JP2016072744A - 音響発生器およびそれを用いた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好な音質の音を発生させることができる音響発生器およびそれを用いた電子機器を提供する。【解決手段】 音響発生器は、圧電素子1と、振動体3aと、エンクロージャー10とを有している。圧電素子1は、電気信号が入力されて振動する。振動体3aは、主面3cおよび主面3cと反対側の主面3dを有しており、圧電素子1が設けられて圧電素子1の振動によって振動して音響を発生させる。エンクロージャー10は、振動体3aを取り囲んでいる。エンクロージャー10は、振動体3aの主面3cに面する部分である第1部分11aを有しており、第1部分11aは複数の貫通孔21を有している。各々の貫通孔21の開口の面積を全ての貫通孔21について合計した面積をAとし、振動体3aの主面3cの面積をBとし、A/Bの百分率をC(%)とすると、2.7≦C≦14.5である。【選択図】 図2
Description
本発明は、音響発生器およびそれを用いた電子機器に関するものである。
従来、振動板に圧電素子を取り付けたスピーカーが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上述した従来のスピーカーでは振動板の共振を積極的に利用するため、基本モードの共振に加えて複数の高次モードの共振が発生する。このため、高調波歪みが大きくなって音質が低下するという問題があった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、良好な音質の音を発生させることができる音響発生器およびそれを用いた電子機器を提供することにある。
本発明の音響発生器は、電気信号が入力されて振動する圧電素子と、第1主面および該第1主面と反対側の第2主面を有しており、前記圧電素子が設けられて該圧電素子の振動によって振動して音響を発生させる振動体と、該振動体を取り囲むエンクロージャーと、を有しており、該エンクロージャーは、前記振動体の前記第1主面に面する部分である第1部分を有しており、該第1部分は複数の貫通孔を有しており、各々の前記貫通孔の開口の面積を全ての前記貫通孔について合計した面積をAとし、前記振動体の前記第1主面の面積をBとし、A/Bの百分率をC(%)とすると、2.7≦C≦14.5であることを特徴とする。
本発明の電子機器は、前記音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路とを有し、前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする。
本発明の音響発生器および本発明の電子機器は、良好な音質の音を発生させることができる。
以下、本発明の実施形態である音響発生器およびそれを用いた電子機器を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の音響発生器を模式的に示す斜視図である。図2は、図1のD−E線断面図である。図3,図4および図5は、本発明の第1実施形態の音響発生器を模式的に示す平面図である。なお、図においては、互いに直交するx軸,y軸,z軸を用いて方向を示している。図3は、−z方向から見た状態を示している。図4は、−z方向から見た状態を示しており、部材13および樹脂層20を取り除いた状態を示している。図5は、+z方向から見た状態を示しており、部材11を取り除いた状態を示している。
図1は、本発明の第1実施形態の音響発生器を模式的に示す斜視図である。図2は、図1のD−E線断面図である。図3,図4および図5は、本発明の第1実施形態の音響発生器を模式的に示す平面図である。なお、図においては、互いに直交するx軸,y軸,z軸を用いて方向を示している。図3は、−z方向から見た状態を示している。図4は、−z方向から見た状態を示しており、部材13および樹脂層20を取り除いた状態を示している。図5は、+z方向から見た状態を示しており、部材11を取り除いた状態を示している。
本実施形態の音響発生器は、図1〜図5に示すように、圧電素子1と、フィルム3と、枠部材5aと、枠部材5bと、樹脂層20と、エンクロージャー10とを有している。また、エンクロージャー10は、部材11と、部材12と、部材13とによって構成されている。
枠部材(5a,5b)は、矩形の枠状の形状を有している。枠部材5aおよび枠部材5bの間にフィルム3の外周部が挟み込まれており、張力を加えた状態でフィルム3を固定している。枠部材(5a,5b)の材質および形状は特に限定されるものではなく、フィルム3および樹脂層20よりも変形し難いものであれば良い。例えば、硬質樹脂、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、セラミックス、金属等を用いて枠部材(5a,5b)を形成することができる。例えば、厚み100〜1000μmのステンレス製の枠部材(5a,5b)を用いることができる。また、枠部材(5a,5b)の内側の形状は、矩形状に限定されるものではなく、楕円形や菱形であってもよい。なお、枠部材5bを有さない場合には、例えば、枠部材5aの+z方向の表面にフィルム3を接着すればよい。
フィルム3は、張力をかけられた状態で、矩形状の周縁部を全体的に枠部材5aおよび枠部材5bで挟まれて固定されており、枠部材(5a,5b)によって振動可能に支持されている。そして、フィルム3における枠部材(5a,5b)の内側に位置する振動可能な部分が、圧電素子1が取り付けられて圧電素子1とともに振動する振動体3aとして機能している。振動体3aは、平板状または膜状であり、+z方向側の主面3cと、−z方向側の主面3dとを有している。そして、振動体3aの主面3dに圧電素子1が取り付けられている。フィルム3の厚みは、例えば、10〜200μmとされる。フィルム3は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂を用いて形成することができる。
圧電素子1は、平板状の形状を有している。圧電素子1の2つの主面(+z方向の表面および−z方向の表面)は、+x方向が長く+y方向が短い矩形である。詳細な図示を省略するが、圧電素子1は、積層体と、複数の表面電極と、複数の側面電極とで構成されている。積層体は、圧電セラミックスからなる圧電体層と、内部電極層とを、+z方向に交互に積層して構成される。複数の表面電極は、積層体の2つの主面にそれぞれ配置されている。複数の側面電極は、積層体の+x方向の表面および−x方向の表面にそれぞれ設けられている。なお、表面電極および内部電極層は、積層体の+x方向の表面および−x方向の表面に交互に引き出されており、それぞれ側面電極に接続されている。
圧電素子1は、バイモルフ型の圧電素子とされており、電気信号が入力されたときに、任意の瞬間において、+z方向と−z方向とで伸縮が逆になるようにされている。よって、圧電素子1は、電気信号が入力されて屈曲振動する。そして、圧電素子1とフィルム3とは、例えば、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の既知の接着剤や両面テープ等によって接着されている。よって、電気信号が入力されて圧電素子1が振動すると、フィルム3の枠部材(5a,5b)の内側の部分で構成される振動体3aは、圧電素子1とともに振動する。なお、圧電素子1は、電気信号が入力されて伸縮振動する圧電素子と金属板とを張り合わせて構成したモノモルフ型の振動素子でも構わない。
圧電素子1の圧電体層は、ジルコン酸鉛(PZ)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、従来用いられている圧電セラミックスを用いて形成することができる。圧電体層の1層の厚みは、例えば、10〜100μm程度とするのが望ましい。
圧電素子1の内部電極層は、既知の種々の金属材料を用いて形成することができる。例えば、銀とパラジウムとからなる金属成分と圧電体層を構成する材料成分とを含有する内部電極層とすることができる。圧電素子1の表面電極および側面電極は、既知の種々の金属材料を用いて形成することができる。例えば、銀からなる金属成分およびガラス成分を含有する材料を用いて、表面電極および側面電極を形成することができる。
樹脂層20は、圧電素子1を埋設するように、枠部材5aの内側の全体に渡って充填されている。樹脂層20は、既知の種々の材料を用いて形成することができる。例えば、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂等の樹脂や、あるいはゴム等を用いることができる。また、樹脂層20は、枠部材5aの内側の全体に渡って充填されていなくても良いが、圧電素子1を完全に覆う程度の厚みを有することが望ましい。また、樹脂層20は必須ではなく、場合によっては無くても構わない。
エンクロージャー10は直方体の箱状の形状を有しており、エンクロージャー10の中に振動体3aが収容されている。エンクロージャー10は、部材11,部材12および部材13によって構成されている。部材11は、矩形の平板状の形状を有しており、部材12は矩形の枠状の形状を有しており、部材13は、+z方向が開口した直方体の箱状の形状を有している。そして、部材12の−z方向側の表面の外側の部分に部材13の+z方向側の表面が接合され、部材12の+z方向側の表面に部材11の−z方向側の表面が接合されることにより、直方体の箱状の形状を有するエンクロージャー10が構成されている。そして、部材12の−z方向の表面の内側の部分に、枠部材5bの+z方向側の表面が接合されている。
エンクロージャー10の部材11は、振動体3aの主面3cに面する部分である第1部分11aを有している。なお、「部材11における振動体3aの主面3cに面する部分」とは、部材11の振動体3a側の表面に対して、振動体3aの主面3cから下ろした垂線が、部材11と交わる部分を意味する。そして、第1部分11aには、部材11を貫通する複数の貫通孔21が形成されている。複数の貫通孔21はマトリクス状に整列して配置されている。また、複数の貫通孔21は、全て同じ形状を有しており、各々の貫通孔21の開口の形状は円形である。なお、貫通孔21開口の直径は、所望する特性に応じて適宜設定することができるが、例えば、1mm〜2mm程度に設定される。また、貫通孔21の開口の形状は、矩形状や三角形状など種々の形状であっても構わないが、円形が望ましく、楕円形が更に望ましい。
本実施形態の音響発生器は、主に+z方向へ音響を放射するものである。そして、本実施形態の音響発生器は、振動体3aの主面3cで発生した音響を、貫通孔21を介して外
部へ放射する。そして、複数の貫通孔21は、貫通孔21を介して外部へ放射される音響の音質を制御する。
部へ放射する。そして、複数の貫通孔21は、貫通孔21を介して外部へ放射される音響の音質を制御する。
また、エンクロージャー10の部材13は、振動体3aの主面3dに面する部分である第2部分13aを有している。また、部材13には、部材13を貫通する2つの貫通孔22が形成されている。各々の貫通孔22は、+y方向に長い矩形状の開口を有している。2つの貫通孔22は、振動体3aの主面3dが閉空間で囲まれることによる特性の悪化を防止する。
エンクロージャー10は、例えば、合成樹脂,木材,金属,セラミックス等の種々の材料を用いて形成することができる。エンクロージャー10は振動体3aを取り囲んでいれば良いため、エンクロージャー10の形状は直方体の箱状に限定されるものではなく、種々の形状であって構わない。部材11,部材12および部材13の厚みも、特に限定されるものではなく、例えば、1mm〜10mm程度に設定される。
本実施形態の音響発生器は、圧電素子1と、振動体3aと、エンクロージャー10とを有している。圧電素子1は、電気信号が入力されて振動する。振動体3aは、主面3cおよび主面3cと反対側の主面3dを有しており、圧電素子1が設けられて圧電素子1の振動によって振動して音響を発生させる。エンクロージャー10は、振動体3aを取り囲んでいる。そして、エンクロージャー10は、振動体3aの主面3cに面する部分である第1部分11aを有しており、第1部分11aは複数の貫通孔21を有している。そして、各々の貫通孔21の開口の面積を全ての貫通孔21について合計した面積をAとし、振動体3aの主面3cの面積をBとし、A/Bの百分率をC(%)とすると、2.7≦C≦14.5である。このような構成により、音質が高い音響を発生させることができる。
本発明の発明者らは、複数の貫通孔21の大きさ、個数、間隔などのパラメータを変化させて、発生する音響における音圧、音質などの特性を調べた結果、前述した条件を満足することにより、発生する音響の音質(歪み率)を大きく改善できることを見出した。この現象のメカニズムは特定できていないが、実験によって、開口率(A/B)の減少に伴う基本波の音圧の増加や、開口率(A/B)の減少に伴う特定周波数の音圧の低下が確認されており、これらが関係しているのではないかと推測される。なお、貫通孔21の開口の面積を測定する際には、部材11の一方の表面(例えば+z方向側の表面)で測定すれば良い。
また、本実施形態の音響発生器では、エンクロージャー10は、振動体3aの主面3cに面する部分である第1部分11aと、振動体3aの主面3dに面する部分である第2部分13aとを有している。そして、振動体3aの主面3cとエンクロージャー10の第1部分11aとの間隔をd1とし、振動体3aの主面3dとエンクロージャー10の第2部分13aとの間隔をd2とすると、d1<d2である。これにより、発生する音響の音質を更に改善することができる。この効果が得られるメカニズムは特定できていないが、振動体3aの主面3cで発生した音響がそのまま貫通孔21を通過しやすくなることや、振動体3aの主面3dを取り囲む空間を大きくできることによって空気の抵抗が低下して振動体3aが振動しやすくなること等が関係すると考えられる。
本実施形態の音響発生器は、例えば次のようにして製造することができる。まず、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑剤、溶剤を添加して掻き混ぜて、スラリーを作製する。圧電材料としては、鉛系、非鉛系のうちいずれでも使用することができる。次に、得られたスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを作製する。このグリーンシートに導体ペーストを印刷して内部電極となる導体パターンを形成し、この導体パターンが形成されたグリーンシートを積層して、積層成形体を作製する。
次に、この積層成形体を脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることにより積層体を得ることができる。そして、必要に応じて、積層体の外周部を加工する。次に、積層体の積層方向の主面に、導体ペーストを印刷して表面電極となる導体パターンを形成し、積層体の長手方向(+x方向)の両側面に、導体ペーストを印刷して側面電極となる導体パターンを形成する。そして、所定の温度で電極の焼付けを行うことにより、圧電素子1となる構造体を得ることができる。その後に、圧電素子1に圧電性を付与するために表面電極または側面電極を通じて直流電圧を印加して、圧電素子1の圧電体層の分極を行う。このようにして圧電素子1を得ることができる。
次に、フィルム3および枠部材(5a,5b)を準備し、フィルム3に張力をかけた状態で、フィルム3の周縁部を枠部材5aおよび枠部材5bで挟んで接着剤で接合する。次に、フィルム3の表面に圧電素子1を接着剤等により接合し、圧電素子1に配線を接続する。そして、枠部材5aの内側に樹脂を流し込んで硬化させることにより樹脂層20を形成する。そして、枠部材5aに部材12を接着剤等で接合し、部材11および部材13を部材12に接着剤等で接合する。このようにして、本実施形態の音響発生器を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の音響発生器について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第2実施形態の音響発生器を模式的に示す平面図であり、+z方向から見た状態を示している。なお、本実施形態においては、前述した第1実施形態の音響発生器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同様の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態の音響発生器について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第2実施形態の音響発生器を模式的に示す平面図であり、+z方向から見た状態を示している。なお、本実施形態においては、前述した第1実施形態の音響発生器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同様の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
前述した第1実施形態の音響発生器では、開口の大きさが等しい1種類の貫通孔21が、エンクロージャー10の第1部分11aに形成されていたのに対し、本実施形態の音響発生器では、大きさが異なる2種類の貫通孔(貫通孔21aおよび貫通孔21b)が、エンクロージャー10の第1部分11aに形成されている。この点を除いて、本実施形態の音響発生器は、前述した第1実施形態の音響発生器と同じ構成を有している。
本実施形態の音響発生器は、部材11の第1部分11aが有する複数の貫通孔が、開口の大きさが異なる複数種類の貫通孔(貫通孔21aおよび貫通孔21b)を含んでいる。これにより、特定の周波数において音圧が低下する現象を抑制することができ、さらに音質が高い音響を発生させることができる。
なお、開口の大きさとは、開口を平面視したときに、開口の周縁上に位置する2点間の距離の最大値を意味する。すなわち、開口が円形状であるときは円の直径であり、開口が楕円形状であるときは楕円の長軸の長さであり、開口が矩形状であるときは矩形の対角線の長さである。また、平面視するときは、+z方向または−z方向から平面視すればよい。
図6では、作図を簡単にするために2種類の貫通孔(貫通孔21aおよび貫通孔21b)を有する場合を示した。このような構成でも効果を奏することができるが、大きい効果を得るためには、開口の大きさが異なる貫通孔の種類は多い方が望ましい。また、開口の大きさが異なる貫通孔の種類が少ない場合には、種類による開口の大きさの差異が大きい方が望ましいが、開口の大きさが異なる貫通孔の種類が多い場合には、種類による開口の大きさの差異は小さくても効果を奏することができ、例えば10%程度の差異でも構わない。
なお、本実施形態の音響発生器においても、各々の貫通孔(貫通孔21a,貫通孔21b)の開口の面積を全ての貫通孔(貫通孔21a,貫通孔21b)について合計した面積をAとし、振動体3aの主面3cの面積をBとし、A/Bの百分率をC(%)とすると、2.7≦C≦14.5である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の音響発生器について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第3実施形態の音響発生器を模式的に示す平面図であり、+z方向から見た状態を示している。なお、本実施形態においては、前述した第1実施形態の音響発生器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同様の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態の音響発生器について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第3実施形態の音響発生器を模式的に示す平面図であり、+z方向から見た状態を示している。なお、本実施形態においては、前述した第1実施形態の音響発生器と異なる点について説明し、同様の構成要素には同様の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
前述した第1実施形態の音響発生器では、開口が円形である1種類の貫通孔21が、エンクロージャー10の第1部分11aに形成されていたのに対し、本実施形態の音響発生器では、+z方向または−z方向から平面視したときの開口の形状が楕円形である貫通孔(貫通孔21c,貫通孔21d)が、エンクロージャー10の第1部分11aに複数形成されている。そして、貫通孔21cの開口の楕円の長軸の方向と、貫通孔21dの開口の楕円の長軸の方向とが異なっている。本実施形態の音響発生器の構成と第1実施形態の音響発生器の構成との差異は、エンクロージャー10の第1部分11aに形成された複数の貫通孔の形状のみであり、この点を除いて、本実施形態の音響発生器は、前述した第1実施形態の音響発生器と同じ構成を有している。
このように、本実施形態の音響発生器では、部材11の第1部分11aが有する複数の貫通孔が、平面視したときの開口の形状が特定の方向に長い形状である貫通孔(貫通孔21c,貫通孔21d)を複数含んでいる。また、部材11の第1部分11aが有する複数の貫通孔が、特定の方向(平面視したときの開口の形状の輪郭上に位置する2点間の距離が最大になるときの2つの点の一方から他方へ向かう方向であり、以下、第1方向と呼ぶ)が異なる複数種類の貫通孔(貫通孔21c,貫通孔21d)を含んでいる。これにより、発生する音響の音質を改善することができる。
図7では、作図を簡単にするために、第1方向が異なる2種類の貫通孔(貫通孔21c,貫通孔21d)を有する場合を示した。このような構成でも効果を奏することができるが、大きい効果を得るためには、第1方向が異なる貫通孔の種類は多い方が望ましい。また、第1方向が異なる貫通孔が2種類しか存在しない場合には、2種類の貫通孔の第1方向が直交するのが望ましいが、第1方向が異なる貫通孔の種類が多い場合には、各々の種類の貫通孔における第1方向の違いは小さくてもよく、それぞれの種類の貫通孔の第1方向が様々な方向を向いていることが望ましい。
また、1つの貫通孔の1つの開口を平面視したときに、開口の周縁上に位置する2点間の距離の最大値を第1寸法とし、開口の周縁上に位置する2点間の距離の最小値を第2寸法とすると、第1寸法と第2寸法の差異は、50%程度が望ましいが、10%程度でも構わない。
なお、本実施形態の音響発生器においても、各々の貫通孔(貫通孔21c,貫通孔21d)の開口の面積を全ての貫通孔(貫通孔21c,貫通孔21d)について合計した面積をAとし、振動体3aの主面3cの面積をBとし、A/Bの百分率をC(%)とすると、2.7≦C≦14.5である。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態の電子機器50の構成の一例を示すブロック図である。
図8は、本発明の第4実施形態の電子機器50の構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態の電子機器50は、図8に示すように、音響発生器30と、電子回路60と、キー入力部50cと、マイク入力部50dと、表示部50eと、アンテナ50fとを有している。なお、図8は、例えば、携帯電話、タブレット端末、あるいはパーソナルコンピュータのような電子機器を想定したブロック図である。
電子回路60は、制御回路50aと、通信回路50bとを有している。また、電子回路60は、音響発生器30に接続されており、音響発生器へ音声信号を出力する機能を有している。制御回路50aは、電子機器50の制御部である。通信回路50bは、制御回路50aの制御に基づき、アンテナ50fを介してデータの送信や受信などを行う。
キー入力部50cは、電子機器50の入力デバイスであり、操作者によるキー入力操作を受け付ける。マイク入力部50dは、同じく電子機器50の入力デバイスであり、操作者による音声入力操作などを受け付ける。表示部50eは、電子機器50の表示出力デバイスであり、制御回路50aの制御に基づき、表示情報の出力を行う。
音響発生器30は、前述した第1実施形態乃至第3実施形態のような音響発生器である。そして、音響発生器30は、電子機器50における音響出力デバイスとして機能しており、電子回路60から入力された音声情報を有する電気信号に基づいて音響(可聴周波数帯域外の音響も含む)を発生させる。なお、音響発生器30は、電子回路60の制御回路50aに接続されており、制御回路50aによって制御された電圧の印加を受けて音響を発生させる。
本実施形態の電子機器50は、前述した第1実施形態乃至第3実施形態のような音響発生器30を用いて音響を発生させることから、高音質な音響を発生させることができるとともに、小型化することができる。
なお、電子機器50の構造の一例としては、例えば、電子機器50の筐体の内部に、図8に示す電子回路60,キー入力部50c,マイク入力部50d,表示部50e,アンテナ50fおよび音響発生器30を備えたものとすることができる。また、電子機器50の構造の他の例としては、図8に示す電子回路60,キー入力部50c,マイク入力部50d,表示部50およびアンテナ50fを筐体に備えた機器本体と、音響発生器30とを、リード線等を介して電気信号が伝達可能に接続したものとすることができる。
また、本実施形態の電子機器は、図8に示した、キー入力部50c,マイク入力部50d,表示部50eおよびアンテナ50fを全て有している必要はなく、音響発生器30と、電子回路60とを少なくとも有していれば良い。また、電子機器50は、他の構成要素を有していても良い。電子回路60も、上述した構成の電子回路60に限定されるものではなく、他の構成を有する電子回路であっても構わない。
また、本実施形態の電子機器は、上述した、携帯電話,タブレット端末,パーソナルコンピュータ等の電子機器に限定されるものではない。音響や音声を発生させる機能を有する、テレビ、オーディオ機器、ラジオ、掃除機,洗濯機,冷蔵庫,電子レンジ等の種々の電子機器において、前述した第1実施形態乃至第3実施形態のような音響発生器30を、音響発生装置として用いることができる。
(変形例)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
前述した実施形態においては、フィルム3を用いて振動体3aを構成した例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、フィルム3の代わりに、例えば、金属,セラミックス,合成樹脂等で形成された薄板状の物体を用いても良く、また、各種ゴム材料からなる膜状の物体を用いても良く、パルプや繊維等からなる紙を用いても構わない。
またさらに、前述した実施形態においては、フィルム3および圧電素子1の表面を被覆する樹脂層20を形成した例を示したが、これに限定されるものではない。樹脂層20を形成しないようにしても構わない。
次に本発明の音響発生器の具体例について説明する。図1〜図5に示したような構造を有する音響発生器を作製した。圧電素子1は、PZT系の圧電体層と電極層とが積層されたバイモルフ型の圧電素子とした。圧電素子1の形状は、長さが7mmで幅が6mmの矩形の板状とした。フィルム3は、厚さが0.025mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製のフィルムを使用した。フィルム3における、枠部材(5a,5b)の内側の振動体3aとして機能する部分は、長さが15mmで幅が13mmの矩形状とした。枠部材(5a,5b)は厚み0,3mmのステンレスを用いて形成した。エンクロージャー10の部材11,部材12,部材13はアクリル樹脂を用いて形成した。部材11は、1辺が20mmで厚みが1mmの正方形の板状とした。部材12の開口は、長さが15mmで幅が13mmの矩形状とし、部材12の厚みは1mmとした。部材13の+z方向の寸法は6mmとした。
そして、部材11の第1部分11aに形成する貫通孔21の大きさや個数を種々に変化させた12種類の音響発生器を作製し、それぞれの特性を測定した。特性の測定は、無響室の中において、1辺が16cmの正方形の外形を有する金属製の枠状の固定具の中央に音響発生器を固定し、部材11の中央から+z方向に1m離れた場所で行った。圧電素子1に入力する電気信号は、実効値が7Vのサイン波とし、周波数を5kHz〜10kHzの間で変化させた。
その結果を表1に示す。表1において、「直径」は各々の貫通孔21の直径を示し、「間隔」は隣り合う貫通孔21同士の間隔を示し、「面積」は各々の貫通孔21の開口の面積を示し、「総数」は貫通孔21の個数を示す。「開口率」は、各々の貫通孔21の開口の面積の合計(「面積」×「総数」)を振動体3aの主面3cの面積(195mm)で割った値の百分率である。「歪み率」は、全高調波歪率(THD)である。なお、表1におい
ては、「開口率」の大きさの順番にデータを並べている。
ては、「開口率」の大きさの順番にデータを並べている。
また、表1における「開口率」と「歪み率」の関係を図9のグラフに示す。グラフにおいて、横軸は「開口率」を示し、縦軸は「歪み率」を示す。表1および図9に示すグラフによれば、「開口率」を2.7%以上14.5%以下とすることにより、それ以外の場合と比較して、「歪み率」を大きく改善できることがわかる。これにより本発明の有効性が確認できる。
1:圧電素子
3a:振動体
3c,3d:主面
10:エンクロージャー
21,21a,21b,21c,21d:貫通孔
30:音響発生器
50:電子機器
60:電子回路
3a:振動体
3c,3d:主面
10:エンクロージャー
21,21a,21b,21c,21d:貫通孔
30:音響発生器
50:電子機器
60:電子回路
Claims (5)
- 電気信号が入力されて振動する圧電素子と、
第1主面および該第1主面と反対側の第2主面を有しており、前記圧電素子が設けられて該圧電素子の振動によって振動して音響を発生させる振動体と、
該振動体を取り囲むエンクロージャーと、
を有しており、
該エンクロージャーは、前記振動体の前記第1主面に面する部分である第1部分を有しており、
該第1部分は複数の貫通孔を有しており、
各々の前記貫通孔の開口の面積を全ての前記貫通孔について合計した面積をAとし、前記振動体の前記第1主面の面積をBとし、A/Bの百分率をC(%)とすると、
2.7≦C≦14.5である
ことを特徴とする音響発生器。 - 前記複数の貫通孔は、前記開口の大きさが異なる複数種類の貫通孔を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の音響発生器。
- 前記複数の貫通孔は、平面視したときの前記開口の形状が特定の方向に長い形状である貫通孔を複数含んでおり、
前記複数の貫通孔は、前記特定の方向が異なる複数種類の貫通孔を含んでいる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響発生器。 - 前記エンクロージャーは、前記振動体の前記第2主面に面する部分である第2部分を有しており、
前記振動体の前記第1主面と前記エンクロージャーの前記第1部分との間隔をd1とし、前記振動体の前記第2主面と前記エンクロージャーの前記第2部分との間隔をd2とすると、d1<d2である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音響発生器。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の音響発生器と、該音響発生器に接続された電子回路とを有し、前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする電子機器。
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JP2014198612A JP2016072744A (ja) | 2014-09-29 | 2014-09-29 | 音響発生器およびそれを用いた電子機器 |
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH02130196U (ja) * | 1990-03-26 | 1990-10-26 | ||
JP2006526458A (ja) * | 2003-06-04 | 2006-11-24 | ウルトラゾニックス ディーエヌティー アクチボラゲット | 中央開口を有する超音波プローブ |
JP2011166414A (ja) * | 2010-02-09 | 2011-08-25 | Toa Corp | マイクロホン用カバーおよびこれを備えたマイクロホン |
-
2014
- 2014-09-29 JP JP2014198612A patent/JP2016072744A/ja active Pending
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