JP2015048324A - 光学活性カルビノール化合物の製法 - Google Patents

光学活性カルビノール化合物の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】肝臓X受容体〔LXR〕β活性化作用を有する光学活性カルビノール化合物の高収率且つ高光学純度で得る製造法の提供。【解決手段】次式(1)で表される光学活性化合物の製造方法。[R1〜R3は同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基、*は不斉炭素原子]アニリン誘導体を出発原料としヘキサフルオロアセトンを反応させ、アミノ基を保護し、更に水酸基を保護した後アミノ基の保護基を脱保護する工程を含む製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、LXRβ活性化作用を有する光学活性カルビノール化合物の製造法に関する。
肝臓X受容体(LXR)は、22−R−ヒドロキシコレステロールをはじめとするオキシステロール類の一部がリガンドとして作用する核内受容体である(非特許文献1〜3)。哺乳類では二種のLXR遺伝子(α及びβ)の存在が知られている。LXRαは肝臓、小腸、脂肪組織などのコレステロール代謝に関わる組織に特異的に発現し、LXRβは調べられたほぼ全ての組織で普遍的に発現しているが、この受容体は共に、DNA上の同様の配列を認識し、付近の標的遺伝子の転写を活性化する(非特許文献4、5)。LXRの標的遺伝子として同定された遺伝子群のうちの多くは、ABCトランスポーター(ABCA1,ABCG1,ABCG5,ABCG8)をはじめとするコレステロール逆輸送(RCT)に関わる遺伝子(ApoE,CETP,及びLPL)である。このため、LXRの活性化はこれらの遺伝子発現上昇およびコレステロール逆輸送系経路を活性化して末梢からのコレステロール流出を増加させ、HDLコレステロールを増加させることにより、動脈硬化病変部位のコレステロール含量を減少させるものと期待されている(非特許文献6)。
斯かる状況の下、本発明者らはLXRβ選択的活性化作用を有する化合物として、下記式:
Figure 2015048324
で示される化学構造を有する化合物(A)〜(J)を見出し、特許出願している(特許文献1)。これらの化合物は、全て光学活性な2−(4−(2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−3−プロピルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール構造を持つという点で共通している。
上記化合物(A)〜(J)の製造方法は、特許文献1において、例えば、以下の反応工程図に示すようなピペラジン誘導体(a13)の製造を経由した方法が報告されている。すなわち、L−アラニンメチルエステル(a1)を出発原料として6工程13%で化合物(a3)を又はトランス−2,5−ジメチルピペラジン(b1)を出発原料として4工程21%で化合物(a3)を製造し、別途製造した安息香酸エステル体(a4)とカップリング反応を行うことによって、化合物(a5)を製造する。その後、8工程をかけて側鎖の構築や保護・脱保護反応を行い、共通中間体となるピペラジン誘導物(a13)を製造している。
Figure 2015048324
しかしながら、当該文献の方法では出発原料(a1)から中間体(a3)を製造する段階で総収率が13%に低下してしまうこと、ジケトピペラジン体(a2)のアミドの還元反応にてエピメリ化が生じることが知られており、再現性において問題を抱えていた。また、L−アラニンメチルエステルからの(a13)の製造には、全15工程と長いこと、さらに出発原料(a1)が不斉中心を有していることから、全反応工程において不斉の管理が必要であるなどの問題点を有していた。またトランス−2,5−ジメチルピペラジン(b1)から適宜保護し、化合物(b2)を(L)又は(D)−酒石酸を用いて優先晶析法による光学分割法では、中間体(a3)を製造する段階で総収率が21%に低下してしまうこと、理論的に収率は50%以下となること、さらにトランス−2,5−ジメチルピペラジン(b1)は市場利用性にしても非常に高価であり、大量製造には適していないなどの問題点を有していた。
また、フェニルピペラジン誘導体の製造方法として、下式に示される方法が報告されている。
Figure 2015048324
しかしながら、1)及び2)の方法は、ピペラジン環上の置換基を有さない1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)プロパン−2−オール化合物の構築には適しているが、ピペラジン環上の置換基を有する例はなく、ピペラジン環上の置換基の立体制御には適応できない(非特許文献7、特許文献2)。
3)の方法は、パラジウム触媒、ホスフィン配位子存在下、ブロモベンゼン体と置換基を有するピペラジン体によりピペラジン環上の置換基を有する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニル)プロパン−2−オール化合物を構築することができるが、低収率且つ高価なパラジウム触媒且つホスフィン配位子を用いるため、工業的にも利用可能な製造法とは言い難い(特許文献3)。
WO2010/125811号 WO2006/094842号 WO2012/027261号
Janowskiら、Nature ,383, pp.728-731, 1996 Lehmannら、J. Biol. Chem., 272, pp.3137-3140, 1997 Fuら、J. Biol. Chem., 276, pp.38378-38387, 2001 Auboeufら、Diabetes, 46, pp.1319-1327, 1997 Luら、J. Biol. Chem., 276, pp.37735-37738, 2001 Zelcerら、J. Clin. Invest., 116, pp.607-614, 2006 Rongら、J. Org. Chem., 75, pp.7451-7453, 2010
本発明は、光学活性2−(4−(2,5−ジアルキルピペラジン−1−イル)−3−アルキルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール誘導体を経由して、LXRβ選択的活性化作用を有する光学活性カルビノール化合物を高収率且つ高光学純度で得る方法を提供することを目的とする。
前記の通り、光学活性なカルビノール化合物を効率的且つ光学純度よく製造することは、医薬品、特にLXRβ選択的活性化剤の製造において非常に有用であると考えられる。そこで本発明者らは、前記化合物(B) で示される光学活性カルビノール体の有用な製造法について鋭意研究を行った結果、下図に示すように、アニリン誘導体(c1)とヘキサフルオロアセトン水和物とを反応することにより化合物(c2)にした後、適宜保護・脱保護して化合物(c5)にし、これと光学活性アミノ酸体(c6)とを縮合反応することによりアミド体(c7)とし、脱保護して化合物(c8)とし、還元剤を用いて化合物(c9)とし、これを保護して化合物(c10)とし、塩基の存在下にてエポキシド体(c11)を用いてアミノアルコール体(c12)とし、塩基の存在下にてスルホン酸無水物を用いて環状化合物(c13)とし、脱保護を行うことで光学活性な2−(4−(2,5−ジメチルピペラジン−1−イル)−3−プロピルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール体(c14)とし、WO2010/125811号に記載の方法に従って、化合物(c14)を用いて光学活性カルビノール体(B)を全14工程、収率8.3%で得ることができることを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成されたものである。
Figure 2015048324
すなわち本発明は、以下の発明に関する。
[1] 式(1):
Figure 2015048324
[式中、R、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Rは、
Figure 2015048324
から選択される構造のうちいずれかひとつを示す]で表される光学活性化合物の製造方法であって、
i) 式(2):
Figure 2015048324
[式中、Pは、水酸基の保護基を示し、Rは、前記と同じ定義である]で表される化合物と、式(3):
Figure 2015048324
[式中、R、*は前記と同じ定義であり、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を反応して、式(4):
Figure 2015048324
[式中、P、P、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
ii) 式(4)で表される化合物の保護基Pの脱保護を行い、式(5):
Figure 2015048324
[式中、P、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
iii) 式(5)で表される化合物の還元反応を行い、式(6):
Figure 2015048324
[式中、P、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
iv) 式(6)で表される化合物のアミノ基を保護して、式(7):
Figure 2015048324
[式中、P、R、R、*は、前記と同じ定義であり、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を製造し、次いで、
v) 式(7)で表される化合物と式(8):
Figure 2015048324
[式中、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を反応して、式(9):
Figure 2015048324
[式中、P、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
vi) 式(9)で表される化合物の環化反応を行い、式(10):
Figure 2015048324
[式中、P、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
vii) 式(10)で表される化合物の保護基Pを脱保護することにより、式(11):
Figure 2015048324
[式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造することを含むことを特徴とする方法。
[2]i) 式(12):
Figure 2015048324
[式中、RはC1−3アルキル基を示す]で表されるアニリン誘導体と、ヘキサフルオロアセトンを反応して式(13):
Figure 2015048324
[式中、Rは前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
ii) 式(13)で表される化合物のアミノ基を保護することで式(14):
Figure 2015048324
[式中、Pはアミノ基の保護基を示し、Rは前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
iii) 式(14)で表される化合物の水酸基を保護した後、アミノ基の保護基を脱保護することにより式(2)で表される化合物を製造する工程をさらに含むことを特徴とする、前記[1]に記載の製造方法。
[3]式(1)で表される化合物が3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンである前記[1]又は[2]に記載の製造方法。
また本発明は、
[4]一般式(11):
Figure 2015048324
[式中、Pは、水酸基の保護基を示し、R、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示す]で表される光学活性化合物若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物に関する。
本発明の方法は、後記実施例に示すとおり、従来の方法に比べて短工程で目的の化合物(1)を製造することができる。また、不斉炭素の導入は反応工程の途中からとなるので、従来法に比べて不斉を管理する反応工程が少なくて済む。さらに、不斉中心として導入するアミノ酸の立体構造を適宜選択することにより、不斉部分の立体を自由に構築することもできる。さらに導入した不斉炭素は、本方法に従う事によりエピメリ化が起こる事なく構築することができる。従って本発明の方法を用いることにより、LXRβ受容体アゴニストとして有用な化合物(1)を高収率且つ高光学純度で製造できる。
本発明の用語の定義は以下の通りである。
本発明において、C1−3アルキル基とは、炭素数が1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が上げられる。
一般式(1)〜(14)中、RのC1−3アルキル基としては、プロピル基が好ましい。
一般式(1)〜(14)中、RのC1−3アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(1)〜(14)中、RのC1−3アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(1)中、Rとしては、
Figure 2015048324
が好ましい。
本発明において、水酸基の保護基としては、メチル基(Me)、ベンジル基(Bn) 、p−メトキシベンジル基(PMB)、tert−ブチル基(t−Bu)、メトキシメチル基(MOM)、2−テトラヒドロピラニル基 (THP)、エトキシエチル基 (EE)、アセチル基(Ac)、ピバロイル基(Piv)、ベンゾイル基(Bz)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)などが挙げられる。
一般式(1)〜(14)中、水酸基の保護基Pとしては、エーテル系の保護基であるメチル基、ベンジル基 、p−メトキシベンジル基等が好ましく、ベンジル基がより好ましい。
本発明において、アミノ基の保護基としては、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、トリフルオロアセチル基(CFCO−)、フタロイル基(Pht)、p−トルエンスルホニル基(Ts)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)、トリチル基(Tr)等が挙げられる。
一般式(1)〜(14)中、アミノ基の保護基Pとしては、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、トリフルオロアセチル基(CFCO−)、フタロイル基(Pht)、p−トルエンスルホニル基(Ts)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)、トリチル基(Tr)が好ましく、tert−ブトキシカルボニル基がより好ましい。
一般式(1)〜(14)中、アミノ基の保護基Pとしては、2−ニトロベンゼンスルホニル基、4−ニトロベンゼンスルホニル基等が好ましい。
一般式(1)〜(14)中、アミノ基の保護基Pとしては、トリチル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、トリフルオロアセチル基(CFCO−)、フタロイル基(Pht)、p−トルエンスルホニル基(Ts)、2− ニトロベンゼンスルホニル基(Ns)等が好ましく、トリチル基がより好ましい。
本発明において、*は不斉炭素原子を示す。本発明の一般式(11)は、下記(11a)〜(11d):
Figure 2015048324
に示す4つの構造を包含している。
一般式(11)の4つの立体構造(11a)〜(11d)を構築するための原料として、具体的にはアミノ酸誘導体(3a)、(3b)およびエポキシド(8a)、(8b):
Figure 2015048324
を用いることができる。(11a)の立体構造を構築するための原料としては(3b)と(8b);(11b)の立体構造を構築するための原料としては(3a)と(8a);(11c)の立体を構築するための原料としては(3a)と(8b);(11d)の立体構造を構築するための原料としては(3b)と(8a)を用いればよい。具体例として、L−Boc−アラニン、D−Boc−アラニン、(S)−2−アミノブタン酸、(R)−2−アミノブタン酸、(S)−2−アミノペンタン酸、(R)−2−アミノペンタン酸、(S)−プロピレンオキシド、(R)−プロピレンオキシド、(S)−ブチレンオキシド、(R)−ブチレンオキシド、(S)−1,2−エポキシペンタン、(R)−1,2−エポキシペンタンなどが、Aldrich社、東京化成、渡辺化学工業、和光純薬、関東化学、AlfaAesar等から販売されている。
本発明の一般式(11)の立体構造としては、(11a)又は(11b)が好ましく、(11b)が特に好ましい。
本発明の一般式(11)の特に好ましい構造として、立体構造は(11a)又は(11b)であり、Pがベンジル基であり、Rがプロピル基であり、RおよびRがメチル基である化合物を挙げることができ、より好ましくは立体構造が(11b)である化合物が挙げられる。
本発明の一般式(1)は、下記(1a)〜(1h):
Figure 2015048324
に示す8つの構造を含んでいる。
本発明の一般式(1)の8つの立体構造を構築するための原料として、(11a)〜(11d)を用いることができる。(1a)および(1e)の立体構造を構築するための原料としては、(11a);(1b)および(1f)の立体構造を構築するための原料としては、(11b);(1c)および(1g)の立体構造を構築するための原料としては、(11c);(1d)および(1h)の立体構造を構築するための原料としては、(11d)を用いればよい。
本発明の一般式(1)の立体構造としては、(1a)、(1b)、(1e)、又は(1f)が好ましく、より好ましくは、(1b)又は(1f)であり、本発明の一般式(1)の好ましい構造としては、Rがプロピル基であり、RおよびRがメチル基、Rが4−(1−メチルエトキシ)フェニル基である化合物が好ましい。
以下、本発明の製造法について、反応工程図を示し、各工程の反応について詳細に説明する。
Figure 2015048324
工程1:本工程は、アニリン誘導体(12)とヘキサフルオロアセトン又はヘキサフルオロアセトン水和物とを、溶媒中又は無溶媒で、酸の存在下又は非存在下で反応させることにより、化合物(13)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水等を単独又は組み合わせて使用することができる。酸は、特に制限は無いが、トルエンスルホン酸やベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を使用することが出来る。反応条件は、0〜250℃、好ましくは100〜200℃にて1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間である。
工程2:本工程は、化合物(13)のアミノ基を保護して化合物(14)を製造する工程である。Pで示される保護基は、一般式(13)から一般式(15)への保護、脱保護を行えるものであれば特に制限はなく、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うことができる。
がトリチル基の場合は、化合物(13)とトリチルハライドとを、溶媒中又は無溶媒で、塩基の存在下又は非存在下に反応することにより(14)を製造することができる。トリチルハライドは、特に制限はないが、例えばトリチルクロライド、トリチルブロマイド、トリチルヨーダイド等を用いることができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも塩化メチレンが好ましい。塩基は特に制限はないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン等の有機塩基を用いることができ、中でも、トリエチルアミンが好ましい。反応条件は、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、30分〜2日間、好ましくは1時間〜24時間である。
工程3:本工程は、化合物(14)の水酸基を保護して化合物(15)を製造する工程である。Pで示される保護基は、一般式(15)から一般式(2)への各工程を通して水酸基を保護し続けられるものであれば特に制限はなく、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うことができる。
がベンジル基の場合は、化合物(14)とベンジルハライドとを、溶媒中または無溶媒で、塩基の存在下又は非存在下で反応することにより、化合物(15)を製造することができる。ベンジルハライドは、特に制限はないが、例えば塩化ベンジル、臭化ベンジル、ヨウ化ベンジル等を用いることができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも塩化メチレンが好ましい。塩基は特に制限はないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基を用いることができ、中でも、炭酸カリウムが好ましい。反応条件は、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、30分〜2日間、好ましくは1時間〜24時間である。
工程4:本工程は、化合物(15)のアミノ基を脱保護して化合物(2)を製造する工程である。Pで示される保護基は、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして脱保護を行うことができる。
がトリチル基の場合は、化合物(15)を溶媒中又は無溶媒で、酸と反応することにより化合物(2)を製造することができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも酢酸エチルが好まし。酸は特に制限はないが、塩酸、塩酸/酢酸エチル溶液、塩酸/ジオキサン溶液、塩酸/メタノール溶液、臭化水素酸、硫酸、硝酸等を使用することができ、中でも塩酸/酢酸エチル溶液が好ましい、反応条件は、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜24時間である。
工程5:本工程は、化合物(2)とアミノ酸誘導体(3)とを、溶媒中又は非溶媒で、縮合剤の存在下、反応促進剤の存在下又は非存在下に反応して、化合物(4)を製造する工程である。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも酢酸エチル、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンが好ましく、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレンが特に好ましい。縮合剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC−HCl)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)等のカルボジイミド系試薬、(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ(4,5−b)ピリジウム−3−オキソドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドテトラフルオロボラート(TBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HCTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドテトラフルオロボラート(TCTU)等のホスホニウム塩型あるいはグアニジウム塩型試薬が挙げられ、このうちジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が好ましい。反応促進剤としては、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、6−クロロ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(6−Cl−HOBt)、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等が挙げられ、中でも1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが好ましい。反応条件は、0℃〜100℃、好ましくは、室温〜80℃で、2時間〜1週間である。反応を円滑に進行させるため、窒素気流下又はアルゴン気流下で反応を行ってもよい。
工程6:本工程は、化合物(4)のアミノ基を脱保護して化合物(5)を製造する工程である。Pで示される保護基は、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして脱保護を行うことができる。
がtert−ブトキシカルボニル基の場合は、化合物(4)を溶媒中又は無溶媒で、酸と反応することにより化合物(5)を製造することができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも酢酸エチルが好まし。酸は特に制限はないが、塩酸、塩酸/酢酸エチル溶液、塩酸/ジオキサン溶液、塩酸/メタノール溶液、臭化水素酸、硫酸、硝酸等を使用することができ、中でも塩酸/酢酸エチル溶液が好ましい、反応条件は、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜12時間である。
工程7:本工程は、化合物(5)を溶媒中、還元剤の存在下、添加剤の存在下または非存在下に還元反応を行い、化合物(6)を製造する工程である。本反応で用いられる溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレンが好ましい。還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(Red−Al)、ジボランのテトラヒドロフラン錯体(BH−THF)又はもしくはジメチルスルフィド錯体(BH−SMe)、N,N−(ジメチルアミノ)水素化ホウ素リチウム(LiBH(NMe)、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン(9−BBN)、ジフェニルジヒドロシラン(PhSiH)、トリエチルシラン(EtSiH)等のヒドロシランを用いた触媒的アミド還元剤が挙げられ、このうち水素化リチウムアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムが好ましい。添加剤としては、例えば塩化アルミニウム、塩化ホウ素等が挙げられる。反応条件は、−100℃〜100℃、好ましくは、−20〜80℃で、30分〜1日間、好ましくは2時間から6時間である。反応を円滑に進行させるため、窒素気流下又はアルゴン気流下で反応を行ってもよい。
工程8:本工程は、化合物(6)のアミノ基を保護して、化合物(7)を製造する工程である。Pで示される保護基は、一般式(7)から一般式(10)への各工程を通してアミノ基を保護し続けられるものであれば特に制限はなく、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うことができる。
が2−ニトロベンゼンスルホニル基の場合は、化合物(6)と2−ニトロベンゼンスルホニルハライドとを、溶媒中又は無溶媒で、塩基の存在下又は非存在下に反応することにより化合物(7)を製造することができる。2−ニトロベンゼンスルホニルハライドは、特に制限はないが、例えば2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド、2−ニトロベンゼンスルホニルブロマイド、2−ニトロベンゼンスルホニルヨーダイド等を用いることができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でも塩化メチレンが好まし。塩基は特に制限はないが、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、ピコリン等の有機塩基を用いることができ、中でも、トリエチルアミンが好ましい。反応条件は、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、30分〜2日間、好ましくは1時間〜12時間である。
工程9:本工程は、化合物(7)とエチレンオキシド誘導体(8)とを、溶媒中、塩基の存在下、触媒の存在下又は非存在下で反応させることにより化合物(9)を製造する工程である。溶媒としては、特に制限は無いが、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、水やメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類等を単独又は組み合わせて使用することができ、中でも、テトラヒドロフラン、トルエンが好ましい。塩基としては、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアミン類、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、等のハロゲン化アルカリ金属類等の無機塩基類を使用することができ、中でも臭化リチウム、リチウムヘキサメチルジシラジドが好ましい。触媒としては、例えば、過塩素酸マグネシウム、テトライソプロピルオキシチタン、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF-OEt)、等のルイス酸を使用することができ、中でもテトライソプロピルオキシチタンが好ましい。反応条件は、−80〜150℃、好ましくは0〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間反応させることによって目的物が得られる。反応条件は、−80〜150℃、好ましくは0〜100℃にて、1分〜5日間、好ましくは1時間〜3日間反応させることによって目的物が得られる。また、反応を促進することを目的に、封管条件で反応を行うこともできる。
工程10: 本工程は、化合物(9)の分子内閉環反応を行い、ピペラジン誘導体(10)を製造する工程である。化合物(9)を溶媒中、塩基の存在下、スルホン酸ハライド試薬又は、アルキル又はアラルキルスルホン酸無水物試薬を加えてスルホニルオキシ基等の脱離基へ誘導し、環化反応を進行させることで化合物(10)を製造することができる。本反応で用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもテトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンが好ましく、トルエン、クロロホルム、塩化メチレンが特に好ましい。塩基は、特に制限はないが、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属類、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、tert−ブトキシナトリウム、tert−ブトキシカリウム等のアルコールの金属塩類、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、カリウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアミン類、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、3,4−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン等の有機アミン類、中でもトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,3−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、2,6−ルチジン、3,4−ルチジン、3,5−ルチジン、2,3,5−コリジン、2,4,6−コリジン、が好ましく、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジンが特に好ましい。スルホン酸クロライド試薬は、特に制限はないが、例えば、メタンスルホン酸クロライド、ベンゼンスルホン酸クロライド、p−トルエンスルホン酸クロライド、2−ニトロベンゼンスルホン酸クロライド等が好ましい。アルキル又はアラルキルスルホン酸無水物試薬は、特に制限はないが、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物が好ましい。反応条件は−78℃〜100℃、好ましくは、−20℃〜0℃で、5分〜24時間、好ましくは30分〜12時間反応である。
また本工程は、化合物(9)をホスフィン試薬とアゾ系試薬又はエチレンジカルボン酸試薬を溶媒中反応することによっても化合物(10)を製造することができる、本反応で用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリルが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランが特に好ましい。ホスフィン試薬としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン等のトリアルキルホスフィン及びトリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノポリスチレン等のトリアリールホスフィンが挙げられ、このうちトリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンが好ましい。アゾ系試薬としては、例えばアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)(TMAD)、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)、1,1’−アゾビス(N,N−ジイソプロピルホルムアミド)(TIPA)、1,6−ジメチル−1,5,7−ヘキサヒドロ−1,4,6,7−テトラゾシン−2,5−ジオン(DHTD)等が挙げられ、特にアゾジカルボン酸ジエチルが好ましい。反応条件は0℃〜100℃、好ましくは、室温〜80℃で、2時間〜1日間である。
工程11:本工程は、化合物(10)のアミノ基を脱保護して目的とする化合物(11)を製造する工程である。Pで示される保護基は、例えば文献(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして脱保護を行うことができる。
が2−ニトロベンゼンスルホニル基の場合は、化合物(10)を溶媒中又は無溶媒で、塩基の存在下、チオール化合物と反応することにより化合物(11)を製造することができる。溶媒は特に制限はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、アセトン、酢酸エチル、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、中でもN,N−ジメチルホルムアミドが好まし。塩基は特に制限はないが、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基を使用することができ、中でも炭酸カリウムが好ましい。チオール化合物としては、チオフェノール、1−ドデカンチオール等が挙げられ、チオフェノールが好ましい。反応条件は、−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜24時間である。
工程12:本工程は、化合物(11)を原料とし、化合物(1)を製造する工程である。特に制限は無いが、例えば、WO2010/125811号に記載の方法を参考にすることができる。
本発明の一般式(11)で表される光学活性化合物において許容される塩としては、具体的には、無機酸や有機酸との酸付加塩等が挙げられる。
本発明の一般式(11)で表される光学活性化合物、及びその許容される塩の溶媒和物としては、具体的には水和物や各種の溶媒和物が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
実施例:(S)-3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン((S)-B)の製造
Figure 2015048324

工程I:2-(4-アミノ-3-プロピルフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(c2)の製造:
2-プロピルアニリン(c1)(30.0g,222mmol)、ヘキサフルオロアセトン水和物 (97.7g)を加えて、130℃にて13時間攪拌した。反応の終結を確認後、反応溶液を減圧下濃縮した。得られた残渣をヘキサンにて洗浄し、減圧下乾燥し、表題化合物を64.6g(収率97%)の淡紫色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.94 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.65 (2H, qt, J = 7.4, 7.6 Hz), 2.68 (2H, t, J = 7.6 Hz), 3.39 (1H, s), 5.10 (2H, s), 6.93 (1H, dd, J = 2.3, 7.3 Hz), 7.30-7.51 (2H, m). Mp. 138-140℃
工程II:1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[3-プロピル-4-(トリチルアミノ)フェニル]-プロパン-2-オール(c3)の製造:
2-(4-アミノ-3-プロピルフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(2.0g,6.64mmol)の塩化メチレン(66mL)溶液に、0℃にてトリエチルアミン(1.61g,15.9mmol)、トリチルクロライド(2.22g,7.97mmol)を順に加えた。その後、室温にて終夜攪拌した。反応完結を確認後、反応溶液に水を加えた。その後、クロロホルムにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮し、表題化合物を4.80g(収率>99%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.01 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.75 (2H, qt, J = 7.2, 7.6 Hz), 2.56 (2H, t, J = 7.6 Hz), 3.06 (1H, brs), 5.22 (1H, brs), 6.07 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.90 (1H, dd, J = 1.6, 8.0 Hz), 7.21-7.33 (16H, m). Mp. 156℃
工程III:4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピル-N-トリチルアニリン(c4)の製造:
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[3-プロピル-4-(トリチルアミノ)フェニル]-プロパン-2-オール(4.8g,6.64mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(66mL)溶液に、室温にて炭酸カリウム(2.2g,15.9mmol)、臭化ベンジル(2.04g,12.0mmol)を順に加え、室温にて終夜攪拌した。反応完結を確認後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物を3.49g(収率83%)の白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.96 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.69 (2H, qt, J = 7.2, 7.6 Hz), 2.52 (2H, t J = 7.6 Hz), 4.48 (1H, s), 5.23 (1H, s), 6.08 (2H, d, J = 9.6 Hz), 6.81 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.21-7.38 (20H, m), 8.01 (1H, s).
工程IV:4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルアニリン(c5)の製造:
4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピル-N-トリチルアニリン(3.49g,5.51mmol)の酢酸エチル(40mL)溶液に、0℃にて4N塩酸−酢酸エチル溶液(6.9mL,27.5mmol)を加え、0℃にて5分間攪拌後、さらに室温にて4時間攪拌した。反応完結を確認後、反応溶液を0℃にて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和した(pH=7)。この反応溶液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物を1.98g(収率92%)の淡黄色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.94 (3H, t, J= 7.2 Hz), 1.58-1.68 (2H, m), 2.61 (2H, t, J = 7.2 Hz), 4.01 (2H, s), 4.62 (2H, s), 6.71 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.24-7.88 (7H, m). Mp. 45.5℃
工程V: [1-({4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]カルバミン酸 (S)-tert-ブチルの(c7)製造:
4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルアニリン(1.0g,2.56mmol)をジクロロメタン(5.0mL)に溶解させ、室温下Boc-L-アラニン(c6)(967mg,5.11mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC−HCl)(980mg,5.11mmol)を順に加え均一になった事を確認後、減圧濃縮した。得られた残渣を室温下にて3時間静置した。その後、残渣にクロロホルム、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物1.20g(収率83%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.87 (3H, t, J = 7.2Hz), 1.26-1.39 ( 11H, m), 1.46-1.56 (2H, m), 2.42-2.56 (2H, m), 4.25 (1H, t, J = 7.2 Hz), 4.55 (2H, s), 4.82 (1H, d, J = 6.0 Hz), 7.24-7.40 (7H, m),8.14 (1H, m), 8.20 (1H, s).
工程VI: (S)-2-アミノ-N-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}プロパンアミド(c8)の製造:
[1-({4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル]カルバミン酸 (S)-tert-ブチル(891mg,1.58mmol)を酢酸エチル(3.1mL)に溶解させ、0℃にて4N−塩酸−酢酸エチル溶液(4.0mL,15.8mmol)を加え、室温下にて2時間攪拌した。反応完結を確認後、0℃にて反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和した(pH=7)。この反応溶液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物825mg(収率>99%)を黄色油状物して得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.93 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.20 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.56-1.62 (2H, m), 2.45 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.90-3.00 (1H, m), 3.19-3.24 (1H, m), 4.62-4.63 (1H, m), 4.70 (2H, s), 6.62 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.22-7.38 (7H, m).
工程VII: (S)-N1-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-プロパン-1,2-ジアミン(c9)の製造:
(S)-2-アミノ-N-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}プロパンアミド(824mg,1.78mmol)をテトラヒドロフラン(3.6mL)に溶解させ、0℃にて水素化リチウムアルミニウム(271mg,7.13mmol)のテトラヒドロフラン(3.6mL)溶液を加え、0℃にて10分間攪拌後、室温にて3時間30分撹拌した。その後、0℃にてテトラヒドロフランを加えた後、水、4N−水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、室温下にて1時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、テトラヒドロフランにて洗浄し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物442mg(収率55%)を黄色油状物して得た。
工程VIII: (S)-N-[1-({4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-アミノ)プロパン-2-イル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(c10)の製造:
(S)-N1-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-プロパン-1,2-ジアミン(1.5g,3.34mmol)をジクロロメタン(33mL)に溶解させ、0℃にてトリエチルアミン(508mg,5.02mmol)、2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(741mg,3.34mmol)を順に加え、0℃にて10分間攪拌後、室温下にて2時間撹拌した。反応完結を確認後、反応溶液に水を加え、クロロホルムにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物1.45g(収率68%)を赤褐色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.93 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.11 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.20 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.49-1.60 (2H, m), 2.40-2.45 (2H, m), 2.95 (1H, dd, J = 9.6 and 16.0 Hz), 3.06 (1H, dd, J = 4.0, 12.4Hz), 3.37 (1H, t, J= 12Hz), 3.53 (1H, dd, J = 2.0, 15.6Hz), 4.18-4.24 (2H, m) 4.06 (2H, s) 6.60 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.21 (1H, s), 7.30-7.41 (6H, m), 7.57-7.69 (3H, m), 8.01-8.04 (1H, m).
工程IX:N-[(S)-1-({4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}アミノ)プロパン-2-イル]-N-[ (S)-2-ヒドロキシプロピル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(c12)の製造:
(S)-N-[1-({4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-アミノ)プロパン-2-イル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(493mg,0.778mmol)をテトラヒドロフラン(3.9mL)に溶解させ、室温下臭化リチウム(33.8mg,0.389mmol)、(S)−プロピレンオキサイド(c11)(226mg,3.89mmol)を順に加え、70℃にて終夜撹拌した。その後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物404mg(収率75%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.91-0.94 (3H, m), 1.18-1.20 (6H, m), 1.54-1.59 (2H, m), 2.45 (2H, t, J = 8Hz), 3.14-3.18 (1H, m), 3.25-3.31 (1H, m), 3.39-3.45 (1H, m), 3.86-3.89 (1H, m), 4.27-4.32 (1H, m), 4.62 (2H, s) 6.57 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.23-7.39 (6H, m), 7.63-7.72 (3H, m), 8.08-8.10 (1H, m).
工程X: (2R,5S)-1-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピル-フェニル}-2,5-ジメチル-4-[(2-ニトロフェニル)スルホニル]ピペラジン(c13)の製造:
N-[(S)-1-({4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}アミノ)プロパン-2-イル]-N-[(S)-2-ヒドロキシプロピル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(1.51g,2.18mmol)をジクロロメタン(4.4mL)に溶解させた。次いで反応溶液に−10℃にて2,6−ルチジン(1.17g,10.9mmol)を加えた後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.23g,4.37mmol)を滴下し、−10℃下にて1時間撹拌した。その後、0℃にて反応液にクロロホルム、1N−塩酸水溶液を順に加え、クロロホルムにて抽出し、有機層を1N−塩酸水溶液、飽和炭酸水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物1.31g(収率89%)を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.86-0.92 (6H, m), 1.27 (3H, d, J = 6.8 Hz), 1.20 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.54-1.59 (2H, m), 2.47-2.58 (2H, m), 2.73-2.81 (1H, m), 2.32-2.34 (1H, m), 2.45-2.49 (1H, m), 2.68-2.82 (2H, m), 4.23-4.25 (1H, m), 4.62 (2H, s) 6.95 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.33-7.41 (7H, m), 7.67-7.71 (3H, m), 8.08-8.10 (1H, m).
工程XI: (2R,5S)-1-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピル-フェニル}-2,5-ジメチルピペラジン(c14)の製造:
(2R,5S)-1-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピル-フェニル}-2,5-ジメチル-4-[(2-ニトロフェニル)スルホニル]ピペラジン(5.60g,8.31mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(42mL)に溶解させ、室温下炭酸カリウム(3.45g,24.9mmol)、ベンゼンチオール(1.4g,12.5mmol)を順に加え、50℃下にて3時間撹拌した。その後、反応液を室温にし、水を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水、水、飽和食塩水を用いて順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、クロロホルム/メタノール)を用いて精製し、表題化合物2.64g(収率65%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.78 (3H, d, J = 6 Hz), 0.89 (3H, d, J = 7.2 Hz), 1.07 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.51-1.60 (2H, m), 2.31 (1H, dd, J = 11.0, 11.6 Hz), 2.55-2.84 (4H, m), 3.01-3.11 (3H, m), 4.63 (2H, s) 7.22 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.31-7.42 (7H, m).
工程XII:1-[(2S,5R)-4-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-2-ブロモエタノン(c15)の製造:
(2R, 5S)-1-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピル-フェニル}-2,5-ジメチルピペラジン(50.4g,103.1mmol)をジクロロメタン(1030mL)に溶解させた。−10℃にて、ブロモ酢酸(15.8g,113.4mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(EDCI−HCl)(29.3g,154.7mmol)を加え、−10℃から0℃下2時間撹拌した。その後、反応液を0℃にて、水を加え、クロロホルムにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)を用いて精製し、表題化合物64.7g(収率>99%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.91-1.02 (6H, m), 1.30-1.54 (3H, m), 1.60 (3H, qt, J = 7.2, 7.6 Hz), 2.50 (1H, td, J = 7.6, 14.0 Hz), 2.63 (1H, d, J = 11.2 Hz), 2.81 (1H, td, J = 7.6, 14.0 Hz), 3.38-3.44 (2H, m), 3.60-3.78 (1H, m), 3.84-3.94 (1H, m), 4.05-4.35 (2H, m), 4.64 (1H, d, J = 12.4 Hz), 4.66 (1H, d, J = 12.4 Hz), 4.80-4.86 (1H, m), 6.95 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.32-7.43 (7H, m).
工程XIII: (S)-3-{2-[(2S,5R)-4-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン((S)−c16)の製造:
WO2009/144961号に従い製造される5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル-4-イル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンを下述した光学カラムにて光学分割して得た(S)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル-4-イル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(22.9g,92.04mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(920mL)に溶解させ、氷冷下炭酸カリウム(19.1g,138.1mmol)を加え、室温にて30分間撹拌した。その後、−10℃にて1-[(2S,5R)-4-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-2-ブロモエタノン(56.1g,92.04mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(460mL)溶液を20分間かけて加え、−10℃にて30分間攪拌し、その後室温にて36時間攪拌した。氷冷下、反応液に酢酸エチル、水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物62.8g(収率88%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.93 (3H, t, J = 8.0 Hz), 0.96-1.02 (3H, m), 1.33 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.35-1.45 (3H, m), 1.68 (2H, qt, J = 7.0, 8.0 Hz), 1.90 (3H, s), 2.45-2.52 (1H, m), 2.55-2.62 (1H, m), 2.76-2.84 (1H, m), 3.38-3.44 (2H, m), 3.59-3.68 (1H, m), 3.80-3.90 (1H, m), 4.27-4.33 (2H, m), 4.54 (1H, sept, J = 5.9 Hz), 4.62 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.65 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.80-4.90 (1H, m), 5.59 (1H, s), 6.90 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.94 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.35-7.43 (7H, m), 7.46 (2H, d, J = 8.8 Hz).
上記の(S)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル-4-イル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンは、以下の光学分割条件に従って得ることができる。
カラム名:CHIRALPAK AD−H
溶媒:nHexane:EtOH=40:60
流速:0.1mL/min
保持時間:(S)−isomer:9.51min((R)−isomer:4.51min)
工程XIV:(S)-3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン((S)-B)の製造:
(S)-3-{2-[(2S,5R)-4-{4-[2-(ベンジルオキシ)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-イル]-2-プロピルフェニル}-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオン(62.8g,80.78mmol)をメタノール(400mL)に溶解させ、パラジウム炭素(6.3g)を加え、水素添加し室温にて24時間撹拌した。その後、反応液をセライトろ過し、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)を用いて精製し、表題化合物52.9g(収率95%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3)δ:0.96-0.99 (6H, m), 1.32-1.33 (9H, m), 1.68 (2H, qt, J = 7.0, 7.6 Hz), 1.90 (3H, s), 2.48-2.63 (2H, m), 2.79-2.87 (1H, m), 3.39-3.66 (4H, m), 4.29-4.33 (2H, m), 4.54 (1H, sept, J= 5.9 Hz), 4.84 (1H, s), 5.63 (1H, s), 6.90 (2H, d, J = 8.8 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.45 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.46 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.52 (1H, d, J = 2.2 Hz).
光学純度:99% ee
測定条件:HPLC
カラム:CHIRALPAK AD-H
溶媒:ヘキサン/イソプロピルアルコール=25/75
流速:0.6 mL/min
保持時間:化合物19;23.4 min
(異性体1;9.7 min、異性体2;13.3 min、異性体3;14.1 min、異性体4;15.0min、異性体5;17.9 min、異性体6;20.5 min、異性体7;54.9 min)
比較例1
Figure 2015048324
WO2010/125811号における上記合成法では6工程13%,98%eeでピペラジン体(a3)を合成することでできる。
比較例2
Figure 2015048324

比較例1で得られたピペラジン体(a3)を用いて、次いでWO2010/125811号における上記合成法により光学活性カルビノール化合物を合成することができるが、ピペラジン体(a3)から12工程(5.3%)を要し、光学活性アラニンメチルエステル体(a1)から18工程0.7%である。一方で、本発明の製造方法では、アニリン誘導体(c1)から14工程8.3%(99.0%ee)で最終生成物(B)を製造することが可能である。以上より、本発明がWO2010/125811号に記載の方法と比較して高収率且つ高光学純度の光学活性カルビノール化合物(1)の製造方法であることが実験的に確認された。
本発明は、前記一般式(1)で表される光学活性カルビノール化合物(1)の高収率且つ高光学純度製造法を提供するものである。化合物(1)は、LXRβアゴニスト作用を有し、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、糖尿病に起因する動脈硬化症等の動脈硬化症;脂質異常症;高コレステロール血症;脂質関連疾患;炎症性サイトカインにより引き起こされる炎症性疾患;アレルギー性皮膚疾患等の皮膚疾患;糖尿病;又は、アルツハイマー病の予防及び/又は治療剤等として有用なため、その高収率且つ高光学純度製造法は、産業上の利用可能性を有している。

Claims (3)

  1. 次式(1):
    Figure 2015048324
    [式中、R、R、Rは同一又は異なってもよく、C1−3アルキル基を示し、*は不斉炭素原子を示し、Rは、
    Figure 2015048324
    から選択される構造のうちいずれかひとつを示す]で表される光学活性化合物の製造方法であって、
    i) 式(2):
    Figure 2015048324
    [式中、Pは、水酸基の保護基を示し、Rは、前記と同じ定義である]で表される化合物と、式(3):
    Figure 2015048324
    [式中、R、*は前記と同じ定義であり、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を反応して、式(4):
    Figure 2015048324
    [式中、P、P、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    ii)式(4)で表される化合物の保護基Pの脱保護を行い、式(5):
    Figure 2015048324
    [式中、P、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    iii) 式(5)で表される化合物の還元反応を行い、式(6):
    Figure 2015048324
    [式中、P、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    iv) 式(6)で表される化合物のアミノ基を保護して、式(7):
    Figure 2015048324
    [式中、P、R、R、*は、前記と同じ定義であり、Pはアミノ基の保護基を示す]で表される化合物を製造し、次いで、
    v) 式(7)で表される化合物と式(8):
    Figure 2015048324
    [式中、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を反応して、式(9):
    Figure 2015048324
    [式中、P、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    vi) 式(9)で表される化合物の環化反応を行い、式(10):
    Figure 2015048324
    [式中、P、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    vii) 式(10)で表される化合物の保護基Pを脱保護することにより、式(11):
    Figure 2015048324
    [式中、P、R、R、R、*は、前記と同じ定義である]で表される化合物
    を製造することを含むことを特徴とする方法。
  2. i) 式(12):
    Figure 2015048324
    [式中、RはC1−3アルキル基を示す]で表されるアニリン誘導体と、ヘキサフルオロアセトンを反応して式(13):
    Figure 2015048324
    [式中、Rは前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    ii) 式(13)で表される化合物のアミノ基を保護することで式(14):
    Figure 2015048324
    [式中、Pはアミノ基の保護基を示し、Rは前記と同じ定義である]で表される化合物を製造し、次いで、
    iii) 式(14)で表される化合物の水酸基を保護した後、アミノ基の保護基を脱保護することにより式(2)で表される化合物を製造する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 式(1)で表される化合物が3-(2-{(2S,5R)-4-[4-(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-プロピルフェニル]-2,5-ジメチルピペラジン-1-イル}-2-オキソエチル)-5-[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-5-メチルイミダゾリジン-2,4-ジオンである請求項1又は2に記載の製造方法。
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