JPWO2015092902A1 - ワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法および制御装置 - Google Patents

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Abstract

ワイヤ放電加工装置が、被加工物から外枠部分を切り離すことによって内側部分である製品部位を形成する加工部と、加工部を制御する制御装置2と、を備え、加工部は、外枠部分と製品部位との境界のうちの一部が切り残し部分として残されるよう境界のうちの第1の境界領域を加工し、その後、製品部位になる部材と外枠部分になる部材とが導電性部材で接続された後に、境界のうちの切り残し部分である第2の境界領域を加工することによって外枠部分から製品部位を切り離すとともに、被加工物を加工する際には、第1の境界領域に対して複数回の加工を繰り返すとともに、第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返し、制御装置2は、nを2以上の自然数とした場合に、第1の境界領域を加工した際の加工状況に基づいて、第1の境界領域をn回目に加工する際の第1の加工条件と、第2の境界領域をn回目に加工する際の第2の加工条件と、で異なる加工条件を設定する。

Description

本発明は、ワイヤ放電加工によって被加工物から所望の部位を切り離すワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法および制御装置に関する。
ワイヤ放電加工方法の1つとして、加工開始点から加工終了点までの加工経路に沿って導電性材料である被加工物(ワーク)を加工することで、被加工物を、残される側の部位と切り落とす側の部位(製品部位)とに分離する方法がある。この方法では、第1の加工の際に、製品部位が切り落とされることがないよう、切り残し部分が設けられる。その後、第2の加工の際に、元の被加工物の部分と製品部位とが導電性部材(架橋部材)で架橋されたうえで、切り残し部分が加工される。
例えば、特許文献1に記載のワイヤ放電加工方法では、切り残し部分以外を加工した後に、融解凝固固定材を融解状態で加工溝に流し込んでいる。そして、未加工部である切り残し部分を加工することで被加工物を少なくとも2つの部位に分離している。
また、特許文献2に記載のワイヤ放電加工方法では、架橋部材を製品部位(中子)と被加工物とにまたがって設けている。この架橋部材によって中子が保持された後、切り残し部分の加工が行なわれる。このとき、切り残し部分を残したうえで仕上げ加工が行なわれる。その後、架橋装置によって架橋部材が既加工部分に架橋させられ、未加工部分である切り残し部分が加工される。このとき、未加工部分は、仕上げ加工まで行なわれる。
特開2006−21281号公報 特開平8−019918号公報
しかしながら、上記前者および後者の従来技術には、製品部位(中子)に対する具体的な加工方法が開示されていない。架橋部材には、導電性の材料が用いられるので、中子と被加工物との間の導電性が確保されているが、架橋部材は、被加工物に比べて高抵抗である。このため、同じ条件で加工した場合であっても、中子が切り離される前の加工と、切り離された後の導電性部材を通した加工とでは、加工エネルギーが異なる。このため、中子に加工跡の筋が発生することとなり、加工品質が低下する。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被加工物から所望形状の中子を形成することができるワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法および制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ワイヤと被加工物との間に電圧を印加する電源装置と、前記ワイヤと前記被加工物とを相対移動させることによって前記被加工物を加工し、前記被加工物から外枠部分を切り離すことによって前記被加工物の内側部分である製品部位を形成する加工部と、前記電源装置および前記加工部を制御する制御装置と、を備え、前記加工部は、前記外枠部分と前記製品部位との境界のうちの一部が切り残し部分として残されるよう前記境界のうちの第1の境界領域を加工し、その後、前記製品部位になる部材と前記外枠部分になる部材とが導電性部材で接続された後に、前記境界のうちの前記切り残し部分である第2の境界領域を加工することによって前記外枠部分から前記製品部位を切り離すとともに、前記被加工物を加工する際には、前記第1の境界領域に対して複数回の加工を繰り返すとともに、前記第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返し、前記制御装置は、nを2以上の自然数とした場合に、前記第1の境界領域を加工した際の加工状況に基づいて、前記第1の境界領域をn回目に加工する際の第1の加工条件と、前記第2の境界領域をn回目に加工する際の第2の加工条件と、で異なる加工条件を設定することを特徴とする。
本発明によれば、被加工物から所望形状の中子を形成することが可能になるという効果を奏する。
図1は、実施の形態に係るワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。 図2は、被加工物の上面図である。 図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、C字型形状加工の加工処理を説明するための図である。 図5は、切り残し部分の加工処理を説明するための図である。 図6は、C字型加工経路および残部加工経路を説明するための図である。 図7は、本実施の形態に係る給電方法での放電状態を示す図である。 図8は、架橋部に近い側の位置に配置された給電子からワイヤに電力を給電する場合の放電状態を示す図である。 図9は、切り残し部分が中子に接続された状態でC字型形状加工を実行した場合の、仕上げ加工時の電圧電流波形を模式的に示す図である。 図10は、切り残し部分に対して残部加工を実行した場合の、仕上げ加工時の補正前の電圧電流波形を模式的に示す図である。 図11は、切り残し部分に対して残部加工を実行した場合の、仕上げ加工時の補正後の電圧電流波形を模式的に示す図である。 図12は、段差検出時の追加加工を説明するための図である。 図13は、追加加工時の休止パルス幅を説明するための図である。 図14は、切り残し部分を所望寸法よりも大きくC字型形状加工する場合の加工経路を説明するための図である。 図15は、切り残し部分が所望寸法よりも大きくC字型形状加工された場合の、残部加工の加工経路を説明するための図である。 図16は、中子のずれが無い場合の放電周波数を説明するための図である。 図17は、中子のずれが有る場合の放電周波数を説明するための図である。 図18は、抵抗値の調整を用いた電流調整を説明するための図である。 図19は、制御装置のハードウェア構成を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法および制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態
図1は、実施の形態に係るワイヤ放電加工装置の構成を示す図である。また、図2は、被加工物の上面図である。ワイヤ放電加工装置1は、ワイヤ放電加工によって被加工物4から所望の部位(製品部位)(中子5)を切り離す装置である。ワイヤ放電加工装置1は、被加工物4とワイヤ3とを相対移動させることによって、被加工物4から所定の輪郭形状を切り離して製品部位を形成する。
ワイヤ放電加工装置1は、加工開始点から加工終了点までの加工経路(加工軌跡)に沿って導電性接着材料である被加工物(ワーク)4を加工することで、被加工物4を、残される側の部位と切り落とす側の部位(製品部位)とに分離する。このとき、ワイヤ放電加工装置1は、第1の加工の際に、製品部位になる部材が切り落とされることがないよう、残される側の部位(外枠部分になる部材)と切り落とす側の製品部位になる部材との間に切り残し部分7を設けておく。換言すると、製品部位の形状が四角形状の場合であれば、ワイヤ放電加工装置1は、被加工物4を上面側から見た場合に、被加工物4に対してC字型の加工溝を形成する。
その後、ワイヤ放電加工装置1は、第2の加工の際に、被加工物4と製品部位との間の加工溝を導電性接着部材(後述する架橋部21A〜21D)で架橋し、この状態で切り残し部分7を加工する。これにより、被加工物4のうちの内側部分(中子5)が製品部位となる。
本実施の形態では、被加工物4から切り落とされる製品部位を中子5という。また、被加工物4のうち、中子5の切り落としによって残される側の部位を外枠部分6という。また、第1の加工(切り残し部分7以外の加工)をC字型形状加工といい、第2の加工(切り残し部分7の加工)を、残部加工という。
ワイヤ放電加工装置1は、ワイヤ(ワイヤ電極)3と、ワイヤボビン31と、送出ローラ32と、巻き取りローラ33と、給電子9A,9Bとを備えている。ワイヤボビン31は、ワイヤ3を送出ローラ32に送り出す。
送出ローラ32は、ワイヤボビン31から送り出されてくるワイヤ3を、被加工物4側へ送り出すことによって、ワイヤ3の張力を制御する。送出ローラ32は、ワイヤボビン31と被加工物4との間に設置され、主にワイヤ3の走行方向に対して逆方向に張力を与える。
巻き取りローラ33は、ワイヤ3を回収する側に配置されている。巻き取りローラ33は、送出ローラ32を介してワイヤボビン31から送り出されてくるワイヤ3を略一定の回収速度で巻き取る。この構成により、ワイヤ3は、送出ローラ32と巻き取りローラ33との間に張架される。そして、張架されたワイヤ3によって被加工物4への加工が行われる。
また、ワイヤ放電加工装置1は、制御装置2と、加工電源30と、放電電流検出部51と、段差検出部52と、放電周波数検出部53とを備えている。加工電源30は、制御装置2、被加工物4および給電子9A,9Bに接続されている。制御装置2は、加工電源30、放電電流検出部51、段差検出部52および放電周波数検出部53に接続されている。
加工電源30は、制御装置2からの指示に従って給電子9A,9Bに電流を給電することによって、ワイヤ3と被加工物4との間に電圧を印加する電源装置である。放電電流検出部51は、1st加工(荒加工)の次の加工(仕上げ加工)である2nd以降の放電電流(加工パルス)を検出し、検出結果を制御装置2に送る。
段差検出部52は、切り残し部分7(中子5全体)の仕上げ加工プログラムが終了した後に、C字型形状加工による既加工部分と、残部加工による既加工部分との間の段差を検出する。段差検出部52は、光学的手法(レーザセンシング、撮像した画像の画像処理)などを用いて段差を検出する。段差検出部52は、検出した段差(検出結果)を制御装置2に送る。放電周波数検出部53は、仕上げ加工の加工パルス(放電周波数の変化)を検出し、検出結果を制御装置2に送る。あるいは、段差検出部52は、光学的手法に限らず、加工状態の判別から判断するものでもよい。段差検出部52は、例えば、後述する助走区間での放電周波数の変化を検出し、この変化を段差として判断するようなものでもよい。
本実施の形態のワイヤ放電加工装置1は、以下の(1)〜(6)の特徴の少なくとも1つを実行する。
(1)ワイヤ放電加工装置1は、残部加工時の仕上加工の際に、架橋部21A〜21Dとは離れた側の位置に配置された給電子9Bからワイヤ3に電力を給電する。
(2)ワイヤ放電加工装置1は、架橋部21A〜21Dのインピーダンスに基づいて、C字型形状加工と残部形状加工が同じ電流条件で加工されるよう、残部形状加工の電気条件を補正する。
(3)ワイヤ放電加工装置1は、切り残し部分7の仕上げ加工プログラムが終了した後、C字型形状加工部分と残部加工部分との間に段差(上面から見た凹凸)を検出した場合には、当初条件からパルス幅を固定のまま段階的に休止パルス幅(休止時間)を増加させて、段差がなくなるまで追加加工を行う。
(4)ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工において、予め切り残し部分7の近傍を所望の切り残し部分7の寸法よりも大きく仕上げ加工しておくことによって、切り残し部分7の仕上げ加工時に用いる助走区間を形成しておく。ワイヤ放電加工装置1は、切り残し部分7を荒加工した後の仕上げ加工の際に、助走区間から仕上げ加工を開始する。
(5)ワイヤ放電加工装置1は、切り残し部分7の仕上げ加工条件と比較して、当初条件とパルス幅が同じで休止パルス幅が異なるものを、助走区間の仕上げ加工条件に設定する。
(6)ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工を行う際に、中子5の仕上げ面に対して、助走区間の加工経路に傾斜を設けている。そして、ワイヤ放電加工装置1は、残部加工における助走区間での仕上げ加工の放電周波数の変化(加工パルスタイミング)に基づいて中子5の外枠部分6に対する傾き度合い(上面から見たずれ)を算出し、傾き度合いに応じて切り残し部分7の加工を行う際の加工経路を修正したうえで仕上げ加工を行う。なお、この傾き度合いは、上記の放電周波数の変化に基づいて算出する場合に限らず、段差検出部52における光学的手法から直接計測してもよい。
制御装置2は、放電電流検出部51、段差検出部52および放電周波数検出部53から送られてくる検出結果を用いて、ワイヤ放電加工装置1を制御する。制御装置2は、加工電源30を制御することによって、上述した(2)、(3)または(5)を実行する。制御装置2は、ワイヤ3または被加工物4の位置を制御(ワイヤ3の軌跡を制御)することによって、上述した(4)または(6)を実行する。
なお、ワイヤ放電加工装置1は、被加工物4とワイヤ3との相対位置を制御することによって加工経路を制御する。したがって、ワイヤ放電加工装置1は、ワイヤ3の位置を制御することによって加工経路を制御してもよいし、被加工物4の位置を制御することによって加工経路を制御してもよい。
ワイヤ3の位置を制御する場合、制御装置2は、ワイヤボビン31と、送出ローラ32と、巻き取りローラ33と、給電子9A,9Bとを含む加工部の位置を制御する。また、被加工物4の位置を制御する場合、制御装置2は、被加工物4を載置する定盤(後述する支持部11,12、支持板13A,13B,14A,14Bに対応)の位置を制御する。以下では、ワイヤ放電加工装置1が、ワイヤ3の位置を制御することによって加工経路を制御する場合について説明する。
図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置2は、放電電流入力部61と、段差情報入力部62と、放電周波数入力部63とを備えている。また、制御装置2は、加工プログラム記憶部64と、インピーダンス算出部65と、仕上げ加工条件設定部66と、加工経路設定部67と、傾斜度算出部68と、指示出力部69とを備えている。
放電電流入力部61は、放電電流検出部51から送られてくる検出結果を入力して、インピーダンス算出部65に送る。段差情報入力部62は、段差検出部52から送られてくる検出結果(段差情報)を入力して、仕上げ加工条件設定部66および加工経路設定部67に送る。放電周波数入力部63は、放電周波数検出部53から送られてくる検出結果を入力して、傾斜度算出部68に送る。
加工プログラム記憶部64は、被加工物4を加工する際に用いる加工プログラムを記憶する。この加工プログラムには、荒加工条件、仕上げ加工条件などが設定されている。そして、荒加工条件または仕上げ加工条件には、被加工物4への加工経路、ワイヤ放電加工時のパルス幅および休止パルス幅などが設定されている。加工プログラム記憶部64内の加工プログラムは、指示出力部69に送られる。
インピーダンス算出部65は、放電電流検出部51から送られてくる検出結果(放電電流)に基づいて、架橋部21A〜21Dのインピーダンスを算出する。インピーダンス算出部65は、算出結果(インピーダンス)を仕上げ加工条件設定部66に送る。
仕上げ加工条件設定部66は、架橋部21A〜21Dのインピーダンスに基づいて、残部加工における仕上げ加工の電流条件を設定する。また、仕上げ加工条件設定部66は、C字型形状加工による既加工部分と残部加工による既加工部分との間の段差に関する段差情報に基づいて、仕上げ加工時のパルス幅および休止パルス幅を設定する。具体的には、仕上げ加工条件設定部66は、パルス幅を固定のまま段階的に休止パルス幅を増加させる加工条件を設定する。
仕上げ加工条件設定部66は、切り残し部分7と外枠部分6との間に所定値以上の段差が検出された場合に、パルス幅および休止パルス幅の設定を変更する。仕上げ加工条件設定部66は、設定した加工条件を指示出力部69に送る。
傾斜度算出部68は、助走区間での仕上げ加工時の放電周波数の変化に基づいて、あるいは、段差検出部52の計測結果に基づいて中子5の傾き度合い(傾斜度)を算出する。傾斜度算出部68は、算出結果(傾斜度)を加工経路設定部67に送る。
加工経路設定部67は、切り残し部分7が所望寸法よりも大きくC字型形状加工されるような加工経路を設定する。また、加工経路設定部67は、中子5の傾斜度に応じた加工経路を設定する。具体的には、加工経路設定部67は、中子5の傾斜度に基づいて、加工経路を修正する。加工経路設定部67は、設定した加工経路を指示出力部69に送る。
指示出力部69は、加工プログラムに基づいて、加工電源30およびワイヤ3の位置を制御する。指示出力部69は、仕上げ加工条件設定部66から加工条件を受信すると、加工プログラム内の加工条件を、受信した加工条件に変更し、変更後の加工条件に基づいて加工電源30に指示を出力する。
また、指示出力部69は、加工経路設定部67から加工経路を受信すると、加工プログラム内の加工経路を、受信した加工経路に変更し、変更後の加工経路に基づいてワイヤ3に指示を出力する。
ここで、切り残し部分7以外の加工処理であるC字型形状加工と、切り残し部分7の加工処理とを説明する。図4は、C字型形状加工の加工処理を説明するための図である。図4では、C字型形状加工の行われる加工経路(ワイヤ3の移動軌跡)をC字型加工経路10で示し、残部加工の行われる加工経路を残部加工経路20で示している。
被加工物4は、加工によって中子5と外枠部分6との2つの部位に分割される。中子5は、被加工物4からの切り離しによって周囲(被加工物4)との導電性がなくなる。そして、中子5は、被加工物4から切り離されることによって製品部位となる。
被加工物4は、棒状の支持部11に配置された支持板13A,13Bによって挟持されるとともに、棒状の支持部12に配置された支持板14A,14Bによって挟持されている。なお、ここでは支持板14Bを図示していない。
被加工物4は、例えば直方体の形状をなしている。被加工物4は、第1の端部において、上面側が支持板13Aに押さえつけられ、底面側が支持板13Bに押さえつけられている。また、被加工物4は、第2の端部において、上面側が支持板14Aに押さえつけられ、底面側が支持板14Bに押さえつけられている。
ワイヤ3は、例えば、鉛直方向(被加工物4の主面に垂直な方向)に張架されている。ワイヤ3は、その軸方向が被加工物4の主面に対して略垂直に交わるよう、被加工物4内を移動することによって、被加工物4を加工する。
ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工を行う際には、被加工物4の外側から加工を開始し、中子5の外周部まで加工を進める。続いて、ワイヤ放電加工装置1は、被加工物4を上面側から見てC字型形状を描くように、中子5の外周部を加工する。その後、ワイヤ放電加工装置1は、被加工物4の外側へワイヤ3を移動させる。
これにより、ワイヤ放電加工装置1は、C字型加工経路10に沿って被加工物4を加工し、C字型加工経路10に対応する加工溝を被加工物4に形成する。ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工を行う際に、荒加工と、少なくとも一回の仕上げ加工とを行う。このように、C字型形状加工を行う際には、中子5の切り残し部分7を残した状態で仕上げ加工まで行なわれる。
図5は、切り残し部分の加工処理を説明するための図である。ワイヤ放電加工装置1では、C字型形状加工が行なわれた後、被加工物4の外枠部分6(加工溝の外側)と中子5(加工溝の内側)との間が架橋部21A〜21Dで架橋される。そして、ワイヤ放電加工装置1は、被加工物4の切り残し部分7に対して、残部加工を行う。架橋部21A〜21Dは、例えば、それぞれ中子5の4つの角部分などに配置される。このとき、架橋部21A〜21Dは、被加工物4の外枠部分6と中子5との間が架橋部21A〜21Dを介して導通可能なよう配置される。
ワイヤ放電加工装置1は、残部加工を行う際には、C字型形状加工の際に形成した加工溝に沿ってワイヤ3を切り残し部分7まで移動させる。そして、ワイヤ放電加工装置1は、残部加工経路20に沿って、被加工物4の切り残し部分7を加工する。ワイヤ放電加工装置1は、残部加工を行う際に、荒加工と、少なくとも一回の仕上げ加工とを行う。これにより、中子5の切り残し部分7が加工される。その後、ワイヤ放電加工装置1は、被加工物4の外側へワイヤ3を移動させる。そして、架橋部21A〜21Dが被加工物4および中子5から取り外される。
なお、架橋部21A〜21Dは、被加工物4と切り残し部分7との間(加工済みの加工溝上)であれば、何れの位置に配置してもよい。また、架橋部21A〜21Dは、4つである場合に限らず、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
図6は、C字型加工経路および残部加工経路を説明するための図である。図6では、被加工物4の上面図を示している。被加工物4では、中子5の外側であるC字型加工経路10に沿って、C字型形状加工が行なわれた後、架橋部21A〜21Dが被加工物4上に配置される。その後、被加工物4では、残部加工経路20に沿って残部加工が行なわれる。
つぎに、切り残し部分7の加工処理について説明する。本実施の形態では、切り残し部分7を加工する際に、ワイヤ放電加工装置1が、上述した(1)〜(6)の処理の少なくとも1つを実行する。
(1)遠方側の給電子9Bからワイヤ3に給電する処理
図7は、本実施の形態に係る給電方法での放電状態を示す図である。図7では、下側給電される場合の被加工物4の断面図を示している。ここでは、架橋部21Bの近傍で放電が発生する場合の、電気抵抗について説明する。
ワイヤ放電加工装置1では、給電子9A,9Bが、ワイヤ3に接続されている。給電子9Aは、架橋部21Bから近い方の位置に配置された給電子であり、給電子9Bは、架橋部21Bに遠い方の位置に配置された給電子である。
本実施の形態では、C字型形状加工の荒加工時および仕上げ加工時には、加工電源30が給電子9A,9Bからワイヤ3に電力を給電する。また、残部加工の荒加工時には、加工電源30が給電子9A,9Bからワイヤ3に電力を給電する。
そして、残部加工の仕上げ加工の際には、加工電源30が、架橋部21Bとは離れた側の位置に配置された給電子9Bからワイヤ3に電力を給電し、給電子9Aからワイヤ3へは電力を給電しない。これにより、残部加工の仕上げ加工の際には、下部側の給電子9Bのみを用いてワイヤ3と被加工物4との間が通電されることとなる。
例えば、架橋部21Bが被加工物4の上面側に配置される場合、給電子9Aは、被加工物4の上面側に配置され、給電子9Bは、被加工物4の底面側に配置される。そして、仕上げ加工の際には、給電子9Bからワイヤ3を介してワイヤ3と被加工物4との間に電圧が印加される。
中子5と外枠部分6とは、部分的に架橋された架橋部21Bで電気的に接続されている。この架橋部21Bは、電気抵抗が高く、また中子5も加工形状によっては電気抵抗が高くなるので、架橋部21Bまたは中子5が加工に影響を及ぼす場合がある。
そこで、このような加工への影響を緩和するため、ワイヤ放電加工装置1は、仕上げ加工の際には、給電箇所を架橋部21Bから遠い方の給電子9Bのみから給電するようにしている。これにより、仕上げ加工の際には、加工電源30とワイヤ3との接続は下側(給電子9B)のみとなる。
この場合において、図7の左側に示すように、被加工物4(中子5)の下部側(底面側)で放電が発生すると、給電子9Bからの電流は、ワイヤ3、中子5、架橋部21B、外枠部分6内を流れることとなる。そして、ワイヤ3内では、ワイヤ3の下部側近傍にのみ電流が流れ、中子5内では、中子5の底面側から上面側に電流が流れる。
また、図7の右側に示すように、被加工物4(中子5)の上部側(上面側)で放電が発生すると、給電子9Bからの電流は、ワイヤ3、中子5、架橋部21B、外枠部分6内を流れることとなる。そして、ワイヤ3内では、ワイヤ3の下部側から上部側に電流が流れ、中子5内では、中子5の上部側近傍にのみ電流が流れる。
このため、下側給電した場合には、中子5の下部側で放電が発生した場合と、中子5の上部側で放電が発生した場合との抵抗差が小さいので、放電電流の差も小さくなる。したがって、被加工物4の板厚方向の加工エネルギーが安定する。
図8は、架橋部に近い側の位置に配置された給電子からワイヤに電力を給電する場合の放電状態を示す図である。図8では、上側給電される場合の被加工物4の断面図を示している。ここでは、架橋部21Bの近傍で放電が発生する場合の、電気抵抗について説明する。
仮に、架橋部21Bに近い方の位置に配置された給電子9Aからワイヤ3に電力を給電し、給電子9Bからワイヤ3へは電力を給電しない場合、上部側の給電子9Aのみを用いて通電されることとなる。
この場合において、図8の左側に示すように、被加工物4(中子5)の下部側(底面側)で放電が発生すると、給電子9Aからの電流は、ワイヤ3、中子5、架橋部21B、外枠部分6内を流れることとなる。そして、ワイヤ3内では、ワイヤ3の上部側から下部側に電流が流れ、中子5内では、中子5の底面側から上面側に電流が流れる。
また、図8の右側に示すように、被加工物4(中子5)の上部側(上面側)で放電が発生すると、給電子9Aからの電流は、ワイヤ3、中子5、架橋部21B、外枠部分6内を流れることとなる。そして、ワイヤ3内では、ワイヤ3の上部側近傍にのみ電流が流れ、中子5内では、中子5の上部側近傍にのみ電流が流れる。
このため、上側給電した場合には、中子5の下部側で放電が発生した場合と、中子5の上部側で放電が発生した場合との抵抗差が大きいので、放電電流の差も大きくなる。したがって、被加工物4の板厚方向の加工エネルギーにばらつきが生じる。
これに対して、下側給電であれば、被加工物4の板厚方向の加工エネルギーが安定するので、中子5の仕上げ加工を安定して行うことができる。したがって、既加工部分と同様に、切り残し部分7の加工においても良好な加工精度を得ることができる。
(2)C字型形状加工での加工状態に基づいて、残部形状加工での加工条件を補正する処理
C字型形状加工が行われた後の中子5は、導電性の架橋部21A〜21Dで導電性が確保されている。ところが、C字型形状加工中の状態とC字型形状加工後に架橋部21A〜21Dが接続された状態とでは、導電状態が異なるので、両者には加工エネルギーに差が生じることになる。そこで、ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工での加工状態に基づいて、残部加工のうちの少なくとも仕上げ加工の際に、加工条件(電流、電圧、パルス幅、抵抗値など)の補正を図る。
図9は、切り残し部分が中子に接続された状態でC字型形状加工を実行した場合の、仕上げ加工時の電圧電流波形を模式的に示す図である。ここでは、電流電圧波形の一例として、図9の(a)に示す1st加工、図9の(b)に示す2dn加工、および図9の(c)に示す3rd加工の各電圧電流波形を示している。
加工の際には、例えば、1st加工から徐々に加工エネルギー(加工電流)を減らした加工が行われる。また、ワイヤ放電加工装置1は、1st加工、2nd加工では、電圧パルスを印加し、放電検出後に電圧パルスを停止する。これにより、被加工物4へは、電流パルスが供給される。その後、ワイヤ放電加工装置1は、3rd加工では、電流制限抵抗を利用した群パルス発振にて加工する。このとき、ワイヤ放電加工装置1は、例えば、後述する図18の回路構成にてスイッチング素子SW1をON/OFF動作させることで、放電時に流れる加工電流を抑制し、仕上げ加工を行う。
図10は、切り残し部分に対して残部加工を実行した場合の、仕上げ加工時の補正前の電圧電流波形を模式的に示す図である。説明のために、図10では、補正しなかった場合の電圧電流波形を図9と対応するように示している。具体的には、図10の(a)では1st加工時の電圧電流波形を示し、図10の(b)では2dn加工時の電圧電流波形を示し、図10の(c)では、3rd加工時の電圧電流波形を示している。
C字型形状加工が1st加工から3rd加工まで行なわれた後、架橋部21A〜21Dが形成され、切り残し部が加工される。このとき、1st加工は、C字型形状加工の1st加工と同様の加工が可能と考えてよい。図10の(b)では、切り残し部分7が中子5から切り落とされた後の2nd加工時(1回目の仕上げ加工時)における、補正前の電圧波形および電流波形を示している。
図9の(b)および図10の(b)に示すように、切り残し部分7を加工する際の2ndカット時の電流は、切り残し部分7が完全に残されている場合の2ndカット時の電流よりも小さくなる。このため、C字型形状加工と残部加工とで、最終仕上げ面の加工面粗さに差が生じてしまう。
そこで、本実施の形態では、放電電流検出部51が、C字型形状加工時における2ndカット時の電流と、残部加工における2ndカット時の電流とを検出する。そして、インピーダンス算出部65が、検出された電流に基づいて、架橋部21A〜21Dのインピーダンスを算出する。
このとき、インピーダンス算出部65は、放電電流検出部51で検出された電流の電流ピーク値をメモリ(図示せず)などに記憶させておく。そして、インピーダンス算出部65は、C字型形状加工時における電流ピーク値の平均値を算出するとともに、平均値に基づいて架橋部21A〜21Dのインピーダンスを算出する。また、インピーダンス算出部65は、残部加工時における電流ピーク値の平均値を算出するとともに、平均値に基づいて架橋部21A〜21Dのインピーダンスを算出する。そして、インピーダンス算出部65は、C字型形状加工時におけるインピーダンスと、残部加工時におけるインピーダンスとの差であるインピーダンス差を算出する。
仕上げ加工条件設定部66は、インピーダンス差に応じた加工条件を、残部加工時における3rdカット時の加工条件に設定する。具体的には、仕上げ加工条件設定部66は、残部加工時における電流ピーク時が、C字型形状加工時における電流ピーク値と同じになるよう残部加工時における電流ピーク時の電流を補正する。換言すると、仕上げ加工条件設定部66は、インピーダンス差がゼロとなるような電流条件を、残部加工時における3rdカット時の加工条件に設定する。
図11は、切り残し部分に対して残部加工を実行した場合の、仕上げ加工時の補正後の電圧電流波形を模式的に示す図である。図11では、補正した場合の電圧電流波形を図9と対応するように示している。具体的には、図11の(a)では1st加工時の電圧電流波形を示し、図11の(b)では2dn加工時の電圧電流波形を示し、図11の(c)では、3rd加工時の電圧電流波形を示している。
仕上げ加工条件設定部66は、図11に示すように、残部加工時とC字型形状加工時とで、電流ピーク値と同じになるよう、残部加工時の3rdカットにおける加工条件(電流)を変更する。
これにより、C字型形状加工時における2ndカット時の電流と、残部加工時における3rdカット時の電流(電荷量)とが略同じになる。これにより、C字型形状加工における中子5の面粗さと、残部加工における中子5の面粗さとを揃えることができる。
なお、ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工時における第N番目(Nは自然数)のカット時の電流と、残部加工時における第M(Mは自然数)番目以降のカット時の電流とが同じになるよう、残部加工時における第M番目以降のカット時の電流を補正してもよい。
例えば、ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工時における2ndカット時の電流と、残部加工時における4thカット以降の電流とが同じになるよう、残部加工時における4thカット以降の電流を補正してもよい。
また、ワイヤ放電加工装置1は、残部加工時における電流を参照することなく、C字型形状加工時における電流に基づいて、残部加工時における電流を設定してもよい。また、ワイヤ放電加工装置1は、残部加工時における2ndカット時の電流が、C字型形状加工時における2ndカット時の電流と同じになるよう、2ndカット時の途中から電流を補正してもよい。この場合、C字型形状加工時における2ndカット時の電流と、残部加工時における2ndカット時の初期段階での電流とに基づいて、残部加工時における2ndカット時の初期段階よりも後の電流が補正される。
(3)C字型形状加工と残部加工とで加工段差がある場合に、パルス幅を固定のまま段階的に休止パルス幅を増加させて追加加工する処理
段差検出部52は、C字型形状加工が完了した後に、加工済みのC字型形状加工部分と加工済みの切り残し部分7(残部加工部分)との間の段差を検出する。換言すると、段差検出部52は、C字型形状加工が完了した後に、C字型形状加工部分と残部加工部分との間の繋ぎ目部分に発生した段差を検出する。
検出された段差(検出結果)は、段差情報として制御装置2の仕上げ加工条件設定部66に送られる。仕上げ加工条件設定部66は、段差情報に基づいて、仕上げ加工時のパルス幅および休止パルス幅を設定する。このとき、仕上げ加工条件設定部66は、パルス幅を固定のまま段階的に休止パルス幅を増加させる加工条件を設定する。この時のパルス幅は、段差情報が取得される直前に用いられたパルス幅である。換言すると、パルス幅は、切り残し部分7の最後の仕上げ加工時のパルス幅(加工プログラムに設定されている最後のパルス幅)である。仕上げ加工条件設定部66は、例えば、段差の大きさに応じた休止パルス幅を設定する。
仕上げ加工条件設定部66は、設定した休止パルス幅を指示出力部69に送る。指示出力部69は、仕上げ加工条件設定部66から加工条件を受信すると、加工プログラム内の加工条件を受信した加工条件に変更し、変更後の加工条件に基づいて加工電源30に指示を出力する。
図12は、段差検出時の追加加工を説明するための図である。図13は、追加加工時の休止パルス幅を説明するための図である。C字型形状加工部分と残部加工部分との間には、段差が生じる場合がある。この段差は、中子5を上面側から見た場合の段差(ワイヤ3の主軸方向から見た場合の凹凸)である。例えば、中子5のうち、C字型形状加工部分と残部加工部分との間の境界が直線ではない場合に、中子5の段差が検出される。具体的には、C字型形状加工部分に対して、残部加工部分が凸形状または凹形状となっている場合などに、中子5の段差が検出される。
例えば、2ndカットの際に生じた電流の差(C字型形状加工時の電流と残部加工時の電流との差)は中子5の寸法誤差となる。また、加工液圧などの加工条件が、切り残し部分7の切り離し前と後とで変化する場合には、中子5の寸法誤差となる。これらの寸法誤差は、(2)のように最終仕上げ面の加工面粗さを揃えることができた場合であっても、段差形状として現れることとなる。
このような場合に、本実施の形態では、段差が無くなるよう加工条件を変更したうえで中子5への追加加工が行われる。図12に示すように、残部加工の完了後にC字型形状加工部分と残部加工部分との間に段差(凸部50)が残っている場合には、この凸部50に対して追加加工が行われる。
このとき、ワイヤ放電加工装置1は、ワイヤ3を徐々に中子5に接近させ、C字型形状加工部分と残部加工部分とが同一平面となるように追加加工していく。追加加工の際には、ワイヤ放電加工装置1は、面粗さを揃えながら加工エネルギーを調整するので、印加波形のパルス幅を同じ幅に保ちながら休止パルス幅を調整する。
追加加工の加工条件を設定する際には、仕上げ加工条件設定部66は、パルス幅を固定のまま段階的に休止パルス幅を増加させる加工条件を設定する。換言すると、仕上げ加工条件設定部66は、凸部50内の領域毎に、段階的に休止パルス幅が増加するよう各加工条件を設定する。
仕上げ加工条件設定部66は、例えば、図12に示すように、凸部50内の領域Aに対して加工条件を設定する。このとき、仕上げ加工条件設定部66は、例えば、図13に示すように、領域Aに対して、パルス幅を固定したまま仕上げ加工時よりも大きな休止パルス幅(第1の休止パルス幅)を設定する。これにより、設定された加工条件で領域Aが追加加工される。
そして、仕上げ加工条件設定部66は、領域Aへの追加加工によっても段差が残っている場合には、凸部50内の領域Bに対して加工条件を設定する。このとき、仕上げ加工条件設定部66は、領域Bに対して、パルス幅を固定したまま領域Aでの加工時よりも大きな休止パルス幅(第2の休止パルス幅)を設定する。これにより、設定された加工条件で領域Bが追加加工される。
さらに、仕上げ加工条件設定部66は、領域Bへの追加加工によっても段差が残っている場合には、凸部50内の領域Cに対して加工条件を設定する。このとき、仕上げ加工条件設定部66は、領域Cに対して、パルス幅を固定したまま領域Bでの加工時よりも大きな休止パルス幅(第3の休止パルス幅)を設定する。これにより、設定された加工条件で領域Cが追加加工される。ワイヤ放電加工装置1では、段差が無くなるまで、段差への加工条件の設定と、追加加工とが繰り返される。
(4)切り残し部分7の近傍を所望寸法よりも大きくC字型形状加工する処理
図14は、切り残し部分を所望寸法よりも大きくC字型形状加工する場合の加工経路を説明するための図である。加工経路設定部67は、切り残し部分7が所望寸法よりも大きくC字型形状加工されるような加工経路を設定する。
加工経路設定部67は、例えば、切り残し部分7の仕上げ加工時に用いる助走区間領域8と、所望の切り残し部分7とが残る加工経路をC字型形状加工に設定する。助走区間領域8は、切り残し部分7の一部であり、助走区間領域8を設けておくことによって、切り残し部分7は、所望寸法よりも大きくなる。
助走区間領域8は、切り残し部分7の仕上げ加工時に、切り残し部分7への助走区間(切り落とし助走区間26)として用いられる領域である。助走区間領域8は、被加工物4を上面から見た場合に、中子5(仕上げ目標面25)に接する辺と、切り残し部分7に接する辺と、C字型形状加工時に加工される辺と、を有している。なお、C字型形状加工時に加工される辺は、曲線であってもよい。
加工経路設定部67は、中子5に接する辺とC字型形状加工時に加工される辺とで挟まれた頂点49が、例えば45度未満の角度となるようC字型形状加工時の加工経路を設定する。換言すると、切り残し部分7が、助走区間領域8を加工する際の加工方向(中子5に接する辺の方向)に交差する辺を有するよう、加工経路が設定される。図14では、C字型形状加工での加工経路として、第1の仕上げ加工(S1)〜第4の仕上げ加工(S4)までの加工経路を示している。
このように、ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工時の加工の際には、切り残し部分7にオフセットを設ける形でなだらかな形状の助走区間領域8を形成している。換言すると、ワイヤ放電加工装置1は、切り残し部分7を、仕上げ目標面25よりも荒加工領域側に仕上げ加工しておくことで、中子5の加工寸法を大きめに形成しておく。ワイヤ放電加工装置1は、この加工寸法の大きめな区間を切り残し部分7の加工時(残部加工時)の助走区間に設定する。そして、ワイヤ放電加工装置1は、残部加工時の仕上げ加工の際には、設定した助走区間から加工を開始する。
図15は、切り残し部分が所望寸法よりも大きくC字型形状加工された場合の、残部加工の加工経路を説明するための図である。切り残し部分7が所望寸法よりも大きくC字型形状加工された場合(助走区間領域8が形成された場合)、加工経路設定部67は、助走区間領域8および切り残し部分7を加工する加工経路を残部加工に設定する。図15では、残部加工での加工経路として、第1の仕上げ加工(S11)〜第4の仕上げ加工(S14)までの加工経路を示している。
このように、ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工の仕上げ加工時に加工する領域と、残部加工の仕上げ加工時に加工する領域と、助走区間領域8とを設けている。したがって、C字型形状加工部分と残部加工部分との間に発生する加工誤差を軽減させることができ、この結果、筋状の加工跡を軽減させることができる。
(5)切り残し部分7の仕上げ加工条件と比較して、パルス幅が同じで休止パルス幅が異なるものを、助走区間の仕上げ加工条件に設定する処理
仕上げ加工条件設定部66は、切り残し部分7の仕上げ加工条件と比較して、パルス幅が同じで休止パルス幅が異なるものを、助走区間の仕上げ加工条件に設定する。換言すると、仕上げ加工条件設定部66は、助走区間で印加するパルスと、切り残し部分7の残部加工を行う際に印加するパルスとでは、パルス幅が同一で休止パルス幅が異なるものを設定する。例えば、仕上げ加工条件設定部66は、助走区間の仕上げ加工で印加するパルスに、図13で示した領域A〜Cの何れかのパルスを用いる。
これにより、パルス幅を揃えることができるのでC字型形状加工と残部加工とで面粗さを整えることが可能となる。また休止パルス幅の調整によって加工エネルギーを徐々に増加させることができるので、形状修正を行うことが可能となる。したがって、助走区間を用いることによって、C字型形状加工部分と残部加工部分との間に発生する加工誤差を軽減させることができ、この結果、筋状の加工跡を軽減させることができる。
(6)助走区間での加工パルスに基づいて中子5の傾き度合いを算出し、傾き度合いに応じて残部加工を行う際の加工経路を修正する処理
加工経路設定部67は、C字型形状加工の仕上げ面に対して傾斜した助走区間の傾き度合い(中子5の傾き度合い)に基づいて、加工経路を調整する。このとき、加工経路設定部67は、C字型形状加工の仕上げ面と、切り残し部分7の仕上げ面とが同一平面となるよう、加工経路を設定する。
ワイヤ放電加工の際の放電周波数は、加工対象物への加工角度(加工経路の角度)に応じて変化する。このため、放電周波数検出部53は、助走区間を仕上げ加工した際の放電周波数の変化(加工パルスタイミング)を検出し、検出結果を制御装置2に送る。
傾斜度算出部68は、助走区間での仕上げ加工の放電周波数の変化をメモリ(図示せず)などに記憶させておく。そして、傾斜度算出部68は、助走区間での仕上げ加工の放電周波数の変化に基づいて、中子5の外枠部分6に対する傾き度合い(ずれ)を算出する。ここでの傾きは、被加工物4を上面側から見た場合の中子5の傾きである。
具体的には、傾斜度算出部68は、切り残し部分7を加工する際のP番目(Pは自然数)のカット時の放電周波数の変化をメモリに記憶させておき、この放電周波数の変化に基づいて、中子5の傾斜度合いを算出する。そして、傾斜度算出部68は、算出結果(傾斜度)を加工経路設定部67に送る。加工経路設定部67は、中子5の傾き度合いに応じて、切り残し部分7のQ番目以降(QはPよりも大きな自然数)のカット時の加工経路を修正する。
ワイヤ放電加工装置1は、例えば、切り残し部分7を加工する際の2ndカット時の放電周波数の変化に基づいて、中子5の傾斜度合いを算出する。そして、ワイヤ放電加工装置1は、中子5の傾き度合いに応じて、3rd以降のカット時の加工経路を修正する。
図16は、中子のずれが無い場合の加工パルスを説明するための図であり、図17は、中子のずれが有る場合の加工パルスを説明するための図である。傾斜度算出部68は、助走区間を仕上げ加工した際の加工パルスをカウントし、カウント結果に基づいて中子5の傾き度合いを判定する。
中子5にずれが無ければ、図16に示すように、切り残し部分7の手前の助走区間RAと、切り残し部分7の後方の助走区間RBとで放電周波数の変化(放電周波数の推移)(パルスタイミング)が同一である。
ところが、中子5が外枠部分6(ワイヤ3の加工経路)に対して傾いている場合、前記両者の放電周波数に差が生じる。換言すると、中子5にずれが有れば、図17に示すように、切り残し部分7の手前の助走区間RAと、切り残し部分7の後方の助走区間RBとで放電周波数の変化が異なる。
傾斜度算出部68は、この時間的な変化(放電周波数の差)に基づいて、中子5の傾きを算出する。傾斜度算出部68は、切り残し部分7の手前の助走区間RAにおけるパルス放電数をPaとし、切り残し部分7の後方の助走区間RBにおけるパルス放電数をPbとした場合に、以下の式(1)に基づいて、中子5の傾きを算出する。
|Pa−Pb|/{(Pa+Pb)/2}∝(傾き)・・・(1)
加工経路設定部67は、切り残し部分7に用いる仕上げプログラムの加工経路を必要に応じて変更する。図17では、切り残し部分7への加工経路として中子5の傾斜に応じた加工経路RCを設定した場合を示している。
なお、加工経路設定部67が加工経路を修正する代わりに、仕上げ加工条件設定部66が切り残し部分7のQ番目以降のカット時の加工エネルギーを修正してもよい。この場合、仕上げ加工条件設定部66は、中子5の傾き度合いに応じた加工エネルギーを設定する。
また、ワイヤ放電加工装置1は、助走区間を加工した際の放電周波数の変化と、残部加工を行なった際の放電周波数の変化とが異なる場合、残部加工に用いた加工条件で、残部加工部分の追加加工を行なってもよい。換言すると、ワイヤ放電加工装置1は、助走区間の加工時と残部加工時とで、放電周波数の変化を検出した場合には、残部加工に用いた加工条件で、残部加工部分および助走区間への追加加工を行なってもよい。この場合、ワイヤ放電加工装置1は、助走区間の加工時と残部加工時とで、放電周波数の差が無くなるまで追加加工を繰り返す。ワイヤ放電加工装置1は、追加加工の際に、当初条件からパルス幅を固定のまま段階的に休止パルス幅を増加させる。例えば、仕上げ加工条件設定部66は、追加加工の際に、図13で示した領域A〜Cの何れかのパルスを用いる。
また、ワイヤ放電加工装置1は、助走区間を形成しなくてもよい。この場合であっても、傾斜度算出部68は、切り残し部分7の放電周波数の変化に基づいて、中子5の傾き度合いを算出することができる。
このように、中子5の傾き度合いに応じて残部加工を行う際の加工経路を修正するので、中子5が傾いた場合であっても、中子5を精度良く所望の形状に形成することが可能となる。
なお、(2)の処理では、残部形状加工の加工条件として、電気条件を補正する場合について説明したが、他の加工条件を補正してもよい。例えば、仕上げ加工条件設定部66は、加工条件として、寄せ量を補正してもよいし、加工速度を補正してもよい。したがって、仕上げ加工条件設定部66は、加工条件として、電気条件、寄せ量および加工速度の少なくとも1つを変更する。ここでの寄せ量は、S回目(Sは自然数)の加工におけるワイヤ3の位置から(S+1)回目の加工におけるワイヤ3の位置までの距離である。
また、(2)の処理において、ワイヤ放電加工装置1は、C字型形状加工時と残部加工時とで同一電圧値を用いたうえで残部加工時における抵抗値を下げることによって、電流を流れやすくしてもよい。
図18は、抵抗値の調整を用いた電流調整を説明するための図である。図18では、例えば、3rd加工以降で使用される仕上げ加工用電源の例を示している。ワイヤ3と被加工物4との間の極間70と、加工電源30との間には、オン/オフの切替えが可能な抵抗を配置しておく。
図18では、極間70と加工電源30との間にオン/オフの切替えが可能な抵抗71〜73が配置されている場合を示している。ワイヤ放電加工装置1は、抵抗71〜73のオン/オフを切替えることによって、残部加工時における抵抗値をC字型形状加工時の抵抗値よりも下げる。また、ワイヤ放電加工装置1は、FET(Field Effect Transistor)などで構成されるスイッチング素子SW1をオン/オフさせ、あるいは群パルス状に発振させることで極間70に電力を供給する。
なお、ワイヤ放電加工装置1は、(1)〜(6)の少なくとも1つを実行できるよう構成しておけばよい。例えば、(2)の処理を実行しない場合には、ワイヤ放電加工装置1の構成要素から放電電流検出部51、放電電流入力部61およびインピーダンス算出部65を除外してもよい。また、(3)の処理を実行しない場合には、ワイヤ放電加工装置1の構成要素から段差検出部52、段差情報入力部62を除外してもよい。
図19は、制御装置のハードウェア構成を示す図である。制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、表示部94、入力部95を有している。制御装置2では、これらのCPU91、ROM92、RAM93、表示部94、入力部95がバスラインBを介して接続されている。
CPU91は、コンピュータプログラムである加工設定プログラム90を用いて仕上げ加工条件または加工経路の設定を行う。表示部94は、液晶モニタなどの表示装置であり、CPU91からの指示に基づいて、仕上げ加工条件、加工経路などを表示する。入力部95は、マウスやキーボードを備えて構成され、使用者から外部入力される指示情報(仕上げ加工条件または加工経路に必要なパラメータ等)を入力する。入力部95へ入力された指示情報は、CPU91へ送られる。
加工設定プログラム90は、ROM92内に格納されており、バスラインBを介してRAM93へロードされる。CPU91はRAM93内にロードされた加工設定プログラム90を実行する。具体的には、制御装置2では、使用者による入力部95からの指示入力に従って、CPU91がROM92内から加工設定プログラム90を読み出してRAM93内のプログラム格納領域に展開して各種処理を実行する。CPU91は、この各種処理に際して生じる各種データをRAM93内に形成されるデータ格納領域に一時的に記憶させておく。
制御装置2で実行される加工設定プログラム90は、インピーダンス算出部65、仕上げ加工条件設定部66、加工経路設定部67、傾斜度算出部68および指示出力部69の少なくとも1つを含むモジュール構成となっており、これらが主記憶装置上にロードされ、これらが主記憶装置上に生成される。
このように実施の形態によれば、架橋部21A〜21Dとは離れた側の位置に配置された給電子9Bからワイヤ3に電力を給電するので、容易に被加工物4の板厚方向の加工エネルギーを安定させることができる。
また、C字型形状加工時の電流に基づいて、残部加工時における電流を設定するので、C字型形状加工における中子5の面粗さと、残部加工における中子5の面粗さとを容易に揃えることができる。
また、C字型形状加工部分と残部加工部分との間に段差が検出された場合には、パルス幅を固定のまま段階的に休止パルス幅を増加させて追加加工を行うので、容易に段差を解消することが可能となる。
また、切り残し部分7を所望寸法よりも大きく仕上げ加工しておくので、助走区間領域8を用いて切り残し部分7の仕上げ加工を開始することができる。このため、C字型形状加工部分と残部加工部分との間に発生する加工誤差を軽減させることができる。この結果、筋状の加工跡を軽減させることができる。
また、切り残し部分7の仕上げ加工条件と比較して、パルス幅が同じで休止パルス幅が異なるものを、助走区間の仕上げ加工条件に用いるので、C字型形状加工部分と残部加工部分との間に発生する加工誤差を軽減させることができる。この結果、筋状の加工跡を軽減させることができる。
また、中子5の仕上げ面に対して、助走区間に傾斜を設けた加工経路を用いるので、中子5の傾き度合いを容易に算出することが可能となる。そして、中子5の傾き度合いに応じて残部加工を行う際の加工経路を修正するので、中子5が傾いた場合であっても、中子5を精度良く所望の形状に形成することが可能となる。
このように、C字型形状加工の後に、中子5の切り残し部分7に対して適切な加工を行うので、被加工物4から高品質な所望形状の中子5を容易に形成することが可能になる。
以上のように、本発明に係るワイヤ放電加工装置、ワイヤ放電加工方法および制御装置は、ワイヤ放電加工による被加工物からの所望形状の形成に適している。
1 ワイヤ放電加工装置、2 制御装置、3 ワイヤ、4 被加工物、5 中子、6 外枠部分、7 切り残し部分、8 助走区間領域、9A,9B 給電子、10 C字型加工経路、20 残部加工経路、21A〜21D 架橋部、30 加工電源、51 放電電流検出部、52 段差検出部、53 放電周波数検出部、65 インピーダンス算出部、66 仕上げ加工条件設定部、67 加工経路設定部、68 傾斜度算出部、RA,RB 助走区間。

Claims (12)

  1. ワイヤと被加工物との間に電圧を印加する電源装置と、
    前記ワイヤと前記被加工物とを相対移動させることによって前記被加工物を加工し、前記被加工物から外枠部分を切り離すことによって前記被加工物の内側部分である製品部位を形成する加工部と、
    前記電源装置および前記加工部を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記加工部は、
    前記外枠部分と前記製品部位との境界のうちの一部が切り残し部分として残されるよう前記境界のうちの第1の境界領域を加工し、その後、前記製品部位になる部材と前記外枠部分になる部材とが導電性部材で接続された後に、前記境界のうちの前記切り残し部分である第2の境界領域を加工することによって前記外枠部分から前記製品部位を切り離すとともに、前記被加工物を加工する際には、前記第1の境界領域に対して複数回の加工を繰り返すとともに、前記第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返し、
    前記制御装置は、nを2以上の自然数とした場合に、
    前記第1の境界領域を加工した際の加工状況に基づいて、前記第1の境界領域をn回目に加工する際の第1の加工条件と、前記第2の境界領域をn回目に加工する際の第2の加工条件と、で異なる加工条件を設定することを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記第1の境界領域に対して行われた前記n回目の加工における第1の加工パルスと、前記第2の境界領域に対して行われた前記n回目の加工における第2の加工パルスと、を比較し、比較結果に基づいて、前記第2の境界領域に対して行う前記n回目の途中からの加工または(n+1)回目以降の加工における加工条件を変更することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記比較の際に、前記第1の加工パルスの電流ピーク値と前記第2の加工パルスの電流ピーク値とを比較することを特徴とする請求項2に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記異なる加工条件を設定する際に、前記第2の加工条件のうちの、電気条件、前記ワイヤの前記被加工物への寄せ量および加工速度の少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項2または3に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記導電性部材は、前記被加工物上であって且つ前記被加工物から見て前記ワイヤの主軸方向における一方の端部側に配置され、
    前記第2の境界領域に対する2回目以降の加工の際には、前記ワイヤ上であって且つ前記被加工物から見て前記ワイヤの主軸方向における他方の端部側に配置された給電子から、前記電源装置からの電圧を前記ワイヤに供給することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  6. ワイヤと被加工物との間に電圧を印加する電源装置と、
    前記ワイヤと前記被加工物とを相対移動させることによって前記被加工物を加工し、前記被加工物から外枠部分を切り離すことによって前記被加工物の内側部分である製品部位を形成する加工部と、
    前記電源装置および前記加工部を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記加工部は、
    前記外枠部分と前記製品部位との境界のうちの一部が切り残し部分として残されるよう前記境界のうちの第1の境界領域を加工し、その後、前記製品部位になる部材と前記外枠部分になる部材とが導電性部材で接続された後に、前記境界のうちの前記切り残し部分である第2の境界領域を加工することによって前記外枠部分から前記製品部位を切り離すとともに、前記被加工物を加工する際には、前記第1の境界領域に対して複数回の加工を繰り返すとともに、前記第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返し、
    前記制御装置は、nを2以上の自然数とした場合に、
    前記第2の境界領域に対するn回目の加工中における加工状態の変化に基づいて、前記第2の境界領域に対する(n+1)回目の加工における加工条件を変更することを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  7. 前記加工条件は、加工経路または加工エネルギーであることを特徴とする請求項6に記載のワイヤ放電加工装置。
  8. 前記加工状態の変化は、放電周波数の変化であることを特徴とする請求項6に記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 前記被加工物を前記ワイヤの主軸方向から見た場合の、前記第1の境界領域と前記第2の境界領域との間の段差を検出する段差検出部をさらに備え、
    前記加工部が前記複数回の加工を繰り返した後に、前記段差検出部が前記段差を検出すると、前記制御装置は、前記段差が無くなるまで、前記加工部に追加加工を行わせることを特徴とする請求項6から8のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 前記制御装置は、
    前記第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返した際に用いた加工パルス幅と同じ加工パルス幅で、かつ前記第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返した際に用いた休止パルス幅を段階的に増加させながら、前記加工部に前記追加加工を行わせることを特徴とする請求項9に記載のワイヤ放電加工装置。
  11. 電源装置が、ワイヤと被加工物との間に電圧を印加する電圧印加ステップと、
    加工部が、前記ワイヤと前記被加工物とを相対移動させることによって前記被加工物を加工し、前記被加工物から外枠部分を切り離すことによって前記被加工物の内側部分である製品部位を形成する加工ステップと、
    前記電源装置および前記加工部を制御する制御ステップと、
    を含み、
    前記加工ステップでは、
    前記外枠部分と前記製品部位との境界のうちの一部が切り残し部分として残されるよう前記境界のうちの第1の境界領域を加工し、その後、前記製品部位になる部材と前記外枠部分になる部材とが導電性部材で接続された後に、前記境界のうちの前記切り残し部分である第2の境界領域を加工することによって前記外枠部分から前記製品部位を切り離すとともに、前記被加工物を加工する際には、前記第1の境界領域に対して複数回の加工を繰り返すとともに、前記第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返し、
    前記制御ステップでは、nを2以上の自然数とした場合に、
    前記第1の境界領域を加工した際の加工状況に基づいて、前記第1の境界領域をn回目に加工する際の第1の加工条件と、前記第2の境界領域をn回目に加工する際の第2の加工条件と、で異なる加工条件を設定することを特徴とするワイヤ放電加工方法。
  12. ワイヤと被加工物との間に電圧を印加する電源装置と、前記ワイヤと前記被加工物とを相対移動させることによって前記被加工物を加工し前記被加工物から外枠部分を切り離すことによって前記被加工物の内側部分である製品部位を形成する加工部と、を制御し、
    かつ前記外枠部分と前記製品部位との境界のうちの一部が切り残し部分として残されるよう前記境界のうちの第1の境界領域を前記加工部に加工させ、その後、前記製品部位になる部材と前記外枠部分になる部材とが導電性部材で接続された後に、前記境界のうちの前記切り残し部分である第2の境界領域を前記加工部に加工させることによって前記外枠部分から前記製品部位を切り離すとともに、前記被加工物を加工する際には、前記加工部に前記第1の境界領域に対して複数回の加工を繰り返させるとともに、前記加工部に前記第2の境界領域に対して複数回の加工を繰り返させ、
    かつ前記第1の境界領域を加工した際の加工状況に基づいて、nを2以上の自然数とした場合に、前記第1の境界領域をn回目に加工する際の第1の加工条件と、前記第2の境界領域をn回目に加工する際の第2の加工条件と、で異なる加工条件を設定することを特徴とする制御装置。

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