JPWO2014136193A1 - 基地局装置、基地局システムおよびiqデータの圧縮方法 - Google Patents

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Abstract

一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)(101)とRE(Remote Equipment)(102)との間において送受信する変調後のデジタル信号のIQデータについて、受信側装置がRE(102)のときには、このRE(102)のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路であるCPRI(103)を介してRE(102)に送信するIQ圧縮処理部(302)を備える。

Description

本発明は、基地局装置内の信号を圧縮する基地局装置、基地局システムおよびIQデータの圧縮方法に関する。
セルラー無線基地局(基地局)は、無線制御部(REC:Radio Equipment Controller)と、無線部(RE:Remote Equipment)とに分けて構成することができる。これらRECとREは、共通公衆無線インタフェース(CPRI:Common Public Radio Interface)という光インタフェースで接続され、信号(IQ Data)を伝送する(例えば、下記非特許文献1参照。)。
RECでは、無線通信のベースバンド処理をおこなう。下り方向では、ベースバンド処理後の無線送信電力をIQデータとしてCPRI経由でREに送信する。上り方向では、REが受信した無線電力を量子化してIQデータとしてCPRI経由でRECに送信する。
昨今のスマートフォンの普及によるトラフィック急増に対応するため、基地局のうちRECがおこなうベースバンド処理を一つの中央サーバーに集中させ、複数のホットスポットにそれぞれRE(例えばスモールセル)を配置する等の次世代ネットワーク構成が考えられている。
一つのRECに対して、複数のREが分岐接続される配置構成、複数のREがカスケード(縦列)接続された配置構成、複数のREがカスケード接続された後、さらに複数のREに分岐接続される配置構成等がある。このような複数のREが接続された配置構成において、RECから各REへのCPRIを用いた送信等では、RECからREへのCPRIの転送容量を増やす必要が生じる。一方、光信号を終端する光モジュールは転送量が増えるほど高価になり、数倍の転送容量を実現しようとしたときにコスト高となるため実現性に乏しくなる。
このようなCPRIの転送容量の問題を解決するために、ハフマン符号等により信号の圧縮をおこない、転送容量を削減する技術が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特表2011−526095号公報
CPRI Specification V5.0、[online]、平成23年9月21日、Ericsson AB他、[平成25年2月8日検索]、インターネット<URL:http://www.cpri.info/downloads/CPRI_v_5_0_2011−09−21.pdf>、2.3.Reference Cofigurations(p.11−13)、3.4.2.Required U−plane IQ Sample Widths(p.19−20)、4.2.1.Line Bit Rate(p.29)
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ハフマン符号の具体的な適用方法が記載されていない。ハフマン符号による圧縮は、幾何分散にのみ効果があり、それ以外は悪化するものであり、IQデータの圧縮に対してどのように適用するか考えられていない。さらに、遅延を最小化する具体的な方法が提示されていない。
ここで、帯域幅が増加するほど転送レートが増加する。なお、サンプルビット幅(IQ sample width)は、上記非特許文献1(CPRI Specification V5.0)において、下りが8−20bit、上りが4−20bitと定義されているが、変調方式や周波数帯域によって幅が異なる。
上述したネットワーク構成の変更により、1台のRECに対し、複数台のREが接続される配置において、REの増設によるRE数の増大、1台のREが扱う周波数帯域の増大、アンテナ数の増大などが生じる。このようなネットワーク変更に応じて、RECとRE間の信号についても、転送レートを変更するとともに、最適な圧縮率に変更する必要が生じる。
例えば、通信規格として、LTE(Long Term Evolution)20MHz Bandwidthの運用時には、CPRIのサンプリングビット幅として15bitが送信品質上必要とされる。このとき、CPRI転送レートは最低でも2.4Gbps必要になる。例えば、転送レートが1Gbpsであれば1秒でデータ転送完了させなければならず、特許文献1の圧縮技術では、処理負担が増大する。また、高速な動作速度を満たしデータ転送に遅延を生じさせないためには、インタフェースの回路規模を大きくする必要が生じる。
このように、上述したカスケード接続等により1台のRECに対して分散配置されるRE数の増大時には、RECとRE間の信号(IQ Data)の圧縮および転送レートの設定を適切におこなう必要が生じる。しかし、REが複数となったとき、システムが許容する遅延の範囲内に収まるようにするデータ転送はおこなえない。
なお、上記の説明では、RECからREへのデータ転送を主に説明したが、REからRECに対するデータ転送についても同様に、データ転送が許容範囲内にでき、各REからRECに対するデータ転送の効率化が求められる。
一つの側面では、本発明は、RECと複数のRE間のデータ転送の遅延を低減でき、かつデータ転送を効率化できることを目的とする。
一つの案では、基地局装置は、一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)との間において送受信する変調後のデジタル信号のIQデータについて、受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信する圧縮処理部を有する。
一つの実施形態によれば、RECと複数のRE間のデータ転送の遅延を低減でき、かつデータ転送を効率化できる。
図1は、実施の形態にかかる基地局装置の内部構成を示す図である。 図2は、RECとRE間のデータのデータ処理の流れを示す説明図である。 図3は、IQ圧縮処理部の内部構成例を示すブロック図である。 図4は、IQ圧縮処理とIQ復元処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。 図6は、下りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。 図7は、上りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。 図8は、電力中心値算出部の構成例を示すブロック図である。 図9は、マルチプレクサによるIQデータの状態別の出力値を示す真理値表である。 図10は、分散値算出部の構成例を示すブロック図である。 図11は、最適化係数算出部の構成例を示すブロック図である。 図12は、REの送信電力の変化とダイナミックレンジとを示す図表である。 図13は、最適化係数算出部のパラメータテーブルの一例を示す図表である。 図14は、IQサンプル値の一例を時系列で表した図表である。 図15は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。 図16は、IQデータのビット範囲別のサンプル数を示す図表である。 図17は、スケーリング処理におけるIQデータの切り出し範囲を示す図である。 図18は、スケーリング処理におけるビットシフト状態を示す図である。 図19は、CPRI転送時の復号用パラメータの領域指定を示す図である。 図20は、最適化係数に対するキャリブレーションの構成例を示すブロック図である。 図21は、最適化係数に対するキャリブレーションの他の構成例を示すブロック図である。 図22は、複数の劣化量別の係数を示す図である。 図23は、最適化係数に対する劣化量抑制方法の手段としてのキャリブレーション方式の構成例を示すブロック図である。 図24は、IQ圧縮処理部における圧縮による劣化量の抑制をおこなう構成例を示す図である。 図25は、システム帯域別の分散算出用のパラメータを示す図表である。 図26は、RECとRE間のデータ圧縮にかかる構成例を示す図である。
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態の基地局装置は、RECと、REとを有する構成において、各種通信方式(例えば、4G(LTE、WiMax:Worldwide interoperability for Microwave Access)、3G(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System、CDMA:Code Division Multiple Access)、2G(GSM:Global System for Mobile communications)(登録商標))に適用することができる。
(基地局装置の構成例)
図1は、実施の形態にかかる基地局装置の内部構成を示す図である。基地局装置100は、無線制御部(REC)101と、無線部(RE)102とに分けて構成される。これらREC101とRE102は、共通公衆無線インタフェース(CPRI)103により接続され、信号(IQ Data)を伝送する。1台のREC101に対し、RE102は複数台が並列または縦列接続可能であり、REC101と複数台のRE102との間にそれぞれCPRI103が設けられる。
REC101では、無線通信のベースバンド処理をおこなう。無線通信の下り方向(Downlink)では、REC101によりベースバンド処理後の無線送信電力をIQデータとしてCPRI103を経由して、RE102に送信する。RE102は、指示された無線送信電力を有してアンテナ104を介して携帯端末(UE)105に無線送信する。無線通信の上り方向(Uplink)では、RE102がアンテナ104を介してUE105から受信した無線電力を量子化し、RE102はIQデータとしてCPRI103を経由してREC101に送信する。
図2は、RECとRE間のデータのデータ処理の流れを示す説明図である。REC101からRE102への下り(Downlink)の処理と、RE102からREC101への上り(Uplink)の処理を示している。
Downlink処理では、REC101のベースバンド処理部301が信号のベースバンド処理をおこなう。IQ圧縮処理部302は、ベースバンド処理により得られる量子化IQに対する圧縮処理をおこなう。圧縮されたIQデータは、CPRI103を介しRE102に転送される。RE102は、IQ復元処理部311によりIQ復元処理する。復元されたIQに基づいて、D/A変換処理部312は、デジタル−アナログ変換し、増幅処理部313により無線信号を増幅し、UE105に向けて無線送信する。
Uplink処理では、UE105が送信した無線電波を受信処理部321により受信し、A/D変換処理部322によりアナログ−デジタル変換する。IQ圧縮処理部323は、A/D変換後の量子化IQに対する圧縮処理をおこなう。圧縮されたIQデータは、CPRI103を介しREC101に転送される。REC101は、IQ復元処理部331によりIQ復元処理する。ベースバンド処理部332は、IQ復元後のベースバンド処理をおこなう。
これらDownlinkとUplinkのIQ圧縮処理、IQ復元処理は、いずれも量子化IQを処理する共通の方式である。この実施の形態では、REC101とRE102間のCPRI103を介してIQデータ(量子化IQ)を受け渡す際に、無線の品質目標値(EVM:Error Vector Magnitude等)を劣化することなく、転送データ量を削減する所定の圧縮方式を用いる。
図3は、IQ圧縮処理部の内部構成例を示すブロック図である。図2に示したREC101に設けたIQ圧縮処理部302の内部構成に相当する。IQ圧縮処理部323についても同様の構成となる。
IQ圧縮処理部302は、電力中心値算出部401と、分散値算出部402と、最適化係数算出部403と、スケーリング部404と、劣化量算出部405とを含む。
電力中心値算出部401には、生成された量子化IQが入力され、REC101が送信しようとする電力の中心値(定格電力に相当)を算出する。IQデータ(量子化IQ)は、時間経過毎に異なる送信電力を示している。分散値算出部402は、量子化IQと、電力中心値算出部401が算出した電力の中心値に基づいて、送信電力の分散値を算出する。最適化係数算出部403は、量子化IQと、分散値算出部402により算出された送信電力の分散値と、係数算出指標に基づいて、圧縮の際の最適化係数を算出する。
スケーリング部404は、最適化係数算出部403により算出された最適化係数に基づき、量子化IQを圧縮し、圧縮IQデータを出力する。この圧縮は、後述するように、サンプルビット幅を削減することによりおこなう。劣化量算出部405は、圧縮処理によるサンプルビット幅削減による無線品質の劣化量を算出する。この劣化量算出部405により算出した劣化量に基づき、最適化係数算出部403は品質目標値(EVM等)を満たすように最適化係数を変更する。
(IQ圧縮処理とIQ復元処理)
図4は、IQ圧縮処理とIQ復元処理の流れを示すフローチャートである。DownlinkにおけるIQ圧縮処理と、IQ復元処理を例に説明する。図4の(a)に示すIQ圧縮処理をはじめに説明する。REC101のIQ圧縮処理部302は、REC101からRE102に送信する情報に対してベースバンド処理をおこなった後のRE102における送信空中線電力を時系列で量子化されたデータ(量子化IQ)を受け取る。
量子化は、例えば、3GPPに基づくベースバンド処理で出力されうる全IQデータのとりうる範囲を量子化する。このときのサンプルビット幅(IQ sample width)は、上記非特許文献1の「3.4.2章 Required U−plane IQ Sample Widths」の記載によれば、Downlink(下り)で8bit〜20bit、Uplink(上り)で4bit〜20bitと定義されている。ここで、どのようなビット幅を用いるかは、使用する無線の変調方式や帯域幅によって異なる。例えば、LTEの20MHz帯域送信の場合、一般的に最小送信電力と最大送信電力を確保して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調を実現させるためには、15bit以上のビット幅が用いられる。
以下、図4の(a)に示す4つの処理内容である「電力中心値算出:ステップS501」、「分散値算出:ステップS502」、「最適化係数算出:ステップS503」、「スケーリング(圧縮):ステップS504」により、少ないサンプルビット幅で等量のデータを送受信するIQ圧縮がおこなえるようになる。
はじめに、IQ圧縮処理部302は、「電力中心値算出:ステップS501」により、RE102によって送信する空中線電力(送信電力)の平均値Vaを算出する。REC101が平均値期待値をすでにパラメータとして持っている場合は、その値で代用してもよい。
次に、IQ圧縮処理部302は、「分散値算出:ステップS502」により、所定期間における空中線電力の平均値Vaに対する分散値Vσを算出する。
この後、「最適化係数算出:ステップS503」では、RE102の空中線出力ダイナミックレンジVre_maxと、Vre_minを定義する。空中線出力ダイナミックレンジは、RE102等外部(図4の例ではDB500)から取得してもよい。例えば、Vreの値は、RE102の実力値をパラメータとして手動設定するほか、RE102から報告を受けた値を設定してもよい。
次に、「スケーリング(圧縮):S504」では、有効サンプルビット長を抽出する。圧縮に必要最低限のIQサンプルビット幅を算出するために、空中線電力値の量子化対象の範囲を絞る。この量子化対象の範囲の絞り込みは、下記1.〜4.に基づきおこなう。
1.装置送信出力ダイナミックレンジ方式(REのダイナミックレンジに基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理)
分散値Vσのうち、空中線出力ダイナミックレンジVre_max以上、および空中線出力ダイナミックレンジVre_min以下の電力値は対象として排除する。この排除した部分は、実施の形態を適用しない場合の冗長データに相当する。
2.電力値正規分布方式(IQデータの分散に基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理)
IQサンプルビット幅の範囲を絞るために、Va−A×Vσ以下と、Va+A×Vσ以上となる電力値を量子化対象から排除する。Aは、最適化係数パラメータである。例えば、A=3とすると、統計学上の3σの理論に則り、量子化する範囲として全体の99.7%をカバーできることになる。Aの値の決定は、システム試験で得られる結果から通信品質(特にEVM)が劣化しない値を選定する。
3.ウインドウ方式(ウインドウ方式による量子化対象の範囲の絞り込み処理)
ウインドウ方式は、上記1.REのダイナミックレンジと、2.IQデータの分散とを組み合わせた方式である。
4.オフセット係数を用いた量子化対象の範囲の絞り込み処理
IQデータ(量子化IQ)に対してオフセット係数xを掛けることにより、分散値算出で導出したIQデータの分散を縮小し、有効サンプルビット幅(IQ bit width)を削減する。これに限らず、上記1.〜3.により絞り込み後にIQデータに対して適用し、さらに絞り込み範囲を狭めることもできる。
上記1.〜4.の各絞り込み内容の詳細は後述する。
図5は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。横軸はサンプルビット幅、縦軸はIQデータのサンプル数(例えばN個)である。図5には、REC101がIQデータによりREに伝える送信電力の指定値のN個のサンプルの分布特性曲線と、そのばらつき(分散)を示している。そして、図中W1は、上記「1.REのダイナミックレンジに基づき絞り込んだ量子化対象の範囲」を示す。また、図中W2は、上記「2.IQデータの分散に基づく量子化対象の範囲」を示す。また、図中W3は、スケーリング後(CPRI103に送信する)のIQデータの有効サンプルビット幅を示す。
有効サンプルビットの下限Wiqw_minと、上限Wiqw_maxは下記で表すことができる。
Wiqw_min=ceil(MAX(Vre_min,Va−A×Vσ))
Wiqw_max=floor(MIN(Vre_max,Va+A×Vσ))
(ceil(x)は天井関数、floor(x)は底関数)
図5に示す例では、0〜14までの15ビットのサンプルビット数で表現される送信電力値について、圧縮により7〜13までの7ビットだけで表現できることになり、50%のIQデータ圧縮が実現できることになる。
この後、図4の(a)に示す「CPRI Mapping:ステップS505」では、抽出した有効サンプルビットをCPRIのIQデータ領域へマッピングをおこなう。また、RE102側でデータを復元するのに必要な情報をCPRI layer2のControl Word(参照:上記非特許文献1)内のVendor Specificの領域に格納してRE102に通知する。なお、Vendor Specific領域のビット位置は任意である。
RE102に通知する情報は以下の通りである。
1)サンプルビット長Ls(IQ Sample Width)
2)上記1)のうち、最初のビットの示す2のべき乗数B(例えば、B=7なら最初のビットは2^7の電力値を示す。)
3)最適化係数更新インターバルNt(CPRIのBasic Frameを何度処理した後に、最適化係数更新をおこなうかの期間を示す。例えば、LTEであれば、OFDMシンボル毎に最適化係数を更新する。)
上記のようにしてREC101内にて処理された圧縮後のIQデータがCPRI103を経由してRE102に送られる。
次に、図4(b)を用いて圧縮IQデータを受信した際のIQ復元処理について説明する。Downlinkの場合、RE102のIQ復元処理部311は、はじめに、「CPRI DeMapping:ステップS511」をおこない、Ls、B、Ntを受信したCPRI control wordから抽出する。次に、「逆スケーリング処理:ステップS512」では、上記Ls、B、Ntを用いて各圧縮後のIQデータの復元をおこなう。上記により、RE102は、REC101によるベースバンド処理後の量子化IQの復元をおこない、復元された量子化IQが示す空中線電力(送信電力)に基づく送信をおこない、携帯端末(UE)105と通信する。
上記によれば、IQデータをRECとRE間で転送(送受信)するにあたり、これまで考慮されていなかったREの送信電力ダイナミックレンジ外のIQデータを冗長データとして削減する。また、IQデータの示す空中線電力の分散状況からとりうる電力値の頻度が一定割合より低い電力のものを冗長データとして削減する。これらにより、CPRIの転送路(光回線)におけるIQデータを効率的に圧縮でき、大きな転送容量を必要とする通信方式にも対応しつつ複数のREの分散配置が可能となる。
そして、CPRIのデータ転送容量に対して上記のIQ圧縮を適用することにより、CPRI上にて転送されるIQデータを、30%〜70%削減できる。例えば、50%削減により、RECは、既存のCPRI光物理回線を用いながら、2つ(2箇所)分のRE102との間でのデータ転送が可能となる。これにより、既存の光回線インフラの増強を最小限に抑えながら、REの設置数を増やせるようになる。そして、1台のRECに対して複数台のREをCPRIにより接続して通信エリアを拡張する次世代ネットワークに柔軟に対応できるようになる。
(IQデータ圧縮にかかる各機能部の詳細)
次に、上記IQデータ圧縮にかかる各機能部の詳細について説明する。
(Downlink量子化IQ生成)
Downlinkのベースバンド処理部301がおこなうIQ圧縮処理部302のインプットデータである量子化IQ生成について説明する。量子化IQは、3GPP標準仕様に基づくベースバンド処理である。
図6は、下りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。以下の説明順にデータ処理されていく。CRC付加部(CRC attachment)701は、Transport BlockにCRCを付加する。コードブロック分割部/コードブロックCRC付加部(Code block segmentation/Code block CRC attachment)702は、コードブロック(Code block)の分割とCRCを付加する。チャネル符号化部(Channel cording)703は、ターボ符号化(Turbo coding)/テールバイティングたたみ込み符号化(Tail biting convolution coding)をおこなう。
レートマッチング部(Rate matching)704は、符号化の際のレートマッチング(Rate matching)をおこなう。コードブロック結合部(Code block concatenation)705は、コードブロック(Code block)を結合する。スクランブル部(Scrambling)706は、コードワード(Codeword)に対してビットスクランブル(bit scrambling)をおこなう。
モジュレーションマッパー部(Modulation mapper)707は、QPSK、64QAMなどの各種変調をおこなう。レイヤーマッパー部(Layer mapper)708は、トランスミッションレイヤー(Transmission Layer)のマッピングをおこなう。プリコーディング部(Precoding)709は、トランスミッションレイヤー(Transmission Layer)のデータにプリコーディング(Precoding)をおこなう。
リソースエレメントマッパー部(Resource element mapper)710は、サブキャリア(Subcarrier)にプリコーディング(Precoding)されたデータをマッピングする。OFDM信号生成部(OFDM Signal Generation)711は、IFFT、Cyclic PrefixをおこないOFDM(直交周波数分割多重方式)信号を生成する。
(Uplink量子化IQ生成)
Uplinkのベースバンド処理部332がおこなう量子化IQ生成について説明する。図7は、上りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。以下の説明順にデータ処理されていく。
SC−FDMA信号復号部(SC−FDMA Signal decoding)801は、UE105からの受信電波をSC−FDMA方式により復号する。リソースエレメントデマッピング部(Resource element Demapping)802は、リソースブロックからデータの抽出をおこなう。チャネル推定部(Channel Estimation)803は、周波数推定をおこなう。デモジュレーション部(Demodulation)804は、二次変調の複号処理をおこなう。デスクランブル部(Descramble)805は、スクランブリングコードの解除をおこなう。ビットデコレクション部(Bit Decollection)806は、データのビットデコレクション処理(Bit Decollection)をおこなう。チャネル復号部(Channel Decoding)807は、チャネル毎のデータ複号をおこなう。CRCチェック部(CRC Check)808は、データのCRCの確認をおこなう。
(量子化IQについて)
上述した量子化IQは、図6に示すOFDM信号生成部711の出力である。この量子化IQとは、ベースバンドチャネルがアンテナ−搬送波チャネルのうちの一つに対応する信号サンプルのシーケンスである。各信号サンプルは同相(I)サンプルと、直交(Q)サンプルを含む。
(電力中心値算出)
図8は、電力中心値算出部の構成例を示すブロック図である。電力中心値算出部401がおこなう電力中心値算出処理の詳細について説明する。電力中心値算出部401は、マルチプレクサ901と、平均値算出部902とを含む。
量子化IQデータの同相(I)、直交(Q)のそれぞれのサンプルは、空中線電力の振幅を表す。電力中心値算出部401では、I,Qそれぞれについてのバイナリ表示における有効桁数の平均値を算出する。図8では便宜上、IQデータを一括して処理する例を示している。実際は、同相(I)サンプル列と直交(Q)サンプル列を並行に処理している。処理するIQデータサンプル数はNとする。マルチプレクサ901では、入力されるIQデータの有効桁数を算出する。IQデータの有効ビット幅をxとする。
図9は、マルチプレクサによるIQデータの状態別の出力値を示す真理値表である。N個のサンプルそれぞれの出力値がサンプルビット幅(IQ bit width)に相当する。平均値算出部(1/N Σ)902では、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を求め、この平均値を電力中心値とする。
(分散値算出)
図10は、分散値算出部の構成例を示すブロック図である。分散値算出部402がおこなう分散値算出処理の詳細について説明する。分散値算出部402は、IQデータのN個のサンプルが示す分散値σ(標準偏差)を算出する。分散値σは、IQデータのサンプルビット幅(IQ bit width)と、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)とに基づき求めることができる。
分散値σの算出は下記式(1)により表すことができる。図10の(a)には、この式(1)に対応する分散値算出部402の構成例である。この例では、加算器1101、乗算器1102,1104、積算部1103、平方根算出部1105とを含む。
Figure 2014136193
加算器1101では、サンプルビット幅(IQ bit width)からNサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)の差分値を求める。この差分値は、乗算器1102により乗算され、積算部1103によりNサンプル分が積算される。この後、乗算器1104により1/N乗算され、平方根算出部1105により平方根演算されて、分散値σが求められる。
上記式(1)および図10の(a)に示す処理では、加算器1101による最初の和演算において、IQデータのサンプルビット幅(IQ bit width)にNサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)の値を足し込む必要がある。このため、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を事前に算出しておく必要が生じる。この平均の算出は、N個のデータを取得し一度走査する必要があるため、上記の処理ではN個のデータをシリアルに二回の走査をおこなう必要が生じ、処理遅延が生じる。
このような処理遅延の低減化のために、上記式(1)を下記式(2)のように式変換して得ることができる。
Figure 2014136193
図10の(b)は、下記式(2)に対応する分散値算出部402の他の構成例である。この例では、並列な2つの乗算器1102a,1102bと、積算部1103と、乗算器1104と、加算器1101と、平方根算出部1105とを含む。IQデータのサンプルビット幅(IQ bit width)が入力される処理系と、サンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)が入力される処理系とを並列に分けて設けている。
一方の処理系では、乗算器1102aにより、サンプルビット幅(IQ bit width)が乗算され、積算部1103による積算値を求め、乗算器1104により1/N乗算される。他方の処理系では、乗算器1102bにより、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を求める。
加算器1101では、一方の処理系によるサンプルビット幅(IQ bit width)に対する処理結果から、他方の処理系によるNサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)の処理結果を減算し、平方根算出部1105により平方根演算されて、分散値σが求められる。
上記構成例によれば、Nサンプルのサンプルビット幅(IQ bit width)を入力とする処理系と、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を入力とする処理系が個別に、N個のサンプルに対する並列演算をおこない、結果の合流点である加算器1101における差分算出以降の処理と合わせてN+(定数)の処理数(ステップ)を有して分散値σを求めることができるため、図10(a)の構成に比して遅延を抑制できるようになる。
(最適化係数算出)
図11は、最適化係数算出部の構成例を示すブロック図である。最適化係数算出部403は、IQデータを圧縮する際の圧縮調整値(最適化係数)を算出する。最適化の方式は複数あり、用途、装置実力、品質等にしたがって適切な圧縮サンプルビット幅(圧縮IQ bit width)を算出する。
品質指標は、圧縮に伴う通信品質のターゲットによって異なる。品質指標パラメータを以下に挙げる。
・通信品質。EVMなどを指標として用いる。
装置指標は、係数算出の入力となるその他のパラメータである。装置指標のパラメータを以下に挙げる。
・装置送信電力(ダイナミックレンジ)
・係数算出に使用するIQデータのサンプル数
・算出した係数値を適用するIQデータのサンプル数(圧縮の単位)
標準偏差は、分散値算出で求めたσを用いる。
上記パラメータから、複数の量子化対象の範囲の絞り込み方式について、方式毎の係数と、圧縮サンプルビット幅(圧縮IQ bit width)を導出する。以下、上述した1.〜4.の各量子化対象の範囲の絞り込み方式について説明する。
1.REのダイナミックレンジに基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理
図12は、REの送信電力の変化とダイナミックレンジとを示す図表である。横軸は時間、縦軸は送信電力である。RE102は、送信する電力のダイナミックレンジを有する。このダイナミックレンジの最大値をPd_pow_max、最小値をPd_pow_minとする。
IQデータサンプルの示す送信電力(電力値:Power)について、P<Pd_pow_minと、Pd_pow_max<Pを満たすサンプルは、前者をP=Pd_pow_min、後者をP=Pd_pow_maxと読み換えが可能である。
図12のa区間は、Pd_pow_max以上の電力が検出されるが、Pd_pow_max以下、つまりRE102の送信電力のダイナミックレンジの範囲内の電力が検出されないことから、この区間のIQデータはゼロとなる。同様に、b,c区間はダイナミックレンジの範囲内の値をとる。d区間は、Pd_pow_min以下の電力であり、検知されないので電力値はゼロとなる。e,f区間はb,c区間と同様にして扱う。
これにより、IQデータサンプルのとりうる範囲W1がダイナミックレンジに対応して狭まり、範囲W1を超えるサンプルn1,nxを削除して、有効サンプルビット幅(IQ bit width)を削減できる。有効サンプルビット幅(IQ bit width)は整数なので、天井関数と床関数をつかって、以下のように表すことができる。
サンプル最大値を表す有効桁数B_drange_max=floor(log2(Pd_pow_max)+1)
サンプル最小値を表す有効桁数B_drange_min=ceil(log2(Pd_pow_min)+1)
このREのダイナミックレンジによる量子化対象の範囲の絞り込み方式を採用した場合、有効ビット幅(bit width)は、B_drange_max−B_drange_min+1で表される。通常のビット幅(bit width)の最大値、最小値をそれぞれ、B_max,B_minとすると、本方式により有効bit widthをB_max−B_drange_max+B_drange_min−B_minの分だけ削減できる。削減された情報は、もともとRE102が送信出力不可能な範囲であり、本方式採用による品質劣化は生じない。
図13は、最適化係数算出部のパラメータテーブルの一例を示す図表である。圧縮率は「圧縮後IQ bit width」/「量子化IQ bit width」とする。小文字アルファベットと、小文字アルファベット添え字のパラメータは定数とする。図13に示すように、目標とする通信品質別に、ダイナミックレンジおよびIQサンプリング数の組み合わせが異なる。また、LTEやCDMAが規定するシンボル単位以外の圧縮単位の選び方としては、サンプリング数指定も可能である。例えば、通信品質A4,A5についてそれぞれIQサンプル数を500,1000と指定してもよい。
2.IQデータの分散に基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理
図14は、IQサンプル値の一例を時系列で表した図表である。横軸は時間、縦軸はIQデータが示す送信電力である。また、図15は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。横軸はサンプルビット幅、縦軸はIQデータのサンプル数(例えばN個)である。これらは、3GPP規格に基づき、LTEのE−TM1.1送信プロファイルで使用された実データである。
図15に示すように、RE102に出力するIQデータ(送信電力のサンプル)の値は正規分布となる。したがって、標準偏差σの定数倍A×σを利用して、一定確率以下の電力値を表すサンプルを削減することで、IQデータのサンプルビット数(IQ bit width)を削減する。
そして、電力中心値算出部401により、電力中心値Pa(図5のVaに相当)を求めておく。IQデータの各サンプルの電力値(真値)をPとすると、−A×σ<P<A×σの範囲W2を満たすPのみを有効サンプルとし、条件外のサンプルは捨てることで、Pの範囲を絞ることができる。定数Aは、品質指標と圧縮率のターゲットに基づき調整可能なパラメータである。
3.ウインドウ方式による量子化対象の範囲の絞り込み処理
ウインドウ方式は、上記1.REのダイナミックレンジと、2.IQデータの分散、との組み合わせである。有効サンプルビット幅(bit width)の最大値と最小値は以下の式で求められる。
最大値B_drange_max=floor(MIN(log2(Pd_pow_max),Pave+Aσ)+1)
最小値B_drange_min=ceil(MAX(log2(Pd_pow_min),Pave−Aσ)+1)
4.オフセット係数を用いた量子化対象の範囲の絞り込み処理
この方式では、分散値算出で導出したIQデータの分散を縮小し、有効サンプルビット幅(IQ bit width)を削減する。
図16は、IQデータのビット範囲別のサンプル数を示す図表である。横軸はサンプルビット幅、縦軸はサンプルビット幅毎のIQデータのサンプル数である。IQデータ(量子化IQ)のばらつき(分散値σ)を示す。この量子化IQをさらに圧縮するために分散値を縮小させる。図において、分散値の縮小は、系列2のサンプル値全体にオフセット係数x(1<x<2)を掛け合わせた結果、系列1(このときの分散をσ’とする)が得られる。
系列3のばらつきをσ、中心値Paとしたとき、理論上、ばらつきの99.7%をカバーするPa−3σの値が、5<Pa−3σ<6のとき、系列1のばらつきをσ’、中心値をPa’(=Pa×x)とすると、6<Pa’−3σ’<7となった場合、情報の質を劣化することなく、有効サンプルビット幅(bit width)を削減することができる。
図16に示す例では、1ビット削減するために、1<x<2、かつ6<Pa’−3σ’<7を満たすようなオフセット係数xを用いることとしたが、このオフセット係数xの値は、品質指標目標に応じて決定されるべきパラメータである。例えば、目標圧縮率が明確で有効サンプルビット幅(bit width)が固定値の場合などに、このオフセット方式を利用することができる。
このオフセット方式は、上記例のように量子化IQに対して直接適用することに限らず、最適化係数算出のための絞り込みの他の方法1.,2.もしくは3.による絞り込み後のIQデータに対して組み合わせて適用することにより、さらに有効サンプルビット幅を削減できるようになる。
(スケーリング)
スケーリング部404がおこなうスケーリングは、IQデータを転送路(CPRI103)に送信する前に、不要ビットを削除して前詰めにデータを整形する処理である。上述したように、最適化係数算出では1.〜4.の各方式があったが、このスケーリングは最適値算出の方式によらずに、以下の方式でスケーリング処理する。
図17は、スケーリング処理におけるIQデータの切り出し範囲を示す図である。横軸はサンプルビット幅(IQ bit width)、縦軸はIQデータのサンプル数である。スケーリングでは、はじめに最適化係数の算出により導出した最小値をIQ bit width=P_range_min、最大値をIQ bit width=P_range_maxとする。また、量子化IQデータの最大値をPmaxとし、最小値をPminとする。この後、下記1),2)のビット切り捨て処理をおこなう。
1)上位ビットの切り捨て処理
Pmax−P_range_max≧1のとき、上位(Pmax−P_range_max)bitで示されるIQデータは無視する。それ以外の条件の場合は、切り捨て可能なビットはないので、切り捨て処理はおこなわない。
2)下位ビットのビットシフト処理
下位ビットの扱いについても切り捨てる点において上位ビットの切り捨て処理と同等である。しかし、転送路(CPRI103)に圧縮データとして詰めて格納するために、有効サンプルビット幅(IQ bit width)に対して−2^(P_range_min−Pmin)を掛け合わせて、波形全体を図の左に(P_range_min−Pmin)ビットシフトさせる。
図18は、スケーリング処理におけるビットシフト状態を示す図である。図17に対して、上位ビットの切り捨て処理と、下位ビットのビットシフト処理を適用後の状態を示している。図示のように、有効サンプルビット幅は、1〜7ビットの計7ビットを用いる。このスケーリング処理により、転送帯域を節約でき、CPRI103上での複数のIQデータの同時転送が可能となる。
(圧縮後のIQデータ転送)
IQ圧縮処理によりIQデータの有効サンプルビット幅(bit width)を削減した圧縮後IQデータは、REC101から圧縮された状態で転送路(例えば、CPRI103)に送信される。転送路通過後、RE102のIQ復元処理部311により復号がおこなわれる。圧縮後IQデータの転送方式について説明する。
圧縮後のIQデータは、復号に必要な復号用パラメータをIQ復元処理部311に伝える必要がある。上述した最適化係数の各算出方式によらずREC101が転送路を介してRE102に対して転送が必要なパラメータとしては、P1:圧縮後IQのビットシフト数、P2:圧縮後IQの有効ビット幅がある。
また、上記の圧縮方式(絞り込み方式)のうち、REC101が転送路を介してRE102のIQ復元処理部311に送信する必要があるパラメータは以下の通りである。1.装置送信出力ダイナミックレンジ方式、2.電力値正規分布方式、3.ウインドウ方式においては、パラメータ送信は不要である。4.オフセット方式では、P3:オフセット係数を送信する。
(転送路がCPRIの場合の復号用パラメータの送信について)
転送路がCPRI103である場合における、上記復号用パラメータの送信方法について説明する。CPRI103を用いた場合の復号用パラメータの送信は、Control Wordでおこなう(上記非特許文献1、4.2.7.4 Subchannel Definition,Fig15,p47参照。)。
図19は、CPRI転送時の復号用パラメータの領域指定を示す図である。256のControl Wordのうち、復号用パラメータはReserved領域のビットを使用して転送すればよい。
(キャリブレーション)
図20は、最適化係数に対するキャリブレーションの構成例を示すブロック図である。最適化係数算出部403により算出された最適化係数は、劣化量算出部405により算出された劣化量に基づき、キャリブレーション(補正)される。最適化係数算出部403は、キャリブレーション後の最適化係数をスケーリング部404に出力する。キャリブレーション処理は、1.高速ループ処理、あるいは、2.低速ループ処理のいずれかを選択できる。
1.高速ループ
劣化量算出部405は、ビット削減前のIQデータと、ビット削減後のIQデータを比較し、劣化量を算出する。最適化係数算出部403は、劣化量が所定の閾値を超える劣化となった場合に、劣化量(通信品質)を抑える最適化係数を再度算出する。この高速ループでは、OFDMシンボル単位(約71.4us)でキャリブレーションをおこなう。IFFT/FFT、またはIDFT/DFT単位で補正をおこなう。短区間での補正が可能であり、電力の劣化を瞬時に抑制できる。
2.低速ループ
劣化量算出部405は、TTI単位で補正をおこなう。これにより、物理チャネル(Physical Channel)単位で無線品質に即した補正が可能となり、無駄のない(マージンを最小限にする)キャリブレーションをおこなうことができる。1−10msの補正(長区間の補正)が可能である。劣化量算出部405は、ビット削減後のIQデータからEVMを確認し、劣化量を算出する。最適化係数算出部403は、劣化量が所定の閾値を超える劣化となった場合に、劣化量(通信品質)を抑える最適化係数を再度算出する。
また、上記1.高速ループと、2.低速ループとを組み合わせて適用することもできる。1.の方式で劣化量が閾値以上の場合に、2.の処理をおこなうことで、最低の通信品質を底上げすることができる。すなわち、1.の結果が良であれば、必ず2.の結果も良である。1.の結果が不良の場合、2.の結果で改善することが可能となる。
図21は、最適化係数に対するキャリブレーションの他の構成例を示すブロック図である。この構成例では、最適化係数算出部403は、予め複数の劣化量別のビット削減量を算出しておき、保持しておく。そして、劣化量算出部405が算出した劣化量に対応するビット削減量をセレクタ2201により選択してスケーリング部404に出力する。この構成例によれば、上述した無線の品質目標値(EVM)を算出し、このEVMに基づき劣化量を算出することができる。
図22は、複数の劣化量別の係数を示す図である。最適化係数算出部403は、各劣化量X1〜Xn別の最適化係数1〜nを保持している。例えば劣化量X1のとき、1ビット削減する係数1とする。劣化量Xnのとき係数nはnビット削減する。
図23は、最適化係数に対する劣化量抑制方法の手段としてのキャリブレーション方式の構成例を示すブロック図である。図においてCofは、上述した「量子化対象の範囲の絞り込み1.〜4.」のビット削減前IQから削減後IQを算出するそれぞれのオフセット係数である。(1.の分散を利用したbit削減は、0111111000000などのビットマスクが係数となる。)図において劣化量算出部405では、圧縮前後のIQの差などからキャリブレーション値を算出する。REC101側の最適化係数算出部403には、上記同様に品質指標、装置指標、標準偏差σが入力され、これらに基づきオフセット係数Cofを求める。劣化量算出部405は、このオフセット係数Cofに基づきビット削減したIQデータと、ビット削減前のIQデータの差分値の平均値をキャリブレーション値としてRE102に送信する。RE102側には、キャリブレーション復号部2401を設ける。このキャリブレーション復号部2401は、REC101側から送信されたキャリブレーション値と、圧縮後IQデータを受信し、これらに基づき、キャリブレーション復号をおこなう。
図24は、IQ圧縮処理部における圧縮による劣化量の抑制をおこなう構成例を示す図である。キャリブレーション値の算出にかかる構成について記載してある。IQ圧縮処理部302は、乗算器2501,2502,2505と、加算器2503と、積算部2504とを含む。ビット削減前IQデータは、乗算器2501によりオフセット係数Cofが乗算され、スケーリング部404によりビット削減される。この後、乗算器2502により、オフセット係数の逆数1/Cofが乗算され、スケーリング部404に入力される。この後、加算器2503では、再度ビット削減前のIQデータが加算され、積算部2504によりサンプル数N分だけ積算処理された後、乗算器2505により1/N乗算されてキャリブレーション値が出力される。このように、圧縮前後のIQの差の平均をキャリブレーション値として、圧縮後IQに調整値として足しこむオフセット方式を用いることにより、圧縮劣化量を抑制することができる。
上記のビット削減後IQデータ[N]=ビット削減前IQデータ[N]×Cof
ビット削減後Ref IQ[N]=ビット削減後IQ[N]/Cof
キャリブレーション値=1/N×Σ(ビット削減後IQ−ビット削減前IQ)である。
(サンプリング数Nについて)
図25は、システム帯域別の分散算出用のパラメータを示す図表である。上述した出力電力(IQデータ)のサンプリング数Nは、OFDMシンボル単位(例えば、5MHz帯域の場合は7.68M/Sampling、20MHz帯域の場合は30.72M/Sampling)を用いる。これに限らず、システムが保持する所定のサンプリング数としてもよい。サンプリング数が大きくなることに対応して電力変動も大きくなる。つまり、システム帯域と電力変動は密接な関係があり、システム帯域が大きくなるとNの数を小さくした方がロスを小さく(最適化係数演算の処理効率を向上)できる。
(RECの構成例)
図26は、RECとRE間のデータ圧縮にかかる構成例を示す図である。REC101が複数の周波数帯域に応じて複数のベースバンド処理部301を有する場合に、例えばキャリア別の複数のベースバンド処理部301a,301bに対して多重化部2701によりIQデータの多重化をおこなってからIQ圧縮処理部302によりIQデータのビット最適化処理をおこない、RE102側にデータ送信する。また、さらに他の複数のベースバンド処理部301cについて多重化部2702により、上記各ベースバンド処理部301a〜301cのIQデータを多重化してRE102に送信しても良い。REC101に対するRE102の配置構成は、上述したように、カスケード(縦列)接続された配置構成や、1台のRE102から複数のRE102に分岐される配置構成等、各種の配置構成がある。
また、複数の周波数帯域のベースバンド処理部301dのIQデータをIQ圧縮処理部302によりIQデータのビット最適化処理をおこない、RE102に送信する構成としてもよい。このほか、2台のREC102a,102bがそれぞれ送信するIQデータのうち、REC102a側についてIQ圧縮処理部302によりIQデータのビット最適化処理をおこなう。そして、他のREC102b側のIQデータと併せてIQデータのビット最適化処理をおこないRE102側に送信する構成とすることもできる。
そして、1台のREC101に対し、複数台のRE102がCPRI103を介して接続される各種配置構成において、例えば、1台のRECが2台のRE102に対してIQデータを送信する場合、最適な圧縮率は50%となる。同様に、3台のRE102であれば最適な圧縮率は33%となる。なお、この圧縮率は、上述したように無線品質の劣化量に基づき、適宜キャリブレーションしながら運用すればよい。
以上説明した実施の形態では、REC101からRE102へのDownlink(下り)のIQデータ転送の圧縮について説明したが、上記同様の圧縮手法をRE102からREC101へのIQデータのデータ転送の圧縮についても適用することができる。これらDownlinkとUplinkとにおいて圧縮にかかる異なるパラメータとしては、Downlink(下り)では、RE102が有する無線アンプのダイナミックレンジを用いるが、Uplink(上り)では、ベースバンド処理部332のデジタル出力のダイナミックレンジを用いる。
以上説明した実施の形態によれば、受信側装置のダイナミックレンジやIQデータの分散等に基づき、受信側装置に対して必要最低限のサンプルビット幅を用いて、必要なデータを送信し、IQデータを圧縮することができる。たとえば、1台のRECに対し、複数台のREが接続される配置構成において、REの増設によるRE数の増大、1台のREが扱う周波数帯域の増大、アンテナ数の増大などが生じる。実施の形態によれば、このようなネットワーク変更に基づくRECとRE間のIQデータの転送レートとサンプルビット幅の変更に対応することができ、IQデータを最適な圧縮率に変更することができる。これにより、転送路上のIQデータの転送レートを確保して、データ転送の遅延を抑制でき、必要なデータ精度を有するデータ転送が可能となる。また、インタフェースの回路規模の増大を抑えることができ、転送路としてCPRIを用いる場合、光モジュールのコストを抑制できる。
100 基地局装置(基地局システム)
101 REC
102 RE
103 転送路(CPRI)
104 アンテナ
301 ベースバンド処理部
302 IQ圧縮処理部
311 IQ復元処理部
312 D/A変換処理部
313 増幅処理部
321 受信処理部
322 A/D変換処理部
323 IQ圧縮処理部
331 IQ復元処理部
332 ベースバンド処理部
401 電力中心値算出部
402 分散値算出部
403 最適化係数算出部
404 スケーリング部
405 劣化量算出部
本発明は、基地局装置内の信号を圧縮する基地局装置、基地局システムおよびIQデータの圧縮方法に関する。
セルラー無線基地局(基地局)は、無線制御部(REC:Radio Equipment Controller)と、無線部(RE:Remote Equipment)とに分けて構成することができる。これらRECとREは、共通公衆無線インタフェース(CPRI:Common Public Radio Interface)という光インタフェースで接続され、信号(IQ Data)を伝送する(例えば、下記非特許文献1参照。)。
RECでは、無線通信のベースバンド処理をおこなう。下り方向では、ベースバンド処理後の無線送信電力をIQデータとしてCPRI経由でREに送信する。上り方向では、REが受信した無線電力を量子化してIQデータとしてCPRI経由でRECに送信する。
昨今のスマートフォンの普及によるトラフィック急増に対応するため、基地局のうちRECがおこなうベースバンド処理を一つの中央サーバーに集中させ、複数のホットスポットにそれぞれRE(例えばスモールセル)を配置する等の次世代ネットワーク構成が考えられている。
一つのRECに対して、複数のREが分岐接続される配置構成、複数のREがカスケード(縦列)接続された配置構成、複数のREがカスケード接続された後、さらに複数のREに分岐接続される配置構成等がある。このような複数のREが接続された配置構成において、RECから各REへのCPRIを用いた送信等では、RECからREへのCPRIの転送容量を増やす必要が生じる。一方、光信号を終端する光モジュールは転送量が増えるほど高価になり、数倍の転送容量を実現しようとしたときにコスト高となるため実現性に乏しくなる。
このようなCPRIの転送容量の問題を解決するために、ハフマン符号等により信号の圧縮をおこない、転送容量を削減する技術が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特表2011−526095号公報
CPRI Specification V5.0、[online]、平成23年9月21日、Ericsson AB他、[平成25年2月8日検索]、インターネット<URL:http://www.cpri.info/downloads/CPRI_v_5_0_2011−09−21.pdf>、2.3.Reference Cofigurations(p.11−13)、3.4.2.Required U−plane IQ Sample Widths(p.19−20)、4.2.1.Line Bit Rate(p.29)
しかしながら、上記特許文献1の技術では、ハフマン符号の具体的な適用方法が記載されていない。ハフマン符号による圧縮は、幾何分散にのみ効果があり、それ以外は悪化するものであり、IQデータの圧縮に対してどのように適用するか考えられていない。さらに、遅延を最小化する具体的な方法が提示されていない。
ここで、帯域幅が増加するほど転送レートが増加する。なお、サンプルビット幅(IQ sample width)は、上記非特許文献1(CPRI Specification V5.0)において、下りが8−20bit、上りが4−20bitと定義されているが、変調方式や周波数帯域によって幅が異なる。
上述したネットワーク構成の変更により、1台のRECに対し、複数台のREが接続される配置において、REの増設によるRE数の増大、1台のREが扱う周波数帯域の増大、アンテナ数の増大などが生じる。このようなネットワーク変更に応じて、RECとRE間の信号についても、転送レートを変更するとともに、最適な圧縮率に変更する必要が生じる。
例えば、通信規格として、LTE(Long Term Evolution)20MHz Bandwidthの運用時には、CPRIのサンプリングビット幅として15bitが送信品質上必要とされる。このとき、CPRI転送レートは最低でも2.4Gbps必要になる。例えば、転送レートが1Gbpsであれば1秒でデータ転送完了させなければならず、特許文献1の圧縮技術では、処理負担が増大する。また、高速な動作速度を満たしデータ転送に遅延を生じさせないためには、インタフェースの回路規模を大きくする必要が生じる。
このように、上述したカスケード接続等により1台のRECに対して分散配置されるRE数の増大時には、RECとRE間の信号(IQ Data)の圧縮および転送レートの設定を適切におこなう必要が生じる。しかし、REが複数となったとき、システムが許容する遅延の範囲内に収まるようにするデータ転送はおこなえない。
なお、上記の説明では、RECからREへのデータ転送を主に説明したが、REからRECに対するデータ転送についても同様に、データ転送が許容範囲内にでき、各REからRECに対するデータ転送の効率化が求められる。
一つの側面では、本発明は、RECと複数のRE間のデータ転送の遅延を低減でき、かつデータ転送を効率化できることを目的とする。
一つの案では、基地局装置は、一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)との間において送受信する変調後のデジタル信号のIQデータについて、受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信する圧縮処理部を有する。
一つの実施形態によれば、RECと複数のRE間のデータ転送の遅延を低減でき、かつデータ転送を効率化できる。
図1は、実施の形態にかかる基地局装置の内部構成を示す図である。 図2は、RECとRE間のデータのデータ処理の流れを示す説明図である。 図3は、IQ圧縮処理部の内部構成例を示すブロック図である。 図4は、IQ圧縮処理とIQ復元処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。 図6は、下りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。 図7は、上りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。 図8は、電力中心値算出部の構成例を示すブロック図である。 図9は、マルチプレクサによるIQデータの状態別の出力値を示す真理値表である。 図10は、分散値算出部の構成例を示すブロック図である。 図11は、最適化係数算出部の構成例を示すブロック図である。 図12は、REの送信電力の変化とダイナミックレンジとを示す図表である。 図13は、最適化係数算出部のパラメータテーブルの一例を示す図表である。 図14は、IQサンプル値の一例を時系列で表した図表である。 図15は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。 図16は、IQデータのビット範囲別のサンプル数を示す図表である。 図17は、スケーリング処理におけるIQデータの切り出し範囲を示す図である。 図18は、スケーリング処理におけるビットシフト状態を示す図である。 図19は、CPRI転送時の復号用パラメータの領域指定を示す図である。 図20は、最適化係数に対するキャリブレーションの構成例を示すブロック図である。 図21は、最適化係数に対するキャリブレーションの他の構成例を示すブロック図である。 図22は、複数の劣化量別の係数を示す図である。 図23は、最適化係数に対する劣化量抑制方法の手段としてのキャリブレーション方式の構成例を示すブロック図である。 図24は、IQ圧縮処理部における圧縮による劣化量の抑制をおこなう構成例を示す図である。 図25は、システム帯域別の分散算出用のパラメータを示す図表である。 図26は、RECとRE間のデータ圧縮にかかる構成例を示す図である。
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態の基地局装置は、RECと、REとを有する構成において、各種通信方式(例えば、4G(LTE、WiMax:Worldwide interoperability for Microwave Access)、3G(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System、CDMA:Code Division Multiple Access)、2G(GSM:Global System for Mobile communications)(登録商標))に適用することができる。
(基地局装置の構成例)
図1は、実施の形態にかかる基地局装置の内部構成を示す図である。基地局装置100は、無線制御部(REC)101と、無線部(RE)102とに分けて構成される。これらREC101とRE102は、共通公衆無線インタフェース(CPRI)103により接続され、信号(IQ Data)を伝送する。1台のREC101に対し、RE102は複数台が並列または縦列接続可能であり、REC101と複数台のRE102との間にそれぞれCPRI103が設けられる。
REC101では、無線通信のベースバンド処理をおこなう。無線通信の下り方向(Downlink)では、REC101によりベースバンド処理後の無線送信電力をIQデータとしてCPRI103を経由して、RE102に送信する。RE102は、指示された無線送信電力を有してアンテナ104を介して携帯端末(UE)105に無線送信する。無線通信の上り方向(Uplink)では、RE102がアンテナ104を介してUE105から受信した無線電力を量子化し、RE102はIQデータとしてCPRI103を経由してREC101に送信する。
図2は、RECとRE間のデータのデータ処理の流れを示す説明図である。REC101からRE102への下り(Downlink)の処理と、RE102からREC101への上り(Uplink)の処理を示している。
Downlink処理では、REC101のベースバンド処理部301が信号のベースバンド処理をおこなう。IQ圧縮処理部302は、ベースバンド処理により得られる量子化IQに対する圧縮処理をおこなう。圧縮されたIQデータは、CPRI103を介しRE102に転送される。RE102は、IQ復元処理部311によりIQ復元処理する。復元されたIQに基づいて、D/A変換処理部312は、デジタル−アナログ変換し、増幅処理部313により無線信号を増幅し、UE105に向けて無線送信する。
Uplink処理では、UE105が送信した無線電波を受信処理部321により受信し、A/D変換処理部322によりアナログ−デジタル変換する。IQ圧縮処理部323は、A/D変換後の量子化IQに対する圧縮処理をおこなう。圧縮されたIQデータは、CPRI103を介しREC101に転送される。REC101は、IQ復元処理部331によりIQ復元処理する。ベースバンド処理部332は、IQ復元後のベースバンド処理をおこなう。
これらDownlinkとUplinkのIQ圧縮処理、IQ復元処理は、いずれも量子化IQを処理する共通の方式である。この実施の形態では、REC101とRE102間のCPRI103を介してIQデータ(量子化IQ)を受け渡す際に、無線の品質目標値(EVM:Error Vector Magnitude等)を劣化することなく、転送データ量を削減する所定の圧縮方式を用いる。
図3は、IQ圧縮処理部の内部構成例を示すブロック図である。図2に示したREC101に設けたIQ圧縮処理部302の内部構成に相当する。IQ圧縮処理部323についても同様の構成となる。
IQ圧縮処理部302は、電力中心値算出部401と、分散値算出部402と、最適化係数算出部403と、スケーリング部404と、劣化量算出部405とを含む。
電力中心値算出部401には、生成された量子化IQが入力され、REC101が送信しようとする電力の中心値(定格電力に相当)を算出する。IQデータ(量子化IQ)は、時間経過毎に異なる送信電力を示している。分散値算出部402は、量子化IQと、電力中心値算出部401が算出した電力の中心値に基づいて、送信電力の分散値を算出する。最適化係数算出部403は、量子化IQと、分散値算出部402により算出された送信電力の分散値と、係数算出指標に基づいて、圧縮の際の最適化係数を算出する。
スケーリング部404は、最適化係数算出部403により算出された最適化係数に基づき、量子化IQを圧縮し、圧縮IQデータを出力する。この圧縮は、後述するように、サンプルビット幅を削減することによりおこなう。劣化量算出部405は、圧縮処理によるサンプルビット幅削減による無線品質の劣化量を算出する。この劣化量算出部405により算出した劣化量に基づき、最適化係数算出部403は品質目標値(EVM等)を満たすように最適化係数を変更する。
(IQ圧縮処理とIQ復元処理)
図4は、IQ圧縮処理とIQ復元処理の流れを示すフローチャートである。DownlinkにおけるIQ圧縮処理と、IQ復元処理を例に説明する。図4の(a)に示すIQ圧縮処理をはじめに説明する。REC101のIQ圧縮処理部302は、REC101からRE102に送信する情報に対してベースバンド処理をおこなった後のRE102における送信空中線電力を時系列で量子化されたデータ(量子化IQ)を受け取る。
量子化は、例えば、3GPPに基づくベースバンド処理で出力されうる全IQデータのとりうる範囲を量子化する。このときのサンプルビット幅(IQ sample width)は、上記非特許文献1の「3.4.2章 Required U−plane IQ Sample Widths」の記載によれば、Downlink(下り)で8bit〜20bit、Uplink(上り)で4bit〜20bitと定義されている。ここで、どのようなビット幅を用いるかは、使用する無線の変調方式や帯域幅によって異なる。例えば、LTEの20MHz帯域送信の場合、一般的に最小送信電力と最大送信電力を確保して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調を実現させるためには、15bit以上のビット幅が用いられる。
以下、図4の(a)に示す4つの処理内容である「電力中心値算出:ステップS501」、「分散値算出:ステップS502」、「最適化係数算出:ステップS503」、「スケーリング(圧縮):ステップS504」により、少ないサンプルビット幅で等量のデータを送受信するIQ圧縮がおこなえるようになる。
はじめに、IQ圧縮処理部302は、「電力中心値算出:ステップS501」により、RE102によって送信する空中線電力(送信電力)の平均値Vaを算出する。REC101が平均値期待値をすでにパラメータとして持っている場合は、その値で代用してもよい。
次に、IQ圧縮処理部302は、「分散値算出:ステップS502」により、所定期間における空中線電力の平均値Vaに対する分散値Vσを算出する。
この後、「最適化係数算出:ステップS503」では、RE102の空中線出力ダイナミックレンジVre_maxと、Vre_minを定義する。空中線出力ダイナミックレンジは、RE102等外部(図4の例ではDB500)から取得してもよい。例えば、Vreの値は、RE102の実力値をパラメータとして手動設定するほか、RE102から報告を受けた値を設定してもよい。
次に、「スケーリング(圧縮):S504」では、有効サンプルビット長を抽出する。圧縮に必要最低限のIQサンプルビット幅を算出するために、空中線電力値の量子化対象の範囲を絞る。この量子化対象の範囲の絞り込みは、下記1.〜4.に基づきおこなう。
1.装置送信出力ダイナミックレンジ方式(REのダイナミックレンジに基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理)
分散値Vσのうち、空中線出力ダイナミックレンジVre_max以上、および空中線出力ダイナミックレンジVre_min以下の電力値は対象として排除する。この排除した部分は、実施の形態を適用しない場合の冗長データに相当する。
2.電力値正規分布方式(IQデータの分散に基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理)
IQサンプルビット幅の範囲を絞るために、Va−A×Vσ以下と、Va+A×Vσ以上となる電力値を量子化対象から排除する。Aは、最適化係数パラメータである。例えば、A=3とすると、統計学上の3σの理論に則り、量子化する範囲として全体の99.7%をカバーできることになる。Aの値の決定は、システム試験で得られる結果から通信品質(特にEVM)が劣化しない値を選定する。
3.ウインドウ方式(ウインドウ方式による量子化対象の範囲の絞り込み処理)
ウインドウ方式は、上記1.REのダイナミックレンジと、2.IQデータの分散とを組み合わせた方式である。
4.オフセット係数を用いた量子化対象の範囲の絞り込み処理
IQデータ(量子化IQ)に対してオフセット係数xを掛けることにより、分散値算出で導出したIQデータの分散を縮小し、有効サンプルビット幅(IQ bit width)を削減する。これに限らず、上記1.〜3.により絞り込み後にIQデータに対して適用し、さらに絞り込み範囲を狭めることもできる。
上記1.〜4.の各絞り込み内容の詳細は後述する。
図5は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。横軸はサンプルビット幅、縦軸はIQデータのサンプル数(例えばN個)である。図5には、REC101がIQデータによりREに伝える送信電力の指定値のN個のサンプルの分布特性曲線と、そのばらつき(分散)を示している。そして、図中W1は、上記「1.REのダイナミックレンジに基づき絞り込んだ量子化対象の範囲」を示す。また、図中W2は、上記「2.IQデータの分散に基づく量子化対象の範囲」を示す。また、図中W3は、スケーリング後(CPRI103に送信する)のIQデータの有効サンプルビット幅を示す。
有効サンプルビットの下限Wiqw_minと、上限Wiqw_maxは下記で表すことができる。
Wiqw_min=ceil(MAX(Vre_min,Va−A×Vσ))
Wiqw_max=floor(MIN(Vre_max,Va+A×Vσ))
(ceil(x)は天井関数、floor(x)は底関数)
図5に示す例では、0〜14までの15ビットのサンプルビット数で表現される送信電力値について、圧縮により7〜13までの7ビットだけで表現できることになり、50%のIQデータ圧縮が実現できることになる。
この後、図4の(a)に示す「CPRI Mapping:ステップS505」では、抽出した有効サンプルビットをCPRIのIQデータ領域へマッピングをおこなう。また、RE102側でデータを復元するのに必要な情報をCPRI layer2のControl Word(参照:上記非特許文献1)内のVendor Specificの領域に格納してRE102に通知する。なお、Vendor Specific領域のビット位置は任意である。
RE102に通知する情報は以下の通りである。
1)サンプルビット長Ls(IQ Sample Width)
2)上記1)のうち、最初のビットの示す2のべき乗数B(例えば、B=7なら最初のビットは2^7の電力値を示す。)
3)最適化係数更新インターバルNt(CPRIのBasic Frameを何度処理した後に、最適化係数更新をおこなうかの期間を示す。例えば、LTEであれば、OFDMシンボル毎に最適化係数を更新する。)
上記のようにしてREC101内にて処理された圧縮後のIQデータがCPRI103を経由してRE102に送られる。
次に、図4(b)を用いて圧縮IQデータを受信した際のIQ復元処理について説明する。Downlinkの場合、RE102のIQ復元処理部311は、はじめに、「CPRI DeMapping:ステップS511」をおこない、Ls、B、Ntを受信したCPRI control wordから抽出する。次に、「逆スケーリング処理:ステップS512」では、上記Ls、B、Ntを用いて各圧縮後のIQデータの復元をおこなう。上記により、RE102は、REC101によるベースバンド処理後の量子化IQの復元をおこない、復元された量子化IQが示す空中線電力(送信電力)に基づく送信をおこない、携帯端末(UE)105と通信する。
上記によれば、IQデータをRECとRE間で転送(送受信)するにあたり、これまで考慮されていなかったREの送信電力ダイナミックレンジ外のIQデータを冗長データとして削減する。また、IQデータの示す空中線電力の分散状況からとりうる電力値の頻度が一定割合より低い電力のものを冗長データとして削減する。これらにより、CPRIの転送路(光回線)におけるIQデータを効率的に圧縮でき、大きな転送容量を必要とする通信方式にも対応しつつ複数のREの分散配置が可能となる。
そして、CPRIのデータ転送容量に対して上記のIQ圧縮を適用することにより、CPRI上にて転送されるIQデータを、30%〜70%削減できる。例えば、50%削減により、RECは、既存のCPRI光物理回線を用いながら、2つ(2箇所)分のRE102との間でのデータ転送が可能となる。これにより、既存の光回線インフラの増強を最小限に抑えながら、REの設置数を増やせるようになる。そして、1台のRECに対して複数台のREをCPRIにより接続して通信エリアを拡張する次世代ネットワークに柔軟に対応できるようになる。
(IQデータ圧縮にかかる各機能部の詳細)
次に、上記IQデータ圧縮にかかる各機能部の詳細について説明する。
(Downlink量子化IQ生成)
Downlinkのベースバンド処理部301がおこなうIQ圧縮処理部302のインプットデータである量子化IQ生成について説明する。量子化IQは、3GPP標準仕様に基づくベースバンド処理である。
図6は、下りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。以下の説明順にデータ処理されていく。CRC付加部(CRC attachment)701は、Transport BlockにCRCを付加する。コードブロック分割部/コードブロックCRC付加部(Code block segmentation/Code block CRC attachment)702は、コードブロック(Code block)の分割とCRCを付加する。チャネル符号化部(Channel cording)703は、ターボ符号化(Turbo coding)/テールバイティングたたみ込み符号化(Tail biting convolution coding)をおこなう。
レートマッチング部(Rate matching)704は、符号化の際のレートマッチング(Rate matching)をおこなう。コードブロック結合部(Code block concatenation)705は、コードブロック(Code block)を結合する。スクランブル部(Scrambling)706は、コードワード(Codeword)に対してビットスクランブル(bit scrambling)をおこなう。
モジュレーションマッパー部(Modulation mapper)707は、QPSK、64QAMなどの各種変調をおこなう。レイヤーマッパー部(Layer mapper)708は、トランスミッションレイヤー(Transmission Layer)のマッピングをおこなう。プリコーディング部(Precoding)709は、トランスミッションレイヤー(Transmission Layer)のデータにプリコーディング(Precoding)をおこなう。
リソースエレメントマッパー部(Resource element mapper)710は、サブキャリア(Subcarrier)にプリコーディング(Precoding)されたデータをマッピングする。OFDM信号生成部(OFDM Signal Generation)711は、IFFT、Cyclic PrefixをおこないOFDM(直交周波数分割多重方式)信号を生成する。
(Uplink量子化IQ生成)
Uplinkのベースバンド処理部332がおこなう量子化IQ生成について説明する。図7は、上りのベースバンド処理部の一例を示すブロック図である。以下の説明順にデータ処理されていく。
SC−FDMA信号復号部(SC−FDMA Signal decoding)801は、UE105からの受信電波をSC−FDMA方式により復号する。リソースエレメントデマッピング部(Resource element Demapping)802は、リソースブロックからデータの抽出をおこなう。チャネル推定部(Channel Estimation)803は、周波数推定をおこなう。デモジュレーション部(Demodulation)804は、二次変調の複号処理をおこなう。デスクランブル部(Descramble)805は、スクランブリングコードの解除をおこなう。ビットデコレクション部(Bit Decollection)806は、データのビットデコレクション処理(Bit Decollection)をおこなう。チャネル復号部(Channel Decoding)807は、チャネル毎のデータ複号をおこなう。CRCチェック部(CRC Check)808は、データのCRCの確認をおこなう。
(量子化IQについて)
上述した量子化IQは、図6に示すOFDM信号生成部711の出力である。この量子化IQとは、ベースバンドチャネルがアンテナ−搬送波チャネルのうちの一つに対応する信号サンプルのシーケンスである。各信号サンプルは同相(I)サンプルと、直交(Q)サンプルを含む。
(電力中心値算出)
図8は、電力中心値算出部の構成例を示すブロック図である。電力中心値算出部401がおこなう電力中心値算出処理の詳細について説明する。電力中心値算出部401は、マルチプレクサ901と、平均値算出部902とを含む。
量子化IQデータの同相(I)、直交(Q)のそれぞれのサンプルは、空中線電力の振幅を表す。電力中心値算出部401では、I,Qそれぞれについてのバイナリ表示における有効桁数の平均値を算出する。図8では便宜上、IQデータを一括して処理する例を示している。実際は、同相(I)サンプル列と直交(Q)サンプル列を並行に処理している。処理するIQデータサンプル数はNとする。マルチプレクサ901では、入力されるIQデータの有効桁数を算出する。IQデータの有効ビット幅をxとする。
図9は、マルチプレクサによるIQデータの状態別の出力値を示す真理値表である。N個のサンプルそれぞれの出力値がサンプルビット幅(IQ bit width)に相当する。平均値算出部(1/N Σ)902では、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を求め、この平均値を電力中心値とする。
(分散値算出)
図10は、分散値算出部の構成例を示すブロック図である。分散値算出部402がおこなう分散値算出処理の詳細について説明する。分散値算出部402は、IQデータのN個のサンプルが示す分散値σ(標準偏差)を算出する。分散値σは、IQデータのサンプルビット幅(IQ bit width)と、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)とに基づき求めることができる。
分散値σの算出は下記式(1)により表すことができる。図10の(a)には、この式(1)に対応する分散値算出部402の構成例である。この例では、加算器1101、乗算器1102,1104、積算部1103、平方根算出部1105とを含む。
Figure 2014136193
加算器1101では、サンプルビット幅(IQ bit width)からNサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)の差分値を求める。この差分値は、乗算器1102により乗算され、積算部1103によりNサンプル分が積算される。この後、乗算器1104により1/N乗算され、平方根算出部1105により平方根演算されて、分散値σが求められる。
上記式(1)および図10の(a)に示す処理では、加算器1101による最初の和演算において、IQデータのサンプルビット幅(IQ bit width)にNサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)の値を足し込む必要がある。このため、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を事前に算出しておく必要が生じる。この平均の算出は、N個のデータを取得し一度走査する必要があるため、上記の処理ではN個のデータをシリアルに二回の走査をおこなう必要が生じ、処理遅延が生じる。
このような処理遅延の低減化のために、上記式(1)を下記式(2)のように式変換して得ることができる。
Figure 2014136193
図10の(b)は、上記式(2)に対応する分散値算出部402の他の構成例である。この例では、並列な2つの乗算器1102a,1102bと、積算部1103と、乗算器1104と、加算器1101と、平方根算出部1105とを含む。IQデータのサンプルビット幅(IQ bit width)が入力される処理系と、サンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)が入力される処理系とを並列に分けて設けている。
一方の処理系では、乗算器1102aにより、サンプルビット幅(IQ bit width)が乗算され、積算部1103による積算値を求め、乗算器1104により1/N乗算される。他方の処理系では、乗算器1102bにより、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を求める。
加算器1101では、一方の処理系によるサンプルビット幅(IQ bit width)に対する処理結果から、他方の処理系によるNサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)の処理結果を減算し、平方根算出部1105により平方根演算されて、分散値σが求められる。
上記構成例によれば、Nサンプルのサンプルビット幅(IQ bit width)を入力とする処理系と、Nサンプルのサンプルビット幅の平均値(IQ bit width average)を入力とする処理系が個別に、N個のサンプルに対する並列演算をおこない、結果の合流点である加算器1101における差分算出以降の処理と合わせてN+(定数)の処理数(ステップ)を有して分散値σを求めることができるため、図10(a)の構成に比して遅延を抑制できるようになる。
(最適化係数算出)
図11は、最適化係数算出部の構成例を示すブロック図である。最適化係数算出部403は、IQデータを圧縮する際の圧縮調整値(最適化係数)を算出する。最適化の方式は複数あり、用途、装置実力、品質等にしたがって適切な圧縮サンプルビット幅(圧縮IQ bit width)を算出する。
品質指標は、圧縮に伴う通信品質のターゲットによって異なる。品質指標パラメータを以下に挙げる。
・通信品質。EVMなどを指標として用いる。
装置指標は、係数算出の入力となるその他のパラメータである。装置指標のパラメータを以下に挙げる。
・装置送信電力(ダイナミックレンジ)
・係数算出に使用するIQデータのサンプル数
・算出した係数値を適用するIQデータのサンプル数(圧縮の単位)
標準偏差は、分散値算出で求めたσを用いる。
上記パラメータから、複数の量子化対象の範囲の絞り込み方式について、方式毎の係数と、圧縮サンプルビット幅(圧縮IQ bit width)を導出する。以下、上述した1.〜4.の各量子化対象の範囲の絞り込み方式について説明する。
1.REのダイナミックレンジに基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理
図12は、REの送信電力の変化とダイナミックレンジとを示す図表である。横軸は時間、縦軸は送信電力である。RE102は、送信する電力のダイナミックレンジを有する。このダイナミックレンジの最大値をPd_pow_max、最小値をPd_pow_minとする。
IQデータサンプルの示す送信電力(電力値:Power)について、P<Pd_pow_minと、Pd_pow_max<Pを満たすサンプルは、前者をP=Pd_pow_min、後者をP=Pd_pow_maxと読み換えが可能である。
図12のa区間は、Pd_pow_max以上の電力が検出されるが、Pd_pow_max以下、つまりRE102の送信電力のダイナミックレンジの範囲内の電力が検出されないことから、この区間のIQデータはゼロとなる。同様に、b,c区間はダイナミックレンジの範囲内の値をとる。d区間は、Pd_pow_min以下の電力であり、検知されないので電力値はゼロとなる。e,f区間はb,c区間と同様にして扱う。
これにより、IQデータサンプルのとりうる範囲W1がダイナミックレンジに対応して狭まり、範囲W1を超えるサンプルn1,nxを削除して、有効サンプルビット幅(IQ bit width)を削減できる。有効サンプルビット幅(IQ bit width)は整数なので、天井関数と床関数をつかって、以下のように表すことができる。
サンプル最大値を表す有効桁数B_drange_max=floor(log2(Pd_pow_max)+1)
サンプル最小値を表す有効桁数B_drange_min=ceil(log2(Pd_pow_min)+1)
このREのダイナミックレンジによる量子化対象の範囲の絞り込み方式を採用した場合、有効ビット幅(bit width)は、B_drange_max−B_drange_min+1で表される。通常のビット幅(bit width)の最大値、最小値をそれぞれ、B_max,B_minとすると、本方式により有効bit widthをB_max−B_drange_max+B_drange_min−B_minの分だけ削減できる。削減された情報は、もともとRE102が送信出力不可能な範囲であり、本方式採用による品質劣化は生じない。
図13は、最適化係数算出部のパラメータテーブルの一例を示す図表である。圧縮率は「圧縮後IQ bit width」/「量子化IQ bit width」とする。小文字アルファベットと、小文字アルファベット添え字のパラメータは定数とする。図13に示すように、目標とする通信品質別に、ダイナミックレンジおよびIQサンプリング数の組み合わせが異なる。また、LTEやCDMAが規定するシンボル単位以外の圧縮単位の選び方としては、サンプリング数指定も可能である。例えば、通信品質A4,A5についてそれぞれIQサンプル数を500,1000と指定してもよい。
2.IQデータの分散に基づく量子化対象の範囲の絞り込み処理
図14は、IQサンプル値の一例を時系列で表した図表である。横軸は時間、縦軸はIQデータが示す送信電力である。また、図15は、量子化対象の範囲の絞り込みを説明する図表である。横軸はサンプルビット幅、縦軸はIQデータのサンプル数(例えばN個)である。これらは、3GPP規格に基づき、LTEのE−TM1.1送信プロファイルで使用された実データである。
図15に示すように、RE102に出力するIQデータ(送信電力のサンプル)の値は正規分布となる。したがって、標準偏差σの定数倍A×σを利用して、一定確率以下の電力値を表すサンプルを削減することで、IQデータのサンプルビット数(IQ bit width)を削減する。
そして、電力中心値算出部401により、電力中心値Pa(図5のVaに相当)を求めておく。IQデータの各サンプルの電力値(真値)をPとすると、−A×σ<P<A×σの範囲W2を満たすPのみを有効サンプルとし、条件外のサンプルは捨てることで、Pの範囲を絞ることができる。定数Aは、品質指標と圧縮率のターゲットに基づき調整可能なパラメータである。
3.ウインドウ方式による量子化対象の範囲の絞り込み処理
ウインドウ方式は、上記1.REのダイナミックレンジと、2.IQデータの分散、との組み合わせである。有効サンプルビット幅(bit width)の最大値と最小値は以下の式で求められる。
最大値B_drange_max=floor(MIN(log2(Pd_pow_max),Pave+Aσ)+1)
最小値B_drange_min=ceil(MAX(log2(Pd_pow_min),Pave−Aσ)+1)
4.オフセット係数を用いた量子化対象の範囲の絞り込み処理
この方式では、分散値算出で導出したIQデータの分散を縮小し、有効サンプルビット幅(IQ bit width)を削減する。
図16は、IQデータのビット範囲別のサンプル数を示す図表である。横軸はサンプルビット幅、縦軸はサンプルビット幅毎のIQデータのサンプル数である。IQデータ(量子化IQ)のばらつき(分散値σ)を示す。この量子化IQをさらに圧縮するために分散値を縮小させる。図において、分散値の縮小は、系列2のサンプル値全体にオフセット係数x(1<x<2)を掛け合わせた結果、系列1(このときの分散をσ’とする)が得られる。
系列3のばらつきをσ、中心値Paとしたとき、理論上、ばらつきの99.7%をカバーするPa−3σの値が、5<Pa−3σ<6のとき、系列1のばらつきをσ’、中心値をPa’(=Pa×x)とすると、6<Pa’−3σ’<7となった場合、情報の質を劣化することなく、有効サンプルビット幅(bit width)を削減することができる。
図16に示す例では、1ビット削減するために、1<x<2、かつ6<Pa’−3σ’<7を満たすようなオフセット係数xを用いることとしたが、このオフセット係数xの値は、品質指標目標に応じて決定されるべきパラメータである。例えば、目標圧縮率が明確で有効サンプルビット幅(bit width)が固定値の場合などに、このオフセット方式を利用することができる。
このオフセット方式は、上記例のように量子化IQに対して直接適用することに限らず、最適化係数算出のための絞り込みの他の方法1.,2.もしくは3.による絞り込み後のIQデータに対して組み合わせて適用することにより、さらに有効サンプルビット幅を削減できるようになる。
(スケーリング)
スケーリング部404がおこなうスケーリングは、IQデータを転送路(CPRI103)に送信する前に、不要ビットを削除して前詰めにデータを整形する処理である。上述したように、最適化係数算出では1.〜4.の各方式があったが、このスケーリングは最適値算出の方式によらずに、以下の方式でスケーリング処理する。
図17は、スケーリング処理におけるIQデータの切り出し範囲を示す図である。横軸はサンプルビット幅(IQ bit width)、縦軸はIQデータのサンプル数である。スケーリングでは、はじめに最適化係数の算出により導出した最小値をIQ bit width=P_range_min、最大値をIQ bit width=P_range_maxとする。また、量子化IQデータの最大値をPmaxとし、最小値をPminとする。この後、下記1),2)のビット切り捨て処理をおこなう。
1)上位ビットの切り捨て処理
Pmax−P_range_max≧1のとき、上位(Pmax−P_range_max)bitで示されるIQデータは無視する。それ以外の条件の場合は、切り捨て可能なビットはないので、切り捨て処理はおこなわない。
2)下位ビットのビットシフト処理
下位ビットの扱いについても切り捨てる点において上位ビットの切り捨て処理と同等である。しかし、転送路(CPRI103)に圧縮データとして詰めて格納するために、有効サンプルビット幅(IQ bit width)に対して−2^(P_range_min−Pmin)を掛け合わせて、波形全体を図の左に(P_range_min−Pmin)ビットシフトさせる。
図18は、スケーリング処理におけるビットシフト状態を示す図である。図17に対して、上位ビットの切り捨て処理と、下位ビットのビットシフト処理を適用後の状態を示している。図示のように、有効サンプルビット幅は、1〜7ビットの計7ビットを用いる。このスケーリング処理により、転送帯域を節約でき、CPRI103上での複数のIQデータの同時転送が可能となる。
(圧縮後のIQデータ転送)
IQ圧縮処理によりIQデータの有効サンプルビット幅(bit width)を削減した圧縮後IQデータは、REC101から圧縮された状態で転送路(例えば、CPRI103)に送信される。転送路通過後、RE102のIQ復元処理部311により復号がおこなわれる。圧縮後IQデータの転送方式について説明する。
圧縮後のIQデータは、復号に必要な復号用パラメータをIQ復元処理部311に伝える必要がある。上述した最適化係数の各算出方式によらずREC101が転送路を介してRE102に対して転送が必要なパラメータとしては、P1:圧縮後IQのビットシフト数、P2:圧縮後IQの有効ビット幅がある。
また、上記の圧縮方式(絞り込み方式)のうち、REC101が転送路を介してRE102のIQ復元処理部311に送信する必要があるパラメータは以下の通りである。1.装置送信出力ダイナミックレンジ方式、2.電力値正規分布方式、3.ウインドウ方式においては、パラメータ送信は不要である。4.オフセット方式では、P3:オフセット係数を送信する。
(転送路がCPRIの場合の復号用パラメータの送信について)
転送路がCPRI103である場合における、上記復号用パラメータの送信方法について説明する。CPRI103を用いた場合の復号用パラメータの送信は、Control Wordでおこなう(上記非特許文献1、4.2.7.4 Subchannel Definition,Fig15,p47参照。)。
図19は、CPRI転送時の復号用パラメータの領域指定を示す図である。256のControl Wordのうち、復号用パラメータはReserved領域のビットを使用して転送すればよい。
(キャリブレーション)
図20は、最適化係数に対するキャリブレーションの構成例を示すブロック図である。最適化係数算出部403により算出された最適化係数は、劣化量算出部405により算出された劣化量に基づき、キャリブレーション(補正)される。最適化係数算出部403は、キャリブレーション後の最適化係数をスケーリング部404に出力する。キャリブレーション処理は、1.高速ループ処理、あるいは、2.低速ループ処理のいずれかを選択できる。
1.高速ループ
劣化量算出部405は、ビット削減前のIQデータと、ビット削減後のIQデータを比較し、劣化量を算出する。最適化係数算出部403は、劣化量が所定の閾値を超える劣化となった場合に、劣化量(通信品質)を抑える最適化係数を再度算出する。この高速ループでは、OFDMシンボル単位(約71.4us)でキャリブレーションをおこなう。IFFT/FFT、またはIDFT/DFT単位で補正をおこなう。短区間での補正が可能であり、電力の劣化を瞬時に抑制できる。
2.低速ループ
劣化量算出部405は、TTI単位で補正をおこなう。これにより、物理チャネル(Physical Channel)単位で無線品質に即した補正が可能となり、無駄のない(マージンを最小限にする)キャリブレーションをおこなうことができる。1−10msの補正(長区間の補正)が可能である。劣化量算出部405は、ビット削減後のIQデータからEVMを確認し、劣化量を算出する。最適化係数算出部403は、劣化量が所定の閾値を超える劣化となった場合に、劣化量(通信品質)を抑える最適化係数を再度算出する。
また、上記1.高速ループと、2.低速ループとを組み合わせて適用することもできる。1.の方式で劣化量が閾値以上の場合に、2.の処理をおこなうことで、最低の通信品質を底上げすることができる。すなわち、1.の結果が良であれば、必ず2.の結果も良である。1.の結果が不良の場合、2.の結果で改善することが可能となる。
図21は、最適化係数に対するキャリブレーションの他の構成例を示すブロック図である。この構成例では、最適化係数算出部403は、予め複数の劣化量別のビット削減量を算出しておき、保持しておく。そして、劣化量算出部405が算出した劣化量に対応するビット削減量をセレクタ2201により選択してスケーリング部404に出力する。この構成例によれば、上述した無線の品質目標値(EVM)を算出し、このEVMに基づき劣化量を算出することができる。
図22は、複数の劣化量別の係数を示す図である。最適化係数算出部403は、各劣化量X1〜Xn別の最適化係数1〜nを保持している。例えば劣化量X1のとき、1ビット削減する係数1とする。劣化量Xnのとき係数nはnビット削減する。
図23は、最適化係数に対する劣化量抑制方法の手段としてのキャリブレーション方式の構成例を示すブロック図である。図においてCofは、上述した「量子化対象の範囲の絞り込み1.〜4.」のビット削減前IQから削減後IQを算出するそれぞれのオフセット係数である。(1.の分散を利用したbit削減は、0111111000000などのビットマスクが係数となる。)図において劣化量算出部405では、圧縮前後のIQの差などからキャリブレーション値を算出する。REC101側の最適化係数算出部403には、上記同様に品質指標、装置指標、標準偏差σが入力され、これらに基づきオフセット係数Cofを求める。劣化量算出部405は、このオフセット係数Cofに基づきビット削減したIQデータと、ビット削減前のIQデータの差分値の平均値をキャリブレーション値としてRE102に送信する。RE102側には、キャリブレーション復号部2401を設ける。このキャリブレーション復号部2401は、REC101側から送信されたキャリブレーション値と、圧縮後IQデータを受信し、これらに基づき、キャリブレーション復号をおこなう。
図24は、IQ圧縮処理部における圧縮による劣化量の抑制をおこなう構成例を示す図である。キャリブレーション値の算出にかかる構成について記載してある。IQ圧縮処理部302は、乗算器2501,2502,2505と、加算器2503と、積算部2504とを含む。ビット削減前IQデータは、乗算器2501によりオフセット係数Cofが乗算され、スケーリング部404によりビット削減される。この後、乗算器2502により、オフセット係数の逆数1/Cofが乗算され、スケーリング部404に入力される。この後、加算器2503では、再度ビット削減前のIQデータが加算され、積算部2504によりサンプル数N分だけ積算処理された後、乗算器2505により1/N乗算されてキャリブレーション値が出力される。このように、圧縮前後のIQの差の平均をキャリブレーション値として、圧縮後IQに調整値として足しこむオフセット方式を用いることにより、圧縮劣化量を抑制することができる。
上記のビット削減後IQデータ[N]=ビット削減前IQデータ[N]×Cof
ビット削減後Ref IQ[N]=ビット削減後IQ[N]/Cof
キャリブレーション値=1/N×Σ(ビット削減後IQ−ビット削減前IQ)である。
(サンプリング数Nについて)
図25は、システム帯域別の分散算出用のパラメータを示す図表である。上述した出力電力(IQデータ)のサンプリング数Nは、OFDMシンボル単位(例えば、5MHz帯域の場合は7.68M/Sampling、20MHz帯域の場合は30.72M/Sampling)を用いる。これに限らず、システムが保持する所定のサンプリング数としてもよい。サンプリング数が大きくなることに対応して電力変動も大きくなる。つまり、システム帯域と電力変動は密接な関係があり、システム帯域が大きくなるとNの数を小さくした方がロスを小さく(最適化係数演算の処理効率を向上)できる。
(RECの構成例)
図26は、RECとRE間のデータ圧縮にかかる構成例を示す図である。REC101が複数の周波数帯域に応じて複数のベースバンド処理部301を有する場合に、例えばキャリア別の複数のベースバンド処理部301a,301bに対して多重化部2701によりIQデータの多重化をおこなってからIQ圧縮処理部302によりIQデータのビット最適化処理をおこない、RE102側にデータ送信する。また、さらに他の複数のベースバンド処理部301cについて多重化部2702により、上記各ベースバンド処理部301a〜301cのIQデータを多重化してRE102に送信しても良い。REC101に対するRE102の配置構成は、上述したように、カスケード(縦列)接続された配置構成や、1台のRE102から複数のRE102に分岐される配置構成等、各種の配置構成がある。
また、複数の周波数帯域のベースバンド処理部301dのIQデータをIQ圧縮処理部302によりIQデータのビット最適化処理をおこない、RE102に送信する構成としてもよい。このほか、2台のREC102a,102bがそれぞれ送信するIQデータのうち、REC102a側についてIQ圧縮処理部302によりIQデータのビット最適化処理をおこなう。そして、他のREC102b側のIQデータと併せてIQデータのビット最適化処理をおこないRE102側に送信する構成とすることもできる。
そして、1台のREC101に対し、複数台のRE102がCPRI103を介して接続される各種配置構成において、例えば、1台のRECが2台のRE102に対してIQデータを送信する場合、最適な圧縮率は50%となる。同様に、3台のRE102であれば最適な圧縮率は33%となる。なお、この圧縮率は、上述したように無線品質の劣化量に基づき、適宜キャリブレーションしながら運用すればよい。
以上説明した実施の形態では、REC101からRE102へのDownlink(下り)のIQデータ転送の圧縮について説明したが、上記同様の圧縮手法をRE102からREC101へのIQデータのデータ転送の圧縮についても適用することができる。これらDownlinkとUplinkとにおいて圧縮にかかる異なるパラメータとしては、Downlink(下り)では、RE102が有する無線アンプのダイナミックレンジを用いるが、Uplink(上り)では、ベースバンド処理部332のデジタル出力のダイナミックレンジを用いる。
以上説明した実施の形態によれば、受信側装置のダイナミックレンジやIQデータの分散等に基づき、受信側装置に対して必要最低限のサンプルビット幅を用いて、必要なデータを送信し、IQデータを圧縮することができる。たとえば、1台のRECに対し、複数台のREが接続される配置構成において、REの増設によるRE数の増大、1台のREが扱う周波数帯域の増大、アンテナ数の増大などが生じる。実施の形態によれば、このようなネットワーク変更に基づくRECとRE間のIQデータの転送レートとサンプルビット幅の変更に対応することができ、IQデータを最適な圧縮率に変更することができる。これにより、転送路上のIQデータの転送レートを確保して、データ転送の遅延を抑制でき、必要なデータ精度を有するデータ転送が可能となる。また、インタフェースの回路規模の増大を抑えることができ、転送路としてCPRIを用いる場合、光モジュールのコストを抑制できる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)との間において送受信する変調後のデジタル信号のIQデータについて、受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信する圧縮処理部を備えたことを特徴とする基地局装置。
(付記2)前記圧縮処理部は、
前記IQデータの中心値と、前記IQデータの分散とに基づき、前記IQデータの量子化ビットを削減することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記3)前記圧縮処理部は、
前記受信側装置のダイナミックレンジに基づき前記IQデータの量子化ビットを削減することを特徴とする付記1または2に記載の基地局装置。
(付記4)前記圧縮処理部は、
前記IQデータのサンプル値全体に対して所定のオフセット係数を掛けて縮小した分散により量子化ビット数を削減することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の基地局装置。
(付記5)前記圧縮処理部は、
無線の通信品質指標、装置指標、IQデータの標準偏差に基づき、前記IQデータの圧縮係数を算出する最適化係数算出部を有することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記6)前記圧縮処理部による量子化ビットの削減後、ビットシフトによるデータ整形をおこなうスケーリング部を有することを特徴する付記1に記載の基地局装置。
(付記7)前記スケーリング部は、
前記ビットシフト数および圧縮パラメータを受信側装置における復号処理用に転送することを特徴とする付記6に記載の基地局装置。
(付記8)前記IQデータの圧縮による無線品質の劣化量を算出する劣化量算出部を有し、
前記圧縮処理部は、前記劣化量算出部により算出された劣化量に基づき、前記圧縮係数のキャリブレーションをおこなうことを特徴とする付記5に記載の基地局装置。
(付記9)前記劣化量算出部は、
前記REの通信方式がOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の場合、OFDMシンボル単位の周期で無線品質の劣化量を算出することを特徴とする付記8に記載の基地局装置。
(付記10)前記劣化量算出部は、
物理チャネル単位の周期で無線品質の劣化量を算出することを特徴とする付記8に記載の基地局装置。
(付記11)前記圧縮処理部は、
前記劣化量算出部により算出された複数の劣化量に対応する前記圧縮係数を保持し、前記劣化量に対応したビット削減量を出力することを特徴とする付記10に記載の基地局装置。
(付記12)前記劣化量算出部は、
前記REの通信方式がOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の場合、OFDMシンボル単位の周期で無線品質の劣化量を算出した結果の劣化量が大きい場合、物理チャネル単位の周期で無線品質の劣化量を算出し、当該物理チャネル単位の周期において算出されたキャリブレーションをおこなうことを特徴とする付記8に記載の基地局装置。
(付記13)前記圧縮処理部は、
圧縮前後のIQデータの差の平均をキャリブレーション値として、圧縮後のIQデータに調整値として足しこむことにより、圧縮劣化量を抑制することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記14)前記転送路は、共通公衆無線インタフェース(CPRI:Common Public Radio Interface)であることを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記15)前記圧縮処理部は、
前記IQデータの分散に対し所定の定数を用いて、前記IQデータの量子化ビットを削減することを特徴とする付記2に記載の基地局装置。
(付記16)前記REC1台につき、複数の前記REがカスケード接続、あるいは分岐接続されたことを特徴とする付記1〜15のいずれか一つに記載の基地局装置。
(付記17)一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)とを有する基地局システムにおいて、
送信側装置は、
変調後のデジタル信号のIQデータについて、受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信する圧縮処理部を有し、
受信側装置は、
信号変換処理部の前段において、前記送信側装置からの圧縮されたIQデータの復号処理をおこなう復元処理部を有することを特徴とする基地局システム。
(付記18)一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)との間において送受信する変調後のデジタル信号のIQデータの圧縮方法において、
受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信することを特徴とするIQデータの圧縮方法。
100 基地局装置(基地局システム)
101 REC
102 RE
103 転送路(CPRI)
104 アンテナ
301 ベースバンド処理部
302 IQ圧縮処理部
311 IQ復元処理部
312 D/A変換処理部
313 増幅処理部
321 受信処理部
322 A/D変換処理部
323 IQ圧縮処理部
331 IQ復元処理部
332 ベースバンド処理部
401 電力中心値算出部
402 分散値算出部
403 最適化係数算出部
404 スケーリング部
405 劣化量算出部

Claims (18)

  1. 一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)との間において送受信する変調後のデジタル信号のIQデータについて、受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信する圧縮処理部を備えたことを特徴とする基地局装置。
  2. 前記圧縮処理部は、
    前記IQデータの中心値と、前記IQデータの分散とに基づき、前記IQデータの量子化ビットを削減することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  3. 前記圧縮処理部は、
    前記受信側装置のダイナミックレンジに基づき前記IQデータの量子化ビットを削減することを特徴とする請求項1または2に記載の基地局装置。
  4. 前記圧縮処理部は、
    前記IQデータのサンプル値全体に対して所定のオフセット係数を掛けて縮小した分散により量子化ビット数を削減することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の基地局装置。
  5. 前記圧縮処理部は、
    無線の通信品質指標、装置指標、IQデータの標準偏差に基づき、前記IQデータの圧縮係数を算出する最適化係数算出部を有することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  6. 前記圧縮処理部による量子化ビットの削減後、ビットシフトによるデータ整形をおこなうスケーリング部を有することを特徴する請求項1に記載の基地局装置。
  7. 前記スケーリング部は、
    前記ビットシフト数および圧縮パラメータを受信側装置における復号処理用に転送することを特徴とする請求項6に記載の基地局装置。
  8. 前記IQデータの圧縮による無線品質の劣化量を算出する劣化量算出部を有し、
    前記圧縮処理部は、前記劣化量算出部により算出された劣化量に基づき、前記圧縮係数のキャリブレーションをおこなうことを特徴とする請求項5に記載の基地局装置。
  9. 前記劣化量算出部は、
    前記REの通信方式がOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の場合、OFDMシンボル単位の周期で無線品質の劣化量を算出することを特徴とする請求項8に記載の基地局装置。
  10. 前記劣化量算出部は、
    物理チャネル単位の周期で無線品質の劣化量を算出することを特徴とする請求項8に記載の基地局装置。
  11. 前記圧縮処理部は、
    前記劣化量算出部により算出された複数の劣化量に対応する前記圧縮係数を保持し、前記劣化量に対応したビット削減量を出力することを特徴とする請求項10に記載の基地局装置。
  12. 前記劣化量算出部は、
    前記REの通信方式がOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の場合、OFDMシンボル単位の周期で無線品質の劣化量を算出した結果の劣化量が大きい場合、物理チャネル単位の周期で無線品質の劣化量を算出し、当該物理チャネル単位の周期において算出されたキャリブレーションをおこなうことを特徴とする請求項8に記載の基地局装置。
  13. 前記圧縮処理部は、
    圧縮前後のIQデータの差の平均をキャリブレーション値として、圧縮後のIQデータに調整値として足しこむことにより、圧縮劣化量を抑制することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  14. 前記転送路は、共通公衆無線インタフェース(CPRI:Common Public Radio Interface)であることを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
  15. 前記圧縮処理部は、
    前記IQデータの分散に対し所定の定数を用いて、前記IQデータの量子化ビットを削減することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
  16. 前記REC1台につき、複数の前記REがカスケード接続、あるいは分岐接続されたことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の基地局装置。
  17. 一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)とを有する基地局システムにおいて、
    送信側装置は、
    変調後のデジタル信号のIQデータについて、受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信する圧縮処理部を有し、
    受信側装置は、
    信号変換処理部の前段において、前記送信側装置からの圧縮されたIQデータの復号処理をおこなう復元処理部を有することを特徴とする基地局システム。
  18. 一対の装置間であるREC(Radio Equipment Controller)とRE(Remote Equipment)との間において送受信する変調後のデジタル信号のIQデータの圧縮方法において、
    受信側装置のデータ処理に用いない量子化ビットを間引いたデータ圧縮をおこない、転送路を介して受信側装置に送信することを特徴とするIQデータの圧縮方法。
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