JPWO2015045683A1 - 撮像装置及び合焦制御方法 - Google Patents

撮像装置及び合焦制御方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、移動する被写体に合焦し続ける場合に使用する動体予測における演算量を減らしながら、動体予測精度を向上させることのできる撮像装置及び合焦制御方法を提供する。システム制御部(11)は、1フレーム目の撮像処理と2フレーム目の撮像処理で得た被写体距離の情報から3フレーム目の撮像処理における被写体距離を予測し、予測した被写体距離に対する誤差を、算出されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差の情報から求め、被写体距離の誤差が大きい場合には、予測した被写体距離に基づくフォーカス制御ではなく、予測したフォーカスレンズ位置に基づくレンズ駆動を行う。

Description

本発明は、撮像装置及び合焦制御方法に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン等の携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant,携帯情報端末)等の撮影機能を有する情報機器の需要が急増している。なお、以上のような撮像機能を有する情報機器を撮像装置と称する。
これら撮像装置では、主要な被写体に焦点を合わせる合焦制御方法として、コントラストAF(Auto Focus、自動合焦)方式や位相差AF方式が採用されている。
また、移動する被写体にレンズ駆動を追従させるモードを備える撮像装置も知られている。例えば特許文献1には、過去複数回に求めた像面位置の情報から将来の像面位置を予測し、次の露光時に、該予測した像面位置と撮像素子の受光面とが一致するようにレンズ駆動を行う撮像装置が記載されている。
特開2001−21794号公報
物体からレンズの主点までの距離(被写体距離)をbとし、レンズの主点から該物体の結像面までの距離(像面距離)をaとし、レンズの主点とレンズの焦点の距離(焦点距離)をfとすると、(1/a)+(1/b)=(1/f)・・・(1)が成り立つ。
式(1)の両辺にabfを乗じると、af+bf=ab・・・(2)となる。
ここで、レンズの焦点と結像面とのズレ量を像ズレ量a’とすると、a=f+a’・・・(3)の関係が成り立つ。
式(2)に式(3)を代入して整理すると、a’(f−b)=−f・・・(4)となる。
式(4)において、被写体距離が十分に大きいと仮定して(f−b)を−bで近似すると、a’=f/b・・・(5)となる。
式(5)に式(3)を代入して整理すると、a=(f/b)+f・・・(6)となる。
このように、式(6)から、像面距離aは被写体距離とは逆数の関係にあることが分かる。このため、等速で遠近方向に移動する被写体をその被写体の結像面で観測すると、被写体位置毎の像面距離aの間隔は均等にはならない。したがって、像面距離aを正確に予測するには、特許文献1に記載されたような多項式の予測式を利用する必要があるが、これでは演算量が多くなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、移動する被写体に合焦し続ける場合に使用する動体予測における演算量を減らしながら、動体予測精度を向上させることのできる撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、フォーカスレンズを含む撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置であって、上記撮像素子は、上記撮像光学系の瞳領域の異なる部分を通過した一対の光束の一方に応じた信号を検出する第1の信号検出部と、上記一対の光束の他方に応じた信号を検出する第2の信号検出部とを含み、上記フォーカスレンズを駆動して、主要被写体に合焦させる合焦制御を行う合焦制御部と、上記撮像素子により行われる撮像によって得られる上記第1の信号検出部の検出信号及び上記第2の信号検出部の検出信号の相関演算の結果に基づいて、主要被写体が結像される結像面と上記撮像素子の受光面とが一致する上記フォーカスレンズの位置であるフォーカスレンズ位置を求めるフォーカスレンズ位置生成部と、上記フォーカスレンズ位置生成部によって求められたフォーカスレンズ位置を、主要被写体と上記フォーカスレンズとの距離である被写体距離に換算する被写体距離換算部と、上記被写体距離換算部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記被写体距離から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における被写体距離を予測する被写体距離予測部と、上記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における上記フォーカスレンズ位置を予測するフォーカスレンズ位置予測部と、上記フォーカスレンズ位置生成部によって生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差の情報を取得する最大誤差情報取得部と、を備え、上記合焦制御部は、上記最後の撮像の次に行う撮像の前に行う合焦制御として、上記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置と上記最大誤差の情報とに基づき、上記レンズ位置予測部によって予測されたフォーカスレンズ位置にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第一の合焦制御と、上記被写体距離予測部によって予測された被写体距離にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第二の合焦制御のいずれかを選択するものである。
本発明の合焦制御方法は、フォーカスレンズを含む撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置における合焦制御方法であって、上記撮像素子は、上記撮像光学系の瞳領域の異なる部分を通過した一対の光束の一方に応じた信号を検出する第1の信号検出部と、上記一対の光束の他方に応じた信号を検出する第2の信号検出部とを含み、上記撮像素子により行われる撮像によって得られる上記第1の信号検出部の検出信号及び上記第2の信号検出部の検出信号の相関演算の結果に基づいて、主要被写体が結像される結像面と上記撮像素子の受光面とが一致する上記フォーカスレンズの位置であるフォーカスレンズ位置を求めるフォーカスレンズ位置生成ステップと、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで求めたフォーカスレンズ位置を、主要被写体と上記フォーカスレンズとの距離である被写体距離に換算する被写体距離換算ステップと、上記被写体距離換算ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記被写体距離から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における被写体距離を予測する被写体距離予測ステップと、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における上記フォーカスレンズ位置を予測するフォーカスレンズ位置予測ステップと、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差の情報を取得する最大誤差情報取得ステップと、上記最後の撮像の次に行われる撮像のために行う合焦制御として、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置と上記最大誤差の情報とに基づき、上記フォーカスレンズ位置予測ステップで予測したフォーカスレンズ位置にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第一の合焦制御と、上記被写体距離予測ステップで予測した被写体距離にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第二の合焦制御のいずれかを選択し、選択した合焦制御をその撮像前に実行する合焦制御ステップと、を備えるものである。
本発明によれば、移動する被写体に合焦し続ける場合に使用する動体予測における演算量を減らしながら、動体予測精度を向上させることのできる撮像装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成を示す図である。 図1に示すデジタルカメラに搭載される固体撮像素子5の全体構成を示す平面模式図である。 図2に示す1つのAFエリア53の部分拡大図である。 図3に示す位相差検出用画素52のみを示した図である。 フォーカスレンズ位置に対する最大誤差の算出方法を説明するための図である。 図1に示すデジタルカメラの連写モード時の動作を説明するためのフローチャートである。 被写体距離と合焦状態でのフォーカスレンズ位置との関係を示す図である。 被写体距離に生じうる誤差の算出方法の変形例を説明するためのフローチャートである。 図8の動作におけるステップS22,S23を説明するための図である。 撮像装置としてスマートフォンを説明する図である。 図8のスマートフォンの内部ブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するための撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成を示す図である。
図1に示すデジタルカメラは、焦点調節のためのフォーカスレンズ、及び、ズームレンズ等を含む撮像レンズ1と、絞り2とを有するレンズ装置を備える。レンズ装置は撮像光学系を構成する。レンズ装置はカメラ本体に固定である。撮像レンズ1は少なくともフォーカスレンズを含んでいればよい。また、レンズ系全体を移動させることで焦点調節を行う単焦点レンズでもよい。
カメラ本体は、レンズ装置を通して被写体を撮像するCCD型やCMOS型等の固体撮像素子5と、固体撮像素子5の出力に接続された相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部6と、アナログ信号処理部6から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路7とを備える。アナログ信号処理部6及びA/D変換回路7は、システム制御部11によって制御される。アナログ信号処理部6及びA/D変換回路7は固体撮像素子5に内蔵されることもある。
デジタルカメラの電気制御系全体を統括制御するシステム制御部11は、レンズ駆動部
8を制御して撮像レンズ1に含まれるフォーカスレンズの位置を調整して主要被写体に合焦させる合焦制御を行ったり、撮像レンズ1に含まれるズームレンズの位置の調整を行ったりする。更に、システム制御部11は、絞り駆動部9を介して絞り2の開口量を制御することにより、露光量の調整を行う。システム制御部11は、合焦制御部として機能する。
また、システム制御部11は、撮像素子駆動部10を介して固体撮像素子5を駆動し、撮像レンズ1を通して撮像した被写体像を撮像画像信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。
更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ16と、メインメモリ16に接続されたメモリ制御部15と、A/D変換回路7から出力される撮像画像信号に対し、補間演算、ガンマ補正演算、及びRGB/YC変換処理等を行って撮影画像データを生成するデジタル信号処理部17と、位相差AF方式により合焦位置を決定する位相差AF処理部19と、着脱自在の記録媒体21が接続される外部メモリ制御部20と、カメラ背面等に搭載された表示部23が接続される表示制御部22と、を備える。
メモリ制御部15、デジタル信号処理部17、位相差AF処理部19、外部メモリ制御部20、及び表示制御部22は、制御バス24及びデータバス25によって相互に接続され、システム制御部11からの指令によって制御される。
図2は、図1に示すデジタルカメラに搭載される固体撮像素子5の全体構成を示す平面模式図である。
固体撮像素子5は、行方向X及びこれに直交する列方向Yに二次元状に配列された多数の画素が配置される受光面50を有する。この受光面50には、フォーカスを合わせる対象となるエリアであるAFエリア53が図2の例では9つ設けられている。
AFエリア53は、画素として撮像用画素と位相差検出用画素とを含むエリアである。
受光面50のうちAFエリア53を除く部分には、撮像用画素だけが配置される。なお、AFエリア53は、受光面50に隙間無く設けてあってもよい。
図3は、図2に示す1つのAFエリア53の部分拡大図である。
AFエリア53には、画素51が二次元状に配列されている。各画素51は、フォトダイオード等の光電変換部と、この光電変換部上方に形成されたカラーフィルタとを含む。
図3では、赤色光を透過するカラーフィルタ(Rフィルタ)を含む画素51(R画素51)には“R”の文字を付し、緑色光を透過するカラーフィルタ(Gフィルタ)を含む画素51(G画素51)には“G”の文字を付し、青色光を透過するカラーフィルタ(Bフィルタ)を含む画素51(B画素51)には“B”の文字を付している。カラーフィルタの配列は受光面50全体でベイヤ配列となっている。
AFエリア53では、G画素51の一部(図3中の網掛けを付した画素51)が位相差検出用画素52となっている。図3の例では、R画素51とG画素51を含む画素行のうちの任意の画素行における各G画素51と、この各G画素51に対して列方向Yに最も近い同色のG画素51とが、位相差検出用画素52となっている。ここでは図3に図示するように、2次元状配列の一方の方向をX方向または行方向、他の方向をY方向または列方向と規定する。
図4は、図3に示す位相差検出用画素52のみを示した図である。
図4に示すように、位相差検出用画素52は、位相差検出用画素52Aと位相差検出用画素52Bの2種類の画素を含む。
位相差検出用画素52Aは、撮像レンズ1の瞳領域の異なる部分を通過した一対の光束の一方を受光し受光量に応じた信号を検出する第1の信号検出部である。
位相差検出用画素52Bは、上記一対の光束の他方を受光し受光量に応じた信号を検出する第2の信号検出部である。
なお、AFエリア53において、位相差検出用画素52A,52B以外の複数の画素51は撮像用画素であり、撮像用画素は、撮像レンズ1を通過した上記一対の光束を受光し受光量に応じた信号を検出する。
各画素51の光電変換部上方には遮光膜が設けられ、この遮光膜には、光電変換部の受光面積を規定する開口が形成されている。
撮像用画素51の開口の中心は、撮像用画素51の光電変換部の中心と一致している。これに対し、位相差検出用画素52Aの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Aの光電変換部の中心に対し右側に偏心している。また、位相差検出用画素52Bの開口(図4の白抜き部分)の中心は、位相差検出用画素52Bの光電変換部の中心に対して左側に偏心している。ここでいう右方向は、図3で示すX方向の一方の方向であり、左方向はX方向のもう一方の方向である。
この構成により、任意の行にある位相差検出用画素52Aからなる画素群と、この画素群の各位相差検出用画素52Aに対して一方向に同一距離で配置された位相差検出用画素52Bからなる画素群とによって、これら2つの画素群の各々によって撮像される像における行方向Xの位相差を検出することができる。
図1に示す位相差AF処理部19は、9つのAFエリア53の中からユーザ操作等により選択された1つのAFエリア53にある位相差検出用画素52A及び位相差検出用画素52Bから読み出される検出信号群を用いて上記一対の光束によって形成される2つの像の相対的な位置ずれ量である位相差を演算する。
そして、位相差AF処理部19は、この位相差に基づいて、撮像レンズ1による主要被写体の結像面と固体撮像素子5の受光面とが一致するときのフォーカスレンズの位置の情報を生成する。位相差AF処理部19は、フォーカスレンズ位置生成部として機能する。具体的には、位相差AF処理部19は、位相差からデフォーカス量を求め、このデフォーカス量を、フォーカスレンズを駆動するモータの駆動パルス数に変換し、この駆動パルス数を合焦状態を得るためのフォーカスレンズ位置を示す情報とする。
なお、本明細書では、フォーカスレンズの移動可能な範囲における例えば最近接端を基準位置とし、この基準位置からの距離(駆動パルス数)をフォーカスレンズの位置としている。
なお、AFエリア53は1つだけでなく、連続して並ぶ複数個を選択できるようにしてもよい。
位相差AF処理部19によって算出される位相差は、位相差検出用画素52A又は位相差検出用画素52Bの行方向Xにおける配置間隔以上の精度では求まらない。図3の例では、位相差検出用画素52Aが1画素を空けて配置されているため、1画素単位で位相差を検出することができる。しかし、1画素より小さい距離の位相差は検出することができない。例えば、位相差検出用画素52Aによって撮像される像と位相差検出用画素52Bによって撮像される像とが行方向Xに0.5画素分ずれていた場合でも、位相差は1画素として検出されてしまい、0.5画素分の誤差が発生する。
また、位相差AF処理部19によって算出される位相差は、同じ被写体を撮像した場合でも、撮像レンズ1のF値(撮像レンズ1の焦点距離を撮像レンズ1の口径(絞り2開放時の絞り2の開口直径)で割った値)、撮像時の絞り値、撮像時のズーム倍率、固体撮像素子5のノイズ等によって大きさが変化する。したがって、上述した誤差は、撮像レンズ1のF値、撮像時の絞り値、撮像時のズーム倍率、固体撮像素子5のノイズ等によって大きさが変わる。
図1に示すデジタルカメラは、位相差AF処理部19で生成される合焦状態を得るためのフォーカスレンズ位置に対して発生し得る最大の誤差(以下、最大誤差)の情報をメインメモリ16に予め記憶している。
最大誤差の求め方としては、合焦状態となるフォーカスレンズ位置が既知の被写体に対し、絞り値及びズーム倍率をあらゆる組合せで変更して撮像を行い、各組合せにおいて得られる位相差から求まるフォーカスレンズ位置のうち最も大きい値と、該既知のフォーカスレンズ位置との差を最大誤差として求める方法がある。
また、位相差検出用画素52の行方向Xにおける配置間隔と撮像レンズ1のF値とから最大誤差を求める方法がある。
図5は、演算により最大誤差を求める方法を説明するための図である。
図5に示すように、主要被写体Pが撮像レンズ1によって結像される面である結像面と固体撮像素子5の受光面との距離をxとし、位相差AF処理部19によって算出される位相差をyとし、主要被写体Pから結像面に入射する光の入射角をθとする。
撮像レンズ1のF値は、F値=2/tan(θ)の関係にあるため、tan(θ)=2/(F値)となる。
また、距離xは、x=y/2tan(θ)となり、ここにtan(θ)=2/(F値)を代入すると、x=y*(F値)/4となる。
ここで、yの値は、上述したように、位相差検出用画素の行方向Xにおける配置間隔よりも小さい値は検出できないため、x=y*(F値)/4の式において、yに該配置間隔を代入して得られる値を駆動パルス数に換算した値が、上記最大誤差となる。このように、位相差検出用画素の配置間隔の情報と、撮像レンズ1のF値の情報とから、最大誤差を算出することができる。
以下、主要被写体に合焦させた状態で固体撮像素子5により撮像(静止画撮像)を行う撮像処理を複数回(以下ではK回が設定されているものとする)連続して行う連写モードでのデジタルカメラの動作について説明する。撮像とは、固体撮像素子5の露光を開始してから、その露光によって得られた撮像画像信号を固体撮像素子5から読み出すまでの処理を言う。
連写モードに設定されると、システム制御部11は、固体撮像素子5により、ライブビュー画像表示のための撮像を開始させる。これにより、固体撮像素子5による撮像、該撮像により得られる撮像画像信号からの撮像画像データの生成、該撮像画像データに基づくライブビュー画像の表示部23への表示、の一連の処理が繰り返し行われる。
操作部14に含まれるシャッタボタンの操作等によって連写撮像の開始指示があると、位相差AF処理部19が、該指示の直前の撮像によって得られる撮像画像信号から、選択されたAFエリア53にある位相差検出用画素52A及び位相差検出用画素52Bの検出信号を取得し、位相差検出用画素52Aと位相差検出用画素52Bの検出信号群同士の相関演算を行う。
位相差AF処理部19は、この相関演算の結果から位相差を求め、この位相差から、合焦状態を得るためのフォーカスレンズ位置を算出し、算出したフォーカスレンズ位置を、算出した時刻と関連付けてメインメモリ16に記憶する(ステップS1)。
次に、システム制御部11は、位相差AF処理部19によって算出されたフォーカスレンズ位置の情報を取得し、このフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズを移動させる合焦制御を行った後、固体撮像素子5により、連写のNフレーム目の撮像を行わせる(ステップS2)。なお、Nの初期値は“1”である。
このステップS2の撮像によって得られた撮像画像信号からデジタル信号処理部17により撮像画像データが生成され、この撮像画像データが記録媒体21に記録される。
ステップS2の後、システム制御部11は、N=Kであれば(ステップS3:YES)、連写撮像を終了し、N≠Kであれば(ステップS3:NO)、ステップS4の処理を位相差AF処理部19に行わせる。
ステップS4において、位相差AF処理部19は、ステップS2の撮像によって得られる撮像画像信号に含まれる位相差検出用画素の検出信号を用いて、合焦状態を得るためのフォーカスレンズ位置を算出し、算出したフォーカスレンズ位置を、算出した時刻と関連付けてメインメモリ16に記憶する。
ステップS4の後、システム制御部11は、メインメモリ16に記憶されているフォーカスレンズ位置のうち、関連付けられている時刻が最新のもの(フォーカスレンズ位置l1とする)と、その次に新しいもの(フォーカスレンズ位置l2とする)とをメインメモリ16から取得し、取得したフォーカスレンズ位置l1,l2を被写体距離に換算する(ステップS5)。システム制御部11は、被写体距離換算部として機能する。
合焦状態とは、固体撮像素子5の受光面と撮像レンズ1の結像面が一致することであるから、合焦状態を得るためのフォーカスレンズ位置は、撮像レンズ1の主点と結像面との距離である上述した像面距離aと対応する。
したがって、ステップS5において、システム制御部11は、式(6)のfに撮像レンズ1の焦点距離を代入し、式(6)のaにフォーカスレンズ位置l1を代入してbについて解くことで、フォーカスレンズ位置l1を被写体距離L1に換算する。また、システム制御部11は、式(6)のfに撮像レンズ1の焦点距離を代入し、式(6)のaにフォーカスレンズ位置l2を代入してbについて解くことで、フォーカスレンズ位置l2を被写体距離L2に換算する。
ステップS5の後、システム制御部11は、被写体距離L1と被写体距離L2とを用いて、Nフレームの次のフレームの撮像時における被写体距離L3を予測する(ステップS6)。被写体距離の予測方法としては周知の方法を採用すればよい。システム制御部11は被写体距離予測部として機能する。
次に、システム制御部11は、予測した被写体距離L3をフォーカスレンズ位置l3に換算する。システム制御部11は、式(6)のbに被写体距離L3を代入することで、フォーカスレンズ位置l3を求める(ステップS7)。
次に、システム制御部11は、位置位相差AF処理部19によって生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差(ここではαとする)の情報をメインメモリ16から取得する(ステップS8)。システム制御部11は、最大誤差情報取得部として機能する。
次に、システム制御部11は、フォーカスレンズ位置l3にαを加算した値を式(6)にしたがって被写体距離L3aに換算し、フォーカスレンズ位置l3からαを減算した値を式(6)にしたがって被写体距離L3bに換算する(ステップS9)。
図7は、合焦状態における被写体距離(b)とフォーカスレンズ位置(像面距離a)との関係を示す図である。
図7に示すように、被写体距離がBである場合、被写体距離Bから換算されるフォーカスレンズ位置はx1となり、x1に最大誤差であるαを加算した値に対応する被写体距離Bb、及び、x1から最大誤差であるαを減算した値に対応する被写体距離Baの各々と被写体距離Bとの差(符号を無視した絶対値)は小さな値となる。
一方、被写体距離がBよりも十分に大きいAである場合、被写体距離Aから換算されるフォーカスレンズ位置はx2となり、x2に最大誤差であるαを加算した値に対応する被写体距離Ab、及び、x2から最大誤差であるαを減算した値に対応する被写体距離Aaの各々と被写体距離Aとの差(符号を無視した絶対値)は大きな値となる。
このように、位相差AF処理部19によって生成された複数のフォーカスレンズ位置に基づいて予測される被写体距離が大きいときは、フォーカスレンズ位置に対する最大誤差によって、予測される距離に対する誤差も大きくなる。このため、予測した被写体距離にしたがって合焦制御を行うと、合焦精度が低下してしまう。
そこで、システム制御部11は、ステップS10において、被写体距離L3aと被写体距離L3bとの差分が閾値THを超えるか否かを判定し、この差分が閾値THを超えていた場合には、ステップS11の処理を行い、この差分が閾値THを超えていない場合にはステップS12の処理を行う。
ステップS11において、システム制御部11は、フォーカスレンズ位置l1,l2から、Nフレームの次のフレームの撮像時におけるフォーカスレンズ位置l3aを予測する。システム制御部11は、フォーカスレンズ位置予測部として機能する。フォーカスレンズ位置の予測方法としては、特許文献1に記載された方法等の公知のものを用いればよい。
ステップS11の後、システム制御部11は、予測したフォーカスレンズ位置l3aにフォーカスレンズを移動させる合焦制御(第一の合焦制御)を行う(ステップS13)。
ステップS12において、システム制御部11は、予測した被写体距離L3から換算したフォーカスレンズ位置l3にフォーカスレンズを移動させる合焦制御(第二の合焦制御)を行う。
ステップS12とステップS13の後は、ステップS14にてNが(N+1)に変更され、ステップS2の処理が行われる。
以上のように、図1のデジタルカメラによれば、ステップS6で予測される被写体距離L3が大きくなるときにだけ、ステップS11,S13の処理(過去複数のフォーカスレンズ位置から将来のフォーカスレンズ位置を予測して合焦制御を行う処理)が行われる。このため、常にフォーカスレンズ位置を予測して合焦制御を行う従来方式に比べて、動体予測に要する演算量を減らすことができ、動体に対する追従速度の向上、消費電力低下を実現することができる。
図6では、これから行うフレームの撮像における被写体距離に生じうる誤差として、まず、被写体距離L3を予測し、この被写体距離L3と最大誤差の情報とから、被写体距離L3aと被写体距離L3bを生成し、被写体距離L3aと被写体距離L3bの差を誤差として求めるものとした。以下では、この誤差の求め方の変形例を説明する。
図8は、被写体距離に生じうる誤差の算出方法の変形例を説明するためのフローチャートである。図8において図6と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
ステップS4の後、システム制御部11は、位相差AF処理部19によって生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差(ここではαとする)の情報をメインメモリ16から取得する(ステップS20)。
次に、システム制御部11は、メインメモリ16に記憶されているフォーカスレンズ位置のうち、関連付けられている時刻が最新のもの(フォーカスレンズ位置l1とする)と、その次に新しいもの(フォーカスレンズ位置l2とする)とをメインメモリ16から取得する。
そして、システム制御部11は、フォーカスレンズ位置l1に最大誤差αを加算した値を被写体距離Baに換算し、フォーカスレンズ位置l1から最大誤差αを減算した値を被写体距離Bbに換算する。また、システム制御部11は、フォーカスレンズ位置l2に最大誤差αを加算した値を被写体距離Aaに換算し、フォーカスレンズ位置l2から最大誤差αを減算した値を被写体距離Abに換算する(ステップS21)。
この処理により、図9に示すように、時刻t1に対して2つの被写体距離(黒い丸印)が生成され、時刻t2に対して2つの被写体距離(黒い丸印)が生成される。
ステップS21の後、システム制御部11は、被写体距離Baと被写体距離Aaを用いて、次のフレームの撮像時刻t3における被写体距離の誤差上限値である被写体距離Caを予測する(ステップS22。また、システム制御部11は、被写体距離Bbと被写体距離Abを用いて、時刻t3における被写体距離の誤差下限値である被写体距離Cbを予測する(ステップS23)。
次に、システム制御部11は、距離Caと距離Cbとの差分が閾値THを超えるか否かを判定し、この差分が閾値THを超えていた場合には、ステップS11の処理を行い、この差分が閾値THを超えていない場合には、図6のステップS5、図6のステップS6の処理を順次行った後、ステップS12の処理を行う。
図8の動作によれば、ステップS24の判定がYESになった場合には、ステップS1
2で使用する被写体距離L3を予測する処理が不要となる。このため、不要な演算を減らして消費電力を低減することができる。
ここまでは、レンズ装置がカメラ本体に固定であることを前提として説明した。しかし、本発明は、カメラ本体に対してレンズ装置を着脱可能なレンズ交換式のデジタルカメラにも適用可能である。
レンズ交換式のデジタルカメラの場合は、システム制御部11が、レンズ装置に内蔵される記憶部からこのレンズ装置に含まれる撮像レンズのF値と焦点距離の情報を取得する。システム制御部11はF値取得部として機能する。そして、システム制御部11は、位相差検出用画素の配置間隔の情報を記憶する記憶部としてのメインメモリ16から該配置間隔の情報を取得し、この情報と、レンズ装置から取得したF値とによって最大誤差を算出してメインメモリ16に記憶する。また、システム制御部11は、レンズ装置から取得した焦点距離から式(6)に示す関数を生成してメインメモリ16に記憶する。
なお、交換レンズにおける撮像レンズのF値と焦点距離の情報は、ユーザが手動によってシステム制御部11に入力できるようにしてもよい。
システム制御部11は、図6、8に示した動作フローにおいて、フォーカスレンズ位置から被写体距離への換算処理、被写体距離からフォーカスレンズ位置への換算処理を、メインメモリ16に記憶した上記関数にしたがって行う。また、システム制御部11は、ステップS9において、メインメモリ16に記憶した最大誤差の情報を利用して、被写体距離L3a,L3bを得る。
このように、レンズ交換型のデジタルカメラであっても、装着されるレンズ装置に対応して式(6)の関数と最大誤差とを生成してメモリに記憶しておくことで、動体に対する追従速度の向上、消費電力低下を実現することができる。
本明細書では撮像装置としてデジタルカメラを例にしたが、以下では、撮像装置としてカメラ付のスマートフォンの実施形態について説明する。
図10は、本発明の撮影装置の一実施形態であるスマートフォン200の外観を示すものである。図10に示すスマートフォン200は、平板状の筐体201を有し、筐体201の一方の面に表示部としての表示パネル202と、入力部としての操作パネル203とが一体となった表示入力部204を備えている。また、この様な筐体201は、スピーカ205と、マイクロホン206と、操作部207と、カメラ部208とを備えている。なお、筐体201の構成はこれに限定されず、例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用したりすることもできる。
図11は、図10に示すスマートフォン200の構成を示すブロック図である。図11に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、無線通信部210と、表示入力部204と、通話部211と、操作部207と、カメラ部208と、記憶部212と、外部入出力部213と、GPS(Global Positioning System)受信部214と、モーションセンサ部215と、電源部216と、主制御部220とを備える。また、スマートフォン200の主たる機能として、図示省略の基地局装置BSと図示省略の移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部210は、主制御部220の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
表示入力部204は、主制御部220の制御により、画像(静止画像および動画像)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル202と、操作パネル203とを備える。
表示パネル202は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro−Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。
操作パネル203は、表示パネル202の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部220に出力する。次いで、主制御部220は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル202上の操作位置(座標)を検出する。
図10に示すように、本発明の撮影装置の一実施形態として例示しているスマートフォン200の表示パネル202と操作パネル203とは一体となって表示入力部204を構成しているが、操作パネル203が表示パネル202を完全に覆うような配置となっている。
係る配置を採用した場合、操作パネル203は、表示パネル202外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル203は、表示パネル202に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
なお、表示領域の大きさと表示パネル202の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル203が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体201の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル203で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
通話部211は、スピーカ205やマイクロホン206を備え、マイクロホン206を通じて入力されたユーザの音声を主制御部220にて処理可能な音声データに変換して主制御部220に出力したり、無線通信部210あるいは外部入出力部213により受信された音声データを復号してスピーカ205から出力させたりするものである。また、図10に示すように、例えば、スピーカ205を表示入力部204が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン206を筐体201の側面に搭載することができる。
操作部207は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図10に示すように、操作部207は、スマートフォン200の筐体201の側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部212は、主制御部220の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部212は、スマートフォン内蔵の内部記憶部217と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部218により構成される。なお、記憶部212を構成するそれぞれの内部記憶部217と外部記憶部218は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部213は、スマートフォン200に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
スマートフォン200に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなどがある。外部入出力部213は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン200の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン200の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
GPS受信部214は、主制御部220の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン200の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部214は、無線通信部210や外部入出力部213(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部215は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の物理的な動きを検出する。スマートフォン200の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン200の動く方向や加速度が検出される。係る検出結果は、主制御部220に出力されるものである。
電源部216は、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
主制御部220は、マイクロプロセッサを備え、記憶部212が記憶する制御プログラムや制御データにしたがって動作し、スマートフォン200の各部を統括して制御するものである。また、主制御部220は、無線通信部210を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能
を備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部212が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部220が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部213を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
また、主制御部220は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部204に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部220が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部204に表示する機能のことをいう。
更に、主制御部220は、表示パネル202に対する表示制御と、操作部207、操作パネル203を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。表示制御の実行により、主制御部220は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。なお、スクロールバーとは、表示パネル202の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部220は、操作部207を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル203を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
更に、操作検出制御の実行により主制御部220は、操作パネル203に対する操作位置が、表示パネル202に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル203の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部220は、操作パネル203に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部208は、図1に示したデジタルカメラにおける外部メモリ制御部20、記録媒体21、表示制御部22、表示部23、及び操作部14以外の構成を含む。
カメラ部208によって生成された撮像画像データは、記憶部212に記録したり、入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることができる。
図10に示すスマートフォン200において、カメラ部208は表示入力部204と同じ面に搭載されているが、カメラ部208の搭載位置はこれに限らず、表示入力部204の背面に搭載されてもよい。
また、カメラ部208はスマートフォン200の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル202にカメラ部208で取得した画像を表示することや、操作パネル
203の操作入力のひとつとして、カメラ部208の画像を利用することができる。
また、GPS受信部214が位置を検出する際に、カメラ部208からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部208からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン200のカメラ部208の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部208からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
その他、静止画又は動画の画像データにGPS受信部214により取得した位置情報、マイクロホン206により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、モーションセンサ部215により取得した姿勢情報等などを付加して記録部212に記録したり、入出力部213や無線通信部210を通じて出力したりすることもできる。
以上のような構成のスマートフォン200においても、カメラ部208の撮像素子として固体撮像素子5を用い、主制御部220において図6、8に例示した処理を行うことで、連写モードにおける撮像品質を向上させることができる。
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
開示された撮像装置は、フォーカスレンズを含む撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置であって、上記撮像素子は、上記撮像光学系の瞳領域の異なる部分を通過した一対の光束の一方に応じた信号を検出する第1の信号検出部と、上記一対の光束の他方に応じた信号を検出する第2の信号検出部とを含み、上記フォーカスレンズを駆動して、主要被写体に合焦させる合焦制御を行う合焦制御部と、上記撮像素子により行われる撮像によって得られる上記第1の信号検出部の検出信号及び上記第2の信号検出部の検出信号の相関演算の結果に基づいて、主要被写体が結像される結像面と上記撮像素子の受光面とが一致する上記フォーカスレンズの位置であるフォーカスレンズ位置を求めるフォーカスレンズ位置生成部と、上記フォーカスレンズ位置生成部によって求められたフォーカスレンズ位置を、主要被写体と上記フォーカスレンズとの距離である被写体距離に換算する被写体距離換算部と、上記被写体距離換算部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記被写体距離から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における被写体距離を予測する被写体距離予測部と、上記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における上記フォーカスレンズ位置を予測するフォーカスレンズ位置予測部と、上記フォーカスレンズ位置生成部によって生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差の情報を取得する最大誤差情報取得部と、を備え、上記合焦制御部は、上記最後の撮像の次に行う撮像の前に行う合焦制御として、上記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置と上記最大誤差の情報とに基づき、上記レンズ位置予測部によって予測されたフォーカスレンズ位置にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第一の合焦制御と、上記被写体距離予測部によって予測された被写体距離にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第二の合焦制御のいずれかを選択するものである。
開示された撮像装置は、上記合焦制御部は、上記被写体距離予測部によって予測された上記被写体距離から換算した上記フォーカスレンズ位置に上記最大誤差を加算及び減算して得られる位置を上記被写体距離換算部によって被写体距離に換算し、上記換算した2つの被写体距離の差が閾値を超える場合には上記第一の合焦制御を選択し、上記差が上記閾値以下の場合には上記第二の合焦制御を選択するものである。
開示された撮像装置は、上記合焦制御部が、上記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置に上記最大誤差を加算して得られる位置から、上記複数の撮像の次に行われる撮像における第一の被写体距離を予測し、上記複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置から上記最大誤差を減算して得られる位置から、上記複数の撮像の次に行われる撮像における第二の被写体距離を予測し、上記第一の被写体距離と上記第二の被写体距離の差が閾値を超える場合には上記第一の合焦制御を選択し、上記差が上記閾値以下の場合には上記第二の合焦制御を選択するものである。
開示された撮像装置は、上記撮像光学系が交換可能であり、上記撮像素子における上記第1の信号検出部又は上記第2の信号検出部の配置間隔の情報を記憶する記憶部と、装着された上記撮像光学系のF値の情報を取得するF値取得部と、を備え、上記最大誤差情報取得部は、上記記憶部に記憶されている上記配置間隔の情報と上記F値取得部によって取得されたF値の情報とから上記最大誤差を算出することで上記最大誤差の情報を取得するものである。
開示された合焦制御方法は、フォーカスレンズを含む撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置における合焦制御方法であって、上記撮像素子は、上記撮像光学系の瞳領域の異なる部分を通過した一対の光束の一方に応じた信号を検出する第1の信号検出部と、上記一対の光束の他方に応じた信号を検出する第2の信号検出部とを含み、上記撮像素子により行われる撮像によって得られる上記第1の信号検出部の検出信号及び上記第2の信号検出部の検出信号の相関演算の結果に基づいて、主要被写体が結像される結像面と上記撮像素子の受光面とが一致する上記フォーカスレンズの位置であるフォーカスレンズ位置を求めるフォーカスレンズ位置生成ステップと、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで求めたフォーカスレンズ位置を、主要被写体と上記フォーカスレンズとの距離である被写体距離に換算する被写体距離換算ステップと、上記被写体距離換算ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記被写体距離から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における被写体距離を予測する被写体距離予測ステップと、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置から、上記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における上記フォーカスレンズ位置を予測するフォーカスレンズ位置予測ステップと、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差の情報を取得する最大誤差情報取得ステップと、上記最後の撮像の次に行われる撮像のために行う合焦制御として、上記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する上記フォーカスレンズ位置と上記最大誤差の情報とに基づき、上記フォーカスレンズ位置予測ステップで予測したフォーカスレンズ位置にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第一の合焦制御と、上記被写体距離予測ステップで予測した被写体距離にしたがって上記フォーカスレンズを駆動する第二の合焦制御のいずれかを選択し、選択した合焦制御をその撮像前に実行する合焦制御ステップと、を備えるものである。
本発明は、特にデジタルカメラ、スマートフォン等に適用して利便性が高く、有効である。
1 撮像レンズ
2 絞り
5 固体撮像素子
11 システム制御部
19 位相差AF処理部
52A,52B 位相差検出用画素

Claims (5)

  1. フォーカスレンズを含む撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置であって、
    前記撮像素子は、前記撮像光学系の瞳領域の異なる部分を通過した一対の光束の一方に応じた信号を検出する第1の信号検出部と、前記一対の光束の他方に応じた信号を検出する第2の信号検出部とを含み、
    前記フォーカスレンズを駆動して、主要被写体に合焦させる合焦制御を行う合焦制御部と、
    前記撮像素子により行われる撮像によって得られる前記第1の信号検出部の検出信号及び前記第2の信号検出部の検出信号の相関演算の結果に基づいて、主要被写体が結像される結像面と前記撮像素子の受光面とが一致する前記フォーカスレンズの位置であるフォーカスレンズ位置を求めるフォーカスレンズ位置生成部と、
    前記フォーカスレンズ位置生成部によって求められたフォーカスレンズ位置を、主要被写体と前記フォーカスレンズとの距離である被写体距離に換算する被写体距離換算部と、
    前記被写体距離換算部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する前記被写体距離から、前記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における被写体距離を予測する被写体距離予測部と、
    前記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する前記フォーカスレンズ位置から、前記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における前記フォーカスレンズ位置を予測するフォーカスレンズ位置予測部と、
    前記フォーカスレンズ位置生成部によって生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差の情報を取得する最大誤差情報取得部と、を備え、
    前記合焦制御部は、前記最後の撮像の次に行う撮像の前に行う合焦制御として、前記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する前記フォーカスレンズ位置と前記最大誤差の情報とに基づき、前記レンズ位置予測部によって予測されたフォーカスレンズ位置にしたがって前記フォーカスレンズを駆動する第一の合焦制御と、前記被写体距離予測部によって予測された被写体距離にしたがって前記フォーカスレンズを駆動する第二の合焦制御のいずれかを選択する撮像装置。
  2. 請求項1記載の撮像装置であって、
    前記合焦制御部は、前記被写体距離予測部によって予測された前記被写体距離から換算した前記フォーカスレンズ位置に前記最大誤差を加算及び減算して得られる位置をそれぞれ前記被写体距離換算部によって被写体距離に換算し、前記換算した2つの被写体距離の差が閾値を超える場合には前記第一の合焦制御を選択し、前記差が前記閾値以下の場合には前記第二の合焦制御を選択する撮像装置。
  3. 請求項1記載の撮像装置であって、
    前記合焦制御部は、前記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する前記フォーカスレンズ位置に前記最大誤差を加算して得られる位置から、前記複数の撮像の次に行われる撮像における第一の被写体距離を予測し、前記複数の撮像の各々に対応する前記フォーカスレンズ位置から前記最大誤差を減算して得られる位置から、前記複数の撮像の次に行われる撮像における第二の被写体距離を予測し、前記第一の被写体距離と前記第二の被写体距離の差が閾値を超える場合には前記第一の合焦制御を選択し、前記差が前記閾値以下の場合には前記第二の合焦制御を選択する撮像装置。
  4. 請求項2又は3記載の撮像装置であって、
    前記撮像光学系が交換可能であり、
    前記撮像素子における前記第1の信号検出部又は前記第2の信号検出部の配置間隔の情報を記憶する記憶部と、
    装着された前記撮像光学系のF値の情報を取得するF値取得部と、を備え、
    前記最大誤差情報取得部は、前記記憶部に記憶されている前記配置間隔の情報と前記F値取得部によって取得されたF値の情報とから前記最大誤差を算出することで前記最大誤差の情報を取得する撮像装置。
  5. フォーカスレンズを含む撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子を有する撮像装置における合焦制御方法であって、
    前記撮像素子は、前記撮像光学系の瞳領域の異なる部分を通過した一対の光束の一方に応じた信号を検出する第1の信号検出部と、前記一対の光束の他方に応じた信号を検出する第2の信号検出部とを含み、
    前記撮像素子により行われる撮像によって得られる前記第1の信号検出部の検出信号及び前記第2の信号検出部の検出信号の相関演算の結果に基づいて、主要被写体が結像される結像面と前記撮像素子の受光面とが一致する前記フォーカスレンズの位置であるフォーカスレンズ位置を求めるフォーカスレンズ位置生成ステップと、
    前記フォーカスレンズ位置生成ステップで求めたフォーカスレンズ位置を、主要被写体と前記フォーカスレンズとの距離である被写体距離に換算する被写体距離換算ステップと、
    前記被写体距離換算ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する前記被写体距離から、前記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における被写体距離を予測する被写体距離予測ステップと、
    前記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成した時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する前記フォーカスレンズ位置から、前記複数の撮像の最後の撮像の次に行われる撮像における前記フォーカスレンズ位置を予測するフォーカスレンズ位置予測ステップと、
    前記フォーカスレンズ位置生成ステップで生成されるフォーカスレンズ位置に対する最大誤差の情報を取得する最大誤差情報取得ステップと、
    前記最後の撮像の次に行われる撮像のために行う合焦制御として、前記フォーカスレンズ位置生成部によって生成された時系列で連続する複数の撮像の各々に対応する前記フォーカスレンズ位置と前記最大誤差の情報とに基づき、前記フォーカスレンズ位置予測ステップで予測したフォーカスレンズ位置にしたがって前記フォーカスレンズを駆動する第一の合焦制御と、前記被写体距離予測ステップで予測した被写体距離にしたがって前記フォーカスレンズを駆動する第二の合焦制御のいずれかを選択し、選択した合焦制御を当該撮像前に実行する合焦制御ステップと、を備える合焦制御方法。
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