JPWO2015060348A1 - 縮合ピラゾール誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ドパミンD4受容体に対して選択性の高い作用を示し、注意欠陥多動性障害等の治療剤として有用な環状アミノメチルピリミジン誘導体及びその薬学上許容される塩を提供する。具体的に本発明は、式(1)で表される化合物またはその薬学上許容される塩に関する。[式中、nおよびmは、それぞれ独立して、1または2を表し;W1、W3およびW4は、それぞれ独立して、単結合、または置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;W2は、置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;RlおよびR2は、それぞれ独立して、水素原子等を表し;R3は、水素原子、ハロゲン原子等を表し;X1およびX2は、それぞれ独立して、単結合、酸素原子等を表し;環Qlは置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基等を表し;環Q2は、置換されていてもよい6員のヘテロアリール基等を表す。]

Description

本発明は、選択的ドパミンD受容体アゴニスト作用を有する縮合ピラゾール誘導体およびその塩、並びに該誘導体を有効成分とする中枢神経系疾患治療剤に関する。
ドパミンD受容体は、Gタンパク質共役受容体(G protein-coupled receptors: GPCRs)の一つであり、注意行動や認知機能に関連する前頭連合野で高発現していることから、ドパミンD受容体アゴニストは、注意欠陥多動性障害(attention deficit hyperactivity disorder: ADHD)等の高次脳機能に関わる中枢神経系疾患の治療薬として期待されている。ADHDは、小児期に発症する、不注意行動(inattention)、多動性(hyperactivity)および衝動性(impulsivity)を中核症状とする発達障害の一つであり、成人期に至っても中核症状が持続することが知られている。そして、ADHDの薬物療法における第一選択薬として、中枢神経刺激薬メチルフェニデートが用いられている。メチルフェニデートの治療効果は、神経伝達物質ドパミンの遊離に関わるドパミントランスポーターの機能調節に基づくと考えられており、即効性を示す。しかし、メチルフェニデートには、薬物依存や乱用のリスク、および動悸や頻脈、血圧変動等心臓血管系に対する副作用のリスクがある。薬物依存形成の小さいADHD治療剤としては、非中枢神経刺激薬である選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤アトモキセチンが選択される。しかし、アトモキセチンは、治療効果の発現までに十分な投与期間が必要とされる。これらのことから、薬物依存リスクや心臓血管系副作用が軽減され、速やかな薬効発現を示すADHD治療剤の開発が望まれている。
ADHD患者には、ドパミントランスポーター遺伝子やドパミンD受容体遺伝子の変異が認められることが報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。また、ドパミンD受容体遺伝子の第3エクソン内の48bpの7回繰り返し配列の遺伝子多型を有する児童に、大脳皮質の発達遅延が認められている(例えば、非特許文献3を参照)。そして、ドパミンD受容体は、注意行動や認知機能に関連する前頭連合野で高発現している(例えば、非特許文献2を参照)。これらのことから、ドパミンD受容体が注意・認知機能に関連すると考えられている。加えて、ドパミンD受容体は、薬物依存に関わる側坐核で発現していないことが知られている。
以上のことから、ドパミンD受容体に選択的にアゴニスト作用を示す薬剤は、ドパミン作動性神経が関わる中枢神経系疾患治療薬、殊にADHDに対して速やかな薬効を示すと共に薬物依存性等の副作用が軽減されたADHD治療薬として期待されている。
特許文献1には、下記式で表される化合物が代謝型グルタミン酸受容体(mGluR5)の活性を調整でき、神経障害等の種々の障害の治療、予防、および/または管理に有用であることが開示されている。
Figure 2015060348
[式中、Rは、アリール、ヘテロアリール等であり;
は、アリール、ヘテロアリール等であり;
およびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、低級アルキル等であり;
は、結合、−O−、−CR−等であり;
は、結合、−O−、−CR−等であり;
XはCまたはNであり;
YはO、S、N等であり;
ZはO、S、N等であり;
およびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、または低級アルキルであるか、CRはC=Oであるか;あるいはRおよびRはそれらが結合した炭素原子と一緒になって3から7員のシクロアルキルを形成してもよく;
GはNまたはCHであり;
oは0、1、または2であり;
pは1または2である]
しかしながら、特許文献1には縮合ピラゾール誘導体は具体的に開示されていない。
特表2012−522793号公報
Biological Psychiatry 2005, 57, 1313. Archives of General Psychiatry, 2007, 64, 921. The Journal of Pharmacology Experimental Therapeutics, 1997, 282, 1020.
本発明の課題は、中枢神経系疾患治療薬として有用な新規な選択的ドパミンD受容体アゴニストを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究した結果、下記式(1)で表される化合物およびその薬学上許容される塩(以下必要に応じ「本発明化合物」と略称することがある。)が優れた選択的ドパミンD受容体アゴニスト作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
項〔1〕
式(1):
Figure 2015060348
(式中、nおよびmは、それぞれ独立して、1または2を表し;
、WおよびWは、それぞれ独立して、単結合、または置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;
は、C1−4アルキレン基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、もしくは置換されていてもよいC1−6アルキル基であるか、またはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル基、または置換されていてもよいアミノカルボニル基を表し;
およびXは、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、−C(O)−、−NR40−、または−C(O)NR40−(ここにおいて、R40は、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)を表し;
環Qは、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基、置換されていてもよいC5−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい5員〜10員の環状アミノ基を表し;
環Qは、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい6員のヘテロアリール基、置換されていてもよい5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基、または置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノ基を表す。)で表される化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔2〕
nおよびmが、それぞれ独立して、1または2であり;
、WおよびWが、それぞれ独立して、単結合、またはC1−4アルキレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
が、C1−4アルキレン基であり;
およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、もしくはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であるか、またはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
が、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)シアノ基、
(4)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(5)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(6)C1−6アルキルカルボニル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、または
(7)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)であり;
およびXが、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、−C(O)−、−NR40−、または−C(O)NR40−(ここにおいて、R40は、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)を表し;
環Qが、
(8)C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d)シアノ基、および
(e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(9)5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(10)C5−10シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(11)5員〜10員の環状アミノ基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)であり;
環Qが、
(12)フェニル基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(13)6員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(14)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(15)5員もしくは6員の環状アミノ基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、項〔1〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔3〕
、X、およびXがいずれもが単結合である、項〔1〕または項〔2〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔4〕
式(1a):
Figure 2015060348
(式中、n、m、W、W、R、R、R、環Qおよび環Qは、項〔1〕または項〔2〕と同義である)で表される、項〔1〕または項〔2〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔5〕
nおよびmが、それぞれ独立して、1または2であり;
およびWが、それぞれ独立して、単結合、またはC1−4アルキレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、もしくはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であるか、またはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
が、
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)シアノ基、
(4)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、または
(5)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
環Qが、
(6)5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d)シアノ基、および
(e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(7)C6−10アリール基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(8)C5−10シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)であり;
環Qが、
(9)フェニル基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(10)6員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(11)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、項〔4〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔6〕
環Qが、
(1)フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d)シアノ基、および
(e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(2)1〜3個の窒素原子を含有する6員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、項〔5〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔7〕
nが1または2であり;
mが1であり;
およびWがいずれも単結合であり;
、RおよびRが、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
環Qが、
(1)1〜3個の窒素原子を含有する5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d)シアノ基、および
(e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(2)C6−10アリール基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)であり;
環Qが、
(3)ピリジル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(4)フェニル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、項〔4〕〜項〔6〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔8〕
環Qが、1〜3個の窒素原子を含有する5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d)シアノ基、および
(e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、項〔4〕〜項〔7〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔9〕
環Qが、
(1)1〜3個の窒素原子を含有する6員のヘテロアリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d)シアノ基、および
(e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
(2)フェニル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、項〔4〕〜項〔7〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔10〕
環Qが、下記式(2a)または(2b):
Figure 2015060348
(式中、Xは、NまたはCRを表し;
41は、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)を表し;
、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、またはアミノ基(該基は、同種または異種の1〜2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい。)を表すか;
または、R41およびR10、またはR41およびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5員〜8員のシクロアルカン環または5員〜8員のシクロアルケン環を形成してもよい。)で表される基である、項〔4〕〜項〔8〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔11〕
環Qが、下記式(3):
Figure 2015060348
(式中、Xは、NまたはCHを表し;
は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、またはC1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表し;
は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、またはC1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表す。)で表される基である、項〔4〕〜項〔10〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔12〕
がNである、項〔11〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔13〕
およびRがいずれも水素原子である、項〔1〕〜項〔12〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔14〕
式(1b):
Figure 2015060348
(式中、nは1または2を表し;
環Qは、下記式(2c)または(2d):
Figure 2015060348
(式中、Xは、NまたはCHを表し;
41は、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表し;
は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表す。)で表される基であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表し;
は、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表す。)で表される、項〔1〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔15〕
環Qが、式(2c)で表される基である、項〔14〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔16〕
がCHである、項〔15〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔17〕
がNである、項〔15〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔18〕
環Qが、式(2d)で表される基である、項〔14〕に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔19〕
nが1であり;
が、水素原子またはC1−6アルキル基である、項〔1〕〜項〔18〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔20〕
が水素原子である、項〔10〕〜項〔19〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔21〕
41が1〜3個のフッ素原子で置換されているC1−4アルキル基である、項〔10〕〜項〔20〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
項〔22〕
下記式のいずれかで表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
Figure 2015060348
項〔23〕
項〔1〕〜項〔22〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
項〔24〕
項〔1〕〜項〔22〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、注意欠陥多動性障害の治療剤。
項〔25〕
注意欠陥多動性障害が注意欠陥(Inattention)を主症状とする障害である、項〔24〕に記載の治療剤。
項〔26〕
注意欠陥多動性障害が多動性(Hyperactivity)を主症状とする障害である、項〔24〕に記載の治療剤。
項〔27〕
注意欠陥多動性障害が衝動性(impulsivity)を主症状とする障害である、項〔24〕に記載の治療剤。
項〔28〕
項〔1〕〜項〔22〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、自閉症スペクトラム障害の治療剤。
項〔29〕
自閉症スペクトラム障害が社会的コミュニケーションと社会的相互作用の持続的な欠陥を主症状とする障害である、項〔28〕に記載の治療剤。
項〔30〕
自閉症スペクトラム障害が制限された反復される行動や興味や活動の様式を主症状とする障害である、項〔28〕に記載の治療剤。
項〔31〕
項〔1〕〜項〔22〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の治療上有効な量を、それが必要な患者に投与することを特徴とする、注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、気分障害、および認知機能障害からなる群から選ばれる中枢神経性疾患の治療方法。
項〔32〕
注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、気分障害、および認知機能障害からなる群から選ばれる中枢神経性疾患の治療剤を製造するための、項〔1〕〜項〔22〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の使用。
項〔33〕
注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、気分障害、および認知機能障害からなる群から選ばれる中枢神経性疾患の治療に用いるための、項〔1〕〜項〔22〕のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
本発明化合物は、ドパミンD受容体に対して強いアゴニスト作用を示し、加えて、経口投与時の生物学的利用率(バイオアベイラビリティー)が高く、脳移行性が優れており、さらに肝毒性リスクも低い。したがって、本発明化合物は、薬物依存性を持たず、心臓血管系の副作用が軽減され、低用量で速やかに薬効が発現する、安全性の高い優れた中枢神経系疾患治療薬(例えば、注意欠陥多動性障害の治療薬等)として有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1−6」等と表記する場合もある。具体的には、「C1−6アルキル」なる表記は、炭素数1から6のアルキル基と同義である。
「ハロゲン原子」の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
「C1−6アルキル基」は、炭素数1〜6個を有する直鎖状もしくは分枝状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキル基」である。「C1−6アルキル基」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。
「C1−4アルキレン基」は、炭素数1〜4個を有する直鎖状もしくは分枝状の飽和炭化水素基、または炭素数3〜4個を有する環状構造を含む二価の飽和炭化水素基を意味する。
直鎖状もしくは分枝状「C1−4アルキレン基」の具体例としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピル、プロピレン、ブチレン、1−メチルメチレン、1−エチルメチレン、1−プロピルメチレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1−エチルエチレン等が挙げられ、好ましくは、メチレン、エチレンが挙げられる。
環状構造を含む「C1−4アルキレン基」の具体例としては、例えば、下記群で表される基等が挙げられる。
Figure 2015060348
「C1−6アルコキシ基」は「C1−6アルキル−O−基」を指し、その「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ基」である。「C1−6アルコキシ基」の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
「C1−6アルキルカルボニル基」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1−4アルキルカルボニル基」である。「C1−6アルキルカルボニル基」の具体例としては、例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、イソブチルカルボニル、またはブチルカルボニル等が挙げられる。
「アミノカルボニル基」は、ホルミル基の水素原子がアミノ基で置換された基を意味する。
「C3−10シクロアルキル基」は、3員〜10員の単環式もしくは多環式環状の飽和または部分不飽和の炭化水素基を意味する。好ましくは、「C3−6シクロアルキル基」あるいは「C5−10シクロアルキル基」である。「C3−10シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、デカリニル、アダマンチル、ノルボルニル等が挙げられる。
前記「C3−10シクロアルキル基」は、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールと縮合環を形成してもよい。但し、該シクロアルキルと芳香環(フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール)とが縮環する多環式「C3−10シクロアルキル基」の場合には、シクロアロキル環を形成する炭素原子のみが「基」の結合手を有する。該基の具体例としては、例えば、下記式で表される基等が挙げられる。これらのフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールに置換されていてもよい置換基としては、「置換されていてもよいC6−10アリール基」、および「置換されていてもよいへテロアリール基」における置換基が含まれる。
Figure 2015060348
「3員〜8員/5員〜8員のシクロアルカン環」は、3員〜8員/5員〜8員の単環式の飽和炭化水素環を意味する。好ましくは5員もしくは6員の飽和炭化水素環である。「3員〜8員/5員〜8員のシクロアルカン環」の具体例としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等が挙げられる。
「5員〜8員のシクロアルケン環」は、5員〜8員の単環式の部分不飽和の炭化水素環を意味する。好ましくは5員もしくは6員の部分不飽和の炭化水素環である。「5員〜8員のシクロアルケン環」の具体例としては、例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロヘプタジエン環、シクロオクテン環等が挙げられる。
「C6−10アリール基」は、炭素数6〜10個を有する芳香族炭化水素基を意味する。好ましくは「Cアリール基」(フェニル)である。「C6−10アリール基」の具体例としては、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。
前記「C6−10アリール基」には、フェニルと5員〜7員の窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選択されるヘテロ原子を同一または異なって1個以上(例えば1〜4個)含有する環、または5員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の炭化水素環(例えば、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン等)と縮環した基も包含される。但し、芳香環と非芳香族環とが縮環する多環式「C6−10アリール基」の場合には、芳香環のみが「基」の結合手を有する。該基の具体例としては、例えば、下記式で表される基等が挙げられる。
Figure 2015060348
「ヘテロアリール基」としては、例えば、5員〜10員の単環式もしくは多環式の芳香族基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)含有する。「多環式のヘテロアリール基」としては、2もしくは3環式の基が好ましく、2環式の基がより好ましい。多環式のヘテロアリール基には、前記単環式のへテロアリール基と芳香族環(ベンゼン、ピリジン等)または非芳香族環(シクロヘキシル、ピペリジン等)とが縮環したものも含む。「ヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、下記式で表される基等が挙げられる。
Figure 2015060348
環Qにおける「5員〜10員のヘテロアリール基」としては、1〜3個の窒素原子を含有する5員〜10員のヘテロアリール基が好ましく、
下記式で表される基等がより好ましく、
Figure 2015060348
下記式で表される基がさらに好ましい。
Figure 2015060348
環Qにおける「6員のヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、トリアジル等が挙げられ、ピリジル、ピリミジルが好ましく、ピリジルがより好ましい。
前記式において環を横切る結合手は、「基」が該環における置換可能な位置で結合することを意味する。例えば、下記式
Figure 2015060348
のヘテロアリール基の場合には、2−ピリジル基、3-ピリジル基または4−ピリジル基であることを意味する。
更に、「ヘテロアリール基」が多環式の基である場合において、例えば、下記式
Figure 2015060348
で表される場合には、1−ベンゾイミダゾリル、または2−ベンゾイミダゾリルの他に、4−、5−、6−または7−ベンゾイミダゾリルであってもよい。
但し、芳香環と非芳香族環(シクロヘキサン環、ピペリジン環等)とが縮環する多環式へテロアリール基の場合には、芳香環のみが「基」の結合手を有する。例えば、下記式
Figure 2015060348
で表される「多環式のヘテロアリール基」の場合には、「基」が2−、3−、または4−位で結合することを意味する。
「飽和ヘテロ環基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有する4員〜10員の単環式もしくは多環式の飽和ヘテロ環基等が挙げられる。前記窒素原子、酸素原子および硫黄原子はいずれも環を構成する原子である。該ヘテロ環基は、飽和または部分不飽和のいずれであってもよい。好ましくは飽和ヘテロ環基であり、さらに好ましくは5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基である。具体的には、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、オキソオキサゾリジル、ジオキソオキサゾリジニル、ジオキソチアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、5−オキソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル、または5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル等が挙げられる。該基は、環を構成する窒素原子が、「基」の結合手となることはない。すなわち、該基には、例えば、1−ピロリジノ基等の概念は包含されない。
「4員〜6員の飽和ヘテロ環基」には、「4員〜6員の飽和ヘテロ環」を基本骨格とする飽和ビシクロ環基および飽和スピロ環基も包含される。具体例としては、下記群で表わされる「基」等が挙げられる。
Figure 2015060348
前記「飽和ヘテロ環基」は、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールと縮合環を形成してもよい。例えば、前掲の4員〜6員の飽和ヘテロ環基と、フェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールとが縮環した基も包含される。具体的には、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロプリニル、ジヒドロチアゾロピリミジニル、ジヒドロベンゾジオキサニル、イソインドリニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、テトラヒドロナフチリジニルまたはテトラヒドロピリドアゼピニル等が挙げられる。これらのフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールに置換されていてもよい置換基としては、「置換されていてもよいC6−10アリール基」、および「置換されていてもよいへテロアリール基」における置換基が含まれる。
「5員〜10員の環状アミノ基」は、5員〜10員からなる単環式もしくは多環式の環状のアミノ基を意味する。該環の窒素原子が直接「基」の結合手となる基を意味する。好ましくは、5員〜7員である。具体例としては、例えば、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノオキシド、チオモルホリノジオキシド、ピペラジノ等が挙げられる。尚、該基には、部分不飽和を含む環である環状アミノ基も含まれる。
「5員〜10員の環状アミノ基」は、フェニルまたは5員もしくは6員の単環式のヘテロアリールと縮合環を形成してもよい。具体例としては、下記で表される「基」等が挙げられる。これらのフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールに置換されていてもよい置換基としては、「置換されていてもよいC6−10アリール基」、および「置換されていてもよいへテロアリール基」における置換基が含まれる。
Figure 2015060348
「置換されていてもよい」で定義される基における置換基は、特に数量に指定がない限り、置換可能な位置に、置換可能な数の範囲内で置換することができる。例えば、置換されていてもよいC1−6アルキル基がメチル基である場合、そのメチル基における置換可能な置換基数の範囲は1〜3である。置換されていてもよいC6−10アリール基がフェニル基である場合、そのフェニル基における置換可能な置換基数の範囲は1〜5である。また、置換されている基が複数ある場合は、それらは同一でも異なっていてもよい。さらに、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。
「置換されていてもよいC1−4アルキレン基」における置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C3−7シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基等が挙げられ、好ましくは、フッ素原子が挙げられる。
「置換されていてもよいC1−6アルキル基」、「置換されていてもよいC1−6アルコキシ基」、「置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル基」における置換基としては、例えば
(1)ハロゲン原子、
(2)C3−7シクロアルキル基、
(3)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(4)シアノ基、
(5)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(6)ヒドロキシ基、
(7)C1−6アルコキシカルボニル基、および
(8)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)等が挙げられる。
好ましくは、フッ素原子、C1−6アルコキシ基が挙げられる。
「置換されていてもよいアリール基」、「置換されていてもよいヘテロアリール基」、「置換されていてもよい飽和ヘテロ環基」、「置換されていてもよい環状アミノ基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」における置換基としては、例えば
(1)ハロゲン原子、
(2)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(3)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(4)シアノ基、
(5)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)、
(6)ヒドロキシ基、
(7)C1−6アルコキシカルボニル基、および
(8)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)等が挙げられる。
好ましくは、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、シアノ基、アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)が挙げられる。
「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよいアミノカルボニル基」における置換基としては、
(1)C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のハロゲン原子、
(b)シアノ基、
(c)ヒドロキシ基、
(d)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、または
(e)C3−7シクロアルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子、またはC1−6アルキル基で置換されていてもよい。)、
(2)C3−7シクロアルキル基(該基は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、または同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(3)フェニル基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ基、
(c)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、および
(d)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
(4)5員または6員のヘテロアリール基(前記(3)の(a)〜(d)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、および
(5)5員または6員の飽和ヘテロ環基(前記(3)の(a)〜(d)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基が挙げられる。
「RおよびRが、結合する炭素原子と一緒になって、3員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよい」とは(1)RおよびRが、同一の炭素原子に結合して、それらが結合する炭素原子と一緒になって3員〜8員のスピロシクロアルカン環を形成する場合、および(2)RおよびRが、隣接する炭素原子に結合して、それらが結合する炭素原子と一緒になって3員〜8員の縮合シクロアルカン環を形成する場合が挙げられる。
本発明化合物は、水和物および/または溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物またはエタノール溶媒和物等の溶媒和物も本発明化合物に含まれる。さらに、本発明化合物はあらゆる態様の結晶形のものも包含している。
式(1)で表される化合物(以下必要に応じ「化合物(1)」と略称することがある。)の薬学上許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩等が具体例として挙げられる。
式(1)で表される化合物は、互変異性体として存在する場合もあり得る。従って、本発明化合物は、式(1)で表される化合物の互変異性体も包含する。
式(1)で表される化合物は、少なくとも一つの不斉炭素原子を有する場合もあり得る。従って、本発明化合物は、式(1)で表される化合物のラセミ体のみならず、これらの化合物の光学活性体も包含する。式(1)で表される化合物が2個以上の不斉炭素原子を有する場合、立体異性を生じる場合がある。従って、本発明化合物は、これらの化合物の立体異性体およびその混合物や単離されたものも包含する。
また、式(1)で表される化合物のいずれか1つ又は2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も式(1)で表される化合物に包含される。
以下に、本発明化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。なお、本明細書において、記載の簡略化のために次の略語を使用することもある。
Boc基:tert−ブトキシカルボニル基
Cbz基:ベンジルオキシカルボニル基
Alloc基:アリルオキシカルボニル基
Fmoc基:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
製造法
本発明化合物は、例えば、下記製造法1〜7に示す方法によって製造することができる。これらの製造方法は、有機合成に習熟している者の知識に基づき、適宜改良され得る。原料として用いられる化合物は、必要に応じてそれぞれ塩として用いてもよい。
下記製造法において、具体的に保護基の使用を明示した場合以外でも、反応点以外の何れかの官能基が説明した反応条件以外で変化する場合、または説明した方法を実施するのに不適切な場合には、反応点以外を必要に応じて保護し、反応終了後または一連の反応を行った後に脱保護することにより目的物を得ることができる。保護基としては、文献(T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York(1999))等に記載されている通常の保護基を用いることができ、更に具体的には、アミノ基の保護基の具体例としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アセチル、ベンジル等を、またヒドロキシ基の保護の具体例としては、例えば、トリアルキルシリル、アセチル、ベンジル等をそれぞれ挙げることができる。
保護基の導入及び脱離は、有機合成化学で常用される方法(例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts, ”Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Ed., John Wiley and Sons, inc., New York(1999)に記載されている方法等)またはそれに準じた方法により行うことができる。
製造法1
式(1)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、m、n、W、W、W、W、R、R、R、X、X、環Q、環Qは、前記項〔1〕と同義であり、LGは、脱離基(例えば、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、置換スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)等)を表す。〕
化合物(1)は、適当な不活性溶媒中で化合物(2)を化合物(3)と反応させることにより製造される。当該反応は、必要に応じ塩基の存在下、さらには相関移動触媒の存在下で行ってもよい。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される塩基、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
相関移動触媒の具体例としては、例えば、硫酸水素テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
製造法2
式(1)で表される化合物のうち、式(1b)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、m、n、W、W、R、R、R、環Q、環Qは、前記項〔1〕と同義である。〕
化合物(1b)は、化合物(2a)と式(4)で表されるアルデヒドおよび還元剤を用い、適当な不活性溶媒中で還元的アミノ化反応することにより製造される。当該反応は必要に応じて塩基または酸の存在下で行ってもよい。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用される還元剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
還元剤の具体例としては、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等の複合水素化合物;ボラン錯体(ボラン−ジメチルスルフィド錯体またはボラン−テトラヒドロフラン錯体等)等が挙げられる。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
酸の具体例としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸;塩酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。
溶媒の具体例としては、例えば、水、アセトニトリルや、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(1b)は、不活性溶媒中、化合物(6)を還元剤と反応させることによっても製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される縮合剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
還元剤の具体例としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、ボラン錯体(ボラン−ジメチルスルフィド錯体またはボラン−テトラヒドロフラン錯体等)等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(6)は、化合物(2a)を、縮合剤の存在下、不活性溶媒中、式(5)で表されるカルボン酸と反応させることにより製造される。当該反応はさらに塩基の存在下で行ってもよい。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用される縮合剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
化合物(6)は、化合物(2a)を、塩基の存在下、不活性溶媒中、化合物(5)から誘導される酸ハロゲン化物または酸無水物等と反応させることによっても製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用される縮合剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
縮合剤の具体例としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(WSC)、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロリン化物塩(BOP)、ジフェニルホスホニルジアミド(DPPA)、N,N−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロリン化物塩(HBTU)等が挙げられる。必要に応じて、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)等の添加剤を加えて当該反応を行うことができる。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;ピリジン等の塩基性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
製造法3
式(2)で表される化合物のうち、式(2b)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、n、R、R、R、W、環Qは、前記項〔1〕と同義である。〕
化合物(2b)は、適当な不活性溶媒中で、化合物(7)を酸(例えば、塩酸や硫酸等の無機酸やトリフルオロ酢酸等の有機酸等)で処理することにより製造される。処理温度は通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用される酸、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(2b)は、化合物(8)を還元剤と反応させることによっても製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される縮合剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
還元剤の具体例としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、ボラン錯体(ボラン−ジメチルスルフィド錯体またはボラン−テトラヒドロフラン錯体等)等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
製造法4
式(7)で表される化合物のうち、式(7b)および(7c)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、n、R、R、W、環Qは、前記項〔1〕と同義であり、Rは、ハロゲン原子であり、Rは、C1−6アルキル基である。〕
化合物(7b)は、適当な不活性溶媒中で、化合物(7a)を、例えば、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)等のハロゲン化剤と作用させることにより製造される。反応温度は通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用されるハロゲン化剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(7c)は、遷移金属触媒の存在下、適当な不活性溶媒中で、化合物(7b)を、例えば、ジメチル亜鉛等の有機亜鉛化合物;またはトリメチルボロキシン等の有機ホウ素化合物等とカップリング反応させることにより製造される。当該反応は、必要に応じて配位子、塩基、添加剤等の存在下で行うことができる。反応温度は通常−10℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。
遷移金属の具体例としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(II)、ジクロロビス(トリ−O−トリルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等が挙げられる。
配位子の具体例としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−O−トリルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルアルシン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が挙げられる。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
添加剤の具体例としては、例えば、塩化リチウム、フッ化セシウム、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)等の無機塩等が挙げられる。
また、化合物(7c)は、適当な不活性溶媒中で、化合物(7b)をn−ブチルリチウム等のアルキルリチウムと作用させた後、例えばヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル等と反応させることによっても製造される。
製造法5
式(7)で表される化合物のうち、式(7d)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、n、W、環Qは、前記項〔1〕と同義であり、Rは、置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、LGは、脱離基(例えば、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、置換スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)等)を表す。〕
化合物(7d)は、適当な不活性溶媒中で化合物(9)を塩基と反応させることにより製造される。当該反応は、必要に応じ相関移動触媒の存在下で行ってもよい。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される塩基、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
相関移動触媒の具体例としては、例えば、硫酸水素テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(9)は、適当な不活性溶媒中で化合物(10)の水酸基を常法によりハロゲン原子や、p−トルエンスルホニルオキシ基もしくはメタンスルホニルオキシ基等の置換スルホニルオキシ基に変換することにより製造される。
具体的には、例えば、LGがハロゲンである化合物(9)は、化合物(10)を適切な不活性溶媒中でトリフェニルホスフィン存在下、四塩化炭素や四臭化炭素と反応させることによって製造される。
また、LGが置換スルホニルオキシ基である化合物(9)は、化合物(10)を、不活性溶媒中で塩基の存在下、例えばp−トルエンスルホニルクロライドまたはメタンスルホニルクロライド等と反応させることにより製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される塩基、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルムやジクロロメタン等のハロゲン化溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
またLGがハロゲンである化合物(9)は、LGが置換スルホニルオキシ基である化合物(9)を、不活性溶媒中で例えば臭化リチウムまたは塩化リチウム等と反応させることによっても製造される。
化合物(10)は、化合物(11)を還元剤と反応させることにより製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される縮合剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
還元剤の具体例としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、ボラン錯体(ボラン−ジメチルスルフィド錯体またはボラン−テトラヒドロフラン錯体等)等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
製造法6
式(8)で表される化合物のうち、式(8a)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、n、W、環Qは、前記項〔1〕と同義であり、Rは、置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す。〕
化合物(8a)は、適当な不活性溶媒中で、化合物(12)を塩基(例えば、炭酸カリウムや炭酸ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基等)や酸(例えば、塩酸や硫酸等の無機酸;トリフルオロ酢酸等の有機酸等)で処理することにより製造される。処理温度は通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用される酸、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(12)は、適当な不活性溶媒中で、化合物(11)を酸(例えば、塩酸や硫酸等の無機酸やトリフルオロ酢酸等の有機酸等)で処理することにより製造される。処理温度は通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用される酸、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
製造法7
式(11)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、n、W、環Qは、前記項〔1〕と同義であり、Rは、置換されていてもよいC1−4アルキル基を表し、LGは、脱離基(例えば、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、置換スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)等)を表す。〕
化合物(11)は、適当な不活性溶媒中で化合物(13)を化合物(14)と反応させることにより製造される。当該反応は、必要に応じ塩基の存在下、さらには相関移動触媒の存在下で行ってもよい。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される塩基、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
相関移動触媒の具体例としては、例えば、硫酸水素テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(11)は、適当な不活性溶媒中で常法により化合物(13)を化合物(15)と光延反応させることにより製造される。具体的には、トリフェニルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチルやアゾジカルボン酸ジイソプロピル等の光延試薬の共存下行うか、あるいは、シアノメチレンホスホラン試薬を用いて行うことができる。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される塩基、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
製造法8
式(13)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、W、環Qは、前記項〔1〕と同義であり、Rは、置換されていてもよいC1−4アルキル基を表す。〕
化合物(13)は、適当な不活性溶媒中で化合物(16)をジアゾ酢酸エチル等のジアゾ酢酸エステルと反応させることにより製造される。具体的には、例えば、テトラヒドロフランやトルエン等の不活性溶媒中、化合物(16)にn−ブチルリチウム等の塩基を作用させた後、ジアゾ酢酸エステルを反応させることにより製造される。また必要に応じて添加剤としてトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛とトリエチルアミン等の塩基の存在下で行ってもよい。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される塩基、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
また、化合物(13)は、化合物(17)をヒドラジンと反応させることによっても製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。
溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(17)は、化合物(18)を塩基の存在下、シュウ酸ジエチル等のシュウ酸エステルと反応させることにより製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される塩基、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分間〜48時間である。塩基の具体例としては、ナトリウム、ナトリウムエトキシド、リチウムエキサメチレンジシラザン、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。
溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
製造法9
式(2)で表される化合物のうち、式(2c)で表される化合物は、例えば、下記に示す方法によって製造される。
Figure 2015060348
〔式中、環Qは、前記項〔1〕と同義であり、Zは、ボロン酸基(−B(OH))、ボロン酸エステル基(例えば、ピナコールボロン酸エステル基等)、有機スズ基(例えば、−Sn(n−Bu)等)、亜鉛ハライド(例えば、ZnCl、ZnBr等)、マグネシウムハライド(例えば、MgCl、MgBr等)を表す。〕
化合物(2c)は、化合物(19)を還元剤と反応させることによっても製造される。反応温度は通常約−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲の温度である。反応時間は、反応温度、使用される縮合剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
還元剤の具体例としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、ボラン錯体(ボラン−ジメチルスルフィド錯体またはボラン−テトラヒドロフラン錯体等)等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(19)は、遷移金属触媒の存在下、適当な不活性溶媒中で、化合物(20)と化合物(21)をカップリング反応させることにより製造される。当該反応は、必要に応じて配位子、塩基、添加剤等の存在下で行うことができる。反応温度は通常−10℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用される遷移金属触媒、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
遷移金属の具体例としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(II)、ジクロロビス(トリ−O−トリルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等が挙げられる。
配位子の具体例としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−O−トリルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルアルシン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が挙げられる。
塩基の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等の無機塩基等が挙げられる。
添加剤の具体例としては、例えば、塩化リチウム、フッ化セシウム、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)等の無機塩等が挙げられる。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、水、アセトニトリルや、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
化合物(20)は、適当な不活性溶媒中で、化合物(22)をN−ブロモスクシンイミド等のブロモ化剤と作用させることによって製造される。反応温度は通常−20℃から用いた溶媒の沸点までの範囲である。反応時間は、反応温度、使用されるブロモ化剤、原料、および溶媒等の条件によって異なるが、通常10分から48時間である。
不活性溶媒の具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒;およびこれらの混合溶媒等が挙げられる。
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば、中和、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。また、各中間体においては、特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
光学活性な出発原料や中間体を用いることにより、あるいは最終品のラセミ体を光学分割することにより、本発明化合物の光学活性体を製造することができる。光学分割の方法としては、光学活性カラムを用いた物理的な分離方法、分別結晶化法等の化学的な分離方法が挙げられる。本発明化合物のジアステレオマーは、例えば、分別結晶化法によって製造される。
式(1)で表される化合物の薬学上許容される塩は、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン等の溶媒中で、式(1)で表される化合物と、薬学上許容される酸と混合することで製造することができる。
本発明化合物は、ドパミンD受容体アゴニストであることから、ADHDと類似の症状を示す中枢神経性疾患、例えば、自閉症スペクトラム障害(精神障害の診断と統計の手引き第5版(DSM−V)における自閉症スペクトラム障害であって、従来のDSM−IVにおいて、自閉症、アスペルガー症候群、非定型広汎性発達障害、および小児崩壊性障害と分類されていた診断名)、ADHD様の症状を示す統合失調症、気分障害、認知機能障害等の治療剤になり得る。本発明化合物は、メチルフェニデート等の中枢神経刺激薬、アトモキセチン等の選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、種々の統合失調症治療剤等と組み合わせて用いることができる。
自閉症スペクトラム障害の病因仮説の一つとして、大脳皮質における興奮性―抑制性神経伝達物質の不均衡に伴う神経ネットワーク同調性の欠如が想定されており、高周波帯の脳波であるγ波の増幅がこの不均衡を改善することが認められている。ドパミンD受容体アゴニストは大脳皮質においてγ波を増幅させることがこれまで報告されている。
一方、視床下部において生成されるホルモンであるオキシトシンは、社会性認知に関与することが報告されており、自閉症との関連が示唆されている。ドパミンD受容体は視床下部室傍核に発現するオキシトシン産生ニューロンに高発現していることから、ドパミンD受容体アゴニストは、オキシトシン産生ニューロンを活性化し、脳内でオキシトシンの遊離を促進することが期待される。
以上のことから、ドパミンD受容体アゴニストは、大脳皮質におけるγ波の増幅作用、および視床下部におけるオキシトシン遊離促進作用を介した、自閉症スペクトラム障害の治療薬となり得る。
本発明化合物は、ADHDおよび自閉症スペクトラム障害の治療に好適に用いられる。
ADHDの治療としては、特に、注意欠陥(Inattention)、多動性(Hyperactivity)、および衝動性(Impulsivity)を主症状とするADHDに好適に用いられる。
自閉症スペクトラム障害の治療としては、特に、社会的コミュニケーションと社会的相互作用の持続的な欠陥、および制限された反復される行動や興味や活動の様式を主症状とする自閉症スペクトラム障害に好適に用いられる。
医薬品化合物が生体内に取り込まれた後、代謝を受けることにより化学構造が変化し、反応性の高い中間体、すなわち反応性代謝物が生成し、毒性(肝毒性、アレルギー、組織壊死、変異原性やがん原性等)を発現させることがある。この反応性代謝物による毒性リスクを簡易に評価する試験の一つとして、ダンシル化されたグルタチオン(dGSH)を用いたグルタチオン(GSH)トラッピング試験がある。dGSH共有結合量の値が高い化合物ほど、全身に曝露された場合、上記の毒性リスクが高まる。
本発明化合物は、dGSH共有結合量の値が極めて低いことから(試験例4)、肝毒性等リスクが低く、長期にわたって安全に投与できることが期待される。
本発明化合物は経口的または非経口的に投与することができる。経口的に投与する場合、通常用いられる投与形態で投与することができる。非経口的には、局所投与剤、注射剤、経皮剤、経鼻剤等の形で投与することができる。経口剤または直腸投与剤としては、例えば、カプセル、錠剤、ピル、散剤、カシェ剤、坐剤、液剤等が挙げられる。注射剤としては、例えば、無菌の溶液または懸濁液等が挙げられる。局所投与剤としては、例えば、クリーム、軟膏、ロ−ション、経皮剤(通常のパッチ剤、マトリクス剤)等が挙げられる。
上記の剤形は通常の方法で、薬学的に許容される賦形剤、添加剤とともに製剤される。薬学的に許容される賦形剤、添加剤としては、担体、結合剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロ−ス、低融点ワックス、カカオバター等が挙げられる。カプセルは、本発明化合物を薬学的に許容される担体と共に中に入れることにより製剤できる。本発明化合物は薬学的に許容される賦形剤と共に混合し、または賦形剤なしにカプセルの中に入れることができる。カシェ剤も同様の方法で製造できる。
注射用液剤としては、溶液、懸濁液、乳剤等が挙げられる。例えば、水溶液、水−プロピレングリコール溶液等が挙げられる。液剤は、水を含んでもよい、ポリエチレングリコールまたは/およびプロピレングリコールの溶液の形で製造することもできる。経口投与に適切な液剤は、本発明化合物を水に加え、着色剤、香料、安定化剤、甘味剤、溶解剤、増粘剤等を必要に応じて加え製造することができる。また経口投与に適切な液剤は、本発明化合物を分散剤とともに水に加え、粘稠にすることによっても製造できる。増粘剤としては、例えば、薬学的に許容される天然または合成ガム、レジン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたは公知の懸濁化剤等が挙げられる。
用量は、個々の化合物により、また患者の疾患、年齢、体重、性別、症状、投与経路等により変化するが、通常は成人(体重50kg)に対して、本発明化合物を、0.1〜1000mg/日、好ましくは0.1〜300mg/日を1日1回または2ないし3回に分けて投与する。また、数日〜数週に1回投与することもできる。
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、更に具体的に説明するが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。なお、記載の簡略化のために略語を使用することもあるが、これらの略号は前記記載と同義である。
化合物の同定はプロトン核磁気共鳴吸収スペクトル(1H-NMR)、LC−MS等を用いて行った。なお、参考例および実施例におけるアミノクロマトグラフィーは、山善株式会社製のアミノカラムを用いた。LC−MSは下記表1に示す種々の条件を用いて測定を行った。リテンションタイム(R.T.)はLC−MS測定におけるマススペクトルピークが現れた時間を表す。
Figure 2015060348
本明細書において次の略号を使用することもある。
参考例ならびに実施例のNMRデータにおいては以下の略号を使用する。
Me基:メチル基
Et基:エチル基
Boc基:tert−ブトキシカルボニル基
tert−:ターシャリー
s:シングレット(singlet)
brs:ブロードシングレット(broad singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
m:マルチプレット(multiplet)
br:ブロード(broad)
J:カップリング定数(coupling constant)
Hz:ヘルツ(Hertz)
CDCl:重クロロホルム
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
実施例1
5−ベンジル−2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例1の化合物(40mg,0.20mmol)のジクロロメタン溶液(2mL)に、ベンズアルデヒド(20μL,0.20mmol)と水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(64mg,0.30mmol)を加えた。室温で2時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(49mg,84%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.97 (2H, t, J = 5.4 Hz), 3.72 (2H, s), 3.73 (2H, s), 4.24 (2H, t, J = 5.4 Hz), 6.61 (1H, s), 7.15-7.19 (1H, m), 7.28-7.40 (5H, m), 7.67-7.71 (1H, m), 7.88 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.59 (1H, d, J = 4.9 Hz).
実施例2〜11
対応する参考例の化合物より、実施例1記載方法に準じ、実施例2〜11の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例12
5−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルメチル)−2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例1の化合物(57.8mg,0.289mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)に、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−カルバルデヒド(44.0mg,0.301mmol)と酢酸(0.10mL)を加え、さらに、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(92.0mg,0.434mmol)を加えた。室温で24時間攪拌後、氷冷した反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して、減圧濃縮した。得られた濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、表題化合物(36mg,38%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.62 (2H, d, J = 7.3 Hz), 2.79 (3H, ddd, J = 17.0, 10.1, 4.4 Hz), 3.01 (2H, t, J = 5.7 Hz), 3.14-3.07 (2H, m), 3.78 (2H, s), 4.29 (2H, t, J = 5.5 Hz), 6.66 (1H, s), 7.24-7.14 (5H, m), 7.74-7.71 (1H, m), 7.93-7.91 (1H, m), 8.63-8.62 (1H, m).
実施例13〜21
対応する参考例の化合物より、実施例12記載方法に準じ、実施例13〜21の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例22
2−メチル−5−{[2−(ピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−イル]メチル}ピリミジン−4−アミン
Figure 2015060348
参考例1の化合物(50mg,0.25mmol)のアセトニトリル溶液 (3mL)に、5−(クロロメチル)−2−メチルピリミジン−4−アミン(49mg,0.25mmol)とヨウ化カリウム(42mg,0.25mmol)、炭酸カリウム(104mg,0.275mmol)を加えた。加熱還流下で2時間攪拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、表題化合物(48mg,60%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.52 (3H, s), 2.97 (2H, t, J = 5.6 Hz), 3.67 (2H, s), 3.75 (2H, s), 4.27 (2H, t, J = 5.6 Hz), 6.62 (1H, s), 7.18-7.21 (1H, m), 7.70 (1H, dt, J = 7.7, 1.8 Hz), 7.88 (1H, d, J = 7.7 Hz), 8.01 (1H, s), 8.61-8.62 (1H, m).
実施例23
5−[(2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)メチル]−2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例1の化合物(244mg,1.22mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)に、Bioorganic Medicinal Chemistry 17 (2009) 7850-7860 に記載の方法により合成可能なtert−ブチル 5−ホルミル−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレイト(315mg,1.27mmol)と酢酸(0.10mL)を加え、さらに、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(388mg,1.83mmol)を加えた。室温で24時間攪拌後、氷冷した反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して、減圧濃縮した。
得られた濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で分離精製した。得られた単離精製物(296mg,0.686mmol)に4mol/L−塩酸 1,4−ジオキサン(5.0mL)を加え、室温で20分間攪拌後、濃縮した。得られた濃縮残渣をアミノカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製した。
得られた単離精製物(202mg,0.609mmol)のメタノール溶液(18mL)に、パラホルムアルデヒド(27.1mg)と水素化ホウ素ナトリウム(35.6mg,0.942mmol)を加えた。室温で24時間攪拌後、氷冷下、反応混合物に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、表題化合物(114mg,27%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 2.60 (3H, s), 2.92 (2H, t, J = 5.5 Hz), 3.67 (4H, d, J = 2.9 Hz), 3.94 (4H, s), 4.19 (2H, t, J = 5.6 Hz), 6.54-6.47 (1H, m), 7.20-7.03 (4H, m), 7.71-7.58 (1H, m), 7.86-7.79 (1H, m), 8.58-8.51 (1H, m).
実施例24
5−(2−フェニルエチル)−2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例1の化合物(95.8mg,0.478mmol)のアセトニトリル溶液(5mL)に、炭酸カリウム(132mg,0.955mmol)と2−フェニルエチル p−トルエンスルホネイト(132mg,0.478mmol)を加えた。加熱還流下で24時間攪拌後、反応混合物に飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して、濃縮した。得られた濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、表題化合物(28.0mg,19%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.85-2.74 (4H, m), 3.00-2.95 (2H, m), 3.75 (2H, s), 4.21 (2H, t, J = 5.5 Hz), 6.55 (1H, s), 7.26-7.09 (6H, m), 7.64-7.60 (1H, m), 7.83-7.81 (1H, m), 8.54-8.54 (1H, m).
実施例25
5−(2,4−ジフルオロベンジル)−2−(2−メトキシフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例8の化合物(30.0mg,0.131mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1.0mL)に、炭酸カリウム(23.5mg,0.170mmol)と2,4−ジフルオロベンジルブロマイド(18.5μL,0.144mmol)を加えた。室温で23時間攪拌後、反応混合物に水(6.0mL)を加え、クロロホルム(4.0mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物(40.2mg,86%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 3.04 (2H, t, J = 5.6 Hz), 3.79 (2H, s), 3.81 (2H, s), 3.89 (3H, s), 4.29 (2H, t, J = 5.6 Hz), 6.51 (1H, s), 6.81-7.04 (4H, m), 7.25-7.32 (1H, m), 7.43-7.52 (1H, m), 7.87 (1H, dd, J = 7.6, 1.7 Hz).
実施例26〜29
対応する参考例の化合物より、実施例25記載方法に準じ、実施例26〜29の化合物を合成した。
Figure 2015060348
実施例30
2−メチル−5−{[2−(3−メチルピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−イル]メチル}ピリミジン−4−アミン
Figure 2015060348
参考例12の化合物(220mg,0.772mmol)のジクロロメタン溶液(3.0mL)に4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−カルバルデヒド(211mg,1.54mmol)とトリエチルアミン(155mg,1.54mmol)を加え、さらに、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(409mg,1.93mmol)を加えた。室温で16時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、分取HPLCで分離精製し、表題化合物(34.8mg,13%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.54 (3H, s), 2.60 (3H, s), 3.01 (2H, t, J = 5.6 Hz), 3.70 (2H, s), 3.78 (2H, s), 4.31 (2H, t, J = 5.6 Hz), 5.81 (2H, brs), 6.52 (1H, s), 7.15 (1H, dd, J = 8.0, 4.2 Hz), 7.57 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.04 (1H, s), 8.52 (1H, d, J = 4.2 Hz).
実施例31
5−{[2−(5−フルオロピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−イル]メチル}−2−メチルピリミジン−4−アミン
Figure 2015060348
実施例30と同様の手法により、参考例6の化合物から表題化合物(18%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CD3OD) δ: 2.44 (3H, s), 3.03 (2H, t, J = 5.4 Hz), 3.71 (2H, s), 3.77 (2H, s), 4.26 (2H, t, J = 5.4 Hz), 6.62 (1H, s), 7.63-7.70 (1H, m), 7.92-8.02 (2H, m), 8.45 (1H, d, J = 2.8 Hz).
実施例32
5−ベンジル−3−メチル−2−(ピリジン−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン
Figure 2015060348
参考例20の化合物(100mg,0.379mmol)のアセトニトリル溶液(5mL)に、炭酸カリウム(105mg,0.758mmol)とベンジルブロマイド(65mg,0.379mmol)を加えた。加熱還流下、16時間攪拌後、反応混合物を分取HPLC(アンモニア水を0.1%添加)で分離精製し、表題化合物(23mg,19%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.89-1.99 (2H, m), 2.07 (3H, s), 3.17 (2H, t, J = 5.2 Hz), 3.59 (2H, s), 3.78 (2H, s), 4.43 (2H, t, J = 5.2 Hz), 7.17 (1H, dd, J = 5.2, 5.2 Hz), 7.22-7.37 (5H, m), 7.69 (1H, dd, J = 6.3, 6.3 Hz), 7.80 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.64 (1H, d, J = 4.8 Hz)
実施例33
5−ベンジル−3−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン
Figure 2015060348
実施例32と同様の手法により、参考例24の化合物から表題化合物(47%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.87-1.99 (2H, m), 3.17 (2H, t, J = 4.8 Hz), 3.63 (2H, s), 3.89 (2H, s), 4.46 (2H, t, J = 4.8 Hz), 7.20-7.40 (6H, m), 7.71-7.84 (2H, m), 8.73 (1H, d, J = 4.4 Hz).
実施例34〜52
対応する参考例の化合物より、実施例1記載方法に準じ、実施例34〜52の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例53〜83
対応する参考例の化合物より、実施例25記載方法に準じ、実施例53〜83の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例84
5−{[2−(3−メチルピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−イル]メチル}−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−アミン
Figure 2015060348
参考例12の化合物(93.8mg,0.438mmol)のメタノール溶液(2.0mL)に4−アミノ−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−カルバルデヒド(83.7mg,0.438mmol)と酢酸(0.05mL,0.876mmol)を加え、さらに、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(55.1mg,0.876mmol)を加えた。室温で16時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、分取HPLCで分離精製し、表題化合物(18.5mg,11%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.57 (s, 3H), 3.02 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.79 (d, J = 6.8 Hz, 4H), 4.31 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 6.52 (s, 1H), 7.14 (dd, J = 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.48-8.52 (m, 1H).
実施例85〜105
対応する参考例の化合物より、実施例84記載方法に準じ、実施例85〜105の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例106
3−クロロ−2−(3−メチルピリジン−2−イル)−5−[(5−メチルピリジン−2−イル)メチル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例48の化合物(0.063g,0.253mmol)、2−(クロロメチル)−5−メチルピリジン一塩酸塩(0.050g,0.281mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(0.008g,0.0248mmol)、炭酸カリウム50%水溶液(0.280g)とテトラヒドロフラン(3.0mL)の混合物を80℃で終夜撹拌した。反応後、水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、濃縮し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し表題化合物(0.058g、64%)得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.34 (3H, s), 2.36 (3H, s), 3.03 (2H, t, J = 5.5 Hz), 3.74 (2H, s), 3.90 (2H, s), 4.23 (2H, t, J = 5.5 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 7.6, 4.8 Hz), 7.32-7.34 (1H, m), 7.51 (1H, dd, J = 8.0, 1.6 Hz), 7.56 (1H, dd, J = 7.8, 0.9 Hz), 8.43-8.43 (1H, m), 8.52-8.53 (1H, m).
実施例107〜139
対応する参考例の化合物より、実施例106記載方法に準じ、実施例107〜139の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例140
5−ベンジル−2−[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例31の化合物(100mg,0.328mmol)のメタノール溶液(1.5mL)にトリエチルアミン(0.137mL,0.984mmol)とベンズアルデヒド(52.2mg,0.492mmol)を順に加え、室温で30分間攪拌後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(61.8mg,0.984mmol)を加えた。室温で12時間攪拌後、反応混合物からメタノールを留去し、残渣を分取HPLCで分離精製し、表題化合物(22%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 3.07 (2H, brs), 3.82 (4H, brs), 4.35 (2H, brs), 6.42 (1H, s), 7.27 (1H, s), 7.29-7.53 (5H, m), 8.06 (1H, d, J = 6.4 Hz), 8.85 (1H, d, J = 4.4 Hz).
実施例141〜142
対応する参考例の化合物より、実施例140記載方法に準じ、実施例141〜142の化合物を合成した。
Figure 2015060348
実施例143
2−(3−メチルピリジン−2−イル)−5−{[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メチル}−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例12の化合物(100mg,0.467mmol)のジクロロエタン溶液(2.0mL)に6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−カルボキシアルデヒド(123mg,0.701mmol)、トリエチルアミン(130mL,0.934mmol)と水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(248mg,1.17mmol)を順に加えた。50℃で12時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCで分離精製し、表題化合物(34.9mg,20%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.59 (3H, s), 3.02 (2H, t, J = 5.4 Hz), 3.77 (2H, s), 3.78 (2H, s), 4.30 (2H, t, J = 5.4 Hz), 6.48 (1H, s), 6.97 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.11-7.17 (1H, m), 7.56 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.84-7.93 (1H, m), 8.21 (1H, s), 8.51 (1H, d, J = 3.2 Hz).
実施例144〜171
対応する参考例の化合物より、実施例143記載方法に準じ、実施例144〜171の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例172
5−{[3−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−イル]メチル}−2−メチルピリミジン−4−アミン
Figure 2015060348
参考例44の化合物(216mg,0.645mmol)のメタノール/水(3mL/1mL)溶液に濃塩酸(327mg)加え、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、氷冷下、15%水酸化ナトリウム水溶液(880mg)加えた。これをクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られたアミン化合物を用い、実施例1と同様の手法により、表題化合物(124mg,74%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.55 (3H, s), 3.00 (2H, t, J = 5.5 Hz), 3.73 (4H, d, J = 3.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 5.5 Hz), 5.75-5.91 (2H, m), 7.27-7.30 (1H, m), 7.77-7.79 (1H, m), 7.96-7.98 (1H, m), 8.06 (1H, s), 8.74-8.75 (1H, m).
実施例173
5−ベンジル−3−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例44の化合物(169mg,0.505mmol)のメタノール/水(3mL/1mL)溶液に濃塩酸(256mg)加え、50℃で3時間撹拌した。反応終了後、氷冷下、15%水酸化ナトリウム水溶液(689mg)加えた。これをクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られたアミン化合物を用い、実施例25と同様の手法により、表題化合物(32.8mg,22%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.97 (2H, t, J = 5.5 Hz), 3.71 (2H, s), 3.78 (2H, s), 4.24 (2H, t, J = 5.4 Hz), 7.22-7.26 (2H, m), 7.37-7.38 (4H, m), 7.73-7.75 (1H, m), 7.94-7.97 (1H, m), 8.71-8.72 (1H, m).
実施例174〜176
対応する参考例の化合物より、実施例173記載方法に準じ、実施例174〜176の化合物を合成した。
Figure 2015060348
実施例177
5−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル]−2−(3−メチルピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン 一塩酸塩
Figure 2015060348
参考例12の化合物(0.043g,0.199mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(2.0mL)に炭酸カリウム(0.054g,0.398mmol)と3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンジルブロマイド(0.060g,0.219mmol)を加えた。室温で3時間攪拌後、水(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で分離精製し、メタノール(1.0mL)を加えた後、4mol/L 塩酸/シクロペンチルメチルエーテル(47μL)を加え濃縮した。濃縮残渣をジエチルエーテルでトリチュレーションし、ろ取することで表題化合物(0.045g,51%)を得た。
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ: 2.61 (3H, s), 3.21-3.94 (4H, m), 4.15 (2H, brs), 4.42 (2H, brs), 6.87 (1H, s), 7.44-7.54 (1H, m), 7.57-7.77 (3H, m), 8.11-8.24 (1H, m), 8.57 (1H, d, J = 4.4 Hz).
実施例178〜188
対応する参考例の化合物より、実施例106記載方法に準じ、実施例178〜188の化合物を合成した。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例189
5−[(5−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)メチル]−2−(3−メチルピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
実施例106と同様の手法により、参考例12の化合物と2,3−ジクロロ−5−(クロロメチル)ピリジンから得られた化合物(328mg,0.876mmol)のテトラヒドロフラン(3.0mL)とN−メチルピロリドン(0.30mL)混合溶液に、鉄(III)アセチルアセトナート(15.4mg,0.0436mmol)、1.4mol/L メチルマグネシウムブロマイドのトルエン-テトラヒドロフラン(3:1)溶液(0.94mL,1.32mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し表題化合物(66.6 mg、21%)得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.57 (3H, s), 2.64 (3H, s), 3.00 (2H, t, J = 5.5 Hz), 3.72 (2H, s), 3.76 (2H, s), 4.28 (2H, t, J = 5.5 Hz), 6.46 (1H, s), 7.11-7.13 (1H, m), 7.54 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.72 (1H, s), 8.36 (1H, s), 8.49 (1H, d, J = 3.7 Hz).
実施例190
5−[(2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)メチル]−2−(3−メチルピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
(2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)メタノール(111mg,0.803mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.0mL)に氷冷下、メタンスルホン酸クロライド(75μL,0.964mmol)、トリエチルアミン(0.271mL,1.93mmol)を加え1時間撹後、不溶固体をろ過で除去した。ろ液のテトラヒドロフラン溶液に、参考例12の化合物(108mg,0.506mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(16.3mg,0.0506mmol)、50%炭酸カリウム水溶液(700mg,2.53mmol)を加え、75℃で終夜撹拌した。その後、反応液を飽和食塩水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、表題化合物(120mg,71%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.58 (3H, s), 2.60 (3H, s), 2.72 (3H, s), 2.98 (2H, t, J = 5.5 Hz), 3.70 (2H, s), 3.78 (2H, s), 4.26 (2H, t, J = 5.5 Hz), 6.58-6.58 (1H, m), 7.17-7.18 (1H, m), 7.60-7.60 (1H, m), 8.45 (1H, s), 8.52 (1H, d, J = 4.6 Hz).
実施例191〜194
対応する参考例の化合物より、実施例190記載方法に準じ、実施例191〜194の化合物を合成できる。
Figure 2015060348
実施例195〜202
対応する参考例の化合物より、実施例1記載方法に準じ、実施例195〜202の化合物を合成できる。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
実施例203〜204
対応する参考例の化合物より、実施例106記載方法に準じ、実施例202〜204の化合物を合成できる。
Figure 2015060348
参考例1
2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
水素化アルミニウムリチウム(2.1g,55mmol)のテトラヒドロフラン溶液(100mL)の懸濁溶液に、参考例2の化合物(5.9g,27.5mmol)の1,4−ジオキサン溶液(200mL)の懸濁溶液を滴下し、80℃ で3時間撹拌した。0℃に冷却後、水(3.14mL)、4mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(3.14mL)、水(9.42mL)を順番に加えた。得られた懸濁液をセライトろ過し、20%メタノール/クロロホルムで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=1:0から9:1まで)で精製し、表題化合物(2.0g,37%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 3.35 (2H, t, J = 6.1 Hz), 4.13 (2H, s), 4.21 (2H, t, J = 5.6 Hz), 6.61 (1H, s), 7.18 (1H, ddd, J = 7.5, 5.0, 1.1 Hz), 7.70 (1H, dt, J = 7.5, 7.5, 1.7 Hz), 7.89 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.61 (1H, d, J = 4.8 Hz).
参考例2
2−(ピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2015060348
参考例3の化合物(13.5g,37.5mmol)の1,4−ジオキサン溶液(140mL)に、4mol/L−塩酸 1,4−ジオキサン溶液(18.8mL)を加え、50℃で6時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、白色固体を得た。白色固体をメタノール(80mL)に溶かし、炭酸カリウム(16g)を加え室温で16時間撹拌した。反応溶液をろ過した後、減圧下で濃縮し、得られた残渣に20%メタノール/クロロホルムを加え、生じた白色沈殿物をセライトろ過により取り除いた。ろ液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=1:0から9:1まで)で精製し、表題化合物(5.9g,73%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 3.82-3.86 (2H, m), 4.49 (2H, t, J = 6.1 Hz), 6.34 (1H, brs), 7.22-7.26 (1H, m), 7.45 (1H, s), 7.75 (1H, dt, J = 7.8, 1.6 Hz), 7.87 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.66-8.69 (1H, m).
参考例3
エチル 1−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−3−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例4の化合物(8.2g,37.8mmol)、N−(tert−ブトキシカルボニル)エタノールアミン(6.4g,39.7mmol)、トリフェニルホスフィン(10.4g,39.7mmol)の無水テトラヒドロフラン溶液(60mL)にアゾジカルボン酸ジエチル(18mL,39.7mmol,2.2mol/Lトルエン溶液)を0℃で滴下し、室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1から1:2まで)で精製し、表題化合物(13.5g,99%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.37-1.42 (3H, m), 1.40 (s, 9H), 3.63-3.67 (2H, m), 4.36 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.76 (2H, t, J = 5.6 Hz), 7.23 (1H, ddd, J = 7.5, 4.8, 1.0 Hz), 7.49 (1H, s), 7.74 (1H, dt, J = 7.8, 1.8 Hz), 7.96 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.62-8.65 (1H, m).
参考例4
エチル 3−(ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
2−エチニルピリジン(18.5g,179mmol)とジアゾ酢酸エチル(30.7g,純度80%,269mmol)のトルエン溶液(200mL)を85℃で16時間撹拌した。室温に冷却後、溶媒を減圧下で濃縮し、生じた固体をろ過しヘキサンで洗浄した。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0から95:5まで)で精製し、表題化合物(5.3g,14%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.43 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.44 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.27-7.30 (2H, m), 7.71-7.75 (1H, m), 7.77-7.80 (1H, m), 8.61-8.64 (1H, m), 11.3 (1H, brs).
参考例5〜7
上記参考例1〜4に記載の方法に準じ、ジアゾ酢酸エチルから参考例5〜7の化合物を合成した。
Figure 2015060348
参考例8
2−(2−メトキシフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
水素化リチウムアルミニウム(0.275g,7.25mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(10mL)に、参考例9の化合物(1.47g,6.04mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を加えた。8時間加熱還流後、水素化リチウムアルミニウム(0.275g,7.25mmol)を加え、さらに8時間加熱還流した。反応溶液に、氷冷下、水(0.54mL)をゆっくり加えた後、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.54mL)をゆっくり加え、さらに、水(1.62mL)を加え、氷冷下30分間攪拌した。その後、反応混合物をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=90:10)で精製し、表題化合物(1.04g,75%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 3.34 (2H, t, J = 5.6 Hz), 3.90 (3H, s), 4.12 (2H, s), 4.19 (2H, t, J = 5.6 Hz), 6.51 (1H, s), 6.94-7.05 (2H, m), 7.29 (1H, ddd, J = 8.7, 7.0, 1.3 Hz), 7.88 (1H, dd, J = 7.6, 1.7 Hz).
参考例9
2−(2−メトキシフェニル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2015060348
参考例10の化合物(2.60g,7.98mmol)のエタノール溶液(30mL)にトリエチルアミン(1.67mL,12.0mmol)を加えた。室温で23時間攪拌後、反応混合物に水(150mL)を加え、酢酸エチル(100mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、表題化合物(1.52g,78%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 3.80-3.86 (2H, m), 3.92 (3H, s), 4.43-4.50 (2H, m), 6.44 (1H, brs), 6.98-7.07 (2H, m), 7.34 (1H, ddd, J = 8.7, 7.0, 1.3 Hz), 7.45 (1H, s), 7.94 (1H, dd, J = 7.6, 1.7 Hz).
参考例10
エチル 1−(2−アミノエチル)−3−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト 一塩酸塩
Figure 2015060348
参考例11の化合物(3.20g,8.22mmol)のクロロホルム溶液(20mL)に4mol/L−塩酸 1,4−ジオキサン(40mL)を加えた。室温で30分間攪拌後、反応混合物を濃縮し、表題化合物(2.71g,定量的)を得た。
1H-NMR (300MHz, DMSO-D6) δ: 1.33 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.33 (2H, t, J = 6.1 Hz), 3.88 (3H, s), 4.34 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.77 (2H, t, J = 6.1 Hz), 7.02 (1H, dd, J = 7.2, 7.2 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.29 (1H, s), 7.36 (1H, ddd, J = 7.7, 7.7, 2.1 Hz), 7.90 (2H, brs), 7.92 (1H, dd, J = 7.7, 1.8 Hz).
参考例11
エチル 1−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−3−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
WO2007/061923に記載の手法により合成可能なエチル3−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト(2.00g,8.12mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、N−(tert−ブトキシカルボニル)エタノールアミン(1.44g,8.93mmol)とトリフェニルホスフィン(2.55g,9.74mmol)を加え、氷冷下、1.9mol/L−ジイソプロピルアゾジカルボキシレイトのトルエン溶液(5.13mL,9.74mmol)を加えた。室温で20時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=69:31)で精製し、表題化合物(3.34g,定量的)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 1.41 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.42 (9H, s), 3.60-3.69 (2H, m), 3.94 (3H, s), 4.38 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.73 (2H, t, J = 5.6 Hz), 5.07 (1H, br s), 6.97-7.07 (2H, m), 7.30-7.37 (2H, m), 7.95 (1H, dd, J = 7.7, 1.5 Hz).
参考例12
2−(3−メチルピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例13の化合物(318mg,1.01mmol)のメタノール溶液(7.5mL)に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.4mL,5.37mmol)を加えた。室温で1.5時間撹拌した後、0℃でトリフルオロ酢酸(1.0mL,13.4mmol)を加えた。室温で64.5時間撹拌した後、0℃でトリフルオロ酢酸(2.0mL,26.8mmol)を加えた。室温で2時間20分撹拌した後、0℃でトリフルオロ酢酸(3.4mL,45.6mmol)を加えた。室温で2時間45分撹拌した後、0℃で12mol/L 塩酸(3.7mL)を加えた。室温で19時間撹拌した後、アセトニトリル(3mL)とメタノール(2mL)を加えた。3時間撹拌した後、0℃にて反応溶液がpH8〜9になるまで水と炭酸カリウムを加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して溶媒を留去することで表題化合物(208mg,0.97mmol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.57 (3H, s), 3.40 (2H, t, J = 5.6 Hz), 4.18 (2H, s), 4.26 (2H, t, J = 5.6 Hz), 6.51 (1H, s), 7.14 (1H, dd, J = 7.7, 4.7 Hz), 7.56 (1H, d, J = 7.7 Hz), 8.48 (1H, d, J = 4.7 Hz).
参考例13
tert−ブチル 2−(3−メチルピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例14の化合物(1.02g,3.07mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に、0℃でトリエチルアミン(0.65mL,4.66mmol)、塩化メタンスルホニル(0.35mL,4.43mmol)を加え、0℃で1.5時間撹拌した。その後、0℃にてトリエチルアミン(0.21mL,1.51mmol)、塩化メタンスルホニル(0.11mL,1.39mmol)を加えた。0℃で0.5時間撹拌後、0℃にて水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して溶媒を留去した。得られた残渣(1.31g)をN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)に溶かし、0℃にてtert−ブトキシカリウム(0.691g,3.49mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノールおよびヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(318mg,1.01mmol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.51 (9H, s), 2.60 (3H, s), 3.93 (2H, t, J = 5.5 Hz), 4.26 (2H, t, J = 5.5 Hz), 4.72 (2H, s), 6.63 (1H, brs), 7.14-7.20 (1H, m), 7.56-7.63 (1H, m), 8.52 (1H, brd, J = 4.9 Hz).
参考例14
tert−ブチル {2−[5−(ヒドロキシメチル)−3−(3−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾル−1−イル]エチル}カルバメイト
Figure 2015060348
水素化リチウムアルミニウム(0.42g,11.1mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(20mL)に、参考例15の化合物(3.76g,10.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(30mL)を−10℃から0℃にて滴下した。0℃で1.5時間撹拌後、−10℃から0℃にて水(0.4mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(0.4mL)、水(0,13mL)を順番に加え、終夜撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)によって精製することにより、表題化合物(3.19g,9.60mmol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.39 (9H, s), 2.60 (3H, s), 3.63 (2H, q, J = 5.9 Hz), 4.34 (2H, t, J = 5.9 Hz), 4.71 (2H, s), 5.32 (1H, brs), 6.75 (1H, s), 7.16 (1H, dd, J = 7.7, 4.7 Hz), 7.59 (1H, dq, J = 7.7, 0.8 Hz), 8.49 (1H, brd, J = 4.7 Hz).
参考例15
エチル 1−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−3−(3−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例16の化合物(3.04g,13.1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(22mL)に、tert−ブチル(2−ブロモエチル)カルバメート(3.26g,14.5mmol)と炭酸カリウム(2.21g,16.0mmol)を加え、室温で19時間撹拌した。その後、0℃にて反応溶液に水(60mL)を加え、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)混合溶媒にて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過して溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(3.76g,10.0mmol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.38 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.40 (9H, s), 2.64 (3H, s), 3.64 (2H, brs), 4.36 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.76 (2H, brt, J = 5.5 Hz), 7.18 (2H, dd, J = 7.4, 4.6 Hz), 7.46 (1H, s), 7.59 (1H, brd, J = 7.4 Hz), 8.51 (1H, brd, J = 4.6 Hz).
参考例16
エチル3−(3−メチルピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例4と同様の手法により、2−エチニル−3−メチルピリジン(1.92g,16.4mmol)を用いて、表題化合物(3.04g,13.1mmol)を合成した。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.44 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.59 (3H, s), 4.45 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.23-7.27 (2H, m), 7.64 (1H, brd, J = 7.6 Hz), 8.50 (1H, brd, J = 3.4 Hz).
参考例17
3−フェニル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例18の化合物(58mg,0.27mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5.8mL)に水素化リチウムアルミニウム(110mg,2.9mmol)を加えた。室温で15時間撹拌後、水素化リチウムアルミニウム(110mg,2.9mmol)を追加し、室温で5時間撹拌した。その後、さらに水素化リチウムアルミニウム(350mg,9.2mmol)を追加し、室温で19時間撹拌した。反応混合物に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、室温で1日撹拌した後、クロロホルム・メタノール混合溶媒で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製することにより、表題化合物(39mg,72%)を得た。
LC‐MS:条件A R.T.= 0.41 min ObsMS = 200.2 [M+1]
参考例18
3−フェニル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2015060348
参考例19の化合物(90mg,0.42mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1.4mL)にフェニルボロン酸ピナコールエステル(85mg,0.42mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(48mg,0.042mmol)、炭酸ナトリウム(220mg,2.1mmol)、水(0.70mL)を加えた。窒素下、100℃(マイクロウェーブ)で1.5時間撹拌後、水を加え、クロロホルム・メタノール混合溶媒で抽出した。有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製した。得られた粗成生物をさらにアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製することにより、表題化合物(58mg,65%)を得た。
LC‐MS:条件A R.T.= 0.62 min ObsMS = 214.1 [M+1]
参考例19
3−ブロモ−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2015060348
6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン(82mg,0.60mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液 (0.80mL)に、N−ブロモスクシンイミド(120mg,0.66mmol)を加えた。室温で18時間攪拌後、反応混合物を氷冷し、水を加えた。析出した沈殿物を濾取して減圧下で乾燥することにより、表題化合物(96mg,74%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ: 3.76-3.82 (2H, m), 4.36-4.44 (2H, m), 6.22 (1H, brs), 7.56 (1H, s).
参考例20
3−メチル−2−(ピリジン−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン 二塩酸塩
Figure 2015060348
参考例21の化合物(650mg,1.98mmol)に4mol/L 塩酸−1,4−ジオキサン(10mL)を加えた。室温で48時間攪拌後、濃縮し、表題化合物(523mg,100%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 2.08 (2H, brs), 3.16 (3H, s), 3.44 (2H, brs), 4.57 (2H, brs), 4.58 (2H, brs), 7.72 (1H, dd, J = 6.7, 6.7 Hz), 8.12 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.33 (1H, dd, J = 7.4, 7.4 Hz), 8.74 (1H, d, J = 4.8 Hz), 9.64 (2H, brs).
参考例21
tert−ブチル 3−メチル−2−(ピリジン−2−イル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン−5(6H)−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例22の化合物(1.0g,2.55mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20mL)に、2.5mmol/L n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(3mL,7.65mmol)を−78℃で加えた。−78℃で1時間攪拌後、ヨウ化メチル(1.09g,7.65mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。その後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3回)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)で分離精製し、表題化合物(650mg,78%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.47 (9H, s), 1.98 (2H, brs), 2.42 (3H, s), 3.78 (2H, brs), 4.43-4.55 (4H, m), 7.15-7.23 (1H, m), 7.72 (1H, dd, J = 6.0, 6.0 Hz), 7.75-7.88 (1H, m), 8.67 (1H, d, J = 4.0 Hz).
参考例22
tert−ブチル 3−ブロモ−2−(ピリジン−2−イル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン−5(6H)−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例23の化合物(1.50g,4.78mmol)のジクロロメタン溶液(15mL)に、N−ブロモスクシンイミド(850mg,4.78mmol)を氷冷下、数回に分けて加えた。室温で1時間攪拌後、反応混合物に1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(30mL)を加え、有機層を分注した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮し、表題化合物(1.80g,96%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.48 (9H, s), 2.04 (2H, brs), 3.78 (2H, brs), 4.50-4.58 (2H, m), 4.61(2H, s), 7.27 (1H, dd, J = 7.2, 4.0 Hz), 7.77 (1H, dd, J = 4.0, 4.0 Hz), 8.01 (1H, d, J = 7.2 Hz), 8.74 (1H, d, J = 4.0 Hz).
参考例23
tert−ブチル 2−(ピリジン−2−イル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン−5(6H)−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例7の化合物(5.00g,23.4mmol)のメタノール溶液(100mL)に、二炭酸−ジ−tert−ブチル(10.2g,46.8mmol)を加えた。室温で16時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で分離精製し、表題化合物(3.5g,48%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.44 (9H, s), 2.00 (2H, brs), 3.75 (2H, brs), 4.45-4.60 (4H, m), 6.72-6.84 (1H, m), 7.20 (1H, dd, J = 5.6, 5.6 Hz), 7.65-7.93 (2H, m), 8.64 (1H, d, J = 4.4 Hz).
参考例24
3−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン 二塩酸塩
Figure 2015060348
参考例25の化合物(647mg,1.95mmol)に4mol/L 塩酸−1,4−ジオキサン(10mL)を加えた。室温で16時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、表題化合物(100%)を得た。
参考例25
tert−ブチル 3−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)−7,8−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a][1,4]ジアゼピン−5(6H)−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例23の化合物(1.0g,3.18mmol)のアセトニトリル溶液(10mL)に、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボラート)(5.63g,15.9mmol)を数回に分けて加えた。室温で16時間攪拌後、反応混合物を分取HPLC(アンモニア水を0.1%添加)で分離精製し、表題化合物(16%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.44 (9H, s), 1.98 (2H, brs), 3.75 (2H, brs), 4.45-4.60 (4H, m), 7.23 (1H, dd, J = 8.4, 8.4 Hz), 7.71-7.83 (2H, m), 8.72 (1H, d, J = 4.4 Hz).
参考例26
2−ベンジル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例27の化合物(190mg,0.84mmol)のテトラヒドロフラン溶液(9.5mL)に水素化アルミニウムリチウム(680mg,18mmol)を加え、室温で22.5時間撹拌した。その後、芒硝を加えて室温で終夜撹拌し、得られた懸濁液をセライトろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製することにより、表題化合物(43mg,24%)を得た。
LC‐MS:条件A R.T. = 0.44 min ObsMS = 214.0 [M+1]
参考例27
2−ベンジル−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−4(5H)−オン
Figure 2015060348
参考例28の位置異性体混合物(600mg,1.9mmol)のメタノール溶液(60mL)に炭酸セシウム(1.4g,4.2mmol)を加えた。室温で11時間撹拌後、水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をアミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(190mg)を得た。
LC‐MS:条件A R.T. = 0.64 min ObsMS = 228.2 [M+1]
参考例28
エチル 1−(2−アミノエチル)−3−ベンジル−1H−ピラゾロ−5−カルボキシレイト 一塩酸 と エチル 1−(2−アミノエチル)−4−ベンジル−1H−ピラゾロ−5−カルボキシレイト 一塩酸塩 の混合物
Figure 2015060348
参考例29の位置異性体混合物(720mg,1.9mmol)を4mol/L塩酸/酢酸エチル(14mL)に溶解し、室温で7時間撹拌した。反応混合物を濃縮することで表題の位置異性体混合物(600mg,定量的)を得た。
LC‐MS:条件A R.T. = 0.59 min ObsMS = 274.9 [M+1]
参考例29
エチル 3−ベンジル−1−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト と エチル 4−ベンジル−1−{2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト の混合物
Figure 2015060348
参考例30の位置異性体混合物(690mg,3.0mmol)と炭酸カリウム(620mg,4.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(14mL)中に混合し、氷冷下でtert−ブチル(2−ブロモエチル)カルバメート(740mg,3.3mmol)を加えた。室温で25時間撹拌後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層は水と飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題の位置異性体混合物(720mg,64%)を得た。
LC‐MS:条件A R.T. = 1.2 min ObsMS = 374.2 [M+1]
参考例30
エチル 5−ベンジル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレイト と エチル 4−ベンジル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレイト の混合物
Figure 2015060348
3−フェニル−1−プロピン(1.58g,13.6mmol)、ジアゾ酢酸エチル(1.86g,16.3mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(988mg,2.72mmol)をトリエチルアミン(2.8mL)中に混合し、100℃で44時間撹拌した。得られた反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出を行った。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題の位置異性体混合物(1.35g,43%)を得た。
LC‐MS:条件A R.T. = 0.87 min ObsMS = 231.2 [M+1]
参考例31〜37
対応する参考例の化合物より、参考例12〜15記載方法に準じ、参考例31〜37の化合物を合成した。
Figure 2015060348
参考例38
エチル 3−[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例39の化合物(1.10g,3.80mmol)のエタノール溶液(15mL)にヒドラジン一水和物(0.209g,4.18mmol)を加え、室温で15分間攪拌後、50℃で1時間攪拌した。その後、反応混合物を濃縮し、残渣を水で洗浄することで、表題化合物(0.986g,91%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.45 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.46 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.44 (1H, s), 7.47 (1H, dd, J = 8.0, 4.8 Hz), 8.14 (1H, d, J = 7.6 Hz), 8.83 (1H, d, J = 4.0 Hz).
参考例39
エチル 2,4−ジオキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ブタノエイト
Figure 2015060348
1−[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エタン―1−オン(1.00g,5.29mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)に1mol/L リチウム ビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(6.35mL,6.35mmol)を−20℃で滴下した。−20℃で20分間攪拌後、シュウ酸ジエチル(0.928g,6.35mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、0℃で水(200mL)を加え、pH6になるまで1mol/L 塩酸を加え、酢酸エチル(200mL×3回)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。濃縮残渣を石油エーテル/酢酸エチル=5/1で洗浄することで、表題化合物(1.10g,72%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.63 (2H, brs), 4.21 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.40 (1H, dd, J = 8.0, 4.8 Hz), 7.99 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.68 (1H, d, J = 4.4 Hz).
参考例40
エチル 3−(3−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例4と同様の手法により、2−エチニル−3−フルオロピリジンから表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.43 (3H, t, J = 7.1 Hz), 4.44 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.32-7.36 (1H, m), 7.43 (1H, d, J = 3.9 Hz), 7.56 (1H, ddd, J = 10.6, 8.3, 1.0 Hz), 8.47 (1H, td, J = 3.0, 1.5 Hz).
参考例41
エチル 3−(ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例38〜39と同様の手法により、2−アセチルピリミジンから表題化合物を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ: 1.43 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.44 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.20-7.30 (1H, m), 7.58 (1H, s), 8.81 (2H, d, J = 4.8 Hz), 11.4 (1H, brs).
参考例42
3−フルオロ−2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン 二塩酸塩
Figure 2015060348
参考例24〜25と同様の手法により、参考例37の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 3.60 (2H, brs), 4.40 (4H, brs), 7.37 (1H, brs), 7.66-8.04 (2H, m), 8.59 (1H, brs), 10.3 (2H, brs).
参考例43
3−メチル−2−(ピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン 二塩酸塩
Figure 2015060348
参考例20〜22と同様の手法により、参考例37の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 2.27 (3H, s), 3.67 (2H, brs), 4.37-4.48 (4H, m), 7.60 (1H, dd, J = 6.4, 6.4 Hz), 8.05 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.19 (1H, dd, J = 7.6, 7.6 Hz), 8.69 (1H, d, J = 4.4 Hz), 10.3 (2H, brs).
参考例44
tert−ブチル 3−クロロ−2−(ピリジン−2−イル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例37の化合物(362mg,1.21mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)にN−クロロスクシンイミド(177mg,1.33mmol)加え、室温で終夜撹拌した。その後、反応液を濃縮し濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(237mg,59%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.53 (9H, s), 3.94 (2H, t, J = 5.0 Hz), 4.26 (2H, t, J = 5.3 Hz), 4.65 (2H, s), 7.26-7.29 (1H, m), 7.77 (1H, td, J = 7.8, 1.8 Hz), 7.98 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.73-8.75 (1H, m).
参考例45
tert−ブチル 2−(ピリジン−2−イル)−3−(トリフルオロメチル)−6,7−ジヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン−5(4H)−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例37の化合物(601mg,2.00mmol)のアセトニトリル溶液(10mL)にN−ヨードスクシンイミド(675mg,3.00mmol)を加えた。30℃で2時間攪拌後、析出した固体をろ取した。得られた固体のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(10mL)にヨウ化銅(282mg,2.96mmol)とメチル 2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)アセテート(711mg,3.70mmol)を加え、75℃で12時間攪拌した。その後、2mol/L 炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を加え、ジクロロメタンで抽出し、濃縮した。濃縮残渣を分取用HPLCで分離精製し、表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.52 (9H, s), 3.94 (2H, t, J = 5.2 Hz), 4.28 (2H, t, J = 5.2 Hz), 4.82 (2H, s), 7.32 (1H, brs), 7.77 (2H, brs), 8.73 (1H, brs).
参考例46
3−メチル−2−(3−メチルピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例20〜22と同様の手法により、参考例13の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.97 (3H, s), 2.38 (3H, s), 3.33 (2H, t, J = 5.5 Hz), 4.03 (2H, s), 4.15 (2H, t, J = 5.5 Hz), 7.10-7.21 (1H, m), 7.56 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.49 (1H, d, J = 3.6 Hz).
参考例47
2−(3−フルオロピリジン−2−イル)−3−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例20〜22と同様の手法により、参考例33の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.04 (s, 3H), 3.30 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.01 (s, 2H), 4.18 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 7.21-7.29 (m, 1H), 7.42-7.51 (m, 1H), 8.46-8.53 (m, 1H).
参考例48
3−クロロ−2−(3−メチルピリジン−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[1,5−a]ピラジン
Figure 2015060348
参考例12及び参考例44と同様の手法により、参考例13の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 2.30 (3H, s), 3.14 (2H, t, J = 5.5 Hz), 3.85 (2H, s), 3.98 (2H, t, J = 5.5 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 7.6, 4.8 Hz), 7.69-7.71 (1H, m), 8.44-8.46 (1H, m).
参考例49
2−ホルミル−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゾニトリル
Figure 2015060348
参考例50の化合物(0.231g,0.74mmol)のDMF溶液(3.0mL)に溶解し、シアン化亜鉛(0.181g,1.54mmol)とtert−ブチルホスフィンパラジウム(0.074g,0.14mmol)を加え、窒素雰囲気下、130℃にて2時間マイクロウェーブを照射した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)溶液にて抽出後、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した後濃縮した。得られた残渣に1mol/L塩酸を加え、60℃に加熱し、終夜撹拌した。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮することで、表題化合物(0.099g,62%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.56-7.70 (2H, m), 8.13 (1H, d, J = 8.5 Hz), 10.34 (1H, s).
参考例50
2−[2−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,3−ジオキソラン
Figure 2015060348
2−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(0.219g,0.81mmol)、エチレングリコール(0.159g,2.56mmol),p−トルエンスルホン酸(0.022g,0.12mmol)とトルエン(4.0mL)の混合物を1時間加熱還流した。その後、エチレングリコール(0.256g,4.12mmol)を加え、1時間加熱還流した後、さらにエチレングリコール(0.256g,4.12mmol)を加え、4時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出したのち、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過して濃縮したのち、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(0.231g,91%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.04-4.18 (4H, m), 6.07 (1H, d, J = 5.1 Hz) 7.21 (1H, dd, J = 8.5, 1.2 Hz), 7.45 (1H, dd, J = 2.3, 0.9 Hz), 7.64 (1H, d, J = 8.5 Hz),.
参考例51
5−ホルミル−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
Figure 2015060348
参考例52の化合物(0.106g,0.526mmol)、二酸化マンガン(0.229g,2.63mmol)を塩化メチレン(5.0mL)中に混合し、室温下、20時間撹拌し、得られた反応液を、ろ過後濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(0.153g,71%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.95-8.10 (1H, m), 8.16-8.29 (1H, m), 8.36 (1H, s), 10.12 (1H, s).
参考例52
5−(ヒドロキシメチル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
Figure 2015060348
3−ブロモ‐4−トリフルオロメチルフェニルメタノール(0.300g,1.17mmol)、シアン化亜鉛(0.276g,2.35mmol)、ビストリブチルホスフィンパラジウム(60.2mg、0.118mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)中に混合し、130℃下、マイクロウェーブにて2時間撹拌した。得られた反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物を(0.112g,47%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.84 (2H, s), 7.70-7.74 (1H, m), 7.77-7.80 (1H, m), 7.87 (1H, s).
参考例53
6−(クロロメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリジン 一塩酸塩
Figure 2015060348
2H,3H,4H−ピラノ[2,3−c]ピリジン‐6−イルメタノール(0.200g,1.21mmol)の塩化メチレン溶液(2.0mL)に塩化チオニル(0.19mL,2.48mmol)を氷冷下滴下し、室温にて2時間撹拌した。反応液を濃縮し、表題化合物(0.266g,99%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 1.90-1.98 (2H, m), 2.80 (2H, t, J = 6.9 Hz), 4.23 (2H, t, J = 6.9 Hz), 4.70-4.75 (2H, m), 7.39 (1H, s), 8.14 (1H, s).
参考例54
2−(クロロメチル)−6−(フルオロメチル)ピリジン 一塩酸塩
Figure 2015060348
参考例55の化合物(998mg,7.07mmol)のトルエン溶液(15mL)に塩化チオニル(1.03mL,14.14mmol)を加え、65℃で2時間撹拌した。反応溶液を放冷後、溶媒を減圧留去することにより、表題化合物(1.19g,86%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 4.78 (2H, s), 5.42 (1H, s), 5.53 (1H, s), 7.46-7.48 (1H, m), 7.54-7.56 (1H, m), 7.92-7.96 (1H, m).
参考例55
[6−(フルオロメチル)ピリジン−2−イル]メタノール
Figure 2015060348
6−ブロモメチル−2−ピリジンメタノール(2.11g,10.4mmol)のアセトニトリル溶液(20mL)にフッ化カリウム(7.28g,125mmol)と18−クラウン−6(0.828g,3.13mmol)を加え、2日間加熱還流した。室温に放冷後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(0.998g,68%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 3.65 (1H, brs), 4.74 (2H, s), 5.41 (1H, s), 5.53 (1H, s), 7.17-7.19 (1H, m), 7.34-7.36 (1H, m), 7.71-7.75 (1H, m).
参考例56
5−(クロロメチル)−2−(ジフルオロメチル)ピリジン
Figure 2015060348
参考例57の化合物(276mg,1.74mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5.0mL)にトリエチルアミン(0.85mL,6.09mmol)とメタンスルホニルクロライド(0.34mL,4.35mmol)を加え、1.5時間加熱還流した。反応溶液を放冷後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(231mg,75%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.63 (2H, s), 6.65 (1H, t, J = 55.4 Hz), 7.66 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.90 (1H, dd, J = 2.0, 8.0 Hz), 8.66 (1H, d, J = 2.0 Hz).
参考例57
[6−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−イル]メタノール
Figure 2015060348
水素化リチウムアルミニウム(77.9mg,2.23mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(6.0mL)に、氷浴下、参考例58の化合物(348mg,1.86mmol)のTHF溶液(2.0mL)を滴下した。0℃で1時間撹拌後、反応溶液に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、3時間撹拌した。混合物をクロロホルムで3回抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(276mg,93%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.80 (2H, s), 6.64 (1H, t, J = 55.4 Hz), 7.63 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.86 (1H, dd, J = 1.7, 8.0 Hz), 8.61 (1H, d, J = 1.7 Hz).
参考例58
メチル 6−(ジフルオロメチル)ピリジン−3−カルボキシレイト
Figure 2015060348
メチル 6−(ヒドロキシメチル)ニコチネート(511mg,3.06 mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に二酸化マンガン(1.33g,15.3mmol)を加え、室温で4.5時間撹拌した。その後、反応溶液をセライトろ過した。ろ液を減圧濃縮することにより、メチル 6−ホルミルニコチネートを得た。得られたメチル 6−ホルミルニコチネートのジクロロメタン溶液(5.0mL)に、氷浴下、ジエチルアミノサルファートリフルオライド(1.60mL,12.24mmol)を加えた。氷浴下にて、1時間撹拌後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(361mg,63%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 3.99 (3H, s), 6.68 (1H, t, J = 55.2 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.45 (1H, dd, J = 2.2, 8.1 Hz), 9.25 (1H, m).
参考例59
6−(クロロメチル)−4−メチル−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン―3(4H)−オン
Figure 2015060348
参考例60の化合物(130mg,0.621mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に氷冷下、塩化チオニル(50μL)加え室温で70分間撹拌した。その後、反応混合物を濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(119mg,84%)得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 3.41 (2H, s), 3.47 (3H, s), 4.59 (2H, s), 7.05 (1H, dd, J = 8.0, 1.6 Hz), 7.11 (1H, d, J = 1.4 Hz), 7.35 (1H, d, J = 8.3 Hz).
参考例60
6−(ヒドロキシメチル)−4−メチル−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
Figure 2015060348
メチル 4−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾチアジン−6−カルボキシレイト(475mg,2.00mmol)、水素化ホウ素ナトリウム(151mg,3.99mmol)とテトラヒドロフラン(2.0mL)の混合物に、40℃でメタノール(640mg)を滴下した。40℃で1時間撹拌後、氷冷下、1mol/L 塩酸で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(130mg,31%)得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 3.40 (2H, s), 3.46 (3H, s), 4.72 (2H, d, J = 5.5 Hz), 7.02 (1H, dd, J = 7.8, 1.8 Hz), 7.13 (1H, d, J = 1.4 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.8 Hz).
参考例61
7−(クロロメチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン
Figure 2015060348
参考例62の化合物(80.2mg、0.42mmol)の塩化メチレン溶液(2.1mL)に、0℃で塩化チオニル(0.037mL、0.51mmol)を滴下した。0℃で1時間30分撹拌後、濃縮し、表題化合物(85.1mg、0.41mmol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.65 (2H, dd, J = 8.4, 6.2 Hz), 2.90 (2H, t, J = 7.4 Hz), 3.37 (3H, s), 4.59 (2H, s), 7.02 (2H, t, J = 6.3 Hz), 7.15 (1H, d, J = 7.6 Hz).
参考例62
7−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン
Figure 2015060348
参考例63の化合物(228mg、0.75mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3.7mL)に、氷冷下にて1mol/L 塩酸(1.5mL)を加えた。室温で1時間撹拌後、氷冷下で飽和炭酸水素ナトリウムを加えた後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、濃縮し、表題化合物(138mg、0.72mmol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.69 (1H, s), 2.64 (2H, dd, J = 8.4, 6.2 Hz), 2.90 (2H, dd, J = 8.4, 6.2 Hz), 3.37 (3H, s), 4.70 (2H, s), 6.99-7.02 (2H, m), 7.15 (1H, d, J = 7.6 Hz).
参考例63
7−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン
Figure 2015060348
水素化ナトリウム(188mg、4.71mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)懸濁液に、参考例65の化合物(921mg、3.11mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.0mL)溶液を0℃で滴下した。0℃で30分撹拌後、氷冷下にて、ヨウ化メチル(0.39mL、6.26mmol)を加え、室温で1時間30分撹拌した。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で4回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過後、濃縮し表題化合物(904mg、2.96mmol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.11 (6H, s), 0.95 (9H, s), 2.64 (2H, dd, J = 8.4, 6.2 Hz), 2.88 (2H, dd, J = 8.7, 6.0 Hz), 3.36 (3H, s), 4.73 (2H, s), 6.94 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.00 (1H, s), 7.11 (1H, d, J = 7.8 Hz).
参考例64
7−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン
Figure 2015060348
3,4−ジヒドロ‐7-(ヒドロキシメチル)−2(1H)−キノリノン(551mg、3.11mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(3.1mL)に氷冷下にてイミダゾール(428mg、6.28mmol)、tert−ブチルジメチルシリルクロリド(567mg、3.76mmol)を加え、0℃にて2時間撹拌した。その後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で3回、飽和食塩水で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し濃縮して表題化合物(921mg、3.11mol)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 0.10 (6H, s) , 0.94 (9H, s), 2.63 (2H, dd, J = 8.4, 6.7 Hz), 2.95 (2H, t, J = 7.6 Hz), 4.68 (2H, s), 6.73 (1H, s), 6.92 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.11 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.69-7.77 (1H, br m).
参考例65
2−(クロロメチル)−5−(フルオロメチル)ピリジン
Figure 2015060348
参考例66の化合物(846mg,5.37mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に氷冷下、ジエチルアミノサルファー トリフルオライド(1.4mL,10.7mmol)を加え30分撹拌した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(303mg,35%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 4.69 (2H, s), 5.43 (2H, dd, J = 47.5, 2.1 Hz), 7.53 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.77 (1H, dd, J = 8.3, 1.8 Hz), 8.59 (1H, d, J = 1.4 Hz).
参考例66
[6−(クロロメチル)ピリジン−3−イル]メタノール
Figure 2015060348
メチル 6−(ヒドロキシメチル)ニコチネート(1.16g,7.36mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)に氷冷下、塩化チオニル(1.0mL,14.7mmol)加え15分撹拌した。反応後、重曹水で希釈しクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ乾燥後、濃縮した。濃縮残渣のテトラヒドロフラン溶液(10mL)に、−78℃で1.0mol/L水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(16.2mL,16.2mmol)を加え2時間撹拌した。その後、反応混合物を酒石酸ナトリウムカリウム水溶液に注いだ。終夜室温攪拌後、反応溶液を酢酸エチルで抽出、有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、表題化合物(846mg,74%)を得た。
参考例67
6−(クロロメチル)−3−(フルオロメチル)−2−メチルピリジン
Figure 2015060348
参考例68の化合物(127mg,0.820mmol)のジクロロメタン溶液(2.0mL)に氷冷下、塩化チオニル(119μL,1.64mmol)を加え1時間撹拌した。飽和重曹水で希釈しクロロホルムで抽出した。有機層を乾燥後濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、表題化合物(98.0mg,69%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.57 (3H, s), 4.65 (2H, s), 5.43 (2H, d, J = 47.2 Hz), 7.36 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.68 (1H, d, J = 7.8 Hz).
参考例68
[5−(フルオロメチル)−6−メチルピリジン−2−イル]メタノール
Figure 2015060348
参考例69の化合物(169mg,0.923mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.0mL)に−78℃下、1.0mol/L 水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(2.78mL,2.78mmol)を加え2時間撹拌した。ロッシェル塩水溶液で希釈し室温で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過して濃縮した。濃縮残渣のメタノール溶液(3.0mL)に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(80mg,2.11mmol)を加え20分撹拌した。その後、1mol/L 塩酸(3.0mL)を加え、1mol/L 水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にしクロロホルで抽出した。有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮し表題化合物(127mg,89%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.60 (3H, s), 4.75 (2H, d, J = 1.8 Hz), 5.44 (2H, d, J = 47.7 Hz), 7.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.66 (1H, d, J = 7.8 Hz).
参考例69
メチル 5−(フルオロメチル)−6−メチルピリジン−2−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例70の化合物(470mg,2.43mmol)のメタノール溶液(5.0mL)に塩化チオニル(0.706mL、9.72mmol)を加え加熱還流下終夜撹拌した。室温に放冷後、減圧濃縮し飽和重曹水で希釈しクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮し濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物(169mg,27%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.63 (3H, s), 4.01 (3H, d, J = 1.8 Hz), 5.50 (2H, d, J = 47.2 Hz), 7.82 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.03 (1H, d, J = 7.8 Hz).
参考例70
5−(フルオロメチル)−6−メチルピリジン−2−カルボキシリックアシッド
Figure 2015060348
参考例71の化合物(365mg,2.43mmol)のエタノール溶液(3.0mL)に2mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(3.0mL)を85℃で1時間撹拌した。その後、1mol/L 塩酸で酸性にしクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮し表題の化合物(470mg)得た。
LC‐MS:条件B R.T.= 0.51 min ObsMS = 170.1 [M+1]
参考例71
5−(フルオロメチル)−6−メチルピリジン−2−カルボニトリル
Figure 2015060348
参考例72の化合物(538mg,3.81mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)にジメチルカルバミンクロライド(512mg,4.76mmol)、トリメチルシリルシアニド(472mg,4.76mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。その後、飽和重曹水で希釈しクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=9:1)で精製し、表題化合物(365mg,27%)を得た。
LC‐MS:条件B R.T.= 1.32 min ObsMS = 151.2 [M+1]
参考例72
3−(フルオロメチル)−2−メチルピリジン 1−オキシド
Figure 2015060348
参考例73の化合物(578mg,4.62mmol)、ジクロロメタン(6.0mL)と水(6.0mL)の混合物に氷冷下、炭酸水素ナトリウム(1.20g,13.9mmol)とメタクロロ過安息香酸(1.81g,5.54mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。その後、飽和重曹水で希釈しクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過して濃縮し表題化合物(538mg,83%)得た。
参考例73
3−(フルオロメチル)−2−メチルピリジン
Figure 2015060348
(2−ミチルピリジン−3−イル)メタノール(1.96g,15.9mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)にジエチルアミノサルファー トリフルオライド(2.29mL、17.5mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液と飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過して濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(540mg,27%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 2.58 (3H, s), 5.42 (2H, d, J = 47.2 Hz), 7.17 (1H, dd, J = 7.8, 5.0 Hz), 7.65 (1H, d, J = 7.3 Hz), 8.49 (1H, d, J = 5.0 Hz).
参考例74
3−(クロロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン 一塩酸塩
Figure 2015060348
(5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)メタノール(705mg,4.72mmol)のジクロロメタン溶液(5.0mL)に氷冷下、塩化チオニル(0.630mL,9.44mmol)を加え1時間撹拌した。その後、反応混合物を濃縮し表題化合物(697mg,74%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 1.76-1.83 (4H, m), 2.86 (2H, t, J = 6.2 Hz), 3.04 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.88 (2H, s), 8.30-8.30 (1H, m), 8.71-8.71 (1H, m).
参考例75
5−(クロロメチル)−2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン 一塩酸塩
Figure 2015060348
2H,3H,−フラノ[2,3−c]ピリジン−6−イルメタノール(0.200g,1.32mmol)の塩化メチレン溶液(2.0mL)に塩化チオニル(0.19mL,2.64mmol)を氷冷下滴下し、室温にて2時間撹拌した。反応液を濃縮し、表題化合物(0.702g,99%)を得た。
1H-NMR (300MHz, CD3OD) δ: 3.59 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 4.88-4.96 (m, 4H), 7.99 (s, 1H), 8.30 (s, 1H).
参考例76
2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド
Figure 2015060348
参考例77の化合物(50.0mg,0.227mmol)のトルエン(0.8mL)溶液に、−78℃で1mol/L 水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.25mL,0.25mmoL)を加え15分間撹拌した。その後、反応溶液に飽和ロッシェル塩水溶液を加え、1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(30.0mg,75%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 9.33 (2H, s), 10.24 (1H, s).
参考例77
エチル 2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
エチル 4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボキシレイト(1.99g,7.82mmol)のエタノール溶液(30mL)にジイソプロピルエチルアミン(2.43g,18.8mmol)、10%パラジウム−炭素(200mg)を加え、水素雰囲気化、室温で3時間半撹拌した。その後、反応混合物をセライトろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(1.36g,79%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.46 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.51 (2H, q, J = 7.2 Hz), 9.43 (2H, s).
参考例78
2−(ジフルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド
Figure 2015060348
参考例76と同様の手法により、参考例79の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 6.72 (1H, t, J = 54.1 Hz), 9.29 (2H, s), 10.22 (1H, s).
参考例79
エチル 2−(ジフルオロメチル)ピリミジン−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例58と同様の手法により、参考例80の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.43 (3H, t, J = 7.3 Hz), 4.47 (2H, q, J = 7.3 Hz), 6.70 (1H, t, J = 54.3 Hz), 9.37 (2H, s).
参考例80
エチル 2−ホルミルピリミジン−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例51と同様の手法により、参考例81の化合物から表題化合物を得た。
LC‐MS:条件B R.T.= 0.52 min ObsMS = 181.1 [M+1]
参考例81
エチル 2−(ヒドロキシメチル)ピリミジン−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例82の化合物(224mg,1.14mmol)のジクロロメタン溶液(3.0mL)に、氷浴下、1.0mol/L 三臭化ホウ素のジクロロメタン溶液(2.2mL,2.2mmol)を加えた。氷浴下で1時間撹拌後、反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(160.4mg,77%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.44 (3H, t, J = 7.1 Hz), 3.69 (1H, brs), 4.47 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.93 (2H, s), 9.28 (2H, s).
参考例82
エチル 2−(メトキシメチル)ピリミジン−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例76と同様の手法により、参考例83の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.43 (3H, t, J = 7.1 Hz), 3.58 (3H, s), 4.45 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.79 (2H, s), 9.28 (2H, s)
参考例83
エチル 4−クロロ−2−(メトキシメチル)ピリミジン−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
4−ヒドロキシ−2−メトキシメチル−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル(2.25g,10.6mmol)のジクロロメタン溶液(50mL)に、室温でオキサリルクロライド(1.75g,13.79mmol)、DMF(0.2mL)を加え、室温で2時間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより、表題化合物(1.88g,77%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.43 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.57 (3H, s), 4.46 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.73 (2H, s), 9.13 (1H, s).
参考例84
2−(フルオロメチル)ピリミジン−5−カルバルデヒド
Figure 2015060348
参考例76と同様の手法により、参考例85の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 5.55 (1H, s), 5.70 (1H, s), 9.20 (2H, s), 10.16 (1H, s).
参考例85
エチル 2−(フルオロメチル)ピリミジン−5−カルボキシレイト
Figure 2015060348
参考例69と同様の手法により、参考例81の化合物から表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 1.41 (3H, t, J = 7.3 Hz), 4.44 (2H, q, J = 7.3 Hz), 5.52 (1H, s), 5.67 (1H, s), 9.28 (2H, s).
試験例1:D 受容体に対するアゴニスト活性と選択性の評価
ドパミンD 受容体のG蛋白依存的経路に対する本発明化合物の作用
G蛋白依存的経路は、G蛋白質にグアノシン三リン酸(Guanosine triphosphate:GTP)が結合することで、G蛋白質が活性化され、セカンドメッセンジャーを介して細胞内にシグナルを伝達する経路である。リガンドによりG蛋白質共役受容体(GPCRs)が活性化されると、G蛋白質がGPCRsと結合し、G蛋白サブユニットの一つであるGαにGTPが結合並びにGγβサブユニットの乖離がおこる。活性化されたGαはアデニル酸シクラーゼの活性化及び抑制を介した細胞内cAMP濃度の調整、ホスホリパーゼCの活性化を介した細胞内カルシウム濃度の調整により、シグナルを細胞内に伝達する。そのため、G蛋白依存的な経路の活性測定は、細胞内cAMP量の測定並びに細胞内カルシウム濃度の測定により行うことができる。
本試験では、ドパミンD受容体のG蛋白依存的経路に対する本発明化合物の作用を測定した。
発現細胞株の作製
ヒト脳由来のドパミンD受容体遺伝子(Gene Bank Accession No: NM_000797)、カルシウム結合性発光蛋白質エクオリン、及びGα16もしくはGqi5等のキメラG蛋白を発現するプラスミドを作製し、これらをCHO細胞(chinese hamster ovary cells)あるいはHEK293細胞(human embryonic kidney 293 cells)に導入することにより発現細胞株を作製した。
G蛋白依存的な経路の活性測定
G蛋白依存的なアゴニスト活性については細胞内カルシウム濃度を指標にして以下のとおり測定した。D受容体遺伝子を導入したCHO−K1細胞株あるいはHEK293細胞株を384穴プレートに播種し、COインキュベータ内で37℃、24時間培養した後、予めセレンテラジンを取り込ませた細胞にDMSOに溶解した本発明化合物を添加し、発光量の変化をFDSS(浜松フォトニクス社製)で測定した。アゴニスト活性については、本発明化合物を添加していないウェルの発光量を0%とし、本発明化合物の代わりに1μM内因性リガンド(ドパミン)を添加したウェルの発光量を100%として、本発明化合物の最大活性(Emax)を算出した。EC50値は本発明化合物Emaxの50%に相当する反応濃度として算出した。
試験例1の試験法を用いて得られた結果を以下の表に示す。
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
Figure 2015060348
試験例2:生物学的利用率の評価
ラットPK試験
本試験では本発明化合物の薬物動態を評価できる。SD系あるいはWKY系7週齢のラットに対して、本発明化合物を生理食塩水溶液にて静脈内投与またはカルボキシメチルセルロース懸濁液あるいはメチルセルロース懸濁液にて経口投与し、それぞれ以下の時間で血液を採取する。
静脈内投与:投与後5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間および24時間
経口投与:投与後15分、30分、1時間、2時間、4時間、6時間および24時間
採取した血液から血漿を得、LC−MSにて血漿中薬物濃度を測定する。この濃度推移から血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)を算出し、下記の式にあてはめることにより、生物学的利用率を算出する。
生物学的利用率(%)=経口投与後のAUC/静脈内投与後のAUC×100。
試験例3:脳内移行性の評価
ラット脳内移行性試験
本試験では本発明化合物の脳内移行性を評価できる。SD系あるいはWKY系7週齢のラットに対して、本発明化合物を生理食塩水溶液にて皮下投与またはメチルセルロース懸濁溶液にて経口投与し、投与後0.5時間、1時間あるいは2時間後に血漿及び脳を採取し、LC−MSにて血漿中及び脳内薬物濃度を測定した。
本発明化合物の血清及び脳内タンパク結合率を、平衡透析法を用いて測定した。
上記の試験により得られた血漿中および脳内化合物濃度および血漿中および脳内タンパク結合率を下記の式にあてはめることにより、Kp,uu,brain(脳/血漿間非結合型薬物濃度比)を算出することができる。
Kp,uu,brain=(脳内化合物濃度×(100−脳内タンパク結合率(%))/100)/(血漿中化合物濃度×(100−血漿中タンパク結合率(%))/100)
試験例3の結果を以下の表に示す。
Figure 2015060348
試験例4:肝毒性リスクの評価
ダンシル化グルタチオン(dGSH)トラッピングアッセイ
本発明化合物を肝ミクロソームで代謝させ、生成した代謝物からダンシル化グルタチオン(dGSH)と反応する反応性代謝物を検出し定量した。代謝反応はスクリーニングロボット(Tecan社製)を用い、代謝物‐dGSH結合物濃度は蛍光検出UPLCシステム(Waters社製)を用いて測定した。
(溶液調製)
本発明化合物をDMSOに溶解し、10mmol/Lの被験物質溶液を調製した。リン酸カリウムバッファー(500mmol/L、pH7.4)7.6mL、ヒト肝ミクロソーム(Xenotech社製、20mg protein/mL)1.9mL、および純水1.27mLを混合して、ミクロソーム溶液を調製した。ミクロソーム溶液3.78mLに純水0.67mLを加えてミクロソーム(dGSH(−))溶液を調製した。ミクロソーム溶液6.48mLにdGSH溶液(20mmol/L)1.14mLを加えてミクロソーム(dGSH(+))溶液を調製した。NADPH80.9mgを純水30mLに溶解してcofactor液を調製した。Tris(2−carboxyethyl)phosphin(TECP)33mgをメタノール115mLに溶解して反応停止液を調製した。
(反応)
被験物質溶液12μLを純水388μLと混合し、96ウェルプレートに50μLずつ6ウェルに分注した。上記6ウェルを2ウェルずつ3群に分け、それぞれ「反応群」、「未反応群」及び「dGSH未添加群」とした。「反応群」及び「未反応群」にミクロソーム(dGSH(+))溶液を、「dGSH未添加群」にミクロソーム(dGSH(−))を50μLずつ添加した。「反応群」及び「dGSH未添加群」にcofactor液を、「未反応群」に純水を50μLずつ添加した。37℃で60分間インキュベートした後、反応停止液を450μLずつ添加して反応を停止した。「反応群」及び「dGSH未添加群」に純水を、「未反応群」にcofactor液を50μLずつ添加し、プレートを−20℃で1時間冷却後、遠心分離(4000rpm、10分間)を行った。上清を別プレートに回収し、分析に供した。
(分析)
蛍光検出UPLCシステム(Waters社製)を用いて、以下の条件で代謝物−dGSH結合物濃度を測定した。
カラム:Waters ACQUITY UPLC BEHC18 1.7μm 2.1×10 mm
溶出溶媒:A, 0.2%ギ酸/40%メタノール; B, 0.2%ギ酸/メタノール
グラジエント:B, 0%(0 min)→83.3%(9.33 min)→83.3%(10.63 min)→0%(10.64 min)→0%(13 min)
蛍光強度は有機溶媒組成によって変化するため、溶出時の有機溶媒組成で補正を行った。
試験例4の結果を以下の表に示す。
Figure 2015060348
試験例5:SHRラットにおける多動に対する薬理作用評価
幼若期のSHRラットは、妥当性の高いADHDモデルとして広く認知されている。本ラットにおけるオープンフィールド環境における多動行動に対して、本発明化合物を投与した際の抑制作用を評価できる。7週齢のSHRラットに対して、本発明化合物を経口投与し、30分後から90分間の運動量を測定する。測定にはSuperMex(室町機械株式会社)を用いる。90分間の総運動量は媒体投与群の運動量を基準とし、抑制率(%)を0〜100の数値で表すことによって統計学的に処理する。
試験例6:SHRラットにおける不注意に対する薬理作用評価
本発明化合物を前処置し、注意機能に対する作用を評価することができる。本ラットでは、バックグランド動物であるWKYラットに対して、Y字型迷路試験において低い自発交替行動率が認められる。実験にはY字型迷路装置(黒色アクリル製:450mm×100mm×350mm、堀川製作所株式会社)を用いる。4週齢のSHRラットに対して、本発明化合物を経口投与し、30分後から8分間の自発交替行動率を測定する。媒体投与群の自発交替行動率を基準とし、改善率(%)を評価する。
試験例7:胎生期バルプロ酸投与ラットにおける社会性障害に対する薬理作用評価
本発明化合物を前処置し、社会性認知に対する改善作用を評価することができる。胎生期12.5日齢にバルプロ酸に曝露されたラットは、妥当性の高い自閉症モデルとして広く認知されている。本ラットでは、社会性評価試験である3チャンバーテストにおいて、社会性認知障害が認められる。実験にはソーシャビリティーケージ(600mm×400mm×220mm、室町機械株式会社)を用いる。3週齢の胎生期バルプロ酸投与ラットに対して本発明化合物を経口投与し、30分後から、ラットもしくは新規物体への接近時間を10分間測定する。新規物体への接近時間を100%とした時のラットへの接近時間の割合を算出し、媒体投与群の結果を基準とした改善率(%)を評価する。
以上で説明したように、本発明化合物は、ドパミンD受容体アゴニストであることから、注意欠陥多動性障害等の治療剤として有用である。

Claims (31)

  1. 式(1):
    Figure 2015060348
    (式中、nおよびmは、それぞれ独立して、1または2を表し;
    、WおよびWは、それぞれ独立して、単結合、または置換されていてもよいC1−4アルキレン基を表し;
    は、C1−4アルキレン基を表し;
    およびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、もしくは置換されていてもよいC1−6アルキル基であるか、またはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
    は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル基、または置換されていてもよいアミノカルボニル基を表し;
    およびXは、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、−C(O)−、−NR40−、または−C(O)NR40−(ここにおいて、R40は、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)を表し;
    環Qは、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよい5員〜10員のヘテロアリール基、置換されていてもよいC5−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい5員〜10員の環状アミノ基を表し;
    環Qは、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい6員のヘテロアリール基、置換されていてもよい5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基、または置換されていてもよい5員もしくは6員の環状アミノ基を表す。)で表される化合物またはその薬学上許容される塩。
  2. nおよびmが、それぞれ独立して、1または2であり;
    、WおよびWが、それぞれ独立して、単結合、またはC1−4アルキレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
    が、C1−4アルキレン基であり;
    およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、もしくはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であるか、またはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
    が、
    (1)水素原子、
    (2)ハロゲン原子、
    (3)シアノ基、
    (4)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (5)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (6)C1−6アルキルカルボニル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、または
    (7)アミノカルボニル基(該アミノは、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)であり;
    およびXが、それぞれ独立して、単結合、酸素原子、硫黄原子、−C(O)−、−NR40−、または−C(O)NR40−(ここにおいて、R40は、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。)を表し;
    環Qが、
    (8)C6−10アリール基(該基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
    (c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (d)シアノ基、および
    (e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
    (9)5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
    (10)C5−10シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (11)5員〜10員の環状アミノ基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)であり;
    環Qが、
    (12)フェニル基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
    (13)6員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
    (14)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (15)5員もしくは6員の環状アミノ基(該基は、本項中の前記(8)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、請求項1に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  3. 、X、およびXがいずれもが単結合である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  4. 式(1a):
    Figure 2015060348
    (式中、n、m、W、W、R、R、R、環Qおよび環Qは、請求項1または2と同義である)で表される、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  5. nおよびmが、それぞれ独立して、1または2であり;
    およびWが、それぞれ独立して、単結合、またはC1−4アルキレン基(該基は同種または異種の1〜2個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
    およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、もしくはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であるか、またはそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3員〜8員のシクロアルカン環を形成してもよく;
    が、
    (1)水素原子、
    (2)ハロゲン原子、
    (3)シアノ基、
    (4)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、または
    (5)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
    環Qが、
    (6)5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
    (c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (d)シアノ基、および
    (e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
    (7)C6−10アリール基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (8)C5−10シクロアルキル基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)であり;
    環Qが、
    (9)フェニル基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、
    (10)6員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (11)5員もしくは6員の飽和ヘテロ環基(該基は、本項中の前記(6)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、請求項4に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  6. 環Qが、
    (1)フェニル基(該基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (d)シアノ基、および
    (e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (2)1〜3個の窒素原子を含有する6員のヘテロアリール基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、請求項5に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  7. nが1または2であり;
    mが1であり;
    およびWがいずれも単結合であり;
    、RおよびRが、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)であり;
    環Qが、
    (1)1〜3個の窒素原子を含有する5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (d)シアノ基、および
    (e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (2)C6−10アリール基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)であり;
    環Qが、
    (3)ピリジル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (4)フェニル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  8. 環Qが、1〜3個の窒素原子を含有する5員〜10員のヘテロアリール基(該基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
    (c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (d)シアノ基、および
    (e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  9. 環Qが、
    (1)1〜3個の窒素原子を含有する6員のヘテロアリール基(該基は、
    (a)ハロゲン原子、
    (b)C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (c)C1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    (d)シアノ基、および
    (e)アミノ基(該基は、C1−6アルキル基およびC3−7シクロアルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されていてもよい。)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)、または
    (2)フェニル基(該基は、本項中の前記(1)の(a)〜(e)からなる群から選択される同種または異種の1〜4個の基で置換されていてもよい。)である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  10. 環Qが、下記式(2a)または(2b):
    Figure 2015060348
    (式中、Xは、NまたはCRを表し;
    41は、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基(該基は、ハロゲン原子およびヒドロキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)を表し;
    、R、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、またはアミノ基(該基は、同種または異種の1〜2個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい。)を表すか;
    または、R41およびR10、またはR41およびRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5員〜8員のシクロアルカン環または5員〜8員のシクロアルケン環を形成してもよい。)で表される基である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  11. 環Qが、下記式(3):
    Figure 2015060348
    (式中、Xは、NまたはCHを表し;
    は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、またはC1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表し;
    は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、またはC1−6アルコキシ基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表す。)で表される基である、請求項4〜10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  12. がNである、請求項11に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  13. およびRがいずれも水素原子である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  14. 式(1b):
    Figure 2015060348
    (式中、nは1または2を表し;
    環Qは、下記式(2c)または(2d):
    Figure 2015060348
    (式中、Xは、NまたはCHを表し;
    41は、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表し;
    は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表す。)で表される基であり;
    は、水素原子、ハロゲン原子、またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表し;
    は、ハロゲン原子またはC1−6アルキル基(該基は同種または異種の1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)を表す。)で表される、請求項1に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  15. 環Qが、式(2c)で表される基である、請求項14に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  16. がCHである、請求項15に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  17. がNである、請求項15に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  18. 環Qが、式(2d)で表される基である、請求項14に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  19. nが1であり;
    が、水素原子またはC1−6アルキル基である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  20. が水素原子である、請求項10〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  21. 41が1〜3個のフッ素原子で置換されているC1−4アルキル基である、請求項10〜20のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩。
  22. 下記式のいずれかで表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
    Figure 2015060348
  23. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  24. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、注意欠陥多動性障害の治療剤。
  25. 注意欠陥多動性障害が注意欠陥(Inattention)を主症状とする障害である、請求項24に記載の治療剤。
  26. 注意欠陥多動性障害が多動性(Hyperactivity)を主症状とする障害である、請求項24に記載の治療剤。
  27. 注意欠陥多動性障害が衝動性(impulsivity)を主症状とする障害である、請求項24に記載の治療剤。
  28. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する、自閉症スペクトラム障害の治療剤。
  29. 自閉症スペクトラム障害が社会的コミュニケーションと社会的相互作用の持続的な欠陥を主症状とする障害である、請求項28に記載の治療剤。
  30. 自閉症スペクトラム障害が制限された反復される行動や興味や活動の様式を主症状とする障害である、請求項28に記載の治療剤。
  31. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学上許容される塩の治療上有効な量を、それが必要な患者に投与することを特徴とする、注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、気分障害、および認知機能障害からなる群から選ばれる中枢神経性疾患の治療方法。
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