JPWO2015115608A1 - 複合電子機器,スピーカーカートリッジおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高音質の音響を容易に発生させることができる複合電子機器と、それに用いる、スピーカーカートリッジおよび電子機器を提供する。【解決手段】 複合電子機器は、電子機器38とスピーカーカートリッジ26を有する。スピーカーカートリッジ26は、振動体12a,励振器11,第1筐体10,第1コネクタ20を有する。振動体12aは、第1主面12b,第2主面12cを有し、第1主面12bと第1筐体10で第1空間21aが形成され、第2主面12cと第1筐体10で第2空間21bが形成される。電子機器38は、電子回路60,第2筐体25,第2コネクタ30を有し、第2筐体25で囲まれた第3空間31が形成されている。励振器11と電子回路60とが電気的に接続され、第1筐体10の第1開口22を介して第1空間21aと外部空間が接続され、第1筐体10の第2開口を介して第2空間21bと第3空間31が接続される。【選択図】 図2

Description

本発明は、複合電子機器,スピーカーカートリッジおよび電子機器に関するものである。
従来、圧電素子を取り付けた振動板を振動させて音響を発生させるスピーカーを筐体内部に搭載した電子機器が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2013−192175号公報
しかしながら、上述した電子機器は、振動板が、電子機器の筐体内部に配置されて、電子機器の筐体で囲まれていた。これにより、振動板から発生した音響が電子機器の筐体内部で反射して共鳴が生じるため、電子機器から外部へ放射する音響の音質が、複雑な電子機器の筐体内部の構造に大きく左右されていた。このため、電子機器から発生する音響の音質を向上させためには、複雑で且つ自由度が低い電子機器の筐体において音響設計をする必要があり、非常に難しかった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、高音質の音響を容易に発生させることができる複合電子機器と、それに用いる、スピーカーカートリッジおよび電子機器を提供することにある。
本発明の複合電子機器は、電子機器と、該電子機器に着脱可能に接続されたスピーカーカートリッジとを有しており、前記スピーカーカートリッジは、振動体と、該振動体に取り付けられた励振器と、前記振動体を取り囲んで内部に収容する第1筐体と、前記励振器と電気的に接続された第1コネクタと、を有しており、前記振動体は、互いに反対側の表面である第1主面および第2主面を有しており、前記振動体の前記第1主面と前記第1筐体とで囲まれた第1空間と、前記振動体の前記第2主面と前記第1筐体とで囲まれた第2空間とを有しており、前記電子機器は、電子回路と、該電子回路に接続された第2コネクタと、第2筐体と、を有しており、前記第2筐体は内部に第3空間を有しており、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続されて、前記励振器と前記電子回路とが電気的に接続されており、前記第1筐体における前記第1空間に接する部分に第1開口が設けられており、前記第1空間と外部空間とが、前記第1開口を介して接続されており、前記第1筐体における前記第2空間に接する部分に第2開口が設けられており、前記第2空間と前記第3空間とが、前記第2開口を介して接続されている。
本発明のスピーカーカートリッジは、振動体と、該振動体に取り付けられた励振器と、前記振動体を取り囲んで内部に収容する第1筐体と、前記励振器と電気的に接続された第1コネクタと、を有しており、前記振動体は、互いに反対側の表面である第1主面および第2主面を有しており、前記振動体の前記第1主面と前記第1筐体とで囲まれた第1空間と、前記振動体の前記第2主面と前記第1筐体とで囲まれた第2空間と、前記第1筐体における前記第1空間に接する部分に設けられた第1開口と、前記第1筐体における前記第2空間に接する部分に設けられた第2開口と、を有している。
本発明の電子機器は、電子回路と、該電子回路に接続された第2コネクタと、第2筐体と、を有しており、前記第2筐体は、内部に設けられた第3空間と、該第3空間に接する第3開口とを有している。
本発明の複合電子機器は、高音質の音響を容易に発生させることができる。本発明のスピーカーカートリッジは、高音質の音響を発生させる複合電子機器を容易に実現することができる。本発明の電子機器は、高音質の音響を発生させる複合電子機器を容易に実現することができる。
本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す斜視図である。 図1のA−B線断面図である。 本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジのパネル17を取り除いた状態を模式的に示す+z方向から見た平面図である。 本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジのパネル17およびスペーサー15を取り除いた状態を模式的に示す+z方向から見た平面図である。 本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す−z方向から見た平面図である。 本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジのパネル18を取り除いた状態を模式的に示す−z方向から見た平面図である。 本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジのパネル18、スペーサー16および樹脂層13を取り除いた状態を模式的に示す−z方向から見た平面図である。 本発明の第2実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す斜視図である。 本発明の第2実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す平面図である。 本発明の第3実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す斜視図である。 本発明の第3実施形態のスピーカーカートリッジのリフレクタ24を取り除いた状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の第3実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す平面図である。 本発明の第4実施形態の複合電子機器を模式的に示す+z方向側から見た平面図である。 本発明の第4実施形態の複合電子機器を模式的に示す+x方向側から見た平面図である。 本発明の第4実施形態の複合電子機器の一部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第5実施形態の複合電子機器を模式的に示す平面図である。 本発明の第6実施形態の複合電子機器を模式的に示す平面図である。 本発明の第7実施形態の複合電子機器を模式的に示す平面図である。 本発明の第8実施形態の複合電子機器を模式的に示す平面図である。 本発明の第8実施形態の複合電子機器の一部分を模式的に示す断面図である。 本発明の第5実施形態の複合電子機器から発生する音響における音圧レベルの周波数特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態である複合電子機器,スピーカーカートリッジおよび電子機器を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面においては、互いに直交するx軸、y軸、z軸を用いて方向を示している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す斜視図である。図2は、図1のA−B線断面図である。図3,図4は、本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す、+z方向から見た平面図である。なお、図3は、パネル17を取り除いた状態を示しており、図4は、パネル17およびスペーサー15を取り除いた状態を示している。図5〜図7は、本発明の第1実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す、−z方向から見た平面図である。なお、図6は、パネル18を取り除いた状態を示しており、図7は、パネル18、スペーサー16および樹脂層13を取り除いた状態を示している。
本実施形態のスピーカーカートリッジは、図1〜図7に示すように、励振器11と、フィルム12と、樹脂層13と、フレーム14aおよびフレーム14bと、スペーサー15およびスペーサー16と、パネル17およびパネル18と、第1コネクタ20とを有している。
フレーム14aおよびフレーム14bは、それぞれ矩形の枠状の形状を有している。フレーム14aおよびフレーム14bは、例えば、厚み100〜1000μmのステンレス製のものを好適に用いることができるが、材質および厚みは特に限定されるものではなく、フィルム12および樹脂層13よりも変形し難いものであれば良い。例えば、硬質樹脂、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、セラミックス等を用いてフレーム14aおよびフレーム14bを形成することができる。
フィルム12は、フィルム状(薄板状)の形状を有しており、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド等の樹脂を用いて形成することができる。また、フィルム12の厚みは、例えば、10〜200μmとされる。そして、フィルム12は、面方向(x軸方向およびy軸方向)に張力をかけられた状態で、上下の主面(z軸方向の両端面)の周縁部をフレーム14aおよびフレーム14bで挟まれて固定されており、フレーム14aおよびフレーム14bによって振動可能に支持されている。そして、フィルム12における、フレーム14aおよびフレーム14bの内側に位置する、フレーム14aおよびフレーム14bに挟まれていない部分によって、自由に振動できる振動体12aが構成されている。すなわち、振動体12aは、矩形の平板状(フィルム状)の形状を有している。また、振動体12aは、+z方向側の表面である第1主面12bと、−z方向側の表面である第2主面12cとを有している。
なお、フレーム14aおよびフレーム14bの形状は、矩形状に限定されるものではなく、円形や菱形であってもよい。また、フレーム14bを有さない場合には、例えば、フレーム14aの+z方向の表面にフィルム12を接着すれば良く、また、フレーム14aを有さない場合には、例えば、フレーム14bの−z方向の表面にフィルム12を接着すればよい。また、振動体12aは、平たい形状(厚みが小さく面積が大きい形状)、すなわち、薄板状やフィルム状の形状であれば良いため、フィルム12に代えて、薄板状の金属や、紙等によって振動体12aを構成することができる。
励振器11は、振動体12aの第2主面12cに取り付けられており、振動体12aと一体化されている。励振器11は、上下の主面(z軸方向の両端面)が矩形である板状の形状を有する圧電素子である。詳細な図示を省略するが、励振器11は、圧電セラミックスからなる圧電体層と内部電極層とを交互に積層してなる積層体と、この積層体の上下面(z軸方向の両端面)に形成された表面電極層と、積層体の長手方向(x軸方向)の両端面にそれぞれ設けられた一対の端子電極とで構成されている。なお、表面電極および内部電極層は、積層体の長手方向(x軸方向)の両端面に交互に引き出されており、それぞれ端子電極に接続されている。そして、図示せぬ配線を介して一対の端子電極に電気信号が加えられる。
励振器11は、バイモルフ型の圧電素子とされており、電気信号が入力されたときに、任意の瞬間において、厚み方向(z軸方向)における一方側と他方側とで伸縮が逆になるようにされている。よって、励振器11は、電気信号が入力されるとz軸方向に屈曲振動し、自身が振動することによって振動体12aを振動させる。そして、振動体12aが振動することによって音響が発生する。
なお、励振器11として、例えば、電気信号が入力されて伸縮振動する圧電素子と金属板とを張り合わせて構成したモノモルフ型の振動素子を用いても構わない。また、励振器11のフィルム12側の主面とフィルム12とは、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の既知の接着剤や、両面テープ等によって接着されている。
樹脂層13は、励振器11を埋設するように、フレーム14aの内側の全体に渡って形成されており、振動体12a,励振器11と一体化されている。樹脂層13は、既知の種々の材料を用いて形成することができる。例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂や、あるいはゴム等を用いることができる。また、樹脂層13の厚みは、励振器11を完全に覆う程度の厚みであることが望ましいが、フィルム12の少なくとも一部を被覆するように形成されていれば良い。なお、樹脂層13は、スピーカーカートリッジから発生する音響の音質を高める効果があるが、必須ではなく、場合によっては無くても構わない。
スペーサー16は、フレーム14aの−z方向の表面に接合されている。スペーサー16は、フレーム14aと同じ形状(矩形の枠状)を有しており、厚さ(z軸方向の寸法)が大きい以外はフレーム14aと同じ寸法を有している。スペーサー15は、フレーム14bの+z方向の表面に接合されている。スペーサー15は、フレーム14bと同じ矩形の枠状の形状から、+x方向の一辺を取り除いた形状、すなわち、アルファベットの“U”のような形状を有している。
パネル17は、矩形の平板状の形状を有しており、−z方向側の主面の周縁がスペーサー15の+z方向側の表面に接合されている。そして、振動体12aの第1主面12bと、フレーム14bと、スペーサー15と、パネル17とによって、第1空間21aが形成されている。また、第1空間21aの+x方向側の端部には、フレーム14bと、スペーサー15と、パネル17とによって囲まれた矩形状の第1開口22が形成されており、第1空間21aと外部空間とが第1開口22を介して接続されている。
パネル18は、矩形の平板状の形状を有しており、+z方向側の主面の周縁がスペーサー16の−z方向側の表面に接合されている。そして、振動体12aの第2主面12cと、フレーム14aと、スペーサー16と、パネル18とによって、第2空間21bが形成されている。また、パネル18の−x方向側寄りの部分には、複数の貫通孔23が列状に形成されている。そして、複数の貫通孔23によって、第2空間21bに接続する第2開口が構成されている。
このように、フィルム12におけるフレーム14aおよびフレーム14bに挟まれた部分と、フレーム14aおよびフレーム14bと、スペーサー15およびスペーサー16と、パネル17およびパネル18とによって、振動体12aを取り囲む第1筐体10が構成されている。なお、第1筐体10は、直方体の箱状の形状を有している。
このようなスペーサー15およびスペーサー16およびパネル17およびパネル18は、樹脂,金属,セラミクス,ガラス,木材等の種々の材料を用いて形成することができる。また、スペーサー15およびスペーサー16およびパネル17およびパネル18は、振動体12aとともに第1空間21aおよび第2空間21bを形成する機能を有していれば良いため、矩形状に限定されるものではなく、例えば、6角形状や、楕円形状など、他の形状であっても構わない。
第1コネクタ20は、第1筐体10の−x方向側の端部に取り付けられており、図示せぬ配線によって励振器11に接続されている。そして、スピーカーカートリッジを電子機器に挿入したときに、電子機器に備え付けられているコネクタと第1コネクタ20とが接続され、これによって、スピーカーカートリッジと電子機器とが電気的に接続される。なお、第1コネクタ20は、スピーカーカートリッジと電子機器とを電気的に接続する機能を有していれば良く、既知の種々のコネクタを第1コネクタ20として使用することができる。
また、第1筐体10には、接合部34が設けられている。接合部34は、第1筐体10の−x方向側の端部に設けられており、−x方向の端部が膨らんだ棒状の形状を有している。接合部34は、第1筐体10を電子機器に着脱可能に接合するために用いられる。
そして、本実施形態のスピーカーカートリッジは、例えば、第1筐体10の+x方向側の表面のみが電子機器の外部に露出するように、第1コネクタ20が設けられた−x方向側から電子機器のスロット等に挿入される。これにより、第1開口22は電子機器の外部に露出し、複数の貫通孔23で構成された第2開口は電子機器の内部空間に接続される。そして、電子機器からの電気信号が、第1コネクタ20および図示せぬ配線を介して励振器11に供給されて励振器11が振動し、励振器11の振動によって振動体12aが振動して音響が発生する。振動体12aの第1主面12b側で発生した音響は、第1空間21a内で共鳴するとともに、第1開口22を介して電子機器の外部へ直接放射される。振動体12aの第2主面12c側で発生した逆位相の音響は、複数の貫通孔23で構成された第2開口を介して電子機器の内部空間へ放射される。これにより、スピーカーカートリッジおよび電子機器からなる複合電子機器から、高音質の音響を容易に発生させることができる。
振動体12aのみが電子機器の内部に直接配置される場合には、振動体12aの第1主面12b側で発生する音響と、振動体12aの第2主面12c側で発生する逆位相の音響とが、電子機器の内部空間において混ざり合って打ち消し合うという問題が生じる。また、振動体12aから発生した音響が電子機器の内部空間で共鳴するため、電子機器の内部空間が共鳴空間となる。このため、電子機器の筐体の形状,材質や、電子機器の筐体内部に配置された種々の部品の配置,形状,材質等の影響によって音質が変化するため、音響設計が非常に難しくなる。
これに対し、本実施形態のスピーカーカートリッジは、振動体12aを取り囲んで共鳴空間を形成する第1筐体10を有しているので、電子機器の筐体の形状,材質や、電子機器の筐体内部に配置された種々の部品の配置,形状,材質等の影響を殆ど受けることなく、振動体12aや第1筐体10の形状および材質のみによって音響設計をすることができる。そして、第1筐体10は、電子機器の筐体と比較して強度が低くても良く、また、音響設計以外の他の要因による制限も少ない。このため、音響設計のみを考慮して、第1筐体10の大きさ,形状,材質等を自由に設定することができる。そして、電子機器の外部の空間と第1空間21aとを接続する第1開口22が第1筐体10に形成されており、振動体12aの第1主面12b側で発生した高音質の音響を、第1開口22から電子機器の外部の空間へ直接放射することができる。第1開口22の位置や形状および大きさも音響設計によって決定することができる。
また、振動体12aの第2主面12c側で発生した音響を、複数の貫通孔23で構成される第2開口を介して、電子機器の内部へ放射することにより、第1主面12b側で発生した音響と第2主面12c側で発生した音響とが外部空間において混じり合って打ち消し合うことを防止することができる。第2開口が存在しない場合には、第2空間内の空気がバネの働きをして振動体12aの振動を阻害するのを防止するために、第2空間の体積を大きくする必要があり、スピーカーカートリッジが大型化するという問題が生じる。また、第2開口が外部空間に露出する場合には、第1主面12b側で発生した音響と第2主面12c側で発生した音響とが外部空間において混じり合って打ち消し合うことを防止するために、第2空間の体積を大きくする必要があり、スピーカーカートリッジが大型化するという問題が生じる。第2主面12c側で発生した音響が、第2開口を介して電子機器の内部へ放射されるようにすることにより、第1主面12b側で発生した音響と第2主面12c側で発生した音響とが外部空間において混じり合って打ち消し合うことを防止できるとともに、スピーカーカートリッジが大型化するのを防止することができる。なお、外部空間とは、電子機器およびスピーカーカートリッジの外部の空間であり、音を聞かせる対象が存在する空間を意味する。
このように、電子機器のスロットにスピーカーカートリッジを挿入して電気的に接続するだけで、高音質の音響を発生させる複合電子機器を容易に実現することができる。また、音響設計が異なり発生する音響の音質が異なる複数のスピーカーカートリッジを準備して、それらを交換することにより、複合電子機器から発生する音響の音質を容易に変化させることができる。なお、スピーカーカートリッジと電子機器とが着脱可能に接続されたものを複合電子機器と称する。複合電子機器の詳細については、第4実施形態〜第8実施形態にて説明する。
本実施形態のスピーカーカートリッジは、振動体12aと、励振器11と、第1筐体10と、第1コネクタ20と、を有している。励振器11は、振動体12aに取り付けられている。第1筐体10は、振動体12aを取り囲んで内部に収容する。第1コネクタ20は、励振器11と電気的に接続されている。振動体12aは、互いに反対側の表面である第1主面12bおよび第2主面12cを有している。また、本実施形態のスピーカーカートリッジは、第1空間21aと、第2空間21bと、第1開口22と、第2開口とを有している。第1空間21aは、振動体12aの第1主面12bと第1筐体10とで囲まれた空間である。第2空間21bは、振動体12aの第2主面12cと第1筐体10とで囲まれた空間である。第1開口22は、第1筐体10における第1空間21aに接する部分に設けられている。第2開口は、第1筐体10における第2空間21bに接する部分に設けられている。よって、第1空間21aと外部空間とが、第1開口22を介して接続され、第2空間21bと電子機器の内部空間とが第2開口を介して接続されるように、本実施形態のスピーカーカートリッジを電子機器に接続することにより、高音質の音響を発生させることができる複合電子機器を容易に実現することができる。
本実施形態のスピーカーカートリッジは、例えば次のようにして製造することができる。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤、溶剤を添加して掻き混ぜて、スラリーを作製する。圧電材料としては、鉛系、非鉛系のうちいずれでも使用することができる。次に、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する。このグリーンシートに導体ペーストを印刷して内部電極となる導体パターンを形成し、この導体パターンが形成されたグリーンシートを積層して、積層成形体を作製する。
次に、この積層成形体を脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体を得ることができる。必要に応じて、積層体の外周部を加工する。次に、積層体の積層方向の主面に、導体ペーストを印刷して表面電極層となる導体パターンを形成し、積層体の長手方向(x軸方向)の両側面に、導体ペーストを印刷して一対の端子電極となる導体パターンを形成する。そして、所定の温度で電極の焼付けを行うことにより、励振器11となる構造体を得ることができる。その後に、励振器11に圧電性を付与するために表面電極層または一対の端子電極を通じて直流電圧を印加して、励振器11の圧電体層の分極を行う。このようにして励振器11を得ることができる。
次に、張力をかけた状態のフィルム12の周縁を、接着剤を塗布したフレーム14aおよびフレーム14bで挟んで固定し、接着剤を硬化させて接合する。そして、振動体12aの第2主面12cに励振器11を接着剤でフィルム12に接合し、励振器11に配線を接続する。そして、フレーム14aの内側に樹脂を流し込んで硬化させることにより樹脂層13を形成する。
そして、予め準備したスペーサー15およびスペーサー16およびパネル17およびパネル18を粘着剤もしくは接着剤で接合して第1筐体10を形成するとともに、第1筐体10に第1コネクタ20を接着剤等で接合し、第1コネクタ20と励振器11とを図示せぬ配線で接続する。このようにして、本実施形態のスピーカーカートリッジを得ることができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す斜視図である。図9は、本発明の第2実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す、+z方向から見た平面図であり、パネル17を取り除いた状態を示している。なお、本実施形態においては、前述した第1実施形態のスピーカーカートリッジと異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態の音響発生装置は、図8,図9に示すように、第1開口22に接するフレーム14bの+z方向側表面に、パネル17の+x方向の端部の中央を支持する支持体19が配置されている。そして、第1開口22が、支持体19によって、開口22aと開口22bとに分割されている。すなわち、開口22aおよび開口22bによって第1開口22が構成されている。なお、その他の構成については、前述した第1実施形態のスピーカーカートリッジと同じである。
このような構成を有する本実施形態のスピーカーカートリッジも、前述した第1実施形態のスピーカーカートリッジと同様の効果を奏することができる。また、本実施形態のスピーカーカートリッジは、支持体19を有していることから、パネル17の強度が小さい場合においても、開口22aおよび開口22bの形状を所望の形状に保つことができる。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す斜視図である。図11は、本発明の第3実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す斜視図であり、リフレクタ24を取り除いた状態を示している。図12は、本発明の第3実施形態のスピーカーカートリッジを模式的に示す、+z方向から見た平面図である。なお、本実施形態においては、前述した第1実施形態のスピーカーカートリッジと異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態のスピーカーカートリッジは、図10〜図12に示すように、第1開口22が形成されていた第1筐体10の+x方向の端部にリフレクタ24が接合されて、リフレクタ24によって第1開口22が塞がれている。そして、その代わりに、パネル17の+x方向の端部に切り欠きが形成されて、パネル17とリフレクタ24との間に、第1開口22cが形成されている。そして、第1開口22cによって、外部空間と第1空間21aとが接続される。
なお、本実施形態のスピーカーカートリッジを用いる場合には、スピーカーカートリッジの電子機器への挿入深さを小さくして、第1開口22cが電子機器の+x方向端部から突出するようにすれば良い。また、電子機器の筐体の第1開口22cを被覆する部分を切り欠くことによって、電子機器の外部に第1開口22cが露出するようにしても良い。
このような構成を有する本実施形態のスピーカーカートリッジも、前述した第1実施形態のスピーカーカートリッジと同様の効果を奏することができる。また、本実施形態のスピーカーカートリッジは、リフレクタ24と第1開口22cとを有することから、第1実施形態のスピーカーカートリッジと比較して、スピーカーカートリッジから発生する音響の+z方向側での音圧を高めることができる。
(第4実施形態)
図13は、本発明の第4実施形態の複合電子機器を模式的に示す、+z方向側から見た平面図である。図14は、本発明の第4実施形態の複合電子機器を模式的に示す、+x方向側から見た平面図である。図15は、本発明の第4実施形態の複合電子機器の一部分を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態においては、前述した第2実施形態と異なる点について説明し、同様の構成要素には、同様の符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態の複合電子機器は、図13〜図15に示すように、スピーカーカートリッジ26aと、電子機器38aとを有している。スピーカーカートリッジ26aは、前述した第2実施形態のスピーカーカートリッジである。電子機器38aは、第2筐体25と、第2コネクタ30と、電子回路60と、を有している。
第2筐体25は、直方体の箱状の外形を有しており、第2筐体25に囲まれた第3空間31が形成されている。そして、第3空間31の中に、電子回路60を含む種々の部品が収納されている。このような第2筐体25は、樹脂,金属,セラミクス,ガラス,木材等の種々の材料を用いて形成することができる。また、第2筐体25の形状は、直方体状に限定されるものではなく、例えば、正四面体、円錐台、球など、他の種々の形状であっても構わない。
第2筐体25の+x方向の端部にはスロット28が形成されている。スロット28aは、直方体状の深い凹部であり、第2筐体25におけるスロット28aの内側に位置する部分には、第2コネクタ30および接合部35が設けられている。第2コネクタ30は、図示せぬ配線によって電子回路60に接続されている。接合部35は、弾力性が大きい材料を用いて構成されており、接合部34の−x方向側の端部が挿入される凹部が、+x方向側の端部に設けられている。
そして、スロット28には、+x方向側からスピーカーカートリッジ26aが挿入されている。電子機器38aの接合部35にスピーカーカートリッジ26aの接合部34が挿入されて嵌っており、これによって、スピーカーカートリッジ26aが電子機器38aに着脱可能に接合されている。また、電子機器38aの第2コネクタ30にスピーカーカートリッジ26aの第1コネクタ20が接続されており、これによって、電子機器38aの電子回路60と、スピーカーカートリッジ26aの励振器11と、が電気的に接続されている。なお、スピーカーカートリッジ26aの+x方向側の端部は、スロット28aの開口から電子機器38aの外部空間に露出しており、スピーカーカートリッジ26aの+x方向側の端部に設けられた第1開口22(開口22aおよび開口22b)も外部空間に露出している。なお、外部空間とは、電子機器38aおよびスピーカーカートリッジ26aの外部の空間であり、音を聞かせる対象が存在する空間を意味する。
また、第2筐体25には第3開口32が設けられている。第3開口32は、第2筐体25における、第3空間31に接する部分であり、且つ、スピーカーカートリッジ26aの第2開口(複数の貫通孔23)に面する部分、に設けられている。すなわち、スピーカーカートリッジ26aの第2開口と、電子機器38aの第3開口32と、は互いに対向するように配置されている。そして、第2開口(複数の貫通孔23)および第3開口32を介して、第2空間21bと第3空間31とが接続されている。よって、振動体12aの第2主面12c側で発生した音響は、第2開口および第3開口32を介して、電子機器38の内部空間である第3空間31へ放射される。
また、第2筐体25の外側の表面には、第3開口32を連続して取り囲むように遮音部材33が設けられている。遮音部材33は、第1筐体10および第2筐体25を構成する材料よりも弾性率が小さい材料を用いて構成されており、外力によって変形しやすい。また、スピーカーカートリッジ26aがスロット28aに挿入されたときに、第1筐体10と第2筐体25との間に生じる間隔と比較すると、遮音部材33の厚みの方が大きい。よって、スピーカーカートリッジ26aがスロット28aに挿入されると、遮音部材33が変形し、第2開口および第3開口32の周囲において、第1筐体10と第2筐体25との間の隙間を遮音部材33が塞ぐことになる。よって、振動体12aの第2主面12c側で発生する音響が外部空間へ漏洩するのを防止することができる。
このような遮音部材33は、例えば、ウレタンゴム等のゴム材料や、シリコーン樹脂等の軟質な樹脂材料などの弾力性があり変形しやすい既知の種々の材料を用いて構成することができる。特に、ウレタンフォーム等の多孔質なゴム材料を好適に用いることができる。また、遮音部材33は、例えば接着剤のような、既知の種々の接合部材を用いて第2筐体25に接合することができる。
そして、電子回路60から励振器11へ電気信号が供給されると、励振器11の振動によって振動体12aが振動して音響が発生する。そして、振動体12aの第1主面12b側で発生した音響は、スピーカーカートリッジ26aの第1開口(開口22aおよび開口22b)から電子機器38aの外部へ放射される。また、振動体12aの第2主面12c側で発生した音響は、第2開口および第3開口32を介して第3空間31へ放射される。
このように、本実施形態の複合電子機器は、電子機器38aと、スピーカーカートリッジ26aとを有している。スピーカーカートリッジ26aは、電子機器38aに着脱可能に接続されている。スピーカーカートリッジ26aは、振動体12aと、励振器11と、第1筐体10と、第1コネクタ20と、を有している。励振器11は、振動体12aに取り付けられている。第1筐体10は、振動体12aを取り囲んで内部に収容する。第1コネクタ20は、励振器11と電気的に接続されている。振動体12aは、互いに反対側の表面である第1主面12bおよび第2主面12cを有している。また、本実施形態の複合電子機器は、第1空間21aと第2空間21bとを有している。第1空間21aは、振動体12aの第1主面12bと第1筐体10とで囲まれた空間である。第2空間21bは、振動体12aの第2主面12cと第1筐体10とで囲まれた空間である。電子機器38aは、電子回路60と、第2コネクタ30と、第2筐体25と、を有している。第2コネクタ30は、電子回路60に接続されている。また、電子機器38aは、第2筐体25で囲まれた第3空間31を有している。そして、第1コネクタ20と第2コネクタ30とが接続されて、励振器11と電子回路60とが電気的に接続されている。また、第1筐体10における第1空間21aに接する部分に第1開口22が設けられており、第1空間21aと外部空間とが、第1開口22を介して接続されている。そして、第1筐体10における第2空間21bに接する部分に第2開口が設けられており、第2空間21bと第3空間31とが、第2開口を介して接続されている。このような構成を有する本実施形態の複合電子機器は、振動体12aの第1主面12b側で発生した音響と第2主面12c側で発生した音響とが外部空間において混じり合って打ち消し合うことを低減することができるので、音圧の高い音響を発生することができる。また、本実施形態の複合電子機器は、第2筐体25の材質および内部構造が、第1開口22から外部空間へ放射される音響に殆ど影響を与えないため、高音質の音響を容易に発生させることができる。また、本実施形態の複合電子機器は、音質の低下を抑えたままで第2空間21bを小さくすることができるので、小型化することができる。また、本実施形態の複合電子機器は、スピーカーカートリッジ26aを、異なる音響特性を有するスピーカーカートリッジに取り替えることにより、発生する音響の音質を容易に変更することができる。
また、本実施形態の複合電子機器では、第2空間21bおよび第3空間31と、外部空間と、を遮断する遮音部材33が、第1筐体10と第2筐体25との間に設けられており、遮音部材33は、第1筐体10を構成する材料および第2筐体25を構成する材料よりも弾性率が小さい材料を用いて構成されている。これにより、振動体12aの第2主面12c側で発生した音響の外部空間への漏洩を低減することができるので、外部空間へ放射する音響における音圧の低下を低減することができる。
また、第1筐体10を第2筐体25に着脱可能に接合する接合部が、第1筐体10および第2筐体25の少なくとも一方に設けられているようにすることにより、スピーカーカートリッジ26aを電子機器38aに着脱可能に容易に接続することができる。本実施形態の複合電子機器は、第1筐体10を第2筐体25に着脱可能に接合するための接合部34および接合部35を有しており、接合部34は第1筐体10に設けられており、接合部35は第2筐体25に設けられている。しかしながら、第1筐体10を第2筐体25に着脱可能に接合する接合部は、その形状によって、第1筐体10および第2筐体25の少なくとも一方に設けられていても良い。
また、本実施形態の複合電子機器では、第2筐体25にスロット28aが設けられており、スロット28aにスピーカーカートリッジ26aが挿入されている。これにより、複合電子機器の外観を良くすることができる。
また、本実施形態の複合電子機器では、第2開口および第1コネクタ20は、スロット28の内部に位置しており、第1開口22は、スピーカーカートリッジ26がスロット28に挿入された状態で外部空間に露出している。これにより、第1開口22と外部空間とを接続する導音部が不要になるとともに、スピーカーカートリッジ26aと、電子機器38aとの、機械的および電気的接続が容易になり、スピーカーカートリッジ26aと電子機器38aとの接続信頼性を高めることもできる。但し、例えば、音響に対する影響が非常に小さい、例えば金網のような、メッシュ状のものによって、第1開口22が被覆されていても構わない。
また、本実施形態において、互いに反対の方向を第1方向および第2方向とすると、第1コネクタ20は、第1筐体10における第1方向(−x方向)の端部に設けられており、第1開口22は、第1筐体10における第2方向(+x方向)の端部に設けられている。これにより、スピーカーカートリッジ26aは、−x方向側端部を電子機器38aに接続したときに、第1開口22を容易に外部空間へ露出することができる。
また、本実施形態において、スピーカーカートリッジ26aの第1筐体10に接合部34が設けられている。よって、スピーカーカートリッジ26aは、第1筐体10への着脱が容易である。
また、本実施形態において、電子機器38は、電子回路60と、電子回路60に接続された第2コネクタ30と、第2筐体25と、を有している。また、電子機器38は、第3空間31と、第3開口32と、を有している。第3空間31は、第2筐体25で囲まれた空間である。第3開口32は、第2筐体25における第3空間31に接する部分に設けられている。これにより、第1コネクタ20が第2コネクタ30に接続され、第2開口が第3開口32に接続されるようにスピーカーカートリッジ26aを取り付けることにより、音質が良好で音圧が高い音響を容易に外部空間へ放射することができる。
また、本実施形態において、電子機器38aは、第3開口を取り囲む遮音部材33が第2筐体25に設けられており、遮音部材33は、第2筐体25を構成する材料よりも弾性率が小さい材料を用いて構成されている。これにより、電子機器38aにスピーカーカートリッジ26aを取り付けたときに、振動体12aの第2主面12c側で発生する音響が外部空間へ漏洩するのを防止することができる。
また、本実施形態において、電子機器38aは、第2筐体25に接合部35が設けられている。これにより、電子機器38aにスピーカーカートリッジ26aを着脱可能に接続することが容易である。
なお、本実施形態の複合電子機器は、他の種々の構成および機能を有していても構わない。例えば、アンテナや通信回路を有し、通信機能を有していても構わない。また、画像処理回路や表示装置を有し、動画や静止画を表示する機能を有していても構わない。また、演算回路や、入力装置、出力装置等を有し、命令された処理を実行してその結果を表示する機能を有していても構わない。すなわち、本実施形態の複合電子機器は、テレビ、ラジオ、オーディオ機器、パソコン、タブレット端末などであっても構わない。またさらに、本実施形態の複合電子機器は、音響や音声を発生させる機能を有する、掃除機,洗濯機,冷蔵庫,電子レンジ等の種々の電子機器であっても構わない。
(第5実施形態)
図16は、本発明の第5実施形態の複合電子機器を模式的に示す、+z方向側から見た平面図である。なお、本実施形態においては、前述した第4実施形態の複合電子機器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態の複合電子機器は、電子機器38bと、スピーカーカートリッジ26aと、スピーカーカートリッジ26bとを有している。電子機器38bは、スロット28bをさらに有していることを除いて、前述した第4実施形態における電子機器38aと同じ構造を有している。スピーカーカートリッジ26bは、スピーカーカートリッジ26aと同じものであり、z軸の回りに180°回転させた状態となっている。スロット28bは、スロット28aと同じ構造を有しており、z軸の回りに180°回転させた状態となっている。そして、スロット28bにスピーカーカートリッジ26bが挿入されている。
スロット28bは、第2筐体25の−x方向の端部に形成されており、−x方向側からスピーカーカートリッジ26bが挿入されている。そして、スロット28bの内部に設けられた第2コネクタ30に、スピーカーカートリッジ26bの第1コネクタ20が接続されている。なお、スピーカーカートリッジ26bの−x方向側の端部は、スロット28bの開口から電子機器38bの外部に露出しており、スピーカーカートリッジ26bの−x方向側の端部に設けられた第1開口(開口22aおよび開口22b)も電子機器38bの外部に露出している。
スロット28bの内部に設けられた第2コネクタ30も、図示せぬ配線によって電子回路60に接続されている。そして、電子回路60からの電気信号は、スピーカーカートリッジ26bの励振器11にも供給され、振動体12aの第2主面12c側で発生した音響が、スピーカーカートリッジ26bの第1開口(開口22aおよび開口22b)から外部空間へ放射される。
このような構成を有する本実施形態の複合電子機器は、電子機器38bの+x方向の端部に配置されたスピーカーカートリッジ26aと、電子機器38bの−x方向の端部に配置されたスピーカーカートリッジ26bとの、両方から音響を発生させることができる。これにより、ステレオ再生が可能になるとともに、大きく臨場感にあふれる音響を発生させることができる。
(第6実施形態)
図17は、本発明の第6実施形態の複合電子機器を模式的に示す、+z方向側から見た平面図である。なお、本実施形態においては、前述した第4実施形態の複合電子機器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態の複合電子機器は、図17に示すように、電子機器38cと、スピーカーカートリッジ26cとを有している。スピーカーカートリッジ26cは、前述した第3実施形態のスピーカーカートリッジである。電子機器38cは、第2筐体25の+x方向の端部の+z方向側に切り欠き部27aが形成されていることを除いて、前述した第4実施形態における電子機器38aと同じ構造を有している。
本実施形態の複合電子機器は、図17に示すように、電子機器38cのスロット28aにスピーカーカートリッジ26cが挿入されている。そして、スピーカーカートリッジ26cの第1開口22cが、切り欠き部27aを介して電子機器38cの外部に露出している。
スピーカーカートリッジ26cは、+x方向側からスロット28aに挿入されている。そして、スロット28aの内部に設けられた第2コネクタ30に、スピーカーカートリッジ26cの第1コネクタ20が接続されている。そして、電子回路60からの電気信号がスピーカーカートリッジ26cの励振器11に供給され、振動体12aの第1主面12b側で発生した音響が、スピーカーカートリッジ26cの第1開口22cから外部空間へ放射される。
このような構成を有する本実施形態の複合電子機器は、スピーカーカートリッジ26cの第1開口22cが、電子機器38cの+z方向側の表面に露出しているので、複合電子機器から発生する音響の+z方向側における音圧を高くすることができる。
なお、本実施形態のスピーカーカートリッジでは、スピーカーカートリッジ26cの第1開口22cが、切り欠き部27aを介して外部空間に露出する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、スピーカーカートリッジ26cのスロット28aへの挿入深さを小さくして、第1開口22cが電子機器38cの+x方向の端部から突出するようにしても良い。
(第7実施形態)
図18は、本発明の第7実施形態の複合電子機器を模式的に示す、+z方向側から見た平面図である。なお、本実施形態においては、前述した第6実施形態の複合電子機器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態の複合電子機器は、図18に示すように、電子機器38dと、スピーカーカートリッジ26cと、スピーカーカートリッジ26dとを有している。電子機器38dは、スロット28bおよび切り欠き部27bをさらに有していることを除いて、前述した第6実施形態における電子機器38cと同じ構造を有している。スピーカーカートリッジ26dは、スピーカーカートリッジ26cと同じものであり、z軸の回りに180°回転させた状態となっている。スロット28bは、スロット28aと同じ構造を有しており、z軸の回りに180°回転させた状態となっている。そして、スロット28bにスピーカーカートリッジ26dが挿入されている。切り欠き部27bは、第2筐体25の−x方向の端部の+z方向側に形成されており、スピーカーカートリッジ26dの第1開口22cが、切り欠き部27bを介して外部空間に露出している。
スピーカーカートリッジ26dは、−x方向側からスロット28bに挿入されている。そして、スロット28bの内部に設けられた第2コネクタ30に、スピーカーカートリッジ26dの第1コネクタ20が接続されている。そして、電子回路60からの電気信号がスピーカーカートリッジ26dの励振器11にも供給され、振動体12aの第1主面12b側で発生した音響が、スピーカーカートリッジ26dの第1開口22cから外部空間へ放射される。
このような構成を有する本実施形態の複合電子機器は、+x方向の端部に配置されたスピーカーカートリッジ26cと、−x方向の端部に配置されたスピーカーカートリッジ26dとの、両方から音響を発生させることができる。これにより、ステレオ再生が可能になるとともに、大きく臨場感にあふれる音響を発生させることができる。
(第8実施形態)
図19は、本発明の第8実施形態の複合電子機器を模式的に示す、+z方向側から見た平面図である。図20は、本発明の第8実施形態の複合電子機器の一部分を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態においては、前述した第4実施形態の複合電子機器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の複合電子機器は、図19,図20に示すように、電子機器38eと、スピーカーカートリッジ26eとを有している。
電子機器38eは、電子機器38aと殆ど同じ構造を有している。電子機器38eが電子機器38aと異なる点は、スロット28aの代わりに凹部29を有している点と、第2コネクタ30および接合部35の位置と、遮音部材33を有していない点と、のみである。凹部29は、電子機器38eの第2筐体25のx軸方向側の端部の+z方向側に設けられている。第2コネクタ30および接合部35は、第2筐体25の凹部29が形成された部分の+z方向側の表面に配置されている。
スピーカーカートリッジ26eは、スピーカーカートリッジ26aと殆ど同じ構造を有している。スピーカーカートリッジ26eがスピーカーカートリッジ26aと異なる点は、遮音部材37有している点と、第1コネクタ20および接合部34の位置と、のみである。接合部34および第1コネクタ20は、第1筐体10の−z方向側の表面に配置されている。また、遮音部材37は、第1筐体10の−z方向側の表面に、複数の貫通孔23で構成された第2開口を取り囲むように設けられている。遮音部材37は、前述した遮音部材33と同様の形状および材質を有しており、遮音部材33と同様の効果を発揮する。
そして、スピーカーカートリッジ26eは、+x方向側から電子機器38e凹部29に嵌め込まれている。そして、凹部29に設けられた接合部35にスピーカーカートリッジ26eの接合部34が接合されているとともに、凹部29に設けられた第2コネクタ30に、スピーカーカートリッジ26eの第1コネクタ20が接続されている。そして、電子回路60からの電気信号がスピーカーカートリッジ26eの励振器11に供給され、振動体12aの第1主面12b側で発生した音響が、スピーカーカートリッジ26eの第1開口(開口22aおよb開口22b)から外部空間へ放射される。このように、本実施形態の複合電子機器も、前述した第4実施形態の複合電子機器と同様に機能する。
本実施形態の複合電子機器では、電子機器38eの第2筐体25に凹部29が設けられており、スピーカーカートリッジ26eの第1筐体10の少なくとも一部が凹部29に嵌め込まれている。これにより、スピーカーカートリッジ26eが装着されていることを外観から確認することができるとともに、スピーカーカートリッジ26eが外側へ大きく突出するのを防止することができる。
また、本実施形態において、スピーカーカートリッジ26eの第2開口を取り囲む遮音部材37が第1筐体10に設けられており、遮音部材37は、第1筐体10を構成する材料よりも弾性率が小さい材料を用いて構成されている。これにより、電子機器38eにスピーカーカートリッジ26eを取り付けたときに、振動体12aの第2主面12c側で発生する音響が外部空間へ漏洩するのを防止することができる。
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、励振器11として圧電素子を用いた例を示したが、これに限定されるものではない。励振器11は、電気信号を機械的振動に変換する機能を有していればよく、電気信号を機械的振動に変換する機能を有する他のものを励振器11として用いても構わない。例えば、スピーカーを振動させる励振器としてよく知られた、動電型の励振器や、静電型の励振器や、電磁型の励振器を励振器11として用いても構わない。なお、動電型の励振器は、永久磁石の磁極の間に配置されたコイルに電流を流してコイルを振動させるようなものであり、静電型の励振器は、向き合わせた2つの金属板にバイアスと電気信号とを流して金属板を振動させるようなものであり、電磁型の励振器は、電気信号をコイルに流して薄い鉄板を振動させるようなものである。
また、前述した実施形態においては、フィルム12の表面に1個の励振器11が取り付けられた例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、フィルム12の表面に2個以上の励振器を取り付けても構わない。
次に、本発明の具体例について説明する。図16に示した第5実施形態の複合電子機器を作製して、その特性を評価した。
まず、Zrの一部をSbで置換したチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含有する圧電粉末と、バインダーと、分散剤と、可塑剤と、溶剤とをボールミル混合により混練してスラリーを作製した。そして、得られたスラリーを用いてドクターブレード法によりグリーンシートを作製した。このグリーンシートにAgおよびPdを含有する導体ペーストをスクリーン印刷法により所定形状に塗布して、内部電極層となる導体パターンを形成した。そして、導体パターンが形成されたグリーンシートおよびその他のグリーンシートを積層して加圧し、積層成形体を作製した。そして、この積層成形体を500℃で1時間、大気中で脱脂し、その後、1100℃で3時間、大気中で焼成して、積層体を得た。
次に、得られた積層体の長手方向の両端面部をダイシング加工によりカットし、内部電極層の先端を積層体の側面に露出させた。そして、積層体の両側主面にAgとガラスを含有する導体ペーストをスクリーン印刷法により塗布して、表面電極層を形成した。その後、積層体の長手方向の両側面に、Agとガラスを含有する導体ペーストをディップ法により塗布し、700℃で10分間、大気中で焼き付けて端子電極を形成した。これによって、積層体を作製した。作製された積層体の形状は、幅が14mmであり、長さが36mmであり、厚みが0.1mmであった。そして、端子電極を通して100Vの電圧を2分間加えて分極を行い、バイモルフ型の積層型圧電素子である励振器11を得た。
次に、厚み25μmのPETからなるフィルム12を準備し、張力を与えた状態でフレーム14aおよびフレーム14bに固定した。フレーム14aは、厚さ0.3mmで、フレーム14bは、厚さ0.5mmのステンレス製のものを用いた。フレーム14aおよびフレーム14bの内側のフィルム12の寸法は、長さが60mmで、幅が30mmとした。そして、固定されたフィルム12の一方主面に接着剤にて励振器11を接着し、励振器11に配線を接続した。そして、フレーム14aの内側に、フレーム14aと同じ高さとなるようにアクリル系樹脂を充填して固化させて、樹脂層13を形成した。
次に予め準備したスペーサー15,スペーサー16,パネル17およびパネル18を用いて第1筐体10を形成した。スペーサー15およびスペーサー16は、厚み1mmのステンレス製のものを用いて形成した。パネル17およびパネル18は、厚み1mmのアクリル板を用いて形成した。パネル18に形成した複数の貫通孔23は、それぞれ直径1mmの円形とした。第1筐体10の外形は、長さが65mmで幅が35mmの直方体状とした。フレーム14a,フレーム14b,スペーサー15,スペーサー16,パネル17およびパネル18の接合には両面テープを使用した。このようにして、スピーカーカートリッジ26aおよびスピーカーカートリッジ26bを作製した。
次に、図16に示す電子機器38bの第2筐体25を、アクリル板を用いて形成し、第2筐体25に形成したスロット28aにスピーカーカートリッジ26aを挿入し、スロット28bにスピーカーカートリッジ26bを挿入した。第2筐体25の形状は、長さが260mmで、幅が180mmで、厚さが10mmの直方体状とした。アクリル板同士の接合には両面テープを使用した。
そして、スピーカーカートリッジ26aおよびスピーカーカートリッジ26bの励振器11に実効値7Vのサイン波を与え、第2筐体25の+z方向側の表面の中央から、+z方向に25cm離れた位置における音圧の周波数特性を測定した。その結果を図21に示す。
図21に示すグラフにおいて、横軸は周波数を示し、縦軸は音圧レベルを示している。図21に示すグラフによれば、広い周波数において音圧レベルが高く、且つ音圧レベルの周波数特性が平坦であり、歪みが小さい良好な音質であることが判る。これにより本発明の有効性が確認できた。
10:第1筐体
11:励振器
12a:振動体
20:第1コネクタ
21a:第1空間
21b:第2空間
22,22a,22b,22c:第1開口
23:貫通孔
25:第2筐体
26a,26b,26c,26d,26e:スピーカーカートリッジ
28a,28b:スロット
29:凹部
30:第2コネクタ
31:第3空間
33,37:遮音部材
34:接合部
35:接合部
38a,38b,38c,38d,38e:電子機器
60:電子回路

Claims (13)

  1. 電子機器と、該電子機器に着脱可能に接続されたスピーカーカートリッジとを有しており、
    前記スピーカーカートリッジは、
    振動体と、
    該振動体に取り付けられた励振器と、
    前記振動体を取り囲んで内部に収容する第1筐体と、
    前記励振器と電気的に接続された第1コネクタと、
    を有しており、
    前記振動体は、互いに反対側の表面である第1主面および第2主面を有しており、
    前記振動体の前記第1主面と前記第1筐体とで囲まれた第1空間と、前記振動体の前記第2主面と前記第1筐体とで囲まれた第2空間とを有しており、
    前記電子機器は、
    電子回路と、該電子回路に接続された第2コネクタと、第2筐体と、を有しており、
    前記第2筐体は内部に第3空間を有しており、
    前記第1コネクタと前記第2コネクタとが接続されて、前記励振器と前記電子回路とが電気的に接続されており、
    前記第1筐体における前記第1空間に接する部分に第1開口が設けられており、前記第1空間と外部空間とが、前記第1開口を介して接続されており、
    前記第1筐体における前記第2空間に接する部分に第2開口が設けられており、前記第2空間と前記第3空間とが、前記第2開口を介して接続されている
    ことを特徴とする複合電子機器。
  2. 前記第2空間および前記第3空間と、前記外部空間と、を遮断する遮音部材が、前記第1筐体と前記第2筐体との間に設けられており、
    前記遮音部材は、前記第1筐体を構成する材料および前記第2筐体を構成する材料よりも弾性率が小さい材料を用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合電子機器。
  3. 前記第1筐体を前記第2筐体に着脱可能に接合する接合部が、前記第1筐体および前記第2筐体の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合電子機器。
  4. 前記第2筐体にスロットが設けられており、該スロットに前記スピーカーカートリッジが挿入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の複合電子機器。
  5. 前記第2開口および前記第1コネクタは、前記スロットの内部に位置しており、
    前記第1開口は、前記スピーカーカートリッジが前記スロットに挿入された状態で前記外部空間に露出している
    ことを特徴とする請求項4に記載の複合電子機器。
  6. 前記第2筐体に凹部が設けられており、前記第1筐体の少なくとも一部が前記凹部に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の複合電子機器。
  7. 振動体と、
    該振動体に取り付けられた励振器と、
    前記振動体を取り囲んで内部に収容する第1筐体と、
    前記励振器と電気的に接続された第1コネクタと、
    を有しており、
    前記振動体は、互いに反対側の表面である第1主面および第2主面を有しており、
    前記振動体の前記第1主面と前記第1筐体とで囲まれた第1空間と、
    前記振動体の前記第2主面と前記第1筐体とで囲まれた第2空間と、
    前記第1筐体における前記第1空間に接する部分に設けられた第1開口と、
    前記第1筐体における前記第2空間に接する部分に設けられた第2開口と、
    を有していることを特徴とするスピーカーカートリッジ。
  8. 前記第2開口を取り囲む遮音部材が前記第1筐体に設けられており、
    前記遮音部材は、前記第1筐体を構成する材料よりも弾性率が小さい材料を用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のスピーカーカートリッジ。
  9. 前記第1筐体に接合部が設けられていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のスピーカーカートリッジ。
  10. 互いに反対の方向を第1方向および第2方向とすると、
    前記第1コネクタは、前記第1筐体における前記第1方向の端部に設けられており、
    前記第1開口は、前記第1筐体における前記第2方向の端部に設けられている
    ことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のスピーカーカートリッジ。
  11. 電子回路と、該電子回路に接続された第2コネクタと、第2筐体と、を有しており、
    前記第2筐体は、内部に設けられた第3空間と、該第3空間に接する第3開口とを有している
    ことを特徴とする電子機器。
  12. 前記第3開口を取り囲む遮音部材が前記第2筐体に設けられており、
    前記遮音部材は、前記第2筐体を構成する材料よりも弾性率が小さい材料を用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
  13. 前記第2筐体に接合部が設けられていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の電子機器。
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