JPWO2016039080A1 - 機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法 - Google Patents

機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

機能層の端面から水分や酸素が浸入することを抑制して、機能層の劣化を防止でき、かつ、ガスバリア性を低下させることなく、機能層として有効に利用可能な領域の割合を大きくすることができる機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法を提供する。機能層と、機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、無機層を有する2つのガスバリアフィルムと、を有し、無機層は、窒化ケイ素を含み、機能層は、端部に、機能層の平均厚さよりも厚さが薄い絞り領域を有し、絞り領域は、機能層の端面から10mm以下の範囲の領域であり、かつ、端面での厚さが最も薄い。

Description

本発明は、機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置(以下、LCDともいう)は、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。また、近年の液晶表示装置において、LCD性能改善としてさらなる省電力化、色再現性向上等が求められている。
LCDのバックライトの省電力化に伴って、光利用効率を高め、また、色再現性を向上するために、入射光の波長を変換して出射する量子ドットを利用することが提案されている。
量子ドットとは、三次元全方向において移動方向が制限された電子の状態のことであり、半導体のナノ粒子が、高いポテンシャル障壁で三次元的に囲まれている場合に、このナノ粒子は量子ドットとなる。量子ドットは種々の量子効果を発現する。例えば、電子の状態密度(エネルギー準位)が離散化される「量子サイズ効果」が発現する。この量子サイズ効果によれば、量子ドットの大きさを変化させることで、光の吸収波長・発光波長を制御できる。
一般に、このような量子ドットは、樹脂等の中に分散されて、例えば、波長変換を行う量子ドットフィルムとして、バックライトと液晶パネルとの間に配置されて用いられる。
バックライトから量子ドットを含むフィルムに励起光が入射すると、量子ドットが励起され蛍光を発光する。ここで異なる発光特性を有する量子ドットを用いることで、赤色光、緑色光、青色光の半値幅の狭い光を発光させて白色光を具現化することができる。量子ドットによる蛍光は半値幅が狭いため、波長を適切に選択することで得られる白色光を高輝度にしたり色再現性に優れる設計にしたりすることが可能である。
ところで、量子ドットは、水分や酸素により劣化しやすく、光酸化反応により発光強度が低下するという課題がある。そのため、量子ドットを含む樹脂層(以下、「量子ドット層」ともいう)の両面にガスバリアフィルムを積層して量子ドット層を保護することが行われている。
しかしながら、量子ドット層の両主面をガスバリアフィルムで保護するのみでは、ガスバリアフィルムで保護されていない端面から水分や酸素が浸入し、量子ドットが劣化するという問題があった。
これに対して、水分や酸素を通しにくい材料を機能層に混入させることが考えられるが、材料の選択幅が狭くなったり、生産性が低下したりするという問題があった。
そのため、ガスバリアフィルムで端面を密封して量子ドット層の端部からの水分や酸素の浸入を低減して量子ドットの劣化を防止することが提案されている。
例えば、特許文献1には、発光量子ドット(QD)集団を含むリモート蛍光体フィルムを備えるディスプレイバックライトユニットが記載されており、QD蛍光体材料を2つのガスバリアフィルムで挟み、2つのガスバリアフィルムを狭圧して端部を密封する構成が記載されている。また、ガスバリアフィルムのバリア層の形成材料として、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の酸化物が記載されている。
特表2013−544018号公報
ところで、近年、LCDにおいては、さらなる薄型化の要求がある。そのため、量子ドット層は、所望の波長変換の機能を発現可能で、かつ、できるだけ薄い厚さに形成することが求められる。
さらに、LCDにおいては、表示装置全体に対して表示領域(発光領域)の比率をさらに大きくすることが求められており、額縁部分のさらなる狭額縁化が求められている。
そのため、量子ドット層の端部からの水分や酸素の浸入を低減するために、ガスバリアフィルムを狭圧して端部を密封すると、端部での、量子ドット層の厚さが薄くなってしまうため、量子ドット層の端部ではその機能を十分に発現することができず、有効に利用できる領域の大きさが小さくなり、額縁部分が大きくなってしまうおそれがある。
これに対して、端面付近で急に厚さが薄くなるように形成することで、額縁部分を小さくし、有効に利用できる領域を大きくすることが考えられる。しかしながら、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の酸化物からなるバリア層は、硬く脆いため、このような酸化物を形成材料として用いるバリア層を有するガスバリアフィルムを、急に湾曲させると、バリア層が割れてしまい、ガスバリア性が低下して、量子ドット層への水分や酸素の浸入を抑制できなくなるという問題があった。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、機能層の端面から水分や酸素が浸入することを抑制して、機能層の劣化を防止でき、かつ、ガスバリア性を低下させることなく、機能層として有効に利用可能な領域の割合を大きくすることができる機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、機能層と、機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、無機層を有する2つのガスバリアフィルムと、を有する機能性積層フィルムにおいて、無機層は、窒化ケイ素を含み、機能層は、端部に、機能層の平均厚さよりも厚さが薄い絞り領域を有し、絞り領域は、機能層の端面から10mm以下の範囲の領域であり、かつ、端面での厚さが最も薄いことにより、機能層の端面から水分や酸素が浸入することを抑制して、機能層の劣化を防止でき、かつ、ガスバリア性を低下させることなく、機能層として有効に利用可能な領域の割合を大きくすることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成の機能性積層フィルムおよびその製造方法を提供する。
(1) 機能層と、機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、無機層を有する2つのガスバリアフィルムとを有する機能性積層フィルムにおいて、
無機層は、窒化ケイ素を含み、
機能層は、端部に、機能層の平均厚さよりも厚さが薄い絞り領域を有し、
絞り領域は、機能層の端面から10mm以下の範囲の領域であり、かつ、端面での厚さが最も薄い機能性積層フィルム。
(2) 絞り領域は、端面から1mm以下の範囲の領域である(1)に記載の機能性積層フィルム。
(3) 機能層の端面での厚みは、機能層の平均厚さの50%以下である(1)または(2)に記載の機能性積層フィルム。
(4) 2つのガスバリアフィルムの端部が、互いに接触している(1)〜(3)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(5) 絞り領域よりも内側での機能層の厚さは、機能層の平均厚さの±2%である(1)〜(4)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(6) ガスバリアフィルムの、機能層側の最上層が無機層である(1)〜(5)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(7) ガスバリアフィルムは、ガスバリア支持体と、ガスバリア支持体上に積層される有機層と、有機層上に積層される無機層とを有する(1)〜(6)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(8) ガスバリアフィルムの厚さが、5μm〜100μmである(1)〜(7)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(9) ガスバリア支持体は、融点が230℃以下、ガラス転移温度が120℃以下である(7)または(8)に記載の機能性積層フィルム。
(10) ガスバリアフィルムを面方向に2.5%伸ばした後の水蒸気透過率が、1×10-3[g/(m2・day)]以下である(1)〜(9)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(11) 無機層は、水素の含有率が10原子%〜30原子%である(1)〜(10)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(12) 機能層は、多数の量子ドットを含む量子ドット層である(1)〜(11)のいずれかに記載の機能性積層フィルム。
(13) 機能層と、機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、窒化ケイ素を含む無機層を有する2つのガスバリアフィルムとを有する積層体を準備する準備工程と、
積層体を切断して、切断面から10mm以下の範囲で機能層の厚さを、機能層の平均厚さよりも薄く、かつ、切断面での厚さを最も薄く形成する切断工程と、を有する機能性積層フィルムの製造方法。
(14) ガスバリアフィルムは、ガスバリア支持体と無機層とを有し、
切断工程において、刃の温度をガスバリア支持体の、ガラス転移温度+50℃〜融点+50℃の範囲に加熱して切断を行う(13)に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
(15) 切断工程は、トムソン刃、裁断刃またはスリッター刃を用いて行う(13)または(14)に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
このような本発明によれば、機能層の端面から水分や酸素が浸入することを抑制して、機能層の劣化を防止でき、かつ、ガスバリア性を低下させることなく、機能層として有効に利用可能な領域の割合を大きくすることができる機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の機能性積層フィルムの一例を概念的に示す断面図である。 機能性積層フィルムに用いられるガスバリアフィルムの一例を概念的に示す断面図である。 図1に示す機能性積層フィルムの端部を拡大して示す断面図である。 本発明の機能性積層フィルムの他の一例を概念的に示す拡大断面図である。 図5(A)〜図5(C)は、本発明の製造方法を説明するための、機能性積層フィルムの一例を概念的に示す断面図である。
以下、本発明の機能性積層フィルムおよび機能性積層フィルムの製造方法について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
図1は、本発明の機能性積層フィルムの一例を概念的に示す断面図である。
図1に示す機能性積層フィルム10は、機能層12および機能層12の両主面にそれぞれ積層される2つのガスバリアフィルム14を有し、端部において、ガスバリアフィルム14同士の間隙が絞られて、機能層12の厚さが中央部に比べて薄くなった形状を有するものである。
機能層12は、波長変換等の所望の機能を発現するための層である。
図1に示すように、機能層12は、中央部は略均一な厚さであり、端部において、漸次、薄くなる領域を有し、端面での厚さが最も薄くなる形状を有する。この端部の、漸次薄くなる領域が、本発明における絞り領域である。
この点に関しては後に詳述する。
一例として、機能層12は、多数の量子ドットを樹脂等のマトリックス中に分散してなる量子ドット層であり、機能層12に入射した光の波長を変換して出射する機能を有するものである。
例えば、図示しないバックライトから出射された青色光が機能層12に入射すると、機能層12は、内部に含有する量子ドットの効果により、この青色光の少なくとも一部を赤色光あるいは緑色光に波長変換して出射する。
ここで、青色光とは、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する光であり、緑色光とは、500nm〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する光のことであり、赤色光とは、600nmを超え680nm以下の波長帯域に発光中心波長を有する光のことである。
なお、量子ドット層が発現する波長変換の機能は、青色光を赤色光あるいは緑色光に波長変換する構成に限定はされず、入射光の少なくとも一部を異なる波長の光に変換するものであればよい。
量子ドットは、少なくとも、入射する励起光により励起され蛍光を発光する。
量子ドット層に含有される量子ドットの種類には特に限定はなく、求められる波長変換の性能等に応じて、種々の公知の量子ドットを適宜選択すればよい。
量子ドットについては、例えば特開2012−169271号公報段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。量子ドットとしては、市販品を何ら制限なく用いることができる。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズにより調整することができる。
量子ドットは、マトリックス中に均一に分散されるのが好ましいが、マトリックス中に偏りをもって分散されてもよい。
また、量子ドットは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上併用する場合は、発光光の波長が異なる2種以上の量子ドットを使用してもよい。
具体的には、公知の量子ドットには、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(A)、500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(B)、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドット(C)があり、量子ドット(A)は、励起光により励起され赤色光を発光し、量子ドット(B)は緑色光を、量子ドット(C)は青色光を発光する。例えば、量子ドット(A)と量子ドット(B)を含む量子ドット含有積層体へ励起光として青色光を入射させると、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光と、量子ドット層を透過した青色光により、白色光を具現化することができる。または、量子ドット(A)、(B)、および(C)を含む量子ドット層に励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドット(A)により発光される赤色光、量子ドット(B)により発光される緑色光、および量子ドット(C)により発光される青色光により、白色光を具現化することができる。
また、量子ドットとして、形状がロッド状で指向性を持ち偏光を発する、いわゆる量子ロッドを用いてもよい。
量子ドット層のマトリックスの種類としては、特に限定はなく、公知の量子ドット層で用いられる各種の樹脂を用いることができる。
例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂などが挙げられる。あるいは、マトリックスとして、重合性基を有する硬化性化合物を用いることができる。重合性基の種類は、特に限定されないが、好ましくは、(メタ)アクリレート基、ビニル基またはエポキシ基であり、より好ましくは、(メタ)アクリレート基であり、さらに好ましくは、アクリレート基である。また、2つ以上の重合性基を有する重合性単量体は、それぞれの重合性基が同一であってもよいし、異なっていても良い。
具体的には、例えば、以下の第1の重合性化合物と第2の重合性化合物とを含む樹脂をマトリックスとして用いることができる。
第1の重合性化合物は、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマー、ならびにエポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーからなる群から選択される1つ以上の化合物であるのが好ましい。
2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーのうち、2官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。
また、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が好ましい例として挙げられる。
エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーとしては、例えば、脂肪族環状エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシシクロアルカンを含む化合物等が好適に用いられる。
エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーとして好適に使用できる市販品としては、ダイセル化学工業(株)のセロキサイド2021P、セロキサイド8000、シグマアルドリッチ社製の4−ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーはその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
第2の重合性化合物は、分子中に水素結合性を有する官能基を有し、かつ、第1の重合性化合物と重合反応できる重合性基を有する。
水素結合性を有する官能基としては、ウレタン基、ウレア基、またはヒドロキシル基等が挙げられる。
第1の重合性化合物と重合反応できる重合性基としては、例えば、第1の重合性化合物が2官能以上の(メタ)アクリレートモノマーであるときは(メタ)アクリロイル基であればよく、第1の重合性化合物がエポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選択される官能基を2つ以上有するモノマーであるときはエポキシ基またはオキセタニル基であればよい。
ウレタン基を含む(メタ)アクリレートモノマーとしては、TDI、MDI、HDI、IPDI、HMDI等のジイソシアナートとポリ(プロピレンオキサイド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキサイド)ジオール、エトキシ化ビスフェノールA、エトキシ化ビスフェノールSスピログリコール、カプロラクトン変性ジオール、カーボネートジオール等のポリオール、および2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシドールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートを反応させて得られるモノマー、オリゴマーであり、特開2002−265650公報や、特開2002−355936号公報、特開2002−067238号公報等に記載の多官能ウレタンモノマーを挙げることができる。具体的には、TDIとヒドロキシエチルアクリレートとの付加物、IPDIとヒドロキシエチルアクリレートとの付加物、HDIとペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)との付加物、TDIとPETAとの付加物を作り残ったイソシアナートとドデシルオキシヒドロキシプロピルアクリレートを反応させた化合物、6,6ナイロンとTDIの付加物、ペンタエリスリトールとTDIとヒドロキシエチルアクリレートの付加物等をあげることができるが、これに限定されるものではない。
ウレタン基を含む(メタ)アクリレートモノマーとして好適に使用できる市販品としては、共栄社化学(株)製のAH−600、AT−600、UA−306H、UA−306T、UA−306I、UA−510H、UF−8001G、DAUA−167、新中村化学工業(株)製のUA−160TM、大阪有機化学工業(株)製のUV−4108F、UV−4117F等が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシル基を含む(メタ)アクリレートモノマーとしては、エポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応により合成される化合物を挙げることができる。代表的なものは、エポキシ基を有する化合物により、ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型、エポキシ化油型、フェノールのノボラック型、脂環型に分類される。具体的な例としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの付加物に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、フェノールノボラックにエピクロロヒドリンを反応させ、(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、ビスフェノールSとエピクロロヒドリンの付加物に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、ビスフェノールSとエピクロロヒドリンの付加物に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート、エポキシ化大豆油に(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、ヒドロキシル基を含む(メタ)アクリレートモノマーとして他には、末端にカルボキシ基、またはリン酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ヒドロキシル基を含む第2の重合性化合物として好適に使用できる市販品としては、共栄社化学(株)製のエポキシエステル、M−600A、40EM、70PA、200PA、80MFA、3002M、3002A、3000MK、3000A、日本化成(株)製の4−ヒドロキシブチルアクリレート、新中村化学工業(株)製の単官能アクリレートA−SA、単官能メタクリレートSA、ダイセル・オルネクス(株)製の単官能アクリレートβ−カルボキシエチルアクリレート、城北化学工業(株)製のJPA−514等が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との質量比は10:90〜99:1であればよく、10:90〜90:10であることが好ましい。第2の重合性化合物の含有量に対し第1の重合性化合物の含有量が多いことも好ましく、具体的には(第1の重合性化合物の含有量)/(第2の重合性化合物の含有量)が2〜10であることが好ましい。
第1の重合性化合物と第2の重合性化合物とを含む樹脂をマトリックスとして用いる場合には、マトリックス中に、さらに単官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を分子内に1個有するモノマーを挙げることができる。それらの具体例として以下に化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル基の炭素数が7〜20であるアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基の炭素数が2〜30であるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(モノアルキルまたはジアルキル)アミノアルキル基の総炭素数が1〜20であるアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテルの(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールブチルエーテルの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜10で末端アルキルエーテルの炭素数が1〜10のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテルの(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30で末端アリールエーテルの炭素数が6〜20のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する総炭素数4〜30の(メタ)アクリレート;ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等の総炭素数4〜30のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートモノマーは第1の重合性化合物と第2の重合性化合物との総質量100質量部に対して、1〜300質量部含まれていることが好ましく、50〜150質量部含まれていることがより好ましい。
また、炭素数4〜30の長鎖アルキル基を有する化合物を含むことが好ましい。具体的には第1の重合性化合物、第2の重合性化合物、または単官能(メタ)アクリレートモノマーの少なくともいずれかが、炭素数4〜30の長鎖アルキル基を有することが好ましい。上記長鎖アルキル基は炭素数12〜22の長鎖アルキル基であることがより好ましい。これにより、量子ドットの分散性が向上するからである。量子ドットの分散性が向上するほど、光変換層から出射面に直行する光量が増えるため、正面輝度および正面コントラストの向上に有効である。
炭素数4〜30の長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的には、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。中でもラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、マトリックスとなる樹脂中に、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を有する化合物を含んでいてもよい。これらの化合物を含むことにより塗布性を向上させることができる。
また、量子ドット層中のマトリックスとなる樹脂の総量には特に限定はないが、量子ドット層の全量100質量部に対して、90〜99.9質量部であることが好ましく、92〜99質量部であることがより好ましい。
量子ドット層の厚さは特に制限されないが、取り扱い性および発光特性の点で、5μm〜200μmが好ましく、10μm〜150μmがより好ましい。
なお、上記厚さは平均厚さを意図し、平均厚さは量子ドット層の端面から10mmより内側の領域の任意の10点以上の任意の10点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
また、機能層12の絞り領域以外の領域、すなわち、絞り領域よりも内側での厚さは、上記平均厚さの±2%の範囲にあるのが好ましい。絞り領域以外の領域の厚さを±2%の平坦な厚さにすることにより、機能層から出射される光の輝度のばらつきを抑制し、また、出射光の発光分布、例えば、青色光、赤色光、緑色光の発光分布を均一化することができ、性能を安定化できる等の点で好ましい。
量子ドット層の形成方法には特に限定はなく、公知の方法で形成すればよい。例えば、量子ドットとマトリックスとなる樹脂と溶剤とを混合した塗布組成物を調整し、この塗布組成物をガスバリアフィルム14上に塗布し、UV照射等により硬化させることで形成することができる。
なお、量子ドット層となる塗布組成物には、必要に応じて、重合開始剤やシランカップリング剤等を添加してもよい。
ガスバリアフィルム14は、機能層12の主面に積層される、ガスバリア性を有するフィルムである。すなわち、ガスバリアフィルム14は、機能層12の主面を覆って、機能層12の主面からの水分や酸素の浸入を抑制するための部材である。
ガスバリアフィルム14は、水蒸気透過率が1×10-3[g/(m2・day)]以下であるのが好ましい。
また、ガスバリアフィルム14は、酸素透過率が1×10-2[cc/(m2・day・atm)]以下であるのが好ましい。
水蒸気透過率ならびに酸素透過率が低い、すなわち、ガスバリア性が高いガスバリアフィルム14を用いることで、機能層12への水分や酸素の浸入を防止して機能層12の劣化をより好適に防止することができる。
なお、水蒸気透過率は、モコン法によって測定した。また、水蒸気透過率が、モコン法の測定限界を超えた場合には、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって測定した。
また、酸素透過率は、APIMS法(大気圧イオン化質量分析法)による測定装置(株式会社日本エイピーアイ社製)を用いて、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定した。
また、ガスバリアフィルム14の厚さは、5μm〜100μmであるのが好ましく、10μm〜70μmがより好ましく、15μm〜55μmが特に好ましい。
ガスバリアフィルム14の厚さを100μm以下とすることで、十分な可撓性を持たせることができ、後述する端部の絞り領域の幅を狭くしつつ、機能層12の端面の厚さを薄くすることができる。また、機能性積層フィルム10全体の厚さを薄くできる点でも好ましい。
また、ガスバリアフィルム14の厚さを5μm以上とすることで、2つのガスバリアフィルム14の間に機能層12を形成する際に、機能層12の厚さを均一にできる点で好ましい。
また、ガスバリアフィルム14は、2.5%伸ばした後においても、後述の無機層26が割れずにガスバリア性を発現できる柔軟性を有するのが好ましい。
具体的には、ガスバリアフィルム14を面方向に2.5%伸ばした後の水蒸気透過率が1×10-3[g/(m2・day)]以下であるのが好ましい。同様に、ガスバリアフィルム14を面方向に2.5%伸ばした後の酸素透過率も1×10-2[cc/(m2・day・atm)]以下であるのが好ましい。
ガスバリアフィルム14が、面方向に2.5%伸ばしても、水蒸気透過率や酸素透過率等のガスバリア性が低下しない、十分な柔軟性を有することにより、後述する端部の絞り領域の幅を狭くしつつ、機能層12の端面の厚さを薄くすることができる。
ここで、ガスバリアフィルム14としては、ガスバリア支持体20の上に、ガスバリア層22として、少なくとも1層の有機層と、少なくとも1層の無機層を有するものが好適に用いられる。
図2に、ガスバリアフィルムの一例を概念的に表す断面図を示す。
図2に示すガスバリアフィルム14は、無機層26および有機層24を有するガスバリア層22と、ガスバリア層22を支持するガスバリア支持体20とを有してなる。
なお、ガスバリアフィルム14は、ガスバリア支持体20の上に、少なくとも1つの無機層26を有していればよく、無機層26と、無機層26の下地となる有機層24との組み合わせを1つ以上有するのが好ましい。従って、ガスバリアフィルム14は、無機層26と下地の有機層24との組み合わせを2つ有するものでもよく、あるいは、3つ以上、有するものでもよい。有機層24は、無機層26を適正に形成するための下地層としてとして作用するものであり、下地の有機層24と無機層26との組み合わせの積層数が多いほど、優れたガスバリア性を有するガスバリアフィルムを得られる。
また、ガスバリアフィルム14は、最表面が無機層26であるのが好ましく、無機層26側に機能層12が積層されるのが好ましい。
ガスバリアフィルム14の最表面を無機層26とすることにより、ガスバリア支持体20や有機層24からアウトガスが放出されても、このアウトガスは無機層26で遮蔽され、機能層12に至ることを防止できる。
ガスバリアフィルム14のガスバリア支持体20としては、公知のガスバリアフィルムで支持体として用いられているものが、各種、利用可能である。
中でも、薄手化や軽量化が容易である、フレキシブル化に好適である等の点で、各種のプラスチック(高分子材料/樹脂材料)からなるフィルムが好適に利用される。
具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリトニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、透明ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、環状オレフィン・コポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、および、トリアセチルセルロース(TAC)からなるプラスチックフィルムが、好適に例示される。
ここで、ガスバリア支持体20の材料として、融点が230℃以下、ガラス転移温度が120℃以下の材料を用いるのが好ましい。
ガスバリア支持体20の材料として、融点が230℃以下、ガラス転移温度が120℃以下の材料を用いることで、後述する切断工程において、機能層12とガスバリアフィルム14の積層体を切断して、切断面から10mm以下の範囲で機能層の厚さを平均厚さよりも薄くして絞り領域を形成する際に、刃を加熱することで、より簡易に絞り領域を形成することができる。
また、ガスバリア支持体20は紫外線の透過率が高いのが好ましい。量子ドット層等の機能層12を形成する方法として、ガスバリアフィルム14上に、機能層12となる塗布組成物し、さらに、塗布膜上にガスバリアフィルム14を積層した後に、紫外線を照射して、塗布膜を硬化させて機能層12を形成する方法が好適に利用される。従って、ガスバリア支持体20は、機能層12に照射するための紫外線を十分に透過させるのが好ましい。
融点、ガラス転移温度、ならびに、紫外線の透過率等の観点から、ガスバリア支持体20の材料としては、PET、COP、PC、PI、TAC等がより好適に用いられる。
ガスバリア支持体20の厚さは、用途や大きさによって、適宜、設定すればよい。ここで、本発明者の検討によれば、ガスバリア支持体20の厚さは、5μm〜100μm程度が好ましい。ガスバリア支持体20の厚さを、この範囲にすることにより、軽量化や薄手化、可撓性等の点で、好ましい結果を得る。
なお、ガスバリア支持体20は、このようなプラスチックフィルムの表面に、反射防止や位相差制御、光取り出し効率向上等の機能が付与されていてもよい。
ガスバリア層22は、主にガスバリア性を発現する無機層26と、無機層26の下地層となる有機層24とを有する。
有機層24は、ガスバリアフィルム14において主にガスバリア性を発現する無機層26の下地層となるものである。
有機層24は、公知のガスバリアフィルムで有機層24として用いられているものが、各種、利用可能である。例えば、有機層24は、有機化合物を主成分とする膜で、基本的に、モノマーおよび/またはオリゴマを、架橋して形成されるものが利用できる。
なお、有機化合物を主成分とする膜とは、有機化合物を50%以上含有する膜である。
ガスバリアフィルム14は、この下地となる有機層24を有することにより、この有機層24が、無機層26のクッションとしても作用する。そのため、後述する切断工程の際に、無機層26が外部から衝撃を受けた場合などに、この有機層24のクッション効果によって、無機層26の損傷を防止できる。
これにより、機能性積層フィルム10において、ガスバリアフィルム14が適正にガスバリア性能を発現して、水分や酸素による機能層12の劣化を、好適に防止できる。
また、ガスバリアフィルム14は、無機層26の下地となる有機層24を有することにより、ガスバリア支持体20の表面の凹凸や、表面に付着している異物等を包埋して、無機層26の成膜面を適正にできる。その結果、成膜面の全面に、隙間無く、割れやヒビ等の無い適正な無機層26を成膜できる。これにより、水蒸気透過率が1×10-3[g/(m2・day)]以下となるような、高いガスバリア性能を得ることができる。
ガスバリアフィルム14において、有機層24の形成材料としては、各種の有機化合物(樹脂/高分子化合物)が、利用可能である。
具体的には、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステル、アクリロイル化合物、などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン、その他の有機ケイ素化合物の膜が好適に例示される。これらは、複数を併用してもよい。
中でも、ガラス転移温度や強度に優れる等の点で、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物の重合物から構成された有機層24は、好適である。
中でも特に、上記強度に加え、屈折率が低い、透明性が高く光学特性に優れる等の点で、アクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、ガラス転移温度が120℃以上のアクリル樹脂やメタクリル樹脂は、有機層24として好適に例示される。
その中でも特に、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGDA)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの、2官能以上、特に3官能以上のアクリレートおよび/またはメタクリレートのモノマーやオリゴマの重合体を主成分とする、アクリル樹脂やメタクリル樹脂は、好適に例示される。また、これらのアクリル樹脂やメタクリル樹脂を、複数、用いるのも好ましい。
有機層24を、このようなアクリル樹脂やメタクリル樹脂で形成することにより、骨格がしっかりした下地の上に無機層26を成膜できるので、より緻密でガスバリア性が高い無機層26を成膜できる。
有機層24の厚さは、0.5μm〜5μmが好ましい。
有機層24の厚さを0.5μm以上とすることにより、後述する切断工程の際に、無機層26が外部から衝撃を受けた場合などにおける、クッションとしての効果を十分に発揮して、無機層26の損傷を、より確実に防止できる。また、有機層24の厚さを1μm以上とすることにより、より好適に無機層26の成膜面を適正にして、割れやヒビ等の無い適正な無機層26を、成膜面の全面に渡って成膜できる。
また、有機層24の厚さを5μm以下とすることにより、有機層24が厚すぎることに起因する、有機層24のクラックや、ガスバリアフィルム14のカール等の問題の発生を、好適に防止することができる。
以上の点を考慮すると、有機層24の厚さは、1μm〜5μmとするのが、より好ましい。
なお、ガスバリアフィルムが、有機層を複数有する場合には、各有機層の厚さは、同じでも、互いに異なってもよい。
また、有機層を複数有する場合には、各有機層の形成材料は、同じでも異なってもよい。しかしながら、生産性等の点からは、全ての有機層を、同じ材料で形成するのが好ましい。
有機層24は、塗布法やフラッシュ蒸着等の公知の方法で成膜すればよい。
また、有機層24の下層となる無機層26との密着性を向上するために、有機層24は、シランカップリング剤を含有するのが好ましい。
有機層24の上には、この有機層24を下地として、無機層26が成膜される。
無機層26は、無機化合物を主成分とする膜で、ガスバリアフィルム14において、ガスバリア性を主に発現するものである。
無機層26の形成材料は、窒化ケイ素を主成分とするものである。
無機層26の形成材料として、窒化ケイ素を用いることで、透明性が高く、かつ、優れたガスバリア性を発現でき、さらに、優れた可撓性を発現することができる。従って、後述する端部の絞り領域の幅を狭くしつつ、機能層12の端面の厚さを薄くしても、無機層26が割れることがなく、十分なガスバリア性を発現することができる。
ここで、無機層26すなわちガスバリア膜としての窒化ケイ素膜において、膜中の水素含有量が、10原子%〜30原子%であるのが好ましい。
無機層26の水素含有量が30原子%以下とすることにより、十分な耐酸化性を発現することができ、十分なガスバリア性を長期に渡って確保することができる。従って、経時により無機層26が割れ易くなってしまう等の不都合が生じるのを防止できる。
また、無機層26の水素含有量を10原子%以上とすることにより、膜内部の結合が三次元的に非常に強固に結び付くことを低減して、可撓性を向上することができる。
なお、窒化ケイ素膜において、水素は、原料ガス等に含有されるものであり、不可避的に混入してしまうものである。水素含有量を低減するためには、そのための処理や操作(例えば、成膜時の基板温度の高温化、ポストアニール処理など)が必要であり、また、生産コストも高くなってしまう。従って、無機層26中の水素含有量を10原子%以上とすることにより、好適な生産性も確保することができる。
また、上記観点から、無機層26中の水素含有量は、15原子%〜25原子%とするのがより好ましい。
ここで、本発明における無機層26中の水素含有量は、後方散乱測定装置(日新ハイボルテージ社製 AN2500型)を用い、ラザフォード後方散乱分析法および水素前方散乱分析法によって測定した値である。
また、無機層26は、窒化ケイ素膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトル(以下、FTIRとする)において、2170cm-1〜2200cm-1内にピークが位置するSi−Hの伸縮振動による吸収のピーク強度I(Si−H)と、840cm-1付近のSi−Nの伸縮振動による吸収のピーク強度I(Si−N)との強度比である[I(Si−H)/I(Si−N)]が、0.03〜0.15であるのが好ましい。
このピーク強度比を0.03〜0.15とすることで、十分な耐酸化性が得られ、十分なガスバリア性を長期に渡って確保でき、十分な可撓性を得ることができる。
また、無機層26のFTIRにおける3350cm-1付近のN−Hの伸縮振動による吸収のピーク強度I(N−H)と、840cm-1付近のSi−Nの伸縮振動による吸収のピーク強度I(Si−N)との強度比である[I(N−H)/I(Si−N)]が、0.03〜0.07であるのが好ましく、0.03〜0.06であるのがより好ましい。
このピーク強度比[I(N−H)/I(Si−N)]を0.03以上とすることにより、膜の着色をより好適に抑制して透明性の高い無機層26を得られる、ガスバリア支持体20や下層層となる有機層24との密着性を向上できる等の点で好ましい結果を得る。また、ピーク強度比[I(N−H)/I(Si−N)]を0.07以下とすることにより、より高い耐酸化性を確保できる、長期に渡って十分なガスバリア性を確保できる、ガスバリア支持体20や有機層24との密着性を向上できる、十分な可撓性が得やすくなる等の点で好ましい結果を得る。
ここで、本発明における無機層26のFTIRの測定は、FTIR測定装置で、ATR(Attenuated Total Reflectance)モードを用いてガスバリアフィルムの表面の赤外吸収スペクトルを測定し、リファレンスとして有機層までを形成したフィルムをベースラインとして表面の赤外吸収スペクトルを測定し、その差分から、無機層の赤外吸収スペクトルを求めた。
また、本発明において、無機層26の膜密度には、特に限定は無いが、2.1g/cm3〜2.7g/cm3であるのが好ましい。
膜密度を2.1g/cm3以上とすることにより、より高い耐酸化性を確保できる、長期に渡って十分なガスバリア性を確保できる、基板Zや下層との密着性を向上できる等の点で好ましい結果を得る。また、膜密度が高くなると、膜が割れやすくなる傾向にあるが、膜密度を2.7g/cm3以下とすることにより、膜密度が高くなることに起因する割れを好適に防止して可撓性を向上できる、基板Zや下層との密着性を向上できる等の点で好ましい結果を得る。
上記利点を、より好適に得られる等の点で、無機層26の膜密度は、2.3g/cm3〜2.6g/cm3とするのが、より好ましい。
ここで、本発明における無機層26の膜密度は、薄膜X線回折装置(株式会社リガク製 ATX−E)を用いて、X線反射率測定法によって測定した値である。
なお、ガスバリアフィルムが複数の無機層を有する場合には、無機層の形成材料は、互いに異なってもよい。しかしながら、生産性等を考慮すれば、全ての無機層を、同じ材料で形成するのが好ましい。
無機層26の厚さは、形成材料に応じて、目的とするガスバリア性を発現できる厚さを、適宜、決定すればよい。なお、本発明者の検討によれば、無機層26の厚さは、10〜200nmとするのが好ましい。
無機層26の厚さを10nm以上とすることにより、十分なガスバリア性能を安定して発現する無機層26が形成できる。また、無機層26は、一般的に脆く、厚過ぎると、割れやヒビ、剥がれ等を生じる可能性が有るが、無機層26の厚さを200nm以下とすることにより、割れが発生することを防止して可撓性を向上できる。
また、このような点を考慮すると、無機層26の厚さは、10nm〜100nmにするのが好ましく、特に、15nm〜75nmとするのが好ましい。
なお、ガスバリアフィルムが無機層を複数有する場合には、各無機層の厚さは、同じでも異なってもよい。
無機層26は、公知の窒化ケイ素膜の形成方法で形成すればよい。具体的には、CCP−CVDやICP−CVD等のプラズマCVD、マグネトロンスパッタリングや反応性スパッタリング等のスパッタリング、真空蒸着など、気相堆積法が好適に例示される。
次に、図3を用いて、絞り領域についてより詳細に説明する。
図3は、図1に示す機能性積層フィルム10の端部を拡大して示す断面図である。
図3に示すように、機能性積層フィルム10の端部(周縁部)において、一方のガスバリアフィルム14が、他方のガスバリアフィルム14側に近づく方向に屈曲される。すなわち、端部において、ガスバリアフィルム14同士の間隙が、端面に向かうにしたがって狭くなるように絞られた形状を有している。また、図3においては、機能層12の端面は厚さH1で開放されている。
言い換えると、端面における機能層12の厚さH1が、中央部における機能層12の厚さ、すなわち、機能層12の平均厚さH0よりも薄くなるように、ガスバリアフィルム14は、端部で屈曲されて配置されている。
このように、端部における、ガスバリアフィルム14同士の間隙を絞った形状とすることにより、機能層12の端面の表面積を小さくして、機能層12の端面からの水分や酸素等の侵入を防止し、機能層12の劣化を防止することができる。
なお、前述のとおり、機能層12の平均厚さよりも厚さが薄い領域を絞り領域という。具体的には、端面から連続して、平均厚さよりも厚さが10%以上薄い領域を、絞り領域という。
ここで、本発明においては、絞り領域の、端面からの幅Tは、10mm以下である。
前述のとおり、量子ドット層などの水分や酸素により劣化しやすい機能層を、ガスバリアフィルムで保護することが行われており、さらに、機能層の端面から水分や酸素が浸入するのを抑制するために、ガスバリアフィルムで端面を密封することが提案されている。
一方で、液晶表示装置においては、さらなる薄型化の要求に加えて、表示装置全体に対して表示領域の比率を大きくする、狭額縁化が求められている。
そのため、機能層の端部からの水分や酸素の浸入を低減するために、ガスバリアフィルムを狭圧して端部を密封すると、端部での、機能層の厚さが薄くなってしまうため、機能層の端部ではその機能を十分に発現することができず、有効に利用できる領域の大きさが小さくなり、額縁部分が大きくなってしまうおそれがある。
そこで、端面付近で急に厚さが薄くなるように形成することで、額縁部分を小さくし、有効に利用できる領域を大きくすることが考えられる。しかしながら、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の酸化物からなるバリア層は、硬く脆いため、このような酸化物を形成材料として用いるバリア層を有するガスバリアフィルムを、急に湾曲させると、バリア層が割れてしまい、ガスバリア性が低下して、機能層への水分や酸素の浸入を抑制できなくなるという問題があった。
これに対して、本発明は、ガスバリア性を発現する無機層26として、窒化ケイ素を用い、かつ、機能層12の厚さが薄くなる絞り領域の、端面からの幅Tを10mm以下とする構成を有する。これにより、機能性積層フィルム10の端部を絞って、機能層12の端面の表面積を小さくして、端面からの水分や酸素等の侵入を抑制する際に、端面近傍で急に湾曲させて、絞り始める位置を端面から10mm以下とした場合でも、無機層が割れにくいため、十分なガスバリア性を維持することができる。従って、機能層12の端面から水分や酸素が浸入することを抑制して、機能層12の劣化を防止でき、かつ、ガスバリア性を低下させることなく、機能層12がその機能を十分に発現できない領域を少なくして、機能層12として有効に利用可能な領域の割合を大きくすることができ、狭額縁化することができる。
ここで、絞り領域の、端面からの幅Tは、1mm以下であるのが好ましく、0.2mm以下であるのがより好ましい。
絞り領域の、端面からの幅Tをより狭くすることで、より狭額縁化することができる。本発明においては、無機層26として、窒化ケイ素を用いるので、このように狭額縁化しても無機層が割れることなく十分なガスバリア性を発現することができる。
また、機能層12の端面における厚さH1は、機能層12の平均厚さH0の50%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。
機能層12の端面における厚さH1を、平均厚さH0の50%以下、より好ましくは10%以下とすることで、機能層12の端面からの水分や酸素の浸入をより好適に低減することができる。また、本発明においては、無機層26として、窒化ケイ素を用いるので、このように端面の厚さH1を、平均厚さH0に対してより薄くなるように絞っても、無機層が割れることなく十分なガスバリア性を発現することができる。
さらに、図4に示す機能性積層フィルムのように、無機層26の端面での厚さH1を0mm、すなわち、ガスバリアフィルム14同士が接するように端部を絞ってもよい。これにより、機能層12の端面からの水分や酸素の浸入をより好適に防止することができる。
また、図3に示す例では、一方のガスバリアフィルム14を湾曲させて、機能層12の端面の厚さH1が薄くなる構成としたが、これに限定はされず、両方のガスバリアフィルム14の端部をそれぞれ機能層12側に湾曲させて、機能層12の端面の厚さH1を薄くする構成としてもよい。
なお、図1に示す機能性積層フィルム10は、ガスバリアフィルム14と、機能層12と、ガスバリアフィルム14との3層を積層した構成としたが、本発明はこれに限定はされず、他の層を有していてもよい。例えば、ハードコート層、光学補償層、透明導電層等を有していてもよい。
次に、本発明の機能性積層フィルムの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)について図5(A)〜図5(C)を用いて説明する。
本発明の製造方法は、
機能層と、機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、窒化ケイ素を含む無機層を有する2つのガスバリアフィルムとを有する積層体を準備する準備工程と、
積層体を切断して、切断面から10mm以下の範囲で機能層の厚さを、機能層の平均厚さよりも薄く、かつ、切断面での厚さを最も薄く形成する切断工程と、を有する機能性積層フィルムの製造方法である。
準備工程において、図5(A)に示すような、機能層12の両面にガスバリアフィルム14を積層した積層体30を準備する。
このような積層体30の作製方法には特に限定はなく、前述のように、ガスバリアフィルム14上に、機能層12となる塗布組成物し、さらに、塗布膜上にガスバリアフィルム14を積層した後に、紫外線を照射して、塗布膜を硬化させて機能層12を形成して積層体30を作製する方法が好適に利用可能である。
次に、切断工程において、図5(B)に示すように、刃物vを用いて、積層体30を所定の位置で切断する。その際、刃物vによる押圧により、切断部近傍が圧縮される。これにより、図5(C)に示すように、切断面から10mm以下の範囲での機能層12の厚さが、機能層12の平均厚さよりも薄く、かつ、切断面での厚さが最も薄くなるように形成する。
本発明の製造方法においては、このように、積層体30を切断することで、切断面近傍の機能層12の厚さを薄く形成するので、切断面近傍で、ガスバリアフィルムを急に湾曲させて、切断面から10mm以下の狭い範囲で、機能層12の厚さを薄く形成することができる。また、バリや切りくずといった製品の品質を低下させる異物の発生や、寸法異常の発生を少なくすることができる。
ここで、切断工程において、金属の刃物vを用いるのが好ましく、刃の温度を、ガスバリア支持体20のガラス転移温度+50℃〜融点+50℃の範囲に加熱して切断を行うのが好ましい。
切断に用いる刃の温度を上記範囲とすることで、切断部でガスバリア支持体20を加熱して変形しやすくして、切断した際に、切断部近傍の機能層12の厚さをより好適に薄く形成することができる。また、刃の温度を調整することで、切断面での機能層12の厚さを調整することができる。
従って、刃を加熱して切断を行う場合には、ガスバリア支持体20として、熱可塑性の樹脂を用いるのが好ましい。
なお、量子ドット層等の機能層12は、熱に弱い場合がある。従って、積層体30自体を加熱すると、機能層が劣化して、所定の機能を発現できなくなってしまうおそれがある。
これに対して、本発明の製造方法においては、刃を加熱することで、量子ドット層の劣化を防止しつつ、ガスバリア支持体20を軟化させて、切断部近傍の機能層12の厚さ薄く形成することができる。
また、刃を加熱する方法にも特に限定はなく、電熱器や誘導加熱器等の公知の加熱器を用いて加熱すればよい。
切断工程において用いる刃物には特に限定はなく、種々の公知の刃物が適宜利用可能である。
例えば、型抜き等に用いられる、刃物を枠状に曲げてベニヤ板や樹脂板等のベースに埋め込んだトムソン刃型、裁断刃、鋼の円板の外周に滑らかな刃が付いた刃物であるスリッター刃、ローラ対の一方のロールの外周表面に固定され、ローラ対の間に被切断物を通過させて輪郭加工を行うダイカッターを用いた切断方法が好適に利用可能である。
また、切断に用いる刃物は、両刃であっても片刃であってもよい。
また、刃物の刃先角度にも特に限定はなく、刃先角度を適宜、選択することで、端面の厚さ等の絞り領域の形状をより好適に調整することができる。好ましくは、刃先角度は20〜40°である。
また、トムソン刃、裁断刃等による切断する場合には、切断速度を0.01mm/s〜100mm/sとするのが好ましく、0.1mm/s〜10mm/sとするのがより好ましい。
通常、フィルム状物の切断においては、生産性等の観点から、切断速度は、100mm/s〜1000mm/s程度であるが、本発明においては、切断速度を100mm/s以下とすることで、切断面から10mm以下の範囲で機能層の厚さをより好適に薄く形成することができる。また、切断速度を0.01mm/s未満とするには、制御が難しく、設備が高価になるため、0.01mm/s以上とするのが好ましい。
また、切断工程は、長尺な積層体を長手方向に搬送しつつ、機能性積層フィルム10となる所定の形状に切断してもよい。
その際、長尺な積層体を長手方向に搬送しながら、切断を行っても良いし、搬送と切断とを交互に、間欠的に実施してもよい。
以上、本発明の機能性積層フィルムおよびその製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
実施例1として、図1に示す機能性積層フィルム10を作製した。
<機能性積層フィルム>
〔保護フィルム付積層体の準備工程〕
(ガスバリアフィルム)
ガスバリアフィルム14としては、ガスバリア支持体20上に、有機層24および無機層26が形成されたガスバリアフィルムを用いた。
ガスバリア支持体20として、厚さ50μm、幅1000mm、長さ100mのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡株式会社製 コスモシャインA4300)を用いた。
なお、ガスバリア支持体の融点は200℃、ガラス転移温度は80℃である。
次に、ガスバリア支持体20の表面に有機層24を形成した。有機層24は、塗布法によりガスバリア支持体20に材料を塗布し、乾燥後、紫外線照射して重合を行って、厚さ1μmの膜を形成した。
有機層24を形成する塗布液として、重合性化合物のTMPTA(ダイセル・サイテック株式会社製)と、紫外線重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)1.4gとを、質量比が95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させて、固形分濃度15%の塗布液を調製した。
調製した重合性組成物をダイコーターを用いてロール・ツー・ロール(以下、「RtoR」ともいう)によりガスバリア支持体20上に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させ、その後、紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm2)してUV硬化させ、有機層24を形成した。
なお、有機層24形成直後のパスロールにて有機層用保護フィルムとしてPE(株式会社サンエー科研製 PAC2-30-T)を貼り付け、搬送し、巻き取った。
次に、一般的なRtoRの成膜装置を用いて、CCP(容量結合プラズマ方式)−CVDにより、有機層用保護フィルムを剥離した後、有機層24上に、厚さ50nmの無機層26を形成した。
原料ガスは、シランガス(SiH4)、アンモニアガス(NH3)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を用いた。ガスの供給量は、シランガスが160sccm、アンモニアガスが370sccm、窒素ガスが240sccm、水素ガスが590sccmとした。また、成膜圧力は40Paとした。すなわち、無機層26は、窒化珪素膜である。
プラズマ励起電力は、周波数13.56MHzで2.5kWとした。
以上のように、ガスバリアフィルム14を作製した。
作製したガスバリアフィルム14の水蒸気透過率および酸素透過率をCa腐食法で測定したところ、温度40℃、湿度90%RHにおける水蒸気透過率は、1×10-4[g/(m2・day)]であった。また、酸素透過率をAPIMS法で測定したところ、温度40℃、湿度90%RHにおける酸素透過率は、1×10-3[cc/(m2・day・atm)]であった。
また、幅10mm長さ150mmのガスバリアフィルム14のサンプルを作製し、サンプルをテンシロン(株式会社島津製作所製 AGS-J-5kN)にて、伸び2.5%まで引っ張った後に、水蒸気透過率および酸素透過率を測定したところ、それぞれ、1×10-4[g/(m2・day)]、1×10-3[cc/(m2・day・atm)]であった。
さらに、サンプルの伸び量(変位量)をふりながら、無機層の割れを観察したところ、無機層が割れた際の伸び量(破断伸び)は3.5%であった。
なお、無機層26形成直後の膜面タッチロールにて無機層用保護フィルムとしてPE(株式会社サンエー科研製 PAC2-30-T)を貼り付け、搬送し、巻き取った。
(機能層)
次に、RtoRの塗布装置により、無機層用保護フィルムを剥離した後に、塗布法によりガスバリアフィルム14の無機層26上に、塗布組成物を塗布した。
機能層12の塗布組成物としては下記の各成分を混合して、量子ドット分散液を調製した。
・量子ドットA(発光極大:520nm) 0.1質量部
・量子ドットB(発光極大:630nm) 0.01質量部
・1官能メタクリレート(ラウリルメタクリレート) 70質量部
・2官能アクリレート(ジプロピレングリコールジアクリレート)
20質量部
・3官能アクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート)
10質量部
・光重合開始剤:イルガキュア819(BASF社製) 1質量部
・有機修飾スメクタイト(層状粘土化合物、アスペクト比20、長径0.15μm) 2.5質量部
塗布組成物は、事前にディゾルバーで10Lの塗液を150rpmにて30分程度攪拌し、同時に超音波脱泡を実施(使用超音波発信器はブランソン製 Bransonic8800を用いて水を介在してポリ容器内のこの液に超音波出力280W、周波数 40kHで照射した)した。その後、濾過精度が100μmのフィルタ(PALL プロファイルII、孔径100μm)で濾過処理を実施して塗布組成物を調製した。
塗布はダイコーターを用いて行った。
次に、塗布した塗布組成物の上に、先と同様の、ガスバリアフィルム14を、無機層26を塗布組成物側に向けて積層した。
その後、紫外線を照射(積算照射量約300mJ/cm2)してUV硬化させ、厚さ70μmの機能層12を形成し、積層体30を作製した。
〔切断工程〕
次に、作製した積層体30を、RtoRで搬送しつつ、トムソン刃を用いて、160mm×90mmの大きさに、打ち抜き加工を行い、機能性積層フィルム10を作製した。
用いたトムソン刃は、刃先角度40°の両刃トムソン刃とした。
刃の温度は、150℃とし、切断速度は5mm/sとした。
作製した機能性積層フィルム10の端面における機能層12の厚さH1、および、絞り領域の幅Tを、レーザー顕微鏡(オリンパス株式会社製 LEXT)を用いて断面の形状を観察して、3箇所測定し、それぞれ平均値を求めた。端面の厚さH1は35μm、すなわち、機能層の平均厚さの50%、絞り領域の幅Tは8.0mmであった。
[実施例2]
切断工程において、刃の加熱温度を100℃に変更し、切断速度を8mm/sに変更した以外は実施例1と同様にして、機能性積層フィルム10を作製した。
作製した機能性積層フィルム10の機能層12の端面の厚さH1は50μm(機能層の平均厚さの70%)、絞り領域の幅Tは7.8mmであった。
[実施例3]
切断工程において、刃の加熱温度を220℃に変更し、切断速度を3mm/sに変更した以外は実施例1と同様にして、機能性積層フィルム10を作製した。
作製した機能性積層フィルム10の機能層12の端面の厚さH1は7μm(機能層の平均厚さの10%)、絞り領域の幅Tは8.2mmであった。
[実施例4]
切断工程において、刃の加熱温度を250℃に変更し、切断速度を1mm/sに変更した以外は実施例1と同様にして、機能性積層フィルム10を作製した。
作製した機能性積層フィルム10の機能層12の端面の厚さH1は0μm、すなわち、図4のようにガスバリアフィルム14同士が接する構成とした。また、絞り領域の幅Tは8.1mmであった。
[実施例5]
ガスバリア支持体の厚さを38μmに変更し、切断工程において、刃先角度30°の両刃トムソン刃に変更した以外は実施例1と同様にして、機能性積層フィルム10を作製した。
作製した機能性積層フィルム10の機能層12の端面の厚さH1は35μm(機能層の平均厚さの50%)、絞り領域の幅Tは1mmであった。また、ガスバリアフィルム14を伸び2.5%まで引っ張った後に、水蒸気透過率および酸素透過率を測定したところ、それぞれ、1×10-4[g/(m2・day)]、1×10-3[cc/(m2・day・atm)]であった。また、ガスバリアフィルム14の破断伸びは、4%であった。
[実施例6]
ガスバリア支持体の厚さを23μmに変更し、切断工程において、刃先角度20°の両刃トムソン刃に変更した以外は実施例1と同様にして、機能性積層フィルム10を作製した。
作製した機能性積層フィルム10の機能層12の端面の厚さH1は35μm(機能層の平均厚さの50%)、絞り領域の幅Tは0.18mmであった。また、ガスバリアフィルム14を伸び2.5%まで引っ張った後に、水蒸気透過率および酸素透過率を測定したところ、それぞれ、1×10-4[g/(m2・day)]、1×10-3[cc/(m2・day・atm)]であった。また、ガスバリアフィルム14の破断伸びは、4.5%であった。
[比較例1]
切断工程において、CO2レーザーを用いて切断を行った以外は、実施例1と同様にして、機能性積層フィルムを作製した。
作製した機能性積層フィルムの機能層の端面の厚さH1は30μm(機能層の平均厚さの100%)であった。
[比較例2]
ガスバリアフィルムの無機層として、窒化ケイ素膜に代えてアルミナ膜を用いた以外は、実施例1と同様にして、機能性積層フィルム10を作製した。
作製した機能性積層フィルムの機能層の端面の厚さH1は35μm(機能層の平均厚さの50%)、絞り領域の幅Tは8.1mmであった。
また、ガスバリアフィルムの水蒸気透過率および酸素透過率を測定したところ、それぞれ、1×10-4[g/(m2・day)]、1×10-3[cc/(m2・day・atm)]であった。さらに、ガスバリアフィルムを伸び2.5%まで引っ張った後に、水蒸気透過率および酸素透過率を測定したところ、それぞれ、3×10-2[g/(m2・day)]、4×10-1[cc/(m2・day・atm)]であった。また、ガスバリアフィルムの破断伸びは、1%であった。
なお、アルミナ膜は、一般的なスパッタリング装置により形成した。具体的には、有機層が形成されたガスバリア支持体を、一般的なスパッタリング装置に装填して、アルミナ焼結体をターゲットとして用いて、DCマグネトロンスパッタリングによって、アルミナ膜からなる無機層を形成した。
[評価]
<ガスバリア性試験>
作製した実施例1〜6および比較例1の機能性積層フィルムについて、ガスバリア性試験、すなわち、耐久性試験を行った。
具体的には、作製直後の機能性積層フィルム、および、温度60℃湿度90%RHの環境下で100時間静置した後の機能性積層フィルムを、以下の液晶表示装置に組み込み、輝度ムラを測定し、加湿前後の輝度ムラの変化によりガスバリア性を評価した。
まず、市販の液晶表示装置(パナソニック社製商品名THL42D2)を分解し、液晶セルがある側の導光板上に機能性積層フィルムを加え、バックライトユニットを以下のB狭帯域バックライトユニットに変更し、バックライトユニットおよび液晶表示装置を製造した。用いたB狭帯域バックライトユニットは、光源として、青色発光ダイオード(日亜B−LED:Blue,主波長465nm、半値幅20nm)を備える。
次に、液晶表示装置を白表示した際の色ムラを評価した。表示装置の前面の対角線方向に両端50mmを除き、両対角線それぞれ等間隔に5点で、740mmの距離に設置した輝度計(SR3、TOPCON社製)にて輝度を測定した。算出した平均値から10点で測定したそれぞれの輝度の差を計算し、そのうちの最大値を平均輝度で割って百分率で表した値を、輝度ムラとした。
測定した、加湿前後の輝度ムラの差に基づいて以下のように評価した。
A:5%以下である。
B:5%超10%以下である。
C:10%超20%以下である。
D:20%超である。
結果を下記の表1に示す。
上記表1に示されるように、本発明の機能性積層フィルムは、比較例に対して、より高いガスバリア性を有することがわかる。
また、実施例1と比較例2とを対比すると、実施例1では、ガスバリアフィルムの無機層として窒化ケイ素膜を用いるので、絞り領域の幅Tを10mm以下としても、無機層が割れることなく、十分なガスバリア性を発現しているのがわかる。これに対して、比較例2では、無機層としてアルミナ膜を用いているので、絞り領域の幅Tを10mm以下とすると、無機層が割れてガスバリア性が低下しているのがわかる。言い換えると、無機層としてアルミナ膜を用いた場合には、無機層の割れを防止するために幅Tを大きくする必要があり、額縁部を小さくすることができない。
さらに、実施例3、4のように、ガスバリアフィルムの端部を急に湾曲させて端面の厚さを薄くすることでガスバリア性をより向上できることがわかる。
あるいは、実施例5、6のように、ガスバリアフィルムの端部を急に湾曲させて、絞り領域の幅Tをより小さくして狭額縁化できることがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 機能性積層フィルム
12 機能層
14 ガスバリアフィルム
20 ガスバリア支持体
22 ガスバリア層
24 有機層
26 無機層

Claims (15)

  1. 機能層と、前記機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、無機層を有する2つのガスバリアフィルムとを有する機能性積層フィルムにおいて、
    前記無機層は、窒化ケイ素を含み、
    前記機能層は、端部に、前記機能層の平均厚さよりも厚さが薄い絞り領域を有し、
    前記絞り領域は、前記機能層の端面から10mm以下の範囲の領域であり、かつ、端面での厚さが最も薄いことを特徴とする機能性積層フィルム。
  2. 前記絞り領域は、端面から1mm以下の範囲の領域である請求項1に記載の機能性積層フィルム。
  3. 前記機能層の端面での厚みは、前記機能層の平均厚さの50%以下である請求項1または2に記載の機能性積層フィルム。
  4. 2つの前記ガスバリアフィルムの端部が、互いに接触している請求項1〜3のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  5. 前記絞り領域よりも内側での前記機能層の厚さは、前記機能層の平均厚さの±2%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  6. 前記ガスバリアフィルムの、前記機能層側の最上層が前記無機層である請求項1〜5のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  7. 前記ガスバリアフィルムは、ガスバリア支持体と、前記ガスバリア支持体上に積層される有機層と、前記有機層上に積層される前記無機層とを有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  8. 前記ガスバリアフィルムの厚さが、5μm〜100μmである請求項1〜7のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  9. 前記ガスバリア支持体は、融点が230℃以下、ガラス転移温度が120℃以下である請求項7または8に記載の機能性積層フィルム。
  10. 前記ガスバリアフィルムを面方向に2.5%伸ばした後の水蒸気透過率が、1×10-3[g/(m2・day)]以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  11. 前記無機層は、水素の含有率が10原子%〜30原子%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  12. 前記機能層は、多数の量子ドットを含む量子ドット層である請求項1〜11のいずれか一項に記載の機能性積層フィルム。
  13. 機能層と、前記機能層の一方の主面および他方の主面にそれぞれ積層される、窒化ケイ素を含む無機層を有する2つのガスバリアフィルムとを有する積層体を準備する準備工程と、
    前記積層体を切断して、切断面から10mm以下の範囲で前記機能層の厚さを、前記機能層の平均厚さよりも薄く、かつ、前記切断面での厚さを最も薄く形成する切断工程と、を有することを特徴とする機能性積層フィルムの製造方法。
  14. 前記ガスバリアフィルムは、ガスバリア支持体と前記無機層とを有し、
    前記切断工程において、刃の温度を前記ガスバリア支持体の、ガラス転移温度+50℃〜融点+50℃の範囲に加熱して切断を行う請求項13に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
  15. 前記切断工程は、トムソン刃、裁断刃またはスリッター刃を用いて行う請求項13または14に記載の機能性積層フィルムの製造方法。
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