JPWO2014155519A1 - 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 - Google Patents

無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014155519A1
JPWO2014155519A1 JP2015507735A JP2015507735A JPWO2014155519A1 JP WO2014155519 A1 JPWO2014155519 A1 JP WO2014155519A1 JP 2015507735 A JP2015507735 A JP 2015507735A JP 2015507735 A JP2015507735 A JP 2015507735A JP WO2014155519 A1 JPWO2014155519 A1 JP WO2014155519A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
power transmission
wireless
transmission
transmitters
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015507735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6172263B2 (ja
Inventor
昭嘉 内田
昭嘉 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Publication of JPWO2014155519A1 publication Critical patent/JPWO2014155519A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6172263B2 publication Critical patent/JP6172263B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/10Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using inductive coupling
    • H02J50/12Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using inductive coupling of the resonant type
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/40Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power using two or more transmitting or receiving devices
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J50/00Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power
    • H02J50/80Circuit arrangements or systems for wireless supply or distribution of electric power involving the exchange of data, concerning supply or distribution of electric power, between transmitting devices and receiving devices

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

複数の送電コイルを含み、前記送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムであって、前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握して、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する全体制御器を有し、前記全体制御器が、前記複数の送電コイルにおける少なくとも1つの送電コイルの送電出力を停止して送電グループを規定することにより、電力伝送を最適な状態で行うようにする。

Description

この出願で言及する実施例は、無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法に関する。
電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、強結合系の無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer) 技術は、一般に、電磁誘導,磁界共鳴,電界誘導および電界共鳴の4つの方式を利用している。
従来、ワイヤレス電力伝送技術としては、電磁誘導や電波を利用したものが提案され、例えば、電磁誘導を利用したワイヤレス電力伝送は、シェーバーや電動歯ブラシといった家電製品で実用化されている。
これに対して、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共鳴(磁界共振)や電界共鳴を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。
このような共鳴を用いたワイヤレス電力伝送では、送電器および受電器間の距離やそれぞれのサイズが異なっていても高い送電効率による電力伝送が可能である。さらに、複数の送電器の電力伝送範囲(送電電力圏)が重なる領域に受電器が位置する場合、各送電器の出力の強度および位相を最適化することにより、様々な姿勢の受電器に対して高い送電効率で無線による電力伝送を実現することができる。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2011−199975号公報 特開2008−283789号公報
内田 昭嘉他(UCHIDA Akiyoshi, et al.), "Phase and Intensity Control of Multiple Coil Currents in Resonant Magnetic Coupling," IMWS-IWPT2012, THU-C-1, pp.53-56, May 10-11, 2012 石崎 俊雄他(ISHIZAKI Toshio, et al.), "3-D Free-Access WPT System for Charging Movable Terminals," IMWS-IWPT2012, FRI-H-1, pp.219-222, May 10-11, 2012
前述したように、送電電力圏が重なる複数の送電器の出力における強度および位相を制御することにより、受電器の姿勢や位置に適した電力伝送を可能とすることができる。
しかしながら、送電器の数が多くなると、各送電器の出力における位相および強度の計算が複雑になる。すなわち、多数の送電器の送電電力圏が重なる領域に受電器が位置すると、その受電器に対して最適な電力伝送を行うには、多数の送電器を制御することになり、そのための計算に要する時間および資源が大きなものとなる。
そのため、送電電力圏が重なる複数の送電器および複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおいて、電力伝送を最適な状態で行うことの障害となることが懸念されている。さらに、例えば、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送システム、或いは、送電器および受電器の実用化の停滞を招く虞がある。
一実施形態によれば、複数の送電コイルを含み、前記送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムが提供される。
前記無線電力伝送システムは、前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握して、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する全体制御器を有する。
開示の無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法は、送電電力圏が重なる多数の送電器および複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおける電力伝送を最適な状態で行うことができるという効果を奏する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図2Aは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図2Bは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図3Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図3Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図3Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図3Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図4Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図4Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図4Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図5Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図5Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図である。 図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。 図8Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その3)である。 図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)である。 図10は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の一例を説明するための図である。 図11は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の他の例を説明するための図である。 図12は、本実施形態の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図13は、図12に示す本実施形態の無線電力伝送システムの切り替え動作を説明するための図である。 図14Aは、第1実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図14Bは、第2実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図14Cは、第3実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図15Aは、図14Aに示す第1実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図15Bは、図14Bに示す第2実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図15Cは、図14Cに示す第3実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図16は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器による送電器の出力制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図17は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器によるマスタ器の制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図18は、第1実施例の無線電力伝送システムの一変形例を示すブロック図である。 図19は、第1実施例の無線電力伝送システムの他の変形例を示すブロック図である。 図20は、図15Bに示す無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。
まず、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を詳述する前に、無線電力伝送システムの例、並びに、複数の送電器および受電器を含む関連技術の無線電力伝送システムを、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。図1において、参照符号1は一次側(送電側:送電器)を示し、2は二次側(受電側:受電器)を示す。
図1に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(送電共振コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(受電共振コイル)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図1に示されるように、送電器1と受電器2は、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴(電界共鳴)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、送電共振コイル11aから受電共振コイル21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲PR)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲CR)よりも短く設定される(PR<CR)。
また、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電電力圏)PRは、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図2A〜図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。ここで、図2Aおよび図2Bは、3コイル構成の例を示し、図2Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図1に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図2Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図2Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図2Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図2A〜図2Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図3A〜図3Dは、独立共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図であり、図4A〜図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図である。
ここで、図3A〜図3Dは、図1および図2Bにおける受電共振コイル21aに対応し、図4A〜図4Dは、図2Aおよび図2Cにおける受電共振コイル21aに対応する。
図3Aおよび図4Aに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図3Bおよび図4Bに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Cおよび図4Cに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Dおよび図4Dに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各受電共振コイル21aにおいて、通常時に受電共振コイル21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、送電器1の送電共振コイル11aも図3A〜図3Dおよび図4A〜図4Dと同様にすることもできるが、送電器1の送電共振コイル11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、送電共振コイル11aは、図3Aおよび図4Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2の受電共振コイル21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送を行うことが可能になる。
図5A〜図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図5A〜図5Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。
図5Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用する受電用の受電共振コイル21aは、送電共振コイル11aAおよび11aBにより囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電共振コイル(LC共振器)11aAおよび11aBは、1つの送電器に設けることも可能である。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含んでいてもよい。
なお、後に詳述するが、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタとし、他の送電器をスレーブにするということは、1つのマスタ送電器の演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図5Bは、送電共振コイル11aAおよび11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図5Cは、送電共振コイル11aAおよび11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
例えば、2つの直行する送電共振コイル11aAおよび11aBが同相出力の場合と逆相出力の場合を比較すると、合成磁界は90°回転した関係となり、それぞれの受電器2(受電共振コイル21a)の向きに合わせた送電を行う。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
上述した無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
なお、三次元空間に関しても、例えば、実際の三次元空間における3個以上の送電器を用いて、それぞれの出力位相差および出力強度比を調整することで、三次元空間上の任意の方向に磁界(電界)の向きを調整することが可能になることが理解されるであろう。
図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図であり、図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。ここで、図6および図7は、2つの送電器1Aおよび1B、並びに、5つの受電器2A〜2Eが設けられた場合を示すものである。
図6に示す無線電力伝送システムでは、複数の送電器1A,1Bにおける1つの送電器1Aをマスタ(主)とすると共に、他の送電器1Bをスレーブ(従)と定め、例えば、複数の送電器および受電器の最適化等の処理は、マスタ(送電器1A)が決定するものとする。
図6において、参照符号PRaは、送電器1Aの電力伝送範囲(マスタ送電電力圏)を示し、PRbは、送電器1Bの電力伝送範囲(スレーブ送電電力圏)を示す。また、参照符号CRaは、送電器1Aの通信範囲(マスタ通信圏)を示し、CRbは、送電器1Bの通信範囲(スレーブ通信圏)を示す。従って、受電器2A〜2Eは、次のようになる。
すなわち、図7に示されるように、受電器2Aは、マスタ通信圏CRa外(×)、スレーブ通信圏Crb外、マスタ送電電力圏PRa外およびスレーブ送電電力圏PRb外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、マスタ通信圏CRa内(○)、スレーブ通信圏CRb外、マスタ送電電力圏PRa外およびスレーブ送電電力圏PRb外になる。なお、受電器2Bは、マスタの送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏外(マスタおよびスレーブの送電電力圏外)であることが確認できる。
また、受電器2Cは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電PRa圏外およびスレーブ送電電力圏PRb外になり、マスタおよびスレーブの送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、電力圏外であることが確認できる。
さらに、受電器2Dは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電電力圏PRa内およびスレーブ送電電力圏PRb外になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1Aの電力圏内(マスタ送電電力圏PRa内)であることが確認できる。
そして、受電器2Eは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電電力圏PRa内およびスレーブ送電電力圏PRb内になる。なお、受電器2Eは、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1A,1Bの送電電力圏内(送電電力圏PRa,PRb内)であることが確認できる。
ここで、複数の送電器において、マスタになる1つの送電器を決定するが、その決定方法としては、後述するように、例えば、その通信圏内に最も多くの受電器が存在する、或いは、その送電電力圏内に最も多くの受電器が存在するといった条件により決定する。
例えば、その通信圏内にそれぞれ1つの受電器が存在するといった同等の条件が成立する場合、例えば、受電器との間の通信強度といったさらなる条件を加えてマスタを決定するか、或いは、乱数表等を使用して任意の1つの送電器をマスタに決定してもよい。
ところで、異なる製造メーカによる送電器は、例えば、その送電器の強度や位相の最適化ルールはそれぞれ異なる。そこで、例えば、複数の送電器の内の1つをマスタとして決めることで、そのマスタになった送電器が他のスレーブの送電器を含め、最適化を制御する。
図8A〜図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図であり、複数の送電器間におけるマスタ/スレーブの決め方を説明するものである。
まず、複数の送電器において、マスタ送電器およびスレーブ送電器を設定するのは、送電器が互いに通信範囲(通信圏)内にあり、電力伝送範囲(送電電力圏)が重なっており、しかも、受電器により送電電力圏が重なっていることが検出される場合である。
すなわち、図8Aは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電器1Bの通信圏CRbは重なっているが、送電器1Aの送電電力圏PRaおよび送電器1Bの送電電力圏PRbは重なっていない場合を示す。このとき、互いの送電電力圏PRa,PRbは重ならないので、両方の送電器1Aおよび1Bを、それぞれマスタ送電器として設定される。
次に、図8Bは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電電力圏PRaと、送電器1Bの通信圏CRbおよび送電電力圏PRbが重なり、受電器2が送電電力圏PRaおよびPRbの両方に含まれる位置に存在する場合を示す。
この図8Bの場合には、送電器1A,1Bが互いに通信圏CRa,CRb内にあり、送電電力圏PRa,PRbが重なっており、しかも、受電器2により送電電力圏PRa,PRbが重なっていることが検出される。
従って、図8Bの場合には、送電器1A,1Bの内、一方(1A)をマスタ送電器に設定し、他方(1B)をスレーブ送電器に設定する。このとき、送電器1Bをマスタとし、送電器1Aをスレーブとしてもよいが、いずれかをマスタ送電器に設定する。
さらに、図8Cは、送電器1Aおよび1Bは、上述した図8Bと同じ位置関係に配設されているが、受電器2が存在しない(通信圏CRaおよびCRbに存在しない)場合であり、このときは、両方ともマスタに設定する。
なお、3つ以上の送電器に対しても、例えば、図8Bに相当する場合には、いずれか1つをマスタ送電器に設定する。なお、複数の送電器から1つのマスタ送電器を決定する手法は、様々なものが考えられるが、その一例を、図9を参照して説明する。
図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)であり、4つの送電器1A〜1Dが一列に並んだ場合を示すものである。ここで、送電器1Aの通信圏CRaは、送電器1Bを含むが送電器1Cおよび1Dを含まず、同様に、送電器1Dの通信圏CRdは、送電器1Cを含むが送電器1Aおよび1Bを含まない。
また、送電器1Bの通信圏CRbは、送電器1Aおよび1Cを含むが送電器1Dを含まず、同様に、送電器1Cの通信圏CRcは、送電器1Bおよび1Dを含むが送電器1Aを含まない。
この図9の場合、例えば、送電器1Bをマスタ(マスタ送電器)とし、他の送電器1A,1C,1Dをスレーブ(スレーブ送電器)に設定する。ここで、送電器1Cをマスタに設定することもできる。
なお、送電器1Bをマスタに設定すると、送電器1Dに対して直接通信することは困難になるが、その場合、送電器1Dに対しては、送電器1Cを経由して通信を行い、最適化等の制御を行う。このように、複数の送電器から1つのマスタを決める場合、最も多くの送電器と直接通信が可能なものをマスタと決めるのが好ましい。
また、図9では、4つの送電器1A〜1Dが直線上に並べられているが、実際には、例えば、部屋の壁や天井に埋め込まれ、机やテーブルに内蔵され、或いは、床やテーブル等に載置されるといった、様々な位置関係で複数の送電器が配設されることになる。
次に、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける電力伝送範囲(送電電力圏)の例、並びに、それらの課題を、図10および図11を参照して説明する。
図10は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の一例を説明するための図である。図10において、参照符号1A〜1Eは送電器を示し、2A〜2Fは受電器を示し、そして、PRa〜PReはそれぞれ送電器1A〜1Eの送電電力圏を示す。
図10に示す無線電力伝送システムでは、5個の送電器1A〜1Eによる送電電力圏PRa〜PReが2つの送電グループに分割されている。すなわち、複数の送電器によるグループ化を考えた場合、互いの送電電力圏が重なり合う複数の送電器を1つの送電グループとして纏めるのが好ましい。
具体的に、図10では、互いの送電電力圏PRa〜PRcが重なり合う3個の送電器1A〜1Cが第1送電グループPG1とし、互いの送電電力圏PRe,PRfが重なり合う2つの送電器1E,1Fが第2送電グループPG2として纏められている。
なお、第1送電グループPG1において、送電器1Aおよび1Cの送電電力圏PRaおよびPRcは直接重なってはいないが、送電器1Bの送電電力圏PRbが送電電力圏PRaおよびPRbの両方に重なるため、3個の送電器1A〜1Cが1つに纏められている。
従って、第1送電グループPG1に含まれる受電器2A〜2Dは、送電器1A〜1Cによる電力伝送の対象となり、第2送電グループPG2に含まれる受電器2E,2Fは、送電器1D,1Eによる電力伝送の対象となる。
すなわち、受電器2A〜2Dは、第1送電グループPG1における各送電器1A〜1Cの出力の位相および強度を適切に制御することで、それぞれの受電器2A〜2Dの位置および姿勢に適した無線による電力伝送を受けるようになっている。
図11は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の他の例を説明するための図である。図11において、参照符号1A〜1Jは送電器を示し、2A〜2Tは受電器を示し、そして、PRa〜PRjはそれぞれ送電器1A〜1Jの送電電力圏を示す。
前述した図10は、5個の送電器1A〜1Eおよび6個の受電器2A〜2Fを2つの送電グループOG1,PG2に分割した場合を示しているが、図11は、10個の送電器1A〜1Jおよび20個の受電器2A〜2Tが密集している場合を示す。
すなわち、図11に示されるように、10個の送電器1A〜1Jにおいて、互いの送電電力圏PRa〜PRjが重なり合う場合、これら10個の送電器1A〜1Jは、1つの送電グループPG10として纏められることになる。
従って、1つの送電グループPG10に含まれる20個の受電器2A〜2Tは、10個の送電器1A〜1Jによる電力伝送の対象となり、各送電器1A〜1Jの出力の位相および強度を適切に制御することで、それぞれの位置および姿勢に適した電力伝送を受ける。
このように、1つの送電グループPG10に多数(例えば、10個)の送電器1A〜1Jが存在すると、任意の1つの送電器に対して最適な電力伝送を行うためには、各送電器の出力の最適解を算出するのが困難になる。
すなわち、最適解を算出するための計算に要する時間が長くなり、メモリ容量が大きくなり、さらに、計算機スペック(MPUの処理能力)が高くなる。これは、送電器の数が多くなるに従って加速度的に増大する。
特に、各送電器の出力の最適化を図るための電磁界シミュレーション計算は、送受電器が単純な1対1の場合でも長い計算時間および大きなメモリ容量を使用するため、送電器や受電器の数が多くなると計算不能となるケースが生じることが懸念される。
なお、上述した送電器1A〜1Jは、それぞれが独立した送電器ではなく、送電コイル(送電共振コイル11a)であってもよい。具体的に、例えば、図10および図11における送電器1Aおよび1Bは、1つの送電器における2つの送電コイルであってもよい。
以下、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、添付図面を参照して詳述する。
図12は、本実施形態の無線電力伝送システムを説明するための図であり、前述した図11に対応する10個の送電器1A〜1Jおよび20個の受電器2A〜2Tを含む無線電力伝送システムの例を示すものである。なお、図12において、参照符号100は、全体制御器を示している。
図12と前述した図11の比較から明らかなように、本実施形態の無線電力伝送システムでは、例えば、全体制御器100の制御に従って、10個の送電器1A〜1Jにおいて、2つの送電器1Dおよび1Hの出力を停止(オフ:送電停止)するようになっている。
すなわち、全体制御器100は、無線電力伝送システムの全体を統括し、送電停止する送電器を設定することにより、送電電力圏の重なりを切断して、所定の最大数の送電器を含む送電グループを形成する。
ここで、全体制御器100は、全ての送電器1A〜1Jとの間で、直接、或いは、他各送電器を介して間接的に通信可能となっており、例えば、その通信を使用して送電器1Dおよび1Hの送電を停止する。
このように、10個の送電器1A〜1Jにおける2つの送電器1Dおよび1Hの送電を停止することによって、3つの送電グループPG11〜PG13が形成される。
送電グループPG11には、3個の送電器1A〜1Cおよび6個の受電器2A〜2Fが含まれ、送電グループPG12には、3個の送電器1E〜1Gおよび8個の受電器2H〜2Oが含まれる。さらに、送電グループPG13には、2個の送電器1I,1Jおよび4個の受電器2Q〜2Tが含まれる。
なお、この全体制御器100は、各送電器の位置と電力到達圏(送電電力圏)を把握しており、どの送電器の出力をオンとした(動作させた)時に、どのような送電グループが形成されるかを推定できるようになっている。
さらに、全体制御器100は、例えば、各送電器グループPG11〜PG13における送電器および受電器の数を監視し、同じ送電器グループ内の送電器や受電器の数が所定数以上にならないように、送電器グループの分割制御を行うようになっている。
すなわち、図12では、例えば、1つの送電器グループに含まれる送電器の数が3以下で受電器の数が8以下となるように制御した場合、すなわち、送電電力圏が重なる送電器の最大数が3に制限する場合を示している。
以上において、各送電器1A〜1Jは、それぞれが独立した送電器ではなく、送電コイル(送電共振コイル11a)であってもよいのは、前述した通りである。
図13は、図12に示す本実施形態の無線電力伝送システムの切り替え動作を説明するための図であり、図12における7個の送電器1A〜1Gおよび15個の受電器2A〜2Oに相当する部分を示すものである。
図13における上方の図は、図12における7個の送電器1A〜1Gおよび15個の受電器2A〜2Oと同様のものであり、1つの送電器1Eの出力を停止することによって、2つの送電グループPG11およびPG12に分割した送電状態STAを示す。
図13における下方の図は、状態STAにおいて、送電器1Eの出力をオンして送電器1B,1Fの出力をオフして、1つの送電グループPG14と、単独の(送電器1つだけの送電グループ)送電器1A,1Gに分割した送電状態STBを示す。
ここで、送電状態STAおよびSTBは、例えば、全体制御器100の制御に従って所定時間(例えば、数分)ごとに切り替えられるようになっている。なお、送電状態(送電パターン)の数は、2種類に限定されず、3種類以上であってもよく、それら複数の送電パターンを順次切り替えてもよい。
このように、複数の送電パターン(送電状態STA,STB)を切り替えることにより、例えば、送電状態STAにおいて受電することが困難な受電器2Gに対しても、送電状態STBにおいて受電可能とすることができる。なお、送電状態STBにおいて受電することが困難な受電器2C,2D,K,2Lは、送電状態STAにおいて受電可能となる。これにより、全ての受電器に対して電力を伝送することができる。
図14Aは、第1実施例の無線電力伝送システムを説明するための図であり、図14Bは、第2実施例の無線電力伝送システムを説明するための図であり、そして、図14Cは、第3実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。なお、図14A〜図14Cは、例えば、図12における4個の送電器1A〜1Dおよび8個の受電器2A〜2Hの部分を示す。
まず、図14Aに示されるように、第1実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、前述した図12と同様に、送電器1A〜1Dおよび受電器2A〜2Hとは別の専用の装置として設けられている。
すなわち、第1実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、それ自身が送電や受電を行わずに、例えば、サーバ等を利用して各送電器の出力のオン/オフ、並びに、位相および強度の調整を行う。
また、図14Bに示されるように、第2実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、1つの送電器1Cとして設けられている。すなわち、送電器の1つが全体制御器を兼用、従って、送電器1Cが全体制御器100として機能するようになっている。
さらに、図14Cに示されるように、第3実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、1つの受電器2Eとして設けられている。すなわち、受電器の1つが全体制御器を兼用、従って、受電器2Eが全体制御器100として機能するようになっている。
ここで、例えば、送電器1Cを全体制御器100として設定する場合、図5A〜図9を参照して説明したマスタ送電器の決め方と同様の手法を適用して全体制御器の設定を行うことができる。なお、全体制御100と各送電器1A〜1Dおよび各受電器2A〜2Hの通信方式は、有線および無線のいずれであってもよい。
以上において、全体制御器100が出力を停止させる送電器の決定は、例えば、次の条件1および2に従って処理することができる。
条件1.送電グループ内の送電器(受電器)の数が所定数以下となるようにする。
条件2.優先度の高い受電器に対して送電(給電)する送電器は出力を停止させない。
ここで、優先度の高い受電器とは、例えば、バッテリ残量が少ない受電器や、ユーザが優先的に給電を指定する受電器のことである。また、停止する送電器に起因して受電不可となる受電器がある場合、例えば、受電不可の受電器への給電を優先した上で、再度、条件1および2を適用した送電グループの分割を実施することができる。
これにより、例えば、密集して配置された影響や相互干渉のある複数の送電器間の調整の最適化を図ることができ、また、バランスのとれた給電(電力伝送)を実現することができる。
図15Aは、図14Aに示す第1実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、全体制御器100(全体制御部200)と共に、2つの送電器1C,1Dおよび2つの受電器2E,2Fを抜き出して示すものである。
図15Aに示されるように、全体制御部200は、送電器および受電器とは別の独立した装置として設けられ、外部制御器(全体制御器)100および通信回路部104を含む。送電器1C,1Dは、同様の構成を有し、それぞれワイヤレス送電部11C,11D、高周波電源部12C,12D、送電制御部13C,13Dおよび通信回路部14C,14Dを含む。
高周波電源部12C,12Dは、高周波の電力を発生するもので、例えば、前述した図1における高周波電源部12に相当する。送電制御部13C,13Dは、ワイヤレス送電部11C,11Dを制御し、また、通信回路部14C,14Dは、全体制御部200,各送電器および受電器間の通信を可能とする。
ここで、送電器1C,1Dの通信回路部14C,14Dと、受電器2E,2Fの通信回路部24E,24Fの間の通信は、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信を利用することができる。
また、送電器1C,1D間の通信や全体制御部200との間の通信は、上記Bluetooth(登録商標)等の無線通信でもよいが、例えば、有線LAN等の有線による通信であってもよい。さらに、送電器1Cおよび送電器1Dは、例えば、1つの送電器1に設けた2つの送電部(11)としてもよいのはいうまでもない。
ワイヤレス送電部11C,11Dは、磁界共鳴であればコイルに相当し、高周波電源部12C,12Dから供給される高周波電力を磁界に変換する。
全体制御部200(外部制御器100)には、送電器1C,1Dの相対位置関係や受電器2E,2Fの相対位置関係などの情報が供給される。ここで、相対位置関係を検出する方法としては、例えば、カメラによる撮像系を適用することができる。
受電器2E,2Fも同様の構成を有し、それぞれワイヤレス受電部21E,21F、整流部(受電回路部)およびバッテリ部(機器本体)22E(25E),22F(25F)、受電制御部23E,23Fおよび通信回路部24E,24Fを含む。
受電制御部23E,23Fは、受電器2E,2Fを制御するものであり、通信回路部24E,24Fは、全体制御部200,各送電器および受電器間の通信を可能とするもので、前述のように、無線LANやBluetooth(登録商標)等を利用する。
ワイヤレス受電部21E,21Fは、磁界共鳴であればコイルに相当し、無線で伝達された電力を電流に変換する。整流部22E,22Fは、ワイヤレス受電部21E,21Fから得られた交流電流をバッテリ充電や機器本体(25E,25F)で使用可能なように直流電流に変換する。
上述したように、全体制御部200、送電器1C,1Eおよび受電器2E,2Fは、それぞれの通信回路部104,14C,14D,24E,24Fを介して通信を行う。このとき、外部制御器100が、送電器1C,1Dおよび受電器2E,2Fを制御する。
また、ワイヤレス送電部11Cおよび11Dと、ワイヤレス受電部21Eまたは21Fの間は、磁界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送方式を適用することもできる。
図15Bは、図14Bに示す第2実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、送電器1Cが全体制御器100を兼用、すなわち、送電器1Cの送電制御部13Cが全体制御器100として機能する例を示すものである。
図15Bと上述した図15Aの比較から明らかなように、全体制御器100(全体制御部200)は、送電器および受電器とは別の独立した装置として設けるのではなく、任意の送電器1Cの送電制御部13Cに兼用させることができる。
この場合、図15Aにおける全体制御部200の通信回路部104も、送電器1Cの通信回路部14Cで兼用することができるため、ハード構成を低減することが可能となる。なお、全体制御器100としも使用する送電器1Cの送電制御部13Cには、例えば、他の送電器の送電制御部よりも処理能力の高いCPU(MPU)が設けられている。
図15Cは、図14Cに示す第3実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、受電器2Eが全体制御器100を兼用、すなわち、受電器2Eの受電制御部23Eが全体制御器100として機能する例を示すものである。
図15Cと前述した図15Aの比較から明らかなように、全体制御器100(全体制御部200)は、送電器および受電器とは別の独立した装置として設けるのではなく、任意の受電器2Eの受電制御部23Eに兼用させることができる。
この場合、図15Aにおける全体制御部200の通信回路部104も、受電器2Eの通信回路部24Eで兼用することができるため、ハード構成を低減することが可能となる。なお、全体制御器100としも使用する受電器2Eの受電制御部23Eには、例えば、他の受電器の受電制御部よりも処理能力の高いCPUが設けられている。
図16は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器による送電器の出力制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。
全体制御器による送電器の出力制御処理を開始すると、ステップST11において、各送受電器の位置関係と各受電器のバッテリ状況・受電電力量を調査、すなわち、全体制御器100は、各送受電器と個別に通信して情報収集を行い、ステップST12に進む。
ステップST12では、各送電器の電力圏(送電電力圏)より各仮の送電グループ(仮送電G)を検出して、ステップST13に進み、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下かどうかを判定する。
ステップST13において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下であると判定すると、ステップST14に進んで、その仮送電Gを、実際に送電を行う送電グループ(送電G)と決定する。具体的に、前述した図12では、各仮送電G(PG11〜PG13)内の送電器の数が3以下で受電器の数が8以下となる場合が示されている。
さらに、ステップST15に進んで、各送電G内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST16に進み、ワイヤレス送受電を実行すする。
一方、ステップST13において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下ではないと判定すると、ステップST17に進んで、各送電Gの送電器・受電器数が所定数以下となるように、出力を停止する送電器を選択する。すなわち、ステップST17では、新規送電G1群,G2群,…,Gn群を決定して、ステップST18に進む。
ステップST18では、送電G1群内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST19に進んで、所定時間だけワイヤレス送受電を実行する。
さらに、ステップST20に進んで、送電G2群内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST21に進んで、所定時間だけワイヤレス送受電を実行する。
そして、ステップST22に進んで、ステップST18および19、並びに、ステップST20および21と同様の処理を、送電Gn群まで実行後、ステップST11に戻って上述した処理を繰り返す。なお、図16に示す全体制御器による送電器の出力制御処理は、単なる例であり、様々な変更が可能である。
図17は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器によるマスタ器の制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。図17において、マスタ器とは、例えば、図14Bおよび図6〜図9を参照して説明したマスタ送電器に対応するが、図14Cのように、送電G内の受電器をマスタ器とする場合には、マスタ送電器をマスタ受電器と読み替えればよい。
全体制御器によるマスタ器の制御処理を開始すると、ステップST31において、各送受電器の位置関係と各受電器のバッテリ状況・受電電力量を調査、すなわち、全体制御器100は、各送受電器と個別に通信して情報収集を行い、ステップST32に進む。
ステップST32では、各送電器の電力圏より各仮送電G(仮の送電グループ)を検出して、ステップST33に進み、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下かどうかを判定する。
ステップST33において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下であると判定すると、ステップST34に進んで、その仮送電Gを、送電G(実際に送電を行う送電グループ)と決定する。
さらに、ステップST35に進んで、各送電G内の送電条件を検討し、各送電G内のマスタ送電器を選択する。そして、ステップST36に進んで、各送電Gは、マスタ送電器によりワイヤレス送受電を実行する。
すなわち、全体制御器はマスタ送電器を選択するだけで、その選択されたマスタ送電器が、各送電G内の送電条件の検討および各送電器に対する出力条件の指示を行い、ワイヤレス送受電を制御することになる。
一方、ステップST33において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下ではないと判定すると、ステップST37に進んで、各送電Gの送電器・受電器数が所定数以下となるように、出力を停止する送電器を選択する。すなわち、ステップST37では、新規送電G1群,G2群,…,Gn群を決定して、ステップST38に進む。
ステップST38では、送電G1群内の各送電Gのマスタ送電器を選択し、ステップST39に進んで、所定時間だけ、各送電Gはマスタ送電器によりワイヤレス送受電を実行する。
すなわち、全体制御器は、出力を停止する送電器の選択(ステップST37)およびマスタ送電器の選択(ステップST38)を行うだけで、その選択されたマスタ送電器が、各送電G内におけるワイヤレス送受電を制御することになる。
さらに、ステップST40に進んで、送電G2群内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST41に進んで、所定時間だけ、各送電Gはマスタ送電器によりワイヤレス送受電を実行する。すなわち、選択されたマスタ送電器が、各送電G内におけるワイヤレス送受電を制御することになる。
そして、ステップST42に進んで、ステップST38および39、並びに、ステップST40および41と同様の処理を、送電Gn群まで実行後、ステップST31に戻って上述した処理を繰り返す。なお、図17に示す全体制御器によるマスタ器の制御処理も、単なる例であり、様々な変更が可能である。
図18は、第1実施例の無線電力伝送システムの一変形例を示すブロック図である。図18と前述した図15Aの比較から明らかなように、図18に示す無線電力伝送システムでは、全体制御器100がセンターサーバ300に設けられている。
送電器1Cは、第1通信回路部14Cおよび第2通信回路部15Cを含み、送電器1Dは、第1通信回路部14Dおよび第2通信回路部15Dを含む。ここで、各送電器1C,1Dの第1通信回路部14C,14Dは、例えば、前述した図15Aにおける通信回路部14C,15Cに対応し、例えば、Bluetooth(登録商標)等を利用して近距離無線通信を行う。
すなわち、各送電器1C,1Dは、第1通信回路部14C,14Dにより、送電範囲内にある全ての受電器2E,2Fと近距離無線通信により通信を確立し、相互に情報の遣り取りを可能とする。
ここで、送電器1C,1Dが受電器2E,2Fとの間で遣り取りする相互情報には、各受電器2E,2Fの位置情報や電力情報(バッテリ状況・受電電力量)等の受電器情報が含まれる。
各送電器1C,1Dの第2通信回路部15C,15Dは、例えば、有線LANおよびインターネット回線等を介したクラウド・コンピューティングを利用して、センターサーバ300に設けられた全体制御器100と通信を行う。
なお、第2通信回路部15C,15Dと全体制御器100は、有線による通信に限定されるものではなく、また、センターサーバ300は、インターネットによるクラウド・コンピューティングを利用したものに限定されるものでもない。
具体的に、例えば、センターサーバ300と家庭やオフィスの間は有線接続し、その家庭やオフィス内では、無線LANルータ等を使用して無線LANにより接続することもできる。
ここで、第2通信回路部15C,15Dを介した送電器1C,1Dと全体制御器100の間の情報には、例えば、上述した第1通信回路部14C,14Dを介して受け取る受電器情報に加えて、各送電器1C,1Dの出力条件や位置等の送電器情報も含まれる。
そして、センターサーバ300(全体制御器100)は、送電器1C,1Dの第2通信回路部15C,15Dを介して送られてくる送電器情報および受電器情報に基づいて、送電グループの最適化を図る。
すなわち、全体制御器100は、例えば、送電グループが大き過ぎる場合、停止する送電器を選択することにより、適切な大きさの複数の送電グループに分割し、さらに、各送電器の出力指示(電流強度および位相情報)を与えて複数送電の最適化を図る。なお、全体制御器100は、停止する送電器を変化させて異なる送電グループを切り替えるといった制御も行う。
このように、全体制御器100をセンターサーバ300に設けることにより、すなわち、大きな処理能力を有するセンターサーバ300を全体制御器100として使用することにより、最適な電力伝送の計算を短時間で行うことが可能になる。
従って、図18に示す無線電力伝送システムは、例えば、多数の送電器により多数の受電器に対して電力伝送を行うことが想定される、企業や公共施設、或いは、商用の無線電力伝送システムに適用するのが好ましい。
図19は、第1実施例の無線電力伝送システムの他の変形例を示すブロック図であり、上述した図18の変形例に対して、前述した図15Cの無線電力伝送システムを組み合わせたものである。
図19と図18および図15Cの比較から明らかなように、図19に示す無線電力伝送システムは、センターサーバ300に設けられた第1全体制御器110、および、受電器2Eの受電制御部23Eに設けられた第2全体制御器120を含む。
すなわち、受電器2Eには、Bluetooth(登録商標)等を利用して送電器1C,1Dおよび他の受電器1Fと近距離無線通信を行う第1通信回路部24Eの他に、センターサーバ300と遠距離通信を行う第2通信回路部26Eが設けられている。
ここで、第2通信回路部26Eは、例えば、受電器2Eが携帯電話やスマートフォンの場合、本来設けられている3Gまたは4G回線(例えば、LTE(Long Term Evolution)やWCDMA(Wideband Code Division Multiplexing Access)の通信回路と兼用する。
そして、センターサーバ300(第1全体制御器110)は、受電器2Eの第2通信回路部26Eを介して送られてくる,図18を参照して説明したのと同様の送電器情報および受電器情報に基づいて、送電グループの最適化を図る。
なお、同じ送電グループ内の送電器1C,1Dおよび他の受電器2Fは、例えば、図15Cの無線電力伝送システムと同様に、受電器2Eの第2全体制御器120により制御され、センターサーバ300の第1全体制御器110の存在は意識しなくてもよい。
ここで、受電器2Eと第1全体制御器110(センターサーバ300)の通信は、常時行わなくてもよく、例えば、受電器2Eにおける第2全体制御器120の処理能力を超える場合等のみ行えばよい。
そして、例えば、第1全体制御器110により最適な電力伝送の計算を行い、その計算結果を受電器2Eの第2全体制御器120を介して各送電器1C,1Dに与えるようにして、受電器2E,2Fに対する電力伝送を行う。なお、受電器2Eの受電制御部23Eに設けた第2全体制御器120は、例えば、送電器1Eにおける送電制御部13Eに設けることも可能である。
このように、大きな処理能力を有する外部のセンターサーバ300を全体制御器として利用することにより、最適な電力伝送の計算を短時間で行うことが可能になり、送電グループの選択や各送電グループにおける電力伝送を効率的に行うことができる。
図20は、図15Bに示す無線電力伝送システムにおける送電器(全体制御器100が設けられた送電器1C)の一例を示すブロック図である。
図20および図15Bに示されるように、送電器1Cにおいて、ワイヤレス送電部11Cは、LC共振器11aCおよび電力供給コイル11bCを含む。高周波電源部12Cは、発振器127、増幅器128および整合器129を含む。
送電制御部13Cは、送電制御回路131および周波数ロック回路132を含む。ここで、送電制御回路131は、全体制御器100としても機能する。周波数ロック回路132は、通信回路部14Cからの同期信号を受け取り、所定の間隔(例えば、数分〜数十分間隔)で、発振器127の同期処理を行う。
発振器127は、所定の周波数(例えば、6.78MHz)の周波数の駆動信号を生成し、増幅器128および整合器129を介してワイヤレス送電部11C(電力供給コイル11bC)に出力する。
送電制御回路131(全体制御器100)は、内部バス133で繋がれたCPU(演算処理装置)134、メモリ135および入出力回路(I/O部)136を含む。ここで、メモリ135は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を含む。そして、送電器1C,スレーブ送電器1Bおよび受電器等の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
送電器1Cには、例えば、スレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認するための検出部SAが設けられている。この検出部SAの出力は、例えば、I/O部136を介してCPU134に入力され、メモリ135に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、送電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラムは、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、SD(Secure Digital)メモリカード)70からI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者60のハードディスク装置61から回線およびI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置61からI/O部136への回線は、通信回路部14を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVD(Digital Versatile Disk)ディスクやブルーレイディスク(Blu-ray Disc)等の記録媒体であってもよい。
以上の説明において、各実施例の説明は、主として磁界共鳴を利用した電力伝送を例としたが、本実施形態は、電界共鳴を利用した電力伝送に対しても適用することができる。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
1 送電器(一次側:送電側)
1A〜1D 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A〜2E 受電器
10A,10B 外部電源
11,11A,11B ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB、11a1,11a2 送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)
11b,11bA,11bB 電力供給コイル(第1コイル)
12,12A,12B 高周波電源部
13,13A,13B 送電制御部
14,14A,14B,14C,14D 通信回路部(第1通信回路部)
15C,15D 第2通信回路部
21,21A,21B ワイヤレス受電部
21a,21aA,21aB 受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)
21b,21bA,21bB 電力取出コイル(第4コイル)
22,22A,22B 受電回路部(整流部)
23,23A,23B 受電制御部
24,24E,24F 通信回路部(第1通信回路部)
25 バッテリ部(負荷)
26E 第2通信回路部
60 プログラム(データ)提供者
61 ハードディスク装置
70 可搬型記録媒体
100 全体制御器
110 第1全体制御器
120 第2全体制御器
127 発振器
128 増幅器
129 整合器
131 送電制御回路
132 周波数ロック回路
133 内部バス
134 CPU(演算処理装置)
135 メモリ
136 入出力回路(I/O部)
200 全体制御部
300 センターサーバ
この出願で言及する実施例は、無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法に関する。
電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、強結合系の無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer) 技術は、一般に、電磁誘導,磁界共鳴,電界誘導および電界共鳴の4つの方式を利用している。
従来、ワイヤレス電力伝送技術としては、電磁誘導や電波を利用したものが提案され、例えば、電磁誘導を利用したワイヤレス電力伝送は、シェーバーや電動歯ブラシといった家電製品で実用化されている。
これに対して、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共鳴(磁界共振)や電界共鳴を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。
このような共鳴を用いたワイヤレス電力伝送では、送電器および受電器間の距離やそれぞれのサイズが異なっていても高い送電効率による電力伝送が可能である。さらに、複数の送電器の電力伝送範囲(送電電力圏)が重なる領域に受電器が位置する場合、各送電器の出力の強度および位相を最適化することにより、様々な姿勢の受電器に対して高い送電効率で無線による電力伝送を実現することができる。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2011−199975号公報 特開2008−283789号公報
内田 昭嘉他(UCHIDA Akiyoshi, et al.), "Phase and Intensity Control of Multiple Coil Currents in Resonant Magnetic Coupling," IMWS-IWPT2012, THU-C-1, pp.53-56, May 10-11, 2012 石崎 俊雄他(ISHIZAKI Toshio, et al.), "3-D Free-Access WPT System for Charging Movable Terminals," IMWS-IWPT2012, FRI-H-1, pp.219-222, May 10-11, 2012
前述したように、送電電力圏が重なる複数の送電器の出力における強度および位相を制御することにより、受電器の姿勢や位置に適した電力伝送を可能とすることができる。
しかしながら、送電器の数が多くなると、各送電器の出力における位相および強度の計算が複雑になる。すなわち、多数の送電器の送電電力圏が重なる領域に受電器が位置すると、その受電器に対して最適な電力伝送を行うには、多数の送電器を制御することになり、そのための計算に要する時間および資源が大きなものとなる。
そのため、送電電力圏が重なる複数の送電器および複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおいて、電力伝送を最適な状態で行うことの障害となることが懸念されている。さらに、例えば、磁界共鳴や電界共振を利用した電力伝送システム、或いは、送電器および受電器の実用化の停滞を招く虞がある。
一実施形態によれば、複数の送電コイルを含み、前記送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムが提供される。
前記無線電力伝送システムは、前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握して、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する全体制御器を有する。
開示の無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法は、送電電力圏が重なる多数の送電器および複数の受電器を含む無線電力伝送システムにおける電力伝送を最適な状態で行うことができるという効果を奏する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図2Aは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図2Bは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図3Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図3Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図3Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図3Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図4Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図4Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図4Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図5Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図5Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図である。 図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。 図8Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その3)である。 図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)である。 図10は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の一例を説明するための図である。 図11は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の他の例を説明するための図である。 図12は、本実施形態の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図13は、図12に示す本実施形態の無線電力伝送システムの切り替え動作を説明するための図である。 図14Aは、第1実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図14Bは、第2実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図14Cは、第3実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。 図15Aは、図14Aに示す第1実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図15Bは、図14Bに示す第2実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図15Cは、図14Cに示す第3実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図16は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器による送電器の出力制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図17は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器によるマスタ器の制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図18は、第1実施例の無線電力伝送システムの一変形例を示すブロック図である。 図19は、第1実施例の無線電力伝送システムの他の変形例を示すブロック図である。 図20は、図15Bに示す無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。
まず、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を詳述する前に、無線電力伝送システムの例、並びに、複数の送電器および受電器を含む関連技術の無線電力伝送システムを、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。図1において、参照符号1は一次側(送電側:送電器)を示し、2は二次側(受電側:受電器)を示す。
図1に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(送電共振コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(受電共振コイル)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図1に示されるように、送電器1と受電器2は、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴(電界共鳴)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、送電共振コイル11aから受電共振コイル21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲PR)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲CR)よりも短く設定される(PR<CR)。
また、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電電力圏)PRは、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図2A〜図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。ここで、図2Aおよび図2Bは、3コイル構成の例を示し、図2Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図1に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図2Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図2Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図2Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図2A〜図2Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図3A〜図3Dは、独立共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図であり、図4A〜図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図である。
ここで、図3A〜図3Dは、図1および図2Bにおける受電共振コイル21aに対応し、図4A〜図4Dは、図2Aおよび図2Cにおける受電共振コイル21aに対応する。
図3Aおよび図4Aに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図3Bおよび図4Bに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Cおよび図4Cに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Dおよび図4Dに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各受電共振コイル21aにおいて、通常時に受電共振コイル21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、送電器1の送電共振コイル11aも図3A〜図3Dおよび図4A〜図4Dと同様にすることもできるが、送電器1の送電共振コイル11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、送電共振コイル11aは、図3Aおよび図4Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2の受電共振コイル21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送を行うことが可能になる。
図5A〜図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図5A〜図5Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。
図5Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用する受電用の受電共振コイル21aは、送電共振コイル11aAおよび11aBにより囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電共振コイル(LC共振器)11aAおよび11aBは、1つの送電器に設けることも可能である。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含んでいてもよい。
なお、後に詳述するが、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタとし、他の送電器をスレーブにするということは、1つのマスタ送電器の演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図5Bは、送電共振コイル11aAおよび11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図5Cは、送電共振コイル11aAおよび11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
例えば、2つの直行する送電共振コイル11aAおよび11aBが同相出力の場合と逆相出力の場合を比較すると、合成磁界は90°回転した関係となり、それぞれの受電器2(受電共振コイル21a)の向きに合わせた送電を行う。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
上述した無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
なお、三次元空間に関しても、例えば、実際の三次元空間における3個以上の送電器を用いて、それぞれの出力位相差および出力強度比を調整することで、三次元空間上の任意の方向に磁界(電界)の向きを調整することが可能になることが理解されるであろう。
図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図であり、図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。ここで、図6および図7は、2つの送電器1Aおよび1B、並びに、5つの受電器2A〜2Eが設けられた場合を示すものである。
図6に示す無線電力伝送システムでは、複数の送電器1A,1Bにおける1つの送電器1Aをマスタ(主)とすると共に、他の送電器1Bをスレーブ(従)と定め、例えば、複数の送電器および受電器の最適化等の処理は、マスタ(送電器1A)が決定するものとする。
図6において、参照符号PRaは、送電器1Aの電力伝送範囲(マスタ送電電力圏)を示し、PRbは、送電器1Bの電力伝送範囲(スレーブ送電電力圏)を示す。また、参照符号CRaは、送電器1Aの通信範囲(マスタ通信圏)を示し、CRbは、送電器1Bの通信範囲(スレーブ通信圏)を示す。従って、受電器2A〜2Eは、次のようになる。
すなわち、図7に示されるように、受電器2Aは、マスタ通信圏CRa外(×)、スレーブ通信圏Crb外、マスタ送電電力圏PRa外およびスレーブ送電電力圏PRb外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、マスタ通信圏CRa内(○)、スレーブ通信圏CRb外、マスタ送電電力圏PRa外およびスレーブ送電電力圏PRb外になる。なお、受電器2Bは、マスタの送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏外(マスタおよびスレーブの送電電力圏外)であることが確認できる。
また、受電器2Cは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電PRa圏外およびスレーブ送電電力圏PRb外になり、マスタおよびスレーブの送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、電力圏外であることが確認できる。
さらに、受電器2Dは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電電力圏PRa内およびスレーブ送電電力圏PRb外になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1Aの電力圏内(マスタ送電電力圏PRa内)であることが確認できる。
そして、受電器2Eは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電電力圏PRa内およびスレーブ送電電力圏PRb内になる。なお、受電器2Eは、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1A,1Bの送電電力圏内(送電電力圏PRa,PRb内)であることが確認できる。
ここで、複数の送電器において、マスタになる1つの送電器を決定するが、その決定方法としては、後述するように、例えば、その通信圏内に最も多くの受電器が存在する、或いは、その送電電力圏内に最も多くの受電器が存在するといった条件により決定する。
例えば、その通信圏内にそれぞれ1つの受電器が存在するといった同等の条件が成立する場合、例えば、受電器との間の通信強度といったさらなる条件を加えてマスタを決定するか、或いは、乱数表等を使用して任意の1つの送電器をマスタに決定してもよい。
ところで、異なる製造メーカによる送電器は、例えば、その送電器の強度や位相の最適化ルールはそれぞれ異なる。そこで、例えば、複数の送電器の内の1つをマスタとして決めることで、そのマスタになった送電器が他のスレーブの送電器を含め、最適化を制御する。
図8A〜図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図であり、複数の送電器間におけるマスタ/スレーブの決め方を説明するものである。
まず、複数の送電器において、マスタ送電器およびスレーブ送電器を設定するのは、送電器が互いに通信範囲(通信圏)内にあり、電力伝送範囲(送電電力圏)が重なっており、しかも、受電器により送電電力圏が重なっていることが検出される場合である。
すなわち、図8Aは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電器1Bの通信圏CRbは重なっているが、送電器1Aの送電電力圏PRaおよび送電器1Bの送電電力圏PRbは重なっていない場合を示す。このとき、互いの送電電力圏PRa,PRbは重ならないので、両方の送電器1Aおよび1Bを、それぞれマスタ送電器として設定される。
次に、図8Bは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電電力圏PRaと、送電器1Bの通信圏CRbおよび送電電力圏PRbが重なり、受電器2が送電電力圏PRaおよびPRbの両方に含まれる位置に存在する場合を示す。
この図8Bの場合には、送電器1A,1Bが互いに通信圏CRa,CRb内にあり、送電電力圏PRa,PRbが重なっており、しかも、受電器2により送電電力圏PRa,PRbが重なっていることが検出される。
従って、図8Bの場合には、送電器1A,1Bの内、一方(1A)をマスタ送電器に設定し、他方(1B)をスレーブ送電器に設定する。このとき、送電器1Bをマスタとし、送電器1Aをスレーブとしてもよいが、いずれかをマスタ送電器に設定する。
さらに、図8Cは、送電器1Aおよび1Bは、上述した図8Bと同じ位置関係に配設されているが、受電器2が存在しない(通信圏CRaおよびCRbに存在しない)場合であり、このときは、両方ともマスタに設定する。
なお、3つ以上の送電器に対しても、例えば、図8Bに相当する場合には、いずれか1つをマスタ送電器に設定する。なお、複数の送電器から1つのマスタ送電器を決定する手法は、様々なものが考えられるが、その一例を、図9を参照して説明する。
図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)であり、4つの送電器1A〜1Dが一列に並んだ場合を示すものである。ここで、送電器1Aの通信圏CRaは、送電器1Bを含むが送電器1Cおよび1Dを含まず、同様に、送電器1Dの通信圏CRdは、送電器1Cを含むが送電器1Aおよび1Bを含まない。
また、送電器1Bの通信圏CRbは、送電器1Aおよび1Cを含むが送電器1Dを含まず、同様に、送電器1Cの通信圏CRcは、送電器1Bおよび1Dを含むが送電器1Aを含まない。
この図9の場合、例えば、送電器1Bをマスタ(マスタ送電器)とし、他の送電器1A,1C,1Dをスレーブ(スレーブ送電器)に設定する。ここで、送電器1Cをマスタに設定することもできる。
なお、送電器1Bをマスタに設定すると、送電器1Dに対して直接通信することは困難になるが、その場合、送電器1Dに対しては、送電器1Cを経由して通信を行い、最適化等の制御を行う。このように、複数の送電器から1つのマスタを決める場合、最も多くの送電器と直接通信が可能なものをマスタと決めるのが好ましい。
また、図9では、4つの送電器1A〜1Dが直線上に並べられているが、実際には、例えば、部屋の壁や天井に埋め込まれ、机やテーブルに内蔵され、或いは、床やテーブル等に載置されるといった、様々な位置関係で複数の送電器が配設されることになる。
次に、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける電力伝送範囲(送電電力圏)の例、並びに、それらの課題を、図10および図11を参照して説明する。
図10は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の一例を説明するための図である。図10において、参照符号1A〜1Eは送電器を示し、2A〜2Fは受電器を示し、そして、PRa〜PReはそれぞれ送電器1A〜1Eの送電電力圏を示す。
図10に示す無線電力伝送システムでは、5個の送電器1A〜1Eによる送電電力圏PRa〜PReが2つの送電グループに分割されている。すなわち、複数の送電器によるグループ化を考えた場合、互いの送電電力圏が重なり合う複数の送電器を1つの送電グループとして纏めるのが好ましい。
具体的に、図10では、互いの送電電力圏PRa〜PRcが重なり合う3個の送電器1A〜1Cが第1送電グループPG1として纏められ、互いの送電電力圏PRd,PReが重なり合う2つの送電器1D,1Eが第2送電グループPG2として纏められている。
なお、第1送電グループPG1において、送電器1Aおよび1Cの送電電力圏PRaおよびPRcは直接重なってはいないが、送電器1Bの送電電力圏PRbが送電電力圏PRaおよびPRbの両方に重なるため、3個の送電器1A〜1Cが1つに纏められている。
従って、第1送電グループPG1に含まれる受電器2A〜2Dは、送電器1A〜1Cによる電力伝送の対象となり、第2送電グループPG2に含まれる受電器2E,2Fは、送電器1D,1Eによる電力伝送の対象となる。
すなわち、受電器2A〜2Dは、第1送電グループPG1における各送電器1A〜1Cの出力の位相および強度を適切に制御することで、それぞれの受電器2A〜2Dの位置および姿勢に適した無線による電力伝送を受けるようになっている。
図11は、複数の送電器および受電器を含む無線電力伝送システムにおける送電電力圏の他の例を説明するための図である。図11において、参照符号1A〜1Jは送電器を示し、2A〜2Tは受電器を示し、そして、PRa〜PRjはそれぞれ送電器1A〜1Jの送電電力圏を示す。
前述した図10は、5個の送電器1A〜1Eおよび6個の受電器2A〜2Fを2つの送電グループOG1,PG2に分割した場合を示しているが、図11は、10個の送電器1A〜1Jおよび20個の受電器2A〜2Tが密集している場合を示す。
すなわち、図11に示されるように、10個の送電器1A〜1Jにおいて、互いの送電電力圏PRa〜PRjが重なり合う場合、これら10個の送電器1A〜1Jは、1つの送電グループPG10として纏められることになる。
従って、1つの送電グループPG10に含まれる20個の受電器2A〜2Tは、10個の送電器1A〜1Jによる電力伝送の対象となり、各送電器1A〜1Jの出力の位相および強度を適切に制御することで、それぞれの位置および姿勢に適した電力伝送を受ける。
このように、1つの送電グループPG10に多数(例えば、10個)の送電器1A〜1Jが存在すると、任意の1つの送電器に対して最適な電力伝送を行うためには、各送電器の出力の最適解を算出するのが困難になる。
すなわち、最適解を算出するための計算に要する時間が長くなり、メモリ容量が大きくなり、さらに、計算機スペック(MPUの処理能力)が高くなる。これは、送電器の数が多くなるに従って加速度的に増大する。
特に、各送電器の出力の最適化を図るための電磁界シミュレーション計算は、送受電器が単純な1対1の場合でも長い計算時間および大きなメモリ容量を使用するため、送電器や受電器の数が多くなると計算不能となるケースが生じることが懸念される。
なお、上述した送電器1A〜1Jは、それぞれが独立した送電器ではなく、送電コイル(送電共振コイル11a)であってもよい。具体的に、例えば、図10および図11における送電器1Aおよび1Bは、1つの送電器における2つの送電コイルであってもよい。
以下、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、添付図面を参照して詳述する。
図12は、本実施形態の無線電力伝送システムを説明するための図であり、前述した図11に対応する10個の送電器1A〜1Jおよび20個の受電器2A〜2Tを含む無線電力伝送システムの例を示すものである。なお、図12において、参照符号100は、全体制御器を示している。
図12と前述した図11の比較から明らかなように、本実施形態の無線電力伝送システムでは、例えば、全体制御器100の制御に従って、10個の送電器1A〜1Jにおいて、2つの送電器1Dおよび1Hの出力を停止(オフ:送電停止)するようになっている。
すなわち、全体制御器100は、無線電力伝送システムの全体を統括し、送電停止する送電器を設定することにより、送電電力圏の重なりを切断して、所定の最大数の送電器を含む送電グループを形成する。
ここで、全体制御器100は、全ての送電器1A〜1Jとの間で、直接、或いは、他各送電器を介して間接的に通信可能となっており、例えば、その通信を使用して送電器1Dおよび1Hの送電を停止する。
このように、10個の送電器1A〜1Jにおける2つの送電器1Dおよび1Hの送電を停止することによって、3つの送電グループPG11〜PG13が形成される。
送電グループPG11には、3個の送電器1A〜1Cおよび6個の受電器2A〜2Fが含まれ、送電グループPG12には、3個の送電器1E〜1Gおよび8個の受電器2H〜2Oが含まれる。さらに、送電グループPG13には、2個の送電器1I,1Jおよび4個の受電器2Q〜2Tが含まれる。
なお、この全体制御器100は、各送電器の位置と電力到達圏(送電電力圏)を把握しており、どの送電器の出力をオンとした(動作させた)時に、どのような送電グループが形成されるかを推定できるようになっている。
さらに、全体制御器100は、例えば、各送電器グループPG11〜PG13における送電器および受電器の数を監視し、同じ送電器グループ内の送電器や受電器の数が所定数以上にならないように、送電器グループの分割制御を行うようになっている。
すなわち、図12では、例えば、1つの送電器グループに含まれる送電器の数が3以下で受電器の数が8以下となるように制御した場合、すなわち、送電電力圏が重なる送電器の最大数が3に制限する場合を示している。
以上において、各送電器1A〜1Jは、それぞれが独立した送電器ではなく、送電コイル(送電共振コイル11a)であってもよいのは、前述した通りである。
図13は、図12に示す本実施形態の無線電力伝送システムの切り替え動作を説明するための図であり、図12における7個の送電器1A〜1Gおよび15個の受電器2A〜2Oに相当する部分を示すものである。
図13における上方の図は、図12における7個の送電器1A〜1Gおよび15個の受電器2A〜2Oと同様のものであり、1つの送電器1Eの出力を停止することによって、2つの送電グループPG11およびPG12に分割した送電状態STAを示す。
図13における下方の図は、状態STAにおいて、送電器1Dの出力をオンして送電器1B,1Fの出力をオフして、1つの送電グループPG14と、単独の(送電器1つだけの送電グループ)送電器1A,1Gに分割した送電状態STBを示す。
ここで、送電状態STAおよびSTBは、例えば、全体制御器100の制御に従って所定時間(例えば、数分)ごとに切り替えられるようになっている。なお、送電状態(送電パターン)の数は、2種類に限定されず、3種類以上であってもよく、それら複数の送電パターンを順次切り替えてもよい。
このように、複数の送電パターン(送電状態STA,STB)を切り替えることにより、例えば、送電状態STAにおいて受電することが困難な受電器2Gに対しても、送電状態STBにおいて受電可能とすることができる。なお、送電状態STBにおいて受電することが困難な受電器2C,2D,2K,2Lは、送電状態STAにおいて受電可能となる。これにより、全ての受電器に対して電力を伝送することができる。
図14Aは、第1実施例の無線電力伝送システムを説明するための図であり、図14Bは、第2実施例の無線電力伝送システムを説明するための図であり、そして、図14Cは、第3実施例の無線電力伝送システムを説明するための図である。なお、図14A〜図14Cは、例えば、図12における4個の送電器1A〜1Dおよび8個の受電器2A〜2Hの部分を示す。
まず、図14Aに示されるように、第1実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、前述した図12と同様に、送電器1A〜1Dおよび受電器2A〜2Hとは別の専用の装置として設けられている。
すなわち、第1実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、それ自身が送電や受電を行わずに、例えば、サーバ等を利用して各送電器の出力のオン/オフ、並びに、位相および強度の調整を行う。
また、図14Bに示されるように、第2実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、1つの送電器1Cとして設けられている。すなわち、送電器の1つが全体制御器を兼用、従って、送電器1Cが全体制御器100として機能するようになっている。
さらに、図14Cに示されるように、第3実施例の無線電力伝送システムにおいて、全体制御器100は、1つの受電器2Eとして設けられている。すなわち、受電器の1つが全体制御器を兼用、従って、受電器2Eが全体制御器100として機能するようになっている。
ここで、例えば、送電器1Cを全体制御器100として設定する場合、図5A〜図9を参照して説明したマスタ送電器の決め方と同様の手法を適用して全体制御器の設定を行うことができる。なお、全体制御100と各送電器1A〜1Dおよび各受電器2A〜2Hの通信方式は、有線および無線のいずれであってもよい。
以上において、全体制御器100が出力を停止させる送電器の決定は、例えば、次の条件1および2に従って処理することができる。
条件1.送電グループ内の送電器(受電器)の数が所定数以下となるようにする。
条件2.優先度の高い受電器に対して送電(給電)する送電器は出力を停止させない。
ここで、優先度の高い受電器とは、例えば、バッテリ残量が少ない受電器や、ユーザが優先的に給電を指定する受電器のことである。また、停止する送電器に起因して受電不可となる受電器がある場合、例えば、受電不可の受電器への給電を優先した上で、再度、条件1および2を適用した送電グループの分割を実施することができる。
これにより、例えば、密集して配置された影響や相互干渉のある複数の送電器間の調整の最適化を図ることができ、また、バランスのとれた給電(電力伝送)を実現することができる。
図15Aは、図14Aに示す第1実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、全体制御器100(全体制御部200)と共に、2つの送電器1C,1Dおよび2つの受電器2E,2Fを抜き出して示すものである。
図15Aに示されるように、全体制御部200は、送電器および受電器とは別の独立した装置として設けられ、外部制御器(全体制御器)100および通信回路部104を含む。送電器1C,1Dは、同様の構成を有し、それぞれワイヤレス送電部11C,11D、高周波電源部12C,12D、送電制御部13C,13Dおよび通信回路部14C,14Dを含む。
高周波電源部12C,12Dは、高周波の電力を発生するもので、例えば、前述した図1における高周波電源部12に相当する。送電制御部13C,13Dは、ワイヤレス送電部11C,11Dを制御し、また、通信回路部14C,14Dは、全体制御部200,各送電器および受電器間の通信を可能とする。
ここで、送電器1C,1Dの通信回路部14C,14Dと、受電器2E,2Fの通信回路部24E,24Fの間の通信は、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやBluetooth(登録商標)等の無線通信を利用することができる。
また、送電器1C,1D間の通信や全体制御部200との間の通信は、上記Bluetooth(登録商標)等の無線通信でもよいが、例えば、有線LAN等の有線による通信であってもよい。さらに、送電器1Cおよび送電器1Dは、例えば、1つの送電器1に設けた2つの送電部(11)としてもよいのはいうまでもない。
ワイヤレス送電部11C,11Dは、磁界共鳴であればコイルに相当し、高周波電源部12C,12Dから供給される高周波電力を磁界に変換する。
全体制御部200(外部制御器100)には、送電器1C,1Dの相対位置関係や受電器2E,2Fの相対位置関係などの情報が供給される。ここで、相対位置関係を検出する方法としては、例えば、カメラによる撮像系を適用することができる。
受電器2E,2Fも同様の構成を有し、それぞれワイヤレス受電部21E,21F、整流部(受電回路部)およびバッテリ部(機器本体)22E(25E),22F(25F)、受電制御部23E,23Fおよび通信回路部24E,24Fを含む。
受電制御部23E,23Fは、受電器2E,2Fを制御するものであり、通信回路部24E,24Fは、全体制御部200,各送電器および受電器間の通信を可能とするもので、前述のように、無線LANやBluetooth(登録商標)等を利用する。
ワイヤレス受電部21E,21Fは、磁界共鳴であればコイルに相当し、無線で伝達された電力を電流に変換する。整流部22E,22Fは、ワイヤレス受電部21E,21Fから得られた交流電流をバッテリ充電や機器本体(25E,25F)で使用可能なように直流電流に変換する。
上述したように、全体制御部200、送電器1C,1Dおよび受電器2E,2Fは、それぞれの通信回路部104,14C,14D,24E,24Fを介して通信を行う。このとき、外部制御器100が、送電器1C,1Dおよび受電器2E,2Fを制御する。
また、ワイヤレス送電部11Cおよび11Dと、ワイヤレス受電部21Eまたは21Fの間は、磁界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送方式を適用することもできる。
図15Bは、図14Bに示す第2実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、送電器1Cが全体制御器100を兼用、すなわち、送電器1Cの送電制御部13Cが全体制御器100として機能する例を示すものである。
図15Bと上述した図15Aの比較から明らかなように、全体制御器100(全体制御部200)は、送電器および受電器とは別の独立した装置として設けるのではなく、任意の送電器1Cの送電制御部13Cに兼用させることができる。
この場合、図15Aにおける全体制御部200の通信回路部104も、送電器1Cの通信回路部14Cで兼用することができるため、ハード構成を低減することが可能となる。なお、全体制御器100としも使用する送電器1Cの送電制御部13Cには、例えば、他の送電器の送電制御部よりも処理能力の高いCPU(MPU)が設けられている。
図15Cは、図14Cに示す第3実施例の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、受電器2Eが全体制御器100を兼用、すなわち、受電器2Eの受電制御部23Eが全体制御器100として機能する例を示すものである。
図15Cと前述した図15Aの比較から明らかなように、全体制御器100(全体制御部200)は、送電器および受電器とは別の独立した装置として設けるのではなく、任意の受電器2Eの受電制御部23Eに兼用させることができる。
この場合、図15Aにおける全体制御部200の通信回路部104も、受電器2Eの通信回路部24Eで兼用することができるため、ハード構成を低減することが可能となる。なお、全体制御器100としも使用する受電器2Eの受電制御部23Eには、例えば、他の受電器の受電制御部よりも処理能力の高いCPUが設けられている。
図16は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器による送電器の出力制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。
全体制御器による送電器の出力制御処理を開始すると、ステップST11において、各送受電器の位置関係と各受電器のバッテリ状況・受電電力量を調査、すなわち、全体制御器100は、各送受電器と個別に通信して情報収集を行い、ステップST12に進む。
ステップST12では、各送電器の電力圏(送電電力圏)より各仮の送電グループ(仮送電G)を検出して、ステップST13に進み、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下かどうかを判定する。
ステップST13において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下であると判定すると、ステップST14に進んで、その仮送電Gを、実際に送電を行う送電グループ(送電G)と決定する。具体的に、前述した図12では、各仮送電G(PG11〜PG13)内の送電器の数が3以下で受電器の数が8以下となる場合が示されている。
さらに、ステップST15に進んで、各送電G内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST16に進み、ワイヤレス送受電を実行すする。
一方、ステップST13において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下ではないと判定すると、ステップST17に進んで、各送電Gの送電器・受電器数が所定数以下となるように、出力を停止する送電器を選択する。すなわち、ステップST17では、新規送電G1群,G2群,…,Gn群を決定して、ステップST18に進む。
ステップST18では、送電G1群内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST19に進んで、所定時間だけワイヤレス送受電を実行する。
さらに、ステップST20に進んで、送電G2群内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST21に進んで、所定時間だけワイヤレス送受電を実行する。
そして、ステップST22に進んで、ステップST18および19、並びに、ステップST20および21と同様の処理を、送電Gn群まで実行後、ステップST11に戻って上述した処理を繰り返す。なお、図16に示す全体制御器による送電器の出力制御処理は、単なる例であり、様々な変更が可能である。
図17は、本実施形態の無線電力伝送システムにおける全体制御器によるマスタ器の制御処理の一例を説明するためのフローチャートである。図17において、マスタ器とは、例えば、図14Bおよび図6〜図9を参照して説明したマスタ送電器に対応するが、図14Cのように、送電G内の受電器をマスタ器とする場合には、マスタ送電器をマスタ受電器と読み替えればよい。
全体制御器によるマスタ器の制御処理を開始すると、ステップST31において、各送受電器の位置関係と各受電器のバッテリ状況・受電電力量を調査、すなわち、全体制御器100は、各送受電器と個別に通信して情報収集を行い、ステップST32に進む。
ステップST32では、各送電器の電力圏より各仮送電G(仮の送電グループ)を検出して、ステップST33に進み、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下かどうかを判定する。
ステップST33において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下であると判定すると、ステップST34に進んで、その仮送電Gを、送電G(実際に送電を行う送電グループ)と決定する。
さらに、ステップST35に進んで、各送電G内の送電条件を検討し、各送電G内のマスタ送電器を選択する。そして、ステップST36に進んで、各送電Gは、マスタ送電器によりワイヤレス送受電を実行する。
すなわち、全体制御器はマスタ送電器を選択するだけで、その選択されたマスタ送電器が、各送電G内の送電条件の検討および各送電器に対する出力条件の指示を行い、ワイヤレス送受電を制御することになる。
一方、ステップST33において、各仮送電G内の送電器・受電器が所定数以下ではないと判定すると、ステップST37に進んで、各送電Gの送電器・受電器数が所定数以下となるように、出力を停止する送電器を選択する。すなわち、ステップST37では、新規送電G1群,G2群,…,Gn群を決定して、ステップST38に進む。
ステップST38では、送電G1群内の各送電Gのマスタ送電器を選択し、ステップST39に進んで、所定時間だけ、各送電Gはマスタ送電器によりワイヤレス送受電を実行する。
すなわち、全体制御器は、出力を停止する送電器の選択(ステップST37)およびマスタ送電器の選択(ステップST38)を行うだけで、その選択されたマスタ送電器が、各送電G内におけるワイヤレス送受電を制御することになる。
さらに、ステップST40に進んで、送電G2群内の送電条件を検討し、各送電G内の各送電器に対して出力条件を指示し、ステップST41に進んで、所定時間だけ、各送電Gはマスタ送電器によりワイヤレス送受電を実行する。すなわち、選択されたマスタ送電器が、各送電G内におけるワイヤレス送受電を制御することになる。
そして、ステップST42に進んで、ステップST38および39、並びに、ステップST40および41と同様の処理を、送電Gn群まで実行後、ステップST31に戻って上述した処理を繰り返す。なお、図17に示す全体制御器によるマスタ器の制御処理も、単なる例であり、様々な変更が可能である。
図18は、第1実施例の無線電力伝送システムの一変形例を示すブロック図である。図18と前述した図15Aの比較から明らかなように、図18に示す無線電力伝送システムでは、全体制御器100がセンターサーバ300に設けられている。
送電器1Cは、第1通信回路部14Cおよび第2通信回路部15Cを含み、送電器1Dは、第1通信回路部14Dおよび第2通信回路部15Dを含む。ここで、各送電器1C,1Dの第1通信回路部14C,14Dは、例えば、前述した図15Aにおける通信回路部14C,15Cに対応し、例えば、Bluetooth(登録商標)等を利用して近距離無線通信を行う。
すなわち、各送電器1C,1Dは、第1通信回路部14C,14Dにより、送電範囲内にある全ての受電器2E,2Fと近距離無線通信により通信を確立し、相互に情報の遣り取りを可能とする。
ここで、送電器1C,1Dが受電器2E,2Fとの間で遣り取りする相互情報には、各受電器2E,2Fの位置情報や電力情報(バッテリ状況・受電電力量)等の受電器情報が含まれる。
各送電器1C,1Dの第2通信回路部15C,15Dは、例えば、有線LANおよびインターネット回線等を介したクラウド・コンピューティングを利用して、センターサーバ300に設けられた全体制御器100と通信を行う。
なお、第2通信回路部15C,15Dと全体制御器100は、有線による通信に限定されるものではなく、また、センターサーバ300は、インターネットによるクラウド・コンピューティングを利用したものに限定されるものでもない。
具体的に、例えば、センターサーバ300と家庭やオフィスの間は有線接続し、その家庭やオフィス内では、無線LANルータ等を使用して無線LANにより接続することもできる。
ここで、第2通信回路部15C,15Dを介した送電器1C,1Dと全体制御器100の間の情報には、例えば、上述した第1通信回路部14C,14Dを介して受け取る受電器情報に加えて、各送電器1C,1Dの出力条件や位置等の送電器情報も含まれる。
そして、センターサーバ300(全体制御器100)は、送電器1C,1Dの第2通信回路部15C,15Dを介して送られてくる送電器情報および受電器情報に基づいて、送電グループの最適化を図る。
すなわち、全体制御器100は、例えば、送電グループが大き過ぎる場合、停止する送電器を選択することにより、適切な大きさの複数の送電グループに分割し、さらに、各送電器の出力指示(電流強度および位相情報)を与えて複数送電の最適化を図る。なお、全体制御器100は、停止する送電器を変化させて異なる送電グループを切り替えるといった制御も行う。
このように、全体制御器100をセンターサーバ300に設けることにより、すなわち、大きな処理能力を有するセンターサーバ300を全体制御器100として使用することにより、最適な電力伝送の計算を短時間で行うことが可能になる。
従って、図18に示す無線電力伝送システムは、例えば、多数の送電器により多数の受電器に対して電力伝送を行うことが想定される、企業や公共施設、或いは、商用の無線電力伝送システムに適用するのが好ましい。
図19は、第1実施例の無線電力伝送システムの他の変形例を示すブロック図であり、上述した図18の変形例に対して、前述した図15Cの無線電力伝送システムを組み合わせたものである。
図19と図18および図15Cの比較から明らかなように、図19に示す無線電力伝送システムは、センターサーバ300に設けられた第1全体制御器110、および、受電器2Eの受電制御部23Eに設けられた第2全体制御器120を含む。
すなわち、受電器2Eには、Bluetooth(登録商標)等を利用して送電器1C,1Dおよび他の受電器2Fと近距離無線通信を行う第1通信回路部24Eの他に、センターサーバ300と遠距離通信を行う第2通信回路部26Eが設けられている。
ここで、第2通信回路部26Eは、例えば、受電器2Eが携帯電話やスマートフォンの場合、本来設けられている3Gまたは4G回線(例えば、LTE(Long Term Evolution)やWCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiplexing Access)の通信回路と兼用する。
そして、センターサーバ300(第1全体制御器110)は、受電器2Eの第2通信回路部26Eを介して送られてくる,図18を参照して説明したのと同様の送電器情報および受電器情報に基づいて、送電グループの最適化を図る。
なお、同じ送電グループ内の送電器1C,1Dおよび他の受電器2Fは、例えば、図15Cの無線電力伝送システムと同様に、受電器2Eの第2全体制御器120により制御され、センターサーバ300の第1全体制御器110の存在は意識しなくてもよい。
ここで、受電器2Eと第1全体制御器110(センターサーバ300)の通信は、常時行わなくてもよく、例えば、受電器2Eにおける第2全体制御器120の処理能力を超える場合等のみ行えばよい。
そして、例えば、第1全体制御器110により最適な電力伝送の計算を行い、その計算結果を受電器2Eの第2全体制御器120を介して各送電器1C,1Dに与えるようにして、受電器2E,2Fに対する電力伝送を行う。なお、受電器2Eの受電制御部23Eに設けた第2全体制御器120は、例えば、送電器1Eにおける送電制御部13Eに設けることも可能である。
このように、大きな処理能力を有する外部のセンターサーバ300を全体制御器として利用することにより、最適な電力伝送の計算を短時間で行うことが可能になり、送電グループの選択や各送電グループにおける電力伝送を効率的に行うことができる。
図20は、図15Bに示す無線電力伝送システムにおける送電器(全体制御器100が設けられた送電器1C)の一例を示すブロック図である。
図20および図15Bに示されるように、送電器1Cにおいて、ワイヤレス送電部11Cは、LC共振器11aCおよび電力供給コイル11bCを含む。高周波電源部12Cは、発振器127、増幅器128および整合器129を含む。
送電制御部13Cは、送電制御回路131および周波数ロック回路132を含む。ここで、送電制御回路131は、全体制御器100としても機能する。周波数ロック回路132は、通信回路部14Cからの同期信号を受け取り、所定の間隔(例えば、数分〜数十分間隔)で、発振器127の同期処理を行う。
発振器127は、所定の周波数(例えば、6.78MHz)の周波数の駆動信号を生成し、増幅器128および整合器129を介してワイヤレス送電部11C(電力供給コイル11bC)に出力する。
送電制御回路131(全体制御器100)は、内部バス133で繋がれたCPU(演算処理装置)134、メモリ135および入出力回路(I/O部)136を含む。ここで、メモリ135は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を含む。そして、送電器1C,スレーブ送電器1Bおよび受電器等の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
送電器1Cには、例えば、スレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認するための検出部SAが設けられている。この検出部SAの出力は、例えば、I/O部136を介してCPU134に入力され、メモリ135に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、送電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラムは、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、SD(Secure Digital)メモリカード)70からI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者60のハードディスク装置61から回線およびI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置61からI/O部136への回線は、通信回路部14を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVD(Digital Versatile Disk)ディスクやブルーレイディスク(登録商標)(Blu-ray Disc(登録商標))等の記録媒体であってもよい。
以上の説明において、各実施例の説明は、主として磁界共鳴を利用した電力伝送を例としたが、本実施形態は、電界共鳴を利用した電力伝送に対しても適用することができる。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の送電コイルを含み、前記送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムであって、
前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握して、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する全体制御器を有する、
ことを特徴とする無線電力伝送システム。
(付記2)
前記全体制御器は、
前記複数の送電コイルにおける少なくとも1つの送電コイルの送電出力を停止して送電グループを規定する、
ことを特徴とする付記1に記載の無線電力伝送システム。
(付記3)
前記全体制御器は、
前記送電グループに含まれる前記送電コイルの数が第1閾値を超えないように、前記送電出力を停止する前記少なくとも1つの送電コイルを選択する、
ことを特徴とする付記2に記載の無線電力伝送システム。
(付記4)
前記全体制御器は、
前記送電グループに含まれる受電器の数が第2閾値を超えないように、前記送電出力を停止する前記少なくとも1つの送電コイルを選択する、
ことを特徴とする付記2に記載の無線電力伝送システム。
(付記5)
前記全体制御器は、
前記送電グループに含まれる前記送電コイルの数と前記受電器の数の合計が第3閾値を超えないように、前記送電出力を停止する前記少なくとも1つの送電コイルを選択する、
ことを特徴とする付記2に記載の無線電力伝送システム。
(付記6)
前記全体制御器は、
前記受電器における優先度を考慮して前記送電グループを規定する、
ことを特徴とする付記3乃至付記5のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記7)
前記全体制御器は、
前記送電グループを、少なくとも2つ規定し、
前記少なくとも2つ規定された送電グループを、順次切り替える、
ことを特徴とする付記3乃至付記6のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記8)
前記無線電力伝送システムは、複数の送電器を有し、
前記各送電器は、それぞれ前記複数の送電コイルにおける少なくとも1つの送電コイルを含む、
ことを特徴とする付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記9)
前記無線電力伝送システムは、複数の送電器を有し、
前記各送電器は、それぞれ送電コイルを含む、
ことを特徴とする付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記10)
前記全体制御器は、
前記送電器および前記受電器とは別に設けられている、
ことを特徴とする付記8または付記9に記載の無線電力伝送システム。
(付記11)
前記全体制御器は、
センターサーバに設けられている、
ことを特徴とする付記10に記載の無線電力伝送システム。
(付記12)
前記センターサーバは、通信回線を介して前記送電器と通信を行い、前記送電コイルの出力強度および位相を制御する、
ことを特徴とする付記11に記載の無線電力伝送システム。
(付記13)
前記全体制御器は、
前記送電器に設けられている、
ことを特徴とする付記9に記載の無線電力伝送システム。
(付記14)
前記全体制御器は、
前記受電器に設けられている、
ことを特徴とする付記9に記載の無線電力伝送システム。
(付記15)
前記全体制御器は、
センターサーバに設けられた第1全体制御器と、
前記送電器または前記受電器に設けられた第2全体制御器と、を有し、
前記第1全体制御器および前記第2全体制御器は、通信回線を介して接続されている、
ことを特徴とする付記9に記載の無線電力伝送システム。
(付記16)
前記送電コイルから前記受電器に対する電力伝送は、磁界共鳴または電界共振を利用した無線による電力伝送である、
ことを特徴とする付記1乃至付記15のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記17)
複数の送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送方法であって、
前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握し、
把握した前記複数の送電コイルの送電電力圏に従って、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する、
ことを特徴とする無線電力伝送方法。
(付記18)
さらに、
前記複数の送電コイルにおける少なくとも1つの送電コイルの送電出力を停止して送電グループを規定する、
ことを特徴とする付記17に記載の無線電力伝送方法。
(付記19)
さらに、
前記送電グループを、少なくとも2つ規定し、
前記少なくとも2つ規定された送電グループを、順次切り替える、
ことを特徴とする付記18に記載の無線電力伝送方法。
(付記20)
複数の送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送プログラムであって、
コンピュータに、
前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握する手順と、
把握した前記複数の送電コイルの送電電力圏に従って、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する手順を、実行させる、
ことを特徴とする無線電力伝送プログラム。
1 送電器(一次側:送電側)
1A〜1D 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A〜2E 受電器
10A,10B 外部電源
11,11A,11B ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB、11a1,11a2 送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)
11b,11bA,11bB 電力供給コイル(第1コイル)
12,12A,12B 高周波電源部
13,13A,13B 送電制御部
14,14A,14B,14C,14D 通信回路部(第1通信回路部)
15C,15D 第2通信回路部
21,21A,21B ワイヤレス受電部
21a,21aA,21aB 受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)
21b,21bA,21bB 電力取出コイル(第4コイル)
22,22E,22F 受電回路部(整流部)
23,23E,23F 受電制御部
24,24E,24F 通信回路部(第1通信回路部)
25 バッテリ部(負荷)
26E 第2通信回路部
60 プログラム(データ)提供者
61 ハードディスク装置
70 可搬型記録媒体
100 全体制御器
110 第1全体制御器
120 第2全体制御器
127 発振器
128 増幅器
129 整合器
131 送電制御回路
132 周波数ロック回路
133 内部バス
134 CPU(演算処理装置)
135 メモリ
136 入出力回路(I/O部)
200 全体制御部
300 センターサーバ

Claims (20)

  1. 複数の送電コイルを含み、前記送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送システムであって、
    前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握して、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する全体制御器を有する、
    ことを特徴とする無線電力伝送システム。
  2. 前記全体制御器は、
    前記複数の送電コイルにおける少なくとも1つの送電コイルの送電出力を停止して送電グループを規定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送システム。
  3. 前記全体制御器は、
    前記送電グループに含まれる前記送電コイルの数が第1閾値を超えないように、前記送電出力を停止する前記少なくとも1つの送電コイルを選択する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送システム。
  4. 前記全体制御器は、
    前記送電グループに含まれる受電器の数が第2閾値を超えないように、前記送電出力を停止する前記少なくとも1つの送電コイルを選択する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送システム。
  5. 前記全体制御器は、
    前記送電グループに含まれる前記送電コイルの数と前記受電器の数の合計が第3閾値を超えないように、前記送電出力を停止する前記少なくとも1つの送電コイルを選択する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送システム。
  6. 前記全体制御器は、
    前記受電器における優先度を考慮して前記送電グループを規定する、
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  7. 前記全体制御器は、
    前記送電グループを、少なくとも2つ規定し、
    前記少なくとも2つ規定された送電グループを、順次切り替える、
    ことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  8. 前記無線電力伝送システムは、複数の送電器を有し、
    前記各送電器は、それぞれ前記複数の送電コイルにおける少なくとも1つの送電コイルを含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  9. 前記無線電力伝送システムは、複数の送電器を有し、
    前記各送電器は、それぞれ送電コイルを含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  10. 前記全体制御器は、
    前記送電器および前記受電器とは別に設けられている、
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の無線電力伝送システム。
  11. 前記全体制御器は、
    センターサーバに設けられている、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線電力伝送システム。
  12. 前記センターサーバは、通信回線を介して前記送電器と通信を行い、前記送電コイルの出力強度および位相を制御する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線電力伝送システム。
  13. 前記全体制御器は、
    前記送電器に設けられている、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線電力伝送システム。
  14. 前記全体制御器は、
    前記受電器に設けられている、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線電力伝送システム。
  15. 前記全体制御器は、
    センターサーバに設けられた第1全体制御器と、
    前記送電器または前記受電器に設けられた第2全体制御器と、を有し、
    前記第1全体制御器および前記第2全体制御器は、通信回線を介して接続されている、
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線電力伝送システム。
  16. 前記送電コイルから前記受電器に対する電力伝送は、磁界共鳴または電界共振を利用した無線による電力伝送である、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  17. 複数の送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送方法であって、
    前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握し、
    把握した前記複数の送電コイルの送電電力圏に従って、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する、
    ことを特徴とする無線電力伝送方法。
  18. 前記全体制御器は、
    前記複数の送電コイルにおける少なくとも1つの送電コイルの送電出力を停止して送電グループを規定する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の無線電力伝送方法。
  19. 前記送電グループを、少なくとも2つ規定し、
    前記少なくとも2つ規定された送電グループを、順次切り替える、
    ことを特徴とする請求項18に記載の無線電力伝送方法。
  20. 複数の送電コイルから受電器に対して無線により電力伝送を行う無線電力伝送プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記複数の送電コイルの送電電力圏を把握する手順と、
    把握した前記複数の送電コイルの送電電力圏に従って、前記送電コイルおよび前記受電器の無線による電力の送受電を制御する手順を、実行させる、
    ことを特徴とする無線電力伝送プログラム。
JP2015507735A 2013-03-26 2013-03-26 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 Expired - Fee Related JP6172263B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/058758 WO2014155519A1 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014155519A1 true JPWO2014155519A1 (ja) 2017-02-16
JP6172263B2 JP6172263B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=51622605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015507735A Expired - Fee Related JP6172263B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10027175B2 (ja)
EP (1) EP2985862B1 (ja)
JP (1) JP6172263B2 (ja)
KR (1) KR101767804B1 (ja)
CN (1) CN105191060B (ja)
WO (1) WO2014155519A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6166598B2 (ja) 2013-06-26 2017-07-19 キヤノン株式会社 送電装置、受電装置、無線電力伝送システム、制御方法、及びプログラム
JP2015012632A (ja) * 2013-06-26 2015-01-19 キヤノン株式会社 送電装置、制御方法、及びプログラム
JP6372608B2 (ja) * 2015-02-24 2018-08-15 富士通株式会社 送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法
KR101700793B1 (ko) * 2015-04-07 2017-02-13 엘지이노텍 주식회사 무선 전력 송신 장치 및 그 제어 방법
KR20180050601A (ko) * 2015-04-10 2018-05-15 오시아 인크. 무선 전력 전달 시스템에서 전력 소비를 계산하는 기법
US9632554B2 (en) 2015-04-10 2017-04-25 Ossia Inc. Calculating power consumption in wireless power delivery systems
JP2019129676A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 京セラ株式会社 送電機器、管理サーバ、管理システム、及び管理方法
CN108768491B (zh) * 2018-07-03 2021-07-27 成都博士信智能科技发展有限公司 潜水器通信系统及方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009213295A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Fujifilm Corp 非接触充電装置および非接触充電方法
JP2009261157A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Sony Corp 無線通信装置、電力供給方法、プログラム、及び無線通信システム
WO2010122598A1 (ja) * 2009-04-21 2010-10-28 株式会社竹中工務店 電力供給システム
JP2011199975A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Nec Corp 非接触送電装置、非接触送電システムおよび非接触送電方法
JP2013048527A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Toyota Industries Corp 非接触給電システム及び非接触給電スタンド

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8099140B2 (en) * 2006-11-24 2012-01-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Wireless power supply system and wireless power supply method
JP2008154116A (ja) 2006-12-19 2008-07-03 Canon Inc 受信装置、テレビ受像機、及び受信装置の制御方法
JP5174374B2 (ja) 2007-05-10 2013-04-03 オリンパス株式会社 無線給電システム
KR100971748B1 (ko) * 2007-11-30 2010-07-22 정춘길 근거리 무선 전력전송 시스템
JP4557045B2 (ja) 2008-05-12 2010-10-06 ソニー株式会社 送電装置、送電方法、プログラム、および電力伝送システム
TWI380628B (en) * 2009-02-26 2012-12-21 Darfon Electronics Corp Power managing method and power managing circuit and energy transferring system using thereof
US8536736B2 (en) * 2009-04-03 2013-09-17 International Business Machines Corporation Wireless power infrastructure
JP5478326B2 (ja) 2010-03-30 2014-04-23 パナソニック株式会社 非接触給電システム
CA2899563C (en) * 2013-01-30 2017-10-03 Fujitsu Limited Power source, wireless power transfer system and wireless power transfer method

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009213295A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Fujifilm Corp 非接触充電装置および非接触充電方法
JP2009261157A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Sony Corp 無線通信装置、電力供給方法、プログラム、及び無線通信システム
WO2010122598A1 (ja) * 2009-04-21 2010-10-28 株式会社竹中工務店 電力供給システム
JP2011199975A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Nec Corp 非接触送電装置、非接触送電システムおよび非接触送電方法
JP2013048527A (ja) * 2011-08-29 2013-03-07 Toyota Industries Corp 非接触給電システム及び非接触給電スタンド

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
A.UCHIDA ET AL.: "Phase and intensity control of multiple coil currents in resonant magnetic coupling", 2012 IEEE MTT-S INTERNATIONAL MICROWAVE WORKSHOP SERIES ON INNOVATIVE WIRELESS POWER TRANSMISSION: T, JPN6013029479, 2012, pages 53 - 56, XP032185894, ISSN: 0003568127, DOI: 10.1109/IMWS.2012.6215818 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN105191060B (zh) 2018-12-25
US20160013666A1 (en) 2016-01-14
KR20150119418A (ko) 2015-10-23
JP6172263B2 (ja) 2017-08-02
EP2985862B1 (en) 2018-01-17
EP2985862A1 (en) 2016-02-17
KR101767804B1 (ko) 2017-08-11
WO2014155519A1 (ja) 2014-10-02
US10027175B2 (en) 2018-07-17
EP2985862A4 (en) 2016-03-30
CN105191060A (zh) 2015-12-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6172263B2 (ja) 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法
KR102462741B1 (ko) 무선 전력 전송 네트워크의 전력 전송 커버리지 제어 장치 및 방법
US11277037B2 (en) Method for wireless charging and electronic device thereof
US10050479B2 (en) Wireless power transmission system based on cell division
CN105745810B (zh) 无线电力正交极化天线阵列
JP6319432B2 (ja) 無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システム
EP3031123B1 (en) Wireless power transmission with selective range
JP6065838B2 (ja) 無線給電システム及び無線給電方法
CN103765797A (zh) 无线电力接收器及其控制方法
JP6032295B2 (ja) 送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法
US11936194B2 (en) Apparatus and method for controlling power transmission coverage of wireless power transmission network
JP6315088B2 (ja) 受電器、無線電力伝送システムおよびkQ値算出方法
WO2015177860A1 (ja) 無線電力伝送制御方法および無線電力伝送システム
KR20170064380A (ko) 무선 전력 수신기 및 그 제어 방법
WO2016147312A1 (ja) 無線給電システム、送電器、及び、送電方法
JP2011205767A (ja) 非接触充電システム
US11502555B2 (en) System and method for wireless power transmission
JP6565464B2 (ja) コイル構造体、送電器、受電器および無線電力伝送システム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6172263

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees