筐体91が内部に空間を有する箱状に形成され、素子保持枠118が後部支持筐体91の内部に位置されているため、素子保持枠118と第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が後部支持筐体91によって密閉される。
従って、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129に対する塵埃等の異物の付着を一層抑制することができ、医療用観察装置1によって撮像される画像や映像の品質の一層の向上を図ることができる。
以下に、素子保持枠118の回動動作について説明する(図43乃至図51参照)。
素子保持枠118は第1の回動位置と第2の回動位置の間で回動され、第1の回動位置から第2の回動位置までの回動範囲における中央の位置が中間位置とされ、素子保持枠118は第1の回動位置と中間位置と第2の回動位置の何れかの位置において停止されて保持される。
素子保持枠118が中間位置にある状態においては、図43及び図44に示すように、素子保持枠118の中間枠部124に保持された第1の光学素子127が光軸に直交するように前後方向を向いた状態で光軸上に位置されている。従って、第4レンズ群99、99を透過された光は第1の光学素子127を透過されて第5レンズ群100、100に入射される。
このときクリックレバー110の係合突部110cが操作レバー106の第2の係合凹部107bに係合され(図43参照)、係合突部110cが付勢バネ111の付勢力によって回転板部107に上方から押し付けられている。従って、操作レバー106が係合突部110cに押さえられることにより、素子保持枠118が中間位置に保持されている。
中間位置においては、素子保持枠118の右側壁部121に設けられた検出片121cが後部支持筐体91の右側面部98に取り付けられた第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116の間に位置されている(図45参照)。検出片121cが第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116の間に位置され一対の検出子115a、115a間にも一対の検出子116a、116a間にも存在しないことにより、素子保持枠118が中間位置にあることが検出される。
素子保持枠118が中間位置にある状態において操作レバー106が一方へ回転操作されると、クリックレバー110の係合突部110cが付勢バネ111の付勢力によって回転板部107の外周面に押し付けられながら操作レバー106が回転され、係合突部110cが第1の係合凹部107aに係合される(図46及び図47参照)。操作レバー106が手動で回転操作される場合には、施術者700等は操作レバー106の操作用突部108を把持して操作することができ、操作レバー106に操作用突部108が設けられていることにより手動による操作レバー106に対する回転操作を容易かつ確実に行うことができる。
このとき素子保持枠118は第1の被ストッパー部119a、119aがそれぞれ後部支持筐体91の後面部96に設けられた第1のストッパー部96e、96eに突き当てられて回動が規制され、第1の回動位置まで回動される(図47参照)。素子保持枠118が第1の回動位置まで回動された状態においては、外側から見て操作レバー106を時計回り方向へ回転させる方向へ付勢バネ111の付勢力が付与される状態で係合突部110cが第1の係合凹部107aに押し付けられている。従って、付勢バネ111の付勢力が操作レバー106を介して素子保持枠118に伝達され、素子保持枠118の第1の被ストッパー部119a、119aがそれぞれ第1のストッパー部96e、96eに押し付けられ、第1の被ストッパー部119a、119aがそれぞれ第1のストッパー部96e、96eに押し付けられることにより、素子保持枠118が第1の回動位置に保持される。
このように医療用観察装置1にあっては、素子保持枠118に第1の被ストッパー部119a、119aが設けられ、後部支持筐体91に第1の被ストッパー部119a、119aがそれぞれ接触されて素子保持枠118を第1の回動位置に保持する第1のストッパー部96e、96eが設けられている。
従って、素子保持枠118を第1の回動位置に保持する専用の機構が不要であり、医療用観察装置1の製造コストの増大を来すことなく素子保持枠118を容易かつ確実に第1の回動位置に保持することができる。
また、医療用観察装置1には第1の被ストッパー部119a、119aを第1のストッパー部96e、96eに押し付ける付勢バネ111が設けられている。
従って、第1の被ストッパー部119a、119aが第1のストッパー部96e、96eに付勢バネ111の付勢力によって押し付けられるため、素子保持枠118を安定した状態で第1の回動位置に保持することができる。
素子保持枠118が第1の回動位置に回動された状態においては、図46及び図47に示すように、素子保持枠118の一端側枠部125に保持された第2の光学素子128が光軸に直交するように前後方向を向いた状態で光軸上に位置されている。従って、第4レンズ群99、99を透過された光は第2の光学素子128を透過されて第5レンズ群100、100に入射される。
第1の回動位置においては、素子保持枠118の右側壁部121に設けられた検出片121cが後部支持筐体91の右側面部98に取り付けられた第1の位置検出センサー115の一対の検出子115a、115a間に位置される(図48参照)。検出片121cが一対の検出子115a、115a間に位置されることにより、素子保持枠118が第1の回動位置にあることが検出される。
上記したように、光軸を含む垂直面内において、中間枠部124と一端側枠部125の角度及び中間枠部124と他端側枠部126の角度がともに135度にされ、一端側枠部125と他端側枠部126の光軸を含む垂直面内における角度が90度にされているため、素子保持枠118が第1の回動位置に保持された状態においては、他端側枠部126と他端側枠部126に保持された第3の光学素子129とが光軸に平行な状態にされる(図47参照)。
従って、光軸に直交する方向に他端側枠部126と第3の光学素子129が突出されない状態になり、光軸に直交する方向における医療用観察装置1の小型化を図ることができる。
一方、素子保持枠118が中間位置にある状態において操作レバー106が他方へ回転操作されると、クリックレバー110の係合突部110cが付勢バネ111の付勢力によって回転板部107の外周面に押し付けられながら操作レバー106が回転され、係合突部110cが第3の係合凹部107cに係合される(図49及び図50参照)。
このとき素子保持枠118は第2の被ストッパー部119b、119bがそれぞれ後部支持筐体91の後面部96に設けられた第2のストッパー部96f、96fに突き当てられて回動が規制され、第2の回動位置まで回動される(図50参照)。素子保持枠118が第2の回動位置まで回動された状態においては、外側から見て操作レバー106を反時計回り方向へ回転させる方向へ付勢バネ111の付勢力が付与される状態で係合突部110cが第3の係合凹部107cに押し付けられている。従って、付勢バネ111の付勢力が操作レバー106を介して素子保持枠118に伝達され、素子保持枠118の第2の被ストッパー部119b、119bがそれぞれ第2のストッパー部96f、96fに押し付けられ、第2の被ストッパー部119b、119bがそれぞれ第2のストッパー部96f、96fに押し付けられることにより、素子保持枠118が第2の回動位置に保持される。
このように医療用観察装置1にあっては、素子保持枠118に第2の被ストッパー部119b、119bが設けられ、後部支持筐体91に第2の被ストッパー部119b、119bがそれぞれ接触されて素子保持枠118を第2の回動位置に保持する第2のストッパー部96f、96fが設けられている。
従って、素子保持枠118を第2の回動位置に保持する専用の機構が不要であり、医療用観察装置1の製造コストの増大を来すことなく素子保持枠118を容易かつ確実に第2の回動位置に保持することができる。
また、第2の被ストッパー部119b、119bを第2のストッパー部96f、96fに押し付ける付勢バネ111が設けられている。
従って、第2の被ストッパー部119b、119bが第2のストッパー部96f、96fに付勢バネ111の付勢力によって押し付けられるため、素子保持枠118を安定した状態で第2の回動位置に保持することができる。
さらに、付勢バネ111によって第1の回動端において第1の被ストッパー部119a、119aが第1のストッパー部96e、96eに押し付けられると共に第2の回動端において第2の被ストッパー部119b、119bが第2のストッパー部96f、96fに押し付けられる。
従って、第1の被ストッパー部119a、119aと第2の被ストッパー部119b、119bがそれぞれ第1のストッパー部96e、96eと第2のストッパー部96f、96fに一つの付勢バネ111の付勢力によって押し付けられるため、医療用観察装置1の部品点数の削減及び機構の簡素化を図った上で素子保持枠118を安定した状態で第1の回動位置と第2の回動位置にそれぞれ保持することができる。
尚、医療用観察装置1にあっては、第1の被ストッパー部119a、119aと第2の被ストッパー部119b、119bと第1のストッパー部96e、96eと第2のストッパー部96f、96fが設けられず、クリックレバー110の係合突部110cが操作レバー106の第1の係合凹部107aに係合されて素子保持枠118が第1の回動位置に保持され、クリックレバー110の係合突部110cが操作レバー106の第3の係合凹部107cに係合されて素子保持枠118が第2の回動位置に保持される構成にすることも可能である。
さらにまた、医療用観察装置1にあっては、上記したように、操作レバー106を介して付勢バネ111の付勢力が素子保持枠118に付与される構成にされている。
従って、操作レバー106が素子保持枠118に回動力を付与する動力伝達手段として機能すると共に素子保持枠118に付勢力を付与する付勢力伝達手段として機能し、医療用観察装置1の部品点数の削減及び機構の簡素化を図った上で素子保持枠118に動力と付勢力を確実に付与することができる。
加えて、操作レバー106の手動による回転操作時には、付勢バネ111の付勢力が付与されたクリックレバー110の係合突部110cが回転板部107の外周面に相対的に摺動しながら第1の係合凹部107a、第2の係合凹部107b又は第3の係合凹部107cに挿入されて押し付けられる。
従って、操作レバー106を把持している手に係合位置の変化に基づく感触が伝達されて回転操作を行う施術者700等に所謂クリック感が生じ、伝達される負荷の大きさによって係合突部110cの係合状態が認識され、施術者700等が必要な回転操作が完了したことを容易に認識することができ、操作レバー106の回転操作を容易かつ確実に行うことができると共に素子保持枠118を別の回動位置に確実に回動させることができる。
素子保持枠118が第2の回動位置に回動された状態においては、図49及び図50に示すように、素子保持枠118の他端側枠部126に保持された第3の光学素子129が光軸に直交するように前後方向を向いた状態で光軸上に位置されている。従って、第4レンズ群99、99を透過された光は第3の光学素子129を透過されて第5レンズ群100、100に入射される。
第2の回動位置においては、素子保持枠118の右側壁部121に設けられた検出片121cが後部支持筐体91の右側面部98に取り付けられた第2の位置検出センサー116の一対の検出子116a、116a間に位置される(図51参照)。検出片121cが一対の検出子116a、116a間に位置されることにより、素子保持枠118が第2の回動位置にあることが検出される。
上記したように、光軸を含む垂直面内において、中間枠部124と一端側枠部125の角度及び中間枠部124と他端側枠部126の角度がともに135度にされ、一端側枠部125と他端側枠部126の光軸を含む垂直面内における角度が90度にされているため、素子保持枠118が第2の回動位置に保持された状態においては、一端側枠部125と一端側枠部125に保持された第2の光学素子128とが光軸に平行な状態にされる(図50参照)。
従って、光軸に直交する方向に一端側枠部125と第2の光学素子128が突出されない状態になり、光軸に直交する方向における医療用観察装置1の小型化を図ることができる。
尚、上記には、操作レバー106が手動により回転操作される例を示したが、操作レバー106はモーター等の駆動力によっても駆動可能な構成とされていてもよい。
中間位置と第1の回動位置と第2の回動位置においては、上記した第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116によって素子保持枠118の回動位置が検出され、第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116の検出結果に基づいて光軸上に位置される第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129に応じたそれぞれの画像処理が行われる。
従って、第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116による検出結果に基づいて各画像処理が行われるため、光軸上に位置される第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129に応じた適切な画像処理を行うことができ、医療用観察装置1の機能性の向上を図ることができる。
上記したように、医療用観察装置1にあっては、素子保持枠118の回動軸の軸方向が光軸方向に直交する方向にされ、素子保持枠118が回動されて光軸上に第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129のうちの何れかが位置される。
従って、軸方向が光軸方向に直交する方向にされた回動軸を支点として素子保持枠118が回動されて光軸上に第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129のうちの何れかが位置されるため、光軸に直交する方向における素子保持枠118の回動スペースを小さくすることができ、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129の切換による医療用観察装置1の機能性の向上を図った上で光軸に直交する方向における小型化を図ることができる。
また、医療用観察装置1にあっては、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が設けられ、第1の光学素子127と第3の光学素子129が垂直な状態で配置されている。
従って、光軸に直交する方向において第1の光学素子127と第3の光学素子129の間の距離が小さくなり、医療用観察装置1の光軸に直交する方向における一層の小型化を図ることができる。
[その他]
上記には、素子保持枠118の回動位置を第1の位置検出センサー115と第2の位置検出センサー116によって光学的に検出する例を示したが、素子保持枠118の回動位置の検出は光学的な検出に限られることはなく、他の検出方法によって行ってもよい。
素子保持枠118の回動位置の検出は、例えば、磁気による検出方法によって行うことが可能である。磁気による検出の例としては、例えば、図52乃至図54に示すように、素子保持枠118にマグネット130を取り付け、後部支持筐体91の、例えば、右側面部98にホール素子131、131を取り付けて行う例がある。ホール素子131、131は素子保持枠118の回動に伴うマグネット130の移動軌跡に対向する位置に取り付けられる。
マグネット130がホール素子131、131間に位置されているときにはマグネット130の磁束がホール素子131、131を貫通しないため素子保持枠118が中間位置にあることが検出される(図52参照)。マグネット130が一方のホール素子131に対向して位置されているときにはマグネット130の磁束が一方のホール素子131を貫通するため素子保持枠118が第1の回動位置にあることが検出される(図53参照)。マグネット130が他方のホール素子131に対向して位置されているときにはマグネット130の磁束が他方のホール素子131を貫通するため素子保持枠118が第2の回動位置にあることが検出される(図54参照)。
このように素子保持枠118の回動位置を磁気的に検出することにより、検出光を用いることなく素子保持枠118の回動位置を検出することができるため、検出光が撮像光学系や撮像素子105b、105bに入射されることがなく、撮像される画像や映像の品質の劣化を防止することができる。
また、上記には、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129の三つの光学素子が設けられた例を示したが、光学素子の数は複数であれば任意であり、光学素子の数は2でもよく、4以上でもよい。
但し、四つ以上の光学素子が設けられる場合においても、何れか一つの光学素子が光軸上に位置されているときに他の少なくとも一つの光学素子が光軸に平行にされていることが望ましく、また、何れか少なくとも二つの光学素子が直交する状態で位置されていることが望ましい。
以下に、素子保持枠118に五つの光学素子が保持されている例について説明する(図55及び図56参照)。
五つの光学素子132、133、134、135、136は素子保持枠118の回動方向において順に並んで素子保持枠118に保持されている。光学素子132、133、134、135、136は回動方向において、例えば、等角度の状態で素子保持枠118に保持されている。素子保持枠118は光学素子132、133、134、135、136がそれぞれ光軸上に位置される五つの回動位置の何れかの位置において停止されて保持される。
このような構造において、素子保持枠118の一端側に保持されている光学素子136が光軸上に位置されたときに、光学素子136を通過する光の経路Sが素子保持枠118の他端側に保持されている光学素子132を保持する素子保持枠118の部分に遮られないように構成されている(図56参照)。また、素子保持枠118の他端側に保持されている光学素子132が光軸上に位置されたときにも、光学素子132を通過する光の経路が素子保持枠118の一端側に保持されている光学素子136を保持する素子保持枠118の部分に遮られないように構成されている。
従って、光学素子132、133、134、135、136がそれぞれ光軸上に位置された状態において、各光学素子132、133、134、135、136を通過する光が素子保持枠118に遮られることがなく、医療用観察装置1の撮像光学系における良好な機能を確保することができる。
また、素子保持枠118に保持されている光学素子の数が多く、保持されている光学素子の数に応じて機能が増えるため、医療用観察装置1における機能性の向上を図ることができる。
さらに、上記には、光学素子として機能や種類の異なる第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が設けられた例を示したが、用いられる光学素子は、機能や種類が異なるものに限られることはなく、例えば、厚みや大きさや形状が相違するものであってもよい。特に、光学素子として光の透過度が異なる複数のND(Neutral Density)フィルターが用いられていてもよい。
さらにまた、上記には光学素子の例として光学フィルターが用いられた例を示したが、光学素子は光学フィルターに限られることはなく、光学素子としては、例えば、レンズや偏光素子やシャッター等の他の光学素子であってもよい。
加えて、上記には、第1の光学素子127と第2の光学素子128と第3の光学素子129が切り換えられる例を示したが、医療用観察装置1においては、左眼用と右眼用の撮像光学系で異なる機能や種類の光学素子が切換可能とされるように構成することも可能である。例えば、左眼用の撮像光学系が赤外線カットフィルターである光学素子を有し、右眼用の撮像光学系が蛍光色素の励起波長のみを透過する特殊光の観察用フィルターである光学素子を有し、左眼用と右眼用の撮像光学系で異なる画像が撮像されるように構成することも可能である。
また、前部支持筐体14と中間支持筐体29の間や中間支持筐体29と後部支持筐体91の間にガスケット等のシール部材を配置し、レンズ鏡筒10の内部への塵埃等の異物の侵入を抑制するように構成してもよい。
さらに、上記には、駆動モーター56と操作体77の操作によって移動される移動体が第2レンズ群33、33等のズームレンズ群である例を示したが、駆動モーターと操作体の操作によって移動される移動体はズームレンズ群に限られることはない。駆動モーターと操作体の操作によって移動される移動体は、例えば、フォーカスレンズ群やアイリス機構等の他の構造であってもよい。
尚、本技術医療用観察装置は上記のような患部を撮像する撮像装置の他に、例えば、ビデオ顕微鏡等にも適用することが可能である。
[本技術]
本技術は、以下のような構成にすることもできる。
(1)
被写体を撮像する撮像光学系と、
前記撮像光学系によって撮像された被写体の像を光電変換する撮像素子と、
伝達ギヤを有し移動体に駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、
支点軸の軸回り方向へ回転操作されると共に前記支点軸の軸方向において第1の位置と第2の位置の間で移動可能とされた手動操作摘子と、
前記手動操作摘子に連結され前記手動操作摘子と一体になって前記軸回り方向へ回転されると共に前記手動操作摘子と一体になって噛合位置と非噛合位置の間で前記軸方向へ移動される切換ギヤと、
前記移動体に駆動力を付与する駆動モーターとを備え、
前記非噛合位置において前記切換ギヤと前記伝達ギヤの噛合が解除され、
前記噛合位置において前記切換ギヤと前記伝達ギヤが噛合される
医療用観察装置。
(2)
前記切換ギヤが前記噛合位置に移動されたときに前記駆動モーターが非駆動状態にされる
前記(1)に記載の医療用観察装置。
(3)
少なくとも前記伝達ギヤと前記切換ギヤが配置されたギヤボックスが設けられ、
前記第1の位置から前記第2の位置へ向かう方向が前記手動操作摘子を前記ギヤボックスから引き出す方向とされた
前記(1)又は前記(2)に記載の医療用観察装置。
(4)
少なくとも前記伝達ギヤと前記切換ギヤが配置されたギヤボックスが設けられ、
前記ギヤボックスに移動規制部が設けられ、
前記手動操作摘子には前記手動操作摘子が前記第1の位置から前記第2の位置へ向けて移動されたときに前記移動規制部に接触可能な被規制部が設けられた
前記(3)に記載の医療用観察装置。
(5)
少なくとも前記伝達ギヤと前記切換ギヤが配置され第1の保持係合部と第2の保持係合部を有するギヤボックスが設けられ、
前記手動操作摘子に位置保持部を有する保持部材が取り付けられ、
前記手動操作摘子が前記第1の位置に移動されているときに前記位置保持部が前記第1の保持係合部に係合されて前記切換ギヤが前記非噛合位置に保持され、
前記手動操作摘子が前記第2の位置に移動されているときに前記位置保持部が前記第2の保持係合部に係合されて前記切換ギヤが前記噛合位置に保持される
前記(2)から前記(4)の何れかに記載の医療用観察装置。
(6)
前記位置保持部が弾性変形可能とされ、
前記手動操作摘子の移動時に前記位置保持部が弾性変形された状態で前記ギヤボックスに摺動され、
前記位置保持部が弾性復帰されて前記第1の保持係合部又は前記第2の保持係合部に係合される
前記(5)に記載の医療用観察装置。
(7)
前記伝達ギヤが軸方向へ移動可能とされ、
前記伝達ギヤを前記軸方向において前記切換ギヤに近付く方向へ付勢する噛合補助バネが設けられた
前記(1)から前記(6)の何れかに記載の医療用観察装置。
(8)
被写体を撮像する撮像光学系と、
前記撮像光学系によって撮像された被写体の像を光電変換する撮像素子と、
伝達ギヤを有し移動体に駆動力を伝達する駆動力伝達機構と、
支点軸の軸回り方向へ回転操作されると共に前記支点軸の軸方向において第1の位置と第2の位置の間で移動可能とされた手動操作摘子と、
前記手動操作摘子に連結され前記手動操作摘子と一体になって前記軸回り方向へ回転されると共に前記手動操作摘子と一体になって噛合位置と非噛合位置の間で前記軸方向へ移動される切換ギヤと、
前記移動体に駆動力を付与する駆動モーターとを備え、
前記非噛合位置において前記切換ギヤと前記伝達ギヤの噛合が解除され、
前記噛合位置において前記切換ギヤと前記伝達ギヤが噛合される
医療用観察装置のレンズ鏡筒。