JPWO2015076355A1 - 標的分子に結合するポリペプチドの決定方法及び決定システム - Google Patents

標的分子に結合するポリペプチドの決定方法及び決定システム Download PDF

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Abstract

本発明は、ポリペプチドとこれをコードする核酸との対応付けが可能なディスプレイ法で作製したライブラリから、従来のパニングを繰り返して得られたファージを大腸菌に感染させてクローニングする方法では見出せないような標的分子結合ポリペプチドを見出し、そのポリペプチドのアミノ酸配列又は核酸配列情報に基づいて標的分子に結合するポリペプチドをデザインする方法を提供することを課題とする。本発明は、標的分子を用いて、ディスプレイ法で作製したライブラリでパニングを行う工程と、パニング工程前のライブラリのポリペプチド群と、前記パニング工程後のライブラリのポリペプチド群のすべてについて配列を次世代シーケンサで解析する工程と、シーケンシング工程の結果に基づいて、パニングによる各ポリペプチドの増幅率を評価してスコア化するスコア化工程と、スコアの高いポリペプチドを選択する工程と、を含む標的分子に結合するポリペプチドの配列決定方法を提供する。

Description

本発明は、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸配列を決定する方法に関する。
近年、様々な疾患と生体内の分子との関連が報告され、かかる疾患関連分子を標的とする分子標的薬や分子標的治療が開発されている。その中で、所定の標的分子に対して高い特異性及び親和性を有し、その標的分子と相互作用することができる抗体、ペプチド、アプタマーなどをデザインする技術も開発されている。
例えば、多様なポリペプチドを含むライブラリを作製し、かかるライブラリから標的分子に結合するポリペプチドをスクリーニングする方法が広く用いられている。ポリペプチドライブラリとしては、各ポリペプチドの遺伝子型と表現型を対応付けることができるディスプレイ法が注目されており、ファージディスプレイ法、リボソームディスプレイ法、mRNAディスプレイ法、cDNAディスプレイ法などが開発されている。
最も普及しているのはファージディスプレイ法であり、1985年にSmith G.P.が繊維状ファージの表面にタンパク質の提示が可能であることを報告し(非特許文献1)、1990年にMcCafferty J.らがモノクローナル抗体作製に応用し(非特許文献2)、1991年にはSmith G.P.らによってscFvやFabもファージに提示可能であることが報告された(非特許文献3)。
ファージディスプレイ法では、標的分子を抗原として免疫した動物の血液中の抗体の遺伝子配列等に基づいて、抗体又はそのフラグメントを提示したファージライブラリを作製した後、このファージライブラリから、標的分子に結合する抗体又はフラグメントを提示したファージを濃縮する「パニング」と呼ばれる工程を行う。パニングは、例えば、標的分子を固定した固相担体や、標的分子を発現する細胞を用意して、これとファージライブラリを接触させ、標的分子に結合したファージ回収することによって行われる。パニングは通常少なくとも3〜5回程度繰り返し、標的分子に結合するファージを徐々に濃縮する。
続いて、パニングで得られたファージ群を大腸菌等に感染させ、プレート上で得られた40〜100個程度の大腸菌クローンからファージをレスキューする。こうして得られたファージは、標的分子に結合能を有するポリペプチドを提示するだけでなく、ファージDNA中に抗体の遺伝情報を格納しているので、この遺伝情報を抗体やそのフラグメントの生産に用いることもできる。
このようにファージディスプレイ法は標的分子に結合するポリペプチドを単離する方法として有用性が高い。一方で、大腸菌クローンに感染させてクローンを選択する工程は労力や時間を要し、限られた個数の大腸菌クローンしか選択できないため、パニングによって大きく増幅されるものしか選択されない。例えば、100個のクローンを選択したとしても、パニング後のライブラリにおける含有率が1%未満のファージに提示される分子は得ることが難しい。また、この方法で得られる標的分子に結合するポリペプチドは、互いに配列がよく類似していることが多いことが知られているが、医薬品候補としては、標的分子の異なる部位に結合する複数のポリペプチドを得ることが望ましい。
Smith GP., Science. 1985 Jun 14;228(4705):1315-7. McCafferty J et al., Nature. 1990 Dec 6;348(6301):552-4. Marks JD et al., J Mol Biol. 1991 Dec 5;222(3):581-97.
本発明は、ポリペプチドとこれをコードする核酸との対応付けが可能なディスプレイ法で作製したライブラリから、従来のパニングを繰り返して得られたファージを大腸菌に感染させてクローニングする方法では見出せないような標的分子結合ポリペプチドを見出し、そのポリペプチドのアミノ酸配列又は核酸配列情報に基づいて標的分子に結合するポリペプチドをデザインする方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、ディスプレイ法で作製したポリペプチドライブラリを用いてパニングを1回のみ行い、パニングの前後にライブラリに含まれるポリペプチドの配列情報を次世代シーケンサで網羅的に解析して比較することによって、パニングでわずかしか増幅されないポリペプチドも選択できることを見出した。そして、選択されたポリペプチド群をその配列に基づいてクラスターに分類し、各クラスターに属するポリペプチドの配列の共通性に基づいて、標的分子に結合できるポリペプチドの配列を決定できることを見出し、本発明の課題を解決するに至った。
すなわち本発明は、
〔1〕標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法であって、
ポリペプチドとこれをコードする核酸との対応付けが可能なディスプレイ法で作製したライブラリと、前記標的分子とを接触させてインキュベートし、前記標的分子に結合するポリペプチド群を得るパニング工程と、
前記パニング工程前のライブラリのポリペプチド群と、前記パニング工程後のライブラリのポリペプチド群のすべてについて、それをコードする核酸の塩基配列を次世代シーケンサで解析する、又は、それをコードする核酸の塩基配列を次世代シーケンサで解析し得られた塩基配列に基づいてアミノ酸配列を決定する、シーケンシング工程と、
前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニングによる各ポリペプチドの増幅率を評価してスコア化するスコア化工程と、
スコアの高いポリペプチドを選択し、そのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列として決定する配列決定工程
を含む方法;
〔2〕前記スコア化工程は、
前記シーケンシング工程の結果に基づいて、
前記パニング工程前後のライブラリにおける所定の配列xiの割合の増幅率、
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの増幅率、
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの統計量変化率、
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の増幅率、及び
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列増幅率群の統計量、
の少なくとも1つを求め、これに基づいてスコア化を行う、上記〔1〕に記載の方法;
〔3〕前記所定の配列xiが属するクラスターの増幅率は、該クラスターに属する各配列のライブラリ内含有率の集合における代表値、すなわち、平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値を求めて評価される、上記〔2〕に記載の方法;
〔4〕前記所定の配列xiが属するクラスターの統計量変化率は、該クラスターに属する各配列のライブラリ内含有率の集合における統計量、すなわち、分散、標準偏差、標本標準偏差、不偏分散、平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値を求めて評価される、上記〔2〕に記載の方法;
〔5〕前記所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の増幅率の統計量は、該クラスターに属する各配列の増幅率の集合における統計量、すなわち、分散、標準偏差、標本標準偏差、不偏分散、平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値を求めて評価される、上記〔2〕に記載の方法;
〔6〕前記スコア化工程は、
前記シーケンシング工程の結果に基づいて、
前記パニング工程前後のライブラリにおける所定の配列xiの割合の増幅率;
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの増幅率;
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの統計量変化率;
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の増幅率;及び
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列増幅率群の統計量、
の少なくとも1つを求め、これに基づいてスコア化を行う、上記〔1〕に記載の方法;
〔7〕前記スコア化工程は、
前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニング工程後のライブラリに含まれるポリペプチド群をクラスタリングする工程と、
スコア関数を以下の式(I)として、
標的分子に結合するポリペプチドをコードする核酸配列を決定する場合には、Score(di)をスコアとし、
標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列を決定する場合には、Score (di)とScore(pi)からスコアとして求める、上記〔2〕から〔6〕のいずれかに記載の方法
(式中、
diは、DNA配列diを表し、piは、diから変換して求めたアミノ酸配列piを表し、
Amp(xi)は、前記パニング工程の前後での配列xiの割合の増幅率を表し、
AmpC(xi)は、各クラスターをCnと定義した場合にxiの属するクラスターの増幅率を表し、
S(xi)は、xiが属するクラスターをC(xi)と定義した場合に、C(xi)に属する各配列の増幅率の分散を表し、
a、b及びcは重み付けの変数を表す。);
〔8〕前記配列決定工程は、前記スコア化工程で算出したスコアが80以上のポリペプチドを選択する、上記〔7〕に記載の方法;
〔9〕前記ライブラリが、ポリペプチドとして抗体又はその抗原結合フラグメントを含む、上記〔1〕から〔8〕のいずれかに記載の方法;
〔10〕前記ディスプレイ法が、ファージディスプレイ法である、上記〔1〕から〔9〕のいずれかに記載の方法;
〔11〕前記ライブラリが、前記標的分子で免疫した動物の血液中の抗体の遺伝子配列に基づいて作成されたライブラリである、上記〔10〕に記載の方法;
〔12〕前記ライブラリが、免疫していない動物の血液中の抗体の遺伝子配列に基づいて作成されたライブラリである、上記〔10〕に記載の方法;
〔13〕前記動物が、アルパカである、上記〔11〕又は〔12〕に記載の方法;
〔14〕上記〔1〕から〔13〕のいずれかに記載の方法に従って、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定するシステムであって、
前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニングによる各ポリペプチドの増幅率を評価してスコアを計算する装置を含むシステム;
〔15〕上記〔6〕に記載の方法に従って、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定するシステムであって、
前記パニング工程前後のライブラリにおける所定の配列xiの割合の増幅率を計算する第1の装置と、
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、所定の配列xiが属するクラスターの、前記パニング工程前後のライブラリにおける増幅率を計算する第2の装置と、
前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の、前記パニング工程前後の増幅率又はその分散を計算する第3の装置と、
前記第1乃至第3の装置の少なくとも1つに算出された数値に基づいて、配列xiのスコアを計算する第4の装置と、
を含むシステム;
〔16〕上記〔7〕に記載の方法に従って、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定するシステムであって、
Amp(xi)を計算する装置と、
AmpC(xi)を計算する装置と、
S(xi)を計算する装置と、
Score(xi)を計算する装置と、を含むシステム;
〔17〕さらに、次世代シーケンサを含む、上記〔14〕から〔16〕のいずれかに記載のシステム;及び
〔18〕さらに、前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニング工程後のライブラリに含まれるポリペプチド群をクラスタリングする装置を含む、上記〔14〕から〔17〕のいずれかに記載のシステム、
に関する。
本発明によれば、1回のパニングと、次世代シーケンサによる解析と、解析結果に基づく計算という工程で、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はそれをコードする核酸の塩基配列を決定することができる。
本発明によれば、複数回のパニングと大腸菌によるクローニングを用いる従来法では得られなかった、標的分子に結合するポリペプチドとして、サンプル中に極めて少ない量含まれているポリペプチドも見出すことができると共に、多様な配列を有するポリペプチドを得ることができる。
また、大腸菌によるクローニング工程を必要としないので、膨大な労力を省くことができ、迅速に目的とするポリペプチドの配列を決定することができる。
こうして得られた標的分子に特異的に結合するポリペプチドは、医薬品や試薬の開発に有用である。
図1は、本発明に係る方法で得られた抗体について、抗原への結合特異性をELISAで調べた結果を示す。 図2は、従来法で得られた抗体について、抗原への結合特異性をELISAで調べた結果を示す。 図3は、本発明に係る方法で得られた抗体と、従来法で得られた抗体との配列の比較を示す。
(パニング工程)
本発明に係る「標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法」は、ポリペプチドとこれをコードする核酸との対応付けが可能なディスプレイ法で作製したライブラリと、標的分子とを接触させてインキュベートし、標的分子に結合するポリペプチド群を得るパニング工程を含む。
本明細書において「標的分子」は特に限定されないが、例えば、疾患の発生や進行に関与する生体内の疾患関連分子とすることができる。疾患関連分子は、ポリペプチドが結合するものであれば特に限定されず、例えば、核酸、ポリペプチド、糖類、脂質であってもよい。
本明細書において「ポリペプチド」とは、2以上のアミノ酸がペプチド結合してできた分子をいい、ペプチドやタンパク質も含む概念で用いられる。本明細書において「標的分子に結合するポリペプチド」は、標的分子に結合する限り、親和性の高さは特に限定されず、また標的分子に対する生理活性作用を有してもいても有していなくてもよい。本明細書においては、「標的分子に結合するポリペプチド」を「標的分子結合ポリペプチド」という場合もある。
本明細書において、標的分子結合ポリペプチドのアミノ酸数は特に限定されず、一般にペプチドと呼ばれる小さな分子であってもよいし、抗体やその抗原結合フラグメント、酵素などそれ自体機能を有するタンパク質であってもよい。
本明細書において「抗体」とは、一対のジスルフィド結合で安定化された2本の重鎖(H鎖)と2本の軽鎖(L鎖)が会合した構造をとる。重鎖は、重鎖可変領域VH、重鎖定常領域CH1、CH2、CH3、及びCH1とCH2の間に位置するヒンジ領域からなり、軽鎖は、軽鎖可変領域VLと軽鎖定常領域CLとからなる。この中で、VHとVLからなる可変領域断片(Fv)が、抗原結合に直接関与し、抗体に多様性を与える領域である。また、VL、CL、VH、CH1からなる抗原結合領域をFab領域と呼び、ヒンジ領域、CH2、CH3からなる領域をFc領域と呼ぶ。
本明細書における「抗体」は、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEのいずれのアイソタイプであってもよく、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ラクダ科の動物(フタコブラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ、アルパカ等)などの非ヒト動物を免疫して作製したものであってもよいし、組換え抗体であってもよく、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト化抗体等であってもよい。キメラ型抗体とは、異なる種に由来する抗体の断片が連結された抗体をいう。
「ヒト化抗体」とは、非ヒト由来の抗体に特徴的なアミノ酸配列で、ヒト抗体の対応する位置を置換した抗体を意味し、例えば、マウスを免疫して作製した抗体の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3を有し、重鎖及び軽鎖のそれぞれ4つのフレームワーク領域(FR)を含むその他のすべての領域がヒト抗体に由来するもの等が挙げられる。かかる抗体は、CDR移植抗体と呼ばれる場合もある。用語「ヒト化抗体」は、ヒトキメラ抗体を含む場合もある。
本明細書において、抗体の「抗原結合フラグメント」とは、抗原に対する結合能を維持した抗体のフラグメントをいう。抗原結合フラグメントとしては、VL、VH、CL及びCH1領域からなるFab;2つのFabがヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結されているF(ab')2;VL及びVHからなるFv;VL及びVHを人工のポリペプチドリンカーで連結した一本鎖抗体であるscFvのほか、diabody型、scDb型、tandem scFv型、ロイシンジッパー型などの二重特異性抗体等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、ラクダ科の動物の場合、VHのみからなる抗体(VHH抗体)が血液中に存在することが知られており、VHH抗体も本発明に係る抗原結合フラグメントに含まれる。
本明細書において「アミノ酸」は、その最も広い意味で用いられ、天然アミノ酸に加え、人工のアミノ酸変異体、誘導体を含む。本明細書においてアミノ酸は、天然タンパク性L-アミノ酸;D-アミノ酸;アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;ノルロイシン、β-アラニン、オルニチンなどの天然非タンパク性アミノ酸;及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物などが挙げられる。非天然アミノ酸の例として、α−メチルアミノ酸(α−メチルアラニンなど)、D-アミノ酸、ヒスチジン様アミノ酸(β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン及びα-メチル-ヒスチジンなど)、側鎖に余分のメチレンを有するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸)及び側鎖中のカルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基で置換されるアミノ酸(システイン酸など)が挙げられる。
本明細書においてアミノ酸は、慣用される1文字表記又は3文字表記で表される。1文字表記又は3文字表記で表されたアミノ酸は、それぞれその変異体、誘導体を含むことがあるものとする。
本明細書において「ポリペプチドをコードする核酸」とは、遺伝暗号表に従って、当該ポリペプチドのアミノ酸配列を示す核酸を意味する。本明細書において「核酸」は、その最も広い意味で用いられ、DNA、RNA、LNA(Locked Nucleic Acid)又はPNA(Peptide Nucleic Acid)など天然の核酸でも人工の核酸であってもよく、これらの2以上を含むキメラ核酸であってもよい。
本発明に係る「標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法」では、標的分子結合ポリペプチドのアミノ酸配列を決定してもよいし、標的分子結合ポリペプチドをコードする核酸の塩基配列を決定してもよい。本明細書においては、配列を決定することを、配列をデザインするという場合もある。
本明細書において「ポリペプチドとこれをコードする核酸との対応付けが可能なディスプレイ法で作製したライブラリ」とは、ライブラリに含まれる各ポリペプチドが、そのポリペプチドをコードする核酸と結合等していることによって、各ポリペプチド(表現型)とそれをコードする核酸(遺伝子型)を対応付けることが可能なライブラリをいう。かかるライブラリの例としては、ファージディスプレイ法、mRNAディスプレイ法、リボソームディスプレイ法、STABLE法、CISディスプレイ法によって作製されたライブラリが挙げられる。
本明細書において「ファージディスプレイ法」とは、所望のポリペプチドをコードする核酸をファージDNA中に挿入することにより、ファージのコートポリペプチド(例えば、g3p、g8p)と融合した形で、当該ポリペプチドをファージ表面に提示させる方法をいう(非特許文献1−3参照)。
ファージディスプレイ法を用いる場合、ポリペプチドライブラリの遺伝子源として、例えば、免疫した非ヒト動物の血液等から得た抗体ライブラリ(免疫ライブラリ)や、免疫していないヒトや動物の血液等から得た抗体ライブラリ(ナイーブライブラリ)のほか、合成ライブラリを用いることができる。免疫ライブラリは、所定の標的物質に結合する抗体をより高濃度に含むので、例えば、所定の標的物質に結合する抗体又はそのフラグメントを得る場合に有用である。ナイーブライブラリは、抗体の濃度は広い多様性を有する抗体が一様に含まれているので、例えば、様々な標的物質に結合する抗体又はそのフラグメントを得る場合に有用である。
例えば、scFvを提示するファージのライブラリを作製する場合、免疫ライブラリは、以下のように調製する。まず、標的分子で免疫した非ヒト動物の血液、細胞、組織等から常法に従ってtotal RNAを調製し、cDNAを合成した後、各サブタイプに特異的なプライマー混合物を用いてVH、VL遺伝子をPCRで増幅する。続いて、アガロースゲルで、これらの遺伝子を精製し、リンカーDNAを用いてこれらの遺伝子を連結する。生成したscFv抗体遺伝子に、さらに必要な制限酵素認識部位をPCR法で付加し、制限酵素で処理した後、ファージミドベクターに連結して大腸菌を形質転換する。
この大腸菌に、正常なg3p遺伝子やg8p遺伝子を有するヘルパーファージを共感染させると、多様な配列を有するscFvを表面に提示し、且つ、そのscFvの遺伝情報をコードするファージミドベクターをパッケージングしたファージライブラリを産生することができる。ヘルパーファージの感染に代えて、g3pポリペプチドやg8pポリペプチドを発現する大腸菌を宿主として利用する方法もある。
本明細書において「mRNAディスプレイ法」は、in vitroウイルス法とも呼ばれる方法である(Roberts RW and Szostak JW (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 12297-12302; Nemoto N et al. (1997) FEBS Letters 414: 405-408.)。
mRNAディスプレイ法でライブラリを作製する場合、まず、DNAまたはmRNAライブラリを人工的に合成し、DNAライブラリの場合はRNAポリメラーゼによりmRNAライブラリに変換した後、mRNAライブラリを無細胞翻訳系で翻訳する。この際、mRNAと発現したポリペプチドとが結合するように構成することにより、ポリペプチド(表現型)とそれをコードする核酸(遺伝子型)が結合して一分子となる。mRNAと発現したポリペプチドを結合させる方法は特に限定されないが、mRNAの3'末端にtRNAアナログであるピューロマイシンを結合させる方法が広く用いられている。
本明細書において「リボソームディスプレイ法」とは、mRNAとそれにコードされるポリペプチドがリボソームを介して結合した複合体を産生する方法である。かかる複合体のライブラリは、mRNAディスプレイ法と同じようにmRNAライブラリを調製し、無細胞翻訳系で翻訳して作製するが、この際、mRNAが終止コドンを含まないよう設計しておき、翻訳反応後高濃度のMgイオンを含む溶液で希釈し、4℃で保存する。これにより、複合体が安定に保存される。
本明細書において「STABLE法(Streptavidin-biotin linkage in emulsions)」は、ストレプトアビジンとビオチンの結合を利用するものであり、まず、ビオチンを結合させた二本鎖DNAのライブラリをPCRにより調製する。ここで二本鎖DNAは、提示したいポリペプチドとストレプトアビジンの融合ポリペプチドをコードするものを用いる。ビオチン結合二本鎖DNAを、エマルジョン内で無細胞転写翻訳系を用いて転写及び翻訳すると、発現したストレプトアビジンとビオチンが結合することにより、二本鎖DNAとポリペプチドの複合体が形成される。
CISディスプレイ法では、まず、開始コドン、提示するポリペプチドをコードするDNA、RepAポリペプチドをコードするDNA、CIS配列、ori配列を順に含む二本鎖DNAライブラリを作製する。これを無細胞転写翻訳系で転写及び翻訳すると、提示するポリペプチドとRepAポリペプチドが合成されあと後、RNAポリメラーゼがCIS配列の位置で停止する。RepAポリペプチドはDNA上のori配列に結合し、結果として、RepAポリペプチドとori配列の相互作用を介して、ポリペプチドと二本鎖DNAとの複合体が形成される。
本発明に係る標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法では、これらのディスプレイ法で作製されたライブラリを用いてパニング工程を行う。
本明細書において「パニング工程」とは、標的分子といずれかのディスプレイ法で作製したライブラリを接触させてインキュベートし、標的分子に結合するポリペプチド群を得る工程を意味し、ディスプレイ法の種類に応じて、当業者が適宜行うことができる。
例えば、ファージディスプレイで作製したライブラリの場合、標的分子を公知の方法又はそれに準ずる方法で固相表面に固定し、ここにファージライブラリを含む溶液を加えてインキュベートする。その後、固相表面を緩衝液等で洗浄し、標的分子に結合していないファージを除去する。次に結合したファージを適当な緩衝液等で溶出すればよい。
標的分子が膜ポリペプチドである場合などは、細胞とライブラリを接触させる細胞パニングを行ってもよい。この場合、細胞を固定化したプレートやメンブレンを用いる方法、遠心処理を繰り返して細胞に結合したファージを分離する方法、フローサイトメータで細胞に結合したファージを単離する方法などを用いることができる。
こうして単離されたファージには、標的分子に結合能を有するポリペプチドをコードするDNAが格納されている。
mRNAディスプレイ法や、リボソームディスプレイ法でライブラリを作製した場合も、標的分子を公知の方法で固相表面に固定し、mRNA−ポリペプチド複合体ライブラリを含む溶液を加えてインキュベートする。その後、固相表面を緩衝液等で洗浄し、標的分子に結合していないmRNA−ポリペプチド複合体を除去する。次に適当な緩衝液等で標的分子に結合したmRNA−ポリペプチド複合体を溶出する。細胞パニングを行ってもよい。
こうして得られたmRNA−ポリペプチド複合体は、標的分子に結合能を有するポリペプチドをコードするmRNAを有している。次世代シーケンサで配列を解析する前に、mRNAから逆転写酵素でcDNAを合成してもよい。
STABLE法や、CISディスプレイ法でライブラリを作製した場合も、標的分子を公知の方法で固相表面に固定し、二本鎖DNA−ポリペプチド複合体ライブラリを含む溶液を加えてインキュベートする。その後、固相表面を緩衝液等で洗浄し、標的分子に結合していない二本鎖DNA−ポリペプチド複合体を除去する。次に適当な緩衝液等で標的分子に結合した二本鎖DNA−ポリペプチド複合体を溶出する。細胞パニングを行ってもよい。
こうして得られた二本鎖DNA−ポリペプチド複合体は、標的分子に結合能を有するポリペプチドをコードする二本鎖DNAを有している。次世代シーケンサで配列を解析する前に、一本鎖DNAに解離させる工程を行ってもよい。
(シーケンシング工程)
本発明に係る「標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法」は、次に、パニング工程前のライブラリのポリペプチド群と、パニング工程後のライブラリのポリペプチド群のすべてについて、それをコードする核酸の塩基配列を次世代シーケンサで解析する工程、又は、それをコードする核酸の塩基配列を次世代シーケンサで解析し、得られた塩基配列に基づいてアミノ酸配列を決定するシーケンシング工程を含む。
本明細書において「次世代シーケンサ」とは、従来のサンガー法を用いたシーケンサと対比させる概念で用いられる用語である。次世代シーケンサは、並列型シーケンサ、超並列型シーケンサ、高速シーケンサ等とも呼ばれ、1回に数万〜数十億の塩基配列情報を並行して極めて高速で解読できる装置をいう。次世代シーケンサの原理は様々であり、具体例として、Genome Analyser・HiSeq・MiSeq(Illumina社)、SOLiD・IonTorrent(LifeTechnologies社)、PacBio(Pacific BioScience社)、Heliscope(Helicos社)、The Polonator(Dover Systems社)、454 GS(Roche社)、Oxford Nanopore Technologies社の技術を用いた製品などが挙げられるが、これらに限定されない。
次世代シーケンサは、長い配列を高精度で解析できるものが好ましい。精度が不十分な場合、他の機種のデータを用いてエラー補正を行ってもよい。
パニング前とパニング後のライブラリの次世代シーケンサによる配列解析は、次世代シーケンサの種類に応じて、公知の方法に従って当業者が行うことができる。また、シーケンシングによって得られる核酸配列に基づいて、アミノ酸配列を決定することも当業者が容易に行うことができる。
(スコア化工程)
本発明に係る「標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法」は、次に、シーケンシング工程の結果に基づいて、パニングによる各ポリペプチドの増幅率を評価してスコア化するスコア化工程を行う。
本明細書において「ポリペプチドの増幅率を評価してスコア化する」工程とは、パニング後のライブラリに含まれるポリペプチド又はそれをコードする核酸と、パニング前のライブラリに含まれるポリペプチド又はそれをコードする核酸を比較し、所定の配列がパニングによってどの程度濃縮されたか評価し、数値化する工程であって、その手法は問わない。
例えば、diをシーケンスの結果得られたDNA配列とし、diをアミノ酸に変換した配列をpiとし、RB(xi)はパニング前ライブラリに配列xiが含まれている割合を示し、RA(xi)をパニング後ライブラリに配列xiが含まれている割合を示すものとし、パニング前後での配列xiの割合の増幅率Amp(xi)を評価してスコア化してもよい。ここで、ライブラリに配列xiが含まれる割合とは、ライブラリから検出された配列の総数に対する、配列xiの数の割合を意味する。
この場合、増幅率は、DNAでは、
ポリペプチドでは、
として評価し、得られた値をスコアとすることができる。
また、パニング後のライブラリに含まれるポリペプチドを所定の方法でクラスタリングし、配列xiが属する各クラスターの増幅率AmpC(xi)を評価してスコア化してもよい。増幅率AmpC(xi)は以下に示す式で定義してもよいし、パニング前後のクラスターについて、集団の代表値について記述するあらゆる値を求め、これを比較することによって求めてもよい。集団の代表値について記述するあらゆる値とは、例えば、該クラスター又は該クラスターの増幅率の平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値とすることができる。
ポリペプチドのクラスタリングは、そのアミノ酸配列又はそれをコードする核酸の塩基配列に基づいて、公知の方法で行うことができる。例えば、多重整列プログラムClustalシリーズ(Clustal W、Clustal X、Clustal ω)や、T-Coffeeを用いることができるが、これらに限定されない。また、各配列同士の相同性を計算する際でのスコアマトリックス、クラスタリングアルゴリズムの最適化によって、さらに良い結果を期待できる。
この場合、増幅率は、DNAでは、
ポリペプチドでは、
として評価し、得られた値をスコアとすることができる。
パニング後のライブラリに含まれるポリペプチドを所定の方法でクラスタリングし、配列xiが属するクラスターをC(xi)としたとき、C(xi)に属する各配列の統計量、増幅率又はその統計量を評価してスコアかしてもよい。ここでは、増幅率の分散S(di)を評価したスコア化を示す。統計量、増幅率又はその統計量は、以下に示す式S(di)で定義してもよいし、パニング前後の配列xiが属するクラスターに属する各配列について、集団の代表値について記述するあらゆる値を求め、これを比較することによって求めてもよい。集団の代表値について記述するあらゆる値とは、例えば、該クラスターに属する各配列又は各配列の増幅率の分散、標準偏差、標本標準偏差、不偏分散、平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値とすることができる。
この場合、増幅率は、DNAでは、
ポリペプチドでは、
として評価し、得られた値をスコアとすることができる。
また、増幅率の評価は、上述した配列xiの割合の増幅率Amp(xi)、xiの属するクラスターの増幅率AmpC(xi)、及びxiが属するクラスターのC(xi)に属する各配列の増幅率S(xi)のうち2つ以上組合せて行ってもよい。この際、任意にそれぞれの要素に重み付けをしてもよい。
例えば、3つの要素をすべて使用して、Score(xi)を以下のように定義することができる。
式中、a、b及びcはそれぞれ重み付けの変数である。例えば、3つの要素の重みを等しくする場合には、すべて1とすればよい。
(配列決定工程)
本発明に係る「標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法」は、次に、スコアの高いポリペプチドを選択し、そのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を特定し、当該塩基配列を標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列として決定する工程を行う。
本工程では、スコア化工程で各配列について求めたスコアに基づいて、当業者が適宜行うことができる。後述する実施例に示されるとおり、スコア関数を上述したScore(xi)とし、スコア80以上の配列を選択したとき、その配列を有するポリペプチドは標的分子に特異的に結合した。
(システム)
本発明に係る「標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法」の各工程は、それぞれ特定用途のハードウェア又は汎用のハードウェアによって実装可能である。
本発明に係る「標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定するシステム」の一例として、
パニング工程前後のライブラリにおける所定の配列xiの割合の増幅率を計算する工程を実装する第1の解析装置と、
パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、所定の配列xiが属するクラスターの、パニング工程前後のライブラリにおける増幅率を計算する工程を実装する第2の解析装置と、
パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の、パニング工程前後の増幅率又はその分散を計算する工程を実装する第3の解析装置と、
第1〜3の解析装置の少なくとも1つで作成された増幅率ファイルが入力されると、所定のスコア関数に従って、所定の配列のスコアを算出する工程を実装する第4の解析装置を含むものが挙げられる。
第1の解析装置は、上述したAmp(xi)を計算する工程を実装するものとしてもよく、第2の解析装置は、AmpC(xi)を計算する工程を実装するものとしてもよく、第3の解析装置は、S(xi)を計算する工程を実装するものとしてもよく、第4の解析装置は、Score(xi)を計算する工程を実装するものとしてもよい。
本発明に係るシステムは、次世代シーケンサを含むものとしてもよい。第1〜3の解析装置には、次世代シーケンサによって解読された配列に関する配列ファイルが入力され、それぞれで増幅率が計算される。
本発明に係るシステムは、シーケンシング工程の結果に基づいて、パニング工程後のライブラリに含まれる配列をクラスタリングする工程を実装する第5の解析装置をさらに含んでいてもよい。この場合、第5の解析装置には、次世代シーケンサによって解読された配列に関する配列ファイルが入力され、公知の方法で配列がクラスタリングされ、クラスタリングに関するファイルは第2の解析装置又は第3の解析装置に渡される。
本明細書において引用されるすべての特許文献及び非特許文献の開示は、全体として本明細書に参照により組み込まれる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。当業者は、本発明の意義を逸脱することなく様々な態様に本発明を変更することができ、かかる変更も本発明の範囲に含まれる。
1.ディスプレイライブラリの作製
本研究ではアルパカVHH抗体のファージディスプレイライブラリを用いた。KLHと結合したNDOM (N-domain of izumo1 protein)を用いて、アルパカに対して0日、14日、28日に免疫を行った。48日に採取した血液400mlより末梢血単核球を回収し、VHH領域のmRNAを逆転写酵素によってcDNAへ変換した。
PCR増幅したcDNAをM13 ファージミドベクターにライゲーションし、ヘルパーファージと共にE.coli に感染、増幅させファージディスプレイライブラリを得た。以降これをパニング前ライブラリと呼ぶ。
2−1.パニング工程
固相化したNDOMに対して、パニング前ライブラリを加え、バイオパニングを行った。PBSTにより5回の洗浄の後、0.1M glycine-HCL(pH2.2)により、NDOMに結合するVHH抗体を提示したファージ群を溶出した。このファージ群を以降、パニング後ライブラリと呼ぶ。
2−2.大規模シーケンシング
これまでの過程で得られたパニング前ライブラリとパニング後ライブラリについて、Illumina社のMiSeqを用いてシーケンシングを行った。VHH領域の上流と下流からはさむようにシーケンシングを行い、アセンブルすることによってVHH配列群を得た。この結果、パニング前ライブラリからは、ポリペプチドに翻訳後の配列として、65098本(43823種類)、パニング後ライブラリからは80662本(47518種類)の抗体配列を得た。
2−3.パニング前後のライブラリの比較解析
2−3−1.配列増幅率
パニング前のライブラリに含まれる各DNA配列の割合と、パニング後のライブラリに含まれる割合を比較し、各DNA配列の増幅率を計算した。同様の作業をアミノ酸配列においても行った。diを各DNA配列とし、diをアミノ酸配列に変換した配列をpiとした。diもしくはpiのどちらかに読み替えられる記号をxiとする。RB(xi)はパニング前ライブラリに配列xiが含まれている割合を指す。RA(xi)はパニング後ライブラリに配列xiが含まれている割合を指す。Amp(xi)はライブラリ前後での配列xiの割合の増幅率を指す。
2−3−2.クラスター増幅率
配列のクラスタリングを行った。各クラスターをCnと定義した。xiの属するクラスターの増幅率AmpC(xi)を以下の通り定義した。
2−3−3.クラスター内における増幅率の分散
xiが属するクラスターをC(xi)とした。C(xi)に属する各配列の増幅率を計算し、それらの分散を求めた。
2−3−4.スコア化
スコア関数Score(xi)を以下のように定義した。a、b、cは重み付けの変数である。本事例ではすべて1として計算した。
デザイン対象の分子が核酸アプタマーなど塩基配列の場合はScore(di)のみを利用し、ポリペプチドの場合はScore(di)とScore(pi)を利用した計算(相加平均、相乗平均など)によって得た値を利用する。本事例では抗体がデザイン分子であるため、後者のスコアを利用した。全配列のうち、最大スコアを100、最小スコアを0として正規化し、最終スコアとした。
最終スコアが80以上となったポリペプチドを提示するファージ(Cluster 1 phage及びCluster 2 phage)と、スコアが62のポリペプチドを提示するファージ(Cluster 3 phage)を用いて、NDOM、KLH、Nya-FP2、及びBSAに対する結合をELISAで測定した。結果を図1に示す。Cluster 1 phage及びCluster 2 phageは、NDOMに対して高選択的に結合した。Cluster 3 phageは非特異的で、いずれの標的に対する親和性も低かった。
3.従来法による抗体
また、従来の手法(大腸菌を用いたクローニング)でNDOMに結合するファージを単離し、ELISAによってファージが提示したVHH抗体の特異性を検証した結果を図2に示す。11クローンにおいて、NDOMに対する特異性が見られた。
4.本発明の方法と従来法の比較
従来手法と本手法によって得られた抗体配列の比較を行った結果を図3に示す。
従来手法で得られた配列はNから始まる名前である。本手法で新しく得られた配列はCluster 1及びCluster 2で示される。従来法では、どのクローンからも配列の類似した抗体しか得られなかったが、本発明に係る方法で得られた抗体は、互いに大きく配列が異なることがわかった。また、本発明に係る方法で得られた抗体の1つはN10と同じアミノ酸配列を有していた。
以上から、本手法では、従来手法で得られる配列に加え、新規の配列を有する抗体が得られることが示された。

Claims (18)

  1. 標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定する方法であって、
    ポリペプチドとこれをコードする核酸との対応付けが可能なディスプレイ法で作製したライブラリと、前記標的分子とを接触させてインキュベートし、前記標的分子に結合するポリペプチド群を得るパニング工程と、
    前記パニング工程前のライブラリのポリペプチド群と、前記パニング工程後のライブラリのポリペプチド群のすべてについて、それをコードする核酸の塩基配列を次世代シーケンサで解析する、又は、それをコードする核酸の塩基配列を次世代シーケンサで解析し得られた塩基配列に基づいてアミノ酸配列を決定する、シーケンシング工程と、
    前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニングによる各ポリペプチドの増幅率を評価してスコア化するスコア化工程と、
    スコアの高いポリペプチドを選択し、そのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列として決定する配列決定工程と、
    を含む方法。
  2. 前記スコア化工程は、
    前記シーケンシング工程の結果に基づいて、
    前記パニング工程前後のライブラリにおける所定の配列xiの割合の増幅率、
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの増幅率、
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの統計量変化率、
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の増幅率、及び
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列増幅率群の統計量、
    からなる群より選択される少なくとも1つを求め、これに基づいてスコア化を行う、請求項1に記載の方法。
  3. 前記所定の配列xiが属するクラスターの増幅率は、該クラスターに属する各配列のライブラリ内含有率の集合における代表値、すなわち、平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値を求めて評価される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記所定の配列xiが属するクラスターの統計量変化率は、該クラスターに属する各配列のライブラリ内含有率の集合における統計量、すなわち、分散、標準偏差、標本標準偏差、不偏分散、平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値を求めて評価される、上記請求項2に記載の方法。
  5. 前記所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の増幅率の統計量は、該クラスターに属する各配列の増幅率の集合における統計量、すなわち、分散、標準偏差、標本標準偏差、不偏分散、平均値、中央値、及び最頻値からなる群より選択される少なくとも一つの値を求めて評価される、請求項2に記載の方法。
  6. 前記スコア化工程は、
    前記シーケンシング工程の結果に基づいて、
    前記パニング工程前後のライブラリにおける所定の配列xiの割合の増幅率;
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの増幅率;
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターの統計量変化率;
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の増幅率;及び
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、前記パニング工程前後のライブラリにおける、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列増幅率群の統計量;
    の少なくとも1つを求め、これに基づいてスコア化を行う、請求項1に記載の方法。
  7. 前記スコア化工程は、
    前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニング工程後のライブラリに含まれるポリペプチド群をクラスタリングする工程と、
    スコア関数を以下の式(I)として、
    標的分子に結合するポリペプチドをコードする核酸配列を決定する場合には、Score(di)をスコアとし、
    標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列を決定する場合には、Score (di)とScore(pi)からスコアとして求める、請求項2から6のいずれか1項に記載の方法
    (式中、
    diは、DNA配列diを表し、piは、diから変換して求めたアミノ酸配列piを表し、
    Amp(xi)は、前記パニング工程の前後での配列xiの割合の増幅率を表し、
    AmpC(xi)は、各クラスターをCnと定義した場合にxiの属するクラスターの増幅率を表し、
    S(xi)は、xiが属するクラスターをC(xi)と定義した場合に、C(xi)に属する各配列の増幅率の分散を表し、
    a、b及びcは重み付けの変数を表す。)。
  8. 前記配列決定工程は、前記スコア化工程で算出したスコアが80以上のポリペプチドを選択する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ライブラリが、ポリペプチドとして抗体又はその抗原結合フラグメントを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ディスプレイ法が、ファージディスプレイ法である、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ライブラリが、前記標的分子で免疫した動物の血液中の抗体の遺伝子配列に基づいて作成されたライブラリである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ライブラリが、免疫していない動物の血液中の抗体の遺伝子配列に基づいて作成されたライブラリである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記動物が、アルパカである、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の方法に従って、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定するシステムであって、
    前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニングによる各ポリペプチドの増幅率を評価してスコアを計算する装置を含むシステム。
  15. 請求項6に記載の方法に従って、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定するシステムであって、
    前記パニング工程前後のライブラリにおける所定の配列xiの割合の増幅率を計算する第1の装置と、
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、所定の配列xiが属するクラスターの、前記パニング工程前後のライブラリにおける増幅率を計算する第2の装置と、
    前記パニング工程後の配列をクラスタリングしたときの、所定の配列xiが属するクラスターに属する各配列の、前記パニング工程前後の増幅率又はその分散を計算する第3の装置と、
    前記第1乃至第3の装置の少なくとも1つに算出された数値に基づいて、配列xiのスコアを計算する第4の装置と、
    を含むシステム。
  16. 請求項7に記載の方法に従って、標的分子に結合するポリペプチドのアミノ酸配列又はこれをコードする核酸の塩基配列を決定するシステムであって、
    Amp(xi)を計算する装置と、
    AmpC(xi)を計算する装置と、
    S(xi)を計算する装置と、
    Score(xi)を計算する装置と、を含むシステム。
  17. さらに、次世代シーケンサを含む、請求項14から16のいずれか1項に記載のシステム。
  18. さらに、前記シーケンシング工程の結果に基づいて、前記パニング工程後のライブラリに含まれるポリペプチド群をクラスタリングする装置を含む、請求項14から17のいずれか1項に記載のシステム。
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