JPWO2015199032A1 - 親油性高分岐ポリマー及びそれを含む重合性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
第2観点として、前記モノマーAがジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物であり、前記モノマーBが式[2]で表される化合物であり、かつ、前記重合開始剤Cがアゾ系重合開始剤である、第1観点に記載の重合性組成物に関する。
第3観点として、前記重合性化合物が、式[3]で表されるモノマーDをさらに含む、第1観点又は第2観点に記載の重合性組成物に関する。
第4観点として、前記(a)多官能モノマーが、多官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである、第1観点乃至第3観点のうち何れか一つに記載の重合性組成物に関する。
第5観点として、前記(c)重合開始剤がアルキルフェノン化合物である、第1観点乃至第4観点のうち何れか一つに記載の重合性組成物に関する。
第6観点として、さらに(d)溶媒を含む、第1観点乃至第5観点のうち何れか一つに記載の重合性組成物に関する。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のうち何れか一つに記載の重合性組成物より得られる硬化膜に関する。
第8観点として、基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備える積層体であって、該ハードコート層が、第1観点乃至第6観点のうち何れか一つに記載の重合性組成物を基材上に塗布し塗膜を形成する工程、及び該塗膜に紫外線を照射し硬化する工程を含む方法により形成されている、積層体に関する。
第9観点として、前記ハードコート層が1〜30μmの膜厚を有する、第8観点に記載の積層体に関する。
第10観点として、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを少なくとも含み、前記モノマーBの量が前記モノマーAのモル数に対して400〜1500mol%量である重合性化合物を、該モノマーAのモル数に対して5〜200mol%量の重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる、親油性高分岐ポリマーに関する。
第11観点として、前記モノマーAが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、第10観点に記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第12観点として、前記モノマーAがジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、第11観点に記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第13観点として、前記モノマーAが式[1]で表される化合物である、第12観点に記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第14観点として、前記モノマーBが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、第10観点乃至第13観点のうち何れか一つに記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第15観点として、前記モノマーBが式[2]で表される化合物である、第14観点に記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第16観点として、前記mが0である、第15観点に記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第17観点として、前記重合開始剤Cがアゾ系重合開始剤である、第10観点乃至第16観点のうち何れか一つに記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第18観点として、前記重合性化合物が、式[3]で表されるモノマーDをさらに含む、第10観点乃至第17観点のうち何れか一つに記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第19観点として、前記モノマーAのモル数に対して5乃至500モル%量の前記モノマーDを用いて得られる、第18観点に記載の親油性高分岐ポリマーに関する。
第20観点として、第10観点乃至第19観点のうち何れか一つに記載の親油性高分岐ポリマーを含むワニスに関する。
要するに、本発明の重合性組成物は、優れた滑り性を有し、且つ、指紋や皮脂成分の汚れが目立たない親油性硬化膜(ハードコート層)を形成できるという効果を奏し、本発明の親油性高分岐ポリマーは、重合性組成物に添加することで、該組成物より形成される硬化膜表面に滑り性及び親油性を付与できるという効果を奏する。
<(a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー>
上記成分(a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー(以下、単に成分(a)多官能モノマーとも称する)としては、後述する成分(c)重合開始剤の作用によって重合する重合性の部位を、分子内に2個以上有する化合物であれば特に制限はなく、例えばウレタンアクリル系、エポキシアクリル系、各種(メタ)アクリレート系等の(メタ)アクリル基を2個以上含有する多官能モノマー等が挙げられる。
好ましくは、成分(a)多官能モノマーは、多官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる群から選ばれるモノマーであることが望ましい。
これら化合物は一種を単独で用いてもよいし、必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい。
これらの例示の中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル基を3個以上含有する化合物が好ましく、さらにペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル基を4個以上含有する化合物がより好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロメタンジイソシアネート或いはこれらジイソシアネート化合物のうち芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物(例えば水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネートなどのような2価あるいは3価のジイソシアネート化合物あるいはポリイソシアネート化合物や、これらを多量化させて得られる多量化ポリイソシアネート化合物等のイソシアネート基含有化合物が挙げられる。
また活性水素を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらのラクトン付加物(例えば、(株)ダイセル製のプラクセル(登録商標)FAシリーズ、同FMシリーズ等)も使用することができる。また、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート(例えば、ダイセル・オルネクス(株)製「DPHA」等)も使用可能である。
成分(b)親油性高分岐ポリマーは、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを少なくとも含み、前記モノマーBの量が前記モノマーAのモル数に対して400〜1500mol%量である重合性化合物を、該モノマーAのモル数に対して5〜200mol%量の重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる。
なお、前記親油性高分岐ポリマーは、いわゆる開始剤断片組込み(IFIRP)型高分岐ポリマーであり、その末端に重合に使用した重合開始剤Cの断片を有している。
[モノマーA]
本発明において、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAは、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有することが好ましく、特にジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
なお、本発明では(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物とメタクリレート化合物の両方をいう。例えば(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸をいう。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、エチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。
(A1−1)脂肪族ビニル系炭化水素類;イソプレン、ブタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン等。
(A1−2)脂環式ビニル系炭化水素類;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ノルボルナジエン等。
(A1−3)芳香族ビニル系炭化水素類;ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジビニルフルオレン、ジビニルカルバゾール、ジビニルピリジン等。
(A2−1)ビニルエステル;アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、イタコン酸ジビニル、ビニル(メタ)アクリレート等。
(A2−2)アリルエステル;マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート等。
(A2−3)ビニルエーテル;ジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等。
(A2−4)アリルエーテル;ジアリルエーテル、ジアリルオキシエタン、トリアリルオキシエタン、テトラアリルオキシエタン、テトラアリルオキシプロパン、テトラアリルオキシブタン、テトラメタリルオキシエタン等。
(A2−5)ビニルケトン;ジビニルケトン、ジアリルケトン等。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、グリセリン=トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ビス[2−(メタ)アクリロイルチオエチル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、アルコキシチタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンウレタンジ(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタンジ(メタ)アクリレート、芳香族ウレタンジ(メタ)アクリレート等。
ポリエチレングリコール(分子量:200,300,400,600,1000など)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量:400,500,700など)ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(分子量:650など)ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ポリプロピレングリコール(分子量:700など)ジ(メタ)アクリレート等。
ジアリルアミン、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルシアヌレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスマレイミド等。
本発明において、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBは、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有することが好ましく、特に下記式[2]で表される化合物が好ましい。
これらの中でも、親油性及び滑り性の観点から、炭素原子数8乃至20の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば、ラウリル基、イソステアリル基が好ましい。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、エチレン基が好ましい。
これらモノマーBは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用しても構わない。
本発明で用いる重合性化合物は、前記モノマーA及びモノマーBに加えて、モノマーDとして下記式[3]で表される化合物を含んでいてもよい。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、エチレン基、メチルエチレン基が好ましい。
これらモノマーDは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用しても構わない。
本発明で用いる重合性化合物は、本発明の効果を損わない限り、前記モノマーA、モノマーB、モノマーDに属さない、その他のモノマーを含んでもいてもよい。
その他のモノマーとしては、分子内に1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーであれば特に制限はないが、ビニル化合物又は(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
このようなモノマーとしては、例えば、以下の(1)、(2)に示す化合物が挙げられる。
2−(トリフルオロメチル)アクリル酸、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等。
3−(トリエトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(ジメトキシ(メチル)シリル)プロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシ(ビニル)シラン、トリエトキシ(ビニル)シラン、トリス(2−メトキシエトキシ)(ビニル)シラン、ジメトキシ(メチル)(ビニル)シラン、4−(トリメトキシシリル)スチレン等。
本発明において、重合開始剤Cとしては、好ましくはアゾ系重合開始剤が用いられる。アゾ系重合開始剤としては、例えば、以下の(1)乃至(5)に示す化合物が挙げられる。
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等。
2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−(1−ヒドロキシブチル))プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等。
2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジスルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス(2−(1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド等。
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)テトラヒドレート等。
2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボン酸メチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロメチル)エチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロブチル)エチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル)等。
本発明の親油性高分岐ポリマーは、前述のモノマーA及びモノマーBと、所望によりモノマーDとを、該モノマーAに対して所定量の重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる。該重合方法としては公知の方法、例えば、溶液重合、分散重合、沈殿重合、及び塊状重合等が挙げられ、中でも溶液重合又は沈殿重合が好ましい。特に分子量制御の点から、有機溶媒中での溶液重合によって反応を実施することが好ましい。
重合温度は、反応混合物の沸点以下であれば任意であるが、重合効率と分子量調節の点から、好ましくは50〜200℃であり、さらに好ましくは80〜150℃であり、80〜130℃がより好ましい。
反応時間は、反応温度や、モノマーA、モノマーB、重合開始剤C並びに所望によりモノマーDの種類及び割合、重合溶媒種等によって変動するものであるため一概には規定できないが、好ましくは30〜720分、より好ましくは40〜540分である。
重合反応の終了後、得られた親油性高分岐ポリマーを任意の方法で回収し、必要に応じて洗浄等の後処理を行う。反応溶液から高分子を回収する方法としては、再沈殿等の方法が挙げられる。
成分(b)親油性高分岐ポリマーは、成分(a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー100質量部に対し、0.001〜20質量部、例えば0.01〜10質量部の量で使用することが好ましい。
また、成分(b)親油性高分岐ポリマーは、下記に示す重合性組成物を溶解又は分散させることができる溶媒に溶解又は分散したワニス形態で、重合性組成物に配合することもできる。
上記成分(c)活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤(以下、単に成分(c)重合開始剤とも称する)は、例えば紫外線(光)等の活性エネルギー線照射時に活性ラジカルを生成する化合物(光ラジカル重合開始剤)であれば特に限定されることなく使用できる。
このような光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、アルキルフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、アジド系化合物、ジアゾ系化合物、o−キノンジアジド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾフェノン類、ビスクマリン、ビスイミダゾール化合物、有機過酸化物、チタノセン化合物、チオール化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、トリクロロメチルトリアジン化合物、あるいはヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物などのオニウム塩化合物等が用いられる。
これら重合開始剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい。
本発明の重合性組成物は、溶媒に溶解又は分散してワニスの形態(膜形成材料)とすることもできる。
上記ワニスの形態において使用する溶媒としては、前記(a)乃至(c)成分並びにその他成分を溶解又は分散するものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸3−メトキシブチル、γ−ブチロラクトン、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエステル類又はエステルエーテル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジ−n−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類などの有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は一種を単独で使用してもよく、また二種以上の有機溶媒を混合して使用してもよい。
また上記(a)乃至(c)成分並びにその他成分を溶媒に溶解又は分散させる濃度は任意であるが、前記(a)乃至(c)成分及びその他成分(固形分)と溶媒の総質量(合計質量)に対して、固形分濃度が0.5〜80質量%であり、好ましくは1〜70質量%であり、より好ましくは1〜60質量%とすることが好ましい。
こうして得られたワニスは、事前に孔径が0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過したものでもよい。
本発明の重合性組成物又は該組成物を溶媒に溶解又は分散させたワニスは、基材上にコーティングして光重合(硬化)させることにより、硬化膜や積層体などの成形品を成すことができる。こうして得られる硬化膜もまた本発明の対象である。
これらの塗布方法の中でも短時間で塗布できることから揮発性の高い溶液であっても利用でき、また、容易に均一な塗布を行うことができるという利点より、スピンコート法を用いることが望ましい。また、簡単に塗布することができ、かつ、大面積に塗装ムラがなく平滑な塗膜を形成することができるという利点より、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法を用いることが望ましい。
その後、ポストベークを行うことにより、具体的にはホットプレート、オーブンなどを用いて加熱することにより、最終的に重合を完結させることができる。
なお、コーティングにより形成された膜の厚さは、乾燥、硬化後において、通常0.01〜50μm、好ましくは0.05〜50μmである。
また本発明は、上記重合性組成物、好ましくはワニスの形態の上記重合性組成物を、フィルム基材上に塗布し塗膜を形成する工程、塗膜に紫外線を照射し硬化する工程により形成されている、フィルム基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備えるハードコートフィルムも対象とする。
ここで使用する基材や塗布方法、紫外線等のエネルギー線照射については、前述の<硬化膜>における基材、コーティング方法、活性エネルギー線照射の通りである。
本発明のハードコートフィルムにおいては、前記ハードコート層の膜厚は1〜30μmであることが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
装置:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC KF−804L、GPC KF−805L
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
(2)バーコート塗布
装置:(株)エスエムテー製 PM−9050MC
バー:オーエスジーシステムプロダクツ(株)製 A−Bar OSP−22、最大膜厚22μm(ワイヤーバー#9相当)
塗布速度:4.0m/分
(3)オーブン
装置:アドバンテック東洋(株)製 無塵乾燥器 DRC433FA
(4)UV照射装置
装置:アイグラフィックス(株)製 H02−L41
(5)接触角測定
装置:協和界面科学(株)製 DropMaster DM−501
測定温度:20℃
(6)動摩擦係数μk測定
装置:新東科学(株)製 荷重変動型摩擦磨耗試験システム TRIBOGEAR HHS2000
プローブ:0.6mmR サファイアピン
荷重:50g
測定速度:1mm/秒
走査距離:1cm
HDDM:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製 NKエステルHD−N]
4EDM:テトラエチレングリコールジメタクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)PDE−200]
9EDM:ノナエチレングリコールジメタクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)PDE−400]
LA:ラウリルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製 LA]
ISTA:イソステアリルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製 ISTA]
4ELA:テトラエチレングリコール=モノラウリルエーテル=アクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)ALE−200]
4EMM:テトラエチレングリコール=モノメチルエーテル=メタクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)PME−200]
9EMM:ノナエチレングリコール=モノメチルエーテル=メタクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)PME−400]
AMBN:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)[和光純薬工業(株)製 V−59]
UV7600:6官能ウレタンアクリレート[日本合成化学工業(株)製 紫光(登録商標)UV7600B]
I184:1−ヒドロキシシクロヘキシル=フェニル=ケトン[BASFジャパン(株)製 IRGACURE(登録商標)184]
MIBK:メチルイソブチルケトン
50mL反応フラスコに、MIBK13gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ116℃)加熱した。
別の30mL反応フラスコに、モノマーAとしてHDDM1.3g(5mmol)、モノマーBとしてLA6.0g(25mmol、モノマーAに対して500mol%)、開始剤CとしてAMBN0.5g(2.5mmol、モノマーAに対して50mol%)、及びMIBK13gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み窒素置換を行い、氷浴にて0℃まで冷却した。
前述の50mL反応フラスコ中の還流してあるMIBK中に、HDDM、LA、AMBNが仕込まれた前述の30mL反応フラスコから、滴下ポンプを用いて、内容物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。
この反応混合物を室温(およそ25℃)に冷却し、目的とする高分岐ポリマー(HBP1)を、ポリマー濃度23質量%のMIBK溶液として33.1g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,900、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は3.2であった。
LAの使用量を8.4g(35mmol、モノマーAに対して700mol%)に、MIBKの使用量を各19gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP2)を、ポリマー濃度21質量%のMIBK溶液として48.3g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは5,600、分散度:Mw/Mnは3.3であった。
LAの使用量を12.0g(50mmol、モノマーAに対して1000mol%)に、MIBKの使用量を各19gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP3)を、ポリマー濃度26質量%のMIBK溶液として51.9g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,600、分散度:Mw/Mnは3.0であった。
モノマーAを4EDM1.7g(5mmol)に、MIBKの使用量を各10gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP4)を、ポリマー濃度29質量%のMIBK溶液として27.9g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,300、分散度:Mw/Mnは2.8であった。
モノマーAを9EDM2.8g(5mmol)に、MIBKの使用量を各17gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP5)を、ポリマー濃度22質量%のMIBK溶液として42.2g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは8,800、分散度:Mw/Mnは4.2であった。
モノマーBをISTA8.1g(25mmol、モノマーAに対して500mol%)に、AMBNの使用量を0.6g(3mmol、モノマーAに対して60mol%)に、MIBKの使用量を各8gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP6)を、ポリマー濃度39質量%のMIBK溶液として25.1g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは4,500、分散度:Mw/Mnは2.5であった。
モノマーBを4ELA10.4g(25mmol、モノマーAに対して500mol%)に、AMBNの使用量を0.6g(3mmol、モノマーAに対して60mol%)に、MIBKの使用量を各8gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP7)を、ポリマー濃度45質量%のMIBK溶液として27.4g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは9,900、分散度:Mw/Mnは3.0であった。
50mL反応フラスコに、MIBK13gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ116℃)加熱した。
別の30mL反応フラスコに、モノマーAとしてHDDM1.3g(5mmol)、モノマーBとしてLA6.0g(25mmol、モノマーAに対して500mol%)、モノマーDとして9EMM0.3g(0.5mmol、モノマーAに対して10mol%)、開始剤CとしてAMBN0.6g(3mmol、モノマーAに対して60mol%)、及びMIBK13gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み窒素置換を行い、氷浴にて0℃まで冷却した。
前述の50mL反応フラスコ中の還流してあるMIBK中に、HDDM、LA、9EMM、AMBNが仕込まれた前述の30mL反応フラスコから、滴下ポンプを用いて、内容物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。
この反応混合物を室温(およそ25℃)に冷却し、目的とする高分岐ポリマー(HBP8)を、ポリマー濃度24質量%のMIBK溶液として33.4g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,400、分散度:Mw/Mnは3.0であった。
LAの使用量を12.0g(50mmol、モノマーAに対して1000mol%)に、モノマーDを4EMM4.1g(15mmol、モノマーAに対して300mol%)に、それぞれ変更した以外は実施例8と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP9)を、ポリマー濃度41質量%のMIBK溶液として43.3g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは9,600、分散度:Mw/Mnは3.4であった。
LAの使用量を1.2g(5mmol、モノマーAに対して100mol%)に、MIBKの使用量を各8gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP10)を、ポリマー濃度16質量%のMIBK溶液として18.0g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは8,200、分散度:Mw/Mnは4.3であった。
LAの使用量を3.6g(15mmol、モノマーAに対して300mol%)に、AMBNの使用量を0.6g(3mmol、モノマーAに対して60mol%)に、MIBKの使用量を各8gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP11)を、ポリマー濃度26質量%のMIBK溶液として20.6g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは7,000、分散度:Mw/Mnは3.3であった。
以下の各成分を混合し、不揮発分濃度40質量%の重合性組成物を調製した。
(1)多官能モノマー:UV7600 100質量部
(2)表面改質剤:表2に記載の表面改質剤 1質量部(高分岐ポリマーとして)
(3)重合開始剤:I184 6質量部
(4)溶媒:MIBK 表2に記載の量
この重合性組成物を、A4サイズのPETフィルム[東洋紡(株)製 コスモシャイン(商標登録)A4100、厚み125μm]上(易接着処理面側)に、バーコート塗布し塗膜を得た。この塗膜を100℃のオーブンで3分間乾燥させ溶媒を除去した。得られた膜を、空気雰囲気下、露光量300mJ/cm2のUV光を照射し露光することで、厚さおよそ5〜6μmのハードコート層を有するハードコートフィルムを作製した。
[接触角]
プローブ液体(水又はオレイン酸)1μLをハードコート層表面に付着させて10秒後(水)又は60秒後(オレイン酸)の接触角を5回測定し、その平均値を接触角とした。
[動摩擦係数]
ハードコート層表面の5箇所の動摩擦係数を測定し、その平均値を動摩擦係数とした。動摩擦係数は値が小さいほど使用プローブとの摩擦が小さいことを示し、滑り性の一目安となる。タッチパネル等の表示素子表面に適用されるハードコート層に求められる動摩擦係数としては、例えば0.1以下であることが望ましい。
一方、HBP10及びHBP11を添加したハードコート層(比較例2、3)では、前記実施例と比べて動摩擦係数が極めて大きい結果となり、該高分岐ポリマーではハードコート層表面に十分な滑り性を付与できないとする結果となった。
Claims (20)
- (a)活性エネルギー線重合性多官能モノマー100質量部、
(b)親油性高分岐ポリマー0.001〜20質量部、及び
(c)活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤1〜20質量部
を含む重合性組成物であって、
前記(b)親油性高分岐ポリマーが、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを少なくとも含み、前記モノマーBの量が前記モノマーAのモル数に対して400〜1500mol%量である重合性化合物を、該モノマーAのモル数に対して5〜200mol%量の重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる親油性高分岐ポリマーである、重合性組成物。 - 前記(a)多官能モノマーが、多官能(メタ)アクリレート化合物及び多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- 前記(c)重合開始剤がアルキルフェノン化合物である、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- さらに(d)溶媒を含む、請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の重合性組成物。
- 請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の重合性組成物より得られる硬化膜。
- 基材の少なくとも一方の面にハードコート層を備える積層体であって、該ハードコート層が、請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の重合性組成物を基材上に塗布し塗膜を形成する工程、及び該塗膜に紫外線を照射し硬化する工程を含む方法、により形成されている、積層体。
- 前記ハードコート層が1〜30μmの膜厚を有する、請求項8に記載の積層体。
- 分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを少なくとも含み、前記モノマーBの量が前記モノマーAのモル数に対して400〜1500mol%量である重合性化合物を、該モノマーAのモル数に対して5〜200mol%量の重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる、親油性高分岐ポリマー。
- 前記モノマーAが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、請求項10に記載の親油性高分岐ポリマー。
- 前記モノマーAがジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、請求項11に記載の親油性高分岐ポリマー。
- 前記モノマーBが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、請求項10乃至請求項13のうち何れか一項に記載の親油性高分岐ポリマー。
- 前記mが0である、請求項15に記載の親油性高分岐ポリマー。
- 前記重合開始剤Cがアゾ系重合開始剤である、請求項10乃至請求項16のうち何れか一項に記載の親油性高分岐ポリマー。
- 前記モノマーAのモル数に対して5〜500モル%量の前記モノマーDを用いて得られる、請求項18に記載の親油性高分岐ポリマー。
- 請求項10乃至請求項19のうち何れか一項に記載の親油性高分岐ポリマーを含むワニス。
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