JPWO2015020158A1 - ムスク系香料のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、これまで、ムスク系香料の嗅覚系における認識メカニズムもほとんど知られていない。特に、大環状ケトンムスク類を受容する嗅覚受容体は数種類と極めて限定されていることが示唆されてきたのみである。
このように、さらに、ムスク系香料については、嗅覚系における認識メカニズムもほとんど知られておらず、よって、ムスク系香料に感受性のある嗅覚受容体も見出されておらず、香料の匂いの質について、客観的に評価できないという問題があった。
(1) ムスク系香料に特異的な嗅覚受容体を用いて、候補物質の中からムスク系香料化合物をスクリーニングする方法であって、少なくとも以下の工程:
(i)候補物質の存在下又は非存在下で、前記嗅覚受容体を接触させる工程;
(ii)指標となる値を測定する工程;
(iii)上記(i)及び(ii)に基づく結果について、候補物質の存在下又は非存在下での結果を比較する工程;及び
(iv)前記指標となる値が変化した候補物質を選択する工程;
を含む、方法。
(2) ムスク系香料に特異的な嗅覚受容体が、マウスOlfr1440(MOR215-1)嗅覚受容体、マウスMOR214-3嗅覚受容体、及び/又はヒトOR5AN1嗅覚受容体である、(1)記載の方法。
(3) 指標となる値が、嗅覚受容体の電気生理学的アッセイの結果得られる値、細胞内シグナル量、遺伝子発現量又は細胞内のカルシウムイオン濃度である、(1)記載の方法。
(4) 指標となる値が細胞内シグナル量又は遺伝子発現量の場合に、ムスク系香料化合物が、大環状ケトンムスク類及び特定のニトロムスク類に属する化合物である、(3)記載の方法。
(5) 指標となる値が嗅覚受容体の電気生理学的アッセイの結果得られる値の場合に、ムスク系香料化合物が、大環状ケトンムスク類に属する化合物である、(3)記載の方法。
(6) 大環状ケトンムスク類に属する化合物が、ムスコン(3-methyl-cyclopentadecanone)、シクロペンタデカノン、アンブレトン(5-cyclohexadecen-1-one)、コスモン、ムセノン及びグロバノン並びにそれらの誘導体、その塩又はこれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つであり、特定のニトロムスク類に属する化合物が、ムスクケトン及び/又はムスクキシロール並びにそれらの誘導体、その塩又はこれらの溶媒和物である、(4)又は(5)記載の方法。
(7) (1)〜(6)いずれか1項記載の方法に用いる、ムスク系香料化合物スクリーニング試薬。
(8) (7)記載の試薬を含む、ムスク系香料化合物スクリーニングキット。
このように、本発明のスクリーニング方法によればムスク系香料を客観的に評価できる。
本発明に関するムスク系香料化合物とは、ジャコウジカ由来のムスクの香りの主成分であるムスコン様の香気を有する化合物をいい、例えば、大環状ケトン類、大環状ラクトン類、大環状ジエステル類、ニトロムスク類、多環状ムスク類、脂環式ムスク類等に分類される。中でも最も古くから用いられてきたのが大環状ケトンムスク類である。
大環状ジエステル類としては、例えば、エチレンブラシレート(ethylene brassylate;1,4-dioxacycloheptadecane-5,17-dione)があげられる。
多環状ムスク類(Polycyclic Musks)は合成ムスク香料で複数の環状構造がある化合物をいい、生分解性が低い。多環状ムスク類としては、例えば、トナリド(tonalide;1-(5,6,7,8-tetrahydro-3,5,5,6,8,8-hexamethyl-2-naphthalenyl)-ethanone)及びガラキソリド(galaxolide;1,3,4,6,7,8-hexahydro-4,6,6,7,8,8-hexamethyl-cyclopenta(gamma) -2-benzopyran)等があげられる。
脂環式ムスク類としては、例えば、ヘルベトリド(helvetolide;[2?[1?(3,3?dimethylcyclohexyl)ethoxy]?2?methylpropyl] propanoate)等があげられる。
本発明に関するムスク系香料に特異的な嗅覚受容体とは、ムスク系香料を受容する受容体であればいかなるものも含まれるが、例えば、嗅覚受容体があげられる。嗅覚受容体とは、嗅細胞(嗅覚受容神経)に存在し、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)ファミリーに分類され、ヒトの他、哺乳動物、鳥類、両生類、爬虫類、昆虫等に存在する。なお、嗅細胞は脊椎動物では嗅上皮に存在するが、昆虫では触角に存在する。ヒトの嗅覚受容体は396個ある。
MOR214-3嗅覚受容体のDNA配列は939塩基で公共データベースであるGenBankにアクセッション番号NM_146686として、またアミノ酸312残基でアミノ酸配列はアクセッション番号NP_666897としてそれぞれ登録されている。MOR214-3嗅覚受容体のDNA配列を配列番号6に、アミノ酸配列を配列番号7に示す。
OR5AN1嗅覚受容体のDNA配列は936塩基でアクセッション番号NM_001004729として、アミノ酸312残基でアミノ酸配列はアクセッション番号NP_001004729としてそれぞれ登録されている。OR5AN1嗅覚受容体のDNA配列を配列番号3に、アミノ酸配列を配列番号4に示す。
本発明のスクリーニング方法は、上記ムスク系香料に特異的な嗅覚受容体を用いて、候補物質の中からムスク系香料化合物をスクリーニングする方法であって、少なくとも以下の工程:(i)候補物質の存在下又は非存在下で、前記嗅覚受容体を接触させる工程;(ii)指標となる値を測定する工程;(iii)上記(i)及び(ii)に基づく結果について、候補物質の存在下又は非存在下での結果を比較する工程;及び(iv)前記指標となる値が変化した候補物質を選択する工程;を含む、方法である。
本発明のムスク系香料に特異的な嗅覚受容体を用いて、候補物質の中からムスク系香料化合物をスクリーニングする場合は、上記ムスク系香料に特異的な嗅覚受容体等を他の溶媒や溶質と組み合わせて組成物とすることができる。たとえば、蒸留水、pH緩衝試薬、塩、タンパク質、界面活性剤などを組み合わせることができる。
さらに、反応媒体として、反応の至適条件を与えるか、反応生成物質の安定化などに有用な緩衝液、反応物質の安定化剤などが含まれる。
本発明のムスク系香料に特異的な嗅覚受容体を用いて、候補物質の中からムスク系香料化合物をスクリーニングする場合、特別の条件、操作などは必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作に準じて行なわれ、必要であれば若干の修飾を加えて好適な測定系を構築できる。
そのためのもっとも簡便かつ効率的な測定を行なうことを可能とするのは、上記試薬をキット化することである。キット化により、通常の検査室または実験室で、特殊な分析機器、熟練した操作、高度の知識は必要とせずに、効率的に定量を行なうことができる。アッセイキットの構成および形態は、とくに限定されるものでなく所定の目的を達成できるものであればその内容は限定されない。一般には候補物質試料について、スクリーニングを実行し得られた結果を解釈するための使用説明書、反応試薬、反応が行なわれる場となる反応媒体、アッセイの場を提供する基材などから構成される。さらに所望により、比較基準とするためのあるいは検量線を作成するための照合サンプル、検出器なども含んでもよい。本発明のスクリーニング方法の検出手段としては、膜電流測定機器、分光器、放射線検出器、光散乱検出器といった上記標識を検出可能なものがあげられる。また、得られたデータを解析する装置、データ解析のためのソフトウェア、プリンタ等が含まれてもよい。
実施例1は嗅覚受容体を含むアフリカツメガエル卵母細胞発現系を作製することを目的とする。
嗅覚受容体としてOlfr1440(配列番号1及び2)(以下、「OR」という場合もある。)を用いた。ウシロドプシンのアミノ末端20アミノ酸残基(配列番号5)を、エピトープタグとしてMOR215-1のアミノ末端配列に付加させたベクターを作製した。当該タグは細胞内で合成されたMOR215-1タンパク質を細胞膜に局在させるために用いたもので、リガンド特異性を何ら変化させるものではない。
アフリカツメガエル卵母細胞を非特許文献1記載の方法により調製した。実施例1で作製した相補的RNAを、MOR215-1(20ng)、Gαolf(10ng)、RTP1(10ng)、CFTR(10ng)を50μlの水溶液として、1の卵母細胞にマイクロインジェクションした。その後、上記細胞を18℃で、2〜3日間培養した。
実施例2は実施例1で作製したアフリカツメガエル発現系を用いた電気生理学的解析を行うことを目的とする。
アフリカツメガエル卵母細胞を用いて以下の条件で電気生理学的解析を行った。匂い物質はまず100 mM DMSO溶液として調整し、所望の濃度となるようにND96緩衝液に希釈して細胞の刺激に用いた。
実施例3は、実施例1で作製したアフリカツメガエル発現系を用いて各種化合物に暴露させた場合の電気生理学的解析を行うことを目的とする。
アミン類:1,4-diaminobutane, triethylamine, aniline, pyridine, isoamylamine, 2,5-dimethylpyrazine, N,N-diethyl-m-toluamide, tyramine;
アルコール類:1-butanol, 1-octanol, 1-decanol, 1-dodecanol, 5-nonanol, 2-ethyl-1-hexanol, 2-methyl-1-propanol;
アルデヒド類:butanal, hexanal, octanal, decanal, dodecanal, trans-2,4-decadienal;
ケトン類:3-pentanone, 2-heptanone, 2-nonanone;
酸:1-butanoic acid, 1-hexanoic acid, 1-octanoic acid, 1 -nonanoic acid,1-decanoic acid;
エステル類:octyl acetate, nonyl acetate, octyl butyrate, ethyl dodecylate, 2-phenylethylacetate, isoamyl propionate;
ベンゼン類:benzene, allylbenzene, 2-phenylethyl alcohol, ethyl benzoate, anisole, 2-phenylethylacetate;
バニリン様化合物:vanilline, vanillin acetate, isovanillin, 2-hydroxy-3-methoxybenzaldehyde, 4-methoxy-3-methylbenzaldehyde, 3,4-dimethylbenzaldehyde;
ラクトン類;γ-butyrolactone, γ-octanolactone, γ-decanolactone, γ-undecalactone, γ-dodecanolactone
実験で用いた化合物をDMSOで0.3mMの濃度で保存した。
実施例4は、実施例1で作製したアフリカツメガエル発現系を用いてさらにムスク系匂い物質に関して電気生理学的解析を行うことを目的とする。
1: muscone
2: cyclopentadecanone
3: ambretone
4: cyclopentadecanol
5: ethylene brassylate
6: musk xylol
7: musk ketone
8: exaltolide
9: habanolide
10: muscenone
11: galaxolide
12: helvetolide
13: ambrettloide
14: tonalide
15: cyclopentadecane
16: cyclohexanone
17: cosmone
18: 2H-cosmone
19: cyclodecanone
20: cycloundecanone
21: 2-pentadecanone
22: 8- pentadecanone
23: celestlide
24: cashmerane
25: globanone
実験で用いた化合物はND96緩衝液に溶解して濃度を100μMに調製した。
実施例5は、MOR215-1が発現したアフリカツメガエル卵母細胞とムスコンの光学異性体との電気生理学的解析を行うことを目的とする。
ムスコンとして、ラセミ体ムスコン、l-ムスコン及びd-ムスコンを用いた以外は、実験方法は実施例2と同様である。
実施例6はHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイによる解析を行うことを目的とする。
ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイは非特許文献3記載の方法に従って行った。
ポリDリジンをコーティングした96穴プレート(BD BioCoat)を用いて、HEK293細胞を37℃、5% CO2の条件で培養した。ウシロドプシンのアミノ酸N末端20残基(配列番号5)がタグ付けされたMOR215-1ベクター0.05μg、cAMP応答配列プロモーター含有ホタルルシフェラーゼベクター(Promega)0.01μg、チミジンキナーゼプロモーター含有ウミシイタケ(Renilla)ルシフェラーゼベクター(Promega)0.005μg、及びRTP1Sベクター0.01μgをカチオン性脂質Lipofectamine 2000 Reagent(Invitrogen)0.15μlを用いて導入した。遺伝子導入を行った細胞を24〜28時間培養した。
匂い物質を測定に用いる濃度になるように各々20μMのL-グルタミン添加CD293培養液(GIBCO)に溶解した。形質転換した細胞を、匂い物質含有培養液60μlを用いて37℃、5% CO2の条件で4時間刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定した。ルシフェラーゼ活性の測定には、Dual-Glo Luciferase Assay System(Promega)を用いた。また、当該活性は100μMムスコンに対する反応比率として正規化した。測定は同時に3連で行った平均を1回分の測定として複数回行い、その誤差範囲を±SEで示し、MOR215-1が発現したHEK293細胞のルシフェラーゼ活性による用量反応曲線を作成した。
実施例7は、実施例6で作製したHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイにより各化合物に関する解析を行うことを目的とする。化合物として、実施例3で用いた化合物群を用いた。各化合物を20μM L-グルタミン添加CD293培養液(GIBCO)に10μM濃度になるように調製して実験に用いた。実験方法は、化合物群の刺激時間を3時間とした以外は実施例6と同様である。解析は、10μMムスコンの3時間秒刺激に対する反応比率として正規化して行った。
実施例8は、実施例6のHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイによるムスク系匂い物質に関する解析を行うことを目的とする。
実施例7でMOR215-1がムスコンに特異的に応答したことが示されたため、MOR215-1が応答する化合物をさらに特定するために、ムスク系匂い物質について実験を行った。実験に用いた化合物群は実施例4と同様であり、実験で用いた化合物は20μM L-グルタミン添加CD293培養液(GIBCO)に10μM濃度になるように調製した。実験方法は、化合物群の刺激時間を10秒とした以外は実施例6と同様である。解析は、図8は10μMムスコン3時間刺激に対する反応比率として正規化して行った。測定は同時に3連で行った平均を1回分の測定として複数回行い、その誤差範囲を±SEで示した。
実施例9はヒト嗅覚受容体OR5AN1のHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイによる解析を行うことを目的とする。
実験方法は、MOR215-1のかわりにヒト嗅覚受容体OR5AN1(配列番号3及び4)を用いた以外は実施例6と同様である。ルシフェラーゼ活性は100μMのムスコンに対する応答比率で正規化した。誤差範囲は±SEで示した。
実施例10は、ヒト嗅覚受容体OR5AN1に対して実施例6のHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイにより各化合物に関する解析を行うことを目的とする。
実験方法はヒト嗅覚受容体OR5AN1を用いた以外は実施例7と同様である。
実施例11は、ヒト嗅覚受容体OR5AN1に対して実施例6のHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイによるムスク系匂い物質に関する解析を行うことを目的とする。
実施例10でOR5AN1がムスコンに特異的に応答したことが示されたため、OR5AN1が応答する化合物をさらに特定するために、ムスク系匂い物質について実験を行った。実験方法は、MOR215-1のかわりにヒト嗅覚受容体OR5AN1(配列番号3及び4)を用いた以外は実施例6と同様である。
実施例12は、ヒト嗅覚受容体OR5AN1に対して実施例6のHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイによるムスコンの光学異性体に関する解析を行うことを目的とする。ムスコンとして、ラセミ体ムスコン、l-ムスコン及びd-ムスコンを用いたこと、また、MOR215-1のかわりにヒト嗅覚受容体OR5AN1(配列番号3及び4)を用いたこと以外は、実施例6と同様に実験を行った。
実施例13は、マウス嗅覚受容体MOR214-3に対して実施例6のHEK293細胞発現系を用いたルシフェラーゼアッセイによるムスク系匂い物質に関する解析を行うことを目的とする。MOR214-3が応答する化合物を特定するために、ムスク系匂い物質について実験を行った。実験方法は、MOR215-1のかわりにマウス嗅覚受容体MOR214-3(配列番号6及び7)を用いた以外は実施例6と同様である。
実施例14は、嗅覚受容体に対して実施例6のHEK293細胞発現系を用いたカルシウムイメージングアッセイによる解析を行うことを目的とする。
HEK293細胞を37℃、5% CO2の条件で培養する。HEK293細胞に嗅覚受容体を発現させるためのプラスミドベクターを作製するために、Flagタグ及びウシロドプシンのアミノ酸N末端20残基からなるロドプシンタグ(配列番号5)がついた嗅覚受容体MOR215-1、MOR214-3及びOR5AN1をpME18SベクターのEcoRI/XhoIサイトにクローニングする。
PCR条件として、以下の試薬:
×10 PCR buffer 5μl
dNTP mix 5μl
KOD plus 1μl
MgCl2 3μl
Primer Sense (20pM) 1μl
Primer Anti sense (20pM) 1μl
Template 1μl
H2O 33μl(Total 50μl)
を用いて、以下の温度条件:
a) 95℃ 2min
b) 95℃ 30s
c) primerのTm‐2℃ 30s
d) 72℃ 60s
b)~d)を40サイクル
e) 72℃ 7min
を用いる。
プラスミドを細胞導入するために、リポフェクション法を用いる。Lipofectamine2000 (Invtrogen)12.5μlをOpti-MEM (Invitrogen)400μlで希釈して10分間放置した後、MOR215-1、MOR214-3又はOR5AN1 (pME18S) 2.5μg、RTPs 1.0μg及びGαl5 1.5μgを混合した後、さらに20分間放置する。
Claims (8)
- ムスク系香料に特異的な嗅覚受容体を用いて、候補物質の中からムスク系香料化合物をスクリーニングする方法であって、少なくとも以下の工程:
(i)候補物質の存在下又は非存在下で、前記嗅覚受容体を接触させる工程;
(ii)指標となる値を測定する工程;
(iii)上記(i)及び(ii)に基づく結果について、候補物質の存在下又は非存在下での結果を比較する工程;及び
(iv)前記指標となる値が変化した候補物質を選択する工程;
を含む、方法。 - ムスク系香料に特異的な嗅覚受容体が、マウスOlfr1440(MOR215-1)嗅覚受容体、マウスMOR214-3嗅覚受容体、及び/又はヒトOR5AN1嗅覚受容体である、請求項1記載の方法。
- 指標となる値が、嗅覚受容体の電気生理学的アッセイの結果得られる値、細胞内シグナル量、遺伝子発現量又は細胞内のカルシウムイオン濃度である、請求項1記載の方法。
- 指標となる値が細胞内シグナル量又は遺伝子発現量の場合に、ムスク系香料化合物が、大環状ケトンムスク類及び特定のニトロムスク類に属する化合物である、請求項3記載の方法。
- 指標となる値が嗅覚受容体の電気生理学的アッセイの結果得られる値の場合に、ムスク系香料化合物が、大環状ケトンムスク類に属する化合物である、請求項3記載の方法。
- 大環状ケトンムスク類に属する化合物が、ムスコン(3-methyl-cyclopentadecanone)、シクロペンタデカノン、アンブレトン(5-cyclohexadecen-1-one)、コスモン、ムセノン及びグロバノン並びにそれらの誘導体、その塩又はこれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1つであり、特定のニトロムスク類に属する化合物が、ムスクケトン及び/又はムスクキシロール並びにそれらの誘導体、その塩又はこれらの溶媒和物である、請求項4又は5記載の方法。
- 請求項1〜6いずれか1項記載の方法に用いる、ムスク系香料化合物スクリーニング試薬。
- 請求項7記載の試薬を含む、ムスク系香料化合物スクリーニングキット。
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