JPWO2015029952A1 - ネットワーク装置及びユーザ端末 - Google Patents

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Abstract

ネットワーク装置は、複数のユーザ端末に対して、周辺のユーザ端末の探索要求を送信する送信部と、探索要求に基づく周辺のユーザ端末の探索結果を受信する受信部と、探索結果に基づいて、複数のユーザ端末の中から、D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリング端末を決定する制御部と、を備える。送信部は、スケジューリング端末に決定したユーザ端末にスケジューリング端末になることを要求するスケジューリング端末要求を送信する。

Description

本発明は、D2D通信をサポートする移動通信システムにおけるネットワーク装置及びユーザ端末に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)通信の導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D通信では、近接する複数のユーザ端末がネットワークを介さずに直接的な端末間通信を行う。一方、移動通信システムの通常の通信であるセルラ通信では、ユーザ端末がネットワークを介して通信を行う。
なお、D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを、基地局などのネットワーク装置が主導で行うケースだけでなく、D2D通信を行うユーザ端末が主導で行うケースが想定される。D2D通信を行うユーザ端末自身が無線リソースの割り当てを行うことにより、基地局の負荷を軽減できる。
ユーザ端末がD2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを主導で行う場合において、無線リソースの割り当てを行うユーザ端末(以下、スケジューリング端末と称する)と無線リソースが割り当てられるユーザ端末(以下、非スケジューリング端末と称する)とが属するD2Dグループが複数存在するケースを想定する。この場合、複数のD2Dグループに属してD2D通信を行う非スケジューリング端末は、各D2Dグループに属する各スケジューリング端末からそれぞれ無線リソースを割り当てられる。スケジューリング端末は、一般的に、互いに独立して無線リソースを割り当てるため、当該非スケジューリング端末に割り当てられた無線リソースが重複し、D2D通信に支障を来す虞がある。
また、非スケジューリング端末が複数のスケジューリング端末から無線リソースを割り当てられない場合であっても、複数のD2Dグループが混在して存在する場合には、複数のスケジューリング端末が割り当てる無線リソースの重複によって、やはりD2D通信に支障を来す虞がある。特に、D2Dグループの数、すなわち、スケジューリング端末の数が多くなるほど、無線リソースが重複する可能性が高くなる。
3GPP技術報告書 「TR 22.803 V12.1.0」 2013年3月
一実施形態に係るネットワーク装置は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるネットワーク装置である。当該ネットワーク装置は、複数のユーザ端末に対して、周辺のユーザ端末の探索要求を送信する送信部と、前記探索要求に基づく前記周辺のユーザ端末の探索結果を受信する受信部と、前記探索結果に基づいて、前記複数のユーザ端末の中から、前記D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリング端末を決定する制御部と、を備える。前記送信部は、前記スケジューリング端末に決定したユーザ端末に前記スケジューリング端末になることを要求するスケジューリング端末要求を送信する。
図1は、LTEシステムの構成図である。 図2は、UEのブロック図である。 図3は、eNBのブロック図である。 図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。 図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す図である。 図7は、D2D通信におけるデータパスを示す図である。 図8は、移動通信システムの動作概要を説明するための説明図である。 図9は、移動通信システムの動作概要を説明するための説明図である。 図10は、実施形態に係るeNB200の動作を示すフローチャートである。 図11は、実施形態に係る各UE100がD2D通信を行っている通信相手をプロットした図である。 図12は、実施形態に係る各UE100の周辺に位置するUE100をプロットした図である。 図13は、実施形態に係るeNB200が指定する無線リソースの一例を説明するための説明図である。 図14は、移動通信システムの動作概要を説明するための説明図である。 図15は、本実施形態の変更例1に係る動作環境において、UE100が救済通知を送信するケースを説明するための説明図である。 図16は、本実施形態の変更例2に係る動作環境において、UE100が救済通知を送信するケースを説明するための説明図である。 図17は、本実施形態の変更例3に係る動作環境において、UE100が救済通知を送信するケースを説明するための説明図である。 図18は、本実施形態の変更例3に係る動作環境において、UE100が救済通知を送信するケースを説明するための説明図である。
[実施形態の概要]
実施形態に係るネットワーク装置は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるネットワーク装置である。当該ネットワーク装置は、複数のユーザ端末に対して、周辺のユーザ端末の探索要求を送信する送信部と、前記探索要求に基づく前記周辺のユーザ端末の探索結果を受信する受信部と、前記探索結果に基づいて、前記複数のユーザ端末の中から、前記D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリング端末を決定する制御部と、を備える。前記送信部は、前記スケジューリング端末に決定したユーザ端末に前記スケジューリング端末になることを要求するスケジューリング端末要求を送信する。
実施形態に係るネットワーク装置において、前記制御部は、前記複数のユーザ端末の中から、前記スケジューリング端末から前記無線リソースを割り当てられるユーザ端末を決定する。前記送信部は、前記スケジューリング端末要求とともに、前記スケジューリング端末に決定したユーザ端末に前記無線リソースを割り当てられる他のユーザ端末の識別情報を送信する。
実施形態に係るネットワーク装置において、前記探索要求は、前記ユーザ端末の発見に用いられる発見信号の送信の要求である。前記受信部は、前記探索結果として、前記発見信号の受信結果及び/又は前記発見信号に対する応答の受信結果を受信する。
実施形態に係るネットワーク装置において、前記制御部は、前記探索結果に基づいて、前記複数のユーザ端末の中から、発見したユーザ端末の数が相対的に多いユーザ端末を前記スケジューリング端末に決定する。
実施形態に係るネットワーク装置において、前記制御部は、前記スケジューリング端末として2以上のユーザ端末を決定する場合、前記2以上のユーザ端末が割り当てる無線リソースのそれぞれが重複しないように、前記2以上のユーザ端末が割り当て可能な無線リソースをそれぞれ指定する。
実施形態において、前記2以上のユーザ端末は、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末とを含む。前記制御部は、前記第1のユーザ端末及び前記第1のユーザ端末から前記無線リソースを割り当てられるユーザ端末が属する第1のグループと、前記第2のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末から前記無線リソースを割り当てられるユーザ端末が属する第2のグループと、が隣接する場合にのみ、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末が割り当てる無線リソースのそれぞれが重複しないように、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末が割り当て可能な無線リソースをそれぞれ指定する。
実施形態に係るネットワーク装置において、前記送信部は、前記複数のユーザ端末のうち、少なくとも1以上のユーザ端末から前記無線リソースの重複に基づく救済通知を前記受信部が受信した場合に、前記探索要求を送信する。
実施形態において、前記救済通知は、前記少なくとも1以上のユーザ端末が他のD2D通信からの干渉を検知したことを示す。
実施形態において、前記救済通知は、前記無線リソースの割り当てを行う第1のユーザ端末が、前記第1のユーザ端末と異なる第2のユーザ端末の前記無線リソースの割当情報に基づいて、前記第1のユーザ端末の前記無線リソースの割り当てを変更する場合に送信される。
実施形態に係るユーザ端末は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるユーザ端末である。当該ユーザ端末は、ネットワーク装置から周辺のユーザ端末の探索要求を受信する受信部と、前記探索要求に基づいて前記周辺のユーザ端末の探索を開始する制御を行う制御部と、前記周辺のユーザ端末の探索結果を前記ネットワーク装置に送信する送信部と、を備える。前記受信部は、前記探索結果に基づいて前記D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリング端末として前記ユーザ端末が決定された場合に、前記ユーザ端末が前記スケジューリング端末になることを要求するスケジューリング端末要求を受信する。
実施形態に係るユーザ端末において、前記受信部は、前記スケジューリング端末要求とともに、前記ユーザ端末に前記無線リソースを割り当てられる他のユーザ端末の識別情報を受信する。
実施形態において、前記探索要求は、前記ユーザ端末の発見に用いられる発見信号の送信の要求である。前記送信部は、前記探索結果として、前記発見信号の受信結果及び/又は前記発見信号に対する応答の受信結果を前記ネットワーク装置に送信する。
実施形態に係るユーザ端末において、前記送信部は、前記ユーザ端末のD2D通信のために割り当てられた無線リソースと、他のD2D通信に用いられる無線リソースとの重複があった場合に、前記無線リソースの重複に基づく救済通知を前記ネットワーク装置に送信する。前記受信部は、前記救済通知に基づく前記探索要求を受信する。
実施形態に係るユーザ端末において、前記送信部は、前記制御部が前記他のD2D通信からの干渉を検知した場合に、前記救済通知を前記ネットワーク装置に送信する。
[実施形態]
(LTEシステム)
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
UE100は、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、セルを管理しており、セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。
なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、OAM400(Operation and Maintenance)と)を含む。また、EPC20は、コアネットワークに相当する。
MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
OAM400は、オペレータによって管理されるサーバ装置であり、E−UTRAN10の保守及び監視を行う。
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。
UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。
GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。
バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ240’としてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。物理レイヤは、物理チャネルを用いて上位レイヤに伝送サービスを提供する。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式など)、及び割り当てリソースブロックを決定するMACスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ使用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各シンボルの先頭には、サイクリックプレフィックス(CP)と呼ばれるガード区間が設けられる。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルにより構成される無線リソース単位はリソースエレメント(RE)と称される。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS)が分散して配置される。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、復調参照信号(DMRS)及びサウンディング参照信号(SRS)が配置される。
(D2D通信)
次に、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)とD2D通信とを比較して説明する。
図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でセルラ通信を行う場合を例示している。なお、データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の転送経路を意味する。
図6に示すように、セルラ通信のデータパスはネットワークを経由する。詳細には、eNB200−1、S−GW300、及びeNB200−2を経由するデータパスが設定される。
図7は、D2D通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でD2D通信を行う場合を例示している。
例えば、UE100−1及びUE100−2のうち一方のUE100が、近傍に存在する他方のUE100を発見することで、D2D通信が開始される。なお、D2D通信を開始するために、UE100は、自身の近傍に存在する他のUE100を発見する(Discover)機能を有する。また、UE100は、他のUE100から発見される(Discoverable)機能を有する。
図7に示すように、D2D通信のデータパスはネットワークを経由しない。すなわち、UE間で直接的な無線通信を行う。このように、UE100−1の近傍にUE100−2が存在するのであれば、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信を行うことによって、ネットワークのトラフィック負荷及びUE100のバッテリ消費量を削減するなどの効果が得られる。
(移動通信システムの動作)
(1)動作環境
次に、本実施形態に係る移動通信システムの動作環境について、図8を用いて説明する。図8は、移動通信システムの動作環境を説明するための説明図である。
図8に示すように、UE100cは、UE100a、UE100b、UE100d及びUE100fのそれぞれとD2D通信を行っている。UE100a、UE100b及びUE100fのそれぞれは、D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリングUEであり、自身のD2D通信のためのスケジューリングを行い、割り当てた無線リソースを示すスケジューリング結果をUE100cに送信する。UE100cは、各UE100から受信したスケジューリング結果に基づいて、割り当てられた無線リソースが互いに重複しないように、無線リソースの調停を行う。具体的には、UE100cは、あるUE100(例えば、UE100a)から割り当てられた無線リソースが他のUE100から割り当てられた無線リソースと重複していなければ、スケジューリング結果の応答として、当該無線リソースの使用を承諾する旨を、当該無線リソースを割り当てたUE100aに送信する。UE100a及びUE100cは、当該無線リソースを使用してD2D通信を行う。
一方、UE100cは、あるUE100(例えば、UE100b)から割り当てられた無線リソースが他のUE100(例えば、UE100d)から割り当てられた無線リソースと重複している場合、スケジューリング結果の応答として、当該無線リソースの使用を拒否する旨を、当該無線リソースを割り当てたUE100bに送信する。UE100bは、無線リソースの使用を拒否する旨のスケジューリング結果の応答を受信した場合、割り当てた無線リソースを変更するため、再びスケジューリングを行う。
UE100cは、UE100bが再スケジューリングを行うことによって、UE100dから割り当てられた無線リソースが他のUE100から割り当てられた無線リソースと重複しなくなった場合、スケジューリング結果の応答として、当該無線リソースの使用を承諾する旨をUE100dに送信する。
なお、上述の方法に限らず、UE100cは、他の方法によって無線リソースの調停を行ってもよい。
また、UE100eは、UE100d及びUE100gのそれぞれとD2D通信を行っている。UE100d及びUE100gのそれぞれは、D2D通信のためのスケジューリングを行い、それぞれのスケジューリング結果をUE100eに送信する。UE100eは、上述で説明したように、無線リソースの調停を行う。
また、UE100iは、UE100g、UE100h及びUE100jのそれぞれとD2D通信を行っている。UE100g、UE100h及びUE100jのそれぞれは、D2D通信のためのスケジューリングを行い、それぞれのスケジューリング結果をUE100iに送信する。UE100iは、上述で説明したように、無線リソースの調停を行う。
なお、後述の救済通知を送信する前のスケジューリングUEの数は、7(UE100a、UE100b、UE100d、UE100f、UE100g、UE100h、UE100j)である。
(2)動作概要
次に、本実施形態に係る移動通信システムの動作概要について、図9から図14を用いて説明する。図9は、移動通信システムの動作概要を説明するための説明図である。図10は、実施形態に係るeNB200の動作を示すフローチャートである。図11は、実施形態に係る各UE100がD2D通信を行っている通信相手をプロットした図である。図12は、実施形態に係る各UE100の周辺に位置するUE100をプロットした図である。図13は、実施形態に係るeNB200が指定する無線リソースの一例を説明するための説明図である。図14は、移動通信システムの動作概要を説明するための説明図である。
図9に示すように、UE100c、UE100e及びUE100iのそれぞれは、無線リソースの重複に基づく救済通知をeNB200に送信する。eNB200は、救済通知を受信する(図10のステップS101参照)。
救済通知は、無線リソースの重複に基づいてUE100が送信するものである。本実施形態において、UE100c、UE100e及びUE100iのそれぞれは、例えば、無線リソースの重複によって、割り当てられた無線リソースの使用を拒否する旨のスケジューリング結果を所定回数以上送信した場合に、救済通知を送信する。
救済通知は、救済通知を送信したUE100(以下、救済UE100と称する)の識別子、及び、救済UE100のD2D通信相手となるUE100(以下、通信相手UE100と称する)の識別子を含む。また、救済通知は、通信相手UE100のD2D通信相手となるUE100の識別子、スケジューリングUEの識別子及び救済UE100及び通信相手UE100それぞれのスケジューリング能力を示す情報の少なくとも1つを含んでもよい。
本実施形態では、UE100cは、自身(UE100c)の識別子の他に、通信相手UE100の識別子として、UE100a、UE100b、UE100d及びUE100fのそれぞれの識別子を含む救済通知を送信する。UE100eは、自身(UE100e)の識別子の他に、通信相手UE100の識別子として、UE100d及びUE100gのそれぞれの識別子を含む救済通知を送信する。UE100iは、自身(UE100i)の識別子の他に、通信相手UE100の識別子として、UE100g、UE100h及びUE100jのそれぞれの識別子を含む救済通知を送信する。
eNB200は、救済通知の受信に応じて、図10のステップS102の処理を実行する。なお、eNB200は、所定数以上のユーザ端末から救済通知を受信した場合に、ステップS102の処理を実行してもよい。
図10に示すように、ステップS102において、eNB200は、救済UE100が属する集団どうしが互いに独立して存在しているか否かを確認する。すなわち、eNB200は、各UE100(UE100c、UE100e及びUE100i)から受信した救済通知に含まれる救済UE100の識別子及び通信相手UE100識別子に基づいて、当該集団が独立して存在しているか否かを確認する。
ステップS103において、eNB200は、救済UE100が属する集団どうしが互いに独立して存在していると判定した場合(ステップS103の“Yes”の場合)、動作を終了する。一方、eNB200は、当該集団どうしが互いに独立して存在していない、すなわち、複数の集団が重複して存在すると判定した場合(ステップS103の“No”の場合)、ステップS104の処理を実行する。
図11に示すように、eNB200は、救済通知に基づいて、救済UE100が属する集団の分布状況を把握できる。
UE100c及びUE100eのそれぞれから受信した救済通知からUE100dが共通し、UE100e及びUE100iのそれぞれから受信した救済通知からUE100gが共通しているため、図11に示すように、eNB200は、UE100cが属する集団とUE100eが属する集団とが重複して存在し、UE100eが属する集団とUE100iが属する集団とが重複して存在すると判定する。従って、本実施形態では、ステップS104の処理を実行する。
図10に戻り、ステップS104において、eNB200は、集団に属する全てのUE100に対して、周辺のUE100の探索要求を送信する。UE100は、探索要求を受信する。本実施形態において、eNB200は、探索要求として、UE100の発見に用いられる発見信号(以下、Discovery信号を称する)の送信を要求する。
なお、eNB200は、探索要求とともに、Discovery信号を送信するための無線リソースの割当情報及び/又はDiscovery信号を送受信するタイミングを送信してもよい。また、eNB200は、集団に属する全てのUE100のそれぞれに対して、探索要求を直接送信せずに、救済UE100を介して探索要求を送信してもよいし、eNB200との通信を代表して行うアンカーUEを介して探索要求を送信してもよい。
UE100は、探索要求に基づいて周辺のUE100の探索を開始する。具体的には、UE100は、Discovery信号の送信及び他のUE100からのDiscovery信号の受信を行う。また、UE100は、Discovery信号に対する応答であるDiscovery応答の送信及び他のUE100からのDiscovery応答の受信を行ってもよい。
UE100は、探索結果として、Discovery信号の受信結果及び/又はDiscovery応答の受信結果をeNB200に送信する。ステップS105において、eNB200は、探索結果として、当該受信結果を受信する。なお、UE100は、救済UE100又はアンカーUEを介して当該受信結果をeNB200に送信してもよい。
ステップS106において、eNB200は、探索結果に基づいて、スケジューリングUEの数が低減するように、グループ分けを行う。具体的には、eNB200は、グループ分けの対象となる複数のUE100の中から、D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリングUEと、当該スケジューリングUEから無線リソースを割り当てられる非スケジューリングUEと、を決定する。これにより、スケジューリングUEと非スケジューリングUEとからなるスケジューリンググループが決定される。
まず、図12に示すように、eNB200は、各UE100のDiscovery信号の受信結果及び/又はDiscovery応答の受信結果に基づいて、各UE100の周辺に位置するUE100を把握する。
次に、eNB200は、スケジューリングUEの数が低減するように、スケジューリングUEと非スケジューリングUEとを決定する。
eNB200は、発見したUE100の数が相対的に多いUE100をスケジューリングUEに決定する。また、eNB200は、全てのUE100が無線リソースを割り当てられるように、スケジューリングUE及び非スケジューリングUEを決定する。
また、eNB200は、通信相手UE100のD2D通信相手となるUE100の識別子、スケジューリングUEの識別子及びスケジューリング能力を示す情報の少なくとも1つを受信していた場合、これらを総合的に考慮して、スケジューリングUE及び非スケジューリングUEを決定する。例えば、eNB200は、スケジューリングUEの識別子及び/又はスケジューリング能力を示す情報に基づいて、スケジューリング能力を有さないUE100をスケジューリングUEの候補対象から除外する。すなわち、eNB200は、スケジューリング能力を有さないUE100を非スケジューリングUEに決定する。また、eNB200は、スケジューリングUEの候補対象となったUE100の中からスケジューリングUEを決定する。
本実施形態では、eNB200は、UE100b、UE100e及びUE100iをスケジューリングUEに決定する。また、eNB200は、UE100a及びUE100cをUE100bのスケジューリンググループ1に属する非スケジューリングUEに決定し、UE100c、UE100d、UE100f及びUE100gをUE100eのスケジューリンググループ2に属する非スケジューリングUEに決定し、UE100g、UE100h及びUE100jをUE100iのスケジューリンググループ3に属する非スケジューリングUEに決定する。これにより、スケジューリングUEの数が7から3に低減している。
次に、eNB200は、スケジューリングUEであるUE100b、UE100e及びUE100iが割り当てる無線リソースのそれぞれが重複しないように、UE100b、UE100e及びUE100iが割り当て可能な無線リソースをそれぞれ指定する。
図13に示すように、eNB200は、例えば、スケジューリンググループのそれぞれが互いに重複しないように無線リソース(帯域割当)を指定する。また、eNB200は、eNB200は、スケジューリンググループが隣接する場合にのみ、隣接するスケジューリンググループ間において用いられる指定された帯域割当が隣接しないように指定してもよい。従って、本実施形態において、図13において、スケジューリンググループ1及び3の帯域割当をスケジューリンググループ1及び3が共通して割り当て可能に無線リソースを指定してもよい。
なお、eNB200は、スケジューリンググループに属するUE100が共通する場合に、当該スケジューリンググループどうしが隣接すると判定してもよいし、スケジューリンググループに属するUE100が他のスケジューリンググループに属するUE100を発見していた場合に、当該スケジューリンググループどうしが隣接すると判定してもよい。
図10に戻り、ステップS107において、eNB200は、決定したスケジューリンググループを各UE100に通知する。
具体的には、eNB200は、決定したスケジューリングUEであるUE100b、UE100e及びUE100iのそれぞれにスケジューリングUEになることを要求するスケジューリングUE要求を送信する。UE100b、UE100e及びUE100iのそれぞれは、スケジューリングUE要求を受信する。また、eNB200は、スケジューリングUE要求とともに、各スケジューリングUEに無線リソースを割り当てられる他のUE100の識別子を送信してもよい。具体的には、本実施形態では、eNB200は、UE100bに、UE100a及びUE100cの識別子を送信し、UE100eに、UE100c、UE100d、UE100f及びUE100gの識別子を送信し、UE100iに、UE100g、UE100h及びUE100jの識別子を送信してもよい。
また、図14に示すように、eNB200は、決定した非スケジューリングである各UE100に、各UE100に無線リソースを割り当てるスケジューリングUEを知らせるために、当該UE100の識別子をユニキャストで送信してもよいし、各スケジューリンググループに属するUE100とスケジューリングUE(及び非スケジューリングUE)とに関するリストをブロードキャストしてもよい。また、各スケジューリングUEが、スケジューリングUEであることを同じスケジューリンググループに属するUE100に直接知らせてもよい。
なお、eNB200は、スケジューリングUE要求、及び、スケジューリングUEを非スケジューリングUEに知らせるためのスケジューリングUEの識別子を、各UE100のそれぞれに対して、直接送信せずに、救済UE100又はアンカーUEを介して送信してもよい。
スケジューリングUE要求を受信した各UE100は、スケジューリングを開始する。具体的には、スケジューリングUEは、自身の属するスケジューリンググループの各UE100に対して無線リソースの割り当てを行う。各UE100は、割り当てられた無線リソースを用いてD2D通信を行う。
(実施形態の変更例)
次に、実施形態の変更例について、図15から図18を用いて説明する。図15は、本実施形態の変更例1に係る動作環境において、UE100が救済通知を送信するケースを説明するための説明図である。図16は、本実施形態の変更例2に係る動作環境において、UE100が救済通知を送信するケースを説明するための説明図である。図17及び図18は、本実施形態の変更例3に係る動作環境において、UE100が救済通知を送信するケースを説明するための説明図である。
上述した実施形態及び各変更例と異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、説明を適宜省略する。
(1)変更例1
上述した実施形態では、無線リソースの調停を行うUE100が救済通知を送信していた。本変更例では、他のD2D通信からの干渉を検知したUE100が救済通知を送信する。
まず、図15に示すように、スケジューリンググループ1に属するUE100aとUE100bとがD2D通信を行い、スケジューリンググループ2に属するUE100cとUE100dとがD2D通信を行っている。また、スケジューリンググループ1とD2D通信グループ2とは隣接している。具体的には、UE100bは、UE100cの近傍に位置している。また、各UE100は、同一の周波数帯域を用いてD2D通信を行っている。
このような状況において、スケジューリンググループ1において、UE100aにn番目のサブフレームの無線リソースが割り当てられ、UE100bにn+1番目のサブフレームの無線リソースが割り当てられ、且つ、スケジューリンググループ2において、UE100cにn番目のサブフレームの無線リソースが割り当てられ、UE100dにn+1番目のサブフレームの無線リソースが割り当てられと仮定する。
この場合、n番目のサブフレームの無線リソースは、UE100aとUE100cとで共通しているため、UE100aがn番目のサブフレームの無線リソースを用いてデータをUE100bに送信する場合に、同時にUE100cがn番目のサブフレームの無線リソースを用いてデータをUE100dに送信する。これにより、UE100bは、UE100cからの送信信号が干渉信号となり、UE100aのデータが受信できない。この場合、UE100bは、他のD2D通信からの干渉を検知したと判定して、救済通知として、干渉を検知したことを示す通知をeNB200に送信する。UE100bは、所定回数以上、当該干渉を検知した場合に救済通知をeNB200に送信してもよい。
eNB200は、救済通知の受信した場合に、D2D通信を行う各UE100に対して探索要求を送信する。eNB200は、UE100の位置情報に基づいて、UE100bの周辺に位置するUE100に対して、探索要求を送信してもよい。
(2)変更例2
次に、上述した変更例1では、他のスケジューリンググループに属するUE100からの干渉を検知したUE100が救済通知を送信していた。本変更例では、複数のスケジューリンググループに属するUE100からの干渉を検知したUE100が救済通知を送信する。
まず、図16に示すように、スケジューリンググループ1に属するUE100bがスケジューリングUEであり、UE100a及びUE100cが非スケジューリングUEである。また、スケジューリンググループ2に属するUE100dがスケジューリングUEであり、UE100cが非スケジューリングUEである。また、各UE100は、同一の周波数帯域を用いてD2D通信を行っている。
図16に示すように、ステップS201において、スケジューリングUEであるUE100bは、スケジューリンググループ1に属するUE100a及びUE100cのそれぞれに無線リソースの割当情報を送信する。UE100a及びUE100cのそれぞれは、当該割当情報を受信する。UE100bは、UE100aに対して、n番目のサブフレームの無線リソースが示された割当情報を送信し、UE100cに対して、n+1番目のサブフレームの無線リソースが示された割当情報を送信する。
ステップS202において、ステップS201と同様に、スケジューリングUEであるUE100dは、スケジューリンググループ2に属するUE100cに無線リソースの割当情報を送信する。UE100cは、当該割当情報を受信する。UE100dは、UE100cに対して、n番目のサブフレームの無線リソースが示された割当情報を送信する。
UE100cは、UE100bから割り当てられた無線リソースとUE100dから割り当てられた無線リソースとが重複していないため、これらの無線リソースを用いてD2D通信を行うことを決定する。
ステップS203において、UE100aが、n番目のサブフレームの無線リソースを用いてUE100bにデータを送信すると同時に、UE100cが、n番目のサブフレームの無線リソースを用いてデータをUE100dに送信する。これにより、UE100bは、UE100cからの送信信号が干渉信号となり、UE100aのデータが受信できない。この場合、上述の変更例1と同様に、UE100bは、他のD2D通信からの干渉を検知したと判定して、救済通知として、干渉を検知したことを示す通知をeNB200に送信する。
(3)変更例3
次に、上述した変更例1及び2では、干渉を検知した場合に、救済通知を送信していた。本変更例では、複数のUE100の間で無線リソースの調停が行われる。
まず、図17に示すように、スケジューリンググループ1に属するUE100bがスケジューリングUEであり、UE100a及びUE100cが非スケジューリングUEである。また、スケジューリンググループ2に属するUE100dがスケジューリングUEであり、UE100c及びUE100eが非スケジューリングUEである。また、各UE100は、同一の周波数帯域を用いてD2D通信を行っている。
図17に示すように、ステップS301において、スケジューリングUEであるUE100bは、スケジューリンググループ1に属するUE100a及びUE100cのそれぞれに無線リソースの割当情報を送信する。UE100a及びUE100cのそれぞれは、当該割当情報を受信する。本変更例では、上述の変更例1と異なり、割当情報は、スケジューリンググループ1に属する他のUE100に割り当てられた無線リソースの情報も含む。従って、UE100bは、UE100aに割り当てられたn番目のサブフレームの無線リソースと、UE100cに割り当てられたn+1番目のサブフレームの無線リソースとが示された割当情報をUE100a及びUE100cのそれぞれに送信する。
ステップS302において、スケジューリングUEであるUE100dは、スケジューリンググループ2に属するUE100c及びUE100eのそれぞれに無線リソースの割当情報を送信する。UE100c及びUE100dのそれぞれは、当該割当情報を受信する。ステップS301と同様に、UE100dは、UE100cに割り当てられたn番目のサブフレームの無線リソースと、UE100eに割り当てられたn+1番目のサブフレームの無線リソースとが示された割当情報をUE100c及びUE100eのそれぞれに送信する。
ステップS303において、UE100cは、UE100b及びUE100dのそれぞれからの割当情報に基づいて、無線リソースの調停を行う。スケジューリンググループ1においてn番目のサブフレームの無線リソースがUE100aに割り当てられているため、UE100cは、UE100cがn番目のサブフレームの無線リソースを用いてUE100dにデータを送信した場合、UE100bに対して干渉を与えると判定する。従って、UE100cは、UE100dから割り当てられた無線リソースの使用を承諾しないと判定する。
図18に示すように、ステップS304において、UE100cは、UE100dから割り当てられた無線リソースの使用を承諾しない旨の情報とともに、スケジューリンググループ1における割当情報をUE100dに送信する。
UE100dは、UE100cからの無線リソースの使用を承諾しない旨の情報に基づいて、UE100cに割り当てた無線リソースの変更を決定する。また、UE100dは、スケジューリンググループ1における割当情報に基づいて、UE100eに割り当てられた無線リソース(サブフレーム♯n+1)が、スケジューリンググループ2におけるUE100cに割り当てられた無線リソース(サブフレーム♯n+1)と重複すると判定する。これにより、UE100dは、UE100eに割り当てた無線リソースの変更を決定する。UE100dは、無線リソースの使用を承諾しない旨の情報を受信していないUE100eに対して、無線リソースの割り当てを取り消すための情報を送信する。
ステップS305において、UE100dは、無線リソースの割り当てを変更し、新たな無線リソースの割当情報をUE100c及びUE100eに送信する。UE100c及びUE100dは、新たな無線リソース情報を受信する。
UE100dは、ステップS304において受信したスケジューリンググループ1における割当情報に基づいて、無線リソースの割り当てを変更する。例えば、UE100dは、n番目ではなく、n+1番目のサブフレームの無線リソースをUE100cに割り当てた場合、スケジューリンググループ1におけるUE100cに割り当てられたn+1番目のサブフレームの無線リソースと重複すると判定する。従って、UE100dは、n+2番目のサブフレームの無線リソースをUE100cに割り当て、n+3番目のサブフレームの無線リソースをUE100eに割り当てる。UE100dは、UE100c及びUE100eのそれぞれに割り当てた無線リソースが示された割当情報をUE100c及びUE100eのそれぞれに送信する。 ここで、無線リソースの割り当てを行うUE100d(スケジューリングUE)は、第1実施形態と同様に、UE100cの割り当て情報(スケジューリンググループ1における割当情報)に基づいて、スケジューリンググループ2における無線リソースの割り当てを変更する場合、救済通知をeNB200に送信してもよい。また、UE100dは、無線リソースの割り当ての変更回数が所定回数を超えた場合に、救済通知をeNB200に送信してもよい。
(実施形態のまとめ)
本実施形態において、eNB200(無線送受信機210)は、複数のUE100に対して、周辺のUE100の探索要求を送信する。eNB200(無線送受信機210)は、探索要求に基づく周辺のUE100の探索結果を受信する。eNB200(制御部)は、探索結果に基づいて、複数のUE100の中から、スケジューリングUEを決定する。eNB200(無線送受信機210)は、スケジューリングUEに決定したUE100にスケジューリングUE要求を送信する。また、UE100(無線送受信機110)は、eNB200から探索要求を受信する。UE100(制御部)は、探索要求に基づいて周辺のUE100の探索を開始する制御を行う。UE100(無線送受信機110)は、周辺のUE100の探索結果をeNB200に送信する。UE100(無線送受信機110)は、スケジューリングUE要求を受信する。これにより、eNB200は、周辺のUE100の探索結果を受信するため、UE100の分布状況を把握できる。このため、UE100の分布状況に応じて、スケジューリングUEを決定できるため、スケジューリングUEの数を低減可能である。
また、eNB200(制御部)は、複数のUEの中から、非スケジューリングUEを決定する。eNB200(無線送受信機210)は、スケジューリングUE要求とともにスケジューリングUEに決定したUE100に無線リソースを割り当てられる他のUE100の識別情報を送信する。また、UE100(無線送受信機110)は、スケジューリングUE要求とともに、UE100に無線リソースを割り当てられる他のUE100の識別情報を受信する。これにより、スケジューリングUEは、自身がスケジューリングすべきUE100が把握できるため、無線リソースの割り当てを効率的に行うことが可能である。
また、探索要求は、Discovery信号の送信の要求である。eNB200(無線送受信機210)は、探索結果として、Discovery信号の受信結果及び/又はDiscovery応答の受信結果を受信する。また、UE100(無線送受信機110)は、探索結果として、Discovery信号の受信結果及び/又はDiscovery応答の受信結果をeNB200に送信する。これにより、周辺のUE100を探索するための新たな信号が規定されなくても、UE100は、周辺のUE100を探索できる。
また、eNB200(制御部)は、探索結果に基づいて、複数のUE100の中から、発見したUE100の数が相対的に多いUE100をスケジューリングUEに決定する。これにより、1つのスケジューリングUEが無線リソースを割り当てるUE100の数が増えるため、スケジューリングUEの数をより低減できる。
また、eNB200(制御部)は、スケジューリングUEとして2以上のUE100を決定する場合、2以上のUE100が割り当てる無線リソースのそれぞれが重複しないように、2以上のUE100が割り当て可能な無線リソースをそれぞれ指定する。これにより、各スケジューリンググループの間で、無線リソースが重複しないため、干渉の発生を抑制できる。
なお、eNB200は、スケジューリングUEの数を低減することによって、スケジューリングUEの数を低減しない場合に比べて、広い無線リソース領域を割り当て可能な無線リソースに指定することが可能である。
また、eNB200(制御部)は、スケジューリンググループが隣接する場合にのみ、隣接するスケジューリンググループ間において割り当てられる無線リソースが重複しないように、隣接するスケジューリンググループのそれぞれに属する各スケジューリングUEが割り当て可能な無線リソースをそれぞれ指定する。これにより、隣接しないスケジューリンググループ間においては、割り当てられた無線リソースが重複しても干渉が発生する可能性が低いため、eNB200は、共通の無線リソースを指定可能である。従って、eNB200は、隣接しないスケジューリンググループにおいてさらに広い無線リソース領域を割り当て可能な無線リソースに指定することが可能である。
また、eNB200(無線送受信機210)は、UE100から無線リソースの重複に基づく救済通知を受信した場合に、探索要求を送信する。また、UE100(無線送受信機110)は、UE100のD2D通信のための割り当てられた無線リソースと、他のD2D通信に用いられる無線リソースとの重複があった場合に、救済通知をeNB200に送信する。UE100(無線送受信機110)は、救済通知に基づく探索要求を受信する。これにより、eNB200は、無線リソースの重複がなく、良好なD2D通信が行われている場合に、探索要求を送信することが抑制できる。
また、UE100(無線送受信機110)は、UE100(制御部)が他のD2D通信からの干渉を検知した場合に、救済通知をeNB200に送信する。また、救済通知は、UE100が他のD2D通信からの干渉を検知したことを示す。これにより、干渉が発生した場合に、救済通知が送信されるため、干渉が発生する前にeNB200がスケジューリングUEを無駄に決定することを抑制できる。
また、救済通知は、スケジューリングUEが、他のスケジューリングUEの無線リソースの割当情報に基づいて、無線リソースの割り当てを変更する場合に送信される。また、UE100(無線送受信機110)は、他のD2D通信に用いられる無線リソースの割当情報を受信する。UE100(無線送受信機110)は、UE100(制御部)が割当情報に基づいて無線リソースの割り当てを変更する場合に、救済通知をeNB200に送信する。これにより、UE100のスケジューリングが効率的でない場合に、救済通知が送信されるため、UE100のスケジューリングが効率的な場合に、eNB200がスケジューリングUEを無駄に決定することを抑制できる。
[その他実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態におけるeNB200の代わりに、他のネットワーク装置がスケジューリングUEの決定等を行ってもよい。例えば、eNB200の上位装置(例えば、MME)又はスケジューリングUEを決定するためのサーバ装置が、スケジューリングUEを決定してもよい。
また、上述した実施形態において、eNB200は、救済通知をトリガとして、探索要求を送信したが、これに限られない。eNB200は、eNB200などのeNB200が主導で無線リソースの割り当てを行っている場合に、UE100が主導で無線リソースの割り当てを行うようにモードを切り替える際に、探索要求を送信してもよい。eNB200は、eNB200が決定したスケジューリングUEが無線リソースの割り当てを開始した後に、UE100が主導で無線リソースの割り当てを行うようにモードを切り替えてもよい。
また、上述した実施形態において、スケジューリングUE要求を受信した各UE100は、スケジューリングUE要求に対する肯定応答又は否定応答をeNB200に送信してもよい。UE100は、スケジューリングUEになることを承諾する場合、肯定応答をeNB200に送信し、スケジューリングUEになることを拒否する場合、否定応答をeNB200に送信する。例えば、スケジューリング能力を有さないUE100は、スケジューリングUE要求を受信した場合、否定応答をeNB200に送信する。否定応答を受信したeNB200は、改めてスケジューリングUEを決定する(ステップS106参照)。なお、eNB200は、スケジューリングUE要求を送信した全てのUE100から肯定応答を受信してから、スケジューリングUE要求の送信を除くステップS107の処理を行ってもよい。
また、上述した実施形態において、eNB200は、複数のスケジューリングUEを決定したが、1つのUE100のみをスケジューリングUEに決定してもよい。
また、上述した実施形態では、本発明をLTEシステムに適用する一例を説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
なお、日本国特許出願第2013−174322号(2013年8月26日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
本発明に係るネットワーク装置及びユーザ端末によれば、ユーザ端末がD2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを主導で行う場合において、スケジューリング端末の数を低減し、良好なD2D通信が可能である。

Claims (15)

  1. 直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるネットワーク装置であって、
    複数のユーザ端末に対して、周辺のユーザ端末の探索要求を送信する送信部と、
    前記探索要求に基づく前記周辺のユーザ端末の探索結果を受信する受信部と、
    前記探索結果に基づいて、前記複数のユーザ端末の中から、前記D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリング端末を決定する制御部と、を備え、
    前記送信部は、前記スケジューリング端末に決定したユーザ端末に前記スケジューリング端末になることを要求するスケジューリング端末要求を送信することを特徴とするネットワーク装置。
  2. 前記制御部は、前記複数のユーザ端末の中から、前記スケジューリング端末から前記無線リソースを割り当てられるユーザ端末を決定し、
    前記送信部は、前記スケジューリング端末要求とともに、前記スケジューリング端末に決定したユーザ端末に前記無線リソースを割り当てられる他のユーザ端末の識別情報を送信することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
  3. 前記探索要求は、前記ユーザ端末の発見に用いられる発見信号の送信の要求であり、
    前記受信部は、前記探索結果として、前記発見信号の受信結果及び/又は前記発見信号に対する応答の受信結果を受信することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
  4. 前記制御部は、前記探索結果に基づいて、前記複数のユーザ端末の中から、発見したユーザ端末の数が相対的に多いユーザ端末を前記スケジューリング端末に決定することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
  5. 前記制御部は、前記スケジューリング端末として2以上のユーザ端末を決定する場合、前記2以上のユーザ端末が割り当てる無線リソースのそれぞれが重複しないように、前記2以上のユーザ端末が割り当て可能な無線リソースをそれぞれ指定することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
  6. 前記2以上のユーザ端末は、第1のユーザ端末と第2のユーザ端末とを含み、
    前記制御部は、前記第1のユーザ端末及び前記第1のユーザ端末から前記無線リソースを割り当てられるユーザ端末が属する第1のグループと、前記第2のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末から前記無線リソースを割り当てられるユーザ端末が属する第2のグループと、が隣接する場合にのみ、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末が割り当てる無線リソースのそれぞれが重複しないように、前記第1のユーザ端末及び前記第2のユーザ端末が割り当て可能な無線リソースをそれぞれ指定することを特徴とする請求項5に記載のネットワーク装置。
  7. 前記送信部は、前記複数のユーザ端末のうち、少なくとも1以上のユーザ端末から前記無線リソースの重複に基づく救済通知を前記受信部が受信した場合に、前記探索要求を送信することを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
  8. 前記救済通知は、前記少なくとも1以上のユーザ端末が他のD2D通信からの干渉を検知したことを示すことを特徴とする請求項7に記載のネットワーク装置。
  9. 前記救済通知は、前記無線リソースの割り当てを行う第1のユーザ端末が、前記第1のユーザ端末と異なる第2のユーザ端末の前記無線リソースの割当情報に基づいて、前記第1のユーザ端末の前記無線リソースの割り当てを変更する場合に送信されることを特徴とする請求項7に記載のネットワーク装置。
  10. 直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるユーザ端末であって、
    ネットワーク装置から周辺のユーザ端末の探索要求を受信する受信部と、
    前記探索要求に基づいて前記周辺のユーザ端末の探索を開始する制御を行う制御部と、
    前記周辺のユーザ端末の探索結果を前記ネットワーク装置に送信する送信部と、を備え、
    前記受信部は、前記探索結果に基づいて前記D2D通信に用いられる無線リソースの割り当てを行うスケジューリング端末として前記ユーザ端末が決定された場合に、前記ユーザ端末が前記スケジューリング端末になることを要求するスケジューリング端末要求を受信することを特徴とするユーザ端末。
  11. 前記受信部は、前記スケジューリング端末要求とともに、前記ユーザ端末に前記無線リソースを割り当てられる他のユーザ端末の識別情報を受信することを特徴とする請求項10に記載のユーザ端末。
  12. 前記探索要求は、前記ユーザ端末の発見に用いられる発見信号の送信の要求であり、
    前記送信部は、前記探索結果として、前記発見信号の受信結果及び/又は前記発見信号に対する応答の受信結果を前記ネットワーク装置に送信することを特徴とする請求項10に記載のユーザ端末。
  13. 前記送信部は、前記ユーザ端末のD2D通信のために割り当てられた無線リソースと、他のD2D通信に用いられる無線リソースとの重複があった場合に、前記無線リソースの重複に基づく救済通知を前記ネットワーク装置に送信し、
    前記受信部は、前記救済通知に基づく前記探索要求を受信することを特徴とする請求項10に記載のユーザ端末。
  14. 前記送信部は、前記制御部が前記他のD2D通信からの干渉を検知した場合に、前記救済通知を前記ネットワーク装置に送信することを特徴とする請求項13に記載のユーザ端末。
  15. 前記受信部は、前記他のD2D通信に用いられる無線リソースの割当情報を受信し、
    前記送信部は、前記制御部が前記割当情報に基づいて前記ユーザ端末のD2D通信のために割り当てられた前記無線リソースの割り当てを変更する場合に、前記救済通知を前記ネットワーク装置に送信することを特徴とする請求項13に記載のユーザ端末。
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