JPWO2015029447A1 - 光学活性カルビノール化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性カルビノール化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、LXRβ活性化作用を有する光学活性カルビノール化合物の製造法およびその製造中間体を提供することである。本発明においては、式(2)で表される化合物および式(3)で表される化合物を反応することにより、式(1)で表される光学活性カルビノール化合物を製造する。式(1)〜(3)中、R1はC2−3アルキル基、R2、R3は同一又は異なってもよくC1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、R4は、A〜Eから選択される構造のうちいずれかひとつを示す。【化1】

Description

本発明は、LXRβ活性化作用を有する光学活性カルビノール化合物の製造法およびその製造中間体に関する。
肝臓X受容体(LXR)は、22−R−ヒドロキシコレステロールをはじめとするオキシステロール類の一部がリガンドとして作用する核内受容体である(非特許文献1〜3)。哺乳類では二種のLXR遺伝子(α及びβ)の存在が知られている。LXRαは肝臓、小腸、脂肪組織などのコレステロール代謝に関わる組織に特異的に発現し、LXRβは調べられたほぼ全ての組織で普遍的に発現しているが、この受容体は共に、DNA上の同様の配列を認識し、付近の標的遺伝子の転写を活性化する(非特許文献4、5)。LXRの標的遺伝子として同定された遺伝子群のうちの多くは、ABCトランスポーター(ABCA1,ABCG1,ABCG5,ABCG8)をはじめとするコレステロール逆輸送(RCT)に関わる遺伝子(ApoE,CETP,及びLPL)である。このため、LXRの活性化はこれらの遺伝子発現上昇およびコレステロール逆輸送系経路を活性化して末梢からのコレステロール流出を増加させ、HDLコレステロールを増加させることにより、動脈硬化病変部位のコレステロール含量を減少させるものと期待されている(非特許文献6)。
斯かる状況の下、本発明者らはLXRβ選択的活性化作用を有する化合物として、下記式:
Figure 2015029447
で示される化学構造を有する化合物(A)〜(J)を見出し、特許出願している(特許文献1)。これらの化合物は、全て光学活性な2−(4−(2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−3−プロピルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール構造を持つという点で共通している。
上記化合物(A)〜(J)の製造方法は、特許文献1において、例えば、以下の反応工程図に示すようなピペラジン誘導体(a13)の製造を経由した方法が報告されている。すなわち、L−アラニンメチルエステル(a1)を出発原料として6工程13%で化合物(a3)を又はトランス−2,5−ジメチルピペラジン(b1)を出発原料として4工程21%で化合物(a3)を製造し、別途製造した安息香酸エステル(a4)とカップリング反応を行うことによって、化合物(a5)を製造する。その後、8工程をかけて側鎖の構築や保護・脱保護反応を行い、共通中間体となるピペラジン誘導体(a13)を製造している。
Figure 2015029447
しかしながら、当該文献の方法では出発原料(a1)から中間体(a3)を製造する段階で総収率が13%に低下してしまうこと且つジケトピペラジン体(a2)のアミドの還元反応にてエピメリ化が生じることが知られており、再現性において問題を抱えていた。また、L−アラニンメチルエステルからの(a13)の製造には、全15工程と長いこと、さらに出発原料(a1)が不斉中心を有していることから、全反応工程において不斉の管理が必要であるなどの問題点を有していた。またトランス−2,5−ジメチルピペラジン(b1)の一つのアミノ基のみを選択的に保護し得られる化合物(b2)を用いる手法では、(L)又は(D)−酒石酸を用いて優先晶析法による光学分割法で中間体(a3)を製造する段階で総収率が21%に低下してしまうこと、理論的に収率が50%以下となること、さらにトランス−2,5−ジメチルピペラジン(b1)が市場利用性にしても非常に高価であり、出発原料としても大量製造には適していないなどの問題点を有していた。
また、フェニルピペラジン誘導体の製造方法は、報告例があるものの、ベンゼン環及びピペラジン環上に共に置換基を有する例がなく、ピペラジン環上の置換基の立体制御には適応できない(非特許文献7)、極めて低収率である(特許文献2、3)等の課題があり、ベンゼン環及びピペラジン環上に共に置換基を有した化合物の効率的な製造法とは言い難い。
また、ホモピペラジン誘導体の製造方法として、所望の立体構造を有するアミノアルコール体から6工程にてホモピペラジン体を製造する方法が報告されているが、複数の不斉炭素原子が含まれる際に適応できるかは言及していない(非特許文献8)。
WO2010/125811号 WO2006/094842号 WO2012/027261号
Janowskiら、Nature ,383, pp.728-731, 1996 Lehmannら、J. Biol. Chem., 272, pp.3137-3140, 1997 Fuら、J. Biol. Chem., 276, pp.38378-38387, 2001 Auboeufら、Diabetes, 46, pp.1319-1327, 1997 Luら、J. Biol. Chem., 276, pp.37735-37738, 2001 Zelcerら、J. Clin. Invest., 116, pp.607-614, 2006 Rongら、J. Org. Chem., 75, pp.7451-7453, 2010 Gomiら、Synthesis, 44, pp.3171-3178, 2012
本発明は、光学活性2−(4−(2,5−ジアルキルピペラジン−1−イル)−3−アルキルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オールを経由して、LXRβ選択的活性化作用を有する光学活性カルビノール化合物を高収率且つ高光学純度で得る方法を提供することを目的とする。また、本発明は、光学活性カルビノール化合物の製造中間体として有用な光学活性2−(4−(2,5−ジアルキルピペラジン−1−イル)−3−アルキルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール化合物を提供することを目的とする。
前記の通り、光学活性カルビノール化合物を効率的且つ光学純度よく製造することは、医薬品、特にLXRβ選択的活性化剤の製造において非常に有用であると考えられる。そこで本発明者らは、前記化合物(B)で示される光学活性カルビノール体の有用な製造法について鋭意研究を行った結果、下図に示すように、アミノアルコール体(c1)のアミノ基を保護して化合物(c2)にし、塩基の存在下にてメタンスルホン酸クロライドを用いて化合物(c3)とし、これと光学活性2−アミノプロパノール体(c4)とを反応することにより化合物(c5)とし、アミノ基を保護してアミノアルコール体(c6)とし、福山−光延反応条件下にて環化反応することにより、環状アミン化合物(c7)とし、2−ニトロベンゼンスルホニル基を脱保護してピペラジン体(c8)とし、これと安息香酸エステル体(c9)とを反応させることにより、化合物(c10)とし、これをWittig反応することにより化合物(c11)にし、不飽和結合を水素添加反応することにより化合物(c12)にし、これを加水分解することにより化合物(c13)にし、これを反応することにより化合物(c14)にし、トリフルオロメチルトリメチルシランを用いてカルビノール化反応することにより化合物(c15)にし、ピペラジン体の脱保護を行うことで光学活性な2−(4−(2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−3−プロピルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール化合物(c16)とした。次にヒダントイン体(c17)と化合物(c18)とをアルキル化させることにより化合物(c19)にし、これを加水分解させることにより化合物(c20)にし、これと化合物(c16)とを縮合させることで、光学純度を損なうことなく光学活性カルビノール体(B)を全16工程、収率17%で得ることができることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成されたものである。
Figure 2015029447
すなわち本発明は、以下の発明に関する。
[1]式(1):
Figure 2015029447
[式中、RはC2−3アルキル基、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Rは、
Figure 2015029447
から選択される構造のうちいずれかひとつを示す]で表される光学活性化合物の製造方法であって、
式(2):
Figure 2015029447
[式中、R、R、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物と、式(3):
Figure 2015029447
[式中、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を反応することにより、式(1)で表される化合物を製造することを特徴とする方法。
[2]
式(1):
Figure 2015029447
[式中、RはC2−3アルキル基、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Rは、
Figure 2015029447
から選択される構造のうちいずれかひとつを示す]で表される光学活性化合物の製造方法であって、
i) 式(4):
Figure 2015029447
[式中、Rは、C1−3アルキル基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す]で表される化合物と、式(5):
Figure 2015029447
[式中、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を反応して、式(6):
Figure 2015029447
[式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
ii) 式(6)で表されるアルデヒドをオレフィンに変換して、式(7):
Figure 2015029447
[式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義であり、Rは、水素原子又はメチル基を示し、波線は単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置、又はそれらの混合であることを示す]で表される化合物を製造し、次いで、
iii) 式(7)で表されるオレフィンを還元して、式(8):
Figure 2015029447
[式中、P、R、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
iv) 式(8)で表されるエステルを加水分解して、式(9):
Figure 2015029447
[式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
v) 式(9)で表されるカルボン酸を酸ハロゲン化物、酸無水物又はエステルに変換して、式(10):
Figure 2015029447
[式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義であり、C(O)Rは酸ハロゲン化物、酸無水物又はエステルを示す]で表される化合物を製造し、次いで、
vi) 式(10)で表される化合物とトリフルオロメチル化試薬を反応して、式(11):
Figure 2015029447
[式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
vii) 式(11)で表される化合物の保護基Pを脱保護することにより、式(2)
Figure 2015029447
[式中、R、R、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造することを含むことを特徴とする方法。
[3]
式(2)で表される化合物を[2]に記載の方法により製造することをさらに含むことを特徴とする[1]に記載の方法。
[4]
i) 式(12):
Figure 2015029447
[式中、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示す]で表されるアミノアルコール体のアミノ基を保護して式(13):
Figure 2015029447
[式中、Rおよび*は前記と同じ定義であり、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を製造し、次いで、
ii) 式(13)で表される化合物の水酸基のスルホニル化反応を行い、式(14):
Figure 2015029447
[式中、PおよびRは前記と同じ定義であり、Rはトリフルオロメチル基、メチル基、トルイル基又はニトロフェニル基を示す]で表される化合物を製造し、次いで、
iii) 式(14)で表される化合物と式(15):
Figure 2015029447
[式中、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を反応して、式(16):
Figure 2015029447
[式中、P、R、Rおよび*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
iv) 式(16)で表される化合物のアミノ基を保護して、式(17):
Figure 2015029447
[式中、Pはアミノ基の保護基を示し、P、R、Rおよび*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
v) 式(17)で表される化合物の環化反応を行い、式(18):
Figure 2015029447
[式中、P、P、R、Rおよび*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
vi)式(18)で表される化合物の保護基Pを脱保護することにより式(5)で表される化合物を製造する工程をさらに含むことを特徴とする、[2]又は[3]に記載の製造方法。
[5]
i) 式(19):
Figure 2015029447
[式中、R
Figure 2015029447
から選択される構造のうちいずれかひとつを示し、*は不斉炭素原子を示す]で表される化合物と、式(20):
Figure 2015029447
[式中、RはC1−3のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す]で表される化合物を反応して、式(21):
Figure 2015029447
[式中、R、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
ii)式(21)で表される化合物の加水分解反応をすることにより、式(3)で表される化合物を製造する工程をさらに含むことを特徴とする、[1]、[3]及び[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
式(1)で表される化合物が3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンである[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
式(2)
Figure 2015029447
[式中、RはC2−3アルキル基、R、Rは同一又は異なってもよいC1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素を示す]で表される化合物及びその塩又はそれらの溶媒和物。
本発明の方法は、後記実施例に示すとおり、従来の方法に比べて高収率で目的の化合物(1)を製造することができる。また不斉中心として導入する2,5−ジメチルピペラジン体(3)の不斉炭素は、本方法に従う事によりエピメリ化が起こる事無く構築することができる。さらに、2,5−ジメチルピペラジン体(3)の一つのアミノ基の保護基以外は保護基を使用する事無く構築することができる。従って、本発明の方法を用いることにより、LXRβ選択的アゴニストとして有用な化合物(1)を高収率且つ高光学純度で製造できる。
本発明の用語の定義は以下の通りである。
本発明において、C1−3アルキル基とは、炭素数が1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
一般式(1)〜(2)中、RのC1−3アルキル基としては、プロピル基が好ましい。
一般式(1)〜(2)、(5)〜(14)及び(16)〜(18)中、RのC1−3アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(1)〜(2)、(5)〜(11)及び(15)〜(18)中、RのC1−3アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(1)、(3)、(19)及び(21)中、Rとしては、
Figure 2015029447
が好ましい。
一般式(4)、(6)〜(8)中、RのC1−3アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(7)〜(11)中、Rとしては、メチル基が好ましい。
一般式(10)中、C(O)Rにおける酸ハロゲン化物としては、酸フッ化物、酸塩化物等が挙げられる。
一般式(10)中、C(O)Rにおける酸無水物としては、酢酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸との酸無水物等が挙げられる。
一般式(10)中、C(O)Rにおけるエステルとしては、メタノール等の脂肪族アルコールとのエステル、ペンタフルオロフェノール等の芳香族アルコールとのエステル等が挙げられる。
一般式(10)中、C(O)Rとしては、エステルが好ましく、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基がさらに好ましい。
一般式(14)中、RのC1−3アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(20)、(21)中、RのC1−3アルキル基としては、メチル基が好ましい。
本発明において、アミノ基の保護基としては、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、トリフルオロアセチル基(CFCO−)、フタロイル基(Pht)、p−トルエンスルホニル基(Ts)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)、トリチル基(Tr)等が挙げられる。
一般式(5)〜(11)、(17)、(18)中、アミノ基の保護基Pとしては、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、トリフルオロアセチル基(CFCO−)、フタロイル基(Pht)、p−トルエンスルホニル基(Ts)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)、トリチル基(Tr)が好ましく、tert−ブトキシカルボニル基がより好ましい。
一般式(13)、(14)、(16)〜(18)中、アミノ基の保護基Pとしては、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、トリフルオロアセチル基(CFCO−)、フタロイル基(Pht)、p−トルエンスルホニル基(Ts)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)、4−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)、トリチル基(Tr)が好ましく、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)がより好ましい。
一般式(4)中、ハロゲン原子Xとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
一般式(20)中、ハロゲン原子Xとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
本発明において、*は不斉炭素原子を示す。本発明の一般式(2)は、下記(2a)〜(2d):
Figure 2015029447
に示す4つの構造を包含している。
一般式(2)の4つの立体構造(2a)〜(2d)を構築するための原料として、具体的にはアミノアルコール誘導体(12a)、(12b)、(15a)および(15b):
Figure 2015029447
を用いることができる。(2a)の立体構造を構築するための原料としては(12a)と(15b);(2b)の立体構造を構築するための原料としては(12b)と(15a);(2c)の立体構造を構築するための原料としては(12a)と(15a);(2d)の立体構造を構築するための原料としては(12b)と(15b)を用いればよい。具体例として、(S)−(+)−2−アミノ−1−プロパノール、(R)−(−)−2−アミノ−1−プロパノール、(S)−(+)−2−アミノ−1−ブタノール、(R)−(−)−2−アミノ−1−ブタノール、(S)−(+)−2−アミノ−1−ペンタノール、(R)−(−)−2−アミノ−1−ペンタノール、L−バリノール、D−バリノールなどが、Aldrich社、東京化成工業、渡辺化学工業、和光純薬工業、関東化学、AlfaAesar等から販売されている。
本発明の一般式(2)の立体構造としては、(2a)又は(2b)が好ましく、(2b)が特に好ましい。
本発明の一般式(2)の特に好ましい構造として、立体構造は(2b)であり、Rがプロピル基であり、RおよびRがメチル基である化合物を挙げることができる。
本発明の一般式(1)は、下記(1a)〜(1h):
Figure 2015029447
に示す8つの構造を含んでいる。
本発明の一般式(1)の8つの立体構造を構築するための原料として、(2a)〜(2d)を用いることができる。(1a)および(1e)の立体構造を構築するための原料としては、(2a);(1b)および(1f)の立体構造を構築するための原料としては、(2b);(1c)および(1g)の立体構造を構築するための原料としては、(2c);(1d)および(1h)の立体構造を構築するための原料としては、(2d)を用いればよい。
本発明の一般式(1)立体構造としては、(1a)、(1b)、(1e)、又は(1f)が好ましく、より好ましくは、(1b)又は(1f)であり、本発明の一般式(1)の好ましい構造としては、Rがプロピルであり、RおよびRがメチル基、Rが4−(1−メチルエトキシ)フェニル基である化合物が好ましい。
本発明の一般式(7)において、波線は単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置、又はそれらの混合であることを示す。本発明の、一般式(7)は、下記(7a)および(7b):
Figure 2015029447
に示す2つの構造を包含している。
以下、本発明製造法について、反応工程図を示し、各工程の反応について詳細に説明する。
Figure 2015029447
工程1:本工程は、化合物(12)のアミノ基を保護して化合物(13)を製造する工程である。Pで示される保護基は、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして保護を行うことができる。
が2−ニトロベンゼンスルホニル基の場合は、化合物(12)を溶媒中又は無溶媒で、塩基の存在下、2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド等と反応することにより化合物(13)を製造することができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも塩化メチレンが好ましい。塩基としては、特に制限はないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基を用いることができ、中でも、トリエチルアミンが好ましい。反応条件としては、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜24時間である。
工程2:本工程は、化合物(13)のスルホニル化反応を行い、化合物(14)を製造する工程である。化合物(13)を溶媒中、塩基の存在下、スルホン酸ハライド試薬、又は、アルキル若しくはアラルキルスルホン酸無水物試薬を加えてスルホニルオキシ基等の脱離基へ誘導させることで化合物(14)を製造することができる。本反応で用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもテトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンが好ましく、塩化メチレンが特に好ましい。塩基としては、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類等を用いることができ、中でもトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,5−コリジン、2,4,6−コリジンが好ましく、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジンが特に好ましい。スルホン酸ハライド試薬としては、特に制限はないが、例えば、メタンスルホン酸クロライド、ベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド等が好ましい。アルキル又はアラルキルスルホン酸無水物試薬としては、特に制限はないが、例えば、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物が好ましい。反応条件としては、−78℃〜100℃、好ましくは、0℃〜50℃で、5分〜48時間、好ましくは30分〜24時間である。
工程3:本工程は、化合物(14)とアミノアルコール体(15)とを、溶媒中、塩基の存在下又は非存在下で反応させることにより化合物(16)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン等を単独又は組み合わせて使用することができ、中でも、テトラヒドロフラン、アセトニトリルが好ましい。塩基としては、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属類等を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程4:本工程は、化合物(16)のアミノ基を保護して化合物(17)を製造する工程である。Pで示される保護基は、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして保護を行うことができる。
がtert−ブトキシカルボニル基の場合は、化合物(16)を溶媒中又は無溶媒で、塩基の存在下、二炭酸ジ−tert−ブチルと反応することにより化合物(17)を製造することができる。溶媒としては、特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。塩基としては、特に制限はないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基を用いることができ、中でも、トリエチルアミン、炭酸カリウムが好ましい。反応条件としては、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜24時間である。
工程5:本工程は、化合物(17)の分子内閉環反応を行い、ピペラジン誘導体(18)を製造する工程である。化合物(17)を溶媒中、塩基の存在下、スルホン酸ハライド試薬、又は、アルキル若しくはアラルキルスルホン酸無水物試薬を加えてスルホニルオキシ基等の脱離基へ誘導し、環化反応を進行させることでピペラジン誘導体(18)を製造することができる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもテトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンが好ましく、トルエン、テトラヒドロフランが特に好ましい。塩基としては、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類を用いることができ、中でもトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,5−コリジン、2,4,6−コリジンが好ましく、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジンが特に好ましい。スルホン酸ハライド試薬としては、特に制限はないが、例えば、メタンスルホン酸クロライド、ベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド等が好ましい。アルキル又はアラルキルスルホン酸無水物試薬としては、特に制限はないが、例えば、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物が好ましい。反応条件としては−78℃〜100℃、好ましくは、−20℃〜0℃で、5分〜24時間、好ましくは30分〜12時間反応である。
また本工程は、化合物(17)を溶媒中、ホスフィン試薬とアゾ系試薬又はエチレンジカルボン酸試薬とを反応することによってもピペラジン誘導体(18)を製造することができる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を単独若しくは組み合わせて使用することができ、中でも、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン/トルエンが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン/トルエンが特に好ましい。ホスフィン試薬としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン等のトリアルキルホスフィン及びトリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノポリスチレン等のトリアリールホスフィンが挙げられ、このうちトリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンが好ましい。アゾ系試薬又はエチレンジカルボン酸試薬としては、例えばアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)(TMAD)、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)、1,1’−アゾビス(N,N−ジイソプロピルホルムアミド)(TIPA)、1,6−ジメチル−1,5,7−ヘキサヒドロ−1,4,6,7−テトラゾシン−2,5−ジオン(DHTD)等が挙げられ、特にアゾジカルボン酸ジイソプロピルが好ましい。反応条件としては0℃〜100℃、好ましくは、0℃〜室温で、30分〜1日間である。
工程6:本工程は、化合物(18)のアミノ基を脱保護して化合物(5)を製造する工程である。Pで示される保護基は、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして脱保護を行うことができる。
が2−ニトロベンゼンスルホニル基の場合は、化合物(18)を溶媒中又は無溶媒で、塩基の存在下、チオール化合物と反応することにより化合物(5)を製造することができる。溶媒としては、特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルが好ましい。塩基としては、特に制限はないが、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基を使用することができ、中でも炭酸カリウムが好ましい。チオール化合物としては、ベンゼンチオール、1−ドデカンチオール等が挙げられ、ベンゼンチオールが好ましい。反応条件としては、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜60℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜24時間である。
工程7:本工程は、化合物(4)を溶媒中、塩基の存在下又は非存在下、化合物(5)と反応させることにより化合物(6)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、水等を単独又は組み合わせて使用することができる。塩基としては、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、フッ化セシウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム等のハロゲン化アルカリ金属類;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類を用いることができ、中でもトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンが好ましい。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程8:本工程は、化合物(6)を溶媒中、塩基の存在下又は非存在下、Wittig試薬又はHorner−Wadsworth−Emmons(HWE)試薬を反応させることにより化合物(7)を製造する工程である。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンが好ましい。Wittig試薬としては、安定イリド、不安定イリド(臭化メチルトリフェニルホスホニウム、臭化エチルトリフェニルホスホニウム等)等のホスホニウム塩を用いることができる。またHWE試薬としては、ホスホン酸エステルを用いることができる。塩基としては、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム、等のハロゲン化アルカリ金属類等を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程9:本工程は、化合物(7)を溶媒中、金属炭素存在下、水素雰囲気下に反応させることにより化合物(8)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、トルエン、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類等、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類等を単独又は組み合わせて使用することができる。金属炭素としては、例えば、パラジウム炭素、白金炭素、ロジウム炭素、ルテニウム炭素等が挙げられる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程10:本工程は、化合物(8)を溶媒中、塩基又は酸の存在下、反応させることにより化合物(9)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類等を単独又は組み合わせて使用することができる。塩基としては、特に制限はないが、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類等を使用することができる。酸としては、特に制限はないが、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トシル酸等を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程11:本工程は、化合物(9)を溶媒中又は無溶媒中で、縮合剤の存在下又は非存在下、反応促進剤の存在下又は非存在下、酸又は塩基の存在下又は非存在下に反応して、化合物(10)を製造する工程である。Rで示される置換基としては、例えば文献(Comprehensive Organic Transformations Second Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考に、酸ハロゲン化物、酸無水物又はエステルに変換する事ができる。酸ハロゲン化物としては、酸フッ化物、酸塩化物等が挙げられる。酸無水物としては、酢酸等の脂肪族カルボン酸との酸無水物、安息香酸等の芳香族カルボン酸との酸無水物等が挙げられる。エステルとしては、メタノール等の脂肪族アルコールとのエステル、ペンタフルオロフェノール等の芳香族アルコールとのエステル等が挙げられる。
がペンタフルオロフェノキシ基の場合、溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を単独又は組み合わせて使用することができる。縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)等のカルボジイミド系試薬が挙げられ、中でも、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドが好ましい。塩基としては、特に制限はないが、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類等を使用することができる。酸としては、特に制限はないが、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トシル酸等を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程12:本工程は、化合物(10)を溶媒中、塩基の存在下、トリフルオロメチル化試薬を用いて、ヘキサフルオロカルビノール化合物(11)へと製造する工程である。溶媒としては、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチルウレア、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル等を単独又は組み合わせて使用することができ、中でもエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。塩基としては、テトラメチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムフルオリド等のテトラアルキルアンモニウム塩や、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のフッ化アルカリ金属塩等が挙げられる。トリフルオロメチル化試薬としては、(トリフルオロメチル)トリメチルシラン、トリエチル(トリフルオロメチル)シラン、トリイソプロピル(トリフルオロメチル)シラン、メチルジフェニル(トリフルオロメチル)シラン、ジメチル(ジフェニル)トリフルオロメチルシラン等が挙げられる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは−30℃〜50℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程13:本工程は、化合物(11)のアミノ基を脱保護して化合物(2)を製造する工程である。Pで示される保護基は、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして脱保護を行うことができる。
がtert−ブトキシカルボニル基の場合は、化合物(11)を溶媒中又は無溶媒で、酸と反応することにより化合物(2)を製造することができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン、水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等を単独又は組み合わせて用いることができる。酸としては、特に制限はないが、塩酸、塩酸/酢酸エチル溶液、塩酸/ジオキサン溶液、塩酸/メタノール溶液、臭化水素酸、硫酸、硝酸等を使用することができ、中でも塩酸/酢酸エチル溶液、塩酸/メタノール溶液が好ましい。反応条件としては、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜12時間である。
工程14:本工程は、ヒダントイン誘導体(19)と化合物(20)とを、溶媒中、塩基の存在下又は非存在下で反応させることにより化合物(21)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類等を単独又は組み合わせて使用することができる。塩基としては、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
また本工程で用いるイミダゾリジン−2,4−ジオン誘導体(19)の製造法は、ドイツ特許335993号又はWO2010/125811号(特許文献1)に記載されており、この特許を参考に種々のイミダゾリジン−2,4−ジオン誘導体を製造することができる。
また本工程で用いるイミダゾリジン−2、4−ジオン誘導体(19)は、酒石酸等の一般的な光学活性酸とのジアステレオマー塩に導き光学分割する方法、又は、光学活性カラムクロマトグラフィーを用いた方法等の一般的ラセミ分割法により、光学的に純粋な異性体に導くことができる。
工程15:本工程は、化合物(21)を溶媒中、塩基又は酸の存在下で反応させることにより化合物(3)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールジメチルエーテル、水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類等を単独又は組み合わせて使用することができる。塩基としては、特に制限はないが、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、等を使用することができる。酸としては、特に制限はないが、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トシル酸、等を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程16:本工程は、化合物(2)と化合物(3)を溶媒中、縮合剤の存在下、反応促進剤の存在下又は非存在下、塩基の存在下又は非存在下で反応することにより、カルビノール誘導体(1)を製造する工程である。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもジメチルスルホキシド、アセトニトリル、塩化メチレンが好ましい。縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)等のカルボジイミド系試薬;(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ(4,5−b)ピリジウム−3−オキソドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドテトラフルオロボラート(TBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HCTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドテトラフルオロボラート(TCTU)等のホスホニウム塩型あるいはグアニジウム塩型試薬が挙げられ、このうち1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ(4,5−b)ピリジウム−3−オキソドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HBTU)が好ましい。反応促進剤としては、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(6−Cl−HOBt)、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ―1,2,3―ベンゾトリアジン(HOOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)等を使用することができる。塩基としては、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
また本工程は、化合物(2)と化合物(3)を溶媒中、ホスフィン試薬の存在下、アゾ系試薬又はエチレンジカルボン酸試薬で反応する光延反応を適応することによっても、カルビノール誘導体(1)を製造することができる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができる。ホスフィン試薬としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン等のトリアルキルホスフィン及びトリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノポリスチレン等のトリアリールホスフィン等を用いることができる。アゾ系試薬又はエチレンジカルボン酸試薬としては、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)(TMAD)、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)、1,1’−アゾビス(N,N−ジイソプロピルホルムアミド)(TIPA)、1,6−ジメチル−1,5,7−ヘキサヒドロ−1,4,6,7−テトラゾシン−2,5−ジオン(DHTD)等を用いることができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
また本工程は、化合物(3)を溶媒中、酸ハロゲン化剤と反応して酸ハライド誘導体を製造し、その後、これと化合物(2)とを溶媒中、塩基の存在下又は非存在下で反応させることによっても、カルビノール誘導体(1)を製造することができる。酸ハロゲン化剤としては、三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄(DAST)、四フッ化セレン又はそのピリジン付加物、塩化チオニル、塩化オキサリル、ピロカテキルホスホ三塩化物、ジクロロトリフェニルホスホラン、臭化チオニル、ジブロモトリフェニルホスホラン、1−ジメチル−1−ヨード−2−メチルプロペン等を使用することができる。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばトルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等を単独又は組み合わせて使用することができる。塩基としては、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類;リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類を使用することができる。反応条件としては、−80℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
本発明の一般式(2)で表される光学活性化合物において許容される塩としては、具体的には、無機酸や有機酸との酸付加塩、又は無機塩基や有機塩基との塩基付加塩等が挙げられる。
本発明の一般式(2)で表される光学活性化合物、及びその許容される塩の溶媒和物としては、具体的には水和物や各種の溶媒和物が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
実施例:(S)-3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン((S)-B)の製造
Figure 2015029447
工程I:(R)-N-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(c2)の製造:
(R)-2-アミノプロパン-1-オール(2.03 g, 29.8 mmol)をジクロロメタン(27 mL)に溶解させた。0℃にて、トリエチルアミン (3.74 g, 36.9 mmol)、塩化 2-ニトロベンゼン-1-スルホニル(6.0 g, 27.1 mmol)を加え、室温にて16時間撹拌した。反応完結を確認後、反応液に、を0℃にて、ジクロロメタン、水を加えた。その後、反応液をジクロロメタンにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮し、表題化合物 8.58 g (収率>99%)を褐色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.14 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.49-3.53 (1H, m), 1.85 (1H, brs), 3.47-3.66 (3H, m), 5.48 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.72-7.79 (2H, m), 7.86-7.92 (1H, m), 8.15-8.20 (1H, m).
工程II:メタンスルホン酸 (R)-2-(2-ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル(c3)の製造:
(R)-N-(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(8.58 g, 27.1 mmol)をジクロロメタン(90 mL)に溶解させた。0℃にて、トリエチルアミン(4.10 g, 40.6 mmol)、塩化メタンスルホニル(2.98 g, 29.9 mmol)を加え、室温にて18時間撹拌した。反応完結を確認後、反応液に、を0℃にて、水を加えた。その後、反応液をクロロホルムにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮し、表題化合物 9.06 g (収率>99%)を褐色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.25 (3H, d, J = 6.8 Hz), 3.00 (3H, s), 3.84-3.94 (1H, m), 4.11-4.19 (2H, m), 5.54 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.74-7.80 (2H, m), 7.88-7.94 (1H, m), 8.14-8.20 (1H, m).
工程III:N-[(R)-1-{[(S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル]アミノ}プロパン-2-イル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(c5)の製造:
メタンスルホン酸 (R)-2-(2-ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル(9.06 g, 27.1 mmol)をテトラヒドロフラン(135 mL)に溶解させた。室温にて、(S)-2-アミノプロパン-1-オール (10.2 g, 135 mmol)を加え、還流下15時間撹拌した。反応完結を確認後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)を用いて精製し、表題化合物 5.14 g (収率60%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.17 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.26 (3H, d, J = 6.4 Hz), 2.51 (1H, dd, J = 6.8, 12.4 Hz), 2.74-2.66 (1H, m), 2.79 (1H, dd, J = 4.8, 12.4 Hz), 3.23 (1H, dd, J = 6.8, 10.8 Hz), 3.59-3.67 (1H, m), 3.72 (1H, dd, J = 3.8, 10.8 Hz), 7.72-7.77 (2H, m), 7.85-7.89 (1H, m), 8.14-8.19 (1H, m).
工程IV:[(S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル][(R)-2-(2-ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル]カルバミン酸 tert-ブチル(c6)の製造:
N-[(R)-1-{[(S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル]アミノ}プロパン-2-イル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(7.09 g, 22.3 mmol)をテトラヒドロフラン(110 mL)に溶解させた。0℃にて、トリエチルアミン (4.97 g, 49.1 mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(BocO)(5.36 g, 24.6 mmol)を加えた。その後、0℃にて15分間攪拌し、さらに室温にて終夜撹拌した。反応完結を確認後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)を用いて精製し、表題化合物 7.55 g (収率81%)を橙色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.06 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.16 (3H, d, J = 7.2 Hz), 1.48 (9H, s), 3.14-3.18 (1H, m), 3.29-3.38 (1H, m), 3.60-3.73 (2H, m), 3.76-3.84 (2H, m), 7.71-7.73 (2H, m), 7.82-7.84 (1H, m), 8.12-8.16 (1H, m).
工程V:2,5-ジメチル-4-[(2-ニトロフェニル)スルホニル]ピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(c7)の製造:
[(S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル][(R)-2-(2-ニトロフェニルスルホンアミド)プロピル]カルバミン酸 tert-ブチル(3.38 g, 8.08 mmol)を真空下乾燥した後、アルゴン雰囲気下テトラヒドロフラン(54 mL)に溶解させた。0℃にて、トリフェニルホスフィン(3.18 g, 12.1 mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)(7.1 mL, 1.7M トルエン溶液12.1 mmol)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応完結を確認後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)を用いて精製し、表題化合物 3.11 g (収率96%)を橙色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.10 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.32 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.45 (9H, s), 3.26-3.50 (3H, m), 3.67-3.81 (1H, m), 4.13-4.18 (1H, m), 4.26-4.46 (1H, m), 7.64-7.73 (3H, m), 8.04-8.05 (1H, m).
工程VI:2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(c8)の製造:
2,5-ジメチル-4-[(2-ニトロフェニル)スルホニル]ピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(3.21 g, 8.04 mmol)をアセトニトリル(47 mL)に溶解させた。室温にて、炭酸カリウム (3.33 g, 24.1 mmol)、ベンゼンチオール(1.33 g, 12.1 mmol)を加え、50℃にて3時間撹拌した。反応完結を確認後、反応液を0℃にて、水を加えた。その後、反応液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)を用いて精製し、表題化合物 1.23 g (収率72%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.17 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.21 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.45 (9H, s), 2.48 (1H, dd, J = 2.8, 13.0 Hz), 3.09-3.16 (1H, m), 3.19 (1H, dd, J = 5.2, 5.2 Hz), 3.22 (1H, dd, J = 4.6, 5.2 Hz), 3.54 (1H, dd, J = 1.6, 13.0 Hz), 4.08-4.15 (1H, m).
工程VII:4-[2-ホルミル-4-(メトキシカルボニル)フェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(c10)の製造:
フッ化セシウム(14.0 g, 91.89 mmol)を減圧下120℃にて2時間乾燥後、アルゴン雰囲気下、室温にてN,N−ジメチルホルムアミド(52 mL)を加えた。その後、2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(14.2 g, 61.26 mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50 mL)溶液、4-フルオロ-3-ホルミル安息香酸メチルエステル(11.15 g, 61.26 mmol)の順に加え、100℃にて18時間攪拌した。反応終結を確認後、0℃にて、反応液にトルエン、水を加えた。その後、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物 19.57 g(収率85%)を黄色アモルファスとして得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:1.00 (3H, d, J = 6.0 Hz), 1.28 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.49 (9H, s), 2.86 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.63-3.70 (3H, m), 3.77 (1H, d, J = 12.6 Hz), 3.91 (3H, s), 4.44-4.49 (1H, m), 6.99 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.13 (1H, dd, J = 2.4, 8.8 Hz), 8.45 (1H, d, J = 2.4 Hz), 10.12 (1H, s).
工程VIII:4-[4-(メトキシカルボニル)-2-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(c11)の製造:
臭化エチルトリフェニルホスホニウム(25.8 g, 69.46 mmol)をテトラヒドロフラン(140mL)に溶解させ、アルゴン雰囲気下、0℃にてカリウムメトキシド(4.87 g, 69.46 mmol)を加えた。0℃にて1.5時間攪拌後、4-[2-ホルミル-4-(メトキシカルボニル)フェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(5.23 g, 13.89 mmol)のテトラヒドロフラン(140mL)溶液を加え、室温にて2.5時間攪拌した。反応終結を確認後、0℃にて反応液に水を加えた。その後、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物 4.76 g(収率88%、cis/trans=0.7/1)を黄色アモルファスとして得た。
cis-c11: 4-{4-(メトキシカルボニル)-2-[(Z)-プロパ-1-エン-1-イル]フェニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル
Figure 2015029447
1H-NMR (CDCl3) δ:0.87 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.30 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.48 (9H, s), 1.90-1.92 (3H, m), 2.71 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.41-3.44 (1H, m), 3.53-3.58 (1H, m), 3.69-3.72 (2H, m), 3.86 (3H, s), 4.41-4.46 (1H, m), 5.81 (1H, dd, J = 6.8, 11.4 Hz), 6.42 (1H, dd, J = 1.6, 11.4 Hz), 6.84 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.84 (1H, dd, J = 2.0, 8.6 Hz), 7.90 (1H, d, J = 1.6 Hz).
trans-c11: 4-{4-(メトキシカルボニル)-2-[(E)-プロパ-1-エン-1-イル]フェニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル
Figure 2015029447
1H-NMR (CDCl3) δ:0.85 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.26 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.46 (9H, s), 1.87-1.89 (3H, m), 2.67 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.39-3.59 (3H, m), 3.67-3.73 (1H, m), 3.86 (3H, s), 4.41 (1H, brs), 6.25 (1H, dd, J = 6.4, 15.6 Hz), 6.54 (1H, dd, J = 1.6, 15.6 Hz), 6.80 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.80 (1H, dd, J = 1.6, 8.8 Hz), 8.03 (1H, d, J = 1.6 Hz).
工程IX:4-[4-(メトキシカルボニル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(c12)の製造:
4-[4-(メトキシカルボニル) -2-(プロパ-1-エン-1-イル)フェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(4.76 g, 12.25 mmol)をメタノール(123mL)に溶解させ、アルゴン雰囲気下、パラジウム炭素を加えた。その後、水素雰囲気下、室温にて24時間攪拌した。反応終結を確認後、セライトろ過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物 4.72 g(収率99%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:0.91 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.97 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.30 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.49 (9H, s), 1.70 (2H, tq, J = 7.2, 7.6 Hz), 2.49-2.56 (2H, m), 2.79 (1H, td, J = 7.6, 14.4 Hz), 3.35-3.40 (1H, m), 3.51 (1H, dd, J = 3.2, 13.2 Hz), 3.61 (1H, dd, J = 4.0, 11.4 Hz), 3.74 (1H, dd, J = 1.6, 13.2 Hz), 3.88 (3H, s), 4.38-4.44 (1H, m), 6.90 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.80 (1H, dd, J = 2.0, 8.0 Hz), 7.89 (1H, d, J = 2.0 Hz).
工程X:4-[(2R,5S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-3-プロピル安息香酸(c13)の製造:
4-[4-(メトキシカルボニル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(4.72 g, 12.09 mmol)をメタノール(121mL)に溶解させ、0℃にて4N−水酸化ナトリウム水溶液(18.1 mL, 72.52 mmol)を加え、60℃にて2時間攪拌した。反応終結を確認後、0℃にて反応液に塩酸アンモニウム水溶液を用いて中和し(pH=7)、を加えた。その後、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物 4.48 g(収率99%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.92 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.97 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.30 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.49 (9H, s), 1.71 (2H, tq, J = 7.2, 7.6 Hz), 2.50-2.58 (2H, m), 2.79 (1H, td, J = 7.6, 14.0 Hz), 3.37-3.43 (1H, m), 3.52 (1H, dd, J = 3.6, 12.8 Hz), 3.61 (1H, dd, J = 4.0, 11.4 Hz), 3.75 (1H, dd, J = 1.6, 11.6 Hz), 4.39-4.44 (1H, m), 6.91 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.87 (1H, dd, J = 2.0, 8.0 Hz), 7.94 (1H, d, J = 2.0 Hz).
工程XI:2,5-ジメチル-4-{4-[(ペルフルオロフェノキシ)カルボニル]-2-プロピルフェニル}ピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(c14)の製造:
4-[(2R,5S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-3-プロピル安息香酸(1.0 g, 2.656 mmol)を酢酸エチル(18mL)に溶解させ、室温にて2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェノール(513 mg, 2.789 mmol)、N, N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(575 mg, 2.789 mol)を順に加えた。室温にて18時間攪拌した。反応終結を確認後、0℃にて反応液に水を加えた。その後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物 1.43 g(収率>99%)を橙色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.00 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.31 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.50 (9H, s), 1.74 (2H, tq, J = 7.2, 8.2 Hz), 2.54-2.63 (2H, m), 2.81 (1H, td, J = 8.2, 14.1 Hz), 3.45-3.51 (1H, m), 3.54 (1H, dd, J = 3.6, 12.9 Hz), 3.65 (1H, dd, J = 4.1, 11.7 Hz), 3.77 (1H, dd, J = 1.4, 12.8 Hz), 4.41-4.47 (1H, m), 6.98 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.98 (1H, dd, J = 2.2, 8.5 Hz), 8.03 (1H, d, J = 2.2 Hz).
工程XII: 4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(c15)の製造:
2,5-ジメチル-4-{4-[(ペルフルオロフェノキシ)カルボニル]-2-プロピルフェニル}ピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(5.75 g, 10.6 mmol)を減圧下100℃にて1時間乾燥後、アルゴン雰囲気下、室温にてエチレングリコールジメチルエーテル(110 mL)を加えた。その後、−15℃にてトリフルオロメチルトリメチルシラン(3.32 g, 23.3 mmol)、フッ化セシウム(7.08 g, 46.6 mmol)の順に加えた。その後、−15℃にて1時間攪拌後、室温にて3.5時間攪拌した。反応終結を確認後、0℃にて反応液に1N−塩酸水溶液、トルエンを加えた。その後、トルエンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物 4.98 g,(収率90%)を褐色結晶性固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.92 (3H, d, J = 6.8 Hz), 0.97 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.30 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.48 (9H, s), 1.67 (2H, tq, J = 7.2, 8.0 Hz), 2.47-2.56 (2H, m), 2.82 (1H, td, J = 8.0, 14.0 Hz), 3.28-3.34 (1H, m), 3.50 (1H, dd, J = 3.2, 13.6 Hz), 3.53 (1H, s), 3.59 (1H, dd, J = 4.0, 11.6 Hz), 3.74 (1H, dd, J = 1.6, 12.4 Hz), 4.37-4.43 (1H, m), 6.93 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 2.0, 8.4 Hz), 7.51 (1H, d, J = 2.0 Hz). Mp:170−172℃.
工程XIII:2-{4-[(2R,5S)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-3-プロピルフェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(c16)の製造:
4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸 (2S,5R)-tert-ブチル(4.53 g, 9.08 mmol)をメタノール(14 mL)に溶解させ、0℃にて2N−塩酸メタノール溶液(41 mL, 81.7 mmol)を加え、35℃にて5時間攪拌した。反応終結を確認後、反応溶液を減圧濃縮した。残渣に水を加え、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH=8〜9にし、ジクロロメタンにて抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘプタンにて洗浄し、乾燥することにより表題化合物 3.43 g(収率95%)を淡黄色結晶性固体して得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:0.76 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.95 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.04 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.63 (2H, qt, J = 7.2, 7.6 Hz), 2.17 (2H, brs), 2.30 (1H, d, J = 10.4 Hz), 2.33 (1H, d, J = 10.4 Hz), 2.63-2.77 (3H, m), 2.81 (1H, dd, J = 2.8, 11.8 Hz), 2.97-3.05 (2H, m), 7.22 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.52-7.54 (2H, m).Mp:165−167℃.
工程XIV: 2-{4-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-4-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}酢酸 (S)-メチル((S)-c19)の製造:
WO2009/144961号に従い製造される5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル-4-イル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンを下述した光学カラムにて光学分割して得た(S)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル-4-イル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(5.0 g, 20.1 mmol)をアセトニトリル(50 mL)に溶解させ、室温にて炭酸カリウム(3.06 g, 22.2 mmol)を加えた後、0℃にてブロモ酢酸メチルエステル(3.12 g, 20.1 mmol)を加え、室温にて36時間攪拌した。反応終結を確認後、反応液を濾過し、ろ液をアセトニトリルで洗浄し、減圧濃縮し、表題化合物 6.05 g(収率>99%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) σ: 1.33 (6H, d, J = 5.6 Hz), 1.87 (3H, s), 3.76 (3H, s), 4.25 (1H, d, J = 17.6 Hz), 4.29 (1H, d, J = 17.6 Hz), 4.54 (1H, sept, J = 5.6 Hz), 5.80 (1H, brs), 6.89 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.40 (2H, d, J = 8.8 Hz).
上記の(S)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル-4-イル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンは、以下の光学分割条件に従って得ることができる。
カラム名:CHIRALPAK AD−H
溶媒:nHexane:EtOH=40:60
流速:0.1mL/min
保持時間:(S)−isomer:9.51min((R)−isomer:4.51min)
工程XV:(S)-2-{4-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-4-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}酢酸((S)-c20)の製造:
2-{4-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-4-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}酢酸 (S)-メチル(6.05g, 18.9 mmol)をメタノール(30mL)に溶解させ、0℃にて2M−炭酸カリウム水溶液(18.9 mL, 37.8 mmol)を加え、45℃にて3時間攪拌した。反応終結を確認後、反応溶液を減圧濃縮によりメタノールを留去した。得られた残渣に酢酸エチルを加え、酢酸エチルで抽出した。その後、水層に0℃にて塩酸水溶液を加えて、pH=2にし、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を合わせ、pH=1にし、酢酸エチルで抽出し、リン酸緩衝液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物 5.20 g(収率90%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) σ: 1.32 (6H, d, J = 6.0 Hz), 1.84 (3H, s), 4.27 (1H, d, J = 18.0 Hz), 4.32 (1H, d, J = 18.0 Hz), 4.52 (1H, sept, J = 6.0 Hz), 6.50 (1H, brs), 6.87 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.38 (2H, d, J = 8.8 Hz).
工程XVI−1:(S)-3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン((S)-B)の製造:
2-{4-[(2R,5S)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-3-プロピルフェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(200 mg, 0.502 mmol)をジクロロメタン(2.0mL)に溶解させ、室温にて(S)-2-{4-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-4-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}酢酸(169 mg, 0.552 mmol)を加えた。その後、0℃にてO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)(228 mg, 0.602 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(156 mg, 1.20 mmol)の順に加えた。反応溶液を0℃にて10分間攪拌した後、室温にて20時間攪拌した。反応終結を確認後、減圧濃縮し、得られた残渣に水、メチル−tert−ブチルエーテルを加え、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出した。有機層を20%リン酸カリウム水溶液、1N−塩酸水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物 294 mg(収率85%)を淡黄色アモルファスとして得た。
工程XVI−2:(S)- 3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン((S)-B)の製造:
(S)-2-{4-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-4-メチル-2,5-ジオキソイミダゾリジン-1-イル}酢酸(100 mg, 0.326 mmol)をトルエン(2.0 mL)に溶解させ、N,N−ジメチルホルムアミド(2.6 mg)、塩化チオニル(77.7 mg)を順に加え、120℃にて1時間攪拌した。反応終結を確認後、反応溶液を減圧濃縮して残渣を得た。次に、2-{4-[(2R,5S)-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-3-プロピルフェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(130 mg, 0.326 mmol)をジクロロメタン(3.9 mL)に溶解させ、室温にてトリエチルアミン(66.1 mg, 0.653 mmol)を加えた。0℃にて先に得られた残渣を加え、0℃にて5分間攪拌した後、室温にて14時間攪拌した。反応終結を確認後、0℃にて水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)を用いて精製し、表題化合物 176 mg,(収率78%)を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:0.96-0.99 (6H, m), 1.32-1.33 (9H, m), 1.68 (2H, qt, J = 7.0, 7.6 Hz), 1.90 (3H, s), 2.48-2.63 (2H, m), 2.79-2.87 (1H, m), 3.39-3.66 (4H, m), 4.29-4.33 (2H, m), 4.54 (1H, sept, J= 5.9 Hz), 4.84 (1H, s), 5.63 (1H, s), 6.90 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.45 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.46 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.52 (1H, d, J = 2.2 Hz).
光学純度:99% ee
測定条件:HPLC
カラム:CHIRALPAK AD-H
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール=25/75
流速:0.6 mL/min
保持時間:化合物(S)−B;23.4 min
(異性体1;9.7 min、異性体2;13.3 min、異性体3;14.1 min、異性体4;15.0min、異性体5;17.9 min、異性体6;20.5 min、異性体7;54.9 min)
[比較例1]
Figure 2015029447
WO2010/125811号記載の上記合成法では6工程13%, 98% eeでピペラジン体(a3)を合成することでできる。
[比較例2]
比較例1で得られたピペラジン体(a3)を用いて、次いでWO2010/125811号における上記合成法により光学活性カルビノール化合物(B)を合成することができるが、ピペラジン体(a3)から12工程(5.3%)を要し、光学活性アラニンメチルエステル体(a1)から18工程0.7%である。一方で、本発明の製造方法では、ピペラジン体(c8)から10工程(50%)を要し、光学活性アラニノール体(c1)から16工程17%(99.0%ee)で最終生成物(B)を製造することが可能である。以上より、本発明がWO2010/125811号に記載の方法と比較して高収率且つ高光学純度の光学活性カルビノール化合物(1)製造方法であることが実験的に確認された。
本発明は、前記一般式(1)で表される光学活性カルビノール化合物(1)の高収率且つ高光学純度製造法を提供するものである。化合物(1)は、LXRβアゴニスト作用を有し、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、糖尿病に起因する動脈硬化症等の動脈硬化症;脂質異常症;高コレステロール血症;脂質関連疾患;炎症性サイトカインにより引き起こされる炎症性疾患;アレルギー性皮膚疾患等の皮膚疾患;糖尿病;又は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療剤等として有用なため、その高収率且つ高光学純度製造法は、産業上の利用可能性を有している。

Claims (7)

  1. 式(1):
    Figure 2015029447
    [式中、RはC2−3アルキル基、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Rは、
    Figure 2015029447
    から選択される構造のうちいずれかひとつを示す]で表される光学活性化合物の製造方法であって、
    式(2):
    Figure 2015029447
    [式中、R、R、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物と、式(3):
    Figure 2015029447
    [式中、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を反応することにより、式(1)で表される化合物を製造することを特徴とする方法。
  2. 式(1):
    Figure 2015029447
    [式中、RはC2−3アルキル基、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Rは、
    Figure 2015029447
    から選択される構造のうちいずれかひとつを示す]で表される光学活性化合物の製造方法であって、
    i) 式(4):
    Figure 2015029447
    [式中、Rは、C1−3アルキル基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す]で表される化合物と、式(5):
    Figure 2015029447
    [式中、R、Rは同一又は異なってもよくC1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を反応して、式(6):
    Figure 2015029447
    [式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    ii) 式(6)で表されるアルデヒドをオレフィンに変換して、式(7):
    Figure 2015029447
    [式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義であり、Rは、水素原子又はメチル基を示し、波線は単結合であって、それが結合している二重結合についての立体配置が、それぞれ独立して、E配置若しくはZ配置、又はそれらの混合であることを示す]を製造し、次いで、
    iii) 式(7)で表されるオレフィンを還元して、式(8):
    Figure 2015029447
    [式中、P、R、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    iv) 式(8)で表されるエステルを加水分解して、式(9):
    Figure 2015029447
    [式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    v) 式(9)で表されるカルボン酸を酸ハロゲン化物、酸無水物又はエステルに変換して、式(10):
    Figure 2015029447
    [式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義であり、C(O)Rは酸ハロゲン化物、酸無水物又はエステルを示す]で表される化合物を製造し、次いで、
    vi) 式(10)で表される化合物とトリフルオロメチル化試薬を反応して、式(11):
    Figure 2015029447
    [式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    vii) 式(11)で表される化合物の保護基Pを脱保護することにより、式(2)
    Figure 2015029447
    [式中、R、R、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造することを含むことを特徴とする方法。
  3. 式(2)で表される化合物を請求項2に記載の方法により製造することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. i) 式(12):
    Figure 2015029447
    [式中、Rは同一又は異なってもよいC1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示す]で表されるアミノアルコール体のアミノ基を保護して式(13):
    Figure 2015029447

    [式中、Rおよび*は前記と同じ定義であり、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を製造し、次いで、
    ii) 式(13)で表される化合物の水酸基のスルホニル化反応を行い、式(14):
    Figure 2015029447
    [式中、PおよびRは前記と同じ定義であり、Rはトリフルオロメチル基、メチル基、トルイル基又はニトロフェニル基を示す]で表される化合物を製造し、次いで、
    iii) 式(14)で表される化合物と式(15):
    Figure 2015029447
    [式中、Rは同一又は異なってもよいC1−3アルキル基を示し、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を反応して、式(16):
    Figure 2015029447
    [式中、P、R、Rおよび*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    iv) 式(16)で表される化合物のアミノ基を保護して、式(17):
    Figure 2015029447
    [式中、Pはアミノ基の保護基を示し、P、R、Rおよび*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    v)式(17)で表される化合物の環化反応を行い、式(18):
    Figure 2015029447
    [式中、P、P、R、Rおよび*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    vi)式(18)で表される化合物の保護基Pを脱保護することにより式(5)で表される化合物を製造する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. i) 式(19):
    Figure 2015029447
    [式中、Rは、
    Figure 2015029447
    から選択される構造のうちいずれかひとつを示し、*は不斉炭素原子を示す]で表される化合物と、式(20):
    Figure 2015029447
    [式中、RはC1−3のアルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す]で表される化合物を反応して、式(21):
    Figure 2015029447
    [式中、R、R、*は前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    ii)式(21)で表される化合物の加水分解反応をすることにより、式(3)で表される化合物を製造する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1、3及び4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 式(1)で表される化合物が3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 式(2)
    Figure 2015029447
    [式中、RはC2−3アルキル基、R、Rは同一又は異なってもよいC1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示す]で表される化合物及びその塩又はそれらの溶媒和物。
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