JP2012044449A - センサノード、センサデータ処理方法、およびプログラム - Google Patents

センサノード、センサデータ処理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】階層的な木構造のネットワークトポロジにおいて効率的にセンサデータを収集する。
【解決手段】系列分割部14Bで、センサデータ系列を部分データ系列に分割し、行列計算部14Cで、これら部分データ系列を一定数まとめて得られた処理データ系列を特異値分解することにより、部分データ系列に共通する複数の基底系列を計算し、これら基底系列のうちセンサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、基底系列を近似した近似基底系列として所定の基準数だけ選択し、得られた近似基底系列に基づいて部分データ系列ごとに、近似基底系列の線形加重和で当該部分データ系列を求めるための近似係数系列を計算し、無線通信部12で、処理データ系列の近似基底系列および近似係数系列を、元となるセンサデータの圧縮データとして無線通信により送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、センサネットワーク技術に関し、特にセンサネットワークを構成する各センサノードにおいてセンサデータを収集するセンサデータ収集技術に関する。
一般に、複数のセンサノードがネットワークを構成してデータを収集するような通信ネットワークをセンサネットワークと呼んでいる。具体的には、各センサノードにおいて、センサでセンサデータを時系列で計測し、センサノードの無線通信機能によりセンサノード間に構築された無線ネットワークを介して、1つの基地局へデータを収集する。
このようなセンサネットワークでは、多数のセンサから同時にセンサデータを収集することができれば、高精細な監視や詳細な分析などより高度なアプリケーションを実現できる。
こういったアプリケーションを実現するためには、より効率的なデータ収集手法が必要となる。ここで、効率的とは、(1)高速にデータを収集でき、(2)収集したデータは正確であり、(3)センサノードが電池で長時間駆動するような手法をさす。逆に、(1)データ収集の遅延が大きく、(2)収集したデータが大きな欠損や誤差を含み、(3)無線通信で冗長なデータの送受信やデータの再送などによって電池を大きく消耗してしまうようなデータ収集手法は効率が悪いと言える。
従来、無線の送信電力を調整できる無線通信モジュールを想定して、階層的にクラスタを生成し、効率的なデータ収集を実現しようとするセンサデータ収集技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
センサネットワークにおいて、センサノードが計測して取得するセンサデータには以下のような特徴がある。
[センサノード間のセンサデータの類似性]
近接して設置されたセンサノード間では、発生したセンサデータの系列は高い類似性を持つ。例えば温度やガスは壁などで空間が区切られない限りはセンサデータはほぼ一様に分布し、物の動きを加速度センサで測定する場合には同じ物についているセンサからは相関のあるデータが発生する。複数のセンサノードからのデータの間に類似性があるのであれば、類似の部分をまとめることで、データ量を大幅に削減できる。
[センサデータの周期性]
センサデータには周期性がある。温度や湿度は一日の周期で変化し、人が身に着けた加速度センサの値は人が歩くなど同じ動作を繰り返せば周期性のある変化をする。周期的にデータが繰り返されるのであれば、繰り返される部分をまとめて圧縮することで、効率のよい通信が実現できる。
このように、センサデータの特徴を活用してデータの集約が行えれば、センサデータの量を劇的に削減できる可能性がある。
センサデータの特徴を活かしたデータ処理に関しては、これまでにもさまざまな手法が実現されている。例えば、非特許文献1では、複数のセンサデータ間の類似性を活かして、データ量を削減している。回帰分析の技術を用いて、基底となる信号に対する係数値で新たに発生したデータを表現し、データの大幅な圧縮を図っている。
また、非特許文献2では、センサデータに関連性があるセンサノードのデータが同じ経路上で収集されるようにネットワークトポロジを構成する手法が提案されている。
さらに、非特許文献3では、階層的なネットワーク上で、データをSUM、AVG、COUNT、MIN、MIX といった関数に要約する手法が提案されている。
特開2009−206560号公報
A. Deligiannakis, Y. Kotidis, and N. Roussopoulos: Dissemination of compressed historical information in sensor networks, The VLDB Journal, Vol. 16, No. 4, pp. 439-461, 2007. H. Gupta, V. Navda, S. R. Das, V. Chowdhary: Efficient gathering of correlated data in sensor networks, in Proceedings of International Symposium on Mobile Ad Hoc Networking and Computing (MobiHoc) 2005, pp. 402-413, 2005. A. Deligiannakis, Y. Kotidis, and N. Roussopoulos: Hierarchical In-Network Data Aggregation with Quality, in Proceedings of International Conference on Extending Database Technology, pp. 658-675, 2004.
このようなセンサネットワークにおいて、各センサノードからセンサデータを効率的に収集するためには、以下のような理由で、階層的なクラスタを用いた木構造のネットワークが有効である。
・木構造のネットワークトポロジを採用すると、センサノードの数が増えたときにスケーラビリティが高い。
・隣接するセンサノードでクラスタを生成すると、クラスタ内の通信は微弱な電波を送信するだけで十分に通信が到達するため、電力の消費量を抑えられる。
・クラスタ内の通信は送信電力を抑えるなど、無線通信範囲を適切に調整することによって、電波の衝突の確率を下げることができる。これによって、電波の衝突による再送を防ぎ、それぞれのセンサノードの通信機会が増加し、効率よく通信できるようになる。
センサノードや基地局で用いる無線通信帯域には限りがあり、これが通信速度を上げようとする際のボトルネックになることが多い。階層的な木構造のネットワークトポロジでは、階層的にセンサデータが集約されていくため、最上位階層のセンサノードと基地局との通信では、複数のセンサノードのデータが集約され、通信のオーバーヘッドが少ない。このため、基地局がそれぞれのセンサノードから直接データを収集するような単純なデータ収集と比較して、効率的にデータを集約できるようになる。
しかしながら、特許文献1の手法は、高速にデータを収集するためのネットワークトポロジを階層的クラスタリングによって決定できるが、データの圧縮については考慮されていない。
また、非特許文献1の手法はネットワークのトポロジに関しては議論されておらず、階層的なネットワークで多数のセンサノードからの集約に有効であるかは不明である。
また、非特許文献2の手法は、関連性が非常に高いセンサデータばかりであれば効率よくデータ収集が行えるが、さまざまな類似したデータが存在するときにどのようにデータを圧縮するべきであるかという点については議論されていない。
また、非特許文献3の手法は、ネットワークの階層性を活かして大幅にデータ量を削減することで、要約のためのセンサデータを収集できるが、対応する関数以外のデータを必要とするアプリケーションに対応できるかは明らかではない。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、階層的な木構造のネットワークトポロジにおいて効率的にセンサデータを収集できるセンサデータ収集技術を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかるセンサノードは、1つの基地局に対して1以上のセンサノードが無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを無線通信により基地局へ通知するセンサノードであって、センサから複数のセンサデータを取得してセンサデータ系列を生成するデータ取得部と、センサデータ系列を一定のデータ数からなる部分データ系列に分割する系列分割部と、部分データ系列を一定数まとめて得られた処理データ系列を特異値分解することにより、部分データ系列に共通する複数の基底系列を計算し、これら基底系列のうちセンサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、基底系列を近似した近似基底系列として所定の基準数だけ選択し、得られた近似基底系列に基づいて部分データ系列ごとに、近似基底系列の線形加重和で当該部分データ系列を求めるための近似係数系列を計算する行列計算部と、処理データ系列の近似基底系列および近似係数系列を、元となるセンサデータの圧縮データとして無線通信により送信する無線通信部とを備えている。
この際、系列分割部で、センサデータ系列を分割して得られた部分データ系列ごとに、当該部分データ系列に含まれるセンサデータを、これらセンサデータの平均値および分散を用いて正規化し、行列計算部で、正規化された部分データ系列に基づいて近似基底系列および近似係数系列を計算し、無線通信部で、処理データ系列の基底系列および係数系列とともに、処理データ系列に含まれる部分データ系列を正規化する際に用いた平均値および分散を、圧縮データとして無線通信により送信するようにしてもよい。
また、部分データ系列のうち、行列計算部で特異値分解された対象処理データ系列以降の新たな処理データ系列について、当該新たな処理データ系列に含まれる部分データ系列ごとに、当該部分データ系列を対象処理データ系列に関する近似基底系列の線形加重和で求めるための重みを計算する重み計算部と、新たな処理データ系列に含まれる部分データ系列ごとに得られた重みと対象処理データ系列に関する近似基底系列とから、新たな処理データ系列を復元した近似データ系列を生成し、新たな処理データ系列と当該近似データ系列との誤差に基づいて、近似基底系列の更新要否を判定する更新判定部とをさらに備え、行列計算部で、更新判定部により近似基底系列の更新要と判定された場合、新たな処理データ系列を特異値分解することにより、当該新たな処理データ系列に関する近似基底系列および近似係数系列を生成し、無線通信部で、更新判定部により近似基底系列の更新要と判定された場合、新たな処理データ系列の近似基底系列および近似係数系列を圧縮データとして無線通信により送信し、更新判定部により近似基底系列の更新不要と判定された場合、重み計算部で得られた重みを圧縮データとして無線通信により送信するようにしてもよい。
また、本発明にかかる他のセンサノードは、請求項2に記載のセンサノードを複数有し、1つの基地局に対して当該複数のセンサノードが階層的な木構造からなるトポロジーで無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを無線通信により基地局へ通知するセンサノードのうち、階層的な木構造における中間層に位置するセンサノードであって、トポロジーに基づいて他のセンサノードから無線通信部により受信した受信近似基底系列および受信近似係数系列を取得して、これら受信近似基底系列から新たなセンサデータ系列を生成する系列合成部をさらに有し、行列計算部で、新たなセンサデータ系列を特異値分解することにより、新たな近似基底系列および新たな近似係数系列を計算し、無線通信部で、新たな近似基底系列と、新たな近似係数系列に受信近似係数系列を付加した近似係数系列とを、圧縮データとして無線通信により送信するようにしたものである。
また、本発明にかかる他のセンサノードは、請求項3に記載のセンサノードを複数有し、1つの基地局に対して当該複数のセンサノードが階層的な木構造からなるトポロジーで無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを無線通信により基地局へ通知するセンサノードのうち、階層的な木構造における中間層に位置するセンサノードであって、トポロジーに基づいて他のセンサノードから無線通信部により受信した受信近似基底系列を取得して、これら受信近似基底系列から新たなセンサデータ系列を生成する系列合成部をさらに有し、重み計算部で、新たなセンサデータ系列を、受信近似基底系列の線形加重和で求めるための重みを計算し、更新判定部で、新たなセンサデータ系列ごとに得られた重みと受信近似基底系列とから、新たなセンサデータ系列を復元した近似データ系列を生成し、新たなセンサデータ系列と当該近似データ系列との誤差に基づいて、受信近似基底系列の更新要否を判定し、行列計算部で、更新判定部により近似基底系列の更新要と判定された場合、新たなセンサデータ系列を特異値分解することにより、当該新たなセンサデータ系列に関する新たな近似基底系列および新たな近似係数系列を生成し、無線通信部で、更新判定部により近似基底系列の更新要と判定された場合、新たなセンサデータ系列の新たな近似基底系列および新たな近似係数系列を圧縮データとして無線通信により送信し、更新判定部により近似基底系列の更新不要と判定された場合、第2重み計算部で得られた重みを圧縮データとして無線通信により送信するようにしたものである。
また、本発明にかかるセンサデータ処理方法は、1つの基地局に対して1以上のセンサノードが無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを無線通信により基地局へ通知するセンサノードで用いられるセンサデータ処理方法であって、データ取得部が、センサから複数のセンサデータを取得してセンサデータ系列を生成するデータ取得ステップと、系列分割部が、センサデータ系列を一定のデータ数からなる部分データ系列に分割する系列分割ステップと、行列計算部が、部分データ系列を一定数まとめて得られた処理データ系列を特異値分解することにより、部分データ系列に共通する複数の基底系列を計算し、これら基底系列のうちセンサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、基底系列を近似した近似基底系列として所定の基準数だけ選択し、得られた近似基底系列に基づいて部分データ系列ごとに、近似基底系列の線形加重和で当該部分データ系列を求めるための近似係数系列を計算する行列計算ステップと、無線通信部が、処理データ系列の近似基底系列および近似係数系列を、元となるセンサデータの圧縮データとして無線通信により送信する無線通信ステップとを備えている。
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、前述したいずれか1つのセンサノードを構成する各部として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、各センサノードのセンサで計測されたセンサデータ系列を、部分データ系列で共用できる近似基底系列と、各部分データ系列に固有の近似係数系列とに圧縮することができ、各センサノードから基地局へ向けて送信すべきセンサデータのデータ量を削減することができる。したがって、階層的な木構造のネットワークトポロジを採用してセンサノード数が増えた場合でも、効率的にセンサデータを収集することが可能となる。特に、センサデータは、自然の周期や日常生活や社会活動における周期、例えば、日、週、月、年など、周期的な繰り返しパターンを有している場合が多く、特異値分解によれば、このようなセンサデータの周期性を抽出して、センサデータを効率よく圧縮することができる。
さらに、センサノードから基地局へ送信すべきデータ量を削減できることから、センサノード間の無線通信帯域に余裕ができ、データ収集を高速化することができる。また、センサノードでの消費電力を削減できる。一般的に、データ計算に必要な電力よりもデータ通信に必要な電力の方が大きいため、特異値分解の処理のような計算処理が増えたとしても、電池の消費量を抑え、ネットワークの駆動時間を延ばすことができる。
また、基地局では、各センサノードから通知されたデータの量が少ないにもかかわらず、小さな誤差で元のデータを復元できる。また、データ復元時には、近似基底系列と近似計数系列とを掛け合わせるという、極めて簡素な演算処理で元のデータを復元でき、基地局での処理負担を軽減できる。
第1の実施の形態にかかるセンサノードの構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。 第1の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示す動作例である。 第2の実施の形態にかかるセンサノードの構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態にかかるセンサノードの動作例である。 センサネットワークの構成例である。 第3実施の形態にかかる中間層に位置するセンサノードの構成を示すブロック図である。 近似基底系列および近似係数系列の階層構造を示す説明図である。 第3の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。 第4の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。 第4の実施の形態にかかる中間層に位置するセンサノードの構成を示すブロック図である。 評価実験で用いたデータセットの詳細を示す説明図である。 AMEDASデータを用いた場合の階層数−データ圧縮率特性である。 AMEDASデータを用いた場合の階層数−二乗平均誤差特性である。 屋内気温データを用いた場合の階層数−データ圧縮率特性である。 屋内気温データを用いた場合の階層数−二乗平均誤差特性である。 AMEDASデータを用いた場合のデータ圧縮率−二乗平均誤差特性(4階層)である。 屋内気温データを用いた場合のデータ圧縮率−二乗平均誤差特性(4階層)である。 AMEDASデータを用いた場合の評価結果(6階層)である。 屋内気温データを用いた場合の評価結果(6階層)である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるセンサノードについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるセンサノードの構成を示すブロック図である。
このセンサノード10は、1つの基地局50に対して1以上のセンサノード10が無線通信により接続されたセンサネットワーク1で用いられ、センサで計測したセンサデータを無線通信により基地局50へ通知する機能を有している。
本実施の形態は、このようなセンサネットワークで用いるセンサノードにおいて、センサから複数のセンサデータを取得してセンサデータ系列を生成し、このセンサデータ系列を一定のデータ数からなる部分データ系列に分割し、これら部分データ系列を一定数まとめて得られた処理データ系列を特異値分解することにより、これら部分データ系列に共通する複数の基底系列を計算し、これら基底系列のうちセンサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、基底系列を近似した近似基底系列として所定の基準数だけ選択し、得られた近似基底系列に基づいて部分データ系列ごとに、近似基底系列の線形加重和で当該部分データ系列を求めるための近似係数系列を計算し、得られた近似基底系列および係数系列を、元となるセンサデータの圧縮データとして無線通信により送信するようにしたものである。
[特異値分解]
まず、本発明において、センサデータを圧縮してデータ量を削減する際に用いる特異値分解の原理について説明する。なお、特異値分解の具体的処理については、公知の手法を利用すればよい。
センサデータは、自然の周期や日常生活や社会活動における周期、例えば、日、週、月、年など、周期的な繰り返しパターンを有している場合が多い。特異値分解によれば、このようなセンサデータの周期性を抽出して、センサデータを効率よく圧縮できる。
n(nは正整数)行のベクトルvを、v≡[v1,v2,…,vnTTは行列の転置)とし、m(mは正整数)×nの行列Aとする。行列Aの列ベクトルはa(i)、行ベクトルをajとする。この際、iは1〜nの整数であり、jは1〜mの整数である。したがって、行列Aは、A≡[a(1),a(2),…,a(n)]≡[a1,a2,…,amTとなる。
特異値分解は線形変換の一種であり、任意のm×nの行列Aを、次の式(1)のように分解できる。
Figure 2012044449
ここで、Aのランクをr(rは正整数であり、m>rかつn>r)とすると、Uは、m×rのユニタリ行列、Vはn×rのユニタリ行列、Σはr×rの対角行列である。Σ≡diag[σ1,σ2,…,σr]は正の値σiからなる対角行列であり、Aの特異値を指す。対角成分σiは降順に並べられている。U、Vはユニタリ行列であるため、各成分v(i),u(i)は単位ベクトルとなる。
特異値分解の適用例の一つとして、行列の近似が挙げられる。降順に並んだ特異値の上位k(kは正整数であり、r>k)個のみで行列を表現すると、Aを近似した行列Aは、次の式(2)で表され、AとAの間の誤差(Frobeniusノルム)が最小となる。
Figure 2012044449
ここで、U:=[u(1),u(2),…,u(k)]、V:=[v(1),v(2),…,v(k)]、Σ=diag[σ1,σ2,…,σk]とする。A−AのFrobeniusノルムは、次の式(3)で定義される。
Figure 2012044449
前述した式(1)の変換において、W=UΣとすれば、次の式(4)のように変形できる。
Figure 2012044449
この式は、v(i)を軸としたAからWへの射影変換を意味し、Wの各行は、変換後の座標系におけるAの各行の座標を意味すると理解できる。つまり、Vの上位k個のベクトルを用いて座標を変換することは、Aの各点をより次元の低いk次元の座標系へ射影することを意味する。したがって、式(2)において、W=Σとすれば、次の式(5)のように変形できる。
Figure 2012044449
このように、Aは、WとVを用いて近似できる。m>kかつn>kであるため、センサノードはm×nのAの代わりに、より少ないデータ量のm×kの行列Wとn×kの行列Vを送信するだけで、サーバではセンサデータを復元できる。しかも、任意のkに対してFrobeniusノルムが最小となるため、その誤差も最小となる。
一般的なデータ圧縮手法の1つであるフーリエ変換では、三角関数に対する重み係数でデータ系列を表現できるが、特異値分解を用いたほうが、センサデータの特徴を捉えた基底系列を生成することができるため、小さな誤差で効率よくセンサデータを圧縮できる。
[センサノード]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるセンサノードの構成について詳細に説明する。
センサノード10には、主な機能部として、センサ11、無線通信部12、記憶部13、および演算処理部14が設けられている。
センサ11は、専用のセンサ素子からなり、逐次、所定の物理量を計測して演算処理部14へ出力する機能を有している。
無線通信部12は、専用の無線通信回路からなり、センサネットワーク1のトポロジーに基づいて、他のセンサノード10や基地局50との間で無線通信を行う機能と、この機能を用いて、演算処理部14での特異値分解によりセンサデータから得られた基底系列および係数系列を、元のセンサデータの圧縮データとして基地局50へ通知する機能とを有している。
記憶部13は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、演算処理部14での処理動作に用いるプログラムや各種処理情報を記憶する機能を有している。
演算処理部14は、CPUとその周辺回路を有し、記憶部13から読み込んだプログラムを実行することにより、各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部14で実現される主な処理部として、データ取得部14A、系列分割部14B、および行列計算部14Cがある。
データ取得部14Aは、センサ11から複数のセンサデータを取得してセンサデータ系列を生成する機能を有している。
系列分割部14Bは、データ取得部14Aで生成したセンサデータ系列を一定のデータ数(時間長l)からなる部分データ系列に分割する機能と、これら部分データ系列ごとに、当該部分データ系列に含まれるセンサデータを正規化する機能とを有している。
行列計算部14Cは、系列分割部14Bで生成した部分データ系列を一定数c個ずつまとめて処理データ系列を生成する機能と、得られた処理データ系列を特異値分解することにより、当該処理データ系列を圧縮した基底系列および係数系列を生成する機能とを有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図2および図3を参照して、本実施の形態にかかるセンサノードの動作について説明する。図2は、第1の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。図3は、第1の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示す動作例である。
センサノード10の演算処理部14は、定期的あるいは任意のイベント発生に応じて、図2のセンサデータ処理を実行する。
まず、データ取得部14Aは、センサ11で計測した複数のセンサデータをセンサ11から取得してセンサデータ系列を生成する(ステップ100)。図3では、時系列で計測した温度変化がセンサデータとして計測されている。
続いて、系列分割部14Bは、データ取得部14Aで生成したセンサデータ系列を一定のデータ数からなる部分データ系列に分割する(ステップ101)。図3では、時間長lを持つウィンドウを単位として、処理期間tcごとにセンサデータ系列が4分割されて、部分データ系列がa1〜a4が生成されている。
次に、系列分割部14Bは、得られた部分データ系列ごとに、当該部分データ系列に含まれるセンサデータを正規化する(ステップ102)。正規化処理の具体例としては、部分データ系列aiについて、その平均iと分散siを求め、部分データ系列aiの各要素をそれぞれ正規化する。部分データ系列aiの第j要素をaijとし、aijを正規化した値a’ijは、a’ij=(aiji)/si)により求められる。
各センサデータを部分データ系列に分割してそのまま特異値解析を実行し、得られた基底系列と係数系列からセンサデータを復元した場合、元のセンサデータと復元したセンサデータとの間で、部分データ系列ごとに直流成分的な誤差が生じることがある。これは、部分データ系列間で、センサデータの平均が大きく変化している場合、それぞれの部分データ系列に含まれる個別の直流成分の一部が、特異値分解により失われるものと考えられる。このような問題は、後述する第3、第4の実施の形態のように階層的にセンサネットワークが接続された構成でデータ圧縮を行う場合に生じやすく、このようなネットワークにおいて正規化処理を利用することで、直流成分的な誤差を低減することができる。
本実施の形態では、各部分データ系列を予め正規化して、部分データ系列ごとに含まれる個別の直流成分を取り除いてから、特異値解析を実行するようにしたので、特異値分解における直流成分誤差の発生を抑制することができる。また、後述するように、部分データ系列aiの正規化に用いた平均iと分散siを、基底系列および係数系列とともに、基地局50へ通知するようにしたので、基地局50において高い精度でセンサデータを復元することができる。なお、部分データ系列間でセンサデータの平均が一定の基準値に等しい場合、例えばセンサデータがゼロを基準値として変化する場合には、正規化処理を省くことができる。また、1階層しか用いない場合については、直流成分的な誤差の影響はないため、正規化処理を省略することができる。
次に、行列計算部14Cは、系列分割部14Bで生成した部分データ系列を一定数まとめて処理データ系列を生成し(ステップ103)、得られた処理データ系列を特異値分解することにより、これら部分データ系列に共通する基底系列を計算する(ステップ104)。
図3では、処理期間tcに対応する4つの部分データ系列について、それぞれ部分データ系列a1〜a4を生成し、これら部分データ系列a1〜a4から、1つの処理データ系列Aを生成した後に特異値分解している。
続いて、行列計算部14Cは、特異値分解で得られた複数の基底系列Vのうちから、センサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、基底系列Vを近似した近似基底系列Vとして所定の基準数kだけ選択し(ステップ105)、得られた近似基底系列Vに基づいて、部分データ系列ごとに近似係数系列Wを計算する(ステップ106)。この際、近似基底系列として選択する基準数は、復元したセンサデータに求められる復元精度や無線通信で送信できるデータ量に基づいて予め設定しておけばよい。なお、センサデータの復元に対する寄与度については、例えば特異値分解で得られるパラメータに基づき判断すればよい。
図3では、特異値分解で得られた複数の基底系列Vのうちから、2つの近似基底系列(1)(2)が選択されており、これら近似基底系列(1)(2)に基づいて、例えば部分データ系列a1については、2つの近似係数系列W11、W12が計算されている。
復元される部分データ系列を1とした場合、これら近似基底系列(1)(2)と近似係数系列1112は、111×(1)12×(2)の関係を持つ。同様にして、部分データ系列a2、a3、a4ごとに、近似係数系列1112212231324142が2つずつ計算されている。
これにより、特異値分解で得られた基底系列Vとこの基底系列Vに基づき算出される係数系列Wとの数が、近似基底行列Vと近似係数系列Wに削減され、基地局50へ通知すべきデータ量が圧縮されたことになる。
この後、無線通信部12は、行列計算部14Cで得られた各部分データ系列の近似基底行列Vおよび近似係数系列Wと、系列分割部14Bにおける各部分データ系列の正規化に用いた平均iと分散siとを、元となるセンサデータの圧縮データとして無線通信により送信し(ステップ107)、一連のセンサデータ処理を終了する。
図3では、元となる4つの部分データ系列a1〜a4に関する圧縮データとして、2つの近似基底系列(1)(2)と、8つの近似係数系列1112212231324142が、圧縮データとして送信されている。
このようなセンサデータの圧縮処理をバッチ処理手法と呼ぶ。
1つの部分データ系列aのデータ量をsとし、元の処理データ系列Aにk個の部分データ系列が含まれる場合、処理データ系列Aのデータ量は、c×sとなる。これに対して、近似基底系列の数がk個の場合、圧縮したセンサデータのデータ量は、k×s+k×cとなる。部分データ系列の個数cに対する基底系列kの割合をd=k/cとすれば、元のデータ量に対する圧縮後のデータ量の圧縮率rは、次の式(6)となる。
Figure 2012044449
なお、基地局50では、センサノードから受け取ったVとWとの線形加重和を求めることにより、元の処理データ系列Aを復元することができる。復元されたAと元のセンサデータとの誤差は、圧縮率rが定められたときに最小に抑えられる。
図3では、ある地点の温度センサのデータを例とし、一日毎にウィンドウを区切って部分データ系列を生成した場合について説明したが、この例に限らず、多くのセンサデータには周期性があり、適切なウィンドウ幅を用いれば、kに小さな値を設定してデータ量を抑えても、少ない誤差でデータを圧縮できる。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、各センサノード10において、系列分割部14Bで、センサデータ系列を一定のデータ数からなる部分データ系列に分割し、行列計算部14Cで、センサデータ系列を分割して得た部分データ系列を、さらに一定数まとめて得られた処理データ系列を特異値分解することにより、部分データ系列に共通する複数の基底系列を計算し、これら基底系列のうちセンサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、基底系列を近似した近似基底系列として所定の基準数だけ選択し、得られた近似基底系列に基づいて部分データ系列ごとに、近似基底系列の線形加重和で当該部分データ系列を求めるための近似係数系列を計算し、無線通信部12で、処理データ系列の近似基底系列および近似係数系列を、元となるセンサデータの圧縮データとして無線通信により送信するようにしたものである。
これにより、各センサノード10のセンサ11で計測されたセンサデータ系列を、部分データ系列で共用できる近似基底系列と、各部分データ系列に固有の近似係数系列とに圧縮することができ、各センサノード10から基地局50へ向けて送信すべきセンサデータのデータ量を削減することができる。したがって、階層的な木構造のネットワークトポロジを採用してセンサノード数が増えた場合でも、効率的にセンサデータを収集することが可能となる。特に、センサデータは、自然の周期や日常生活や社会活動における周期、例えば、日、週、月、年など、周期的な繰り返しパターンを有している場合が多く、特異値分解によれば、このようなセンサデータの周期性を抽出して、センサデータを効率よく圧縮することができる。
さらに、センサノード10から基地局50へ送信すべきデータ量を削減できることから、センサノード間の無線通信帯域に余裕ができ、データ収集を高速化することができる。また、センサノード10での消費電力を削減できる。一般的に、データ計算に必要な電力よりもデータ通信に必要な電力の方が大きいため、特異値分解の処理のような計算処理が増えたとしても、電池の消費量を抑え、ネットワークの駆動時間を延ばすことができる。
また、基地局50では、各センサノード10から通知されたデータの量が少ないにもかかわらず、小さな誤差で元のデータを復元できる。また、データ復元時には、近似基底系列と近似計数系列とを掛け合わせるという、極めて簡素な演算処理で元のデータを復元でき、基地局50での処理負担を軽減できる。
また、本実施の形態において、系列分割部14Bで、センサデータ系列を分割して得られた部分データ系列ごとに、当該部分データ系列に含まれるセンサデータを、これらセンサデータの平均値および分散を用いて正規化し、行列計算部14Cで、正規化された部分データ系列に基づいて近似基底系列および近似係数系列を計算し、無線通信部12で、処理データ系列の基底系列および係数系列とともに、部分データ系列を正規化する際に用いた平均値および分散を、圧縮データとして無線通信により送信するようにしてもよい。
これにより、各部分データ系列が予め正規化されて、部分データ系列ごとに含まれる個別の直流成分が取り除かれてから、特異値解析が実行されるため、特異値分解における直流成分誤差の発生を抑制することができる。特に後述の第3の実施の形態のように、第1の実施の形態の技術を階層的に利用する際に、この効果が高くなる。また、部分データ系列の正規化に用いた平均と分散が、基底系列および係数系列とともに、基地局50へ通知されるため、基地局50において高い精度でセンサデータを復元することができる。
[第2の実施の形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるセンサノードについて説明する。図4は、第2の実施の形態にかかるセンサノードの構成を示すブロック図であり、前述した図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、一定数の部分データ系列ごとに、近似基底系列を再計算する場合について説明した。本実施の形態では、前回計算した近似基底系列で復元したセンサデータが、元のセンサデータから大きな誤差を生じた場合にのみ、近似基底系列を再計算する場合について説明する。
第1の実施の形態で述べたバッチ処理手法には、以下のような改善の余地がある。
・単純なバッチ処理手法では、センサデータがよく似たパターンを繰り返しており、特異値分解で得られる基底系列Vに変化がない場合でも、c個の部分データ系列毎にVを無線通信で送信するため、効率が悪い。
・c個の部分データ系列が発生するごとに無線通信の処理を行うため、データ収集に遅延が生じる。
本実施の形態では、センサデータの傾向が変化するまで、同じ近似基底系列Vを繰り返し使用し、傾向が変化したときにのみVを更新して送信するよう、バッチ処理手法を改良した。この手法をオンライン手法と呼ぶ。
この手法では、センサノードは、大きなデータ量のVは低い頻度で送信し、データの傾向に変化がなければ少ないデータ量のiのみを送信すればよいため、大きな圧縮効率を上げられる。
本実施の形態にかかるセンサノード10の演算処理部14には、新たな処理部として、重み計算部14Dと更新判定部14Eが設けられている。
重み計算部14Dは、系列分割部14Bで得られた部分データ系列のうち、行列計算部14Cで特異値分解された対象処理データ系列以降の新たな処理データ系列について、当該新たな処理データ系列に含まれる部分データ系列ごとに、当該部分データ系列を対象処理データ系列に関する近似基底系列の線形加重和で求めるための重みを計算する機能を有している。
更新判定部14Eは、新たな処理データ系列に含まれる部分データ系列ごとに得られた重みと対象処理データ系列に関する近似基底系列とから、新たな処理データ系列を復元した近似データ系列を生成する機能と、新たな処理データ系列と当該近似データ系列との誤差に基づいて、近似基底系列の更新要否を判定する機能とを有している。
また、行列計算部14Cは、更新判定部14Eにより近似基底系列の更新要と判定された場合、新たな処理データ系列を特異値分解することにより、当該新たな処理データ系列に関する近似基底系列および近似係数系列を生成する機能をさらに有している。
また、無線通信部12は、更新判定部14Eにより基底系列の更新要と判定された場合、新たな処理データ系列の近似基底系列および近似係数系列を圧縮データとして無線通信により送信する機能と、更新判定部14Eにより近似基底系列の更新不要と判定された場合、重み計算部14Dで得られた重みを圧縮データとして無線通信により送信する機能とをさらに有している。
本実施の形態にかかるセンサノード10におけるこのほかの構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかるセンサノード10の動作について説明する。図5は、第2の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。なお、センサデータ処理の概略については、前述した図2と同様であり、図5では、数式を用いて各ステップの処理内容を表現してある。
センサノード10の演算処理部14は、まず、前述した図2のセンサデータ処理に基づいて、系列分割部14Bにより、センサデータ系列を分割して得られた部分データ系列のうち、先頭のc個の部分データ系列からなる対象処理データ系列A’について、特異値分解を実行し、得られた近似基底系列Vと近似係数系列Wを、元のセンサデータの圧縮データとして送信する。
この後、演算処理部14は、対象処理データ系列A’以降のc個の部分データ系列ごとに、図5のセンサデータ処理を開始する。
まず、系列分割部14Bは、対象処理データ系列A’以降のc個の部分データ系列を、ステップ102と同様にして正規化した後(ステップ200)、新たな処理データ系列Aとして重み計算部14Dへ出力する。
重み計算部14Dは、新たな処理データ系列Aに含まれる部分データ系列aiごとに、当該部分データ系列aiを、先に処理した対象処理データ系列A’に関する近似基底系列Vの線形加重和で求めるための重みiを計算する(ステップ201)。
この際、前述した式(4)において、Vがユニタリ行列であるため、式(4)は次の式(7)と変形できる。
Figure 2012044449
同様にして、Wは、式(8)のように近似できる。
Figure 2012044449
したがって、重み計算部14Dは、系列分割部14Bから取得した新たな処理データ系列Aに含まれる部分データ系列aiの重みiを、次の式(9)により計算する(ステップ201)。
Figure 2012044449
ここで、iは、Wの第i行ベクトルを表す。
この際、部分データ系列aiが、これまで用いてきた近似基底系列Vの元データとなる対象処理データ系列A’の傾向と、大きく異なる波形をしている場合、式(8)のような近似では、誤差が大きくなる。
そこで、更新判定部14Eは、誤差eを求めることにより近似基底系列Vを更新する必要があるかどうかを判定し、誤差eが所定の閾値ε以下の場合には近似基底系列Vを更新せず、近似基底系列Vと近似係数系列Wの代わりに、新たな処理データ系列Aに含まれる各部分データ系列aiについて、重みi、平均i、および分散siを、無線通信部12から基地局50へ送信する。一方、誤差eが所定の閾値εよりも大きい場合には、基底行列・係数行列計算部へ処理を移行し、基底行列の更新を行う。
更新判定部14Eは、まず、新たな処理データ系列の部分データ系列aiごとに、重み計算部14Dで得られた重みiに基づいて、次の式(10)により、当該部分データ系列aiを近似した近似部分データ系列iを求め(ステップ202)、記憶部13に保存しておく。なお、記憶部13には、常に最新のc個の部分データ系列aiとその近似値iとが保存されるものとする。
Figure 2012044449
続いて、更新判定部14Eは、部分データ系列iを含む直前のc個の部分データ系列の近似部分データ系列iからなる近似処理データ系列A=[i−c−1, …,i−1iTと、新たな処理データ系列A=[ai−c−1,…,ai−1,aiTの誤差eを、次の式(11)により算出する(ステップ203)。
Figure 2012044449
なお、図5のステップ203では、行列全体を計算しているように記述されているが、実際には、新たなデータ系列によって変更される部分のみを計算している。
この後、更新判定部14Eは、得られた誤差eと閾値εとを比較し(ステップ204)、誤差eが閾値ε以下であれば(ステップ204:YES)、データ系列の傾向はこれまでと変化していないと判定し、無線通信部12から、重み計算部14Dで得られた各部分データ系列aiに関する、重みi、平均i、および分散siを送信し(ステップ205)、一連のセンサデータ処理を終了する。
一方、誤差eが閾値εより大きい場合(ステップ204:NO)、データ系列の傾向に変化があったと判定し、更新判定部14Eは、それまでの近似基底系列Vを更新するため、新たな処理データ系列Aを行列計算部14Cへ出力する。
これに応じて、行列計算部14Cは、第1の実施の形態と同様にして、新たな処理データ系列A=[ai−c−1,…,ai−1,aiTについて、特異値分解することにより、新たな近似基底行列Vを計算する(ステップ206)。
また、行列計算部14Cは、この新たな近似基底行列Vの線形加重和で新たな処理データ系列Aの各部分データ系列aiを求めるための新たな近似係数系列W、すなわち重みiを計算し(ステップ207)、無線通信部12から、行列計算部14Cで得られた新たな処理データ系列Aに関する、重みi、平均i、および分散siと、新たな近似基底行列Vとを送信し(ステップ208)、一連のセンサデータ処理を終了する。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、重み計算部14Dで、部分データ系列のうち、行列計算部14Cで特異値分解された対象処理データ系列A’以降の新たな処理データ系列Aについて、当該新たな処理データ系列Aに含まれる部分データ系列ごとに、当該部分データ系列aiを対象処理データ系列に関する近似基底系列Vの線形加重和で求めるための重みiを計算し、更新判定部14Eで、新たな処理データ系列Aに含まれる部分データ系列aiごとに得られた重みiと対象処理データ系列A’に関する近似基底系列Vとから、新たな処理データ系列Aを復元した近似データ系列Aを生成し、新たな処理データ系列と当該近似データ系列Aとの誤差eに基づいて、近似基底系列Vの更新要否を判定するようにしたものである。
そして、更新判定部14Eにより近似基底系列の更新要と判定された場合、行列計算部14Cで、新たな処理データ系列Aを特異値分解することにより、当該新たな処理データ系列Aに関する近似基底系列Vおよび近似係数系列Wを生成し、無線通信部12で、更新判定部14Eにより近似基底系列Vの更新要と判定された場合、新たな処理データ系列Aの近似基底系列Vおよび近似係数系列Wを圧縮データとして無線通信により送信し、更新判定部14Eにより近似基底系列Vの更新不要と判定された場合、重み計算部14Dで得られた重みiを圧縮データとして無線通信により送信するようにしたものである。
これにより、センサデータがよく似たパターンを繰り返しており、特異値分解で得られる基底系列Vに変化がない場合には、センサデータの傾向が変化するまで、同じ近似基底系列Vを繰り返し使用できるため、新たな処理データ系列ごとに近似係数系列、すなわち重みwiのみを送信すればよく、近似基底系列Vの送信を省くことができる。つまり、センサデータを少ないデータ量で基地局50へ通知でき、無線通信における電力消費を抑えられる。さらに、センサノード間の無線通信帯域に余裕ができるため、データ収集における遅延発生を抑制することが可能となる。
本実施の形態にかかるオンライン手法では、誤差eの大きさを検討する際に、新しく発生したデータ系列のみを用いて復元したデータの誤差を調査するのではなく、直前のc個のデータ系列を用いて誤差を計算している。一時的にデータ系列の傾向が変化する度に新たな近似基底系列Vを送信すると効率が悪くなるため、直前のc個で誤差が大きくなることを確認してから近似基底系列Vを更新するものとなっている。すなわち、本実施の形態では、一時的に傾向の変化があった際に誤差が増加する可能性はあるが、その後元の傾向に戻る場合がある可能性もあることを考慮し、このような手法となっている。また、センサノードでは、長さlのデータが発生するとすぐに、Vを用いてiを計算してデータを送信できるため、データ収集の遅延低減にもつながる。
[第2の実施の形態の動作例]
図6は、第2の実施の形態にかかるセンサノードの動作例である。ここでは、l=24、c=16、d=0.25、およびε=0.2とした。一番上のグラフが元のデータ系列であり、その左下のグラフが時刻168までの近似基底系列で復元したデータ系列、その右下のグラフが時刻168以降の更新した近似基底系列で復元したデータ系列である。最下段には、時刻168までの近似基底系列Vold(1)〜Vold(4)と時刻168以降の基底系列Vnew(1)〜Vnew(4)を示し、重みの大きい主な基底系列を復元した系列に重ねて記載している。
この例では、時刻168から時刻172で発生したデータ系列が今までの基底系列では十分に復元できず、累積の誤差eが閾値εを超えたため、新たな近似基底系列Vに更新している。更新後の基底系列にはVnew(3)のように時刻168から時刻172のデータ系列の特徴をよく表す系列が含まれ、更新前と更新後の基底系列で復元したデータを比較すると、基底系列の更新によって誤差が減少したことが確認できる。しかも、更新後の基底系列を用いてその後のデータ系列も少ない誤差で近似できている。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態にかかるセンサノードについて説明する。
第1の実施の形態では、1つの基地局50に対して1以上のセンサノード10が無線通信により接続されたセンサネットワーク1において、各センサノード10が、自ノードのセンサ11で計測したセンサデータを圧縮して送信する場合について説明した。本実施の形態では、複数のセンサノードが次の図7のような階層的なトポロジーで接続されている場合について説明する。
図7は、センサネットワークの構成例である。ここでは、階層A〜Cの3つの階層を持つ木構造からなるトポロジーが示されている。これら階層のうち、階層Aは最下位に位置するセンサノード10からなる最下層であり、階層Cは最上位に位置する基地局50とこの基地局50に直接接続されたセンサノード10からなる最上層であり、階層Bは階層Aと階層Cの中間に位置するセンサノード10からなる中間層である。中間層については、図7のように1つの層で構成してもよく、複数の層で構成してもよい。
これらセンサノード10は、複数で1つのクラスタ20を構成している。クラスタ20には、メンバーとなるセンサノード10のうち、1つの親ノードが他の子ノードと放射状に接続されており、センサデータは、各クラスタ20において、子ノードから親ノードに収集される。特に、階層Aでは5つの子ノードと1つの親ノードから1つのクラスタ20が構成されており、階層Bでは4つの子ノードと1つの親ノードから1つのクラスタ20が構成されており、階層Cでは3つの子ノードと1つの親ノードから1つのクラスタ20が構成されている。なお、各階層における子ノードの数はあくまで一例であり、この数に限定されるものではない。また、同一階層における各クラスタに含まれる子ノードの数は同数でなくても良い。
また、任意の階層の各クラスタ20に属する親ノードは、その上位層のクラスタ20において子ノードとして動作するものとなっている。したがって、各階層のクラスタ20において、センサデータは、繰り返し子ノードから親ノードに収集されて、最終的に最上層の親ノード、すなわち基地局50に収集されることになる。これら、各階層におけるクラスタ20の構成や親ノードおよび子ノードの関係については、予めトポロジーとして設定しておくものとする。
このように階層的にセンサノードが接続されているセンサネットワークにおいてデータ集約を行う場合においても、最下層のセンサノードの処理は、第1の実施の形態と同じである。中間層に位置するセンサノードは、第1の実施の形態と同様の処理により自センサノードが取得したセンサデータを圧縮して送信する処理と並行して、トポロジーに基づき接続された他のセンサノード10(子ノード)から受信した近似基底系列を、第1の実施の形態で説明したセンサデータ圧縮手法を再帰的に利用してさらに圧縮(集約処理)した後に送信する。
例えば3階層目のセンサノードは、1階層目のセンサノードで発生したデータの3回目の集約処理と、2階層目のセンサノードで発生したデータの2回目の集約処理と、自センサノードで発生したセンサデータの初回の(発生したセンサノードでc個のデータ系列毎に行う処理)集約処理を並行して行う。
以下では、中間層に位置するセンサノードにおいて、下の階層のセンサノード(子ノード)から受信した近似基底系列をさらに圧縮する処理(集約処理)について説明する。
図8は、第3実施の形態にかかる中間層に位置するセンサノードの構成を示すブロック図である。
本実施の形態にかかる中間層に位置するセンサノード10において、系列合成取得部14Fは、トポロジーに基づいて他のセンサノード10から無線通信部12により受信した受信近似基底系列および受信近似係数系列を取得して、これら受信近似基底系列から新たなセンサデータ系列を生成する機能をさらに有している。
また、行列計算部14Cは、系列合成取得部14Fで取得した新たなセンサデータ系列について新たな近似基底系列および新たな近似係数系列を計算する機能をさらに有している。
また、無線通信部12は、行列計算部14Cで得られた新たな近似基底系列と、新たな近似係数系列に受信近似係数系列を付加した近似係数系列とを、圧縮データとして無線通信により送信する機能をさらに有している。
本実施の形態にかかるセンサノード10におけるこのほかの構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第3の実施の形態の動作]
次に、図9および図10を参照して、本実施の形態にかかるセンサノードの動作について説明する。図9は、近似基底系列および近似係数系列の階層構造を示す説明図である。図10は、第3の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。
図9の例では、トポロジーに基づいて3つの階層A〜Cが設けられている。このうち、最下層である階層1には、子ノードとして2つのセンサノードX(1) 1、X(1) 2を含むクラスタY(1) 1と、子ノードとして2つのセンサノードX(1) 3、X(1) 4を含むクラスタY(1) 2とが設けられている。なお、任意の階層hのi番目のセンサノードをX(h) iと表し、任意の階層hのi番目のクラスタをY(h) iと表す。
また、中間層である階層2には、子ノードとして2つのセンサノードX(2) 1、X(2) 2を含むクラスタY(2) 1が設けられている。また、最上層である階層3には、子ノードとして1つのセンサノードX(3) 1を含むクラスタY(3) 1が設けられている。この際、センサノードX(2) 1がクラスタY(1) 1の親ノードとして動作し、センサノードX(2) 2がクラスタY(1) 2の親ノードとして動作し、センサノードX(3) 1がクラスタY(2) 1の親ノードとして動作するものとする。
階層1のセンサノードX(1) 1は、得られたセンサデータ系列A(1) 1=[a(1) 1,1,a(1) 1,2,a(1) 1,3,a(1) 1,4,…]を特異値分解して、近似基底系列V(1) 1,(1)およびV(1) 1,(2)と、近似係数系列W(1) 1とを生成し、自ノードの親ノードに相当するセンサノードX(2) 1へ送信する。なお、センサノードX(h) iで生成したセンサデータ系列をA(h) iと表し、このうちk番目のセンサデータをa(h) i,kと表し、センサデータ系列A(h) iから得たm番目の近似基底系列をV(h) i,mと表し、同じくセンサデータ系列A(h) iから得た近似係数系列をW(h) iと表す。なお、W(h) iには、A(h) iの各部分データ系列ごとに生成した近似係数系列が含まれているものとする。
同様に、階層1のセンサノードX(1) 2は、得られたセンサデータ系列A(1) 1=[a(1) 2,1,a(1) 2,2,a(1) 2,3,a(1) 2,4,…]を特異値分解して、近似基底系列V(1) 2,(1)およびV(1) 2,(2)と、近似係数系列W(1) 2を生成し、自ノードの親ノードに相当するセンサノードX(2) 1へ送信する。
なお、センサデータを正規化する場合、親ノードへ送信される近似係数系列W(h) iには、当該部分データ系列aiの正規化に用いた平均iおよび分散siが付加されているものとする。
この後、階層2のセンサノードX(2)は、階層1のうち自ノードの子ノードに相当する各センサノードX(1)から近似基底系列V(1)と近似係数系列W(1)をそれぞれ受信し、このうち、受信近似基底系列V(1)から新たなデータ系列A(2)を生成し、この新たなデータ系列A(2)を特異値分解して新たな近似基底系列V(2)と新たな近似係数系列W(2)を計算し、この新たな近似基底系列V(2)と、受信近似係数系列W(1)および新たな近似係数系列W(2)とを、自ノードの親ノードへ送信する。
具体的には、センサノードX(2) 1において、系列合成取得部14Fにより、センサノードX(1) 1から受信した受信近似基底系列V(1) 1,(1)およびV(1) 1,(2)を新たな要素a(2) 1,1、a(2) 1,2とするとともに、センサノードX(1) 2から受信した受信近似基底系列V(1) 2,(1)およびV(1) 2,(2)を新たな要素a(2) 1,3、a(2) 1,4として、新たなデータ系列A(2) 1を生成する。
次に、行列計算部14Cにおいて、これを特異値分解することにより新たな近似基底系列V(2) 1,(1)およびV(2) 1,(2)を計算して、センサノードX(3) 1へ送信する。また、新たなデータ系列A(2) 1から得られた新たな近似係数系列W(2) 1に、センサノードX(1) 1,X(1) 2から受信した受信近似基底系列W(1) 1,W(1) 2を付加して、センサノードX(3) 1へ送信する。
同様にして、センサノードX(2) 2においても、系列合成取得部14Fにより、センサノードX(1) 3およびX(1) 4から受信した受信近似基底系列を新たな要素a(2) 2,1、a(2) 2,2、a(2) 2,3、a(2) 2,4として、新たなデータ系列A(2) 2を生成する。
そして、行列計算部14Cにおいて、これを特異値分解することにより新たな近似基底系列V(2) 2,(1)およびV(2) 2,(2)を計算して、センサノードX(3) 1へ送信する。また、新たなデータ系列A(2) 1から得られた新たな近似係数系列W(2) 2に、センサノードX(1) 3、X(1) 4から受信した受信近似基底系列W(1) 3、W(1) 4を付加して、センサノードX(3) 1へ送信する。
この後、階層3のセンサノードX(3)でも、階層2のセンサノードX(2)と同様に、階層1のうち自ノードの子ノードに相当する各センサノードX(2)から近似基底系列V(2)と近似係数系列W(2)をそれぞれ受信し、このうち、受信近似基底系列V(2)から新たなデータ系列A(3)を生成し、この新たなデータ系列A(3)を特異値分解して新たな近似基底系列V(3)と新たな近似係数系列W(3)を計算し、この新たな近似基底系列V(3)と、受信近似係数系列W(2)および新たな近似係数系列W(3)とを、自ノードの親ノード、すなわち基地局50へ送信する。
具体的には、センサノードX(3) 1において、系列合成取得部14Fにより、センサノードX(2) 1から受信した受信近似基底系列V(2) 1,(1)およびV(2) 1,(2)を新たなセンサデータa(3) 1,1およびa(3) 1,2とするとともに、センサノードX(2) 2から受信した受信近似基底系列V(2) 2,(1)およびV(2) 2,(2)を新たな要素a(3) 1,3、a(3) 1,4として、新たなデータ系列A(3) 1を生成する。
そして、行列計算部14Cにおいて、これを特異値分解することにより新たな近似基底系列V(3) 1,(1)およびV(3) 1,(2)を計算して、基地局50へ送信する。また、新たなデータ系列A(3) 1から得られた新たな近似係数系列W(3) 1に、センサノードX(2) 1、X(2) 2から受信した受信近似基底系列W(1)(=W(1) 1〜W(1) 4)とW(2)(=W(2) 1,W(2) 2)を付加して、基地局50へ送信する。
このように、中間層のセンサノード10では、第1の実施の形態で説明した構成に加えて、データ系列合成部とデータ集約部を有し、下位層のセンサノードから取得した圧縮されたデータ系列をさらに圧縮する。なお、中間のセンサノードにおける行列計算部データ集約部の処理は、入力のデータ系列がデータ系列合成部により合成された新たなデータ系列である点を除いては、第1の実施の形態における行列計算部の処理と同様である。
図10のセンサデータ処理では、最下層より上位の任意の階層hにおけるセンサノード10でのセンサデータ処理が示されており、最下層のセンサノード10では、前述した図2のセンサデータ処理が実行される。
センサノード10は、まず、無線通信部12により、下位層h−1の子ノードから近似基底系列(h−1)と近似係数系列(h−1)を受信する(ステップ300)。
演算処理部14のデータ取得部14Aは、無線通信部12から受信近似基底系列(h−1)を取得し、これらを新たなデータ系列A(h)の各要素へ格納することにより、新たなデータ系列A(h)を生成する(ステップ301)。
続いて、ステップ302〜308において、図2のステップ101〜107と同様の処理が実行される。
この後、無線通信部12は、行列計算部14Cで得られた各部分データ系列の近似基底行列(h)および近似係数系列(h)と、受信近似基底系列(h−1)と、系列分割部14Bにおける各部分データ系列の正規化に用いた平均および分散とを、元となるセンサデータの圧縮データとして無線通信により送信し(ステップ209)、一連のセンサデータ処理を終了する。
なお、基地局50では、データ収集とは逆の順序で、最上層hmaxのセンサノードから受け取った(hmax)(hmax)との線形加重和を求めることにより、最上層hmaxで生成されたデータ系列A(hmax)、すなわち(hmax−1)を復元し、これを最下層まで繰り返すことにより、最下層のセンサノード10で計測されたセンサデータ系列を復元できる。
また、最下層の(1)を各階層で転送する際、(2)(hmax)の乗算操作を、予めセンサノード10で実行しておいてもよい。これにより、各センサノード10での計算量が増えるものの、(2)(hmax)の転送を省くことができ、送信データ量をさらに削減することができる。
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、データ取得部14Aで、トポロジーに基づいて他のセンサノード10から無線通信部12により受信した受信近似基底系列および受信近似係数系列を取得して、これら受信近似基底系列から新たなセンサデータ系列を生成し、行列計算部14Cで、新たなセンサデータ系列について新たな近似基底系列および新たな近似係数系列を計算し、無線通信部12で、新たな近似基底系列と、新たな近似係数系列に受信近似係数系列を付加した近似係数系列とを、圧縮データとして無線通信により送信するようにしたものである。
これにより、最下層の各センサノード10で得られたセンサデータ系列が特異値分解されて、近似基底系列と近似係数系列に圧縮されて上位階層へ通知される。また、最下層より上位の階層の各センサノード10では、下位の階層からの近似基底系列で生成した新たなデータ系列が特異値分解されて、新たな近似基底系列に圧縮されて上位層へ通知され、各階層での特異値分解により得られた近似係数系列は、そのまま上位層へ通知されることになる。
センサデータは、自然の周期や日常生活や社会活動における周期、例えば、日、週、月、年など、周期的な繰り返しパターンを有しているだけでなく、近隣に配置されたセンサデータ間では、センサデータに同様の変化が含まれていることが多い。特に、クラスタ20は、無線通信効率を考慮して、親ノードの近隣に子ノードが設置される。
したがって、本実施の形態によれば、関連性の高いセンサデータやその圧縮データから新たなデータ系列が生成されて、特異値分解されるため、センサデータの周期性だけでなく、センサデータ間の関連性を利用することができ、センサデータを効率よく圧縮できる。
これにより、センサノードは第1の実施形態よりもさらに少ないデータ量で発生したデータ系列を基地局へ通知でき、無線通信における電力消費量と、データ収集時に発生する遅延を抑制できる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態にかかるセンサノードについて説明する。
第2の実施の形態では、センサデータの傾向が変化するまで、同じ近似基底系列Vを繰り返し使用し、傾向が変化したときにのみVを更新して送信する場合について説明した。また、第3の実施の形態では、トポロジーに基づき接続された他のセンサノード10から受信した近似基底系列を、第1の実施の形態で説明したセンサデータ圧縮手法を利用してさらに圧縮した後に送信する場合について説明した。
本実施の形態では、第3の実施の形態において、第1の実施の形態の代わりに第2の実施の形態を適用した場合について説明する。本実施の形態にかかるセンサノード10は、第2の実施の形態にかかる構成に加えて、第3の実施の形態にかかる構成を備えている。
[第4の実施の形態の動作]
次に、図11を参照して、本実施の形態にかかるセンサノード10の動作について説明する。図11は、第4の実施の形態にかかるセンサノードのセンサデータ処理を示すフローチャートである。図11では、最下層より上位の任意の階層hにおけるセンサノード10でのセンサデータ処理が示されており、最下層のセンサノード10では、前述した図5のセンサデータ処理が実行される。
図12は、第4の実施の形態にかかる中間層に位置するセンサノードの構成を示すブロック図である。中間層のセンサノード10は、第2の実施の形態で説明した各処理部に加えて、下位層から取得したデータを集約するため、以下の構成を有する。
系列合成部14F’は、まず、無線通信部12により、下位層h−1の子ノードから近似基底系列(h−1)と近似係数系列(h−1)を受信する。そして、受信近似係数系列(h−1)を新たなデータ系列A(h)の各要素へ格納することにより、新たなデータ系列A(h)を生成する(ステップ400)。これ以降のステップ401〜410は、データ系列がデータ系列合成部14F’により合成されたものである点を除いて、図5のステップ201〜210と同様である。
すなわち、重み計算部14Dは、現行の近似基底系列(h)に基づいて重み(h)を計算し(ステップ401)、更新判定部14Eは、重み(h)に基づいて、近似部分データ系列(h)を求め(ステップ402)、新たなデータ系列A(h)との誤差eを計算する(ステップ403)。
ここで、誤差eが閾値ε以下であれば(ステップ404:YES)、データ系列の傾向はこれまでと変化していないと判定し、無線通信部12から、重み計算部14Dで得られた、重み(h) i、平均(h) i、および分散s(h) iと、1階層目から(h−1)階層目の各層で生成された受信近似係数W(L)と、これに対応する平均(L) i、および分散s(L) i(L=1,…,h−1)とを、上位層h+1の親ノードへ送信し(ステップ405)、一連のセンサデータ処理を終了する。
一方、誤差eが閾値εより大きい場合(ステップ404:NO)、データ系列の傾向に変化がありデータ系列の更新が必要であると判定し、行列計算部14Cは、新たなデータ系列A(h)を特異値分解することにより、新たな近似基底行列(h)を計算する(ステップ406)。
また、行列計算部14Cは、この新たなデータ系列A(h)に関する新たな近似係数系列(h)、すなわち重み(h) iを計算し(ステップ407)、無線通信部12から、これら重み(h) i、平均(h) i、および分散s(h) iと、1階層目から(h−1)階層目の各ノードから受信した受信近似係数W(L−1)とそれに対応する平均(L) i、および分散s(L) i(L=1,…,h−1)と、新たな近似基底行列(h)とを、上位層h+1の親ノードへ送信し(ステップ408)、一連のセンサデータ処理を終了する。
[第4の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、第3の実施の形態における各センサノードにおけるデータ圧縮処理に、第1の実施の形態の代わりに第2の実施の形態を適用したので、第3の実施の形態と同様に、センサデータの周期性だけでなく、センサデータ間の関連性を利用して、センサデータを効率よく圧縮できる。そして、第2の形態の効果と同様に、これにより、センサデータがよく似たパターンを繰り返しており、特異値分解で得られる基底系列Vに変化がない場合には、センサデータの傾向が変化するまで、同じ近似基底系列Vを繰り返し使用できるため、新たな処理データ系列ごとに近似係数系列、すなわち重みwiのみを送信すればよく、近似基底系列Vの送信を省くことができる。これにより、第2の実施の形態や第3の実施の形態よりもさらに効率よくデータを収集でき、無線通信による電力の消費やデータ収集の遅延を抑制することができる。
[評価実験結果]
次に、シミュレータを用いた評価実験により本発明の有効性を検証した結果について説明する。
この評価実験では、完全4分木トポロジーのネットワークを想定し、第3の実施の形態にかかるバッチ処理(batch)と、第4の実施の形態にかかるオンライン処理(on−line)とについて、末端の各センサノードで発生したセンサデータを1台の基地局に収集する際のデータの圧縮率と誤差の割合を評価した。
図13は、評価実験で用いたデータセットの詳細を示す説明図である。
AMEDASの2007年7月から2008年6月の気象データから温度のデータと、38点で屋内の気温を約10日間計測したデータを用いた。シミュレータ上のセンサノードよりも用意したデータセットのノード数が少ない場合には、データセットの各ノードのデータをシミュレータ上の複数のセンサノードに割り当てた。また実験ではc=16、d=0.25とした。
図14は、AMEDASデータを用いた場合の階層数−データ圧縮率特性である。図15は、AMEDASデータを用いた場合の階層数−二乗平均誤差特性である。また、図16は、屋内気温データを用いた場合の階層数−データ圧縮率特性である。図17は、屋内気温データを用いた場合の階層数−二乗平均誤差特性である。
図14、図16において、横軸は階層数を示し、縦軸は元のデータ量と基地局で受信したデータ量との比を示すデータ圧縮率(%)を示している。図15、図17において、横軸は階層数を示し、縦軸は正規化したデータにおける元のデータ系列と復元したデータ系列の間の二乗誤差の平均を示している。
評価実験は、階層数h=1〜6の4分木のトポロジを用意して行ったが、各階層において4×4(6−h)回実験を行いその平均を求めている。AMEDASデータおよび屋内気温データのどちらについても、全体的にバッチ処理よりもオンライン処理による手法の方が誤差は多いものの、圧縮の効率が良いことが確認できる。また、階層数が増えるにつれて圧縮率が下がるが、特にオンライン処理の場合には誤差は増加していない。このことから本発明は、多数のノードからなるセンサネットワークにおいて、センサノードの数が増加したとしても効率よくデータを収集できる手法であることが明らかになった。
図18は、AMEDASデータを用いた場合のデータ圧縮率−二乗平均誤差特性(4階層)である。図19は、屋内気温データを用いた場合のデータ圧縮率−二乗平均誤差特性(4階層)である。図18、図19において、横軸はデータ圧縮率(%)を示し、縦軸は正規化したデータにおける元のデータ系列と復元したデータ系列の間の二乗誤差の平均を示している。
図18および図19には、4階層のトポロジで、本発明の手法とフーリエ変換(FFT)とを比較した結果を示してある。この評価実験において、本発明の手法については、64回の試行のすべてにおけるデータ圧縮率と二乗平均誤差の関係が示されており、フーリエ変換については、本発明の手法と同じデータセットを用いて、変換後の係数値を周波数が低いものから数個をデータの近似に用いた場合におけるデータ圧縮率と二乗平均誤差の関係が示されている。
また、評価実験では、本発明で基底系列に対する重みの値は圧縮せずにすべてのデータを基地局に送信しているのと同じように、フーリエ変換後の係数値をそのまま基地局に送信するものとした。グラフの横軸が圧縮率、縦軸が平均の二乗誤差である。
この評価実験の結果、本発明によるデータ収集は、フーリエ変換に比較して、同等の圧縮率であれば、より少ない誤差でセンサデータを収集でき、同等の誤差であるならば、より少ないデータ量でセンサデータを収集できることが明らかになった。
図20は、AMEDASデータを用いた場合の評価結果(6階層)であり、図21は、屋内気温データを用いた場合の評価結果(6階層)である。
この評価実験において、AMEDASデータは、1時間に1点にデータを削減したものを用い、l=24とした。いずれのグラフも横軸は時刻、縦軸はセンサデータあるいは、特異値分解によって生成された基底系列の値である。
図20、図21には、センサノードiで計測した温度変化を示す元のデータ系列A、1階層目において元のデータ系列Aを特異値分解して得られた近似基底系列(1)、6階層目に集約された近似基底系列(6)、基地局で復元された1階層目のノードiにおける近似基底系列V’(1)、および復元した近似基底系列V’(1)を用いて元のデータ系列を復元した復元データ系列A’がそれぞれ示されている。
このうち、近似基底系列(1)(6)については、c=16、d=0.25のときk=c×d=4となるため、求めた基底系列Vのうち復元寄与度の高い4つの基底系列が近似基底系列Vとして上位層へ送信される。また、複数のセンサノードのデータ系列から平均的な系列が6階層目の近似基底系列(6)として現れるため、各センサノードからの近似基底系列が平滑化されたような波形となっている。また、1階層目の復元近似基底系列V’(1)については、近似基底系列(6)が平滑化されているため、近似基底系列(1)と大まかな波形は近いが、平滑化された波形となっている。
図20および図21において、元のデータ系列Aと復元データ系列A’を比較すると、特異値解析および基底系列の近似に起因して、データの細かな変化が失われている部分もあるが、復元データ系列A’により元のデータ系列Aを十分に復元できていることが分かる。
特に、図21の屋内気温データについては、センサデータの変化の周期とウィンドウ長lが近い図20のAMEDASデータとは異なり、ウィンドウの中に上下の値の変化がある区間や単調な変化しかない区間が混ざっているような場合もあるが、元のセンサデータを十分に復元できていることが分かる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
1…センサネットワーク、10…センサノード、11…センサ、12…無線通信部、13…記憶部、14…演算処理部、14A…データ取得部、14B…系列分割部、14C…行列計算部、14D…重み計算部、14E…更新判定部、14F,14F’…系列合成部。

Claims (7)

  1. 1つの基地局に対して1以上のセンサノードが無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを前記無線通信により前記基地局へ通知するセンサノードであって、
    前記センサから複数の前記センサデータを取得してセンサデータ系列を生成するデータ取得部と、
    前記センサデータ系列を一定のデータ数からなる部分データ系列に分割する系列分割部と、
    前記部分データ系列を一定数まとめて得られた処理データ系列を特異値分解することにより、前記部分データ系列に共通する複数の基底系列を計算し、これら基底系列のうち前記センサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、前記基底系列を近似した近似基底系列として所定の基準数だけ選択し、得られた近似基底系列に基づいて前記部分データ系列ごとに、前記近似基底系列の線形加重和で当該部分データ系列を求めるための近似係数系列を計算する行列計算部と、
    前記処理データ系列の前記近似基底系列および前記近似係数系列を、元となる前記センサデータの圧縮データとして前記無線通信により送信する無線通信部と
    を備えることを特徴とするセンサノード。
  2. 請求項1に記載のセンサノードにおいて、
    前記系列分割部は、前記センサデータ系列を分割して得られた前記部分データ系列ごとに、当該部分データ系列に含まれるセンサデータを、これらセンサデータの平均値および分散を用いて正規化し、
    前記行列計算部は、正規化された前記部分データ系列に基づいて前記近似基底系列および前記近似係数系列を計算し、
    前記無線通信部は、前記処理データ系列の前記基底系列および前記係数系列とともに、前記処理データ系列に含まれる前記部分データ系列を正規化する際に用いた前記平均値および前記分散を、前記圧縮データとして前記無線通信により送信する
    ことを特徴とするセンサノード。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセンサノードにおいて、
    前記部分データ系列のうち、前記行列計算部で特異値分解された対象処理データ系列以降の新たな処理データ系列について、当該新たな処理データ系列に含まれる部分データ系列ごとに、当該部分データ系列を前記対象処理データ系列に関する前記近似基底系列の線形加重和で求めるための重みを計算する重み計算部と、
    前記新たな処理データ系列に含まれる部分データ系列ごとに得られた前記重みと前記対象処理データ系列に関する前記近似基底系列とから、前記新たな処理データ系列を復元した近似データ系列を生成し、前記新たな処理データ系列と当該近似データ系列との誤差に基づいて、前記近似基底系列の更新要否を判定する更新判定部と
    をさらに備え、
    前記行列計算部は、前記更新判定部により前記近似基底系列の更新要と判定された場合、前記新たな処理データ系列を特異値分解することにより、当該新たな処理データ系列に関する近似基底系列および近似係数系列を生成し、
    前記無線通信部は、前記更新判定部により前記近似基底系列の更新要と判定された場合、前記新たな処理データ系列の前記近似基底系列および前記近似係数系列を前記圧縮データとして前記無線通信により送信し、前記更新判定部により前記近似基底系列の更新不要と判定された場合、前記重み計算部で得られた前記重みを前記圧縮データとして前記無線通信により送信する
    ことを特徴とするセンサノード。
  4. 請求項2に記載のセンサノードを複数有し、1つの基地局に対して前記複数のセンサノードが階層的な木構造からなるトポロジーで無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを前記無線通信により前記基地局へ通知するセンサノードのうち、前記階層的な木構造における中間層に位置するセンサノードであって、
    前記トポロジーに基づいて他の前記センサノードから前記無線通信部により受信した受信近似基底系列および受信近似係数系列を取得して、これら受信近似基底系列から新たなセンサデータ系列を生成する系列合成部をさらに有し、
    前記行列計算部は、前記新たなセンサデータ系列を特異値分解することにより、新たな近似基底系列および新たな近似係数系列を計算し、
    前記無線通信部は、前記新たな近似基底系列と、前記新たな近似係数系列に前記受信近似係数系列を付加した近似係数系列とを、前記圧縮データとして前記無線通信により送信する
    ことを特徴とするセンサノード。
  5. 請求項3に記載のセンサノードを複数有し、1つの基地局に対して前記複数のセンサノードが階層的な木構造からなるトポロジーで無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを前記無線通信により前記基地局へ通知するセンサノードのうち、前記階層的な木構造における中間層に位置するセンサノードであって、
    前記トポロジーに基づいて他の前記センサノードから前記無線通信部により受信した受信近似基底系列を取得して、これら受信近似基底系列から新たなセンサデータ系列を生成する系列合成部をさらに有し、
    前記重み計算部は、前記新たなセンサデータ系列を、前記受信近似基底系列の線形加重和で求めるための重みを計算し、
    前記更新判定部は、前記新たなセンサデータ系列ごとに得られた前記重みと前記受信近似基底系列とから、前記新たなセンサデータ系列を復元した近似データ系列を生成し、前記新たなセンサデータ系列と当該近似データ系列との誤差に基づいて、前記受信近似基底系列の更新要否を判定し、
    前記行列計算部は、前記更新判定部により前記近似基底系列の更新要と判定された場合、前記新たなセンサデータ系列を特異値分解することにより、当該新たなセンサデータ系列に関する新たな近似基底系列および新たな近似係数系列を生成し、
    前記無線通信部は、前記更新判定部により前記近似基底系列の更新要と判定された場合、前記新たなセンサデータ系列の前記新たな近似基底系列および前記新たな近似係数系列を前記圧縮データとして前記無線通信により送信し、前記更新判定部により前記近似基底系列の更新不要と判定された場合、前記第2重み計算部で得られた前記重みを前記圧縮データとして前記無線通信により送信する
    ことを特徴とするセンサノード。
  6. 1つの基地局に対して1以上のセンサノードが無線通信により接続されたセンサネットワークで用いられ、センサで計測したセンサデータを前記無線通信により前記基地局へ通知するセンサノードで用いられるセンサデータ処理方法であって、
    データ取得部が、前記センサから複数の前記センサデータを取得してセンサデータ系列を生成するデータ取得ステップと、
    系列分割部が、前記センサデータ系列を一定のデータ数からなる部分データ系列に分割する系列分割ステップと、
    行列計算部が、前記部分データ系列を一定数まとめて得られた処理データ系列を特異値分解することにより、前記部分データ系列に共通する複数の基底系列を計算し、これら基底系列のうち前記センサデータの復元に対する寄与度の高いものから順に、前記基底系列を近似した近似基底系列として所定の基準数だけ選択し、得られた近似基底系列に基づいて前記部分データ系列ごとに、前記近似基底系列の線形加重和で当該部分データ系列を求めるための近似係数系列を計算する行列計算ステップと、
    無線通信部が、前記処理データ系列の前記近似基底系列および前記近似係数系列を、元となる前記センサデータの圧縮データとして前記無線通信により送信する無線通信ステップと
    を備えることを特徴とするセンサデータ処理方法。
  7. コンピュータを、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のセンサノードを構成する各部として機能させるためのプログラム。
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