JPWO2014171009A1 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

交流回転機の制御装置は、交流回転機位置情報を用いて、検出電流ベクトルを電流指令ベクトルに一致させるように電圧指令ベクトルを作成する交流回転機制御手段と、前記電圧指令ベクトルに基づき、交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、前記交流回転機における2次磁束ベクトルを演算する2次磁束ベクトル演算手段と、前記電圧指令ベクトル、前記検出電流ベクトル、及び前記2次磁束ベクトルに応じて、推定回転位置、及び推定速度を求めて出力する適応観測手段とを備え、前記適応観測手段は、前記2次磁束ベクトルの使用の有無を切換ゲインで切換可能であり、前記適応観測手段は、前記切換ゲインが切換わる際に生じる推定速度の変動分を補償する補償手段を有する。

Description

本発明は、交流回転機の制御装置に関する。
交流回転機の電圧および電流を回転2軸座標(d−q軸)上で扱い、永久磁石同期回転機を初めとする交流回転機の発生トルクを高応答・高精度で制御する手法として、公知であるベクトル制御がある。永久磁石同期回転機をベクトル制御する場合、電圧および電流の座標変換を施す際にロータ回転位置情報を用いるため、交流回転機に位置センサを取り付ける必要がある。しかし、位置センサを取り付けることにより、コストの増加、交流回転機寸法の増大、メンテナンス性の低下等のデメリットがある。そこで、このデメリットを解消するため、制御装置内で回転位置を推定することにより、位置センサレスでベクトル制御を行う手法が開発されている。
特許文献1には、同期電動機の制御装置において、適応オブザーバが、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令、q軸電圧指令、d軸電流、及びq軸電流に基づいて回転子の角周波数を求めて出力し、積分器が回転子の角周波数を積分して回転子の回転位置を求めて出力することが記載されている。これにより、特許文献1によれば、適応オブザーバを回転二軸座標上で構成しているので、高い回転速度で運転する時でも適応オブザーバに入力される電圧の周波数成分を直流にでき、安価な計算機を用いる場合であっても、高い回転速度で同期電動機を制御できるとされている。
特許文献2には、交流回転機の制御装置において、適応観測手段が、増幅偏差ベクトル、電流偏差ベクトル、及び電圧指令ベクトルに基づいて、推定磁束位相、推定電流ベクトル、推定磁束ベクトル、及び推定速度を出力することが記載されている。このとき、回転位置検出手段が交流回転機の回転位置を検出し、磁束ベクトル検出手段がその検出された回転位置から磁束ベクトルを検出して検出磁束ベクトルを適応観測手段へ出力する。適応観測手段は、推定速度が小さい速度範囲では、検出磁束ベクトル及び推定磁束ベクトルの磁束偏差ベクトルに乗算する増幅ゲインに所定の大きさを持たせ、それ以外の速度範囲では、磁束偏差ベクトルに乗算する増幅ゲインを零にする。これにより、特許文献1によれば、低速の速度範囲において、確実に発生する磁束偏差ベクトルを介して推定磁束位相の演算を実行して確実に交流回転機を制御でき、高速の速度範囲において、回転位置検出手段の位置検出精度が低下しても検出磁束ベクトルを利用することなく推定磁束位相を演算するので安定して交流回転機を制御できるとされている。
国際公開第2002/091558号 国際公開第2010/109528号
特許文献1は、回転2軸座標上で動作する適応観測器により永久磁石同期回転機の回転位置および速度を推定し、位置センサレス制御を実現する手法について述べられている。しかし、零速において適応観測器の推定誤差である電流偏差が発生しないため、回転位置の推定が困難になる可能性がある。また、低速域において電圧誤差もしくは定数誤差の影響により、安定性および駆動性能が低下する可能性がある。
特許文献2では、第2の回転位置検出手段、例えば交流回転機に直接取り付ける回転位置検出器もしくは永久磁石同期回転機の突極性を利用し推定された位置情報により作成した回転機2次磁束ベクトルを適応観測器に与えることにより、零速を含む低速域で安定に適応観測器を動作させる手法について述べられている。本方式は、適応観測器が単独で回転位置を推定可能な中・高速域においては、磁束偏差ベクトルに乗算する増幅ゲインを0とすることで、第2の回転位置検出手段を利用せずに適応観測器のみを動作させるよう切換えることが可能である。
特許文献2に記載の発明は、特許文献1の問題を解決できるが、速度推定器の入力に第2の回転位置検出手段により作成した回転機2次磁束ベクトルが追加されるため、増幅ゲインを0とし、適応観測器単独動作に切換える際に、速度推定器の入力から回転機2次磁束ベクトルを含む項が瞬時に消失し、推定速度の不連続性が増大する可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、推定速度の不連続性を抑制できる交流回転機の制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の1つの側面にかかる交流回転機の制御装置は、交流回転機位置情報を用いて、検出電流ベクトルを電流指令ベクトルに一致させるように電圧指令ベクトルを作成する交流回転機制御手段と、前記電圧指令ベクトルに基づき、交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、前記交流回転機における2次磁束ベクトルを演算する2次磁束ベクトル演算手段と、前記電圧指令ベクトル、前記検出電流ベクトル、及び前記2次磁束ベクトルに応じて、推定回転位置、及び推定速度を求めて出力する適応観測手段とを備え、前記適応観測手段は、前記2次磁束ベクトルの使用の有無を切換ゲインで切換可能であり、前記適応観測手段は、前記切換ゲインが切換わる際に生じる推定速度の変動分を補償する補償手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、補償手段は、切換ゲインが切換わる際に生じる推定速度の変動分を補償する。例えば、積分加算量演算器は、切換ゲインが切換わる際に生じる推定速度の変動分を補償するように補償量を演算し、その補償量を用いて加算量を生成して速度推定器へ供給する。これにより、速度推定器が、比例積分制御を行い比例積分制御の結果における積分項にその加算量を加算して推定速度を求めることができる。すなわち、切換ゲインが切換わる際に生じる推定速度の変動分を補償しながら推定速度をもとめることができるので、推定速度の不連続性を抑制できる。
図1は、実施の形態1にかかる交流回転機の制御装置の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1における適応観測器の構成を示す図である。 図3は、実施の形態1における2次磁束ベクトルを示したベクトル図である。 図4は、実施の形態1における切換ゲインKwと推定速度ωr^の関係を示した図である。 図5は、実施の形態1における動作を、横軸を時間として示した図である。 図6は、実施の形態2における適応観測器の構成を示す図である。 図7は、実施の形態2において減衰器を1次遅れ要素とした場合の加算量α’を示す図である。 図8は、実施の形態2において減衰器を直線減衰とした場合の加算量α’を示す図である。 図9は、実施の形態3における適応観測器の構成を示す図である。 図10は、実施の形態3におけるKwfilの動作を示す図である。
以下に、本発明にかかる交流回転機の制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1にかかる交流回転機の制御装置100について説明する。
制御装置100は、交流回転機(例えば、永久磁石同期回転機)Mを可変速駆動する制御装置である。例えば、制御装置100は、適応観測手段(例えば、適応観測手段33)による推定回転位置および異なる第2の手段(例えば、回転位置検出手段34)により検出された交流回転機Mの検出回転位置を併用し、ベクトル制御を行う機能を有する。
具体的には、制御装置100は、図1に示す構成を有する。図1は、交流回転機の制御装置100の全体構成を示す図である。以下の説明において、適応観測器11が推定する回転機2次磁束ベクトルの方向をd軸とし、それに直交する方向をq軸とする。また、例えば、任意の固定2軸直交座標系としてα軸―β軸座標系を考え、例えばα軸を0[rad]とし、位相はα軸からd軸までの角度とする。このとき、固定3軸直交座標系(u軸−v軸−w軸座標系)のu軸とα軸とが一致していてもよい。
制御装置100は、交流回転機制御手段31、電圧印加手段5、電流検出手段6、回転位置検出手段34、2次磁束ベクトル演算手段32、及び適応観測手段33を備える。
交流回転機制御手段31は、交流回転機位置情報を用いて、検出電流ベクトルを電流指令ベクトルに一致させるように電圧指令ベクトルを作成する。例えば、交流回転機制御手段31は、id指令演算器1、速度制御器2、3相/2相変換器8、電流制御器3、及び2相/3相変換器4を有する。
id指令演算器1は、idを常に0に制御するid=0制御等によりd軸電流指令id*を作成する。id指令演算器1は、作成されたd軸電流指令id*を電流制御器3へ供給する。
速度制御器2は、速度指令ω*を外部(例えば、図示しない上位のコントローラ)から受け、推定速度ωr^を適応観測手段33から受ける。速度制御器2は、推定速度ωr^を速度指令ω*に追従させるようにq軸電流指令iq*を作成する。速度制御器2は、作成されたq軸電流指令iq*を電流制御器3へ供給する。
3相/2相変換器8は、検出された電流iu,iv,iwを電流検出手段6から受け、交流回転機位置情報として推定回転位置θ1を適応観測手段33から受ける。2相/3相変換器4は、推定回転位置θ1に基づいて、u軸−v軸−w軸座標系(固定座標系)の検出電流ベクトル(iu,iv,iw)をd軸−q軸座標系(回転座標系)の検出電流ベクトル(id,iq)に座標変換する。3相/2相変換器8は、変換された検出電流ベクトル(id,iq)を電流制御器3及び適応観測手段33へ供給する。
電流制御器3は、d軸電流指令id*をid指令演算器1から受け、q軸電流指令iq*を速度制御器2から受け、d軸検出電流id及びq軸検出電流iqを3相/2相変換器8から受ける。電流制御器3は、d軸検出電流idをd軸電流指令id*に追従させるようにd軸電圧指令vd*を作成するとともに、q軸検出電流iqをq軸電流指令iq*に追従させるようにq軸電圧指令vq*を作成する。
すなわち、電流制御器3は、検出電流ベクトル(id,iq)を電流指令ベクトル(id*,iq*)に一致させるように、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)を作成する。電流制御器3は、作成された電圧指令ベクトル(vd*,vq*)を、2相/3相変換器4及び適応観測手段33に出力する。
2相/3相変換器4は、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)を電流制御器3から受け、交流回転機位置情報として推定回転位置θ1を適応観測手段33から受ける。2相/3相変換器4は、推定回転位置θ1に基づいて、d軸−q軸座標系(回転座標系)の電圧指令ベクトル(vd*,vq*)をu軸−v軸−w軸座標系(固定座標系)の電圧指令ベクトル(vu*,vv*,vw*)に座標変換する。2相/3相変換器4は、変換された電圧指令ベクトル(vu*,vv*,vw*)を電圧印加手段5へ供給する。
電圧印加手段5は、電圧指令ベクトル(vu*,vv*,vw*)を2相/3相変換器4から受ける。電圧印加手段5は、電圧指令ベクトル(vu*,vv*,vw*)に基づいて、交流回転機Mに電圧を印加する。これに応じて、電圧印加手段5から交流回転機Mに電力が供給され、交流回転機Mが駆動される。
電流検出手段6は、交流回転機に流れる電流iu,iv,iwを検出する。電流検出手段6は、例えば複数の電流検出器(例えば、複数のカレントトランス)6u〜6wを有し、複数の電流検出器6u〜6wを用いて、交流回転機に流れる電流iu,iv,iwを検出する。電流検出手段6は、検出された電流iu,iv,iwを3相/2相変換器8に供給する。
回転位置検出手段34は、交流回転機の回転位置θrを検出する。回転位置検出手段34は、例えば回転位置検出器(例えば、エンコーダ)9を有し、回転位置検出器9を用いて、交流回転機の回転位置θrを検出する。回転位置検出手段34は、検出回転位置θrを2次磁束ベクトル演算手段32へ供給する。
2次磁束ベクトル演算手段32は、検出回転位置θr及び推定回転位置θ1に応じて、例えば検出回転位置θr及び推定回転位置θ1の偏差に応じて、交流回転機Mにおける2次磁束ベクトルを演算する。例えば、2次磁束ベクトル演算手段32は、減算器22及び2次磁束演算器10を有する。
減算器22は、検出回転位置θrを回転位置検出手段34から受け、推定回転位置θ1を適応観測手段33から受ける。減算器22は、検出回転位置θrから推定回転位置θ1を減算して位置偏差Δθを求めて2次磁束演算器10へ供給する。
2次磁束演算器10は、位置偏差Δθを減算器22から受ける。2次磁束演算器10は、位置偏差Δθから、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を作成する。2次磁束演算器10は、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を適応観測手段33に供給する。
適応観測手段33は、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)、検出電流ベクトル(id,iq)、及びdq軸2次磁束ベクトルφrL^に応じて、推定回転位置θ1、及び推定速度ωr^を求めて出力する。例えば、適応観測手段33は、適応観測器11及び積分器7を有する。
適応観測器11は、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)を交流回転機制御手段31の電流制御器3から受け、検出電流ベクトル(id,iq)を交流回転機制御手段31の3相/2相変換器8から受け、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を2次磁束ベクトル演算手段32の2次磁束演算器10から受ける。適応観測器11は、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)、検出電流ベクトル(id,iq)、及びdq軸2次磁束ベクトルφrL^から、推定速度ωr^及び推定1次角周波数ω1を求める。適応観測器11は、推定速度ωr^を交流回転機制御手段31の速度制御器2へ供給し、推定1次角周波数ω1を積分器7へ供給する。
積分器7は、1次角周波数ω1を適応観測器11から受ける。積分器7は、推定1次角周波数ω1を積分して推定回転位置θ1を求める。積分器7は、推定回転位置θ1を、交流回転機制御手段31の3相/2相変換器8、2相/3相変換器4、及び2次磁束ベクトル演算手段32の減算器22へそれぞれ供給する。
次に、適応観測器11の内部構成について図2を用いて説明する。図2は、適応観測器11の内部構成を示す図である。
適応観測器11は、図2に示すように、磁束・電流推定器12、速度推定器13、Kw演算器14、及び積分加算量演算器15を有する。
磁束・電流推定器12は、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)を交流回転機制御手段31の電流制御器3から受け、検出電流ベクトル(id,iq)を交流回転機制御手段31の3相/2相変換器8から受け、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を2次磁束ベクトル演算手段32の2次磁束演算器10から受ける。また、磁束・電流推定器12は、速度推定器13から推定速度ωr^を受ける。
磁束・電流推定器12は、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)、検出電流ベクトル(id,iq)、dq軸2次磁束ベクトルφrL^、及び推定速度ωr^から、推定1次磁束ベクトルφs^、推定2次磁束ベクトルφr^及び推定1次電流ベクトルis^を演算する。そして、磁束・電流推定器12は、検出1次電流ベクトルis=(id,iq)と推定1次電流ベクトルis^との電流偏差esを演算する。磁束・電流推定器12は、電流偏差esを速度推定器13へ供給するとともに、推定2次磁束ベクトルφr^を速度推定器13及び積分加算量演算器15へ供給する。
速度推定器(比例積分制御器)13は、電流偏差es及び推定2次磁束ベクトルφr^を磁束・電流推定器12から受け、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を2次磁束ベクトル演算手段32の2次磁束演算器10から受ける。また、速度推定器13は、加算量αを積分加算量演算器15から受け、切換ゲインKwをKw演算器14から受ける。
速度推定器13は、電流偏差es、推定2次磁束ベクトルφr^、dq軸2次磁束ベクトルφrL^、及び切換ゲインKwから比例積分制御を行い、比例積分制御の結果における積分項に加算量αを加算して、推定速度ωr^を求める。速度推定器13は、推定速度ωr^を、磁束・電流推定器12及びKw演算器14に供給するとともに、交流回転機制御手段31の速度制御器2に出力する。
Kw演算器14は、推定速度ωr^を速度推定器13から受ける。Kw演算器14は、推定速度ωr^に基づき、切換ゲインKwを作成する。例えば、Kw演算器14は、推定速度ωr^に基づき、切換ゲインKwを2値的に切り換える。
例えば、Kw演算器14は、推定速度ωr^が閾値ωk2を超えて大きくなったら、切換ゲインKwを第1の値から第2の値に切り換える。第1の値は、0より大きい値であって、例えば、1である。第2の値は、第1の値より0に近い値であって、例えば、0である。例えば、Kw演算器14は、推定速度ωr^が閾値ωk1を超えて小さくなったら、切換ゲインKwを第2の値から第1の値に切り換える。
なお、上り方向の閾値ωk2と下り方向の閾値ωk1とは、例えば、互いにことなる値であってもよい。例えば、図4に示すように、閾値ωk2は、閾値ωk1より大きな値であってもよい。
Kw演算器14は、切換ゲインKwを積分加算量演算器15及び速度推定器13へ供給する。
積分加算量演算器15は、推定2次磁束ベクトルφr^を磁束・電流推定器12から受け、切換ゲインKwをKw演算器14から受け、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を2次磁束ベクトル演算手段32の2次磁束演算器10から受ける。積分加算量演算器15は、切換ゲインKwの変化に応じて、速度推定器(比例積分制御器)13の積分項に加算する加算量αを演算する。積分加算量演算器15は、加算量αを速度推定器13へ供給する。
以下に、本発明の動作について説明する。ただし、id指令演算器1、速度制御器2、電流制御器3、2相/3相変換器4、電圧印加手段5、電流検出手段6、交流回転機M、3相/2相変換器8、回転位置検出器9は、本発明の本質ではないため、動作の詳細説明を省略する。
2次磁束演算器10は、図3に示すように、回転位置検出器9により取得された検出回転位置θrと適応観測器11で推定された推定回転位置θ1との偏差である位置偏差Δθから、下記の数式2,3に示す演算を行い、下記の数式1に示すdq軸2次磁束ベクトルφrL^を作成する。
例えば、任意の固定2軸直交座標系としてα軸―β軸座標系を考えると、数式2に示すd軸2次磁束φdrL^、数式3に示すq軸2次磁束φqrL^、数式1に示すdq軸2次磁束ベクトルφrL^は、ぞれぞれ、図3に示すように表される。
なお、数式2,3において、φfは予め制御装置100に設定された誘起電圧定数である。また、適応観測手段33による推定回転位置θ1と回転位置検出手段34による検出回転位置θrとがあれば位置偏差Δθおよび2次磁束ベクトルを求めることができるため、θrを得る手段は本発明の本質ではない。検出回転位置θrを得る他の手段として、例えば交流回転機Mが永久磁石同期回転機である場合に交流回転機Mの突極性を利用した位置推定手段がある。すなわち、回転位置検出手段34は、回転位置検出器9に代えて交流回転機Mの突極性を利用した位置推定手段を有していてもよい。また、その突極性を利用する場合、位置偏差Δθを直接求める方式とすることも可能であるが、その場合にも本発明は適用可能である。
Figure 2014171009
Figure 2014171009
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磁束・電流推定器12は、例えば数式4、数式5、数式8、数式9により、電圧指令ベクトル(vd*,vq*)、検出電流ベクトル(id,iq)、dq軸2次磁束ベクトルφrL^、及び推定速度ωr^から、推定1次磁束ベクトルφs^、推定2次磁束ベクトルφr^及び推定1次電流ベクトルis^を演算する。そして、磁束・電流推定器12は、例えば数式6により、検出1次電流ベクトルis=(id,iq)と推定1次電流ベクトルis^との電流偏差esを演算する。このとき、磁束・電流推定器12は、例えば数式7により、推定2次磁束ベクトルφr^とdq軸2次磁束ベクトルφrL^との磁束偏差erをさらに演算してもよい。
Figure 2014171009
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Figure 2014171009
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ここで、φs^は推定1次磁束ベクトル、φr^は推定2次磁束ベクトル、vsは1次電圧ベクトル、is^は推定1次電流ベクトル、isは検出1次電流ベクトル、Rは1次抵抗、Lは1次巻線インダクタンス、h1、h2、h3、h4は適応観測器ゲインである。
速度推定器3は、数式10に示すPI制御(比例積分制御)を行い、比例積分制御の結果における積分項(数式10における1/sに関連した項)に数式11に示す加算量αを加算して、推定速度ωr^を求める。
Figure 2014171009
ここで、KapはPI制御器比例ゲイン、ωapiはPI制御器折れ点角周波数、sはラプラス演算子、Kwは切換ゲインであり、ωr^’は、加算量αが加算される前の推定速度である。
Kw演算器14は、推定速度ωr^に基づき、切換ゲインKwを作成する。図4に、切換ゲインKwと推定速度ωr^との関係を示す。閾値ωk1は、推定速度ωr^が小さくなっていく際の下り方向において切換を行う速度である。閾値ωk2は、推定速度ωr^が大きくなっていく際の上り方向において切換を行う速度である。図4に示すように、閾値ωk1及び閾値ωk2の間にヒステリシス特性を持たせることで、推定速度ωr^の振動成分により切換ゲインKwが高速に変化を繰り返さないようにすることができ、切換ゲインKwの切り換え動作を安定化できる。
積分加算量演算器15は、切換ゲインKwの値を参照し、加速度推定器のPI制御器積分項に加算する加算量αを演算する。数式11に加算量αに用いるべき補償量Δωrの演算式を示す。補償量Δωrは、数式11において、切換ゲインKwが切換わった際に変化する量に対応している。すなわち、積分加算量演算器15は、切換ゲインKwが切換わる際に生じる推定速度ωr^’の変動分を補償するように補償量Δωrを演算し、補償量Δωrを用いて加算量αを生成して速度推定器13へ供給する。これにより、速度推定器13は、比例積分制御を行い、比例積分制御の結果における積分項に加算量αを加算して、推定速度ωr^を求める。
例えば、速度推定器13は、比例積分制御器13a、加算器13b、整定器13cを有する。比例積分制御器13aは、例えば数式10に示すような比例積分制御を行って推定速度ωr^’を演算して加算器13bへ供給する。整定器13cは、積分加算量演算器15から受けた加算量αを例えば比例積分制御器13aに設定された応答性で整定させながら、整定された加算量αを加算器13bへ供給する。加算器13bは、推定速度ωr^’に加算量αを加算して推定速度ωr^を求める。
例えば、積分加算量演算器15は、切換ゲインKwが第1の値(例えば、1)から第2の値(例えば、0)に切換わることを認識した場合、補償量Δωrが加速度推定器13のPI制御器の積分項に加算されるように、加算量α=+Δωrとする(図5参照)。例えば、積分加算量演算器15は、逆に、切換ゲインKwが第2の値(例えば、0)から第1の値(例えば、1)に切換わることを認識した場合、補償量Δωrが加速度推定器13のPI制御器の積分項から減算されるように、加算量α=−Δωrとする(図5参照)。
Figure 2014171009
図5は、本実施の形態の加減速時における主要変数の動作を、横軸を時間として記したものである。各区間に対し、動作の説明のためTP1〜TP5の番号を付した。TP1は停止から加速し、切換ゲインKwが第1の値(例えば、1)から第2の値(例えば、0)に切換わるまでの区間である。TP2は、切換ゲインKwが第2の値(例えば、0)に切換わってから加速終了するまでの区間である。TP3は加速終了から減速開始までの区間である。TP4は、減速開始からKwが第2の値(例えば、0)から第1の値(例えば、1)に切換わるまでの区間である。TP5は切換ゲインKwが第1の値(例えば、1)に切換わってから停止するまでの区間である。
例えば、切換ゲインKwが第1の値(例えば、1)から第2の値(例えば、0)に切換わる加速時の動作は次のようになる。区間TP1から区間TP2に移行する際、積分項に数式11で示す補償量Δωrに応じた加算量α=+Δωrを加算する。これにより、図5に示すように、推定速度ωr^の連続性を保持できる。積分項は、区間TP2以降において、速度推定のPI制御器に設定された応答性で整定する。例えば、加速度推定器13では、積分項に、数式11で示す補償量Δωrに応じた加算量αとして、+Δωrから徐々に(例えばPI制御器に設定された応答性で)0に近づいていく値を加算する。
例えば、切換ゲインKwが第2の値(例えば、0)から第1の値(例えば、1)に切換わる減速時の動作は次のようになる。区間TP4から区間TP5に移行する際、積分項に数式11で示す補償量Δωrに応じた加算量α=−Δωrを加算する。これにより、図5に示すように、推定速度ωr^の連続性を保持できる。積分項は、区間TP5以降において、速度推定のPI制御器に設定された応答性で整定する。例えば、加速度推定器13では、積分項に、数式11で示す補償量Δωrに応じた加算量αとして、−Δωrから徐々に(例えば、PI制御器に設定された応答性で)0に近づいていく値を加算する。
このような作用により、切換ゲインKw切換時の速度推定の不連続を抑制でき、滑らかな加減速を実現することができる。
ここで、仮に、適応観測手段33が積分加算量演算器15を有しない場合を考える。この場合、例えば、適応観測手段33において速度制御器13が推定速度ωr^’を演算すると、切換ゲインKwが第1の値(例えば、1)から第2の値(例えば、0)に切換わる加速時に、例えば数式10に示すように、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を含む項が瞬時に消失し、図5に一点鎖線で示すように、区間TP1から区間TP2にかけて推定速度ωr^’の不連続性が増大する可能性がある。あるいは、例えば、適応観測手段33において速度制御器13が推定速度ωr^’を演算すると、切換ゲインKwが第2の値(例えば、0)から第1の値(例えば、1)に切換わる加速時に、例えば数式10に示すように、消失していたdq軸2次磁束ベクトルφrL^を含む項が瞬時に出現し、図5に一点鎖線で示すように、区間TP4から区間TP5にかけて推定速度ωr^’の不連続性が増大する可能性がある。
それに対して、実施の形態1では、交流回転機Mの制御装置100において、適応観測手段33が積分加算量演算器15を有する。積分加算量演算器15及び速度推定器13は、切換ゲインが切換わる際に生じる推定速度の変動分を補償する。例えば、積分加算量演算器15は、切換ゲインKwが切換わる際に生じる推定速度ωr^’の変動分を補償するように補償量Δωrを演算し、補償量Δωrを用いて加算量αを生成して速度推定器13へ供給する。これにより、速度推定器13が、比例積分制御を行い比例積分制御の結果における積分項に加算量αを加算して推定速度ωr^を求めることができるので、推定速度ωr^の不連続性を抑制できる。したがって、切換ゲインKwの切換え時の速度推定の不連続を解消でき、滑らかな加減速を実現することができる。
また、実施の形態1では、交流回転機Mの制御装置100において、適応観測手段33が、検出電流ベクトルis=(id,iq)及び推定電流ベクトルis^の偏差ベクトルesを無くすように速度推定器(比例積分制御器)13で比例積分制御して速度を推定する。このとき、積分加算量演算器15は、切換ゲインKwが切換わる際に生じる推定速度ωr^’の変動分を補償するように補償量Δωrを演算し、補償量Δωrを用いて加算量αを生成して速度推定器13へ供給する。速度推定器13は、比例積分制御器13aの積分項に推定速度の変動分を加算し、比例積分制御器13aに設定された応答性で整定させる。これにより、切換ゲインKwの切換え時における推定速度ωr^の連続性を向上できる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2にかかる交流回転機Mの制御装置200について説明する。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、積分加算量演算器15により演算した加算量αを比例積分制御器13aに設定された応答性で整定させているが、実施の形態2では、加算量α自体に任意の減衰特性を持たせる。
具体的には、制御装置200の適応観測手段233は、適応観測器11(図2参照)に代えて、図6に示すような適応観測器211を有する。適応観測器211は、速度推定器13(図2参照)に代えて速度推定器213を有し、加算器218及び減衰器219をさらに有する。図6は、適応観測器211の内部構成を示す図である。
速度推定器213は、例えば、加算器13b及び整定器13cを有しない。例えば、速度推定器213の比例積分制御器13aは、比例積分制御を行い、求めた推定速度ωr^’を加算器218に供給する。
減衰器219は、積分加算量演算器15によって得られた加算量αに任意の減衰特性を与え、減衰された加算量α’を加算器218に出力する。
加算器218は、推定速度ωr^’と減衰された加算量α’とを加算して、推定速度ωr^を作成する。加算器218は、推定速度ωr^を、磁束・電流推定器12及びKw演算器14に供給するとともに、交流回転機制御手段31の速度制御器2に出力する。
例えば、減衰器219を数式12で示す1次遅れ要素とした場合の動作について説明する。図7に、横軸を時間にとった場合の加算量α’の動作を示す。切換時刻Tkにおいて減衰器219に加算量αが与えられ、その後は、減衰器219が加算量αを数式12に示す特性で減衰させる。減衰器219で減衰された加算量α’は、速度推定器213の出力(すなわち、推定速度ωr^’)に加算され、推定速度ωr^が作成される。
Figure 2014171009
数式12において、τは時定数、sはラプラス演算子である。
あるいは、例えば、減衰器219を直線減衰特性とした場合の動作について説明する。図8に、減衰器219を直線減衰特性とした場合の減衰された加算量α’の動作を示す。切換時刻Tkにおいて減衰器219に加算量αが与えられ、その後は、減衰器219が加算量αを任意の減衰時間βで直線的に0まで減衰させる。減衰器219で減衰された加算量α’は、速度推定器213の出力(すなわち、推定速度ωr^’)に加算され、推定速度ωr^が作成される。
このような作用により、切換ゲインKwの切換時の速度推定の不連続を解消でき、滑らかな加減速を実現することができる。
以上のように、実施の形態2では、交流回転機Mの制御装置200において、適応観測手段233が、入力された信号を任意の特性で減衰させる減衰器219を有する。減衰器219は、加算量αを任意の減衰特性で減衰させて加算器218に供給する。加算器218は、速度推定器213で演算された推定速度ωr^’に、減衰器219で減衰された加算量α’を加算して、推定速度ωr^を求める。これにより、推定速度ωr^の不連続性をさらに抑制できる。
また、実施の形態2では、適応観測手段233において、減衰器219が、例えば、1次遅れ特性を有する。これにより、速度推定器213で演算された推定速度ωr^’に1次遅れ特性で減衰された加算量α’を加算して、推定速度ωr^を求めることができる。したがって、推定速度ωr^の不連続性が1次遅れ特性に対応したものである場合に、推定速度ωr^の不連続性を効果的に抑制できる。
また、実施の形態2では、適応観測手段233において、減衰器219が、例えば、直線減衰特性を有する。これにより、速度推定器213で演算された推定速度ωr^’に減衰器219で直線減衰特性で減衰された加算量α’を加算して、推定速度ωr^を求めることができる。したがって、減衰器219を簡易に構成できる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3にかかる交流回転機Mの制御装置300について説明する。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、積分加算量演算器15により演算した加算量αを、速度推定器13の比例積分制御器13aの積分項に加算することで推定速度ωr^の連続性の確保を図っているが、実施の形態3では、切換ゲインKw自体に連続性を付与する。
具体的には、制御装置300の適応観測手段333は、適応観測器11(図2参照)に代えて、図9に示すような適応観測器311を有する。適応観測器311は、速度推定器13(図2参照)に代えて速度推定器313を有し、積分加算量演算器15を有さず、連続特性付与器320をさらに有する。図9は、適応観測器311の内部構成を示す図である。
連続特性付与器320は、入力される切換ゲインKwを時間的に連続に変化させる連続特性を付与するものであり、その出力を、連続特性が付与された切換ゲインKwfilとする。連続特性付与器320により切換ゲインKwに付与される連続特性は、切換ゲインKwに時間的な連続性を与える特性であればなんでも良い。例として、数式12及び図7に示す1次遅れ特性や、図8に示すような切換ゲインKwfilの切換時点から時間に比例し直線的に変化する特性がある。
また、速度推定器313は、例えば、加算器13b及び整定器13cを有しない。例えば、速度推定器313の比例積分制御器313aは、例えば数式13に示す比例積分制御を行い、推定速度ωr^を求める。数式13は、切換ゲインKwを切換ゲインKwfilに変更している点が数式10と異なる。
Figure 2014171009
図10に連続特性付与器320の特性を1次遅れ特性とした場合の主要変数の動作を示す。切換ゲインKwの値がステップ状に変化する切り換え点において、連続特性が付与された切換ゲインKwfilは、1次遅れ特性で連続的に変化する。これにより、数式13におけるdq軸2次磁束ベクトルφrL^を含む項を連続的に変化させることができる。
このような作用により、dq軸2次磁束ベクトルφrL^分の推定速度を連続的に変化させることができるため、切換ゲインKwの切換時の速度推定の不連続を解消でき、滑らかな加減速を実現することができる。
以上のように、実施の形態3では、交流回転機Mの制御装置300において、適応観測手段333が、入力された信号に時間的連続特性を付与する連続特性付与器320を有する。連続特性付与器320は、切換ゲインKwに時間的な連続特性を付与して、連続特性が付与された切換ゲインKwfilを速度推定器313へ供給する。これにより、速度推定器313の比例積分制御器313aは、連続特性が付与された切換ゲインKwfilを用いて比例積分制御を行い、推定速度ωr^を求めることができる。この結果、推定速度ωr^の不連続性を抑制できる。
また、実施の形態3では、交流回転機Mの制御装置300において、適応観測手段333の連続特性付与器320の特性が、例えば、1次遅れ特性である。これにより、1次遅れ特性の連続特性が付与された切換ゲインKwfilを用いて比例積分制御を行い、推定速度ωr^を求めることができる。したがって、推定速度ωr^の不連続性が1次遅れ特性に対応したものである場合に、推定速度ωr^の不連続性を効果的に抑制できる。
また、実施の形態3では、交流回転機Mの制御装置300において、適応観測手段333の連続特性付与器320の特性が、例えば、直線特性である。これにより、連続特性付与器320で直線特性の連続特性が付与された切換ゲインKwfilを用いて比例積分制御を行い、推定速度ωr^を求めることができる。したがって、連続特性付与器320を簡易に構成できる。
以上のように、本発明にかかる交流回転機の制御装置は、交流回転機の制御に有用である。
5 電圧印加手段、31 交流回転機制御手段、32 2次磁束ベクトル演算手段、33,233,333 適応観測手段、100,200,300 制御装置、M 交流回転機。
特許文献1には、同期電動機の制御装置において、適応オブザーバが、回転軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令、q軸電圧指令、d軸電流、及びq軸電流に基づいて回転子の角周波数を求めて出力し、積分器が回転子の角周波数を積分して回転子の回転位置を求めて出力することが記載されている。これにより、特許文献1によれば、適応オブザーバを回転軸座標上で構成しているので、高い回転速度で運転する時でも適応オブザーバに入力される電圧の周波数成分を直流にでき、安価な計算機を用いる場合であっても、高い回転速度で同期電動機を制御できるとされている。
積分器7は、推定1次角周波数ω1を適応観測器11から受ける。積分器7は、推定1次角周波数ω1を積分して推定回転位置θ1を求める。積分器7は、推定回転位置θ1を、交流回転機制御手段31の3相/2相変換器8、2相/3相変換器4、及び2次磁束ベクトル演算手段32の減算器22へそれぞれ供給する。
速度推定器3は、数式10に示すPI制御(比例積分制御)を行い、比例積分制御の結果における積分項(数式10における1/sに関連した項)に数式11に示す加算量αを加算して、推定速度ωr^を求める。
ここで、仮に、適応観測手段33が積分加算量演算器15を有しない場合を考える。この場合、例えば、適応観測手段33において速度推定器13が推定速度ωr^’を演算すると、切換ゲインKwが第1の値(例えば、1)から第2の値(例えば、0)に切換わる加速時に、例えば数式10に示すように、dq軸2次磁束ベクトルφrL^を含む項が瞬時に消失し、図5に一点鎖線で示すように、区間TP1から区間TP2にかけて推定速度ωr^’の不連続性が増大する可能性がある。あるいは、例えば、適応観測手段33において速度推定器13が推定速度ωr^’を演算すると、切換ゲインKwが第2の値(例えば、0)から第1の値(例えば、1)に切換わる加速時に、例えば数式10に示すように、消失していたdq軸2次磁束ベクトルφrL^を含む項が瞬時に出現し、図5に一点鎖線で示すように、区間TP4から区間TP5にかけて推定速度ωr^’の不連続性が増大する可能性がある。

Claims (8)

  1. 交流回転機位置情報を用いて、検出電流ベクトルを電流指令ベクトルに一致させるように電圧指令ベクトルを作成する交流回転機制御手段と、
    前記電圧指令ベクトルに基づき、交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記交流回転機における2次磁束ベクトルを演算する2次磁束ベクトル演算手段と、
    前記電圧指令ベクトル、前記検出電流ベクトル、及び前記2次磁束ベクトルに応じて、推定回転位置、及び推定速度を求めて出力する適応観測手段と、
    を備え、
    前記適応観測手段は、前記2次磁束ベクトルの使用の有無を切換ゲインで切換可能であり、
    前記適応観測手段は、前記切換ゲインが切換わる際に生じる推定速度の変動分を補償する補償手段を有する
    ことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  2. 前記適応観測手段は、
    前記検出電流ベクトル及び推定電流ベクトルの偏差ベクトルを無くすように比例積分制御器で比例積分制御して速度を推定し、
    前記補償手段は、前記比例積分制御器の積分項に前記推定速度の変動分に対応する加算量を加算する際に、前記加算量を前記比例積分制御器に設定された応答性で整定させる整定手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  3. 前記適応観測手段は、入力された信号を任意の特性で減衰させる減衰器を有し、
    前記補償手段は、前記推定速度の変動分に対応する加算量が前記減衰器により減衰された加算量を推定速度に加算する加算手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  4. 前記減衰器は、1次遅れ特性を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の交流回転機の制御装置。
  5. 前記減衰器は、直線減衰特性を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の交流回転機の制御装置。
  6. 前記適応観測手段は、入力された信号に時間的連続特性を付与する連続特性付与器を有し、
    前記補償手段は、前記切換ゲインに前記連続特性付与器により時間的連続特性を付与する
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  7. 前記連続特性付与器の特性は、1次遅れ特性である
    ことを特徴とする請求項6に記載の交流回転機の制御装置。
  8. 前記連続特性付与器の特性は、直線特性である
    ことを特徴とする請求項6に記載の交流回転機の制御装置。
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