JPWO2015049949A1 - 自動車の車体構造 - Google Patents

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    • B62D25/00Superstructure or monocoque structure sub-units; Parts or details thereof not otherwise provided for
    • B62D25/04Door pillars ; windshield pillars

Abstract

自動車の車体構造において、センターピラー(12)の車幅方向外面(12a)の上部ヒンジ(24)および下部ヒンジ(25)で挟まれた位置に車幅方向外面に隆起する隆起部(28)を設けたので、側面衝突の衝突荷重でドア(17,19)が車幅方向内側に移動したときに、ドア(17,19)の車幅方向内面が直ちに隆起部(28)に当接して衝突荷重をセンターピラー(12)に伝達する。これにより、衝突初期からセンターピラー(12)に反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。しかも隆起部(28)は上部ヒンジ(24)および下部ヒンジ(25)と干渉しないので、リヤドア(19)の開閉に支障がないだけでなく、上部ヒンジ(24)および下部ヒンジ(25)に集中荷重が作用しなくなるため、その取付部の補強やセンターピラー(12)の板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。

Description

本発明は、センターピラーの車幅方向外面にフロントドアの後端およびリヤドアの前端を対向させるとともに、前記リヤドアの前端を前記車幅方向外面に上部ヒンジおよび下部ヒンジで枢支した自動車の車体構造に関する。
2ドアクーペタイプの炭素繊維強化樹脂製の車体において、アンダーボディの側壁部から起立するセンターピラーの上端と、アンダーボディの側壁部から起立するリヤピラー(リヤウインドシールド用フレーム)の上端とを結合し、三角形状のトラス構造とすることで車体剛性を高めるものが、下記特許文献1により公知である。
また自動車の各ピラーの中程よりも上側部分およびルーフ部を繊維強化樹脂で一体成形した車体上部体と、各ピラーの中程よりも下側部分およびフロア部を金属で構成した車体下部体とを備え、車体上部体のピラーの下端を車体下部体のピラーの上端に嵌合して接着により固定したものが、下記特許文献2により公知である。
日本特許第4811180号公報 日本特開2011−88493号公報
ところで、側面衝突の衝突荷重がセンターピラーの下部に入力したとき、センターピラーが車幅方向内側に変形して車室空間を狭めるのを防止するために、センターピラーの重量増加を最小限に抑えながら衝突エネルギーの吸収量を増加させることが望ましい。センターピラーのエネルギー吸収量を減少させる要因として、フロントドアの後端およびリヤドアの前端と、センターピラーの車幅方向外面との間に形成された空間がある。側面衝突の衝突荷重によりフロントドアやリヤドアが車幅方向内側に変形したとき、前記空間が消滅するまで衝突荷重がセンターピラーに伝達されず、その間はセンターピラーによるエネルギー吸収が行われないため、エネルギーの吸収効率が低下してセンターピラーの変形量が増加することになる。よって、エネルギー吸収効率を高めてセンターピラーの変形を最小限に抑えるには、衝突荷重が入力してから前記空間が詰まってセンターピラーに荷重が伝達されるまでのフロントドアあるいはリヤドアの空走距離を減少させることが望ましい。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、重量の増加を最小限に抑えながら側面衝突の衝突荷重に対するセンターピラーのエネルギー吸収量を増加させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、センターピラーの車幅方向外面にフロントドアの後端およびリヤドアの前端を対向させるとともに、前記リヤドアの前端を前記車幅方向外面に上部ヒンジおよび下部ヒンジで枢支した自動車の車体構造であって、前記センターピラーの車幅方向外面の前記上部ヒンジおよび前記下部ヒンジに挟まれた位置に、前記リヤドアの前端およびフロントドアの後端に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部を設けたことを第1の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1の特徴に加えて、前記隆起部はFRP製の独立した部材であり、前記センターピラーの車幅方向外面に取り付けられることを第2の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1または第2の特徴に加えて、前記センターピラーの車幅方向外面の前記上部ヒンジの上側あるいは前記下部ヒンジの下側に延長隆起部を設けたことを第3の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、前記センターピラーは、FRP製のセンターピラーアッパーと金属製のセンターピラーロアとからなることを第4の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第4の特徴に加えて、前記フロントドアのドアストライカの取付座を前記センターピラーロアの上端から上向きに突設したことを第5の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、センターピラーの車幅方向外面にフロントドアの後端およびリヤドアの前端を対向させるとともに、前記リヤドアの前端を前記車幅方向外面にヒンジで枢支した自動車の車体構造であって、
前記センターピラーの車幅方向外面の前記上部ヒンジおよび前記下部ヒンジに挟まれた位置に、前記リヤドアの前端およびフロントドアの後端に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部を設け、前記隆起部は、金属製の荷重伝達部材であって、前記金属製の荷重伝達部材で前記ヒンジのピラー側ヒンジ半体の少なくとも一部を囲んだことを第6の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第6の特徴に加えて、前記センターピラーは、FRP製のセンターピラーアッパーと金属製のセンターピラーロアとからなることを第7の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第6または第7の特徴に加えて、前記荷重伝達部材は金属板のプレス成形品であり、前記ピラー側ヒンジ半体の取付座を一体に備えることを第8の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第8の特徴に加えて、前記荷重伝達部材は、前記センターピラーの車幅方向外面に固定されるベース部と、前記ベース部の上端を車幅方向外側に折り曲げた上部補強部と、前記ベース部の下端を車幅方向外側に折り曲げた下部補強部と、前記ベース部の側端を車幅方向外側に折り曲げた側部補強部とを備えることを第9の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第6または第7の特徴に加えて、前記荷重伝達部材は金属の鋳造品であり、前記ピラー側ヒンジ半体を一体に備えることを第10の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
尚、実施の形態の上部ヒンジ124および下部ヒンジ125は本発明のヒンジに対応し、実施の形態の前部補強部128dおよび後部補強部128eは本発明の側部補強部に対応し、実施の形態の上部ヒンジ取付座128fおよび下部ヒンジ取付座128gは本発明の取付座に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、センターピラーの車幅方向外面にフロントドアの後端およびリヤドアの前端を対向させるとともに、リヤドアの前端を前記車幅方向外面に上部ヒンジおよび下部ヒンジで枢支する。センターピラーの車幅方向外面の上部ヒンジおよび下部ヒンジに挟まれた位置に、リヤドアの前端およびフロントドアの後端に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部を設けたので、側面衝突の衝突荷重でドアが車幅方向内側に移動したときに、ドアの車幅方向内面が直ちに隆起部に当接して衝突荷重をセンターピラーに伝達するので、衝突荷重がセンターピラーに伝達されるまでのドアの空走距離を減少させ、衝突初期からセンターピラーに反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。しかも隆起部は上部ヒンジおよび下部ヒンジと干渉しない位置に設けられるので、リヤドアの開閉に支障がでないだけでなく、上部ヒンジおよび下部ヒンジに集中荷重が作用しなくなるため、その取付部の補強やセンターピラーの板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。
また本発明の第2の特徴によれば、隆起部はFRP製の独立した部材であり、センターピラーの車幅方向外面に取り付けられるので、既存のセンターピラーに隆起部を後付けすることが可能となり、設計自由度の増加およびコストの削減が可能となる。
また本発明の第3の特徴によれば、センターピラーの車幅方向外面の上部ヒンジの上側あるいは下部ヒンジの下側に延長隆起部を設けたので、下部ヒンジの上側あるいは下部ヒンジの下側におけるドアの空走距離を減少させてエネルギー吸収量を更に増加することができる。
また本発明の第4の特徴によれば、センターピラーは、FRP製のセンターピラーアッパーと金属製のセンターピラーロアとからなるので、大きな衝突荷重が入力する金属製のセンターピラーロアが延性変形することでセンターピラーのエネルギー吸収量が増加する。
また本発明の第5の特徴によれば、フロントドアのドアストライカの取付座をセンターピラーロアの上端から上向きに突設したので、ドアストライカを取り付けるためにセンターピラーロア全体を大型化する必要がなくなり、センターピラーアッパーおよびセンターピラーロアの寸法設定の自由度が増加する。
本発明の第6の特徴によれば、前記センターピラーの車幅方向外面の前記上部ヒンジおよび前記下部ヒンジに挟まれた位置に、前記リヤドアの前端およびフロントドアの後端に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部を設け、前記隆起部は、金属製の荷重伝達部材であって、前記金属製の荷重伝達部材で前記ヒンジのピラー側ヒンジ半体の少なくとも一部を囲んだので、側面衝突の衝突荷重でドアが車幅方向内側に移動したときに、ドアの車幅方向内面が直ちに荷重伝達部材に当接して衝突荷重をセンターピラーに伝達することで、衝突荷重がセンターピラーに伝達されるまでのドアの空走距離を減少させ、衝突初期からセンターピラーに反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。しかも荷重伝達部材が衝突荷重を受けることでピラー側ヒンジ半体に集中荷重が作用しなくなるため、その取付部の補強やセンターピラーの板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。
また本発明の第7の特徴によれば、センターピラーは、FRP製のセンターピラーアッパーと金属製のセンターピラーロアとからなるので、大きな衝突荷重が入力する金属製のセンターピラーロアが延性変形することでセンターピラーのエネルギー吸収量が増加する。
また本発明の第8の特徴によれば、荷重伝達部材は金属板のプレス成形品であり、ピラー側ヒンジ半体の取付座を一体に備えるので、荷重伝達部材を安価に製造できるだけでなく、金属製の取付座にピラー側ヒンジ半体を強固に固定することができる。
また本発明の第9の特徴によれば、荷重伝達部材は、センターピラーの車幅方向外面に固定されるベース部と、ベース部の上端を車幅方向外側に折り曲げた上部補強部と、ベース部の下端を車幅方向外側に折り曲げた下部補強部と、ベース部の側端を車幅方向外側に折り曲げた側部補強部とを備えるので、上部補強部、下部補強部および側部補強部でドアの空走を確実に阻止することができる。
また本発明の第10の特徴によれば、荷重伝達部材は金属の鋳造品であり、ピラー側ヒンジ半体を一体に備えるので、荷重伝達部材およびピラー側ヒンジ半体を一部材で構成して部品点数を削減することができる。
図1は自動車の車体中央部の側面図である。(第1の実施の形態) 図2は図1の2方向矢視図である。(第1の実施の形態) 図3は図1の3−3線断面図である。(第1の実施の形態) 図4は図1の4−4線断面図である。(第1の実施の形態) 図5は図3に対応する図である。(第2の実施の形態) 図6は自動車の車体中央部の側面図である。(第3の実施の形態) 図7は図6の7方向矢視図である。(第3の実施の形態) 図8は図6の8−8線断面図である。(第3の実施の形態) 図9は図6の9−9線断面図である。(第3の実施の形態) 図10は図7に対応する図である。(第4の実施の形態)
12 センターピラー
12a 車幅方向外面
14 センターピラーアッパー
15 センターピラーロア
15e 取付座
15f ドアストライカ
17 フロントドア
17c 後端
19 リヤドア
19c 前端
24 上部ヒンジ
25 下部ヒンジ
28 隆起部
29 延長隆起部
30 延長隆起部
112 センターピラー
112a 車幅方向外面
114 センターピラーアッパー
115 センターピラーロア
117 フロントドア
117c 後端
119 リヤドア
119c 前端
124 上部ヒンジ(ヒンジ)
124a ピラー側ヒンジ半体
125 下部ヒンジ(ヒンジ)
125a ピラー側ヒンジ半体
128 荷重伝達部材(隆起部)
128a ベース部
128b 上部補強部
128c 下部補強部
128d 前部補強部(側部補強部)
128e 後部補強部(側部補強部)
128f 上部ヒンジ取付座(取付座)
128g 下部ヒンジ取付座(取付座)
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態
先ず、図1〜図4に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1は自動車の車体の左側面を示すもので、前後方向に延びる左右一対のサイドシル11,11から左右一対のセンターピラー12,12が起立しており、左右のセンターピラー12,12の上端が左右一対のルーフサイドレール13,13に接続される。センターピラー12は、上端がルーフサイドレール13に接続された上側のセンターピラーアッパー14と、下端がサイドシル11に接続された下側のセンターピラーロア15とからなり、センターピラーアッパー14の下端がセンターピラーロア15の上端に接続される。サイドシル11、ルーフサイドレール13およびセンターピラーアッパー14はCFRP(カーボン繊維強化樹脂)製であり、センターピラーロア15はアルミニウム合金の鋳造製である。
サイドシル11の前部、センターピラー12、ルーフサイドレール13の前部および図示せぬフロントピラーにより囲まれたフロントドア開口16にフロントドア17が配置され、サイドシル11の後部、センターピラー12、ルーフサイドレール13の後部および図示せぬリヤピラーにより囲まれたリヤドア開口18にリヤドア19が配置される。
図1〜図4に示すように、サイドシル11およびフロアパネル20は、車体外側に位置するアウタースキン21および車体内側に位置するインナースキン22をサイドシル11の車幅方向外面において接合フランジ21a,22aで接合して一体に形成されており、フロアパネル20の内部にはアウタースキン21およびインナースキン22間に挟まれた波板状のコア材23が配置される。
アルミニウム合金で鋳造されたセンターピラーロア15は、前面、後面および車幅方向外面が閉塞して車幅方向内面が開放した部材であり、その内部に上下方向に延びる複数の縦リブ15a,15aと、水平方向に延びる複数の横リブ15b…とが形成される。センターピラーロア15の下端には前後方向に延びる溝部15cが形成されており、この溝部15cがサイドシル11の上半部を構成するインナースキン22に上方から嵌合して接着等により固定される。センターピラーロア15の上端には上面が開放する筒状部15dが形成されており、この筒状部15dの外周に筒状のセンターピラーアッパー14の下部の内周が嵌合して接着等により固定される。また筒状部15dの上端から前方を向く板状の取付座15eが上向きに突出しており、この取付座15eの前面にフロントドア17のドアストライカ15fが設けられる。
フロントドア17のアウターパネル17aおよびインナーパネル17bを接続する後端17cと、リヤドア19のアウターパネル19aおよびインナーパネル19bを接続する前端19cとは、センターピラー12の車幅方向外面12aにおいて相互に対向する。
リヤドア19は上部ヒンジ24および下部ヒンジ25でセンターピラー12に開閉自在に枢支され、またフロントドア17も図示せぬ上部ヒンジおよび下部ヒンジで図示せぬフロントピラーに枢支される。リヤドア19の上部ヒンジ24は、センターピラー12の車幅方向外面12aにボルト26,26で固定されるピラー側ヒンジ半体24aと、ボルト27,27でリヤドア19の前面に固定されるドア側ヒンジ半体24bと、ピラー側ヒンジ半体24aおよびドア側ヒンジ半体24bを連結するヒンジピン24cとを備える。同様に、リヤドア19の下部ヒンジ25も、ピラー側ヒンジ半体25a、ドア側ヒンジ半体25bおよびヒンジピン25cを備える。
センターピラー12の車幅方向外面12aには、1個の隆起部28と2個の延長隆起部29,30とが接着により固定される。隆起部28および延長隆起部29,30は何れもCFRPで中空のボックス状に形成された部材であり、その内部にはエネルギー吸収効果を高めるためのハニカム材やリブが配置される。車幅方向外側に略一定の高さで突出する隆起部28は、上部ヒンジ24および下部ヒンジ25に挟まれた位置で、センターピラーアッパー14およびセンターピラーロア15の両方に跨がるように設けられる。また車幅方向外側への突出高さが上方に向かって小さくなる上側の延長隆起部29は上部ヒンジ24の上側に設けられ、車幅方向外側への突出高さが下方に向かって小さくなる下側の延長隆起部30は下部ヒンジ25の下側に設けられる。
次に、上記構成を備えた本発明の第1の実施の形態の作用を説明する。
自動車が側面衝突してセンターピラー12の位置に衝突荷重が入力すると、センターピラー12の車幅方向外面12aを覆うフロントドア17の後端17c部分およびリヤドア19の前端19c部分が車幅方向内側に変形し、センターピラー12の車幅方向外面12aに衝突荷重を伝達する。このとき、フロントドア17の後端17cあるいはリヤドア19の前端19cと、センターピラー12の車幅方向外面12aとの間に空間が存在すると仮定すると、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア17やリヤドア19が車幅方向内側に変形したとき、前記空間が消滅するまで衝突荷重がセンターピラー12に伝達されず、その間はセンターピラー12によるエネルギー吸収が行われないため、エネルギーの吸収効率が低下してセンターピラー12の変形量が増加する可能性がある。
しかしながら、本第1の実施の形態によれば、センターピラー12の車幅方向外面12aに隆起部28および延長隆起部29,30を突設したので、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア17あるいはリヤドア19が車幅方向内側に移動したときに、フロントドア17あるいはリヤドア19の車幅方向内面が直ちに隆起部28および延長隆起部29,30に当接して衝突荷重をセンターピラー12に伝達することで、衝突荷重がセンターピラー12に伝達されるまでのフロントドア17あるいはリヤドア19の空走距離を減少させ、衝突初期からセンターピラー12に反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。
また衝突荷重を隆起部28および延長隆起部29,30で受けることで、上部ヒンジ24および下部ヒンジ25に集中荷重が作用しなくなるため、上部ヒンジ24および下部ヒンジ25の取付部の補強やセンターピラー12の板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。しかも隆起部28および延長隆起部29,30は上部ヒンジ24および下部ヒンジ25と干渉しない位置に設けられるので、リヤドア19の開閉が阻害されることがない。
更に、隆起部28および延長隆起部29,30はCFRP製の独立した部材であり、センターピラー12の車幅方向外面12aに取り付けられるので、既存のセンターピラー12に隆起部28および延長隆起部29,30を後付けすることが可能となり、設計自由度の増加およびコストの削減が可能となる。
またシートベルトの取付部等が設けられるセンターピラー12の下部は比較的に複雑な形状が要求されるため、その部分を成形性が低いCFRP製ではなくアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア15で構成することで、成形性が確保されるとともにCFRP製とするよりも高い延性を得ることができる。従って、センターピラー12の下部に側面衝突の衝突荷重が入力したときに、延性が高いアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア15が延性変形することで、より高いエネルギー吸収効果を発揮することができる。
またフロントドア17のドアストライカ15fの取付座15eをアルミニウム合金の鋳造製のセンターピラーロア15の上端から上向きに突設したので、ドアストライカ15fを取り付けるためにセンターピラーロア15全体を大型化する必要がなくなり、センターピラーアッパー14およびセンターピラーロア15の寸法設定の自由度が増加する。
第2の実施の形態
次に、図5に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、隆起部28および延長隆起部29,30がセンターピラー12と別部材で構成されているが、第2の実施の形態では、隆起部28および延長隆起部29,30がセンターピラー12のセンターピラーアッパー14と一体に形成されている。そのために、センターピラーアッパー14は車幅方向外側部分が下方に延長されてセンターピラーロア15の車幅方向外側部分を覆っており、隆起部28の下半部および下側の延長隆起部30はセンターピラーロア15の車幅方向外側に位置している。
本第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の作用効果に加えて、隆起部28および延長隆起部29,30をセンターピラーアッパー14と一体に形成して部品点数を削減することができる。
以上、本発明の第1および第2の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、第1および第2の実施の形態では隆起部28および上下の延長隆起部29,30を設けているが、上下の延長隆起部29,30は省略可能であり、上下一方の延長隆起部29,30だけを設けることも可能である。
また第1および第2の実施の形態ではセンターピラー12をCFRP製のセンターピラーアッパー14およびアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア15に分割しているが、CFRPに代えてGFRP(ガラス繊維強化樹脂)等の任意のFRPを使用したり、アルミニウム合金の鋳物に代えて鋼板等の任意の金属材料を使用したりすることが可能であり、更にセンターピラー12を一つの材料で構成することも可能である。
また隆起部28および延長隆起部29,30の固定方法は接着に限定されず、任意の方法で固定することができる。
第3の実施の形態
以下、図6〜図9に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
図6は自動車の車体の左側面を示すもので、前後方向に延びる左右一対のサイドシル111,111から左右一対のセンターピラー112,112が起立しており、左右のセンターピラー112,112の上端が左右一対のルーフサイドレール113,113に接続される。センターピラー112は、上端がルーフサイドレール113に接続された上側のセンターピラーアッパー114と、下端がサイドシル111に接続された下側のセンターピラーロア115とからなり、センターピラーアッパー114の下端がセンターピラーロア115の上端に接続される。サイドシル111、ルーフサイドレール113およびセンターピラーアッパー114はCFRP(カーボン繊維強化樹脂)製であり、センターピラーロア115はアルミニウム合金の鋳造製である。
サイドシル111の前部、センターピラー112、ルーフサイドレール113の前部および図示せぬフロントピラーにより囲まれたフロントドア開口116にフロントドア117が配置され、サイドシル111の後部、センターピラー112、ルーフサイドレール113の後部および図示せぬリヤピラーにより囲まれたリヤドア開口118にリヤドア119が配置される。
図6〜図9に示すように、サイドシル111およびフロアパネル120は、車体外側に位置するアウタースキン121および車体内側に位置するインナースキン122をサイドシル111の車幅方向外面において接合フランジ121a,122aで接合して一体に形成されており、フロアパネル120の内部にはアウタースキン121およびインナースキン122間に挟まれた波板状のコア材123が配置される。
アルミニウム合金で鋳造されたセンターピラーロア115は、前面、後面および車幅方向外面が閉塞して車幅方向内面が開放した部材であり、その内部に上下方向に延びる複数の縦リブ115a,115aと、水平方向に延びる複数の横リブ115b…とが形成される。センターピラーロア115の下端には前後方向に延びる溝部115cが形成されており、この溝部115cがサイドシル111の上半部を構成するインナースキン122に上方から嵌合して接着等により固定される。センターピラーロア115の上端には上面が開放する筒状部115dが形成されており、この筒状部115dの外周に筒状のセンターピラーアッパー114の下部の内周が嵌合して接着等により固定される。
フロントドア117のアウターパネル117aおよびインナーパネル117bを接続する後端117cと、リヤドア119のアウターパネル119aおよびインナーパネル119bを接続する前端119cとは、センターピラー112の車幅方向外面112aにおいて相互に対向する。
センターピラー112の車幅方向外面112aに金属板をプレス加工した荷重伝達部材128が固定される。荷重伝達部材128は隆起部を構成し、平板状のベース部128aと、ベース部128aの上端を車幅方向外側に折り曲げた上部補強部128bと、ベース部128aの下端を車幅方向外側に折り曲げた下部補強部128cと、ベース部128aの前端を車幅方向外側に折り曲げた前部補強部128dと、ベース部128aの後端を車幅方向外側に折り曲げた後部補強部128eとを備えており、ベース部128aの上端側であって上部補強部128bの下方に上部ヒンジ取付座128fが形成され、ベース部128aの下端側であって下部補強部128cの上方に下部ヒンジ取付座128gが形成される。後部補強部128eは、その車幅方向外端が前方に折り曲げられ、L字状断面に構成される。
荷重伝達部材128の上部ヒンジ取付座128fおよび下部ヒンジ取付座128gに上部ヒンジ124および下部ヒンジ125が設けられており、これら上部ヒンジ124および下部ヒンジ125でリヤドア119がセンターピラー112に開閉自在に枢支される。またフロントドア117も図示せぬ上部ヒンジおよび下部ヒンジで図示せぬフロントピラーに枢支される。リヤドア119の上部ヒンジ124は、センターピラー112の車幅方向外面112aにボルト126,126で固定されるピラー側ヒンジ半体124aと、ボルト127,127でリヤドア119の前面に固定されるドア側ヒンジ半体124bと、ピラー側ヒンジ半体124aおよびドア側ヒンジ半体124bを連結するヒンジピン124cとを備える。同様に、リヤドア119の下部ヒンジ125も、ピラー側ヒンジ半体125a、ドア側ヒンジ半体125bおよびヒンジピン125cを備える。
フロントドア117およびリヤドア119を閉じた状態で車幅方向に見ると、フロントドア117の後端117cは荷重伝達部材128の上部補強部128bの前半部、下部補強部128cの前半部および前部補強部128dにオーバラップし、またリヤドア119の前端119cは荷重伝達部材128の上部補強部128bの後半部、下部補強部128cの後半部および後部補強部128eにオーバラップする(図9参照)。また上部ヒンジ124のピラー側ヒンジ半体124aは荷重伝達部材128の上部補強部128b、前部補強部128dおよび後部補強部128eにより囲まれるとともに、下部ヒンジ125のピラー側ヒンジ半体125aは荷重伝達部材128の下部補強部128c、前部補強部128dおよび後部補強部128eにより囲まれる。
次に、上記構成を備えた本発明の第3の実施の形態の作用を説明する。
自動車が側面衝突してセンターピラー112の位置に衝突荷重が入力すると、センターピラー112の車幅方向外面112aを覆うフロントドア117の後端117c部分およびリヤドア119の前端119c部分が車幅方向内側に変形し、センターピラー112の車幅方向外面112aに衝突荷重を伝達する。このとき、フロントドア117の後端117cあるいはリヤドア119の前端119cと、センターピラー112の車幅方向外面112aとの間に空間が存在すると仮定すると、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア117やリヤドア119が車幅方向内側に変形したとき、前記空間が消滅するまで衝突荷重がセンターピラー112に伝達されず、その間はセンターピラー112によるエネルギー吸収が行われないため、エネルギーの吸収効率が低下してセンターピラー112の変形量が増加する可能性がある。
しかしながら、本第3の実施の形態によれば、センターピラー112の車幅方向外面112aに荷重伝達部材128を設けたので、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア117あるいはリヤドア119が車幅方向内側に移動したときに、フロントドア117あるいはリヤドア119の車幅方向内面が直ちに荷重伝達部材128の上部補強部128b、下部補強部128c、前部補強部128dおよび後部補強部128eに当接して衝突荷重をセンターピラー112に伝達することで、衝突荷重がセンターピラー112に伝達されるまでのフロントドア117あるいはリヤドア119の空走距離を減少させ、衝突初期からセンターピラー112に反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。
また衝突荷重を荷重伝達部材128で受けることで、上部ヒンジ124および下部ヒンジ125に集中荷重が作用しなくなるため、上部ヒンジ124および下部ヒンジ125の取付部の補強やセンターピラー112の板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。
更に、荷重伝達部材128は金属製の独立した部材であり、センターピラー112の車幅方向外面112aに取り付けられるので、既存のセンターピラー112に荷重伝達部材128を後付けすることが可能となり、設計自由度の増加およびコストの削減が可能となる。しかも荷重伝達部材128は金属プレス製品なので安価に製造できるだけでなく、上部ヒンジ取付座128fおよび下部ヒンジ取付座128gを一体に備えるのでピラー側ヒンジ半体124a,125aを強固に固定することができる。
またシートベルトの取付部等が設けられるセンターピラー112の下部は比較的に複雑な形状が要求されるため、その部分を成形性が低いCFRP製ではなくアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア115で構成することで、成形性が確保されるとともにCFRP製とするよりも高い延性を得ることができる。従って、センターピラー112の下部に側面衝突の衝突荷重が入力したときに、延性が高いアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア115が延性変形することで、より高いエネルギー吸収効果を発揮することができる。
第4の実施の形態
次に、図10に基づいて本発明の第4の実施の形態を説明する。
前記第3の実施の形態の荷重伝達部材128は板金プレス製であるが、第4の実施の形態の荷重伝達部材128はアルミニウム鋳造製であって隆起部を構成し、しかも荷重伝達部材128の上端および下端にピラー側ヒンジ半体124a,125aが一体に形成される。
本第4の実施の形態によれば、荷重伝達部材128をアルミニウム鋳造製としたことで強度が更に高まるだけでなく、荷重伝達部材128およびピラー側ヒンジ半体124a,125aを一部材で構成して部品点数を削減することができる。
以上、本発明の第3および第4の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、荷重伝達部材128の材質や形状は実施の形態に限定されるものではない。
また実施の形態ではセンターピラー112をCFRP製のセンターピラーアッパー114およびアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア115に分割しているが、CFRPに代えてGFRP(ガラス繊維強化樹脂)等の任意のFRPを使用したり、アルミニウム合金の鋳物に代えて鋼板等の任意の金属材料を使用したりすることが可能であり、更にセンターピラー112を一つの材料で構成することも可能である。
本発明は、センターピラーの車幅方向外面にフロントドアの後端およびリヤドアの前端を対向させるとともに、前記リヤドアの前端を前記車幅方向外面に上部ヒンジおよび下部ヒンジで枢支した自動車の車体構造に関する。
2ドアクーペタイプの炭素繊維強化樹脂製の車体において、アンダーボディの側壁部から起立するセンターピラーの上端と、アンダーボディの側壁部から起立するリヤピラー(リヤウインドシールド用フレーム)の上端とを結合し、三角形状のトラス構造とすることで車体剛性を高めるものが、下記特許文献1により公知である。
また自動車の各ピラーの中程よりも上側部分およびルーフ部を繊維強化樹脂で一体成形した車体上部体と、各ピラーの中程よりも下側部分およびフロア部を金属で構成した車体下部体とを備え、車体上部体のピラーの下端を車体下部体のピラーの上端に嵌合して接着により固定したものが、下記特許文献2により公知である。
日本特許第4811180号公報 日本特開2011−88493号公報
ところで、側面衝突の衝突荷重がセンターピラーの下部に入力したとき、センターピラーが車幅方向内側に変形して車室空間を狭めるのを防止するために、センターピラーの重量増加を最小限に抑えながら衝突エネルギーの吸収量を増加させることが望ましい。センターピラーのエネルギー吸収量を減少させる要因として、フロントドアの後端およびリヤドアの前端と、センターピラーの車幅方向外面との間に形成された空間がある。側面衝突の衝突荷重によりフロントドアやリヤドアが車幅方向内側に変形したとき、前記空間が消滅するまで衝突荷重がセンターピラーに伝達されず、その間はセンターピラーによるエネルギー吸収が行われないため、エネルギーの吸収効率が低下してセンターピラーの変形量が増加することになる。よって、エネルギー吸収効率を高めてセンターピラーの変形を最小限に抑えるには、衝突荷重が入力してから前記空間が詰まってセンターピラーに荷重が伝達されるまでのフロントドアあるいはリヤドアの空走距離を減少させることが望ましい。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、重量の増加を最小限に抑えながら側面衝突の衝突荷重に対するセンターピラーのエネルギー吸収量を増加させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、センターピラーの車幅方向外面にフロントドアの後端およびリヤドアの前端を対向させるとともに、前記リヤドアの前端を前記車幅方向外面にヒンジで枢支した自動車の車体構造であって、
前記センターピラーの車幅方向外面の前記上部ヒンジおよび前記下部ヒンジに挟まれた位置に、前記リヤドアの前端およびフロントドアの後端に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部を設け、前記隆起部は、金属製の荷重伝達部材であって、前記金属製の荷重伝達部材で前記ヒンジのピラー側ヒンジ半体の少なくとも一部を囲んだことを第の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第の特徴に加えて、前記センターピラーは、FRP製のセンターピラーアッパーと金属製のセンターピラーロアとからなることを第の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第または第の特徴に加えて、前記荷重伝達部材は金属板のプレス成形品であり、前記ピラー側ヒンジ半体の取付座を一体に備えることを第の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第の特徴に加えて、前記荷重伝達部材は、前記センターピラーの車幅方向外面に固定されるベース部と、前記ベース部の上端を車幅方向外側に折り曲げた上部補強部と、前記ベース部の下端を車幅方向外側に折り曲げた下部補強部と、前記ベース部の側端を車幅方向外側に折り曲げた側部補強部とを備えることを第の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また本発明によれば、前記第または第の特徴に加えて、前記荷重伝達部材は金属の鋳造品であり、前記ピラー側ヒンジ半体を一体に備えることを第の特徴とする自動車の車体構造が提案される。
尚、実施の形態の上部ヒンジ124および下部ヒンジ125は本発明のヒンジに対応し、実施の形態の前部補強部128dおよび後部補強部128eは本発明の側部補強部に対応し、実施の形態の上部ヒンジ取付座128fおよび下部ヒンジ取付座128gは本発明の取付座に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、センターピラーの車幅方向外面にフロントドアの後端およびリヤドアの前端を対向させるとともに、リヤドアの前端を前記車幅方向外面に上部ヒンジおよび下部ヒンジで枢支する。センターピラーの車幅方向外面の上部ヒンジおよび下部ヒンジに挟まれた位置に、リヤドアの前端およびフロントドアの後端に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部を設け、前記隆起部は、金属製の荷重伝達部材であって、前記金属製の荷重伝達部材で前記ヒンジのピラー側ヒンジ半体の少なくとも一部を囲んだので、側面衝突の衝突荷重でドアが車幅方向内側に移動したときに、ドアの車幅方向内面が直ちに荷重伝達部材に当接して衝突荷重をセンターピラーに伝達することで、衝突荷重がセンターピラーに伝達されるまでのドアの空走距離を減少させ、衝突初期からセンターピラーに反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。しかも荷重伝達部材が衝突荷重を受けることでピラー側ヒンジ半体に集中荷重が作用しなくなるため、その取付部の補強やセンターピラーの板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。
また本発明の第の特徴によれば、センターピラーは、FRP製のセンターピラーアッパーと金属製のセンターピラーロアとからなるので、大きな衝突荷重が入力する金属製のセンターピラーロアが延性変形することでセンターピラーのエネルギー吸収量が増加する。
また本発明の第の特徴によれば、荷重伝達部材は金属板のプレス成形品であり、ピラー側ヒンジ半体の取付座を一体に備えるので、荷重伝達部材を安価に製造できるだけでなく、金属製の取付座にピラー側ヒンジ半体を強固に固定することができる。
また本発明の第の特徴によれば、荷重伝達部材は、センターピラーの車幅方向外面に固定されるベース部と、ベース部の上端を車幅方向外側に折り曲げた上部補強部と、ベース部の下端を車幅方向外側に折り曲げた下部補強部と、ベース部の側端を車幅方向外側に折り曲げた側部補強部とを備えるので、上部補強部、下部補強部および側部補強部でドアの空走を確実に阻止することができる。
また本発明の第の特徴によれば、荷重伝達部材は金属の鋳造品であり、ピラー側ヒンジ半体を一体に備えるので、荷重伝達部材およびピラー側ヒンジ半体を一部材で構成して部品点数を削減することができる。
図1は自動車の車体中央部の側面図である。(第1の参考形態) 図2は図1の2方向矢視図である。(第1の参考形態) 図3は図1の3−3線断面図である。(第1の参考形態) 図4は図1の4−4線断面図である。(第1の参考形態) 図5は図3に対応する図である。(第2の参考形態) 図6は自動車の車体中央部の側面図である。(第の実施の形態) 図7は図6の7方向矢視図である。(第の実施の形態) 図8は図6の8−8線断面図である。(第の実施の形態) 図9は図6の9−9線断面図である。(第の実施の形態) 図10は図7に対応する図である。(第の実施の形態)
12 センターピラー
112a 車幅方向外面
114 センターピラーアッパー
115 センターピラーロア
117 フロントドア
117c 後端
119 リヤドア
119c 前端
124 上部ヒンジ(ヒンジ)
124a ピラー側ヒンジ半体
125 下部ヒンジ(ヒンジ)
125a ピラー側ヒンジ半体
128 荷重伝達部材(隆起部)
128a ベース部
128b 上部補強部
128c 下部補強部
128d 前部補強部(側部補強部)
128e 後部補強部(側部補強部)
128f 上部ヒンジ取付座(取付座)
128g 下部ヒンジ取付座(取付座)
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態および参考形態を説明する。
第1の参考形態
先ず、図1〜図4に基づいて本発明の第1の参考形態を説明する。
尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1は自動車の車体の左側面を示すもので、前後方向に延びる左右一対のサイドシル11,11から左右一対のセンターピラー12,12が起立しており、左右のセンターピラー12,12の上端が左右一対のルーフサイドレール13,13に接続される。センターピラー12は、上端がルーフサイドレール13に接続された上側のセンターピラーアッパー14と、下端がサイドシル11に接続された下側のセンターピラーロア15とからなり、センターピラーアッパー14の下端がセンターピラーロア15の上端に接続される。サイドシル11、ルーフサイドレール13およびセンターピラーアッパー14はCFRP(カーボン繊維強化樹脂)製であり、センターピラーロア15はアルミニウム合金の鋳造製である。
サイドシル11の前部、センターピラー12、ルーフサイドレール13の前部および図示せぬフロントピラーにより囲まれたフロントドア開口16にフロントドア17が配置され、サイドシル11の後部、センターピラー12、ルーフサイドレール13の後部および図示せぬリヤピラーにより囲まれたリヤドア開口18にリヤドア19が配置される。
図1〜図4に示すように、サイドシル11およびフロアパネル20は、車体外側に位置するアウタースキン21および車体内側に位置するインナースキン22をサイドシル11の車幅方向外面において接合フランジ21a,22aで接合して一体に形成されており、フロアパネル20の内部にはアウタースキン21およびインナースキン22間に挟まれた波板状のコア材23が配置される。
アルミニウム合金で鋳造されたセンターピラーロア15は、前面、後面および車幅方向外面が閉塞して車幅方向内面が開放した部材であり、その内部に上下方向に延びる複数の縦リブ15a,15aと、水平方向に延びる複数の横リブ15b…とが形成される。センターピラーロア15の下端には前後方向に延びる溝部15cが形成されており、この溝部15cがサイドシル11の上半部を構成するインナースキン22に上方から嵌合して接着等により固定される。センターピラーロア15の上端には上面が開放する筒状部15dが形成されており、この筒状部15dの外周に筒状のセンターピラーアッパー14の下部の内周が嵌合して接着等により固定される。また筒状部15dの上端には前方を向く板状の取付座15eが形成されており、この取付座15eの前面にフロントドア17のドアストライカ15fが設けられる。
フロントドア17のアウターパネル17aおよびインナーパネル17bを接続する後端17cと、リヤドア19のアウターパネル19aおよびインナーパネル19bを接続する前端19cとは、センターピラー12の車幅方向外面12aにおいて相互に対向する。
リヤドア19は上部ヒンジ24および下部ヒンジ25でセンターピラー12に開閉自在に枢支され、またフロントドア17も図示せぬ上部ヒンジおよび下部ヒンジで図示せぬフロントピラーに枢支される。リヤドア19の上部ヒンジ24は、センターピラー12の車幅方向外面12aにボルト26,26で固定されるピラー側ヒンジ半体24aと、ボルト27,27でリヤドア19の前面に固定されるドア側ヒンジ半体24bと、ピラー側ヒンジ半体24aおよびドア側ヒンジ半体24bを連結するヒンジピン24cとを備える。同様に、リヤドア19の下部ヒンジ25も、ピラー側ヒンジ半体25a、ドア側ヒンジ半体25bおよびヒンジピン25cを備える。
センターピラー12の車幅方向外面12aには、1個の隆起部28と2個の延長隆起部29,30とが接着により固定される。隆起部28および延長隆起部29,30は何れもCFRPで中空のボックス状に形成された部材であり、その内部にはエネルギー吸収効果を高めるためのハニカム材やリブが配置される。車幅方向外側に略一定の高さで突出する隆起部28は、上部ヒンジ24および下部ヒンジ25に挟まれた位置で、センターピラーアッパー14およびセンターピラーロア15の両方に跨がるように設けられる。また車幅方向外側への突出高さが上方に向かって小さくなる上側の延長隆起部29は上部ヒンジ24の上側に設けられ、車幅方向外側への突出高さが下方に向かって小さくなる下側の延長隆起部30は下部ヒンジ25の下側に設けられる。
次に、上記構成を備えた本発明の第1の参考形態の作用を説明する。
自動車が側面衝突してセンターピラー12の位置に衝突荷重が入力すると、センターピラー12の車幅方向外面12aを覆うフロントドア17の後端17c部分およびリヤドア19の前端19c部分が車幅方向内側に変形し、センターピラー12の車幅方向外面12aに衝突荷重を伝達する。このとき、フロントドア17の後端17cあるいはリヤドア19の前端19cと、センターピラー12の車幅方向外面12aとの間に空間が存在すると仮定すると、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア17やリヤドア19が車幅方向内側に変形したとき、前記空間が消滅するまで衝突荷重がセンターピラー12に伝達されず、その間はセンターピラー12によるエネルギー吸収が行われないため、エネルギーの吸収効率が低下してセンターピラー12の変形量が増加する可能性がある。
しかしながら、本第1の参考形態によれば、センターピラー12の車幅方向外面12aに隆起部28および延長隆起部29,30を突設したので、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア17あるいはリヤドア19が車幅方向内側に移動したときに、フロントドア17あるいはリヤドア19の車幅方向内面が直ちに隆起部28および延長隆起部29,30に当接して衝突荷重をセンターピラー12に伝達することで、衝突荷重がセンターピラー12に伝達されるまでのフロントドア17あるいはリヤドア19の空走距離を減少させ、衝突初期からセンターピラー12に反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。
また衝突荷重を隆起部28および延長隆起部29,30で受けることで、上部ヒンジ24および下部ヒンジ25に集中荷重が作用しなくなるため、上部ヒンジ24および下部ヒンジ25の取付部の補強やセンターピラー12の板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。しかも隆起部28および延長隆起部29,30は上部ヒンジ24および下部ヒンジ25と干渉しない位置に設けられるので、リヤドア19の開閉が阻害されることがない。
更に、隆起部28および延長隆起部29,30はCFRP製の独立した部材であり、センターピラー12の車幅方向外面12aに取り付けられるので、既存のセンターピラー12に隆起部28および延長隆起部29,30を後付けすることが可能となり、設計自由度の増加およびコストの削減が可能となる。
またシートベルトの取付部等が設けられるセンターピラー12の下部は比較的に複雑な形状が要求されるため、その部分を成形性が低いCFRP製ではなくアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア15で構成することで、成形性が確保されるとともにCFRP製とするよりも高い延性を得ることができる。従って、センターピラー12の下部に側面衝突の衝突荷重が入力したときに、延性が高いアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア15が延性変形することで、より高いエネルギー吸収効果を発揮することができる。
またフロントドア17のドアストライカ15fの取付座15eをアルミニウム合金の鋳造製のセンターピラーロア15の上端に形成したので、ドアストライカ15fを取り付けるためにセンターピラーロア15全体を大型化する必要がなくなり、センターピラーアッパー14およびセンターピラーロア15の寸法設定の自由度が増加する。
第2の参考形態
次に、図5に基づいて本発明の第2の参考形態を説明する。
第1の参考形態では、隆起部28および延長隆起部29,30がセンターピラー12と別部材で構成されているが、第2の参考形態では、隆起部28および延長隆起部29,30がセンターピラー12のセンターピラーアッパー14と一体に形成されている。そのために、センターピラーアッパー14は車幅方向外側部分が下方に延長されてセンターピラーロア15の車幅方向外側部分を覆っており、隆起部28の下半部および下側の延長隆起部30はセンターピラーロア15の車幅方向外側に位置している。
本第2の参考形態によれば、第1の参考形態の作用効果に加えて、隆起部28および延長隆起部29,30をセンターピラーアッパー14と一体に形成して部品点数を削減することができる。
なお、第1および第2の参考形態では隆起部28および上下の延長隆起部29,30を設けているが、上下の延長隆起部29,30は省略可能であり、上下一方の延長隆起部29,30だけを設けることも可能である。
また第1および第2の参考形態ではセンターピラー12をCFRP製のセンターピラーアッパー14およびアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア15に分割しているが、CFRPに代えてGFRP(ガラス繊維強化樹脂)等の任意のFRPを使用したり、アルミニウム合金の鋳物に代えて鋼板等の任意の金属材料を使用したりすることが可能であり、更にセンターピラー12を一つの材料で構成することも可能である。
また隆起部28および延長隆起部29,30の固定方法は接着に限定されず、任意の方法で固定することができる。
第1の実施の形態
以下、図6〜図9に基づいて本発明の第の実施の形態を説明する。
図6は自動車の車体の左側面を示すもので、前後方向に延びる左右一対のサイドシル111,111から左右一対のセンターピラー112,112が起立しており、左右のセンターピラー112,112の上端が左右一対のルーフサイドレール113,113に接続される。センターピラー112は、上端がルーフサイドレール113に接続された上側のセンターピラーアッパー114と、下端がサイドシル111に接続された下側のセンターピラーロア115とからなり、センターピラーアッパー114の下端がセンターピラーロア115の上端に接続される。サイドシル111、ルーフサイドレール113およびセンターピラーアッパー114はCFRP(カーボン繊維強化樹脂)製であり、センターピラーロア115はアルミニウム合金の鋳造製である。
サイドシル111の前部、センターピラー112、ルーフサイドレール113の前部および図示せぬフロントピラーにより囲まれたフロントドア開口116にフロントドア117が配置され、サイドシル111の後部、センターピラー112、ルーフサイドレール113の後部および図示せぬリヤピラーにより囲まれたリヤドア開口118にリヤドア119が配置される。
図6〜図9に示すように、サイドシル111およびフロアパネル120は、車体外側に位置するアウタースキン121および車体内側に位置するインナースキン122をサイドシル111の車幅方向外面において接合フランジ121a,122aで接合して一体に形成されており、フロアパネル120の内部にはアウタースキン121およびインナースキン122間に挟まれた波板状のコア材123が配置される。
アルミニウム合金で鋳造されたセンターピラーロア115は、前面、後面および車幅方向外面が閉塞して車幅方向内面が開放した部材であり、その内部に上下方向に延びる複数の縦リブ115a,115aと、水平方向に延びる複数の横リブ115b…とが形成される。センターピラーロア115の下端には前後方向に延びる溝部115cが形成されており、この溝部115cがサイドシル111の上半部を構成するインナースキン122に上方から嵌合して接着等により固定される。センターピラーロア115の上端には上面が開放する筒状部115dが形成されており、この筒状部115dの外周に筒状のセンターピラーアッパー114の下部の内周が嵌合して接着等により固定される。
フロントドア117のアウターパネル117aおよびインナーパネル117bを接続する後端117cと、リヤドア119のアウターパネル119aおよびインナーパネル119bを接続する前端119cとは、センターピラー112の車幅方向外面112aにおいて相互に対向する。
センターピラー112の車幅方向外面112aに金属板をプレス加工した荷重伝達部材128が固定される。荷重伝達部材128は隆起部を構成し、平板状のベース部128aと、ベース部128aの上端を車幅方向外側に折り曲げた上部補強部128bと、ベース部128aの下端を車幅方向外側に折り曲げた下部補強部128cと、ベース部128aの前端を車幅方向外側に折り曲げた前部補強部128dと、ベース部128aの後端を車幅方向外側に折り曲げた後部補強部128eとを備えており、ベース部128aの上端側であって上部補強部128bの下方に上部ヒンジ取付座128fが形成され、ベース部128aの下端側であって下部補強部128cの上方に下部ヒンジ取付座128gが形成される。後部補強部128eは、その車幅方向外端が前方に折り曲げられ、L字状断面に構成される。
荷重伝達部材128の上部ヒンジ取付座128fおよび下部ヒンジ取付座128gに上部ヒンジ124および下部ヒンジ125が設けられており、これら上部ヒンジ124および下部ヒンジ125でリヤドア119がセンターピラー112に開閉自在に枢支される。またフロントドア117も図示せぬ上部ヒンジおよび下部ヒンジで図示せぬフロントピラーに枢支される。リヤドア119の上部ヒンジ124は、センターピラー112の車幅方向外面112aにボルト126,126で固定されるピラー側ヒンジ半体124aと、ボルト127,127でリヤドア119の前面に固定されるドア側ヒンジ半体124bと、ピラー側ヒンジ半体124aおよびドア側ヒンジ半体124bを連結するヒンジピン124cとを備える。同様に、リヤドア119の下部ヒンジ125も、ピラー側ヒンジ半体125a、ドア側ヒンジ半体125bおよびヒンジピン125cを備える。
フロントドア117およびリヤドア119を閉じた状態で車幅方向に見ると、フロントドア117の後端117cは荷重伝達部材128の上部補強部128bの前半部、下部補強部128cの前半部および前部補強部128dにオーバラップし、またリヤドア119の前端119cは荷重伝達部材128の上部補強部128bの後半部、下部補強部128cの後半部および後部補強部128eにオーバラップする(図9参照)。また上部ヒンジ124のピラー側ヒンジ半体124aは荷重伝達部材128の上部補強部128b、前部補強部128dおよび後部補強部128eにより囲まれるとともに、下部ヒンジ125のピラー側ヒンジ半体125aは荷重伝達部材128の下部補強部128c、前部補強部128dおよび後部補強部128eにより囲まれる。
次に、上記構成を備えた本発明の第の実施の形態の作用を説明する。
自動車が側面衝突してセンターピラー112の位置に衝突荷重が入力すると、センターピラー112の車幅方向外面112aを覆うフロントドア117の後端117c部分およびリヤドア119の前端119c部分が車幅方向内側に変形し、センターピラー112の車幅方向外面112aに衝突荷重を伝達する。このとき、フロントドア117の後端117cあるいはリヤドア119の前端119cと、センターピラー112の車幅方向外面112aとの間に空間が存在すると仮定すると、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア117やリヤドア119が車幅方向内側に変形したとき、前記空間が消滅するまで衝突荷重がセンターピラー112に伝達されず、その間はセンターピラー112によるエネルギー吸収が行われないため、エネルギーの吸収効率が低下してセンターピラー112の変形量が増加する可能性がある。
しかしながら、本第の実施の形態によれば、センターピラー112の車幅方向外面112aに荷重伝達部材128を設けたので、側面衝突の衝突荷重によりフロントドア117あるいはリヤドア119が車幅方向内側に移動したときに、フロントドア117あるいはリヤドア119の車幅方向内面が直ちに荷重伝達部材128の上部補強部128b、下部補強部128c、前部補強部128dおよび後部補強部128eに当接して衝突荷重をセンターピラー112に伝達することで、衝突荷重がセンターピラー112に伝達されるまでのフロントドア117あるいはリヤドア119の空走距離を減少させ、衝突初期からセンターピラー112に反力を発生させてエネルギー吸収量を増加させることができる。
また衝突荷重を荷重伝達部材128で受けることで、上部ヒンジ124および下部ヒンジ125に集中荷重が作用しなくなるため、上部ヒンジ124および下部ヒンジ125の取付部の補強やセンターピラー112の板厚増加が不要になって軽量化に寄与することができる。
更に、荷重伝達部材128は金属製の独立した部材であり、センターピラー112の車幅方向外面112aに取り付けられるので、既存のセンターピラー112に荷重伝達部材128を後付けすることが可能となり、設計自由度の増加およびコストの削減が可能となる。しかも荷重伝達部材128は金属プレス製品なので安価に製造できるだけでなく、上部ヒンジ取付座128fおよび下部ヒンジ取付座128gを一体に備えるのでピラー側ヒンジ半体124a,125aを強固に固定することができる。
またシートベルトの取付部等が設けられるセンターピラー112の下部は比較的に複雑な形状が要求されるため、その部分を成形性が低いCFRP製ではなくアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア115で構成することで、成形性が確保されるとともにCFRP製とするよりも高い延性を得ることができる。従って、センターピラー112の下部に側面衝突の衝突荷重が入力したときに、延性が高いアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア115が延性変形することで、より高いエネルギー吸収効果を発揮することができる。
第2の実施の形態
次に、図10に基づいて本発明の第の実施の形態を説明する。
前記第の実施の形態の荷重伝達部材128は板金プレス製であるが、第の実施の形態の荷重伝達部材128はアルミニウム鋳造製であって隆起部を構成し、しかも荷重伝達部材128の上端および下端にピラー側ヒンジ半体124a,125aが一体に形成される。
本第の実施の形態によれば、荷重伝達部材128をアルミニウム鋳造製としたことで強度が更に高まるだけでなく、荷重伝達部材128およびピラー側ヒンジ半体124a,125aを一部材で構成して部品点数を削減することができる。
以上、本発明の第および第の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、荷重伝達部材128の材質や形状は実施の形態に限定されるものではない。
また実施の形態ではセンターピラー112をCFRP製のセンターピラーアッパー114およびアルミニウム合金の鋳物製のセンターピラーロア115に分割しているが、CFRPに代えてGFRP(ガラス繊維強化樹脂)等の任意のFRPを使用したり、アルミニウム合金の鋳物に代えて鋼板等の任意の金属材料を使用したりすることが可能であり、更にセンターピラー112を一つの材料で構成することも可能である。

Claims (10)

  1. センターピラー(12)の車幅方向外面(12a)にフロントドア(17)の後端(17c)およびリヤドア(19)の前端(19c)を対向させるとともに、前記リヤドア(19)の前端(19c)を前記車幅方向外面(12a)に上部ヒンジ(24)および下部ヒンジ(25)で枢支した自動車の車体構造であって、
    前記センターピラー(12)の車幅方向外面(12a)の前記上部ヒンジ(24)および前記下部ヒンジ(25)に挟まれた位置に、前記リヤドア(19)の前端(19c)およびフロントドア(17)の後端(17c)に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部(28)を設けたことを特徴とする自動車の車体構造。
  2. 前記隆起部(28)はFRP製の独立した部材であり、前記センターピラー(12)の車幅方向外面(12a)に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 前記センターピラー(12)の車幅方向外面(12a)の前記上部ヒンジ(24)の上側あるいは前記下部ヒンジ(25)の下側に延長隆起部(29,30)を設けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の車体構造。
  4. 前記センターピラー(12)は、FRP製のセンターピラーアッパー(14)と金属製のセンターピラーロア(15)とからなることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  5. 前記フロントドア(17)のドアストライカ(15f)の取付座(15e)を前記センターピラーロア(15)の上端から上向きに突設したことを特徴とする、請求項4に記載の自動車の車体構造。
  6. センターピラー(112)の車幅方向外面(112a)にフロントドア(117)の後端(117c)およびリヤドア(119)の前端(119c)を対向させるとともに、前記リヤドア(119)の前端(119c)を前記車幅方向外面(112a)にヒンジ(124,125)で枢支した自動車の車体構造であって、
    前記センターピラー(112)の車幅方向外面(112a)の前記上部ヒンジ(124)および前記下部ヒンジ(125)に挟まれた位置に、前記リヤドア(119)の前端(19c)およびフロントドア(117)の後端(117c)に向かって車幅方向外側に隆起する隆起部(128)を設け、前記隆起部(128)は、金属製の荷重伝達部材であって、前記金属製の荷重伝達部材(128)で前記ヒンジ(124,125)のピラー側ヒンジ半体(124a,125a)の少なくとも一部を囲んだことを特徴とする、自動車の車体構造。
  7. 前記センターピラー(112)は、FRP製のセンターピラーアッパー(114)と金属製のセンターピラーロア(115)とからなることを特徴とする、請求項6に記載の自動車の車体構造。
  8. 前記荷重伝達部材(128)は金属板のプレス成形品であり、前記ピラー側ヒンジ半体(124a,125a)の取付座(128f,128g)を一体に備えることを特徴とする、請求項6または7に記載の自動車の車体構造。
  9. 前記荷重伝達部材(128)は、前記センターピラー(112)の車幅方向外面(112g)に固定されるベース部(128a)と、前記ベース部(128a)の上端を車幅方向外側に折り曲げた上部補強部(128b)と、前記ベース部(128a)の下端を車幅方向外側に折り曲げた下部補強部(128c)と、前記ベース部(128a)の側端を車幅方向外側に折り曲げた側部補強部(128d,128e)とを備えることを特徴とする、請求項8に記載の自動車の車体構造。
  10. 前記荷重伝達部材(128)は金属の鋳造品であり、前記ピラー側ヒンジ半体(124a,125a)を一体に備えることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の自動車の車体構造。
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