JPWO2015033986A1 - 唾液中のアディポネクチン量の評価方法及び唾液中のアディポネクチン量の測定キット - Google Patents

唾液中のアディポネクチン量の評価方法及び唾液中のアディポネクチン量の測定キット Download PDF

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Abstract

【課題】潜血の有無の影響が小さい、唾液中のアディポネクチン量の評価方法及び唾液中のアディポネクチン量の測定キットを提供する。【解決手段】唾液中のアディポネクチン量を、280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価するようにした。前記唾液中の多量体アディポネクチン量の評価には、唾液サンプル中の280kDa以上のアディポネクチン多量体と特異的に反応する抗体とを反応させて前記反応の強さを定量化した定量値を用いてもよい。前記唾液サンプルは、ストローによって採取した唾液サンプルとしてもよい。【選択図】図4A

Description

この発明は、ヒト又は唾液を分泌する生体物の、唾液中のアディポネクチン量の評価方法、及び、前記アディポネクチン量の評価を行うための測定キットに関する。特に、ヒト又は唾液を分泌する生体物の、アディポネクチン分泌量を特定する方法、及び、アディポネクチン分泌量を特定するための測定キットに関する。また特に、唾液中のアディポネクチン量の評価方法において使用する抗アディポネクチン抗体の選択方法に関する。
メタボリックシンドロームとは、肥満に加えて、高血圧、高血脂、高血糖のうち二つ以上を合併した状態である。重篤なメタボリックシンドロームは、動脈硬化を誘発し、心筋梗塞や脳梗塞を招くことから、早期発見と予防が重要視されている。わが国では、特定検診と特定保険指導が実施されているが、年1回である等、早期発見及び予防のための対策としては十分とは言えなかった。メタボリックシンドロームの早期発見、予防のためには、各自が日々自身の健康管理を行うことが望ましい。係る健康管理の方法の一つとして、メタボ指標となり得るバイオマーカーのレベルの日常的な把握(モニタリング)が挙げられる。
メタボリックシンドロームの指標としては、アディポネクチン、インスリン等が報告されており、従来、アディポネクチン及び/又はインスリンの測定方法に関する提案があった(特許文献1)。アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されるタンパク質である。アディポネクチンの血中分泌量低下はインスリン抵抗性、インスリン応答性低下、メタボ発症の一因となり、高インスリン血症(インスリンの血中分泌量増加)を招来する。よって、血中のアディポネクチンの含量、インスリンの含量をモニタリングできれば、メタボリックシンドロームの早期発見や予防も可能である。
しかしながら、モニタリングに用いられる生体試料は血液であり、その採取は侵襲性が高いと言う問題がある。また、採血は個人で行うには安全性に懸念があり、簡便性にも劣る。このような理由から、自己血糖測定などの一部を除き、血液中のメタボ指標のモニタリングはほとんどなされていない。血液以外の生体試料、例えば、唾液等でモニタリングを行うことも、メタボ指標は唾液中にも含まれていることから、理論上は可能である。唾液中のアディポネクチンとインスリンの含有量は、血液中の含有量との間で相関性があることが明らかとなっている。
しかし、唾液によるモニタリングは、感度が著しく不十分であるという問題がある。その理由は明らかではないが、測定干渉夾雑物が多く含有されているためと予想されている。
この従来提案の目的は、いわゆるメタボリックシンドロームの指標であるバイオマーカーのモニタリングを、感度よく行うための技術であって、専門知識や技能を有しない個人でも、熟練を要さずに簡便かつ正確なモニタリングを可能とし、自身の健康管理に有用な技術を開発することにあり、上記課題の解決のために試行錯誤を重ね、その過程で、非侵襲的で安全性が高く、且つ簡便に採取できる点で、刺激唾液に着目し、刺激唾液によるモニタリングに適したバイオマーカー候補を検討したところ、アディポネクチン、インスリンが有用であることを見出した。
この従来提案によれば、メタボリックシンドロームの指標のモニタリングを感度よく行うことができるので、専門知識や技能を有しない個人でも、熟練を要さずに簡便かつ正確な測定を行い、自身の日々の健康管理により、メタボリックシンドロームの予防や早期診断が可能である、というものである。
しかし、歯肉炎や歯周病によって破壊された歯周組織から出る血液によって唾液が潜血陽性(血液のコンタミネーション)となっている場合があるが、潜血の有無で比較すると潜血陽性者と潜血陰性者との間では唾液中アディポネクチンの濃度に著明な差が認められ、唾液中のアディポネクチンの測定には潜血の有無が影響を及ぼすことが分かった。
すなわち、唾液中アディポネクチン定量に関し、血液のコンタミネーションによる影響を無視できないという問題があった。
特開2012−122788号公報
そこでこの発明は、潜血の有無の影響の少ない、唾液中のアディポネクチン量の評価方法、及び、唾液中のアディポネクチン量の評価を行うための測定キットを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、この発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の唾液中のアディポネクチンの評価方法は、唾液中のアディポネクチン量を、280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価するようにしたことを特徴とする。
本発明者は、唾液中のヒト多量体アディポネクチンの分子量分布は、280kDa未満の中分子量(MMW)アディポネクチン及び低分子量(LMW)アディポネクチンの発現の多い血液とは異なり、主に高分子量(HMW)アディポネクチン(280kDa以上)が発現されることを見出した。
そして、潜血陽性を判別された唾液サンプル(血液のコンタミネーション)のアディポネクチンは、潜血の影響を受けることで、280kDa以上の高分子量(HMW)アディポネクチンではなく、中分子量(MMW)アディポネクチン及び低分子量(LMW)アディポネクチンの発現が増加していることを見出した。また、唾液中の280kDa以上の多量体アディポネクチン量は、唾液中の総アディポネクチン量との相関が見出された。
なお本発明において、280kDa以上の分子量の多量体アディポネクチン(又はその量)を「高分子量アディポネクチン」又は「HMW」と表記し、150kDa以上280kDa未満の分子量の多量体アディポネクチン(又はその量)を「中分子量アディポネクチン」又は「MMW」と表記し、0kDa以上150kDa未満の分子量の多量体アディポネクチン(又はその量)を「低分子量アディポネクチン」又は「LMW」と表記する。以下も同様である。
すなわち、唾液サンプルを用いて検出した総アディポネクチン量は、HMW値とMMW値とLMW値の和からなる。ここで、血液のコンタミネーションのある潜血陽性群の唾液サンプルと、血液のコンタミネーションのない潜血陰性群の唾液サンプルとで比較すると、MMW値とLMW値は、潜血陽性群のサンプルでは増加する一方、潜血陰性群のサンプルでは減少する。そのため、例えば従来のように総アディポネクチン量によってアディポネクチンを評価すると、潜血の有無によってMMW値とLMW値の和が増減してしまう。これでは潜血の有無の影響を受けるため、唾液中に含まれるアディポネクチン量を正確に評価することが困難となる。
これに対して本発明では、唾液中の280kDa以上のアディポネクチン量で唾液中のアディポネクチン量を評価することにより、潜血反応の影響を少なくしてより正確なアディポネクチン量の評価を行うことを可能とした。
唾液中に含まれる高分子量(HMW)アディポネクチンを評価することの病態生理的な意義として、鋭敏な非侵襲マーカー、口腔内のヘルシーマーカー、チェックステーションでのフォロー中における経時的マーカーとしての有用性が期待できる。
(2)唾液中のアディポネクチン量の評価方法として、唾液サンプル中の280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体に反応させて当該反応の強さを定量化した定量値を用いてアディポネクチンを評価してもよい。
280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗体との反応の強さを定量化し評価することにより、血液中に多く存在する280kDa未満のヒト多量体アディポネクチン(MMWとLMW)に影響されることなくより一層唾液中のアディポネクチン量を評価することが可能となる。
ここで「280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体」とは、280kDa以上の多量体アディポネクチンへの反応が280kDa未満の多量体アディポネクチンへの反応とくらべて顕著に強い抗アディポネクチン抗体を意味する。例えば280kDa以上の多量体アディポネクチンへの反応強度と280kDa未満の多量体アディポネクチンへの反応強度を定量化して比較したとき、前者の定量化値が後者の定量化値の10倍以上であるとき、前記「280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体」に該当する(このとき、“280kDa以上の多量体アディポネクチンへの反応強度”/“280kDa未満の多量体アディポネクチンへの反応強度”≧10の数式が成り立つ)。
本発明者の実験により、例えばアイソタイプIgG1の抗体であれば、「280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体」に該当することが確認されている。
(3)前記唾液サンプルは、ストローによって採取した唾液サンプルであることが好ましい。
ストローによって、唾液サンプルを採取することにより、サリペット採取やガーゼ採取に比べ口内のストレスを抑えることができ、より一層潜血の影響を受けず正確に唾液中のアディポネクチン量を評価することが可能となる。
(4)また唾液中の多量体アディポネクチン量の評価において、
所定の抗アディポネクチン抗体によって唾液を反応させて、280kDa以上の多量体アディポネクチンによる前記所定の抗アディポネクチン抗体の反応強度を定量化(例えばHMW反応値)し、また、280kDa未満の多量体アディポネクチンによる前記所定の抗アディポネクチン抗体の反応強度を定量化(例えばMMW及びLMWの反応値)し、各定量化した値の比率(例えばHMW反応値/MMW及びLMWの反応値)を求めることによって、唾液中のアディポネクチン量を評価してもよい。
或いは、所定の抗アディポネクチン抗体によって唾液を反応させて、280kDa以上の多量体アディポネクチンによる前記所定の抗アディポネクチン抗体の反応強度を定量化(例えばHMW反応値)し、また、前記唾液に含まれるすべての分子量の多量体アディポネクチンによる前記所定の抗アディポネクチン抗体の反応強度を定量化(例えばHMW、MMW、及びLMWの反応値)し、各定量化した値の比率(例えばHMW反応値/HMW、MMW、及びLMWの反応値)を求めることによって、唾液中のアディポネクチン量を評価してもよい。
〔“HMW反応値”/“MMW及びLMWの反応値”〕の値(比率)、あるいは〔“HMW反応値”/“LMW、MMW、及びLMWの反応値”〕の値(比率)を求めることで、唾液中に含まれる、280kDa以上の多量体アディポネクチンの割合を得ることができる。この280kDa以上の多量体アディポネクチンの割合を唾液中のアディポネクチン量として評価することで、潜血の影響を小さくした正確なアディポネクチン量の評価が可能となる。なお、前記280kDa以上の高分子量アディポネクチンへの反応強度、あるいは280kDa未満の高分子量アディポネクチンへの反応強度は、非変性及び非還元性条件下のWestern Blotting法で測定することで得ることができる。
(5)またアディポネクチン量の評価方法において使用する抗アディポネクチン抗体として、
唾液サンプルを、非変性条件下におけるWestern Blotting法にて、280kDa以上のヒト多量体アディポネクチンと、280kDa未満のヒト多量体アディポネクチンとに分画して、280kDaの上下限を超えるバンド領域を抽出し、特定の抗アディポネクチン抗体に反応させたときの、280kDa以上のバンド領域における反応の強さを定量化したHMW定量値と、280kDa未満のバンド領域のそれぞれにおける反応の強さを定量化したMMW・LMW定量値と、をそれぞれ算出したとき、
前記HMW定量値が有意に評価できる値であり、かつ前記MMW・LMW定量値が前記HMW定量値の1/10以下または0となる、抗アディポネクチン抗体を選択し、
前記選択した抗アディポネクチン抗体による反応強度によって、唾液中のアディポネクチン量を評価してもよい。
上記であれば、抗アディポネクチン抗体は、280kDa以上のバンド領域の定量値を有し、かつ280kDa未満のバンド領域の定量値を有さないか或いは前記280kDa以上の定量値と比べて少量しか有さない抗体を選択することとなる。この選択した抗アディポネクチン抗体によって、唾液中のアディポネクチン量を、280kDa以上のヒト多量体アディポネクチンの有意な反応強度をもって評価することとなる。なお、上記“有意に評価できる値”とは、複数回の測定によって反応強度を定量化する際の測定誤差を超えて、正当な反応強度として評価される有効値をいう。たとえば複数のサンプルにおいて使用サンプルの相違にかかわらず所定の最小値以上の値をとり、かつ測定誤差の最大値が前記所定の最小値を超えない場合には、“有意に評価できる値”とされる。
また、上記非変性及び非還元性条件下のWestern Blotting法で280kDaの上下限をそれぞれ超えるバンド領域を有するバンド画像を得ることで、このバンド画像に基づいて、各唾液サンプルの各抗アディポネクチン抗体における280kDa以上の高分子量(HMW)アディポネクチンと、280kDa未満の中分子量(MMW)及び低分子量(LMW)アディポネクチンと、の反応強度を定量値として認識することができる。これは各抗アディポネクチン抗体がどの分子量領域のアディポネクチンへ強い反応を有するか、を表すものとなっており、複数種の抗アディポネクチン抗体についてバンド画像を抽出することで、好適な280kDa以上の高分子量(HMW)アディポネクチンの抗アディポネクチン抗体を選択することができる。
つまり、前記280kDa以上の多量体アディポネクチン量を特定するための抗アディポネクチン抗体の選択方法として、非変性条件下におけるWestern Blotting法にて、280kDa以上の多量体アディポネクチンと、280kDa未満の低量体アディポネクチンとに分画し、これにより、280kDaの上下限を超えるバンド領域を有する分子量バンド画像を抽出し、当該280kDa以上のバンド量と、280kDa未満のバンド量とをそれぞれ定量値として得て、280kDa以上のバンド量の定量値が大きく、かつ280kDa未満のバンド量の定量値が小さいかあるいは実質的に0とみなせるような反応性の抗アディポネクチン抗体を選択することが好ましい。例えば280kDa未満のバンド量が、280kDa以上のバンド量に対して、少なくとも1未満、好ましくは1/10以下の定量値割合となるような抗アディポネクチン抗体を選択することが好ましい。
(6)また、この発明の唾液中のアディポネクチン量の測定キットは、唾液中のアディポネクチン量の評価を行うための測定キットであって、採取した唾液中の280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体の試薬を含み、前記試薬によって、唾液中のアディポネクチン量を、280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価することを特徴とする。
この発明は上述のような構成であって、280kDa以上のHMWアディポネクチン量をもってアディポネクチン量を評価することにより、潜血の影響の小さい唾液中のアディポネクチン量の評価方法を提供することができるものとなった。
非変性条件下のWestern Blotting法(第一の定量化方法)による血液サンプルの多量体アディポネクチン分布例 非変性条件下のWestern Blotting法(第一の定量化方法)による唾液サンプルの定量例 Western Blotting法における非変性条件(上)と変性条件(下)による唾液サンプルのバンド画像例 Western Blotting法における非変性条件(上)と変性条件(下)による唾液サンプルのバンド画像例 図4AのうちLane3及び4のバンド画像に基づくプロファイルプロット例 図4AのうちLane10及び11のバンド画像に基づくプロファイルプロット例 図4AのうちLane3〜7のバンド画像に基づくプロファイルプロットによる定量値例 非潜血群及び潜血群の各唾液サンプル中における、HMWを除外したアディポネクチン量の測定例 非潜血群及び潜血群の各唾液サンプル中における、HMWのアディポネクチン量の測定例 非変性条件下のWestern Blotting法(第一の定量化方法)による抗アディポネクチン抗体1のバンド画像例 非変性条件下のWestern Blotting法(第一の定量化方法)による抗アディポネクチン抗体2のバンド画像例 非変性条件下のWestern Blotting法(第一の定量化方法)による抗アディポネクチン抗体3のバンド画像例 非変性条件下のWestern Blotting法(第一の定量化方法)による抗アディポネクチン抗体4のバンド画像例 非潜血群及び潜血群の各唾液サンプル中における、第二の定量化方法による唾液中アディポネクチン濃度の発光強度の測定(定量化)例 非潜血群及び潜血群の各唾液サンプル中における、第二の定量化方法による唾液中アディポネクチン濃度の発光強度の測定(定量化)グラフ例 各サンプルないし各採取方法における、非変性条件下のWestern Blotting法(第一の定量化方法)によるバンド画像例 図8Aの各バンド画像に基づくプロファイルプロット例 大豆ゲニスティン抽出物(GCP)の服用前後におけるBW値の測定例 大豆ゲニスティン抽出物(GCP)の服用前後におけるBMI値の測定例 大豆ゲニスティン抽出物(GCP)の服用前後におけるHMWアディポネクチン量の測定例
以下、この発明の実施の形態を説明する。
〔HMW、MMW、LMWの定義〕
アディポネクチンは脂肪細胞から特異的に分泌されるインスリン感受性ホルモンであり、血中に比較的高濃度(5〜10μg/mL)存在している。血中においてヒト多量体アディポネクチンは3量体、6量体、12量体またはそれ以上の多量体という異なる多量体構造で混在する(図1参照)。これらは高分子量(280kDa以上、主として300kDa付近)、中分子量(150kDa以上280kDa未満、主として160kDa付近)、低分子量(0kDa以上150kDa未満)の3区分に区別できる。このうち、280kDa以上の高分子量域で形成されるものを、本発明において多量体アディポネクチン又はHMWと表記する。なお、この多量体アディポネクチンは12量体、18量体またはそれ以上の多量体からなる。また中分子量のアディポネクチンは6量体からなり、低分子量のアディポネクチンは3量体からなる。
多量体アディポネクチンを特異的に形成できなくなる変異を有するヒトは糖尿病になる傾向があり、さらに肥満・インスリン抵抗性においては高分子量のアディポネクチンがとくに低下している。多量体アディポネクチン比は総アディポネクチンに比べ、インスリン抵抗性の予測に有用である。
(従来の測定方法)
アディポネクチンを測定する従来方法として、測定サンプルをドデシル硫酸ナトリウム(SDS)変性処理や熱変性処理した後、免疫学的に測定をする方法が挙げられる。この方法は立体構造上隠れている、抗体の認識部位を前記処理により露出させて免疫学的にアディポネクチンの総量を測定しようとする方法であり、種々の多量体を分別して測定することはできない。
〔唾液中アディポネクチン測定に及ぼす潜血の影響〕
健康チェックステーションで85名の被験者からサクソン原法を用いてガーゼ中に唾液を採取し、遠心分離処理後に唾液を抽出、凍結保存した。パーキンエルマー社 AlphaLISA(商標)法により、各採取サンプルの唾液中アディポネクチン量を測定した。唾液中アディポネクチン量の測定値の全平均は平均6.64ng/mlであった。また唾液中アディポネクチン測定に及ぼす潜血反応の影響を確認すべく、各採取サンプルにおいて、潜血反応試験紙による潜血反応の有無を調べ、採取サンプルを潜血陽性群と潜血陰性群とに分類した。
分類後の潜血陽性群と潜血陰性群それぞれのパーキンエルマー社 AlphaLISA(商標)法による唾液中アディポネクチン量の平均値は以下で示される。
・潜血陽性(33名)平均9.36ng/ml
・潜血陰性(52名)平均4.91ng/ml
潜血の有無で比較すると、潜血陽性群サンプル平均9.36ng/ml、潜血陰性群サンプル4.91ng/mlと著明な差が認められた。これはAlphaLISA(商標)法によってアディポネクチン量を測定した場合、唾液内に潜血があった場合の影響が大きいことを示す。このようにAlphaLISA(商標)法では、使用する抗体によって潜血の有無による影響を受けてしまい、唾液中のアディポネクチン量を正確に評価することが難しい場合がある。
(本発明の第一の定量化方法)
上記従来方法に対し、本発明の第一の定量化方法として、血液サンプル及び唾液サンプルにおけるヒト多量体アディポネクチンの分子量分布をWestern Blotting法によって評価した。具体的には、採取したサンプルをポリアクリルアミド(3〜8%)によるSDS−PAGE電気泳動にて分離し、PVDFメンブレンに転写し、モノクローナル抗体に反応させて、反応強度を示すバンド画像を検出した(Western Blotting法、図1〜図4)。
(血液サンプルにおける分子量分布)
非変性・非還元性条件下のWestern Blotting法による血液サンプルのバンド画像例を、図1に示す。血液中のアディポネクチンは高濃度で存在するため、血液サンプルは100分の1、300分の1、500分の1でそれぞれ希釈して比較検討した。抗アディポネクチン抗体として、マウスIgG1抗体であるMillipore社 MAB3604を用いた。
図1によれば、血液中のアディポネクチンの分子量分布は、100〜150kDaの低分子量アディポネクチンが最も多く、次いで150〜280kDaの中分子量アディポネクチン、次いで280kDa以上の高分子量アディポネクチンの順に量分布する。280kDaを閾値としてその上下各領域の分布量を比較すると、血液中では、280kDa以上のHMWよりも、280kDa未満のMMWやLMWのアディポネクチンが多く存在するといえる(図1参照)。
(唾液サンプルにおける分子量分布)
また非変性・非還元性条件下のWestern Blotting法による唾液サンプルのバンド画像例を図2(図2の右5Lane)に示す。また比較のため、血液サンプルのバンド画像例を図2の左2Laneに併記する。唾液サンプル(図2の右5Lane)では280kDa以上のHMWが有意に強く発現しており、280kDa未満のMMWやLMWは前記HMWと比べてわずかしか発現していない。また血液サンプル(図2の左2Lane)では280kDa未満のMMWやLMWは、280kDa以上のHMWと同程度かそれよりも強く発現している。このことから、唾液サンプルのアディポネクチンの分子量分布を、280kDaを閾値としてその上下各域に区切ってヒト多量体アディポネクチンの分子量分布を比較したとき、唾液中の分子量分布は、血液中の分子量分布と異なり、280kDa以上のHMWが、280kDa未満のMMW及びLMWよりも多く存在しているといえる。
図2に示すバンド画像で使用した抗アディポネクチン抗体は、マウスIgG1抗体である、Millipore社のMAB3604である。本抗体を用いた場合、血液と唾液とで異なる反応を示すことが確認される。すなわち図2のうち左2Laneのバンド画像(血液の1/300希釈サンプル、血液の1/500希釈サンプル)では、中分子量アディポネクチンと低分子量アディポネクチンが強く反応し、多量体アディポネクチンがほとんど反応していない。また図2のうち右5Laneのバンド画像(未希釈の唾液サンプル5種)では、いずれも多量体アディポネクチンが強く反応し、中分子量のアディポネクチンと低分子量のアディポネクチンがほとんど反応していない。
つまり、本抗体を唾液サンプルに反応させて多量体アディポネクチンを分子量ごとのバンド画像とし、280kDa以上のバンド量と、280kDa未満のバンド量とをそれぞれ定量化したとき、280kDa以上のHMWの定量値が有意に大きく、かつ280kDa未満のMMW及びLMWの定量値が前記HMWと比べて小さいかあるいは実質的に含まないこととなる。
このことから、Millipore社のMAB3604は、唾液サンプル中の280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗体といえる。本抗体に反応させて当該反応の強さを定量化した定量値を用いてアディポネクチンを評価すれば、多量体アディポネクチンの反応の強さを特定することで、唾液内アディポネクチン量を、唾液内への血液の混入による影響を抑えた形で得ることができる。
バンド画像の反応強度の定量化方法として、バンド画像を画像解析によってプロファイルプロット化し、ピーク部分を含むゼロ値から囲われた面積を測定することで、バンド画像のプロットに含まれる各ピークの面積を数値化している。なお比較例として、実混入量が判明しているスタンダードの合成アディポネクチンを同じ条件でバンド画像化し数値化することができる。これら数値の比較により、唾液内のバンド画像のプロットの数値を実際の量に換算することができる。
(変性条件と非変性条件下の比較)
血液サンプル、血液の混入した潜血ありの唾液サンプル、潜血なしの唾液サンプル、のそれぞれについて、非変性条件下のWestern Blotting法によるバンド画像(図3上図、図4A上図)と、変性条件下のWestern Blotting法によるバンド画像(図3下図、図4下図)を形成した。変性条件として2−メルカプトエタノールを混入し、かつ95℃で10分の加熱を行った。図3、図4に示すバンド画像で使用した抗アディポネクチン抗体は、マウスIgG1抗体である、Millipore社のMAB3604である。本抗体では、血液サンプルで中分子量、低分子量のアディポネクチンが多く反応し、これらの中分子量、低分子量のアディポネクチンの反応が変性条件でも顕著に表れるものとなっている。
得られた図4Aのバンド画像の各Laneを抽出し、各Laneのバンド濃度を、分子量を横軸としてプロファイルプロットして画像解析し定量化を行った。この画像解析において、図4Aの左から3本目、4本目のLaneのプロファイルプロット画像を図4Bに示す。また図4Aの左から10本目、11本目のLaneのプロファイルプロット画像を図4Cに示す。各プロファイルプロットのピーク部分とベースラインとで囲われる面積を測定することにより、HMW、MMW、LMWの各多量体アディポネクチン量を数値化すなわち定量化することができる。図4B、Cと同様のプロファイルプロット画像による定量値のデータ表を図4Dに示す。表中の数字は左からそれぞれ、HMWの定量化値、MMWの定量化値、モノマー数の定量化値、HMWを除外したMMW及びLMWのみの定量化値、である。
前述の変性条件下のWestern Blotting法において用いた唾液サンプルを非変性条件下のWestern Blotting法により、分画し280kDaを上下限としたバンド領域を沿うようにバンド濃度を2値化して画像解析による定量化を行った。得られた280kDa以上のバンド濃度の定量値は、潜血の有無にかかわらず非有意であった(図5B)。
また、唾液中の総アディポネクチン量を定量化した定量値から280kDa以上のアディポネクチン量を定量化した定量値を減算し算出した280kDa未満のアディポネクチン(LMW及びMMW)の定量値を図5Aに示す。潜血の有無により、有意差の生じなかったHMWの定量値に比べ、LMW及びMMWの定量値は、潜血の有無により有意な差が生じている。
潜血の有無により影響の受けない280kDa以上のアディポネクチン多量体を用いて唾液のアディポネクチン量を評価することにより、潜血の影響を受けない正確にアディポネクチンを評価することが可能となる。
(抗アディポネクチン抗体の選択方法)
前記280kDa以上の多量体アディポネクチン量を用いて唾液中のアディポネクチンを評価するのに好適な抗体の選択方法として、非変性条件下で所定の抗アディポネクチン抗体を用いてWestern Blotting法により分画し、280kDa上下限の分子量バンドのみを抽出し、当該280kDa上下限の分子量バンドのバンド画像を画像濃度の分子量分布のグラフをプロファイルプロットすることで定量化する定量化方法を用いる。
具体的には、非変性条件下でWestern Blotting法を用いることにより、唾液サンプルにおけるアディポネクチン多量体の分子量分布を得る。得られた分子量分布に所定の抗アディポネクチン抗体を用いて抗原抗体反応させ、280kDaを上下限としたバンド領域を抽出し、画像濃度の分子量分布のグラフをプロファイルプロットすることで定量化し定量値を得る。具体的には、280kDaの上下限を超えるバンド領域を有する分子量バンド画像を抽出し、当該280kDa以上のバンド量と、280kDa未満のバンド量とをそれぞれ定量値として得る。
このようにして得られた280kDa以上のアディポネクチン多量体の定量値と280kDa未満アディポネクチン多量体の定量値を比較し、280kDa未満のMMW及びLMW量が、280kDa以上のHMW量に対して、少なくとも1未満、好ましくは1/10の比率となるような抗体を選択する。
選択の条件としては、280kDa以上のバンド量の定量値が大きく、かつ280kDa未満のバンド量の定量値が小さいかあるいは実質的に0とみなせるような反応性かどうか、が挙げられる。例えば280kDa未満のバンド量が、280kDa以上のバンド量に対して、少なくとも1未満、好ましくは1/10以下の定量値割合となるような抗アディポネクチン抗体を選択することができる。前記条件を満たすような抗アディポネクチン抗体を選択することで、唾液に含まれる280kDa以上の多量体アディポネクチン量への反応性の高い抗体を得ることが可能である。前記抗体を選択してアディポネクチン量の評価に用いることにより、潜血の影響で増加する280kDa未満のMMWやLMWのアディポネクチン多量体の影響を受けにくくなり、より正確な評価が可能となる。
〔複数の抗体の各反応傾向〕
4種類の抗体について、上述する抗体選択方法を用いて好適な280kDa以上のアディポネクチン多量体への抗アディポネクチン抗体を評価した。4種類の抗体として、オリエンタル社製APNIgG(ラビットIgG)、Millipore社製MAB3604(マウスIgG1)、オリエンタル社製APN8B3(マウスIgG1K)、RSD社製MAB10652(マウスIgG2B)を用いた。
4種類の抗体を用いた非変性条件下のWestern Blotting法で分画したバンド画像を図5A〜図5Dに示す。抗体の反応傾向をみると、反応抗体2、3においては280kDa以上のアディポクチンの分子量部分が顕著に検出され、低分子量アディポネクチンの分子量部分の検出が僅かであった。これに対し、反応抗体1、4においては280kDa以上のアディポクチンの分子量部分と共に低分子量アディポネクチンの分子量部分が顕著に検出されており、低分子量アディポネクチンの分子量部分が僅かとはいえないものであった。
4種類の抗体では、280kDaのアディポネクチン多量体に好適な抗アディポネクチン抗体は、Millipore社製MAB3604(マウスIgG1)、オリエンタル社製APN8B3(マウスIgG1K)である。いずれもアイソタイプIgG1の抗体(マウスIgG1)であり、少なくともIgG1の抗体であれば唾液中のHMW量の特定ないし評価に好ましいといえる。
(第二の定量化方法)
Western Blotting法以外の第二の定量化方法として、ELISA法に代表されるような抗原抗体反応を用いた手法を用いることが出来る。本発明者は第二の定量化方法として、マイクロウェルの各ウェルに唾液サンプルあるいは唾液サンプルに血液をコンタミネーションさせた潜血サンプルを滴下し、5、000倍に希釈したMillipore社製MAB3604(マウスIgG1)、オリエンタル社製APN8B3(マウスIgG1K)を一次抗体として加え、その後発光基質で修飾した2次抗体を加え蛍光プレートリーダーによる発光強度の測定を行った。その結果を図7A、図7Bに示す。
図7A中央列によれば、オリエンタル社抗体APN8B3(前記抗体3と同じ)の唾液検体の発光強度は2322371であり、同抗体の血液のコンタミネーション検体の発光強度は2590817と比べて有意な差は見られなかった。また図7A右列によれば、Millipore社製MAB3604抗体(前記抗体2と同じ)の唾液検体の発光強度は1170394であり、同抗体の血液のコンタミネーション検体の発光強度は1186068と比べて有意な差は見られなかった。図7Bの3列グラフの右端と中央グラフをみても、血液をコンタミネーションさせた潜血サンプルと血液をコンタミネーションさせていない唾液サンプルの発光強度を対比したとき、有意な差を得ることが出来ない。このことから、血液のコンタミネーション(潜血)の有無による影響を受けることなく、280kDa以上のアディポネクチン多量体をより正確に評価することが可能である、といえる。
上記のほか、ラテックス法、イムノクロマト法、比濁法、比ろう法、間接蛍光抗体法(IIF)、CLEIA法(化学発光酵素免疫測定法)、ECLIA法(電気化学発光免疫測定法)、FPIA法(蛍光偏光免疫測定法)等、種々のアディポネクチン量の抽出、測定、ないし定量化方法を用いて、唾液中のアディポネクチン量を定量化することができる。ただしいずれも、280kDaのアディポネクチン多量体に特異的な反応を示す抗アディポネクチン抗体(例えばマウスIgG1の抗体)を用いることで、唾液中のHMWの量をより正確に特定することができる。
〔採取方法の相違による影響〕
図8に示すように採取方法の相違による影響を検討したところ、前記唾液サンプルは、ストローによって分泌腺からの分泌液を直接採取した唾液サンプルであることが好ましいことが判明した。
本発明者はサリペット採取、ガーゼ採取、及びストロー採取からなる3種の採取方法でそれぞれ人体の唾液サンプルを採取し、各採取方法による唾液サンプルを用いて非変性条件下のWestern Blotting法で分画を行った。また比較サンプルとして、300倍希釈血液、500倍希釈の血液サンプルも同様に分画した。その結果を図8A、図8Bに示す。図8Aは、非変性条件下のWestern Blotting法による各サンプルのバンド画像を示している。各バンド領域のバンド濃度の、分子量分布軸におけるプロファイルプロットのグラフを図8Bに示す。図8Bの最下部のプロファイルプロットグラフは、ストロー採取による唾液サンプルの検出反応の強さの分子量分布を示す。他のグラフと比較して、このストロー採取による唾液サンプルは、280kDa以上のHMWの検出反応が最も大きく、かつ280kDa未満のMMW及びLMWの検出反応が最も小さいことが判別できる。またMMW及びLMWの検出反応は、HMWの検出反応の半分以下であることが判別できる。
図8Bのうち下から3番目、下から2番目の各プロファイルプロットグラフは、それぞれサリペット採取、ガーゼ採取による唾液サンプルの検出反応の強さの分子量分布を示す。これらのグラフによれば、サリペット採取又はガーゼ採取の場合は、ストロー採取の場合と比べてHMWの検出反応が若干弱く、またMMW及びLMWの検出反応がHMWの検出反応と同等程度にあることが判別できる。この原因として、サリペット採取又はガーゼ採取において口腔内出血がある場合には、サリペット又はガーゼを口に含んで噛む際に口腔内が刺激されて出血量が増えること、また、ガーゼやサリペットから唾液を分離させる際に分子量分布が変化してしまうこと、が想定される。
以上の図8A、図8Bに示す採取方法の比較によれば、サリペット採取、ガーゼ採取、及びストロー採取からなる3種の採取方法のうち、280kDa未満の多量体アディポネクチンの混入による影響を最も受けにくいストロー採取による採取方法が、分泌腺から分泌される唾液原液の状態を直接的に反映していると評価された。つまり、ストロー採取による唾液サンプルを用いて280kDa以上のアディポネクチン多量体と反応する抗アディポネクチン抗体を用いて反応強度を定量化することが好ましく、これにり、血液などの混入の影響の小さい、より正確な唾液中のアディポネクチン量の評価を行うことができることを見出した。
また、唾液中の280kDa以上のアディポネクチン量と総アディポネクチン量あるいは280kDa未満のアディポネクチン量を用いて相対値として評価することができる。この場合、唾液サンプルを第1の定量化方法と第2の定量化方法で定量値化し、総アディポネクチン量中の280kDa以上のアディポネクチン量で評価する。
具体的には、まず第1の定量化方法で、280kDa以上のアディポネクチン量を定量化する。第1の定量化方法は、非変性条件下でWestern Blotting法を用いることにより、唾液サンプルにおけるアディポネクチン多量体の分子量分布を得たのち、280kDa以上のバンド領域を抽出し、画像濃度の分子量分布のグラフをプロファイルプロットして、グラフのピーク部分の面積を算出することで280kDa以上のアディポネクチン量を定量化する。また第2の定量化方法で、唾液中の総アディポネクチン量を定量化する。第2の定量化方法は、変性条件下でWestern Blotting法を用いることにより、非分画である唾液サンプルにおける総アディポネクチン多量体のバンド領域を抽出し、画像濃度の分子量分布のグラフをプロファイルプロットすることでグラフのピーク部分の面積を算出することで総アディポネクチン量を定量化する。
また、第2の定量化方法を用いず、第1の定量化方法を用いて唾液サンプルにおけるアディポネクチン多量体の分子量分布を得て、全てのバンド領域を抽出し画像濃度の分子量分布のグラフをプロファイルプロットし、得られたグラフのピーク部分の面積を算出することで総アディポネクチン量を定量化してもよい。また、総アディポネクチン量ではなく、280kDa未満のアディポネクチン多量体を用いて相対的に唾液中の280kDa以上のアディポネクチン量を評価してもよい。
(唾液中のアディポネクチン量の測定キット)
また本発明は、上記唾液中のアディポネクチン量の評価方法を用いる、唾液中のアディポネクチン量の測定キットとして成り立つ。本発明の唾液中のアディポネクチン量の評価を行うための測定キットは、唾液サンプル中の280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体の試薬を少なくとも含んで構成され、前記試薬によって、唾液中のアディポネクチン量を、280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価することができる。
前記測定キットは、好ましくは唾液中サンプルを採取するためのストロー状のピックアップ器を有した採取手段と、唾液サンプル中の280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体の反応プレートと、を含んで構成される。
唾液中サンプルを採取するための採取手段は、例えば採取用ストロー及び保存容器からなる。抗アディポネクチン抗体の試薬を含む測定キットとは、例えば抗アディポネクチン抗体の反応プレートを含む測定キットとして構成される。ただし当該抗アディポネクチン抗体は、唾液サンプル中の280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応するものであり、前記抗体の選択方法によって選択された抗体である。例えばアイソタイプIgG1の抗体がこれに該当する。
上記測定キットにより、唾液中のアディポネクチンを、280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価することが可能となる。上記測定キットを使用して唾液中のアディポネクチン量を評価する際には、上記採取手段及び反応プレートのほかに、前記抗アディポネクチン抗体による唾液サンプルへの反応強度を測定する測定手段と、前記反応強度を定量化する定量化手段と、を含んだ評価セットとして構成される。
本測定キットの各構成を用いて、前記採取手段によって採取した唾液サンプルを、前記反応プレートの抗アディポネクチン抗体に反応させる。また前記評価セットの各構成を用いて、前記測定手段によって、当該抗アディポネクチン抗体による唾液サンプルへの反応強度を測定して定量化し、唾液中のアディポネクチン量を、前記定量化によって得られた280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価する。
〔機能性食品の介入による非侵襲的評価〕
今回、オフィスワーカーを対象に、非侵襲的検査(カウンセリング、体組成測定、唾液採取)を月1回行い、Good diet sheetを用いた食生活の評価を行い個々人に適した機能性食品を選択し、3ヶ月間の服用による介入を行った。3ヶ月間介入を行った男性37名のうち、大豆ゲニスティン抽出物(GCP)を服用した8名について唾液のHMW アディポネクチンを非変性条件下のWestern Blotting法(第1の定量化方法)で検出した。なお大豆ゲニスティン抽出物(GCP)は、ヒト多量体アディポネクチンを上昇させることが判明しているイソフラボンを含むものである。
その結果、GCPを摂取した人は、摂取しなかった人に比べBW(体重)増加、ならびにBMI(体格指数)増加を有意に抑制された結果が得られた(図9A、図9B)。さらにGCPを摂取した人は、280kDa以上のHMWアディポネクチンが有意に増加した(図9C)。また280kDa以上のアディポネクチン多量体と体重ならびにBMIにおいて、GCP服用による相関が得られた。このことから、唾液中のアディポネクチン量としてHMWの定量値を用いて、GCPの摂取効果(体重増加の抑制効果、BMI増加の抑制効果)を評価することができる。例えば図9Cにおいてゲージ値5500以上のアディポネクチン量の定量値が得られた場合には、本服用物(GCP)による服用の効果が有意なものになると評価することができる。今回のオフィスワーカーに対する3か月という短期間の介入において、Good diet sheetによるGCP服用及び非侵襲的評価による介入が、生活習慣病予防における有効であることが示唆される、HMWアディポネクチンは機能性食品投与前後などの鋭敏な非侵襲マーカーとなる事が示唆された。
また、血液中に4μg/ml以上のアディポネクチン量があれば、低アディポネクチン血症であってメタボリックシンドローム症候群の可能性があると考えられている。この血中4μg/mlという判断基準値と同様に、唾液中のHMWアディポネクチン量の判断基準値を設定し、測定したHMWの定量化値がその判断基準値以上かどうかに基づいて、低アディポネクチン血症のおそれの評価を行うことができる。この場合の唾液中の判断基準値の設定においては、HMWのアディポネクチンに対して特異的に反応する特定の抗アディポネクチン抗体を用いた抗体反応の定量化値のデータと、低アディポネクチン血症の該当性との相関をとる手順が必要となる。この手順と同様に、前記特定の抗アディポネクチン抗体を用いた所定の定量化方法によるデータを蓄積することで、ヒト又は生体物のアディポネクチン量と相関する症状のマーカーを設定し、各症状の評価を行うことができる。
〔oral careの可能性〕
1994年世界保健機構(WHO)の世界保健デーのメインテーマは「健やかライフに寄与する口腔保健」であった。健やかな生活の基本は口腔の健康であることははっきりしている。寿命が延びるに従って、歯を喪失する原因が歯周病となっている。アメリカ歯科医師会は、アメリカでは65歳以上の80%もが歯周病であることを発表している。さらなる問題は、歯周病は糖尿病、呼吸器疾患、妊娠トラブル、心疾患に重要な関わりを持っていることである。
歯周病の予防は、メタボリックシンドローム対策のひとつである。歯周病はメタボリックシンドロームの原因である糖尿病へ悪影響を及ぼす要因である。歯周病は自覚症状が出にくいため、歯から知らない間に菌が体内に運ばれることになる。今日、メタボリックシンドロームと歯周病との関わり合いが指摘されている。そのメカニズムの中で重要な働きをしているのがサイトカインと呼ばれる物質である。サイトカインは、リンパ球などが産生するタンパク質で、恒常性を維持するためにはたらいている。しかし、細菌感染などで過剰に産生されると、それらは生体にマイナスに作用するようになる。唾液中に含まれるリゾチーム、ヒスタチン、シスタチンなどの抗菌性タンパク質は、細菌の繁殖や毒性を抑えたり、免疫系を調節したりして感染防御にはたらいている。
唾液腺より直接分泌され、唾液中に多く含まれるHMWアディポネクチンは、血液中HMWと同様に口腔内のヘルシーマーカーとして有用となりうる可能性が有ると考えられる。
〔唾液細胞由来リコンビナントHMWアディポネクチン蛋白の可能性〕
脂肪細胞から分泌されるHMWはMMWやLMWに比べて、高機能であることが示唆されているが、将来ヒト唾液腺細胞の培養が可能となった際には、分泌されるHMWアディポネクチンが極めて有用なリコンビナント蛋白になる可能性が有る。
上記各実施例では唾液中のアディポネクチンの評価方法として記載しているが、本評価方法は医療行為又は生体材料を含む再生治療行為に用いられるものではなく、医療行為又は再生治療行為を除く科学的分析又は統計に用いられる。また上記各評価方法はそのまま、唾液の科学的分析や統計を目的とした、唾液中のアディポネクチン量を特定する方法に適用することができる。さらに、各評価方法中における使用機材を用いた、唾液中のアディポネクチン量の分析・評価を行うための測定キットとして適用することができる。
その他、上記各実施例では唾液中のヒト多量体アディポネクチンの特定又は評価を行っているが、ヒトに基づく多量体アディポネクチン量だけに限られず、唾液腺を有する生体物(ペット又は家畜として飼育される動物)の唾液サンプルを再出することで、広く生体物の唾液中のアディポネクチンの量の特定又は評価を行うことができる。
潜血の有無の影響が少ないアディポネクチンの評価方法(非侵襲性)を提供することによって、大規模かつ長期での唾液アディポネクチン値のフォローを実施することにより、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病やドライマウスはもとより、オーラルケアーを含む様々なヘルスケア領域でも更なる発展が期待される。

Claims (6)

  1. 唾液中のアディポネクチン量を、280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価するようにしたことを特徴とする、唾液中のアディポネクチン量の評価方法。
  2. 唾液サンプル中の280kDa以上のアディポネクチン多量体と特異的に反応する抗体とを反応させて前記反応の強さを定量化した定量値を用いる、請求項1記載の唾液中のアディポネクチン量の評価方法。
  3. 前記唾液サンプルはストローによって採取した唾液サンプルである、請求項1または2に記載の唾液中のアディポネクチン量の評価方法。
  4. 所定の抗アディポネクチン抗体によって唾液を反応させて、
    280kDa以上の多量体アディポネクチンによる前記所定の抗アディポネクチン抗体の反応強度を定量化し、
    また、280kDa未満の多量体アディポネクチンによる前記所定の抗アディポネクチン抗体の反応強度、或いは前記唾液に含まれるすべての分子量の多量体アディポネクチンによる前記所定の抗アディポネクチン抗体の反応強度、のいずれかを定量化し、
    各定量化した値の比率によって、唾液中のアディポネクチン量を評価する、請求項1、2、3の何れか1項に記載の唾液中のアディポネクチン量の評価方法。
  5. 唾液中のアディポネクチン量の評価方法であって、
    唾液サンプルを、非変性条件下におけるWestern Blotting法にて、280kDa以上のヒト多量体アディポネクチンと、280kDa未満のヒト多量体アディポネクチンとに分画して、280kDaの上下限を超えるバンド領域を抽出し、特定の抗アディポネクチン抗体に反応させたときの、280kDa以上のバンド領域における反応の強さを定量化したHMW定量値と、280kDa未満のバンド領域のそれぞれにおける反応の強さを定量化したMMW・LMW定量値と、をそれぞれ算出したとき、
    前記HMW定量値が有意に評価できる値であり、かつ前記MMW・LMW定量値が前記HMW定量値の1/10以下または0となる、抗アディポネクチン抗体を選択し、
    前記選択した抗アディポネクチン抗体による反応強度によって、唾液中のアディポネクチン量を評価する、唾液中のアディポネクチン量の評価方法。
  6. 採取した唾液中の280kDa以上の多量体アディポネクチンと特異的に反応する抗アディポネクチン抗体の試薬を含み、前記試薬によって、唾液中のアディポネクチン量を、280kDa以上の多量体アディポネクチン量で評価することを特徴とする、唾液中のアディポネクチン量の測定キット。
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