JP7356365B2 - 繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システム - Google Patents
繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP7356365B2 JP7356365B2 JP2020013759A JP2020013759A JP7356365B2 JP 7356365 B2 JP7356365 B2 JP 7356365B2 JP 2020013759 A JP2020013759 A JP 2020013759A JP 2020013759 A JP2020013759 A JP 2020013759A JP 7356365 B2 JP7356365 B2 JP 7356365B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filler
- undefibrated
- pellets
- rays
- press sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
ところが、繊維状フィラー束の中には解繊が不十分な状態で繊維状フィラーが束のまま残存する場合がある。そのような解繊が不十分な状態の繊維状フィラー束(以後、未解繊フィラーと称する)は射出成形の際にノズルの詰まりの原因となる等の悪影響が危惧されるため、未解繊フィラーが存在するペレットは排除することが好ましい。そのため、ペレット中の未解繊フィラーの存在の有無の検査が重要となる。
一方、ペレットをそのままの状態でX線透視装置により観察し、内部の未解繊フィラーを観察することも考えられる。しかし、ペレットの肉厚部と、未解繊フィラーとはいずれもX線の透過量が少ないためコントラストがつきにくく、ペレットの肉厚部において未解繊フィラーの判別が困難である。また、未解繊フィラーの向きによっては、未解繊フィラーの像がはっきりしないことがある。
(1)熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製するステップAと、
マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、前記プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するステップBと、
を含む、繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
前記プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するX線透視装置と、
を有し、
前記X線透視装置が、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備える、繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査システム。
本実施形態の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法(以下、単に「検査方法」とも呼ぶ。)は、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製するステップAと、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するステップBと、を含むことを特徴としている。
以下、各ステップについて詳述する。
ステップAにおいては、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製する。
減圧する際の圧力としては、空隙の発生を防止するため、0.04~0.1MPaとすることが好ましい。
未解繊フィラーは、解繊が不十分であるため、繊維状フィラーの長手方向と直行する方向に多数の繊維状フィラーが束状となっており、繊維状フィラーのそれぞれの径面積よりも大きな面積を有する。この未解繊フィラーの端面形状は概ね長方形に近似できる場合があり、その長辺の方向がX線の透過する方向と同一の場合、X線透視装置で検出されるスポットは小さくなるため、検知が困難となる傾向がある。
しかし、X線の透過する方向に対して垂直方向に傾斜すると検知しやすくなる。すなわち、ペレットをプレスしてシート状にすることにより未解繊フィラーの端面長方形の長辺方向が視認されるように位置するため検知しやすくなる。
プレスする際の圧力は1~100kNとすることが好ましい。
なお、「未解繊フィラーの端面」は、未解繊フィラーの端部であって、解繊が不十分である繊維状フィラーが結合してできたものであるため実際には面ではないが、X線透視装置では面状に視認されることからも便宜上「端面」の語を用いる。
ステップBにおいては、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、ステップAで作製したプレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知する。当該検知は、人が目視で行ってもよいし、コンピュータによる画像認識により行ってもよい。
本実施形態の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査システムは、熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製する装置と、プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するX線透視装置と、を有し、X線透視装置が、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えることを特徴としている。
本実施形態の検査システムにおいては、既述の本実施形態の検査方法を実施するのに適したシステムである。
(プレスシートの作製)
熱可塑性樹脂(PPS樹脂)中にガラス繊維を含むペレットを26g準備した。次いで、図3に示すように、金属板上に、離型剤を塗布した離型シート(ポリイミドシート)を配置し、さらにその離型シート上に配置した型枠(高さ:2mm)内に、準備したペレットを充填した。ここで、充填したペレットの量は、ペレットの全体積と、型枠内の容積とが等しくなるように調整した。その後、型枠上に、上記離型シートと同じ離型シートを被せた。その状態で、真空加熱プレス装置(井元製作所(株)製、IMC-1AE4)に投入して真空ポンプにより減圧しつつ、3分50秒間予熱した。その後、温度340℃にて 金属板の下方からジャッキアップし圧力300kNとし10秒間保持した。その後、ジャッキによる加圧を解除し、真空ポンプを停止し、2枚の離型シートに挟まれたプレスシートを、治具を用いて真空加熱プレス装置から取り出した。冷却後、離型シートを剥離し、プレスシートを得た。以上の操作を3回繰り返し、3枚のプレスシートを得た。
X線透視装置として、(株)島津製作所製、SMX-1000(マイクロフォーカスX線及びフラットパネルセンサー搭載)を用い、上記のようにして得られたプレスシート3枚の画像観察を行った。得られた画像を図5(A)及び(B)に示す。図5より、未解繊フィラーと推定される像(図5において矢印で示す)が観察される。すなわち、図5において、(A)は2ヶ所、(B)は3ヶ所に未解繊フィラーの存在が確認できる。
なお、型枠へのペレット投入からX線透視装置による画像観察まで11分であった。また、使用したX線透視装置は、X線源としてマイクロフォーカスX線を、撮像センサーとして高解像度のフラットパネルセンサーを搭載しているため、未解繊フィラーの像がはっきりと視認された。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製するステップAと、
マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備えるX線透視装置を用い、前記プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するステップBと、
を含む、繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。 - 前記ステップAにおいて、前記複数のペレットを型枠内に投入して加熱溶融、減圧、及びプレスをする、請求項1に記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
- 前記複数のペレットの全体積を、前記型枠の内側の凹部の容積以上とする、請求項2に記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
- 前記ステップAにおいて、前記プレスシートの厚さを0.5~3.5mmとなるように作製する、請求項1~3のいずれか1項に記載の繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法。
- 熱可塑性樹脂中に繊維状フィラーを含有する複数のペレットを加熱溶融しつつ、減圧プレスしてプレスシートを作製する装置と、
前記プレスシート中の未解繊フィラーの有無を検知するX線透視装置と、
を有し、
前記X線透視装置が、マイクロフォーカスX線又はナノフォーカスX線のX線源と、撮像センサーとしてTDIセンサー又はフラットパネルセンサーとを備える、繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020013759A JP7356365B2 (ja) | 2020-01-30 | 2020-01-30 | 繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020013759A JP7356365B2 (ja) | 2020-01-30 | 2020-01-30 | 繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021120636A JP2021120636A (ja) | 2021-08-19 |
JP7356365B2 true JP7356365B2 (ja) | 2023-10-04 |
Family
ID=77269878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020013759A Active JP7356365B2 (ja) | 2020-01-30 | 2020-01-30 | 繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7356365B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070202314A1 (en) | 2004-04-30 | 2007-08-30 | Sambark Co., Ltd | Thermoplastic Compound Plate-Shaped Material, Method For Manufacturing And Articles Manufactured Using The Same |
WO2013133093A1 (ja) | 2012-03-09 | 2013-09-12 | 国立大学法人京都大学 | 変性ミクロフィブリル化植物繊維を含む樹脂組成物の製造方法、及びその樹脂組成物 |
WO2014080622A1 (ja) | 2012-11-21 | 2014-05-30 | パナソニック株式会社 | 複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法および3次元画像処理装置 |
JP2018111768A (ja) | 2017-01-11 | 2018-07-19 | 日信工業株式会社 | 繊維材料及び繊維材料の製造方法並びに複合材料及び複合材料の製造方法 |
JP2018161860A (ja) | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 東レ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物のペレットの製造方法 |
JP2019001938A (ja) | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 第一工業製薬株式会社 | 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法 |
-
2020
- 2020-01-30 JP JP2020013759A patent/JP7356365B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20070202314A1 (en) | 2004-04-30 | 2007-08-30 | Sambark Co., Ltd | Thermoplastic Compound Plate-Shaped Material, Method For Manufacturing And Articles Manufactured Using The Same |
WO2013133093A1 (ja) | 2012-03-09 | 2013-09-12 | 国立大学法人京都大学 | 変性ミクロフィブリル化植物繊維を含む樹脂組成物の製造方法、及びその樹脂組成物 |
WO2014080622A1 (ja) | 2012-11-21 | 2014-05-30 | パナソニック株式会社 | 複合材料中の繊維状フィラーの3次元画像処理方法および3次元画像処理装置 |
JP2018111768A (ja) | 2017-01-11 | 2018-07-19 | 日信工業株式会社 | 繊維材料及び繊維材料の製造方法並びに複合材料及び複合材料の製造方法 |
JP2018161860A (ja) | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 東レ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物のペレットの製造方法 |
JP2019001938A (ja) | 2017-06-16 | 2019-01-10 | 第一工業製薬株式会社 | 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
片山傳生,長繊維強化プラスチックを用いたトランスファ成形品の強化繊維の解繊状態の評価,第27回FRPシンポジウム講演論文集,1998年,pp.95-98 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021120636A (ja) | 2021-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Loh et al. | 3D printed metamaterial capacitive sensing array for universal jamming gripper and human joint wearables | |
US20200070404A1 (en) | Object made by additive manufacturing and method to produce said object | |
Guessasma et al. | Effect of printing temperature on microstructure, thermal behavior and tensile properties of 3D printed nylon using fused deposition modeling | |
WO2011068090A1 (ja) | 容器のシール不良検査方法および検査装置 | |
JP7356365B2 (ja) | 繊維状フィラー含有ペレット中の未解繊フィラーの検査方法及び検査システム | |
Fang et al. | Processing-structure-property relationships of bisphenol-A-polycarbonate samples prepared by fused filament fabrication | |
CN104937498A (zh) | 加压用旋转构件、其制造方法和加热装置 | |
US20120217382A1 (en) | Apparatus and method for producing a component and aircraft structure component | |
JP2010127702A (ja) | 絶縁性樹脂組成物中の金属粉異物の自動検知方法 | |
Berthe et al. | Passive infrared thermography measurement of transverse cracking evolution in cross‐ply laminates | |
Hintze et al. | Influence of processing on morphology in short aramid fiber reinforced elastomer compounds | |
Cuynet et al. | Damage characterisation of flax fibre fabric reinforced epoxy composites during low velocity impacts using high-speed imaging and Stereo Image Correlation | |
Wagner et al. | In-situ X-ray computed tomography of composites subjected to fatigue loading | |
JP6269925B2 (ja) | 炭素繊維強化複合材料の検査方法および検査装置 | |
CN115165894A (zh) | 一种激光增材制造在线检测方法 | |
Rifuggiato et al. | An investigation of the influence of 3d printing defects on the tensile performance of ABS material | |
Fang et al. | Estimations of the effective Young's modulus of specimens prepared by fused filament fabrication | |
US11504883B2 (en) | Resin particle producing method | |
Fahrenholz | The 2012 version of ISO 527 plastics: determination of tensile properties | |
Choong et al. | Role of processing history on the mechanical and electrical behavior of melt‐compounded polycarbonate‐multiwalled carbon nanotube nanocomposites | |
JP2010172672A (ja) | 固形製剤検査装置 | |
Amedewovo et al. | Deconsolidation of carbon fiber-reinforced PEKK laminates: 3D real-time in situ observation with synchrotron X-ray microtomography | |
Wu et al. | Carbon nanotube film interlayer for strain and damage sensing in composites during dynamic compressive loading | |
Cózar et al. | A novel methodology to measure the transverse Poisson’s ratio in the elastic and plastic regions for composite materials | |
CN108827218B (zh) | 一种红外检测Z-pin在复合材料层合板中植入角的装置及方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20221117 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230831 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230919 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230922 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7356365 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |