JPWO2015016346A1 - 生体組織接合システム、および、生体組織接合システムの作動方法 - Google Patents

生体組織接合システム、および、生体組織接合システムの作動方法 Download PDF

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Abstract

操作性のよい処置システム1を提供する。処置システム1は、生体組織に処置エネルギを印加する処置具2と、電力を出力する電源30と、前記生体組織の温度を測定するための温度測定部39と、前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから、前記生体組織の温度の時間積分値である加熱量Qを算出する算出部33と、前記加熱量Qと所定の加熱量設定値Qsetとを比較する比較部34Aと、前記比較部34Aが比較した結果に基づき指示を出す指示部34Bと、を有する。

Description

本発明の実施形態は、被処置体に処置エネルギを印加する処置部を具備する処置システム、処置具制御装置、および、前記処置システムの作動方法に関する。
米国特許出願公開第2009/076506号明細書には、挟持した被処置体に高周波電力エネルギと熱エネルギとを印加する一対の挟持部と、高周波電力エネルギを印加するための高周波電力を出力する高周波電源と、熱エネルギを印加するための発熱用電力を出力する発熱用電源と、高周波電力エネルギ印加と熱エネルギの印加とを切り替えるために高周波電源および、発熱用電源を制御する制御部と、を具備する処置システムが開示されている。
また、米国特許出願公開第2009/0248002号明細書には、被処置体に対して高周波電力エネルギを印加して、高周波電力エネルギの印加終了後に、熱エネルギを印加する処置システムが開示されている。高周波電力エネルギは、被処置体の細胞膜を破壊することによってタンパク質をはじめとする高分子化合物を含んだ細胞内成分を放出し、コラーゲンをはじめとする細胞外成分と均一化させる作用を有する。そして、熱エネルギの印加により被処置体が接合される。
米国特許出願公開第2013/19060号明細書には、被処置体に対して超音波エネルギおよび、高周波電力エネルギを印加する処置システムが開示されている。
米国特許出願公開第2005/222556号明細書には、レーザを用いて被処置体に対して光エネルギを印加する処置システムが開示されている。
すなわち、医療用処置具の処置部は、処置エネルギとして、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギ、の少なくともいずれかを被処置体に印加する。
ここで、良い処置結果を得るためには、処置エネルギの印加時間を適切に行う必要がある。印加時間が短いと接合強度が不十分であり、印加時間が長いと周囲の組織に悪影響を及ぼしたり、接合強度が不十分になったりする。
処置エネルギの印加時間は、試行錯誤で最適時間を決定する必要があり、従来の処置システム等は操作性がよいとはいえない場合があった。
米国特許出願公開第2009/076506号明細書 米国特許出願公開第2009/0248002号明細書 米国特許出願公開第2013/19060号明細書 米国特許出願公開第2005/222556号明細書
本発明の実施形態は、操作性のよい処置システム、操作性のよい処置具制御装置、および、操作性のよい処置システムの作動方法を提供することを目的とする。
実施形態の処置システムは、生体組織に処置エネルギを印加する処置具と、前記処置エネルギに変換するための電力を出力する電源と、前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、前記温度測定部が測定する前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから、前記生体組織の温度の時間積分値を算出する算出部と、前記算出部が、前記算出部が算出する前記生体組織の温度の前記時間積分値と所定の設定値とを比較する比較部と、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、を有する。
別の実施形態の処置具制御装置は、生体組織に処置エネルギを印加する処置具と、前記処置エネルギに変換するための電力を出力する電源と、前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、前記温度測定部が測定する前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから、前記生体組織の温度の時間積分値を算出する算出部と、前記算出部が算出する温度の時間積分値と所定の設定値とを比較する比較部と、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、を有する。
別の実施形態の処置システムの作動方法は、電源が、電力を出力するステップと、処置具が、前記電力を処置エネルギに変換して生体組織に印加するステップと、温度測定部が、前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するステップと、算出部が、前記温度測定部により測定された前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから前記生体組織の温度の時間積分値を算出するステップと、比較部が、前記算出部により算出された前記時間積分値と所定の設定値とを比較するステップと、指示部が、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出すステップと、を動作する。
本発明の実施形態によれば、操作性のよい処置システム、操作性のよい処置具の制御装置、および、操作性のよい処置システムの作動方法を提供できる。
第1実施形態の処置システムの外観図である。 第1実施形態の処置システムの処置部の側面図である。 第1実施形態の処置システムの処置部の側面図である。 第1実施形態の処置システムの処置部の断面図である。 第1実施形態の処置システムの処置部の上面図である。 第1実施形態の処置システムの処置部の図3Aの3C−3C線に沿った断面図である。 第1実施形態の処置システムの発熱部の上面図である。 第1実施形態の処置システムの構成図である。 第1実施形態の処置システムにおける生体組織および処置部の温度変化と、加熱量とを説明するためのグラフである。 第1実施形態の処置システムの作動方法を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態の処置システムにおける加熱量と生体組織接合強度の関係を示すグラフである。 第1実施形態の変形例1の処置システムにおける、組織温度と処置部温度との温度差と、発熱用電力の出力値の関係を示すグラフである。 第1実施形態の変形例2の処置システムにおける告知部である表示部の表示形態を示す図である。 第2実施形態の処置システムの構成図である。 第2実施形態の処置システムの作動方法を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態の処置システムにおける生体組織および、処置部の温度変化、および、加熱量を説明するためのグラフである。
<第1実施形態>
<処置システムの構成>
図1に示すように、本実施形態の処置システム1は、処置具2と、処置具制御装置である本体部3と、フットスイッチ4と、を具備する。処置具2は、例えば腹壁を通して腹腔内の生体組織の接合処置等を行う外科手術用エネルギ吻合装置である。
処置具2は、グリップ2A1と、シャフト2A2と、被処置体である生体組織LTを把持して処置を行う開閉可能な一対の挟持部11(第1挟持部11A、第2挟持部11B)からなる処置部10を有する。
なお、以下、符号の末尾にA、Bが付与された同じ機能の構成要素のそれぞれをいうときは符号A、Bを省略することがある。例えば、第1挟持部11Aおよび第2挟持部11Bのそれぞれを挟持部11という。
グリップ2A1は、ケーブル2Lを介して本体部3に接続されている。術者が処置部10の開閉を操作する開閉ノブ2A3のあるグリップ2A1は、術者が握り易い形状、例えば略L字状である。グリップ2A1の一端には、処置部10と一体化し、開閉ノブ2A3の動作を処置部10に伝達するグリップ2A3が配設されている。一方、グリップ2A1の他端側は、術者に把持される把持部2A4である。
本体部3は、処置条件等を表示する表示部36と、術者が処置条件等を設定する設定操作部35とを前面パネルに有し、ケーブル4Lを介してフットスイッチ4が接続されている。フットスイッチ4のペダルを術者が足で押圧操作することにより、本体部3から処置具2への電力出力がON/OFF制御される。フットスイッチ4は必須の構成要素ではなく、術者が手元で操作するスイッチ等であってもよい。
図2Aおよび、図2Bに示すように、処置具2は、生体組織LTとの接触面である処置面11SA、11SBを介して熱エネルギ(THエネルギ)を生体組織LTに印加する。
処置部10は、例えば、第2挟持部11Bが第1挟持部11Aに対して相対的に移動することにより開閉自在である。図2Aに示すように、開閉ノブ2A3が術者により押圧操作されていないときには、図示しない弾性部材の付勢力により第2挟持部11Bは第1挟持部11Aと近接状態または接触状態にある。これに対して、図2Bに示すように、弾性部材の付勢力よりも強い力で開閉ノブ2A3が術者により押圧操作されると、第2挟持部11Bは第1挟持部11Aから離れ、処置部10は開状態となる。処置部10が開状態のときに、第1挟持部11Aと第2挟持部11Bとの間に挿入された生体組織LTは、術者が開閉ノブ2A3の押圧操作をやめると、弾性部材の付勢力により第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBと間に挟まれ押圧された状態で保持される。
図3A〜図4に示すように、挟持部11の処置面11Sはステンレスまたは銅等の金属からなる伝熱体12のおもて面(外面)である。そして、伝熱体12の裏面(内面)には発熱素子13が接合されている。発熱素子13の上面は、ポリイミド等の絶縁体16により覆われ、絶縁されている。
発熱素子13は、アルミナまたは窒化アルミニウム等の基板14の表面に発熱抵抗体15が形成されている。発熱抵抗体15は温度が上がると電気抵抗Rが高くなる正の抵抗温度係数の白金からなる。このため、後述するように、発熱抵抗体15の電気抵抗Rから発熱素子13(発熱抵抗体15)の温度T1を算出できる。発熱抵抗体15の材料には、NiCr合金、Ta、またはW等の各種の正の抵抗温度係数の高融点金属材料を用いてもよい。
発熱素子13は、本体部3から出力される発熱用電力(TH)を、熱エネルギとして生体組織LTに印加する出力部である。
また、図3Aに示すように、処置具2は処置面11Sから突出する温度センサ19を有する。例えば、温度センサ19は第1挟持部11Aと第2挟持部11Bとの間が閉じている場合には内部に収容されており、間が開くとバネ等の弾性体による付勢力により突出する。そして、温度センサ19は第1挟持部11Aと第2挟持部11Bとの間に挟持された生体組織LTの内部に挿入され生体組織LTの温度(組織温度)T2を検出する。なお、発熱素子13の温度(素子温度)T1に対して組織温度T2は伝熱のため、温度差ΔTだけ低くなる。
T2=T1―ΔT ・・・(式1)
処置面11SAと処置面11SBとの間に挟持された生体組織の場合には、組織温度T2は例えば最低温度、すなわち、処置面11SAと処置面11SBとの中間部の生体組織の温度である。組織温度T2は処置中の生体組織の温度であれば、組織の内部温度に替えて、処置面11Sと接している部分の表面温度でもよい。
発熱素子13はそれぞれの挟持部11A、11Bに配設されているが、発熱素子13は、少なくとも一方の挟持部11に配設されていればよい。
次に、図5を用いて処置システム1の構成について説明する。すでに説明したように、処置システム1は、処置具2と本体部3とフットスイッチ4とを有する。
本体部3は、発熱用電力(TH)電源30と、発熱用電力センサ(THセンサ)31と、設定部32と、算出部33と、制御部34と、温度測定部39と、を具備する。
電源30は、熱エネルギのための発熱用電力(TH)を出力する。検出部であるTHセンサ31は、THの出力値(電圧および電流)を検出する。電圧と電流の積が電力Pである。
制御部34は、比較部34A、指示部34Bおよび電源制御部34Cを含み、処置システム1の全体の制御を行う。
温度測定部39は、温度センサ19の出力から熱エネルギが印加された生体組織の温度(組織温度)T2を測定する。
算出部33は、電力THの電圧および電流から発熱素子13の電気抵抗Rを算出し、算出した電気抵抗Rから発熱素子の温度(素子温度)T1を算出する。すなわち、算出部33は、発熱素子13の抵抗温度係数にもとづく算出式、または、電気抵抗Rと素子温度T1との対応表等が記憶されている記憶部(不図示)を有する。なお、算出部33が、THの電圧および電流から、電気抵抗Rを算出しないで、直接、素子温度T1を算出してもよい。
算出部33は生体組織温度T2の時間積分値である加熱量(heating amount)Qも算出する。加熱量Qは、温度と印加時間の積であり、例えば、「℃秒」の単位で示される。例えば、以下の(式2)により、処置開始(時間0)から時間tまでの加熱量Qが算出される。
(式2)
Figure 2015016346
加熱量Qは、所定時間毎、例えば、1秒毎の生体組織温度T2を加算した、単位が「℃」の積算温度として表現することもできる。すなわち、時間積分値と積算温度とは単位は異なるが同じ状態を示す物理量である。なお、加熱量Qは、ジュールを単位とする熱量(calorie)とは全く異なる物理量である。
設定部32は設定操作部35の操作等にもとづき、処置条件を設定する。処置システム1では設定部32は記憶部32Mを有する。半導体メモリ等からなる記憶部32Mは、後述する加熱量設定値Qset等の異なる複数の処置条件を記憶してもよい。なお、設定操作部35は広義の設定部32Sの一部とみなすことができる。
制御部34を構成するCPU等が、温度測定部39、算出部33および設定部32の機能の少なくとも一部を有していてもよい。また、それぞれが独立したCPUであってもよい。また、設定部の記憶部32Mが算出部33の記憶部の機能を有していてもよい。
表示部36は、設定された処置条件、処置中の電力の出力値、および、組織温度T2等の情報等を術者に告知する告知部である。
比較部34Aは算出部33が算出する生体組織の温度の時間積分値(加熱量Q)と所定の設定値(加熱量設定値Qset)とを比較する。指示部34Bは比較部34Aが比較した結果に基づき指示を出す。電源制御部34Cは、指示部34Bからの指示に基づき、処置エネルギの印加が減少または終了するように電源30を制御する。また、電源制御部34Cによる制御に替えて、指示部34Bからの指示に基づき、表示部36に処理を終了するように表示を行ったり、告知部としてのスピーカーから音を発生したりしてもよい。もちろん、電源制御部34Cが電源30を制御し、さらに告知部が告知を行ってもよい。
すなわち、処置システム1では、比較部34Aが、算出部33が算出した加熱量Qと、設定部32で設定された所定の設定値である加熱量設定値Qsetとを比較する。加熱量Qが加熱量設定値Qset以上になったら、指示部34Bが電源制御部34Cに指示を出す。その指示に基づき電源制御部34Cが、生体組織LTへの処置エネルギの印加が減少または終了するようにTH電源30を制御する。
<処置システムの作動方法>
次に、図7のフローチャートに沿って、処置システム1の作動方法について説明する。
<ステップS11>
例えば、以下のような加熱量設定値Qsetを含む処置条件が、設定操作部35を含む設定部32を介して設定される。
素子温度設定値Tset:220℃
加熱量設定値Qset:800℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:230℃
ここで、素子温度設定値Tsetは、定温制御する発熱素子13の目標温度である。なお、素子温度設定値Tsetは、組織温度の目標温度であってもよい。下限温度Tminは、生体組織に変化が生じはじめる温度である。言い替えれば下限温度Tminになるまでは、生体組織は実質的には処置されない。上限温度Tmaxは、処置している生体組織が想定外の損傷を受け周辺部位にまで悪影響を及ぼすおそれが生じはじめる温度である。
すでに説明したように、従来の処置システムでは、処理条件として、処置時間(処置エネルギの印加時間)が設定されていたのに対して、処置システム1では、組織温度T2の熱エネルギの印加終了までの時間積分値である加熱量設定値Qsetが設定される。
なお、処置条件は、例えば、記憶部32Mに記憶されている複数の処置条件の中から処置に応じて術者が設定できるが、後述するように、生体組織LTの種類に応じて設定部32が自動的に設定してもよい。
すなわち、それぞれの条件は個別に設定されてもよいし、複数の条件が予め設定されている処置条件セットとして選択されてもよい。例えば、以下のように、処置する生体組織LTの種類に応じて予め複数の処置条件セットLV1〜LV3が記憶部32Mに記憶されていてもよい。
(LV1)
素子温度設定値Tset:180℃
加熱量設定値Qset:1000℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:190℃
(LV2)
素子温度設定値Tset:190℃
加熱量設定値Qset:2500℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:200℃
(LV3)
素子温度設定値Tset:200℃
加熱量設定値Qset:3500℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:210℃
<ステップS12>
図2Aに示したように、閉状態の処置部10が、例えば、腹壁を通して腹腔内に挿入される。術者がグリップ2A1の開閉ノブ2A3を握りしめる押圧操作をすると、第1挟持部11Aに対して第2挟持部11Bが開く。そして、処置対象の生体組織LTが、第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBとの間に配置される。この状態で、開閉ノブ2A3が開放されると、弾性部材の付勢力により、第1挟持部11Aに対して第2挟持部11Bが閉じ、図2Bに示すように、処置対象の生体組織LTは、第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBとの間に押圧状態で挟持される。
<ステップS13>
術者がフットスイッチ4を足で押圧操作する。すると、制御部34は、電源30が発熱用電力(TH)を出力するように制御する。制御部34は、素子温度T1が素子温度設定値Tsetになるように、電源30の出力値Pの定温制御を開始する。
処置システム1では、発熱素子13A、13Bの平均温度、または、発熱素子13A、13Bの一方の温度を素子温度T1とみなして、1つの電源30を制御しているが、発熱素子13A、13Bのそれぞれの温度を算出し、それぞれの電源で制御してもよい。
<ステップS14>
温度測定部39が、組織温度T2を測定する。
<ステップS15>
制御部34は、組織温度T2が下限温度Tmin以上まで上昇したか判断する。下限温度Tmin以上になったら(YES)、ステップS16に移行する。
このため、下限温度Tmin未満の間(時間0からt0までの間)は、加熱量Qは算出されない。
<ステップS16>
制御部34は、組織温度T2が上限温度Tmax以上まで上昇したか判断する。上限温度Tmax以上になったら(YES)、ステップS19に移行し処置を中止する。このとき、制御部34が、表示部36に警告を表示することが好ましい。
なお、下限温度Tminおよび上限温度Tmaxに基づく制御は実施形態の処置ステム1の必須の制御ではない。
<ステップS17>
算出部33は、組織温度T2の時間積分値である加熱量Qを算出する。
(式2)で示される加熱量Qは、例えば1秒毎に、ΔQ(組織温度T2×1秒)が、それまでの加熱量Qに加算される。
<ステップS18、S19>
制御部34の比較部34Aは、加熱量Qと加熱量設定値Qsetとを比較し、加熱量Qが過熱量設定値Qset以上になる(YES)と、指示部34Bから指示信号が電源30に対して出力され、電源制御部34Cが電源30を制御し、THの出力を終了する。すなわち、加熱量設定値Qsetと加熱量Qとにもとづき、THの出力が終了する。
すなわち、ステップS18は、比較部34Aが算出部33により算出された時間積分値(加熱量Q)と所定の設定値(加熱量設定値Qset)とを比較するステップS18Aと、指示部34Bが、比較部34Aが比較した結果に基づき指示を出すステップS18Bと、電源制御部34Cが、指示部34Bからの指示に基づき電源30を制御するステップS18Cと、からなる。
なお、電源制御部34Cは、電源30を制御しTHの出力が生体組織に実質的に影響の無いレベルまでTHの出力を減少してもよい。
図8は、加熱量Qと処置された生体組織LTの接合強度との関係を示している。図8から、加熱量Qを基準とすることにより、良い処置結果が得られることは明らかである。すなわち、加熱量Qが、所定の加熱量QA以上であれば、実用上、十分な接合強度SAを得ることができる。記憶部32Mには、加熱量QAの実験値にもとづき決定された加熱量設定値Qsetが記憶されている。
なお、素子温度T1の時間積分値から算出した加熱量にもとづいて同様の制御を行っても、時間にもとづく従来の制御と比べると、良い処置結果を得られる。しかし、より的確な処置を行うためには、組織温度T2の時間積分値から算出した加熱量にもとづいて制御することが好ましい。
また、定温制御の目標温度として素子温度設定値Tsetに替えて組織温度設定値が設定され、制御部34が、組織温度T2が組織温度設定値になるように、TH電力の出力値Pを定温制御してもよい。
以上の説明のように、処置具制御装置である本体部3は、生体組織に処置エネルギを印加する処置具と、前記処置エネルギに変換するための電力を出力する電源と、前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、前記温度測定部が測定する温度と前記処置エネルギの印加時間とから、温度の時間積分値を算出する算出部と、前記算出部が算出する温度の時間積分値と所定の設定値とを比較する比較部と、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、を有する。
また、処置システムの作動方法は、電源が、電力を出力するステップと、処置具が、前記電力を処置エネルギに変換して生体組織を処置するステップと、温度測定部が、前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するステップと、算出部が、測定された生体組織の温度と前記処置エネルギを印加した時間とから前記生体組織の温度の時間積分値を算出するステップと、比較部が、前記算出部により算出された時間積分値と所定の設定値とを比較するステップと、指示部が、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出すステップと、を動作する。
処置システム1は、熱エネルギの印加時間が、加熱量Qを基準に制御されるため、良い処置結果を容易に得られる。すなわち、処置システム1、処置具制御装置である本体部3、および、処置システム1の作動方法は操作性がよい。
なお、温度測定部39が、組織温度T2を素子温度T1と電力(TH)の出力値Pとから推定してもよい。すなわち、温度測定部39は組織温度T2を温度センサ等により直接、測定するのではなく、出力値P等を介して間接的に測定してもよい。
出力値Pは素子温度T1が所定の素子温度設定値Tsetになるように定温制御されている。このため、温度差ΔTが大きいと、より大きな出力値PのTHが必要となる。すなわち、図9に示すように、温度差ΔTは、発熱用電力(TH)の出力値Pと強い相関がある。なお、図9における、温度差ΔTは、温度センサ19と同様の温度センサで組織温度T2を実測した実験値に基づいている。
このため、T2は以下の(式3)から算出できる。
T2=T1−ΔT=T1−f(P) ・・・(式3)
温度測定部39が、発熱素子13の電気抵抗から発熱素子13の温度T1を算出し、さらに、発熱素子13の温度T1と電力の出力値Pとから生体組織の温度T2を推定する処置システムでは、温度センサは不要であり、算出部33が温度測定部39の機能を有していてもよい。なお、f(P)は予め実験により取得し、式または表(テーブルデータ)として記憶部(不図示)に記憶される。図9に示した直線は、複数の実験データ(プロット)を最小二乗法により1次式近似した例を示している。
すなわち、図9に示した直線の式f(P)は、ΔT=αP+β (α:傾き、β:Y切片)である。式f(P)は2次式等でもよいし、電力Pを複数の範囲に区分し、区分毎に異なる複数の式から構成されていてもよい。また、表で記憶する場合には、表には例えば電力Pの5W毎に対応したΔTが記憶されている。
また、算出部33が算出する加熱量Qの加熱量設定値Qsetに対する比率Q/Qsetが表示部36の告知部36Bに表示されることが好ましい。例えば、図10に示すように、比較部34Aが比較した結果に基づき指示部34Bが告知部36Bに指示を出す。すると、告知部36Bにバーグラフのように処置進行の状態が表示される。術者は、告知部36Bの表示により処置進行の様子を確認できる。
なお、告知部による術者への告知は、術者が認識可能であれば、表示部36の告知部36Bに限られるものではなく、音(音声情報、メロディの種類、周波数の変化)、または、振動強度等により告知する告知部であってもよい。
<第1実施形態の変形例>
次に、第1実施形態の変形例1〜3の処置システム1A〜1C、処置具制御装置、および、処置システムの作動方法について説明する。なお、以下、(処置システム、処置具制御装置、および、処置システム1の作動方法)を、処置システム等という。処置システム1A〜1C等は、処置システム1等と類似しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
処置システム1では、印加される処置エネルギが熱エネルギであった。しかし、処置エネルギは、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギのいずれかのエネルギであれば、同様の効果を得られる。
<変形例1>
変形例1の処置システム1A等では、生体組織に処置エネルギとして光エネルギであるレーザ光が印加される。すなわち、電源はレーザ光を発生する光源に電力を出力する。
レーザ光が印加された生体組織は発熱する。レーザ光の波長を選択することで、特定の処置部位を選択的に加熱することもできる。温度測定部39は、例えば、赤外線温度計の検出結果をもとに組織温度T2を測定する。
<変形例2>
変形例2の処置システム1B等では、生体組織に処置エネルギとして超音波エネルギが印加される。すなわち、電源は超音波振動子に電力を出力する。
処置システム1Cの処置具は、グリップ2A1の内部に超音波振動子を有し、挟持部11Aが前後に超音波振動する。振動する、挟持部11Aと振動しない挟持部11Bとの間に挟持された生体組織は、摩擦熱により発熱する。処置システム1Cでは、組織温度T2は、例えば、挟持部11Bの処置面11SBの温度を検出する温度センサにより検出される。
<変形例3>
変形例3の処置システム1C等では、生体組織に処置エネルギとして高周波電力エネルギが印加される。すなわち、電源は高周波電力を出力する。
処置システム1Cの処置具の金属からなる伝熱体は高周波電力(HF)を生体組織に印加する電極としての機能を有する。電極12A、12Bに挟持されている生体組織LTに高周波電力が印加されると、生体組織LTはジュール熱により加熱される。
第1実施形態の変形例の処置システム1A〜1C等は、いずれも処置システム1等と同じようにエネルギの印加時間が、生体組織の温度にもとづく加熱量Qを基準に制御されるため、操作性がよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の処置システム1D等について説明する。処置システム1D等は、処置システム1等と類似しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
処置システム1Dの処置具2Dは、処置面11SA、11SBを介して高周波電力エネルギ(HFエネルギ)と熱エネルギ(THエネルギ)とを順に生体組織LTに印加する。
HFエネルギは、生体組織の細胞膜を破壊することによってタンパク質をはじめとする高分子化合物を含んだ細胞内成分を放出し、コラーゲンをはじめとする細胞外成分と均一化させる作用を有する。また、HFエネルギは、生体組織の温度を上昇させる作用も有する。そして、生体組織の均一化および温度上昇により、その後に行われる熱エネルギの印加による、脱水処置および生体組織の接合が促進されている。
図11に示すように、処置システム1Dの処置具2Dの金属からなる伝熱体は電極12としての機能も有する。そして、本体部3Dは、第1電源である高周波電力(HF)電源30Aと、第2電源である発熱用電力(TH)電源30Bと、HFセンサ31Aと、THセンサ31Bと、設定部32と、算出部33と、制御部34と、を具備する。なお、処置システム1Dでは、組織温度T2は発熱素子13の温度T1と電力の出力値Pとから生体組織の温度T2を推定され、算出部33が温度測定部39の機能を有している。
なお、図11では図示を省略しているが、制御部34は図5と同様に比較部34A、指示部34Bおよび電源制御部34Cを含んでいる。
HF電源30Aは、第1電力である高周波電力(HF)を出力する。TH電源30Bは、第2電力である発熱用電力(TH)を出力する。なお、HF電源30AとTH電源30Bとは同時に電力を出力することはないため、一つの共用電源であってもよい。この場合には、HFセンサ31AとTHセンサ31Bも共用でよい。
第1検出部であるHFセンサ31Aは、HFの出力値(電圧および電流)を検出する。第2検出部であるTHセンサ31Bは、THの出力値(電圧および電流)を検出する。
<処置システムの作動方法>
図12に示すように、処置システム1Dでは、HFエネルギの印加終了後に、THエネルギの印加が開始される(時間t=t1)。そして、制御部34は、加熱量Qで定義される組織温度T2の時間積分値にもとづき、処置終了(時間t=t2)を制御する。
すなわち、HFエネルギ印加による高周波電力エネルギ加熱量(第1加熱量)Q1と、THエネルギ印加による熱エネルギ加熱量(第2加熱量)Q2との加算値である合計加熱量QTが、予め設定された加熱量設定値Qset以上になる(時間t=t2)と、制御部34はTH電源30BがTHエネルギ印加を終了するように制御する。すなわち、
Qset≦Q1+Q2 ・・・(式4)
Figure 2015016346
次に図13のフローチャートに沿って、処置システム1Dの作動方法について詳細に説明する。
<ステップS21>
例えば、以下のような処置条件が、設定操作部35を含む設定部32により設定される。
HF出力設定値Pset:60W
HF終了インピーダンスZset:120Ω
素子温度設定値Tset:180℃
加熱量設定値Qset:1000℃秒
なお、素子温度設定値Tsetは、HF印加終了時の組織温度(100℃±30℃)よりも高い70℃超、例えば100℃超に設定される。
また、処置システム1と同じように、下限温度Tminおよび上限温度Tmaxも設定され、制御部34は、下限温度Tminおよび上限温度Tmaxに基づいた制御を行う。しかし、その制御は処置システム1と同じであるので、説明は省略する。
なお、設定部32が一対の挟持部11に挟持された生体組織LTの特性に応じて加熱量設定値Qsetを自動的に設定してもよい。
例えば、生体組織LTが挟持された一対の挟持部11A、11Bの間隔G、および、HFの初期インピーダンスの少なくともいずれかにもとづき加熱量設定値Qsetが自動的に設定される。
間隔Gは被処置体である生体組織LTの大きさの情報である。HFの初期インピーダンスは、生体組織LTの水分量を含む組織情報である。また、HFの初期インピーダンスとして、インピーダンス最小値、または、インピーダンスが所定値以下の時間、等を用いることができる。
さらに、術者が設定操作部35により術式を選択すると、一連の処置の処置条件が設定部32により設定され、例えば処置Aが終わると設定部32は、自動的に処置Bの処置条件を設定してもよい。例えば、術式が、「肺葉切除術」の場合には、(処置A)肺葉動脈封止と、(処置B)肺葉静脈封止と、(処置C)肺葉気管支封止と、(処置D)肺葉間の実質臓器封止とが連続的に順に行われる場合に、術者が術式を選択するだけで一連の(処置A)〜(処置D)の処置条件が設定されるため、操作性がよい。
<ステップS22>
処置対象の生体組織LTは、第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBとの間に押圧状態で挟持される。
<ステップS23>
処置部10に生体組織LTを挟持した状態で、術者がフットスイッチ4を足で押圧操作する。すると、制御部34は処置を開始する。すなわち、制御部34は、まず、HF電源30Aが高周波電力(HF)を出力するように制御する。HFは、ケーブル2Lを介して処置具2の電極12A、12Bに伝達される。すると、電極12A、12Bに挟持されている生体組織LTに高周波電力が印加され、生体組織LTはジュール熱により加熱される。
すなわち、HFエネルギは、電極12Aと電極12Bと間のHFの通電経路にある生体組織自体を発熱させる。このため、HFエネルギ印加工程では、厚さの厚い生体組織LTであっても中心部まで温度ムラを生じることなく、組織温度T2が上昇する。なお、処置部10は発熱しないが、発熱した生体組織LTからの伝熱により素子温度T1も上昇する。
制御部34は、HFセンサ31Aが検出したHFの電流および電圧にもとづいて、HFの出力値P1を、HF出力設定値Pset、例えば60Wで、定電力制御する。
<ステップS24>
算出部33は、組織温度T2の時間積分値である高周波電力加熱量(第1加熱量)Q1を算出する。
組織温度T2は、生体組織LTに挿入された温度センサ19、または赤外線センサ等によって測定してもよい。
しかし、図102に示したように、HFエネルギ印加時の組織温度T2は、初期に急激に増加した後は、生体組織LTが水を含むため一定とみなすことができる。すなわち、エネルギが印加されても水を含む生体組織LTの温度は、例えば大気圧では一定温度である沸点(100℃)近傍の温度、例えば100℃±30℃に保持される。
このため、処置開始後、時間tまでの第1加熱量Q1は、センサ等を用いることなく、以下の(式5)により算出してもよい。
Q1≒T2×t≒100℃×t ・・・(式5)
さらに、算出部33による第1加熱量Q1の算出(ステップS24)は、後述するステップS26の後に、以下の(式6)を用いて行われてもよい。
Q1=100℃×t1・・・(式6)
ただし、t1;HFエネルギ印加時間
<ステップS25>
処置システム1Dでは、HFエネルギ印加を開始すると、HFセンサ31Aが検出するHFの電圧および電流からインピーダンスZが算出部33により算出される。
処置の進行にともなう生体組織LTの変性にともなう脱水等により、インピーダンスZは上昇する。制御部34は、インピーダンスZが設定された、HF終了インピーダンスZset以上になるまで(No)、S23からの処置を行う。
<ステップS26>
制御部34は、インピーダンスZが設定された、HF終了インピーダンスZset以上になったら、(YES)、S26において、HF電源30Aを制御しHFの出力を終了する(t=t1)。
すなわち、HFのインピーダンスZにもとづいて、HFの出力が終了する。
<ステップS27>
制御部34は、HFエネルギにかえてTHエネルギを生体組織LTに印加する制御を開始する。
THエネルギ印加では、制御部34は、処置部10の素子温度T1にもとづき、TH電源30Bの出力値P2を定温制御する。言い換えれば、発熱素子13は、S21で設定された素子温度設定値Tsetとなるように制御される。THは直流でも高周波でもよく、高周波の場合の周波数はHFと同じでもよい。
電極12から生体組織LTに印加される高周波電力(HF)は、ジュール熱として生体組織LTを加熱するのに対して、発熱用電力(TH)は、直接、熱エネルギを生体組織LTに伝熱する。処置面11Sを介して生体組織LTに伝熱される熱(TH)エネルギは、素子温度設定値Tsetに応じて、生体組織LTの変性状態、例えば水分量等によらず、組織温度T2を100℃超の温度まで加熱できる。
<ステップS28>
算出部33は、組織温度T2の時間積分値である第2加熱量(熱エネルギ加熱量)Q2を算出する。すなわち、S28では、THを電気抵抗Rから算出した素子温度T1にもとづき定温制御し生体組織LTに熱エネルギを印加しながら、組織温度T2の時間積分値である第2加熱量Q2が算出される。さらに、算出部33は、第1加熱量Q1と第2加熱量Q2とを加算した合計加熱量QTを算出する。
<ステップS29、S30>
制御部34は、合計加熱量QTが、加熱量設定値Qset以上になる(YES)と、TH電源30Bを制御し、THの出力を終了する(t=t2)。すなわち、加熱量設定値Qsetと合計加熱量QTとにもとづき、THの出力が終了する。
なお、ステップS29は、図7に示したステップS18と同じように、比較部34Aが算出部33により算出された時間積分値(合計加熱量QT)と所定の設定値(加熱量設定値Qset)とを比較するステップS29Aと、指示部34Bが、比較部34Aが比較した結果に基づき指示を出すステップS29Bと、電源制御部34Cが、指示部34Bからの指示に基づき電源30を制御するステップS29Cと、からなる。
ここで、第1加熱量Q1は、S26以降の工程では、すでに算出されており増減しないため、制御部34は、以下の(式7)で示される加熱残量ΔQがゼロになったらTHの出力を終了してもよい。
加熱残量ΔQ=加熱量設定値Qset−第1加熱量Q1−第2加熱量Q2・・・(式7)
なお、合計加熱量QTまたは加熱残量ΔQは、制御部34が算出してもよい。さらに、第1加熱量Q1は算出されず、第2加熱量Q2による制御のみ行われてもよい。すなわち、熱エネルギの減少または終了だけが加熱量Qに基づいて行われてもよい。
処置システム1Dは、エネルギの印加時間、すなわちエネルギ印加終了が、生体組織温度T2の加熱量Qを用いて制御されるため、良い処置結果を容易に得られる。このため、処置システム1D、処置具制御装置である本体部3D、および処置システム1Dの作動方法は操作性がよい。
なお、上記説明では、最初に印加される第1エネルギが高周波電力エネルギで、次に印加される第2エネルギが熱エネルギの場合について説明した。しかし、第1エネルギが、高周波電力エネルギ、熱エネルギ、光エネルギ、および、超音波エネルギのいずれかのエネルギで、第2エネルギが、第1エネルギと異なるいずれかのエネルギであれば、同様の効果を得られる。
すなわち、処置具が生体組織に、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギから選択される2以上の前記処置エネルギを順に印加し、制御部が、少なくともいずれかの処置エネルギの出力の減少または終了を加熱量に基づいて行う処置システムは、処置システム1Dと同様の効果を有する。
例えば、HFエネルギの印加により血管を止血した後に超音波エネルギの印加により血管を切離する処置システムでも、処置システム1Dと同様の制御を行うことで同様の効果を有する。
また、一対の挟持部11に生体組織LTが把持されるバイポーラ処置具について説明したが、モノポーラ処置具であっても、同様に合計加熱量QTを基準に制御される処置システムであれば良い処置結果を容易に得られる。
本発明は上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。
本出願は、2013年8月2日に米国に出願された出願番号61/861、654を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
1、1A〜1D・・・処置システム
2・・・処置具
3・・・本体部
10・・・処置部
12・・・伝熱体(電極)
13・・・発熱素子
19・・・温度センサ
30・・・電源
32・・・設定部
33・・・算出部
34・・・制御部
34A・・・比較部
34B・・・指示部
34C・・・電源制御部
35・・・設定操作部
36・・・表示部
39・・・温度測定部
本発明の実施形態は、被処置体に処置エネルギを印加する生体組織接合システム、および、前記生体組織接合システムの作動方法に関する。
米国特許出願公開第2009/076506号明細書には、挟持した被処置体に高周波電力エネルギと熱エネルギとを印加する一対の挟持部と、高周波電力エネルギを印加するための高周波電力を出力する高周波電源と、熱エネルギを印加するための発熱用電力を出力する発熱用電源と、高周波電力エネルギ印加と熱エネルギの印加とを切り替えるために高周波電源および、発熱用電源を制御する制御部と、を具備する生体組織接合システムが開示されている。
また、米国特許出願公開第2009/0248002号明細書には、被処置体に対して高周波電力エネルギを印加して、高周波電力エネルギの印加終了後に、熱エネルギを印加する生体組織接合システムが開示されている。高周波電力エネルギは、被処置体の細胞膜を破壊することによってタンパク質をはじめとする高分子化合物を含んだ細胞内成分を放出し、コラーゲンをはじめとする細胞外成分と均一化させる作用を有する。そして、熱エネルギの印加により被処置体が接合される。
米国特許出願公開第2013/19060号明細書には、被処置体に対して超音波エネルギおよび、高周波電力エネルギを印加する生体組織接合システムが開示されている。
米国特許出願公開第2005/222556号明細書には、レーザを用いて被処置体に対して光エネルギを印加する生体組織接合システムが開示されている。
すなわち、医療用処置具の処置部は、処置エネルギとして、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギ、の少なくともいずれかを被処置体に印加する。
ここで、良い処置結果を得るためには、処置エネルギの印加時間を適切に行う必要がある。印加時間が短いと接合強度が不十分であり、印加時間が長いと周囲の組織に悪影響を及ぼしたり、接合強度が不十分になったりする。
処置エネルギの印加時間は、試行錯誤で最適時間を決定する必要があり、従来の生体組織接合システム等は操作性がよいとはいえない場合があった。
米国特許出願公開第2009/076506号明細書 米国特許出願公開第2009/0248002号明細書 米国特許出願公開第2013/19060号明細書 米国特許出願公開第2005/222556号明細書
本発明の実施形態は、操作性のよい生体組織接合システム、および、操作性のよい生体組織接合システムの作動方法を提供することを目的とする。
実施形態の生体組織接合システムは、生体組織を挟持するための挟持部と、前記挟持部に挟持された前記生体組織を接合するための処置エネルギを前記生体組織に対して供給するための電源と、前記挟持部に挟持された前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、前記温度測定部が測定する前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから、前記生体組織の温度の時間積分値を算出する算出部と、前記算出部が算出する前記生体組織の温度の前記時間積分値と所定の設定値とを比較する比較部と、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、を有する。
別の実施形態の生体組織接合システムの作動方法は、電源が、挟持部に挟持された生体組織を接合するための処置エネルギを前記生体組織に対して供給するステップと、温度測定部が、前記挟持部に挟持された前記生体組織の温度を測定するステップと、算出部が、前記温度測定部により測定された前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから前記生体組織の温度の時間積分値を算出するステップと、比較部が、前記算出部により算出された前記時間積分値と所定の設定値とを比較するステップと、指示部が、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出すステップと、を動作する。
本発明の実施形態によれば、操作性のよい生体組織接合システム、および、操作性のよい生体組織接合システムの作動方法を提供できる。
第1実施形態の生体組織接合システムの外観図である。 第1実施形態の生体組織接合システムの処置部の側面図である。 第1実施形態の生体組織接合システムの処置部の側面図である。 第1実施形態の生体組織接合システムの処置部の断面図である。 第1実施形態の生体組織接合システムの処置部の上面図である。 第1実施形態の生体組織接合システムの処置部の図3Aの3C−3C線に沿った断面図である。 第1実施形態の生体組織接合システムの発熱部の上面図である。 第1実施形態の生体組織接合システムの構成図である。 第1実施形態の生体組織接合システムにおける生体組織および処置部の温度変化と、加熱量とを説明するためのグラフである。 第1実施形態の生体組織接合システムの作動方法を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態の生体組織接合システムにおける加熱量と生体組織接合強度の関係を示すグラフである。 第1実施形態の変形例1の生体組織接合システムにおける、組織温度と処置部温度との温度差と、発熱用電力の出力値の関係を示すグラフである。 第1実施形態の変形例2の生体組織接合システムにおける告知部である表示部の表示形態を示す図である。 第2実施形態の生体組織接合システムの構成図である。 第2実施形態の生体組織接合システムの作動方法を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態の生体組織接合システムにおける生体組織および、処置部の温度変化、および、加熱量を説明するためのグラフである。
<第1実施形態>
<生体組織接合システムの構成>
図1に示すように、本実施形態の生体組織接合システム1は、処置具2と、処置具制御装置である本体部3と、フットスイッチ4と、を具備する。処置具2は、例えば腹壁を通して腹腔内の生体組織の接合処置等を行う外科手術用エネルギ吻合装置である。
処置具2は、グリップ2A1と、シャフト2A2と、被処置体である生体組織LTを把持して処置を行う開閉可能な一対の挟持部11(第1挟持部11A、第2挟持部11B)からなる処置部10を有する。
なお、以下、符号の末尾にA、Bが付与された同じ機能の構成要素のそれぞれをいうときは符号A、Bを省略することがある。例えば、第1挟持部11Aおよび第2挟持部11Bのそれぞれを挟持部11という。
グリップ2A1は、ケーブル2Lを介して本体部3に接続されている。術者が処置部10の開閉を操作する開閉ノブ2A3のあるグリップ2A1は、術者が握り易い形状、例えば略L字状である。グリップ2A1の一端には、処置部10と一体化し、開閉ノブ2A3の動作を処置部10に伝達するグリップ2A3が配設されている。一方、グリップ2A1の他端側は、術者に把持される把持部2A4である。
本体部3は、処置条件等を表示する表示部36と、術者が処置条件等を設定する設定操作部35とを前面パネルに有し、ケーブル4Lを介してフットスイッチ4が接続されている。フットスイッチ4のペダルを術者が足で押圧操作することにより、本体部3から処置具2への電力出力がON/OFF制御される。フットスイッチ4は必須の構成要素ではなく、術者が手元で操作するスイッチ等であってもよい。
図2Aおよび、図2Bに示すように、処置具2は、生体組織LTとの接触面である処置面11SA、11SBを介して熱エネルギ(THエネルギ)を生体組織LTに印加する。
処置部10は、例えば、第2挟持部11Bが第1挟持部11Aに対して相対的に移動することにより開閉自在である。図2Aに示すように、開閉ノブ2A3が術者により押圧操作されていないときには、図示しない弾性部材の付勢力により第2挟持部11Bは第1挟持部11Aと近接状態または接触状態にある。これに対して、図2Bに示すように、弾性部材の付勢力よりも強い力で開閉ノブ2A3が術者により押圧操作されると、第2挟持部11Bは第1挟持部11Aから離れ、処置部10は開状態となる。処置部10が開状態のときに、第1挟持部11Aと第2挟持部11Bとの間に挿入された生体組織LTは、術者が開閉ノブ2A3の押圧操作をやめると、弾性部材の付勢力により第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBと間に挟まれ押圧された状態で保持される。
図3A〜図4に示すように、挟持部11の処置面11Sはステンレスまたは銅等の金属からなる伝熱体12のおもて面(外面)である。そして、伝熱体12の裏面(内面)には発熱素子13が接合されている。発熱素子13の上面は、ポリイミド等の絶縁体16により覆われ、絶縁されている。
発熱素子13は、アルミナまたは窒化アルミニウム等の基板14の表面に発熱抵抗体15が形成されている。発熱抵抗体15は温度が上がると電気抵抗Rが高くなる正の抵抗温度係数の白金からなる。このため、後述するように、発熱抵抗体15の電気抵抗Rから発熱素子13(発熱抵抗体15)の温度T1を算出できる。発熱抵抗体15の材料には、NiCr合金、Ta、またはW等の各種の正の抵抗温度係数の高融点金属材料を用いてもよい。
発熱素子13は、本体部3から出力される発熱用電力(TH)を、熱エネルギとして生体組織LTに印加する出力部である。
また、図3Aに示すように、処置具2は処置面11Sから突出する温度センサ19を有する。例えば、温度センサ19は第1挟持部11Aと第2挟持部11Bとの間が閉じている場合には内部に収容されており、間が開くとバネ等の弾性体による付勢力により突出する。そして、温度センサ19は第1挟持部11Aと第2挟持部11Bとの間に挟持された生体組織LTの内部に挿入され生体組織LTの温度(組織温度)T2を検出する。なお、発熱素子13の温度(素子温度)T1に対して組織温度T2は伝熱のため、温度差ΔTだけ低くなる。
T2=T1―ΔT ・・・(式1)
処置面11SAと処置面11SBとの間に挟持された生体組織の場合には、組織温度T2は例えば最低温度、すなわち、処置面11SAと処置面11SBとの中間部の生体組織の温度である。組織温度T2は処置中の生体組織の温度であれば、組織の内部温度に替えて、処置面11Sと接している部分の表面温度でもよい。
発熱素子13はそれぞれの挟持部11A、11Bに配設されているが、発熱素子13は、少なくとも一方の挟持部11に配設されていればよい。
次に、図5を用いて生体組織接合システム1の構成について説明する。すでに説明したように、生体組織接合システム1は、処置具2と本体部3とフットスイッチ4とを有する。
本体部3は、発熱用電力(TH)電源30と、発熱用電力センサ(THセンサ)31と、設定部32と、算出部33と、制御部34と、温度測定部39と、を具備する。
電源30は、熱エネルギのための発熱用電力(TH)を出力する。検出部であるTHセンサ31は、THの出力値(電圧および電流)を検出する。電圧と電流の積が電力Pである。
制御部34は、比較部34A、指示部34Bおよび電源制御部34Cを含み、生体組織接合システム1の全体の制御を行う。
温度測定部39は、温度センサ19の出力から熱エネルギが印加された生体組織の温度(組織温度)T2を測定する。
算出部33は、電力THの電圧および電流から発熱素子13の電気抵抗Rを算出し、算出した電気抵抗Rから発熱素子の温度(素子温度)T1を算出する。すなわち、算出部33は、発熱素子13の抵抗温度係数にもとづく算出式、または、電気抵抗Rと素子温度T1との対応表等が記憶されている記憶部(不図示)を有する。なお、算出部33が、THの電圧および電流から、電気抵抗Rを算出しないで、直接、素子温度T1を算出してもよい。
算出部33は生体組織温度T2の時間積分値である加熱量(heating amount)Qも算出する。加熱量Qは、温度と印加時間の積であり、例えば、「℃秒」の単位で示される。例えば、以下の(式2)により、処置開始(時間0)から時間tまでの加熱量Qが算出される。
(式2)
Figure 2015016346
加熱量Qは、所定時間毎、例えば、1秒毎の生体組織温度T2を加算した、単位が「℃」の積算温度として表現することもできる。すなわち、時間積分値と積算温度とは単位は異なるが同じ状態を示す物理量である。なお、加熱量Qは、ジュールを単位とする熱量(calorie)とは全く異なる物理量である。
設定部32は設定操作部35の操作等にもとづき、処置条件を設定する。生体組織接合システム1では設定部32は記憶部32Mを有する。半導体メモリ等からなる記憶部32Mは、後述する加熱量設定値Qset等の異なる複数の処置条件を記憶してもよい。なお、設定操作部35は広義の設定部32Sの一部とみなすことができる。
制御部34を構成するCPU等が、温度測定部39、算出部33および設定部32の機能の少なくとも一部を有していてもよい。また、それぞれが独立したCPUであってもよい。また、設定部の記憶部32Mが算出部33の記憶部の機能を有していてもよい。
表示部36は、設定された処置条件、処置中の電力の出力値、および、組織温度T2等の情報等を術者に告知する告知部である。
比較部34Aは算出部33が算出する生体組織の温度の時間積分値(加熱量Q)と所定の設定値(加熱量設定値Qset)とを比較する。指示部34Bは比較部34Aが比較した結果に基づき指示を出す。電源制御部34Cは、指示部34Bからの指示に基づき、処置エネルギの印加が減少または終了するように電源30を制御する。また、電源制御部34Cによる制御に替えて、指示部34Bからの指示に基づき、表示部36に処置を終了するように表示を行ったり、告知部としてのスピーカーから音を発生したりしてもよい。もちろん、電源制御部34Cが電源30を制御し、さらに告知部が告知を行ってもよい。
すなわち、生体組織接合システム1では、比較部34Aが、算出部33が算出した加熱量Qと、設定部32で設定された所定の設定値である加熱量設定値Qsetとを比較する。加熱量Qが加熱量設定値Qset以上になったら、指示部34Bが電源制御部34Cに指示を出す。その指示に基づき電源制御部34Cが、生体組織LTへの処置エネルギの印加が減少または終了するようにTH電源30を制御する。
<生体組織接合システムの作動方法>
次に、図7のフローチャートに沿って、生体組織接合システム1の作動方法について説明する。
<ステップS11>
例えば、以下のような加熱量設定値Qsetを含む処置条件が、設定操作部35を含む設定部32を介して設定される。
素子温度設定値Tset:220℃
加熱量設定値Qset:800℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:230℃
ここで、素子温度設定値Tsetは、定温制御する発熱素子13の目標温度である。なお、素子温度設定値Tsetは、組織温度の目標温度であってもよい。下限温度Tminは、生体組織に変化が生じはじめる温度である。言い替えれば下限温度Tminになるまでは、生体組織は実質的には処置されない。上限温度Tmaxは、処置している生体組織が想定外の損傷を受け周辺部位にまで悪影響を及ぼすおそれが生じはじめる温度である。
すでに説明したように、従来の生体組織接合システムでは、処置条件として、処置時間(処置エネルギの印加時間)が設定されていたのに対して、生体組織接合システム1では、組織温度T2の熱エネルギの印加終了までの時間積分値である加熱量設定値Qsetが設定される。
なお、処置条件は、例えば、記憶部32Mに記憶されている複数の処置条件の中から処置に応じて術者が設定できるが、後述するように、生体組織LTの種類に応じて設定部32が自動的に設定してもよい。
すなわち、それぞれの条件は個別に設定されてもよいし、複数の条件が予め設定されている処置条件セットとして選択されてもよい。例えば、以下のように、処置する生体組織LTの種類に応じて予め複数の処置条件セットLV1〜LV3が記憶部32Mに記憶されていてもよい。
(LV1)
素子温度設定値Tset:180℃
加熱量設定値Qset:1000℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:190℃
(LV2)
素子温度設定値Tset:190℃
加熱量設定値Qset:2500℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:200℃
(LV3)
素子温度設定値Tset:200℃
加熱量設定値Qset:3500℃秒
下限温度Tmin:50℃
上限温度Tmax:210℃
<ステップS12>
図2Aに示したように、閉状態の処置部10が、例えば、腹壁を通して腹腔内に挿入される。術者がグリップ2A1の開閉ノブ2A3を握りしめる押圧操作をすると、第1挟持部11Aに対して第2挟持部11Bが開く。そして、処置対象の生体組織LTが、第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBとの間に配置される。この状態で、開閉ノブ2A3が開放されると、弾性部材の付勢力により、第1挟持部11Aに対して第2挟持部11Bが閉じ、図2Bに示すように、処置対象の生体組織LTは、第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBとの間に押圧状態で挟持される。
<ステップS13>
術者がフットスイッチ4を足で押圧操作する。すると、制御部34は、電源30が発熱用電力(TH)を出力するように制御する。制御部34は、素子温度T1が素子温度設定値Tsetになるように、電源30の出力値Pの定温制御を開始する。
生体組織接合システム1では、発熱素子13A、13Bの平均温度、または、発熱素子13A、13Bの一方の温度を素子温度T1とみなして、1つの電源30を制御しているが、発熱素子13A、13Bのそれぞれの温度を算出し、それぞれの電源で制御してもよい。
<ステップS14>
温度測定部39が、組織温度T2を測定する。
<ステップS15>
制御部34は、組織温度T2が下限温度Tmin以上まで上昇したか判断する。下限温度Tmin以上になったら(YES)、ステップS16に移行する。
このため、下限温度Tmin未満の間(時間0からt0までの間)は、加熱量Qは算出されない。
<ステップS16>
制御部34は、組織温度T2が上限温度Tmax以上まで上昇したか判断する。上限温度Tmax以上になったら(YES)、ステップS19に移行し処置を中止する。このとき、制御部34が、表示部36に警告を表示することが好ましい。
なお、下限温度Tminおよび上限温度Tmaxに基づく制御は実施形態の処置ステム1の必須の制御ではない。
<ステップS17>
算出部33は、組織温度T2の時間積分値である加熱量Qを算出する。
(式2)で示される加熱量Qは、例えば1秒毎に、ΔQ(組織温度T2×1秒)が、それまでの加熱量Qに加算される。
<ステップS18、S19>
制御部34の比較部34Aは、加熱量Qと加熱量設定値Qsetとを比較し、加熱量Qが過熱量設定値Qset以上になる(YES)と、指示部34Bから指示信号が電源30に対して出力され、電源制御部34Cが電源30を制御し、THの出力を終了する。すなわち、加熱量設定値Qsetと加熱量Qとにもとづき、THの出力が終了する。
すなわち、ステップS18は、比較部34Aが算出部33により算出された時間積分値(加熱量Q)と所定の設定値(加熱量設定値Qset)とを比較するステップS18Aと、指示部34Bが、比較部34Aが比較した結果に基づき指示を出すステップS18Bと、電源制御部34Cが、指示部34Bからの指示に基づき電源30を制御するステップS18Cと、からなる。
なお、電源制御部34Cは、電源30を制御しTHの出力が生体組織に実質的に影響の無いレベルまでTHの出力を減少してもよい。
図8は、加熱量Qと処置された生体組織LTの接合強度との関係を示している。図8から、加熱量Qを基準とすることにより、良い処置結果が得られることは明らかである。すなわち、加熱量Qが、所定の加熱量QA以上であれば、実用上、十分な接合強度SAを得ることができる。記憶部32Mには、加熱量QAの実験値にもとづき決定された加熱量設定値Qsetが記憶されている。
なお、素子温度T1の時間積分値から算出した加熱量にもとづいて同様の制御を行っても、時間にもとづく従来の制御と比べると、良い処置結果を得られる。しかし、より的確な処置を行うためには、組織温度T2の時間積分値から算出した加熱量にもとづいて制御することが好ましい。
また、定温制御の目標温度として素子温度設定値Tsetに替えて組織温度設定値が設定され、制御部34が、組織温度T2が組織温度設定値になるように、TH電力の出力値Pを定温制御してもよい。
以上の説明のように、処置具制御装置である本体部3は、生体組織に処置エネルギを印加する処置具と、前記処置エネルギに変換するための電力を出力する電源と、前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、前記温度測定部が測定する温度と前記処置エネルギの印加時間とから、温度の時間積分値を算出する算出部と、前記算出部が算出する温度の時間積分値と所定の設定値とを比較する比較部と、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、を有する。
また、生体組織接合システムの作動方法は、電源が、電力を出力するステップと、処置具が、前記電力を処置エネルギに変換して生体組織を処置するステップと、温度測定部が、前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するステップと、算出部が、測定された生体組織の温度と前記処置エネルギを印加した時間とから前記生体組織の温度の時間積分値を算出するステップと、比較部が、前記算出部により算出された時間積分値と所定の設定値とを比較するステップと、指示部が、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出すステップと、を動作する。
生体組織接合システム1は、熱エネルギの印加時間が、加熱量Qを基準に制御されるため、良い処置結果を容易に得られる。すなわち、生体組織接合システム1、および、生体組織接合システム1の作動方法は操作性がよい。
なお、温度測定部39が、組織温度T2を素子温度T1と電力(TH)の出力値Pとから推定してもよい。すなわち、温度測定部39は組織温度T2を温度センサ等により直接、測定するのではなく、出力値P等を介して間接的に測定してもよい。
出力値Pは素子温度T1が所定の素子温度設定値Tsetになるように定温制御されている。このため、温度差ΔTが大きいと、より大きな出力値PのTHが必要となる。すなわち、図9に示すように、温度差ΔTは、発熱用電力(TH)の出力値Pと強い相関がある。なお、図9における、温度差ΔTは、温度センサ19と同様の温度センサで組織温度T2を実測した実験値に基づいている。
このため、T2は以下の(式3)から算出できる。
T2=T1−ΔT=T1−f(P) ・・・(式3)
温度測定部39が、発熱素子13の電気抵抗から発熱素子13の温度T1を算出し、さらに、発熱素子13の温度T1と電力の出力値Pとから生体組織の温度T2を推定する生体組織接合システムでは、温度センサは不要であり、算出部33が温度測定部39の機能を有していてもよい。なお、f(P)は予め実験により取得し、式または表(テーブルデータ)として記憶部(不図示)に記憶される。図9に示した直線は、複数の実験データ(プロット)を最小二乗法により1次式近似した例を示している。
すなわち、図9に示した直線の式f(P)は、ΔT=αP+β (α:傾き、β:Y切片)である。式f(P)は2次式等でもよいし、電力Pを複数の範囲に区分し、区分毎に異なる複数の式から構成されていてもよい。また、表で記憶する場合には、表には例えば電力Pの5W毎に対応したΔTが記憶されている。
また、算出部33が算出する加熱量Qの加熱量設定値Qsetに対する比率Q/Qsetが表示部36の告知部36Bに表示されることが好ましい。例えば、図10に示すように、比較部34Aが比較した結果に基づき指示部34Bが告知部36Bに指示を出す。すると、告知部36Bにバーグラフのように処置進行の状態が表示される。術者は、告知部36Bの表示により処置進行の様子を確認できる。
なお、告知部による術者への告知は、術者が認識可能であれば、表示部36の告知部36Bに限られるものではなく、音(音声情報、メロディの種類、周波数の変化)、または、振動強度等により告知する告知部であってもよい。
<第1実施形態の変形例>
次に、第1実施形態の変形例1〜3の生体組織接合システム1A〜1C、および、生体組織接合システムの作動方法について説明する。なお、以下、(生体組織接合システム、および、生体組織接合システム1の作動方法)を、生体組織接合システム等という。生体組織接合システム1A〜1C等は、生体組織接合システム1等と類似しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
生体組織接合システム1では、印加される処置エネルギが熱エネルギであった。しかし、処置エネルギは、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギのいずれかのエネルギであれば、同様の効果を得られる。
<変形例1>
変形例1の生体組織接合システム1A等では、生体組織に処置エネルギとして光エネルギであるレーザ光が印加される。すなわち、電源はレーザ光を発生する光源に電力を出力する。
レーザ光が印加された生体組織は発熱する。レーザ光の波長を選択することで、特定の処置部位を選択的に加熱することもできる。温度測定部39は、例えば、赤外線温度計の検出結果をもとに組織温度T2を測定する。
<変形例2>
変形例2の生体組織接合システム1B等では、生体組織に処置エネルギとして超音波エネルギが印加される。すなわち、電源は超音波振動子に電力を出力する。
生体組織接合システム1Cの処置具は、グリップ2A1の内部に超音波振動子を有し、挟持部11Aが前後に超音波振動する。振動する、挟持部11Aと振動しない挟持部11Bとの間に挟持された生体組織は、摩擦熱により発熱する。生体組織接合システム1Cでは、組織温度T2は、例えば、挟持部11Bの処置面11SBの温度を検出する温度センサにより検出される。
<変形例3>
変形例3の生体組織接合システム1C等では、生体組織に処置エネルギとして高周波電力エネルギが印加される。すなわち、電源は高周波電力を出力する。
生体組織接合システム1Cの処置具の金属からなる伝熱体は高周波電力(HF)を生体組織に印加する電極としての機能を有する。電極12A、12Bに挟持されている生体組織LTに高周波電力が印加されると、生体組織LTはジュール熱により加熱される。
第1実施形態の変形例の生体組織接合システム1A〜1C等は、いずれも生体組織接合システム1等と同じようにエネルギの印加時間が、生体組織の温度にもとづく加熱量Qを基準に制御されるため、操作性がよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の生体組織接合システム1D等について説明する。生体組織接合システム1D等は、生体組織接合システム1等と類似しているので、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
生体組織接合システム1Dの処置具2Dは、処置面11SA、11SBを介して高周波電力エネルギ(HFエネルギ)と熱エネルギ(THエネルギ)とを順に生体組織LTに印加する。
HFエネルギは、生体組織の細胞膜を破壊することによってタンパク質をはじめとする高分子化合物を含んだ細胞内成分を放出し、コラーゲンをはじめとする細胞外成分と均一化させる作用を有する。また、HFエネルギは、生体組織の温度を上昇させる作用も有する。そして、生体組織の均一化および温度上昇により、その後に行われる熱エネルギの印加による、脱水処置および生体組織の接合が促進されている。
図11に示すように、生体組織接合システム1Dの処置具2Dの金属からなる伝熱体は電極12としての機能も有する。そして、本体部3Dは、第1電源である高周波電力(HF)電源30Aと、第2電源である発熱用電力(TH)電源30Bと、HFセンサ31Aと、THセンサ31Bと、設定部32と、算出部33と、制御部34と、を具備する。なお、生体組織接合システム1Dでは、組織温度T2は発熱素子13の温度T1と電力の出力値Pとから生体組織の温度T2を推定され、算出部33が温度測定部39の機能を有している。
なお、図11では図示を省略しているが、制御部34は図5と同様に比較部34A、指示部34Bおよび電源制御部34Cを含んでいる。
HF電源30Aは、第1電力である高周波電力(HF)を出力する。TH電源30Bは、第2電力である発熱用電力(TH)を出力する。なお、HF電源30AとTH電源30Bとは同時に電力を出力することはないため、一つの共用電源であってもよい。この場合には、HFセンサ31AとTHセンサ31Bも共用でよい。
第1検出部であるHFセンサ31Aは、HFの出力値(電圧および電流)を検出する。第2検出部であるTHセンサ31Bは、THの出力値(電圧および電流)を検出する。
<生体組織接合システムの作動方法>
図12に示すように、生体組織接合システム1Dでは、HFエネルギの印加終了後に、THエネルギの印加が開始される(時間t=t1)。そして、制御部34は、加熱量Qで定義される組織温度T2の時間積分値にもとづき、処置終了(時間t=t2)を制御する。
すなわち、HFエネルギ印加による高周波電力エネルギ加熱量(第1加熱量)Q1と、THエネルギ印加による熱エネルギ加熱量(第2加熱量)Q2との加算値である合計加熱量QTが、予め設定された加熱量設定値Qset以上になる(時間t=t2)と、制御部34はTH電源30BがTHエネルギ印加を終了するように制御する。すなわち、
Qset≦Q1+Q2 ・・・(式4)
Figure 2015016346
次に図13のフローチャートに沿って、生体組織接合システム1Dの作動方法について詳細に説明する。
<ステップS21>
例えば、以下のような処置条件が、設定操作部35を含む設定部32により設定される。
HF出力設定値Pset:60W
HF終了インピーダンスZset:120Ω
素子温度設定値Tset:180℃
加熱量設定値Qset:1000℃秒
なお、素子温度設定値Tsetは、HF印加終了時の組織温度(100℃±30℃)よりも高い70℃超、例えば100℃超に設定される。
また、生体組織接合システム1と同じように、下限温度Tminおよび上限温度Tmaxも設定され、制御部34は、下限温度Tminおよび上限温度Tmaxに基づいた制御を行う。しかし、その制御は生体組織接合システム1と同じであるので、説明は省略する。
なお、設定部32が一対の挟持部11に挟持された生体組織LTの特性に応じて加熱量設定値Qsetを自動的に設定してもよい。
例えば、生体組織LTが挟持された一対の挟持部11A、11Bの間隔G、および、HFの初期インピーダンスの少なくともいずれかにもとづき加熱量設定値Qsetが自動的に設定される。
間隔Gは被処置体である生体組織LTの大きさの情報である。HFの初期インピーダンスは、生体組織LTの水分量を含む組織情報である。また、HFの初期インピーダンスとして、インピーダンス最小値、または、インピーダンスが所定値以下の時間、等を用いることができる。
さらに、術者が設定操作部35により術式を選択すると、一連の処置の処置条件が設定部32により設定され、例えば処置Aが終わると設定部32は、自動的に処置Bの処置条件を設定してもよい。例えば、術式が、「肺葉切除術」の場合には、(処置A)肺葉動脈封止と、(処置B)肺葉静脈封止と、(処置C)肺葉気管支封止と、(処置D)肺葉間の実質臓器封止とが連続的に順に行われる場合に、術者が術式を選択するだけで一連の(処置A)〜(処置D)の処置条件が設定されるため、操作性がよい。
<ステップS22>
処置対象の生体組織LTは、第1挟持部11Aの処置面11SAと第2挟持部11Bの処置面11SBとの間に押圧状態で挟持される。
<ステップS23>
処置部10に生体組織LTを挟持した状態で、術者がフットスイッチ4を足で押圧操作する。すると、制御部34は処置を開始する。すなわち、制御部34は、まず、HF電源30Aが高周波電力(HF)を出力するように制御する。HFは、ケーブル2Lを介して処置具2の電極12A、12Bに伝達される。すると、電極12A、12Bに挟持されている生体組織LTに高周波電力が印加され、生体組織LTはジュール熱により加熱される。
すなわち、HFエネルギは、電極12Aと電極12Bと間のHFの通電経路にある生体組織自体を発熱させる。このため、HFエネルギ印加工程では、厚さの厚い生体組織LTであっても中心部まで温度ムラを生じることなく、組織温度T2が上昇する。なお、処置部10は発熱しないが、発熱した生体組織LTからの伝熱により素子温度T1も上昇する。
制御部34は、HFセンサ31Aが検出したHFの電流および電圧にもとづいて、HFの出力値P1を、HF出力設定値Pset、例えば60Wで、定電力制御する。
<ステップS24>
算出部33は、組織温度T2の時間積分値である高周波電力加熱量(第1加熱量)Q1を算出する。
組織温度T2は、生体組織LTに挿入された温度センサ19、または赤外線センサ等によって測定してもよい。
しかし、図102に示したように、HFエネルギ印加時の組織温度T2は、初期に急激に増加した後は、生体組織LTが水を含むため一定とみなすことができる。すなわち、エネルギが印加されても水を含む生体組織LTの温度は、例えば大気圧では一定温度である沸点(100℃)近傍の温度、例えば100℃±30℃に保持される。
このため、処置開始後、時間tまでの第1加熱量Q1は、センサ等を用いることなく、以下の(式5)により算出してもよい。
Q1≒T2×t≒100℃×t ・・・(式5)
さらに、算出部33による第1加熱量Q1の算出(ステップS24)は、後述するステップS26の後に、以下の(式6)を用いて行われてもよい。
Q1=100℃×t1・・・(式6)
ただし、t1;HFエネルギ印加時間
<ステップS25>
生体組織接合システム1Dでは、HFエネルギ印加を開始すると、HFセンサ31Aが検出するHFの電圧および電流からインピーダンスZが算出部33により算出される。
処置の進行にともなう生体組織LTの変性にともなう脱水等により、インピーダンスZは上昇する。制御部34は、インピーダンスZが設定された、HF終了インピーダンスZset以上になるまで(No)、S23からの処置を行う。
<ステップS26>
制御部34は、インピーダンスZが設定された、HF終了インピーダンスZset以上になったら、(YES)、S26において、HF電源30Aを制御しHFの出力を終了する(t=t1)。
すなわち、HFのインピーダンスZにもとづいて、HFの出力が終了する。
<ステップS27>
制御部34は、HFエネルギにかえてTHエネルギを生体組織LTに印加する制御を開始する。
THエネルギ印加では、制御部34は、処置部10の素子温度T1にもとづき、TH電源30Bの出力値P2を定温制御する。言い換えれば、発熱素子13は、S21で設定された素子温度設定値Tsetとなるように制御される。THは直流でも高周波でもよく、高周波の場合の周波数はHFと同じでもよい。
電極12から生体組織LTに印加される高周波電力(HF)は、ジュール熱として生体組織LTを加熱するのに対して、発熱用電力(TH)は、直接、熱エネルギを生体組織LTに伝熱する。処置面11Sを介して生体組織LTに伝熱される熱(TH)エネルギは、素子温度設定値Tsetに応じて、生体組織LTの変性状態、例えば水分量等によらず、組織温度T2を100℃超の温度まで加熱できる。
<ステップS28>
算出部33は、組織温度T2の時間積分値である第2加熱量(熱エネルギ加熱量)Q2を算出する。すなわち、S28では、THを電気抵抗Rから算出した素子温度T1にもとづき定温制御し生体組織LTに熱エネルギを印加しながら、組織温度T2の時間積分値である第2加熱量Q2が算出される。さらに、算出部33は、第1加熱量Q1と第2加熱量Q2とを加算した合計加熱量QTを算出する。
<ステップS29、S30>
制御部34は、合計加熱量QTが、加熱量設定値Qset以上になる(YES)と、TH電源30Bを制御し、THの出力を終了する(t=t2)。すなわち、加熱量設定値Qsetと合計加熱量QTとにもとづき、THの出力が終了する。
なお、ステップS29は、図7に示したステップS18と同じように、比較部34Aが算出部33により算出された時間積分値(合計加熱量QT)と所定の設定値(加熱量設定値Qset)とを比較するステップS29Aと、指示部34Bが、比較部34Aが比較した結果に基づき指示を出すステップS29Bと、電源制御部34Cが、指示部34Bからの指示に基づき電源30を制御するステップS29Cと、からなる。
ここで、第1加熱量Q1は、S26以降の工程では、すでに算出されており増減しないため、制御部34は、以下の(式7)で示される加熱残量ΔQがゼロになったらTHの出力を終了してもよい。
加熱残量ΔQ=加熱量設定値Qset−第1加熱量Q1−第2加熱量Q2・・・(式7)
なお、合計加熱量QTまたは加熱残量ΔQは、制御部34が算出してもよい。さらに、第1加熱量Q1は算出されず、第2加熱量Q2による制御のみ行われてもよい。すなわち、熱エネルギの減少または終了だけが加熱量Qに基づいて行われてもよい。
生体組織接合システム1Dは、エネルギの印加時間、すなわちエネルギ印加終了が、生体組織温度T2の加熱量Qを用いて制御されるため、良い処置結果を容易に得られる。このため、生体組織接合システム1D、および生体組織接合システム1Dの作動方法は操作性がよい。
なお、上記説明では、最初に印加される第1エネルギが高周波電力エネルギで、次に印加される第2エネルギが熱エネルギの場合について説明した。しかし、第1エネルギが、高周波電力エネルギ、熱エネルギ、光エネルギ、および、超音波エネルギのいずれかのエネルギで、第2エネルギが、第1エネルギと異なるいずれかのエネルギであれば、同様の効果を得られる。
すなわち、処置具が生体組織に、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギから選択される2以上の前記処置エネルギを順に印加し、制御部が、少なくともいずれかの処置エネルギの出力の減少または終了を加熱量に基づいて行う生体組織接合システムは、生体組織接合システム1Dと同様の効果を有する。
例えば、HFエネルギの印加により血管を止血した後に超音波エネルギの印加により血管を切離する生体組織接合システムでも、生体組織接合システム1Dと同様の制御を行うことで同様の効果を有する。
また、一対の挟持部11に生体組織LTが把持されるバイポーラ処置具について説明したが、モノポーラ処置具であっても、同様に合計加熱量QTを基準に制御される生体組織接合システムであれば良い処置結果を容易に得られる。
本発明は上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。
本出願は、2013年8月2日に米国に出願された出願番号61/861、654を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
1、1A〜1D・・・生体組織接合システム
2・・・処置具
3・・・本体部
10・・・処置部
12・・・伝熱体(電極)
13・・・発熱素子
19・・・温度センサ
30・・・電源
32・・・設定部
33・・・算出部
34・・・制御部
34A・・・比較部
34B・・・指示部
34C・・・電源制御部
35・・・設定操作部
36・・・表示部
39・・・温度測定部
実施形態の生体組織接合システムは、生体組織を挟持するための挟持部と、前記挟持部に挟持された前記生体組織を接合するための処置エネルギを前記生体組織に対して供給するための電源と、前記挟持部に挟持された前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、前記温度測定部が測定する前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから、前記生体組織の温度の時間積分値を算出する算出部と、前記算出部が算出する前記生体組織の温度の前記時間積分値と所定の接合強度を得るための設定値とを比較する比較部と、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、を有する。
別の実施形態の生体組織接合システムの作動方法は、電源が、挟持部に電力を供給するステップと、前記挟持部が前記電源から供給された前記電力から処置エネルギを出力するステップと、前記挟持部が挟持する生体組織の温度を測定するための温度測定部が温度を測定するステップと、算出部が、前記温度測定部により測定された温度から前記生体組織の温度を推定して、前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから前記生体組織の温度の時間積分値を算出するステップと、比較部が、前記算出部により算出された前記時間積分値と所定の接合強度を得るための設定値とを比較するステップと、指示部が、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出すステップと、を動作する。

Claims (27)

  1. 生体組織に処置エネルギを印加する処置具と、
    前記処置エネルギに変換するための電力を出力する電源と、
    前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、
    前記温度測定部が測定する前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから、前記生体組織の温度の時間積分値を算出する算出部と、
    前記算出部が、前記算出部が算出する前記生体組織の温度の前記時間積分値と所定の設定値とを比較する比較部と、
    前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、
    を有することを特徴とする処置システム。
  2. さらに、前記指示部からの指示に基づき、前記処置エネルギの印加が減少または終了するように前記電源を制御する電源制御部を有することを特徴とする請求項1に記載の処置システム。
  3. さらに、前記指示部からの指示に基づき、告知を行う告知部を有することを特徴とする請求項1に記載の処置システム。
  4. さらに、前記生体組織の温度の前記時間積分値の目標となる前記所定の設定値を設定する設定部を有することを特徴とする請求項1に記載の処置システム。
  5. 前記設定部は複数の異なる所定の設定値を記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項4に記載の処置システム。
  6. さらに、前記設定部は複数の異なる所定の設定値に対応した処置条件を記憶し、
    前記指示部からの指示に基づき、選択された前記処置条件に基づき前記処置エネルギの印加が減少または終了するように前記電源を制御する電源制御部を有することを特徴とする請求項4に記載の処置システム。
  7. 前記処置エネルギが、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の処置システム。
  8. 前記処置具は前記電力を熱エネルギに変換する発熱素子を有することを特徴とする請求項1に記載の処置システム。
  9. 前記温度測定部は前記発熱素子の出力から前記生体組織の温度を算出することを特徴とする請求項8に記載の処置
  10. 前記温度測定部が温度センサの出力から前記生体組織の温度を測定することを特徴とする請求項1に記載の処置システム。
  11. 前記生体組織の温度が所定の下限温度以上になってから、前記算出部が前記生体組織の温度の前記時間積分値の算出を開始することを特徴とする請求項1に記載の処置システム。
  12. 前記比較部は前記所定の設定値と前記生体組織の温度の前記時間積分値との比率を算出し、
    前記告知部は前記比率を告知することを特徴とする請求項3に記載の処置システム。
  13. 前記処置具が前記生体組織に、熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および、高周波電力エネルギから選択される2以上の前記処置エネルギを順に印加し、
    前記電源制御部が、少なくともいずれかの前記処置エネルギの出力の減少または終了を前記指示部の指示に基づいて行うことを特徴とする請求項2に記載の処置システム。
  14. 生体組織に処置エネルギを印加する処置具と、
    前記処置エネルギに変換するための電力を出力する電源と、
    前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するための温度測定部と、
    前記温度測定部が測定する前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから、前記生体組織の温度の時間積分値を算出する算出部と、
    前記算出部が算出する温度の時間積分値と所定の設定値とを比較する比較部と、
    前記比較部が比較した結果に基づき指示を出す指示部と、
    を有することを特徴とする処置具制御装置。
  15. 電源が、電力を出力するステップと、
    処置具が、前記電力を処置エネルギに変換して生体組織に印加するステップと、
    温度測定部が、前記処置エネルギが印加された前記生体組織の温度を測定するステップと、
    算出部が、前記温度測定部により測定された前記生体組織の温度と前記処置エネルギの印加時間とから前記生体組織の温度の時間積分値を算出するステップと、
    比較部が、前記算出部により算出された前記時間積分値と所定の設定値とを比較するステップと、
    指示部が、前記比較部が比較した結果に基づき指示を出すステップと、
    を動作することを特徴とする処置システムの作動方法。
  16. さらに、電源制御部が、前記指示に基づき、前記処置エネルギの印加が減少または終了するように前記電源を制御するステップと、
    を動作することを特徴とする請求項15に記載の処置システムの作動方法。
  17. さらに、告知部が、前記指示に基づき、告知を行うステップを動作することを特徴とする請求項15に記載の処置システムの作動方法。
  18. さらに、設定部が、前記生体組織の温度の前記時間積分値の目標となる所定の設定値を設定するステップを動作することを特徴とする請求項15に記載の処置システムの作動方法。
  19. さらに、記憶部が、複数の異なる所定の設定値を記憶するステップを動作することを特徴とする請求項18に記載の処置システムの作動方法。
  20. さらに、前記設定部が、複数の異なる所定の設定値に対応した処置条件を記憶するステップと、
    電源制御部が、前記指示部からの指示に基づき選択された前記処置条件に基づき前記処置エネルギの印加が減少または終了するように前記電源を制御するステップと、
    を動作することを特徴とする請求項18に記載の処置システムの作動方法。
  21. 前記処置具が前記電力を前記処置エネルギに変換して生体組織を処置するステップでは、前記電力が熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギ、および高周波電力エネルギの少なくともいずれかに変換されて処置が行われることを特徴とする請求項15に記載の処置システムの作動方法。
  22. 前記処置具が前記電力を処置エネルギに変換して前記生体組織を処置するステップでは、発熱素子が電力を熱エネルギに変換することを特徴とする請求項15に記載の処置システムの作動方法。
  23. 前記温度測定部が温度を測定するステップでは、前記発熱素子の出力から前記生体組織の温度を算出することを特徴とする請求項22に記載の処置システムの作動方法。
  24. 前記温度測定部が温度を測定するステップでは、温度センサの出力から前記生体組織の温度を測定することを特徴とする請求項15に記載の処置システムの作動方法。
  25. 前記算出部が前記時間積分値を算出するステップでは、前記生体組織の温度が所定の下限以下になってから、前記生体組織の温度の前記時間積分値の算出を開始することを特徴とする請求項15に記載の処置システムの作動方法。
  26. 前記比較部が比較するステップでは、前記所定の設定値と前記生体組織の温度の前記時間積分値との比率を算出し、前記告知部が告知を行うステップでは算出された比率を告知することを特徴とする請求項17に記載の処置システムの作動方法。
  27. 前記処置具が処置するステップでは、前記生体組織に対して熱エネルギ、超音波エネルギ、光エネルギおよび高周波電力エネルギから選択される2つ以上の処置エネルギを順に印加し、
    前記電源制御部が前記電源を制御するステップでは、少なくともいずれかの前記処置エネルギの出力の減少または終了が前記指示部の指示に基づいて行われることを特徴とする請求項16に記載の処置システムの作動方法。
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