JPWO2014157724A1 - 発熱組成物及び使い捨てカイロ - Google Patents
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Abstract
空気の存在下で発熱するとともに、芳香を発することができる発熱組成物と、これを用いた使い捨てカイロを提供することを課題とする。被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤と、芳香成分を含有するとともに、空気の存在下で発熱する発熱組成物において、炭素成分として、カーボンブラック又はグラファイトからなる平均粒径10〜100nmの導電性炭素物質を用い、これを発熱組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2となる量で用いて発熱組成物とし、この発熱組成物を、通気性を有する袋体に収納して使い捨てカイロとする。
Description
この発明は、空気の存在下で発熱する発熱組成物と、この発熱組成物を備えた使い捨てカイロに関するものである。
より具体的には、空気の存在下で発熱するとともに、芳香を発することができる発熱組成物と、香り付きの使い捨てカイロに関するものである。
より具体的には、空気の存在下で発熱するとともに、芳香を発することができる発熱組成物と、香り付きの使い捨てカイロに関するものである。
従来、発熱組成物もしくは発熱組成物を収容する通気性袋体に、芳香成分を添加した香り付き使い捨てカイロが知られている。
しかしながら、従来の香り付き使い捨てカイロでは、製造から使用開始までの間に、発熱組成物中に含まれる活性炭が芳香成分を吸着してしまい、開封時にはほとんど芳香がしないという問題点があった。
しかしながら、従来の香り付き使い捨てカイロでは、製造から使用開始までの間に、発熱組成物中に含まれる活性炭が芳香成分を吸着してしまい、開封時にはほとんど芳香がしないという問題点があった。
かかる現状に鑑み、香りが、活性炭に吸着されないように対策がなされた、発熱組成物や香り付き使い捨てカイロが、特許文献1〜4において提案されている。
例えば、特開2007−236725号公報(特許文献1)では、繊維層、通気性シート層、発熱組成物層、通気性又は非通気性シート層、粘着層及び離型シート層をこの順で具備し、発熱組成物層は通気性シート層と通気性又は非通気性シート層とで形成された袋体の内部に封入されている発熱構造物であって、前記繊維層が香気、鎮痒、消炎、鎮痛、消臭、抗酸化、抗菌又は殺菌成分を内包するマイクロカプセルを具備している発熱構造物が提案されている。
特開2010−046262号公報(特許文献2)では、通気性を有する偏平状袋内に空気の存在下で酸化発熱する発熱組成物を封入してなる使い捨てカイロであって、前記偏平状袋の全面、片面、又は一部に、カプセル容器にアロマオイルを閉じ込めてなるマイクロカプセルの塗膜が形成され、前記カプセル容器は、前記アロマオイルの芳香を容器内に抑え込める遮蔽性を有し、かつ前記偏平状袋を手揉みすることにより破壊され芳香を逃すカプセル強度を有する香り付き使い捨てカイロが提案されている。
特開2010−051690号公報(特許文献3)では、被酸化性金属及び活性炭を含む発熱部と、少なくとも一部に通気性を有し、かつ該発熱部を収容する袋体とを備え、特定の成分Aを含む香料組成物によって賦香されている発熱具が提案されている。
この特許文献3においては、前記発熱具の特定の成分Aは、鎖状モノテルペンアルコール類、セスキテルペンアルコール類、モノテルペンアルコールもしくは脂環式アルコールの酢酸エステル類、ジヒドロジャスモン酸メチル、ヨノン、又はダマスコンであって、これらを用いることで、温熱具の使用時における香り立ちが十分になり、保存中の香りの変化を効果的に防止し得る、としている。
さらに、特開2011−160885号公報(特許文献4)では、被酸化性金属及び活性炭を含む発熱部と、少なくとも一部に通気性を有し、かつ前記発熱部を収容する袋体とを備え、特定の成分Aと成分Bを含有する香料組成物によって賦香されるもので、成分A及び成分Bの質量の総和と、活性炭の質量との比率[(成分A+成分B)/活性炭]が0.04〜0.2である発熱具が提案されている。
この特許文献4において、前記発熱具における特定の成分Aは、環状エーテル構造を有するモノテルペノイドで、特定の成分Bは、環状ケトン構造を有するモノテルペノイドであって、これらを活性炭に対して特定比率にて含有させることで、保存中の清涼感の質の変化を効果的に防止し、清涼感が維持され、発熱具の使用時における清涼感と、刺激感のバランスが非常に良好となる、としている。
前記特許文献1に記載されている発熱構造物、及び特許文献2に記載されている香り付き使い捨てカイロでは、香料を内包させたマイクロカプセルが袋体表面に保持され、使用時にこすることで芳香が開始される構成となっている。
したがって、製造時において、香料をマイクロカプセルに内包させるため、あるいはマイクロカプセル化した香料を袋体の表面に保持させるために、多数の工程が必要となる。
したがって、製造時において、香料をマイクロカプセルに内包させるため、あるいはマイクロカプセル化した香料を袋体の表面に保持させるために、多数の工程が必要となる。
その上、マイクロカプセルの強度が強すぎれば手で擦っても破壊できず、逆に弱すぎれば製造時だけでなく、輸送中あるいは保管中にもマイクロカプセルが破壊されてしまうおれがあって、適切な強度に調整して製造するのが難しいという欠点があった。
さらに、使用時に際し、擦る力が不十分な場合には、マイクロカプセルを破壊できず、芳香が開始しないおそれがある。
特に、下着等に貼って使用するタイプのカイロの場合では、衣服の内側にあるカイロの表面を擦るといった使用方法は、非常に不便である。
特に、下着等に貼って使用するタイプのカイロの場合では、衣服の内側にあるカイロの表面を擦るといった使用方法は、非常に不便である。
特許文献3及び4に記載されている発熱具では、香料ないし香料組成物として選択・使用される成分は、特定の成分に限定されるため、香料ないし香料組成物の選択には制限があるので、好みの香料を使用できないという欠点があった。
この発明はかかる現状に鑑み、所望の香料等の芳香成分を用いて容易に製造でき、使用時においては、空気の存在下で発熱するとともに、芳香成分を吸着することなく、袋体を開くだけで所望の芳香を発することができる発熱組成物と、使い捨てカイロについて鋭意検討した。
その結果、従来用いられていた活性炭に代えて、特定の平均粒径を持つ導電性炭素物質を、香料を吸着する表面積が特定範囲になる量だけ用いることで、炭素成分として香料を吸着する表面積を小さくし、芳香成分の吸着を極力抑制しつつも、使い捨てカイロの発熱性能を維持できる発熱組成物を見出した。
すなわち、この発明は、所望の香料を用いて容易に製造することができ、使用時においては、袋を開くだけで芳香を発する発熱組成物と、この発熱組成物を用いた使い捨てカイロを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤と、芳香成分を含有し、空気の存在下で発熱する発熱組成物であって、
前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmである導電性炭素物質であって、その含有量は、前記発熱組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2 であることを特徴とする発熱組成物である。
前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmである導電性炭素物質であって、その含有量は、前記発熱組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2 であることを特徴とする発熱組成物である。
この発明の請求項2に記載の発明は、請求項1における発熱組成物において、前記導電性炭素物質は、カーボンブラック又はグラファイトであることを特徴とするものである。
この発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2における発熱組成物において、前記導電性炭素物質の比表面積は、10〜400m2/gであることを特徴とするものである。
この発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発熱組成物において、前記導電性炭素物質は、前記発熱組成物全体に対し、0.1〜10質量%含有されていることを特徴とするものである。
この発明の請求項5に記載の発明は、被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmである導電性炭素物質で、その含有量は、組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2となる量であって、空気の存在下で発熱する発熱組成物と、
少なくとも一部に通気性を有し、かつ前記発熱組成物を収容する袋体と、
前記発熱組成物及び/又は袋体に添加される芳香成分を備えることを特徴とする使い捨てカイロである。
少なくとも一部に通気性を有し、かつ前記発熱組成物を収容する袋体と、
前記発熱組成物及び/又は袋体に添加される芳香成分を備えることを特徴とする使い捨てカイロである。
この発明にかかる発熱組成物は、炭素成分として、特定の平均粒径を有する導電性炭素物質を選択し、かつ特定量の発熱組成物中の香料吸着表面積を特定しているので、良好な発熱性能が得られ、製造から使用開始までの間に芳香成分を吸着してしまうことなく、発熱時に所望の芳香を発することができる。
特に、この発明の発熱組成物は、製造の際、マイクロカプセル化等の特別な加工を必要とせず、所望の芳香成分を発熱組成物及び/又は発熱組成物を収容する袋体(通気性袋体)に添加するだけで、芳香を発することができる発熱体ないし使い捨てカイロを容易に製造できる。
その際、この発明では、炭素成分として、発熱有効表面積が大きい導電性炭素物質を使用するので、芳香成分の吸着を抑える目的で炭素成分の香料吸着表面積を小さくするために、その含有量を減らしても、酸化反応における炭素成分の触媒作用に影響を与えず、良好な発熱性能が得られる。
以下、この発明にかかる発熱組成物及び使い捨てカイロの実施の形態を、具体的に説明するが、この発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。
この発明の発熱組成物は、被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、空気の存在下で発熱するものであって、使い捨てカイロに用いられるものである。
この発明の発熱組成物について説明する前に、被酸化性金属粉末として鉄粉を用いた場合の発熱のメカニズムを、図1に基づいて説明する。
図1に示すように、電子が鉄粉から炭素成分へ流れて、炭素成分の表面で酸素の還元が行われている。
その際、炭素成分の不存在下で、反応が進行する場合も考えられる。
この場合には、鉄粉の表面で酸素の還元が起こっていると考えられ、この酸素の還元反応の速度が遅いため、発熱がわずかしか起こらない。
図1に示すように、電子が鉄粉から炭素成分へ流れて、炭素成分の表面で酸素の還元が行われている。
その際、炭素成分の不存在下で、反応が進行する場合も考えられる。
この場合には、鉄粉の表面で酸素の還元が起こっていると考えられ、この酸素の還元反応の速度が遅いため、発熱がわずかしか起こらない。
一方、炭素成分が存在する場合には、炭素成分が酸素の還元反応を起こす電池の正極と同様の役割をすることから、触媒的に反応を促進していると考えられる。
このように、炭素成分は、被酸化性金属粉末の酸化反応において、反応をスムーズに進行させるために重要な役割を担っている。
このように、炭素成分は、被酸化性金属粉末の酸化反応において、反応をスムーズに進行させるために重要な役割を担っている。
通常、発熱体ないし使い捨てカイロに含まれている活性炭は、多数の細孔を有する比表面積の非常に大きな物質で、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔の大きさの異なる3種類の細孔を有する。
したがって、幅広い成分に対して高い吸着性能を持つため、これを香り付き使い捨てカイロ用として芳香成分とともに使用した場合には、使用開始までに芳香成分を吸着してしまう。
したがって、幅広い成分に対して高い吸着性能を持つため、これを香り付き使い捨てカイロ用として芳香成分とともに使用した場合には、使用開始までに芳香成分を吸着してしまう。
この比表面積の大きさに起因する芳香成分の吸着を抑制するには、発熱組成物中に含まれる活性炭の含有量を減らすことで、芳香成分の吸着に使用される表面積を減らすことが考えられる。
しかしながら、活性炭の使用量を減らすことで、芳香成分の吸着は減らすことができるものの、前記したように、炭素成分としての活性炭は被酸化性金属粉末の酸化反応をスムーズに進行させるための触媒的な役割も担っているので、使い捨てカイロとして十分な発熱性能を得るためには、活性炭を一定以上含有させる必要がある。
そのため、炭素成分として、活性炭を使用する場合には、単に活性炭の含有量を減らして芳香成分の吸着を抑える方法では、使い捨てカイロとして望まれる発熱性能が得ることができない。
そこで、この発明においては、従来用いられていた活性炭の代わりに炭素成分として、電子の流れ易さから導電性の高い炭素物質である導電性炭素物質を選択し、特定の平均粒径を有するものに限定するとともに、これを、香料等の芳香成分を吸着する表面積が特定の範囲になるような量で用いる。
このような炭素成分を選択することで、炭素成分における芳香成分の吸着を極力抑制しつつ、発熱体ないし使い捨てカイロとしての発熱性能を維持できる。
このような炭素成分を選択することで、炭素成分における芳香成分の吸着を極力抑制しつつ、発熱体ないし使い捨てカイロとしての発熱性能を維持できる。
すなわち、この発明では、炭素成分として導電性炭素物質を用いるものである。
前記導電性炭素物質として、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。
前記導電性炭素物質として、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。
前記発熱(酸化反応)のメカニズムによれば、被酸化性金属粉末粒子と炭素成分の間で電子の授受を行うため、被酸化性金属粉末粒子と炭素成分が充分に接している必要があることが分かる。
したがって、被酸化性金属粉末と良好な接触状態を形成するため、炭素成分の平均粒径は10〜100nmであること、より好ましくは平均粒径19〜78nmである。
したがって、被酸化性金属粉末と良好な接触状態を形成するため、炭素成分の平均粒径は10〜100nmであること、より好ましくは平均粒径19〜78nmである。
この発明では、前記炭素成分として、被酸化性金属粉末粒子に対し、相対的に小さい粒子を用いることで、炭素成分の表面の略全てを通電に使用できる発熱有効表面とすることが可能となっている。
炭素成分として、平均粒径が100nmを超える大きい粒子を用いた場合には、被酸化性金属粉末粒子と炭素成分の接触状態が悪くなる。
また、被酸化性金属粉末粒子と接している、炭素成分の表面の一部分しか通電に使用できず、発熱有効表面積が小さくなるばかりか、酸化反応をスムーズに進行させるために、より多くの炭素成分が必要になることから、コストや使用感の面から好ましくない。
また、被酸化性金属粉末粒子と接している、炭素成分の表面の一部分しか通電に使用できず、発熱有効表面積が小さくなるばかりか、酸化反応をスムーズに進行させるために、より多くの炭素成分が必要になることから、コストや使用感の面から好ましくない。
前記炭素成分の平均粒径が小さすぎる場合、製造時の粉末の飛散や通気性袋体からの漏れ等の懸念があるため、炭素成分として、平均粒径が10nm未満の小さい粒子を用いることは、好ましくない。
この発明においては、前記炭素成分の発熱有効表面積(炭素成分が被酸化性金属粉末と接触することが可能な表面積)を考慮して、平均粒径が10〜100nmの導電性炭素物質を使用している。
そのため、芳香成分の吸着を抑える目的で炭素成分の香料吸着表面積を小さくし、その含有量を減らしても、酸化反応における炭素成分の触媒作用に影響を与えないで、良好な発熱性能が得られる。
なお、上記平均粒径は一次粒子径であり、例えば電子顕微鏡観察により20粒子以上の粒子径を測定し、その平均により得られる。
そのため、芳香成分の吸着を抑える目的で炭素成分の香料吸着表面積を小さくし、その含有量を減らしても、酸化反応における炭素成分の触媒作用に影響を与えないで、良好な発熱性能が得られる。
なお、上記平均粒径は一次粒子径であり、例えば電子顕微鏡観察により20粒子以上の粒子径を測定し、その平均により得られる。
さらに、この発明の発熱組成物では、前記炭素成分を、香料等の芳香成分を吸着する可能性がある表面積(以下、香料吸着表面積とも称する)が、特定の範囲になるような量で用いる。
この発明において、「香料吸着表面積」とは、芳香成分を吸着する可能性がある表面積を意味し、下記式により求めることができる。
香料吸着表面積(m2/g)=導電性炭素物質の比表面積(m2/g)×発熱組成物中の導電性炭素物質の含有量(g)/発熱組成物の総重量(g)
香料吸着表面積(m2/g)=導電性炭素物質の比表面積(m2/g)×発熱組成物中の導電性炭素物質の含有量(g)/発熱組成物の総重量(g)
なお、比表面積については、例えば、BET吸着法により測定でき、この発明における比表面積の値は、特定の成分の場合を除き、この方法で測定したものである。
この発明において使用される導電性炭素物質の含有量は、組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2となる量であって、より好ましくは1.2〜7.3m2となる量である。
したがって、この発明においては、前記のような特定の範囲の表面積を有する導電性炭素物質を炭素成分として使用するため、前記導電性炭素物質が、製造から使用開始までの間に香料等の芳香成分を吸着してしまうことがない。
したがって、この発明においては、前記のような特定の範囲の表面積を有する導電性炭素物質を炭素成分として使用するため、前記導電性炭素物質が、製造から使用開始までの間に香料等の芳香成分を吸着してしまうことがない。
前記導電性炭素物質の比表面積については、使用される導電性炭素物質の含有量は、発熱組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2となる量となればよく、適宜選択すればよいが、好ましくは10〜400m2/gである。
なお、前記導電性炭素物質の含有量については、前記特定の香料吸着表面積の範囲内にあればよいが、発熱組成物全体に対して、0.1〜10質量%、より好ましくは1〜7質量%である。
0.1質量%未満では、発熱体ないし使い捨てカイロとして充分な発熱性能を得ることができず、逆に10質量%を超えて含有しても、酸化反応がそれ以上促進されることはないので、不経済となる傾向にある。
0.1質量%未満では、発熱体ないし使い捨てカイロとして充分な発熱性能を得ることができず、逆に10質量%を超えて含有しても、酸化反応がそれ以上促進されることはないので、不経済となる傾向にある。
なお、前記導電性炭素物質は、純度90%以上のものを用いた場合には、従来用いられていた活性炭よりも使用量を減らすことができ、発熱組成物の量を少なくできるので、充填が容易で、使用時に嵩張らず使い勝手が良く、経済性にも優れる。
この発明において使用される被酸化性金属粉末については、空気中の酸素と容易に反応し、この反応の際に発熱するものであればよく、特に制限はない。
例えば、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、いもの鉄粉等が挙げられる。
前記鉄粉として、活性鉄粉、例えば、特許第3341020号公報に記載されている活性鉄粉を、少量用いることもできる。
発熱組成物中における被酸化性金属粉末の含有量は、通常30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上であり、また通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
例えば、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、いもの鉄粉等が挙げられる。
前記鉄粉として、活性鉄粉、例えば、特許第3341020号公報に記載されている活性鉄粉を、少量用いることもできる。
発熱組成物中における被酸化性金属粉末の含有量は、通常30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上であり、また通常80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
この発明において使用される無機電解質は、電解質溶液の形態で発熱組成物に添加することができる。
このような電解質溶液としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の水溶液が挙げられる。
発熱組成物中における無機電解質の含有量は、通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
このような電解質溶液としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の水溶液が挙げられる。
発熱組成物中における無機電解質の含有量は、通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、また通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
この発明において使用される保水剤としては、例えば、シリカ、バーミキュライト、吸水性ポリマー、木粉等が挙げられる。
前記吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸塩架橋物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、架橋ポリアルキレンオキシド、水溶性セルロースエーテル、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ペクチン、アクリルスルホン酸系高分子物質、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
発熱組成物中における保水剤の含有量は、通常2質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また通常30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
発熱組成物中における保水剤の含有量は、通常2質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また通常30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
この発明において使用される芳香成分については、常温もしくは発熱組成物による発熱温度程度で揮散するものであれば、特に限定されない。
前記芳香成分としては、例えば、ベンズアルデヒド、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、リナロール、リモネン、メントール、酢酸リナリル、アミルシンナミックアルデヒド、アンスラニン酸メチル、イソオイゲノール、カプロン酸アリル、酢酸イソブチル、酢酸ベンジル、サリチル酸イソアミル、シトラール、デシルアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、酢酸イソアミル等を成分とする香料や、芳香消臭効果のある植物精油、例えば、ビターアーモンド油、ヒノキ油、ナツメグ油、ゼラニウム油、ラベンダー油、ライム油、ペパーミント油、ベチパー油、スウィートオレンジ油、タイム油等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記芳香成分の添加については、特に困難はなく、発熱組成物中に混合してもよく、あるいは当該発熱組成物を封入する通気性袋体に添加してもよい。
前記芳香成分の含有量は、0.1〜3質量%で、より好ましくは0.5〜2.5質量%である。
前記芳香成分を発熱組成物中に添加する方法については、特に困難はなく、従来から使用されている方法を採用すればよい。
例えば、前記芳香成分を紙や、ケイ酸カルシウム等の賦形剤に保持させたものを、他の原料と混合する方法を採用することができる。
例えば、前記芳香成分を紙や、ケイ酸カルシウム等の賦形剤に保持させたものを、他の原料と混合する方法を採用することができる。
前記芳香成分を通気性袋体に添加する場合には、例えば、前記芳香成分を適当なバインダーに混合し、これを袋体に塗布してもよく、あるいは通気性袋体の一面を形成する粘着剤中に添加することも可能である。
このような粘着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系粘着剤、メタアクリル酸n−ブチル等のアクリル系粘着剤が挙げられる。
このような粘着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系粘着剤、メタアクリル酸n−ブチル等のアクリル系粘着剤が挙げられる。
この発明の発熱組成物には、この発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分以外の他の成分を適宜添加することができる。
このような成分としては、例えば、水素発生抑制剤が挙げられる。
なお、発熱組成物に含有される水は、蒸留水、水道水ともに使用することができ、発熱組成物中における含有量は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
このような成分としては、例えば、水素発生抑制剤が挙げられる。
なお、発熱組成物に含有される水は、蒸留水、水道水ともに使用することができ、発熱組成物中における含有量は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
この発明の発熱組成物を、通気性袋体に収容し、使い捨てカイロとすることができる。
特に、従来の使い捨てカイロと同様、この発明の発熱組成物を、少なくとも一部に通気性を有する袋体(内袋)に収納し、さらに、この内袋を非通気性の包材からなる袋体(外袋)に密封包装し、使用時に内袋を外袋から取り出して用いることもできる。
特に、従来の使い捨てカイロと同様、この発明の発熱組成物を、少なくとも一部に通気性を有する袋体(内袋)に収納し、さらに、この内袋を非通気性の包材からなる袋体(外袋)に密封包装し、使用時に内袋を外袋から取り出して用いることもできる。
前記通気性袋体ないし内袋としては、例えば、ナイロン不織布と多孔質ポリエチレンを積層して形成した通気性シート体によって構成された通気性袋体や、最外層にナイロンを用い、その内側にポリエチレンフィルムを積層し、さらに、その内側に熱融着性のよい直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなるフィルムを積層して形成されたシート体により構成した通気性袋体を用いることができる。
なお、通気性袋体ないし内袋は、これらに限定されず、例えば、通気性フィルム、紙、不織布、織布等で構成することができる。
なお、通気性袋体ないし内袋は、これらに限定されず、例えば、通気性フィルム、紙、不織布、織布等で構成することができる。
前記通気性フィルムとしては、フィルム化できるものであって、延伸及び/又は可溶性充填剤の抽出、あるいは極細針による穿孔等の方法により、通気性を発現できるものであれば、特に限定されるものではない。
このような通気性フィルムとして、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、塩酸ゴム等が挙げられる。
これらのうち、ポリオレフィン系樹脂製のものが延伸等により、均質な通気性フィルムが得られるので好ましい。
これらのうち、ポリオレフィン系樹脂製のものが延伸等により、均質な通気性フィルムが得られるので好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等のホモポリマー又はコポリマー、あるいは、これらのブレンドポリマーを挙げることができる。
特に、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が、上記の観点から好ましい。
特に、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が、上記の観点から好ましい。
前記通気性袋体は、一方の面に粘着層を設けてもよい。
このような粘着層を形成するのに用いることができる粘着剤としては、下着や皮膚との接着性が良好なものであれば特に限定されるものではない。
このような粘着層を形成するのに用いることができる粘着剤としては、下着や皮膚との接着性が良好なものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、ビニル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、アクリル系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、テルペン樹脂あるいは水溶性ロジン等の粘着剤で形成された層が挙げられる。
粘着層を設ける場合には、使用前に粘着層が汚損するのを防止するため、剥離紙で被覆することが好ましい。
粘着層を設ける場合には、使用前に粘着層が汚損するのを防止するため、剥離紙で被覆することが好ましい。
前記非通気性の包材からなる袋体(外袋)を構成する材料としては、透明蒸着PETフィルム、二軸延伸ポリプロピレンプラスポリエチレンフィルムラミネートフィルムや、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ナイロン、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属泊ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルムの単独フィルム、又は他のフィルムとの貼り合せフィルムとポリエチレン、ポリプロピレン等の熱融着性フィルムとを貼合せた複合フィルムや多層フィルムを使用することができる。
これらのフィルムは、例えば、熱融着性フィルムの面が、互いに内側となるようにして重ね合わせ、周辺を加熱融着して袋体に成形される。
これらのフィルムは、例えば、熱融着性フィルムの面が、互いに内側となるようにして重ね合わせ、周辺を加熱融着して袋体に成形される。
以下、具体的な実施例によって、この発明の発熱組成物及びこれを備えた使い捨てカイロをより詳細に説明する。
なお、この発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、この発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜3並びに比較例1及び2>
1.製造方法
下記表1に示される炭素成分を使用して、下記表2に示される処方に基づき発熱組成物19gを調製し、これに、ラベンダー香料0.5gを含浸させたケイ酸カルシウムからなる芳香成分1gを混合して、発熱体原料(発熱組成物)20gを得た。
得られた原料を、ナイロン不織布とポリエチレンフィルムを積層して針穴をあけて形成した通気性シート体により構成した93mm×55mmの通気性袋体に封入した。
これをさらに、透明蒸着PETフィルムにより形成した非通気性外袋に密封して、香り付き使い捨てカイロを製造した。
1.製造方法
下記表1に示される炭素成分を使用して、下記表2に示される処方に基づき発熱組成物19gを調製し、これに、ラベンダー香料0.5gを含浸させたケイ酸カルシウムからなる芳香成分1gを混合して、発熱体原料(発熱組成物)20gを得た。
得られた原料を、ナイロン不織布とポリエチレンフィルムを積層して針穴をあけて形成した通気性シート体により構成した93mm×55mmの通気性袋体に封入した。
これをさらに、透明蒸着PETフィルムにより形成した非通気性外袋に密封して、香り付き使い捨てカイロを製造した。
<評価例1>
上記実施例1〜3ならびに比較例1および2において得られた発熱体原料(発熱組成物)について、下記方法により発熱立上り時間、すなわち、発熱開始から温度40℃に達するまでの時間(T分)を測定した。その結果を、表4に示す。
上記実施例1〜3ならびに比較例1および2において得られた発熱体原料(発熱組成物)について、下記方法により発熱立上り時間、すなわち、発熱開始から温度40℃に達するまでの時間(T分)を測定した。その結果を、表4に示す。
<測定方法>
上記実施例1〜3ならびに比較例1および2において得られたカイロを、それぞれ、あらかじめ測定室(温度25℃)に放置し、室温に馴染ませておいた。
その後、カイロを開封し、発熱を開始させた。
カイロをタオル(パイル生地、綿100%)で包み、カイロの表面温度を測定し、この温度が40℃に達するまでの時間を発熱立上り時間とした。
上記実施例1〜3ならびに比較例1および2において得られたカイロを、それぞれ、あらかじめ測定室(温度25℃)に放置し、室温に馴染ませておいた。
その後、カイロを開封し、発熱を開始させた。
カイロをタオル(パイル生地、綿100%)で包み、カイロの表面温度を測定し、この温度が40℃に達するまでの時間を発熱立上り時間とした。
<結 果>
実施例1〜3において得られたこの発明の発熱組成物は、いずれも炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である比較例2において得られた発熱組成物と、同等以上の発熱立上り特性を有することが分かる。
一方、比較例1において得られた発熱体原料(発熱組成物)は、芳香成分を吸着しないよう活性炭の量を減らして香料吸着表面積を調整したものである。
この調整により、比較例1において得られた発熱体原料では、芳香成分の吸着は抑制されているが、発熱性能は劣っている。
実施例1〜3において得られたこの発明の発熱組成物は、いずれも炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である比較例2において得られた発熱組成物と、同等以上の発熱立上り特性を有することが分かる。
一方、比較例1において得られた発熱体原料(発熱組成物)は、芳香成分を吸着しないよう活性炭の量を減らして香料吸着表面積を調整したものである。
この調整により、比較例1において得られた発熱体原料では、芳香成分の吸着は抑制されているが、発熱性能は劣っている。
<評価例2>
上記実施例1および比較例1において得られた発熱体原料について、炭素成分の配合割合を変えることにより、発熱組成物(19g)の香料吸着表面積を変化させて、下記方法により発熱立上り時間の測定を行った。
1/T(×100)と発熱組成物(19g)の香料吸着表面積の関係を表5、図2に示す。
上記実施例1および比較例1において得られた発熱体原料について、炭素成分の配合割合を変えることにより、発熱組成物(19g)の香料吸着表面積を変化させて、下記方法により発熱立上り時間の測定を行った。
1/T(×100)と発熱組成物(19g)の香料吸着表面積の関係を表5、図2に示す。
<結 果>
この発明の発熱組成物は、炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である比較例1において得られた発熱組成物よりも優れた発熱立上り特性を有することが分かる。
したがって、前記評価例1の場合と同様、香料の吸着を考慮して表面積を調整して活性炭を用いた場合には、使い捨てカイロとして不適当であることは明らかである。
この発明の発熱組成物は、炭素成分として活性炭を含む発熱組成物である比較例1において得られた発熱組成物よりも優れた発熱立上り特性を有することが分かる。
したがって、前記評価例1の場合と同様、香料の吸着を考慮して表面積を調整して活性炭を用いた場合には、使い捨てカイロとして不適当であることは明らかである。
<評価例3>
実施例1〜3において得られたカイロならびに比較例1および2において得られたカイロを温度50℃環境にて保存し、一定期間経過後、外袋を取り出し、匂いが確認できるか否かを検査した。
その結果を表6に示す。
実施例1〜3において得られたカイロならびに比較例1および2において得られたカイロを温度50℃環境にて保存し、一定期間経過後、外袋を取り出し、匂いが確認できるか否かを検査した。
その結果を表6に示す。
<結 果>
実施例1〜3において得られたこの発明のカイロは、いずれも匂いが確認できた。
一方、比較例2において得られたカイロでは、カーボンブラックと同じ量の活性炭を使用すると、芳香成分を吸着してしまい、期間が経過するごとに匂いが確認できないこととなった。
なお、比較例1において得られた発熱体原料では、芳香成分の吸着は抑制されているものの、発熱性能は劣っており、使い捨てカイロとして不適当であることは前記のとおりである。
実施例1〜3において得られたこの発明のカイロは、いずれも匂いが確認できた。
一方、比較例2において得られたカイロでは、カーボンブラックと同じ量の活性炭を使用すると、芳香成分を吸着してしまい、期間が経過するごとに匂いが確認できないこととなった。
なお、比較例1において得られた発熱体原料では、芳香成分の吸着は抑制されているものの、発熱性能は劣っており、使い捨てカイロとして不適当であることは前記のとおりである。
この発明の発熱組成物によれば、芳香のための香料を吸着する表面積が小さいので、製造から使用開始までの間に、芳香成分を吸着してしまうことがないので、使い捨てカイロのさらなる普及を図ることができる。
Claims (5)
- 被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤と、芳香成分を含有し、空気の存在下で発熱する発熱組成物であって、
前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmである導電性炭素物質で、その含有量は、前記発熱組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2 であることを特徴とする発熱組成物。 - 前記導電性炭素物質は、カーボンブラック又はグラファイトであることを特徴とする請求項1における発熱組成物。
- 前記導電性炭素物質の比表面積は、10〜400m2/gであることを特徴とする請求項1又は2における発熱組成物。
- 前記導電性炭素物質は、前記発熱組成物全体に対し、0.1〜10質量%含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発熱組成物。
- 被酸化性金属粉末と、無機電解質と、水と、炭素成分と、保水剤を含有し、前記炭素成分は、平均粒径10〜100nmである導電性炭素物質で、その含有量は、組成物1g当たりの香料吸着表面積が1.0〜7.4m2となる量であって、空気の存在下で発熱する発熱組成物と、
少なくとも一部に通気性を有し、かつ前記発熱組成物を収容する袋体と、
前記発熱組成物及び/又は袋体に添加される芳香成分を備えることを特徴とする使い捨てカイロ。
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---|---|
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JP2004204113A (ja) * | 2002-12-26 | 2004-07-22 | Nippon Alkyl Alum Kk | 発熱剤及びそれを用いる発熱体 |
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-
2014
- 2014-03-31 WO PCT/JP2014/059549 patent/WO2014157724A1/ja active Application Filing
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