JPWO2014118919A1 - 送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 - Google Patents

送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法 Download PDF

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Abstract

影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルを含む送電器であって、前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する送電制御部と、を有し、電力伝送を好ましい状態で行うことができるようにする。

Description

この出願で言及する実施例は、送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法に関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)を利用する場合、電力を送る側の送電器と、送電器から送られた電力を受け取る側の受電器がそれぞれ異なるメーカの製品であっても支障なく使用するために標準化を行うのが好ましい。
従来、無線による電力伝送技術としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。
近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共鳴(磁界共振)や電界共鳴(電界共振)を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2011−199975号公報 特開2008−283789号公報
内田 昭嘉他(UCHIDA Akiyoshi, et al.), "Phase and Intensity Control of Multiple Coil Currents in Resonant Magnetic Coupling," IMWS-IWPT2012, THU-C-1, pp.53-56, May 10-11, 2012 石崎 俊雄他(ISHIZAKI Toshio, et al.), "3-D Free-Access WPT System for Charging Movable Terminals," IMWS-IWPT2012, FRI-H-1, pp.219-222, May 10-11, 2012
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。しかしながら、影響を及ぼし合う複数の送電コイル(送電器)により電力伝送を行うと、或る送電コイルに対して他の送電コイルが負荷となって電力伝送を最適な状態で行うことが難しくなる。
これは、磁界共鳴や電界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、たとえば、電磁誘導や電界誘導を利用して電力伝送を行う場合にも問題となる。
なお、本実施形態は、独立して出力を制御することができる少なくとも2つの送電コイルを含む送電器において、その少なくとも2つの送電コイルの出力がそれぞれ影響を及ぼし合う送電器に対して適用することができる。
さらに、本実施形態は、独立して出力を制御することのできる少なくとも2つの送電器を含む無線電力伝送システムにおいて、その少なくとも2つの送電器の出力がそれぞれ影響を及ぼし合う無線電力伝送システムに対しても適用することができる。
一実施形態によれば、影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルを含む送電器であって、前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、送電制御部と、を有する送電器が提供される。
前記送電制御部は、前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する。
開示の送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法は、電力伝送を好ましい状態で行うことができるという効果を奏する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図2Aは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図2Bは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図3Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図3Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図3Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図3Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図4Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図4Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図4Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図DAは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図5Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図5Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図である。 図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。 図8Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その3)である。 図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)である。 図10は、単数送電器における送電プラン設計を説明するための図である。 図11は、複数送電器における送電プラン設計を説明するための図である。 図12は、複数送電器による無線電力伝送システムの一例を説明するための図である。 図13Aは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図13Bは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図14は、複数送電器による無線電力伝送システムの他の例を説明するための図である。 図15Aは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図15Bは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図16は、本実施形態の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図17は、図16に示す無線電力伝送システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャート(その1)である。 図18は、図16に示す無線電力伝送システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャート(その2)である。 図19は、送電器と送電器間の伝達情報の一例を説明するための図である。 図20は、送電器と受電器間の伝達情報の一例を説明するための図である。 図21は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図である。 図22は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図である。 図23は、図21および図22に示すパラメータの最適化処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図24は、定電流電源の一例を示すブロック図である。 図25は、図16に示す無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。
まず、送電器,無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を詳述する前に、無線電力伝送システムの例、並びに、複数の送電器および受電器を含む関連技術の無線電力伝送システムを、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。図1において、参照符号1は一次側(送電側:送電器)を示し、2は二次側(受電側:受電器)を示す。
図1に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(送電共振コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(受電共振コイル)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図1に示されるように、送電器1と受電器2は、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴(電界共鳴)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、送電共振コイル11aから受電共振コイル21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲PR)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲CR)よりも短く設定される(PR<CR)。
また、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)PRは、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図2A〜図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。ここで、図2Aおよび図2Bは、3コイル構成の例を示し、図2Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図1に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図2Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図2Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図2Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図2A〜図2Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図3A〜図3Dは、独立共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図であり、図4A〜図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図である。
ここで、図3A〜図3Dは、図1および図2Bにおける受電共振コイル21aに対応し、図4A〜図4Dは、図2Aおよび図2Cにおける受電共振コイル21aに対応する。
図3Aおよび図4Aに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図3Bおよび図4Bに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Cおよび図4Cに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Dおよび図4Dに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各受電共振コイル21aにおいて、通常時に受電共振コイル21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、送電器1の送電共振コイル11aも図3A〜図3Dおよび図4A〜図4Dと同様にすることもできるが、送電器1の送電共振コイル11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、送電共振コイル11aは、図3Aおよび図4Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2の受電共振コイル21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送を行うことが可能になる。
図5A〜図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図5A〜図5Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。
図5Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用する受電用の受電共振コイル21aは、送電共振コイル11aAおよび11aBにより囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電共振コイル(LC共振器)11aAおよび11aBは、1つの送電器に設けることも可能である。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含んでいてもよい。
なお、後に詳述するが、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタとし、他の送電器をスレーブにするということは、1つのマスタ送電器の演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図5Bは、送電共振コイル11aAおよび11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図5Cは、送電共振コイル11aAおよび11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
例えば、2個の直行する送電共振コイル11aAおよび11aBが同相出力の場合と逆相出力の場合を比較すると、合成磁界は90°回転した関係となり、それぞれの受電器2(受電共振コイル21a)の向きに合わせた送電を行う。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
上述した無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
なお、三次元空間に関しても、例えば、実際の三次元空間における3個以上の送電器を用いて、それぞれの出力位相差および出力強度比を調整することで、三次元空間上の任意の方向に磁界(電界)の向きを調整することが可能になることが理解されるであろう。
図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図であり、図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。ここで、図6および図7は、2つの送電器1Aおよび1B、並びに、5つの受電器2A〜2Eが設けられた場合を示すものである。
図6に示す無線電力伝送システムでは、複数の送電器1A,1Bにおける1つの送電器1Aをマスタ(主)とすると共に、他の送電器1Bをスレーブ(従)と定め、例えば、複数の送電器および受電器の最適化等の処理は、マスタ(送電器1A)が決定するものとする。
図6において、参照符号PRaは送電器1Aの電力伝送範囲(マスタ送電圏)を示し、PRbは送電器1Bの電力伝送範囲(スレーブ送電圏)を示し、CRaは送電器1Aの通信範囲(マスタ通信圏)を示し、CRbは送電器1Bの通信範囲(スレーブ通信圏)を示す。
従って、受電器2A〜2Eは、次のようになる。すなわち、図7に示されるように、受電器2Aは、マスタ通信圏CRa外(×)、スレーブ通信圏Crb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、マスタ通信圏CRa内(○)、スレーブ通信圏CRb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタの送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏外(マスタおよびスレーブの送電圏外)であることが確認できる。
また、受電器2Cは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電PRa圏外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタおよびスレーブの送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、電力圏外であることが確認できる。
さらに、受電器2Dは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb外になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1Aの電力圏内(マスタ送電圏PRa内)であることが確認できる。
そして、受電器2Eは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb内になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1A,1Bの電力圏内(送電圏PRa,PRb内)であることが確認できる。
ここで、複数の送電器において、マスタになる1つの送電器を決定するが、その決定方法としては、後述するように、例えば、その通信圏内に最も多くの受電器が存在する、或いは、その送電圏内に最も多くの受電器が存在するといった条件により決定する。
例えば、その通信圏内にそれぞれ1つの受電器が存在するといった同等の条件が成立する場合、例えば、受電器との間の通信強度といったさらなる条件を加えてマスタを決定するか、或いは、乱数表等を使用して任意の1つの送電器をマスタに決定してもよい。
ところで、異なる製造メーカによる送電器は、例えば、その送電器の強度や位相の最適化ルールはそれぞれ異なる。そこで、例えば、複数の送電器の内の1つをマスタとして決めることで、そのマスタになった送電器が他のスレーブの送電器を含め、最適化を制御する。
図8A〜図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図であり、複数の送電器間におけるマスタ/スレーブの決め方を説明するものである。
まず、複数の送電器において、マスタ送電器およびスレーブ送電器を設定するのは、送電器が互いに通信範囲(通信圏)内にあり、電力伝送範囲(送電圏)が重なっており、しかも、受電器により送電圏が重なっていることが検出される場合である。
すなわち、図8Aは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電器1Bの通信圏CRbは重なっているが、送電器1Aの送電圏PRaおよび送電器1Bの送電圏PRbは重なっていない場合を示す。このとき、互いの送電圏PRa,PRbは重ならないので、両方の送電器1Aおよび1Bを、それぞれマスタ送電器として設定される。
次に、図8Bは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電圏PRaと、送電器1Bの通信圏CRbおよび送電圏PRbが重なり、受電器2が送電圏PRaおよびPRbの両方に含まれる位置に存在する場合を示す。
この図8Bの場合には、送電器1A,1Bが互いに通信圏CRa,CRb内にあり、送電圏PRa,PRbが重なっており、しかも、受電器2により送電圏PRa,PRbが重なっていることが検出される。
従って、図8Bの場合には、送電器1A,1Bの内、一方(1A)をマスタ送電器に設定し、他方(1B)をスレーブ送電器に設定する。このとき、送電器1Bをマスタとし、送電器1Aをスレーブとしてもよいが、いずれかをマスタ送電器に設定する。
さらに、図8Cは、送電器1Aおよび1Bは、上述した図8Bと同じ位置関係に配設されているが、受電器2が存在しない(通信圏CRaおよびCRbに存在しない)場合であり、このときは、両方ともマスタに設定する。
なお、3つ以上の送電器に対しても、例えば、図8Bに相当する場合には、いずれか1つをマスタ送電器に設定する。なお、複数の送電器から1つのマスタ送電器を決定する手法は、様々なものが考えられるが、その一例を、図9を参照して説明する。
図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)であり、4つの送電器1A〜1Dが一列に並んだ場合を示すものである。ここで、送電器1Aの通信圏CRaは、送電器1Bを含むが送電器1Cおよび1Dを含まず、同様に、送電器1Dの通信圏CRdは、送電器1Cを含むが送電器1Aおよび1Bを含まない。
また、送電器1Bの通信圏CRbは、送電器1Aおよび1Cを含むが送電器1Dを含まず、同様に、送電器1Cの通信圏CRcは、送電器1Bおよび1Dを含むが送電器1Aを含まない。
この図9の場合、例えば、送電器1Bをマスタ(マスタ送電器)とし、他の送電器1A,1C,1Dをスレーブ(スレーブ送電器)に設定する。ここで、送電器1Cをマスタに設定することもできる。
なお、送電器1Bをマスタに設定すると、送電器1Dに対して直接通信することは困難になるが、その場合、送電器1Dに対しては、送電器1Cを経由して通信を行い、最適化等の制御を行う。このように、複数の送電器から1つのマスタを決める場合、最も多くの送電器と直接通信が可能なものをマスタと決めるのが好ましい。
また、図9では、4つの送電器1A〜1Dが直線上に並べられているが、実際には、例えば、部屋の壁や天井に埋め込まれ、机やテーブルに内蔵され、或いは、床やテーブル等に載置されるといった、様々な位置関係で複数の送電器が配設されることになる。
以下、送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、関連技術の説明と共に、添付図面を参照して詳述する。まず、図10および図11を参照して、単数送電器および複数送電器における送電プラン設計を説明した後、図12〜図15Bを参照して、複数送電器による無線電力伝送システムの一例における送電効率の姿勢依存性を説明する。
図10は、単数送電器における送電プラン設計を説明するための図であり、例えば、前述した図1のように、受電器2に対して1つの送電器1で電力伝送するときの送電プラン設計を等価回路モデルにより説明するためのものである。
図10に示す等価回路モデルにおいて、参照符号VsおよびRsは高周波電源部12に対応し、L1およびR1は電力供給コイル(第1コイル)11bに対応し、C2,L2およびR2は送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)11aに対応する。
また、参照符号C3,L3およびR3は受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)21aに対応し、L4およびR4は電力取出コイル(第4コイル)21bに対応し、そして、RLは負荷(バッテリ部)25に対応する。
ここで、図10に示す等価回路モデルにおいて、容量値C2,C3および抵抗値RL,RSが既知で、抵抗値R1〜R4,インダクタンスL1〜L4,相互インダクタンスM12,M13,M14,M23,M24,M34が電磁界シミュレーションより計算可能である。
従って、上記各値を固定パラメータとして等価回路モデルによる回路シミュレータに設定し、演算を実行することにより、図1のような単数送電器における電力の送電効率を求めることができる。
すなわち、[受電電力POUT]/[送受電効率(POUT/PIN)]から、送電電力PINを算出することができる。これにより、算出された送電電力PINを電力供給コイル11bに入力することにより、負荷RLに対して適切な受電電力POUTを与えることが可能になる。なお、本明細書において、送受電効率は、送電効率とも称する。
図11は、複数送電器における送電プラン設計を説明するための図であり、例えば、前述した図5Aのように、受電器2に対して2つの送電器1A,1Bで電力伝送するときの送電プラン設計を等価回路モデルにより説明するためのものである。
図11に示す等価回路モデルにおいて、参照符号Vs1およびRs1は送電器1Aの高周波電源部12Aに対応し、Vs2およびRs2は送電器1Bの高周波電源部12Bに対応する。また、L11およびR11は送電器1Aの電力供給コイル11bAに対応し、L12およびR12は送電器1Bの電力供給コイル11bBに対応する。
さらに、参照符号C21,L21およびR21は送電器1Aの送電共振コイル11aAに対応し、C22,L22およびR22は送電器1Bの送電共振コイル11aBに対応する。なお、受電器2に関しては、上述した図10と同様であり、参照符号C3,L3およびR3は受電共振コイル21aに対応し、L4およびR4は電力取出コイル21bに対応し、そして、RLは負荷25に対応する。
図11に示す等価回路モデルにおいて、容量値C21,C22,C3および抵抗値RL,RS1,RS2が既知で、抵抗値R11,R12,R21,R22,R3,R4,インダクタンスL11,L12,L21,L22,L3,L4,が電磁界シミュレーションより計算可能である。さらに、相互インダクタンスM112,M122,M113,M114,M213,M214,M123,M124,M223,M224,M111,M111',M222,M222',M34も電磁界シミュレーションより計算可能である。
従って、上記各値を固定パラメータとして等価回路モデルによる回路シミュレータに設定し、Vs1およびVs2を可変パラメータとして演算を実行することにより、図5Aのような複数送電器における電力の送電効率を求めることができる。なお、Vs1およびVs2の設定値には、Vs1およびVs2の位相差と、Vs1およびVs2の強度比が含まれる。
ここで、図11に示す等価回路モデルにおいて、送電器1AにおけるRS1は、送電器1Bに対して受電器と同様に負荷として見え、また、送電器1BにおけるRS2は、送電器1Aに対して受電器と同様に負荷として見える。従って、高周波電源部12Aおよび12BのインピーダンスRS1およびRS2は、図11に示す無線電力伝送システムにおいて、送電効率に影響を与えることになる。
次に、図12,図13Aおよび図13B、並びに、図14,図15Aおよび図15Bを参照して、複数送電器による無線電力伝送において、各送電器の電源インピーダンスにより送電効率の姿勢依存性が変化する様子を説明する。
図12は、複数送電器による無線電力伝送システムの一例を説明するための図である。図12において、参照符号11a1,11a2は送電器1の送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)、15は発振器、16は位相制御部、171,172は増幅器、そして、21aは受電器2の受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)を示す。
ここで、図12は、位相および強度を制御することができる2つの送電共振コイル11a1,11a2を有する送電器1により、受電共振コイル21aを介して受電器2に電力伝送を行う場合を示している。なお、図12では、受電器2の受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2よりも十分に小さいものとする。また、送電共振コイル11a1は第1送電コイルに対応し、送電共振コイル11a2は第2送電コイルに対応する。
図12に示されるように、発振器15による発振信号は、増幅器171に入力される共に、位相制御部16を介して増幅器172に入力される。ここで、位相制御部16は、増幅器172に入力される信号の位相を制御することにより、増幅器171の出力位相と増幅器172の出力位相の差を調整する。
増幅器171および172は、それぞれ入力された発振信号を増幅して出力し、増幅器171の出力は、送電共振コイル11a1(ワイヤレス送電部111)に入力され、増幅器172の出力は、送電共振コイル11a2(ワイヤレス送電部112)に入力される。
ここで、位相制御部16による発振信号の位相制御で増幅器171および172の位相差が調整され、増幅器171および172の増幅率の制御で増幅器171および172の強度比が調整される。
なお、位相制御部16における位相制御、並びに、増幅器171および172における増幅率の制御は、例えば、図1における送電制御部13に従って行われる。
図12における増幅器(高周波電源)171および172は、交流のインピーダンス特性を有し、この電源のインピーダンス特性(図11におけるインピーダンスRS1およびRS2)が送電効率に影響を与えることになる。
なお、図12では、1つの送電器1における2つの送電共振コイル11a1および11a2を直角に配置しているが、例えば、図5Aと同様に、異なる送電器1Aおよび1Bの送電共振コイル11aAおよび11aBとしてもよい。
この場合、送電器1Aおよび1Bは、それぞれ発振器を有し、例えば、それぞれの通信部を介して位相情報を遣り取りして出力信号の位相差を調整する。また、送電器1Aおよび1Bの出力信号の強度比の調整に関しても同様である。
なお、送電共振コイル11a1および11a2を、異なる送電器1Aおよび1Bの送電共振コイル11aAおよび11aBとした場合、位相制御(位相差の制御)は、送電器1Aおよび1B間の通信を利用して行われる。
すなわち、2つの送電器1Aおよび1Bにおける出力信号の位相差および強度比の制御は、例えば、後に図16を参照して説明するマスタの送電器1Aにおける送電制御部13Aに従って、通信回路部14A,14Bを介して行われる。
図13Aは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。また、図13Bは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。
ここで、定電圧電源は、例えば、電力伝送に使用する6.78MHzの信号を出力し、出力インピーダンスが数Ω〜数十Ω(一例として、50Ω)に整合された電源である。なお、本実施例に適用され得る出力インピーダンスが50Ωに整合された高周波電源は、従来から様々なものが提案され、例えば、通信分野において広く使用されている。
また、電力伝送に使用する周波数は、6.78MHzに限定されるものではなく、さらに、整合する出力インピーダンスは、50Ωではなく75Ωのものも広く利用されており、それを適用してもよい。
また、定電流電源は、例えば、電力伝送に使用する6.78MHzの信号を出力し、出力インピーダンスが高い電源(高インピーダンス電源:Hi−ZΩ電源)である。なお、定電流電源の出力インピーダンスは、これに限定されるものではないが、例えば、1MΩ以上である。また、定電流電源は、入力側の特性から0Ω電源と呼ばれることもある。後に、この定電流電源の一例を、図24を参照して説明する。
図13Aおよび図13Bにおいて、横軸は共振受電コイル21aの回転角度(受電器2の姿勢)を示し、縦軸は送電効率を示す。また、曲線LL11およびLL21は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が0°(同相)の場合を示し、曲線LL12およびLL22は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が90°の場合を示す。
さらに、曲線LL13およびLL23は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が180°(逆相)の場合を示し、曲線LL14およびLL24は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が−90°の場合を示す。
なお、送電共振コイル11aAおよび11aBの送電出力の強度比は1:1に固定して調整を行わず、受電器2は各送電共振コイル11aA,11aBから等距離に配置されているものとする。
まず、図13Aに示されるように、定電圧電源を適用した場合、例えば、増幅器171および172の出力インピーダンスが50Ωのとき、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差により最大の送電効率が得られる回転角度が変化することが分かる。
すなわち、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差が0°のとき(LL11)は、共振受電コイル21a(受電器2)の回転角度が0°および180°で最大の送電効率(約43%)が得られることがわかる。
また、位相差が90°のとき(LL12)は、受電器2の回転角度が135°で最大の送電効率が得られ、位相差が180°のとき(LL13)は、受電器2の回転角度が90°で最大の送電効率が得られることが分かる。そして、位相差が−90°(270°)のとき(LL14)は、受電器2の回転角度が45°で最大の送電効率が得られることが分かる。
従って、受電器2の回転角度が任意の値でも、すなわち、どのような姿勢の受電器2に対しても、送電共振コイル11aAおよび11aBの送電出力の位相差を適切に調整することにより最大の送電効率で電力を伝送することが可能なのが分かる。
次に、図13Bに示されるように、定電流電源を適用した場合、例えば、増幅器171および172の出力インピーダンスがHi−ZΩのとき、図13Aとは異なる特性が得られる。
具体的に、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差が0°のとき(LL21)および位相差が180°のとき(LL23)は、上述した曲線LL11およびLL13を、極大値および極小値を変化させずに、効率の中央値を上方に歪めた特性になる。
これに対して、位相差が90°のとき(LL22)および位相差が−90°のとき(LL24)は、受電器2の回転角度に関わらず、すなわち、受電器2の姿勢に影響されることなく、ほぼ一定の効率(約27%)になることが分かる。
図14は、複数送電器による無線電力伝送システムの他の例を説明するための図である。ここで、上述した図12では、受電器2の受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2よりも十分に小さかったが、図14は、受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2と同程度の大きさとされている。
すなわち、図12と図14では、送電器(送電共振コイル11a1,11a2)と受電器(受電共振コイル21a)の結合特性が異なっている。なお、他の構成および条件は、図12および図14で共通であり、その説明は省略する。
図14は、複数送電器による無線電力伝送システムの他の例を説明するための図である。ここで、上述した図12では、受電器2の受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2よりも十分に小さかったが、図14は、受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2と同程度の大きさとされている。なお、他の構成および条件は、図12および図14で共通であり、その説明は省略する。
図15Aは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図であり、前述した図13Aに対応する。また、図15Bは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図であり、前述した図13Bに対応する。
なお、図15Aおよび図15Bにおいて、横軸は共振受電コイル21aの回転角度(受電器2の姿勢)を示し、縦軸は送電効率を示す。また、曲線LL31およびLL41は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が0°の場合を示し、曲線LL32およびLL42は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が90°の場合を示す。
さらに、曲線LL33およびLL43は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が180°の場合を示し、曲線LL34およびLL34は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が−90°の場合を示す。
図15Aおよび図15Bと、上述した図13Aおよび図13Bの比較から明らかなように、受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2と同程度の大きさになると、送電効率が大きくなることが分かる。これは、受電共振コイル21aが大きくなれば送電共振コイル11a1,11a2からの出力電力を十分に受け取ることができるようになるためである。
また、図15Aと図13Aの比較から明らかなように、受電共振コイル21aが大きくなると、位相差が0°のとき(LL31)および位相差が180°のとき(LL33)は、極小値を変化させずに、効率の極大値および中央値を上方に歪めた特性になる。具体的に、送電効率の最大値は、例えば、図13Aの約43%から図15Aの約90%へ大幅に大きくなる。
さらに、受電共振コイル21aが大きくなると、位相差が90°のとき(LL32)および位相差が−90°のとき(LL34)は、効率の極大値および極小値とも大幅に情報に変化する。
すなわち、曲線LL32およびLL34の極大値は、曲線のLL31およびLL33の極大値よりは低い(ただし、80%は超える)ものの、極小値でも70%に迫るものとなっている。
さらに、図15Bと図13Bの比較から明らかなように、受電共振コイル21aが大きくなると、位相差が0°のとき(LL41)および位相差が180°のとき(LL43)は、極小値を変化させずに、効率の極大値および中央値を上方に歪めた特性になる。この曲線LL41およびLL43は、上述した図15Aにおける曲線LL31およびLL33にほぼ一致する。
また、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差が90°のとき(LL42)および位相差が−90°のとき(LL44)は、受電器2の姿勢に影響されることなく、ほぼ一定の効率(約75%〜84%)になることが分かる。
従って、複数送電器で無線電力伝送を行う場合、複数の送電器の出力信号の位相差や強度比だけでなく、送電器の電源のインピーダンス特性(定電流電源/定電圧電源)や受電共振コイル21aの大きさといった条件を考慮するのが好ましいことが分かる。
すなわち、複数の送電器による連携送電を行う場合、所望の効率を確保する制御プランを策定するためには、電源のインピーダンス特性の情報、並びに、受電器と送電器の結合特性の情報を加味するのが好ましい。
そして、所望の送電効率特性が得られる可変パラメータの組み合わせを選択することで各送電器出力を決定し、例えば、最大の送電効率による電力伝送、或いは、高いロバスト性効率による電力伝送を選択的に実現することが可能になる。
ここで、高いロバスト性効率は、例えば、センサネットワークに対して、各センサの姿勢に関わらずそれぞれ充電を行う場合等において、大きな効果が得られることになる。なお、図12〜図15Bを参照して説明したのは単なる例であり、様々な変更が可能なのはいうまでもない。
図16は、本実施形態の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、2つの送電器1A,1B、および、2つの受電器2A,2Bを含む例を示すものである。
図16に示されるように、送電器1A,1Bは同様の構成を有し、それぞれワイヤレス送電部11A,11B、高周波電源部12A,12B、送電制御部13A,13Bおよび通信回路部14A,14Bを含む。
高周波電源部12A,12Bは、高周波の電力を発生するもので、例えば、前述した図1における高周波電源部12、或いは、図12および図14における増幅器171,172に相当し、固有の電源インピーダンスを有する。例えば、出力インピーダンスが50Ωに整合された定電圧電源や、高い出力インピーダンスのHi−ZΩ電源(定電流電源)などである。
送電制御部13A,13Bは、送電部11A,11Bを制御するもので、例えば、図12および図14における発振器15および位相制御部16を含んでもよい。通信回路部14A,14Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするものであり、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、高周波電源部12A,12Bは、それぞれ外部電源10A,10Bから電力の供給を受け取り、送電制御部13A,13Bには、検出部SA,SBからの信号が入力されている。なお、送電器1Aおよび送電器1Bは、例えば、1つの送電器1に設けた2つの送電部(11)としてもよいのはいうまでもない。
ワイヤレス送電部11A,11Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、高周波電源部12A,12Bから供給される高周波電力を磁界に変換する。検出部SA,SBは、送電器1A,1Bの相対位置関係や受電器2A,2Bの相対位置関係を検出する。ここで、相対位置関係を検出する方法としては、例えば、カメラによる撮像系を適用することができる。
なお、例えば、送電器1A,1Bの位置関係が固定され(送電共振コイル11a1,11a2が特定のL字ブロック状に固定され)、その情報を送電制御部13A,13Bが把握し、受電器2A,2Bが検出機能を有する場合、検出部SA,SBは省略可能である。
受電器2A,2Bも同様の構成を有し、それぞれワイヤレス受電部21A,21B、整流部(受電回路部)22A,22B、受電制御部23A,23B、通信回路部24A,24Bおよび機器本体(バッテリ部)25A,25Bを含む。
受電制御部23A,23Bは、受電器2A,2Bを制御するものであり、通信回路部24A,24Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするもので、前述したように、例えば、無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用する。
ワイヤレス受電部21A,21Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、無線で伝達された電力を電流に変換する。整流部22A,22Bは、ワイヤレス受電部21A,21Bから得られた交流電流をバッテリ充電や機器本体で使用可能なように直流電流に変換する。
上述したように、送電器1A,1Bおよび受電器2A,2Bは、それぞれの通信回路部14A,14B,24A,24Bを介して通信を行う。このとき、例えば、送電器1Aをマスタ(全体制御器)とし、このマスタ(送電器)1Aが、他の送電器1Bおよび受電器2A,2Bをスレーブとして制御することもできる。
また、ワイヤレス送電部11Aおよび11Bと、ワイヤレス受電部21Aまたは21Bの間は、磁界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送方式を適用することもできる。
図17および図18は、図16に示す無線電力伝送システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図16は受電器が不在の場合の処理を示し、図17は受電器が存在する場合の処理を示す。
なお、図17および図18は、送電器1Aがマスタ(全体制御器)で送電器1Bがスレーブの場合の処理を示す。ここで、スレーブ送電器1Bとマスタ送電器1Aの間は、例えば、通信回路部14A,14Bを介して情報の遣り取りを行い、受電器2A,2Bとマスタ送電器1Aの間は、例えば、通信回路部14A,24A,24Bを介して情報の遣り取りを行う。
図17に示されるように、まず、マスタ送電器1Aは、他の送電器(スレーブ送電器1B)を検索し、ステップST13において、他の送電器(スレーブ送電器1B)を通信により確認する。なお、通信は、無線および有線のいずれであっても構わない。
すなわち、スレーブ送電器1Bは、ステップST10において、マスタ送電器1Aに対して存在を伝達し、マスタ送電器1Aは、ステップST13において、他の送電器との通信が確立でき、IDを認証できた場合に、他の送電器を検出できたと判定する。なお、他の送電器(スレーブ送電器1B)を検出しない場合は、例えば、図10を参照して説明した単純な単数送電器による電力伝送を行うことになる。
マスタ送電器1Aは、他の送電器(スレーブ送電器1B)を検出した後、ステップST14において、例えば、検出部SAを用いてスレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認する。ここで、例えば、マスタ送電器1Aとスレーブ送電器1Bの相対位置が遠い等の理由により送電範囲が重ならない場合には、図10を参照して説明した単純な単数送電器による電力伝送を行うことになる。
ステップST14において、例えば、検出部SAを用いてスレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認し、送電範囲が重なる可能性がある他の送電器(スレーブ送電器1B)を検出した場合、ステップST15に進む。すなわち、スレーブ送電器1Bは、ステップST11において、マスタ送電器1Aに対して送電部情報を伝達し、マスタ送電器1Aは、そのスレーブ送電器1Bの送電部(ワイヤレス送電部)11Bを確認する。
さらに、スレーブ送電器1Bは、ステップST12に進んで、マスタ送電器1Aに対して電源インピーダンスを伝達し、マスタ送電器1Aは、ステップST16に進んで、確認した送電器1Bの電源インピーダンスを確認する。
すなわち、このステップST12およびST16により、スレーブ送電器1Bの電源および自身(マスタ送電器1A)の電源が、例えば、50Ωに整合された定電圧電源か、或いは、Hi−ZΩの定電流電源かを確認する。なお、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達する情報は、例えば、後に、図19を参照して説明する情報(データ)である。
そして、マスタ送電器1Aは、ステップST17に進んで、給電対象を検索する。この給電対象の検索は、例えば、各通信回路部(14A,14B,24A,24B)を使用して受電器2A,2Bを探索する。
以上において、スレーブ送電器は複数であってもよい。また、マスタ送電器1Aによる受電器(2A,2B)の探索は、無線通信により行い、給電対象となる受電器が検出されるまで、受電器の探索を続けることになる。
図18に示されるように、マスタ送電器1A(全体制御器)は、ステップST22において、給電対象を検索、すなわち、受電器(2A,2B)を探索するする。受電器2Aは、ステップST28において、マスタ送電器1Aに対して存在を伝える。なお、図18は、受電器2Aに対して電力伝送を行う場合を示すが、この受電器2Aもマスタ送電器1Aに対するスレーブとして機能する。
すなわち、スレーブ受電器2Aは、ステップST28において、マスタ送電器1Aに対して存在を伝達し、マスタ送電器1Aは、ステップST22において、他の受電器との通信が確立でき、IDを認証できた場合に、他の受電器を検出できたと判定する。
マスタ送電器1Aは、他の受電器(スレーブ受電器2A)を検出した後、ステップST23において、例えば、スレーブ受電器2Aとの相対位置関係を確認する。ここで、例えば、マスタ送電器1Aとスレーブ受電器2Aとの相対位置が遠い等の理由により送電範囲が重ならない場合には、他の受電器を検出できなかったと再判定する。
マスタ送電器1Aは、さらに、ステップST24に進み、確認したスレーブ受電器2Aの受電部(ワイヤレス受電部)21Aを確認する。すなわち、スレーブ受電器2Aは、ステップST29において、マスタ送電器1Aに対して受電部情報を伝達する。
この受電部情報には、例えば、受電器2Aにおける受電共振コイル(21a)の大きさの情報等が含まれる。なお、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに伝達する情報は、例えば、後に、図20を参照して説明する情報(データ)である。
次に、マスタ送電器1Aは、ステップST25に進んで、全情報から最適化プランを策定する。ここで、マスタ送電器1Aが使用する全情報には、例えば、図17のステップST16で確認した電源インピーダンス情報、および、ステップST24で確認した受電器2Aにおける受電共振コイル(21a)の大きさの情報等が含まれる。
また、マスタ送電器1Aは、ステップST26に進んで、各送電器(スレーブ送電器1B)に対して位相差・強度比(位相・強度条件)を伝達する。スレーブ送電器1Bは、ステップST20において、マスタ送電器1Aからの位相・強度条件を受け取り、ステップST21に進み、その位相・強度条件に従って送電を開始する。
そして、マスタ送電器1Aは、ステップST27に進んで、送電を開始する。なお、ステップST27におけるマスタ送電器1Aの送電開始と、ステップST21におけるスレーブ送電器1Bの送電開始は、例えば、通信回路部14Aおよび14Bを介して同期させて行う。
図19は、送電器と送電器間の伝達情報の一例を説明するための図であり、例えば、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達する情報の一例を示す。図19に示されるように、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達されるのは、例えば、データ1の製品ID、或いは、データ2のような各項目に対する実際のデータであってもよい。
ここで、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに対して、例えば、『1011』の製品IDが伝達されると、マスタ送電器1Aは、予め設けられているメモリテーブルから、伝達された製品IDに対応するデータ2と同様の各項目のデータを認識する。
或いは、マスタ送電器1Aは、例えば、有線または無線回線を介してインターネットに接続し、所定の外部サーバやウェブサイトから、伝達された製品IDに対応する最新のデータをダウンロードして各項目のデータを認識することもできる。
なお、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達される情報(各項目のデータ)には、例えば、送電共振コイル11aBおよび電力供給コイル11bBの情報と共に、前述した電源インピーダンスに関する情報も含まれている。また、図19に示す項目は、単なる例であり、様々に変更され得る。
図20は、送電器と受電器間の伝達情報の一例を説明するための図であり、例えば、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに伝達する情報の一例を示す。図20に示されるように、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに伝達されるのは、例えば、データ1のような製品ID、充電要求およびバッテリ残量である。
ここで、図19を参照して説明したのと同様に、例えば、『1101』の製品IDが伝達されると、マスタ送電器1Aは、予め設けられているテーブル、或いは、インターネットの所定のウェブサイトから、データ2のような各項目のデータを認識する。
なお、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに対して、充電要求およびバッテリ残量と共に、データ1の製品IDではなくデータ2のような各項目に対する実際のデータを伝達してもよい。また、図20に示す項目は、単なる例であり、様々に変更され得るのはいうまでもない。
図21は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図であり、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源によるシミュレーション結果を示すものである。
図21において、曲線LL61は、送電共振コイル11a1および11a2(増幅器171および172)の出力信号における強度比を固定して位相差を最適化したときの、受電共振コイル21a(受電器2)の回転角度に対する送電効率の変化を示す。
また、曲線LL62は、送電共振コイル11a1および11a2の出力信号における位相差を0°(同相)または、180°(逆相)に固定して強度比を最適化したときの、受電器2の回転角度に対する送電効率の変化を示す。
図21から明らかなように、例えば、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源を適用した場合、出力信号の位相差が固定されていると、強度比をどのように調整しても、常に、最大の送電効率を得ることができるとは限らない。
すなわち、定電圧電源を適用した場合、出力信号の位相差が固定されていると、強度比をどのように調整しても受電器の姿勢によっては最大の送電効率が得られない姿勢があることが分かる。
これに対して、例えば、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源を適用した場合、出力信号の強度比を固定して位相差を調整することにより、常に、最大の送電効率を得ることができる。
従って、送電器(ワイヤレス送電部)として定電圧電源を適用する場合、出力信号の強度比を固定して位相差を調整するのが好ましく、最大の送電効率を得る最適化のための支配的なパラメータが出力信号の位相差であることが分かる。
図22は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図であり、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源によるシミュレーション結果を示すものである。
図22において、曲線LL71は、出力信号における強度比を固定して位相差を最適化したときの、受電器2の回転角度に対する送電効率の変化を示す。また、曲線LL72は、出力信号における位相差を同相または逆相に固定して強度比を最適化したときの、受電器2の回転角度に対する送電効率の変化を示す。
図22から明らかなように、例えば、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源を適用した場合、出力信号の強度比が固定されていると、位相差をどのように調整しても、常に、最大の送電効率を得ることができるとは限らない。
すなわち、定電流電源を適用した場合、出力信号の強度比が固定されていると、位相差をどのように調整しても受電器の姿勢によっては最大の送電効率が得られない姿勢があることが分かる。
これに対して、例えば、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源を適用した場合、出力信号の位相差を同相または逆相に固定して強度比を調整することにより、常に、最大の送電効率を得ることができる。
従って、送電器(ワイヤレス送電部)として定電流電源を適用する場合、出力信号の位相差を固定して強度比を調整するのが好ましく、最大の送電効率を得る最適化のための支配的なパラメータが出力信号の強度比であることが分かる。
上述したように、最適化プランを策定する場合、どのパラメータが支配的で有効なパラメータとなるのかは、電源インピーダンスによって変化することがわかる。すなわち、所望の効率を確保する制御プランを策定するためには、電源のインピーダンス特性の情報を加味するのが好ましいことが分かる。
このようにして最適化プランが策定されると、図12に示す無線電力伝送システムでは、その策定されたプランに対応した設定条件を送電器1における位相制御部16および増幅器171,172に伝達し、その設定条件に従った送電を開始する。
上述のようにして最適化プランに従った設定条件により送電を行うが、計算による設定条件では、調整しきれない場合には、テスト送電を行うのが好ましい。図23は、図21および図22に示すパラメータの最適化処理の一例を説明するためのフローチャートであり、テスト送電の一例を説明するためのものである。
図23に示されるように、ステップST30において、テスト送電を開始すると、ステップST34に進んで、送電電力および受電電力を確認し、送受電効率(送電効率)を確認する。すなわち、スレーブ送電器1Bは、ステップST31において、全体制御器(マスタ送電器1A)に対して自身の送電電力を伝達し、スレーブ受電器2Aは、ステップST37において、マスタ送電器1Aに対して自身の受電電力を伝達する。
マスタ送電器1Aは、ステップST35に進んで、ステップST34で確認した送受電効率が所望の効率がどうかを判定する。ステップST34において、送受電効率が所望の効率であると判定すると、テスト送電を終了して本格送電を行う。
一方、ステップST34において、送受電効率が所望の効率ではないと判定すると、ステップST36に進んで、図21および図22を参照して説明した電源インピーダンスに応じた支配的パラメータを可変して最適化プランの再設定を行う。
すなわち、ステップST36では、50Ω電源を適用している場合には、電源の位相差を可変して最適化プランの再設定を行い、一方、Hi−ZΩ電源を適用している場合には、電源の強度比を可変して最適化プランの再設定を行う。このように、電源インピーダンスに応じた支配的パラメータを調整することにより、最適化プランの再設定を短時間で行うことが可能になる。
なお、ステップST36において、マスタ送電器1Aは、再設定された最適化プランに従った位相および強度が設定され、ステップST33に進んで再びテスト送電を開始する。そして、マスタ送電器1Aは、ステップST33でテスト送電を開始した後、ステップST34に戻って同様の処理を繰り返す。
スレーブ送電器1Bは、ステップST32において、ステップST36で再設定された最適化プランに従った位相および強度条件を受け取ってその条件を設定し、ステップST33に進んで再びテスト送電を開始する。
そして、スレーブ送電器1Bは、ステップST33でテスト送電を開始した後、ステップST34に戻って同様の処理を繰り返す。
このように、上述したテスト送電では、例えば、位相差と強度比をバラバラに可変するのではなく、電源インピーダンス情報から得られる支配的なパラメータを可変することにより、短時間で最適な条件を探索することが可能になる。
以下に、無線電力伝送方法の実施例を説明する。まず、第1実施例は、効率を優先する無線電力伝送方法であり、第2実施例は、高ロバストを優先する無線電力伝送方法である。
まず、第1実施例の効率を優先する無線電力伝送方法を説明する。例えば、ポータブル電子機器(例えば、数W〜十数Wの電力容量)への給電では、比較的電力が大きいため、高い効率が求められる。一般に、送電効率が低下するとき、電力は、送電器の発熱の形でロスとなるため、特に、給電(送電)電力が大きいほど問題になる。
例えば、スマートフォンに代表されるポータブル電子機器であれば、元から各種センサを搭載しており、各種情報をセンサから得て送電側(マスタ送電器)に伝達することができる。これは、例えば、受電器の姿勢に対応した送電が求められる三次元ワイヤレス送電において、受電器の相対位置関係情報を得ることが可能であることを意味する。
そのため、例えば、ポータブル電子機器への給電では、受電器の位置情報に基づいて最大効率が得られるように、各送電器間の調整を行う制御が好ましい。従って、例えば、前述した図12に示す無線電力伝送システムに対しては、図21および図22を参照して説明した処理を行って最大の送受電効率(送電効率)を得る。
すなわち、定電圧電源(50Ω電源)を適用している場合には、図21を参照して説明したように、電源の強度比を固定して位相差を可変し、最大効率が得られるようにする。また、定電流電源(Hi−ZΩ電源)を適用している場合には、図22を参照して説明したように、電源の位相差を固定して強度比を可変し、最大効率が得られるようにする。
次に、第2実施例の高ロバストを優先する無線電力伝送方法を説明する。例えば、センサネットワークにおける各センサ(例えば、数μW〜数mWの電力容量)への給電では、比較的電力が小さいため、効率は重要な問題ではない。
仮に、給電(送電)電力が10mWの場合、効率が10%程度であっても、送電系の発熱は100mW程度であるため、放熱も容易である。一方、各センサは、小型かつ低コストであることが求められるため、ポータブル電子機器のように、位置検出機能等を全てのセンサに搭載することは期待できない。
そのため、センサネットワークでは、各センサの姿勢情報を個別に得ることはできず、その結果、センサネットワークへの給電は、受電器(各センサ)の姿勢に関係なく常に一定の効率が確保できる、姿勢に対するロバスト性が高い制御が好ましい。
そのため、例えば、センサネットワークの各センサへの給電では、例えば、前述した図13B(曲線LL22,LL24)を参照して説明したように、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源を使用し、位相差を90°(−90°)とするのが好ましい。
なお、図13Bにおいて、曲線LL22およびLL24は、送電共振コイル11aA,11aBの送電出力の位相差が90°および−90°の場合であるが、位相差は、必ずしもそれらの値に限定されるものではない。
すなわち、位相差は、90°および−90°からある程度の範囲でずれていても、回転角度による影響は大きくなるものの、実用上の姿勢に対するロバスト性を確保することができるのはいうまでもない。
なお、図13Aを参照して説明したように、例えば、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源を適用した場合、位相差を90°(−90°)としても姿勢に対する高ロバスト性を得ることは困難である。
図24は、定電流電源の一例を示すブロック図であり、高周波電源部12の一例を示すものである。図24に示されるように、定電流電源12は、交流信号生成部121、演算増幅器(オペアンプ)122、電流バッファ123、基準抵抗124、帰還抵抗125および容量126を備え、出力端に負荷が接続されている。ここで、負荷は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対応する。
交流信号生成部121は、基準交流電圧(例えば、周波数が6.78MHzで振幅が一定の交流電圧)を生成し、その基準交流電圧を、演算増幅器122の非反転入力(正入力)に与える。演算増幅器122の反転入力(負入力)は、基準抵抗124を介して接地され、演算増幅器122の出力は、電流バッファ123に入力される。
なお、本実施形態に適用する定電流電源(および定電圧電源)は、6.78MHzの信号を出力するものに限定されず、電力伝送に使用する周波数に従って変化するのはいうまでもない。
電流バッファ123の出力は、容量126を介して負荷(電力供給コイル)11bの一端に入力されると共に、帰還抵抗125および基準抵抗124を介して接地される。なお、電力供給コイル11bの他端は、基準抵抗124を介して接地される。
この図24に示す定電流電源(12)は、その出力インピーダンスが高インピーダンス(Hi−ZΩ)となっている。また、図24の定電流電源は、単なる一例であり、本実施形態に対しては、様々な定電流電源を適用することができるのはいうまでもない。
なお、例えば、50Ωに整合された定電圧電源は、通信分野において様々な形式のものが広く使用されており、本実施形態に対しては、それら様々な定電圧電源を適用することができる。
図25は、図16に示す無線電力伝送システムにおける送電器(マスタ送電器1A)の一例を示すブロック図である。図21および図16に示されるように、マスタ送電器1Aにおいて、ワイヤレス送電部11Aは、LC共振器11aAおよび電力供給コイル11bAを含む。高周波電源部12Aは、発振器127、増幅器128および整合器129を含む。
送電制御部13Aは、送電制御回路131および周波数ロック回路132を含む。周波数ロック回路132は、通信回路部14Aからの同期信号を受け取り、所定の間隔(例えば、数分〜数十分間隔)で、発振器127の同期処理を行う。発振器127は、所定の周波数(例えば、6.78MHz)の周波数の駆動信号を生成し、増幅器128および整合器129を介してワイヤレス送電部11A(電力供給コイル11bA)に出力する。
送電制御回路131は、内部バス133で繋がれたCPU(演算処理装置)134、メモリ135および入出力回路(I/O部)136を含む。ここで、メモリ135は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を含む。そして、マスタ送電器1A,スレーブ送電器1Bおよび受電器等の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
マスタ送電器1Aには、例えば、スレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認するための検出部SAが設けられている。この検出部SAの出力は、例えば、I/O部136を介してCPU134に入力され、メモリ135に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、送電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラム(送電器の制御プログラム)は、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、SD(Secure Digital)メモリカード)70からI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者60のハードディスク装置61から回線およびI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置61からI/O部136への回線は、通信回路部14を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVD(Digital Versatile Disk)ディスクやブルーレイディスク(Blu-ray Disc)等の記録媒体であってもよい。
以上の説明において、送電器および受電器は、主として1つまたは2つとして説明したが、それぞれさらに多数であってもよい。また、各実施例の説明は、主として磁界共鳴を利用した電力伝送を例としたが、本実施形態は、電界共鳴を利用した電力伝送、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送に対しても適用することができる。
すなわち、本実施形態は、独立して出力の位相または強度の少なくとも一方を制御することができる少なくとも2つの送電コイルを含む送電器において、その少なくとも2つの送電コイルの出力がそれぞれ影響を及ぼし合う送電器に対して適用することができる。
さらに、本実施形態は、少なくとも2つの送電器を含む無線電力伝送システムにおいて、その少なくとも2つの送電器の出力がそれぞれ影響を及ぼし合う無線電力伝送システムに対しても適用することができる。なお、各送電器は、例えば、独立して出力の位相または強度の少なくとも一方を制御することのできる少なくとも1つの送電コイルを含む。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
1 送電器(一次側:送電側)
1A〜1D 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A〜2E 受電器
10A,10B 外部電源
11,11A,11B ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB、11a1,11a2 送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)
11b,11bA,11bB 電力供給コイル(第1コイル)
12,12A,12B 高周波電源部
13,13A,13B 送電制御部
14,14A,14B 通信回路部(第1通信回路部)
15 発振器
16 位相制御部
21,21A,21B ワイヤレス受電部
21a,21aA,21aB 受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)
21b,21bA,21bB 電力取出コイル(第4コイル)
22,22A,22B 受電回路部(整流部)
23,23A,23B 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25 バッテリ部(負荷)
60 プログラム(データ)提供者
61 ハードディスク装置
70 可搬型記録媒体
127 発振器
128 増幅器
129 整合器
131 送電制御回路
132 周波数ロック回路
133 内部バス
134 CPU(演算処理装置)
135 メモリ
136 入出力回路(I/O部)
171,172 増幅器
この出願で言及する実施例は、送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法に関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)を利用する場合、電力を送る側の送電器と、送電器から送られた電力を受け取る側の受電器がそれぞれ異なるメーカの製品であっても支障なく使用するために標準化を行うのが好ましい。
従来、無線による電力伝送技術としては、一般的に、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られている。
近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、磁界共鳴(磁界共振)や電界共鳴(電界共振)を利用した電力伝送技術に対する期待が高まっている。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2011−199975号公報 特開2008−283789号公報
内田 昭嘉他(UCHIDA Akiyoshi, et al.), "Phase and Intensity Control of Multiple Coil Currents in Resonant Magnetic Coupling," IMWS-IWPT2012, THU-C-1, pp.53-56, May 10-11, 2012 石崎 俊雄他(ISHIZAKI Toshio, et al.), "3-D Free-Access WPT System for Charging Movable Terminals," IMWS-IWPT2012, FRI-H-1, pp.219-222, May 10-11, 2012
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する無線電力伝送技術が注目されている。しかしながら、影響を及ぼし合う複数の送電コイル(送電器)により電力伝送を行うと、或る送電コイルに対して他の送電コイルが負荷となって電力伝送を最適な状態で行うことが難しくなる。
これは、磁界共鳴や電界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、たとえば、電磁誘導や電界誘導を利用して電力伝送を行う場合にも問題となる。
なお、本実施形態は、独立して出力を制御することができる少なくとも2つの送電コイルを含む送電器において、その少なくとも2つの送電コイルの出力がそれぞれ影響を及ぼし合う送電器に対して適用することができる。
さらに、本実施形態は、独立して出力を制御することのできる少なくとも2つの送電器を含む無線電力伝送システムにおいて、その少なくとも2つの送電器の出力がそれぞれ影響を及ぼし合う無線電力伝送システムに対しても適用することができる。
一実施形態によれば、影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルを含む送電器であって、前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、送電制御部と、を有する送電器が提供される。
前記送電制御部は、前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する。
開示の送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法は、電力伝送を好ましい状態で行うことができるという効果を奏する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。 図2Aは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図2Bは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図3Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図3Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図3Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図3Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図4Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図4Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図4Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図5Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図5Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図である。 図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。 図8Aは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その1)である。 図8Bは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その2)である。 図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その3)である。 図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)である。 図10は、単数送電器における送電プラン設計を説明するための図である。 図11は、複数送電器における送電プラン設計を説明するための図である。 図12は、複数送電器による無線電力伝送システムの一例を説明するための図である。 図13Aは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図13Bは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図14は、複数送電器による無線電力伝送システムの他の例を説明するための図である。 図15Aは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図15Bは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。 図16は、本実施形態の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図である。 図17は、図16に示す無線電力伝送システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャート(その1)である。 図18は、図16に示す無線電力伝送システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャート(その2)である。 図19は、送電器と送電器間の伝達情報の一例を説明するための図である。 図20は、送電器と受電器間の伝達情報の一例を説明するための図である。 図21は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図である。 図22は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図である。 図23は、図21および図22に示すパラメータの最適化処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図24は、定電流電源の一例を示すブロック図である。 図25は、図16に示す無線電力伝送システムにおける送電器の一例を示すブロック図である。
まず、送電器,無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送)システムおよび無線電力伝送方法の実施例を詳述する前に、無線電力伝送システムの例、並びに、複数の送電器および受電器を含む関連技術の無線電力伝送システムを、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、無線電力伝送システムの一例を概略的に示すブロック図である。図1において、参照符号1は一次側(送電側:送電器)を示し、2は二次側(受電側:受電器)を示す。
図1に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(送電共振コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(受電共振コイル)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図1に示されるように、送電器1と受電器2は、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴(電界共鳴)により、送電器1から受電器2へエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、送電共振コイル11aから受電共振コイル21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲PR)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲CR)よりも短く設定される(PR<CR)。
また、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)PRは、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる共振周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図2A〜図2Cは、図1の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。ここで、図2Aおよび図2Bは、3コイル構成の例を示し、図2Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図1に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図2Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図2Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図2Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図2A〜図2Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図3A〜図3Dは、独立共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図であり、図4A〜図4Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図である。
ここで、図3A〜図3Dは、図1および図2Bにおける受電共振コイル21aに対応し、図4A〜図4Dは、図2Aおよび図2Cにおける受電共振コイル21aに対応する。
図3Aおよび図4Aに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図3Bおよび図4Bに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Cおよび図4Cに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図3Dおよび図4Dに示す例は、図3Bおよび図4Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各受電共振コイル21aにおいて、通常時に受電共振コイル21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、送電器1の送電共振コイル11aも図3A〜図3Dおよび図4A〜図4Dと同様にすることもできるが、送電器1の送電共振コイル11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、送電共振コイル11aは、図3Aおよび図4Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2の受電共振コイル21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送を行うことが可能になる。
図5A〜図5Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図5A〜図5Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。
図5Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用する受電用の受電共振コイル21aは、送電共振コイル11aAおよび11aBにより囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電共振コイル(LC共振器)11aAおよび11aBは、1つの送電器に設けることも可能である。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含んでいてもよい。
なお、後に詳述するが、複数の送電器の内、1つの送電器をマスタとし、他の送電器をスレーブにするということは、1つのマスタ送電器の演算処理装置(CPU)により、マスタ送電器およびスレーブ送電器に含まれる全てのLC共振器を制御することを意味する。
図5Bは、送電共振コイル11aAおよび11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図5Cは、送電共振コイル11aAおよび11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
例えば、2個の直行する送電共振コイル11aAおよび11aBが同相出力の場合と逆相出力の場合を比較すると、合成磁界は90°回転した関係となり、それぞれの受電器2(受電共振コイル21a)の向きに合わせた送電を行う。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
上述した無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
なお、三次元空間に関しても、例えば、実際の三次元空間における3個以上の送電器を用いて、それぞれの出力位相差および出力強度比を調整することで、三次元空間上の任意の方向に磁界(電界)の向きを調整することが可能になることが理解されるであろう。
図6は、関連技術としての複数の送電器および受電器間の対応の一例を示す図であり、図7は、図6における各受電器の状態を説明するための図である。ここで、図6および図7は、2つの送電器1Aおよび1B、並びに、5つの受電器2A〜2Eが設けられた場合を示すものである。
図6に示す無線電力伝送システムでは、複数の送電器1A,1Bにおける1つの送電器1Aをマスタ(主)とすると共に、他の送電器1Bをスレーブ(従)と定め、例えば、複数の送電器および受電器の最適化等の処理は、マスタ(送電器1A)が決定するものとする。
図6において、参照符号PRaは送電器1Aの電力伝送範囲(マスタ送電圏)を示し、PRbは送電器1Bの電力伝送範囲(スレーブ送電圏)を示し、CRaは送電器1Aの通信範囲(マスタ通信圏)を示し、CRbは送電器1Bの通信範囲(スレーブ通信圏)を示す。
従って、受電器2A〜2Eは、次のようになる。すなわち、図7に示されるように、受電器2Aは、マスタ通信圏CRa外(×)、スレーブ通信圏Crb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、単に送電器からの通信を待つことになる。
次に、受電器2Bは、マスタ通信圏CRa内(○)、スレーブ通信圏CRb外、マスタ送電圏PRa外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタの送電器1Aとの通信を行うことにより、電力圏外(マスタおよびスレーブの送電圏外)であることが確認できる。
また、受電器2Cは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電PRa圏外およびスレーブ送電圏PRb外になり、マスタおよびスレーブの送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、電力圏外であることが確認できる。
さらに、受電器2Dは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb外になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1Aの電力圏内(マスタ送電圏PRa内)であることが確認できる。
そして、受電器2Eは、マスタ通信圏CRa内、スレーブ通信圏CRb内、マスタ送電圏PRa内およびスレーブ送電圏PRb内になり、送電器1A,1Bとの通信を行うことにより、1A,1Bの電力圏内(送電圏PRa,PRb内)であることが確認できる。
ここで、複数の送電器において、マスタになる1つの送電器を決定するが、その決定方法としては、後述するように、例えば、その通信圏内に最も多くの受電器が存在する、或いは、その送電圏内に最も多くの受電器が存在するといった条件により決定する。
例えば、その通信圏内にそれぞれ1つの受電器が存在するといった同等の条件が成立する場合、例えば、受電器との間の通信強度といったさらなる条件を加えてマスタを決定するか、或いは、乱数表等を使用して任意の1つの送電器をマスタに決定してもよい。
ところで、異なる製造メーカによる送電器は、例えば、その送電器の強度や位相の最適化ルールはそれぞれ異なる。そこで、例えば、複数の送電器の内の1つをマスタとして決めることで、そのマスタになった送電器が他のスレーブの送電器を含め、最適化を制御する。
図8A〜図8Cは、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図であり、複数の送電器間におけるマスタ/スレーブの決め方を説明するものである。
まず、複数の送電器において、マスタ送電器およびスレーブ送電器を設定するのは、送電器が互いに通信範囲(通信圏)内にあり、電力伝送範囲(送電圏)が重なっており、しかも、受電器により送電圏が重なっていることが検出される場合である。
すなわち、図8Aは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電器1Bの通信圏CRbは重なっているが、送電器1Aの送電圏PRaおよび送電器1Bの送電圏PRbは重なっていない場合を示す。このとき、互いの送電圏PRa,PRbは重ならないので、両方の送電器1Aおよび1Bを、それぞれマスタ送電器として設定される。
次に、図8Bは、送電器1Aの通信圏CRaおよび送電圏PRaと、送電器1Bの通信圏CRbおよび送電圏PRbが重なり、受電器2が送電圏PRaおよびPRbの両方に含まれる位置に存在する場合を示す。
この図8Bの場合には、送電器1A,1Bが互いに通信圏CRa,CRb内にあり、送電圏PRa,PRbが重なっており、しかも、受電器2により送電圏PRa,PRbが重なっていることが検出される。
従って、図8Bの場合には、送電器1A,1Bの内、一方(1A)をマスタ送電器に設定し、他方(1B)をスレーブ送電器に設定する。このとき、送電器1Bをマスタとし、送電器1Aをスレーブとしてもよいが、いずれかをマスタ送電器に設定する。
さらに、図8Cは、送電器1Aおよび1Bは、上述した図8Bと同じ位置関係に配設されているが、受電器2が存在しない(通信圏CRaおよびCRbに存在しない)場合であり、このときは、両方ともマスタに設定する。
なお、3つ以上の送電器に対しても、例えば、図8Bに相当する場合には、いずれか1つをマスタ送電器に設定する。なお、複数の送電器から1つのマスタ送電器を決定する手法は、様々なものが考えられるが、その一例を、図9を参照して説明する。
図9は、複数の送電器および受電器間の対応を説明するための図(その4)であり、4つの送電器1A〜1Dが一列に並んだ場合を示すものである。ここで、送電器1Aの通信圏CRaは、送電器1Bを含むが送電器1Cおよび1Dを含まず、同様に、送電器1Dの通信圏CRdは、送電器1Cを含むが送電器1Aおよび1Bを含まない。
また、送電器1Bの通信圏CRbは、送電器1Aおよび1Cを含むが送電器1Dを含まず、同様に、送電器1Cの通信圏CRcは、送電器1Bおよび1Dを含むが送電器1Aを含まない。
この図9の場合、例えば、送電器1Bをマスタ(マスタ送電器)とし、他の送電器1A,1C,1Dをスレーブ(スレーブ送電器)に設定する。ここで、送電器1Cをマスタに設定することもできる。
なお、送電器1Bをマスタに設定すると、送電器1Dに対して直接通信することは困難になるが、その場合、送電器1Dに対しては、送電器1Cを経由して通信を行い、最適化等の制御を行う。このように、複数の送電器から1つのマスタを決める場合、最も多くの送電器と直接通信が可能なものをマスタと決めるのが好ましい。
また、図9では、4つの送電器1A〜1Dが直線上に並べられているが、実際には、例えば、部屋の壁や天井に埋め込まれ、机やテーブルに内蔵され、或いは、床やテーブル等に載置されるといった、様々な位置関係で複数の送電器が配設されることになる。
以下、送電器,無線電力伝送システムおよび無線電力伝送方法の実施例を、関連技術の説明と共に、添付図面を参照して詳述する。まず、図10および図11を参照して、単数送電器および複数送電器における送電プラン設計を説明した後、図12〜図15Bを参照して、複数送電器による無線電力伝送システムの一例における送電効率の姿勢依存性を説明する。
図10は、単数送電器における送電プラン設計を説明するための図であり、例えば、前述した図1のように、受電器2に対して1つの送電器1で電力伝送するときの送電プラン設計を等価回路モデルにより説明するためのものである。
図10に示す等価回路モデルにおいて、参照符号VsおよびRsは高周波電源部12に対応し、L1およびR1は電力供給コイル(第1コイル)11bに対応し、C2,L2およびR2は送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)11aに対応する。
また、参照符号C3,L3およびR3は受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)21aに対応し、L4およびR4は電力取出コイル(第4コイル)21bに対応し、そして、RLは負荷(バッテリ部)25に対応する。
ここで、図10に示す等価回路モデルにおいて、容量値C2,C3および抵抗値RL,RSが既知で、抵抗値R1〜R4,インダクタンスL1〜L4,相互インダクタンスM12,M13,M14,M23,M24,M34が電磁界シミュレーションより計算可能である。
従って、上記各値を固定パラメータとして等価回路モデルによる回路シミュレータに設定し、演算を実行することにより、図1のような単数送電器における電力の送電効率を求めることができる。
すなわち、[受電電力POUT]/[送受電効率(POUT/PIN)]から、送電電力PINを算出することができる。これにより、算出された送電電力PINを電力供給コイル11bに入力することにより、負荷RLに対して適切な受電電力POUTを与えることが可能になる。なお、本明細書において、送受電効率は、送電効率とも称する。
図11は、複数送電器における送電プラン設計を説明するための図であり、例えば、前述した図5Aのように、受電器2に対して2つの送電器1A,1Bで電力伝送するときの送電プラン設計を等価回路モデルにより説明するためのものである。
図11に示す等価回路モデルにおいて、参照符号Vs1およびRs1は送電器1Aの高周波電源部12Aに対応し、Vs2およびRs2は送電器1Bの高周波電源部12Bに対応する。また、L11およびR11は送電器1Aの電力供給コイル11bAに対応し、L12およびR12は送電器1Bの電力供給コイル11bBに対応する。
さらに、参照符号C21,L21およびR21は送電器1Aの送電共振コイル11aAに対応し、C22,L22およびR22は送電器1Bの送電共振コイル11aBに対応する。なお、受電器2に関しては、上述した図10と同様であり、参照符号C3,L3およびR3は受電共振コイル21aに対応し、L4およびR4は電力取出コイル21bに対応し、そして、RLは負荷25に対応する。
図11に示す等価回路モデルにおいて、容量値C21,C22,C3および抵抗値RL,RS1,RS2が既知で、抵抗値R11,R12,R21,R22,R3,R4,インダクタンスL11,L12,L21,L22,L3,L4,が電磁界シミュレーションより計算可能である。さらに、相互インダクタンスM112,M122,M113,M114,M213,M214,M123,M124,M223,M224,M111,M111',M222,M222',M34も電磁界シミュレーションより計算可能である。
従って、上記各値を固定パラメータとして等価回路モデルによる回路シミュレータに設定し、Vs1およびVs2を可変パラメータとして演算を実行することにより、図5Aのような複数送電器における電力の送電効率を求めることができる。なお、Vs1およびVs2の設定値には、Vs1およびVs2の位相差と、Vs1およびVs2の強度比が含まれる。
ここで、図11に示す等価回路モデルにおいて、送電器1AにおけるRS1は、送電器1Bに対して受電器と同様に負荷として見え、また、送電器1BにおけるRS2は、送電器1Aに対して受電器と同様に負荷として見える。従って、高周波電源部12Aおよび12BのインピーダンスRS1およびRS2は、図11に示す無線電力伝送システムにおいて、送電効率に影響を与えることになる。
次に、図12,図13Aおよび図13B、並びに、図14,図15Aおよび図15Bを参照して、複数送電器による無線電力伝送において、各送電器の電源インピーダンスにより送電効率の姿勢依存性が変化する様子を説明する。
図12は、複数送電器による無線電力伝送システムの一例を説明するための図である。図12において、参照符号11a1,11a2は送電器1の送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)、15は発振器、16は位相制御部、171,172は増幅器、そして、21aは受電器2の受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)を示す。
ここで、図12は、位相および強度を制御することができる2つの送電共振コイル11a1,11a2を有する送電器1により、受電共振コイル21aを介して受電器2に電力伝送を行う場合を示している。なお、図12では、受電器2の受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2よりも十分に小さいものとする。また、送電共振コイル11a1は第1送電コイルに対応し、送電共振コイル11a2は第2送電コイルに対応する。
図12に示されるように、発振器15による発振信号は、増幅器171に入力される共に、位相制御部16を介して増幅器172に入力される。ここで、位相制御部16は、増幅器172に入力される信号の位相を制御することにより、増幅器171の出力位相と増幅器172の出力位相の差を調整する。
増幅器171および172は、それぞれ入力された発振信号を増幅して出力し、増幅器171の出力は、送電共振コイル11a1(ワイヤレス送電部111)に入力され、増幅器172の出力は、送電共振コイル11a2(ワイヤレス送電部112)に入力される。
ここで、位相制御部16による発振信号の位相制御で増幅器171および172の位相差が調整され、増幅器171および172の増幅率の制御で増幅器171および172の強度比が調整される。
なお、位相制御部16における位相制御、並びに、増幅器171および172における増幅率の制御は、例えば、図1における送電制御部13に従って行われる。
図12における増幅器(高周波電源)171および172は、交流のインピーダンス特性を有し、この電源のインピーダンス特性(図11におけるインピーダンスRS1およびRS2)が送電効率に影響を与えることになる。
なお、図12では、1つの送電器1における2つの送電共振コイル11a1および11a2を直角に配置しているが、例えば、図5Aと同様に、異なる送電器1Aおよび1Bの送電共振コイル11aAおよび11aBとしてもよい。
この場合、送電器1Aおよび1Bは、それぞれ発振器を有し、例えば、それぞれの通信部を介して位相情報を遣り取りして出力信号の位相差を調整する。また、送電器1Aおよび1Bの出力信号の強度比の調整に関しても同様である。
なお、送電共振コイル11a1および11a2を、異なる送電器1Aおよび1Bの送電共振コイル11aAおよび11aBとした場合、位相制御(位相差の制御)は、送電器1Aおよび1B間の通信を利用して行われる。
すなわち、2つの送電器1Aおよび1Bにおける出力信号の位相差および強度比の制御は、例えば、後に図16を参照して説明するマスタの送電器1Aにおける送電制御部13Aに従って、通信回路部14A,14Bを介して行われる。
図13Aは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。また、図13Bは、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図である。
ここで、定電圧電源は、例えば、電力伝送に使用する6.78MHzの信号を出力し、出力インピーダンスが数Ω〜数十Ω(一例として、50Ω)に整合された電源である。なお、本実施例に適用され得る出力インピーダンスが50Ωに整合された高周波電源は、従来から様々なものが提案され、例えば、通信分野において広く使用されている。
また、電力伝送に使用する周波数は、6.78MHzに限定されるものではなく、さらに、整合する出力インピーダンスは、50Ωではなく75Ωのものも広く利用されており、それを適用してもよい。
また、定電流電源は、例えば、電力伝送に使用する6.78MHzの信号を出力し、出力インピーダンスが高い電源(高インピーダンス電源:Hi−ZΩ電源)である。なお、定電流電源の出力インピーダンスは、これに限定されるものではないが、例えば、1MΩ以上である。また、定電流電源は、入力側の特性から0Ω電源と呼ばれることもある。後に、この定電流電源の一例を、図24を参照して説明する。
図13Aおよび図13Bにおいて、横軸は共振受電コイル21aの回転角度(受電器2の姿勢)を示し、縦軸は送電効率を示す。また、曲線LL11およびLL21は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が0°(同相)の場合を示し、曲線LL12およびLL22は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が90°の場合を示す。
さらに、曲線LL13およびLL23は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が180°(逆相)の場合を示し、曲線LL14およびLL24は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が−90°の場合を示す。
なお、送電共振コイル11aAおよび11aBの送電出力の強度比は1:1に固定して調整を行わず、受電器2は各送電共振コイル11aA,11aBから等距離に配置されているものとする。
まず、図13Aに示されるように、定電圧電源を適用した場合、例えば、増幅器171および172の出力インピーダンスが50Ωのとき、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差により最大の送電効率が得られる回転角度が変化することが分かる。
すなわち、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差が0°のとき(LL11)は、共振受電コイル21a(受電器2)の回転角度が0°および180°で最大の送電効率(約43%)が得られることがわかる。
また、位相差が90°のとき(LL12)は、受電器2の回転角度が135°で最大の送電効率が得られ、位相差が180°のとき(LL13)は、受電器2の回転角度が90°で最大の送電効率が得られることが分かる。そして、位相差が−90°(270°)のとき(LL14)は、受電器2の回転角度が45°で最大の送電効率が得られることが分かる。
従って、受電器2の回転角度が任意の値でも、すなわち、どのような姿勢の受電器2に対しても、送電共振コイル11aAおよび11aBの送電出力の位相差を適切に調整することにより最大の送電効率で電力を伝送することが可能なのが分かる。
次に、図13Bに示されるように、定電流電源を適用した場合、例えば、増幅器171および172の出力インピーダンスがHi−ZΩのとき、図13Aとは異なる特性が得られる。
具体的に、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差が0°のとき(LL21)および位相差が180°のとき(LL23)は、上述した曲線LL11およびLL13を、極大値および極小値を変化させずに、効率の中央値を上方に歪めた特性になる。
これに対して、位相差が90°のとき(LL22)および位相差が−90°のとき(LL24)は、受電器2の回転角度に関わらず、すなわち、受電器2の姿勢に影響されることなく、ほぼ一定の効率(約27%)になることが分かる。
図14は、複数送電器による無線電力伝送システムの他の例を説明するための図である。ここで、上述した図12では、受電器2の受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2よりも十分に小さかったが、図14は、受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2と同程度の大きさとされている。
すなわち、図12と図14では、送電器(送電共振コイル11a1,11a2)と受電器(受電共振コイル21a)の結合特性が異なっている。なお、他の構成および条件は、図12および図14で共通であり、その説明は省略する。
図15Aは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図であり、前述した図13Aに対応する。また、図15Bは、図14に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合の送電効率の姿勢依存性を説明するための図であり、前述した図13Bに対応する。
なお、図15Aおよび図15Bにおいて、横軸は共振受電コイル21aの回転角度(受電器2の姿勢)を示し、縦軸は送電効率を示す。また、曲線LL31およびLL41は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が0°の場合を示し、曲線LL32およびLL42は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が90°の場合を示す。
さらに、曲線LL33およびLL43は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が180°の場合を示し、曲線LL34およびLL44は、送電共振コイル11aAおよび11aBからの送電出力の位相差が−90°の場合を示す。
図15Aおよび図15Bと、上述した図13Aおよび図13Bの比較から明らかなように、受電共振コイル21aの大きさが送電共振コイル11a1,11a2と同程度の大きさになると、送電効率が大きくなることが分かる。これは、受電共振コイル21aが大きくなれば送電共振コイル11a1,11a2からの出力電力を十分に受け取ることができるようになるためである。
また、図15Aと図13Aの比較から明らかなように、受電共振コイル21aが大きくなると、位相差が0°のとき(LL31)および位相差が180°のとき(LL33)は、極小値を変化させずに、効率の極大値および中央値を上方に歪めた特性になる。具体的に、送電効率の最大値は、例えば、図13Aの約43%から図15Aの約90%へ大幅に大きくなる。
さらに、受電共振コイル21aが大きくなると、位相差が90°のとき(LL32)および位相差が−90°のとき(LL34)は、効率の極大値および極小値とも大幅に情報に変化する。
すなわち、曲線LL32およびLL34の極大値は、曲線のLL31およびLL33の極大値よりは低い(ただし、80%は超える)ものの、極小値でも70%に迫るものとなっている。
さらに、図15Bと図13Bの比較から明らかなように、受電共振コイル21aが大きくなると、位相差が0°のとき(LL41)および位相差が180°のとき(LL43)は、極小値を変化させずに、効率の極大値および中央値を上方に歪めた特性になる。この曲線LL41およびLL43は、上述した図15Aにおける曲線LL31およびLL33にほぼ一致する。
また、送電共振コイル11aAおよび11aBの位相差が90°のとき(LL42)および位相差が−90°のとき(LL44)は、受電器2の姿勢に影響されることなく、ほぼ一定の効率(約75%〜84%)になることが分かる。
従って、複数送電器で無線電力伝送を行う場合、複数の送電器の出力信号の位相差や強度比だけでなく、送電器の電源のインピーダンス特性(定電流電源/定電圧電源)や受電共振コイル21aの大きさといった条件を考慮するのが好ましいことが分かる。
すなわち、複数の送電器による連携送電を行う場合、所望の効率を確保する制御プランを策定するためには、電源のインピーダンス特性の情報、並びに、受電器と送電器の結合特性の情報を加味するのが好ましい。
そして、所望の送電効率特性が得られる可変パラメータの組み合わせを選択することで各送電器出力を決定し、例えば、最大の送電効率による電力伝送、或いは、高いロバスト性効率による電力伝送を選択的に実現することが可能になる。
ここで、高いロバスト性効率は、例えば、センサネットワークに対して、各センサの姿勢に関わらずそれぞれ充電を行う場合等において、大きな効果が得られることになる。なお、図12〜図15Bを参照して説明したのは単なる例であり、様々な変更が可能なのはいうまでもない。
図16は、本実施形態の無線電力伝送システムの一例を示すブロック図であり、2つの送電器1A,1B、および、2つの受電器2A,2Bを含む例を示すものである。
図16に示されるように、送電器1A,1Bは同様の構成を有し、それぞれワイヤレス送電部11A,11B、高周波電源部12A,12B、送電制御部13A,13Bおよび通信回路部14A,14Bを含む。
高周波電源部12A,12Bは、高周波の電力を発生するもので、例えば、前述した図1における高周波電源部12、或いは、図12および図14における増幅器171,172に相当し、固有の電源インピーダンスを有する。例えば、出力インピーダンスが50Ωに整合された定電圧電源や、高い出力インピーダンスのHi−ZΩ電源(定電流電源)などである。
送電制御部13A,13Bは、送電部11A,11Bを制御するもので、例えば、図12および図14における発振器15および位相制御部16を含んでもよい。通信回路部14A,14Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするものであり、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、高周波電源部12A,12Bは、それぞれ外部電源10A,10Bから電力の供給を受け取り、送電制御部13A,13Bには、検出部SA,SBからの信号が入力されている。なお、送電器1Aおよび送電器1Bは、例えば、1つの送電器1に設けた2つの送電部(11)としてもよいのはいうまでもない。
ワイヤレス送電部11A,11Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、高周波電源部12A,12Bから供給される高周波電力を磁界に変換する。検出部SA,SBは、送電器1A,1Bの相対位置関係や受電器2A,2Bの相対位置関係を検出する。ここで、相対位置関係を検出する方法としては、例えば、カメラによる撮像系を適用することができる。
なお、例えば、送電器1A,1Bの位置関係が固定され(送電共振コイル11a1,11a2が特定のL字ブロック状に固定され)、その情報を送電制御部13A,13Bが把握し、受電器2A,2Bが検出機能を有する場合、検出部SA,SBは省略可能である。
受電器2A,2Bも同様の構成を有し、それぞれワイヤレス受電部21A,21B、整流部(受電回路部)22A,22B、受電制御部23A,23B、通信回路部24A,24Bおよび機器本体(バッテリ部)25A,25Bを含む。
受電制御部23A,23Bは、受電器2A,2Bを制御するものであり、通信回路部24A,24Bは、各送電器および受電器間の通信を可能とするもので、前述したように、例えば、無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用する。
ワイヤレス受電部21A,21Bは、磁界共鳴であればコイルに相当し、無線で伝達された電力を電流に変換する。整流部22A,22Bは、ワイヤレス受電部21A,21Bから得られた交流電流をバッテリ充電や機器本体で使用可能なように直流電流に変換する。
上述したように、送電器1A,1Bおよび受電器2A,2Bは、それぞれの通信回路部14A,14B,24A,24Bを介して通信を行う。このとき、例えば、送電器1Aをマスタ(全体制御器)とし、このマスタ(送電器)1Aが、他の送電器1Bおよび受電器2A,2Bをスレーブとして制御することもできる。
また、ワイヤレス送電部11Aおよび11Bと、ワイヤレス受電部21Aまたは21Bの間は、磁界共鳴を利用した電力伝送に限定されるものではなく、例えば、電界共鳴、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送方式を適用することもできる。
図17および図18は、図16に示す無線電力伝送システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートであり、図17は受電器が不在の場合の処理を示し、図18は受電器が存在する場合の処理を示す。
なお、図17および図18は、送電器1Aがマスタ(全体制御器)で送電器1Bがスレーブの場合の処理を示す。ここで、スレーブ送電器1Bとマスタ送電器1Aの間は、例えば、通信回路部14A,14Bを介して情報の遣り取りを行い、受電器2A,2Bとマスタ送電器1Aの間は、例えば、通信回路部14A,24A,24Bを介して情報の遣り取りを行う。
図17に示されるように、まず、マスタ送電器1Aは、他の送電器(スレーブ送電器1B)を検索し、ステップST13において、他の送電器(スレーブ送電器1B)を通信により確認する。なお、通信は、無線および有線のいずれであっても構わない。
すなわち、スレーブ送電器1Bは、ステップST10において、マスタ送電器1Aに対して存在を伝達し、マスタ送電器1Aは、ステップST13において、他の送電器との通信が確立でき、IDを認証できた場合に、他の送電器を検出できたと判定する。なお、他の送電器(スレーブ送電器1B)を検出しない場合は、例えば、図10を参照して説明した単純な単数送電器による電力伝送を行うことになる。
マスタ送電器1Aは、他の送電器(スレーブ送電器1B)を検出した後、ステップST14において、例えば、検出部SAを用いてスレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認する。ここで、例えば、マスタ送電器1Aとスレーブ送電器1Bの相対位置が遠い等の理由により送電範囲が重ならない場合には、図10を参照して説明した単純な単数送電器による電力伝送を行うことになる。
ステップST14において、例えば、検出部SAを用いてスレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認し、送電範囲が重なる可能性がある他の送電器(スレーブ送電器1B)を検出した場合、ステップST15に進む。すなわち、スレーブ送電器1Bは、ステップST11において、マスタ送電器1Aに対して送電部情報を伝達し、マスタ送電器1Aは、そのスレーブ送電器1Bの送電部(ワイヤレス送電部)11Bを確認する。
さらに、スレーブ送電器1Bは、ステップST12に進んで、マスタ送電器1Aに対して電源インピーダンスを伝達し、マスタ送電器1Aは、ステップST16に進んで、確認した送電器1Bの電源インピーダンスを確認する。
すなわち、このステップST12およびST16により、スレーブ送電器1Bの電源および自身(マスタ送電器1A)の電源が、例えば、50Ωに整合された定電圧電源か、或いは、Hi−ZΩの定電流電源かを確認する。なお、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達する情報は、例えば、後に、図19を参照して説明する情報(データ)である。
そして、マスタ送電器1Aは、ステップST17に進んで、給電対象を検索する。この給電対象の検索は、例えば、各通信回路部(14A,14B,24A,24B)を使用して受電器2A,2Bを探索する。
以上において、スレーブ送電器は複数であってもよい。また、マスタ送電器1Aによる受電器(2A,2B)の探索は、無線通信により行い、給電対象となる受電器が検出されるまで、受電器の探索を続けることになる。
図18に示されるように、マスタ送電器1A(全体制御器)は、ステップST22において、給電対象を検索、すなわち、受電器(2A,2B)を探索するする。受電器2Aは、ステップST28において、マスタ送電器1Aに対して存在を伝える。なお、図18は、受電器2Aに対して電力伝送を行う場合を示すが、この受電器2Aもマスタ送電器1Aに対するスレーブとして機能する。
すなわち、スレーブ受電器2Aは、ステップST28において、マスタ送電器1Aに対して存在を伝達し、マスタ送電器1Aは、ステップST22において、他の受電器との通信が確立でき、IDを認証できた場合に、他の受電器を検出できたと判定する。
マスタ送電器1Aは、他の受電器(スレーブ受電器2A)を検出した後、ステップST23において、例えば、スレーブ受電器2Aとの相対位置関係を確認する。ここで、例えば、マスタ送電器1Aとスレーブ受電器2Aとの相対位置が遠い等の理由により送電範囲が重ならない場合には、他の受電器を検出できなかったと再判定する。
マスタ送電器1Aは、さらに、ステップST24に進み、確認したスレーブ受電器2Aの受電部(ワイヤレス受電部)21Aを確認する。すなわち、スレーブ受電器2Aは、ステップST29において、マスタ送電器1Aに対して受電部情報を伝達する。
この受電部情報には、例えば、受電器2Aにおける受電共振コイル(21a)の大きさの情報等が含まれる。なお、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに伝達する情報は、例えば、後に、図20を参照して説明する情報(データ)である。
次に、マスタ送電器1Aは、ステップST25に進んで、全情報から最適化プランを策定する。ここで、マスタ送電器1Aが使用する全情報には、例えば、図17のステップST16で確認した電源インピーダンス情報、および、ステップST24で確認した受電器2Aにおける受電共振コイル(21a)の大きさの情報等が含まれる。
また、マスタ送電器1Aは、ステップST26に進んで、各送電器(スレーブ送電器1B)に対して位相差・強度比(位相・強度条件)を伝達する。スレーブ送電器1Bは、ステップST20において、マスタ送電器1Aからの位相・強度条件を受け取り、ステップST21に進み、その位相・強度条件に従って送電を開始する。
そして、マスタ送電器1Aは、ステップST27に進んで、送電を開始する。なお、ステップST27におけるマスタ送電器1Aの送電開始と、ステップST21におけるスレーブ送電器1Bの送電開始は、例えば、通信回路部14Aおよび14Bを介して同期させて行う。
図19は、送電器と送電器間の伝達情報の一例を説明するための図であり、例えば、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達する情報の一例を示す。図19に示されるように、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達されるのは、例えば、データ1の製品ID、或いは、データ2のような各項目に対する実際のデータであってもよい。
ここで、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに対して、例えば、『1011』の製品IDが伝達されると、マスタ送電器1Aは、予め設けられているメモリテーブルから、伝達された製品IDに対応するデータ2と同様の各項目のデータを認識する。
或いは、マスタ送電器1Aは、例えば、有線または無線回線を介してインターネットに接続し、所定の外部サーバやウェブサイトから、伝達された製品IDに対応する最新のデータをダウンロードして各項目のデータを認識することもできる。
なお、スレーブ送電器1Bからマスタ送電器1Aに伝達される情報(各項目のデータ)には、例えば、送電共振コイル11aBおよび電力供給コイル11bBの情報と共に、前述した電源インピーダンスに関する情報も含まれている。また、図19に示す項目は、単なる例であり、様々に変更され得る。
図20は、送電器と受電器間の伝達情報の一例を説明するための図であり、例えば、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに伝達する情報の一例を示す。図20に示されるように、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに伝達されるのは、例えば、データ1のような製品ID、充電要求およびバッテリ残量である。
ここで、図19を参照して説明したのと同様に、例えば、『1101』の製品IDが伝達されると、マスタ送電器1Aは、予め設けられているテーブル、或いは、インターネットの所定のウェブサイトから、データ2のような各項目のデータを認識する。
なお、スレーブ受電器2Aからマスタ送電器1Aに対して、充電要求およびバッテリ残量と共に、データ1の製品IDではなくデータ2のような各項目に対する実際のデータを伝達してもよい。また、図20に示す項目は、単なる例であり、様々に変更され得るのはいうまでもない。
図21は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電圧電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図であり、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源によるシミュレーション結果を示すものである。
図21において、曲線LL61は、送電共振コイル11a1および11a2(増幅器171および172)の出力信号における強度比を固定して位相差を最適化したときの、受電共振コイル21a(受電器2)の回転角度に対する送電効率の変化を示す。
また、曲線LL62は、送電共振コイル11a1および11a2の出力信号における位相差を0°(同相)または、180°(逆相)に固定して強度比を最適化したときの、受電器2の回転角度に対する送電効率の変化を示す。
図21から明らかなように、例えば、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源を適用した場合、出力信号の位相差が固定されていると、強度比をどのように調整しても、常に、最大の送電効率を得ることができるとは限らない。
すなわち、定電圧電源を適用した場合、出力信号の位相差が固定されていると、強度比をどのように調整しても受電器の姿勢によっては最大の送電効率が得られない姿勢があることが分かる。
これに対して、例えば、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源を適用した場合、出力信号の強度比を固定して位相差を調整することにより、常に、最大の送電効率を得ることができる。
従って、送電器(ワイヤレス送電部)として定電圧電源を適用する場合、出力信号の強度比を固定して位相差を調整するのが好ましく、最大の送電効率を得る最適化のための支配的なパラメータが出力信号の位相差であることが分かる。
図22は、図12に示す無線電力伝送システムにおいて定電流電源を適用した場合のパラメータの最適化を説明するための図であり、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源によるシミュレーション結果を示すものである。
図22において、曲線LL71は、出力信号における強度比を固定して位相差を最適化したときの、受電器2の回転角度に対する送電効率の変化を示す。また、曲線LL72は、出力信号における位相差を同相または逆相に固定して強度比を最適化したときの、受電器2の回転角度に対する送電効率の変化を示す。
図22から明らかなように、例えば、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源を適用した場合、出力信号の強度比が固定されていると、位相差をどのように調整しても、常に、最大の送電効率を得ることができるとは限らない。
すなわち、定電流電源を適用した場合、出力信号の強度比が固定されていると、位相差をどのように調整しても受電器の姿勢によっては最大の送電効率が得られない姿勢があることが分かる。
これに対して、例えば、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源を適用した場合、出力信号の位相差を同相または逆相に固定して強度比を調整することにより、常に、最大の送電効率を得ることができる。
従って、送電器(ワイヤレス送電部)として定電流電源を適用する場合、出力信号の位相差を固定して強度比を調整するのが好ましく、最大の送電効率を得る最適化のための支配的なパラメータが出力信号の強度比であることが分かる。
上述したように、最適化プランを策定する場合、どのパラメータが支配的で有効なパラメータとなるのかは、電源インピーダンスによって変化することがわかる。すなわち、所望の効率を確保する制御プランを策定するためには、電源のインピーダンス特性の情報を加味するのが好ましいことが分かる。
このようにして最適化プランが策定されると、図12に示す無線電力伝送システムでは、その策定されたプランに対応した設定条件を送電器1における位相制御部16および増幅器171,172に伝達し、その設定条件に従った送電を開始する。
上述のようにして最適化プランに従った設定条件により送電を行うが、計算による設定条件では、調整しきれない場合には、テスト送電を行うのが好ましい。図23は、図21および図22に示すパラメータの最適化処理の一例を説明するためのフローチャートであり、テスト送電の一例を説明するためのものである。
図23に示されるように、ステップST30において、テスト送電を開始すると、ステップST34に進んで、送電電力および受電電力を確認し、送受電効率(送電効率)を確認する。すなわち、スレーブ送電器1Bは、ステップST31において、全体制御器(マスタ送電器1A)に対して自身の送電電力を伝達し、スレーブ受電器2Aは、ステップST37において、マスタ送電器1Aに対して自身の受電電力を伝達する。
マスタ送電器1Aは、ステップST35に進んで、ステップST34で確認した送受電効率が所望の効率かどうかを判定する。ステップST35において、送受電効率が所望の効率であると判定すると、テスト送電を終了して本格送電を行う。
一方、ステップST35において、送受電効率が所望の効率ではないと判定すると、ステップST36に進んで、図21および図22を参照して説明した電源インピーダンスに応じた支配的パラメータを可変して最適化プランの再設定を行う。
すなわち、ステップST36では、50Ω電源を適用している場合には、電源の位相差を可変して最適化プランの再設定を行い、一方、Hi−ZΩ電源を適用している場合には、電源の強度比を可変して最適化プランの再設定を行う。このように、電源インピーダンスに応じた支配的パラメータを調整することにより、最適化プランの再設定を短時間で行うことが可能になる。
なお、ステップST36において、マスタ送電器1Aは、再設定された最適化プランに従った位相および強度が設定され、ステップST33に進んで再びテスト送電を開始する。そして、マスタ送電器1Aは、ステップST33でテスト送電を開始した後、ステップST34に戻って同様の処理を繰り返す。
スレーブ送電器1Bは、ステップST32において、ステップST36で再設定された最適化プランに従った位相および強度条件を受け取ってその条件を設定し、ステップST33に進んで再びテスト送電を開始する。
そして、スレーブ送電器1Bは、ステップST33でテスト送電を開始した後、ステップST34に戻って同様の処理を繰り返す。
このように、上述したテスト送電では、例えば、位相差と強度比をバラバラに可変するのではなく、電源インピーダンス情報から得られる支配的なパラメータを可変することにより、短時間で最適な条件を探索することが可能になる。
以下に、無線電力伝送方法の実施例を説明する。まず、第1実施例は、効率を優先する無線電力伝送方法であり、第2実施例は、高ロバストを優先する無線電力伝送方法である。
まず、第1実施例の効率を優先する無線電力伝送方法を説明する。例えば、ポータブル電子機器(例えば、数W〜十数Wの電力容量)への給電では、比較的電力が大きいため、高い効率が求められる。一般に、送電効率が低下するとき、電力は、送電器の発熱の形でロスとなるため、特に、給電(送電)電力が大きいほど問題になる。
例えば、スマートフォンに代表されるポータブル電子機器であれば、元から各種センサを搭載しており、各種情報をセンサから得て送電側(マスタ送電器)に伝達することができる。これは、例えば、受電器の姿勢に対応した送電が求められる三次元ワイヤレス送電において、受電器の相対位置関係情報を得ることが可能であることを意味する。
そのため、例えば、ポータブル電子機器への給電では、受電器の位置情報に基づいて最大効率が得られるように、各送電器間の調整を行う制御が好ましい。従って、例えば、前述した図12に示す無線電力伝送システムに対しては、図21および図22を参照して説明した処理を行って最大の送受電効率(送電効率)を得る。
すなわち、定電圧電源(50Ω電源)を適用している場合には、図21を参照して説明したように、電源の強度比を固定して位相差を可変し、最大効率が得られるようにする。また、定電流電源(Hi−ZΩ電源)を適用している場合には、図22を参照して説明したように、電源の位相差を固定して強度比を可変し、最大効率が得られるようにする。
次に、第2実施例の高ロバストを優先する無線電力伝送方法を説明する。例えば、センサネットワークにおける各センサ(例えば、数μW〜数mWの電力容量)への給電では、比較的電力が小さいため、効率は重要な問題ではない。
仮に、給電(送電)電力が10mWの場合、効率が10%程度であっても、送電系の発熱は100mW程度であるため、放熱も容易である。一方、各センサは、小型かつ低コストであることが求められるため、ポータブル電子機器のように、位置検出機能等を全てのセンサに搭載することは期待できない。
そのため、センサネットワークでは、各センサの姿勢情報を個別に得ることはできず、その結果、センサネットワークへの給電は、受電器(各センサ)の姿勢に関係なく常に一定の効率が確保できる、姿勢に対するロバスト性が高い制御が好ましい。
そのため、例えば、センサネットワークの各センサへの給電では、例えば、前述した図13B(曲線LL22,LL24)を参照して説明したように、出力インピーダンスがHi−ZΩの定電流電源を使用し、位相差を90°(−90°)とするのが好ましい。
なお、図13Bにおいて、曲線LL22およびLL24は、送電共振コイル11aA,11aBの送電出力の位相差が90°および−90°の場合であるが、位相差は、必ずしもそれらの値に限定されるものではない。
すなわち、位相差は、90°および−90°からある程度の範囲でずれていても、回転角度による影響は大きくなるものの、実用上の姿勢に対するロバスト性を確保することができるのはいうまでもない。
なお、図13Aを参照して説明したように、例えば、出力インピーダンスが50Ωの定電圧電源を適用した場合、位相差を90°(−90°)としても姿勢に対する高ロバスト性を得ることは困難である。
図24は、定電流電源の一例を示すブロック図であり、高周波電源部12の一例を示すものである。図24に示されるように、定電流電源12は、交流信号生成部121、演算増幅器(オペアンプ)122、電流バッファ123、基準抵抗124、帰還抵抗125および容量126を備え、出力端に負荷が接続されている。ここで、負荷は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対応する。
交流信号生成部121は、基準交流電圧(例えば、周波数が6.78MHzで振幅が一定の交流電圧)を生成し、その基準交流電圧を、演算増幅器122の非反転入力(正入力)に与える。演算増幅器122の反転入力(負入力)は、基準抵抗124を介して接地され、演算増幅器122の出力は、電流バッファ123に入力される。
なお、本実施形態に適用する定電流電源(および定電圧電源)は、6.78MHzの信号を出力するものに限定されず、電力伝送に使用する周波数に従って変化するのはいうまでもない。
電流バッファ123の出力は、容量126を介して負荷(電力供給コイル)11bの一端に入力されると共に、帰還抵抗125および基準抵抗124を介して接地される。なお、電力供給コイル11bの他端は、基準抵抗124を介して接地される。
この図24に示す定電流電源(12)は、その出力インピーダンスが高インピーダンス(Hi−ZΩ)となっている。また、図24の定電流電源は、単なる一例であり、本実施形態に対しては、様々な定電流電源を適用することができるのはいうまでもない。
なお、例えば、50Ωに整合された定電圧電源は、通信分野において様々な形式のものが広く使用されており、本実施形態に対しては、それら様々な定電圧電源を適用することができる。
図25は、図16に示す無線電力伝送システムにおける送電器(マスタ送電器1A)の一例を示すブロック図である。図21および図16に示されるように、マスタ送電器1Aにおいて、ワイヤレス送電部11Aは、LC共振器11aAおよび電力供給コイル11bAを含む。高周波電源部12Aは、発振器127、増幅器128および整合器129を含む。
送電制御部13Aは、送電制御回路131および周波数ロック回路132を含む。周波数ロック回路132は、通信回路部14Aからの同期信号を受け取り、所定の間隔(例えば、数分〜数十分間隔)で、発振器127の同期処理を行う。発振器127は、所定の周波数(例えば、6.78MHz)の周波数の駆動信号を生成し、増幅器128および整合器129を介してワイヤレス送電部11A(電力供給コイル11bA)に出力する。
送電制御回路131は、内部バス133で繋がれたCPU(演算処理装置)134、メモリ135および入出力回路(I/O部)136を含む。ここで、メモリ135は、フラッシュメモリ等の書き替え可能な不揮発性メモリ、および、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を含む。そして、マスタ送電器1A,スレーブ送電器1Bおよび受電器等の様々な処理(ソフトウェアプログラム)を実行する。
マスタ送電器1Aには、例えば、スレーブ送電器1Bとの相対位置関係を確認するための検出部SAが設けられている。この検出部SAの出力は、例えば、I/O部136を介してCPU134に入力され、メモリ135に格納されたソフトウェアプログラム(無線電力伝送プログラム、或いは、送電器の制御プログラム)に従った処理に利用される。
なお、無線電力伝送プログラム(送電器の制御プログラム)は、例えば、そのプログラムが記録された可搬型記録媒体(例えば、SD(Secure Digital)メモリカード)70からI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。
或いは、プログラム(データ)提供者60のハードディスク装置61から回線およびI/O部136を介してメモリ135に格納されてもよい。ここで、ハードディスク装置61からI/O部136への回線は、通信回路部14を利用した無線通信回線であってもよい。
また、無線電力伝送プログラムが記録された可搬記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)としては、他にDVD(Digital Versatile Disk)ディスクやブルーレイディスク(Blu-ray Disc)等の記録媒体であってもよい。
以上の説明において、送電器および受電器は、主として1つまたは2つとして説明したが、それぞれさらに多数であってもよい。また、各実施例の説明は、主として磁界共鳴を利用した電力伝送を例としたが、本実施形態は、電界共鳴を利用した電力伝送、或いは、電磁誘導や電界誘導を利用した電力伝送に対しても適用することができる。
すなわち、本実施形態は、独立して出力の位相または強度の少なくとも一方を制御することができる少なくとも2つの送電コイルを含む送電器において、その少なくとも2つの送電コイルの出力がそれぞれ影響を及ぼし合う送電器に対して適用することができる。
さらに、本実施形態は、少なくとも2つの送電器を含む無線電力伝送システムにおいて、その少なくとも2つの送電器の出力がそれぞれ影響を及ぼし合う無線電力伝送システムに対しても適用することができる。なお、各送電器は、例えば、独立して出力の位相または強度の少なくとも一方を制御することのできる少なくとも1つの送電コイルを含む。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルを含む送電器であって、
前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、
前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、
前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する送電制御部と、を有する、
ことを特徴とする送電器。
(付記2)
前記送電制御部は、
前記第1電源を介して前記第1送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の送電器。
(付記3)
前記送電制御部は、
前記第2電源を介して前記第2送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
ことを特徴とする付記2に記載の送電器。
(付記4)
前記送電制御部は、
前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルと、前記送電器から電力を伝送する少なくとも1つの受電器の受電コイルの結合特性に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1項に記載の送電器。
(付記5)
前記送電制御部は、
前記第1電源および前記第2電源が定電圧電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との強度比を固定し、位相差の最適化を行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の送電器。
(付記6)
前記送電制御部は、
前記第1電源および前記第2電源が定電流電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差を固定し、強度比の最適化を行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の送電器。
(付記7)
前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルは、電界共鳴または磁界共鳴を利用して電力を送電する共振コイルである、
ことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1項に記載の送電器。
(付記8)
影響を及ぼし合う、第1送電コイルを含む第1送電器、および、第2送電コイルを含む第2送電器を備え、無線により少なくとも1つの受電器に対して電力を伝送する無線電力伝送システムであって、
前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、
前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、
前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する送電制御部と、を有する、
ことを特徴とする無線電力伝送システム。
(付記9)
前記送電制御部は、
前記第1送電器または前記第2送電器のいずれかをマスタとした送電器における送電制御部である、
ことを特徴とする付記8に記載の無線電力伝送システム。
(付記10)
前記送電制御部は、
前記第1電源を介して前記第1送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
ことを特徴とする付記8または9に記載の無線電力伝送システム。
(付記11)
前記送電制御部は、
前記第2電源を介して前記第2送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
ことを特徴とする付記10に記載の無線電力伝送システム。
(付記12)
前記送電制御部は、
前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルと、前記受電器の受電コイルの結合特性に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
ことを特徴とする付記8乃至付記11のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記13)
前記送電制御部は、
前記第1電源および前記第2電源が定電圧電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との強度比を固定し、位相差の最適化を行う、
ことを特徴とする付記8乃至付記12のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記14)
前記送電制御部は、
前記第1電源および前記第2電源が定電流電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差を固定し、強度比の最適化を行う、
ことを特徴とする付記8乃至付記12のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記15)
前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルは、電界共鳴または磁界共鳴を利用して電力を送電する共振コイルである、
ことを特徴とする付記8乃至付記14のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記16)
影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルを含み、無線により少なくとも1つの受電器に対して電力を伝送する無線電力伝送方法であって、
前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、
前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、を有し、
前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
ことを特徴とする無線電力伝送方法。
(付記17)
前記第1送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方は、前記第1電源により独立して制御され、
前記第2送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方は、前記第2電源により独立して制御される、
ことを特徴とする付記16に記載の無線電力伝送方法。
(付記18)
前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルと、前記受電器の受電コイルの結合特性に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
ことを特徴とする付記16または付記17に記載の無線電力伝送方法。
(付記19)
さらに、
前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルの出力信号を調整するためにテスト送電を行い、
前記テスト送電において、
前記第1電源および前記第2電源が定電圧電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との強度比を固定して位相差の最適化を行い、
前記第1電源および前記第2電源が定電流電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差を固定して強度比の最適化を行う、
ことを特徴とする付記16乃至付記18のいずれか1項に記載の無線電力伝送方法。
(付記20)
影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルと、前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、を含み、無線により少なくとも1つの受電器に対して電力を伝送する無線電力伝送プログラムであって、
コンピュータに、
前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する手順を、実行させる、
ことを特徴とする無線電力伝送プログラム。
1 送電器(一次側:送電側)
1A〜1D 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A〜2E 受電器
10A,10B 外部電源
11,11A,11B ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB、11a1,11a2 送電共振コイル(第2コイル:LC共振器)
11b,11bA,11bB 電力供給コイル(第1コイル)
12,12A,12B 高周波電源部
13,13A,13B 送電制御部
14,14A,14B 通信回路部(第1通信回路部)
15 発振器
16 位相制御部
21,21A,21B ワイヤレス受電部
21a,21aA,21aB 受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)
21b,21bA,21bB 電力取出コイル(第4コイル)
22,22A,22B 受電回路部(整流部)
23,23A,23B 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25 バッテリ部(負荷)
60 プログラム(データ)提供者
61 ハードディスク装置
70 可搬型記録媒体
127 発振器
128 増幅器
129 整合器
131 送電制御回路
132 周波数ロック回路
133 内部バス
134 CPU(演算処理装置)
135 メモリ
136 入出力回路(I/O部)
171,172 増幅器

Claims (20)

  1. 影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルを含む送電器であって、
    前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、
    前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、
    前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する送電制御部と、を有する、
    ことを特徴とする送電器。
  2. 前記送電制御部は、
    前記第1電源を介して前記第1送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送電器。
  3. 前記送電制御部は、
    前記第2電源を介して前記第2送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の送電器。
  4. 前記送電制御部は、
    前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルと、前記送電器から電力を伝送する少なくとも1つの受電器の受電コイルの結合特性に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の送電器。
  5. 前記送電制御部は、
    前記第1電源および前記第2電源が定電圧電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との強度比を固定し、位相差の最適化を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の送電器。
  6. 前記送電制御部は、
    前記第1電源および前記第2電源が定電流電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差を固定し、強度比の最適化を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の送電器。
  7. 前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルは、電界共鳴または磁界共鳴を利用して電力を送電する共振コイルである、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の送電器。
  8. 影響を及ぼし合う、第1送電コイルを含む第1送電器、および、第2送電コイルを含む第2送電器を備え、無線により少なくとも1つの受電器に対して電力を伝送する無線電力伝送システムであって、
    前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、
    前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、
    前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する送電制御部と、を有する、
    ことを特徴とする無線電力伝送システム。
  9. 前記送電制御部は、
    前記第1送電器または前記第2送電器のいずれかをマスタとした送電器における送電制御部である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線電力伝送システム。
  10. 前記送電制御部は、
    前記第1電源を介して前記第1送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の無線電力伝送システム。
  11. 前記送電制御部は、
    前記第2電源を介して前記第2送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方を独立して制御する、
    ことを特徴とする請求項10に記載の無線電力伝送システム。
  12. 前記送電制御部は、
    前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルと、前記受電器の受電コイルの結合特性に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  13. 前記送電制御部は、
    前記第1電源および前記第2電源が定電圧電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との強度比を固定し、位相差の最適化を行う、
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  14. 前記送電制御部は、
    前記第1電源および前記第2電源が定電流電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差を固定し、強度比の最適化を行う、
    ことを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  15. 前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルは、電界共鳴または磁界共鳴を利用して電力を送電する共振コイルである、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  16. 影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルを含み、無線により少なくとも1つの受電器に対して電力を伝送する無線電力伝送方法であって、
    前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、
    前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、を有し、
    前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
    ことを特徴とする無線電力伝送方法。
  17. 前記第1送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方は、前記第1電源により独立して制御され、
    前記第2送電コイルの出力信号における位相および強度の少なくとも一方は、前記第2電源により独立して制御される、
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線電力伝送方法。
  18. 前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルと、前記受電器の受電コイルの結合特性に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する、
    ことを特徴とする請求項16または請求項17に記載の無線電力伝送方法。
  19. さらに、
    前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルの出力信号を調整するためにテスト送電を行い、
    前記テスト送電において、
    前記第1電源および前記第2電源が定電圧電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との強度比を固定して位相差の最適化を行い、
    前記第1電源および前記第2電源が定電流電源のとき、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差を固定して強度比の最適化を行う、
    ことを特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれか1項に記載の無線電力伝送方法。
  20. 影響を及ぼし合う第1送電コイルおよび第2送電コイルと、前記第1送電コイルを駆動する第1電源と、前記第2送電コイルを駆動する第2電源と、を含み、無線により少なくとも1つの受電器に対して電力を伝送する無線電力伝送プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記第1電源および前記第2電源のインピーダンス情報に従って、前記第1送電コイルの出力信号と前記第2送電コイルの出力信号との位相差および強度比の少なくとも一方を制御する手順を、実行させる、
    ことを特徴とする無線電力伝送プログラム。
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AKIYOSHI UCHIDA, ET. AL.: ""Phase and Intensity Control of Multiple Coil Currents in Resonant Magnetic Coupling"", MICROWAVE WORKSHOP SERIES ON INNOVATIVE WIRELESS POWER TRANSMISSION: TECHNOLOGIES, SYSTEMS, AND APPL, JPN6016037047, 2012, US, pages 53 - 56, XP032185894, ISSN: 0003406785, DOI: 10.1109/IMWS.2012.6215818 *

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