JPWO2014181560A1 - 紙製バリア包装材料 - Google Patents

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Abstract

優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供することを課題とする。解決手段としては、紙基材上に複数の塗工層が設けられた紙製バリア包装材料であって、該複数の塗工層が紙基材上に形成されたバインダー樹脂を含有した水蒸気バリア層、該水蒸気バリア層上に形成されたガスバリア層を含んでおり、ガスバリア層は、アニオン変性セルロースナノファイバーを含有していることを特徴とする紙製バリア包装材料である。

Description

本発明は、各種製品の包装材または容器やカップなど用いられる紙製バリア材料に関する。
紙製の包装材料にガスバリア性(特に、酸素バリア性)を付与することは、包装される各種製品をガスによる劣化、例えば酸素による酸化などから守るために重要である。
従来から、紙基材に金属箔やフィルムを積層してガスバリア性を付与した紙製の包装材料が提供されている。バリア層を形成する材料として、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルム、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等がある。
上記以外に、ガスバリア性を付与した紙製の包装材料としては、水溶性高分子と無機層状化合物からなるガスバリア層を有する紙製のガスバリア材料が特許文献1、特許文献2に開示されている。また、前記特許文献2には、被覆層上に特定のビニルアルコール系重合体からなるバリア層を設けた紙製のガスバリア材料が開示されている。
また、紙製の包装材料に耐水性(特に、水蒸気バリア性)を付与することも、包装される各種製品を水蒸気による劣化から守るために重要である。
紙基材上に水蒸気バリア性に優れる樹脂フィルム、あるいはこれらの水蒸気バリア性に優れる樹脂をコーティングしたフィルム等を紙基材に押し出しラミネート、または、貼合する方法によって、水蒸気バリア性を付与した紙製包装材が提案されている。合成樹脂ラテックス、ワックス及び無機微粒子からなる防湿層を有する包装用紙が特許文献3に開示されている。
さらに、紙製の包装材料にガスバリア性と水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料としては、紙基材にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂をラミネートした包装材料が提案されている。
特開2009−184138号公報 特開2003−094574号公報 特開2005−162213号公報
紙基材(原紙)にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂を押し出しラミネートして両バリア層を形成した包装材料は、押し出しラミネート可能な樹脂の種類などに制限があるため、要求品質に対応できないといった問題があった。また、ガスバリア性と水蒸気バリア性を両立させるため、紙基材に多層ラミネートした包装材料は、紙やラミネート層をリサイクルすることが困難である。多層ラミネートした包装材料は、その製造におけるCO排出量が多くなるといった問題もある。さらに、多層ラミネートの包装材料では、各ラミネート層間に特定の接着樹脂を使用することが必要な場合もあり、その製造は煩雑であるといった問題もある。
一方、ガスバリア性を有する樹脂、水蒸気バリア性を有する樹脂を紙基材にコーティングした包装材料は、使用できる樹脂の種類などの制限が少なく、様々な要求品質への対応は可能になる。しかしながら、ガスバリア性、水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料、例えば、特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア性を有する包装材料の上に特許文献3の防湿層を設けた場合、良好な水蒸気バリア性は得られるもののガスバリア性が得られなくなる問題があった。また、特許文献3の防湿層を有する防湿紙の上に特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア層を設ける場合、防湿層の表面張力が低く、はじきによりガスバリア層が均一に形成されないため、十分なガスバリア性を得ることができなかった。
そこで、本発明は、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供することを目的とする。
本発明は、下記[1]〜[11]を提供する。
[1] 紙基材上に複数の塗工層が設けられた紙製バリア包装材料であって、
該複数の塗工層が紙基材上に形成されたバインダー樹脂を含有した水蒸気バリア層、該水蒸気バリア層上に形成されたガスバリア層を含んでおり、
ガスバリア層は、アニオン変性セルロースナノファイバーを含有していることを特徴とする紙製バリア包装材料。
[2] 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、平均繊維幅1〜1000nm、平均繊維長50〜10000nmであることを特徴とする[1]に記載の紙製バリア包装材料。
[3] 前記アニオン変性セルロースナノファイバーは、カルボキシメチル基を導入したセルロースナノファイバーであり、セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01〜0.50であることを特徴とする[1]または[2]に記載の積層体。
[4] 前記アニオン変性セルロースナノファイバーは、カルボキシル基を導入したセルロースナノファイバーであり、カルボキシル基を導入したセルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.5mmol/g〜2.0mmol/gであることを特徴とする[1]または[2]に記載の積層体。
[5] 前記水蒸気バリア層のバインダー樹脂は、スチレン・ブタジエン系合成樹脂であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[6] 前記水蒸気バリア層は、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンを含有することを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[7] 前記水蒸気バリア層は、平均粒子径5μm以下の顔料が含まれていることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[8] 前記水蒸気バリア層は、架橋剤を含有していることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[9] 前記ガスバリア層は、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上の無機顔料を含有することを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[10] 前記ガスバリア層は、架橋剤を含有していることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[11] 前記水蒸気バリア層の塗工量が乾燥重量で4〜30g/m、ガスバリア層の塗工量が乾燥重量で0.2〜10g/mであることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
本発明によれば、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ、紙基材上に複数の塗工層が設けられた紙製バリア包装材料を提供することができる。本発明の紙製バリア包装材料は、水蒸気バリア層とガスバリア層とをコーティングにより形成しており、多様な樹脂を用いることができるので、様々な要求品質への対応が可能である。具体的には、食品、ウェットティッシュ、化粧品、医薬品、農薬等だけでなく、水分や酸化による劣化が懸念される半導体、電子ペーパー、有機エレクトロルミネッセンスデバイス素子、太陽電池素子等の電子材料等の包装材料として好適に利用することができる。本発明の紙製バリア包装材料はそのままリサイクル処理が可能であり、ラミネート層と紙基材とを分離してリサイクル処理する必要があるラミネート紙と比較して、リサイクル処理が容易である。また、本発明の紙製バリア包装材料はコーティングにより形成されており接着樹脂層が必要ないので、製造工程を簡略化できる。
本発明は、紙基材上(以下、「原紙」ということがある。)に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料(以下、「包装材料」ということがある。)である。二種類のバリア層は水性の塗工料を塗布して形成される。
紙基材の上に水蒸気バリア層、更にその上にガスバリア層を形成した本発明の紙製バリア包装材料が優れた水蒸気バリア性およびガスバリア性を併せ持つ理由は次のように推測される。
ガスバリア層の形成には、親水性の高い材料(以下、「親水性材料」ということがある。)が用いられている例が多い。紙基材上にガスバリア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた場合、紙基材を経由して浸透する空気中の水分などが作用して、親水性材料を含有するガスバリア層が劣化する。一方、紙基材上に、耐水性の良好な樹脂を含有する水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた場合、紙基材を経由した水分は水蒸気バリア層にブロックされるので、ガスバリア層への影響(劣化)を防止することができる。このため、本発明の紙製バリア包装材料は良好な水蒸気バリア性およびガスバリア性を有する。
本発明の紙製バリア材料は、ガスバリア層側が内容物(被包装材)側で紙基材側が外気側(外表面)として通常使用される。外気の水分が内部へ浸透することを防止できるので、被包装物が乾燥性の物質であれば、本発明の構造が有効である。湿った物を包装する場合は、内容物側となるガスバリア層上に、樹脂の押し出しラミネート層やフィルムのラミネート層を付加形成してもよい。
1.紙基材
本発明において紙基材とは、パルプ、填料、各種助剤からなるシートである。パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などがある。これらの素材を適宜配合して用いることが可能である。これらの中でも、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)などの化学パルプが好ましい。化学パルプは、原紙中への異物混入が発生し難いこと、使用後の紙容器を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好であり包装材料として使用価値が高くなること、などの理由から適している。
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m程度の紙基材が好ましい。
さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができる。これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
2.水蒸気バリア層
1)バインダー樹脂
水蒸気バリア層に含有させるバインダー樹脂としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリオレフィン・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等を例示することができる。これらを単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。特に、スチレン・ブタジエン系共重合体が水蒸気バリア性の点から好ましい。
本発明においてスチレン・ブタジエン系共重合体とは、スチレンとブタジエンを主構成モノマーとし、これに変性を目的とする各種のコモノマーを組み合わせ、乳化重合したものである。コモノマーの例として、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレートや、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。
また、水蒸気バリア層に含有させるバインダー樹脂は、乳化剤により水中に分散したエマルジョンタイプの樹脂を使用することが水蒸気バリア性の点から好ましい。乳化剤としては、限定されるものではないが、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸石鹸、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を例示することができ、これらを単独、またはノニオン性界面活性剤と組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じて両性またはカチオン性界面活性剤を用いても良い。
本発明では、水蒸気バリア層を形成する塗工料は、炭化水素、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、脂肪酸及び脂肪酸とアルコールのエステルなどの撥水成分を含有していないことが好ましい。なお、従来の水蒸気バリア性を有する包装材料は、撥水成分を含有した樹脂を設けてあることが一般的である。撥水成分を含有すると、水蒸気バリア層とガスバリア層との親和性が低下することとなり、一方の層から浸透した水分やガスが界面剥離を促すこととなり、好ましくない。
2)添加用顔料
本発明において、水蒸気バリア層に顔料を含有させることにより、水蒸気バリア性を向上させることができる。また、顔料を含有させることにより、水蒸気バリア層とガスバリア層の密着性が向上する。
顔料として、無機顔料、有機顔料がある。
無機顔料は、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどである。
有機顔料は、密実型、中空型、またはコアーシェル型などである。
これらの顔料を単独または2種類以上混合して使用することができる。顔料は、大きく扁平の形状が適している。更に、大粒径と小粒径を併用することにより水蒸気バリア性が向上する。
これらの顔料の中でも、形状が扁平なカオリンなどの無機顔料は、水蒸気のバリア性を向上させる。特に、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンがより好ましい。扁平な顔料が塗工層に平行に分布すると、水蒸気バリア層内に浸透した水蒸気は扁平な顔料によって厚さ方向に移動することが遮られ、迂回して移動することとなり、水蒸気が水蒸気バリア層を移動する距離が長くなり、バリア性が向上する。添加する顔料のアスペクト比が小さいと塗工層中を水蒸気が迂回する回数が減少し、移動する距離があまり長くならないため、結果として水蒸気バリア性は、扁平で大粒径の顔料よりも劣ることとなる。
扁平な顔料は、ガスバリア層中でも同様の作用が期待できる。
扁平な顔料として、カオリンの他、マイカやモンモリロナイトを使用することも可能である。しかしながら、マイカ、モンモリロナイトの分散液はカオリンの分散液より固形分濃度が低く、マイカ、モンモリロナイトを用いた水蒸気バリア層用の塗工液は低濃度となる。低濃度な塗工液から形成される水蒸気バリア層中では、顔料が塗工層に平行に配向しにくいため、塗工液の濃度を高くすることができるカオリンの方が適している。
水蒸気バリア層に上記した扁平な顔料に加えて、平均粒子径が5μm以下の顔料を更に添加することにより、水蒸気バリア性を更に向上させることができる。
本発明において、水蒸気バリア性の向上、及びガスバリア層との密着性の点から、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンを含有する水蒸気バリア層に、更に平均粒子径5μm以下の顔料を含有させることが好ましい。重層的に存在する平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの間に平均粒子径5μm以下の顔料が入り込む構造となって、扁平なカオリンの面に沿って移動を余儀なくされる水蒸気は、この小さな顔料粒子により移動が阻止されることとなる。つまり、水蒸気バリア層に扁平な顔料と、平均粒子径の小さい顔料を含有させた場合、水蒸気バリア層中で、扁平で大きな粒子径の顔料により形成される空隙に、小さな粒子径の顔料が充填された状態となり、水蒸気が顔料を迂回して移動するため、小さな粒子径の顔料を混入していない水蒸気バリア層と比較して、高い水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンと平均粒子径5μm以下、より好ましくは3μm以下の顔料の配合比率が、乾燥重量で50/50〜99/1であることが好ましい。平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの比率が上記範囲より少ないと水蒸気が塗工層中を迂回する距離があまり長くならないため、十分な水蒸気バリア性を得ることができない。一方、上記範囲より多いと、塗工層中の大粒径顔料が形成する空隙を平均粒子径5μm以下の顔料で十分に埋めることができないため、水蒸気バリア性の向上は見られない。
本発明において、平均粒子径5μm以下の顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中では、重質炭酸カルシウムが好ましい。
水蒸気バリア層に顔料を含有させる場合、バインダー樹脂と顔料の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、バインダー樹脂(乾燥重量)5〜200重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくはバインダー樹脂35〜150重量部である。また、水蒸気バリア層には、バインダー樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
3)架橋剤
本発明において、水蒸気バリア層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤は水蒸気バリア層に含有されるバインダー樹脂と架橋反応を起こすため、水蒸気バリア層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、水蒸気バリア層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性を発現する。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア層に含有されるバインダー樹脂の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸などから適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数は、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、水蒸気バリア性に優れた効果を発現するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系などのスチレン系のバインダー樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましい。更に、カリウムミョウバン(AlK(SO・12HO)がより好ましい。
架橋剤の添加量は、水蒸気バリア層に使用されるバインダー樹脂100重量部に対して、1〜10重量部である。より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
本発明において、水蒸気バリア層を形成させる塗工液に架橋剤を添加する場合、アンモニア水溶液などの極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗工液へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解することにより、架橋剤が極性溶媒と水素結合を形成する。そのため、架橋剤の溶液を塗工液へ配合しても直ちにラテックスとの架橋反応が起こらず、塗料の増粘を抑制することができる。その場合、紙基材に塗工して極性溶媒が揮発した後に、架橋剤とバインダーとの架橋反応が起こり、緻密な水蒸気バリア層が形成されると推測される。
4)水蒸気バリア層表面の接触角
本発明において、紙基材上に設ける水蒸気バリア層表面の水との接触角は、90°未満が好ましく、より好ましくは85°未満、更に好ましくは80°未満である。水との接触角が90°以上であると、水蒸気バリア層上に均一なガスバリア層を設けることが困難となり、高いガスバリア性を発現することが困難となる。90°未満であると、水蒸気バリア層とガスバリア層の反発性を抑えて両層間の剥離を抑制することできる。この接触角は水蒸気バリア層とガスバリア層の親和性を推測する目安となる。
なお、水蒸気バリア層表面の水との接触角を調整する方法としては、限定されるものではないが、水との接触角の低い水蒸気バリア層用の樹脂の使用、顔料の添加などを挙げることができる。
本発明の水蒸気バリア層の水蒸気バリア性としては、温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、水蒸気透過量が500g/m・day以下であることが好ましく、300g/m・day以下であることがより好ましい。
本発明の実施例では、150〜380g/m・dayの水蒸気透過量が達成されており、本発明の水蒸気バリア層を備えた紙製バリア包装材料を使用することで、包装物を水蒸気による劣化から保護することができる。
3.ガスバリア層
本発明において、ガスバリア層に親水性材料であるアニオン変性セルロースナノファイバーをガスバリア材料として使用することが重要である。
1)アニオン変性セルロースナノファイバー
本発明において、アニオン変性セルロースナノファイバーとは、アニオン変性した下記のセルロース原料を解繊して得られることができる、平均繊維長50〜10000nm、平均繊維幅1〜1000nmであるセルロース繊維である。
セルロース原料とは、木材由来のクラフトパルプまたはサルファイトパルプ、それらを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末セルロース、あるいはそれらを酸加水分解などの化学処理により精製した微結晶セルロース粉末等である。またこの他に、ケナフ、麻、イネ、バカス、竹等の植物由来のセルロース原料も使用できる。しかしながら、セルロース原料中に広葉樹由来のリグニンが多く残留してしまうと当該原料の酸化反応を阻害する恐れがあるので、本発明においては、化学パルプの製造方法により得られたセルロース原料が好ましい。また、リグニンを除去するために、このようにして得られたセルロース原料に公知の漂白処理を施すことがより好ましい。
また、上記したセルロース原料を高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの分散装置、湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーなどで微細化したものをセルロース原料として使用することもできる。
2)セルロース原料のアニオン変性
本発明において、上記のセルロース原料のカルボキシメチル化やカルボキシル化等のアニオン変性により、アニオン変性セルロースを得ることができる。その一例として次のような製造方法を挙げることができる。
2−1)カルボキシメチル化
セルロース原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、マーセル化処理を行う。溶媒としては、セルロース原料に対して3〜20重量倍の炭素数1〜5の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール、ペンタノール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用することができる。マーセル化剤としては、セルロース原料のグルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することができる。
その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化反応を行うことで、カルボキシメチル化セルロースが得られる。
本発明において、カルボキシルメチル化セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度が0.01〜0.50であることが好ましく、0.05〜0.30であることがより好ましい。セルロースにカルボキシメチル基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カルボキシメチル基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度が0.01より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度が0.50より大きいと、膨潤あるいは溶解しやすくなるため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。
なお、カルボキシメチル基の置換度は、以下の方法により測定できる。
(グルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度の測定方法)
カルボキシメチル化セルロース繊維(絶乾)約2.0gを、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。硝酸メタノール(無水メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液)100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CM化セルロース)を水素型CM化セルロースにした。水素型CM化セルロース(絶乾)を約2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。80%メタノール15mLで水素型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定した。
カルボキシメチル基の置換度(DS)を、次式によって算出した:
A=[(100×F’−(0.1NのHSO)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:水素型CM化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのHSOのファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター
2−2)カルボキシル化(酸化)
上記セルロース原料を、N−オキシル化合物、及び、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群から選択される化合物の存在下で酸化剤を用いて水中で酸化することにより、カルボキシル基を導入したセルロース(以下、「酸化セルロース」とも呼ぶ。)を得ることができる。
N−オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生することのできる化合物をいう。N−オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。例えば、下記一般式(式1)で示される化合物が挙げられる。
(式1中、R〜Rは同一又は異なる炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
式1で表される物質のうち、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−オキシラジカル(以下、TEMPOと称する)が、好ましい。また、下記式2〜4のいずれかで表されるN−オキシル化合物、すなわち、4−ヒドロキシTEMPOの水酸基をアルコールでエーテル化、またはカルボン酸若しくはスルホン酸でエステル化し、適度な疎水性を付与した4−ヒドロキシTEMPO誘導体、あるいは4−アミノTEMPOのアミノ基をアセチル化し、適度な疎水性を付与した4−アセトアミドTEMPOは、安価であり、かつ均一な酸化セルロースを得ることができるため、好ましい。
(式2〜4中、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
さらに、下記式5で表されるN−オキシル化合物、すなわち、アザアダマンタン型ニトロキシラジカルは、短時間で効率よくセルロース原料を酸化でき、また、セルロース鎖の切断も起こりにくいため好ましい。
(式5中、R及びRは、水素、あるいは、同一又は異なる炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキル基を示す。)
N−オキシル化合物の使用量は、セルロースをナノファイバー化できる程度にセルロースにカルボキシル基を導入することが可能な触媒量であれば特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.01〜10mmolが好ましく、0.01〜1mmolがより好ましく、0.05〜0.5mmolがさらに好ましい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.1〜100mmolが好ましく、0.1〜10mmolがより好ましく、0.5〜5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.5〜500mmolが好ましく、0.5〜50mmolがより好ましく、1〜25mmolがさらに好ましく、3〜10mmolが最も好ましい。
セルロースの酸化反応は、比較的温和な条件であっても進行させられる。よって、反応温度は15〜30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを9〜12、好ましくは10〜11に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5〜6時間、例えば、0.5〜4時間程度である。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、セルロース原料に効率よくカルボキシル基を導入できる。
また、酸化工程の前にセルロース原料へ適宜アルカリ処理を行い、結晶型をII型に変えてもよい。通常のセルロースはI型結晶であるが、II型結晶を含むと酸化剤が侵入しやすくなり、反応効率が向上する。
酸化セルロースのカルボキシル基量は、セルロースの絶乾質量に対して、0.5〜2.0mmol/gであることが好ましい。カルボキシル基量は、酸化反応時間の調整、酸化反応温度の調整、酸化反応時のpHの調整、N−オキシル化合物や臭化物、ヨウ化物、酸化剤の添加量などにより調整できる。
得られた酸化セルロースは、洗浄することが好ましい。
カルボキシル基量は、酸化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出することができる:
カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/酸化セルロース質量〔g〕。
<アニオン変性セルロースの解繊>
前記で得たアニオン変性セルロースを含む分散液を調製し、分散液中でアニオン変性セルロースを解繊してナノファイバー化する。「ナノファイバー化する」とは、セルロースを、平均繊維幅1〜1000nm、好ましくは2〜150nm、さらに好ましくは3〜30nm、平均繊維長50〜10000nm、好ましくは100〜4500nmのセルロースナノファイバーへと加工することを意味する。分散液とは前記アニオン変性セルロースが分散媒に分散している液である。取扱い容易性から、分散媒は水であることが好ましい。
アニオン変性セルロースを解繊して分散媒中に分散させるには、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いて分散液に強力なせん断力を印加することが好ましい。特に、アニオン変性セルロースナノファイバーを効率よく得るには、前記分散液に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。この処理により、アニオン変性セルロースが解繊してアニオン変性セルロースナノファイバーが形成され、かつアニオン変性セルロースナノファイバーが分散媒中に分散する。
前記処理に供する分散液中のアニオン変性セルロース濃度は、0.1%(w/v)以上であり、1〜50%(w/v)が好ましく、1〜10%(w/v)がより好ましく、2〜10%(w/v)がさらに好ましく、3〜10%(w/v)が最も好ましい。
本発明において、ガスバリア層に含有されるアニオン変性セルロースナノファイバーの含有量は乾燥重量で0.1〜9g/mとすることが好ましい。
3)バインダー樹脂
本発明において、所望の効果を阻害しない範囲で、バインダー樹脂として、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子を併用することができる。なお、アニオン変性セルロースナノファイバーとバインダー樹脂を併用する場合、その配合比率は、アニオン変性セルロースナノファイバー/バインダー樹脂=1〜99/99〜1である。
4)顔料
本発明において、ガスバリア層に顔料を含有させることにより、ガスバリア性を向上させることができる。ガスバリア層に使用される顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカなどの無機顔料、および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料がある。これらを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から無機顔料を使用することが好ましい。
平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が10以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが更に好ましく、平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が50以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが特に好ましい。ガスバリア層に顔料を含有させた場合、酸素などのガスは顔料を迂回して移動する。このため、顔料を含有していないアニオン変性セルロースナノファイバーからなるガスバリア層と比較して、高湿度雰囲気下における優れたガスバリア性を有する。
本発明において、ガスバリア層に含有する顔料とアニオン変性セルロースナノファイバーと水溶性高分子の配合比率(乾燥重量)は、顔料/アニオン変性セルロースナノファイバーとバインダー樹脂の合計量=1/100〜1000/100であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると十分なガスバリア性が発現しない。
5)架橋剤
本発明において、ガスバリア層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤はアニオン変性セルロースナノファイバーの水酸基あるいはアニオン変性基を架橋構造にて結合させるため、高湿度となった場合に結合が緩む(または切れる)水酸基量が減少し、層全体の耐水性が向上する。そのため、高湿度下でのガスバリア性の低下を抑制することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸など適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数は、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、アニオン変性セルロースナノファイバーに対する架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の添加量は、ガスバリア層に使用されるアニオン変性セルロースナノファイバー100重量部に対して、1〜10重量部であり、より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
6)添加剤
本発明において、顔料をアニオン変性セルロースナノファイバー中に配合する際に、顔料を水分散してスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、ガスバリア層には、バインダー樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
4.塗工について
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、水蒸気バリア層の塗工量は、乾燥重量で4〜30g/mとすることが好ましく、より好ましくは6〜25g/mであり、更に好ましくは10〜20g/mであることが好ましい。塗工量が4g/m未満であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られない、ガスバリア層が紙基材に浸透するため、均一なガスバリア性が得られないという問題がある。一方、30g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.2〜10g/mとすることが好ましい。塗工量が0.2/m未満であると均一なガスバリア層を形成することができないため、十分なガスバリア性が得られないという問題がある。一方、10g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明のガスバリア層のガスバリア性としては、23℃−0%RHである乾燥条件下での酸素透過量が10ml/m・day以下、かつ、23℃−85%RHである高湿度条件下での酸素透過量が500ml/m・day以下であることが好ましい。乾燥条件下での酸素透過量が5ml/m・day以下、かつ、高湿度条件下での酸素透過量が350ml/m・day以下であることがより好ましい。
本発明の実施例では、23℃−0%RHである乾燥条件下で酸素透過量が0.5〜2.0ml/m・day、23℃−85%RHである高湿度条件下での酸素透過量が65〜330ml/m・dayが達成されており、本発明のガスバリア層を備えた紙製バリア包装材料を使用することで、包装物を酸化などのガスによる劣化から保護することができる。
本発明において、紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けた紙製バリア包装材料に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル重合体などのシーラント層を設けることができる。シーラント層の積層方法については特に制限されるものではないが、従来の溶融押し出しラミネート法やフィルムを用いたドライラミネート法、直接溶融コート法など公知の方法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られた包装材料について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。試験結果を表に示す。
(評価方法)
(1)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。
(2)酸素透過度:MOCON社製OX−TRAN2/21を使用し、23℃−0%RH条件および23℃−85%RH条件にて測定した。
(3)接触角度:23℃、50%RH雰囲気下で、動的表面接触角測定装置(Fibro社製、ダイナミックアブソープションテスタ DAT1100)を用い、水滴を滴下後0.1秒後の表面接触角を測定した。
(4)平均粒子径:試料スラリーを、分散剤としてヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%を添加した純水中で滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して、体積平均粒子径を測定した。
(5)アスペクト比:顔料の平面方向および断面方向を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、顔料配向面の直径と厚さを測定して、[アスペクト比=顔料配向面の直径/厚さ]により算出した。
(6)平均繊維長:マイカ切片上に固定したセルロースナノファイバーの原子間力顕微鏡像から、繊維長を測定し、ランダムに選んだ100本の繊維を測定し、平均繊維長を算出した。繊維長測定は、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事)を用いて範囲で行った。
(7)平均繊維幅:走査型プローブ顕微鏡(SPI3800N/SPA400:SII. NanoTechnology 社製.)用のPCソフト「Spisel32」を用いて、観察により得られた繊維画像から、Z軸方向の高さを測定して繊維幅とした。この繊維幅を20本分測定し、その相加平均値を平均繊維幅とした。
(アニオン変性セルロースの製造:カルボキシメチル化(C1))
パルプを混ぜることができる撹拌機に、パルプ(NBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で250g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で67g加え、パルプ固形濃度が40%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを127g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のアニオン変性セルロース(カルボキシメチル基を導入したセルロース)を得た。
(アニオン変性セルロースナノファイバー分散液の調整)
前記アニオン変性セルロースを1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140Mpa)で3回処理して、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシメチル化セルロースナノファイバー)分散液(C1)を得た。
得られた分散液中のカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は860nm、平均繊維幅は26nmであった。
(アニオン変性セルロースパルプの製造:カルボキシメチル化(C2))
超高圧ホモジナイザーの処理回数を10回にした以外はC1と同様にして、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシメチル化セルロースナノファイバー)分散液(C2)を得た。
得られた分散液中のカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は320nmであり、平均繊維幅は6nmであった。
(アニオン変性セルロースパルプの製造:カルボキシメチル化(C3))
パルプを混ぜることができる撹拌機に、パルプ(NBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で50g加え、パルプ固形濃度が20%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを50g(有効成分換算)添加した。1時間反応させた後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.05のアニオン変性セルロース(カルボキシメチル基を導入したセルロース)を得た。
(アニオン変性セルロースナノファイバー分散液の調整)
前記アニオン変性セルロースを1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140Mpa)で3回処理して、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシメチル化セルロースナノファイバー)分散液(C3)を得た。
得られた分散液中のカルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液の平均繊維長は4500nmであり、平均繊維幅は28nmであった。
(アニオン変性セルロースパルプの製造:カルボキシメチル化(C4))
超高圧ホモジナイザーの処理回数を10回にした以外はC3と同様にして、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシメチル化セルロースナノファイバー)分散液C4を得た。
得られた分散液中のカルボキシメチル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は1300nmであり、平均繊維幅は10nmであった。
(アニオン変性パルプの製造:カルボキシル化(T1))
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社)780mgと臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することでアニオン変性パルプ(カルボキシル基を導入したパルプ)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分であった。このアニオン変性パルプのカルボキシル基量は、1.6mmol/gであった。
(アニオン変性セルロースナノファイバー分散液の調整)
前記アニオン変性パルプを1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140Mpa)で10回処理して、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシル化セルロースナノファイバー)分散液(T1)を得た。
得られた分散液中のカルボキシル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は350nm、平均繊維幅は4nmであった。
(アニオン変性パルプの製造:カルボキシル化(T2))
超高圧ホモジナイザーの処理回数を3回にした以外はT1と同様にして、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシル化セルロースナノファイバー)分散液(T2)を得た。
得られた分散液中のカルボキシル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は510nmであり、平均繊維幅は8nmであった。
(アニオン変性パルプの製造:カルボキシル化(T3))
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社)780mgと臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を4.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することでアニオン変性パルプ(カルボキシル基を導入したパルプ)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分であった。このアニオン変性パルプのカルボキシル基量は、1.2mmol/gであった。
(アニオン変性セルロースナノファイバー分散液の調整)
前記アニオン変性酸化パルプを1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140Mpa)で10回処理して、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシル化セルロースナノファイバー)分散液(T3)を得た。
得られた分散液中のカルボキシル化セルロースナノファイバー分散液の平均繊維長は430nmであり、平均繊維幅は7nmであった。
(アニオン変性パルプの製造:カルボキシル化(T4))
超高圧ホモジナイザーの処理回数を3回にした以外はT3と同様にして、アニオン変性セルロースナノファイバー(カルボキシル化セルロースナノファイバー)分散液T4を得た。
得られた分散液中のカルボキシル化セルロースナノファイバーの平均繊維長は670nmであり、平均繊維幅は12nmであった。
[実施例1]
(紙基材の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を対絶乾パルプ重量あたり0.35%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAEH)系樹脂を対絶乾パルプ重量あたり0.15%、さらに歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.08%添加した後、デュオフォーマーFM型抄紙機にて300m/minの速度で抄紙し、坪量59g/mの紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度2%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)をロッドメタリングサイズプレスで、両面に1.0g/m塗工、乾燥し、坪量60g/mの原紙を得た。得られた原紙をチルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行った。
(水蒸気バリア層用塗工液の調製)
顔料である大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX、粒子径9.0μm、アスペクト比80〜100)に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを、前記顔料100部に対して0.2部添加し、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%のスラリーを調製した。得られたスラリー中に、スチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)を前記顔料100重量部に対して100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%の塗工液Aを得た。
(ガスバリア層用塗工液の調製)
上記処理にて得られたカルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液C1(塗工液B)をガスバリア層用塗工液とした。
(紙製バリア包装材料の作製)
得られた原紙上に塗工液Aを塗工量(乾燥)12g/mとなるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Bを塗工量(乾燥)2.0g/mとなるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、紙製バリア包装材料を得た。
[実施例2]
カリウムミョウバンの1%(w/v)水溶液を、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液(塗工液B)95mlに対し、5ml添加し、スターラーで2時間、緩やかに攪拌して、架橋したナノファイバーの凝集物を得た。この凝集物を遠心分離機により5000rpm、15minで遠心し、脱水した。その後、水で200mlに再希釈して、同様な操作で遠心と脱水を2回行った。得られた沈殿物を0.3%(w/v)に調整し、ホモジナイザーによって、3000rpm、30分間攪拌することにより得られた均一な分散液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例3]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)をカルボキシル化セルロースナノファイバー分散液T1(塗工液C)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例4]
カリウムミョウバンの1%(w/v)水溶液を、カルボキシル化セルロースナノファイバー分散液(塗工液C)95mlに対し、5ml添加し、スターラーで2時間、緩やかに攪拌して、架橋したナノファイバーの凝集物を得た。この凝集物を遠心分離機により5000rpm、15minで遠心し、脱水した。その後、水で200mlに再希釈して、同様な操作で遠心と脱水を2回行った。得られた沈殿物を0.3%(w/v)に調整し、ホモジナイザーによって、3000rpm、30分間攪拌することにより得られた均一な分散液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包材を得た。
[実施例5]
顔料である大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを前記顔料100部に対して0.2部添加し、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%のスラリーを調製した。得られたスラリーと塗工液Bとを固形分で顔料:塗工液B=100:100として固形分濃度が10%となるよう混合した分散液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例6]
カリウムミョウバンの5%(w/v)水溶液を、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーに対して固形分で3部となるように塗工液Bに配合し、固形分濃度が1.0%に調整した分散液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例7]
塗工液Bに、実施例5にて調製したスラリーを固形分で顔料:塗工液B=100:100となるよう混合し、更に5%(w/v)のカリウムミョウバン水溶液をカルボキシメチル化セルロースナノファイバーに対して固形分で3部となるよう配合した固形分濃度が10%の分散液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例8]
水蒸気バリア層用塗工液として、塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−75、平均粒子径:1.6μm、アスペクト比:1)を、顔料配合比が大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=75:25となるように混合、撹拌した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例9]
カリウムミョウバン5%(w/v)水溶液を、顔料に対して3部となるように塗工液Aに配合した、固形分濃度50%の分散液を水蒸気バリア層用塗工液とした以外は、実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例10]
ガスバリア層用塗工液として実施例7にて得られた塗工液を用い、水蒸気バリア層用塗工液として実施例8にて得られた塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例11]
ガスバリア層用塗工液として実施例7にて得られた塗工液を用い、水蒸気バリア層用塗工液として実施例9にて得られた塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例12]
実施例5のガスバリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをマイカ(トピー工業株式会社製NTS−10、粒子径:12μm)に変更した以外は実施例5と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例13]
実施例5のガスバリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをモンモリロナイト(東新化成株式会社製ニッカナイト A−36、粒子径:400μm)に変更した以外は実施例5と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例14]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをマイカ(松尾産業株式会社製B−82、粒子径:180μm)に変更し、スラリー中の顔料分散濃度を20%、塗工液濃度を30%に変更し、塗工量を9g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例15]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをモンモリロナイト(東新化成株式会社製ニッカナイト A−36、粒子径:400μm)に変更し、スラリー中の顔料分散濃度を20%、塗工液濃度を30%に変更し、塗工量を9g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例16]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックスをアクリルスチレン共重合体エマルジョン(サイデン化学社製X−511−374E)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例17]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液のスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)を、スチレン・ブタジエン系ラテックス(旭化成ケミカルズ社製L7360)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例18]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)を、大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製Capim CC、粒子径:8.0μm、アスペクト比:10〜15)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例19]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中の、大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)を、微粒カオリン(KaMin社製Hydragloss、平均粒子径:0.3μm、アスペクト比:10〜15)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例20]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中の、大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)を、2級カオリン(イメリス社製KCS、平均粒子径:3.6μm、アスペクト比:10〜15)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例21]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)を、スチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7889)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例22]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックスを、アクリル系共重合体ラテックス(旭化成ケミカルズ社製E316)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例23]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックスを、アクリル共重合体水系エマルジョン(サイデン化学社製EK−61)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例24]
塗工液Aの塗工量を、乾燥重量で12g/mから6g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例25]
塗工液Aの塗工量を、乾燥重量で12g/mから15g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例26]
塗工液Bの塗工量を、乾燥重量で2g/mから1g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例27]
塗工液Bの塗工量を、乾燥重量で2g/mから3g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例28]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液において、スチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)の配合量を対顔料100部から50部(固形分)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例29]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液において、スチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)の配合量を対顔料100部から150部(固形分)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例30]
実施例5のガスバリア層用塗工液において、カオリンスラリーの配合量を固形分で顔料:塗工液B=100:100から150:100となるよう変更した以外は実施例5と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例31]
実施例5のガスバリア層用塗工液において、カオリンスラリーの配合量を固形分で顔料:塗工液B=100:100から50:100となるよう変更した以外は実施例5と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例32]
実施例1の水蒸気バリア層用塗工液において、スチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)の配合量を対顔料100部から35部(固形分)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例33]
水蒸気バリア層用塗工液として、塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−90、平均粒子径:1.2μm、アスペクト比:1)を顔料配合比で大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=50:50となるように混合、撹拌した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例34]
重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−90)を顔料配合比で大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=90:10となるように混合、撹拌した塗工液を用いた以外は実施例33と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例35]
水蒸気バリア層用塗工液として、塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−65、平均粒子径:1.9μm、アスペクト比:1)を顔料配合比で大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=90:10となるように混合、撹拌した塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例36]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)をカルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液C2に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例37]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)をカルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液C3に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例38]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)をカルボキシメチル化セルロースナノファイバー分散液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例39]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)をカルボキシル化セルロースナノファイバー分散液T2に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例40]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)をカルボキシル化セルロースナノファイバー分散液T3に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例41]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)をカルボキシル化セルロースナノファイバー分散液T4に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例42]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)を、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーとポリビニルアルコール10%水溶液(クラレ社製、PVA117)を乾燥重量比で80/20となるように混合したものを用いた以外は実施例1と同様にして紙性バリア包装材料を得た。
[実施例43]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)を、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーとポリビニルアルコール10%水溶液(クラレ社製、PVA117)を乾燥重量比で50/50となるように混合したものを用いた以外は実施例1と同様にして紙性バリア包装材料を得た。
[実施例44]
ガスバリア層用塗工液(塗工液B)を、カルボキシメチル化セルロースナノファイバーとポリビニルアルコール10%水溶液(クラレ社製、PVA117)を乾燥重量比で20/80となるように混合したものを用いた以外は実施例1と同様にして紙性バリア包装材料を得た。
[実施例45]
実施例43のガスバリア層用塗工液に、実施例1の水蒸気バリア層用塗工液で用いた顔料である大粒径エンジニアードカオリン分散液を、乾燥重量比で、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー/ポリビニルアルコール/顔料=50/50/100になるように添加した以外は、実施例43と同様にして紙性バリア包装材料を得た。
[比較例1]
紙基材にガスバリア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例2]
水蒸気バリア層を設けなかった以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例3]
ガスバリア層を設けなかった以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。

Claims (11)

  1. 紙基材上に複数の塗工層が設けられた紙製バリア包装材料であって、
    該複数の塗工層が紙基材上に形成されたバインダー樹脂を含有した水蒸気バリア層、該水蒸気バリア層上に形成されたガスバリア層を含んでおり、
    ガスバリア層は、アニオン変性セルロースナノファイバーを含有していることを特徴とする紙製バリア包装材料。
  2. 前記アニオン変性セルロースナノファイバーが、平均繊維幅1〜1000nm、平均繊維長50〜10000nmであることを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア包装材料。
  3. 前記アニオン変性セルロースナノファイバーは、カルボキシメチル基を導入したセルロースナノファイバーであり、セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換度が0.01〜0.50であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記アニオン変性セルロースナノファイバーは、カルボキシル基を導入したセルロースナノファイバーであり、カルボキシル基を導入したセルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、カルボキシル基の量が0.5mmol/g〜2.0mmol/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  5. 前記水蒸気バリア層のバインダー樹脂は、スチレン・ブタジエン系合成樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  6. 前記水蒸気バリア層は、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  7. 前記水蒸気バリア層は、平均粒子径5μm以下の顔料が含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  8. 前記水蒸気バリア層は、架橋剤を含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  9. 前記ガスバリア層は、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上の無機顔料を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  10. 前記ガスバリア層は、架橋剤を含有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  11. 前記水蒸気バリア層の塗工量が乾燥重量で4〜30g/m、ガスバリア層の塗工量が乾燥重量で0.2〜10g/mであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
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