JPWO2014080622A1 - 複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法および3次元画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法および3次元画像処理装置において、母材に繊維状のフィラーを含む複合材料の3次元画像から複合材料中の個々のフィラーの配向情報を定量的に抽出可能とする。本方法はデータ入力工程(#0)と領域選出工程(#1)とモデル設定工程(S1)と抽出メイン工程(S2)とを備える。データ入力工程(#0)では複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像をボクセルデータとして入力し、領域選出工程(#1)ではボクセルのデータ値に基づいてフィラーを含む候補領域を選出する。モデル設定工程(S1)では形状と配置を変化させるパラメータを有してフィラーの形状を再現すべく構成された形状モデルを設定する。抽出メイン工程(S2)ではモンテカルロ法に基づいて形状モデルのパラメータを変化させて候補領域にフィッティングした形状モデルをフィラーの配向情報として定量的に抽出する。【選択図】図2
Description
本発明は、複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法および3次元画像処理装置に関する。
近年、樹脂の射出成形による電子部品は、小型化の進む電子機器用に小型精密化と薄肉化が進んでいる。このような電子部品を構成する樹脂射出による成形品は、その剛性を向上させたり線膨張係数を調整したりするために、樹脂母材にガラス繊維等の繊維状フィラーを混入させた複合材料を用いて成形される。成形品は、寸法精度を確保するために、成形後の反り変形を事前に予測して設計すること、および反り変形が発生しにくい条件で成形することが重要である。成形品の反り変形は、成形品の形状、成形品への熱履歴の分布、成形品における線膨張係数やヤング率などの熱的機械的特性の分布、および成形品への熱負荷などの要因が複合して発生する。反り変形は、熱負荷等に対する成形品の応答として発生し、成形品の熱的特性の分布および機械的特性の分布に依存する。これらの特性分布は成形品内の各点における繊維状フィラーの量の分布と繊維状フィラーの長手方向の向きの分布(配向分布)に依存する。従って、成形品中の繊維状フィラーの分布と配向分布とを把握することにより、これらの分布を最適化できるように成形条件や成形金型を最適化して、成形品の反り変形を抑制したり制御したりすることができる。
成形品中の繊維状フィラーの配向分布を非破壊で評価する方法として、X線CT(コンピュータトモグラフィ)を用いて成形品の3次元画像を求め、その3次元画像を解析して繊維の形態や分布を求めて評価する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この評価方法は、互いに複雑につながった繊維同士が形成する3次元的な経路についての迂回度を指標に用いて、繊維配向の傾向を評価するものである。迂回度は、3次元画像から層状の矩形領域を切り出し、矩形領域の繊維の画像の細線化処理を行い、矩形領域の両端に両端点を有する経路について、両端点間の経路のうち最短の経路の経路長と両端点間の直線距離との比を求め、その比によって定義されている。
また、半導体パッケージにおける樹脂で封止されたワイヤおよび生物体内の血管や神経系の3次元座標を非破壊的に直接的に抽出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、被検体の所定の方向と交差する複数の断層画像を求め、隣接する2つの画像の各々から被検体内の線状素の断面に対応するものとして求めた2つの構成点を、線状素を表すベクトルの始点および終点とする。断層画像はX線CTまたはMRIなどによって得られる。断層画像中の構成点は線状素の断面を表す円または楕円の画像の重心によって決定され、始点と終点の対は、隣接画像間で互いに最短距離となる2点が選択される。線状素のベクトルを、順次、互いに隣接する断層画像間で接続することにより、被検体に含まれる線状素の3次元座標が抽出される。
中野亮 他著、「X線CTによる繊維配向観察とシミュレーション」、成形加工、第20巻、第4号、pp237−241(2008年)
しかしながら、上述した非特許文献1に示されるような繊維状フィラーの配向分布の評価方法においては、画像に細線化処理を行うので、画像中のノイズ部分をフィラーとして抽出してしまう可能性がある。これは、細線化の処理によって繊維の太さの情報が失われてしまい、ノイズと繊維とを区別できなくなることによる。また、個々のフィラーを独立に抽出する方法ではないので、繊維配向の傾向という定性的な情報しか得られない。また、上述した特許文献1に示されるような線状素の3次元座標を抽出する方法においては、線状素の方向が被検体の所定の方向として既知であることが前提とされており、フィラーが任意の方向を向いて複雑に配向している場合には適用できない。
本発明は、上記課題を解消するものであって、母材に繊維状のフィラーを含む複合材料の3次元画像から個々のフィラーの配向情報を定量的に抽出できる複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法および3次元画像処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法は、母材に繊維状のフィラーを含有させた複合材料の3次元画像から前記フィラーの配向情報を抽出する複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、複合材料の3次元画像からフィラーを表す画素を含むと推定される候補領域を所定の閾値を参照することにより選出する領域選出工程と、フィラーの形状モデルの形状と配置を変化させるパラメータをランダムに変化させるモンテカルロ法を用いて、領域選出工程によって選出された候補領域に形状モデルをフィッティングさせてフィラーの配向情報を抽出する抽出工程と、を備えることを特徴とする。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、候補領域から1本のフィラーの配向情報を抽出した後に、抽出に関与した領域を除去し、除去後の候補領域に対してモンテカルロ法による抽出を繰り返してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、3次元画像をボクセルデータとして入力するデータ入力工程を備え、ボクセルデータは、複合材料のX線CTによって取得され、ボクセルデータの各ボクセルは、X線の強度値に基づく値をデータ値として有してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、データ入力工程は、データ値を各ボクセル間で線形補間した値をデータ値とするボクセルを有する新たなボクセルデータを構成する補間工程を備えてもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、領域選出工程は、ボクセルのデータ値とX線の強度値に基づく所定の閾値とを比較し、閾値よりも大きいデータ値を有するボクセルの集合を候補領域としてもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、候補領域に属するボクセルから、互いに隣接するボクセルで成る群を生成し、生成された個々の群をそれぞれ新たな候補領域としてもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、形状モデルとして仮想円柱を用い、候補領域内で仮想円柱の形状と配置を表すパラメータを変化させ、その仮想円柱と候補領域とのフィッティングの度合いを、仮想円柱に含まれるボクセルのデータ値に基づく評価値の積算値によって評価してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、仮想円柱によるフィッティングを行った後に、形状モデルとして複数の制御点によって定義されるスプライン曲線を中心軸とする仮想パイプを用い、候補領域内で制御点の座標をパラメータとしてランダムに変化させ、その仮想パイプと候補領域とのフィッティングの度合いを評価し、仮想円柱による評価よりも仮想パイプによる評価が所定割合以上改善する場合に、仮想パイプによるフィッティングを採用し、そうでない場合は仮想円柱によるフィッティングを採用してフィラーの配向情報を抽出してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、形状モデルとして複数の制御点によって定義されるスプライン曲線を中心軸とする仮想パイプを用い、候補領域内で制御点の座標をパラメータとしてランダムに変化させ、その仮想パイプと候補領域とのフィッティングの度合いを、仮想パイプに含まれるボクセルのデータ値に基づく評価値の積算値によって評価してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、スプライン曲線の複数の制御点について順次1つずつ座標をランダムに変化させ、その1つの制御点を変化させる毎にスプライン曲線を決定してフィッティングの度合いを評価し、その次の制御点を変化させる前に、決定されたスプライン曲線上で全ての制御点を等間隔に再配置してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、形状モデル内にボクセルのサイズ以下の間隔で評価点を設定し、その評価点にボクセルのデータ値に基づく評価値を付与し、評価点に付与した評価値の積算値によってフィッティングの度合いを評価してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、形状モデルの中心軸に垂直な面に同心円状に評価点を配置してもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、評価点に付与する評価値は、ボクセルのデータ値を用いて線形補間して得られる値としてもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、評価値から閾値を差し引いた値を新たな評価値として用いてもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、新たな評価値が負の場合に、その値に所定の正数を掛けた値を新たな評価値として用いてもよい。
この複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、抽出工程は、形状モデルの中心軸に近い位置の評価値ほど大きくなるように重み付けをして積算値を算出してもよい。
本発明の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理装置は、母材に繊維状のフィラーを含有させた複合材料の3次元画像からフィラーの配向情報を抽出する3次元画像処理装置において、複合材料の3次元画像からフィラーを表す画素を含むと推定される候補領域を所定の閾値を参照することにより選出する領域選出手段と、フィラーの形状モデルの形状と配置を変化させるパラメータをランダムに変化させるモンテカルロ法を用いて、領域選出手段によって選出された候補領域に形状モデルをフィッティングさせてフィラーの配向情報を抽出する抽出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法によれば、形状と配置を変化させるパラメータを有するフィラーの形状モデルとモンテカルロ法とに基づいて3次元画像から個々のフィラーを抽出するので、フィラーの配向情報を定量的に抽出できる。
以下、本発明の一実施形態に係る複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法および3次元画像処理装置について、図面を参照して説明する。図1は、一実施形態に係る複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法(以下、画像処理方法という)を示す。本画像処理方法は、図1に示すように、領域選出工程(#1)と、抽出工程(#2)とを備え、これらの工程を実行して、母材に繊維状フィラーを含む複合材料の3次元画像から複合材料中のフィラーの配向情報を抽出する。配向情報は、例えば、フィラーが、どのような場所で、どのような形状と向きで配置されているかという情報である。領域選出工程(#1)は、複合材料の3次元画像を与えられ、その3次元画像からフィラーを表す画素(立体画素)を含むと推定される候補領域を所定の閾値を参照することにより選出する。抽出工程(#2)は、決定されたフィラーの形状モデルの形状と配置を規定するパラメータをランダムに変化させるモンテカルロ法を用いて、領域選出工程によって選出された候補領域に形状モデルをフィッティングさせてフィラーの配向情報を抽出する。フィラーの配向情報は、フィッティング結果の形状モデルの形状と配置から抽出される。処理対象の複合材料は、例えば、液晶ポリマーから成る母材に、繊維状のフィラーとして強化用のガラス繊維を含有させたガラス繊維強化樹脂である。この複合材料の場合、本画像処理方法は、液晶ポリマー樹脂中のガラス繊維の配向情報を抽出する。
図2は、上述の画像処理方法の変形例を示す。この画像処理方法は、上述の図1の実施形態において、領域選出工程(#1)の前工程としてデータ入力工程(#0)を備え、抽出工程(#2)が、モデル設定工程(S1)と、抽出メイン工程(S2)と、反復処理工程(S3,S4)とを備えている。
データ入力工程(#0)は、複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像をボクセルデータとして入力する。ボクセルデータは、複合材料のX線CTによって取得され、ボクセルデータの各ボクセルは、X線の強度値に基づく値をデータ値として有する。例えば、図3(a)(b)に示すように、複合材料Cは、長い箱状に射出成形されたガラス繊維強化された樹脂成形品1の一部である。このような樹脂成形品1において、矢印aで示す長手方向に樹脂注入が行われると、ガラス繊維は、大略その矢印aの方向に沿って配向する。
図4は、図3(b)に示した複合材料CのX線CTによる3次元画像G1を示す。3次元画像G1は、複合材料Cに様々な方向からX線を透過させ、X線の吸収量の分布に応じて形成されるプロファイルを収集し、それらのプロファイルから複合材料Cの多数の断層像を白黒の濃淡画像として再構成して3次元表示したものである。母材(例えば、液晶ポリマー)と繊維状フィラー(例えば、ガラス繊維)とのX線の吸収量の違いにより、繊維状フィラーの3次元画像情報を含む3次元画像G1が得られる。ボクセルのデータ値は、フィラーの存在率を表す。ボクセルのデータ値は、例えば、繊維状フィラーを表示するために濃淡や白黒の何れを用いるかに応じて、また、データ値を使用する目的に応じて、任意に設定することができる。ボクセルの用語は、本来、3次元画像空間を構成する一般的な立体画素の意味であるが、本画像処理方法においては、ある閾値で選択された画像処理の対象となる立体画素の意味で、例えば、候補領域からボクセルを削除する、等の表現で限定的に用いることがある。
領域選出工程(#1)は、複合材料Cの3次元画像中にフィラーを表す画素を含む領域であると推定される領域を含む候補領域を選出する。領域選出工程(#1)は、ボクセルのデータ値を候補領域選出用の閾値によって判別し、例えば、その閾値よりも大きいデータ値を有するボクセルの集合を候補領域とする。この場合、データ値はX線の強度値であり、その閾値は、X線の強度値の分布に基づいて設定される。図5(a)(b)の3次元画像G2,G3は、それぞれこのような閾値処理によって候補領域を選出した例を示す。この領域選出工程(#1)によって、フィラーを表す画素の領域がバックグラウンド領域から切り出される。
抽出工程(#2)のモデル設定工程(S1)は、領域選出工程(#1)によって設定された候補領域に対し、形状と配置をそれぞれ変化させるパラメータを有してフィラーの形状を再現できるように構成された形状モデルを設定する。形状モデルの形状は、複合材料中に含有されるフィラーの形状に応じて設定される。例えば、円柱、長楕円、角柱、複数の円柱が曲線に沿って連続した曲線チューブなどが形状モデルとされる。いずれも長手方向が定義される配向性を有するものである。
形状モデルの形状のパラメータは、形状モデルの形と大きさを決めるものであり、例えば、円柱の場合は半径と長さ、長楕円の場合は3次元楕円の3軸長、角柱の場合は断面形状と大きさ、および角柱の長さ、などを、所定の範囲内で変化させるように設定する。曲線チューブ(パイプ)の場合は、半径、曲線長、曲線の曲がり具合(例えば、折れ線近似して、各線分長、相互の折れ角度の方向と大きさ等)等を、所定の範囲内で変化させるように、形状のパラメータを設定すればよい。また、形状モデルの配置のパラメータは、3次元空間座標軸が設定された空間における候補領域に対して、形状が定まった形状モデルの位置と姿勢を定めるものであり、例えば、形状モデルの長手方向の両端の位置座標を配置のパラメータとすることができる。配置のパラメータは、形状モデルの配置を一意的に決定できるものであればよく、形状モデルの中心位置座標と方位角などを用いてもよい。
抽出メイン工程(S2)は、モデル設定工程(S1)によって設定された形状モデルのパラメータを変化させて候補領域に形状モデルをフィッティングさせ、そのフィッティングした形状モデルの形状と配置の情報をフィラーの配向情報とする。抽出メイン工程(S2)は、形状モデルのパラメータをランダムに変化させてフィッティングさせる処理をモンテカルロ法に基づいて行う。モンテカルロ法では、フィラーが存在する確率が高いボクセル群に対し、乱数を用いてパラメータを一定範囲内で変動させ、より評価の高くなるパラメータを採用するように、形状モデルのパラメータが最適化される。モンテカルロ法において、パラメータを変化させる毎に候補領域と形状モデルのフィッティングの度合いが所定の方法で求められた全体評価値によって評価される。その全体評価値が改善する方向に更新されなくなった時点で、そのときの形状モデルをフィラーと見倣して、1本のフィラーの抽出処理が収束する。
反復のための処理工程(S3)は、候補領域から抽出メイン工程(S2)によって1本のフィラーの配向情報を抽出する処理を繰り返して、複数のフィラーが含まれる候補領域の全域から全てのフィラーの配向情報を抽出するための処理を行う。反復のための処理工程(S3)は、1本のフィラーが抽出された後に、後続する次回の抽出を効率的に行うために、1つの形状モデルの最終のフィッティングに関与した領域を候補領域から除去する。その領域を除去したあとに、候補領域の残存領域があれば(S4でYes)、モデル設定工程(S1)からの処理が繰り返され、なければ(S4でNo)、画像処理が終了する。
本実施形態の画像処理方法によれば、形状と配置を変化させるパラメータを有するフィラーの形状モデルとモンテカルロ法とに基づいて3次元画像から個々のフィラーを抽出するので、フィラーの配向情報を定量的に抽出できる。また、本画像処理方法は、複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像が、X線CTなどによって非破壊で得られることにより、非破壊でフィラーの配向情報を定量的に抽出できる。
図6は、上述した画像処理方法の他の変形例を示す。この変形例は、複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、データ入力工程(#0)が、ボクセルのデータ値を各ボクセル間で線形補間する補間工程(#0a)を備えるものである。その線形補間は、例えば、三重線形補間を用いて行うことができる。
図7(a)に示すように、3次元画像データには、データ値を有するボクセルBxと、測定条件の影響などにより、本来有しているべきデータ値を有さないボクセルB0がある。補間工程(#0a)は、図7(b)に示すように、このようなボクセルB0に、その周辺のボクセルBxのデータ値に基づくデータ値を付与する。これにより、フィッティングの精度を向上できる。また、補間工程(#0a)は、図8に示すように、各ボクセルBx間でデータ値を線形補間して得た値をデータ値とする新たなボクセルbxを有する新たなボクセルデータを構成することができる。すなわち、データ入力工程(#0)は、ボクセルBxを分割して小さなボクセルbxを生成し、ボクセルBx間で線形補間した値をボクセルbxのデータ値とする。このボクセルの分割補間は、ボクセルのサイズが、フィラーのサイズと同程度か、より大きい場合などに、フィッティングの精度を向上できる。
図9、図10は、上述した画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この変形例は、図9に示すように、上述の領域選出工程(#1)が、大きな候補領域を、より小さな候補領域に分割する分割工程(#1a)を備えるものである。分割工程(#1a)では、候補領域に属するボクセルから、互いに隣接するボクセルで成る群(グループ)を生成し、個々の群をそれぞれ新たな候補領域とする。ボクセルは、2つのボクセルが互いに隣接する状況として、面間隣接、辺間隣接、および、頂点間隣接がある。そこで、例えば、互いに面間隣接するボクセルの集合であって所定個数以上のボクセルからなる集合を群と認定し、その群を新たな個別の候補領域とする。面間隣接したボクセルであっても、それらの集合が所定個数以上のボクセルを含まない場合、および、面間隣接していない孤立したボクセルは、候補領域から削除する。
もともと閾値より大きいデータ値を有するボクセルの1つの集合として選出されていた候補領域は、この分割工程(#1a)を経て複数の候補領域に細分化される。さらに、フィラーを構成するとは認められない所定個数以下に離散した島状のボクセルは排除される。その所定個数は、フィラーの形状その他の事前の知見、または試験的に抽出メイン工程(S2)を実行して得られる知見などに基づいて設定される。図10の3次元画像G4は、分割工程(#1a)を経て設定された候補領域の例を示す。なお、これらの分割工程の処理に際し、面間隣接だけでなく、辺間隣接、さらには頂点間隣接したボクセルも群に含めるようにしてもよい。
本画像処理方法は、このような分割工程(#1a)を備えることにより、モンテカルロ法による探索の範囲を狭くできるので、効率よく画像処理でき、抽出メイン工程(S2)の計算負荷を軽減することができる。また、本方法は、隣接するボクセルによって候補領域を設定するので、座標によるグループ分けをする場合における、グループ間をまたがるフィラーが分断されて2本のフィラーとして判定されてしまう、という弊害を回避できる。分割工程(#1a)は、上述の補間工程(#0a)を経たデータに適用できる。
図11乃至図14は、上述した画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この変形例は、図11(a)(b)(c)に示すように、フィラーの形状を再現する形状モデルとして仮想円柱Mを用いるものである。仮想円柱Mは、その半径Rと長さLとによって形状が決定され、その中心軸上の両端点P1,P2の座標P1(x1,y1,z1),P2(x2,y2,z2)によって、XYZ直交座標空間における空間配置が決定されるので、8つのパラメータを有する。両端点P1,P2間の距離が長さLを与えるので、パラメータを7つにできる。フィラーの直径が既知で、一定の値に固定できる場合は、半径Rを固定して、6つのパラメータとすることができる。仮想円柱Mの配置は、両端点P1,P2の座標による表示に限らず、中心点Pcの座標を用いたり、極座標(r,θ,φ)を用いて仮想円柱の傾きを表示したりすることができる。
このように、仮想円柱のパラメータとして、両端点の3次元座標、中心の3次元座標、方向(方位、高度)、長さ、半径などがあり、これらのうち、独立しているものは一部であり、残りは他の独立変数から導かれる。独立変数と従属変数の関係は相補的なものであり、どれを独立変数として扱うかは、ソフトウェア内で柔軟に変更することができる。例えば、端点の位置を変動する場合は、中心位置、長さ、および方向は端点の位置から導かれる。長さを変動する場合は、端点の位置は中心位置と長さから導かれる。フィラーの直径が既知である場合、円柱のパラメータとして、両端点の3次元座標(3×2=6自由度)のみを最適化すればよい。
この画像処理方法は、図12に示すように、抽出工程(#2)のモデル設定工程(S1)においてフィラーの形状を再現する形状モデルとして仮想円柱を設定し、抽出メイン工程(S2)において仮想円柱を用いてフィラーの抽出を行う。抽出メイン工程(S2)では、候補領域内で仮想円柱Mの形状(半径、長さ)と配置(両端の座標等)のパラメータをランダムに変化させ、変化した形状と配置を有する仮想円柱と候補領域とのフィッティングの度合いを評価してフィラーが抽出される。フィッティングの度合いは、図13に示すように、各ボクセルBxの内、仮想円柱Mに含まれるボクセルBx(黒丸で示されている)のデータ値を評価値として、その評価値の積算値によって評価される。評価は、例えば、その積算値、仮想円柱Mに含まれるボクセルBxの個数N、積算値を個数Nで除算して規格化した値などを用いて、総合的に行われる。例えば、規格化した値が一定で個数Nが増大傾向にある場合は、フィッティングがまだ収束してなく、仮想円柱Mをさらに伸張できる、と判断される。積算値が最大となる仮想円柱Mの形状と配置が、フィラーの配向情報として抽出される。総合評価値、例えば、図14(a)(b)(c)の3次元画像G5は、それぞれ異なる視点から見た候補領域の3次元画像とその領域中でフィッティングされた1つの仮想円柱Mを示す。
上述の仮想円柱Mを用いるフィラーの抽出処理をより詳細に説明する。フィラーの3次元画像、例えば、上述の3次元画像G4は、複数の候補領域の群を含み、各群は、それぞれ複数本のフィラーの画像を含んでいると考えられる。そこで、モデル設定工程(S1)において、それらのうちの1つの群について、複数の仮想円柱Mをランダムに生成し、各仮想円柱Mについて適合度を評価し、最も評価の高い仮想円柱Mを選択し、そのパラメータを初期パラメータとして採用する。次に、抽出メイン工程(S2)において、その初期パラメータから開始して、所定の変動範囲内で、パラメータをランダムに動かして評価し、評価が改善したら、パラメータを更新する。すなわち、最適化の基本アルゴリズムにはモンテカルロ法を用い、乱数を用いてパラメータを一定範囲内で変動させ、適合度の評価がより高くなるパラメータを採用する。この手順を、選択された仮想円柱について反復し、評価が改善しなくなったら、収束したとしてパラメータを確定し、これにより、1本のフィラーが抽出される。
次に、反復のための処理工程(S3)において、その抽出されたフィラーに関するボクセル、すなわち仮想円柱Mに属するボクセルは、候補領域から削除し、残りの候補領域について、同一群内で再度、初期パラメータを採用する手順から以後の手順を繰り返す。ボクセルが仮想円柱Mに属するか否かは、例えば、ボクセルの中心や1頂点などの、ボクセルに予め設定した点が仮想円柱M内に含まれているか否かで決めればよい。1つの群内でフィラーを抽出できなくなったら、他の群についてフィラーの抽出を行う。全ての群についてフィラーの抽出が終わった時点で、抽出工程(#2)が終了する。なお、1本のフィラーを抽出した後に候補領域からボクセルを削除する際に、所定の複数個数以下の島状のボクセルの組が発生したら、その島状のボクセルを同時に削除し、その後の処理の計算負荷を減らす。また、群内で、処理対象のボクセルの数が所定の個数以下になったとき、その群内でフィラーを抽出できなくなった、すなわち、群内で抽出が完了したと判断する。
図15は、上述した画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この画像処理方法の抽出工程(#2)は、上述のモデル設定工程(S1)の後の抽出メイン工程(S2)が、評価点設定工程(S21)を備えるものである。評価点設定工程(S21)は、仮想円柱M内にボクセルのサイズ以下の間隔で多数の評価点(サンプリング点)を設定し、各評価点にボクセルのデータ値に基づく評価値を付与する。
評価点は、例えば、上述の図13に示した仮想円柱M内のボクセルBxを上述の図8に示したように細分化して得た小さなボクセルの代表点、および、元の大きなボクセルの代表点とすればよい。各評価点の評価値は、細分化で生成されたボクセルを含む元の大きなボクセルのデータ値である。このような評価点と評価値は、仮想円柱M内だけで生成される。これにより、ボクセルデータの全体でデータ密度を上げる場合(例えば、図8)に比べて、計算を局所的に済ますことができる利点がある。評価点は、ボクセルの位置とデータ値とで構成されるボクセルデータ空間に固定された点であり、仮想円柱Mは、そのパラメータの変動に伴って、ボクセルデータ空間内で位置を変え、伸縮し、取り込んだ評価点によって、評価される。
抽出メイン工程(S2)は、上述の図12の抽出メイン工程(S2)におけるボクセルのデータ値の積算値に代えて、各評価点に付与された評価値の積算値を用いて、フィッティングの度合いを評価する。このようなボクセルの細分化による評価点とその評価値を用いることにより、仮想円柱M内に含まれるボクセルの体積をより精度良く積算値に取り込んで、フィッティングの度合いを、より精度良く評価することができる。
図16は、上述した画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この画像処理方法の抽出工程(#2)は、上述の評価点設定工程(S21)の後に、評価値補間工程(S22)を備えるものである。すなわち、評価値補間工程(S22)は、評価点に付与する評価値として、元のボクセルのデータ値を用いて線形補間して得られる値を、評価点の評価値とする。この場合、評価点は、ボクセルの代表点およびボクセルの代表点間に内挿した点であり、内挿による評価点の評価値はボクセルのデータ値を用いた線形補間で与えられる。線形補間の方法として、三重線形補間を用いることができる。例えば、各ボクセル間の中間位置に評価点を設定する場合、その評価点を囲む8つのボクセルのデータ値(評価値)の三重線形補間によって、評価点の評価値を決定すればよい。このような評価値補間工程(S22)を備えることにより、フィッティングの度合いを、より精度良く評価することができる。
図17は、上述した画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この画像処理方法の抽出工程(#2)は、上述の評価値補間工程(S22)の後に、評価値減算工程(S23)、ペナルティ工程(S24)、重み付け工程(S25)をさらに備えている。評価値減算工程(S23)は、評価値から所定の閾値を差し引いた値を新たに評価値とする。ペナルティ工程(S24)は、評価値が負の場合に、その値に所定の正数を掛けた値を新たな評価値とする。例えば、評価値が負の値を取る場合に評価値を10倍した値を新たな評価値とする。これらにより、仮想円柱がフィラー領域から出ることを抑止でき、フィラーの抽出効率を向上できる。重み付け工程(S25)は、仮想円柱の中心軸に近い位置の評価値ほど大きくなるように重み付けをする、例えば、中心軸からの距離の逆数に比例するように重み付けをする工程である。このような重み付けにより、仮想円柱の中心軸が、評価値の高い部分に早く近づくように、処理を加速することができる。
図18、図19、図20は、画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この画像処理方法は、上述した方法におけるボクセルデータ空間に固定された評価点を用いることに替えて、形状モデル(仮想円柱M)の位置、姿勢、形状の変化に合わせて位置が変化する評価点を用いるものである。図18(a)に示すように、パラメータの変動により、長さL0の仮想円柱Mの端点P1が位置Pxに移動した場合を考える。フィッティングの評価は、図18(b)に示す、端点P1,P2を有する長さLの傾いた仮想円柱Mについて行われる。端点P1は、元の位置P0から位置Pxに移動している。図18(b)(c)に示すように、評価点bは、仮想円柱M(形状モデル)の中心軸に垂直な円盤Bを端点P1,P2間に一定の間隔Δ1で設定し、各円盤B上に同心円状に配置設定される。円盤B上の評価点bは、半径R方向に一定の間隔Δ2、円周方向に一定の間隔Δ3で配置される。図19は、仮想円柱Mを、高さ、半径、円周方向のそれぞれについて細かく分割し、各分割点に評価点bを設定した様子を示す。画像G6中の仮想円柱Mの周辺のグレー部分は、閾値以上のデータ値を有して候補領域を形成しているボクセルを表す。
図20を参照して、この画像処理方法の抽出工程(#2)を説明する。モデル設定工程(S1)では、仮想円柱Mの端点P1,P2の位置および半径Rの初期値が設定される。抽出メイン工程(S2)は、単一の直線上のフィラーを抽出するため、工程(S101〜S110)を繰り返す。モデル設定工程(S1)と抽出メイン工程(S2)とを合わせて、単一直線工程(#21)と称することにする。
抽出メイン工程(S2)の最初に、変数Piに端点P1を設定し(S101)、端点P1の位置を変動させる(S102)。端点P2と変動後の端点P1の間に、等間隔に円盤Bを配置し(S103)、各円盤Bに同心円状に評価点b(サンプリング点)を配置する(S104)。円盤Bは、端点P1,P2にも配置される。評価点bは、仮想円柱Mに対して設定されるため、ボクセルデータ空間に対して非固定であり、任意の配置となる。各評価点bに、ボクセルのデータ値に基づいて3重線形補間で求めた評価値を付与する(S105)。仮想円柱M内の全ての評価点bの評価値を積算し、その積算値によってフィッティングの度合いが評価される(S106)。
端点P1の変動に対する評価の結果、モンテカルロ法における処理が収束していなければ(S107でNo)、工程(S102)からの処理が繰り返される。処理が収束ならば(S107でYes)、工程(S108)を経由して、変数Piに端点P2を設定し(S109)、端点P2について、端点P1の場合と同様に工程(S102〜S107)が行われる。両端点P1,P2の各々についての収束が確認されると(S108でYes)、収束判断のために、工程(S101)からの処理が少なくとも1回強制的に繰り返される。両端点P1,P2の変動に対する評価の向上が収束したと判断されると(S110でYes)、抽出メイン工程(S2)が終了する。これにより、単一直線工程(#21)が終了する。工程(S3、S4)は上記同様である。
上述の円盤B上の同心円状に配置した評価点bを用いることにより、形状モデルすなわち仮想円柱Mに含まれる情報を、仮想円柱Mの外形境界部分において取りこぼすことなく有効利用できる。上述の工程(S106)におけるフィッティングの度合いの評価には、上述した図17における評価値減算工程(S23)、ペナルティ工程(S24)、重み付け工程(S25)の手法を用いることができる。
図21乃至図28は、画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この画像処理方法は、湾曲したフィラーに対応できる形状モデルを用いるものである。図21の画像G7に示すように、複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像中に湾曲したフィラーFが発生することがある。これは、複合材料の強度向上のために繊維状のフィラーの長繊維化が図られる結果、フィラーが、より湾曲しやすいことによる。図22の画像G8に示すように、このような湾曲したフィラーについて仮想円柱Mによるフィッティングを行うと、複数の短い仮想円柱Mに分断された結果が得られる。そこで、湾曲したフィラーに対応できる形状モデルとして、複数の制御点によって定義されるスプライン曲線を中心軸とする一定半径の仮想パイプ(チューブ)を用いる。
図23に示すように、この画像処理方法の抽出工程(#2)は、モデル設定工程(S1)と抽出メイン工程(S2)とを合わせた単一曲線工程(#22)と、その後の工程(S3,S4)とを備えている。モデル設定工程(S1)では、端点P1,P2間に、n個の制御点{Ci:i=1,・・,n},C1=P1,Cn=P2を等間隔に配置し、初期値として直線状のスプライン曲線が設定される。このスプライン曲線に半径Rを付加して、スプライン曲線を中心軸とする一定半径Rの仮想パイプMPが設定される。スプライン曲線は、制御点間を任意の多項式で接続した曲線であり、従って、その曲線は必ず制御点を通る曲線または直線である。
抽出メイン工程(S2)では、全制御点Ciがスプライン曲線上に等間隔に再配置され(S200)、変数i=1とされ(S201)、端点P1=C1の位置が変動される(S202)。図24(a)に、スプライン曲線Spと制御点{Ci:i=1,・・,n}を備えた仮想パイプMPが示されている。制御点C1(端点P1)の位置が移動される様子が示されている。なお、図24(b)は、制御点C1が移動した後、工程(S200)によって、スプライン曲線Sp上で全制御点Ciが等間隔に再配置される様子を示す。
上述の工程(S202)による制御点C1(一般化して制御点Ci)の位置変動後に、図25(a)に示すように、スプライン曲線Spすなわち仮想パイプの中心軸に沿って、その中心軸に垂直に、等間隔に、円盤Bが配置される(S203)。各円盤Bには、図25(b)に示すように、同心円状に評価点bが配置される(S204)。この円盤Bの配置間隔の設定や円盤B上の評価点の配置は、上述した図18(b)(c)に示したΔ1,Δ2,Δ3と同様の値を用いて行えばよい。評価点bは、仮想パイプMPに対して設定されるため、ボクセルデータ空間に対して非固定であり、任意の配置となる。
各評価点bには、ボクセルのデータ値に基づいて3重線形補間で求めた評価値が付与される(S205)。仮想パイプMP内の全ての評価点bの評価値を積算し、その積算値によってフィッティングの度合いが評価される(S206)。単一の制御点Ciの変動に対する評価の結果、モンテカルロ法における処理が収束していなければ(S207でNo)、工程(S202)からの処理が繰り返される。処理が収束ならば(S207でYes)、工程(S208)を経由して、変数iについて、i=i+1とされ(S209)、次の制御点Ciについて、上記同様に工程(S202〜S207)が行われる。
全制御点C1〜Cnの各々についての収束が確認されると(S108でYes)、収束判断のために、工程(S201)からの処理が少なくとも1回強制的に繰り返される。両端点P1,P2の変動に対する評価の向上が収束したと判断されると(S210でYes)、抽出メイン工程(S2)が終了する。これにより、単一曲線工程(#22)が終了する。工程(S3、S4)は上記同様である。図26の画像G9は、仮想パイプMPに評価点bを設定した状態を示す。図27の画像G10は、仮想パイプMPを用いたフィッティング途中の状態を示す。
上記において、制御点Ciの数nを可変としてもよい。例えば、最初はn=2、すなわち仮想円柱Mとし、制御点Ciを際配置する工程(S200〜S208)のタイミングで、nを増やせばよい。また、上記において、制御点{Ci:i=1,・・,n}は、図28(a)に示すように、その並びの順番に、制御点C1から位置の変動を行い、全体の繰り返しの際も、同じく制御点C1から位置の変動を行っている。これに対し、図28(b)に示すように、制御点C1から位置の変動を行い、全体の繰り返しの際には、逆順で制御点Cnから位置の変動を行うようにしてもよい。また、図28(c)に示すように、制御点{Ci:i=1,・・,n}の両端から、交互に、制御点Ciの位置の変動を行うようにしてもよい。制御点Ciの位置の変動の順番は、例えば、変動量の大きいところを先に変動させることで早期に収束させるために、任意に選択することができる。
図29、図30は、画像処理方法のさらに他の変形例を示す。この画像処理方法は、図29に示すように、上述の図20に示した単一直線工程(#21)と、図23に示した単一曲線工程(#22)と、その後の新たな判定工程(#23)と、を組み合わせた処理方法である。すなわち、この画像処理方法は、仮想円柱Mによる単一のフィラーに対するフィッティングを行い(#21)、決定された仮想円柱Mの両端点P1,P2を端点とする仮想パイプMPを用いて単一のフィラーに対するフィッティングを行う(#22)。その後、判定工程(#23)において、単一直線工程(#21)による評価結果と、単一曲線工程(#22)による評価結果とを比較する(S30)。比較の結果、仮想パイプMPによる評価が所定割合、例えば10%以上、改善している場合に(S30でYes)、仮想パイプMPによるフィッティング結果を採用し(S31)、そうでない場合は(S30でNo)、仮想円柱Mによる結果を採用する(S32)。
図30(a)〜(h)を参照して、上述の処理の具体例を説明する。図30(a)に示すように、直線状の形状モデルである仮想円柱Mによってフィッティングを行うと4つの仮想円柱Mでフィッティングされるような、湾曲した1本のフィラーを想定する。湾曲したフィラーの全長に対して、単一直線工程(#21)によって、短い仮想円柱Mが抽出されている。図30(b)に示すように、抽出された仮想円柱Mに対して、単一曲線工程(#22)により、直線状のスプライン曲線Spが設定され、端点P1に位置する制御点C1の位置が変動される。図30(c)に示すように、制御点C1の位置が変動される毎に、制御点Ciの再配置とフィッティングの評価が行われ、さらに、制御点C1の位置が変動される。図30(d)に示すように、制御点C1の位置がフィラーの端部に至ると、制御点C1の位置の変動が収束する。
その後、図30(e)〜(g)に示すように、制御点C2,C3,・・,Cnと順番に位置の変動と評価が行われ、制御点Cnの位置がフィラーの他端部に至ると、制御点Cnの位置の変動が収束する。この後、再度、制御点C1から順に、制御点Cnまで位置の変動と評価が行われ、評価の向上の変化具合に基づいて、1本のフィラーに対する抽出の収束が確認される。その結果、図30(h)に示すように、湾曲した1本のフィラーに対する仮想パイプMPが決定される。
図31は、一実施形態に係る複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理装置(以下、画像処理装置2という)を示す。画像処理装置2は領域選出部11、モデル設定部12、抽出メイン部13、データ入力部14、操作部15、表示部16、および、これらを制御する制御部10とを備え、母材に繊維状のフィラーを含有した複合材料の3次元画像からフィラーの配向情報を抽出する。3次元画像は、データ入力部14から入力される。制御部10は、コンピュータで構成され、領域選出部11、モデル設定部12、および、抽出部メイン13は、コンピュータ上で動作するプログラムで構成されている。データ入力部14、操作部15、および表示部16は、通常のコンピュータに備えられる、USBポート、DVDプレーヤ、ハードディスク、キーボード、マウス、ポインタ、フラットパネルディスプレイ等の機器からなる。
領域選出部11は、複合材料の3次元画像中にフィラーを表す領域であると推定される領域を含む候補領域を選出して設定する。モデル設定部12は、領域選出部11によって設定された候補領域に対し、形状と配置をそれぞれ変化させるパラメータを有してフィラーの形状を再現する形状モデルを設定する。抽出メイン部13は、モデル設定部12によって設定された形状モデルのパラメータをランダムに変化させることによりモンテカルロ法に基づいて候補領域に形状モデルをフィッティングさせる。抽出メイン部13は、そのフィッティングした形状モデルの形状と配置をフィラーの配向情報として抽出する。制御部10は、3次元画像中のフィラーの抽出が完了するまで、モデル設定部12と抽出メイン部13の動作を反復させる。領域選出部11、モデル設定部12、抽出メイン部13、およびデータ入力部14は、上述した図2における領域選出工程(#1)、モデル設定工程(S1)、抽出メイン工程(S2)、およびデータ入力工程(#0)の各処理を実行する。また、画像処理装置2は、図1、図2のフローチャートによって説明した処理に限らず、他のフローチャートによって説明した処理を行うことができる。
(実施例)
図32、図33は実施例を示す。図32は、図3(b)に示した複合材料Cについて、本画像処理方法および画像処理装置を用いて抽出した繊維状フィラーの3次元画像G11を示す。複合材料C(供試材料)は、上述の図3(a)に示した、外形長さ17.8×幅1.83×高さ0.4mm、開口部長さ16.5mm、底面部厚み0.12mm、側面厚み0.163mmの各寸法を有する箱形状の薄肉射出成形品1の中央部を切り出したものである。複合材料Cは、平均繊維長88μmのガラス繊維をフィラーとして添加した超耐熱性のI型と呼ばれる液晶ポリマーであり、成形は最大型締力196kNのプリプラ式射出成形機を用いて行った。
図32、図33は実施例を示す。図32は、図3(b)に示した複合材料Cについて、本画像処理方法および画像処理装置を用いて抽出した繊維状フィラーの3次元画像G11を示す。複合材料C(供試材料)は、上述の図3(a)に示した、外形長さ17.8×幅1.83×高さ0.4mm、開口部長さ16.5mm、底面部厚み0.12mm、側面厚み0.163mmの各寸法を有する箱形状の薄肉射出成形品1の中央部を切り出したものである。複合材料Cは、平均繊維長88μmのガラス繊維をフィラーとして添加した超耐熱性のI型と呼ばれる液晶ポリマーであり、成形は最大型締力196kNのプリプラ式射出成形機を用いて行った。
X線CTによる3次元画像は、マイクロフォーカスX線CTを用いて撮像した成形品の断層画像のデータから再構成した。再構成した画像は、上述の図4に3次元画像G1として示されており、L字型の成形品形状と、内部のガラス繊維の存在を目視確認できる。3次元画像データの大きさは、300×348×200ボクセルであり、1ボクセルの1辺の実サイズは約3μmである。この実施例では、形状モデルとして仮想円柱を用いて抽出を行った。ガラス繊維の直径が10μmと既知である。従って、仮想円柱のパラメータとして、両端点の3次元座標(3×2=6自由度)のみを、モンテカルロ法によって変化させて最適化した。適合度(フィッティングの度合い)の評価は、図18,図19に示した評価点b(サンプリング点)を用いる方法で行った。
図33は、本画像処理方法および画像処理装置を用いて抽出したフィラーの繊維長の分布を示す実施例であり、実測したフィラーの繊維長の分布を比較例として、一緒に示す。比較例の実測値は、供試材料の樹脂部分を焼いてガラス繊維のみを取り出し、その長さを実測して得たものである。実施例と比較例の両者の繊維長分布は、良い一致を示している。また、例えば、度数の最大を与える60〜80μmのビンにおいて、実施例では22.2%であり、比較例では27.0%であり、その差は4.8%に納まっている。また、本画像処理方法および画像処理装置を用いる実施例により、供試材料を破壊することなく、非破壊で、フィラーの配向情報を抽出することができた。ここでは、フィラーの配向情報を抽出する際に得られるフィラーの繊維長の分布のみを示したが、複合材料C(供試材料)におけるフィラーの配向や配向度の分布は、個々のフィラーの配向情報から、直接、定量的に算出することができる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態および変形例の構成を互いに組み合わせた構成とすることができ、また、各工程の順番を適宜入れ替えた構成とすることができる。例えば、評価点設定工程(S21)は、領域選出工程(#1)の後であって、モデル設定工程(S1)よりも前に、備える構成としてもよい。この場合、評価点(サンプリング点)は、例えば、ボクセルを細分化した各分割点に設定すればよく、形状モデルに依存することなく3次元画像空間に固定した評価点とすることができる。また、評価値減算工程(S23)、ペナルティ工程(S24)、および、重み付け工程(S25)は、評価点を用いない場合、すなわち、ボクセルのデータ値を評価値とする場合にも適用することができる。
また、3次元画像の分解能が高く、ボクセルのサイズが形状モデル(フィラー)のサイズよりも十分小さい場合には、評価点(サンプリング点)を設定する必要はなく、逆に、ボクセルを統合する工程を備える構成とすることができる。例えば、4つのボクセルをそれらのデータ値の平均値を新たなデータ値とする1つの大きなボクセルとすればよい。3次元画像のデータは、X線CTによるデータに限らず、任意の3次元画像取得手段によるデータを用いることができる。例えば、MRI画像データを用いることができ、また、透明樹脂の場合には光学的CT画像データを用いることができる。また、それらのデータ形式は、ボクセルに限らず、任意形状の立体画素を用いることができる。
11 領域選出部(領域選出手段)
12 モデル設定部(モデル設定手段)
13 抽出メイン部(抽出手段)
2 3次元画像処理装置
b 評価点(サンプリング点)
Bx ボクセル
C 複合材料
C1,・・,Cn,Ci 制御点
F フィラー
G1〜G11 3次元画像
M 仮想円柱(形状モデル)
MP 仮想パイプ(形状モデル)
Sp スプライン曲線
12 モデル設定部(モデル設定手段)
13 抽出メイン部(抽出手段)
2 3次元画像処理装置
b 評価点(サンプリング点)
Bx ボクセル
C 複合材料
C1,・・,Cn,Ci 制御点
F フィラー
G1〜G11 3次元画像
M 仮想円柱(形状モデル)
MP 仮想パイプ(形状モデル)
Sp スプライン曲線
Claims (17)
- 母材に繊維状のフィラーを含有させた複合材料の3次元画像から前記フィラーの配向情報を抽出する複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法において、
前記複合材料の3次元画像からフィラーを表す画素を含むと推定される候補領域を所定の閾値を参照することにより選出する領域選出工程と、
フィラーの形状モデルの形状と配置を変化させるパラメータをランダムに変化させるモンテカルロ法を用いて、前記領域選出工程によって選出された候補領域に前記形状モデルをフィッティングさせてフィラーの配向情報を抽出する抽出工程と、を備えることを特徴とする複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。 - 前記抽出工程は、前記候補領域から1本のフィラーの配向情報を抽出した後に、前記抽出に関与した領域を除去し、除去後の候補領域に対して前記モンテカルロ法による抽出を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記3次元画像をボクセルデータとして入力するデータ入力工程を備え、
前記ボクセルデータは、複合材料のX線CTによって取得され、前記ボクセルデータの各ボクセルは、X線の強度値に基づく値をデータ値として有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。 - 前記データ入力工程は、前記データ値を各ボクセル間で線形補間した値をデータ値とするボクセルを有する新たなボクセルデータを構成する補間工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記領域選出工程は、前記ボクセルのデータ値とX線の強度値に基づく所定の閾値とを比較し、前記閾値よりも大きいデータ値を有するボクセルの集合を候補領域とすることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記候補領域に属するボクセルから、互いに隣接するボクセルで成る群を生成し、前記生成された個々の群をそれぞれ新たな候補領域とすることを特徴とする請求項5に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記形状モデルとして仮想円柱を用い、前記候補領域内で前記仮想円柱の形状と配置を表すパラメータを変化させ、その仮想円柱と前記候補領域とのフィッティングの度合いを、前記仮想円柱に含まれるボクセルのデータ値に基づく評価値の積算値によって評価することを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか一項に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記仮想円柱によるフィッティングを行った後に、前記形状モデルとして複数の制御点によって定義されるスプライン曲線を中心軸とする仮想パイプを用い、前記候補領域内で前記制御点の座標をパラメータとしてランダムに変化させ、その仮想パイプと前記候補領域とのフィッティングの度合いを評価し、前記仮想円柱による評価よりも前記仮想パイプによる評価が所定割合以上改善する場合に、前記仮想パイプによるフィッティングを採用し、そうでない場合は前記仮想円柱によるフィッティングを採用してフィラーの配向情報を抽出することを特徴とする請求項7に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記形状モデルとして複数の制御点によって定義されるスプライン曲線を中心軸とする仮想パイプを用い、前記候補領域内で前記制御点の座標をパラメータとしてランダムに変化させ、その仮想パイプと前記候補領域とのフィッティングの度合いを、前記仮想パイプに含まれるボクセルのデータ値に基づく評価値の積算値によって評価することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記スプライン曲線の前記複数の制御点について順次1つずつ座標をランダムに変化させ、その1つの制御点を変化させる毎に前記スプライン曲線を決定して前記フィッティングの度合いを評価し、その次の制御点を変化させる前に、前記決定されたスプライン曲線上で前記全ての制御点を等間隔に再配置することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記形状モデル内に前記ボクセルのサイズ以下の間隔で評価点を設定し、その評価点にボクセルのデータ値に基づく評価値を付与し、前記評価点に付与した評価値の積算値によって前記フィッティングの度合いを評価することを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか一項に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記形状モデルの中心軸に垂直な面に同心円状に前記評価点を配置することを特徴とする請求項11に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記評価点に付与する評価値は、前記ボクセルのデータ値を用いて線形補間して得られる値とすることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の複合材料中繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記評価値から閾値を差し引いた値を新たな評価値として用いることを特徴とする請求項7乃至請求項13の何れか一項に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記新たな評価値が負の場合に、その値に所定の正数を掛けた値を新たな評価値として用いることを特徴とする請求項14に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 前記抽出工程は、前記形状モデルの中心軸に近い位置の評価値ほど大きくなるように重み付けをして前記積算値を算出することを特徴とする請求項7乃至請求項15の何れか一項に記載の複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法。
- 母材に繊維状のフィラーを含有させた複合材料の3次元画像から前記フィラーの配向情報を抽出する複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理装置において、
前記複合材料の3次元画像からフィラーを表す画素を含むと推定される候補領域を所定の閾値を参照することにより選出する領域選出手段と、
フィラーの形状モデルの形状と配置を変化させるパラメータをランダムに変化させるモンテカルロ法を用いて、前記領域選出手段によって選出された候補領域に前記形状モデルをフィッティングさせてフィラーの配向情報を抽出する抽出手段と、を備えることを特徴とする複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理装置。
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