JPWO2015182666A1 - 曲げ部材の製造方法と鋼材の熱間曲げ加工装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の曲げ部材の製造方法は、開口端を有する長尺の鋼材の長手方向の一端部をチャックで把持する把持工程と、前記把持工程後の前記鋼材を、前記一端部を先頭にして前記長手方向に沿って送る送り工程と、前記鋼材の前記長手方向の一部分を高周波誘導加熱して加熱部を形成する加熱工程と;、前記チャックを三次元方向に移動させることで前記加熱部に曲げモーメントを付与する曲げ工程と、前記曲げ工程後の前記加熱部に冷却媒体を噴射して冷却する冷却工程とを有する。前記加熱工程の開始時に、前記一端部に前記加熱部を形成する際に加える加熱量を、前記鋼材の送り方向に沿って見た場合に前記一端部の上流側に隣接する上流側隣接部位よりも大きくするとともに、前記チャックを前記冷却媒体で冷却する。

Description

本発明は、曲げ部材の製造方法と鋼材の熱間曲げ加工装置に関する。
本願は、2014年5月27日に、日本に出願された特願2014−109361号、2014年10月10日に、日本に出願された特願2014−209052号及び2014年12月4日に、日本に出願された特願2014−245639号に基づき優先権を主張し、これらの内容をここに援用する。
屈曲した形状を有する金属製の強度部材、補強部材又は構造部材(以下、曲げ部材と呼称する)が、自動車及び各種機械等に用いられる。高強度、軽量かつ小型であることが曲げ部材には要求される。従来、曲げ部材の製造には、例えば、プレス加工品の溶接,厚板の打ち抜き及び鍛造等の方法が用いられてきた。しかしながら、曲げ部材のさらなる高強度化、軽量化及び小型化が求められている。
非特許文献1には、鋼管の内側に水圧を加えることにより鋼管を加工するチューブハイドロフォーミング法による曲げ部材の製造方法が開示されている。チューブハイドロフォーミング法によれば、製造される曲げ部材の板厚の薄肉化、形状凍結性の向上及び曲げ部材の製造に係る経済性の向上が可能である。しかしながら、チューブハイドロフォーミング法に用いることのできる材料が限られていること及びチューブハイドロフォーミング法を用いた曲げ加工では形状自由度が不足していること等の課題がある。
本発明者らは、上述の事情を踏まえ、曲げ部材の製造方法及び鋼材の熱間曲げ加工装置を開発した(特許文献1参照)。図12は、特許文献1に開示されている鋼材の熱間曲げ加工装置0の概略を示す説明図である。
図12に示すように、鋼材の熱間曲げ加工装置0は、支持装置2により長手方向へ移動自在に支持された鋼管1を上流側から下流側へ向けて、例えばボールネジを用いた送り装置3により送りながら、支持装置2の下流で曲げ加工を行うことにより曲げ部材8を製造する。
すなわち、支持装置2の下流で誘導加熱装置5により鋼管1の一部を焼入れ可能な温度域に急速に加熱することにより、鋼管1の長手方向の一部に加熱部1aを形成する。加熱後、誘導加熱装置5の下流に配置される冷却装置6により鋼管1を急速に冷却する。加熱及び冷却の間に、鋼管1を長手方向に送りながら、鋼管1の端部を三次元方向に移動させることにより加熱部1aに曲げモーメントを付与する。
鋼管1の加熱温度及び冷却速度を制御することにより、鋼管1を焼入れることができる。このため、鋼材の熱間曲げ加工装置0を用いて曲げ部材8を製造する方法によれば、曲げ部材8の高強度化、軽量化及び小型化が可能である。本明細書では、鋼材の熱間曲げ加工装置0を用いた曲げ部材8の製造方法を、3DQ(“3 Dimensional Hot Bending and Quench”の略称)と呼称する。
3DQにより曲げ部材8を製造する場合には、鋼管1の送り方向の先端部及び後端部を適切に把持する必要がある。本発明者らは、鋼管1を把持するためのチャックを開発した(特許文献2参照)。
図13Aは、駆動機構9により支持された短尺のチャック10によって鋼管1を内側より把持する場合を説明する模式図である。なお、図13Aでは冷却装置6を省略する。なお、以降の説明は、鋼管1の内部を把持するチャックを用いる場合を例にして説明するが、鋼管1を外側より把持するチャックにおいても同様である。
チャック10は、大径部10aと小径部10bとを有する段差状の筒状体からなる。本明細書では、小径部10bを爪10bとも表記する。
大径部10aは、鋼管1の外径と同じ外径を有する。一方、小径部10bは、軸方向へ所定の長さを有しており、鋼管1の先端部1b又は後端部1dの内部に挿設される。小径部10bは拡径及び縮径自在に構成される。小径部10bが拡径することによって、小径部10bの外面が鋼管1の先端部1b又は後端部1dの内面に当接し、これにより、鋼管1の先端部1b又は後端部1dを把持する。
図13Bは、駆動機構9により支持された長尺のチャック11によって鋼管1の先端部1b又は後端部1dを内側より把持する場合を説明する模式図である。チャック11は、大径の本体部11aと小径の挿設部11bとを有する段差状の筒状体からなる。鋼管1に対して曲げ加工を行う方法は、短尺のチャック10を用いた場合と長尺のチャック11を用いた場合とで同様である。
なお、鋼管1の先端部1bを把持する場合と後端部1dを把持する場合とで、チャック10及び11による把持の方法は同様である。
国際公開第2006−093006号パンフレット 国際公開第2010−134495号パンフレット
自動車技術 Vol.57,No.6,2003 23〜28頁
本発明者らが、チャック10又は11を用いた3DQによる曲げ部材8の生産性及び経済性の向上のために更なる検討を重ねたところ、以下の課題を知見した。なお、以降の説明では短尺のチャック10を用いて曲げ部材を製造する場合を例に説明するが、長尺のチャック11を用いて曲げ部材を製造する場合であっても同様である。
チャック10により鋼管1の先端部1bを把持した状態で、鋼管1の先端部1bの近傍に曲げ加工を行う場合には、誘導加熱装置5により鋼管1を加熱する際に、鋼管1の先端部1bを把持するチャック10の小径部10bが、例えば500℃超に加熱されることを防止する必要がある。これは、鋼管1の先端部1bを把持するチャック10の小径部10bが500℃超に加熱されることにより、鋼管1の先端部1bを把持するチャック10の小径部10bが疲労破壊する場合があるためである。
鋼管1の先端部1bを把持するチャック10の小径部10bが500℃超に加熱されることを防ぐためには、鋼管1の先端部1bから離間した部位で誘導加熱装置5による誘導加熱を開始する方法が考えられる。しかしながら、鋼管1の先端部1bから離間した部位で誘導加熱装置5による誘導加熱を開始した場合には、先端部1bの近傍が焼入れ可能な温度以上に加熱されないため、先端部1bの近傍に焼入れが行われない部位(以下、未焼入れ部と呼称する)が多く生ずる。
未焼入れ部は強度が低いため、強度が必要とされる部品では不要部位とされ、切断される場合がある。未焼入れ部を切断する場合には、切断工程が増えるため、曲げ部材の生産性が低下する。また、製造された曲げ部材に対して不要部位の切断を行うことにより、材料である鋼管のうち製品化されない部位が生じてしまうため、経済性が低下する。
したがって、鋼管1の先端部1bを把持するチャック10の小径部10bが500℃超に加熱されることを防ぐために、鋼管1の先端部1bから離間した部位で誘導加熱装置5による誘導加熱を開始することは、生産性及び経済性の観点から好ましくない。
図14A〜図14Dは、従来の方法を用いて、チャック10により鋼管1の先端部1bを把持した状態で、曲げ部材の製造を開始する場合を経時的に説明する模式図である。なお、図14A〜図14Dでは、支持手段2は一組のみ示す。
図14Aは、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱及び送り装置3による鋼管1の送りが開始されていない時刻tにおける状態を示す。
時刻tでは、鋼管1の先端部1bは、誘導加熱装置5により加熱され得る位置に位置している。時刻tからtへ進むと、送り装置3による鋼管1の送り、誘導加熱装置5による鋼管1の加熱及び冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却を開始する(図14B参照)。
送り装置3による鋼管1の送り、誘導加熱装置5による鋼管1の加熱及び冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却を継続した状態で、鋼管1の先端部1bと加熱部1aの長手方向中心部との距離が所定の距離Lに達した時刻tにおいて、駆動機構9によりチャック10を三次元方向に移動させることにより、加熱部1aに曲げモーメントを付与する(図14C参照)。
加熱部1aへの曲げモーメントの付与により、時刻tに鋼管1に曲がり部1cが形成される(図14D参照)。
しかしながら、本発明者らは、図14A〜図14Dに示す方法により鋼管1の先端部1bに曲げ加工を行う場合、鋼管1の先端部1bの近傍に形成された加熱部1aが所望の温度に加熱されておらず、曲げ加工を適切に行うことができないことを知見した。
鋼管1の先端部1bの近傍に形成された加熱部1aの加熱温度が900℃未満である場合には、駆動機構9により曲げ加工を行った際に、駆動機構9に過剰な負荷が作用し、駆動機構9の損傷を生じる可能性がある。
曲げ加工を適切に行うための加熱部1aの温度としては、900〜1000℃が例として挙げられる。加熱部1aの温度が900〜1000℃であれば、加熱部1aに対して曲げ加工を適切に行うことができるとともに、冷却装置6から冷却媒体を噴射することにより加熱部1aが冷却され、加熱部1aに対して焼入れを行うことができる。
上述の理由から、鋼管1の先端部1bに形成される未焼入れ部を可能な限り小さくするとともに、鋼管1の先端部1bを把持するチャック10の小径部10bが500℃超に加熱されないような曲げ部材の製造方法が求められている。
本発明は、上記課題を解決して、係る目的を達成するために以下の手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係る曲げ部材の製造方法は、開口端を有する長尺の鋼材の長手方向の一端部をチャックで把持する把持工程と、前記把持工程後の前記鋼材を、前記一端部を先頭にして前記長手方向に沿って送る送り工程と、前記鋼材の前記長手方向の一部分を高周波誘導加熱して加熱部を形成する加熱工程と、前記チャックを三次元方向に移動させることで前記加熱部に曲げモーメントを付与する曲げ工程と、前記曲げ工程後の前記加熱部に冷却媒体を噴射して冷却する冷却工程とを有する。前記加熱工程の開始時に、前記一端部に前記加熱部を形成する際に加える加熱量を、前記鋼材の送り方向に沿って見た場合に前記一端部の上流側に隣接する上流側隣接部位よりも大きくするとともに、前記チャックを前記冷却媒体で冷却する。
(2)上記(1)に記載の曲げ部材の製造方法において、前記加熱工程の前記開始時に、前記送り工程における前記鋼材の前記長手方向への送り速度と、前記加熱工程で前記一部分に付与する加熱量との少なくとも一方を変更することで、前記一端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記上流側隣接部位よりも大きくする構成を採用してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の曲げ部材の製造方法において、前記加熱工程の前記開始時から所定の時間後に前記送り工程を開始することで、前記一端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記上流側隣接部位よりも大きくする構成を採用してもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一態様に記載の曲げ部材の製造方法において、前記鋼材の前記長手方向における複数箇所で温度を測定する温度測定工程をさらに有し、前記送り工程において、前記温度測定工程で得られた温度測定結果に基づき、前記鋼材の前記長手方向への送り速度を決定する構成を採用してもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一態様に記載の曲げ部材の製造方法において、前記鋼材における前記長手方向の他端部に前記加熱部を形成する際に加える加熱量を、前記鋼材の前記送り方向に沿って見た場合に前記他端部の下流側に隣接する下流側隣接部位よりも大きくする構成を採用してもよい。
(6)上記(5)に記載の曲げ部材の製造方法において、前記加熱工程の前記高周波誘導加熱を停止する前に、前記送り工程における前記鋼材の前記長手方向への送り速度と前記加熱工程における加熱量との少なくとも一方を変更することで、前記他端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記下流側隣接部位よりも大きくする構成を採用してもよい。
(7)上記(6)に記載の曲げ部材の製造方法において、前記加熱工程の前記高周波誘導加熱を停止する前に、前記送り工程における前記鋼材の送りを停止することで、前記他端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記下流側隣接部位よりも大きくする構成を採用してもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一態様に記載の曲げ部材の製造方法において、前記チャックの爪の加熱温度が500℃以下となる第1条件と、前記曲げ工程で前記曲げモーメントを付与する際の前記加熱部の加熱温度がAc3点超となる第2条件と、前記鋼材の最高到達温度が前記鋼材の粗粒化が進行する温度以下又は靭性が低下する温度以下となる第3条件と、の全てを満たすように、前記加熱工程での加熱量を制御する構成を採用してもよい。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか一態様に記載の曲げ部材の製造方法において、前記加熱工程が、前記鋼材の前記一端部及び他端部間の位置に第1加熱部を形成する第1加熱工程と、前記鋼材上の前記第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部を形成する第2加熱工程と、前記第1加熱工程と前記第2加熱工程との間に、前記高周波誘導加熱を停止することにより、前記第1加熱部と前記第2加熱部との間の位置に未焼入れ部を形成する加熱停止工程とを有し、前記第2加熱工程の開始時に、前記第1加熱部に与える加熱量よりも大きな加熱量を前記第2加熱部に与える構成を採用してもよい。
(10)上記(9)に記載の曲げ部材の製造方法において、前記長手方向に沿って見た場合に、前記未焼入れ部の幅寸法を、前記高周波誘導加熱による加熱幅の0.15倍以上1.40倍以下とする構成を採用してもよい。
(11)本発明の一態様に係る鋼材の熱間曲げ加工装置は、開口端を有する長尺の鋼材の長手方向の一端部を把持するチャックと、前記チャックを三次元方向に移動させる駆動機構と、前記鋼材を、前記一端部を先頭にして前記長手方向に沿って送る送り機構と、前記鋼材の前記長手方向の一部分を高周波誘導加熱して加熱部を形成する誘導加熱機構と、前記加熱部に冷却媒体を噴射して冷却する冷却機構と、前記チャック、前記駆動機構、前記送り機構、前記誘導加熱機構、及び前記冷却機構を制御する制御部とを備える。前記制御部が、前記誘導加熱機構により前記一端部に前記加熱部を形成する際の加熱量を、前記鋼材の送り方向に沿って見た場合に前記一端部の上流側に隣接する上流側隣接部位よりも大きくするとともに、前記冷却機構により前記チャックを前記冷却媒体で冷却するように制御する。
(12)上記(11)に記載の鋼材の熱間曲げ加工装置において、前記制御部が、前記誘導加熱機構により前記鋼材における前記長手方向の他端部に前記加熱部を形成する際に加える加熱量を、前記送り方向に沿って見た場合に前記他端部の下流側に隣接する下流側隣接部位よりも大きくするように制御する構成を採用してもよい。
(13)上記(11)又は(12)に記載の鋼材の熱間曲げ加工装置において、前記制御部が、前記誘導加熱機構により前記鋼材の前記一端部及び他端部間の位置に第1加熱部が形成され、前記鋼材上の前記第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部が形成され、前記第1加熱部と前記第2加熱部との間の位置に未焼入れ部が形成されるように制御する構成を採用してもよい。
(14)上記(11)〜(13)のいずれか一態様に記載の鋼材の熱間曲げ加工装置において、前記一端部の温度を測定する第1温度測定機構と、前記加熱部の温度を測定する第2温度測定機構と、前記一端部の外形変形量を測定する形状測定機構とのうちの少なくとも一つを更に備え、前記一端部の前記温度と前記加熱部の前記温度と前記一端部の前記外径変形量とのうちの少なくとも一つが予め定めた範囲内となるように、前記制御部が、前記送り機構及び前記誘導加熱機構の少なくとも一方を制御する構成を採用してもよい。
上記各態様によれば、鋼材の先端部を把持するチャックの疲労破壊を防止することが可能であるとともに生産性及び経済性に優れた曲げ部材の製造方法及び鋼材の熱間曲げ加工装置を提供することができる。
図1Aは、本発明により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼管及び鋼管の熱間曲げ加工装置の状態を示す模式図である。 図1Bは、本発明により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼管及び鋼管の熱間曲げ加工装置の状態を示す模式図である。 図1Cは、本発明により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼管及び鋼管の熱間曲げ加工装置の状態を示す模式図である。 図1Dは、本発明により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼管及び鋼管の熱間曲げ加工装置の状態を示す模式図である。 図1Eは、本発明により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼管及び鋼管の熱間曲げ加工装置の状態を示す模式図である。 図2(a)は、誘導加熱装置により鋼管に与えられる加熱量を鋼管上の位置に対して表したグラフである。図2(b)は、誘導加熱装置がA点に位置しているときの鋼管表面の温度を鋼管上の位置に対して表したグラフである。図2(c)は、最高到達温度を鋼管上の位置に対して表したグラフである。図2(d)は、硬度を鋼管上の位置に対して表したグラフである。 図3(a)は、形態例1−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図3(b)は、形態例1−1における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。 図4Aは、形態例1−1における鋼管、誘導加熱装置及び冷却装置の位置関係を示す模式図である。 図4Bは、形態例1−1において鋼管に与えられる加熱量を鋼管上の位置に対して表したグラフである。 図5(a)は、形態例1−2の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図5(b)は、形態例1−2における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。 図6(a)は、形態例1−3の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図6(b)は、形態例1−3における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。 図7は、本発明に係る鋼材の熱間曲げ加工装置の構成例を示す説明図である。 図8(a)は、実施例1における鋼管、誘導加熱装置及び冷却装置の位置関係を示す模式図である。図8(b)は、実施例1における鋼管の硬度を鋼管上の位置に対して表したグラフである。 図9(a)は、位置A及びBを説明するための鋼管の側面図である。図9(b)は、位置A及びBにおける最高到達温度を鋼管上の位置に対して表したグラフである。図9(c)は、位置A及びBにおける鋼管の硬度を鋼管上の位置に対して表したグラフである。 図10(a)は、実施例1−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図10(b)は、実施例1−1における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。図10(c)は、実施例1−2の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図10(d)は、実施例1−2における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。図10(e)は、実施例1−3の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図10(f)は、実施例1−3における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。 図11(a)は、比較例1−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図11(b)は、比較例1−1における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。 図12は、特許文献1に開示されている鋼材の熱間曲げ加工装置を示す概略図である。 図13Aは、短尺のチャックにより鋼管の内部を把持する場合の概略図である。 図13Bは、長尺のチャックにより鋼管の内部を把持する場合の概略図である。 図14Aは、従来技術により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼材及び鋼材の熱間曲げ加工装置を示す模式図である。 図14Bは、従来技術により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼材及び鋼材の熱間曲げ加工装置を示す模式図である。 図14Cは、従来技術により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼材及び鋼材の熱間曲げ加工装置を示す模式図である。 図14Dは、従来技術により鋼管の先端部近傍に曲げ加工を行う場合の鋼材及び鋼材の熱間曲げ加工装置を示す模式図である。 図15は、3DQにより鋼管の後端部近傍に対して曲げ加工を行う際の、鋼管及び鋼管の熱間曲げ加工装置を示す模式図である。 図16(a)は、鋼管の後端部近傍における鋼管と熱間曲げ加工装置との位置関係を示す模式図である。図16(b)は、鋼管の後端部近傍における硬度と鋼管上の位置との関係を表したグラフである。 図17(a)は、鋼管の後端部近傍に曲げ加工を行うとき、図9(a)に示した位置Aに与えられる加熱量が位置Bに与えられる加熱量よりも10%多いと想定した場合の最高到達温度と鋼管上の位置との関係を表したシミュレーション結果である。図17(b)は、鋼管の後端部近傍に曲げ加工を行うとき、図9(a)に示した位置Aに与えられる加熱量が位置Bに与えられる加熱量よりも10%多いと想定した場合の硬度と鋼管上の位置との関係を表したシミュレーション結果である。 図18(a)〜18(d)は、従来技術を用いて鋼管の後端部近傍に曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布を鋼管上の位置に対して表したグラフである。図18(e)は、図18(a)〜図18(d)に示す曲げ加工を行った後における鋼管の硬度と鋼管上の位置との関係を表したグラフである。 図19(a)〜19(d)は、本発明を用いて鋼管の後端部に対して曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布を鋼管上の位置に対して表したグラフである。図19(e)は、図19(a)〜19(d)に示す曲げ加工を行った後における鋼管の硬度と鋼管上の位置との関係を表したグラフである。 図20(a)は、実施例2−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図20(b)は、実施例2−1における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。図20(c)は、実施例2−2の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図20(d)は、実施例2−2における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。図20(e)は、実施例2−3の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図20(f)は、実施例2−3における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。 図21(a)は、比較例2−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図21(b)は、比較例2−1における鋼管の送り速度を時間に対して表したグラフである。 図22Aは、従来技術を用いて鋼管の後端部近傍に曲げ加工を行う状態を示す模式図である。 図22Bは、従来技術を用いて鋼管の後端部近傍に曲げ加工を行う状態を示す模式図である。 図22Cは、従来技術を用いて鋼管の後端部近傍に曲げ加工を行う状態を示す模式図である。 図22Dは、従来技術を用いて鋼管の後端部近傍に曲げ加工を行う状態を示す模式図である。 図23(a)〜23(e)は、本発明を用いて鋼管の先端部及び後端部以外の部位に対して曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布を鋼管上の位置に対して表したグラフである。 図24は、比較例3−1〜3−4における鋼管の硬度と鋼管上の位置との関係を表したグラフである。 図25は、未焼入れ部と母材硬度部を説明するための概念図である。 図26(a)は、実施例3−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図26(b)は、実施例3−1における鋼管の送り位置を時間に対して表したグラフである。 図27(a)は、実施例3−2の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図27(b)は、実施例3−2における鋼管の送り位置を時間に対して表したグラフである。 図28(a)は、実施例3−3の誘導加熱装置に供給される高周波電力量を時間に対して表したグラフである。図28(b)は、実施例3−3における鋼管の送り位置を時間に対して表したグラフである。 図29(a)〜29(e)は、従来技術を用いて鋼管の先端部及び後端部以外の部位に対して曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布を鋼管上の位置に対して表したグラフである。
[曲げ部材の製造方法]
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。以降の説明では、断面形状が円形である鋼管に対して曲げ加工を行う場合を例にして説明するが、開口端を有し長尺な鋼管であれば、断面形状が矩形である鋼管に対しても本発明を適用することが可能である。また、同一の部材には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る曲げ部材の製造方法は、鋼管の先端部に曲げ加工を行う際に、鋼管の先端部に形成される未焼入れ部を可能な限り小さくするとともに、鋼管の先端部を把持するチャックの小径部が500℃超に加熱されないようにすることにより、曲げ部材の製造の生産性及び経済性を向上させるとともに、鋼管の先端部を把持するチャックの小径部の疲労破壊を防ぐものである。
図1A〜1Eは、本発明により鋼管1の先端部1b近傍に曲げ加工を行う場合の鋼管1及び鋼管の熱間曲げ加工装置0の状態を示す模式図である。図1A〜図1Eは、それぞれ時刻t、t、t、t、tにおける鋼管1及び鋼管の熱間曲げ加工装置0の状態を示している。なお、時刻tは時刻tからΔt秒経過した時刻である。
図1Aに示すように、時刻tにおいて、鋼管1は、先端部1bを起点として長手方向(図1Aの右方向)に沿って誘導加熱され得るように、誘導加熱装置5により加熱され得る位置に配置される。
次に、送り装置3による先端部1bを先頭とする鋼管1の長手方向への送り及び誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱(高周波誘導加熱)を開始する。鋼管1の送り方向に関して誘導加熱装置5の下流に誘導加熱装置5から離間して配置された冷却装置6から冷却媒体(冷却水)を噴射して、誘導加熱装置5により加熱された鋼管1を冷却する。
誘導加熱装置5により加熱されることにより、鋼管1には加熱部1aが形成される。鋼管1に形成される加熱部1aの位置は、図1B〜図1Eに示されるように、誘導加熱装置5の位置を基準とするとほとんど移動しない。一方、先端部1bを基準とした場合には、加熱部1aの位置は、鋼管1が送られる方向と逆の方向へ移動する。つまり、鋼管1が長手方向に送られるに従い、加熱部1aと先端部1bとの距離は大きくなる。
次に、鋼管1の先端部1bを把持するチャック10を、駆動機構9により三次元方向へ移動することにより、鋼管1の加熱部1aに曲げモーメントを付与する。これにより、鋼管1に対して曲げ加工を行う。
なお、駆動機構9としては、ロボットアーム等を用いることができる。
本実施形態では、先端部1bに加熱部1aを形成する際に与える加熱量を、先端部1bの上流側に隣接する部位(以下、上流側隣接部位と呼称する)に加熱部1aを形成する際に与える加熱量よりも大きくする。
先端部1bに加熱部1aを形成する際に与える加熱量を、先端部1bの上流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に与える加熱量よりも大きくする方法としては、鋼管1を長手方向に送る際の送り速度と誘導加熱装置5から加熱部1aに与えられる加熱量との少なくとも一方を変化させる方法及び誘導加熱装置5に高周波電力を供給し始めてから所定の時間経過後に鋼管1の送りを開始する方法が挙げられる。
なお、誘導加熱装置5に供給する高周波電力量を変化させることにより、鋼管1に加熱部1aを形成する際に与える加熱量を変化させることができる。
[形態例1−1]
形態例1−1では、誘導加熱装置5に高周波電力を供給し始めてから所定の時間経過後に鋼管1の送りを開始する。
形態例1−1では、図1Aに示す時刻tから図1Bに示す時刻tの間、鋼管1の送りを停止した状態で、誘導加熱装置5に高周波電力を供給することにより、鋼管1に対する誘導加熱を行う。その後、時刻tからΔt秒経過した時刻tにおいて、鋼管1の長手方向への送りを開始する。
次に、図1Bの状態から、送り装置3を起動して、鋼管1の長手方向への送りを開始する。鋼管1の長手方向への送り速度としては、例えば10〜200mm/秒が挙げられる。
図1Cに示す時刻tにおいて、鋼管1の先端部1bから長手方向に距離Lの位置に加熱部1aが形成される。すなわち、チャック10の爪10bは、時刻tから時刻tまでの間加熱部1aと接触しているが、時刻tより後の時刻では加熱部1aと接触しない。そのため、時刻tから時刻tまでの間の時間を適切な範囲に設定することにより、チャック10の爪10bの温度が過剰に高まることを防止することが可能である。
次に、図1Dに示す時刻tにおいて、鋼管1の先端部1bから鋼管1の長手方向に距離Lの位置に、加熱部1aが形成される。時刻tにおいて、加熱部1aは、Ac3点超の所定温度(例えば800℃以上)に加熱されている。これにより、鋼管1の先端部1bから長手方向に距離Lの位置に形成された加熱部1aは、駆動機構9により曲げ加工を行うことが可能な硬度に変化しているとともに、冷却装置6から冷却媒体を噴射することにより焼入れを行うことが可能となっている。
図1Dに示す時刻tから図1Eに示す時刻tまでの間、加熱部1aに曲げモーメントを与えて、鋼管1に対する曲げ加工を行う。
鋼管1に対する誘導加熱を開始してから鋼管1の送りを開始するまでの時間Δtは、シミュレーション又は予備実験の結果に基づいて設定することが可能である。予備実験としては、例えば、複数の熱電対を鋼管1の長手方向の複数箇所に貼り付け、複数箇所の温度を測定できる状態で曲げ加工を行い、温度測定結果を得る(温度測定工程)方法が挙げられる。また、予備実験における温度測定結果から、鋼管1の送り速度を決定してもよい。
鋼管1に対する誘導加熱を開始してから鋼管1の送りを開始するまでの時間Δtは、2秒以下であることが好ましい。鋼管1に対する誘導加熱を開始してから鋼管1の送りを開始するまでの時間Δtが2秒以下であることにより、鋼管1の加熱部1aが、鋼材の粗粒化が進行する温度または鋼材の靭性が低下する温度(例えば1100℃)超に加熱されることを防止することができる。
鋼管1に対する誘導加熱を開始してから鋼管1の送りを開始するまでの時間Δtは、0.3秒以下であることが更に好ましい。鋼管1に対する誘導加熱を開始してから鋼管1の送りを開始するまでの時間Δtが0.3秒以下であることにより、部材端部の溶接や穴あけ加工に必要な未焼入れ部を30mm以下の範囲で確保することが可能である。
鋼管1に対する誘導加熱を開始してから鋼管1の送りを開始するまでの時間Δtは、0.04秒以下であることが特に好ましい。鋼管1に対する誘導加熱を開始してから鋼管1の送りを開始するまでの時間Δtが0.04秒以下であることにより、部材端部(3mm以下の範囲)まで焼入れ領域を確保することが可能である。
ここで、形態例1−1における焼入れの状況を、図2〜図4Bを参照しながら説明する。3DQは、実際には誘導加熱装置5と冷却装置6とを固定した状態で配置し、送り装置3により鋼管1が送られるが、以降の説明では、理解を容易にするために、各装置の位置を鋼管1に対する相対的な位置により説明する。
図2(a)は、誘導加熱装置により鋼管に与えられる加熱量(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。図2(b)は、誘導加熱装置がA点に位置しているときの鋼管表面の温度(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。図2(c)は、最高到達温度(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。図2(d)は、硬度(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。
なお、図2(a)〜2(d)の横軸の原点は、鋼管1の先端部1bである。
図2(a)に示すように、鋼管1に与えられる加熱量は、誘導加熱装置5を中心に釣鐘状に分布する。鋼管1の送りに伴って、誘導加熱装置5も相対的に移動する。
図2(b)に示すように、誘導加熱装置5による鋼管1の加熱温度は、冷却装置6により噴射された冷却媒体(図2(b)の矢印)により冷却される部位(以下、冷却部と呼称する)の近傍で最大となり、冷却部では噴射される冷却媒体によって急速に冷却される。
3DQでは、鋼管1は急速に冷却されるため、冷却により、ほぼ全ての鋼組織はオーステナイトからマルテンサイトへと変態する。このため、鋼管1の硬度は、図2(c)に示す最高到達温度によって変化する。
具体的には、図2(d)に示す硬度は、鋼管1のうち、最高到達温度がAc1点以下の部位では母材と同等の硬度であり、最高到達温度がAc3点以上の部位ではフルマルテンサイトの硬度であり、最高到達温度がAc1点超Ac3点未満の部位では母材とフルマルテンサイトとの間の硬度である。
図3(a)は、形態例1−1の誘導加熱装置5に供給される高周波電力量(縦軸)を時間(横軸)に対して表したグラフである。図3(b)は、形態例1−1における鋼管の送り速度(縦軸)を時間(横軸)に対して表したグラフである。
鋼管1の送り及び誘導加熱を開始する前に、チャック10の爪10bに対して冷却装置6から冷却媒体を噴射することにより、爪10bを冷却する。なお、冷却媒体は、爪10bの全体に噴射されてもよいし、一部に噴射されてもよい。
後述するように、本実施形態では、鋼管1の先端部1bに加熱部1aを形成する際に与えられる加熱量を、上流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に与えられる加熱量よりも大きくするが、鋼管1の送り及び誘導加熱を開始する前に、チャック10の爪10bを冷却することにより、鋼管1の先端部1bに加熱部1aを形成する際も、チャック10の爪10bが500℃超に加熱されることを防止することができる。
次に、冷却装置6から噴射される冷却媒体を爪10bに噴射した状態で、誘導加熱装置5に高周波電力を供給し、鋼板1の誘導加熱を開始する(時刻t)。時刻tからΔt秒間(図3(b)では0.15秒間)は、鋼管1の送りを行わずに、誘導加熱及び冷却のみを行う。
時刻tからΔt秒後の時刻tに、鋼管1の送りを開始する。これにより、鋼管1の先端部1bに加熱部1aを形成する際に与えられる加熱量を、上流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に与えられる加熱量よりも大きくする。鋼管1の先端部1bに加熱部1aを形成する際に与えられる加熱量を、上流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に与えられる加熱量よりも大きくすることにより、先端部1bには未焼入れ部を形成する一方、先端部1bの可能な限り近傍に対して曲げ加工を行うことができる。
本実施形態により製造された曲げ部材が自動車部品等として用いられる場合には、他の部材と溶接により接合される場合が多い。本実施形態により製造された曲げ部材と他の部材とを溶接する場合には、本実施形態により製造された曲げ部材の端部(先端部1b及び後端部1d)は焼入れされていないことが好ましい。形態例1−1の曲げ加工が施された鋼管1の先端部1bには未焼入れ部が形成されているため、他の部材と溶接する際に好適である。
また、形態例1−1の曲げ部材の製造方法によれば、先端部1bに形成される未焼入れ部を小さくすることができるため、曲げ部材を製造する際に、先端部1bの不要部位を切断する工程が不要である。そのため、曲げ部材の製造に関する生産性及び経済性を向上することが可能である。
[形態例1−2]
形態例1−2では、先端部1bに加熱部1aを形成する際に与える加熱量を、上流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に与える加熱量よりも大きくするために、鋼管1の送り速度を変化させる。
図5(a)は、形態例1−2の誘導加熱装置5に供給される高周波電力量(縦軸)を時間(横軸)に対して表したグラフである。図5(b)は、形態例1−2における鋼管1の送り速度(縦軸)を時間(横軸)に対して表したグラフである。
形態例1−2では、図5(a)及び図5(b)に示すように、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱及び送り装置3による鋼管1の送りを同時に開始する。図5(a)に示すように、誘導加熱装置5には、高周波電力の供給開始から一定の高周波電力量を供給する。一方、図5(b)に示すように、送り装置3による鋼管1の送りは、開始時から徐々に送り速度を加速し、所定の送り速度に達した後は一定の送り速度とする。
なお、送り開始時の送り速度、加速後の送り速度及び送り速度の加速率は、鋼管1の加熱温度が高くなりすぎないように(例えば、鋼管1が1100℃超に加熱されないように)決定することが好ましい。また、送り及び誘導加熱の開始前にチャック10の爪10bを冷却媒体で冷却することが好ましい点については、形態例1−1と同様である。
[形態例1−3]
形態例1−3では、鋼管1の送り速度を一定にする一方、誘導加熱装置5に供給する高周波電力量を変化させることにより、鋼管1の先端部1bに加熱部1aを形成する際に与える加熱量を、上流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に与える加熱量よりも大きくする。
図6(a)は、形態例1−3の誘導加熱装置に供給される高周波電力量(縦軸)を時間(横軸)に対して表したグラフである。図6(b)は、形態例1−3における鋼管の送り速度(縦軸)を時間(横軸)に対して表したグラフである。
形態例1−3では、図6(a)及び図6(b)に示すように、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱と、送り装置3による鋼管1の送りとを同時に開始する。図6(a)に示すように、誘導加熱の開始から所定の時間における誘導加熱装置5に供給される高周波電力量は一定であるが、所定の時間が経過した後、誘導加熱装置5に供給される高周波電力量を減らす。一方、図6(b)に示すように、送りを開始した後の鋼管1の送り速度は一定である。
なお、送り及び誘導加熱の開始前にチャック10の爪10bを冷却媒体で冷却することが好ましい点については、形態例1−1と同様である。
以上の説明では、形態例1−1〜1−3を独立して実施する場合を例にしたが、形態例1−1〜1−3を2種以上組み合わせてもよい。
本発明者らは、従来技術を用いた場合には、鋼管1の周方向の位置により、誘導加熱時に与えられる加熱量に10%の違いがあることを事前検討により知見した。事前検討で得た知見に基づき、図9(b)では、位置A及びBにおいて、誘導加熱時に与えられる加熱量が10%異なると想定し、最高到達温度(縦軸)と鋼管上の位置(横軸)との関係を表している。
最高到達温度(縦軸)と鋼管1上の位置(横軸)との関係が図9(b)で表される場合における、硬度(縦軸)と鋼管1上の位置(横軸)との関係を図9(c)に示す。図9(c)に示すように、誘導加熱により与えられる加熱量が鋼管1の周方向に異なる場合には、周方向の位置により硬度上昇位置が異なる。
上述の通り、鋼管1の周方向の位置により硬度上昇位置が異なることにより、製造された曲げ部材の品質が均一ではなくなるため、好ましくない。
本実施形態の曲げ部材の製造方法によれば、鋼管1の周方向の硬度を従来技術に比べてより均一にすることが可能である。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る曲げ部材の製造方法は、鋼管の後端部に曲げ加工を行う際に、鋼管の後端部に形成される未焼入れ部を可能な限り小さくするとともに、鋼管の後端部を把持するチャックの小径部が500℃超に加熱されないようにすることにより、曲げ部材の製造の生産性及び経済性を向上させるとともに、鋼管の後端部を把持するチャックの小径部の疲労破壊を防ぐものである。
図22A〜図22Dは、従来技術を用いて、鋼管1の後端部1d近傍に曲げ加工を行う状態を示す模式図である。
図22Aは、誘導加熱装置5による誘導加熱及び送り装置3による鋼管1の送りが行われている時刻tにおける状態を示す。時刻tでは、鋼管1の後端部1dは、誘導加熱装置5及び冷却装置6から離間した位置に位置している。
図22Aに示されている時刻tから図22Bに示されている時刻tへと進むにつれ、鋼管1の後端部1dが徐々に誘導加熱装置5及び冷却装置6に近接する。時刻tでは、鋼管1に対する誘導加熱が行われているため、鋼管1に加熱部1aが形成されている。
図22Cに示す時刻tから図22Dに示すtに至る直前に、鋼管1に対する誘導加熱を停止する。
その後、鋼管1の送り及び冷却を行い、図22Dに示す時刻tにおいて、鋼管1に対する曲げ加工を終了する。
しかしながら、本発明者らは、図22A〜図22Dに示す方法により鋼管1の後端部1d近傍に曲げ加工を行うと、鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱されることを知見した。
鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱された場合には、加熱部1aにおいて金属組織の粗粒化が生じ、加工性が低下するため、好ましくない。
また、鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱された場合には、鋼管1の後端部1dを把持するチャック10の爪10bが500℃超に加熱される可能性が高くなる。チャック10の爪10bが500℃超に加熱されると、チャック10が疲労破壊する可能性が高くなるため、好ましくない。
さらに、鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱された場合には、鋼管1の後端部1dが軟化し、チャック10の把持力により鋼管1の後端部1dが変形する可能性があるため、好ましくない。
鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱されないように、鋼管1に対して曲げ加工を行う際に、鋼管1の後端部1dから離間した位置で誘導加熱装置5による誘導加熱を停止する方法が考えられる。しかしながら、鋼管1に対して曲げ加工を行う際に、鋼管1の後端部1dから離間した位置で誘導加熱装置5による誘導加熱を停止した場合には、鋼管1の後端部1dに形成される未焼入れ部が大きくなってしまい、生産性及び経済性の観点から好ましくない。
したがって、鋼管1の後端部1dに形成される未焼入れ部を可能な限り小さくするとともに、鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱されないような曲げ部材の製造方法が求められていた。
図15は、3DQにより鋼管1の後端部1d近傍に対して曲げ加工を行う際の、鋼管1及び鋼管の熱間曲げ加工装置0を示す模式図である。図15の距離Eは、鋼管1において曲げ加工を行った部位の下流端(以下、曲げ終了位置と呼称する)から鋼管1の後端部1dまでの距離である。
図16(a)は、鋼管1の後端部1d近傍における鋼管1と鋼管の熱間曲げ加工装置0との位置関係を示す模式図である。図16(a)中の距離Fは、チャック10の爪10bが鋼管1の後端部1dの内面に接触している距離である。図16(a)中の距離Gは、鋼管1に対する誘導加熱を終了した時点における加熱部1aの長手方向中心部(以下、加熱終了位置と呼称する)から鋼管1の後端部1dまでの距離である。
図16(b)は、鋼管1の後端部1d近傍における硬度(縦軸)と鋼管1上の位置(横軸)との関係を表したグラフである。図16(b)中の距離Hは、鋼管1において硬度が500Hvである部位の下流端(以下、硬度低下位置と呼称する)から鋼管1の後端部1dまでの距離である。
距離Hが長い場合には、鋼管1の後端部1dに形成される未焼入れ部が大きくなる。未焼入れ部が大きい場合には、曲げ加工を行った後、未焼入れ部の切断工程が必要になる場合があるため、曲げ部材の製造に係る生産性及び経済性が低下する。
距離Hを短くするためには、距離Gを短くする方法が考えられるが、距離Gを短くすることにより、鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱される場合がある。鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱された場合には、加熱部1aにおいて金属組織の粗粒化が生じ、加工性が低下するため、好ましくない。
また、鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱された場合には、鋼管1の後端部1dを把持するチャック10の爪10bが500℃超に加熱される可能性が高くなる。チャック10の爪10bが500℃超に加熱されると、チャック10が疲労破壊する可能性が高くなるため、好ましくない。
さらに、鋼管1の後端部1dが1100℃超に加熱された場合には、鋼管1の後端部1dが軟化し、チャック10の把持力により鋼管1の後端部1dが変形する可能性があるため、好ましくない。
図17(a)は、鋼管1の後端部1d近傍に曲げ加工を行うとき、図9(a)に示した位置Aに与えられる加熱量が位置Bに与えられる加熱量よりも10%多いと想定した場合の最高到達温度(縦軸)と鋼管1上の位置(横軸)との関係を表したシミュレーション結果である。図17(b)は、鋼管1の後端部1d近傍に曲げ加工を行うとき、図9(a)に示した位置Aに与えられる加熱量が位置Bに与えられる加熱量よりも10%多いと想定した場合の硬度(縦軸)と鋼管1上の位置(横軸)との関係を表したシミュレーション結果である。
図17(b)に示すように、図9(a)に示した位置Aに与えられる加熱量が位置Bに与えられる加熱量よりも10%多いと想定した場合には、位置Aの硬度低下位置と位置Bの硬度低下位置とは鋼管1の長手方向に距離Iだけ離間している。曲げ部材の製造に係る生産性及び経済性を向上するためには、距離Iを可能な限り短くすることが好ましい。距離Iを短くするためには、鋼管1に与えられる加熱量を周方向で均一にすることが必要である。
図18(a)〜18(d)は、従来技術を用いて鋼管1の後端部1d近傍に曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。なお、図18(a)〜18(d)における横軸の原点は、鋼管1上の任意の位置である。
なお、図18(a)〜18(d)では、誘導加熱装置5により誘導加熱されている鋼管1の部位を加熱部と表し、冷却装置6から冷却媒体が噴射されることにより冷却されている鋼管1の部位を冷却部と表す。
図18(a)に示す時点では、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱、冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却及び送り装置3による鋼管1の送りを行っている。
図18(a)に示す状態から、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱、冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却及び送り装置3による鋼管1の送りを継続して行った状態を図18(b)に示す。図18(b)に示す時点において、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱を停止する。
図18(b)に示す状態から、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱を停止し、鋼管1の冷却及び送りを行った状態を図18(c)に示す。図18(c)に示す時点では、Ac1点超の温度を有する部位は存在しない。
図18(c)に示す状態から、冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却及び送り装置3による鋼管1の送りを行った状態を図18(d)に示す。図18(d)に示す時点で、鋼管1に対する曲げ加工を終了する。
図18(e)は、図18(a)〜図18(d)に示す曲げ加工を行った後における鋼管1の硬度(縦軸)と鋼管1上の位置(横軸)との関係を表したグラフである。なお、図18(e)における横軸の原点は、鋼管1上の任意の位置である。
図18(e)に示す距離Jは、鋼管1の後端部1d近傍における、硬度低下位置から最高到達温度が500℃である位置までの距離を表している。鋼管1の後端部1dを把持するチャック10の爪10bの加熱温度を500℃以下にするためには、チャック10の爪10bにより把持されている鋼管1の後端部1dの加熱温度が500℃以下であればよい。また、曲げ部材の製造に係る生産性及び経済性を向上するためには、硬度低下位置が鋼管1の後端部1dに近いことが好ましい。
上述の理由から、鋼管1の後端部1dを把持するチャック10の疲労破壊を防止すると共に、曲げ部材の製造に係る生産性及び経済性を向上するためには、距離Jを短くすることが好ましい。
本実施形態では、後端部1dに加熱部1aを形成する際に与える加熱量を、後端部1dの下流側に隣接する部位(以下、下流側隣接部位と呼称する)に加熱部1aを形成する際に与える加熱量よりも大きくする。
後端部1dに加熱部1aを形成する際に与える加熱量を、後端部1dの下流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に与える加熱量よりも大きくする方法としては、鋼管1の後端部1dにおいて誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、送りのみを停止し、所定の時間経過後に誘導加熱装置5への高周波電力の供給を停止することにより、鋼管1の誘導加熱を停止する方法が挙げられる。
また、別の方法としては、鋼管1の後端部1dにおいて誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、鋼管1の送り速度を減速し、所定の時間経過後に誘導加熱装置5への高周波電力の供給を停止することにより、鋼管1の誘導加熱を停止する方法が挙げられる。
さらに、別の方法としては、鋼管1の後端部1dにおいて誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、誘導加熱装置5に供給する高周波電力量を増加し、所定の時間経過後に誘導加熱装置5への高周波電力の供給を停止することにより、鋼管1の誘導加熱を停止する方法が挙げられる。
図19(a)〜19(d)は、本実施形態により鋼管1の後端部1dに対して曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布(縦軸)を鋼管1上の位置(横軸)に対して表したグラフである。なお、図19(a)〜19(d)における横軸の原点は、鋼管1上の任意の位置である。
図19(a)に示す時点では、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱、冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却及び送り装置3による鋼管1の送りを行っている。
図19(a)に示す状態から、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱、冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却及び送り装置3による鋼管1の送りを継続して行った状態を図19(b)に示す。図19(b)に示す時点において、送り装置3による鋼管1の送りを停止し、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱及び冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却は継続して行う。
図19(b)に示す状態から、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱及び冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却を継続して行った状態を図19(c)に示す。図19(c)に示す時点において、停止していた送り装置3による鋼管1の送りを再開すると共に、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱を停止する。なお、冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却は継続して行う。
図19(c)に示す状態から、送り装置3による鋼管1の送り及び冷却装置6から冷却媒体を噴射することによる鋼管1の冷却を行った状態を図19(d)に示す。図19(d)に示すように、本実施形態により鋼管1の後端部1dに対して曲げ加工を行った場合には、他の部位よりも最高到達温度が高い部位(最高到達温度がTである部位)が生じる。
図19(e)は、図19(a)〜19(d)に示す曲げ加工を行った後における鋼管1の硬度(縦軸)と鋼管1上の位置(横軸)との関係を表したグラフである。なお、図19(e)における横軸の原点は、鋼管1上の任意の位置である。従来技術により鋼管1の後端部1dに曲げ加工を行った場合の、硬度低下位置から最高到達温度が500℃である位置までの距離J(図18(e)参照)と、本実施形態の曲げ部材の製造方法により鋼管1の後端部1dに曲げ加工を行った場合の距離J(図19(e)参照)とを比較すると、本実施形態の曲げ部材の製造方法により鋼管1の後端部1dに曲げ加工を行った場合の距離Jの方が短いことが分かる。
上述のように、本実施形態の曲げ部材の製造方法により鋼管1の後端部1dに曲げ加工を行った場合には、従来技術に比べて距離Jを短くすることができるため、鋼管1の後端部1dを把持するチャック10の疲労破壊を防止すると共に、曲げ部材の製造に係る生産性及び経済性を向上することが可能である。
[第3実施形態]
第3実施形態に係る曲げ部材の製造方法は、鋼管の先端部及び後端部以外の部分に第1加熱部を形成し、第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部を形成し、第1加熱部と第2加熱部との間に未焼入れ部を形成する方法である。
第3実施形態に係る曲げ部材の製造方法によれば、製造された曲げ部材の未焼入れ部を長手方向に切断して複数の曲げ部材を得る場合に、切断部位である未焼入れ部の硬度が低いため、曲げ部材を容易に切断することができる。なお、切断部位をより容易に切断するためには、切断部位の硬度は母材と同等の硬度であることが好ましい。
また、第3実施形態に係る曲げ部材の製造方法によれば、切断部位である未焼入れ部の近傍まで曲げ加工を行うことができるので、不要部位が生じず、経済性を向上することができる。
曲げ部材を切断して複数の曲げ部材を得た場合に、切断後の曲げ部材の端部を自動車部品等として用いられる場合には、他の部材と溶接等により接合される場合が多い。切断後の曲げ部材と他の部材とを溶接する場合には、切断後の曲げ部材の端部は焼入れされていないことが好ましい。第3実施形態により製造された曲げ部材の切断部には未焼入れ部が形成されているため、他の部材と溶接する際に好適である。
第1加熱部と第2加熱部との間に、母材と同等の硬度を有し、可能な限り幅寸法の短い未焼入れ部を形成するためには、鋼管1の送り及び誘導加熱を行っている状態から、鋼管1の誘導加熱を一旦停止するために、誘導加熱装置5への高周波電力の供給を一旦停止し、その後再び誘導加熱装置5への高周波電力の供給を開始すればよいと思われる。
しかしながら、本発明者らは、上述の方法では母材と同等の硬度を有し、可能な限り幅寸法の短い未焼入れ部を形成することが困難であることを知見した。
図29(a)〜29(e)は、従来技術を用いて鋼管1の先端部1b及び後端部1d以外の部位に対して曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布(縦軸)を鋼管1上の位置(横軸)に対して表したグラフである。
図29(a)は、鋼管1を長手方向に送りながら誘導加熱装置5へ高周波電力を供給することにより、鋼管1の先端部1bと後端部1dとは異なる位置に第1加熱部を形成した状態を表している。なお、第1加熱部を形成する工程を、第1加熱工程と呼称する。
図29(b)は、図29(a)に示す状態から、鋼管1の誘導加熱、冷却及び送りを行った状態を示す。図29(b)に示す時点で、鋼管1の冷却及び送りは行ったまま、鋼管1の誘導加熱のみを停止する。これにより、第1加熱部と第2加熱部との間に未焼入れ部を形成する。なお、第1加熱部と第2加熱部との間に未焼入れ部を形成する工程を、加熱停止工程と呼称する。
図29(c)は、図29(b)に示す状態から、鋼管1の冷却及び送りを行った状態を示す。図29(c)に示す時点で、鋼管1の誘導加熱を再開し、第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部を形成する。なお、第2加熱部を形成する工程を、第2加熱工程と呼称する。図29(c)に示すように、第1加熱工程及び第2加熱工程の両方で加熱される部位が生じる。
図29(d)は、図29(c)に示す状態から、鋼管1の誘導加熱、冷却及び送りを行った状態を示す。
図29(e)は、図29(d)に示す状態から、鋼管1の誘導加熱、冷却及び送りを行った状態を示す。
図29(e)に示すように、従来技術を用いた場合には、第1加熱工程、加熱停止工程及び第2加熱工程の終了後に、最高到達温度がAc1点以下である部位は存在しない。そのため、母材と同等の硬度を有する部位(以下、母材硬度部と呼称する)は形成されない。
なお、上述の通り、従来技術を用いた場合には母材硬度部が形成されないが、最高到達温度がAc1点超Ac3点未満である部位は冷却を行っても焼入れが行われないため、未焼入れ部が形成される。
上述の方法とは異なり、第1加熱部と第2加熱部との間に母材硬度部を形成するためには、加熱停止工程を長くする方法が考えられる。しかしながら、加熱停止工程を長くした場合には、未焼入れ部の幅寸法が大きくなるため、不要部位が生じる場合があり、曲げ部材の経済性が低下する。
なお、本発明者らは、従来技術を用いた場合には、第1加熱部と第2加熱部との間に、誘導加熱装置5による加熱幅の1.40倍以下の母材硬度部を形成することができないことを知見した。
本発明者らは、第2加熱工程の開始時に、第1加熱部に与える加熱量よりも大きな加熱量を第2加熱部に与えることにより、第1加熱部と第2加熱部との間に形成される未焼入れ部の幅寸法を小さくすることができるとともに、第1加熱部と第2加熱部との間に形成される未焼入れ部の硬度を母材の硬度と同等にすることができることを知見した。
図23(a)〜23(e)は、本実施形態により鋼管1の先端部1b及び後端部1d以外の部位に対して曲げ加工を行った場合の最高到達温度及び現時刻における温度分布(縦軸)を鋼管1上の位置(横軸)に対して表したグラフである。
図23(a)は、鋼管1を長手方向に送りながら誘導加熱装置5へ高周波電力を供給することにより、鋼管1の先端部1bと後端部1dとは異なる位置に第1加熱部を形成した状態を表している(第1加熱工程)。
図23(b)は、図23(a)に示す状態から、鋼管1の誘導加熱、冷却及び送りを行った状態を示す。図23(b)に示す時点で、鋼管1の冷却及び送りは行ったまま、鋼管1の誘導加熱のみを停止する。これにより、第1加熱部と第2加熱部との間に未焼入れ部を形成する(加熱停止工程)。
図23(c)は、図23(b)に示す状態から、鋼管1の冷却及び送りを行った状態を示す。図23(c)に示す時点で、鋼管1の誘導加熱を再開し、第2加熱部を形成する(第2加熱工程)とともに、鋼管1の送りを停止する。
図23(d)は、図23(c)に示す状態から、鋼管1の誘導加熱及び冷却を行った状態を示す。図23(d)に示す時点で、鋼管1の送りを再開する。
図23(e)は、図23(d)に示す状態から、鋼管1の誘導加熱、冷却及び送りを行った状態を示す。
本実施形態では、上述のように第2加熱工程の開始時に鋼管1の送りを停止した状態で誘導加熱を行うため、第2加熱部を形成する際に与えられる加熱量を第1加熱部を形成する際に与えられる加熱量よりも大きくする。これにより、図23(e)に示すように、最高到達温度がAc1点以下である部位が生じる。そのため、本実施形態の曲げ部材の製造方法によれば、第1加熱部と第2加熱部との間に母材硬度部を形成することが可能である。
なお、第2加熱工程の開始時に、第2加熱部を形成する際に与えられる加熱量を第1加熱部を形成する際に与えられる加熱量よりも大きくする方法としては、第2加熱工程の開始時に、鋼管1の送りを停止せずに、送り速度を減速させた状態で誘導加熱を行う方法が挙げられる。また、第2加熱工程の開始時に、第2加熱部を形成する際に与えられる加熱量を第1加熱部を形成する際に与えられる加熱量よりも大きくする方法としては、第2加熱工程の開始時に、鋼管1の送り速度を変化させずに、誘導加熱装置5へ供給する高周波電力量を増加させる方法も挙げられる。
上述のように、第2加熱工程の開始時に、第2加熱部を形成する際に与えられる加熱量を第1加熱部を形成する際に与えられる加熱量よりも大きくすることにより、第1加熱部と第2加熱部との間に母材硬度部を形成することができる。これにより、曲げ部材を容易に切断することができる。
また、第2加熱工程の開始時に、第2加熱部を形成する際に与えられる加熱量を第1加熱部を形成する際に与えられる加熱量よりも大きくすることにより、第1加熱部と第2加熱部との間に形成される未焼入れ部の幅寸法を小さくすることができる。具体的には、第1加熱部と第2加熱部との間に形成される未焼入れ部の幅寸法を、誘導加熱装置5による加熱幅の0.15倍以上1.40倍以下にすることができる。これにより、曲げ部材を切断する際に不要部位が生じないため、曲げ部材の製造に係る経済性を向上することができる。
[鋼材の熱間曲げ加工装置]
次に、本実施形態に係る鋼材の熱間曲げ加工装置について説明する。
図7は、本実施形態に係る鋼材の熱間曲げ加工装置の構成例を示す説明図である。
図7に示すように、熱間曲げ加工装置0は、支持装置(支持機構)2と、送り装置(送り機構)3と、誘導加熱装置(誘導加熱機構)5と、冷却装置(冷却機構)6と、駆動装置(駆動機構)9と、チャック10と、第1温度測定装置(第1温度測定機構)26と、形状測定装置(形状測定機構)27と、第2温度測定装置(第2温度測定機構)28と、制御部29とを備える。
送り装置3は、鋼管1を長手方向に送る。送り装置3による鋼管1の送りにおいて、送り速度は一定でもよいし、変化させてもよい。また、送り装置3による鋼管1の送りは、連続的でもよいし、断続的でもよい。
支持装置22は、送り装置3により送られた鋼管1を支持する。
誘導加熱装置5は、鋼管1を部分的に誘導加熱する。誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱において、誘導加熱装置5に供給される高周波電力量は一定でもよいし、変化させてもよい。また、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱は、連続的でもよいし、断続的でもよい。
冷却装置6は、冷却媒体を噴射することにより、鋼管1を部分的に冷却する。冷却媒体の例としては、水が挙げられる。
駆動装置9は、鋼管1の先端部1bを把持するチャック10を三次元に移動させることにより、鋼管1の加熱部1aに対して曲げモーメントを付与する。
チャック10は、鋼管1の先端部1b及び後端部1dを把持する。
送り装置3、支持装置22、誘導加熱装置5、冷却装置6及びチャック10は、鋼管1の長手方向に沿って配置される。
制御部29は、送り装置3、誘導加熱機構5、冷却機構6、駆動装置9及びチャック10を制御する。
制御部29は、誘導加熱装置5により鋼管1の先端部1bに加熱部1aを形成する際の加熱量を、上流側隣接部位に加熱部1aを形成する際の加熱量よりも大きくするよう制御する。また、制御部29は、誘導加熱装置5により鋼管1の先端部1bに加熱部1aを形成する際に、冷却装置6によりチャック10を冷却媒体で冷却するように制御する。
制御部29は、誘導加熱装置5により鋼管1の後端部1dに加熱部1aを形成する際に加える加熱量を、下流側隣接部位に加熱部1aを形成する際に加える加熱量よりも大きくするように制御してもよい。
制御部29は、誘導加熱装置5により鋼管1の先端部1bと後端部1dとの間に第1加熱部が形成され、第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部が形成され、第1加熱部と第2加熱部との間の位置に未焼入れ部が形成されるように制御してもよい。
第1温度測定装置26は、鋼管1の先端部1bの温度を測定する。第1温度測定装置26の例としては、チャック10の爪10bに埋め込んだ熱電対、チャック10と鋼管1との間の熱起電力を測定する熱電対又は接触式あるいは非接触式の温度計等を用いることができる。
形状測定装置27は、鋼管1の先端部1bの外形変形量を測定する。形状測定装置27としては、接触式あるいは非接触式の変位計又はチャック10の爪10bの移動量の検出装置等を用いることができる。
第2温度測定装置28は、鋼管1に形成された加熱部1aの温度を測定する。第2温度測定装置28としては、誘導加熱装置5に組み込んだ非接触式の温度計等を用いることができる。
制御部29は、第1温度測定装置26によって測定される鋼管1の先端部1bの温度、形状測定装置27によって測定される鋼管1の先端部1bの外形変形量及び第2温度測定装置28によって測定される鋼管1の加熱部1aの温度のうちの少なくとも一つが予め定めた範囲内となるように、送り装置3と誘導加熱装置5との少なくとも一方を制御してもよい。
制御部29は、第1温度測定装置26によって測定される鋼管1の先端部1bの温度、形状測定装置27によって測定される鋼管1の先端部1bの外形変形量及び第2温度測定装置28によって測定される鋼管1の加熱部1aの温度のうちの少なくとも一つが予め定めた範囲内となるように、送り装置3による鋼管1の送りと誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱を開始した後に、送り装置3による鋼管1の送り速度と誘導加熱装置5に供給される高周波電力との少なくとも一つを変更してもよい。
また、制御部29は、第1温度測定装置26によって測定される鋼管1の先端部1bの温度、形状測定装置27によって測定される鋼管1の先端部1bの外形変形量及び第2温度測定装置28によって測定される鋼管1の加熱部1aの温度のうちの少なくとも一つが予め定めた範囲内となるように、送り装置3による鋼管1の送りと誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱とのうち、誘導加熱装置5による鋼管1の誘導加熱を先に開始し、所定の時間経過後に、送り装置3による鋼管1の送りを開始してもよい。
本発明を、実施例及び比較例を参照しながら、より具体的に説明する。
[実施例1]
外径31.8mm、肉厚2.0mmの開口端を有する鋼管に対して3DQによる曲げ加工を行い、鋼管の長手方向中央部にS字形状の曲り部を形成した。曲げ加工を行った後の鋼管の長手方向中央部の硬度は、520Hvであった。鋼管の代表的な化学組成としては、Cの含有量が0.22質量%,Mnの含有量が1.25質量%であった。なお、実施例1は、第1実施形態に対応する実施例である。
図8(a)は、実施例1における鋼管、誘導加熱装置及び冷却装置の位置関係を示す模式図である。図8(b)は、実施例1における鋼管の硬度(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。
誘導加熱装置としては、2ターンコイルを用いた。鋼管の送り速度は一定速度とし、80mm/秒とした。鋼管の最高到達温度が1000℃超となるように、誘導加熱装置へは一定の高周波電力量(142kW)を供給した。
図8(a)及び図8(b)において、図8(a)に示すβは、チャック10の爪10bが鋼管の内面に接触している距離であり、20mmとした。図8(a)に示すγは、鋼管の先端部から誘導加熱開始時における加熱部の長手方向中心部(以下、加熱開始位置と呼称する)までの距離である。図8(a)に示すδは、加熱開始位置から冷却部の上流端までの距離であり、27mmとした。図8(b)に示すαは、先端部から硬度が500Hvである位置(以下、硬度上昇位置と呼称する)までの距離である。
図9(a)は、位置A及びBを説明するための鋼管の側面図である。図9(b)は、位置A及びBにおける最高到達温度(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。図9(c)は、位置A及びBにおける鋼管の硬度(縦軸)を鋼管上の位置(横軸)に対して表したグラフである。
(実施例1−1)
実施例1−1は、形態例1−1に相当する実施例であり、誘導加熱装置への高周波電力の供給開始から0.15秒後に鋼管の送りを開始した。実施例1−1における誘導加熱装置へ供給される高周波電力量(縦軸)と時間(横軸)との関係を図10(a)に、実施例1−1における送り速度(縦軸)と時間(横軸)との関係を図10(b)に示した。
(実施例1−2)
実施例1−2は、形態例1−2に相当する実施例であり、誘導加熱装置への高周波電力の供給開始と同時に26.7mm/秒の送り速度で鋼管の送りを開始し、0.06秒後に鋼管の送り速度を80mm/秒に変化させた。実施例1−2における誘導加熱装置へ供給される高周波電力量(縦軸)と時間(横軸)との関係を図10(c)に、実施例1−2における送り速度(縦軸)と時間(横軸)との関係を図10(d)に示した。
(実施例1−3)
実施例1−3は、形態例1−3に相当する実施例であり、誘導加熱装置への高周波電力の供給開始と同時に鋼管の送りを開始した。誘導加熱装置への高周波電力への供給開始時における誘導加熱装置への高周波電力の供給量は、実施例1−1及び実施例1−2における誘導加熱装置への高周波電力の供給量の2倍とした。次に、誘導加熱装置への高周波電力の供給開始及び鋼管の送り開始から0.1秒後に誘導加熱装置に供給する高周波電力量を0.5倍に変化させた。実施例1−3における誘導加熱装置へ供給される高周波電力量(縦軸)と時間(横軸)との関係を図10(e)に、実施例1−3における送り速度(縦軸)と時間(横軸)との関係を図10(f)に示した。
(比較例1−1)
比較例1−1は、鋼管の送りを開始してから所定の時間経過後に誘導加熱装置への高周波電力の供給を開始するもので、誘導加熱装置へ供給する高周波電力量及び鋼管の送り速度は、それぞれの開始時から一定の値とした。比較例1−1における誘導加熱装置へ供給される高周波電力量(縦軸)と時間(横軸)との関係を図11(a)に、比較例1−1における送り速度(縦軸)と時間(横軸)との関係を図11(b)に示した。
実施例1−1〜1−3及び比較例1−1でのチャックの爪の最高温度、鋼管の最高到達温度、鋼管の先端部から加熱開始位置までの距離、鋼管の先端部から硬度上昇位置までの距離、鋼管の先端部から曲げ開始位置までの距離及び位置Aにおける硬度上昇位置と位置Bにおける硬度上昇位置との距離を表1に示す。
Figure 2015182666
比較例1−1では、鋼管の先端部から21mmの位置から加熱を開始したにもかかわらず、先端部から硬度上昇位置までの距離は35mmであり、先端部から曲げ開始位置までの距離は54mmであった。
これに対し、実施例1−1〜1−3では、チャックの爪及び鋼管の最高到達温度を所定の温度以下に抑制し、鋼管の先端部から硬度上昇位置までの距離及び鋼管の先端部から曲げ開始位置までの距離を比較例1−1よりも短くすることができた。一方、実施例1−1〜1−3では、鋼管の先端部から加熱開始位置までの距離を比較例1−1よりも長くすることができた。
また、実施例1−1〜1−3では、位置Aにおける硬度上昇位置と位置Bにおける硬度上昇位置との距離を、比較例1−1よりも短くすることができた。
[実施例2]
外径31.8mm、肉厚2.0mmの開口端を有する鋼管に対して3DQによる曲げ加工を行い、鋼管の長手方向中央部にS字形状の曲り部を形成した。曲げ加工を行った後の鋼管の長手方向中央部の硬度は、520Hvであった。鋼管の代表的な化学組成としては、Cの含有量が0.22質量%,Mnの含有量が1.25質量%であった。なお、実施例2は第2実施形態に対応する実施例である。
誘導加熱装置としては、2ターンコイルを用いた。鋼管の送り速度は一定速度とし、80mm/秒とした。鋼管の最高到達温度が1000℃となるように、誘導加熱装置へは一定の高周波電力量(142kW)を供給した。
上述の条件の下、鋼管の後端部近傍に対して曲げ加工を行う際に、鋼管の後端部を把持するチャックの爪が500℃超に加熱されず、鋼管が1100℃超に加熱されず、さらに、鋼管の後端部に形成される未焼入れ部の幅寸法を可能な限り小さくするための条件を調べた。
具体的には、実施例及び比較例において、鋼管の後端部を把持するチャックの爪の最高到達温度、鋼管の最高到達温度、鋼管の加熱終了位置から後端部までの距離(距離G)、鋼管の硬度低下位置から後端部までの距離(距離H)、鋼管の曲げ終了位置から後端部までの距離及び位置Aにおける硬度低下位置と位置Bにおける硬度低下位置との距離を求めた。
(実施例2−1)
実施例2−1では、鋼管の誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から送りのみを停止し、送りの停止から0.15秒後に誘導加熱装置への高周波電力の供給を停止した。
図20(a)に、実施例2−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。図20(b)に、実施例2−1における鋼管の送り速度(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。
(実施例2−2)
実施例2−2では、鋼管の誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、送り速度を3分の1に減速し、送り速度の減速から0.06秒後に誘導加熱装置への高周波電力の供給を停止した。
図20(c)に、実施例2−2の誘導加熱装置に供給される高周波電力量(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。図20(d)に、実施例2−2における鋼管の送り速度(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。
(実施例2−3)
実施例2−3では、鋼管の誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、誘導加熱装置に供給される高周波電力を2倍に増やし、誘導加熱装置への高周波電力の供給の増加から0.1秒後に誘導加熱装置への高周波電力の供給を停止した。なお、実施例2−3では、鋼管の送りは一定の送り速度で行った。
図20(e)に、実施例2−3の誘導加熱装置に供給される高周波電力量(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。図20(f)に、実施例2−3における鋼管の送り速度(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。
(比較例2−1)
比較例2−1では、鋼管の誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、誘導加熱装置への高周波電力の供給を停止した。なお、比較例2−1では、鋼管の送りは一定の送り速度で行った。
図21(a)に、比較例2−1の誘導加熱装置に供給される高周波電力量(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。図21(b)に、比較例2−1における鋼管の送り速度(縦軸)を時間(横軸)に対して表した。
実施例2−1〜2−3及び比較例2−1の結果を表2に示す。
Figure 2015182666
表2に示すように、実施例2−1〜2−3では、チャックの爪の最高到達温度が500℃以下であり、鋼管の最高到達温度が1100℃以下であった。また、実施例2−1〜2−3では、比較例2−1に比べて、鋼管の硬度低下位置から後端部までの距離(距離H)及び鋼管の曲げ終了位置から後端部までの距離が短くなっており、曲げ部材の製造における生産性及び経済性が向上していた。また、実施例2−1〜2−3では、比較例2−1に比べて、鋼管の加熱終了位置から後端部までの距離(距離G)を長くすることができた。
さらに、実施例2−1〜2−3では、比較例2−1に比べて、位置Aにおける硬度低下位置と位置Bにおける硬度低下位置との距離が短くなっており、鋼管の曲げ加工を施す際に、鋼管の周方向に均一に焼入れされていることが分かった。
[実施例3]
外径31.8mm、肉厚2.6mmの開口端を有する鋼管に対して3DQによる曲げ加工を行った。誘導加熱装置としては、2ターンコイルを用いた。なお、実施例3は第3実施形態に対応する実施例である。
上述の条件の下、実施例及び比較例において、鋼管の先端部及び後端部以外の位置に第1加熱部を形成し、第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部を形成し、第1加熱部と第2加熱部との間に未焼入れ部を形成し、未焼入れ部の幅寸法及び母材硬度部の形成状況を調べた。
(実施例3−1)
実施例3−1では、鋼管に対して誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、誘導加熱のみを停止した(図26(b)の(1))。なお、実施例3−1〜3−3では、誘導加熱装置に供給される高周波電力量を154kWとした。また、実施例3−1において鋼管を送る際の送り速度は80mm/秒とした。
鋼管に対する誘導加熱を停止してから鋼管が15mm下流に送られた時点で鋼管に対する誘導加熱を再開するとともに、鋼管の送りを停止した(図26(b)の(3))。鋼管の送りを停止してから0.15秒後に、鋼管の送りを再開した(図26(b)の(4))。
(実施例3−2)
実施例3−2では、鋼管に対して誘導加熱、冷却及び送りを行っている状態から、誘導加熱のみを停止した(図27(b)の(1))。この時点での鋼管の送り速度は80mm/秒とした。
鋼管に対する誘導加熱を停止してから鋼管が13mm下流に送られた時点で鋼管に対する誘導加熱を再開するとともに、鋼管の送り速度を80mm/秒から10mm/秒に減速させた(図27(b)の(3))。鋼管の送り速度の減速から0.15秒後に、鋼管の送り速度を10mm/秒から80mm/秒に加速させた(図27(b)の(5))。
(実施例3−3)
実施例3−3では、鋼管に対して誘導加熱(誘導加熱装置に供給される高周波電力量は154kW)、冷却及び送りを行っている状態から、誘導加熱のみを停止した(図28(b)の(1))。なお、実施例3−3での鋼管の送り速度は、常に80mm/秒とした。
鋼管に対する誘導加熱を停止してから鋼管が13mm下流に送られた時点で、誘導加熱装置に供給される高周波電力量を308kWとする誘導加熱を開始した(図28(b)の(3))。誘導加熱装置に供給される高周波電力量を308kWとする誘導加熱を開始してから0.15秒後に、誘導加熱装置に供給される高周波電力量を154kWに下げた(図28(b)の(4))。
(比較例3−1〜3−4)
比較例3−1〜3−4では、鋼管に対して誘導加熱(誘導加熱装置に供給される高周波電力量は200kW)、冷却及び送りを行っている状態から、誘導加熱のみを停止した。鋼管に対する誘導加熱を停止してから鋼管が下流方向へ所定の距離送られた時点で、鋼管に対する誘導加熱を再開した。誘導加熱を停止してから再開するまでの間に、鋼管が下流方向へ送られる距離を加熱停止区間と呼称する。
比較例3−1〜3−4では、加熱停止区間の距離が異なる。各比較例における加熱停止区間の距離は、比較例3−1:25mm、比較例3−2:10mm、比較例3−3:5mm、比較例3−4:2mmであった。比較例3−1〜3−4における硬度分布を図24に示した。
なお、比較例3−1〜3−4における鋼管の送り速度は、常に70mm/秒とした。
実施例3−1〜3−3及び比較例3−1〜3−4の曲げ部材の製造方法により形成された未焼入れ部の幅と母材硬度部の形成状況とを表3に示した。
Figure 2015182666
表3に示したように、実施例3−1〜3−3では比較例3−1〜3−4に比べて、形成される未焼入れ部の幅を小さくすることができた。また、実施例3−1〜3−3では母材硬度部を形成することができたが、比較例3−2〜3−4では母材硬度部を形成することができなかった。
上記各実施形態によれば、鋼材の先端部を把持するチャックの疲労破壊を防止することが可能であるとともに生産性及び経済性に優れた曲げ部材の製造方法及び鋼材の熱間曲げ加工装置を提供することができる。
0 熱間曲げ加工装置
1 鋼管
1a加熱部
1b 先端部
1c 曲がり部
1d 後端部
2 支持装置(支持機構)
3 送り装置(送り機構)
4 可動ローラーダイス
4a ロール対
5 誘導加熱装置(誘導加熱機構)
6 冷却装置(冷却機構)
9 駆動装置(駆動機構)
10 チャック
10a 大径部
10b 小径部(爪)
11 チャック
11a 大径部
11b 小径部(爪)
26 第1温度測定機構
27 形状測定機構
28 第2温度測定機構
29 制御部

Claims (14)

  1. 開口端を有する長尺の鋼材の長手方向の一端部をチャックで把持する把持工程と;
    前記把持工程後の前記鋼材を、前記一端部を先頭にして前記長手方向に沿って送る送り工程と;
    前記鋼材の前記長手方向の一部分を高周波誘導加熱して加熱部を形成する加熱工程と;
    前記チャックを三次元方向に移動させることで前記加熱部に曲げモーメントを付与する曲げ工程と;
    前記曲げ工程後の前記加熱部に冷却媒体を噴射して冷却する冷却工程と;
    を有し、
    前記加熱工程の開始時に、
    前記一端部に前記加熱部を形成する際に加える加熱量を、前記鋼材の送り方向に沿って見た場合に前記一端部の上流側に隣接する上流側隣接部位よりも大きくするとともに、
    前記チャックを前記冷却媒体で冷却する
    ことを特徴とする、曲げ部材の製造方法。
  2. 前記加熱工程の前記開始時に、前記送り工程における前記鋼材の前記長手方向への送り速度と、前記加熱工程で前記一部分に付与する加熱量との少なくとも一方を変更することで、
    前記一端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記上流側隣接部位よりも大きくする
    ことを特徴とする、請求項1に記載の曲げ部材の製造方法。
  3. 前記加熱工程の前記開始時から所定の時間後に前記送り工程を開始することで、
    前記一端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記上流側隣接部位よりも大きくする
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の曲げ部材の製造方法。
  4. 前記鋼材の前記長手方向における複数箇所で温度を測定する温度測定工程をさらに有し;
    前記送り工程において、前記温度測定工程で得られた温度測定結果に基づき、前記鋼材の前記長手方向への送り速度を決定する;
    ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の曲げ部材の製造方法。
  5. 前記鋼材における前記長手方向の他端部に前記加熱部を形成する際に加える加熱量を、前記鋼材の前記送り方向に沿って見た場合に前記他端部の下流側に隣接する下流側隣接部位よりも大きくする
    ことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の曲げ部材の製造方法。
  6. 前記加熱工程の前記高周波誘導加熱を停止する前に、前記送り工程における前記鋼材の前記長手方向への送り速度と前記加熱工程における加熱量との少なくとも一方を変更することで、
    前記他端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記下流側隣接部位よりも大きくする
    ことを特徴とする、請求項5に記載の曲げ部材の製造方法。
  7. 前記加熱工程の前記高周波誘導加熱を停止する前に、前記送り工程における前記鋼材の送りを停止することで、
    前記他端部に前記加熱部を形成する際に加える前記加熱量を、前記下流側隣接部位よりも大きくする
    ことを特徴とする、請求項6に記載の曲げ部材の製造方法。
  8. 前記チャックの爪の加熱温度が500℃以下となる第1条件と、
    前記曲げ工程で前記曲げモーメントを付与する際の前記加熱部の加熱温度がAc3点超となる第2条件と、
    前記鋼材の最高到達温度が前記鋼材の粗粒化が進行する温度以下又は靭性が低下する温度以下となる第3条件と、
    の全てを満たすように、前記加熱工程での加熱量を制御する
    ことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の曲げ部材の製造方法。
  9. 前記加熱工程が、
    前記鋼材の前記一端部及び他端部間の位置に第1加熱部を形成する第1加熱工程と;
    前記鋼材上の前記第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部を形成する第2加熱工程と;
    前記第1加熱工程と前記第2加熱工程との間に、前記高周波誘導加熱を停止することにより、前記第1加熱部と前記第2加熱部との間の位置に未焼入れ部を形成する加熱停止工程と;
    を有し、
    前記第2加熱工程の開始時に、前記第1加熱部に与える加熱量よりも大きな加熱量を前記第2加熱部に与える
    ことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の曲げ部材の製造方法。
  10. 前記長手方向に沿って見た場合に、前記未焼入れ部の幅寸法を、前記高周波誘導加熱による加熱幅の0.15倍以上1.40倍以下とする
    ことを特徴とする、請求項9に記載の曲げ部材の製造方法。
  11. 開口端を有する長尺の鋼材の長手方向の一端部を把持するチャックと;
    前記チャックを三次元方向に移動させる駆動機構と;
    前記鋼材を、前記一端部を先頭にして前記長手方向に沿って送る送り機構と;
    前記鋼材の前記長手方向の一部分を高周波誘導加熱して加熱部を形成する誘導加熱機構と;
    前記加熱部に冷却媒体を噴射して冷却する冷却機構と;
    前記チャック、前記駆動機構、前記送り機構、前記誘導加熱機構、及び前記冷却機構を制御する制御部と;
    を備え、
    前記制御部が、
    前記誘導加熱機構により前記一端部に前記加熱部を形成する際の加熱量を、前記鋼材の送り方向に沿って見た場合に前記一端部の上流側に隣接する上流側隣接部位よりも大きくするとともに、
    前記冷却機構により前記チャックを前記冷却媒体で冷却するように制御する
    ことを特徴とする、鋼材の熱間曲げ加工装置。
  12. 前記制御部が、
    前記誘導加熱機構により前記鋼材における前記長手方向の他端部に前記加熱部を形成する際に加える加熱量を、前記送り方向に沿って見た場合に前記他端部の下流側に隣接する下流側隣接部位よりも大きくするように制御する
    ことを特徴とする、請求項11に記載の鋼材の熱間曲げ加工装置。
  13. 前記制御部が、
    前記誘導加熱機構により前記鋼材の前記一端部及び他端部間の位置に第1加熱部が形成され、前記鋼材上の前記第1加熱部よりも上流側の位置に第2加熱部が形成され、前記第1加熱部と前記第2加熱部との間の位置に未焼入れ部が形成されるように制御する
    ことを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載の鋼材の熱間曲げ加工装置。
  14. 前記一端部の温度を測定する第1温度測定機構と、前記加熱部の温度を測定する第2温度測定機構と、前記一端部の外形変形量を測定する形状測定機構とのうちの少なくとも一つを更に備え、
    前記一端部の前記温度と前記加熱部の前記温度と前記一端部の前記外形変形量とのうちの少なくとも一つが予め定めた範囲内となるように、
    前記制御部が、前記送り機構及び前記誘導加熱機構の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の鋼材の熱間曲げ加工装置。
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