JPWO2014208718A1 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、研削砥石 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、研削砥石 Download PDF

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Abstract

円板状ガラス基板の端面研削処理は、回転する研削砥石の回転軸を、基板の主表面と直交する軸に対して傾斜させて、ガラス基板の一対の面取面を同時に研削する。研削砥石は、ガラス基板の面取面を研削する一対の面取面研削領域を有する溝形状の砥石である。このとき、一対の面取面研削領域は、ガラス基板の中心と研削砥石の回転軸とを結ぶ直線上に位置するガラス基板と研削砥石の接点を基準として、研削砥石の回転方向の前側でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(A)と、研削砥石の回転方向の後側でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(B)とからなり、面取面研削領域(A)の開口角は、面取面研削領域(B)の開口角よりも小さいことを特徴とする。

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクに関する。
今日、パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッドで磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられる。
また、ハードディスク装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリア(記録ビット)の微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。さらに、記憶容量の一層の増大化のために、磁気ヘッドの記録再生素子部をさらに突き出すことによって磁気記録層との距離を極めて短くして、情報の記録再生の精度をより高める(S/N比を向上させる)ことも行われている。なお、このような磁気ヘッドの記録再生素子部の制御はDFH(Dynamic Flying Height)制御機構と呼ばれ、この制御機構を搭載した磁気ヘッドはDFHヘッドと呼ばれている。このようなDFHヘッドと組み合わされてHDDに用いられる磁気ディスク用ガラス基板の主表面は、磁気ヘッドやそこからさらに突き出された記録再生素子部との衝突や接触を避けるために、極めて平滑な表面となるように作製されている。
磁気ディスク用ガラス基板を製造するときには、内孔が空けられた円板状のガラス基板の内周端部および外周端部に対して面取り加工が施される。すなわち、ガラス基板の主表面と側壁面との間に介在する面取面が形成される。面取面を形成することで、ガラス基板からの異物の発生を防止し、製造した磁気ディスクをHDDに組み込んだときのヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を抑制できる。
円板状のガラス基板の端面研削方法として、外周部に溝部が形成された砥石を、回転する被加工物の回転軸に対して傾斜した回転軸の回りに回転駆動し、砥石の溝部を被加工物の外周部あるいは内周部に押圧することにより、被加工物の外周部あるいは内周部の端面研削を行う方法が知られている(下記特許文献1)。この端面研削方法によれば、面接触の状態で端面の研削が行われ、衝撃的に被加工物の外周部あるいは内周部に接触するのが緩和されるので、効率良く良好な表面品質が得られる、とされている。
特開2000−167753号公報
ところで、本願の発明者らが上記特許文献1に記載された端面研削方法に基づいて、内孔が空けられた円板状のガラス基板の端面研削を行ったところ、端面の表面品質が向上することが確認された一方で、一対の面取面(例えば外周端面の場合、外周の側壁面と一対の主表面との間にそれぞれ介在する面取面;内周端面も同様)の面取り角がそれぞれ異なるという問題が生ずることがわかった。磁気ディスク用ガラス基板の一対の面取面の面取り角がそれぞれ異なると、磁気ディスクをHDDに組み込んで回転させたときにHDDの筐体内の気流の乱れが発生してフラッタリングが生ずる原因となり好ましくない。また、ガラス基板上に成膜するために磁気ディスク用ガラス基板の外周端面を把持するときに、外周側の一対の面取面の面取り角がそれぞれ異なる場合には、精度良く把持できないことに起因して膜厚の制御の精度が低下する虞もある。
そこで、本発明は、磁気ディスク用ガラス基板を製造する過程において円板状のガラス基板の端面を研削するときに、良好な端面品質を確保しつつ一対の面取面の面取り角を同一にすることを可能とした、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、および研削砥石を提供することを目的とする。
本願発明者らは、溝部が形成された砥石を、ガラス基板の回転軸に対して傾斜した回転軸の回りに回転駆動し、砥石の溝部をガラス基板の外周部あるいは内周部に押圧することによるガラス基板の端面研削において、ガラス基板の一対の面取面が加工時に接触する砥石の溝部の一対の開口角を同じにした場合に、一対の面取面の面取り角が同じにならない原因について鋭意検討した。その結果、砥石の回転軸に対してガラス基板の回転軸が傾斜していることに起因して、一方の面取面と他方の面取面とで加工時の砥粒の作用が異なることで、加工後の面取り角が同じにならないことを突き止めた。
本発明の第1の観点は、中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の端面に対して、回転する研削砥石を用いて端面研削処理を行う磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。端面研削処理は、研削砥石の回転軸を、基板の主表面と直交する軸に対して傾斜させて、ガラス基板の一対の面取面を同時に研削するものである。研削砥石は、ガラス基板の面取面を研削する一対の面取面研削領域を有する溝形状を有する。一対の面取面研削領域は、ガラス基板の中心と研削砥石の回転軸とを結ぶ直線上に位置するガラス基板と研削砥石の接点を基準として、研削砥石の回転方向の前側(個々の砥粒が基準とする接点に近づく側)でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(A)と、研削砥石の回転方向の後側(個々の砥粒が基準とする接点から遠ざかる側)でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(B)とからなり、面取面研削領域(A)の開口角は、面取面研削領域(B)の開口角よりも小さいことを特徴とする。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、上記研削砥石の溝形状は、ガラス基板の側壁面を研削する側壁面研削領域をさらに有し、上記端面研削処理は、ガラス基板の側壁面と一対の面取面とを同時に研削してもよい。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、磁気ディスク用ガラス基板の板厚が0.635mmより小さくてもよい。
上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法において、上記磁気ディスク用ガラス基板は結晶化ガラスであることが好ましい。
本発明の第2の観点は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって作製された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に、磁性層を形成する処理を備えたことを特徴とする、磁気ディスクの製造方法である。
本発明の第3の観点は、中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の端面に対する端面研削処理において回転して使用される研削砥石である。この研削砥石は、円筒状又は円柱状の回転体からなり、当該回転体の周上に溝が形成されている。溝は、上記回転体の回転軸を含む面による断面視において、ガラス基板の側壁面と接触する側壁面研削面と、ガラス基板の側壁面を挟んで一方の面取面と接触する面取面研削面(A)と、他方の面取面と接触する面取面研削面(B)とからなり、面取面研削面(A)と面取面研削面(B)の、側壁面研削面からの開口角が異なることを特徴とする。
上述した磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、および研削砥石によれば、磁気ディスク用ガラス基板を製造する過程において円板状のガラス基板の端面を研削するときに、良好な端面品質を確保しつつ一対の面取面の面取り角を同一にすることができる。
実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外観形状を示す図。 実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外周側の端部の拡大断面図。 円板状のガラス基板の内周端面の研削処理について示す図。 円板状のガラス基板の内周端面の研削処理時の、ガラス基板と研削砥石の接触面を示す図。 研削砥石の溝部の開口角について説明する図。 円板状のガラス基板の外周端面の研削処理について示す図。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
[磁気ディスク用ガラス基板]
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度および基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板に用いられるガラス材料の組成を限定するものではないが、本実施形態のガラス基板は好ましくは、必須成分として、SiO、LiO、NaO、ならびに、MgO、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる一種以上のアルカリ土類金属酸化物を含み、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量に対するCaOの含有量のモル比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO))が0.20以下であって、ガラス転移温度が650℃以上であるアモルファスのアルミノシリケートガラスであってもよい。
また、酸化物基準の質量%で、SiO:45.60〜60%、およびAl:7〜20%、およびB:1.00〜8%未満、およびP:0.50〜7%、およびTiO:1〜15%、およびROの合計量:5〜35%(ただしRはZnおよびMg)の各成分を含有し、CaOの含有量が3.00%以下、BaOの含有量が4%以下であり、PbO成分、As成分およびSb成分およびCl、NO、SO2−、F成分を含有せず、主結晶相としてRAl、RTiO、(ただしRはZn、Mgから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であり、比重が2.95以下であることを特徴とする結晶化ガラスであってもよい。
図1Aに、実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外観形状を示す。図1Aに示すように、本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板は、内孔2が形成された、ドーナツ型の薄板のガラス基板である。磁気ディスク用ガラス基板のサイズは問わないが、例えば、公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板として好適である。
図1Bは、実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外周側の端部の断面を拡大して示す図である。図1Bに示すように、磁気ディスク用ガラス基板は、一対の主表面1pと、一対の主表面1pに対して直交する方向に沿って配置された側壁面1tと、一対の主表面1pと側壁面1tとの間に配置された一対の面取面1cとを有する。図示しないが、磁気ディスク用ガラス基板の内周側の端部についても同様に、側壁面と面取面が形成されている。側壁面1tを基準として各面取面1cのなす角度(面取り角)は基本的には同一であり、例えば15〜75度とすることが好ましい。この範囲内とすることで、磁気ディスク用ガラス基板を製造する過程や、その後の磁気ディスクやHDDを製造する過程で基板の端部にキズが入ったり端部がカケたりすることを好適に防止することができる。面取り角は典型的には図示するように45度である。なお、面取面は、断面視において円弧状に形成されていてもよい。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の板厚は、特に限定されるものではないが、例えば、公称2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合には、例えば0.8mm、0.635mmであり、公称3.5インチの磁気ディスク用ガラス基板の場合には、例えば0.5mmである。なお、磁気ディスク用ガラス基板は、一般には磁気ディスクに用いられた場合に、板厚が薄くなるほど回転時にバタつきやすく、フラッタリングが生じやすくなる。しかし、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板は、後述するように、一対の面取面が同一の角度となるように作製されるため、外周端部での気流の乱れが抑えられ、板厚を薄くした場合でもフラッタリングが抑制される。すなわち、本発明の効果がより発揮される観点から、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の板厚は、0.635mmより小さいことが好ましく、0.5mm以下であるとより好ましい。
[磁気ディスク用ガラス基板の製造方法]
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、処理毎に説明する。ただし、各処理の順番は適宜入れ替えてもよい。
(1)板状ガラスの成形および粗研削処理
例えばフロート法によって板状ガラスを形成した後、この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状のガラス素板が切り出される。フロート法の代わりに、例えば上型と下型を用いたプレス成形によってガラス素板を成形してもよい。なお、ガラス素板は、これらの方法に限らず、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することもできる。
なお、ガラス素板の両主表面に対して、必要に応じて、粗研削処理を行ってもよい。
(2)形状加工処理
次に、形状加工処理が行われる。形状加工処理では、ガラスブランクの成形処理後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより、円孔があいた円板状のガラス基板を得る。次いで、ガラス基板の端面研削処理を実施して所望の形状の面取面を形成する。つまり、ガラス基板の端部において、側壁面と主表面を繋ぐ面取面が形成される。
以下、ガラス基板の内周端面の端面研削処理について、図2および図3を参照して説明する。本実施形態の端面研削処理では、総形砥石による研削加工に加えて、あるいは総形砥石による研削加工を経ずに、ガラス基板の端面に当接する砥石の軌跡が一定とならないように、ガラス基板の端面と砥石とを接触させる端面研削方法によって行われる。図2は、ガラス基板Gの内周端面の研削処理について示す図である。図3は、ガラス基板Gの内周端面の研削処理時の、ガラス基板Gと研削砥石5の接触面を示す図である。
図3に示すように、ガラス基板Gの内周端面の研削加工に用いる研削砥石5は、全体が円柱状の回転体からなり、外周上に溝50が形成されている。溝50は、ガラス基板Gの内周側の側壁面と面取面C1,C2を同時に研削加工できるように形成されており、具体的には、溝50は、側壁面研削領域50t及びその両側に存在する面取面研削領域50a,50bが周方向に設けられている。
ガラス基板の内周端面の加工では、研削砥石5に形成された溝50の溝方向に対してガラス基板Gを傾けた状態、つまり研削砥石5の回転軸L5に対してガラス基板Gの回転軸L1を角度α(α>0)だけ傾けた状態で、ガラス基板Gの内周端面に研削砥石5の溝50を接触させながら、ガラス基板Gと研削砥石5の両方を回転させて研削加工を行う。すなわち、研削砥石5の溝50とガラス基板Gがねじれの位置の関係となるように、ガラス基板Gに対して研削砥石5を傾斜させて研削加工を行う。これによって、ガラス基板Gの内周端面に当接する研削砥石5の溝50の軌跡が一定とはならないで、研削砥石5の砥粒が基板端面に対してランダムな位置に当接、作用するため、深掘れなどによる基板へのダメージが少なく、研削加工面の表面粗さやその面内ばらつきも小さくなり、研削加工面をより高平滑に、すなわちより高い品質要求に応えられるレベルの品位に仕上げることができる。さらには砥石寿命の向上効果も有する。
また、図3に示すように、ガラス基板Gの内周端面の研削加工では、ガラス基板Gの側壁面と2つの面取面とを同時に研削する。図3において、研削砥石5の側壁面研削領域50tおよび面取面研削領域50a,50bと、ガラス基板Gの端面とが接触する領域が、領域Tおよび領域Ca,Cbである。つまり、研削加工中において研削砥石5の溝50とガラス基板Gの端面は面接触状態となる。そのため、ガラス基板Gに対する研削砥石5の接触長さ(切れ刃長さ)を伸ばして、砥粒の切れ味を持続させることができる。したがって、加工面品位にとって有利な微細砥粒砥石を用いて研削加工を行った場合にも安定した研削性を確保でき、塑性モード主体の研削加工による良好な研削面品位(鏡面品位)を安定的に得ることができる。しかも、研削砥石の切れ味を持続させ、塑性モードを実現する研削性を安定的に確保することで、ガラス基板の内周端面の面取り加工による良好な寸法形状精度を確保することができる。
上述の研削砥石5の溝方向に対するガラス基板Gの傾斜角度αは任意に設定することができるが、上述の作用効果をより良く発揮させるためには、例えば1〜15度の範囲内とすることが好ましい。
上記端面研削加工で用いる研削砥石5としては、粗研削加工用には、例えば高剛性砥石であるダイヤモンド砥粒を電着ボンドで固めた所謂電着ボンド砥石が好適である。また、仕上げの精密研削加工用には、砥粒同士を結合するバインダーが例えばフェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等の樹脂材料であるレジンボンド砥石や、バインダーが例えば銅系合金、鋳鉄系合金、チタン系合金等の金属質結合剤であるメタルボンド砥石、バインダーがガラス質結合材であるビトリファイド砥石などが好適である。この中でも、砥石の硬度の調整が比較的容易なレジンボンド砥石が特に好適である。
また、砥粒の粒径としては、粗さを維持しながら砥石寿命に亘って研削性能を維持できるためには、例えば平均粒子径30μm以下の砥粒が好適であるが、特に精密研削加工用には、平均粒子径3〜15μmの範囲内の砥粒が好適である。砥粒としては、例えばダイヤモンド砥粒が好適である。砥粒の粒径は、例えば電気抵抗試験法で測定することが可能である。
研削砥石5の周速度の好ましい例は、500〜3000m/分、ガラス基板Gの周速度は、1〜30m/分程度である。また、ガラス基板Gの周速度に対する研削砥石5の周速度の比(周速度比)は、50〜300の範囲内であることが好ましい。
図4は、研削砥石5の溝50の開口角について説明する図であり、図3に示した研削砥石5のA部を拡大して示している。なお、図4に示す形状は、研削砥石5の回転軸L5を含む面による断面視において溝50を拡大した場合の形状と同じである。図4に示すように、側壁面研削領域50tに直交する面を基準にして面取面研削領域50a,50bの開口角をそれぞれθ1,θ2としたとき、図2に示す研削砥石の回転方向、および図3に示したガラス基板Gの回転軸L1の傾斜角度α(図3において、α>0)の場合には、θ1>θ2となっている。
θ1>θ2とする理由は以下の通りである。図2に示す研削砥石の回転方向、および図3に示したガラス基板Gの回転軸L1の傾斜角度α(図3において、α>0)の場合には、研削砥石5とガラス基板Gの接触領域Ca,Cbからわかるように、面取面研削領域50aは、ガラス基板Gの中心と研削砥石5の回転軸L5とを結ぶ直線上に位置するガラス基板Gと研削砥石5の接点を基準として、研削砥石5の回転方向の後側でガラス基板Gの面取面と接触する。面取面研削領域50bは、その接点を基準として、研削砥石5の回転方向の前側でガラス基板Gの面取面と接触する。つまり、この例では、本発明の面取面研削領域(A)は面取面研削領域50bに対応し、本発明の面取面研削領域(B)は面取面研削領域50aに対応する。
このとき、研削砥石5の回転方向の前側で(つまり、図3の面取面研削領域50bの接触領域Cbで)加工されるガラス基板Gの面取面C1には砥粒が食い込むように強く作用するために、面取面C1の面取り角は、面取面研削領域50bの開口角θ2を超えた角度となる。他方、研削砥石5の回転方向の後側で(つまり、図3の面取面研削領域50aの接触領域Caで)加工されるガラス基板Gの面取面C2には砥粒が比較的滑らかに作用するために、面取面C2の面取り角は、面取面研削領域50aの開口角θ1が転写される角度(すなわち、θ1と同一の角度)となる。そこで、研削砥石5の溝50の開口角をθ1>θ2に設定することで、端面研削処理後のガラス基板Gの面取面C1,C2の面取り角を一致させることができるようになる。なお、開口角θ1,θ2の差分は、ガラス基板Gの回転軸L1の傾斜角度α、研削砥石5の径等のファクタに基づいて、加工後の面取面C1,C2の面取り角が同一となるように適宜決定することができる。
図4において、面取面研削領域50aの開口角θ1,面取面研削領域50bの開口角θ2の関係をθ1>θ2としたのは、図2に示す研削砥石の回転方向、および図3に示したガラス基板Gの回転軸L1の傾斜角度α(図3において、α>0)の場合である。図2において研削砥石5の回転方向を逆転させた場合には、研削砥石5とガラス基板Gの接触領域Ca,Cbの研削砥石5の回転方向を基準とした前後関係も逆転するため、θ1<θ2とするのがよい。また、図示しないが、図2に示す研削砥石の回転方向を変えない場合であっても、ガラス基板Gの回転軸L1の傾斜角度αを図3においてα<0とする場合には、面取面研削領域50a上の接触領域が面取面研削領域50bの接触領域よりも研削砥石5の回転方向の前側となるため、θ1<θ2とするのがよい。
ガラス基板の外周端面の端面研削処理についても、内周端面と同様にして行うことができる。図5は、ガラス基板Gの外周端面の研削処理について示す図である。図5に示すように、外周端面の端面研削処理に使用される研削砥石7は、円筒状の回転体からなり、その内周上に溝が形成されている。図5に示すように、ガラス基板Gの外周端面の研削処理においても、内周端面の研削処理と同様に、研削砥石7の溝とガラス基板Gがねじれの位置の関係となるように、ガラス基板Gに対して研削砥石7を傾斜させて研削加工を行う。また、ガラス基板Gの内周端面の研削加工においても、内周端面の研削処理と同様に、ガラス基板Gの側壁面と2つの面取面とを同時に研削する。研削砥石7の溝方向に対するガラス基板Gの傾斜角度については、内周端面の研削処理と同様に、例えば1〜15度の範囲内とすることが好ましい。
研削砥石7の溝の開口角は、図4に示したものと同様でよい。すなわち、ガラス基板Gの中心と研削砥石7の回転軸とを結ぶ直線上に位置するガラス基板Gと研削砥石7の接点を基準として、研削砥石7の回転方向の前側でガラス基板Gの面取面と接触する面取面研削領域(A)と、研削砥石7の回転方向の後側でガラス基板Gの面取面と接触する面取面研削領域(B)とからなり、面取面研削領域(A)の開口角は、面取面研削領域(B)の開口角よりも小さく設定されている。それによって、端面研削処理後のガラス基板Gの外周側の一対の面取面の面取り角を一致させることができるようになる。
なお、上述した説明では、内周端面の研削砥石5が面取面研削領域50a,50bおよび側壁面研削領域50tを有し、研削砥石5がガラス基板Gの内周端面の側壁面と一対の面取面とを同時に研削する場合について説明したが、研削砥石5は、一対の面取面を同時に研削し、そのときに側壁面を研削しないようにしてもよい。例えば、側壁面を先に研削する処理を別に行う場合には、研削砥石5を用いた研削処理は、一対の面取面を同時に研削することのみであってもよい。但し、上述したように、ガラス基板Gの内周端面の側壁面と一対の面取面とを同時に研削することによって、端面研削処理時間を短縮できる効果がある。
外周端面の場合についても同様のことが言える。
(3)端面研磨処理
次にガラス基板の端面研磨処理が行われる。端面研磨処理は、研磨ブラシとガラス基板の端面との間に遊離砥粒を含む研磨液を供給して研磨ブラシとガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨を行う処理である。端面研磨では、ガラス基板の内周端面および外周側端面を研磨対象とし、内周端面および外周側端面を鏡面状態にする。このとき、例えば酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含む研磨液が用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等の異物粒子が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことができる。これにより、このガラス基板を用いて磁気ディスクを製造した場合であっても、サーマルアスペリティの発生を防止することができる。
(4)精研削処理
精研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて円板状のガラス基板の主表面に対して研削加工を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間に、キャリアに装着された円板状のガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることで、ガラス基板の両主表面を研削することができる。
(5)第1研磨(主表面研磨)処理
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。第1研磨処理では、遊星歯車機構を備えた両面研磨装置を用いてガラス基板の両側の主表面に対して研磨を行う。第1研磨処理では、例えば、酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒などの遊離砥粒と、樹脂ポリッシャが用いられる。第1研磨によって、例えば精研削処理を行った場合に主表面に残留したクラックや歪みを除去する。
(6)化学強化処理
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウム,硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオンやナトリウムイオンが、それぞれ化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオンやカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。また、化学強化処理は、必要に応じて行われればよく、行われなくてもよい。
(7)第2研磨(最終研磨)処理
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。第2研磨処理では、第1研磨処理よりも、遊離砥粒の粒子サイズと研磨パッドの樹脂ポリッシャの硬度を小さくすることが好ましい。このようにすることで、ガラス基板の表面粗さを極めて小さくすることができる。
第2研磨処理に用いる遊離砥粒として、例えばコロイダルシリカ等の微粒子が用いられる。
第2研磨処理は、必ずしも必須な処理ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。この後、洗浄を行うことによって、磁気ディスク用ガラス基板となる。
なお、第2研磨処理後のガラス基板の表面粗さの算術平均粗さRaが0.15nm以下となるようにガラス基板が研磨されることが、表面粗さの小さい磁気ディスク用ガラス基板を作製する点で好ましい。
なお、結晶化ガラスを作製する場合には、上述した各処理の途中で結晶化処理を行う。例えば、結晶化処理では、ガラス基板のそれぞれのガラス基板間にディスク状のセッターと呼ばれる板を挟んで、加熱炉に入れて熱処理を行う。セッターはセラミックス製としてもよい。熱処理では、例えば核形成温度で所定時間保持し、その後結晶成長温度で所定時間保持することによりガラス基板を結晶化させる。核形成温度および結晶成長の温度や時間は、ガラス基板のガラス組成によって適宜設定すればよい。加熱後の冷却では、ガラス基板に歪みや撓みが発生しないように、徐冷速度を調整することが好ましい。
結晶化したガラス基板は、例えば、粉末X線回折法で得られた回折強度分布を用いて結晶化の有無を判定することができる。なお、結晶相の平均結晶粒径は10nm以下の結晶を析出させることが、ガラス基板の主表面の表面粗さを小さくして主表面を鏡面化させる点で好ましい。
結晶相は硬いため、研磨では加工し難い。平均結晶粒径が10nmを超えると、ガラス基板の主表面の研磨による加工時間が長くなり、また、研磨で取りきれない結晶相により表面粗さは無視できない大きさになる。また、結晶化処理後で、第2研磨処理前のガラス基板の表面粗さの算術平均粗さRaは1nm以下であることが、第2研磨処理で取代量を小さくすることができる点で好ましい。
結晶化されたガラス(以降、結晶化ガラスという)は、非晶質のガラスを加熱することでガラス内部に結晶を析出させた構成の材料であり、非晶質のガラスとは区別され得る。結晶化ガラスは、内部に分散する結晶により、非晶質のガラスでは得られない特性を発揮する。例えば、ビッカース硬度、ヤング率、破壊靱性等の機械的強度、耐エッチング特性、熱膨張係数等の熱的特性について、結晶化ガラスは、非晶質ガラスでは実現しえない特性を発揮する。勿論、結晶化ガラスは紛体を焼結した構成のセラミックスとは異なる特性を発揮する。結晶化ガラスは、セラミックスと比較して、空孔が極めて少なく、緻密な構成を有する。
本実施形態においては、前記結晶化処理後のガラス基板のヤング率としては、100GPa以上、より好ましくは120GPa以上であることが好ましい。こうすることで、抗折強度や耐衝撃性が高いガラス基板とすることができる。前記結晶化処理後のガラス基板の抗折強度は、耐衝撃性を向上させる観点から7kgf以上であることが好ましく、特に8kgf以上であることが好ましい。こうすることで、10000rpm以上の高速回転のHDD向けとして好適な磁気ディスク用ガラス基板とすることができる。
[磁気ディスク]
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば磁気ディスク用ガラス基板(以下、単に「基板」という。)の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を、真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板の主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。磁性層としては、例えばCoPt系合金を用いることができる。また、L10規則構造のCoPt系合金やFePt系合金を形成して熱アシスト磁気記録用の磁性層とすることもできる。上記成膜後、例えばCVD法によりCを用いて保護層を成膜し、続いて表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
作製された磁気ディスクは、好ましくは、DFH(Dynamic Flying Height)コントロール機構を搭載した磁気ヘッドと、磁気ディスクを固定するためのスピンドルとを備えた、磁気記録再生装置としての磁気ディスクドライブ装置(HDD(Hard Disk Drive))に組み込まれる。
[実施例、比較例]
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の効果を確認した。使用したガラスの組成は、下記の通りである。
[ガラスの組成]
質量%表示で、SiOを65.08%、Alを15.14%、LiOを3.61%、NaOを10.68%、KOを0.35%、MgOを0.99%、CaOを2.07%、ZrOを1.98%、Feを0.10%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスであり、ガラス転移温度が510℃である。
[実施例、比較例のガラス基板の作製]
実施例、比較例の磁気ディスク用ガラス基板については、上記製造方法の各処理を順序通りに行うことで、内径が20mm、外径が65mm、厚さが0.8mmの公称2.5インチサイズの磁気ディスク用ガラス基板を作製した。このとき、形状加工では、ガラス素板を切断し、円形の内孔(内径:20mm)と円形の外形(外径:65mm)を備えたドーナツ状の円板状ガラス基板を得た。このガラス基板の外周端部および内周端部に対して、図2〜図5に示した端面研削加工を施して、外周側の面取面および内周側の面取面を形成した。このとき、内周端面の研削では、α=5度とし、外径15mmの研削砥石を使用した。外周端面の研削では、α=5度とし、外径100mmの研削砥石を使用した。内周端面の研削、外周端面の研削共に、粒度#400の電着ダイヤモンド砥石、粒度#2000のレジンボンドダイヤモンド砥石を順に用いた。側壁面研削領域50t(図4参照)の幅は、1.0mmとした。
表1、表2に示したように、実施例、比較例の磁気ディスク用ガラス基板を作製するに当たって、研削砥石の溝の開口角が異なる。なお、表1は内周側の端面研削の場合を、表2は外周側の端面研削の場合を、それぞれ示している。
表1、表2において、ガラス基板の中心と研削砥石の回転軸とを結ぶ直線上に位置するガラス基板と研削砥石の接点を基準として、研削砥石の回転方向の前側でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(A)の開口角をθとし、研削砥石の回転方向の後側でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(B)の開口角をθとする。面取面研削領域(A)によって研削されるガラス基板の面取面の面取り角をΘとし、面取面研削領域(B)によって研削されるガラス基板の面取面の面取り角をΘとする。
表1、表2の面取り角をΘ、Θは、端面研削加工直後の値である。
Figure 2014208718
Figure 2014208718
端面研削加工の後に、端面研磨、主表面に対する第1研磨、第2研磨を行って、磁気ディスク用ガラス基板を作製したが、面取り角は、表1、表2に示した値と変わらなかった。
表1、表2の各実施例が示すように、外周端面および内周端面の研削では、砥石の開口角について、開口角θを開口角θよりも小さくすることで、端面研削後のガラス基板の一対の面取面の面取り角Θ,Θが同一となったことがわかる。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板、磁気ディスクの製造方法、および研削砥石について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
ガラス基板の外周端面の端面研削処理についても、内周端面と同様にして行うことができる。図5は、ガラス基板Gの外周端面の研削処理について示す図である。図5に示すように、外周端面の端面研削処理に使用される研削砥石7は、円筒状の回転体からなり、その内周上に溝が形成されている。図5に示すように、ガラス基板Gの外周端面の研削処理においても、内周端面の研削処理と同様に、研削砥石7の溝とガラス基板Gがねじれの位置の関係となるように、ガラス基板Gに対して研削砥石7を傾斜させて研削加工を行う。また、ガラス基板Gの外周端面の研削加工においても、内周端面の研削処理と同様に、ガラス基板Gの側壁面と2つの面取面とを同時に研削する。研削砥石7の溝方向に対するガラス基板Gの傾斜角度については、内周端面の研削処理と同様に、例えば1〜15度の範囲内とすることが好ましい。
研削砥石7の溝の開口角は、図4に示したものと同様でよい。すなわち、ガラス基板Gの中心と研削砥石7の回転軸とを結ぶ直線上に位置するガラス基板Gと研削砥石7の接点を基準として、研削砥石7の回転方向の前側でガラス基板Gの面取面と接触する面取面研削領域(A)と、研削砥石7の回転方向の後側でガラス基板Gの面取面と接触する面取面研削領域(B)とからなり、面取面研削領域(A)の開口角は、面取面研削領域(B)の開口角よりも小さく設定されている。それによって、端面研削処理後のガラス基板Gの外周側の一対の面取面の面取り角を一致させることができるようになる。

Claims (6)

  1. 中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の端面に対して、回転する研削砥石を用いて端面研削処理を行う磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    上記端面研削処理は、研削砥石の回転軸を、基板の主表面と直交する軸に対して傾斜させて、ガラス基板の一対の面取面を同時に研削するものであり、
    上記研削砥石は、ガラス基板の面取面を研削する一対の面取面研削領域を有する溝形状を有し、
    上記一対の面取面研削領域は、
    ガラス基板の中心と研削砥石の回転軸とを結ぶ直線上に位置するガラス基板と研削砥石の接点を基準として、研削砥石の回転方向の前側でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(A)と、研削砥石の回転方向の後側でガラス基板の面取面と接触する面取面研削領域(B)とからなり、
    面取面研削領域(A)の開口角は、面取面研削領域(B)の開口角よりも小さいことを特徴とする、
    磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 上記研削砥石の溝形状は、ガラス基板の側壁面を研削する側壁面研削領域をさらに有し、
    上記端面研削処理は、ガラス基板の側壁面と一対の面取面とを同時に研削することを特徴とする、
    請求項1に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 上記磁気ディスク用ガラス基板の板厚が0.635mmより小さいことを特徴とする、
    請求項1又は2に記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 上記磁気ディスク用ガラス基板は結晶化ガラスであることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって作製された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に、磁性層を形成する処理を備えたことを特徴とする、
    磁気ディスクの製造方法。
  6. 中心に円孔が形成され、側壁面および主表面と側壁面との間に形成された面取面とを有する円板状ガラス基板の端面に対する端面研削処理において回転して使用される研削砥石であって、
    上記研削砥石は、円筒状又は円柱状の回転体からなり、当該回転体の周上に溝が形成されており、
    上記溝は、上記回転体の回転軸を含む面による断面視において、ガラス基板の側壁面と接触する側壁面研削面と、ガラス基板の側壁面を挟んで一方の面取面と接触する面取面研削面(A)と、他方の面取面と接触する面取面研削面(B)とからなり、
    面取面研削面(A)と面取面研削面(B)の、側壁面研削面からの開口角が異なることを特徴とする、研削砥石。
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