JPWO2014192476A1 - 濾過装置及びこれを用いた濾過方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、微生物を含む被処理液を貯留する濾過槽と、この濾過槽内に配設され、複数の分離膜を有する浸漬式濾過モジュールと、この浸漬式濾過モジュールの下方から分離膜洗浄用気泡を発生する第一気体供給器とを備える濾過装置であって、上記濾過槽の下方に上記第一気体供給器と離間して配置され、酸素供給用気泡を発生する第二気体供給器をさらに備え、上記第一気体供給器の気泡発生により第二気体供給器の上方に気泡上昇抑制領域を形成する濾過装置である。上記気泡上昇抑制領域に被処理液の下降流が存在するとよい。上記気泡上昇抑制領域に被処理液の乱流が存在していてもよい。

Description

本発明は、濾過装置及びこれを用いた濾過方法に関する。
有機物を含む下水や産業廃水等の汚水の処理では、微生物による有機成分の除去と、濾過膜による懸濁物質の分離とを組み合わせた濾過処理(活性汚泥処理)が用いられる。このような濾過処理用の装置は一般に被処理液が供給される濾過槽を有し、濾過槽内に好気性の微生物が一定濃度で添加されると共に、濾過膜を通して濾過済液を回収する浸漬式濾過モジュールが濾過槽内に浸漬配置される。
このような濾過装置として、濾過性能の高い中空糸膜を有する浸漬式濾過モジュールを備えた濾過装置が提案されている(特開2010−253397号公報)。この中空糸膜の表面は濾過に伴い被処理液に含まれる物質の付着等によって汚染されるため、そのままでは濾過装置の濾過能力が低下する。そこで、上記濾過装置では、浸漬式濾過モジュールの下方から気泡を送り、各中空糸膜の表面を擦過しさらに各中空糸膜を振動させて付着物を除去する洗浄方法(エアースクラビング)が行われる。
一方で、好気性微生物の濾過活動を活性化させるためには一定量の酸素を被処理液に溶存させておく必要がある。そのため、上記濾過装置には濾過槽内に酸素を供給するための気体供給装置(散気装置)が別途設けられている。
特開2010−253397号公報
濾過装置の濾過槽内に供給する気体には、上述のように浸漬式濾過モジュール洗浄用の気体と酸素供給用の気体とがあり、これらの気体供給量を低減することで濾過コストを低減できる。これらの中でも供給量の多い酸素供給用気体の供給を低減することが濾過コスト低減には効果的である。しかし、従来の濾過装置では酸素供給用気体の供給量の低減について十分な検討が成されているとは言い難く、濾過装置の運転コストの低減には改善の余地がある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、濾過槽内への酸素の溶存効率を向上させることで濾過コストを低減できる濾過装置及びこの濾過装置を用いた濾過方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
微生物を含む被処理液を貯留する濾過槽と、この濾過槽内に配設され、複数の分離膜を有する浸漬式濾過モジュールと、この浸漬式濾過モジュールの下方から分離膜洗浄用気泡を発生する第一気体供給器とを備える濾過装置であって、
上記濾過槽の下方に上記第一気体供給器と離間して配置され、酸素供給用気泡を発生する第二気体供給器をさらに備え、
上記第一気体供給器の気泡発生により第二気体供給器の上方に気泡上昇抑制領域を形成する濾過装置である。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
当該濾過装置を用いた濾過方法である。
本発明の濾過装置及び濾過方法は、効率よく濾過槽内に酸素を溶存させることで気体供給量を低減できる。つまり、本発明の濾過装置及び濾過方法は、濾過コストを低減することができ、活性汚泥処理に好適に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態の濾過装置を示す模式的説明図である。 図2は、図1の濾過装置とは異なる実施形態の濾過装置を示す模式的説明図である。 図3は、図1及び図2の濾過装置とは異なる実施形態の濾過装置を示す模式的説明図である。 図4Aは、図1の浸漬式濾過モジュールとは異なる実施形態の浸漬式濾過モジュールを示す模式的説明図である。 図4Bは、図4Aの浸漬式濾過モジュールが有する平膜エレメントの模式的断面図である。
1、11、21 濾過装置
2、12 濾過槽
2a、12a 天面
3 浸漬式濾過モジュール
3a 中空糸膜
3b 上部保持部材
3c 下部保持部材
4 第一気体供給器
5 第二気体供給器
6 仕切板
7 排出管
8、9 給気管
100 浸漬式濾過モジュール
101 平膜エレメント
102 濾過膜
103 支持体
104 外周封止部
105 ヘッダ
X 気泡上昇抑制領域
Y 回流
d1 気泡上昇抑制領域Xを含む空間の幅
d2 浸漬式濾過モジュール3を含む空間の幅
[本願発明の実施形態の説明]
本願発明は、
微生物を含む被処理液を貯留する濾過槽と、この濾過槽内に配設され、複数の分離膜を有する浸漬式濾過モジュールと、この浸漬式濾過モジュールの下方から分離膜洗浄用気泡を発生する第一気体供給器とを備える濾過装置であって、
上記濾過槽の下方に上記第一気体供給器と離間して配置され、酸素供給用気泡を発生する第二気体供給器をさらに備え、
上記第一気体供給器の気泡発生により第二気体供給器の上方に気泡上昇抑制領域を形成する濾過装置である。
当該濾過装置は、第一気体供給器の気泡発生によって第二気体供給器の上方に気泡上昇抑制領域を形成するため、第二気体供給器から発生する酸素供給用気泡の上昇速度がこの気泡上昇抑制領域で低下し易くなる。その結果、酸素供給用気泡が濾過槽の上面に到達するまでの時間が長くなり、1つの気泡が濾過槽内の被処理液に溶存させることができる酸素量が増大し、効率よく酸素を供給することができる。これにより当該濾過装置は濾過コストを削減することができる。
上記気泡上昇抑制領域に被処理液の下降流が存在するとよい。このように気泡上昇抑制領域に下降流が存在することで、第二気体供給器から発生する気泡の上昇が抑制され、当該濾過装置の酸素供給効率を確実に向上させることができる。
上記気泡上昇抑制領域に被処理液の乱流が存在していてもよい。このように気泡上昇抑制領域に乱流が存在することで、第二気体供給器から発生する気泡がこの乱流により下方及び水平方向に流動し上昇が抑制されるため、当該濾過装置の酸素供給効率を確実に向上させることができる。
上記濾過槽が上面視で上記浸漬式濾過モジュールの少なくとも一部を被覆する天面を有するとよい。このように浸漬式濾過モジュールの上方の少なくとも一部を被覆する天面を有することで、第一気体供給器から発生した分離膜洗浄用気泡が上昇し天面に近づくに連れて第二気体供給器側に流動し易くなるため、被処理液が第一気体供給器側から第二気体供給器側に回り込む回流をより確実に形成できる。その結果、より確実に第二気体供給器上方で被処理液の下降流又は乱流を生じさせて、第二気体供給器の上方により安定して気泡上昇抑制領域を形成することができる。
上記気泡上昇抑制領域と浸漬式濾過モジュールとの間に配設される仕切部をさらに備えるとよい。このように気泡上昇抑制領域と浸漬式濾過モジュールとの間に仕切部を配設することで、第一気体供給器の気泡噴射によって生じる被処理液の下降流、又は乱流が浸漬式濾過モジュール側に分散することを防いで、より安定した気泡上昇抑制領域を形成することができる。
上記第一気体供給器が発生する気泡の平均水平径が第二気体供給器が発生する気泡の平均水平径より大きいとよい。このように第一気体供給器から発生する気泡の平均水平径を第二気体供給器から発生する気泡の平均水平径よりも大きくすることで、第一気体供給器の気泡の上昇速度を第二気体供給器の気泡の上昇速度よりも高くして、より確実に第二気体供給器上方に被処理液の下降流又は乱流を生じさせることができる。なお、「気泡の平均水平径」とは、気体供給器から吐出された直後における気泡の水平方向の最小幅の平均値を意味する。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る濾過装置の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
図1の濾過装置1は、微生物を含む被処理液を貯留する濾過槽2と、この濾過槽2内に配設され、複数の中空糸膜を有する浸漬式濾過モジュール3と、この浸漬式濾過モジュール3の下方から中空糸膜洗浄用気泡を発生する第一気体供給器4と、濾過槽2の下方に第一気体供給器4と離間して配置され、酸素供給用気泡を発生する第二気体供給器5とを備える。当該濾過装置1は、上記第一気体供給器4の気泡発生により第二気体供給器5上方に被処理液の下降流又は乱流を生じさせ、第二気体供給器5の上方に気泡上昇抑制領域Xを形成する。また、当該濾過装置1は、この気泡上昇抑制領域Xと浸漬式濾過モジュール3との間に配設される仕切部として仕切板6を備える。
<濾過槽2>
濾過槽2は、被処理液を貯留する水槽である。この濾過槽2に供給された被処理液は、濾過槽2内の微生物の活動によって有機物が除去された後、さらに浸漬式濾過モジュール3によって濾過され処理済液として回収される。
濾過槽2内の被処理液には好気性の微生物が含有されている。ここでいう好気性の微生物には酸素を利用できる生物の総称を意味し、偏性好気性の微生物の他、通性嫌気性の微生物や微好気性の微生物が含まれていてもよい。この微生物は濾過槽2内に分散して存在していてもよいが、本願発明の効果をより高めるためには、膜状の担体(以後膜状担体とする)に複数の微生物を付着させてこの膜状担体を後述する気泡上昇抑制領域X内に配置することが好ましい。
上記膜状担体の構造としては、複数の微生物を付着維持できる構造であれば特に限定されず、例えば複数の孔を有する多孔質膜とすることができる。また、この膜状担体の材質としては特に限定されないが、強度、耐薬品性、空孔形成容易性等の観点からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることが好ましい。なお、凝集剤を用いて膜状担体に微生物を付着させてもよい。
上記膜状担体は、濾過槽2内に固定してもよく、揺動又は流動するように配置してもよい。第二気体供給器5から発生する気泡によって確実にかつ効率よく酸素を供給できるように気泡上昇抑制領域X内に固定することが好ましい。
なお、微生物は微生物添加槽及び微生物添加配管(図示せず)を通して濾過槽2内又は膜状担体に適宜供給することができる。また、当該濾過装置1は、濾過槽2内の微生物の数を撮影等により観測し、微生物の数が一定値以下になった場合に自動で微生物を供給する装置を備えることができる。
濾過槽2の大きさとしては特に限定されず、例えば幅(図中左右方向)が4m以上7m以下、深さ(図中上下方向)が4m以上6m以下、長さ(図中紙面と垂直方向)が4m以上30m以下とすることができる。
濾過槽2は、上面視で浸漬式濾過モジュール3を被覆する天面2aを有しており、被処理液は水位がこの天面2aよりも上方となるように貯留されている。この天面2aによって、後述する第一気体供給器4から発生する気泡が上昇に伴い気泡上昇抑制領域X側(第二気体供給器5側)に流動し、後述する被処理液の回流Yが発生し易くなる。
<浸漬式濾過モジュール>
浸漬式濾過モジュール3は、濾過槽2の幅方向の一方(側面)に寄せて配置されている。上下方向に引き揃えられた複数本の中空糸膜3aと、この複数本の中空糸膜3aを上下方向に位置決めする上部保持部材3b及び下部保持部材3cとを有する。
(中空糸膜)
中空糸膜3aは、内側の中空部に水を透過させる一方、被処理液に含まれる粒子の透過を阻止する多孔質状の中空糸膜である。
中空糸膜3aの形成材料としては、熱可塑性樹脂を主成分とすることができる。この熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリビニルアルコール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。これらの中でも耐薬品性、耐熱性、耐候性、不燃性等に優れ、多孔質性であるPTFEが中空糸膜3aの形成材料として好ましい。1軸又は2軸延伸したPTFEがさらに中空糸膜3aの形成材料として好ましい。なお、中空糸膜3aの形成材料には、他のポリマー、潤滑剤などの添加剤等が適宜配合されていてもよい。
中空糸膜3aは、透水性及び機械的強度を両立させ、さらに気泡による表面洗浄効果を効果的にするために、多層構造とすることが好ましい。具体的には、中空糸膜3aが内側の支持層とこの支持層の表面に積層される濾過層とを備えることが好ましい。
上記支持層は、例えば熱可塑性樹脂を押出成形して得られるチューブを用いることができる。このように支持層として押出成形チューブを用いることで、支持層に機械的強度を持たせることができると共に、空孔も容易に形成することができる。なお、このチューブは軸方向に50%以上700%以下、周方向に5%以上100%以下の延伸率で延伸することが好ましい。
上記延伸における温度は、チューブ素材の融点以下、例えば0〜300℃程度とすることが好ましい。比較的空孔の径が大きい多孔質体を得るには低温での延伸がよく、比較的空孔の径が小さい多孔質体を得るには高温での延伸がよい。延伸した多孔質体は、両端を固定し延伸した状態を保って200〜300℃の温度で1〜30分程度熱処理することで高い寸法安定性が得られる。また、延伸温度や延伸率等の条件を組み合わせることにより、多孔質体の空孔のサイズを調整することができる。
支持層の形成材料をPTFEとする場合、支持層を形成するチューブは、例えばPTFEファインパウダーにナフサ等の液状潤滑剤をブレンドし、押出成形等によりチューブ状とした後に延伸することで得ることができる。また、チューブをPTFEファインパウダーの融点以上の温度、例えば350〜550℃程度に保った加熱炉中で、数10秒から数分程度保持し焼結することにより、寸法安定性を高めることができる。
上記PTFEファインパウダーの数平均分子量の下限としては、50万が好ましく、200万がより好ましい。PTFEファインパウダーの数平均分子量が上記下限未満の場合、気泡の擦過によって中空糸膜3aの表面が損傷するおそれや、中空糸膜3aの機械的強度が低下するおそれがある。一方、上記PTFEファインパウダーの数平均分子量の上限としては、2000万が好ましい。PTFEファインパウダーの数平均分子量が上記上限を超える場合、中空糸膜3aの空孔の成形が困難になるおそれがある。なお、数平均分子量とは、ゲル濾過クロマトグラフィーで計測される値である。
支持層の平均厚さとしては、0.1mm以上3mm以下が好ましい。支持層の平均厚さを上記範囲内とすることで、中空糸膜3aに機械的強度及び透水性をバランスよく付与することができる。
上記濾過層は、例えば熱可塑性樹脂製のシートを上記支持層に巻き付けて焼結することで形成することができる。このように濾過層の形成材料としてシートを用いることで、延伸を容易に行うことができ、空孔の形状や大きさの調整が容易となると共に、濾過層の厚さを小さくすることができる。また、シートを巻き付けて焼結することで、支持層と濾過層とが一体化され、両者の空孔を連通させて透水性を向上させることができる。この焼結温度としては、支持層を形成するチューブと濾過層を形成するシートの融点以上が好ましい。
上記濾過層を形成するシートは、例えば(1)樹脂の押出により得られる未焼結成形体を融点以下の温度で延伸しその後焼結する方法、(2)焼結された樹脂成形体を徐冷し結晶化度を高めた後に延伸する方法等を用いて作製することができる。なお、このシートは長手方向に50%以上1000%以下、短手方向に50%以上2500%以下の延伸率で延伸することが好ましい。特に短手方向の延伸率を上記範囲とすることで、シートを巻き付けた際に周方向の機械的強度を向上させることができ、気泡による表面洗浄に対する耐久性を向上させることができる。
また、支持層を形成するチューブにシートを巻き付けて濾過層を形成する場合、チューブの外周面に微細な凹凸を設けるとよい。このようにチューブの外周面に凹凸を設けることで、チューブとシートとの位置ずれを防止できると共に、チューブとシートとの密着性を向上させ、気泡による洗浄で支持層から濾過層が剥離することを防止できる。なお、シートの巻き付け回数はシートの厚さによって調整することができ、1回又は複数回とすることができる。また、チューブに複数のシートを巻き付けてもよい。シートの巻き付け方法としては特に限定されず、チューブの円周方向に巻き付ける方法のほか、チューブにらせん状に巻き付ける方法を用いてもよい。
上記微細な凹凸の大きさ(高低差)としては20μm以上200μm以下が好ましい。
上記微細な凹凸はチューブ外周面全体に形成されることが好ましいが、部分的又は断続的に形成されていてもよい。また、上記微細な凹凸をチューブ外周面に形成する方法としては、例えば火炎による表面処理、レーザー照射、プラズマ照射、フッ素系樹脂等のディスパージョン塗布等を挙げることができるが、チューブ性状に影響を与えず容易に凹凸を形成できる火炎による表面処理が好ましい。
また、チューブ及びシートとして未焼結のものを用い、シートを巻付けた後に焼結することでこれらの密着性を高めてもよい。
濾過層の平均厚さとしては、5μm以上100μm以下が好ましい。濾過層の平均厚さを上記範囲内とすることで、中空糸膜3aに容易かつ確実に高い濾過性能を付与することができる。
中空糸膜3aの平均外径の上限としては、6mmが好ましく、4mmがより好ましい。
中空糸膜3aの平均外径が上記上限を超えると、中空糸膜3aの断面積に対する表面積の比が小さくなって濾過効率が低下するおそれがある。一方、中空糸膜3aの平均外径の下限としては、2mmが好ましく、2.1mmがより好ましい。中空糸膜3aの平均外径が上記下限未満の場合、中空糸膜3aの機械的強度が不十分となるおそれがある。
中空糸膜3aの平均内径の上限としては、4mmが好ましく、3mmがより好ましい。
中空糸膜3aの平均内径が上記上限を超えると、中空糸膜3aの厚さが小さくなって機械的強度及び不純物の透過阻止効果が不十分となるおそれがある。一方、中空糸膜3aの平均内径の下限としては、0.5mmが好ましく、0.9mmがより好ましい。中空糸膜3aの平均内径が上記下限未満の場合、中空糸膜3a内の濾過済液を排出する時の圧損が大きくなるおそれがある。
中空糸膜3aの平均外径に対する平均内径の比の上限としては、0.8が好ましく、0.6がより好ましい。中空糸膜3aの平均外径に対する平均内径の比が上記上限を超えると、中空糸膜3aの厚さが小さくなって中空糸膜3aの機械的強度、不純物の透過阻止効果及び気泡による表面洗浄に対する耐久性が不十分となるおそれがある。一方、中空糸膜3aの平均外径に対する平均内径の比の下限としては、0.3が好ましく、0.4がより好ましい。中空糸膜3aの平均外径に対する平均内径の比が上記下限未満の場合、中空糸膜3aの厚さが必要以上に大きくなって中空糸膜3aの透水性が低下するおそれがある。
中空糸膜3aの平均長さとしては特に限定されず、例えば1m以上3m以下とすることができる。なお、中空糸膜3aの平均長さとは、上部保持部材3bに固定された上端部から下部保持部材3cに固定された下端部までの平均距離を意味する。後述するように1本の中空糸膜3aをU字状に湾曲させ、この湾曲部を下端部として下部保持部材3cで固定した場合は、この下端部から上端部(開口部)までの平均距離を意味する。
中空糸膜3aの気孔率の上限としては、90%が好ましく、85%がさらに好ましい。
中空糸膜3aの気孔率が上記上限を超える場合、中空糸膜3aの機械的強度及び耐擦過性が不十分となるおそれがある。一方、中空糸膜3aの気孔率の下限としては、75%が好ましく、78%がより好ましい。中空糸膜3aの気孔率が上記下限未満の場合、透水性が低下し、当該濾過装置1の濾過能力が低下するおそれがある。なお、気孔率とは、中空糸膜3aの体積に対する空孔の総体積の割合をいい、ASTM−D−792に準拠して中空糸膜3aの密度を測定することで求めることができる。
中空糸膜3aの空孔の面積占有率の上限としては、60%が好ましい。空孔の面積占有率が上記上限を超える場合、中空糸膜3aの表面強度が不十分となり、気泡の擦過によって中空糸膜3aの破損等が生じるおそれがある。一方、中空糸膜3aの空孔の面積占有率の下限としては、40%が好ましい。空孔の面積占有率が上記下限未満の場合、中空糸膜3aの透水性が低下し、当該濾過装置1の濾過能力が低下するおそれがある。なお、空孔の面積占有率とは、中空糸膜3aの表面積に対する中空糸膜3aの外周面(濾過層表面)における空孔の総面積の割合を意味し、中空糸膜3aの外周面の電子顕微鏡写真を解析することで求めることができる。
中空糸膜3aの空孔の平均径の上限としては、0.45μmが好ましく、0.1μmがより好ましい。中空糸膜3aの空孔の平均径が上記上限を超える場合、被処理液に含まれる不純物の中空糸膜3a内部への透過を阻止できないおそれがある。一方、中空糸膜3aの空孔の平均径の下限としては、0.01μmが好ましい。中空糸膜3aの空孔の平均径が上記下限未満の場合、中空糸膜3aの透水性が低下するおそれがある。なお、空孔の平均径とは、中空糸膜3aの外周面(濾過層表面)の空孔の平均径を意味し、細孔直径分布測定装置(例えばPorus Materials社製 多孔質材料自動細孔径分布測定システム)により測定することができる。
(上部保持部材及び下部保持部材)
上部保持部材3bは、複数本の中空糸膜3aの上端部を保持する部材であり、複数本の中空糸膜3aの上部開口と連通し、濾過済液を収集する排出部(集水ヘッダ)を有する。
この排出部には排出管7が接続され、複数本の中空糸膜3aの内部に浸透した濾過済液を排出する。上部保持部材3bの外形は特に限定されず、断面形状は多角形状、円形状等とすることができる。
下部保持部材3cは、複数本の中空糸膜3aの下端部を保持する部材である。上記下部保持部材3cは、例えば棒状に形成された固定部位が一定の間隔を持って複数平行または略平行に配設されたものを採用することができる。この固定部位には、上方側にそれぞれ複数本の中空糸膜3aが配設される。
なお、中空糸膜3aは、1本の両端を上部保持部材3b及び下部保持部材3cでそれぞれ固定してもよいが、1本の中空糸膜3aをU字状に湾曲させ、2つの開口部を上部保持部材3bで固定し、下端折返(湾曲)部を下部保持部材3cで固定してもよい。
上部保持部材3b及び下部保持部材3cの材質としては特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、ABS樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。
中空糸膜3aの上部保持部材3b及び下部保持部材3cへの固定方法は特に限定されず、例えば接着剤を用いて固定する方法を用いることができる。
また、浸漬式濾過モジュール3の取り扱い(運搬、設置、交換等)を容易にするために、上部保持部材3bと下部保持部材3cとは連結部材で連結することが好ましい。この連結部材としては、例えば金属製の支持棒や、樹脂製のケーシング(外筒)等を用いることができる。
<第一気体供給器>
第一気体供給器4は、上記浸漬式濾過モジュール3の下方から、中空糸膜3aの表面を洗浄する気泡を生成する。この気泡は、中空糸膜3aの表面を擦過することで洗浄を行う。また、この気泡の平均水平径は、後述する第二気体供給器5が生成する気泡の平均水平径よりも大きいことが好ましい。この第一気体供給器4から発生する気泡の噴射圧によって、第一気体供給器4の上方から第二気体供給器5の上方に回り込み、さらに第二気体供給器5上方で被処理液の下降流又は乱流を形成する回流Yが生成される。
第一気体供給器4は上記浸漬式濾過モジュール3と共に被処理液中に浸漬されており、圧縮機等から給気管8を通して供給される気体を吐出することで気泡を生成する。このような第一気体供給器4としては、例えば樹脂又はセラミックス製の板又は管に多数の空孔を形成した多孔板又は多孔管を用いた散気装置、ディフューザやスパージャなどから気体を噴射する噴射流式散気装置、間欠的に気泡を噴射する間欠気泡噴射式散気装置等を挙げることができる。これらの中でも気泡上昇抑制領域Xの形成容易性の観点から、複数の吐出口から連続的に気泡を噴射できる散気装置が好ましい。
<第二気体供給器>
第二気体供給器5は、第一気体供給器4と離間して濾過槽2の下部に配置され、濾過槽2内に酸素を供給するための気泡を生成する。この気泡の上昇速度は、上記第一気体供給器4が生成する気泡の上昇速度よりも小さいことが好ましい。
第二気体供給器5は第一気体供給器4と同様に被処理液中に浸漬されており、圧縮機等から給気管9を通して供給される気体を吐出することで気泡を生成する。なお、第一気体供給器4の給気管8と第二気体供給器5の給気管9とは同一の気体供給装置に接続することができる。
このような第二気体供給器5としては、第一気体供給器4と同様のものを用いることができる。
第二気体供給器5から供給する空気量は、例えば微生物の活性状態をモニタリングする手段を用いて適宜調整することが好ましい。このモニタリング手段としては、例えば溶存酸素濃度(DO)計を用いることができる。
なお、第一気体供給器4から供給する気体としては不活性のものであれば特に限定されず、また第二気体供給器5から供給する気体としては酸素を含むものであれば特に限定されないいが、ランニングコストの観点からそれぞれ空気を用いることが好ましい。
<仕切板>
仕切板6は、気泡上昇抑制領域Xと浸漬式濾過モジュール3との間に配設される板状体である。具体的には、仕切板6の下端は第一気体供給器4及び第二気体供給器5の気泡吐出口よりも下方に位置し、仕切板6の上端は浸漬式濾過モジュール3の上部保持部材3bよりも上方に位置する。また、仕切板6の上部及び下部には被処理液を流通可能な空間が形成されている。この仕切板6によって第一気体供給器4から発生する気泡が上昇途中で第二気体供給器5の上方に移動することが防止される。これにより、第一気体供給器4から発生した気泡は仕切板6の上端まで到達して初めて第二気体供給器5の上方に移動可能となるため、被処理液の回流Yがより確実に生成されて気泡上昇抑制領域Xを形成し易くなる。なお、仕切板6は、第一気体供給器4の上方と第二気体供給器5の上方とを隔離できれば長さ(図中紙面と垂直方向)は特に限定されない。
仕切板6及び仕切板6と対向する濾過槽2の両側面に挟まれる空間のうち、気泡上昇抑制領域Xを含む空間の幅(仕切板6から濾過槽2の側面までの距離)d1で、浸漬式濾過モジュール3を含む空間の幅(仕切板6から濾過槽2の側面までの距離)d2を割った比(d2/d1)の上限としては、1.0が好ましく、0.8がより好ましい。上記比(d2/d1)が上記上限を超える場合、第一気体供給器4の気泡発生による圧力が分散して被処理液の回流Yが生成され難くなり、気泡上昇抑制領域Xが安定して形成されないおそれがある。一方、上記比(d2/d1)の下限としては、0.3が好ましく、0.5がより好ましい。上記比(d2/d1)が上記下限未満の場合、浸漬式濾過モジュール3の大きさが制限され、当該濾過装置1の処理能力が低下するおそれがある。
仕切板6の下端と濾過槽2の底面との距離の上限としては、50cmが好ましく、30cmがより好ましい。仕切板6の下端と濾過槽2の底面との距離が上記上限を超える場合、仕切板6による第一気体供給器4から発生する気泡の誘導効果が不十分となるおそれがある。一方、仕切板6の下端と濾過槽2の底面との距離の下限としては、5cmが好ましく、10cmがより好ましい。仕切板6の下端と濾過槽2の底面との距離が上記下限未満の場合、濾過槽2内に被処理液の回流が発生し難くなって気泡上昇抑制領域Xが形成されないおそれがある。
仕切板6の上端と濾過槽2の定常時液面との距離の上限としては、50cmが好ましく、30cmがより好ましい。仕切板6の上端と濾過槽2の定常時液面との距離が上記上限を超える場合、仕切板6による第一気体供給器4から発生する気泡の誘導効果が不十分となるおそれがある。一方、仕切板6の上端と濾過槽2の定常時液面との距離の下限としては、5cmが好ましく、10cmがより好ましい。仕切板6の上端と濾過槽2の定常時液面との距離が上記下限未満の場合、濾過槽2内に回流が発生し難くなって気泡上昇抑制領域Xが形成されないおそれがある。
<気泡上昇抑制領域>
気泡上昇抑制領域Xは、第一気体供給器4の気泡発生による圧力で生じる被処理液の回流Yによって第二気体供給器5の上方に形成される。具体的に説明すると、第一気体供給器4が生成する気泡の噴射及びこの気泡の上昇に伴って発生する水流が濾過槽2の上方で第二気体供給器5側に回り込み被処理液の回流Yを生成する。この回流Yは第二気体供給器5上方に被処理液の下降流又は乱流を形成するため、この下降流又は乱流によって第二気体供給器5から発生する気泡の上昇が妨げられ、気泡の上昇速度が抑制される。
<使用方法>
当該濾過装置1は、濾過槽2に連続的に被処理液を供給する連続方式、又は濾過槽2に被処理液を一定時間ごとに断続的に供給するバッチ方式のどちらでも使用することができる。
<利点>
当該濾過装置1は、第一気体供給器4の気泡発生によって第二気体供給器5の上方に気泡上昇抑制領域Xを形成するため、第二気体供給器5から発生する酸素供給用気泡の上昇速度がこの気泡上昇抑制領域Xで低下し易くなる。その結果、酸素供給用気泡が濾過槽2の上面に到達するまでの時間が長くなり、1つの気泡が濾過槽2内の被処理液に溶存させることができる酸素量が増大し、効率よく酸素を供給することができる。これにより当該濾過装置1は濾過コストを削減することができる。
さらに当該濾過装置1は、被処理液の回流Yによって第一気体供給器4から発生する気泡の上昇速度が大きくなるため、中空糸膜3aへの擦過圧力が大きくなって中空糸膜3aの洗浄効果を向上することができる。
<濾過方法>
当該濾過装置1を用いた濾過方法は、上述のように微生物への酸素供給用気泡の量を低減することができるため、濾過コストを低減することができる。
[その他の実施例]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該濾過装置は、図2に示す濾過装置11のように複数の浸漬式濾過モジュール3を備えていてもよい。この濾過装置11は、濾過槽12内の側方両側にそれぞれ浸漬式濾過モジュール3が1つずつ配置され、それぞれの浸漬式濾過モジュール3の下方に第一気体供給器4が1つずつ配設されている。また、2つの浸漬式濾過モジュール3の間かつ第二気体供給器5の上方に気泡上昇抑制領域Xが形成され、この気泡上昇抑制領域Xと各浸漬式濾過モジュール3との間にそれぞれ仕切板6が配設されている。さらに、濾過槽12は、上面視で各浸漬式濾過モジュール3を被覆する天面12aを有している。
図2の濾過装置11は、図1の濾過装置1と同様に、2つの第一気体供給器4が生成する気泡の噴射及びこの気泡の上昇に伴って発生する被処理液の水流が濾過槽12の上方で第二気体供給器5側に回り込み被処理液の回流Yを生成する。この回流Yは第二気体供給器5上方に被処理液の下降流又は乱流を形成するため、この下降流又は乱流によって第二気体供給器5から発生する気泡の上昇速度が低下する気泡上昇抑制領域Xが形成される。これにより、第二気体供給器5から発生する1つの気泡が濾過槽12内の被処理液に溶存させることができる酸素量が増大するため、当該濾過装置11は、効率よく酸素を微生物に供給することができる。
さらに当該濾過装置は、図3に示す濾過装置21のように浸漬式濾過モジュール3が濾過槽12の中央に配設され、この浸漬式濾過モジュール3の両側に2つの気泡上昇抑制領域Xが形成されるように第二気体供給器5を配設してもよい。つまりこの濾過装置21は、濾過槽12内の側方両側の下方に1つずつ第二気体供給器5が配置されている。これら第二気体供給器5の上方には気泡上昇抑制領域Xがそれぞれ形成され、これら気泡上昇抑制領域Xと浸漬式濾過モジュール3との間にそれぞれ仕切板6が配設されている。
図3の濾過装置21は、図1及び図2の濾過装置と同様に、第一気体供給器4が生成する気泡の噴射及びこの気泡の上昇に伴って発生する水流が濾過槽12の上方で両側方の第二気体供給器5側に回り込み被処理液の回流Yを生成する。この回流Yは各第二気体供給器5上方に被処理液の下降流又は乱流を形成するため、この下降流又は乱流によって各第二気体供給器5から発生する気泡の上昇速度が低下する気泡上昇抑制領域Xがそれぞれ形成される。これにより、各第二気体供給器5から発生する1つの気泡が濾過槽12内の被処理液に溶存させることができる酸素量が増大するため、当該濾過装置21は、効率よく酸素を微生物に供給することができる。なお、当該濾過装置21において、濾過槽12が上面視で浸漬式濾過モジュール3を被覆する天面を有していてもよい。
また、当該濾過装置が備える浸漬式濾過モジュールの分離膜は、水と被処理液に含まれる粒子とを分離できるものであれば特に限定されない。上記実施形態では分離膜として中空糸膜を有する浸漬式濾過モジュールを用いたが、当該濾過装置は、例えば分離膜として図4Aに示す平膜エレメント101を集束した浸漬式濾過モジュール100を用いることもできる。この平膜エレメント101は、図4Bに示すように折り曲げて一方の面同士を対向させた多孔質PTFE等の樹脂製シートからなる濾過膜102と、この濾過膜102の対向面間に介設されるポリエチレン等の樹脂製のネットからなる支持体103と、この濾過膜102の折り曲げた状態での外周縁を封止する外周封止部104とを有し、濾過膜102の折り曲げ部を下方に配置して開放部をヘッダ105に固定することで処理済液流路が内部に形成されている。
上記濾過膜102は、単層又は複層とすることができる。また、濾過膜102は、0.01〜20μmの空孔を備え、粒子径0.45μmの粒子捕捉率が90%以上、平均膜厚が5〜200μm、空孔を囲む繊維状骨格の平均最大長さを5μm以下とすることが好ましい。
さらに、気泡上昇抑制領域と浸漬式濾過モジュールとの間に配設される仕切部は上記仕切板に限定されず、第一気体供給器上方と第二気体供給器上方との間の液流の流通をある程度制限できればよく、棒状の部材や、複数の棒を組み合わせた格子状の部材等を用いてもよい。
また、当該濾過装置は第一気体供給器の気泡発生により気泡上昇抑制領域を形成できれば上述した効果を発揮することができる。従って、浸漬式濾過モジュールの上方を被覆する濾過槽の天面、及び気泡上昇抑制領域と浸漬式濾過モジュールとの間に配設される仕切板は本発明に必須の構成ではなく、これらを備えていない濾過装置も本発明の意図する範囲内である。
以上のように、当該濾過装置及び濾過方法は、濾過槽内への酸素の溶存効率を向上させることで濾過コストを低減できる。従って、当該濾過装置及び濾過方法は、下水等の活性汚泥処理に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 微生物を含む被処理液を貯留する濾過槽と、この濾過槽内に配設され、複数の分離膜を有する浸漬式濾過モジュールと、この浸漬式濾過モジュールの下方から分離膜洗浄用気泡を発生する第一気体供給器とを備える濾過装置であって、
    上記濾過槽の下方に上記第一気体供給器と離間して配置され、酸素供給用気泡を発生する第二気体供給器をさらに備え、
    上記第一気体供給器の気泡発生により第二気体供給器の上方に気泡上昇抑制領域を形成する濾過装置。
  2. 上記気泡上昇抑制領域に被処理液の下降流が存在する請求項1に記載の濾過装置。
  3. 上記気泡上昇抑制領域に被処理液の乱流が存在する請求項1に記載の濾過装置。
  4. 上記濾過槽が上面視で上記浸漬式濾過モジュールの少なくとも一部を被覆する天面を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の濾過装置。
  5. 上記気泡上昇抑制領域と浸漬式濾過モジュールとの間に配設される仕切部をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の濾過装置。
  6. 上記第一気体供給器が発生する気泡の平均水平径が第二気体供給器が発生する気泡の平均水平径より大きい請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の濾過装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の濾過装置を用いた濾過方法。
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