JPWO2015159523A1 - ヘッドアップディスプレイ、およびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体 - Google Patents

ヘッドアップディスプレイ、およびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体 Download PDF

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Abstract

本開示に係るヘッドアップディスプレイは、ウインドシールドを有する移動体に搭載され、観察者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイであって、画像を表示する表示素子と、表示素子に表示される画像を反射してウインドシールドに投射する反射光学系と、反射光学系とウインドシールドとの間に配置され、パワーを有する屈折光学系とを備える。表示素子から出射されて反射光学系により反射される画像の中心光路が屈折光学系に入射する位置は、屈折光学系の中心軸に対して、移動体のウインドシールド側に存在するように構成した。

Description

本開示は、反射手段に投射した表示画像を虚像として観察者に視認させるヘッドアップディスプレイ、およびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体に関する。
特許文献1は、表示像に遠近感を付与し、視覚的演出効果のある表示装置を開示する。この表示装置は、プロジェクタと、第1の画像を表示する第1のスクリーンと、第2の画像を表示する第2のスクリーンと、プリズムシートと、反射部材とを備える。これにより、遠近感のある2つの表示像を運転者に視認させることができる。
特開2013−83675号公報
本開示に係るヘッドアップディスプレイは、ウインドシールドを有する移動体に搭載され、観察者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイであって、画像を表示する表示素子と、表示素子に表示される画像を反射してウインドシールドに投射する反射光学系と、反射光学系とウインドシールドとの間に配置され、パワーを有する屈折光学系とを備える。表示素子から出射されて反射光学系により反射される画像の中心光路が屈折光学系に入射する位置は、屈折光学系の中心軸に対して、移動体のウインドシールド側に存在するように構成した。
図1は、本開示のヘッドアップディスプレイを搭載した車両の概略構成図である。 図2は、本開示のヘッドアップディスプレイの構成を説明する模式図である。 図3は、本開示のヘッドアップディスプレイを動作させた際の観察者から見たウインドシールドを示す図である。 図4は、実施の形態1におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図5は、実施の形態2におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図6は、実施の形態3におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図7は、実施の形態4におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図8は、実施の形態5におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図9は、実施の形態6におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図10は、実施の形態7におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
以下、図1〜4を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
[1−1−1.全体構成]
図1は、本開示のヘッドアップディスプレイ100を搭載した車両200(移動体の一例)の構成を示す図である。ヘッドアップディスプレイ100は、図1に示されるように、車両200のダッシュボード210内部に配置される。観察者Dは、ヘッドアップディスプレイ100の内部に配置されている表示素子および光学系により生成され、ウインドシールド220を介して反射する虚像I1およびI2を視認する。ヘッドアップディスプレイ100は、車両200のウインドシールド220に画像を投影し、これによりウインドシールド220に対して観察者D側とは反対側に虚像I1およびI2を形成し、観察者Dは、虚像I1およびI2を視認する。図1に示す点線もしくは鎖線は、投影される画像の中心光路L1およびL2を示しており、以下の説明においても、中心光路L1およびL2は、点線もしくは鎖線で図示している。
図2は、本開示のヘッドアップディスプレイ100の構成を示す概略構成図である。なお、図2は、ヘッドアップディスプレイ100の一部を切り欠いて示している。
図2に示すように、本開示によるヘッドアップディスプレイ100は、開口211を有する筐体140内に、画像を表示する第1表示素子111と、第1表示素子111が表示する画像をウインドシールド220に投影する投射光学系を収容することにより構成される。これにより、観察者Dは、ウインドシールド220を通して表示画像の虚像Iを視認できる。ウインドシールド220に投影される画像は、所定の視認領域であるアイボックス(Eye Box)400において、虚像I1、I2を欠けることなく視認可能となる。
筐体140の開口211は、投射光学系の投射光を出射する出射口を形成している。筐体140の開口211は、その開口211を塞ぐように透明な樹脂板などの透光性の反射防止カバー213を配置してもよい。
第1表示素子111は、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイなどが用いられ、図示しない表示制御部から入力される画像信号により、第1表示素子111の表示領域に所定の画像が表示される。
また、投射光学系は、第1表示素子111からウインドシールド220までの光路に、第1表示素子111側に配置される第1反射部材としての第1ミラー112と、開口211側に配置される第2反射部材としての第2ミラー113とを有する。
図3は、観察者Dから見た場合の、虚像I1が表示される第1領域221と、虚像I2が表示される第2領域222との位置関係を示す図である。
観察者Dから見て、虚像I1は、虚像I2より下方に位置する。虚像I1を表示する第1領域221には、常時表示するスピードメーターなどが表示され、虚像I2を表示する第2領域222には、警告等の観察者Dに注意を喚起する表示内容や、走行状況に応じた表示内容が表示される。
[1−1−2.表示装置の配置構成]
図4は、実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を模式的に示している。ヘッドアップディスプレイ100は、その内部に、第1表示装置110と、第1表示装置110の上部に配置される第2表示装置120とを有している。
第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを備える。第1光学系119は、第1ミラー112と第2ミラー113とを備える。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面である。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを備える。第2表示素子121は、第1表示装置の第1ミラー112の鉛直下方に配置される。第2光学系129は、第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123の反射面は、凹面である。
第2光学系129の第2ミラー123は、車両200の前方にある第1ミラー122で反射される表示画像の光束をウインドシールド220に向けて反射する。また、第2ミラー123の反射面において、表示された画像の中央付近の接平面の法線ベクトルは、車両200の前方側の成分を有している。このような構成とすることにより、ウインドシールド220を通して外光が入射した際に、第2ミラー123で反射した外光が直接、観察者Dに導かれることがない。また、ウインドシールド220を通して入射した外光が、第2ミラー123で反射した後、さらに、ウインドシールド220などの反射部材で少なくとも1回反射した場合でも、観察者Dに導かれることが抑制される。
第1表示装置110の第1ミラー112および第2ミラー113、ならびに、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123は、入射した光束を一部反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであってもよい。
第2表示装置120の第1ミラー122は、ダッシュボード210の前方部分を構成する前面パネル(装飾部材)210aの一部により構成されていてもよい。また、第2表示装置120の第2ミラー123は、ダッシュボード210の内部に設けられている。また第2ミラー123は、第1光学系119を覆うように配置される反射防止カバー213の一部により構成されていてもよいし、反射防止カバー213と連続的に配置してもよい。
第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
[1−2.動作]
図4に示すように、実施の形態1においては、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示装置110は、第1表示素子111が表示する画像を、第1ミラー112を介して反射させ、次いで第2ミラー113を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I1として視認させる。また、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示装置120は、第2表示素子121が表示する画像を、第1ミラー122を介して反射させ、次いで第2ミラー123を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I2として視認させる。第1表示装置110の画像の中心光路L1は、第2表示装置120の画像の中心光路L2よりもウインドシールド220の下方の位置に反射する。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係を説明する。図4に示すように、第2表示素子121から出射される画像の中心光路L2で示す光束は、第1表示素子111と、第1表示装置110の第1ミラー112との間を通過する。次に、第1表示装置110の第1ミラー112と第1表示装置110の第2ミラー113との間を通り、さらに第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通り、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。第2表示装置120の第1ミラー122で反射する光束は、第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通って第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。第2表示装置120の第2ミラー123で反射する光束は、ウインドシールド220に入射し、反射された後、観察者Dの視点領域400に導かれて虚像I2として視認される。
以上のように、実施の形態1においては、第2表示素子121から出射された画像の光束は、ウインドシールド220に入射するまでに、第1表示素子111から出射された光束と5回交差し、観察者Dに導かれて虚像I2として視認される。また、第1表示素子111から出射された画像の光束は、ウインドシールド220に入射するまでに、第2表示素子121から出射された光束と4回交差し、ウインドシールド220で反射された後、1回交差し、観察者Dに導かれて虚像I1として視認される。つまり、第1表示素子111から出射された光束と第2表示素子121から出射された光束とは、観察者Dに導かれてそれぞれ虚像I1および虚像I2として視認されるまでに、ダッシュボード210の内部で4回交差し、ダッシュボード210の外部で1回交差する。
[1−3.効果]
表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120に分けることによって、ヘッドアップディスプレイ100全体の深さ方向(図4における上下方向)および車両200の前後方向(図4における左右方向)の寸法を短くし、ヘッドアップディスプレイ100を小型化しつつ、二つの虚像I1、I2によって大画面の虚像の表示が可能となる。一般に、ヘッドアップディスプレイ100が搭載される車両200のダッシュボード内には、リーンホースメントやエアコンダクトなどの車両構造物が設けられるが、実施の形態1のヘッドアップディスプレイ100は、その深さ方向および車両200の前後方向の寸法を小さくできるので、これらの車両構造物と干渉することを抑制できる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とが表示する虚像毎に、表示距離や表示サイズを設定することが可能となる。
また、実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100は、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123として使用している。この場合、自動車特有の構造物を、第2表示装置120の第2光学系129として利用しているため、第2表示装置120を更に小型化することができる。したがって、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。
(実施の形態2)
以下、図5を用いて、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。実施の形態2は、第2表示装置120の第2表示素子121の配置位置が、第1表示装置110の鉛直上方に配置されている点において、実施の形態1と異なる。
[2−1.構成]
図5は、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と、第1表示装置110の鉛直方向の上部に配置される第2表示装置120とを有している。
第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを備える。第1光学系119は、第1ミラー112と、第2ミラー113とを備える。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面であることが望ましい。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを備える。第2光学系129は、第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2表示素子121は、第2ミラー123の鉛直下方であって、第1表示装置110の第1ミラー112の鉛直上方に配置される。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凹面、第2ミラー123の反射面は凹面とすることが望ましい。第2光学系129の第2ミラー123は、車両200の前方にある第1ミラー122から入射した光束をウインドシールド220に向けて反射する。また、第2ミラー123の反射面は凹面であって、第2表示素子121の画像中心(L2)を反射する位置の接平面の法線が、車両200の前方方向のベクトル成分を有している。このような構成とすることにより、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した場合でも直接観察者Dに導かれることがない。また、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した後、さらに、ウインドシールド220などの反射部材で反射した場合でも、観察者Dに導かれることが抑制される。
第1表示装置110の第1ミラー112および第2ミラー113、ならびに、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123は、入射した光束を一部反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであってもよい。
第2表示装置120の第1ミラー122は、ダッシュボード210の前方部分を構成する前面パネル(装飾部材)210aの一部により構成されていてもよい。また、第2表示装置120の第2ミラー123は、ダッシュボード210の内部に設けられる。第2ミラー123は、第1光学系119を覆うように配置される反射防止カバー213の一部により構成されていてもよいし、反射防止カバー213と連続的に配置してもよい。
第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
[2−2.動作]
図5に示されるように、実施の形態2においては、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示装置110は、第1表示素子111が表示する画像を、第1ミラー112を介して反射させ、次いで第2ミラー113を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I1として視認させる。第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示装置120は、第2表示素子121が表示する画像を、第1ミラー122を介して反射させ、次いで第2ミラー123を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I2として視認させる。第1表示装置110の画像の中心光路L1は、第2表示装置120の画像の中心光路L2よりもウインドシールド220の下方を反射する。
実施の形態2においては、実施の形態1とは異なり、第2表示素子121から出射された光束は、第1表示装置110の第1表示素子111と第1ミラー112との間、および、第1ミラー112と第2ミラー113との間のいずれも通らない。第2表示装置120の第2表示素子121から出射された光束は、第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通り、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。第2表示装置120の第1ミラー122に入射した光束は、反射され、第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通り、第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。第2表示装置120の第2ミラー123に入射した光束は反射され、ウインドシールド220に反射された後、観察者Dの視点領域400に導かれて観察者Dに虚像I2を視認させる。
[2−3.効果]
表示装置を第1表示装置110および第2表示装置120に分けることにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向(図5における上下方向)および車両200の前後方向(図5における左右方向)の寸法を短くし、ヘッドアップディスプレイ100を小型化しつつ、二つの虚像I1、I2によって大画面の虚像の表示が可能となる。また、第1表示装置110と第2表示装置120とが表示する虚像毎に、表示位置や表示サイズを設定することが可能となる。
また、実施の形態1と同様に、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123として使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。
さらに、本実施の形態では、第2表示装置120の第2表示素子121を第2ミラー123の鉛直下方であって、第1表示装置110の第1ミラー112の鉛直上方に配置している。これにより、第1表示装置110と第2表示装置120とをそれぞれモジュール化することができ、組立性の向上を図ることができる。
(実施の形態3)
以下、図6を用いて、実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。
[3−1.構成]
図6は、実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を説明する模式図である。ヘッドアップディスプレイ100は、その内部に、第1光学系119と、第2光学系129と、第1表示素子111と、光束を分割する光学デバイス131とを備える。
第1光学系119は、第1ミラー112と、第2ミラー113とを備える。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面であることが望ましい。
第2光学系129は、第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第2ミラー123の反射面は、凹面であることが望ましい。第2光学系129は、第1光学系119の鉛直方向の上方に配置される。
光学デバイス131は、第1表示素子111から出射される光束を、時間ごとに分割する機能を有する。あるいは、光学デバイス131は、第1表示素子111から出射される光束を、波長帯域ごとに分割する機能を有するものであってもよい。あるいは、光学デバイス131は、第1表示素子111から出射される光束を、偏光方向により分割する機能を有するものであってもよい。
第2光学系129の第2ミラー123は、車両200の前方にある第1ミラー122から入射した光束をウインドシールド220に向けて反射する。また、第2ミラー123の反射面は凹面であって、第1表示素子111の画像中心(L2)を反射する位置の接平面の法線が、車両200の前方方向のベクトル成分を有している。このような構成とすることにより、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した場合でも直接観察者Dに導かれることがない。また、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した後、さらに、ウインドシールド220などの反射部材で反射した場合でも、観察者Dに導かれることが抑制される。
第1光学系119の第1ミラー112および第2ミラー113、ならびに、第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123は、入射した光束を一部反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであってもよい。
第2光学系129の第1ミラー122は、ダッシュボード210の前方部分を構成する前面パネル(装飾部材)210aの一部により構成されていてもよい。また、第2光学系129の第2ミラー123は、ダッシュボード210の内部に設けられ、第1光学系119を覆うように配置される反射防止カバー213の一部により構成されていてもよい。
第1表示素子111には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
[3−2.動作]
図6に示されるように、実施の形態3においては、虚像I1は、第1光学系119によって生成される。すなわち、第1表示素子111が表示する画像は、光学デバイス131で反射され、次いで第1ミラー112で反射され、次いで第2ミラー113で反射され、さらにウインドシールド220で反射され、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I1として視認される。
また、虚像I2は、第2光学系129によって生成される。すなわち、第1表示素子111が表示する画像は、光学デバイス131を透過し、次いで第1ミラー122で反射され、次いで第2ミラー123で反射され、さらにウインドシールド220で反射され、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I2として視認される。
ここで、光学デバイス131は、反射と透過とを切り替えることができる光学素子である。すなわち、一定の時間で反射と透過とを切り替えることで、第1表示素子111から出射された光束を、第1光学系119と第2光学系129とに交互に導くことができる。光学デバイス131の反射と透過とを、虚像I1に係る画像の光束と虚像I2に係る画像の光束とに関連付けて切り替えることにより、第1領域221に表示される虚像I1と第2領域222に表示される虚像I2とを同時に表示しているように見せることも可能である。この場合、光学デバイス131において反射と透過との切り替えを毎秒48フレーム以上の速さで行うことにより、観察者Dはちらつきを感じることが少なくなる。その結果、観察者Dは、常時虚像I1と虚像I2とが同時に表示されているように視認することが可能となる。また、光学デバイス131において、第1表示素子111から出射された光束を反射させる時間と透過させる時間との比率を変えることで、表示させる虚像の明るさを調整することができる。
また、一方の虚像を表示させずに、もう一方の虚像のみを表示させることも可能である。この場合、光学デバイス131は、例えば、液晶シャッタや電圧の印加に応じて透過と反射とを切り替える調光フィルムなどを用いることができる。
また、光学デバイス131として、波長帯域に応じて透過と反射の特性が異なるデバイスを用いることにより、2つの虚像を同時に表示させることができる。この特性を有するデバイスは、例えば、ダイクロイックミラーなどである。
また、光学デバイス131は、偏光方向により透過と反射の特性が変わる光学素子であってもよい。例えば、第1表示素子111から出射された光束のうち、一方の偏光を透過させて、第2光学系129に導き、他方の偏光を反射させて、第1光学系119に導き表示させることも可能である。この特性を有する光学素子は、例えば、偏光ビームスプリッタである。
[3−3.効果]
表示装置が、第1表示素子111と、光束を分割する光学デバイス131と、第1光学系119と、第2光学系129と、を備えることにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向(図6における上下方向)および車両200の前後方向(図6における左右方向)の寸法を短くし、ヘッドアップディスプレイ100を小型化しつつ、二つの虚像I1、I2によって大画面の虚像の表示が可能となる。また、表示する虚像毎に、表示位置や表示サイズを設定することが可能となる。
また、実施の形態1と同様に、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123として使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。さらに、第1表示素子111を第1光学系119および第2光学系129で共用させることで、低コストのヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態1と同様に、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123として使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。
(実施の形態4)
以下、図7を用いて、実施の形態4を説明する。
[4−1.構成]
図7は、車両200に搭載された、実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイ100を模式的に示す図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と第2表示装置120を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、コンバイナ113Aとを有している。コンバイナ113Aの反射面は、凹面であることが望ましい。第1表示素子111は、開口211に対して車両200の後方に配置されており、表示面をコンバイナ113Aに向けて設けられている。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第1ミラー122に対して反射面の大きい第2ミラー123とを備える。第1ミラー122は、開口211に対して車両200の後方に配置される。他方、第2ミラーは、開口211に対して車両200の前方に配置される。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面であることが望ましい。こうすることで、収差を抑えつつ、虚像I2の大型化が可能となる。
第1表示装置110のコンバイナ113Aは入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーである。コンバイナ113Aを半透過型ミラーとすることで、観察者Dの前方風景を遮ることなく、虚像I1を前方の風景に重畳して表示することが可能となる。
なお、第2表示装置120の第1ミラー122、第2ミラー123は、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであっても良い。
第1表示素子111は、その表示面の法線ベクトルが車両200の前方の成分を有するように配置している。第2表示素子121は、その表示面の法線ベクトルが車両200の後方の成分を有するように配置している。また、第1表示素子111および第2表示素子121には、バックライトを有する液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
図7に示すように、第1表示装置110は、第2表示装置120の鉛直方向の上方に配置される。換言すると、第1表示素子111は、ダッシュボード210の内部であって、第2表示装置120よりも開口211側に配置される。また、コンバイナ113Aは、ダッシュボード210の上に配置される。
第2光学系129は、第2表示素子121の上部であって、第1表示素子111の下方に配置している。このように配置することで、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュールとして組み立てることも可能となる。
[4−2.動作]
実施の形態4において、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示素子111が表示する画像は、コンバイナ113Aを介して反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、観察者Dに虚像I1として視認される。また、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示素子121が表示する画像は、第1ミラー122、第2ミラー123およびウインドシールド220によって反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、観察者Dに虚像I2として視認される。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係およびそれぞれの表示画像の中心光路L1、L2の光路を説明する。
第1表示素子111から出射された画像の中心光路L1は、ダッシュボードの開口211を通過して、コンバイナ113Aに入射する。コンバイナ113Aに入射し、反射した中心光路L1は、観察者Dに導かれ、観察者Dに虚像I1を視認させる。
第2表示素子121から出射された中心光路L2は、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。中心光路L2は、第1ミラー122で反射されて第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。そして、第2ミラー123で反射した中心光路L2は、開口211を通過し、ウインドシールド220に入射する。ウインドシールド220に入射した中心光路L2は、反射されて、視点領域400に導かれ観察者Dに虚像I2を視認させる。
第1表示素子111から出射された後にコンバイナ113Aに入射する中心光路L1のベクトルは、車両200の前方の成分を有している。一方、第2表示素子121から出射された後にウインドシールド220に入射する中心光路L2のベクトルは、車両200の後方の成分を有している。
[4−3.効果]
ヘッドアップディスプレイ100における表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120とに分けたことにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向と奥行き方向の寸法を短くすることが可能となる。また、小スペースでかつ、大画面の虚像を表示できるヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイ100では、中心光路L1上の部材で、コンバイナ113Aの直前に位置する第1表示素子111を、開口211に対して後方に配置し、中心光路L2上の部材で、ウインドシールド220の直前に位置する第2ミラー123を、開口211に対して前方に配置している。このように、第1表示装置110を構成する主要部材である第1表示素子111と、第2表示装置120を構成する主要部材である第2ミラー123を、それぞれ開口211に対して車両200の前後に配置することにより、筐体140内のスペースを有効活用でき、ヘッドアップディスプレイ100を小型化できる。
また、ヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とを別個に設けているため、表示領域毎に虚像の表示距離や表示サイズを設定することが可能である。
さらに、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュール化することで、組立性の向上を図ることができる。
(実施の形態5)
以下、図8を用いて、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。
[5−1.構成]
図8は、車両200に搭載された、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と第2表示装置120を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを有している。第1光学系119は、第1ミラー112と、コンバイナ113Aとを備える。コンバイナ113Aの反射面は凹面である。開口211に対して、第1表示素子111は、車両200の前方に、第1ミラー112は車両200の後方に配置されている。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第1ミラーよりも反射面の大きい第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面である。第1ミラー122は、開口211に対して車両200の後方に配置される。他方、第2ミラー123は、開口211に対して車両200の前方に配置される。
第1表示装置110のコンバイナ113Aは入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーである。コンバイナ113Aを半透過型ミラーとすることで、観察者Dの前方風景を遮ることなく、虚像I1を前方風景に重畳して表示することが可能である。
第2表示装置120の第1ミラー122、第2ミラー123は、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであっても良い。
第1表示素子111は、その表示面の法線ベクトルが車両200の後方および鉛直方向下方の成分を有するように配置している。第2表示素子121は、その表示面を車両200の後方に向けて配置している。第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
第1表示装置110は、第2表示装置120の鉛直方向の上方に配置される。第1表示素子111と、第1光学系119の第1ミラー112は、第2表示素子121と同様に、ダッシュボード210の内部に配置される。コンバイナ113Aは、ダッシュボード210の上に配置される。また、第2表示装置120の第2光学系129は、第1表示素子111よりも下方に配置し、第2光学系129の下方に第2表示素子121を配置している。このように、第1表示装置110と第2表示装置120とを領域に分けて配置することで、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュールとして組み立てることも可能となる。
[5−2.動作]
図8に示すように、実施の形態5においては、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示素子111が表示する画像は、第1ミラー112を介して反射し、次いでコンバイナ113Aを介して反射し、視点領域400に導かれて虚像I1として観察者Dに視認される。
また、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示素子121が表示する画像は、第1ミラー122を介して反射し、次いで第2ミラー123を介して反射し、さらにウインドシールド220を介して反射し、視点領域400に導かれ、観察者Dに虚像I2として視認される。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係と、それぞれの中心光路L1、L2の光路を説明する。
第1表示素子111から出射された画像の中心光路L1は、第1ミラー112で反射されて、ダッシュボードの開口211を通過し、コンバイナ113Aに入射する。中心光路L1はコンバイナ113Aによって反射されて、観察者Dに導かれ、観察者Dに虚像I1を視認させる。第2表示素子121から出射された中心光路L2は、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。中心光路L2は、第1ミラー122で反射されて第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。そして、中心光路L2は、第1表示装置110の第1表示素子111と第1ミラー112の間を通過し、次いで第1表示装置110の第1ミラー112とコンバイナ113Aの間を通過し、ウインドシールド220に入射し、反射された後、視点領域400に導かれて観察者Dに虚像I2を視認させる。
第1表示素子111から出射された後にコンバイナ113Aに入射する中心光路L1のベクトルは、車両200の前方の成分を有している。一方、第2表示素子121から出射された後にウインドシールド220に入射する中心光路L2のベクトルは、車両200の後方の成分を有している。
[5−3.効果]
表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120とに分けたことにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向と奥行き方向の寸法を短くすることが可能となる。また、小スペースでかつ、大画面の虚像を表示できるヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100では、中心光路L1上の部材で、コンバイナ113Aの直前に位置する第1ミラー112を、開口211に対して後方に配置し、中心光路L2上の部材で、ウインドシールド220の直前に位置する第2ミラー123を、開口211に対して前方に配置している。このように、第1表示装置110を構成する主要部材である第1ミラー112と、第2表示装置120を構成する主要部材である第2ミラー123を、それぞれ開口211に対して車両200の前後に配置することにより、筐体140内のスペースを有効活用でき、ヘッドアップディスプレイ100を小型化できる。
また、ヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とを別個に設けているため、表示領域毎に虚像の表示距離や表示サイズを設定することが可能である。
さらに、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュール化することで、組立性の向上を図ることができる。
(実施の形態6)
以下、図9を用いて、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。
[6−1.構成]
図9は、車両200に搭載された、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を模式的に示す図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と第2表示装置120を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、コンバイナ113Aとを有している。コンバイナ113Aの反射面は、凹面であることが望ましい。第1表示素子111は、開口211に対して車両200後方に配置される。第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第1ミラー122よりも反射面の大きい第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面であることが望ましい。また、第1ミラー122は、開口211に対して車両200の後方に配置される。他方、第2ミラー123は、開口211に対して車両200の前方に配置される。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面であることが望ましい。
第1表示装置110のコンバイナ113Aは、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであることが望ましい。コンバイナ113Aを半透過型ミラーで構成することで、観察者Dの前方風景を遮ることなく、虚像I1を前方風景に重畳して表示することが可能である。第2表示装置120の第1ミラー122、第2ミラー123は、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであっても良い。
第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
第1表示素子111は、第2表示素子121と同様に、ダッシュボード210(筐体の一例)の内部に配置され、その表示面の法線ベクトルは、車両200の前方の成分を有している。また、第1表示素子111は第2表示装置120の第1ミラー122の鉛直下方向であって、第2表示素子121の車両200の後方に隣接して配置される。コンバイナ113Aは、ダッシュボード210の上に配置される。
第2表示素子121は、第2光学系129の鉛直下方に配置され、その表示面の法線ベクトルは、車両200の後方の成分を有している。第1表示素子111と第2表示素子121の間に遮光壁を設けて、それぞれの表示面に出射光が入射しないようにしてもよい。
[6−2.動作]
図9に示すように、実施の形態6において、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示素子111が表示する画像は、コンバイナ113Aを介して反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、虚像I1として視認される。
また、図9に示すように、実施の形態6において、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示素子121が表示する画像は、第1ミラー122、第2ミラー123およびウインドシールド220によって反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、虚像I2として視認される。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係および中心光路L1、L2の光路を説明する。
第1表示素子111から出射された中心光路L1は、第2表示装置120の第2表示素子121と第1ミラー122の間、第2表示装置120の第1ミラー122と第2ミラー123の間、開口211の順に通過し、コンバイナ113Aで反射された後、観察者Dに導かれて虚像I1を視認させる。このような構成とすることで、光路長の確保と、ダッシュボード210の小型化を実現できる。
第1表示素子111から出射された後にコンバイナ113Aに入射する中心光路L1のベクトルは、車両200の前方方向の成分を有している。一方、第2表示素子121から出射された後にウインドシールド220に入射する中心光路L2のベクトルは、車両200の後方方向の成分を有している。このような構成とすることで、開口211を通過する中心光路L1、L2の光路を、開口211付近で交わらすことができ、開口211を小さく構成することができる。実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
[6−3.効果]
表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120とに分けたことにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向と奥行き方向の寸法を短くすることが可能となる。また、小スペースでかつ、大画面の虚像を表示できるヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100では、中心光路L1上の部材で、コンバイナ113Aの直前に位置する第1表示素子111を、開口211に対して後方に配置し、中心光路L2上の部材でウインドシールド220の直前に位置する第2ミラー123を開口211に対して前方に配置している。このように、第1表示装置110を構成する主要部材である第1表示素子111と、第2表示装置120を構成する主要部材である第2ミラー123を、それぞれ開口211に対して車両200の前後に配置することにより、筐体140のスペースを有効活用でき、ヘッドアップディスプレイ100を小型化できる。
また、ヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とを別個に設けているため、表示領域に応じた虚像の表示距離や表示サイズを設定することが可能である。
また、実施の形態6では、第1表示素子111から出射されてコンバイナ113Aに入射する光線が、第2表示素子121と第2表示装置120の第1ミラー122との間を通過するように、第1表示素子111が第1ミラー122より下方に配置されている。このような第1表示素子111の配置を採用した場合、第1表示素子111からコンバイナ113Aまでの距離を長くすることができるので、観察者Dから見た虚像I1の視認距離を長くすることができ、さらに、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向の寸法を短くすることができる。
(実施の形態7)
以下、図10を用いて、実施の形態7を説明する。
[7−1.構成]
図10は、実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイ100の断面を模式的に示す図である。実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイ100は、車両200のダッシュボード210の内部に配置される。また、ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを有している。第1光学系119は、第1ミラー112と、第2ミラー113と、フレネルレンズ114とを備える。第1ミラー112および第2ミラー113は、反射光学系を構成する。フレネルレンズ114は、入射光を透過する部材で構成される屈折光学系の一例である。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面であることが望ましい。フレネルレンズ114は正のパワーを有しており、フレネル面を出射面側に設けている。また、第1表示素子111の表示領域から出射された画像の中心光路L1がフレネルレンズ114に入射する位置は、回転中心である中心軸AXに対し、移動体である車両200のウインドシールド220側に存在するように構成されている。フレネルレンズ114は、第1表示素子111に表示される画像の中心光路L1が出射する側の面にフレネル面を有する。
このような構成とすることで、第2ミラー113で反射される画像の中心光路L1は、屈折光学系であるフレネルレンズ114により偏向されることとなり、ウインドシールド220の傾きに対応させて観察者Dが視認可能な位置に、画像の中心光路L1の結像点を形成することができる。また、フレネルレンズ114の切欠き溝の角度をフレネルレンズ114の出射光と平行に近づけることで虚像I1のフレアを低減することができる。また、フレネルレンズ114のフレネル面を非球面とすることで、単色収差の補正をすることができる。
第1表示素子111には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
図10に示すように、実施の形態7においては、第1表示装置110は、観察者Dに虚像I1を視認させる。第1表示素子111が表示する画像は、第1ミラー112および第2ミラー113によってこの順に反射され、フレネルレンズ114で拡大し、ダッシュボード210の開口211を通過して、さらにウインドシールド220によって反射され、観察者Dの視点領域400に導かれる。これにより、観察者Dは虚像I1を視認することができる。
[7−2.効果]
以上のように、第1表示装置110でフレネルレンズ114を使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向の寸法を短くすることが可能となる。
また、本実施の形態では、フレネルレンズ114の回転中心を、第1表示素子111の中心から出射された中心光線がフレネルレンズ114に入射する位置より車両200の後方方向に偏心させ、第2ミラー113によって反射された光を車両200の後方側に屈折させている。このように構成した場合、フレネルレンズ114を用いない場合と比べて、第2ミラー113の位置を車両前方側にずらすことができる。車両200のダッシュボード210内には、通常、メータパネル等の車両構造物が配置されているが、第2ミラー113の位置を車両前方側にずらせることによって、第2ミラー113とダッシュボード210内の車両構造物との干渉を低減できる。したがって、ヘッドアップディスプレイ100の車両への搭載性を向上できる。
さらに、本実施の形態に係る第1表示装置110は、モジュール化することが可能であり、組立性の向上を図ることができる。
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜7を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。
以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1〜7において、光学系のミラーの枚数は、それぞれ2枚に限定されることはなく、虚像の表示距離や表示素子の大きさなどに応じて、光学系のミラーの枚数を変更することができる。また、車両内部に本開示のヘッドアップディスプレイを搭載する場合、搭載可能な空間の大きさに応じて、表示画像の光束の折り曲げ回数を変更し、これに応じて適宜、ミラーの枚数を変更することができる。
実施の形態1〜6において、第2光学系の第2ミラーの一部を半透過ミラーにして、半透過部は、第1光学系の光束の一部に架かるように設けることもできる。このように構成することで、異なる表示領域を連続的につなぐこともできる。
実施の形態1〜6では、虚像I1が表示される第1領域221と虚像I2が表示される第2領域222とが重ならない例を説明した。しかし、表示内容によっては、第1領域221の一部と第2領域222の一部とが重なるように、第1の光学系のミラーと第2光学系のミラーとを配置してもよい。
実施の形態7において、ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110の1つの表示装置の例で説明した。しかし、実施の形態1〜6と同様に、表示装置を2つ用いて構成することも可能ある。
実施の形態7では、光学系の一部にフレネルレンズ114を用いた。しかしながら、フレネルレンズ114以外の凸レンズを用いても第2ミラー113の小型化が図れる。また、フレネルレンズ114を開口211のカバーの代わりに配置しても良い。
また、実施の形態7では、フレネルレンズ114の入射面を平面とし、出射面をフレネル面とした屈折光学系を用いた例を説明したが、入射面が凸面である屈折光学系を用いても良い。また、屈折光学系として、入射面をフレネル面としたフレネルレンズを用いても良い。
また、実施の形態7では、屈折光学系の中心軸を、中心光線が屈折光学系に入射する入射位置より車両後方側に偏心させた例を説明したが、屈折光学系の中心軸を、画像の中心光線が屈折光学系に入射する入射位置より車両前方側に偏心させても良い。この場合、屈折光学系が反射光学系によって反射された光を車両前方側に屈折させるため、屈折光学系の中心軸を偏心させない場合と比べて、第2ミラーの位置を車両後方側にずらすことができる。このように、屈折光学系の中心軸を車両後方側または車両前方側に偏心させることによって、第2ミラーの車両のダッシュボードに対する前後方向の位置を適宜変更することができる。これにより、第2ミラーの配置の自由度を向上させることができる。
実施の形態1〜7では、ヘッドアップディスプレイ100は車両200の内部に搭載される例を説明したが、航空機や電車等の自動車以外の移動体に搭載されても良い。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、ウインドシールドを有する移動体などに搭載されるヘッドアップディスプレイに適用可能である。
100 ヘッドアップディスプレイ
110 第1表示装置
111 第1表示素子
112 第1ミラー
113 第2ミラー
113A コンバイナ
114 フレネルレンズ
119 第1光学系
120 第2表示装置
121 第2表示素子
122 第1ミラー
123 第2ミラー
129 第2光学系
131 光学デバイス
140 筐体
200 車両(移動体の一例)
210 ダッシュボード
210a 前方パネル
211 開口
213 反射防止カバー
220 ウインドシールド
221 第1領域
222 第2領域
本開示は、反射手段に投射した表示画像を虚像として観察者に視認させるヘッドアップディスプレイ、およびヘッドアップディスプレイを搭載した移動体に関する。
特許文献1は、表示像に遠近感を付与し、視覚的演出効果のある表示装置を開示する。この表示装置は、プロジェクタと、第1の画像を表示する第1のスクリーンと、第2の画像を表示する第2のスクリーンと、プリズムシートと、反射部材とを備える。これにより、遠近感のある2つの表示像を運転者に視認させることができる。
特開2013−83675号公報
本開示に係るヘッドアップディスプレイは、ウインドシールドを有する移動体に搭載され、観察者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイであって、画像を表示する表示素子と、表示素子に表示される画像を反射してウインドシールドに投射する反射光学系と、反射光学系とウインドシールドとの間に配置され、パワーを有する屈折光学系とを備える。表示素子から出射されて反射光学系により反射される画像の中心光路が屈折光学系に入射する位置は、屈折光学系の中心軸に対して、移動体のウインドシールド側に存在するように構成した。
図1は、本開示のヘッドアップディスプレイを搭載した車両の概略構成図である。 図2は、本開示のヘッドアップディスプレイの構成を説明する模式図である。 図3は、本開示のヘッドアップディスプレイを動作させた際の観察者から見たウインドシールドを示す図である。 図4は、実施の形態1におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図5は、実施の形態2におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図6は、実施の形態3におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図7は、実施の形態4におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図8は、実施の形態5におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図9は、実施の形態6におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。 図10は、実施の形態7におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す模式図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
以下、図1〜4を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
[1−1−1.全体構成]
図1は、本開示のヘッドアップディスプレイ100を搭載した車両200(移動体の一例)の構成を示す図である。ヘッドアップディスプレイ100は、図1に示されるように、車両200のダッシュボード210内部に配置される。観察者Dは、ヘッドアップディスプレイ100の内部に配置されている表示素子および光学系により生成され、ウインドシールド220を介して反射する虚像I1およびI2を視認する。ヘッドアップディスプレイ100は、車両200のウインドシールド220に画像を投影し、これによりウインドシールド220に対して観察者D側とは反対側に虚像I1およびI2を形成し、観察者Dは、虚像I1およびI2を視認する。図1に示す点線もしくは鎖線は、投影される画像の中心光路L1およびL2を示しており、以下の説明においても、中心光路L1およびL2は、点線もしくは鎖線で図示している。
図2は、本開示のヘッドアップディスプレイ100の構成を示す概略構成図である。なお、図2は、ヘッドアップディスプレイ100の一部を切り欠いて示している。
図2に示すように、本開示によるヘッドアップディスプレイ100は、開口211を有する筐体140内に、画像を表示する第1表示素子111と、第1表示素子111が表示する画像をウインドシールド220に投影する投射光学系を収容することにより構成される。これにより、観察者Dは、ウインドシールド220を通して表示画像の虚像Iを視認できる。ウインドシールド220に投影される画像は、所定の視認領域であるアイボックス(Eye Box)400において、虚像I1、I2を欠けることなく視認可能となる。
筐体140の開口211は、投射光学系の投射光を出射する出射口を形成している。筐体140の開口211は、その開口211を塞ぐように透明な樹脂板などの透光性の反射防止カバー213を配置してもよい。
第1表示素子111は、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイなどが用いられ、図示しない表示制御部から入力される画像信号により、第1表示素子111の表示領域に所定の画像が表示される。
また、投射光学系は、第1表示素子111からウインドシールド220までの光路に、第1表示素子111側に配置される第1反射部材としての第1ミラー112と、開口211側に配置される第2反射部材としての第2ミラー113とを有する。
図3は、観察者Dから見た場合の、虚像I1が表示される第1領域221と、虚像I2が表示される第2領域222との位置関係を示す図である。
観察者Dから見て、虚像I1は、虚像I2より下方に位置する。虚像I1を表示する第1領域221には、常時表示するスピードメーターなどが表示され、虚像I2を表示する第2領域222には、警告等の観察者Dに注意を喚起する表示内容や、走行状況に応じた表示内容が表示される。
[1−1−2.表示装置の配置構成]
図4は、実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を模式的に示している。ヘッドアップディスプレイ100は、その内部に、第1表示装置110と、第1表示装置110の上部に配置される第2表示装置120とを有している。
第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを備える。第1光学系119は、第1ミラー112と第2ミラー113とを備える。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面である。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを備える。第2表示素子121は、第1表示装置の第1ミラー112の鉛直下方に配置される。第2光学系129は、第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123の反射面は、凹面である。
第2光学系129の第2ミラー123は、車両200の前方にある第1ミラー122で反射される表示画像の光束をウインドシールド220に向けて反射する。また、第2ミラー123の反射面において、表示された画像の中央付近の接平面の法線ベクトルは、車両200の前方側の成分を有している。このような構成とすることにより、ウインドシールド220を通して外光が入射した際に、第2ミラー123で反射した外光が直接、観察者Dに導かれることがない。また、ウインドシールド220を通して入射した外光が、第2ミラー123で反射した後、さらに、ウインドシールド220などの反射部材で少なくとも1回反射した場合でも、観察者Dに導かれることが抑制される。
第1表示装置110の第1ミラー112および第2ミラー113、ならびに、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123は、入射した光束を一部反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであってもよい。
第2表示装置120の第1ミラー122は、ダッシュボード210の前方部分を構成する前面パネル(装飾部材)210aの一部により構成されていてもよい。また、第2表示装置120の第2ミラー123は、ダッシュボード210の内部に設けられている。また第2ミラー123は、第1光学系119を覆うように配置される反射防止カバー213の一部により構成されていてもよいし、反射防止カバー213と連続的に配置してもよい。
第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
[1−2.動作]
図4に示すように、実施の形態1においては、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示装置110は、第1表示素子111が表示する画像を、第1ミラー112を介して反射させ、次いで第2ミラー113を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I1として視認させる。また、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示装置120は、第2表示素子121が表示する画像を、第1ミラー122を介して反射させ、次いで第2ミラー123を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I2として視認させる。第1表示装置110の画像の中心光路L1は、第2表示装置120の画像の中心光路L2よりもウインドシールド220の下方の位置に反射する。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係を説明する。図4に示すように、第2表示素子121から出射される画像の中心光路L2で示す光束は、第1表示素子111と、第1表示装置110の第1ミラー112との間を通過する。次に、第1表示装置110の第1ミラー112と第1表示装置110の第2ミラー113との間を通り、さらに第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通り、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。第2表示装置120の第1ミラー122で反射する光束は、第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通って第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。第2表示装置120の第2ミラー123で反射する光束は、ウインドシールド220に入射し、反射された後、観察者Dの視点領域400に導かれて虚像I2として視認される。
以上のように、実施の形態1においては、第2表示素子121から出射された画像の光束は、ウインドシールド220に入射するまでに、第1表示素子111から出射された光束と5回交差し、観察者Dに導かれて虚像I2として視認される。また、第1表示素子111から出射された画像の光束は、ウインドシールド220に入射するまでに、第2表示素子121から出射された光束と4回交差し、ウインドシールド220で反射された後、1回交差し、観察者Dに導かれて虚像I1として視認される。つまり、第1表示素子111から出射された光束と第2表示素子121から出射された光束とは、観察者Dに導かれてそれぞれ虚像I1および虚像I2として視認されるまでに、ダッシュボード210の内部で4回交差し、ダッシュボード210の外部で1回交差する。
[1−3.効果]
表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120に分けることによって、ヘッドアップディスプレイ100全体の深さ方向(図4における上下方向)および車両200の前後方向(図4における左右方向)の寸法を短くし、ヘッドアップディスプレイ100を小型化しつつ、二つの虚像I1、I2によって大画面の虚像の表示が可能となる。一般に、ヘッドアップディスプレイ100が搭載される車両200のダッシュボード内には、リーンホースメントやエアコンダクトなどの車両構造物が設けられるが、実施の形態1のヘッドアップディスプレイ100は、その深さ方向および車両200の前後方向の寸法を小さくできるので、これらの車両構造物と干渉することを抑制できる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とが表示する虚像毎に、表示距離や表示サイズを設定することが可能となる。
また、実施の形態1に係るヘッドアップディスプレイ100は、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123として使用している。この場合、自動車特有の構造物を、第2表示装置120の第2光学系129として利用しているため、第2表示装置120を更に小型化することができる。したがって、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。
(実施の形態2)
以下、図5を用いて、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。実施の形態2は、第2表示装置120の第2表示素子121の配置位置が、第1表示装置110の鉛直上方に配置されている点において、実施の形態1と異なる。
[2−1.構成]
図5は、実施の形態2に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と、第1表示装置110の鉛直方向の上部に配置される第2表示装置120とを有している。
第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを備える。第1光学系119は、第1ミラー112と、第2ミラー113とを備える。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面であることが望ましい。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを備える。第2光学系129は、第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2表示素子121は、第2ミラー123の鉛直下方であって、第1表示装置110の第1ミラー112の鉛直上方に配置される。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凹面、第2ミラー123の反射面は凹面とすることが望ましい。第2光学系129の第2ミラー123は、車両200の前方にある第1ミラー122から入射した光束をウインドシールド220に向けて反射する。また、第2ミラー123の反射面は凹面であって、第2表示素子121の画像中心(L2)を反射する位置の接平面の法線が、車両200の前方方向のベクトル成分を有している。このような構成とすることにより、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した場合でも直接観察者Dに導かれることがない。また、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した後、さらに、ウインドシールド220などの反射部材で反射した場合でも、観察者Dに導かれることが抑制される。
第1表示装置110の第1ミラー112および第2ミラー113、ならびに、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123は、入射した光束を一部反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであってもよい。
第2表示装置120の第1ミラー122は、ダッシュボード210の前方部分を構成する前面パネル(装飾部材)210aの一部により構成されていてもよい。また、第2表示装置120の第2ミラー123は、ダッシュボード210の内部に設けられる。第2ミラー123は、第1光学系119を覆うように配置される反射防止カバー213の一部により構成されていてもよいし、反射防止カバー213と連続的に配置してもよい。
第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
[2−2.動作]
図5に示されるように、実施の形態2においては、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示装置110は、第1表示素子111が表示する画像を、第1ミラー112を介して反射させ、次いで第2ミラー113を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I1として視認させる。第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示装置120は、第2表示素子121が表示する画像を、第1ミラー122を介して反射させ、次いで第2ミラー123を介して反射させ、さらにウインドシールド220を介して反射させ、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I2として視認させる。第1表示装置110の画像の中心光路L1は、第2表示装置120の画像の中心光路L2よりもウインドシールド220の下方を反射する。
実施の形態2においては、実施の形態1とは異なり、第2表示素子121から出射された光束は、第1表示装置110の第1表示素子111と第1ミラー112との間、および、第1ミラー112と第2ミラー113との間のいずれも通らない。第2表示装置120の第2表示素子121から出射された光束は、第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通り、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。第2表示装置120の第1ミラー122に入射した光束は、反射され、第1表示装置110の第2ミラー113とウインドシールド220との間を通り、第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。第2表示装置120の第2ミラー123に入射した光束は反射され、ウインドシールド220に反射された後、観察者Dの視点領域400に導かれて観察者Dに虚像I2を視認させる。
[2−3.効果]
表示装置を第1表示装置110および第2表示装置120に分けることにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向(図5における上下方向)および車両200の前後方向(図5における左右方向)の寸法を短くし、ヘッドアップディスプレイ100を小型化しつつ、二つの虚像I1、I2によって大画面の虚像の表示が可能となる。また、第1表示装置110と第2表示装置120とが表示する虚像毎に、表示位置や表示サイズを設定することが可能となる。
また、実施の形態1と同様に、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2表示装置120の第1ミラー122および第2ミラー123として使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。
さらに、本実施の形態では、第2表示装置120の第2表示素子121を第2ミラー123の鉛直下方であって、第1表示装置110の第1ミラー112の鉛直上方に配置している。これにより、第1表示装置110と第2表示装置120とをそれぞれモジュール化することができ、組立性の向上を図ることができる。
(実施の形態3)
以下、図6を用いて、実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。
[3−1.構成]
図6は、実施の形態3に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を説明する模式図である。ヘッドアップディスプレイ100は、その内部に、第1光学系119と、第2光学系129と、第1表示素子111と、光束を分割する光学デバイス131とを備える。
第1光学系119は、第1ミラー112と、第2ミラー113とを備える。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面であることが望ましい。
第2光学系129は、第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第2ミラー123の反射面は、凹面であることが望ましい。第2光学系129は、第1光学系119の鉛直方向の上方に配置される。
光学デバイス131は、第1表示素子111から出射される光束を、時間ごとに分割する機能を有する。あるいは、光学デバイス131は、第1表示素子111から出射される光束を、波長帯域ごとに分割する機能を有するものであってもよい。あるいは、光学デバイス131は、第1表示素子111から出射される光束を、偏光方向により分割する機能を有するものであってもよい。
第2光学系129の第2ミラー123は、車両200の前方にある第1ミラー122から入射した光束をウインドシールド220に向けて反射する。また、第2ミラー123の反射面は凹面であって、第1表示素子111の画像中心(L2)を反射する位置の接平面の法線が、車両200の前方方向のベクトル成分を有している。このような構成とすることにより、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した場合でも直接観察者Dに導かれることがない。また、ウインドシールド220を通過して入射した外光が、第2ミラー123で反射した後、さらに、ウインドシールド220などの反射部材で反射した場合でも、観察者Dに導かれることが抑制される。
第1光学系119の第1ミラー112および第2ミラー113、ならびに、第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123は、入射した光束を一部反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであってもよい。
第2光学系129の第1ミラー122は、ダッシュボード210の前方部分を構成する前面パネル(装飾部材)210aの一部により構成されていてもよい。また、第2光学系129の第2ミラー123は、ダッシュボード210の内部に設けられ、第1光学系119を覆うように配置される反射防止カバー213の一部により構成されていてもよい。
第1表示素子111には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
[3−2.動作]
図6に示されるように、実施の形態3においては、虚像I1は、第1光学系119によって生成される。すなわち、第1表示素子111が表示する画像は、光学デバイス131で反射され、次いで第1ミラー112で反射され、次いで第2ミラー113で反射され、さらにウインドシールド220で反射され、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I1として視認される。
また、虚像I2は、第2光学系129によって生成される。すなわち、第1表示素子111が表示する画像は、光学デバイス131を透過し、次いで第1ミラー122で反射され、次いで第2ミラー123で反射され、さらにウインドシールド220で反射され、観察者Dの視点領域400に導いて観察者Dに虚像I2として視認される。
ここで、光学デバイス131は、反射と透過とを切り替えることができる光学素子である。すなわち、一定の時間で反射と透過とを切り替えることで、第1表示素子111から出射された光束を、第1光学系119と第2光学系129とに交互に導くことができる。光学デバイス131の反射と透過とを、虚像I1に係る画像の光束と虚像I2に係る画像の光束とに関連付けて切り替えることにより、第1領域221に表示される虚像I1と第2領域222に表示される虚像I2とを同時に表示しているように見せることも可能である。この場合、光学デバイス131において反射と透過との切り替えを毎秒48フレーム以上の速さで行うことにより、観察者Dはちらつきを感じることが少なくなる。その結果、観察者Dは、常時虚像I1と虚像I2とが同時に表示されているように視認することが可能となる。また、光学デバイス131において、第1表示素子111から出射された光束を反射させる時間と透過させる時間との比率を変えることで、表示させる虚像の明るさを調整することができる。
また、一方の虚像を表示させずに、もう一方の虚像のみを表示させることも可能である。この場合、光学デバイス131は、例えば、液晶シャッタや電圧の印加に応じて透過と反射とを切り替える調光フィルムなどを用いることができる。
また、光学デバイス131として、波長帯域に応じて透過と反射の特性が異なるデバイスを用いることにより、2つの虚像を同時に表示させることができる。この特性を有するデバイスは、例えば、ダイクロイックミラーなどである。
また、光学デバイス131は、偏光方向により透過と反射の特性が変わる光学素子であってもよい。例えば、第1表示素子111から出射された光束のうち、一方の偏光を透過させて、第2光学系129に導き、他方の偏光を反射させて、第1光学系119に導き表示させることも可能である。この特性を有する光学素子は、例えば、偏光ビームスプリッタである。
[3−3.効果]
表示装置が、第1表示素子111と、光束を分割する光学デバイス131と、第1光学系119と、第2光学系129と、を備えることにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向(図6における上下方向)および車両200の前後方向(図6における左右方向)の寸法を短くし、ヘッドアップディスプレイ100を小型化しつつ、二つの虚像I1、I2によって大画面の虚像の表示が可能となる。また、表示する虚像毎に、表示位置や表示サイズを設定することが可能となる。
また、実施の形態1と同様に、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123として使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。さらに、第1表示素子111を第1光学系119および第2光学系129で共用させることで、低コストのヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態1と同様に、前面パネル212の一部および反射防止カバー213の一部を、それぞれ、第2光学系129の第1ミラー122および第2ミラー123として使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100全体の更なる小型化を実現できる。
(実施の形態4)
以下、図7を用いて、実施の形態4を説明する。
[4−1.構成]
図7は、車両200に搭載された、実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイ100を模式的に示す図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と第2表示装置120を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、コンバイナ113Aとを有している。コンバイナ113Aの反射面は、凹面であることが望ましい。第1表示素子111は、開口211に対して車両200の後方に配置されており、表示面をコンバイナ113Aに向けて設けられている。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第1ミラー122に対して反射面の大きい第2ミラー123とを備える。第1ミラー122は、開口211に対して車両200の後方に配置される。他方、第2ミラーは、開口211に対して車両200の前方に配置される。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面であることが望ましい。こうすることで、収差を抑えつつ、虚像I2の大型化が可能となる。
第1表示装置110のコンバイナ113Aは入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーである。コンバイナ113Aを半透過型ミラーとすることで、観察者Dの前方風景を遮ることなく、虚像I1を前方の風景に重畳して表示することが可能となる。
なお、第2表示装置120の第1ミラー122、第2ミラー123は、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであっても良い。
第1表示素子111は、その表示面の法線ベクトルが車両200の前方の成分を有するように配置している。第2表示素子121は、その表示面の法線ベクトルが車両200の後方の成分を有するように配置している。また、第1表示素子111および第2表示素子121には、バックライトを有する液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
図7に示すように、第1表示装置110は、第2表示装置120の鉛直方向の上方に配置される。換言すると、第1表示素子111は、ダッシュボード210の内部であって、第2表示装置120よりも開口211側に配置される。また、コンバイナ113Aは、ダッシュボード210の上に配置される。
第2光学系129は、第2表示素子121の上部であって、第1表示素子111の下方に配置している。このように配置することで、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュールとして組み立てることも可能となる。
[4−2.動作]
実施の形態4において、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示素子111が表示する画像は、コンバイナ113Aを介して反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、観察者Dに虚像I1として視認される。また、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示素子121が表示する画像は、第1ミラー122、第2ミラー123およびウインドシールド220によって反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、観察者Dに虚像I2として視認される。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係およびそれぞれの表示画像の中心光路L1、L2の光路を説明する。
第1表示素子111から出射された画像の中心光路L1は、ダッシュボードの開口211を通過して、コンバイナ113Aに入射する。コンバイナ113Aに入射し、反射した中心光路L1は、観察者Dに導かれ、観察者Dに虚像I1を視認させる。
第2表示素子121から出射された中心光路L2は、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。中心光路L2は、第1ミラー122で反射されて第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。そして、第2ミラー123で反射した中心光路L2は、開口211を通過し、ウインドシールド220に入射する。ウインドシールド220に入射した中心光路L2は、反射されて、視点領域400に導かれ観察者Dに虚像I2を視認させる。
第1表示素子111から出射された後にコンバイナ113Aに入射する中心光路L1のベクトルは、車両200の前方の成分を有している。一方、第2表示素子121から出射された後にウインドシールド220に入射する中心光路L2のベクトルは、車両200の後方の成分を有している。
[4−3.効果]
ヘッドアップディスプレイ100における表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120とに分けたことにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向と奥行き方向の寸法を短くすることが可能となる。また、小スペースでかつ、大画面の虚像を表示できるヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態4に係るヘッドアップディスプレイ100では、中心光路L1上の部材で、コンバイナ113Aの直前に位置する第1表示素子111を、開口211に対して後方に配置し、中心光路L2上の部材で、ウインドシールド220の直前に位置する第2ミラー123を、開口211に対して前方に配置している。このように、第1表示装置110を構成する主要部材である第1表示素子111と、第2表示装置120を構成する主要部材である第2ミラー123を、それぞれ開口211に対して車両200の前後に配置することにより、筐体140内のスペースを有効活用でき、ヘッドアップディスプレイ100を小型化できる。
また、ヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とを別個に設けているため、表示領域毎に虚像の表示距離や表示サイズを設定することが可能である。
さらに、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュール化することで、組立性の向上を図ることができる。
(実施の形態5)
以下、図8を用いて、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。
[5−1.構成]
図8は、車両200に搭載された、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を示す模式図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と第2表示装置120を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを有している。第1光学系119は、第1ミラー112と、コンバイナ113Aとを備える。コンバイナ113Aの反射面は凹面である。開口211に対して、第1表示素子111は、車両200の前方に、第1ミラー112は車両200の後方に配置されている。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第1ミラーよりも反射面の大きい第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面である。第1ミラー122は、開口211に対して車両200の後方に配置される。他方、第2ミラー123は、開口211に対して車両200の前方に配置される。
第1表示装置110のコンバイナ113Aは入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーである。コンバイナ113Aを半透過型ミラーとすることで、観察者Dの前方風景を遮ることなく、虚像I1を前方風景に重畳して表示することが可能である。
第2表示装置120の第1ミラー122、第2ミラー123は、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであっても良い。
第1表示素子111は、その表示面の法線ベクトルが車両200の後方および鉛直方向下方の成分を有するように配置している。第2表示素子121は、その表示面を車両200の後方に向けて配置している。第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
第1表示装置110は、第2表示装置120の鉛直方向の上方に配置される。第1表示素子111と、第1光学系119の第1ミラー112は、第2表示素子121と同様に、ダッシュボード210の内部に配置される。コンバイナ113Aは、ダッシュボード210の上に配置される。また、第2表示装置120の第2光学系129は、第1表示素子111よりも下方に配置し、第2光学系129の下方に第2表示素子121を配置している。このように、第1表示装置110と第2表示装置120とを領域に分けて配置することで、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュールとして組み立てることも可能となる。
[5−2.動作]
図8に示すように、実施の形態5においては、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示素子111が表示する画像は、第1ミラー112を介して反射し、次いでコンバイナ113Aを介して反射し、視点領域400に導かれて虚像I1として観察者Dに視認される。
また、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示素子121が表示する画像は、第1ミラー122を介して反射し、次いで第2ミラー123を介して反射し、さらにウインドシールド220を介して反射し、視点領域400に導かれ、観察者Dに虚像I2として視認される。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係と、それぞれの中心光路L1、L2の光路を説明する。
第1表示素子111から出射された画像の中心光路L1は、第1ミラー112で反射されて、ダッシュボードの開口211を通過し、コンバイナ113Aに入射する。中心光路L1はコンバイナ113Aによって反射されて、観察者Dに導かれ、観察者Dに虚像I1を視認させる。第2表示素子121から出射された中心光路L2は、第2表示装置120の第1ミラー122に入射する。中心光路L2は、第1ミラー122で反射されて第2表示装置120の第2ミラー123に入射する。そして、中心光路L2は、第1表示装置110の第1表示素子111と第1ミラー112の間を通過し、次いで第1表示装置110の第1ミラー112とコンバイナ113Aの間を通過し、ウインドシールド220に入射し、反射された後、視点領域400に導かれて観察者Dに虚像I2を視認させる。
第1表示素子111から出射された後にコンバイナ113Aに入射する中心光路L1のベクトルは、車両200の前方の成分を有している。一方、第2表示素子121から出射された後にウインドシールド220に入射する中心光路L2のベクトルは、車両200の後方の成分を有している。
[5−3.効果]
表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120とに分けたことにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向と奥行き方向の寸法を短くすることが可能となる。また、小スペースでかつ、大画面の虚像を表示できるヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態5に係るヘッドアップディスプレイ100では、中心光路L1上の部材で、コンバイナ113Aの直前に位置する第1ミラー112を、開口211に対して後方に配置し、中心光路L2上の部材で、ウインドシールド220の直前に位置する第2ミラー123を、開口211に対して前方に配置している。このように、第1表示装置110を構成する主要部材である第1ミラー112と、第2表示装置120を構成する主要部材である第2ミラー123を、それぞれ開口211に対して車両200の前後に配置することにより、筐体140内のスペースを有効活用でき、ヘッドアップディスプレイ100を小型化できる。
また、ヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とを別個に設けているため、表示領域毎に虚像の表示距離や表示サイズを設定することが可能である。
さらに、第1表示装置110と第2表示装置120をそれぞれモジュール化することで、組立性の向上を図ることができる。
(実施の形態6)
以下、図9を用いて、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100を説明する。
[6−1.構成]
図9は、車両200に搭載された、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100の構成を模式的に示す図である。ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110と第2表示装置120を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、コンバイナ113Aとを有している。コンバイナ113Aの反射面は、凹面であることが望ましい。第1表示素子111は、開口211に対して車両200後方に配置される。第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第1ミラー122よりも反射面の大きい第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面であることが望ましい。また、第1ミラー122は、開口211に対して車両200の後方に配置される。他方、第2ミラー123は、開口211に対して車両200の前方に配置される。
第2表示装置120は、第2表示素子121と、第2光学系129とを有している。第2光学系129は第1ミラー122と、第2ミラー123とを備える。第2光学系129の第1ミラー122の反射面は凸面、第2ミラー123の反射面は凹面であることが望ましい。
第1表示装置110のコンバイナ113Aは、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであることが望ましい。コンバイナ113Aを半透過型ミラーで構成することで、観察者Dの前方風景を遮ることなく、虚像I1を前方風景に重畳して表示することが可能である。第2表示装置120の第1ミラー122、第2ミラー123は、入射した光束の一部を反射する半透過型ミラーであっても、全光束を反射するミラーであっても良い。
第1表示素子111および第2表示素子121には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
第1表示素子111は、第2表示素子121と同様に、ダッシュボード210(筐体の一例)の内部に配置され、その表示面の法線ベクトルは、車両200の前方の成分を有している。また、第1表示素子111は第2表示装置120の第1ミラー122の鉛直下方向であって、第2表示素子121の車両200の後方に隣接して配置される。コンバイナ113Aは、ダッシュボード210の上に配置される。
第2表示素子121は、第2光学系129の鉛直下方に配置され、その表示面の法線ベクトルは、車両200の後方の成分を有している。第1表示素子111と第2表示素子121の間に遮光壁を設けて、それぞれの表示面に出射光が入射しないようにしてもよい。
[6−2.動作]
図9に示すように、実施の形態6において、第1表示装置110は、虚像I1を表示する。第1表示素子111が表示する画像は、コンバイナ113Aを介して反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、虚像I1として視認される。
また、図9に示すように、実施の形態6において、第2表示装置120は、虚像I2を表示する。第2表示素子121が表示する画像は、第1ミラー122、第2ミラー123およびウインドシールド220によって反射され、観察者Dの視点領域400に導かれ、虚像I2として視認される。
ここで、第1表示装置110と第2表示装置120との位置関係および中心光路L1、L2の光路を説明する。
第1表示素子111から出射された中心光路L1は、第2表示装置120の第2表示素子121と第1ミラー122の間、第2表示装置120の第1ミラー122と第2ミラー123の間、開口211の順に通過し、コンバイナ113Aで反射された後、観察者Dに導かれて虚像I1を視認させる。このような構成とすることで、光路長の確保と、ダッシュボード210の小型化を実現できる。
第1表示素子111から出射された後にコンバイナ113Aに入射する中心光路L1のベクトルは、車両200の前方方向の成分を有している。一方、第2表示素子121から出射された後にウインドシールド220に入射する中心光路L2のベクトルは、車両200の後方方向の成分を有している。このような構成とすることで、開口211を通過する中心光路L1、L2の光路を、開口211付近で交わらすことができ、開口211を小さく構成することができる。実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
[6−3.効果]
表示装置を第1表示装置110と第2表示装置120とに分けたことにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向と奥行き方向の寸法を短くすることが可能となる。また、小スペースでかつ、大画面の虚像を表示できるヘッドアップディスプレイ100を提供することができる。
また、実施の形態6に係るヘッドアップディスプレイ100では、中心光路L1上の部材で、コンバイナ113Aの直前に位置する第1表示素子111を、開口211に対して後方に配置し、中心光路L2上の部材でウインドシールド220の直前に位置する第2ミラー123を開口211に対して前方に配置している。このように、第1表示装置110を構成する主要部材である第1表示素子111と、第2表示装置120を構成する主要部材である第2ミラー123を、それぞれ開口211に対して車両200の前後に配置することにより、筐体140のスペースを有効活用でき、ヘッドアップディスプレイ100を小型化できる。
また、ヘッドアップディスプレイ100は、中心光路L1、L2が開口211の近傍の位置で交わる。これにより、開口211を小さくすることができ、ダッシュボード210内への外光の進入を抑制することができる。
また、第1表示装置110と第2表示装置120とを別個に設けているため、表示領域に応じた虚像の表示距離や表示サイズを設定することが可能である。
また、実施の形態6では、第1表示素子111から出射されてコンバイナ113Aに入射する光線が、第2表示素子121と第2表示装置120の第1ミラー122との間を通過するように、第1表示素子111が第1ミラー122より下方に配置されている。このような第1表示素子111の配置を採用した場合、第1表示素子111からコンバイナ113Aまでの距離を長くすることができるので、観察者Dから見た虚像I1の視認距離を長くすることができ、さらに、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向の寸法を短くすることができる。
(実施の形態7)
以下、図10を用いて、実施の形態7を説明する。
[7−1.構成]
図10は、実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイ100の断面を模式的に示す図である。実施の形態7に係るヘッドアップディスプレイ100は、車両200のダッシュボード210の内部に配置される。また、ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110を有している。第1表示装置110は、第1表示素子111と、第1光学系119とを有している。第1光学系119は、第1ミラー112と、第2ミラー113と、フレネルレンズ114とを備える。第1ミラー112および第2ミラー113は、反射光学系を構成する。フレネルレンズ114は、入射光を透過する部材で構成される屈折光学系の一例である。第1光学系119の第1ミラー112の反射面は凸面、第2ミラー113の反射面は凹面であることが望ましい。フレネルレンズ114は正のパワーを有しており、フレネル面を出射面側に設けている。また、第1表示素子111の表示領域から出射された画像の中心光路L1がフレネルレンズ114に入射する位置は、回転中心である中心軸AXに対し、移動体である車両200のウインドシールド220側に存在するように構成されている。フレネルレンズ114は、第1表示素子111に表示される画像の中心光路L1が出射する側の面にフレネル面を有する。
このような構成とすることで、第2ミラー113で反射される画像の中心光路L1は、屈折光学系であるフレネルレンズ114により偏向されることとなり、ウインドシールド220の傾きに対応させて観察者Dが視認可能な位置に、画像の中心光路L1の結像点を形成することができる。また、フレネルレンズ114の切欠き溝の角度をフレネルレンズ114の出射光と平行に近づけることで虚像I1のフレアを低減することができる。また、フレネルレンズ114のフレネル面を非球面とすることで、単色収差の補正をすることができる。
第1表示素子111には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)や有機発光ダイオード(エレクトロルミネッセンス)、プラズマディスプレイ、プロジェクタを用いて像を生成するスクリーンなどを用いることが可能である。
図10に示すように、実施の形態7においては、第1表示装置110は、観察者Dに虚像I1を視認させる。第1表示素子111が表示する画像は、第1ミラー112および第2ミラー113によってこの順に反射され、フレネルレンズ114で拡大し、ダッシュボード210の開口211を通過して、さらにウインドシールド220によって反射され、観察者Dの視点領域400に導かれる。これにより、観察者Dは虚像I1を視認することができる。
[7−2.効果]
以上のように、第1表示装置110でフレネルレンズ114を使用することにより、ヘッドアップディスプレイ100の深さ方向の寸法を短くすることが可能となる。
また、本実施の形態では、フレネルレンズ114の回転中心を、第1表示素子111の中心から出射された中心光線がフレネルレンズ114に入射する位置より車両200の後方方向に偏心させ、第2ミラー113によって反射された光を車両200の後方側に屈折させている。このように構成した場合、フレネルレンズ114を用いない場合と比べて、第2ミラー113の位置を車両前方側にずらすことができる。車両200のダッシュボード210内には、通常、メータパネル等の車両構造物が配置されているが、第2ミラー113の位置を車両前方側にずらせることによって、第2ミラー113とダッシュボード210内の車両構造物との干渉を低減できる。したがって、ヘッドアップディスプレイ100の車両への搭載性を向上できる。
さらに、本実施の形態に係る第1表示装置110は、モジュール化することが可能であり、組立性の向上を図ることができる。
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜7を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。
以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1〜7において、光学系のミラーの枚数は、それぞれ2枚に限定されることはなく、虚像の表示距離や表示素子の大きさなどに応じて、光学系のミラーの枚数を変更することができる。また、車両内部に本開示のヘッドアップディスプレイを搭載する場合、搭載可能な空間の大きさに応じて、表示画像の光束の折り曲げ回数を変更し、これに応じて適宜、ミラーの枚数を変更することができる。
実施の形態1〜6において、第2光学系の第2ミラーの一部を半透過ミラーにして、半透過部は、第1光学系の光束の一部に架かるように設けることもできる。このように構成することで、異なる表示領域を連続的につなぐこともできる。
実施の形態1〜6では、虚像I1が表示される第1領域221と虚像I2が表示される第2領域222とが重ならない例を説明した。しかし、表示内容によっては、第1領域221の一部と第2領域222の一部とが重なるように、第1の光学系のミラーと第2光学系のミラーとを配置してもよい。
実施の形態7において、ヘッドアップディスプレイ100は、第1表示装置110の1つの表示装置の例で説明した。しかし、実施の形態1〜6と同様に、表示装置を2つ用いて構成することも可能ある。
実施の形態7では、光学系の一部にフレネルレンズ114を用いた。しかしながら、フレネルレンズ114以外の凸レンズを用いても第2ミラー113の小型化が図れる。また、フレネルレンズ114を開口211のカバーの代わりに配置しても良い。
また、実施の形態7では、フレネルレンズ114の入射面を平面とし、出射面をフレネル面とした屈折光学系を用いた例を説明したが、入射面が凸面である屈折光学系を用いても良い。また、屈折光学系として、入射面をフレネル面としたフレネルレンズを用いても良い。
また、実施の形態7では、屈折光学系の中心軸を、中心光線が屈折光学系に入射する入射位置より車両後方側に偏心させた例を説明したが、屈折光学系の中心軸を、画像の中心光線が屈折光学系に入射する入射位置より車両前方側に偏心させても良い。この場合、屈折光学系が反射光学系によって反射された光を車両前方側に屈折させるため、屈折光学系の中心軸を偏心させない場合と比べて、第2ミラーの位置を車両後方側にずらすことができる。このように、屈折光学系の中心軸を車両後方側または車両前方側に偏心させることによって、第2ミラーの車両のダッシュボードに対する前後方向の位置を適宜変更することができる。これにより、第2ミラーの配置の自由度を向上させることができる。
実施の形態1〜7では、ヘッドアップディスプレイ100は車両200の内部に搭載される例を説明したが、航空機や電車等の自動車以外の移動体に搭載されても良い。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、ウインドシールドを有する移動体などに搭載されるヘッドアップディスプレイに適用可能である。
100 ヘッドアップディスプレイ
110 第1表示装置
111 第1表示素子
112 第1ミラー
113 第2ミラー
113A コンバイナ
114 フレネルレンズ
119 第1光学系
120 第2表示装置
121 第2表示素子
122 第1ミラー
123 第2ミラー
129 第2光学系
131 光学デバイス
140 筐体
200 車両(移動体の一例)
210 ダッシュボード
210a 前方パネル
211 開口
213 反射防止カバー
220 ウインドシールド
221 第1領域
222 第2領域

Claims (6)

  1. ウインドシールドを有する移動体に搭載され、観察者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイであって、
    画像を表示する表示素子と、
    前記表示素子に表示される画像を反射して前記ウインドシールドに投射する反射光学系と、
    前記反射光学系と前記ウインドシールドとの間に配置され、パワーを有する屈折光学系と、を備え、
    前記表示素子から出射されて前記反射光学系により反射される画像の中心光路が前記屈折光学系に入射する位置は、屈折光学系の中心軸に対して、移動体のウインドシールド側に存在するように構成した、ヘッドアップディスプレイ。
  2. 前記屈折光学系は、正のパワーを有する、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
  3. 前記屈折光学系は、フレネルレンズである、請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ。
  4. 前記フレネルレンズは、前記表示素子に表示される画像の中心光路が出射する面にフレネル面を有する、請求項3に記載のヘッドアップディスプレイ。
  5. 前記フレネル面における切欠き溝は、前記フレネルレンズの出射光と平行である、請求項4に記載のヘッドアップディスプレイ。
  6. ウインドシールドを有し、観察者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイを搭載した移動体であって、
    画像を表示する表示素子と、
    前記表示素子に表示される画像を反射して前記ウインドシールドに投射する反射光学系と、
    前記反射光学系と前記ウインドシールドとの間に配置され、パワーを有する屈折光学系と、を備え、
    前記表示素子から出射されて前記反射光学系により反射される画像の中心光路が前記屈折光学系に入射する位置は、屈折光学系の中心軸に対して、移動体のウインドシールド側に存在するように構成した、ヘッドアップディスプレイを搭載した移動体。
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